説明

多層不織insituラミネートおよびその製造方法

本明細書には、メルトスパン布地の2つ以上の層を含むメルトスパンラミネートについて記述されており、互いに隣接する層は、これらの層の間に混合繊維の界面領域が画定されるように、互いにin situ状態で絡み合っている。本明細書には、隣接する布地が形成されるよう、互いに隣接する2種以上のポリマー融解物を同時に溶融紡糸するステップを含む、メルトスパンin situラミネートを作製する方法であって、互いに隣接する層は、これらの層の間に混合繊維の界面領域が形成されるよう互いにin situで絡み合っている方法についても記述されている。本明細書には、1個または複数のダイを含み、各ダイが2つ以上の溶融紡糸ゾーンを含んでいる溶融紡糸装置であって、各ゾーンは、対応するゾーンに流体接続されている複数のノズルを含み、各ゾーンは溶融押出し機に流体接続されている、溶融紡糸装置についても記述されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全てが完全に組み込まれている、2009年4月21日出願の米国特許出願第61/171,135号および2009年2月27日出願の米国特許出願第61/156,078号の優先権を主張する。本出願は、参照によりその全てが完全に組み込まれている、2009年9月24日に同時に出願された国際特許出願第PCT/US2009/058263号(代理人整理番号[2008EM066A−PCT])、および第PCT/US2009/058250号(代理人整理番号[2008EM066C−PCT])、および第PCT/US2009/058230号(代理人整理番号[2008EM290−PCT])に関する。
本発明の開示は、不織布ラミネートに関し、詳細には、少なくとも1種のポリオレフィンベースの弾性層を含んでいてもよい不織布のラミネートを形成する方法に関し、各層の形成は、これらの層が界面領域をこえた絡み合いを通して結合されるよう、単一のダイから同時に行われるものである。
【背景技術】
【0002】
使い捨て衛生用品市場では、必要な審美的品質を備えた、高弾性で通気性のある不織布が求められており、好ましくは機械的活性化の形を必要としない布地であって、しかし全ては費用効果のあるものが求められている。既存の製品は、弾性フィルム(典型的にはスチレンブロックコポリマー(「SBC」))からなる層状化複合構造になる傾向があり、このフィルムは、ブロッキングを防止するために共押出しされたまたはそうでない場合にはフィルム上にラミネートされたスキン層を有する。使用されるスキン層は、正しい美観(ソフトでフワフワしたクッション状のテクスチャ)をもたらすために、典型的には非弾性の不織布である。ある構造では、ホットメルト接着剤層を使用して、不織布と弾性フィルムのどちらかの側とを結合させ、その他の構造では、非弾性フィルム層を使用して、取着を目的としたデッドゾーンを生成する。これらの複合構造が形成された後は、スキン層、接着剤、および不織対向層などの非弾性構成要素の抑制作用により、これらの構造は典型的には弾性ではない。
【0003】
抑制作用を除去するために、これらの複合体は、非弾性構成要素を延伸または破断するための機械的延伸または活性化ステップを必要とし、このステップによって抑制が解除され、弾性フィルムにより制御される弾性複合体が生成される。また、この生成物は、これら層状化構造を通気性にするために、フィルムにアパーチャを付けることも必要とする。このプロセスでは、フィルムの破損および高いスクラップ発生率に対する関連ある懸念を抱きながら、フィルムの制御された穿刺/引裂きが行われる。
【0004】
最近、機械的活性化を必要としないフィルム複合体が、市場に登場した。これらの製品は、ホットメルト接着剤の細い線を使用してフィルムのどちらかの側に取着された、1つまたは複数の高伸長性スパンレース(spunlaced)対向層を備えたSBCフィルムを依然として含む。フィルムは共押出しスキンを持たないので、接着された区域間の領域は、抑制を受けず、したがって、不織布が伸長性であり非抑制的であるので弾性である。しかし、これらの製品は通気性ではなく、接着剤を必要とし、全てのフィルム複合製品のように、製造するのにコストがかかる。
上記課題の解決策は、単一のダイから多層ラミネート布地をin−situ製造するのに、市販のメルトスパン(meltspun)ラインを修正することである。例えば、溶融紡糸ダイの修正によって、高弾性のプロピレンベースのエラストマーからなる「B」層に接合された、所望の手触りを有するポリマーから形成された嵩高い伸長性の「A」層を有する3層ABAin−situラミネート布地の形成が可能になる。これらの層は同時に隣り合って生成されるので、布地層は、2つの布地層の間の界面層を超えた繊維同士の絡み合いを通して、互いに接合されると考えられる。この結果、高弾性で通気性のある、かつ所望の審美的品質を有する布地が得られると考えられる。
【0005】
いくつかの関連ある開示には、EP1712351A、米国特許第4,380,570号、米国特許第5,476,616号、米国特許第5,804,286号、米国特許第5,921,973号、米国特許第6,080,818号、米国特許第6,342,565号、米国特許第6,417,121号、米国特許第6,444,774号、米国特許第6,506,698号、米国特許第7,026,404号、米国特許第7,101,622号、米国特許出願公開第2003/0125696号、米国特許出願公開第2005/0106978号、米国特許出願公開第2006/0172647号、米国特許第6,342,565号、米国特許出願公開第2005/0106978号、米国特許出願公開第2005/0130544号、米国特許出願公開第2006/0172647号、米国特許出願公開第2008/0182116号、米国特許出願公開第2008/0182940号、米国特許出願公開第2008/0182468号、米国特許出願第11/655,399号、およびR.Zhao、「Melt Blowing Polyoxymethylene Copolymer」、Int’l Nonwovens J.19〜24(2005年夏)が含まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書には、メルトスパン布地の2つ以上の層を含むメルトスパンラミネートであって、これらの層の間に混合繊維の界面領域が画定されるように、互いに隣接する層が互いにin situで絡み合ってしているラミネートが、記述されている。そのような材料を、本明細書では「in situラミネート」または「ISL」と呼ぶ。一実施形態では、布地がメルトブローン(meltblown)布地である。
また本明細書には、隣接する布地を形成するために互いに隣接する2種以上のポリマーメルトを同時に溶融紡糸するステップを含む、メルトスパンin situラミネートを作製する方法であって、これらの層の間に混合繊維の界面領域が形成されるように、互いに隣接する層が互いにin situで絡み合っている方法も記述されている。
【0007】
また本明細書には、1個または複数のダイを含み、各ダイが2つ以上の溶融紡糸ゾーンを含んでいる溶融紡糸装置であって、各ゾーンが、対応するゾーンに流体接続している複数のノズルを含んでおり、各ゾーンが、溶融押出し機に流体接続している装置も記述されている。各押出し機は、その対応する溶融紡糸ゾーン内に融解物を押し出すために、任意の数のエラストマー、熱可塑性樹脂、またはこれらのブレンドを含有していてもよい。
本明細書に開示される様々な記述的要素および数値範囲は、in situラミネートおよびその複合体の好ましい実施形態について記述するために、その他の記述的要素および数値範囲と組み合わせることができ;さらに、要素の任意の数値上限を、好ましい実施形態について記述するために同じ要素の任意の数値下限と組み合わせることができる。これに関し、「X〜Yの範囲内」という文言は、その範囲内に「X」および「Y」値を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】全てが単一ゾーンに流体接続している紡糸口金ノズルを有する、溶融紡糸アレイダイを示す断面図である。
【図2】同じまたは異なる材料で3層in situラミネートを作製するのに適した3つの溶融紡糸ゾーンを含む、溶融紡糸アレイダイの一実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
定義
本明細書で使用される「不織布」(または「布地」)は、ヤーンを最初に作製することなくまたは製織もしくは編成プロセスを含むことなく、指向的にまたはランダムに配向した繊維のテキスタイル構造(例えば、シート、ウェブ、またはバット)である。本明細書に記述される布地は、機械的、化学的、または熱的にインターロックする(interlockig)プロセスによって強化されていてもよい繊維または連続フィラメントの網状構造を含む。不織布の例には、メルトスパン布地(溶融紡糸プロセスによって作製される。)、カード(carded)布地、ドライレイド(dry−laid)布地(例えば、カード布地またはエアレイド(air−laid)布地)、およびウェットレイド(wet−laid)布地が含まれる。これらのタイプの布地のいずれかは、当技術分野で公知の手段によって物理的に絡み合っていてもよく、しばしば「スパンレース」布地と呼ばれる。
【0010】
本明細書で使用される「メルトスパン布地」は、ポリマーメルトまたは溶液を1個または複数のダイから小さな穴または紡糸口金を通して押し出して細いフィラメントを形成し、次いでこのフィラメントを高圧空気などの適切な手段によって細長化し、移動しているスクリーン、ドラム、またはその他の適切なデバイス上に置くことにより繊維のウェブを形成する方法によって作製された、布地を指す。「溶融紡糸」プロセスには、スパンボンド(spunbonding)、溶液紡糸、コフォーミング(coforming)、およびメルトブローが含まれるが、これらに限定するものではない。メルトスパン繊維は、典型的には250または150または60または40μm未満の平均直径を有する。メルトスパン繊維の作製で使用するのに適したポリマーの非限定的な例は、ポリプロピレン(例えば、ホモポリマー、コポリマー、耐衝撃性コポリマー)、ポリエステル(例えば、PET)、ポリアミド、ポリウレタン(例えば、Lycra(商標))、ポリエチレン(例えば、LDPE、LLDPE、HDPE、プラストマー)、ポリカーボネート、およびこれらのブレンドである。
【0011】
本明細書で使用される「スパンボンド」は、ポリマーメルトまたは溶液を、紡糸口金を通して押し出してフィラメントを形成し、冷却し、帯電または高速空気などによる適切な手段で細長化し、次いで細長化したフィラメント(「繊維」)を、布地が形成されるように移動しているスクリーン上に置くという、布地を形成する溶融紡糸法を指す。置かれた繊維は、繊維を一まとめに結合するために、加熱されたカレンダ内またはいくつかのその他の適切な手段を通過してもよい。ある実施形態では、スパンボンドプロセスでの細長化空気が約50℃未満である。スパンボンドプロセスから得られる繊維は、典型的には、内部に与えられたある程度の一軸分子配向を有する。
本明細書で使用される「メルトブローン」は、ポリマーメルトまたは溶液を、紡糸口金を通して押し出してフィラメントを形成し、これを帯電または高速空気などによる適切な手段によって細長化し、次いでそのような細長化したフィラメント(「繊維」)を、布地が形成されるように移動しているスクリーン上に配置する、布地を形成する溶融紡糸法を指す。ある実施形態では、個別の急冷空気源が存在してもしなくてもよい。ある実施形態では、メルトブローンプロセスでの細長化空気は、約50℃よりも高い。
【0012】
繊維そのものは、「スパンボンド」されまたは「メルトブローン」されたと呼んでもよい。スパンボンドおよびメルトブローン繊維は、任意の所望の平均直径を有していてもよく、ある実施形態では、0.1または1または4〜15または20または40または50または150または250μmの範囲内であり、または、別の方法で表され、5.0または3.0または2.0または1.9または1.8または1.6または1.4または1.2または1.0未満のデニール(g/9000m)である。
【0013】
本明細書で使用される「コフォーム」という用語は、少なくとも1個のメルトスパンダイヘッドがシュート付近に配置され、そこを通してその他の材料を布地に添加しながら布地を形成するという、別の溶融紡糸プロセスを指す。そのようなその他の材料は、例えば、パルプ、超吸収性粒子、セルロース、またはステープル繊維であってもよい。コフォームプロセスは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,818,464号および米国特許第4,100,324号に示されている。この開示の目的のため、コフォームプロセスは、メルトスパンプロセスの特定の実施形態と見なされる。
【0014】
本明細書で使用される「繊維」は、その長さが、その直径または幅よりも非常に長い構造であり;平均直径は、0.1〜350μm程度であり、天然および/または合成材料を含む。繊維は、「一成分」または「二成分」にすることができる。二成分繊維は、個別の押し出し機から押し出されるが同じフィラメント内の両方のポリマーに関して同じ紡糸口金を通るという、異なる化学的および/または物理的性質の2種以上のポリマーを含み、その結果、それぞれ異なるポリマーからなる明確なドメインを有する繊維が得られる。そのような二成分繊維の構成は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,108,820号のように、1つのポリマーが別のポリマーに取り囲まれておりまたは隣り合っていてもよいシース/コアの配置構成、または、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,413,803号のように、ポリマーの異なるドメインが、「パイのスライス」もしくは「海の中の島」の形状をした交互に配されたセグメントとなっている、セグメントまたは「パイ」であってもよい。繊維は、「一構成成分」または「二構成成分」にすることもでき、これは単一のポリマーまたは2種以上のポリマーのブレンドで作製されることを意味する。
【0015】
本明細書で使用される「in situラミネート」(または「ISL」)は、以下にさらに記述されるin situ溶融紡糸プロセスによって作製された、少なくとも2つの布地層を含む構造を指す。「複合体」は、少なくとも1つのISLと、任意の適切な材料から作製されたフィルム、別の布地、または別ISLなどの材料の少なくとも1つのその他の層とを含む構造を指す。複合体は、例えば、まずメルトスパン布地層を、移動している形成ベルト上に順次堆積し、次いで別のメルトスパン布地層を堆積しまたはカードもしくはドライレイド布地を第1のメルトスパン布地層の最上部に付加し、次いでこれらの層の最上部にメルトスパン布地層を付加し、その後、熱点結合、または層が互いに接着するという固有の傾向、水流交絡などによって、様々な層状化材料をいくらか結合することにより作製してもよい。あるいは、布地層を個々に作製し、ロール状にまとめ、個別の1つまたは複数のステップで組み合わせてもよい。ISLおよび複合体は、多くの種々の構成にある様々な数の層を有していてもよく、フィルム、接着剤、テキスタイル材料、吸収材料(例えば、パルプ、紙、SAPなど)、コフォーム材料、メルトブローンおよびスパンボンド材料、またはエアレイド材料などのその他の材料を含んでいてもよい。
【0016】
