説明

多層磁性ピグメントおよび箔

【課題】従来の問題および限定を克服または避ける磁性特性を有する改善された多層ピグメントフレークおよび箔を提供すること。
【解決手段】色変化ピグメントフレーク(220)であって、
磁性コア(180、222)であって、該磁性コアは
上面、底面、および側面を有する、磁性層(182)、
該磁性層(182)の上面上の、第1の誘電層(184)、ならびに
該磁性層(182)の底面上の、第2の誘電層(186)、
を有する、磁性コア
を備え、
該磁性層(182)の少なくとも1つの側面は、誘電コーティングを有さず、
該色変化ピグメントフレークは、該磁性コア(222)を実質的に囲む連続的な吸収層(224)を備えることを特徴とする、色変化ピグメントフレーク。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
(1.発明の分野)
本発明は、一般的に、ピグメントおよび箔に関する。特に、本発明は、磁性層を有する多層ピグメントフレークおよび箔、ならびに磁性層を有する多層ピグメントフレークを組み込むピグメント組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術)
種々のピグメント、着色料、および箔が、広範な種々の適用のために開発されてきた
。例えば、磁性ピグメントは、装飾調理器具、パターン化表面の作製、および安全デバイス(security device)のような適用における使用のために開発されてきた。同様に、色変化ピグメントは、化粧品、インク、コーティング材料、装飾品、セラ
ミック、自動車の塗料、保証文書および貨幣のための偽造防止用ホットスタンプおよび偽造防止用インクのような使用のために開発されている。
【0003】
色変化ピグメント、着色料および箔は、入射光の角度が変化する際、または観察者の
視角が移動するにつれて、色を変化する特性を示す。ピグメントおよび箔の色変化特性は、光学的薄膜の適切な設計またはフレークもしくは箔コーティング構造を形成するために使用される分子種の配向を介して制御され得る。所望の効果は、フレークおよび箔を形
成する層の厚みおよびそれぞれの層の屈折率のようなパラメーターの変更により達成され得る。異なる視角または入射光の角度について生じる認知される色の変化は、層を含む材料の選択的吸収と波長依存性干渉効果との組み合わせの結果である。干渉効果(複数の反射を受けた光波の重ね合わせから生じる)は、異なる角度で認知される色の変化の原因
である。最大反射は、特定の波長で選択的に増強する材料の種々の層における光路長の差から生じる干渉効果の変化に起因して、視角が変化するにつれて、位置および強度において変化する。
【0004】
種々のアプローチが使用されこのような色変化効果を達成する。例えば、小さな多層
フレーク(これは、典型的に多層の薄膜からなる)は、塗料またはインクのような媒体全体に分散され、その後、物体の表面に塗布される。このようなフレークは、必要に応じて所望の色および光学効果を達成するためにオーバーコーティングされ得る。別のアプロ
ーチは、変動する層を有する小さな金属製基材またはシリカ製基材をカプセル化して、次いで、このカプセル化した基材を、塗料またはインクのような媒体全体に分散することである。さらに、基材材料上の多層の薄膜からなる箔が作製されている。
【0005】
多層の薄膜構造を生成する1つの様式は、可撓性のウェブ材料の上に剥離層を有し、
その可撓性のウェブ材料上に多層の薄膜を形成することによる。薄いコーティング構造を形成する分野において周知の方法(例えば、PVD、スパッタリングなど)によって種々の層は、ウェブ上に沈着(deposit)される。次いで、この多層薄膜構造は、薄
膜色変化フレークとしてウェブ材料から除去され、この薄膜色変化フレークは、インクまたは塗料として使用するために、種々のピグメントビヒクルのようなポリマー性媒体に添加され得る。色変化フレークに加えて、添加物が、所望の色変化結果を得るようにインクまたは塗料に添加され得る。
【0006】
色変化ピグメントまたは箔は、多層薄膜構造から形成され、この多層薄膜構造は、同じ基本層を含む。これらは、吸収層、誘電層、および必要に応じて、反射層を含み、層の順
序は変動する。コーティングは、対称的な多層薄膜構造を有するように形成され得る。例えば:
吸収材/誘電材/反射材/誘電材/吸収材;または吸収材/誘電材/吸収材。
コーティングはまた、非対称な多層薄膜構造を有するように形成され得る。例えば:
吸収材/誘電材/反射材。
【0007】
例えば、Phillipsらに対する米国特許第5,135,812号(本明細書中
で参考として援用されている)は、いくつかの異なる構成の層(例えば、透明な誘電性のスタックおよび半透明な金属層のスタック)を有する、色変化薄膜フレークを開示する。Phillipsらに対する米国特許第5,278,590号(本明細書中で参考とし
て援用される)において、対称な3層の光学干渉コーティングが開示されており、このコーティングは、第1および第2の部分的に透過性の吸収層(これらは、本質的に同じ材料および厚みを有する)、ならびにこれらの第1および第2の吸収層の間に配置される誘電性スペーサー層を備える。
【0008】
塗料において使用するための色変化小板(platelet)は、Phillips
らに対する米国特許第5,571,624号に開示されており、これは、本明細書中で参考として援用される。これらの小板は、対称的な多層薄膜構造体物から形成され、ここで、第1の半不透明な層(例えば、クロム)が、基材上に形成されており、第1の誘電層
が、この第1の半不透明な層の上に形成されている。不透明な反射する金属層(例えば、アルミニウム)が、この第1の誘電層の上に形成され、続いてこの第1の誘電層と同じ材料および厚みの第2の誘電層が、形成される。この第1の半不透明な層と同じ材料および厚みの第2の半不透明な層が、この第2の誘電層の上に形成される。
【0009】
磁性ピグメントに関して、Phillipsらに対する米国特許第4,838,64
8号(本明細書中、以後「Phillips‘648」)は、薄膜磁性色変化構造を開示し、ここで、この磁性材料は、反射層または吸収層として使用され得る。1つの開示された磁性材料は、コバルトニッケル合金である。Phillips‘648は、以下の構
造を有するフレークおよび箔を開示する:
着色上層(superstrate)/吸収材/誘電材/磁性層/基材;
着側上層/吸収材/誘電材/磁性層/誘電材/吸収材/着色上層;および
接着剤/磁性層/誘電材/吸収材/剥離可能ハードコート/基材。
【0010】
パターン化表面は、磁性フレークを磁力に暴露して、ピグメントの構造の物理的変化
をもたらすことによって提供された。例えば、Batzarらに対する米国特許第6,103,361号(本明細書中、以後、「Batzar」)は、調理器具を装飾するための磁化可能材料から作製されるピグメントを使用する。特に、Batzarは、パターン
を形成するためのフルオロポリマー放出コーティングでのステンレス鋼フレークの配向を制御することに関し、ここで、少なくともいくつかのフレークは、コーティングの厚みよりも長い。パターン化基材は、コーティング内のフレークの配向を変えるためにコーティングされた基板の下に配置される磁化可能ダイの縁部を通って磁力を適用することによ
って形成され、これによって、画像化効果またはパターンを誘導する。しかし、Batzarは、磁性層を使用する光学的薄膜スタックまたは小板の使用を開示しない。さらに、Batzarにおいて使用されるステンレス鋼フレークが、調理器具を装飾するのに適
切であるが、これらは、反射が乏しい。
【0011】
Prattらの米国特許第2,570,856号(本明細書中の後で「Pratt」
)は、強磁性の金属小板に基づく金属フレークピグメントに関する。しかし、Batzarのように、Prattは、不十分にしか反射しない材料を使用し、そして薄膜の光学的スタックの使用を教示しない。
【0012】
Kashiwagiらの米国特許第5,364,689号および同第5,630,8
77号(本明細書中の後で集団的に「Kashiwagi特許」)(これらは、本明細書中で参考として援用される)は、磁気的に形成された塗装パターンを作製するための方法および装置を開示する。Kashiwagi特許は、磁性塗料層の使用を教示し、この
磁性ペイントは、塗料媒体における非球状磁性粒子を含む。所望のパターンの形状での磁力線を有する磁場は、塗料層に適用される。最後のパターンは、硬化した塗料における異なる磁性粒子の配向によって作製される。
【0013】
多層フレーク中へ磁性層を取り込むことへの1つの試みは、Schmidらの欧州特許公開EP 686675B1(本明細書中の後「Schmid」)に開示され、これは、以下のように、誘電層と中央のアルミニウム層との間の磁性層を含む層状色変化構造を記載する:
酸化物/吸収材/誘電材/磁石/Al/磁石/誘電材/吸収材/酸化物
従っ て、Schmidは、アルミニウム小板を使用し、次いで磁性材料でこれらの小板
をコートする。しかし、アルミニウムは、(銀に続いて)2番目に光沢のある金属である(これは任意の磁性材料が、わずかな反射性であることを意味する)ので、上に存在する磁性材料は、ピグメントの反射特性を下げる。さらに、Schmidは、ボールミリン
グ(この方法は達成され得る層の滑らかさの点から限定される)から生成されたアルミニウム小板で始める。
【0014】
Richterらの特許公開EP 710508A1(本明細書中の後「Richt
er」)は、磁性チップで描くことによる三次元効果を提供するための方法を開示する。Richterは、空間的に変化する磁場において磁性活性ピグメントを整列することによって達成される三次元効果を記載する。Richterは、標準ピグメント(バリウ
ムフェライト、ストロンチウムフェライト、サマリウム/コバルト、Al/Co/Ni合金、および焼結および急速なクエンチングによって作製される金属酸化物(これらはいずれも、光学的薄膜フィルムスタックから構成されない)を使用する。むしろ、粒子は、硬質磁性型である。Richterは、コーティングの上か、またはコーティングの両側
のいずれかの電磁気極片(electromagnetic pole piece)を使用する。しかし、Richterは、動く系を使用し、そしてイメージの「図面」を必要とする。この「図面」は、時間がかかり、そして生成型のプロセスのためにならない

【0015】
Steingroeverの米国特許第3,791,864号(本明細書中の後「S
teingroever」)は、磁場によって以前にパターン化された下に存在するプライムコーティングにおいて生成された磁性パターンを有する磁性粒子を配向することによって磁性粒子をパターン化する方法を記載する。このプライムコートは、MO×6Fe
型の磁性粒子を含み、ここで、Mは1つ以上の元素Ba、Sr、CoまたはPbであり得る。プライマーの液体コーティングの連続的なシートをコーティングした後、これは硬化され、次いでプライマーの領域は、磁場によって磁化される。次いで、これらの
中で懸濁された磁性粒子を有するピグメントビヒクルが、次いで適用される。これらの中で懸濁された磁性粒子は、最後にプライマー中の磁性パターンからの磁力によって配向され、最後のパターンを作製する。しかし、Steingroeverは、プライムコートにおける拡散磁性イメージ(diffuse magnetic image)を受け
、これは次々にトップコートへ拡散イメージを通す。この分解能の減少は、高磁場がこれらが作製され得る分解能において限定される理由である。この限定は、意図された磁性イメージを囲む高磁力線に起因し、これによって、プライムコート中の標的でない磁性粒
子に影響し、そしてイメージを不鮮明にする。
【0016】
従って、上記の問題および限定を克服または避ける磁性特性を有する改善された多層ピグメントフレークおよび箔の必要性がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
磁性ピグメントフレークであって、以下:
第1の主要な表面、対向する第2の主要な表面、および少なくとも1つの側面を有する中央の磁性層;
該磁性層の該第1の主要な表面上の第1の反射層;および
該磁性層の該第2の主要な表面上の第2の反射層を含み;
ここで、該ピグメントフレークは、該反射層の反射率に一致する反射率を示し、そして該磁性層の相対的な磁性に基づく磁性特性を示す、
磁性ピグメントフレーク。
