説明

外部電源から充電可能な電動車両

【課題】メインバッテリと補機バッテリを搭載した電動車両に外部電源から充電する際に、充電時間を短縮することが可能な技術を提供する。
【解決手段】本明細書は、外部電源から充電可能な電動車両を開示する。その電動車両は、モータに電力を供給するためのメインバッテリと、補機に電力を供給するための補機バッテリを備えている。その電動車両では、外部電源から充電する際に、メインバッテリへの通常充電が終了した後に、メインバッテリへの押込充電と補機バッテリへの充電を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部電源から充電可能な電動車両に関する。
【背景技術】
【0002】
外部電源からメインバッテリに電力を充電しておいて、その電力を利用してモータを駆動することで走行可能な電動車両が知られている。多くの場合、この種の電動車両は、モータを駆動するために高電圧を出力するメインバッテリとは別に、定格電圧が低い補機に電力を供給するために低電圧を出力する補機バッテリを備えている。特許文献1には、外部電源から供給される電力によって、メインバッテリと補機バッテリの双方に充電する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−36594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、外部電源から充電する際に、まず補機バッテリの充電を急速充電制御により実行し、補機バッテリの充電が完了すると、メインバッテリへの充電に注力する。従って、補機バッテリの充電が完了するまでは、メインバッテリへの充電に利用される電力が低減し、メインバッテリへの充電が完了するまでの時間が長引いてしまう。外部電源から充電する際には、例えば充電装置における電力損失など、種々の要因による電力損失が存在しており、充電時間が長引いてしまうと、それだけ電力損失も増大して、充電効率を低下させてしまうことになる。
【0005】
本明細書では上記課題を解決する技術を提供する。本明細書では、メインバッテリと補機バッテリを搭載した電動車両に外部電源から充電する際に、充電時間を短縮することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、外部電源から充電可能な電動車両を開示する。その電動車両は、モータに電力を供給するためのメインバッテリと、補機に電力を供給するための補機バッテリを備えている。その電動車両では、外部電源から充電する際に、メインバッテリへの通常充電が終了した後に、メインバッテリへの押込充電と補機バッテリへの充電を行う。
【0007】
なお、本明細書では、外部電源から電動車両へ供給可能な電力を最大限に利用した状態でメインバッテリへの充電を行うことを、メインバッテリへの通常充電という。メインバッテリへの通常充電は、いわゆる定電圧充電制御で行われることもあるし、定電力充電制御で行われることもある。また、本明細書では、メインバッテリへの通常充電の後に行われる、外部電源から電動車両へ供給可能な電力に余力のある状態でメインバッテリへの充電を行うことを、メインバッテリへの押込充電という。メインバッテリへの押込充電は、いわゆる定電流充電制御で行われることもあるし、定電力充電制御で行われることもある。
【0008】
上記の電動車両では、メインバッテリへの通常充電の際には、補機バッテリへの充電を行わないので、外部電源から供給可能な電力の大部分をメインバッテリの充電に利用することができる。メインバッテリの通常充電を短時間で行うことができる。その後、メインバッテリへの押込充電の際には、外部電源から供給可能な電力の余力を利用して補機バッテリへの充電を行う。メインバッテリへの押込充電と並行して補機バッテリへの充電を行っても、充電時間が長引いてしまうことはない。上記の電動車両によれば、メインバッテリと補機バッテリの双方への充電を短時間で完了することができるので、充電時の電力損失の影響を軽減し、充電効率を向上することができる。
【0009】
上記の電動車両は、外部電源から供給された電力を変換してメインバッテリおよび補機バッテリに供給される電力を出力する充電装置と、充電装置と補機バッテリの間に設けられた降圧回路をさらに備えており、外部電源から充電する際に、充電装置が出力する電力を高く、降圧回路の補機バッテリ側電圧を低く調整し、その後に、充電装置が出力する電力を低く、降圧回路の補機バッテリ側電圧を高く調整することが好ましい。例えば、外部電源から充電する際、まず、充電装置が出力する電力を予め定められた第1電力に調整するとともに降圧回路の補機バッテリ側電圧を予め定められた第1電圧に調整する。次いで、充電装置が出力する電力を第1電力よりも低い第2電力に調整するとともに降圧回路の補機バッテリ側電圧を第1電圧よりも高い第2電圧に調整する。
