説明

多層らせん構造のコモンモードフィルタ及びその製造方法

【課題】 コモンモードインピーダンスの上昇又はカットオフ周波数の制御を顕著化させる小型のコモンモードフィルタを提供する。
【解決手段】 第1のコイル31と、第2のコイル51と、第3のコイル71と、第4のコイル91とを備えた多層らせん構造のコモンモードフィルタ100である。第1のコイル31は第3のコイル71に直列接続されており、そして第2のコイル51は第4のコイル91に直列接続されている。第2のコイル51は第1のコイル31と第3のコイル71との間に配設されており、そして第3のコイル71は第2のコイル51と第4のコイル91との間に配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコモンモードフィルタに関し、特に積層式のコモンモードフィルタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コモンモードノイズ(common mode noise)はすべての導線上にて、同一方向で伝送されるノイズである。コモンモードノイズを抑制するために、当該ノイズを伝送する配線上にコモンモードフィルタ(common mode filter or choke)を配設することができる。従来、コモンモードフィルタは主に鉄芯上に同じ巻数の二組のコイル部材を巻回して構成されている。コモンモード電流がコモンモードフィルタを流れると、二つのコイルに同方向の磁界が発生して、コモンモードフィルタに高いインピーダンス(impedance)が現れて、コモンモード電流を抑制する効果を達成する。
【0003】
携帯型電子機器の需要に応えるべく、チップ型のコモンモードフィルタが開発されている。特許文献1では、二つのコイル導線層(coil conductor layers)と、二つのリード線電極層(lead―out electrode layers)と、複数の絶縁層(insulation layers)と、二つの磁性層(magnetic layers)とを備えたチップ型コモンモードフィルタが開示されている。各コイル導電層は一つのコイルを備えており、二つのリード線電極層は、外部に電気的に接続するために、二つのコイル内における端部をチップ型コモンモードフィルタの縁部にそれぞれ延出している。絶縁層はコイル導電層とリード線電極層とを電気的に隔離するために用いられている。コイル導電層、リード線電極層及び絶縁層は二つの磁性層の間に配設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7,145,427B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
寸法の大きさの制限から、上記したチップ型コモンモードフィルタは通常、再度コイル構造を調整することで、コモンモードインピーダンス(common mode impedance)の上昇又はカットオフ周波数(cut off frequency)の制御を顕著化させることは難しい。もしコイルの巻数を増やす方式でコモンモードインピーダンスを上昇させると、チップ型コモンモードフィルタの実装時に必要な面積が広くなってしまい、携帯型電子機器に応用するのに不利となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、多層らせん構造のコモンモードフィルタは、第1のコイルと、第2のコイルと、第3のコイルと、第4のコイルとを備えている。第1のコイルは第3のコイルに直列接続されており、そして第2のコイルは第4のコイルに直列接続されている。第2のコイルは第1のコイルと第3のコイルとの間に設けられており、第3のコイルは第2のコイルと第4のコイルとの間に設けられている。
【0007】
本発明の一態様によれば、多層らせん構造のコモンモードフィルタの製造方法は、内端部と外端部とを有する第1のコイルを基板上に形成するステップと、第1の絶縁層を形成して、前記第1のコイルを被覆するステップと、第2のコイルを前記第1の絶縁層上に形成するステップと、第2の絶縁層を形成して、前記第2のコイルを被覆するステップと、第1のコンタクトホールを形成して、前記第1のコイルの前記内端部又は前記外端部を露出させるステップと、前記第1のコンタクトホールに第1の金属を充填して、第1の導電性スタッドを形成するステップと、内端部と外端部を有する第3のコイルを前記第2の絶縁層上に形成するステップであり、前記第3のコイルの前記内端部又は前記外端部が前記第1の導電性スタッドに接続されるステップと、第3の絶縁層を形成して、前記第3のコイルを被覆するステップと、第2のコンタクトホールを形成して、前記第2のコイルの前記内端部又は前記外端部を露出させるステップと、前記第2のコンタクトホールに第2の金属を充填して、第2の導電性スタッドを形成するステップと、内端部と外端部を有する第4のコイルを前記第3の絶縁層上に形成するステップであり、前記第4のコイルの前記内端部又は前記外端部が前記第2の導電性スタッドに接続されるステップと、を含む。
【0008】
上記において、本発明の技術的特徴及び長所がすでにかなり広汎に概略的に記述されることで、下記する本発明の詳細な説明はより良く理解され得る。本発明の特許請求の範囲の標的を構成するその他の技術的特徴及び長所は下記に記述する。本発明の技術分野における当業者であれば、下記に開示する技術的思想及び特定の態様を利用して、その他構造又は製造工程を修正又は設計することで、本発明と同じ目的は容易に実現できることを理解するはずである。本発明の技術分野における当業者はまた、これら等価の構造は別紙の特許請求の範囲にて限定する本発明の技術的思想及び範囲から離れることはできないことも理解するはずである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様におけるコモンモードフィルタは最大インピーダンス値が高く、そして同じインピーダンス値においては、周波数帯域が広い。したがって、多層らせん構造を備えたコモンモードフィルタは、確実に従来のコモンモードフィルタよりも優れた性能を示している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一態様におけるコモンモードフィルタの分解概略図。
