説明

多孔質材

【課題】冷却される基材のうち、高温に曝される部分上に自己組織化によって形成可能な多孔質層を好適に形成し、断熱材として利用可能な多孔質材を提供する。
【解決手段】多孔質材10Aは、冷却される基材20のうち、高温に曝される部分である表面20a上に成膜され、自己組織化によって形成される第1の多孔質層11と、焼成後の中空のセラミックス粒子111および接合剤112を混練した素材であるセラミック材料を第1の多孔質層11の上に成膜し、セラミックス粒子111の焼成温度Thよりも低い温度Tbで焼成することで形成した第2の多孔質層12とを備える。第1の多孔質層11は具体的にはメソポーラスシリカ薄膜であり、自己組織化によって多孔質構造の形成と基材20への接合とが行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多孔質材に関し、特に冷却される基材のうち、高温に曝される部分上に形成する多孔質材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多孔質材は断熱性が高いことで知られている。また従来、セラミック材料を用いて断熱性の高い薄膜を基材上に形成する技術が知られている。特許文献1は、樹脂の周りを無機化合物の層で覆った粒子を利用して、気泡が多数形成された薄膜を形成する技術を開示している。また、第1の塗布および加熱行程で断熱用材料を含む第1の薄膜を塗布および焼成し、第2の塗布および加熱行程で第2の薄膜を塗布および焼成する技術を開示している。非特許文献1は、気相法によるメソポーラスシリカ薄膜の合成について開示している。
【0003】
特許文献2は、第1の温度で焼成させたセラミックス系焼成磁性粉体と、セラミックス系磁性粉体を含んだセラミックスグリーンシートを、第1の温度より低い第2の温度で焼成させる技術を開示している。特許文献3は、発泡性原料と非発泡性原料とを層状に積層成形した後、焼成する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−257747号公報
【特許文献2】特開2002−147262号公報
【特許文献3】特開平6−330752号公報
【特許文献4】特開2009−144521号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】田中俊輔、「気相法によるメソポーラスシリカ薄膜の合成」、理工学と技術、2007年、第l4巻、第1号、p27−32
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
セラミック材料を用いた薄膜は、断熱材として用いることができる。しかしながら、薄膜が焼成温度以上の温度に曝されると、焼成や焼結が進行する。そしてこれにより、薄膜が収縮および変形する結果、割れや剥離が生じることがある。
【0007】
このため、基材のうち、高温に曝される部分上に第1の薄膜を形成し、その上に第1の薄膜とは異なる第2の薄膜を形成する場合、使用時に高温に曝される第2の薄膜は、通常高い焼成温度を必要とする。一方、第1の薄膜は、使用時に高温に直接曝されることがない点では、第2の薄膜よりも低い焼成温度で焼成できることになる。ところが、第1の薄膜には、第2の薄膜焼成時に熱が伝わる結果、割れや剥離が生じる可能性もある。このため第1の薄膜も、第2の薄膜の焼成温度に応じてある程度高い焼成温度で焼成する必要性が生じる。
【0008】
この点、自己組織化によって形成される多孔質層を第1の薄膜とする場合、基材との接合を自己組織化によって行うことで、簡便で強固な密着を実現できる。ところが、それにも関わらず、第1の薄膜も、第2の薄膜の焼成温度に応じた比較的高い焼成温度を必要とするのでは、自己組織化のメリットを十分に活かすことができない。
【0009】
本発明は上記課題に鑑み、冷却される基材のうち、高温に曝される部分上に自己組織化によって形成可能な多孔質層を好適に形成し、断熱材として利用可能な多孔質材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は冷却される基材のうち、高温に曝される部分上に成膜され、自己組織化によって形成される第1の多孔質層と、焼成後の中空のセラミックス粒子および接合剤を混練した素材を前記第1の多孔質層の上に成膜し、前記セラミックス粒子の焼成温度よりも低い温度で焼成することで形成した第2の多孔質層とを備えた多孔質材である。
【0011】
また本発明は前記素材を成膜する前に、自己組織化によって形成された前記第1の多孔質層を前記第2の多孔質層の焼成温度よりも低い温度で焼成し、使用時の表面温度および背面温度と、前記第2の多孔質層の焼成温度とに基づいて、前記第1および第2の多孔質層の膜厚割合を設定した構成であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、冷却される基材のうち、高温に曝される部分上に自己組織化によって形成可能な多孔質層を好適に形成し、断熱材として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】多孔質材の第1の作製方法を示す模式図である。