本明細書で使用される、「弾性」または「エラストマー性」と呼ばれる材料および/または布地は、付勢力をかけたときに、破裂または破断することなく、その緩和された当初の長さの少なくとも100%という引き伸ばされた長さにまで延伸することができ、しかし付勢力を解除すると、この材料はその伸びの少なくとも40%以上の回復を示すものである。適切なエラストマー材料について、本明細書でさらに記述する。布地などの材料は、付勢力を加えた場合、「伸長可能」であり、この材料は、破裂または破断することなく、その緩和された当初の長さの少なくとも100%という引き伸ばされた長さにまで延伸することができ、しかし付勢力が解除されると、この材料は、その伸びの40%未満の回復を示す。伸長性布地は、一般的な物品(例えば、おむつなど)のエラストマー布地またはフィルム層にしばしば付随し、伸長性の材料(例えば、ポリウレタン、スチレンブロックコポリマー、エチレンビニルアセテート、あるポリプロピレンコポリマー、ポリエチレン、およびこれらのブレンド)から形成され、または布地(天然または合成)を機械的に変形させまたは捻ることによって形成される。
【0017】
本明細書で使用される「フィルム」は、その幅および長さに対してその厚さが非常に薄いプラスチックおよび/またはエラストマー材料の、平らで支持されていないセクションであり、その構造全体にわたって連続的なまたはほぼ連続的な巨視的形態を有し、空気が拡散律速またはそれ以下で通過可能になる。本明細書に記述されるISLは、1つまたは複数のフィルム層を含んでいてもよく、布地に関して本明細書に記述される任意の材料を含むことができる。ある実施形態では、フィルムは、本明細書に記述されるISL中に存在しない。本明細書に記述されるフィルムは、処理によって穿孔を促進させかつ空気および/または流体をフィルムに通すことが可能になる添加剤を含有していてもよい。クレー、炭酸カルシウムなどの添加剤は、当技術分野で周知であり、特に、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,632,212号に記載されている。
【0018】
ISLに関する記述
この開示には、メルトスパン布地の2つ以上の層を含むメルトスパンISLであって、有限界面ゾーンが生成されるように、隣接する層が互いにin situで絡み合っているISLが提示されている。「in situで絡み合っている」が意味するところは、隣接する層の繊維が、互いを包み込むように隣接する布地層の一縁に少なくとも沿って互いに係合しており、および/または隣接する層から繊維内を少なくとも1回通過することである。好ましくは、ISLにおいて、層状化構造の様々な層は、当技術分野で知られるように空気または水流交絡プロセス下に置かれておらず、これらの層を接合するのに使用される接着剤でもない。本明細書に記述されるISLは、メルトスパン布地の層を含み、隣接する層からの個々の繊維が互いに絡み合いまたは撚り合わされており、そのような配置構成は、溶融紡糸装置からメルトスパンされた形成フィラメントの絡み合いから得られるものである。これは、2つ以上の層を、単一のダイから同時にまたはほぼ同時にかつ互いに隣接させて溶融紡糸することにより、ある実施形態で実現される。
【0019】
メルトスパンISLを構成する布地層は、同じでも異なっていてもよく、これは、同じまたは異なる化学的および/または物理的特性を有する可能性があることを意味する。ある実施形態では、様々な層は、(a)布地の基本質量が同じではなく、(b)布地を構成する繊維の平均直径が同じではなく、(c)布地の組成が同じではなく、(d)隣接する布地の繊維の単位面積当たりの数密度が同じではなく、(e)繊維の断面形状が同じではなく、(f)個々の繊維構造が同じではなく(二成分対一成分)、または(g)これらの相違の1つまたは複数の任意の組み合わせであることを特徴とする。
【0020】
メルトスパンISLを構成する層は、層が容易に引き剥がされるのを防ぐ程度まで絡み合うことにより、特徴付けることができる。ある実施形態では、隣接する層は、10または20または30または40または50g超の剥離強度を有し、その他の実施形態では、1または2または5または10〜50または60または80または100または120または150または200gの範囲内の剥離強度を有する。本明細書で言及される剥離強度は、ASTM D2724.13により本質的に決定した。この手順は、ラミネート布地のz方向強度(結合強度)を決定することを意図した。布地の成分層同士の結合効率は、布地を層間剥離するのに必要な力を測定することによって決定した。層間剥離は、結合メカニズムの破壊による、ラミネート布地のプライの分離と定義される。剥離強度は、指定された条件下でテキスタイルの成分層を分離するのに必要な張力である。この手順では、6インチ×2インチの試験片(縦方向が6インチ)のプライを、試験片の長さに沿って約2インチの距離だけ手作業で分離した。次いで1つの層を、1インチの標点距離を有する引張り試験機の各ジョー内にクランプ留めし、布地の成分層を完全に分離するのに必要な最大力(即ち、ピーク負荷)を決定した。
【0021】
ある実施形態では、ISLの少なくとも1つの層が弾性である。ISLの弾性布地層は、溶融紡糸装置で押出し可能でありかつ弾性の、任意の材料から作製してもよい。一実施形態では、弾性布地は、プロピレン−α−オレフィンエラストマー、エチレン−α−オレフィンランダムおよびブロックコポリマー(例えば、Infuse(商標)エラストマー)、天然ゴム(「NR」)、合成ポリイソプレン(「IR」)、ブチルゴム(イソブチレンおよびイソプレンのコポリマー、「IIR」)、ハロゲン化ブチルゴム(クロロ−ブチルゴム:「CIIR」;ブロモ−ブチルゴム:「BIIR」)、ポリブタジエン(「BR」)、スチレン−ブタジエンゴム(「SBR」)、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム(「CR」)、ポリクロロプレン、ネオプレン、エチレン−プロピレンゴム(「EPM」)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(「EPDM」)、エピクロロヒドリンゴム(「ECO」)、ポリアクリルゴム(例えば、「ACM」、「ABR」)、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フルオロエラストマー、パーフルオロエラストマー、ポリエーテルブロックアミド(「PEBA」)、クロロスルホン化ポリエチレン(「CSM」)、エチレン−ビニルアセテート(「EVA」)、熱可塑性エラストマー(「TPE」)、熱可塑性加硫物(「TPV」)、熱可塑性ポリウレタン(「TPU」)、熱可塑性オレフィン(「TPO」)(ランダムおよびブロック)、ポリスルフィドゴム、またはこれらエラストマーの任意の2種以上のブレンドからなる群から選択されるエラストマーを含む。ISLは、2種以上の異なる繊維の混合物、または繊維および微粒子の混合物で作製された複合材料を含んでいてもよい。そのような混合物は、メルトスパン繊維が運ばれる気体流に繊維および/または微粒子を添加することによって形成されていてもよく、したがってメルトスパンフィラメントおよび繊維およびその他の材料、例えば木材パルプ、ステープル繊維、および微粒子、例えば超吸収材料と一般に呼ばれる親水コロイド(ヒドロゲル)微粒子などの密に絡み合った混入は、ランダムに分散されたメルトブローン繊維と参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,100,324号に開示されるようなその他の材料とのコヒーレントウェブが形成されるよう、収集デバイスでメルトブローン繊維を収集する前に生じるようになされている。不織ウェブが繊維の不織ウェブである場合、この繊維は、コヒーレントウェブ構造が形成されるよう繊維間結合によって接合されていてもよい。繊維間結合は、スパンボンドプロセスでの熱結合によって、または個々のメルトブローン繊維間の絡み合いによって生成されていてもよい。繊維の絡み合いは、溶融紡糸プロセスで固有のものであるが、例えば水流交絡またはニードルパンチなどのプロセスによって発生させまたは増大させてもよい。あるいは、および/またはさらに、所望の結合を増大させるのに結合剤を使用してもよい。ある所望の実施形態では、これらの方法のどちらも、絡み合いを増大させるのに使用されていない。
【0022】
好ましい実施形態では、弾性層は、80または60または40または24または20dg/分未満のMFRを有するプロピレン−α−オレフィンエラストマーを、布地の10または20または30または40〜50または70または80または90または95または100質量%含む。特定の実施形態では、弾性層は、本質的にプロピレン−α−オレフィンエラストマーからなる。
【0023】
プロピレン−α−オレフィンエラストマー
本明細書で使用される「プロピレン−α−オレフィンエラストマー」は、エラストマーであるランダムコポリマーを指し、中程度の結晶化度を有し、プロピレン由来の単位と、エチレン、高級α−オレフィン、および/またはジエン由来の単位であってもよい1個または複数の単位とを保有する。コポリマーの全コモノマー含量は、一実施形態では5〜35質量%である。いくつかの実施形態では、複数のコモノマーが存在する場合、特定のコモノマーの量は5質量%未満であってもよいが、組み合わせたコモノマーの含量は5質量%超である。プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、任意の数の種々のパラメータによって記述されてもよく、これらのパラメータは、本明細書に記述される任意の所望の下限と共に任意の所望の上限で構成された数値範囲を含んでいてもよい。
【0024】
ある実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、エチレンまたはC4−C10α−オレフィン由来の単位(または「コモノマー由来の単位」)を、エラストマーの5または7または9〜13または16または18質量%の範囲内で含む。プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、2種の異なるコモノマー由来単位を含んでいてもよい。また、これらのコポリマーおよびターポリマーは、以下に示すジエン由来単位を含んでいてもよい。特定の実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、プロピレン由来単位と、エチレン、1−ヘキセン、および1−オクテンから選択されるコモノマー単位とを含む。より特定の実施形態では、コモノマーはエチレンであり、したがってプロピレン−α−オレフィンエラストマーは、プロピレン−エチレンコポリマーである。ジエンが存在する場合、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、ジエン由来単位をエラストマーの5または3質量%未満含み、またはその他の実施形態では0.1または0.5または1〜5質量%の範囲内である。適切なジエンには、例えば:1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、ジシクロペンタジエン(「DCPD」)、エチリジエンノルボルネン(「ENB」)、ノルボルナジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン(「VNB」)、およびこれらの組合せが含まれる。
【0025】
ある実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、13C NMRで測定されるように、75%以上、80%以上、82%以上、85%以上、または90%以上の3個のプロピレン単位の三連立体規則性を有する。一実施形態では、三連立体規則性は、50〜99%の範囲内、別の実施形態では60〜99%、さらに別の実施形態では75〜99%、さらに別の実施形態では80〜99%、さらに別の実施形態では60〜97%の範囲内にある。三連立体規則性は、下記の通り決定される:本明細書で「m/r」と表される立体規則性指数は、13C核磁気共鳴(「NMR」)によって決定される。立体規則性指数m/rは、参照により本明細書に組み込まれるH.N.Cheng、17 MACROMOLECULES 1950(1984)に定義された通り計算される。表示「m」または「r」は、隣接するプロピレン基の対の立体配置を示し、「m」はメソを指し、「r」はラセミを指す。1.0のm/r比は、一般にシンジオタクチックポリマーを示し、2.0のm/r比はアタクチック材料を示す。アイソタクチック材料は理論的に、無限に近い比を有していてもよく、多くの副生成物であるアタクチックポリマーは、50を超える比をもたらすのに十分なアイソタクチック含量を有する。プロピレン−α−オレフィンエラストマーの実施形態は、4または6の下限から8または10または12の上限に及ぶ立体規則性指数m/rを有する。
【0026】
ある実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、0.5または1または5J/g〜35または40または50または65または75または80J/gの範囲内の、本明細書に記述される示差走査熱力測定(「DSC」)手順により決定された融解熱(「Hf」)を有する。ある実施形態では、Hf値は80または75または60または50または40J/g未満である。ある実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、0.5〜40%範囲内、別の実施形態では1〜30%、さらに別の実施形態では5〜25%の範囲内の結晶化度%を有し、この「結晶化度%」は、本明細書に記述されるDSC手順により決定されるものである。高次のポリプロピレンに関する熱エネルギーは、189J/gと推定される(即ち、100%の結晶化度は、189J/gに等しい。)。別の実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、40%未満の結晶化度を有し、別の実施形態では0.25〜25%の範囲内、さらに別の実施形態では0.5〜22%、さらに別の実施形態では0.5〜20%の範囲内にある。
【0027】
ある実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、DSCにより決定されるように、単一ピークの融解転移を有し;ある実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、90℃未満から一次ピーク融解転移を有し、広範な融解転移終止は約110℃よりも高い。ピーク「融点」(「Tm」)は、サンプルが融解する範囲内での最大熱吸収の温度と定義される。しかし、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、主ピークおよび/または融解転移終止に隣接して二次融解ピークを示してもよく、しかし本明細書の目的で、そのような二次融解ピークは、単一融点として一緒に考慮され、これらのピークの最高は、プロピレン−α−オレフィンエラストマーのTmと見なされる。プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、ある実施形態では、105または100または90または80または70℃未満からのピークTmを有し;その他の別の実施形態では、10または15または20または25〜65または75または80または95または105℃の範囲内である。
【0028】