【図2】図1のコモンモードフィルタの断面概略図。
【図3】本発明の他の態様におけるコモンモードフィルタの断面概略図。
【図4】本発明の他の態様におけるコモンモードフィルタの断面概略図。
【図5】本発明の他の態様におけるコモンモードフィルタの断面概略図。
【図6】断面概略図であって、図1の態様のコモンモードフィルタの製造工程手順を示す。
【図7】断面概略図であって、図6に続く製造工程手順を示す。
【図8】断面概略図であって、図7に続く製造工程手順を示す。
【図9】断面概略図であって、図8に続く製造工程手順を示す。
【図10】断面概略図であって、図9に続く製造工程手順を示す。
【図11】本発明の一態様におけるコモンモードフィルタのインピーダンス値と周波数との関係グラフ。
【図12】公知のコモンモードフィルタのインピーダンス値と周波数との関係グラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は一面において、二つのコイル組を備えたコモンモードフィルタを開示している。各コイル組は直列接続された複数のコイルを備えており、このうち隣接するコイルは絶縁層により隔離されている。二つのコイル組のコイルは交互に積層されている。コイル組の巻数を増やすと、コモンモードフィルタのコモンモードインピーダンスを高めて、ディファレンスモード信号のカットオフ周波数を効果的に抑制できる。また、各コイル組の巻数は増やしても、コモンモードフィルタに必要な面積は変わらないようにすることができる。
【0012】
図1には、本発明の一態様におけるコモンモードフィルタ100の分解概略図を示す。図1を参照する。コモンモードフィルタ100は第1のコイル層3と、第2のコイル層5と、第3のコイル層7と、第4のコイル層9とを備えており、このうち第1のコイル層3は第1のコイル31を備えており、第2のコイル層5は第2のコイル51を備えており、第3のコイル層7は第3のコイル71を備えており、第4のコイル層9は第4のコイル91を備えている。第1のコイル31と第3のコイル71とは直列接続されており、第2のコイル51と第4のコイル91とは直列接続されている。第2のコイル51は第1のコイル31と第3のコイル71との間に配設されており、第3のコイル71は第2のコイル51と第4のコイル91との間に配設されている。直列接続されている第1のコイル31及び第3のコイル71と、直列接続されている第2のコイル51及び第4のコイル91は電磁的に接続されているので、直列接続されている第1のコイル31及び第3のコイル71と、直列接続されている第2のコイル51及び第4のコイル91とにより、コモンモードノイズを除去できる。
【0013】
第1のコイル31、第2のコイル51、第3のコイル71及び第4のコイル91は図1に示す矩形らせん(rectangular spiral)とすることができるが、例えば円形らせん(circular spiral)などのその他形状のらせんとしても良い。
【0014】
一態様において、第1のコイル31、第2のコイル51、第3のコイル71及び第4のコイル91は垂直方向で大部分が重なっている。
【0015】
一態様において、第1のコイル31、第2のコイル51、第3のコイル71及び第4のコイル91は同じ巻数で巻回させることができる。
【0016】
一態様において、第1のコイル層3、第2のコイル層5、第3のコイル層7及び第4のコイル層9は真空成膜工程(vacuum film formation process)(蒸着又はスパッタリング)又はめっき(plating)工程で製造することができる。第1のコイル層3、第2のコイル層5、第3のコイル層7及び第4のコイル層9の材料は、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含むことができる。
【0017】
詳細に言えば、コモンモードフィルタ100は更に基板1と、側部絶縁層2と、第1の絶縁層4と、第2の絶縁層6と、第3の絶縁層8と、側部絶縁層10と、基板11とを備えている。側部絶縁層2は基板1上に形成されている。第1のコイル層3は側部絶縁層2上に形成されている。第1の絶縁層4は第1のコイル層3と第2のコイル層5との間に形成されて、第1のコイル層3と第2のコイル層5とを電気的に隔離している。第2の絶縁層6は第2のコイル層5と第3のコイル層7との間に形成されて、第2のコイル層5と第3のコイル層7とを電気的に隔離している。第3の絶縁層8は第3のコイル層7と第4のコイル層9との間に形成されて、第3のコイル層7と第4のコイル層9とを電気的に隔離している。側部絶縁層10は第4のコイル層9を被覆している。基板11は側部絶縁層10上に配設されている。
【0018】
特記するならば、図1及び図2を参照するように、第1のコイル31は内端部32を有し、第3のコイル71は内端部72を有し、第1の絶縁層4はコンタクトホール(contact hole)41を備えており、そして第2の絶縁層6はコンタクトホール61を備えており、このうちコンタクトホール41は第1のコイル31の内端部32と第3のコイル71の内端部72との間に形成されており、コンタクトホール61もまた第1のコイル31の内端部32と第3のコイル71の内端部72との間に形成されることから、第1のコイル31及び第3のコイル71はコンタクトホール41及びコンタクトホール61を介して電気的に接続されている。
【0019】
さらに、コモンモードフィルタ100は更に導電性スタッド12を備えており、導電性スタッド12はコンタクトホール41及びコンタクトホール61を貫通して、第1のコイル31の内端部32と第3のコイル71の内端部72とを接続している。
【0020】