【0010】
上記の電動車両によれば、外部電源から充電する際に、まず充電装置が出力する電力を高くし、降圧回路の補機バッテリ側電圧を低く調整することで、補機バッテリへの充電を行わずに、メインバッテリへの通常充電を行うことができる。その後に、充電装置が出力する電力を低くし、降圧回路の補機バッテリ側電圧を高く調整することで、補機バッテリへの充電を行いながら、メインバッテリへの押込充電を行うことができる。充電装置や降圧回路は、外部電源からメインバッテリや補機バッテリへ充電を行う従来の電動車両にも用いられている。上記の電動車両によれば、充電時間を短縮するための新たな装置等を電動車両に追加することなく、既存の充電装置や降圧回路の動作を制御することによって、充電時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施例のハイブリッド自動車10の電力系のブロック図である。
【図2】従来技術における、外部電源48から供給された電力の配分を示す図である。
【図3】第1実施例における、外部電源48から供給された電力の配分を示す図である。
【図4】第2実施例のハイブリッド自動車100の電力系のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施例)
図面を参照して本実施例のハイブリッド自動車10を説明する。図1に、ハイブリッド自動車10の電力系のブロック図を示す。
【0013】
ハイブリッド自動車10は、エンジン(図示せず)の動力を利用して走行することもできるし、メインバッテリ12の電力を利用して走行することもできる。エンジンの動力を利用して走行する場合には、エンジンが発生させた動力の一部を駆動輪(図示せず)に直接伝達する一方、エンジンの動力の残りを用いて第1モータ14で発電し、第1モータ14が発電した電力で第2モータ16を駆動することで、駆動輪を回転させる。なお、エンジンを始動させる際には、メインバッテリ12からの電力を第1モータ14に供給し、第1モータ14をセルモータとして機能させる。メインバッテリ12の電力を利用して走行する場合には、メインバッテリ12からの電力で第2モータ16を駆動することで、駆動輪を回転させる。
【0014】
メインバッテリ12は、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池である。ハイブリッド自動車10は、エンジンの動力を用いて第1モータ14で発電し、第1モータ14で発電した電力をメインバッテリ12に充電することができる。また、走行中のハイブリッド自動車10が減速する際に、第2モータ16で回生発電し、第2モータ16で発電した電力をメインバッテリ12に充電することもできる。
【0015】
メインバッテリ12の電圧は、電圧センサ18により検出される。メインバッテリ12を流れる電流は、電流センサ20により検出される。本実施例の電流センサ20は、メインバッテリ12からの順電流(放電電流)の大きさを検出することもできるし、メインバッテリ12への逆電流(充電電流)の大きさを検出することもできる。
【0016】
メインバッテリ12はSMR(System Main Relays)22を介して電力系統に接続されている。SMR22は、メインスイッチ24、26と、プリチャージスイッチ28と、プリチャージ抵抗30を備えている。プリチャージスイッチ28とプリチャージ抵抗30は直列に接続されており、それらは、メインスイッチ26に対して並列に接続されている。SMR22は、いわゆるプリチャージ回路を構成している。
【0017】
第1DC/DCコンバータ32は、メインバッテリ12から供給される電力の電圧を、必要に応じて第1モータ14や第2モータ16の駆動に適した電圧まで昇圧する。また、第1DC/DCコンバータ32は、第1モータ14や第2モータ16が発電した電力の電圧を、メインバッテリ12への充電に適した電圧まで降圧することもできる。第1DC/DCコンバータ32は、昇圧回路ということもできるし、降圧回路ということもできる。本実施例では、メインバッテリ12の電圧は約300Vであり、第1モータ14および第2モータ16の駆動に用いる電圧は約600Vである。SMR22と第1DC/DCコンバータ32の間には、第1DC/DCコンバータ32の低圧側電圧を平滑化する第1平滑コンデンサ34が設けられている。
【0018】