DSC決定のための手順は、下記の通りである。ポリマー約0.5gを量り取り、「DSCモールド」およびMylar(商標)裏当てシートを使用して、約140〜150℃で約15〜20ミル(約381〜508μm)の厚さに押圧した。押圧パッドを、空気中に吊るすことによって周囲温度にまで冷却した(Mylar(商標)裏当てシートは除去しなかった。)。押圧パッドを室温(約23〜25℃)で約8日間アニールした。この期間の終わりに、約15〜20mgのディスクを、パンチダイを使用して押圧パッドから取り出し、10μlのアルミニウムサンプルパン内に置いた。サンプルを、示差走査熱量計(Perkin Elmer Pyris 1熱分析システム)内に置き、約−100℃にまで冷却した。サンプルを、約10℃/分で加熱して、約165℃の最終温度を実現した。サンプルの融解ピーク下の面積として記録された熱出力は、融解熱の尺度であり、ポリマーのg当たりのJ(J/g)として表すことができ、Perkin Elmerシステムによって自動的に計算された。これらの条件下で、融解プロファイルは2つの最大値を示し、最高温度での最大値は、温度の関数としての、ポリマーの高い熱容量に関するベースライン測定に対する、サンプルの融解範囲内の融点と解釈された。
【0029】
ある実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、0.840〜0.920g/cm3の範囲内、別の実施形態では0.845〜0.900g/cm3、さらに別の実施形態では0.850〜0.890g/cm3の範囲内の密度を有し、これらの値は、ASTM D−1505試験方法により室温で測定されたものである。
ある実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、80または70または50または40または30または24または20dg/分未満から、その他の実施形態では0.1または1または4または6〜12または16または20または40または60または80dg/分の範囲内の溶融流量(「MFR」、ASTM D1238、2.16kg、230℃)を有する。
ある実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、20または40〜80または90ショアAの範囲内のショアA硬度(ASTM D2240)を有する。さらに別の実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、500%または1000%または2000%超の;およびその他の実施形態では500%〜800または1200または1800または2000または3000%の範囲内の、極限伸び(ASTM D412)を有する。
【0030】
ある実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、50,000〜1,000,000g/モル、別の実施形態では60,000〜600,000、さらに別の実施形態では70,000〜400,000の範囲内の質量平均分子量(「Mw」)の値を有する。プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、ある実施形態では10,000〜500,000g/モル、さらに別の実施形態では20,000〜300,000、さらに別の実施形態では30,000〜200,000の範囲内の数平均分子量(「Mn」)の値を有する。プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、ある実施形態では80,000〜6,000,000g/モル、別の実施形態では100,000〜700,000、さらに別の実施形態では120,000〜500,000の範囲内のz−平均分子量(「Mz」)の値を有する。
【0031】
ある実施形態では、所望の分子量(したがって、所望のMFR)は、プロピレン−α−オレフィンエラストマーのビスブレーキング(visbreaking)により実現される。「ビスブレーキングがなされたプロピレン−α−オレフィンエラストマー」(当技術分野では「制御されたレオロジー」としても知られる。)は、ポリマー鎖が破壊されるようにビスブレーキング剤で処理がなされたコポリマーである。ビスブレーキング剤の非限定的な例には、ペルオキシド、ヒドロキシルアミンエステル、およびその他の酸化剤およびフリーラジカル発生剤が含まれる。別の言い方をすれば、ビスブレーキングがなされたエラストマーは、ビスブレーキング剤およびエラストマーの反応生成物であってもよい。特に、ビスブレーキングがなされたプロピレン−α−オレフィンエラストマーは、処理前のMFR値に対して、一実施形態では少なくとも10%、別の実施形態では少なくとも20%、そのMFRが増大するように、ビスブレーキング剤で処理がなされたものである。
【0032】
ある実施形態では、繊維および布地を作製するプロセスは、押出し機および装置のその他の部分からいかなるビスブレーキング剤も排除する。この場合のプロピレン−α−オレフィンエラストマーを、「リアクタ(reactor)級」エラストマーと呼ぶ。「排除する」または「排除した」が意味するところは、ペルオキシド、ヒドロキシルアミンエステル、およびその他の酸化剤およびフリーラジカル発生剤などのビスブレーキング剤が、押出し機または押出し機の下流の繊維形成装置の任意のその他の構成要素に添加されないことである。したがってこの実施形態では、繊維および布地にブローされているエラストマーは、押出し機に導入されたときに所望のMFRを有し、繊維形成装置に供給されるエラストマーである。
【0033】
ある実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーの分子量分布(「MWD」)が、1.5または1.8または2.0〜3.0または3.5または4.0または5.0の範囲内にある。分子量(Mn、Mz、およびMw)およびMWDを決定するための技術は、下記の通りであり、また参照により本明細書に組み込まれるVerstateら、21 MACROMOLECULES 3360(1988)にある通りである。本明細書に記述される条件は、公表された試験条件を超えて優先される。分子量およびMWDは、Chromatix KMK−6オンライン光散乱光度計を備えたWaters 150ゲル透過クロマトグラフィを使用して測定される。システムは、移動相としての1,2,4−トリクロロベンゼンと共に、135℃で使用した。Showdex(商標)(Showa−Denko America,Inc.)ポリスチレンゲルカラム802、803、804、および805が使用される。この技法は、参照により本明細書に組み込まれるLIQUID CHROMATOGRAPHY OF POLYMERS AND RELATED MATERIALS III 207(J.Cazes編、Marcel Dekker、1981)に論じられている。カラムの展開の補正は用いず;しかし、一般に許容される標準物質、例えばNational Bureau of Standards、ポリエチレン(SRM 1484)および陰イオンにより生成された水素化ポリイソプレン(交互エチレン−プロピレンコポリマー)に関するデータは、Mw/MnまたはMz/Mwに関するそのような補正が0.05単位未満であることを実証している。Mw/Mnは、溶出時間−分子量の関係から計算したのに対し、Mz/Mwは、光散乱光度計を使用して評価した。数値分析は、LDC/Milton Roy−Riviera Beach、Flaから入手可能な市販のコンピュータソフトウェアGPC2、MOLWT2を使用して行うことができる。
【0034】
本明細書に記述されるプロピレン−α−オレフィンエラストマーは、ポリプロピレンを生成することが知られている任意の触媒および/またはプロセスを使用して、生成することができる。ある実施形態では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーは、WO02/36651、米国特許第6992158号、および/またはWO00/01745の手順により調製されたコポリマーを含むことができる。プロピレン−α−オレフィンエラストマーを生成するための好ましい方法は、米国特許出願公開第2004/0236042号および米国特許第6,881,800号に見出される。好ましいプロピレン−α−オレフィンエラストマーは、Vistamaxx(商標)(ExxonMobil Chemical Company、Houston、TX、USA)、およびVersify(商標)(The Dow Chemical Company、Midland、Michigan、USA)、ある特定の級のTafmer(商標)XMまたはNotio(商標)(Mitsui Company、日本)、ならびにある特定の級のSoftel(商標)(オランダのBasell Polyolefins)という商標名で市販されている。
繊維および布地組成物の「プロピレン−α−オレフィンエラストマー」成分は、単一ポリマーとして時々論じられるが、この用語によれば、本明細書に記述される範囲内の性質を有する2種以上の異なるプロピレン−α−オレフィンエラストマーのブレンドも考えられる。
【0035】
溶融紡糸プロセス
メルトスパンISLの形成は、押出しの後、微細なデニールの繊維が紡糸されるよう適切な融解温度および圧力を取り扱うことが可能な少なくとも1個のダイを含む溶融紡糸装置を通して紡糸することによる、繊維の製造を必要とする。特に、装置は、多数のノズルを含む少なくとも1個のダイを有しており、ノズルのそれぞれは、ノズルを通して種々の材料をメルトスパンさせるように、それ自体の押出し機に流体接続されている。ノズルは、狭いオリフィス、即ちそこを通して溶融ポリマーがフィラメントにメルトスパンされる狭いオリフィスを画定する。各ダイは、任意の数のノズルを有することができ、このノズルの密度は20または40または50ノズル/インチ〜120または150または200または300または350ノズル/インチに及ぶ。押出しプロセスは、典型的には繊維の機械的または空気力学的延伸を伴う。本明細書に記述されるISLは、押出し可能なポリマーを溶融紡糸することが可能な、当技術分野で公知の任意の技法により製造されてもよい。一実施形態では、メルトスパンISLは、200psi(1.38MPa)または500psi(3.45MPa)を超える融解圧力でおよび50〜350℃の範囲内の融解温度で動作することができる装置からメルトスパンされる。
【0036】
ある実施形態では、ISLおよび布地を作製するプロセスは、メルトブロー押出し機およびこの装置のその他の部分からいかなるビスブレーキング剤も除外する。「除外する」または「除外した」が意味するところは、ペルオキシド、ヒドロキシルアミンエステル、およびその他の酸化剤およびフリーラジカル発生剤などのビスブレーキング剤が、押出し機に、またはメルトブロー装置で押出し機の下流にある装置の任意のその他の構成要素に添加されないことである。したがって、繊維および布地にブローされているコポリマーは、押出し機に導入されたときに所望のMFRを有し、メルトブロー装置に供給されるコポリマーである。
【0037】
本明細書に記述されるISL(および布地を構成する繊維)を製造するために修正されてもよい適切な溶融紡糸設備の例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,380,570号、米国特許第5,476,616号、米国特許出願公開第2004/0209540号、およびR.Zhao、「Melt Blowing Polyoxymethylene Copolymer」、INT’L NONWOVENS J.、19〜24(2005年夏)にある。メルトブローすることが可能な設備は、ある実施形態で使用される。所望の装置は、典型的には少なくとも1個の押出し機を含むことになり、この装置内で融解圧力を維持するためにギアポンプを含んでいてもよい。押出し機は、少なくとも1個のダイブロックまたはアレイダイに結合されて、押出し機からの融解物をダイブロックに移すことができるようになされている。本発明の場合、装置は、多数のノズルを有する少なくとも1個のダイを有し、それぞれは、ノズルを通して種々の材料がメルトスパンされるようにおよび/または融解物を種々の処理量で紡糸できるように、それ自体の押出し機に流体接続されている。別の実施形態では、複数のアレイダイがあってもよく、各ダイは、押出し機に結合されており、および/または種々の処理量で融解物を紡糸することが可能である。アレイダイは、紡糸口金部分を含み、高圧空気をダイの紡糸口金部分に送出するために少なくとも1個の空気マニホールドにも結合される。紡糸口金は、複数の紡糸ノズル、即ちそこを通して融解物が押出され、同時に空気圧力により細長化されてフィラメントまたは繊維を形成する、複数の紡糸ノズルを含む。
【0038】
本明細書でISLの1つまたは複数の層を形成する、メルトブローンがなされた繊維は、溶融コポリマーを、溶融スレッドまたはフィラメントとして、複数の微細な、通常は円形のダイキャピラリー、または「紡糸ノズル」を通して、収束または平行な、通常は高温および高速の気体流(例えば、空気または窒素)中に押し出して、溶融熱可塑性材料のフィラメントを細長化し、繊維を形成することによって、形成される。溶融紡糸プロセス中、溶融フィラメントの直径は、典型的には、引出し空気によって所望のサイズにまで減じられる。その後、メルトブローン繊維は、高速気体流により運ばれ、収集面に堆積されて、ランダムに分布されたメルトブローン繊維の少なくとも1つのウェブを形成する。メルトスパン繊維は、連続的でも不連続であってもよく、その平均直径は、一般に0.5〜350μmの範囲内にある。
【0039】
より具体的には、弾性メルトブローン布地を形成するのに有用な溶融紡糸プロセスで、溶融ポリマーは、1対の空気プレート、即ちその一方が1個または複数の一次空気ノズルを形成する上部プレートである、1対の空気プレートの間に配置された、少なくとも1個のアレイダイに供給される。一実施形態では、メルトブロー装置は、複数の紡糸口金ノズル(または「ノズル」)を備えたアレイダイを含み、このノズルの密度は、20または30または40〜200または250または320ノズル/インチの範囲内である。一実施形態では、各ノズルは、0.05または0.10または0.20〜0.80または1.00または2.00mmの範囲内の内径を有する。一実施形態での空気プレートは、紡糸ノズルの先端が一次空気ノズルから引き込まれた位置に配置されるよう、リセス構成で取り付けられる。別の実施形態では、空気プレートは、この空気プレートの端部が紡糸ノズルの先端と同じ水平面にある、面一構成で取り付けられる。さらにその他の実施形態では、紡糸ノズルの先端は、紡糸ノズルの先端が空気プレートの端部を越えて延びるように、突出または「突出し」構成にある。さらに、複数の空気流を、ノズルで使用するのに供給することができる。
【0040】
一実施形態では、高温空気(「一次空気」)が、少なくとも各面に位置付けされた一次空気ノズルを通して、またはダイの先端の周辺の周りに、または各ノズルの周りに供給される。高温空気はダイを加熱し、したがって、溶融ポリマーが出て行きかつ冷却されるときにダイが凝固ポリマーで詰まるのを防止する。また高温空気は、融解物を繊維へと引出しまたは細長化する。一次空気は、形成溶融フィラメントに平行に、または形成フィラメントに最大で直角になる任意の角度で流れてもよく、好ましくは一次空気流は、平行(0°)から約30°の角度の範囲内である。ある実施形態では、メルトブローンプロセスでの一次空気圧力は、ダイヘッドが出口直前にある点で、典型的には平方インチゲージ当たり2または5〜10または15または20または30ポンド(psig)に及ぶ。一次空気温度は、ある実施形態において、典型的には200または230〜300または320または350℃の範囲内であり、その他の実施形態では、50または80または100または150℃超の温度で空気により細長化される。一次空気流量は、典型的には、ダイの幅1インチ当たりの1分当たり5または10または20〜24または30または40標準立方フィート(SCFM/インチ)に及ぶ。