第2のコイル51は内端部52を有し、第4のコイル91は内端部92を有し、第2の絶縁層6は更にコンタクトホール62を備えており、そして第3の絶縁層8はコンタクトホール81を備えており、このうちコンタクトホール62及びコンタクトホール81は第2のコイル51の内端部52と第4のコイル91の内端部92との間に形成されることで、第2のコイル51の内端部52と第4のコイル91の内端部92がコンタクトホール62及びコンタクトホール81により電気的に接続されている。
【0021】
コモンモードフィルタ100は導電性スタッド13を備えることができる。導電性スタッド13はコンタクトホール62及びコンタクトホール81を貫通して、第2のコイル51の内端部52と第4のコイル91の内端部92とを接続している。
【0022】
一態様において、導電性スタッド12及び導電性スタッド13は真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程で製造することができる。導電性スタッド12及び導電性スタッド13の材料は、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含むことができる。
【0023】
一態様において、側部絶縁層2、第1の絶縁層4、第2の絶縁層6、第3の絶縁層8及び側部絶縁層10などの材料はポリイミド(polyimide)、エポキシ樹脂(epoxy resin)又はベンゾシクロブテン樹脂(BCB)とすることができる。側部絶縁層2、第1の絶縁層4、第2の絶縁層6、第3の絶縁層8及び側部絶縁層10などの製造方法はスピンコーティング工程、浸漬工程(dipping process)、吹付け工程(spraying process)、スクリーン印刷工程(screen―printing process)又は薄膜形成工程(thin film formation process)などを含むことができる。
【0024】
第1のコイル31、第2のコイル51、第3のコイル71及び第4のコイル91の各々における外端部33、53、73又は93は延出して、対応する電極34、54、74又は94に接続されている。電極34、54、74又は94はコモンモードフィルタ100の周囲に隣接している。第1のコイル31、第2のコイル51、第3のコイル71及び第4のコイル91は対応する電極34、54、74又は94を介して、外部に電気的に接続されている。
【0025】
一態様において、側部絶縁層2の厚さは1μmないし20μmの間とすることができる。
【0026】
一態様において、基板1が絶縁基板であるとき、第1のコイル層3は基板1に直接形成することができる。そしてこの場合、基板1上に側部絶縁層2を形成する必要はない。
【0027】
一態様において、コモンモードフィルタ100は更に、側部絶縁層10と基板11とを接着する接着層(図示しない)備えることができる。
【0028】
図3には、本発明の他の態様におけるコモンモードフィルタ300の断面概略図を示す。図3を参照する。コモンモードフィルタ300は基板1と、外部絶縁層35と、第1のリード層14と、側部絶縁層2と、第1のコイル層3と、第1の絶縁層4と、第2のコイル層5と、第2の絶縁層6と、第3のコイル層7と、第3の絶縁層8と、第4のコイル層9と、側部絶縁層10と、第2のリード層15と、外部絶縁層36と、基板11とを備えている。
【0029】
外部絶縁層35は基板1上に形成されている。第1のリード層14は外部絶縁層35上に形成されている。側部絶縁層2は第1のリード層14を被覆している。第1のコイル層3は側部絶縁層2上に形成されている。第1の絶縁層4は第1のコイル層3を被覆している。第2のコイル層5は第1の絶縁層4上に形成されている。第2の絶縁層6は第2のコイル層5を被覆している。第3のコイル層7は第2の絶縁層6上に形成されている。第3の絶縁層8は第3のコイル層7を被覆している。第4のコイル層9は第3の絶縁層8上に形成されている。側部絶縁層10は第4のコイル層9を被覆している。第2のリード層15は側部絶縁層10上に形成されている。外部絶縁層36は第2のリード層15を被覆している。基板11は外部絶縁層36上に配設されている。
【0030】
外部絶縁層35及び36の材料はポリイミド、エポキシ樹脂又はベンゾシクロブテン樹脂を含むことができ、その製造方法はスピンコーティング工程、浸漬工程、吹付け工程、スクリーン印刷工程又は薄膜形成工程などを含むことができる。
【0031】
第1のコイル層3は第1のコイル31を備えており、第1のコイル31は内端部32と外端部33とを有している。第2のコイル層5は第2のコイル51を備えており、第2のコイル51は内端部52と外端部53とを有している。第3のコイル層7は第3のコイル71を備えており、第3のコイル71は内端部72と外端部73とを有している。第4のコイル層9は第4のコイル91を備えており、第4のコイル91は内端部92と外端部93とを有している。
【0032】
第1の絶縁層4はコンタクトホール41を備えており、第2の絶縁層6はコンタクトホール61を備えており、導電性スタッド12はコンタクトホール41及びコンタクトホール61を貫通して、第1のコイル31の内端部32と第3のコイル71の内端部72とを接続して、第1のコイル31と第3のコイル71とを直列接続している。第2の絶縁層6は更にコンタクトホール63を備えており、第3の絶縁層8はコンタクトホール82を備えており、導電性スタッド17はコンタクトホール63及びコンタクトホール82を貫通して、第2のコイル51の外端部53と第4のコイル91の外端部93とを接続して、第2のコイル51と第4のコイル91とを直列接続している。
【0033】
導電性スタッド12及び17は真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程で製造することができる。導電性スタッド17は、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含むことができる。
【0034】