三相インバータ36は、メインバッテリ12から供給される直流電力を、第1モータ14や第2モータ16の駆動のための三相交流電力に変換する。また、三相インバータ36は、第1モータ14や第2モータ16が発電した三相交流電力を、メインバッテリ12へ充電するための直流電力に変換することもできる。第1DC/DCコンバータ32と三相インバータ36の間には、第1DC/DCコンバータ32の高圧側電圧を平滑化する第2平滑コンデンサ38と、第2平滑コンデンサ38を放電するための放電抵抗40が設けられている。
【0019】
ハイブリッド自動車10は、パワーステアリングやエアコン等の補機42へ電力を供給する補機バッテリ44を備えている。補機バッテリ44は鉛電池等の二次電池である。本実施例では、補機バッテリ44の電圧は13V〜14.5Vである。SMR22と補機バッテリ44の間には、メインバッテリ12と補機バッテリ44の間で電圧を降圧する第2DC/DCコンバータ46が設けられている。第2DC/DCコンバータ46は、メインバッテリ12側の電圧を降圧して補機バッテリ44側へ出力する。後述するように、第2DC/DCコンバータ46の低圧側の出力電圧は、制御装置60によって変更することができる。第2DC/DCコンバータ46は、降圧回路ということもできる。
【0020】
ハイブリッド自動車10は、メインバッテリ12および補機バッテリ44に外部電源48から充電することもできる、いわゆるプラグイン・ハイブリッド自動車である。外部電源48は一般的な商用100V電源である。本明細書では、外部電源48からの充電をプラグイン充電ともいう。
【0021】
外部電源48からの充電は、EVSE(Electric Vehicle Supply Equipment)50を介して行う。EVSE50は、家庭用の交流100Vコンセントを介して外部電源48からの電力を取得する。EVSE50から伸びる充電プラグ52を、ハイブリッド自動車10のコネクタ54に接続することで、EVSE50から充電装置56に電力が供給される。
【0022】
充電装置56は、充電リレー58を介して、SMR22と第1DC/DCコンバータ32の間に接続されている。充電装置56は、変圧器、整流器および安定化回路等を備えており、EVSE50からの交流電力を所望の直流電力に変換して、ハイブリッド自動車10の電力系統に供給する。
【0023】
制御装置60は、第1DC/DCコンバータ32、三相インバータ36、第2DC/DCコンバータ46、充電装置56等の動作を制御する。
【0024】
以下では、ハイブリッド自動車10に外部電源48から充電する際の動作について説明する。外部電源48からメインバッテリ12に充電する際には、まず通常充電を行い、その後に押込充電を行う。
【0025】
メインバッテリ12への通常充電においては、充電装置56の出力電力が所定値(例えば3kW)となるように、充電装置56の動作が制御される。これにより、メインバッテリ12への通常充電が行われる。
【0026】
本実施例のハイブリッド自動車10では、上記のようなメインバッテリ12への通常充電を行っている間は、補機バッテリ44への充電を行わないようにする。具体的には、第2DC/DCコンバータ46の低圧側電圧(補機バッテリ44側の電圧)を、補機バッテリ44への充電がされない電圧、例えば補機バッテリ44の電圧下限値(例えば13V)に調整する。これによって、メインバッテリ12への通常充電を行っている間は、補機バッテリ44への充電が行われない。
【0027】
メインバッテリ12への通常充電が終了すると、次いでメインバッテリ12への押込充電を行う。本実施例では、メインバッテリ12へ充電される電力が目標値(例えば0.5kW)となるように、充電装置56の動作をフィードバック制御する。メインバッテリ12へ充電される電力は、電圧センサ18の検出値と電流センサ20の検出値から算出することができる。
【0028】
本実施例のハイブリッド自動車10では、上記のようなメインバッテリ12への押込充電と並行して、補機バッテリ44への充電を行う。具体的には、メインバッテリ12への押込充電が開始すると、第2DC/DCコンバータ46の低圧側電圧(補機バッテリ44側の電圧)を、補機バッテリ44への充電がなされる電圧、例えば補機バッテリ44の電圧上限値(例えば14.5V)に調整する。これによって、メインバッテリ12への押込充電と並行して、補機バッテリ44への充電が行われる。
【0029】