【図2】多孔質材の第2の作製方法を示す模式図である。
【図3】適切な膜厚と温度との関係の説明図である。
【図4】第1の多孔質層の多孔質構造を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を用いて、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は多孔質材10Aの作製方法(第1の作製方法)を示す模式図である。第1の作製方法は、第1の多孔質層11を基材20上に成膜する第1の工程P1と、セラミック材料(素材)を第1の多孔質層11上に成膜する第2の工程P2と、第1の多孔質層11上に成膜したセラミック材料を焼成し、第2の多孔質層12を形成する第3の工程P3とを有している。
【0016】
第1の工程P1では、冷却される基材20のうち、高温に曝される部分である表面20a上に第1の多孔質層11を成膜する。第1の多孔質層11は具体的にはメソポーラスシリカ薄膜であり、自己組織化によって多孔質構造の形成と基材20への接合とが行われる。そしてこの結果、表面20a上に第1の多孔質層11が形成される。
【0017】
メソポーラスシリカ薄膜は界面活性剤とシリカとの自己組織化により有機−無機複合体を形成させ、その後に鋳型となっている界面活性剤を焼却や抽出除去することで作製できる。界面活性剤としては、イオン性界面活性剤や非イオン性のブロック共重合体などを用いることができる。メソポーラスシリカ薄膜は例えば蒸発誘起自己集合(Evaporation-Introduced Self-Assembly:EISA)法で作製することができる。メソポーラスシリカ薄膜は界面活性剤にシリカ源(シリコンアルコキシド)蒸気を接触させることによって界面活性剤−シリカ複合体を得る気相法で作製されてもよい。
【0018】
基材20は金属である。基材20には例えば表面20aを燃焼室壁面とするエンジンのシリンダブロックやシリンダヘッドを適用できる。このとき基材20は例えばエンジンの冷却水やオイルで冷却できる。なお、基材20の冷却は、使用時に基材20との接合面側で第1の多孔質層11に割れや剥離が発生することを防止できればよい。この点、基材20の冷却は例えば放冷による単なる自然冷却であってもよい。
【0019】
第2の工程P2では、セラミックス粒子111と接合剤112とを混練したセラミック材料を第1の多孔質層11上に成膜する。接合剤112は、各セラミックス粒子111間に介在し、セラミックス粒子111同士を互いに接合する。また、セラミックス粒子111の焼結を助長する。セラミックス粒子111には、例えばAl,SiC,SiN,AlN等のエンジニアリングセラミックスを適用できる。接合剤112には、例えば二酸化ケイ素(シリカ,SiO)を主成分とするものを適用できる。
【0020】
セラミックス粒子111は予め焼成されている。そしてこれにより、セラミックス粒子111を予め熱収縮させている。セラミックス粒子111を予め熱収縮させることで、焼成時にセラミック材料の収縮および変形を抑制できる。また、セラミック材料の焼成後、使用時に第2の多孔質層12の収縮および変形を抑制できる。
【0021】
セラミックス粒子111は中空となっている。そしてこれにより、第2の多孔質層12が多孔質構造となるようにしている。第2の工程P2では、自己組織化による第1の多孔質層11の形成が進行している間にセラミック材料を成膜する。
【0022】
第3の工程P3では、セラミックス粒子111の焼成温度Thよりも低い温度Tbでセラミック材料を焼成することで、第2の多孔質層12を形成する。したがって換言すれば、セラミックス粒子111は、セラミック材料の焼成温度Tbよりも高い温度Thで予め焼成されている。セラミックス粒子111を予め高温焼成することで、収縮および変形を抑制しつつ、セラミック材料を低温焼成することができる。第3の工程P3では、自己組織化による第1の多孔質層11の形成が進行している間にセラミック材料を焼成する。
【0023】
次に多孔質材10Aの作用効果について説明する。多孔質材10Aでは、第2の多孔質層12を形成するにあたり、焼成後のセラミックス粒子111を混練したセラミック材料を用いている。このため、焼成温度Thよりも低い焼成温度Tbで、収縮および変形を抑制しつつセラミック材料を低温焼成できる。そしてこれにより、セラミック材料焼成時に第1の多孔質層11に伝わる熱を減少させることができる。結果、セラミック材料焼成時に第1の多孔質層11に割れや剥離が生じることを抑制できる。
【0024】
また、多孔質材10Aでは、中空のセラミックス粒子111を混練したセラミック材料を用いて第2の多孔質層12を形成している。このため、第2の多孔質層12の断熱性を高めることができる。そしてこれにより、使用時に第1の多孔質層11に伝わる熱を減少させることができる。結果、使用時に第1の多孔質層11に割れや剥離が生じることも抑制できる。
【0025】