第1のリード層14はリード線141を備えている。リード線141の一端部はコモンモードフィルタ300の周囲301にまで延出することで、外部と電気的に接続する働きをしている。そしてリード線141の他端部は側部絶縁層2及び第1の絶縁層4上のコンタクトホールを介して、第2のコイル51の内端部52に接続されている。第2のリード層15はリード線151を備えている。リード線151の一端部はコモンモードフィルタ300の周囲301にまで延出することで、外部と電気的に接続する働きをしている。そしてリード線151の他端部は側部絶縁層10のコンタクトホールを介して、第4のコイル91の内端部92に接続されている。また、第1のコイル31の外端部33は、コモンモードフィルタ300の周囲301に延出して隣接し、コモンモードフィルタ300の周囲301に隣接した対応する電極に接続されている。第3のコイル71の外端部73もまた、コモンモードフィルタ300の周囲301に延出して隣接し、コモンモードフィルタ300の周囲301に隣接した対応する電極に接続されている。
【0035】
第1のリード層14、第1のコイル層3、第2のコイル層5、第3のコイル層7、第4のコイル層9及び第2のリード層15の材料は、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含むことができる。また、第1のリード層14、第1のコイル層3、第2のコイル層5、第3のコイル層7、第4のコイル層9及び第2のリード層15は真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程で製造することができる。
【0036】
図3に示す接続方式以外に、第1のコイル31、第2のコイル51、第3のコイル71、第4のコイル91には別の接続方式があってもよい。他の態様において、第1のコイル31の外端部33と第3のコイル層7の外端部73とが接続されて、第1のコイル31と第3のコイル層7とを直列接続している。第2のコイル51の内端部52と第4のコイル層9の内端部92とが接続されて、第2のコイル51と第4のコイル層9とを直列接続している。また、第1のコイル31の内端部32及び第3のコイル71の内端部72にそれぞれリード線が接続されて、対外的な電気的接続をしている。
【0037】
図4には、本発明の他の態様におけるコモンモードフィルタ400の断面概略図を示す。図4を参照する。コモンモードフィルタ400は基板1と、外部絶縁層35と、第1のリード層14’と、側部絶縁層2と、第1のコイル層3と、第1の絶縁層4と、第2のコイル層5と、第2の絶縁層6と、第3のコイル層7と、第3の絶縁層8と、第4のコイル層9と、側部絶縁層10と、第2のリード層15’と、外部絶縁層36と、基板11とを備えている。
【0038】
外部絶縁層35は基板1上に形成されている。第1のリード層14’は外部絶縁層35上に形成されている。側部絶縁層2は第1のリード層14’を被覆している。第1のコイル層3は側部絶縁層2上に形成されている。第1の絶縁層4は第1のコイル層3を被覆している。第2のコイル層5は第1の絶縁層4上に形成されている。第2の絶縁層6は第2のコイル層5を被覆している。第3のコイル層7は第2の絶縁層6上に形成されている。第3の絶縁層8は第3のコイル層7を被覆している。第4のコイル層9は第3の絶縁層8上に形成されている。側部絶縁層10は第4のコイル層9を被覆している。第2のリード層15’は側部絶縁層10上に形成されている。外部絶縁層36は第2のリード層15’を被覆している。基板11は外部絶縁層36上に配設されている。
【0039】
第1のコイル層3は第1のコイル31を備えており、第1のコイル31は内端部32と外端部33とを有している。第2のコイル層5は第2のコイル51を備えており、第2のコイル51は内端部52と外端部53とを有している。第3のコイル層7は第3のコイル71を備えており、第3のコイル71は内端部72と外端部73とを有している。第4のコイル層9は第4のコイル91を備えており、第4のコイル91は内端部92と外端部93とを有している。
【0040】
第1の絶縁層4はコンタクトホール42を備えており、第2の絶縁層6はコンタクトホール64を備えており、導電性スタッド18はコンタクトホール42及びコンタクトホール64を貫通して、第1のコイル31の外端部33と第3のコイル71の外端部73とを接続して、第1のコイル31と第3のコイル71とを直列接続している。第2の絶縁層6は更にコンタクトホール65を備えており、第3の絶縁層8はコンタクトホール83を備えており、導電性スタッド19はコンタクトホール65及びコンタクトホール83を貫通して、第2のコイル51の外端部53と第4のコイル91の外端部93とを接続して、第2のコイル51と第4のコイル91とを直列接続している。
【0041】
導電性スタッド18及び19は真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程で製造することができる。導電性スタッド18及び19は、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含むことができる。
【0042】
第1のリード層14’はリード線141と142とを備えている。リード線141の一端部はコモンモードフィルタ300の周囲301にまで延出することで、外部と電気的に接続する働きをしている。そしてリード線141の他端部は側部絶縁層2及び第1の絶縁層4上のコンタクトホールを介して、第2のコイル51の内端部52に接続されている。リード線142の一端部はコモンモードフィルタ300の周囲301にまで延出して、外部と電気的に接続する働きをしている。そしてリード線142の他端部は側部絶縁層2上のコンタクトホールを介して、第1のコイル31の内端部32に接続されている。第2のリード層15’はリード線151と152とを備えている。リード線151の一端部はコモンモードフィルタ300の周囲301にまで延出して、外部と電気的に接続する働きをしている。そしてリード線151の他端部は側部絶縁層10及び第3の絶縁層8のコンタクトホールを介して、第3のコイル71の内端部72に接続されている。リード線152の一端部はコモンモードフィルタ300の周囲301にまで延出して、外部と電気的に接続する働きをしている。そしてリード線152の他端部は側部絶縁層10のコンタクトホールを介して、第4のコイル91の内端部92に接続されている。