【0041】
周囲よりも高い温度の二次または急冷空気を、ダイヘッドを通して供給することもできる。あるいは、水急冷を、紡糸ノズルのすぐ近くに存在する繊維に適用することもできる。
本明細書に記述されるメルトスパンISLを作製するのに使用されるポリマーの融解温度は、ポリマー(および任意のその他の添加剤)の融解物を形成する温度よりも高くかつポリマー(および任意のその他の添加剤)の分解温度よりも低く、ある実施形態では、50または100または150℃〜250または280または350℃の範囲内である。さらにその他の実施形態では、融解温度は150℃未満からまたは200または220または230または250または260または270または280℃である。ポリマーは、200psi(1.38MPa)または500psi(3.45MPa)または750psi(5.17MPa)または1000psi(6.89MPa)よりも高い融解圧力で、またはその他の実施形態では、200psi(1.38MPa)または500psi(3.45MPa)または750psi(5.17MPa)〜1000psi(6.89MPa)または2000psi(13.78MPa)の範囲内で、繊維に形成される。したがって溶融紡糸装置は、例えばプロピレン−α−オレフィンコポリマーを、本明細書に記述される布地およびISLに紡糸するために、そのような圧力を発生させかつそのような圧力に耐えることができるようにしなければならない。
【0042】
時間単位当たり、ダイ1インチ当たりを流動する溶融ポリマーの量に関して表すと、本明細書に記述される組成物を使用して弾性メルトブローン布地を製造するための処理量は、典型的には、1分当たり、1ホール当たりで0.1または0.2または0.3〜1.0または1.25g(ghm)の範囲内である。したがって、インチ当たり30ノズルを有するダイに関し、ポリマー処理量は、典型的には約0.4〜1.2または3.2または4または5ポンド/インチ/時(「PIH」)である。
【0043】
そのような高温を使用することができるので、ノズルから離れる繊維を急冷しまたは凝固するために、かなりの量の熱が繊維から望ましく除去される。空気または窒素の低温気体は、メルトスパンフィラメントの冷却および凝固を加速するのに使用することができる。特に、繊維延伸方向に対して交差流方向(直角または角度が付いた)に流動する冷却(「二次」)空気は、メルトスパン繊維を急冷するのに使用してもよく、繊維の直径を制御するのに使用してもよい。また、追加のより低温である加圧された急冷空気を使用してもよく、繊維のさらに速い冷却および凝固をもたらすことができる。ある実施形態では、二次冷却空気流は、繊維を細長化するのに使用してもよい。空気およびアレイダイの温度、空気圧力、およびポリマー供給速度の制御を通して、メルトスパンプロセス中に形成された繊維の直径を調節してもよい。
【0044】
キャビティにより画定されかつ複数の紡糸口金ノズルに流体接続された単一ゾーンを含む、典型的な溶融紡糸ダイを、図1に示す。この装置では、単一の組の所望の性質(繊維の直径、基本質量など)を有する単一タイプの布地が製造される。図1を参照すると、装置02は、ゾーン06によって形成されたチャンバに溶融ポリマー10を進入させる1つの開口08を含む、ダイブロック04を含む。ゾーン06内の圧力によって溶融ポリマーが紡糸口金ノズル16に押しやられると、溶融ポリマーのフィラメント20が形成される。図1の実施形態における紡糸口金ノズル16は、それぞれ、より大きな同心ダクト18に取り囲まれ、そこを通って、好ましくは加熱された空気(フィラメントを細長化するのに使用される「一次空気」に関して記述したものなど)が形成フィラメント20と平行に流れ、ダクト18にある開口からいくらかの角度で外向きに収束する。加熱されまたは加熱されていない一次空気は、空気ダクト18に流体接続されているチャネル12または14を通して供給することができる。当然ながら、フィラメント20は最終的に、急冷され絡み合って、溶融ポリマー10として供給されるポリマー材料を含む布地を形成することになる。
【0045】
本明細書に記述されるISLを形成するのに適した溶融紡糸ダイの特定の実施形態について、図2を参照しなから記述する。図2には、3つの溶融紡糸ゾーン26、32、および38を含む1個のダイ24を含む溶融紡糸装置22であって、各ゾーンが、対応するゾーンに流体接続される複数のノズル52、54、56をそれぞれ含んでおり、各ゾーンが、それぞれ開口28、40、および34を通して溶融押出し機に流体接続されている、装置22が示される。図1の装置02のように、押出し機から供給され、かつギアポンプによって支援されてもよい溶融ポリマーは、溶融流30、36、および42としてそれぞれ開口28、26、および38を通してポンプ送出される。各流れ30、36、および42は、対応する最終生成物に関して本明細書に記述されるのと同じでも異なっていてもよい。次いで溶融ポリマーは、圧力によって紡糸口金ノズル48を通して押しやられ、溶融ポリマーのフィラメントを形成する。ゾーン26に流体接続している紡糸口金ノズル48の組を通して、隣接するフィラメントと絡み合うことになるフィラメント52から1つの布地が形成される。同様に、ゾーン38に流体接続している紡糸口金ノズル48の組を通して、フィラメント52から形成される布地と絡み合うフィラメント54から、布地が形成される。最後に、ゾーン32に流体接続している紡糸ノズル48の組を通して、フィラメント52と絡み合うフィラメント56から、布地が形成される。図2の実施形態に示されるように、加熱されまたは加熱されていない一次空気が、同心空気ダクト50に流体接続しているチャネル44および46を通過する。ゾーン26、32、および38の圧力、ならびに温度およびその他の変数は、独立して制御することができ、したがって最終生成物の性質に影響を及ぼす。この実施形態では、各ゾーン内の材料の処理量、繊維直径などは、押し出されスパンされる材料で可能であるように、独立に制御することができる。しかし、本明細書に記述されるISLを作製するのに適した溶融紡糸装置は、それ自体の溶融押出し機にそれぞれ流体接続されている多数のダイが存在できるので、ただ1つのダイに限定されない。
【0046】
図2では、プロピレン−α−オレフィンエラストマーが、ダイに押し出され、複数のノズルを有する中心ゾーンに押し出される。ポリプロピレンおよび/またはPETおよび/またはポリエチレンのいずれか1種またはブレンドは、中心ゾーンのどちらかの側に隣接したゾーン内に押し出される。次いで材料は、ノズルを通してメルトスパンされ、形成フィラメントの一部が互いに絡み合うことができるが、2つの熱可塑性対向層の間に挟まれたエラストマーを有する個別の3層構造は維持されたままである。一次空気流を可能にするための手段は、空気が形成フィラメントと平行にまたはほぼ平行に流れ、かつ繊維に形成されるときにフィラメントを細長化するように、溶融紡糸ダイのこの実施形態で提供される。
【0047】
ISLは、1つにはそのバルク特性によって定義される任意の数の性質を、または内部で布地を構成する繊維の性質を、有することができる。ある実施形態では、本明細書に記述されるメルトスパン繊維は、4または6または8または10または12μm超の平均直径を有し、その他の実施形態では、80または50または40または30または20または10または5μm未満からの平均直径を有する。さらに別の実施形態では、ISLを構成する繊維は、5または6または8または10〜20または50または80または100または150または200または250μmの範囲内の平均直径を有する。
【0048】
冷却の後または間に、メルトスパン繊維を収集して、層状化構造またはISLを形成する。特に、繊維は、ノズルの下またはノズルから横断して位置付けられた移動メッシュスクリーン、移動ベルト、または収集(滑らかなまたはパターン化された/エンボス加工された)ドラムなど、当技術分野で知られるような任意の所望の装置で収集される。繊維を形成し、細長化し、冷却するために、紡糸ノズルの下に十分な空間を提供するには、ポリマーノズルの先端とメッシュスクリーンのまたは収集ドラムの最上部と間に3インチ〜2フィートまたはそれ以上の距離を形成することが望ましい。ある実施形態では、層の繊維は、二次プロセスによって互いに結合されていない。
【0049】
In situラミネート
化学的、物理的、またはその両方で明確に異なっていてもよいフィラメントの隣接ゾーンは、in situで絡み合う層状化構造(またはラミネート)が形成されるように、または言い換えれば「in situラミネート」が形成されるように、スパンすることができる。ある実施形態では、本明細書に開示されるISLは、少なくとも1つの弾性層を含むが、当技術分野で知られるような「対向層(facing layer)」など、任意の数のその他の層も含むことができる。そのような層は、柔らかな感触を布地に付加することができ、および/または延伸性を提供して弾性布地層を延伸させ収縮させることができる。しかし、弾性層に隣接する2、3、4またはそれ以上の層の布地を存在させることができる。特定の実施形態では、2つ以上の層のメルトスパン布地は、少なくとも2つの対向層および弾性層を含み、この弾性布地層は、2つの対向層の間に位置付けられている。
【0050】
対向層は、一構成成分または二構成成分の繊維からなるものにすることができ、メルトスパンすることができる延伸性の任意の材料から作製することができ、または機械的手段を通して延伸性にすることができる任意の材料から作製することができる。ある実施形態では、対向布地層は、ポリプロピレン(例えば、ホモポリマー、耐衝撃性コポリマー、コポリマー)、ポリエチレン(例えば、LDPE、LLDPE、HDPE(コポリマーおよびブロックコポリマー))、官能化ポリオレフィン(例えば、Exxelor(商標)無水マレイン酸官能化エラストマーエチレンコポリマー)、プラストマー(例えば、エチレン−α−オレフィンコポリマー)、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブロックコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロース系材料(例えば、Rayon(商標)、Lyocell(商標)、Tencil(商標))、エラストマー、ポリ(アセチレン)、ポリ(チオフェン)、ポリ(アニリン)、ポリ(フルオレン)、ポリ(ピロール)、ポリ(3−アルキルチオフェン(alkythiophene))、ポリ(硫化フェニレン)、ポリナフタレン、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリ(フッ化ビニリデン)、およびこれら材料の任意の2種以上のブレンドからなる群から選択される材料を含む。ある実施形態では、ISL内に弾性層がない場合、全ての層は、これら材料の1種またはブレンドを含んでいてもよい。
【0051】
ある実施形態では、弾性層は、熱可塑性タイプの材料(非弾性)および弾性材料のブレンドを含んでいてもよい。したがって、例えば弾性層は、プロピレン−α−オレフィンエラストマーおよびポリプロピレンホモポリマーまたはポリエチレンが任意の適切な割合にあるブレンドであってもよい。弾性材料とブレンドすることができるその他の材料には、限定するものではないが、プラストマー(例えば、エチレン−α−オレフィンコポリマーおよびブロックコポリマー)、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブロックコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロース系材料(例えば、Rayon(商標)、Lyocell(商標)、Tencil(商標))、エラストマー、ポリ(アセチレン)、ポリ(チオフェン)、ポリ(アニリン)、ポリ(フルオレン)、ポリ(ピロール)、ポリ(3−アルキルチオフェン(alkythiophene))、ポリ(硫化フェニレン)、ポリナフタレン、ポリ(フェニレンビニレン)、ポリ(フッ化ビニリデン)、およびこれら材料の任意の2種以上のブレンドが含まれる。
【0052】
ある例示的なISLでは、ISLは、ポリプロピレンから作製された少なくとも2種の対向層(例えば、ExxonMobil SFT 315)と、プロピレン−α−オレフィンエラストマーから作製された1つの弾性層(例えば、Vistamaxx特製エラストマー6202、MFR 18dg/分)とを含み、対向層が弾性層を挟んでいる。
ISLの別の例示的な実施形態は、メタロセンプロピレンホモポリマー(例えば、Achieve(商標)6936ポリプロピレン)から作製された対向層と、プロピレン−α−オレフィンエラストマーの弾性層を含む。
【0053】
別の例示的な実施形態は、EPDM(例えば、Vistalon(商標)7001エチレンプロピレンジエンターポリマー)の層の間に挟まれたプロピレン−α−オレフィンエラストマーを含む。さらに別の例示的な実施形態は、ポリエチレンの層の間に挟まれたプロピレン−α−オレフィンエラストマーを含む。
【0054】
ISLのさらに別の例示的な実施形態は、ポリエチレンテレフタレートの布地層の間に挟まれたプロピレン−α−オレフィンエラストマー布地層を含む。
ISLのさらに別の例示的な実施形態は、ポリエチレンテレフタレートおよびポリプロピレンホモポリマーのブレンドの布地層の間に挟まれたプロピレン−α−オレフィンエラストマー布地層を含む。
ISLのさらに別の例示的な実施形態は、ポリエチレンおよびポリプロピレンホモポリマーのブレンドの布地層の間に挟まれたプロピレン−α−オレフィンエラストマー布地を含む。
ISLのさらに別の例示的な実施形態は、ポリエチレンおよびポリプロピレンホモポリマーのブレンドから作製された布地の層の間に挟まれた、プロピレン−α−オレフィンエラストマーおよびポリプロピレンのブレンドから形成された布地層を含む。
ISLのさらに別の例示的な実施形態は、ポリプロピレンコアおよびポリエチレンシースの二成分繊維から作製された布地の層の間に挟まれた、プロピレン−α−オレフィンエラストマー布地層を含む。
ISLのさらに別の例示的な実施形態は、ポリプロピレンコアおよびポリエチレンシースの二成分繊維から作製された布地の層の間に挟まれた、プロピレン−α−オレフィンエラストマーおよびポリプロピレンのブレンドから形成された布地層を含む。
ISLのさらに別の例示的な実施形態は、ポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタレートのブレンドの布地層の間に挟まれた、プロピレン−α−オレフィンエラストマーおよびポリプロピレンのブレンドから形成された布地層を含む。
ISLのさらに別の例示的な実施形態は、プロピレン−α−オレフィンエラストマーおよびポリプロピレンの二成分繊維から作製された2つの対向布地層と、プロピレン−α−オレフィンエラストマーの中心布地層とを含む。
ISLのさらに別の例示的な実施形態は、プロピレン−α−オレフィンエラストマーの中心布地層を挟む対向層を形成するための、プロピレン−α−オレフィンエラストマーおよびポリプロピレンのブレンドを含む。