そしてこれにより、多孔質材10Aは第1の多孔質層11の焼成を不要化することができる。結果、第1の多孔質層11を形成するにあたり、自己組織化のメリットを十分に活かすことができる。このため、多孔質材10Aは、冷却される基材20のうち、高温に曝される表面20a上に自己組織化によって形成可能な第1の多孔質層11を好適に形成し、断熱材として利用することができる。
【0026】
また、メソポーラスシリカ薄膜の膜厚は通常、数十から数百nm程度であるところ、例えばエンジンの燃焼室を好適に断熱するには断熱材の膜厚が数百μm程度必要となる。すなわち、基材20の具体的な構成によっては、第1の多孔質層11のみでは断熱能力が不足してしまうことがある。これに対し、多孔質材10Aは第1の多孔質層11を第2の多孔質層12と組み合わせて用いることで、第2の多孔質層12によって断熱に必要な膜厚も確保できる。
【0027】
また多孔質材10Aは、自己組織化による第1の多孔質層11の形成が進行している間に、第1の多孔質層11上にセラミック材料を成膜するとともに焼成することで、第2の多孔質層12を形成する。このため、多孔質層11、12の接合を自己組織化によっても行える。また、多孔質材10Aは多孔質層11、12がともに多孔質構造となっているため、全体としても高い断熱性を備えることができる。
【実施例2】
【0028】
図2は多孔質材10Bの作製方法(第2の作製方法)を示す模式図である。第2の作製方法は第1の工程P1の次に追加工程P1´をさらに有している。また、第2の工程P2の代わりにP2´を、第3の工程P3の代わりにP3´を有している。これらの点以外、第2の作製方法は第1の作製方法と実質的に同一である。また、多孔質材10Bは第2の作製方法によって作製される点以外、多孔質材10Aと実質的に同一である。
【0029】
追加工程P1´は第1の多孔質層11を焼成する工程である。具体的には追加工程P1´では、セラミック材料を表面20aに成膜する前に、自己組織化によって第1の多孔質層11を形成し、形成した第1の多孔質層11を低温焼成する。また、低温焼成するにあたっては、第2の多孔質層12の焼成温度Tbよりも低い温度Tcで焼成する。
【0030】
このため、第2の工程P2´では、第1の多孔質層11上にセラミック材料を成膜するにあたり、追加工程P1´後にセラミック材料を成膜する。また、第3の工程P3´では、セラミック材料を焼成するにあたり、追加工程P1´を経た第2の工程P2´後に、セラミック材料を焼成する。すなわち、工程P2´、P3´では自己組織化による第1の多孔質層11の形成が済んだ後、且つ焼成が行われた後にセラミック材料の成膜および焼成を行う。これらの点以外、工程P2´、P3´は工程P2、P3と実質的に同一である。
【0031】
次に多孔質材10Bの作用効果について説明する。ここで、第1の多孔質層11の焼成を不要化するには、セラミック材料焼結時や使用時に第1の多孔質層11に伝わる熱を十分減少させる必要がある。このため、多孔質材10Aで第2の多孔質層12の膜厚を設定するにあたっては、この点も考慮して、膜厚を厚めに設定する必要がある。
【0032】
これに対し、多孔質材10Bはセラミック材料を表面20aに成膜する前に、第1の多孔質層11を低温焼成する。そしてこれにより、多孔質材10Aの場合と比較して、第2の多孔質層12の膜厚を薄く設定しつつも、セラミック材料焼結時や使用時に第1の多孔質層11に割れや剥離が生じることを抑制できる。
【実施例3】
【0033】
本実施例では、多孔質材10Bにおける多孔質層11、12の膜厚割合の設定方法について説明する。図3は適切な膜厚と温度との関係の説明図である。図3に示すグラフの縦軸は多孔質材10Bの温度、横軸は膜厚方向に沿った多孔質材10Bの表面からの位置を示す。図3では、多孔質材10B、基材20をグラフの横軸に対応させて示している。第1の膜厚d1は第1の多孔質層11の膜厚、第2の膜厚d2は第2の多孔質層12の膜厚である。
【0034】
ここで、多孔質材10Bの使用時の表面温度は、焼成温度Thの設定により、焼成温度Thよりも低くなるようになっている。第2の多孔質層12の収縮および変形を抑制するためである。また、多孔質材10Bの使用時の背面温度は、基材20の冷却により、焼成温度Tcよりも低くなるようになっている。焼成温度Tcで基材20に焼成し、接合した第1の多孔質層11が、基材20側で割れたり剥離したりすることを防止するためである。
【0035】
このため、適切な膜厚について考えるにあたり、ここでは最も条件が厳しい場合として、使用時の表面温度が第2の多孔質層12にとっての最高使用温度相当の温度である焼成温度Thの場合を考える。また、使用時の背面温度が第1の多孔質層11にとっての最高使用温度相当の温度である焼成温度Tcの場合を考える。なお、使用時の表面温度および背面温度は、使用時に実際に到達する最高表面温度および最高背面温度であってもよい。
【0036】
多孔質材10Bでは、多孔質層11、12の接合面の温度を焼成温度Tbよりも低くする必要がある。焼成温度Tbで第1の多孔質層11に焼成し、接合した第2の多孔質層12が、多孔質層11、12の接合面側で割れたり剥離したりすることを防止するためである。これに対し、適切な膜厚について考えるため、第1の多孔質層11における使用時の温度変化がTb−Tcとなるように第1の膜厚d1を設定するとする。また、第2の多孔質層12における使用時の温度変化がTh−Tbとなるように第2の膜厚d2を設定するとする。