【0043】
第1のリード層14’、第1のコイル層3、第2のコイル層5、第3のコイル層7、第4のコイル層9及び第2のリード層15’の材料は、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含むことができる。また、第1のリード層14’、第1のコイル層3、第2のコイル層5、第3のコイル層7、第4のコイル層9及び第2のリード層15’は真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程で製造することができる。
【0044】
図5には、本発明の他の態様におけるコモンモードフィルタ500の断面概略図を示す。図5を参照する。コモンモードフィルタ500は第1のコイル層3と、第2のコイル層5と、第3のコイル層7’と、第4のコイル層9’と、第5のコイル層21と、第6のコイル層22と、リード層23と、リード層24とを備えている。第1のコイル層3は第1のコイル31を備えており、第2のコイル層5は第2のコイル51を備えており、第3のコイル層7’は第3のコイル71を備えており、第4のコイル層9’は第4のコイル91を備えており、第5のコイル層21は第5のコイル211を備えており、そして第6のコイル層22は第6のコイル221を備えている。第1のコイル層3、第2のコイル層5、第3のコイル層7’、第4のコイル層9’、第5のコイル層21及び第6のコイル層22は重なって設けられており、このうち第1のコイル31、第3のコイル71及び第5のコイル211は直列接続されている。そして第2のコイル51と、第4のコイル91と第6のコイル221とは直列接続されている。
【0045】
詳細に言えば、側部絶縁層2は基板1上に形成されている。第1のコイル層3は側部絶縁層2上に形成されている。第1の絶縁層4は第1のコイル層3と第2のコイル層5とを電気的に隔離している。第2の絶縁層6は第2のコイル層5と第3のコイル層7’とを電気的に隔離している。第3の絶縁層8は第3のコイル層7’と第4のコイル層9’とを電気的に隔離している。第4の絶縁層25は第4のコイル層9’と第5のコイル層21とを電気的に隔離している。第5の絶縁層26は第5のコイル層21と第6のコイル層22とを電気的に隔離している。第6の絶縁層27は第6のコイル層22とリード層23とを電気的に隔離している。第7の絶縁層28はリード層23とリード層24とを電気的に隔離している。側部絶縁層10はリード層24を被覆している。基板11はリード層24上に配設されている。
【0046】
導電性スタッド12は第1の絶縁層4のコンタクトホール41及び第2の絶縁層6のコンタクトホール61を貫通して、第1のコイル31の内端部32と第3のコイル71の内端部72とを接続している。第1のコイル31の外端部33は電極34に接続されている。
【0047】
導電性スタッド13は第2の絶縁層6のコンタクトホール62及び第3の絶縁層8のコンタクトホール81を貫通して、第2のコイル51の内端部52と第4のコイル91の内端部92とを接続している。第2のコイル51の外端部53は電極54に接続されている。
【0048】
導電性スタッド75は第3の絶縁層8のコンタクトホール82及び第4の絶縁層25のコンタクトホール252を貫通して、第3のコイル71の外端部73と第5のコイル211の外端部213とを接続している。
【0049】
導電性スタッド95は第4の絶縁層25のコンタクトホール251及び第5の絶縁層26のコンタクトホール261を貫通して、第4のコイル91の外端部93と第6のコイル221の外端部223とを接続している。
【0050】
導電性スタッド214は第5の絶縁層26のコンタクトホール262及び第6の絶縁層27のコンタクトホール271を貫通して、第5のコイル211の内端部212とリード層23のリード線231の一端とを接続している。リード線231の他端は電極に接続されている。
【0051】
導電性スタッド224は第6の絶縁層27のコンタクトホール272及び第7の絶縁層28のコンタクトホール281を貫通して、第6のコイル221の内端部222とリード層24のリード線241の一端とを接続している。リード線241の他端は電極に接続されている。
【0052】
第1のコイル層3、第2のコイル層5、第3のコイル層7’、第4のコイル層9’、第5のコイル層21、第6のコイル層22、リード層23及びリード層24の材料は、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含むことができ、真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程で製造することができる。
【0053】
導電性スタッド12、13、75、95、214及び224の材料は、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含むことができ、真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程で製造することができる。
【0054】
側部絶縁層2、第1の絶縁層4、第2の絶縁層6、第3の絶縁層8、側部絶縁層10、第4の絶縁層25、第5の絶縁層26、第6の絶縁層27及び第7の絶縁層28の材料はポリイミド、エポキシ樹脂又はベンゾシクロブテン樹脂を含むことができ、その製造方法はスピンコーティング工程、浸漬工程、吹付け工程、スクリーン印刷工程又は薄膜形成工程などを含むことができる。
【0055】