【0018】
(項目2)
上記第1および上記第2の反射層が、上記磁性層の上記第1および上記第2の主要な表面の各々の上に存在するが、上記少なくとも1つの側面上に存在しない、項目1に記載のピグメントフレーク。
【0019】
(項目3)
上記第1の反射層上の上記第1の誘電層および上記第2の反射層上の上記第2の誘電層をさらに含む項目2に記載のピグメントフレーク。
【0020】
(項目4)
上記第1および上記第2の誘電層が、選択的に吸収し、そして上記ピグメントフレークにさらなる色効果を提供する項目3に記載のピグメントフレーク。
【0021】
(項目5)
上記第1および上記第2の反射層ならびに上記磁性層を実質的に囲む誘電層をさらに含む項目2に記載のピグメントフレーク。
【0022】
(項目6)
上記誘電層が、選択的に吸収し、そして上記ピグメントフレークにさらなる色効果を提供する項目5に記載のピグメントフレーク。
【0023】
(項目7)
上記第1および上記第2の反射層が、実質的に上記磁性層を囲み、隣接する反射層の一部を形成する、項目1に記載のピグメントフレーク。
【0024】
(項目8)
上記反射層を実質的に囲む誘電層をさらに含む項目7に記載のピグメントフレーク。
【0025】
(項目9)
上記誘電層が、選択的に吸収し、そして上記ピグメントフレークにさらなる色効果を提供する項目8に記載のピグメントフレーク。
【0026】
(項目10)
上記磁性層が、軟らかい磁性材料を含む項目1に記載のピグメントフレーク。
【0027】
(項目11)
上記磁性層が、約2000Oe未満の保磁度を有する材料からなる、項目1に記載のフレーク。
【0028】
(項目12)
上記磁性層が、約300Oe未満の保磁度を有する材料からなる、項目1に記載のフレーク。
【0029】
(項目13)
上記磁性層が、鉄、ニッケル、コバルト、鉄、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、エルビウムおよびそれらの合金または酸化物からなる群より選択される、材料を含む、項目1に記載のピグメントフレーク。
【0030】
(項目14)
上記磁性層が、Fe/Si、Fe/Ni、FeCo、Fe/Ni/Moおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、材料を含む、項目1に記載のピグメントフレーク。
【0031】
(項目15)
上記磁性層が、堅い磁性材料を含む項目1に記載のピグメントフレーク。
【0032】
(項目16)
上記磁性層が、SmCo、NdCo、SmCo17、NdFe14B、TbFeおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、材料を含む、項目1に記載のピグメントフレーク。
【0033】
(項目17)
上記磁性層が、Fe、NiFe、MnFe、CoFe、YIG、GdIGおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、材料を含む、項目1に記載のピグメントフレーク。
【0034】
(項目18)
上記磁性層が、約200Å〜約10,000Åの物理的厚さを有する、項目1に記載のピグメントフレーク。
【0035】
(項目19)
上記反射層が、アルミニウム、銀、銅、金、白金、スズ、チタン、パラジウム、ニッケル、コバルト、ロジウム、ニオブ、クロムおよびそれらの組み合わせまたは合金からなる群より選択される、反射材料を含む、項目1に記載のピグメントフレーク。
【0036】
(項目20)
上記反射層のそれぞれが、約400Å〜約2,000Åの物理的厚さを有する、項目1に記載のピグメントフレーク。
【0037】
(項目21)
磁性着色料組成物であり、以下:
ピグメント媒体;および
該ピグメント媒体中に散在する多数のピグメントフレークを含み、該ピグメントフレークは、項目1で定義されるピグメントフレークと実質的に同じ多層構造を有する、
磁性着色料組成物。
【0038】
(項目22)
上記ピグメント媒体が、アクリルメラミン、ウレタン、ポリエステル、ビニル樹脂、
アクリレート、メタクリル酸メチル、ABS樹脂、エポキシ、スチレン、アルキド樹脂に基づくインク調合物および塗料調合物ならびにそれらの混合物からなる群より選択される材料を含む、項目21に記載の着色料組成物。
【0039】
(項目23)
磁性色変化ピグメントフレークであって、以下:
磁性コアセクションであって、以下:
第1の主要な表面、対向する第2の主要な表面および少なくとも1つの側面を有する中央の磁性層;および
上記磁性層の第1の主要な表面上の第1の反射層、および該磁性層の第2の主要な表面上の対向する第2の反射層を含む、磁性コアセクション、
該第1の反射層の上に存在する第1の誘電層、および該第2の反射層の上に存在する第2の誘電層;ならびに
該第1の誘電層の上に存在する第1の吸収層、および該第2の誘電層の上に存在する第2の吸収層を含み、
ここで、該ピグメントフレークは、不連続な色変化を示し、
該ピグメントフレークは、第1のアングルの入射光またはビューイングでの第1の色、および第2のアングルの入射光またはビューイングでの該第1の色と異なる、第2の色を有する
磁性色変化ピグメントフレーク。
【0040】
(項目24)
上記磁性層が、軟らかい磁性材料を含む、項目23に記載の磁性色変化ピグメントフレーク。
【0041】
(項目25)
上記磁性層が、鉄、ニッケル、コバルト、鉄、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、エルビウムおよびそれらの合金または酸化物からなる群より選択される、材料を含む、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0042】
(項目26)
上記磁性層が、Fe/Si、Fe/Ni、FeCo、Fe/Ni/Moおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、材料を含む、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0043】
(項目27)
上記磁性層が、堅い磁性材料を含む項目23に記載のピグメントフレーク。
【0044】
(項目28)
上記磁性層が、SmCo、NdCo、SmCo17、NdFe14B、TbFeおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、材料を含む、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0045】
(項目29)
上記磁性層が、Fe、NiFe、MnFe、CoFe、YIG、GdIGおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、材料を含む、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0046】
(項目30)
上記反射層が、アルミニウム、銀、銅、金、白金、スズ、チタン、パラジウム、ニッケル、コバルト、ロジウム、ニオブ、クロムおよびそれらの組み合わせまたは合金からなる群より選択される、反射材料を含む、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0047】
(項目31)
上記第1および上記第2の誘電層が、約1.65以下の屈折率を有する誘電材料を含む、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0048】
(項目32)
上記誘電材料が、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、フッ化マグネシウム、フッ化ア
ルミニウム、フッ化セリウム、フッ化ランタン、フッ化ネオジム、フッ化サマリウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウムおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0049】
(項目33)
上記第1および上記第2の誘電層が、約1.65より大きい屈折率を有する誘電材料を含む、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0050】
(項目34)
上記誘電材料が、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、二酸化チタン、ダイヤモ
ンド様炭素、酸化インジウム、酸化インジウム−スズ、五酸化タンタル、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ユーロピウム、酸化鉄、窒化ハフニウム、炭化ハフニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウム、酸化ネオジム、酸化プラセオジム、酸
化サマリウム、三酸化アンチモン、一酸化ケイ素、三酸化セレン、酸化スズ、三酸化タングステンおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0051】
(項目35)
上記第1および上記第2の誘電層が、約400nmの設計波長での約2QWOT〜約700nmの設計波長での約9QWOTの範囲での光学的厚さを有する、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0052】
(項目36)
上記第1および上記第2の誘電層が、実質的に同じ光学的厚さを有する、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0053】
(項目37)
上記第1および上記第2の誘電層が、同じ材料からなる、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0054】
(項目38)
上記第1および上記第2の誘電層が、それぞれ、高屈折率材料および低屈折率材料の交互の複数の層を有する、誘電性の光学的スタックからなる、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0055】
(項目39)
上記誘電性の光学的スタックが、勾配屈折率を有する、項目38に記載のピグメントフレーク。
【0056】
(項目40)
上記第1および上記第2の誘電層が、それぞれ、低屈折率材料、高屈折率材料およびそれらの組み合わせからなる群より選択される誘電材料の混合または複数の副層からなる、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0057】
(項目41)
上記第1および上記第2の吸収層が、電磁スペクトルの可視部分において均一に吸収する材料を含む、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0058】
(項目42)
上記第1および上記第2の吸収層が、電磁スペクトルの可視部分において不均一に吸収する材料を含む、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0059】
(項目43)
上記第1および上記第2の吸収層が、クロム、ニッケル、アルミニウム、銀、銅、パ
ラジウム、白金、チタン、バナジウム、コバルト、鉄、スズ、タングステン、モリブデン、ロジウム、ニオブ、炭素、グラファイト、ケイ素、ゲルマニウム、およびそれらの化合物、混合物または合金からなる群より選択される吸収材料を含む、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0060】
(項目44)
上記第1および上記第2の吸収層が、金属酸化物、金属硫化物、金属炭化物およびそれらの組み合わせからなる群より選択される吸収材料を含む、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0061】
(項目45)
上記第1および上記第2の吸収層が、それぞれ、約30Å〜約500Åの物理的厚さを有する、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0062】
(項目46)
上記第1および上記第2の吸収層が、実質的に同じ物理的厚さを有する、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0063】