ISLのさらに別の例示的な実施形態は、3つの異なる布地層、即ち:プロピレン−α−オレフィンエラストマーおよびポリプロピレンのブレンドから作製された一方の対向層、ポリエチレンテレフタレートから形成された他方の対向層、およびプロピレン−α−オレフィンエラストマーから形成されたコア布地層を含む。
ISLのさらに別の例示的な実施形態は、ポリプロピレンを挟むエチレン−α−オレフィンブロックコポリマーの二成分繊維から作製された対向布地層と、プロピレン−α−エラストマーのコア布地層を含む。
【0055】
ISLの任意の層、または、二次布地および/または複合体のフィルムの任意の層は、その他の添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、任意の所望のレベルで存在していてもよく、例えば、繊維または布地またはフィルムの0.1〜3または4または5または10質量%含む。本明細書で使用される「添加剤」には、例えば、安定化剤、界面活性剤、抗酸化剤、オゾン亀裂防止剤(例えば、チオ尿素)、充填剤、移行(防止)剤、着色剤、核形成剤、粘着防止剤、UV遮断剤/吸収剤、炭化水素樹脂(例えば、Oppera(商標)樹脂、Picolyte(商標)粘着付与剤、ポリイソブチレンなど)、およびその他の粘着付与剤、油(パラフィン系、鉱物、芳香族、合成)、スリップ剤、親水性添加剤(例えば、Irgasurf(商標)560HL)、疎水性添加剤(例えば、ワックス)、およびこれらの組合せが含まれる。一次的および二次的な抗酸化剤には、例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、およびホスフェートが含まれる。スリップ剤には、例えばオレアミドおよびエルカミドが含まれる。充填剤の例には、カーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、シリケート、およびこれらの組合せが含まれる。その他の添加剤には、分散剤と、ステアリン酸カルシウムやヒドロタルサイト、酸化カルシウムなどの触媒失活剤、および/または当技術分野で公知のその他の酸中和剤が含まれる。添加剤は、溶融紡糸前に添加剤と純粋なポリマー材料のペレットとをドライブレンドすることによって、または添加剤を既に有する布地材料を得ることによってなど、任意の手段によって、ISLおよび/または複合体の様々な層を構成する材料に添加してもよい。
【0056】
ISLを構成するのに使用される材料に関わりなく、各層は、類似するまたは異なる性質を有していてもよい。例えば、ある実施形態では、層のいずれか1つまたは複数が、5または10または20または30〜40または50または60または70または80または100または150または200g/m2の範囲内の基本質量を有する。また、ある実施形態では、布地を構成する繊維の平均直径は、0.1未満または1.0または2.0〜15または20または30または40または50または80または100または120μmであり、または、0.1または5または10または15〜30または40または50または80または100または120μmの範囲内である。さらにその他の実施形態では、隣接する布地の単位面積当たりの繊維の数密度は、20または30〜200または250または200または300または350の範囲内である。
【0057】
例として、繊維が一定のデニール(または繊維平均直径)を有するが様々な基本質量を有する布地層を有するISLを、生成することができる。1mの幅のダイが図2に示されるように使用され、プロピレン−α−オレフィンエラストマーなどのエラストマーから作製された布地の目標基本質量が80g/m2であると仮定する。したがって、エラストマーを押し出す各列のノズルは、分当たりのポリマー8gという出力(即ち、8g/列で10列=80g)を有することになる。ノズルの外側の列が、内側のノズルの2倍の処理量を有すると仮定すると、外側ゾーンのノズルは16g/列を生成することになる。最終ISLは、32g/m2の対向層布地と、80g/m2の弾性布地と、さらに32g/m2の対向層布地からなり、合計布地基本質量が144g/m2になると考えられる。この構造の対向層は、等しい質量のコア布地が含有すると考えられる繊維の、2倍の長さの繊維を含有することになる。
【0058】
別の例では、その繊維が種々のデニール(または繊維平均直径)を持つ布地を有するISLを、生成することができる。30%のより微細なデニールの繊維を有する対向層は、コア繊維に比べて2倍の長さの繊維を製造すると考えられる。したがって、30%の繊維デニールの繊維からなる対向層と共に上記の例を使用すると、対向層における単位面積当たりの繊維の追加の長さの総量は、コアの4倍になると考えられる。これには、制約が限られた状態での布地のより大きな延伸可能性、ならびにより柔らかいと認めることができるより嵩高い布地を可能にする可能性がある。
【0059】
ある特定の実施形態では、対向層は、0.1または1または5または10〜20または30または40または50g/m2の範囲内の基本質量を有し、対向層の基本質量は、弾性層の基本質量よりも少なくとも5または10または20または30または40%少ない。
別の特定の実施形態では、対向層は、0.1または1または5または10〜20または30または40または50g/m2の範囲内の基本質量を有し、各対向層の基本質量は、少なくとも5または10または20または30または40%異なる。
さらに別の特定の実施形態では、弾性布地を構成する繊維の平均直径は、0.1または1.0または2.0〜15または20または30または40または50または80または100または120μmの範囲内であり、対向層の繊維の平均直径は、弾性層の繊維の平均直径よりも少なくとも5または10または20または30または40%少ない。
さらに別の特定の実施形態では、第1の対向層を構成する繊維の平均直径は、0.1または1.0または2.0〜15または20または30または40または50または80または100または120μmの範囲内であり、その他の1種または複数の対向層の繊維の平均直径は、第1の対向層の平均直径よりも少なくとも5または10または20または30または40%少ない。
【0060】
いずれの場合も、本明細書に記述されるISLは、任意の所望の構造をとることができる。ある実施形態では、ISLは、AB、AC、ABA、ABC、ACA、AAB、ABB、B’BB’、B’BBB’B、CCA、CAA、AABAA、CCBCC、ABBAB、A’B、A’C、A’BA、A’BC、A’CA、AB’、AC’、AB’A、AB’C、AC’A、ABB、ABC、ABBA、ABBC、ABCA、ABB、ACB、ABBA、ABBC、ACBA、AAB、ACC、AABAA、AABCC、AACAA、AA’B、AA’C、A’BAA、A’BCC、A’CAA、ABB’、ACC’、ABB’A、ABB’C、AA’C’A’A、AABB、ABCA、ABBA、ABBBC、ABCCA、ABB、AA’CB、ABBBC、ABBCA’、ACBACB、およびこれらの変形から選択される構造を含み、ここで「A」は、第1の熱可塑性または延伸性材料を含む布地であり、「B」は、第1のエラストマーを含む布地であり、「C」は、第1の熱可塑性材料とは異なりかつ延伸性である第2の熱可塑性材料を含む布地であり、「A’」は、「A」とは区別可能な物性(例えば、二成分、種々の直径の繊維、基本質量など)を有する第1の熱可塑性材料を含む布地であり、「B’」は、「B」とは区別可能な物性を有する第1のエラストマーを含む布地であり、「C’」は、「C」とは区別可能な物性を有する第2の熱可塑性材料を含む布地であり、下付きの「B」は、熱可塑性材料、エラストマー、またはその両方のブレンドを含む布地を指す。
【0061】
二成分繊維および種々の形状
ある実施形態では、ISL層のいずれか1つまたは全てを形成するのに使用される繊維は、二成分または「コンジュゲート(conjugate)」繊維である。これらには、並列の、セグメント化された、シース/コア、アイランドインザシー(island−in−the−sea)構造(「マトリックスフィブリル」)、および当技術分野で知られるようなその他のものが含まれる。したがって、二成分繊維は、様々な幾何形状が少なくとも二相の断面形態を有するものである。ある実施形態では、繊維を作製するのに使用されるポリマーの少なくとも1種は、プロピレン−α−オレフィンエラストマーである。コンジュゲート繊維の第2、第3などの成分は、ポリプロピレン、ポリエチレン(例えば、LDPE、LLDPE、HDPE)、プラストマー(例えば、エチレン−α−オレフィンコポリマー)、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブロックコポリマー、プロピレン−α−オレフィンエラストマー(例えば、Vistamaxx)、エチレン−α−オレフィンエラストマー(例えば、Infuse(商標)エラストマー)、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロース系材料(例えば、木綿、Rayon(商標)、Lyocell(商標)、Tencil(商標))、木材、ビスコース、およびこれらの材料のいずれか2種以上のブレンドなど、任意の適切な材料から作製されてもよい。特に好ましい第2(または第3など)の成分は、ポリエチレンである。二成分繊維を製造する主な目的は、どちらのポリマーにも単独で存在しない能力を活用することである。この技法により、想像できる任意の断面形状または幾何形状の繊維を製造することが可能になる。並列繊維は、一般に、自己捲縮繊維として使用される。自己捲縮繊維を得るのに使用される、いくつかのシステムがある。それらの1つは、各成分の異なる収縮特性を基にする。これら成分の異なる電気測定特性に基づいて、自己捲縮繊維を製造する試みがなされてきた。いくつかのタイプの並列繊維は、引抜き張力が除去されるにつれ自発的に捲縮し、その他は、「潜在的捲縮」を有し、ある周囲条件が得られたときに現れる。いくつかの実施形態では、「可逆的」および「非可逆的」捲縮が使用され、可逆的捲縮は、繊維が水中に浸漬されるにつれ除去することができ、繊維が乾燥されると再度出現する。この現象は、成分の膨潤特性を基にする。繊維の両側での異なる融点は、この繊維が、熱的に結合された不織ウェブで結合繊維として使用される場合に利用される。
【0062】
シース−コア二成分繊維は、成分の一方(コア)が第2の成分(シース)によって完全に取り囲まれている繊維である。ある実施形態では、ISLの層の1つまたは複数の繊維は、二成分である。接着は、繊維の完全性に必ずしも必要不可欠とは限らない。シース−コア繊維を製造する最も一般的な方法は、2種のポリマー液体を別々に、紡糸口金オリフィスに非常に近い位置まで導き、次いでシース−コアの形に押し出す技法である。同心繊維の場合、「コア」ポリマーを供給するオリフィスは、紡糸オリフィス出口の中心にあり、コアポリマー流体の流動条件は、紡糸するときに両方の成分の同心度が維持されるよう厳密に制御される。偏心繊維の製造は、いくつかの手法、即ち:内部ポリマーチャネルを偏心状態に位置決めし、2成分ポリマーの供給速度を制御する手法;シース成分融解物の供給付近に様々な要素を導入する手法;オリフィスから現れる直前に、同心シース−コア成分と融合する単一成分の流れを導入する手法;および高温エッジに通すことによってスパンされた同心繊維を変形させる手法に基づく。マトリックスフィブリル繊維は、必要とされる割合にある2種のポリマーの混合物からスパンされ;一方のポリマーは、第2の融解物中に液滴の形で懸濁される。マトリックス−フィブリル繊維の製造における特徴は、紡糸口金オリフィスのすぐ下で繊維を人工的に冷却することが望ましいことである。2成分の異なる紡糸可能性は、低濃度混合物(20%未満)以外、混合物の紡糸可能性をほぼ無効にすると考えられる。二成分繊維は、上面シート、裏面シート、レッグカフ(leg cuff)、弾性ウエストバンド、転写層として、おむつ、女性用ケア製品、および成人用尿漏れ防止製品などの製品になる布地を作製するのに使用され;エアレイド不織構造は、おしぼりの吸収剤コアとして使用され;医療用使い捨てテキスタイルおよび濾過製品などのスパンレース不織製品に使用される。
【0063】
また、ある実施形態では、ISL層のいずれか1つまたは全てが、プロピレンをベースにした繊維を含む混合繊維布地であってもよい。混合繊維布地は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0038982号に開示されている。ポリプロピレン、ポリエチレン、プラストマー、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブロックコポリマー、プロピレン−α−オレフィンエラストマー(例えば、Vistamaxx(商標))、または本明細書に記述されるその他のエラストマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロース系材料(例えば、木綿、Rayon(商標)、Lyocell(商標)、Tencil(商標))、木材、ビスコース、およびこれらの材料のいずれか2種以上のブレンドを含む、プロピレンをベースにした繊維を有する1つ、2つ、またはそれ以上のその他のタイプの繊維を存在させることができる。
【0064】
後処理
スリッティング(slitting)、処理、印刷グラフィックなど、当技術分野公知の様々な追加の可能性ある処理および/または仕上げステップを、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行ってもよい。例えば、ISLは、以下に示すような二次層があってもなくても、嵩高さ、感触、延伸性を高めるために、横方向(「CD」)および/または縦方向(「MD」)に機械的に延伸してもよい。一実施形態では、ISLは、CDおよび/またはMD方向に溝を有する2個以上のロールに通してもよい。そのような、溝の付いたサテライト/アンビルロールの配置構成は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0110442号および米国特許出願公開第2006/0151914号、および米国特許第5,914,084号に記載されている。溝が付いたロールは、鋼またはその他の硬質材料(硬質ゴムなど)で構成されていてもよい。望みに応じて、加熱空気、赤外線ヒータ、加熱ニップロール、または1つもしくは複数の加熱ロールもしくは水蒸気キャニスタにISLを部分的に巻き付けるなど、当技術分野で公知の任意の適切な方法により、熱を加えてもよい。熱は、溝が付いたロールそのものに加えてもよい。互いにすぐ隣りに位置決めされた2個の溝付きロールなど、その他の溝付きロールの配置構成が等しく適切であることも、理解すべきである。溝付きロールの他に、複合体を1つまたは複数の方向に機械的に延伸するために、その他の技法を使用してもよい。例えば、セルフセンタリング(self centering)噛み合いディスクが、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,223,059号、米国特許第4,285,100号、および米国特許第4,368,565号に記載されており、これは不織ウェブをMDおよび/またはCDに機械的に延伸できるものである。別の例では、複合体は、複合体を延伸するテンターフレーム(tenter frame)を通過してもよい。そのようなテンターフレームは、当技術分野で周知であり、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2004/0121687号に記載されている。
【0065】