図6ないし図10は断面概略図であって、本発明の一態様のコモンモードフィルタ100の製造工程手順を示している。図6を参照する。基板1上には側部絶縁層2が形成されている。側部絶縁層2の材料は高分子材料とすることができ、これにはポリイミド、エポキシ樹脂又はベンゾシクロブテン樹脂が含まれる。側部絶縁層2の製造方法はスピンコーティング工程、浸漬工程、吹付け工程、スクリーン印刷工程又は薄膜形成工程などを含むことができる。
【0056】
図1及び図6を参照する。側部絶縁層2上には第1のコイル層3が形成されており、このうち第1のコイル層3は第1のコイル31と電極34(図1)とを備えており、このうち第1のコイル31の外端部33は電極34に接続されている(図1)。第1のコイル層3の材料は、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含む金属を含む。第1のコイル層3の金属材料は、真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程などで堆積することができる。第1のコイル層3のパターンニングはマイクロリソグラフィ工程を用いることができる。
【0057】
特に、第1のコイル31はフレームめっき工程(flame plating process)により形成される。フレームめっき工程では、まず電極層(electrode layer)を側部絶縁層2上に形成する。電極層はスパッタリング又は蒸着工程により形成することができる。クロム膜又はチタン膜を電極層下に形成して、接着性を向上させることができる。次に、マイクロリソグラフィ工程により、コイルパターンを有するマスク層を形成する。続いて、めっき工程を行って、めっき層を形成する。その後、マスク層を剥離(peel off)する。その後、エッチング工程で、電極層を除去すると、第1のコイル31が形成される。
【0058】
その後、第1の絶縁層4を形成して、第1のコイル層3を被覆する。第1の絶縁層4は高分子材料とすることができ、これにはポリイミド、エポキシ樹脂又はベンゾシクロブテン樹脂が含まれる。第1の絶縁層4の製造方法はスピンコーティング工程、浸漬工程、吹付け工程、スクリーン印刷工程又は薄膜形成工程などを含むことができる。
【0059】
図1及び図7を参照する。第1の絶縁層4上に第2のコイル層5を形成するが、このうち第2のコイル層5は第2のコイル51と電極74とを備えており(図1)、このうち第2のコイル51の外端部53は電極54に接続されている(図1)。第2のコイル層5の材料は、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含む金属を含む。第2のコイル層5の金属材料は、真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程などで堆積することができる。第2のコイル層5のパターンニングはマイクロリソグラフィ工程を用いることができる。一態様において、第2のコイル51は前記したフレームめっき工程で製造してもよい。
【0060】
その後、第2の絶縁層6を形成して、第2のコイル層5を被覆する。第2の絶縁層6は高分子材料とすることができ、これにはポリイミド、エポキシ樹脂又はベンゾシクロブテン樹脂が含まれる。第2の絶縁層6の製造方法はスピンコーティング工程、浸漬工程、吹付け工程、スクリーン印刷工程又は薄膜形成工程などを含むことができる。
【0061】
図1及び図8を参照する。第1のコイル31の内端部32上に、マイクロリソグラフィ工程でコンタクトホール41及び61を形成して、第1のコイル31の内端部32を露出させる。その後、真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程などでコンタクトホール41及び61内に金属を堆積させて、導電性スタッド12を形成する。
【0062】
続いて、第2の絶縁層6上に第3のコイル層7を形成する。第3のコイル層7は第3のコイル71と、電極74とを備えており(図1)、このうち第3のコイル71の外端部73は電極74に接続されており(図1)、そして第3のコイル71の内端部72は導電性スタッド12に接続されている。第3のコイル層7の材料は、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含む金属を含む。第3のコイル層7の金属材料は、真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程などで堆積することができる。第3のコイル層7のパターンニングはマイクロリソグラフィ工程を用いることができる。一態様において、第3のコイル71は前記したフレームめっき工程で製造してもよい。
【0063】
図9を参照する。第3の絶縁層8を形成して、第3のコイル層7を被覆する。第3の絶縁層8は高分子材料とすることができ、これにはポリイミド、エポキシ樹脂又はベンゾシクロブテン樹脂が含まれる。第3の絶縁層8の製造方法はスピンコーティング工程、浸漬工程、吹付け工程、スクリーン印刷工程又は薄膜形成工程などを含むことができる。
【0064】
続いて、マイクロリソグラフィ工程でコンタクトホール62及び81を形成して、第2のコイル51の内端部52を露出させる。その後、真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程などでコンタクトホール62及び81内に金属を堆積させて、導電性スタッド13を形成する。
【0065】
図1及び図9を参照する。第3の絶縁層8上に、第4のコイル層9を形成する。第4のコイル層9は第4のコイル91と電極94とを備えており(図1)、このうち第4のコイル91の外端部93は電極94に接続されており(図1)、そして第4のコイル91の内端部92は導電性スタッド13に接続されている。第4のコイル層9の材料は、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含む金属を含む。第4のコイル層9の金属材料は、真空成膜工程(蒸着又はスパッタリング)又はめっき工程などで堆積することができる。第4のコイル層9のパターンニングはマイクロリソグラフィ工程を用いることができる。一態様において、第4のコイル91は前記したフレームめっき工程で製造してもよい。