【0037】
このような温度変化を実現できるように膜厚d1、d2を設定した場合、多孔質材10Bの温度はグラフに示すように膜厚方向に沿った位置に応じて線形的に変化する。このため、多孔質層11、12の膜厚割合d2/d1は、相似関係に基づき、多孔質層11、12における使用時の温度変化の割合(Th−Tb)/(Tb−Tc)で表すことができる。
【0038】
そして、多孔質層11、12の接合面の温度を焼成温度Tbよりも低くするには、膜厚割合d2/d1と温度変化の割合(Th−Tb)/(Tb−Tc)とが等しくなる場合よりも、第2の膜厚d2を増大させればよい。このため、多孔質材10Bでは、次の式(1)に基づき、多孔質層11、12の膜厚割合d2/d1を設定する。そしてこれにより、使用時の表面温度および背面温度と、第2の多孔質層12の焼成温度Tbとに基づいて、多孔質層11、12の膜厚割合d2/d1を設定する。
d2/d1>(Th−Tb)/(Tb−Tc)・・・(1)
【0039】
式(1)は、具体的には使用時の表面温度および背面温度と、第2の多孔質層12の焼成温度Tbとに基づいて、焼成温度Tbから背面温度を引いて得た第1の差と、表面温度から焼成温度Tbを引いて得た第2の差とを求め、第1の差に対する第2の差の割合よりも、第1の膜厚d1に対する第2の膜厚d2の割合が大きくなるように、多孔質層11、12の膜厚割合を設定することを示している。
【0040】
次に本実施例における多孔質材10Bの作用効果について説明する。多孔質材10Bは上述したように多孔質層11、12の膜厚割合を設定することで、熱劣化に対する多孔質層11、12の膜厚の適正化を図ることができる。すなわち、多孔質層11、12の膜厚を不適切に薄く設定することで、多孔質材10Bが熱劣化することを抑制できる。
【0041】
また、使用時の表面温度および背面温度を使用時の最高表面温度および最高背面温度とすることで、実際の使用状態に即したかたちで多孔質材10Bの熱劣化を抑制できる。一方、使用時の表面温度および背面温度を焼成温度ThおよびTcとすることで、多孔質層11、12の使用限度の観点から熱劣化を抑制できる点で、より確実に多孔質材10Bの熱劣化を抑制できる。
【実施例4】
【0042】
本実施例では、多孔質材10Aまたは10Bにおける第1の多孔質層11の多孔質構造について説明する。図4は第1の多孔質層11の多孔質構造を例示する図である。第1の多孔質層11は前述の通りメソポーラスシリカ薄膜であり、多孔質構造の形成には、界面活性剤の液晶相形成によって構造規則性が付与されている。
【0043】
例えばセチルトリメチルアンモニウムプロミド(正電荷を有するアンモニウム塩)を界面活性剤とした場合、第1の多孔質層11の多孔質構造は界面活性剤濃度によって、(a)に示すキュービック構造や、(b)に示すヘキサゴナル構造や、(c)に示すラメラ構造に変化する。
【0044】
これらの多孔質構造は高い比面積を有している。また、これらの多孔質構造では、均一細孔の配列が極めて高い規則性を持ってナノオーダーで配列される。そして、メソポーラスシリカ薄膜である第1の多孔質層11は、これらの多孔質構造を自己組織化によって形成できる。このため、メソポーラスシリカ薄膜である第1の多孔質層11は断熱材として利用するにあたって好適である。
【0045】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0046】
多孔質材 10A、10B
第1の多孔質層 11
第2の多孔質層 12
基材 20
表面 20a
セラミックス粒子 111
接合剤 112


【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却される基材のうち、高温に曝される部分上に成膜され、自己組織化によって形成される第1の多孔質層と、
焼成後の中空のセラミックス粒子および接合剤を混練した素材を前記第1の多孔質層の上に成膜し、前記セラミックス粒子の焼成温度よりも低い温度で焼成することで形成した第2の多孔質層とを備えた多孔質材。
【請求項2】
請求項1記載の多孔質材であって、
前記素材を成膜する前に、自己組織化によって形成された前記第1の多孔質層を前記第2の多孔質層の焼成温度よりも低い温度で焼成し、
使用時の表面温度および背面温度と、前記第2の多孔質層の焼成温度とに基づいて、前記第1および第2の多孔質層の膜厚割合を設定した多孔質材。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−87347(P2012−87347A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233706(P2010−233706)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】