ある実施形態では、ISLは、それ自体でまたはその他の二次層と共に、複合体を形成してもよい。ISLおよび/またはISLを含む複合体など、多層構造の様々な層の接合または結合は、CDおよび/またはMD配向がISLおよび/または複合体に与えられるように、特にISLが少なくとも1つのエラストマー層を含む場合に与えられるように、行うことができる。一旦これらの層が1つに結合されるとエラストマー性であり続けるエラストマーフィルムおよび/または布地層を含む多層構造を形成するのに、多くの手法を採用することができる。1つの手法は、布地層をエラストマーフィルムに結合する前に、この布地層を折り畳み、波形にし、縮ませ、またはその他の手法で1つにまとめることである。1つにまとめた布地を、フィルムの表面の端から端まで不連続的に、指定された点または線でフィルムに結合する。フィルム/布地が緩和状態にある間、布地は、フィルム上で波形または皺の付いた状態のままであり;エラストマーフィルムが延伸されると、このファブルイック層は、皺が付いた材料が本質的に平らになるまで平らに延ばされ、そこでエラストマーの延伸が終了する。
【0066】
CDおよび/またはMD延伸を与える別の手法は、エラストマーフィルム/布地を延伸し、次いでフィルムを延伸しながら布地をフィルムに結合することである。この場合も、フィルムの表面の端から端まで連続的にではなく、指定された点または線で、布地がフィルムに結合される。延伸フィルムを緩和させた場合、布地は、延伸されていないエラストマーフィルム全体が波型になり皺が付く。
さらに別の手法は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,336,545号、米国特許第5,226,992号、米国特許第4,981,747号、および米国特許第4,965,122号に記載されるように、布地をエラストマー層に結合する前に、この布地に「ネック形成」することである。ネッキングは、布地を一方向に引っ張り、布地内の繊維をより緊密に一まとめに滑らせ、引張り方向に直角な方向で布地の幅を減じるプロセスである。ネック形成された布地がエラストマー層に点結合する場合、得られる層状化構造は、ネッキングプロセス中に、布地が引っ張られる方向に対して直角な方向にいくらか延伸されることになるが、それはネック形成された布地の繊維が、層状化構造が延伸されるにつれて互いから離れるようにすべる可能性があるからである。
さらに別の手法は、形成された後にエラストマー多層構造を活性化することである。活性化は、エラストマー層状化構造を延伸し易くするプロセスである。より頻繁には、活性化はエラストマー層状化構造の物理的処理、修正、または変形であり、前記活性化は、機械的手段によって行われる。例えば、エラストマー層状化構造は、層状化構造を延伸可能にしかつ回復可能にするために、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,422,172号または米国特許出願公開第2007/0197117号で論じられるように、噛み合いロールを使用することによって漸進的に延伸してもよい。最後に、エラストマーフィルムまたは布地は、活性化を必要とせず、単に二次層上に形成されおよび/または二次層に結合されて、弾性層状化構造を形成するようなものであってもよい。そのようなプロセスは、ドレープや柔らかさなどのその他の性質を改善するために、非弾性層状化構造で使用することもできる。
【0067】
ある実施形態では、対向層は、ISLに組み込まれた場合にいかなる機械的延伸もない状態で非抑制性(non-constraining)および延伸性となるように、本質的に非弾性である。そのような訳で、例えば、プロピレン−α−オレフィンエラストマーから作製された弾性布地層は、延伸性ポリプロピレンまたはポリプロプロピレン/PETスパンレース布地の2層の間に挟まれる。
【0068】
二次層−複合体
いずれにせよ、本明細書に記述されるISLは、「複合体」を形成するために、1つまたは複数の二次層と組み合わせもよくおよび/またはこれらの層に結合してもよく、この二次層は、その他の布地、ネット、コフォーム布地、スクリム、および/またはフィルムを含むものであり、そのいずれかは、天然材料、合成材料、またはそれらのブレンドから調製されるものである。材料は、ある実施形態では延伸性、弾性、または可塑性であってもよい。二次層は、ISLの少なくとも1面に布地(またはフィルム)層を絡み合わせおよび/または接合させるため、熱、空気圧、または水圧の影響下で接触させるなど、当技術分野で公知の任意の手段によってISLと組み合わせてもよい。
【0069】
特定の実施形態では、1つまたは複数の二次層は、ポリプロピレン(例えば、ホモポリマー、耐衝撃性コポリマー、コポリマー)、ポリエチレン(例えば、LDPE、LLDPE、HDPE)、プラストマー(エチレン−α−オレフィンコポリマーおよびブロックコポリマー)、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブロックコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロース系材料(例えば、木綿、Rayon(商標)、Lyocell(商標)、Tencil(商標))、木材、ビスコース、エラストマー、およびこれらの材料のいずれか2種以上のブレンドからなる群から選択される材料を含む。
【0070】
二次層は、フィルム、布地、または両方の形をとってもよい。フィルムは、流延、ブローを行ってもよく、または任意のその他の適切な手段によって作製してもよい。二次層が布地の場合、この二次層は、メルトスパン、カード、ドライレイド、ウェットレイド布地にすることができ、そのいずれかはスパンレース処理がなされていてもよい。ドライレイドプロセスは、どのようにカード布地を製造するかなどの機械的手段、エアレイド法などの空気力学的手段を含む。ドライレイド不織は、ステープル繊維を乾燥状態で取り扱うよう設計された、カードおよびガーネットなどのステープル繊維加工機械で作製される。このカテゴリーには、トウ(tow)の形をした繊維から作製された不織材料と、ステープル繊維およびスティッチングフィラメントまたはヤーンからなる布地、即ちスティッチボンド不織材料も含まれる。ウェットレイドプロセスにより作製された布地は、ハンマーミルなどのパルプ繊維化、および製紙に関連した機械で作製される。ウェブ結合プロセスは、化学プロセスまたは物理プロセスであると言うことができる。いずれにせよ、ドライおよびウェットレイド布地は、当技術分野で知られるように、スパンレース布地が形成されるよう噴出および/または水流交絡させることができる。化学結合は、繊維状ウェブを1つに結合するための、水ベースおよび溶媒ベースのポリマーの使用を指す。これらの結合剤は、飽和(含浸)、噴霧、印刷、または泡としての付着によって、付着させることができる。物理結合プロセスは、カレンダがけおよび高温空気結合などの熱的プロセスと、ニードリング(needling)および水流交絡などの機械的プロセスを含む。メルトスパン不織材料は、1つの連続プロセスで作製され:繊維を、溶融押出しによってスパンし、次いで反らせ板によりウェブ内に直接分散させ、または空気流で方向を定めることができる。
【0071】
より詳細には、「カーディング」は、繊維の絡み合いを解き、清浄化し、混合してウェブを作製し、不織布へとさらに処理するためのプロセスであり、当技術分野で周知である。布地は、このプロセスを使用して作製された場合、「カード」布地と呼ばれる。この目的は、一塊の繊維の房を得て、均一で清浄なウェブを生成することである。カーディング方法の例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,105,381号に記載されている。このプロセスは、主に、機械的な絡み合いおよび繊維間摩擦により、ウェブとして1つにまとめて保持される繊維を並べる。主なタイプのカードは、ロールカードである。カーディング動作は、一連の相互作用カードロール上で、鋸歯ワイヤクロスの点の間で繊維を梳きまたは作用させることである。短繊維および異物は除去され、繊維の房は拡げられ、繊維は多かれ少なかれ並列に配置される。繊維のカーディングまたは並列化は、面の1つが他よりも速い速度で移動するときに行われる。繊維は、これらの点が同じ方向に配置された場合に除去されまたは「剥離され」、より速く移動する面が、より遅く移動する面から繊維を除去しまたは移送させる。
【0072】
不織ウェブを生成するよう設計された高速カードは、1つもしくは複数の主シリンダ、ロールもしくは固定トップ、1つもしく2つのドッファ、またはこれら主構成部品の様々な組合せで構成されてもよい。単一シリンダカードは、通常、縦方向または平行な繊維の向きを必要とする生成物に使用される。二重シリンダカード(または「タンデム」カード)は、基本的に、ウェブを第1の作用領域から第2の領域まで移送し供給するためのストリッパおよび送りロールのセクションによって、まとめて連結された2つの単一シリンダカードである。2つのカーディングユニットのタンデム型結合により、作用領域が区分され、ウェブ品質レベルでより遅い単一シリンダ機械に比べてより大量の繊維処理量が可能になる。ロール−トップカードは、シリンダ上に保持される繊維を混合しカード処理するために、5〜7組のウォーカおよびストリッパを有する。新たにグループ分けされた繊維の、カーディングゾーンへの多数の移送動作および再導入は、ウェブの均一性を高める二重の効果を発揮する。固定トップカードは、シリンダの上部周縁の周りに凹面をなして位置決めされたプレート上に取り付けられた、金属クロスの細片を有する。このように確立された追加のカーディング面は、繊維の抽出が最小限に抑えられた状態で広範な繊維アライメントを提供する。
【0073】
ある実施形態では、ISLおよび/または複合体は、1つまたは複数のコフォーム布地層を含んでいてもよい。そのような布地を形成するための方法は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,818,464号および米国特許第5,720,832号に記載されている。一般に、2種以上の異なる熱可塑性および/またはエラストマー性材料の布地を、形成してもよい。例えば、本明細書に記述されるコフォーム布地は、ポリプロピレンのような熱可塑性材料またはプロピレン−α−オレフィンなどのエラストマーを1または5または10または20または40または50〜60または70または80または90または99質量%と、別のポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタンなどの別の熱可塑性材料またはプロピレン−α−オレフィンエラストマーやスチレンブロックコポリマーなどのエラストマーを99または90または80または70または60〜50または40または20または10または5または1質量%含んでいてもよい。したがって、一態様では、高速気体送出ノズルを取り囲んで配置されまたはこのノズルと交互にもしくは反対側に配置された2個以上の押出し開口または何組かの開口から、不活性ガスの少なくとも1つの素早く移動する流れまたは噴流の剪断層への、溶融押出し一次材料(例えば、ポリプロピレンまたはエラストマー)および1種または複数のその他の材料(エラストマー、吸収剤、熱可塑性など)であってもよい材料の導入が提供される。これらの開口から押し出される材料は、その化学的および/または物理的性質が同じ材料であってもよく、あるいは互いに異なる材料であってもよい。第1、第2などの熱可塑性、吸収剤、またはエラストマー性材料として設計された場合、材料は、同じまたは異なる化学組成または分子構造のものであってもよく、同じ分子構造である場合は、分子量またはその他の特徴が異なっていてもよく、異なる物性が得られる。物性などのいくつかの点で互いに異なる熱可塑性材料が使用されるこれらの状況において、押出しまたはダイヘッドには多数のチャンバが設けられることになり、第1、第2などの熱可塑性材料のように、熱可塑性材料のそれぞれに1個設けられる。即ち、ダイヘッドには、第1の熱可塑性材料に関して第1のチャンバが設けられ、第2の熱可塑性材料に関して第2のチャンバが設けられ、以下同様である。対照的に、単一のチャンバと、第1および第2の熱可塑性押出し出口開口のそれぞれとの間に連絡をもたらすコンジットまたは通路が、単一のチャンバに設けられるような配置構成は、第1のチャンバおよび第2のチャンバがそれぞれ第1および第2の熱可塑性材料に用いられる場合、各チャンバには、唯一の押出し出口開口または一組の開口に至る通路が設けられる。したがって、第1の熱可塑性材料チャンバは、第1の熱可塑性材料通路を用いて第1の押出し出口開口に連絡し、一方、第2の熱可塑材料チャンバは、第2の熱可塑性材料通路を通して第2の熱可塑性押出し開口と連絡する。
【0074】
本明細書に記述される複合体を構成する布地および/またはフィルムの、2つ以上の様々な層は、いくつかの手法で結合されていてもよい。本明細書で使用される「結合される」(または「結合」または「接着される」)は、2種以上の布地または複数の繊維が、1)溶融または非溶融材料が化学的相互作用により接着できるという固有の傾向、および/または2)溶融または非溶融繊維および/または布地が別の材料を含む繊維と絡み合って繊維と布地との間の結合を発生させるという能力を通して、互いに固定されることを意味する。本明細書に記述される複合体の層は、高温エンボス加工、スポット結合、カレンダがけ、および超音波結合などの熱結合法;ニードルパンチおよび水流交絡などの機械式絡み合い法;ホットメルト接着剤およびウレタン接着剤などの接着剤の使用;および押出しラミネーションを含む、公知の方法により互いに結合されていてもよい。接着剤は、布地および/またはフィルム層の結合を促進させるように使用してもよいが、特定の実施形態では、接着剤は、本明細書に記述される布地および/またはフィルム層に存在せず(布地の繊維を結合するのに使用されない。);別の実施形態では、本明細書に記述されるISLに存在しない(隣接する布地層を結合するのに使用されない。)。接着剤の例には、低質量平均分子量(<80,000g/モル)ポリオレフィン、ポリビニルアセテートポリアミド、炭化水素樹脂、天然アスファルト、スチレンゴム、ポリイソプレン、およびこれらのブレンドを含むものが含まれる。
【0075】
ISLを組み込んで生成することができる複合体は、様々な結果をもたらすのに任意の数またはタイプの布地またはフィルムをISLと組み合わせることができるので、限定されない。ある実施形態では、複合体は、メルトスパンISL、表示「P」が、布地またはフィルムの1つまたは複数の二次層と組み合わされて複合体を形成する点を、さらに特徴とし、ここでこの複合体は、MP、MPM、PP、PPP、PPPP、PPM、PMP、PMMP、PPMPP、PMMPP、PMPPP、PPMMPP、PMPMP、PPPMPP、SP、SPS、SPPS、SPPPS、SSPS、SSPPS、SSPPPS、PP、PPP、PPPP、DPPPP、MPPPP、SPPPP、PPS、PSP、PSSP、PPSPP、PSSPP、PSPPP、PPSSPP、PSPSP、PPPSPP、DP、DDP、DPD、DPP、DDDDP、PPD、PDP、PDDP、PPDPP、PDDPP、PPDDPP、DMP、DDMPP、PDMDP、DPMPD、DDPMPD、DDPMPDD、DDPMMPDD、DPMMPD、PDMDMD、PMDMP、PDMMDD、PPDMDPP、DDDDMP、PPDMMDPP、FP、MPF、FPP、FPPP、FPPPP、FPPF、FPFPF、FPPM、PFP、PMFP、PPFPP、PFFPP、PMFPP、PPMFPP、PFD、PDFD、PDDFFD、PDFDD、DPF、DFP、DDDFP、FDP、PDDF、PFDPP、FPDDPP、PFDDPP、DMPF、DFMPP、PDFDP、DPFPD、DDPFPD、DDPFPDD、DDPFFPDD、DPFFPD、PFDFD、PFDFP、SFMP、SSFMP、PFFP、TP、TPT、PTP、WP、WPW、PWF、PA、PAP、APA、TPPT、PTTP、PAT、PAW、TTPTT、TTWPWTT、TTFPFTT、FTPTFおよびPWP、からなる構造から選択され、式中、「M」はメルトブローン布地層を表し、「S」はスパンボンド布地層を表し、「F」はフィルム層を表し、「D」はドライレイド(カードまたはエアレイド)布地層を表し、「T」はテキスタイル型の布地を表し、「W」は織布を表し、「A」は吸収剤(パルプ、紙、SAPなど)布地を表し、各文字は、その他の文字に隣接する層を表している。