【0066】
図10を参照する。側部絶縁層10を形成して、第4のコイル層9を被覆する。その後、第4のコイル層9上に基板11を配設することで、コモンモードフィルタ100が完成される。
【0067】
本願におけるその他態様のコモンモードフィルタは図6ないし図10に示す製造工程で完成することができるので、ここでは詳細な製造工程の説明は省略する。
【0068】
図11には、本発明の一態様におけるコモンモードフィルタのインピーダンス(impedance)値と周波数(frequency)との関係グラフを示す。図12には、公知のコモンモードフィルタのインピーダンス値と周波数との関係グラフを示す。図11と図12に示すグラフを比較すると、本発明の一態様におけるコモンモードフィルタは最大インピーダンス値が高く、そして同じインピーダンス値においては、周波数帯域が広いことが分かる。したがって、多層らせん構造を備えたコモンモードフィルタは、確実に従来のコモンモードフィルタよりも優れた性能を示している。
【0069】
本発明の技術内容及び技術的特徴は上記したとおりであるが、本発明の技術分野における当業者であれば、別紙の特許請求の範囲で限定する本発明の技術的思想及び範囲を離れることなく、本発明の教示及び開示は各種の置換及び付加が可能であることを理解するはずである。例えば、上記した数多くの製造工程は異なる方法で実施、又はその他工程に変更するか、又は上記した二種類を組み合わせることも可能である。
【0070】
また、本願の権利範囲は上記開示した特定の態様の製造工程、設備、製造、物質の成分、装置、方法又は手順に限定されるものではない。本発明の技術分野の当業者であれば、本発明で教示及び開示する製造工程、設備、製造、物質の成分、装置、方法又は手順に基づき、現時点で存在するもの、又は後日開発されるものに関わらず、それが本願の態様に開示するものと実質的に同一の方式で実質的に同一の効果が実現され、そして実質的に同一の結果が達成されるものも、本発明に使用できるものであることを理解するはずである。したがって、別紙の特許請求の範囲はこの類の製造工程、設備、製造、物質の成分、装置、方法又は手順を含むよう用いられる。
【符号の説明】
【0071】
1、11 基板
2、10 側部絶縁層
3 第1のコイル層
4 第1の絶縁層
5 第2のコイル層
6 第2の絶縁層
7、7’ 第3のコイル層
8 第3の絶縁層
9、9’ 第4のコイル層
10 側部絶縁層
11 基板
12、13、17、18、19、75、95、214、224 導電性スタッド
14、14’ 第1のリード層
15、15’ 第2のリード層
21 第5のコイル層
22 第6のコイル層
23、24 リード層
25 第4の絶縁層
26 第5の絶縁層
27 第6の絶縁層
28 第7の絶縁層
31 第1のコイル
32、52、72、92、212、222 内端部
33、53、73、93、213、223 外端部
34、54、74、94 電極
35、36 外部絶縁層
41、42、61〜65、81〜83、251、252、261、262、271、272、281 コンタクトホール
51 第2のコイル
71 第3のコイル
91 第4のコイル
100,300,400,500 コモンモードフィルタ
141、142、151、152、231、241 リード線
211 第5のコイル
221 第6のコイル
301 周囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコイルと、
第2のコイルと、
前記第1のコイルに直列接続されている第3のコイルと、
前記第2のコイルに直列接続されている第4のコイルと、
を備えており、
前記第2のコイルは前記第1のコイルと前記第3のコイルとの間に設けられており、前記第3のコイルは前記第2のコイルと前記第4のコイルとの間に設けられている多層らせん構造のコモンモードフィルタ。
【請求項2】
前記第1のコイルの内端部と前記第3のコイルの内端部とが接続されており、前記第2のコイルの内端部と前記第4のコイルの内端部とが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の多層らせん構造のコモンモードフィルタ。
【請求項3】
前記第1のコイルの外端部、前記第2のコイルの外端部、前記第3のコイルの外端部、及び前記第4のコイルの外端部は、前記コモンモードフィルタの周囲に隣接していることを特徴とする請求項2に記載の多層らせん構造のコモンモードフィルタ。
【請求項4】
前記第1のコイルの前記内端部と前記第3のコイルの前記内端部との間に形成されているコンタクトホールを備えており、前記第1のコイルと前記第2のコイルとを隔離する第1の絶縁層と、
前記第1のコイルの前記内端部と前記第3のコイルの前記内端部との間に形成されている第1のコンタクトホールと、前記第2のコイルの前記内端部と前記第4のコイルの前記内端部との間に形成されている第2のコンタクトホールとを備えており、前記第2のコイルと前記第3のコイルとを隔離する第2の絶縁層と、
前記第2のコイルの前記内端部と前記第4のコイルの前記内端部との間に形成されているコンタクトホールを備えており、前記第3のコイルと前記第4のコイルとを隔離する第3の絶縁層と、
を更に具備したことを特徴とする請求項2に記載の多層らせん構造のコモンモードフィルタ。
【請求項5】
前記第1のコイルの内端部と前記第3のコイルの内端部とが接続されており、前記第2のコイルの外端部と前記第4のコイルの外端部とが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の多層らせん構造のコモンモードフィルタ。
【請求項6】