図2は、従来技術のように、メインバッテリ12への通常充電と並行して補機バッテリ44への充電を行う場合の、外部電源48からEVSE50を介して供給される電力の配分を示している。EVSE50から供給される電力の一部は、充電装置56や第2DC/DCコンバータ46等における消費電力(図2における「システム損失」)と、補機42における消費電力(図2における「補機消費」)に費やされる。EVSE50から供給される電力の残りが、メインバッテリ12や補機バッテリ44の充電に用いられる。メインバッテリ12の充電に利用される電力が多いほど、通常充電は短時間で終了する。しかしながら、メインバッテリ12への通常充電と並行して補機バッテリ44への充電を行うと、メインバッテリ12の充電に利用される電力が低減してしまい、それだけ充電時間が長引いてしまうことになる。充電時間が長引くことにより、上記のシステム損失や補機消費が増大し、充電効率が低下してしまう。
【0030】
図3は、本実施例のように、メインバッテリ12への押込充電と並行して補機バッテリ44への充電を行う場合の、外部電源48からEVSE50を介して供給される電力の配分を示している。通常充電と異なり、押込充電においては、メインバッテリ12の充電に利用される電力はもともと小さく、EVSE50から供給可能な電力に余力がある。そのため、メインバッテリ12への押込充電と並行して補機バッテリ44への充電を行っても、充電時間が長引いてしまうことがない。短時間で充電を完了することができるので、上記のシステム損失や補機消費を低減し、充電効率を向上することができる。
【0031】
なお、本実施例のように、EVSE50からのプラグイン充電によって補機バッテリ44への充電を行っておくことで、ハイブリッド自動車10の走行中に、第1モータ14や第2モータ16が回生発電した電力で補機バッテリ44を充電する機会が少なくなる。これにより、ハイブリッド自動車10の航続可能距離を伸ばすことができる。
【0032】
(第2実施例)
以下では図4を参照しながら、本実施例のハイブリッド自動車100について説明する。本実施例のハイブリッド自動車100は、第1実施例のハイブリッド自動車10とほぼ同様の構成を備えている。以下では本実施例のハイブリッド自動車100について、第1実施例のハイブリッド自動車10とは相違する特徴について説明する。
【0033】
本実施例のハイブリッド自動車100では、充電装置56が、充電リレー58を介して、メインバッテリ12とSMR22の間に接続されている。このような構成とすることで、SMR22が遮断した状態、すなわちメインバッテリ12が電力系統から切り離された状態のまま、メインバッテリ12への充電を行うことが可能となる。
【0034】
また、本実施例のハイブリッド自動車100では、充電装置56の出力が、第3DC/DCコンバータ70を介して、第2DC/DCコンバータ46と補機バッテリ44の間に接続されている。このような構成とすることで、SMR22が遮断されてメインバッテリ12が電力系統から切り離されており、従って第2DC/DCコンバータ46が動作できない状態においても、補機バッテリ44への充電を行うことが可能となる。
【0035】
本実施例のハイブリッド自動車100では、プラグイン充電における補機バッテリ44への充電の制御を、第3DC/DCコンバータ70によって行う。すなわち、メインバッテリ12への通常充電を行う際には、第3DC/DCコンバータ70の低圧側電圧(補機バッテリ44側の電圧)を、補機バッテリ44への充電がされない電圧、例えば補機バッテリ44の電圧下限値(例えば13V)に調整する。これによって、メインバッテリ12への通常充電を行っている間は、補機バッテリ44への充電が行われない。
【0036】
また、メインバッテリ12への押込充電を行う際には、第3DC/DCコンバータ70の低圧側電圧(補機バッテリ44側の電圧)を、補機バッテリ44への充電がなされる電圧、例えば補機バッテリ44の電圧上限値(例えば14.5V)に調整する。これによって、メインバッテリ12への押込充電と並行して、補機バッテリ44への充電が行われる。
【0037】
実施例で説明した技術に関する留意点を述べる。実施例のハイブリッド自動車10、100は、メインバッテリ12と補機バッテリ44を備える。メインバッテリ12は、走行用の駆動力を出力するモータ(第1モータ14と第2モータ16)に供給する電力を蓄えるバッテリである。補機バッテリ44は、補機に供給する電力を蓄えるバッテリである。補機とは、駆動電圧がモータの駆動電圧よりも低い電気デバイスの総称であり、例えば、パワーステアリングやエアコンなどである。補機バッテリ44の出力電圧(実施例では13V〜14.5V)は、メインバッテリ12の出力電圧(実施例では300V)よりも低い。
【0038】