(項目47)
上記第1および上記第2の吸収層が、同じ材料からなる、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0064】
(項目48)
上記第1および上記第2の反射層が、上記磁性層の上記第1および上記第2の主要な表面のそれぞれの上に存在するが、上記少なくとも1つの側面上に存在しない、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0065】
(項目49)
上記第1および上記第2の反射層が、実質的に上記磁性層を囲み、隣接する反射層の一部を形成する、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0066】
(項目50)
上記第1および上記第2の吸収層が、上記第1および上記第2の誘電層および上記磁性コアセクションを実質的に囲み、隣接する吸収層の一部を形成する、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0067】
(項目51)
上記第1および上記第2の吸収層が、上記第1および上記第2の誘電層を実質的に囲み、隣接する吸収層の一部を形成し、そして該第1および該第2の誘電層が、上記磁性コアセクションを実質的に囲み、隣接する誘電層の一部を形成する、項目23に記載のピグメントフレーク。
【0068】
(項目52)
磁性色変化ピグメント組成物であって、以下:
複数の色変化ピグメントフレークを含み、該ピグメントフレークは、項目23で定義される該ピグメントフレークと実質的に同じ多層構造を有する、それぞれのピグメントフレークを含む、
磁性色変化ピグメント組成物。
【0069】
(項目53)
磁性色変化着色料組成物であり、以下:
ピグメント媒体;および
該ピグメント媒体中に散在する多数の色変化ピグメントフレークを含み、該ピグメントフレークは、項目23で定義されるピグメントフレークと実質的に同じ多層構造を有する、
磁性色変化着色料組成物。
【0070】
(項目54)
上記ピグメント媒体が、アクリルメラミン、ウレタン、ポリエステル、ビニル樹脂、
アクリレート、メタクリル酸メチル、ABS樹脂、エポキシ、スチレン、アルキド樹脂に基づくインク調合物およびペンキ調合物およびそれらの混合物からなる群より選択される材料を含む、項目53に記載の着色料組成物。
【0071】
(項目55)
上記ピグメント媒体が、ペンキビヒクルまたはインクビヒクルである、項目53に記載の着色料組成物。
【0072】
(項目56)
上記ピグメントフレークが、任意のその表面上に約2ミクロンから約200ミクロンの範囲の寸法を有する、項目53に記載の着色料組成物。
【0073】
(項目57)
上記ピグメントフレークが、少なくとも約2:1の縦横比を有する、項目53に記載の着色料組成物。
【0074】
(項目58)
上記ピグメント媒体中に散在される複数の非色変化ピグメントフレークをさらに含む、項目53に記載の着色料組成物。
【0075】
(項目59)
磁性ピグメントフレークであって、以下:
第1の主要な表面、対向する第2の主要な表面、および少なくとも1つの側面を有する中央の支持層;
該支持層の該第1の主要な表面上の第1の磁性層;および
該支持層の該第2の主要な表面上の第2の磁性層を含み;
ここで、ピグメントフレークは、該磁性層の相対的な磁性に基づく磁性特性を示す、
磁性ピグメントフレーク。
【0076】
(項目60)
上記支持層が、誘電材料を含む、項目59に記載のピグメントフレーク。
【0077】
(項目61)
上記誘電材料が、マイカ、コートされたマイカ、雲母酸化鉄、ガラス、滑石、二酸化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ホウ素、アルミナ、炭素、グラファイト、オキシ塩化ビスマスおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、項目60に記載のピグメントフレーク。
【0078】
(項目62)
上記第1および上記第2の磁性層が、上記支持層の上記第1および上記第2の主要な表面のそれぞれの上に存在するが、上記少なくとも1つの側面上に存在しない、項目59に記載のピグメントフレーク。
【0079】
(項目63)
上記第1の磁性層上の第1の誘電層および上記第2の磁性層上の第2の誘電層をさらに含む、項目62に記載のピグメントフレーク。
【0080】
(項目64)
上記第1および上記第2の誘電層が、選択的に吸収し、そして上記ピグメントフレークにさらなる色効果を提供する項目63に記載のピグメントフレーク。
【0081】
(項目65)
上記第1および上記第2の磁性層が、上記支持層を実質的に囲み、隣接する磁性層の一部を形成する、項目59に記載のピグメントフレーク。
【0082】
(項目66)
上記隣接する磁性層を実質的に囲む誘電層をさらに含む、項目65に記載のピグメントフレーク。
【0083】
(項目67)
上記誘電層が、選択的に吸収し、そして上記ピグメントフレークにさらなる色効果を提供する項目66に記載のピグメントフレーク。
【0084】
(項目68)
上記誘電層を実質的に囲む吸収層をさらに含む、項目66に記載のピグメントフレーク。
【0085】
(項目69)
上記誘電層が選択的に吸収して、上記ピグメントフレークにさらなる色効果を提供する、項目68に記載のピグメントフレーク。
【0086】
(項目70)
上記磁性層と上記誘電層との間に挿入された反射層をさらに含む、項目68に記載のピグメントフレーク。
【0087】
(項目71)
上記磁性層が、軟らかい磁性材料を備える、項目59に記載のピグメントフレーク。
【0088】
(項目72)
上記磁性層が、約2000Oe未満の保磁力を有する材料から構成される、項目59に記載のピグメントフレーク。
【0089】
(項目73)
磁性着色料組成物であって、以下:
ピグメント媒体;および
該ピグメント媒体中に散在された複数のピグメントフレーク
を含み、該ピグメントフレークは、項目59に記載のピグメントフレークと実質的に同じ多層構造を有する、磁性着色料組成物。
【0090】
(項目74)
上記ピグメント媒体が、塗料またはインクビヒクルである、項目73に記載の着色料組成物。
【0091】
(項目75)
磁性ピグメントフレークであって、以下:
第1の主要な表面、対向する第2の主要な表面および少なくとも1つの側面を有する中央の磁性層;
該磁性層の該第1の主要な表面上の第1の誘電層;ならびに
該磁性層の該第2の主要な表面上の第2の誘電層;
を含み、ここで、該誘電層が、該ピグメントフレークに対して、増加した剛性、耐久性、および腐食耐性を提供して、該ピグメントフレークは、該磁性層の相対的な磁性に基づく磁気特性を示す、磁性ピグメントフレーク。
【0092】
(項目76)
上記第1の誘電層および上記第2の誘電層が、選択的に吸収して、上記ピグメントフレークにさらなる色効果を提供する、項目75に記載のピグメントフレーク。
【0093】
(項目77)
上記磁性層が、軟らかい磁性材料を含む、項目75に記載のピグメントフレーク。
【0094】
(項目78)
上記磁性層が、約2000Oe未満の保磁力を有する材料から構成される、項目75に記載のピグメントフレーク。
【0095】
(項目79)
上記第1の誘電層および上記第2の誘電層が、上記第1の主要な表面および上記第2の主要な表面の各々上にあるが、上記磁性層の少なくとも1つの側面上にない、項目75に記載のピグメントフレーク。
【0096】
(項目80)
上記第1の誘電層上の第1の吸収層および上記第2の誘電層上の第2の吸収層をさらに含む、項目79に記載のピグメントフレーク。
【0097】
(項目81)
上記第1の誘電層および上記第2の誘電層ならびに磁性層を実質的に囲む吸収層をさらに含む、項目79に記載のピグメントフレーク。
【0098】
(項目82)
上記第1の誘電層および上記第2の誘電層が、実質的に上記磁性層を囲む連続した誘電層の一部を形成する、項目75に記載のピグメントフレーク。
【0099】
(項目83)
上記連続した誘電層が選択的に吸収して、上記ピグメントフレークにさらなる色効果を提供する、項目82に記載のピグメントフレーク。
【0100】
(項目84)
実質的に上記フレークを囲む吸収層をさらに含む、項目82に記載のピグメントフレーク。
【0101】
(項目85)
色変化ピグメントフレークであって、以下:
上面、底面、および少なくとも1つの側面を有する磁性コアセクション;
該磁性コアセクションの該上面および該底面上であるが、該少なくとも1つの側面上ではない、誘電層;ならびに
該誘電層を実質的に囲み、そして、該磁性コアセクションの少なくとも1つの側面に接触している吸収層
を含む、色変化ピグメントフレーク。
【0102】
(項目86)
上記磁性コアセクションが、磁性層を含む、項目85に記載のピグメントフレーク。
【0103】
(項目87)
項目85に記載のピグメントフレークであって、上記磁性コアセクションが、以下:
第1の主要な表面、対向する第2の主要な表面、および少なくとも1つの側面を有する中央の磁性層;ならびに
該磁性層の該第1の主要な表面上の第1の反射層、および該磁性層の該第2の主要な表面上の対向する第2の反射層、
を含む、ピグメントフレーク。
【0104】
(項目88)
上記第1の反射層と上記第2の反射層が、上記第1の主要な表面および上記第2の主要な表面の各々上であるが、上記磁性層の少なくとも1つの側面上ではない、項目87に記載のピグメントフレーク。
【0105】
(項目89)
上記第1の反射層および上記第2の反射層が、上記磁性層を実質的に囲む連続した反射層の一部を形成する、項目87に記載のピグメントフレーク。
【0106】
(項目90)
磁性ピグメントフレークであって、以下:
第1の主要な表面、対向する第2の主要な表面および少なくとも1つの側面を有する磁性コア;
上記磁性コアの該第1の主要な表面上の第1の有色層;ならびに
該磁性コアの該第2の主要な表面上の第2の有色層、
を含む、磁性ピグメントフレーク。
【0107】
(項目91)
上記磁性コアが、モノリシック磁性層を含む、項目90に記載のピグメントフレーク。
【0108】
(項目92)
上記磁性コアが、多層磁性構造を含む、項目90に記載のピグメントフレーク。
【0109】
(項目93)
上記多層磁性構造が、コーティング構造Al/Fe/Alを含む、項目92に記載のピグメントフレーク。
【0110】
(項目94)
上記第1の有色層および上記第2の有色層が、上記磁性コアの上記第1の主要な表面および上記第2の主要な表面の各々上ではあるが、上記少なくとも1つの側面上ではない、項目90に記載のピグメントフレーク。
【0111】
(項目95)
上記第1の有色層および上記第2の有色層が、上記磁性コアを実質的に囲む連続した有色層の一部を形成する、項目90に記載のピグメントフレーク。
【0112】
(項目96)
上記第1の有色層および上記第2の有色層が、有機色素を含む、項目90に記載のピグメントフレーク。
【0113】
(項目97)
上記有機色素が、銅フタロシアニン、ペリレンベースの色素、アントラキノンベースの色素、アゾ色素、アゾ金属色素およびこれらの組合せからなる群から選択される、項目96に記載のピグメントフレーク。
【0114】
(項目98)
上記有色層の各々が、約0.05μm〜約5μmの物理的厚さを有する、項目96に記載のピグメントフレーク。
【0115】
(項目99)
上記第1の有色層および上記第2の有色層が、無機着色料材料を含む、項目90に記載のピグメントフレーク。
【0116】
(項目100)
上記無機着色料材料が、窒化チタン、窒化クロム、酸化クロム、酸化鉄、コバルトドープアルミナ、有色金属、およびこれらの組合せからなる群から選択される、項目99に記載のピグメントフレーク。
【0117】
(項目101)
上記有色層の各々が、約0.05μm〜約0.10μmの物理的厚さを有する、項目99に記載のピグメントフレーク。
【0118】
(項目102)
上記第1の有色層および上記第2の有色層が、有色ピグメントまたは色素を保持するゾル−ゲルマトリクスを含む、項目90に記載のピグメントフレーク。
【0119】
(項目103)
色変化箔デバイスであって、以下:
磁性層;
該磁性層上に存在する反射層;
該反射層上に存在する誘電層;および
該誘電層上に存在する吸収層、