第1の端部が前記第2のコイルの内端部に接続されており、第2の端部が前記コモンモードフィルタの周囲に隣接している第1のリード線と、第1の端部が前記第4のコイルの内端部に接続されており、第2の端部が前記コモンモードフィルタの周囲に隣接している第2のリード線と、を更に具備したことを特徴とする請求項5に記載の多層らせん構造のコモンモードフィルタ。
【請求項7】
前記第1のコイルの前記内端部と前記第3のコイルの前記内端部との間に形成されている第1のコンタクトホールと、前記第2のコイルの前記内端部と前記第1のリード線の前記第1の端部との間に形成されている第2のコンタクトホールとを備えており、前記第1のコイルと前記第2のコイルとを隔離する第1の絶縁層と、
前記第1のコイルの前記内端部と前記第3のコイルの前記内端部との間に形成されている第1のコンタクトホールと、前記第2のコイルの前記外端部と前記第4のコイルの前記外端部との間に形成されている第2のコンタクトホールとを備えており、前記第2のコイルと前記第3のコイルとを隔離する第2の絶縁層と、
前記第2のコイルの前記外端部と前記第4のコイルの前記外端部との間に形成されているコンタクトホールを備えており、前記第3のコイルと前記第4のコイルとを隔離する第3の絶縁層と、
を更に具備したことを特徴とする請求項6に記載の多層らせん構造のコモンモードフィルタ。
【請求項8】
前記第1のコイルの外端部と前記第3のコイルの外端部とが接続されており、前記第2のコイルの外端部と前記第4のコイルの外端部とが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の多層らせん構造のコモンモードフィルタ。
【請求項9】
前記第2のコイルの内端部に接続されている端部を備えた第1のリード線と、
前記第3のコイルの内端部に接続されている端部を備えた第2のリード線と、
を更に具備したことを特徴とする請求項8に記載の多層らせん構造のコモンモードフィルタ。
【請求項10】
前記第1のコイルの前記外端部と前記第3のコイルの前記外端部との間に形成されている第1のコンタクトホールと、前記第2のコイルの前記内端部と前記第1のリード線の前記端部との間に形成されている第2のコンタクトホールとを備えており、前記第1のコイルと前記第2のコイルとを隔離する第1の絶縁層と、
前記第1のコイルの前記外端部と前記第3のコイルの前記外端部との間に形成されている第1のコンタクトホールと、前記第2のコイルの前記外端部と前記第4のコイルの前記外端部との間に形成されている第2のコンタクトホールとを備えており、前記第2のコイルと前記第3のコイルとを隔離する第2の絶縁層と、
前記第2のコイルの前記外端部と前記第4のコイルの前記外端部との間に形成されている第1のコンタクトホールと、前記第3のコイルの前記内端部と前記第2のリード線の前記端部との間に形成されている第2のコンタクトホールとを備えており、前記第2のコイルと前記第4のコイルとを隔離する第3の絶縁層と、
を更に具備したことを特徴とする請求項9に記載の多層らせん構造のコモンモードフィルタ。
【請求項11】
内端部と外端部とを有する第1のコイルを基板上に形成するステップと、
第1の絶縁層を形成して、前記第1のコイルを被覆するステップと、
第2のコイルを前記第1の絶縁層上に形成するステップと、
第2の絶縁層を形成して、前記第2のコイルを被覆するステップと、
第1のコンタクトホールを形成して、前記第1のコイルの前記内端部又は前記外端部を露出させるステップと、
前記第1のコンタクトホールに第1の金属を充填して、第1の導電性スタッドを形成するステップと、
内端部と外端部を有する第3のコイルを前記第2の絶縁層上に形成するステップであり、前記第3のコイルの前記内端部又は前記外端部が前記第1の導電性スタッドに接続されるステップと、
第3の絶縁層を形成して、前記第3のコイルを被覆するステップと、
第2のコンタクトホールを形成して、前記第2のコイルの前記内端部又は前記外端部を露出させるステップと、
前記第2のコンタクトホールに第2の金属を充填して、第2の導電性スタッドを形成するステップと、
内端部と外端部を有する第4のコイルを前記第3の絶縁層上に形成するステップであり、前記第4のコイルの前記内端部又は前記外端部が前記第2の導電性スタッドに接続されるステップと、
を含む多層らせん構造のコモンモードフィルタの製造方法。
【請求項12】
前記第1の絶縁層、前記第2の絶縁層又は前記第3の絶縁層が、ポリイミド、エポキシ樹脂又はベンゾシクロブテン樹脂を含むことを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記第1のコイル、前記第2のコイル、前記第3のコイル又は前記第4のコイルが、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含むことを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項14】
前記第1の金属又は前記第2の金属が、銀、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニッケル、チタン、金、銅、白金又はその合金を含むことを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項15】
第1の絶縁層を形成するステップ、第2の絶縁層を形成するステップ又は第3の絶縁層を形成するステップが、スピンコーティング工程、浸漬工程、吹付け工程、スクリーン印刷工程又は薄膜形成工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
【請求項16】
第1のコイルを形成するステップ、第2のコイルを形成するステップ又は第3のコイルを形成するステップが、蒸着、スパッタリング又はめっき工程を含むことを特徴とする請求項11に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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