ハイブリッド車10、100は、外部電源を使ってメインバッテリ12と補機バッテリ44を充電することができる。充電のためのデバイスとして、車両外部から供給される交流電力を、メインバッテリ12の出力電圧よりも高い電圧の直流電力に変換するACDCコンバータ(充電装置56)と、ACDCコンバータの出力電圧を降圧する降圧コンバータ(第2DC/DCコンバータ46あるいは第3DC/DCコンバータ70)を備える。ACDCコンバータの出力は、メインバッテリ12と、降圧コンバータの高電圧側に接続されている。降圧コンバータの低電圧側は、補機バッテリ44に接続されている。ハイブリッド車10、100は、充電開始からの第1期間の間、降圧コンバータの低電圧側の出力電圧を補機バッテリ44の出力電圧よりも低い第1電圧に設定してメインバッテリ12だけを充電する。その状態での所定期間の充電の後、ハイブリッド車10、100は、降圧コンバータの低電圧側の出力電圧を補機バッテリ44の出力電圧よりも高い第2電圧に設定し、メインバッテリ12とともに補機バッテリ44を充電する。
【0039】
また、ハイブリッド車10、100は、第1期間の間、降圧コンバータの低電圧側出力電圧を補機バッテリ44の電圧よりも低い第1電圧に設定するとともに、充電装置56が出力する電力の大きさを第1電力(実施例では3kW)に設定する。そして、第1期間に続く期間では、降圧コンバータの低電圧側出力電圧を補機バッテリ44の出力電圧よりも高い第2電圧に設定するとともに、充電装置56が出力する電力の大きさを第1電力よりも低い第2電力(実施例では、メインバッテリ充電分の0.5kW+補機バッテリ充電分の電力であり、例えば1.0kWである)に設定する。第1の期間が実施例における通常充電の期間に相当し、第1の期間に続く期間が実施例における押込充電の期間に相当する。第1期間において充電装置56が出力する第1電力は、充電装置56が出力可能な最大値であることが好ましいが、これに限られるものではない。
【0040】
以上の実施例においては、電動車両がハイブリッド自動車10,100である場合を例として説明したが、本明細書が開示する技術は、電動車両がエンジンを備えていない電気自動車である場合についても適用することも可能である。
【0041】
以上の実施例においては、メインバッテリ12への通常充電が定電力充電制御により行われる場合について説明したが、メインバッテリ12への通常充電は定電圧充電制御により行われてもよい。
【0042】
以上の実施例においては、メインバッテリ12への押込充電が定電力充電制御により行われる場合について説明したが、メインバッテリ12への押込充電は定電流充電制御により行われてもよい。
【0043】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0044】
10,100 ハイブリッド自動車
12 メインバッテリ
14 第1モータ
16 第2モータ
18 電圧センサ
20 電流センサ
22 SMR
24,26 メインスイッチ
28 プリチャージスイッチ
30 プリチャージ抵抗
32 第1DC/DCコンバータ
34 第1平滑コンデンサ
36 三相インバータ
38 第2平滑コンデンサ
40 放電抵抗
42 補機
44 補機バッテリ
46 第2DC/DCコンバータ
48 外部電源
50 EVSE
52 充電プラグ
54 コネクタ
56 充電装置
58 充電リレー
60 制御装置
70 第3DC/DCコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から充電可能な電動車両であって、
モータに電力を供給するためのメインバッテリと、
補機に電力を供給するための補機バッテリを備えており、
外部電源から充電する際に、メインバッテリへの通常充電が終了した後に、メインバッテリへの押込充電と補機バッテリへの充電を行う電動車両。
【請求項2】
外部電源から供給された電力を変換して、メインバッテリおよび補機バッテリに供給される電力を出力する充電装置と、
充電装置と補機バッテリの間に設けられた降圧回路をさらに備えており、
外部電源から充電する際に、充電装置が出力する電力を高く、降圧回路の補機バッテリ側電圧を低く調整し、その後に、充電装置が出力する電力を低く、降圧回路の補機バッテリ側電圧を高く調整する、請求項1の電動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−110914(P2013−110914A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255935(P2011−255935)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】