を含み、ここで、該箔が、不連続な色変化を示し、その結果、該箔は、入射光またはビューイングの第1のアングルで第1の色を有し、そして、入射光またはビューイングの第2のアングルで該第1の色とは異なる第2の色を有する、色変化箔デバイス。
【0120】
(項目104)
上記磁性層は、軟らかい磁性材料または硬い磁性材料を含む、項目103に記載の箔。
【0121】
(項目105)
ウェブキャリアをさらに含む項目103に記載の箔であって、上記磁性層または上記吸収層のいずれかが、該ウェブキャリア上に被覆されている箔。
【0122】
(項目106)
上記ウェブキャリアがさらに、該ウェブキャリアと上記磁性層との間、または該ウェブキャリアと上記吸収層との間に配置される、該ウェブキャリア上の放出層を含む、項目105に記載の箔。
【0123】
(項目107)
上記箔を基材に積層するための接着層をさらに含む、項目105に記載の箔。
【0124】
(項目108)
上記接着層が、ホットスタンプ可能な接着剤、感圧性接着剤、耐久性接着剤、透明接着剤およびUV硬化可能な接着剤からなる群から選択される、項目107に記載の箔。
【0125】
(項目109)
上記接着層が、上記磁性層または上記吸収層上に存在する、項目107に記載の箔。
【0126】
(項目110)
光学物品であって、以下:
基材表面上に、重複しない第1の領域および第2の領域を有する基材;
該第1の領域上に存在する磁性ピグメントコーティング構造であり、該磁性ピグメン
トコーティング構造は、凝固したピグメントビヒクル中に散在した複数の多層磁性ピグメントを含み、該ピグメントコーティング構造の磁気特性は、該多層磁性ピグメントの各々内の非光学的に観察可能な磁性層によって提供される、磁性ピグメントコーティング構
造;ならびに
該第2の領域上に存在する非磁性ピグメントコーティング構造であって、該非磁性ピグメントコーティング構造が、凝固したピグメントビヒクル中に散在した複数の多層非磁性ピグメントを含む、非磁性ピグメントコーティング構造、
を含む、光学物品。
【0127】
(項目111)
上記非磁性ピグメントコーティング構造が、上記磁性ピグメントコーティング構造と実質的に同一の色を有する、項目110に記載の物品。
【0128】
(項目112)
上記磁性ピグメントコーティング構造および上記非磁性ピグメントコーティング構造の1つまたは両方が、不連続な色変化効果を有する、項目110に記載の物品。
【0129】
(項目113)
上記磁性ピグメントコーティング構造および上記非磁性ピグメントコーティング構造が、実質的に同一の色変化効果を有する、項目110に記載の物品。
【0130】
(項目114)
上記磁性ピグメントコーティング構造および非磁性ピグメントコーティング構造が、異なる色変化効果を有する、項目110に記載の物品。
【0131】
(項目115)
光学物品であって、以下:
上面領域を有する基材;
該基材の該上面領域上に存在する磁性ピグメントコーティング構造であって、該磁性
ピグメントコーティング構造は、凝固したピグメントビヒクル中に散在された複数の多層磁性ピグメントを含み、該ピグメントコーティング構造の磁性特性は、該多層磁性ピグメントの各々内の非光学的に観察可能な磁性層によって提供される、磁性ピグメントコー
ティング;ならびに
該磁性ピグメントコーティング構造の少なくとも1部上に存在する非磁性ピグメントコーティング構造であって、該非磁性ピグメントコーティング構造は、凝固したピグメントビヒクル中に散在された複数の非磁性ピグメントを含む、非磁性ピグメントコーティング構造、
を含む、光学物品。
【0132】
(項目116)
上記非磁性ピグメントコーティング構造が、上記磁性ピグメントコーティング構造と実質的に同一の色を有する、項目115に記載の物品。
【0133】
(項目117)
上記磁性ピグメントコーティング構造および上記非磁性ピグメントコーティング構造の1つまたは両方が、不連続な色変化効果を有する、項目115に記載の物品。
【0134】
(項目118)
上記磁性ピグメントコーティング構造および非磁性ピグメントコーティング構造が、実質的に同一の色変化効果を有する、項目115に記載の物品。
【0135】
(項目119)
光学物品であって、以下:
上面領域を有する基材;
該基材の上面領域上に存在する非磁性ピグメントコーティング構造であって、該非磁性ピグメントコーティング構造が、凝固したピグメントビヒクル中に散在された複数の非磁性ピグメントを含む、非磁性ピグメントコーティング構造;ならびに
凝固したピグメントビヒクル中に散在された複数の多層磁性ピグメントを含む磁性ピ
グメントコーティング構造上に存在する磁性ピグメントコーティング構造であって、該ピグメントコーティング構造の該磁性特性は、該多層磁性ピグメントの各々内の非光学的に観察可能な磁性層によって提供される、磁性ピグメントコーティング構造、
を含む、光学物品。
【0136】
(項目120)
上記非磁性ピグメントコーティング構造が、上記磁性ピグメントコーティング構造と実質的に同一の色を有する、項目119に記載の物品。
【0137】
(項目121)
上記磁性ピグメントコーティング構造および上記非磁性ピグメントコーティング構造の1つまたは両方が、不連続な色変化効果を有する、項目119に記載の物品。
【0138】
(項目122)
上記磁性ピグメントコーティング構造および非磁性ピグメントコーティング構造が、実質的に同一の色変化効果を有する、項目119に記載の物品。
【0139】
(項目123)
光学物品であって、以下:
基材表面上に重複しない第1の領域および第2の領域を有する、基材;
該第1の領域上に存在する多層磁性箔構造であって、該箔構造の該磁性特性は、光学的に観察可能でない磁性層によって提供される、多層磁性箔構造;ならびに
該第2の領域上に存在する非磁性箔構造、
を含む、光学物品。
【0140】
(項目124)
上記非磁性箔構造が、上記磁性箔構造と実質的に同一の色を有する、項目123に記載の物品。
【0141】
(項目125)
上記磁性箔構造および上記非磁性箔構造の1つまたは両方が、不連続な色変化効果を有する、項目123に記載の物品。
【0142】
(項目126)
上記磁性箔構造および上記非磁性箔構造が、実質的に同一の色変化効果を有する、項目123に記載の物品。
【0143】
(項目127)
上記磁性箔構造および上記非磁性箔構造が、異なる色変化効果を有する、項目123に記載の物品。
【0144】
(項目128)
光学物品であって、以下:
上面領域を有する基材;
該基材の該上面領域上に存在する多層磁性箔構造であって、該磁性箔構造の該磁性特性が、光学的に観察可能でない磁性層によって提供される、多層磁性箔構造;ならびに
該磁性箔構造の少なくとも一部上に存在する非磁性箔構造、
を含む、光学物品。
【0145】
(項目129)
光学物品であって、以下:
上面領域を有する基材;
該基材の該上面領域上に存在する非磁性箔構造;ならびに
該非磁性箔構造の少なくとも一部上に存在する多層磁性箔構造であって、該磁性箔構造の磁気特性が、光学的に観察可能でない磁性層によって提供される多層磁性箔構造、
を含む、光学物品。
【0146】
(項目130)
磁性ピグメントフレークであって、以下:
磁性コアセクションであって、以下:
第1の主要な表面、対向する第2の主要な表面および少なくとも1つの側面を有する中央の磁性層;および
該磁性層の該第1の主要な表面上の第1の反射層、および該磁性層の第2の主要な表面上の対向する第2の反射層
を含む、磁性コアセクション;ならびに
該第1の反射層上に存在する第1の誘電層、および該第2の反射層上に存在する第2の誘電層、
を含み、該第1の誘電層および該第2の誘電層が、交互に高屈折率材料および低屈折率材料を含む誘電性光学スタックから構成される、磁性ピグメントフレーク。
【0147】
(項目131)
項目130に記載のピグメントフレークであって、上記第1の誘電層および上記第2の誘電層が、(HL)、(LH)、(LHL)および(HLH)からなる群から選択されるコーティング構造を有し、ここで、n=1〜100であり、そして、L層およびH層は、設計波長で1 QWである、ピグメントフレーク。
【0148】
(発明の要旨)
本明細書中に具体化され、そして広範に記載されるような本発明に従って、磁性特性
を有するピグメントフレークおよび箔を、提供する。ピグメントフレークは、磁性コア層の反対側の対称的なスタックコーティング構造を有し得るか、磁性層の1つの側面上の全ての層を有する非対称的なコーティング構造を有し得るか、または磁性コアの周りの1
つ以上の囲まれたコーティングで形成され得る。フレークおよび箔のコーティング構造は、少なくとも1つの磁性層、および必要であれば、1つ以上の反射層、誘電層および吸収層を含む。本発明の色変化の実施形態において、コーティング構造は、磁性層および反射層の上に存在する誘電層、ならびにこの誘電層の上に存在する吸収層を含む。本発明の
非色変化の実施形態は、2つの反射層の間または反射層によって囲まれたの磁性層、2つの誘電層の間または誘電層によって囲まれた磁性層、2つの磁性層の間または磁性層に囲まれた誘電層、および着色層によって囲まれた磁性層を含む。
【0149】
色変化の実施形態は、第1の入射光角およびビューイングでの第1の色、および第2
の入射光およびビューイングでの第1の色と異なる第2の色を有するために、別個の色変化を示す。ピグメントフレークは、塗料またはインクのような液体媒体中へと分散され得、引き続く対象物または紙への適用のための着色料組成物を生成する。箔は、様々な対
象物に積層され得るか、またはキャリア物質上に形成され得る。
【0150】
本発明のこれらおよび他の特性は、以下の説明および添付される特許請求の範囲からより十分に明確になるか、または本明細書中の後に示される本発明の実施によって理解され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0151】
(発明の詳細な説明)
本発明は、多層ピグメントフレークおよび磁性層を有する箔、および磁性フレークを
組み込むピグメント組成物に関する。このフレークおよび箔は、視覚的に認知できない安全(security)特徴を作製することおよび3次元様画像を作製することまたは生成物に装飾的な特徴を加えることの両方に使用され得る。この非視覚性安全特徴は、フ
レークまたは箔内の他の層の間の磁性層を覆うことによって提供され、その結果、オーバーレイ層のみが曝露される。
【0152】
3次元様効果は、フレークまたは泊を外部磁気力に曝すことによって提供され得、従
って、ピグメントのいくつかの面の配向は、コーティングの表面に対して正常である。配向されていないピグメントは、コーティングの表面に対して平行な平面にある。この3次元様効果は、アスペクト比が、磁界で配向されるような粒子の整列に起因する(すなわ
ち、ピグメントの最も長い部分が、ピグメント自身を磁力線に沿って整列させる)。このような場合において、ピグメントの面は、磁力の大きさに依存して、様々な範囲に対して、観察者から背けられる。限界または最大配向において、このコーティングは黒色を示す。黒を取り去るにつれて、コーティングは、ピグメントの平面の色に向かってゆっくり
と変化していく(すなわち、青色または例えば、アルミニウムのような銀色のような色変化、非色変化)。この結果は、ホログラフ効果と類似の呈色3次元様効果であり、視角変化のように移動するようである。磁性ピグメントを使用する3次元様画像の作製方法は
、本明細書中に開示され、代理人明細書番号13676.167を有する、Methods For Producing Imaged Coated Articles By Using Magnetic Pigmentsという表題の同時係属中の米国特許出願(この開示は、本明細書中で参考として援用される)にさらに詳細に記載される

【0153】
多くの以前の磁性フレークとは異なり、本明細書中で開示するフレークは、磁化材料
のみから構成されるわけではなく、磁化材料と非磁化材料の両方を含む。例えば、本発明は、ピグメントフレークを包括し、ここで磁性層は、1つ以上の反射層内に埋められる。別の実施形態において、ピグメントフレークは、誘電層によって囲まれた磁心を含む。
なおさらなる実施形態において、ピグメントフレークは、磁性層によって囲まれた誘電核を含む。
【0154】
磁性層が、オーバーレイ反射層間かまたはオーバーレイ反射層内に埋められる場合に
おいて、本発明は、より高い色度および輝度を実質的に達成することによって先行技術よりも有意な改善を示す。反射体の内部によりくすんだ(dull)磁性材料を置くことによって、本発明は、2つの目的を達成する:1)反射層の反射率が維持される;および