【0076】
物品
本明細書に記述されるISLおよび/または複合体は、任意のタイプの最終用途物品を形成するのにまたは任意の所望の最終用途適用例において、使用してもよい。そのような適用例には、パーソナルケア製品、乳児用おむつ、トレーニングパンツ、吸収剤アンダーパッド、水着、拭取り用の布、女性用衛生用品、包帯、創傷ケア製品、医療用の衣類、手術衣、フィルタ、成人用尿漏れ防止製品、手術用ドレープ、カバー、衣類、クリーニング物品および装置などであるがこれらに限定されない、吸収剤またはバリア製品が含まれる。
【0077】
一実施形態では、吸収剤物品は、前腰セクションと、後腰セクションと、前および後腰セクションを相互に接続する中間セクションとを大まかに画定する、例えば参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0119102号に開示されるような、使い捨ておむつである。前および後腰セクションは、使用中、着用者の前および後腹部上にそれぞれ実質的に拡がるように構成されている、おむつの全体的部分を含む。おむつの中間セクションは、着用者の両脚の間の股間部を覆うよう構成されたおむつの全体的部分を含む。したがって、中間セクションは、おむつにおいて、繰り返される液体の急増が典型的に生じる領域である。これらの構造のいずれか1つまたは複数は、例えば、本明細書に記述されるISLまたは複合体を含んでいてもよい。
【0078】
おむつは、限定するものではないが外カバー、バックシート、液体透過性身体側ライナー、またはバックシートに対面する状態で位置決めされたトップシート、および吸収剤コア本体、または、バックシートとトップシートの間に位置付けられる吸収剤パッドなどの液体保持構造を含む。これら構造のいずれか1つまたは複数は、例えば、本明細書に記述されるISLまたは複合体を含んでいてもよい。バックシートは、おむつの長さおよび幅に一致する、長さまたは縦方向と幅または横方向を画定する。液体保持構造は、一般に、バックシートの長さおよび幅よりもそれぞれ短い長さおよび幅を有する。したがって、バックシートの辺縁セクションなどおむつの辺縁部分は、液体保持構造の末端縁を越えて拡がっていてもよい。ある実施形態では、バックシートは、おむつの側部辺縁および端部辺縁が形成されるように、液体保持構造の末端辺縁を越えて外向きに延びる。トップシートは、一般に、バックシートと同一の拡がりを有するが、望みに応じて、バックシートの面積よりも広いまたは狭い面積を覆ってもよい。
【0079】
改善されたフィット感を提供するために、およびおむつからの身体滲出液の漏れを減少させるのを助けるために、おむつの側部辺縁および端部辺縁には、適切な弾性部材により伸縮性を持たせてもよい。例えばおむつは、漏れが低減されるようにかつ改善された快適さおよび外観が提供されるように、着用者の脚の周りに緊密にフィットすることができる伸縮性を持たせた脚部バンドを提供するために、おむつの側部辺縁が動作可能に引っ張られるよう構成された脚部弾性素材を含んでいてもよい。腰部弾性素材は、伸縮性を持たせた腰部バンドが提供されるよう、おむつの端部辺縁に伸縮性を持たせるのに用いられる。腰部弾性素材は、着用者の腰部の周りに、弾力性のある快適で緊密なフィット感を提供するよう構成される。本明細書に記述されるISLまたは複合体を形成してもよいプロピレン−α−オレフィンエラストマーなどの潜在的に弾性の材料は、脚部弾性素材および腰部弾性素材として使用するのに適している。そのような材料の例は、バックシートを含みまたはバックシートに接着されるシートであり、弾性収縮力がバックシートに与えられるようになされている。
【0080】
知られるように、フックおよびループファスナなどの取付け手段を、着用者におむつを固定するのに用いてもよい。あるいは、ボタン、ピン、スナップ、接着テープファスナ、粘着剤、または布地アンドループファスナ(fabric−and−loop fasteners)などのその他の取付け手段を用いてもよい。例示される実施形態では、おむつは、フックアンドループファスナ(hook and loop fasteners)として示されるファスナが取着される、1対の側部パネル(羽根または耳)を含む。一般に、側部パネルは、腰部セクションの1つにあるおむつの側縁に取着され、そこから外向きに横方向に拡がる。側部パネルには、伸縮性を持たせてもよく、または潜在的に弾性の材料を使用することにより、その他の方法でエラストマー性にしてもよい。
【0081】
おむつは、流体滲出液を素早く受容しかつその流体滲出液をおむつの中の液体保持構造に流通させるように、トップシートと液体保持構造との間に位置付けられた急増管理層を含んでいてもよい。おむつは、通気性外カバーまたはバックシートの外面で衣類の湿気が低減されるよう、液体保持構造からバックシートを隔離するために、液体保持構造とバックシートとの間に位置付けられたスペーサ、またはスペーサ層とも呼ばれる換気層をさらに含んでいてもよい。これら構造のいずれか1つは、本明細書に記述されるISLおよび構造を含んでいてもよい。
【0082】
使い捨ておむつは、身体滲出液の横方向への流れに対するバリアが提供されるように構成されている、1対の閉じ込めフラップを含んでいてもよい。閉じ込めフラップは、液体保持構造の側縁に隣接した、おむつの横方向に対向する側縁に沿って位置付けられていてもよい。各閉じ込めフラップは、典型的には、着用者に対するシール材を形成するために、おむつの少なくとも中間セクションで、直立した垂直構成を維持するように構成された非取着縁を画定する。閉じ込めフラップは、液体保持構造の全長に沿って縦方向に延びていてもよく、または液体保持構造の長さに沿って部分的にのみ延びていてもよい。閉じ込めフラップが、液体保持構造よりも長さが短い場合、この閉じ込めフラップは、中間セクションにおけるおむつの側縁に沿ったどの場所にも、選択的に位置決めすることができる。そのような閉じ込めフラップは、一般に、当業者に周知である。
【0083】
ISLおよびISLを含む複合体の様々な特徴について述べてきたが、最初の番号付き実施形態では、下記の事項について記述されている:
1.メルトスパン布地の2つ以上の層を含む、メルトスパンin situラミネート(「ISL」)であって、互いに隣接する層が互いにin situで絡み合って前記層の間の混合繊維の界面領域が画定されるいる、ラミネート。
2.接着剤が層の間に存在しない、番号付き実施形態1のin situラミネート。
3.in situラミネートが、空気または水流交絡プロセスに供されない、番号付き実施形態1および2のin situラミネート。
4.隣接する層が、10gより大きい剥離強度を有する、番号付き実施形態1から3のいずれか1つのin situラミネート。
5.(a)布地の基本質量が同じではなく、(b)布地を構成する繊維の平均直径が同じではなく、(c)布地の組成が同じではなく、(d)隣接する布地の単位面積当たりの繊維の数密度が同じではなく、(e)繊維の断面形状が同じではなく、または(f)繊維(例えば、二成分繊維)の断面形態が同じではなく、(g)布地のまたはこれらの記述子の2つ以上の任意の組合せである、番号付き実施形態1から4のいずれか1つのin situラミネート。
6.少なくとも1つの布地層が弾性である、番号付き実施形態1から5のいずれか1つのin situラミネート。
7.メルトスパン布地の2つ以上の層が、同時にまたはほぼ同時に形成される、番号付き実施形態1から6のいずれか1つのin situラミネート。
8.2つ以上の層がメルトブローンされている、番号付き実施形態1から7のいずれか1つのin situラミネート。
【0084】
9.AB、AC、ABA、ABC、ACA、AAB、ABB、B’BB’、B’BBB’B、CCA、CAA、AABAA、CCBCC、ABBAB、A’B、A’C、A’BA、A’BC、A’CA、AB’、AC’、AB’A、AB’C、AC’A、ABB、ABC、ABBA、ABBC、ABCA、ABB、ACB、ABBA、ABBC、ACBA、AAB、ACC、AABAA、AABCC、AACAA、AA’B、AA’C、A’BAA、A’BCC、A’CAA、ABB’、ACC’、ABB’A、ABB’C、AA’C’A’A、AABB、ABCA、ABBA、ABBBC、ABCCA、ABB、AA’CB、ABBBC、ABBCA’、ACBACB、およびこれらの変形から選択される構造を含み、ここで「A」は、第1の熱可塑性材料を含む布地であり、「B」は、第1のエラストマーを含む布地であり、「C」は、第1の熱可塑性材料とは異なる第2の熱可塑性材料を含む布地であり、「A’」は、「A」とは区別可能な物性を有する第1の熱可塑性材料を含む布地であり、「B’」は、「B」とは区別可能な物性を有する第1のエラストマーを含む布地であり、「C’」は、「C」とは区別可能な物性を有する第2の熱可塑性材料を含む布地であり、下付きの「B」は、熱可塑性材料、エラストマー、またはその両方のブレンドを含む布地を指す、番号付き実施形態1から8のいずれか1つのin situラミネート。
【0085】
10.弾性布地が、プロピレン−α−オレフィンエラストマー、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、スチレンブロックコポリマー、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ポリクロロプレン、ネオプレン、エチレン−プロピレンゴムおよびエチレン−プロピレン−ジエンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ポリアクリルゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フルオロエラストマー、パーフルオロエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート、エチレン−α−オレフィンランダムおよびブロックコポリマー、熱可塑性エラストマー、熱可塑性加硫物、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性オレフィン、ポリスルフィドゴム、またはこれらエラストマーの任意の2種以上のブレンドからなる群から選択されるエラストマーを含む、番号付き実施形態6のin situラミネート。
【0086】
11.弾性布地が、20または24または40または60または80dg/分未満のMFRと、80J/g未満のHfと、プロピレン−α−オレフィンエラストマーの質量の5〜30質量%の範囲内のコモノマー由来の含量とを有するプロピレン−α−オレフィンエラストマーを含む、番号付き実施形態6のin situラミネート。
12.メルトスパン布地の2つ以上の層が、少なくとも2つの対向層および1つの弾性布地層を含み、弾性層は2つの対向層の間に位置付けられている、番号付き実施形態1から11のいずれか1つのin situラミネート。
13.対向布地層が、ポリプロピレン、ポリエチレン、官能化ポリオレフィン、プラストマー(エチレン−α−オレフィンコポリマー)、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブロックコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロース系材料、エラストマー、ポリ(アセチレン)、ポリ(チオフェン)、ポリ(アニリン)、ポリ(フルオレン)、ポリ(ピロール)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ(硫化フェニレン)、ポリナフタレン、ポリ(フェニレンビニレン)、およびポリ(フッ化ビニリデン)、およびこれらの材料の任意の2種以上のブレンドからなる群から選択される材料を含む、番号付き実施形態12のin situラミネート。
14.対向層が本質的に非弾性であり、in situラミネートに組み込まれる場合には、対向層は、いかなる事前の機械的延伸もない状態で、非抑制的および延伸性である、番号付き実施形態12のin situラミネート。
【0087】
15.弾性布地層が、5または10または20または30〜40または50または60または70または80または100または150または200g/m2の範囲内の基本質量を有する、番号付き実施形態1から14のいずれか1つのin situラミネート。
16.対向層が、0.1または1または5または10〜20または30または40または50g/m2の範囲内の基本質量を有し、対向層の基本質量が、弾性層の基本質量より少なくとも5または10または20または30または40%少ない、番号付き実施形態12のin situラミネート。
17.対向層が、0.1または1または5または10〜20または30または40または50g/m2の範囲内の基本質量を有し、各対向層の基本質量が、少なくとも5または10または20または30または40%異なる、番号付き実施形態12のin situラミネート。
【0088】
18.弾性布地を構成する繊維の平均直径が、0.1または1.0または2.0〜15または20または30または40または50または80または100または120μmの範囲内である、番号付き実施形態12のin situラミネート。
19.弾性布地を構成する繊維の平均直径が、0.1または1.0または2.0〜15または20または30または40または50または80または100または120μmの範囲内であり、対向層繊維の平均直径が、弾性層の平均直径よりも少なくとも5または10または20または30または40%少ない、番号付き実施形態12のin situラミネート。
【0089】
20.実施形態1から19のいずれか1つのin situラミネートを少なくとも1つ含む複合体であって、コフォーム布地、カード布地、ウェットレイド布地、ドライレイド布地、メルトスパン布地、ネット、スクリム、テキスタイル布地、織布、およびフィルムから選択される1つまたは複数の二次層を含む複合体。
21.1つまたは複数の二次層が、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィンコポリマー、ポリエチレン、プラストマー、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブロックコポリマー、エチレン−α−オレフィンコポリマーおよびブロックコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロース系材料、木材、ビスコース、木綿、エラストマー、およびこれらの材料の任意の2種以上のブレンドからなる群から選択される材料を含む、番号付き実施形態20の複合体。
【0090】