2)磁性材料の内部核を有さない色変化ピグメントは、磁性材料の核を有するこのようなピグメントから、観察者によって区別され得ない。例えば、2つのコーティングされた物体は、平行して観察され、そのコーティング中に磁性材料を有する物体および磁性材料を有さない物体は、観察者には同じように見える。しかし、磁性色変化ピグメントは、色
変化効果に加えて、隠された安全特徴を提供する。従って、磁性検出システムを用いると、ピグメント中の磁性を隠されたサインは、例えば、ファラデー回転検出器によって読み取ることが可能である。
【0155】
本発明の種々の実施形態において、ピグメントフレークおよび箔は、入射光の角度ま
たは観察者の視角の変化に伴って、色度および色相の実質的な変化を有する。このような視覚効果は、ゴニオ色度(goniochromaticity)または「色変化」として知られており、認識される色を、照明の角度または観察者の視角によって変化させる
。従って、このようなピグメントフレークおよび箔は、入射光または視角の最初の角度において最初の色を示し、そして入射光または視角の第2の角度で、最初の色とは異なる第2の色を示す。このピグメントフレークは、ペイントまたはインクのような液体媒体に散らばらされ、物体または紙への引き続く適用のための、種々の色変化着色組成物を生成
する。この箔は、種々の物体に積層され得るかまたはキャリア基材上に形成され得る。
【0156】
一般的に、色変化ピグメントフレークは、磁心層の向かい合う側面上に対称的に積み
重ねられたコーティング構造を有し得るか、磁性層の片側に多くの層を有する非対称的コーティング構造を有し得るか、または磁心を囲む1層以上のカプセル化されたコーティングによって形成され得る。フレークおよび箔のコーティング構造は、一般的には、磁心
を含み、その磁心は、磁性層および他の任意の層、磁心の上を覆う誘電層、および誘電層の上を覆う吸収層を含む。
【0157】
本発明の色変化フレークおよび箔は、従来の薄膜堆積技術を使用して形成され得、こ
の技術は、薄膜コーティング構造を形成する分野において周知である。このような薄膜堆積技術の非制限的な例としては、物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(CVD)、PECVDまたはダウンストリームPECVDのような、プラズマ助長(PE)バリエーショ
ン、スパッタリング、電気分解堆積、ならびに別個の薄膜層および均質な薄膜層の形成を導く他の同様の堆積方法が挙げられる。
【0158】
本発明の色変化ピグメントフレークは、種々の製造法によって形成され得る。例えば
、ピグメントフレークは、ウェブコーティングプロセスによって形成され得、このプロセスにおいて、種々の層は、従来の堆積技術によってウェブ材料上に連続的に堆積され、薄膜構造を形成する。この薄膜構造は、引き続いて、溶媒の使用によってウェブから砕か
れて除去され、多数の薄膜フレークを形成する。
【0159】
別の製造法において、1つ以上の薄膜層は、フィルムを形成するためのウェブ上に堆
積される磁性層を少なくとも含み、この層は、続いて、多数のピグメントフレークを形成するためにウェブから破砕され、そして除去される。このプレフレークは、所望の場合、粉砕することによってさらに断片化され得る。次いで、このプレフレークは、経時的な
封入プロセス中で、残りの層でコーティングされ、多数のピグメントフレークを形成する。同様のプロセスが、同時係属中の米国特許出願番号09/512,116号(2000年2月24日出願)(この開示は、本明細書中に参考として援用される)にさらに詳細に開示される。
【0160】
別の製造方法において、磁性粒子は、経時的な封入プロセス中でコーティングされ得
、多数のピグメントフレークを形成し得る。封入プロセスが、フレークのより外側の層を形成するのに使用される場合、各封入層は、1種類の材料から構成される連続層であり、フレーク構造のまわりに実質的に同じ厚さを有することが理解される。本発明のいくつ
かの実施形態において、封入層は、着色された誘電材料または色素を添加された有機層であり得る。
【0161】
ここで図面を参照すると、同様の構造が、同様の参照記号で提供されており、この図
面は、本発明を理解するのに必要な構造を示すのみである。図1は、本発明の1つの実施形態形態に従う、反射磁性フレーク(「RMF」)20を示す。このRMF20は、中心磁性層22、および中心磁性層の対面する表面のいずれかまたは両方の上の少なくとも
1つの反射層を備える、一般的には対称的な薄膜構造を有する3層設計である。従って、RMF20は、反射層24と反対側の反射層26との間に配置される磁性層を含む。アルミニウムのような高度に反射性の反射層間に磁性層を挿入することによって、反射層の光学特性は、低下されず、そしてフレークは、高度に反射性のままである。このRMF2
0は、ピグメントフレークとして使用され得るかまたは色変化ピグメント中のコアセクションのようにさらなる層が塗布されるコアセクションとして使用され得る。色変化ピグメントの場合において、高反射層の維持は、高輝度および高色度を保存するために非常に
重要である。RMF20のコーティング構造中のこれらの層の各々は、以下により詳細に議論される。
【0162】
磁性層22は、ニッケル、コバルト、鉄、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウ
ム、エルビウムおよびそれらの合金または酸化物のような任意の磁性材料から形成され得る。例えば、コバルトニッケル合金が使用され得、コバルトおよびニッケルは、それぞれ、約80%および約20%の重量比を有する。コバルトニッケル合金におけるこれらの
各金属の比は、±10%で変化し得、そしてさらに所望の結果を達成し得る。従って、コバルトは、約70重量%〜90重量%の量で合金中に存在し得、そしてニッケルは、約10重量%〜約30重量%の量で合金中に存在し得る。合金の他の例としては、Fe/Si、Fe/Ni、FeCo、Fe/Ni/Moおよびそれらの組み合わせが挙げられる。
強磁性型のSmCo、NdCo、SmCo17、NdFe14B、SrFe、TbFe、Al−Ni−Co、およびそれらの組み合わせ、ならびにスピネルフェライト(spinel ferrite)型のFe、NiFe、MnFe、CoFe、またはガーネット型のYIG、GdIG、およびそれらの組み合わせがまた、使用され得る。磁性材料は、その反射特性または吸収特性ならびにその磁性特性について選択され得る。反射剤としての機能に利用する場合、磁性材料は、厚く
なるまで堆積され、その結果、実質的に不透明である。吸収剤として利用される場合、磁性材料は、厚くなるまで堆積され、その結果、実質的に不透明である。吸収剤として利用される場合の磁性材料の典型的な厚さは、約2nm〜約20nmである。
【0163】
この広範な磁性材料が使用され得るが、「軟らかい(soft)」磁石が、本発明の
いくつかの実施形態において好ましい。本明細書中で使用される場合、用語「軟らかい磁石」は、強磁性特性を示すが、磁力に曝された後に実質的にゼロである残留磁気を有する任意の材料をさす。軟らかい磁石は、印加される磁場に対して素早い応答を示すが、非
常に低い(保磁場(coercive field)(Hc)=0.05〜300エルステッド(Oe))かもしくはゼロである磁性サインを有するか、または磁場が除かれた後に非常に低い磁力線を保持する。同様に、本明細書中で使用される場合、用語「硬い磁石」(永久磁石とも呼ばれる)は、強磁性特性を示し、磁力に曝された後に長く続く残留
磁気を有する任意の材料をいう。強磁性材料は、実質的に1より大きい透磁率(permeability)を有し、磁気ヒステリシス特性を示す任意の材料である。
【0164】
好ましくは、本発明のフレークおよび箔中の磁性層を形成するために使用される磁性
材料は、約2000Oe未満、より好ましくは300Oe未満の保磁度を有する。保磁度は、材料が広がる磁場によって消磁されるための材料の能力のことをいう。保磁度値が高くなるにつれて、磁場が取り除かれる後に材料を消磁するためには、より高い磁場が必
要とされる。本発明のいくつかの実施形態において、使用される磁性層は、好ましくは、より高い保磁度を持つ「硬い(hard)」磁性材料(消磁するのが困難)ではなく、「軟らかい」磁性材料(消磁するのが容易)である。本発明に従う箔、ピグメントまたは磁性色変化設計の色素の保磁度は、好ましくは約50Oe〜約300Oeの範囲である。
これらの保磁度は、標準的な記録材料における保磁度よりも低い。従って、磁性色変化ピグメントおよび磁性非色変化ピグメント中で軟らかい磁石を使用する、本発明の好ましい実施形態は、従来の技術の改良である。ピグメントフレーク中で軟らかい磁性材料を使
用することによって、凝集させることなく、フレークのより早い分散を可能にする。
【0165】
磁性層22は、約200Å〜約10,000Å、および好ましくは約500Å〜約1
,500Åの適切な物理的厚さを有するように形成され得る。しかし、本明細書中の開示から、適切な磁石の厚さは、使用される特定の磁性材料およびその使用目的に依存して変化することは、当業者によって理解される。例えば、磁性吸収層は、このような層の光
学的な要求に基づいて、磁性反射層よりも薄く、一方で隠された磁性層は、その磁性特性に単に基づく厚さを有する。
【0166】
反射層24および26は、様々な反射材料から構成され得る。ここで好ましい材料は
、1種以上の金属、1種以上の金属合金、またはそれらの組み合わせ(これらの高い反射
性および使用の容易さのため)であるが、非金属反射材料もまた使用され得る。反射層のための適切な金属材料の非制限的な例としては、アルミニ ウム、銀、銅、金、白金、ス
ズ、チタン、パラジウム、ニッケル、コバルト、ロジウム、ニオブ、クロムおよびそれらの組み合わせまたは合金が挙げられる。これらは、所望の場合、fに基づいて(based on the f desired)選択され得る。反射層24、26は、適切な物理的厚さ(約400Å〜約2,000Å、および好ましくは約500Å〜約1,000
Å)を有するように形成され得る。
【0167】
代替の実施形態において、向かい合う誘電層は、必要に応じて横たわる反射層24お
よび26に加えられ得る。これらの向かい合う誘電層は、RMF20に、耐久性、剛性、および腐食耐性を加える。あるいは、封入誘電層は、反射層24、26および磁性層22を実質的に囲むために形成され得る。この誘電層は、必要に応じて透明であり得るかま
たは選択的に吸収され得、その結果、ピグメントフレークの呈色効果に寄与する。誘電層のための適切な誘電材料の例は、この後に記載される。
【0168】
図2は、本発明の1つの実施形態に従うRMFに基づいた、磁性色変化ピグメントフ
レーク40を示す。このフレーク40は、一般的には、RMF42の向かい合う側面に層を有する、対称的な多層薄膜構造である。従って、第1の誘電層44および第2の誘電層46は、RMF42の向かい合う側面にそれぞれは位置され、そして第1の吸収層48
および第2の吸収層50は、それぞれ、誘電層44および46のそれぞれの上に配置される。RMFは、図1について上記で議論されるとおりであるが、誘電層および吸収層は、以下により詳細に記載される。
【0169】
誘電層44および46は、フレーク40の薄膜スタック構造中でスペ−サーとして作
用する。これらの層は、干渉色および所望の色変化特性を与えるための効果的な光学厚さを有するように形成される。この誘電層は、必要に応じて透明であり得るかまたは選択的に吸収され得、その結果ピグメントの呈色効果に寄与する。この光学厚さは、生成物η
dとして規定される周知の光学パラメータ(ここで、ηは、層の屈折率であり、dは、層の物理的厚さである)である。典型的には、層の光学厚さは、4分の1波長光学厚み(QWOT)の用語で示され、これは、4ηd/λに等しい(ここで、λは、QWOT条件が生じる波長である)。誘電層の光学厚みは、所望の色変化に依存して、約2QWOT(
約400nmの設計波長(design wavelength)において)から約9QWOT(約700nmの設計波長において)の範囲であり得、好ましくは、400〜700nmにおいて2〜6QWOTである。誘電層は、典型的には、所望の色特徴に依存し
て、約100nm〜約800nmの物理的厚さを有する。
【0170】
誘電層44および46のための適切な材料は、「高い」屈折率(本明細書中で約1.