22.「P」と示されるメルトスパンin situラミネートが、布地またはフィルムの1つまたは複数の二次層と組み合わされて複合体を形成し、この複合体は、MP、MPM、PP、PPP、PPPP、PPM、PMP、PMMP、PPMPP、PMMPP、PMPPP、PPMMPP、PMPMP、PPPMPP、SP、SPS、SPPS、SPPPS、SSPS、SSPPS、SSPPPS、PP、PPP、PPPP、DPPPP、MPPPP、SPPPP、PPS、PSP、PSSP、PPSPP、PSSPP、PSPPP、PPSSPP、PSPSP、PPPSPP、DP、DDP、DPD、DPP、DDDDP、PPD、PDP、PDDP、PPDPP、PDDPP、PPDDPP、DMP、DDMPP、PDMDP、DPMPD、DDPMPD、DDPMPDD、DDPMMPDD、DPMMPD、PDMDMD、PMDMP、PDMMDD、PPDMDPP、DDDDMP、PPDMMDPP、FP、MPF、FPP、FPPP、FPPPP、FPPF、FPFPF、FPPM、PFP、PMFP、PPFPP、PFFPP、PMFPP、PPMFPP、PFD、PDFD、PDDFFD、PDFDD、DPF、DFP、DDDFP、FDP、PDDF、PFDPP、FPDDPP、PFDDPP、DMPF、DFMPP、PDFDP、DPFPD、DDPFPD、DDPFPDD、DDPFFPDD、DPFFPD、PFDFD、PFDFP、SFMP、SSFMP、PFFP、TP、TPT、PTP、WP、WPW、PWP、PA、PAP、APA、TPPT、PTTP、PAT、PAW、PWP、からなる構造から選択され、ここで「M」はメルトブローン布地層を表し、「S」はスパンボンド布地層を表し、「F」はフィルム層を表し、「D」はドライレイド(カードまたはエアレイド;スパンレース)布地層を表し、「T」はテキスタイル型の布地を表し、「W」は織布を表し、「A」は吸収剤(パルプ、紙、SAPなど)布地を表すことをさらに特徴とする、番号付き実施形態20の複合体。
【0091】
23.番号付き実施形態1から22のいずれか1つのin situラミネートまたは複合体を含み、物品には、パーソナルケア製品、乳児用おむつ、トレーニングパンツ、吸収剤アンダーパッド、水着、拭取り用の布、女性用衛生用品、包帯、創傷ケア製品、医療用の衣類、手術衣、フィルタ、成人用尿漏れ防止製品、手術用ドレープ、カバー、衣類、防護用衣服、衣料服飾、およびクリーニング物品および装置が含まれる、吸収剤またはバリア製品。
【0092】
24.互いに隣接する2種以上のポリマー融解物を同時に溶融紡糸して、隣接する布地を形成するステップを含む、番号付き実施形態1から23のいずれか1つのメルトスパンin situラミネートを作製する方法であって、互いに隣接する層は互いにin situで絡み合ってこれら層の間に混合繊維の界面領域を形成する、前記方法。
25.少なくとも2種の隣接するポリマー融解物の処理量が、均等であり、または1.5または2または2.5または3または3.5または4倍超異なる、番号付き実施形態24の方法。
26.接着剤が実質的に存在しない、番号付き実施形態24から25までの方法。
【0093】
27.in situラミネートが空気または水流交絡プロセスに供されない、番号付き実施形態24から26までの方法。
28.溶融紡糸から形成されたフィラメントが、50または80または100または150℃よりも高い温度で空気により細長化される、番号付き実施形態24から27までの方法。
29.フィラメントから形成される繊維が、4または6または8または10または12μmを超える平均直径を有する、番号付き実施形態24から28までの方法。
30.in situラミネートが機械的に延伸される、番号付き実施形態24から29までの方法。
【0094】
31.機械的延伸または活性化ステップが、in situラミネートを作製するプロセスに存在しない、番号付き実施形態24から30までの方法。
32.1つまたは複数のダイを含み、各ダイが2つ以上の溶融紡糸ゾーンを含んでおり、各ゾーンは、対応するゾーンに流体接続される複数のノズルを含み、各ゾーンは、溶融押出し機に流体接続されている、溶融紡糸装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メルトスパン布地の2つ以上の層を含むメルトスパンin situラミネート(「ISL」)であって、互いに隣接している層が互いにin situで絡み合って前記層の間に混合繊維の界面領域を画定している、メルトスパンin situラミネート。
【請求項2】
接着剤が前記層の間に存在しない、請求項1に記載のin situラミネート。
【請求項3】
空気または水流交絡プロセスに供されない、請求項1または2に記載のin situラミネート。
【請求項4】
隣接する層が、10gを超える剥離強度を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のin situラミネート。
【請求項5】
(a)布地の基本質量が同じではなく、(b)布地を構成する繊維の平均直径が同じではなく、(c)布地の組成が同じではなく、(d)隣接する布地の単位面積当たりの繊維の数密度が同じではなく、(e)繊維の断面形状が同じではなく、または(f)布地の繊維(例えば、二成分繊維)の断面形態が同じではなく、(g)またはこれらの記述子の2つ以上の任意の組合せである、請求項1から4のいずれか1項に記載のin situラミネート。
【請求項6】
少なくとも1つの布地層が弾性である、請求項1から5のいずれか1項に記載のin situラミネート。
【請求項7】
前記メルトスパン布地の2つ以上の層が、同時にまたはほぼ同時に形成される、請求項1から6のいずれか1項に記載のin situラミネート。
【請求項8】
前記2つ以上の層がメルトブローンされる、請求項1から7のいずれか1項に記載のin situラミネート。
【請求項9】
AB、AC、ABA、ABC、ACA、AAB、ABB、B’BB’、B’BBB’B、CCA、CAA、AABAA、CCBCC、ABBAB、A’B、A’C、A’BA、A’BC、A’CA、AB’、AC’、AB’A、AB’C、AC’A、ABB、ABC、ABBA、ABBC、ABCA、ABB、ACB、ABBA、ABBC、ACBA、AAB、ACC、AABAA、AABCC、AACAA、AA’B、AA’C、A’BAA、A’BCC、A’CAA、ABB’、ACC’、ABB’A、ABB’C、AA’C’A’A、AABB、ABCA、ABBA、ABBBC、ABCCA、ABB、AA’CB、ABBBC、ABBCA’、ACBACB、およびこれらの変形から選択される構造を含み、ここで「A」は、第1の熱可塑性材料を含む布地であり、「B」は、第1のエラストマーを含む布地であり、「C」は、第1の熱可塑性材料とは異なる第2の熱可塑性材料を含む布地であり、「A’」は、「A」とは区別可能な物性を有する第1の熱可塑性材料を含む布地であり、「B’」は、「B」とは区別可能な物性を有する第1のエラストマーを含む布地であり、「C’」は、「C」とは区別可能な物性を有する第2の熱可塑性材料を含む布地であり、下付きの「B」は、熱可塑性材料、エラストマー、またはその両方のブレンドを含む布地を指す、請求項1から8のいずれか1項に記載のin situラミネート。
【請求項10】
弾性布地が、プロピレン−α−オレフィンエラストマー、天然ゴム、合成ポリイソプレン、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、スチレンブロックコポリマー、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ポリクロロプレン、ネオプレン、エチレン−プロピレンゴムおよびエチレン−プロピレン−ジエンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ポリアクリルゴム、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フルオロエラストマー、パーフルオロエラストマー、ポリエーテルブロックアミド、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテート、エチレン−α−オレフィンランダムおよびブロックコポリマー、熱可塑性エラストマー、熱可塑性加硫物、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性オレフィン、ポリスルフィドゴム、またはこれらエラストマーの任意の2種以上のブレンドからなる群から選択されるエラストマーを含む、請求項6に記載のin situラミネート。
【請求項11】
弾性布地が、20または24または40または60または80dg/分未満のMFRと、80J/g未満のHfと、プロピレン−α−オレフィンエラストマーの質量の5〜30質量%の範囲内のコモノマー由来の含量とを有するプロピレン−α−オレフィンエラストマーを含む、請求項6に記載のin situラミネート。
【請求項12】
メルトスパン布地の2つ以上の層が、少なくとも2つの対向層と1つの弾性層とを含み、前記弾性布地層は前記2つの対向層の間に位置付けられている、請求項1から11のいずれか1項に記載のin situラミネート。
【請求項13】
対向布地層が、ポリプロピレン、ポリエチレン、官能化ポリオレフィン、プラストマー(エチレン−α−オレフィンコポリマー)、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、スチレンブロックコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロース系材料、エラストマー、ポリ(アセチレン)、ポリ(チオフェン)、ポリ(アニリン)、ポリ(フルオレン)、ポリ(ピロール)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ(硫化フェニレン)、ポリナフタレン、ポリ(フェニレンビニレン)、およびポリ(フッ化ビニリデン)、およびこれらの材料の任意の2種以上のブレンドからなる群から選択される材料を含む、請求項12に記載のin situラミネート。
【請求項14】
対向層が、in situラミネートに組み込まれた場合にいかなる事前の機械的延伸もない状態で非抑制的および延伸性となるように、本質的に非弾性である、請求項12に記載のin situラミネート。
【請求項15】
弾性布地層が、5または10または20または30〜40または50または60または70または80または100または150または200g/m2の範囲内の基本質量を有する、請求項1から14のいずれか1項に記載のin situラミネート。
【請求項16】
弾性布地を構成する繊維の平均直径が、0.1または1.0または2.0〜15または20または30または40または50または80または100または120μmの範囲内である、請求項12に記載のin situラミネート。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか1項に記載のin situラミネートを少なくとも1つ含む複合体であって、コフォーム布地、カード布地、ウェットレイド布地、ドライレイド布地、メルトスパン布地、ネット、スクリム、テキスタイル布地、織布、およびフィルムから選択される1つまたは複数の二次層を含む複合体。
【請求項18】
「P」と示されるメルトスパンin situラミネートが、布地またはフィルムの1つまたは複数の二次層と組み合わされて複合体を形成し、前記複合体は、MP、MPM、PP、PPP、PPPP、PPM、PMP、PMMP、PPMPP、PMMPP、PMPPP、PPMMPP、PMPMP、PPPMPP、SP、SPS、SPPS、SPPPS、SSPS、SSPPS、SSPPPS、PP、PPP、PPPP、DPPPP、MPPPP、SPPPP、PPS、PSP、PSSP、PPSPP、PSSPP、PSPPP、PPSSPP、PSPSP、PPPSPP、DP、DDP、DPD、DPP、DDDDP、PPD、PDP、PDDP、PPDPP、PDDPP、PPDDPP、DMP、DDMPP、PDMDP、DPMPD、DDPMPD、DDPMPDD、DDPMMPDD、DPMMPD、PDMDMD、PMDMP、PDMMDD、PPDMDPP、DDDDMP、PPDMMDPP、FP、MPF、FPP、FPPP、FPPPP、FPPF、FPFPF、FPPM、PFP、PMFP、PPFPP、PFFPP、PMFPP、PPMFPP、PFD、PDFD、PDDFFD、PDFDD、DPF、DFP、DDDFP、FDP、PDDF、PFDPP、FPDDPP、PFDDPP、DMPF、DFMPP、PDFDP、DPFPD、DDPFPD、DDPFPDD、DDPFFPDD、DPFFPD、PFDFD、PFDFP、SFMP、SSFMP、PFFP、TP、TPT、PTP、WP、WPW、PWP、PA、PAP、APA、TPPT、PTTP、PAT、PAW、PWP、からなる構造から選択され、ここで「M」はメルトブローン布地層を表し、「S」はスパンボンド布地層を表し、「F」はフィルム層を表し、「D」はドライレイド(カードまたはエアレイド;スパンレース)布地層を表し、「T」はテキスタイル型の布地を表し、「W」は織布を表し、「A」は吸収剤(パルプ、紙、SAPなど)布地を表すことをさらに特徴とする、請求項17に記載の複合体。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか1項に記載のin situラミネートまたは複合体を含み、物品には、パーソナルケア製品、乳児用おむつ、トレーニングパンツ、吸収剤アンダーパッド、水着、拭取り用の布、女性用衛生用品、包帯、創傷ケア製品、医療用の衣類、手術衣、フィルタ、成人用尿漏れ防止製品、手術用ドレープ、カバー、衣類、防護用衣服、衣料服飾、およびクリーニング物品および装置が含まれる、吸収剤またはバリア製品。
【請求項20】
互いに隣接する2種以上のポリマー融解物を同時に溶融紡糸して、隣接する布地を形成するステップを含む、請求項1から19のいずれか1項に記載のメルトスパンin situラミネートを作製する方法であって、互いに隣接する層は互いにin situで絡み合って前記層の間に混合繊維の界面領域を形成する、前記方法。
【請求項21】
少なくとも2種の隣接するポリマー融解物の処理量が、均等であり、または1.5または2または2.5または3または3.5または4倍超異なる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
接着剤が実質的に存在しない、請求項20または21に記載の方法。
【請求項23】
前記in situラミネートが、空気または水流交絡プロセスに供されない、請求項20から22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
フィラメントから形成される繊維が、4または6または8または10または12μmを超える平均直径を有する、請求項20から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記in situラミネートが機械的に延伸される、請求項20から24のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−519242(P2012−519242A)
【公表日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552014(P2011−552014)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/058245
【国際公開番号】WO2010/098792
【国際公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】