65より大きく規定される)を有する材料ならびに「低い」屈折率(本明細書中で約1.65以下と規定される)を有する材料を含む。この誘電層の各々は、単一の材料から形成され得るかまたは種々の材料の組み合わせおよび構成で形成され得る。例えば、誘電層
は、低屈折率材料のみもしくは高屈折率材料のみ、2つ以上の屈折率材料の混合物もしくは多副層、2つ以上の高屈折率材料の混合物もしくは多副層または低屈折率材料と高屈折率材料の混合物もしくは多副層から形成され得る。さらに、誘電層は、高誘電光学スタック/低誘電光学スタックの部分または全体を形成し得、これらは、以下にさらに詳細に
議論される。誘電層が誘電光学スタックで部分的に形成される場合、誘電層の残りの部分は、単一材料で形成され得るかまたは種々の材料組み合わせ、および上記のような構成で形成され得る。
【0171】
誘電層のための適切な高屈折率材料の例としては、以下が挙げられる:硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、二酸化チタン(TiO
、ダイヤモンド様炭素(diamond−like carbon)、酸化インジウム(In)、酸化インジウム−スズ(ITO)、五酸化タンタル(Ta)、酸化セリウム (CeO)、酸化イットリウム(Y)、酸化ユーロピウム(Eu)、(II)二鉄(III)酸化物(Fe)、酸化鉄(III)(Fe)のような酸化鉄、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO)、酸化ランタン(La)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd)、酸化プラセオジム(Pr11)、酸化サマリウム(Sm)、三酸化アンチモン(Sb)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se)、酸化スズ(SnO)、三酸化タングステン(WO)、これらの組み合わせなど。
【0172】
誘電層のための適切な低屈折率材料としては、以下が挙げられる:二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化アルミニウム(AlF)、フッ化セリウム(CeF)、フッ化ランタン(LaF)、フッ化ナトリウムアルミニウム(例えば、NaAlFまたはNaAlFl)フッ化ネオジム(NdF)、フッ化サマリウム(SmF)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化リチウム(LiF)、これらの組み合わせ、または約1.65以下の反射の屈折率を有する、他の任意の低屈折率材料。例えば、有機モノマーおよび有機ポリマーは、低屈折率材料として利用され得、アクリレート(例え
ば、メタクリレート)、ペルフルオロアルケン、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、これらの組み合わせのようなジエンまたはアルケンなどを含む。
【0173】
上に列挙された誘電材料のいくつかが典型的には、非化学量論的形態で存在し、しば
しば、コーティング層として誘電材料を堆積させるために使用される特異的な方法に依存し、そして、上に列挙された化合物名がおおよその化学両論を示すことが理解されるべきである。例えば、一酸化ケイ素とニ酸化ケイ素は、それぞれ、通常1:1および1:2
のケイ素:酸素比を有しているが、特定の誘電コーティング層の実際のケイ素:酸素比は、これらの通常値から変化する。このような非化学両論的誘電材料はまた、本発明の範囲内である。
【0174】
上述のように、誘電層は、高/低誘電光学スタックから形成され得、これは低指数(
L)材料および高指数(H)材料の交互層を有する。誘電層が、高/低誘電スタックから形成される場合、角度による色変化は、スタックにおける層の組み合わされた屈折率に依存する。誘電層についての適切なスタック型の例としては、LH、HL、LHL、HL
H、HLHL、LHLH、または一般的に(LHL)もしくは(HLH)(n=1〜100)、ならびに種々のこれらの倍数およびこれらの組み合わせが挙げられる。これらのスタックにおいて、例えば、LHは、低指数材料および高指数材料の別個の層を示す
。代替の実施形態において、高/低誘電スタックは、勾配屈折率で形成される。例えば、スタックは、低〜高の段階的指数、高〜低の段階的指数、段階的指数[低〜高〜低]、段階的指数[高〜低〜高](n=1〜100)、ならびにこれらの組み合わせおよび
これらの倍数を有する層で形成され得る。段階的指数は、屈折率における漸移的な分散(例えば、隣接する層の低〜高指数、または隣接する層の高〜低指数)によって生成される。層の段階的指数は、異なる割合で2つの材料(例えば、LおよびH)を堆積または同時堆積する間にガスを変化することによって生成され得る。種々の高/低光学スタックは
、色変化機能を増強するため、誘電層に反射防止特性を提供するため、および本発明のピグメントの可能な色の空間を変化させるために使用され得る。
【0175】
誘電層は、それぞれ同じ材料または異なる材料から構成され得、そしてそれぞれの層
について同じかまたは異なる光学的厚さまたは物理学的厚さを有し得る。誘電層が異なる
材料から構成されるか、または異なる厚さを有する場合、フレークが、そのそれぞれの側において異なる色を示し、そしてピグメント中のフレーク の得られた混合物または塗料
の混合物が、2つの色の組み合わせである新しい色を示すことが、理解される。得られた色は、フレークの2つの側に由来する2つの色の添加された色の理論に基づく。フレークの多重度において、得られた色は、観察者に対して配向された異なる側を有するフレークの無作為な分布から得られる2つの色のさらなる合計である。
【0176】
フレーク40の吸収層48、50は、所望の吸収特性を有する任意の吸収材料から構
成され得、これらは、電磁スペクトルの可視部分において均一に吸収するか、または不均一に吸収する材料を含む。従って、選択的吸収材料または非選択的吸収材料は、所望の色の特徴に依存して使用され得る。例えば、吸収層は、少なくとも部分的に吸収性である
か、半透明である厚さまで堆積した非選択的吸収金属材料から形成され得、ここで吸収層は、。適切な吸収材料の非制限的な例としては、クロム、アルミニウム、ニッケル、銀、銅、パラジウム、白金、チタン、バナジウム、コバルト、鉄、スズ、タングステン、モリブデン、ロジウム、およびニオブのような金属吸収剤、ならびにその対応する酸化物、
硫化物、および炭化物が挙げられる。他の適切な吸収材料としては、炭素、黒鉛、シリコン、ゲルマニウム、サーメット、酸化鉄(III)または他の金属酸化物、誘電マトリクス中で混合された金属、および可視スペクトル中で均一の吸収剤または選択的吸収剤と
して作用し得る他の物質が挙げられる。上記の吸収材料の種々の組み合わせ、混合物、化合物または合金は、フレーク40の吸収層を形成するために使用され得る。
【0177】
上記の吸収材料の適切な合金の例としては、インコネル(Ni−Cr−Fe)、ステ
ンレス鋼、ハストアロイ(Hastalloy)(例えば、Ni−Mo−Fe;Ni−Mo−Fe−Cr;Ni−Si−Cu)およびチタンベースの合金(例えば、炭素と混合されたチタン(Ti/C)、タングステンと混合されたチタン(Ti/W)、ニオブと混
合されたチタン(Ti/Nb)、およびシリコンと混合されたチタン(Ti/Si)ならびにこれらの組み合わせが挙げられる。上述のように、吸収層はまた、吸収酸化金属、硫化金属、炭化金属、またはこれらの組み合わせから構成され得る。例えば、1つの好ましい吸収硫化材料は、硫化銀である。吸収層について適切な化合物の他の例としては、チ
タンベースの化合物(例えば、窒化チタン(TiN)、チタンオキシニトリド(TiN)、炭化チタン(TiC)、チタンニトリドカーバイド(TiN)、チタンオキシニトリドカーバイド(TiN)、ケイ化チタン(TiSi)、ホウ化チタン(TiB)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。TiNおよびTiNの場合において、好ましくは、x=0〜1であり、y=0〜1であり、そしてz=0〜1であり、ここでTiNにおいてx+y=1であり、そしてTiNにおいてx+y+z=1である。TiNについて、好ましくは、x=0〜1であり、そしてz=0〜1であり、ここでx+y=1である。あるいは、吸収層は、Tiのマトリクス中に堆積されたチタンベース合金から構成され得るか、またはチタンベース合金のマトリクス中に堆積されたTiから構成され得る。
【0178】
吸収層がまた、コバルト−ニッケル合金のような磁性材料から構成され得ることが、当業者によって理解される。これは、要求される材料の数を減少させることによって磁性色変化デバイスまたは構造の製造を単純化する。
【0179】
吸収層は、吸収層材料の光学定数および所望のピークシフト(peak shift
)に依存して、約30Å〜約500Å、好ましくは約50Å〜約150Åの範囲の物理学的厚さを有するように形成される。この吸収層は、それぞれ同じ材料、または異なる材料から構成され得、そしてそれぞれの層について同じ物理学的厚さまたは異なる物理学的
厚さを有し得る。
【0180】
フレーク40の代替の実施形態において、非対称的な色変化フレークが提供され得、
これは図2に示されるようにRMF42の1つの側に同じ層を有する薄膜スタック構造を備える。従って、非対称的な色変化フレークとしては、RMF42、RMF42の上に重なる誘電層44、および誘電層44の上に重なる吸収層48が挙げられる。これらの層
はそれぞれ、同じ材料から構成され得、そしてフレーク40の対応する層について上述と同じ厚さを有し得る。さらに、非対称的な色変化フレークは、上述されたようなウェブコーテイング(web coating)プロセスによって形成され得、ここで種々の層が連続的にウェブ材料上に堆積されて薄膜構造を形成する。これは連続的に破砕され、ウ
ェブから除去されて複数のフレークを形成する。
【0181】
さらなる代替の実施形態において、フレーク40は、吸収層なしで形成され得る。こ
の実施形態において、対向する誘電層44および46は、前述されたような高/低(H/L)誘電光学スタックから形成される。従って、誘電層44および46は、フレーク40がコーティング構造:(HL)/RMF/(LH)、(LH)/RMF/(HL)、(LHL)/RMF/(LHL)、(HLH)/RMF/(HLH)、または他の類似の型(n=1〜100、ならびにL層およびH層は、設計の波長で四分の一波長(quarterwave)(QW)である)を有するように、構成され得る。
【0182】
図3は、本発明の別の実施形態に従う屈折磁性フレークまたは粒子(「RMP」)6
0を描写する。RMP60は、コア磁性層64を実質的に囲みそしてカプセル化している反射層62を伴う2層設計である。反射層内に磁性層を挿入することによって、反射層の光学的特性は、下方に勾配されず、そして反射層は高い屈折性を維持する。RMP60
は、ピグメント粒子として使用され得るか、またはその上に適用されるさらなる層を有するコア区分として使用され得る。磁性層および反射層は、RMF20について考察されるのと同じ材料から構成され得る。
【0183】
代替の実施形態において、誘電層は、必要に応じて反射層62に添加され重なり得、RMP60に耐久性、剛性および腐食耐性を付与する。誘電層は、必要に応じて透明であり得るか、またはピグメントフレークの色効果に貢献するように選択的に吸収し得る。
【0184】
図4は、本発明の他の実施形態に従いRMFまたはRMPのいずれかに基づくカプセ
ル形態での磁性色変化ピグメントフレーク80についての代替のコーティング構造(想像を有する)を描写する。フレーク80は、磁性コア区分82を有し、これらはRMFまたはRMPのいずれかであり、これらは実質的に磁性コア区分82を囲む誘電層84をカ
プセル化することによってオーバーコートされ得る。誘電層84をオーバーコートする吸収層86は、フレーク80の外側のカプセルを提供する。図4におけるフレーク80の1つの側における半球型の破線は、誘電層84および吸収層86が磁性コア区分82の周りの連続的な層として形成され得ることを示す。
【0185】
あるいは、磁性コア区分82および誘電層は、薄膜コアフレークスタックの形態であ
り得、ここで対向する誘電層84aおよび84bは、上表面および下表面で予備形成されるが、薄膜スタックをカプセル化する吸収層86を有する磁性コア区分82(RMF)の少なくとも1側面では予備形成されない。カプセル化プロセスはまた、キャッピング層
のようなフレーク80上のさらなる層を形成するために使用され得る(示されていない)。ピグメントフレーク80は、別個の色変化を示し、その結果、ピグメントフレークは、入射光またはビューイング(viewing)の第1の角度での第1の色、および入射光またはビューイングの第2の角度での第1の色とは異なる第2の色を有する。
【0186】
さらなる代替の実施形態において、フレーク80は、吸収層なしで形成され得る。この実施形態において、誘電層84は、前記の誘電光学スタックに類似の連続的高/低(H/
L)誘電光学コーティングから形成される。従って、誘電層84は、コーティング構造(HL)、(LH)、(LHL)、(HLH)または他の類似の構成を有し得、ここでn=1〜100ならびにL層およびH層は設計された波長で1QWである。
【0187】
図5は、本発明に従う色変化ピグメントフレーク100について別の代替のコーティ
ング構造を描写する。フレーク100は、磁性コア区分82および単誘電層84を備え、これらは磁性コア区分82の上表面および下表面を伸長して誘電コーティングされたプレフレーク(preflake)86を形成する。コア区分82は、RMF、RMPまた
は磁性層であり得る。誘電コーティングされたプレフレーク86は、二つの側面88および90を有する。側面90は均質であり、そして誘電層84の誘電材料のみから形成されるが、側面88は、誘電区分、磁性コア区分および誘電区分のそれぞれの別個の表面領域88a、88b、88cを有する。誘電コーティングされたプレフレーク86は、さら
に吸収層92で全ての側をさらにコーティングされる。吸収層92は、側面88で誘電層84および磁性コア区分82と接触する。
【0188】
ピグメントフレーク100の構造は、典型的に生じる。なぜならば、プレフレークコ
ーティングプロセスが、前記の米国特許出願番号09/512,116に開示されるプロセスと類似するからである。プレフレークは、誘電コーティングフレークであり得、ここで誘電コーティングは、RMFもしくはRMP(図4を参照のこと)、または磁性層(
図10を参照のこと)を完全にカプセル化する。このプレフレークは、研削のような任意の従来のフラグメント化プロセスを用いて分粒されたプレフレークへと破砕される。分粒されたプレフレークは、図2のフレーク40の実施形態について示されるようなプレフレークの側面上を誘電コーティングせずに上誘電層および下誘電層を有するいくつかの分
粒されたプレフレークを備え、ここでRMF42は、上誘電層および下誘電層44および46でコーティングされている。他の分粒されたプレフレークは、磁性コアフレーク区分の上表面および下表面の両方を伸長し、図5の誘電コーティングされたプレフレーク8
6に示されるような曝露された磁性コアフレーク区分の1側面を残す単誘電層を有する。フラグメント化プロセスのために、実質的にすべての分粒されたプレフレークは、曝露された側面の少なくとも1部を有する。次いで、分粒されたプレフレークは、図4および5のフレークに示されるように吸収層で全ての側面でコーティングされる。
【0189】
図6は、その対向する主要な表面上で第1および第2の磁性層124、126を有す
る中央誘電支持層122を含む複合磁性フレーク(「CMF」)120を描写する。誘電層を磁性層の間に挿入することによって、CMF120は、有意に安定化および強化され、増加された剛性を有する。さらなる誘電層(示されていない)は、必要に応じて磁性
層124、126を重ねるように追加され得る。これらのさらなる誘電層は、CMF120に対して耐久性、剛性、および腐食耐性を付与する。CMF120は、それ自体によりピグメントフレークとして使用され得るか、またはその上に適用されたさらなる層を有する磁性コア区分として使用され得る。磁性層124、126は、前記の任意の磁性材料
から形成され得る。
【0190】
支持層122について使用される誘電材料は、好ましくは、無機である。これはなぜ
ならば、無機誘電材料が、脆性および剛性の良好な特徴を有することが見出されたためである。利用され得る種々の誘電材料としては、フッ化金属、酸化金属、硫化金属、窒化金属、炭化金属、これらの組み合わせなどが挙げられる。誘電材料は、結晶状態、非結晶
状態、または半結晶状態のいずれかであり得る。これらの材料は、容易に利用可能であり、そして物理学的または化学的蒸着(vapor deposition)プロセスによって容易に塗布される。適切な誘電材料の例としては、フッ化マグネシウム、一酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化タングステン、窒化アルミ
ニウム、窒化ホウ素、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタン、窒化チタン、窒化ケ
イ素、硫化亜鉛、ガラスフレーク、ダイヤモンド様炭素、これらの組み合わせなどが挙げられる。あるいは、支持層122は、予め形成された誘電プレフレーク 材料またはセラ
ミックプレフレーク材料から構成され得、これらは高い縦横比を有する(例えば、天然の小板鉱物(例えば、雲母、ペロスコバイト(peroskovite)もしくは滑石)、またはガラス、アルミナ、二酸化ケイ素、炭素、雲母酸化鉄(micaeous iron oxide)、コートされたマイカ、窒化ホウ素、炭化ホウ素、黒鉛、ビスマスオ
キシクロリド、これらの種々の組み合わせなどから形成される合成小板)。
【0191】
代替の実施形態において、誘電支持層122の代わりに、圧縮強度に対して張力の十
分な比を有する種々の半導体材料および導体材料は、支持層として機能し得る。このような材料の例としては、シリコン、ケイ化金属、III属、IV属またはV属元素の任意から形成される半導体化合物、体心立方結晶構造を有する金属、サーメット組成物または
化合物、半導体ガラス、これらの種々の組み合わせなどが挙げられる。しかし、本明細書中に記載された機能を提供し、そしてガラス様の質を有する硬い層として作用し得る任意の支持材料がこれらの材料の1つに対する受容可能な置換物であることが、本明細書中の技術から理解される。
【0192】
支持層122の厚さは、約10nm〜約1,000nm、好ましくは、約50nm〜約200nmの範囲であり得るが、これらの範囲は制限としてとられるべきではない。
【0193】
図7は、本発明の別の実施形態に従う複合磁性粒子(「CMP」)140を描写する
。CMP140は、誘電層のような中央支持層144を実質的に囲み、そしてカプセル化している磁性層142を伴う2層設計である。支持層を磁性層内に挿入することによって、CMP140は、有意に安定化および剛化される。支持層は、ピグメントフレークに
剛性および耐久性を付与する。磁性層142は、前記の任意の磁性材料から形成され得る。支持層144は、CMF120の支持層122について本明細書中で上述されたのと同じ材料から形成され得る。CMP140は、それ自体によってピグメント粒子として使用され得るか、またはその上に適用されるさらなる層を有する磁性コア区分として使用さ
れ得る。例えば、外側誘電層は、磁性層142に重なり、そしてカプセル化するように添加され得る。この外側誘電層は、CMP140に耐久性、剛性および腐食耐性を付与する。
【0194】
図8は、カプセル化形態での色変化ピグメントフレーク160についてのコーティン
グ構造を描写する。フレーク160は、薄いコア層162を有し、これは、支持層122について本明細書で教示されたような誘電材料または他の材料から形成され得る。コア層162は、磁性層164を有する全ての側でオーバーコートされ、これらはRMF20
の磁性層22について上記されたのと同じ材料から構成され得る。必要に応じて、反射層168は、磁性層164上に適用され得る。反射層168についての適切な材料としては、RMF20の反射層24について記載される材料が挙げられる。反射層は、フレーク160の反射機能を効果的に提供し、光学的存在から磁性層164を遮蔽する。コア層1
62および磁性層164は、外層でオーバーコートされるCMP166として提供され得る。あるいは、CMP166は、図6に示されるようなCMFで置換され得る。カプセル化誘電層170は、実質的に反射層168および磁性層164を囲む。誘電層170に
重なる吸収層172は、フレーク160の外側のカプセルを提供する。
【0195】
種々のコーティングプロセスは、カプセル化による誘電コーティング層および吸収コ
ーティング層の形成において利用され得る。例えば、誘電層を形成するために適切な好ましい方法としては、真空蒸着、ゾル−ゲル加水分解、流動床におけるCVD、粒子で充填された振動トレイ上の下流プラズマおよび電気化学的堆積が挙げられる。適切なSiO
ゾル−ゲルプロセスは、Andesらに対する米国特許第5,858,078号に記載
され、この開示は、本明細書中で参考として援用される。本発明において有用な適切なゾル−ゲルコーティング技術の他の例は、Brodallaに対する米国特許第4, 75
6,771号;Zinkら、Optical Probes and Properties of Aluminosilicate Glasses Prepared by the Sol−Gel Method,Polym.Mater.Sci.Eng.,61,pp.204〜208(1989);およびMacKiernanら、Lu
minescence and Laser Action of Coumarin Dyes
Doped in Silicate and Aluminosilicate
Glasses Prepared by the Sol−Gel Technique,J.Inorg.Organomet.Polym.,1(1),pp.87〜103(1991)に開示され;これらの開示はそれぞれ、本明細書中で参考として援用さ
れる。
【0196】
吸収層を形成するための適切な好ましい方法としては、1999年9月3日に出願された、表題「Methods and Apparatus for Producing
Enhanced Interference Pigments」の同一人に譲渡
された係属中の特許出願番号09/389,962(これは、その全体において本明細書中に参考として援用される)に開示されるように、真空蒸着、および機械的に振動している粒子のベッド上へのスパッタリングが挙げられる。あるいは、吸収体コーティングは
、金属−有機化合物の熱分解を介した分解によるか、または関連したCVDプロセスによって溶着され得、このCVDプロセスは、Schmidらに対する米国特許第5,364,467号および同第5,763,086号(これらの開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載されるように流動化したベッド中で実施され得る。さらなる研摩が
実施されない場合、これらの方法は、その周りに誘電物質および吸収体物質を伴うカプセル化したコアフレークのセクションを生じる。上記のコーティングプロセスの種々の組み合わせは、複数のカプセル化コーティングを用いるピグメントフレークの製造の間に使
用され得る。
【0197】
吸収体コーティングを形成する1つの方法では、粉末化したフレークまたは他のコー
トされたプレフレークは、上で議論される米国特許出願番号09/389,962に開示されるように、真空コーティングチャンバー内の四角形の振動コンベヤーコーター上に配置される。この振動コンベヤーコーターは、コンベヤートレイを備え、このトレイは、
重なって傾いた配置で構成されているため、粉末化したフレークは、真空チャンバー内の循環経路に沿って移動する。フレークがこの経路に沿って循環する間に、このフレークは、一定の攪拌によって効率的に混合され、その結果、蒸発した吸収体コーティング物質への曝露が均一になる。効率的な混合はまた、フレークが1つのトレイから一気に落ちて
、そして、次のトレイに乗るように、各々のコンベヤートレイの端で生じる。フレークがコーティング物質供給源の下で繰り返し移動するように、この吸収体は、フレーク上に連続してコートされ得る。
【0198】
振動コンベヤートレイを使用して、吸収体をコートする場合、粉末化フレークが、コ
ーティング物質供給源(例えば、スパッタターゲット)の下で不規則に転がり、そして、「金属溶接」または固着の影響を受けないことが重要である。このような金属溶接または固着は、このような金属を真空中で溶着する場合、反応金属の2つの平坦な表面間で生
じ得る。例えば、アルミニウムは、それ自体で固着する高い傾向を有するが、クロムは有さない。適切な吸収体物質は、単一の物質としてか、または異なる吸収体物質を覆う外側のキャッピング層としてかのいずれかで適用され得る。
【0199】
図9は、本発明のさらなる実施形態に従う、誘電コートした磁性フレーク(「DMF
」)180を示す。このDMF180は、中心の磁性層およびこの中心の磁性層の向かい合った主要面のいずれかまたは両方の少なくとも1つの誘電層を有する、ほぼ対称な薄膜構造を有する3層設計である。従って、示されるように、DMF180は、誘電層18
4と対向する誘電層186との間にはさまれた磁性層182を備える。誘電層間に磁性層を挿入することによって、このDMFは、増加した剛性および耐久性を有する。
【0200】
図10は、本発明の別の実施形態に従う、誘電コートした磁性粒子(「DMP」)200を示す。このDMP200は、中心の磁性層204を実質的に取り囲み、そして、これをカプセル化する誘電層202を有する2層設計である。
【0201】
DMF180およびDMP200のコーティング構造における各々の層は、これまで
の実施形態に記載される対応する層と、同じ物質および同じ厚さで形成され得る。例えば、DMF180およびDMP200における誘電層は、フレーク40の誘導層44について本明細書中で上記に教示されるのと、同じ物質および同じ厚さ範囲で形成され得、そ
して、DMF180およびDMP200における磁性層は、フレーク20の磁性層22について本明細書中で上記に教示されるのと同じ物質および同じ厚さの範囲で形成され得る。このDMF180およびDMP200は、それぞれ、ピグメントフレークまたは粒子として使用され得るか、またはその上に適用されるさらなる層とともに磁性コアセクショ
ンとして使用され得る。
【0202】
図11は、本発明の別の実施形態に従う、色変化(shifting)ピグメントフ
レーク220を示し、これは、反射体(高い反射率、すなわち、光学金属を有する)を用いない。このフレーク220は、DMFまたはDMPであり得る磁性コアセクション222の反対面に対して、ほぼ対称な多層薄膜構造を有する3層設計である。従って、第1
の吸収層224aおよび第2の吸収層224bは、磁性コアセクション222の対向する主要な表面上に形成される。フレーク220のこれらの層は、これまでに記載されるように、ウエブコーティングおよびフレーク除去プロセスによって形成され得る。
【0203】
図11は、色変化フレーク220についての代替的なコーティング構造(想像線を有
する)をさらに示し、ここで、カプセル化プロセスにおいて、吸収層が磁性コアセクション222の周りにコートされる。従って、吸収層224aおよび224bは、その下にフレーク構造を実質的に取り囲む連続的なコーティング層224の一部として形成される

【0204】
従って、ピグメントフレーク220は、多層薄膜の積み重ねフレークとしてかまたは多層薄膜のカプセル化粒子としてのいずれかで具体化され得る。フレーク220の吸収層、誘電層、および磁性層の適切な物質および厚さは、本明細書中で上記に教示されるものと同じである。
【0205】
本発明のいくつかのフレークは、多層の薄膜干渉構造として特徴付けられ得、ここで
、層が平行な平面にあり、その結果、フレークが、第1および第2の平行で平坦な外側表面ならびに第1および第2の平行で平坦な外側表面に垂直な端の厚さを有する。このようなフレークは、狭い粒子サイズ分布で、少なくとも約2:1、そして、好ましくは、約
5〜15:1のアスペクト比を有するように作製される。フレークのアスペクト比は、フレークの端の厚さの寸法に対する、第1および第2の外側表面の最長の平面寸法の比率を取ることによって確認される。
【0206】
各々のフレークが、図2に示されるフレーク40の多層薄膜コーティング構造を有す
る、複数のピグメントフレークを作製する現在好ましい1つの方法は、光学薄膜を作製するために使用される従来のウエブコーティング技術に基づいている。フレーク40は、本
明細書中で以下に記載されるが、本明細書中で教示される 他のフレーク構造もまた、本
明細書中で以下に記載されるものと同様な手順で作製され得る。従って、第1の吸収層は、その上に任意の放出層を有する可撓性物質(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))のウエブ上に溶着される。この吸収層は、従来の溶着プロセス(PVD、CVD、PECVD、スパッタリングなど)によって形成され得る。上記で言及した溶着方法
は、所望の厚さの別個かつ均一な吸収層の形成を可能にする。
【0207】
次に、第1の誘電層は、吸収層の上に、従来の溶着プロセスによって所望の光学的厚
さに溶着される。誘電層の溶着は、蒸着プロセス(例えば、PVD、CVD、PECVD)によって達成され得、このプロセスは、蒸気から固体相への誘電転移として強いられるストレス下で、誘電層のクラッキングを生じる。
【0208】
次いで、磁性コアが、溶着される。反射層の場合では、次いで、第1の反射層が、第
1の誘電層の上にPVD、CVD、またはPECVDによって溶着され、この反射層は、下層のクラックした誘電層の特徴を有している。次いで、磁性層は、e−ビームエバポレーション、スパッタリング、電着、またはCVDによって塗布され、続いて、第2の反
射層が溶着される。
【0209】
この次に、第2の誘電層が第2の反射層上に溶着され、そして、好ましくは、第1の誘電層と同じ光学厚さを有する。最終的に、第2の吸収層は、第2の誘電層の上に溶着され、そして、好ましくは、第1の吸収層と同じ物理的厚さを有する。
【0210】
その後、可撓性ウエブは、予め選択された液体中での溶解によってかまたは放出層に
よって(これらは両方とも当業者に周知である)除去される。結果として、複数のフレークは、多層薄膜からのウエブの除去の間に層のクラックに沿って断裂される。ピグメントフレークを製造するこの方法は、Phillipsらに対する米国特許第5,135,
812号(この開示は、本明細書中において参考として援用される)において、より完全に記載されるものに類似する。ピグメントフレークは、必要に応じて、さらに細分化され得、例えば、フレークを空気研摩(air grind)を用いて所望のサイズに研摩して、その結果、ピグメントフレークの各々が、その任意の表面で約2ミクロンから約2
00ミクロンの範囲の寸法を有する。
【0211】
色変化フレークにさらなる耐久性を与えるために、焼なましプロセスが、使用されて、フレークを、約200〜300℃、そして、好ましくは、約250〜275℃の温度範囲で、約10分間〜約24時間の範囲の時間、そして、好ましくは、約15〜60分間の時間で加熱し得る。
【0212】
他のピグメントフレーク構造、それらを形成する方法、およびそれらと適合性のさら
なる特徴は、Phillips‘648、Berningらに対する米国特許第4,705,356号、およびBradleyらに対する米国特許第6,157,489号;Phillipsらに対する米国特許出願番号09/685,468、Coombsらに対
する09/715,937、Mayerらに対する09/715,934、Phillipsらに対する09/389,962、およびPhillipsらに対する09/539,695(これらの開示は、それぞれ、本明細書中に参考として援用される)に見出され得る。当業者は、本明細書中における開示を考慮して、これまでに議論された磁性層が
、例えば、さらに有用なコーティング構造を得るために、反射層を、本明細書中で開示されるRMFまたはRMPと置き換えることによって、上記の特許および出願に開示されるコーティング構造と組み合わせられ得ることを理解する。
【0213】
ここで、図12を参照すると、ピグメントフレーク240は、本発明の別の実施形態
に従って溶着される。図示されるように、フレーク240は、磁性層(例えば、反射磁性コア242)の対向する面上にほぼ対称な薄膜構造を有する多層設計であり、この磁性層は、本明細書中に記載されるかまたは当該分野で公知の反射特性を有する任意の色変化
しない磁性ピグメントフレークまたは粒子であり得る。例えば、反射磁性コア242は、単一の反射磁性層(例えば、Niまたは他の磁性反射金属のモノリシック層)であり得るか、または多層磁性構造(例えば、Al/Fe/Al)であり得る。第1の有色層(例えば、選択的吸収層244a)および第2の有色層(例えば、選択的吸収層244b)は
、反射磁性コア242の対向する主要な表面上に形成される。フレーク240のこれらの有色層は、これまでに記載されるようなウエブコーティングおよびフレーク除去プロセスによって形成され得る。
【0214】
図12は、フレーク240についての代替的なコーティング構造(想像線を有する)
を示す。ここで、有色層(例えば、選択的吸収層244)は、カプセル化プロセスにおいて反射磁性コア242の周りにコートされている。従って、選択的吸収層244aおよび244bは、その下にフレーク構造を実質的に取り囲む連続的なコーティング層244
の一部として形成される。フレーク240を形成するための適切なカプセル化方法は、2000年7月27日に出願された係属中の米国出願番号09/626,041(この開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載されている。
【0215】
従って、ピグメントフレーク240は、多層薄膜積み重ねフレークまたは多層薄膜カ
プセル化粒子のいずれかとして具体化され得る。フレーク240の反射磁性コアにおいて使用するための適切な物質および厚さは、反射特性および磁性特性の両方が維持される限りは、本明細書中で上記に教示されるのと同じである。
【0216】
フレーク240の有色層は、1つ以上の層の種々の異なる吸収物質および/または反
射物質から形成され得る。好ましくは、有色層(例えば、選択的吸収層)は、有機色素物質を利用して、選択的吸収層を形成する場合、色素材料について従来のコーティングプロセスによって、約0.05μm〜約5μm、そして、より好ましくは、約1μm〜約2
μmの厚さを有するように形成される。好ましくは、この有色層は、有色金属または他の無機着色物質が使用される場合、約0.05μm〜約0.10μmの厚さを有するように形成される。
【0217】
フレーク240の選択的吸収層を形成するために使用され得る適切な有機色素の例と
しては、銅フタロシアニン、ペリレンベースの色素、アントラキノンベースの色素など;アゾ色素およびアゾ金属色素(例えば、アルミニウムレッド(RLW)、アルミニウムカッパー、アルミニウムボルドー(bordeaux)(RL)、アルミニウムファイア
レッド(firered)(ML)、アルミニウムレッド(GLW)、アルミニウムバイオレット(CLW)など);ならびにそれらの組み合わせまたは混合物が挙げられる。このような色素は、従来のコーティング技術によって、および、エバポレーションによってさえも塗布され得る。
【0218】
フレーク240の有色層はまた、ピグメントビヒクルにおいて、単独で塗布されるか
または分散される、種々の慣用的な有機ピグメントまたは無機ピグメントから形成され得る。このような色素ピグメントは、NPIRI Raw Materials Data
Handbook,第4巻,Pigments (1983)(この開示は、本明細書
中において参考として援用される)に記載されている。
【0219】
別の実施形態において、フレーク240の選択的吸収層は、有色のピグメントまたは
色素を保持するゾル−ゲルマトリクスを含む。例えば、選択的吸収層は、ゾル−ゲルコーティングの細孔に吸収されるかまたはコーティングの表面に結合される有機色素とともに
、ゾル−ゲルプロセスによって塗布される酸化アルミニウ ムまたは二酸化ケイ素から形
成され得る。ゾル−ゲルコーティングプロセスにおいて使用される適切な有機色素としては、Sandoz Company製の商品名Aluminiumrot GLW(アルミニウムレッドGLW)およびAluminiumviolett CLW(アルミニウムバイオレットCLW)の下で入手可能な色素が挙げられる。アルミニウムレッドGL
Wは、銅を含むアゾ金属錯体であり、そして、アルミニウムバイオレットCLWは、純粋な有機アゾ色素である。本発明において有用なゾル−ゲルコーティング技術の例としては、以下の開示が挙げられる:Brodallaに対する米国特許第4,756,771
号(1988);Zinkら、Optical Probes and Properties of Aluminosilicate Glasses Prepared by the Sol−Gel Method,Polym.Mater.Sci.Eng.,61,pp.204〜208(1989);およびMcKiernanら、Lu
minescence and Laser Action of Coumarin Dyes Doped in Silicate and Aluminosilicate Glasses Prepared by the Sol−Gel Tech
nique,J.Inorg.Organomet.Polym.,1(1),pp.87〜103(1991)(これらの全ての開示は、本明細書中で参考として援用される)。
【0220】
さらなる実施形態において、フレーク240の有色層は、無機着色物質から形成され
得る。適切な無機着色料としては、選択的吸収体(例えば、窒化チタン、窒化クロム、酸化クロム、酸化鉄、コバルトドープしたアルミナなど)および着色した金属(例えば、銅、黄銅、チタンなど)が挙げられる。
【0221】
上記の色素、ピグメント、および着色料の種々の組み合わせがまた、フレーク240
についての所望される色特性を達成するために使用され得ることが理解されるべきである。本明細書中で議論された有機色素、ピグメント、および着色料は、磁性特性を有する光沢色をもつ色素を獲得するために本発明において使用され得る。
【0222】
前述の実施形態の種々の改変および組み合わせはまた、本発明の範囲内で考慮される
。例えば、さらなる誘電体、吸収体および/または他の光学コーティングは、上記のそれぞれのフレークもしくは粒子の実施形態の周囲、またはフレーク形成の前の多層の反射フィルム上で形成されて、さらに所望される光学特性をもたらし得る。このようなさらな
るコーティングは、色素にさらなる色効果を提供し得る。例えば、色変化フレークに添加された有色誘電コーティングは、フレーク上で色フィルターとして作用して、フレークによって生成された色を変化させる減色効果を提供した。
【0223】
本発明のピグメントフレークは、ピグメント媒体内に分散されて、着色料組成物を生
成し得、この組成物は、多種多様な物体または紙に塗布され得る。媒体へ添加されたピグメントフレークは、固化した媒体の表面上に入射する放射線を介して、予め決定された光学応答を生成する。好ましくは、ピグメント媒体は、樹脂または樹脂の混合物を含有し
、この樹脂は、熱的プロセス(例えば、熱的架橋、熱的硬化、または熱的溶媒エバポレーション)によってか、または光化学架橋によって、乾燥または硬化され得る。有用なピグメント媒体としては、種々の高分子組成物または有機結合剤(例えば、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、エポキシ、スチレン
など)が挙げられる。これらの樹脂の適切な例としては、メラミン、アクリレート(例えば、メチルメタクリレート)、ABS樹脂、アルキド樹脂に基づくインク調合物および塗料調合物、ならびにこれらの種々の混合物が挙げられる。ピグメント媒体と組み合わせ
たフレークは、塗料、インク、または成形可能なプラスチック材料として直接使用され得る着色組成物を生成する。この着色組成物はまた、従来の塗料、インク、またはプラスチ
ック材料に対する添加物として利用され得る。
【0224】
ピグメント媒体はまた、好ましくは、樹脂のための溶媒を含む。溶媒については、一
般的に、有機溶媒または水のいずれかが使用され得る。揮発性溶媒もまた、媒体に使用され得る。揮発性溶媒については、シンナーのように揮発性かつ希釈可能性の両方である溶媒を使用することが好ましい。特に、ピグメント媒体のより速い乾燥は、メチルエチル
ケトン(MEK)のような低沸点組成物を有する溶媒の量を増加させることによって達成され得る。
【0225】
さらに、フレークは、必要に応じて、種々の添加物質(例えば、異なる色相、色度お
よび輝度の従来のピグメントフレーク、粒子、または色素)と混ぜ合わせて、所望される色特性を達成し得る。例えば、フレークは、他の従来のピグメント(干渉型または非干渉型のいずれかの色素)と混合されて、他の色の範囲を生成し得る。次いで、予め混合し
た組成物は、高分子媒体(例えば、従来の様式において使用するための塗料、インク、プラスチックまたは他の高分子色素)中に分散され得る。
【0226】
本発明のフレークと組合わされ得る適切な追加材料の例としては、MgF/Al/MgF血小板またはSiO/Al/SiO小板のような、単一色効果を生じる非色変化性高彩度小板または高反射性小板が挙げられる。磁性色変化性フレークと混合され得る他の適切な添加物としては、層状ピグメント(例えば、多層色変化性フレーク、片状黒
鉛、ガラスフレーク、酸化鉄、窒化ホウ素、雲母フレーク、干渉性ベースのTiOコーティング雲母フレーク、多層コーティングプレート様珪酸基材を基礎とする干渉性ピグメント、金属誘電性干渉性ピグメントまたは全誘電性干渉性ピグメントなど);および非
層状ピグメント(例えば、アルミニウム粉末、カーボンブラック、群青、コバルトベースのピグメント、有機ピグメントまたは有機染料、金紅石または尖晶石ベースの無機ピグメント、天然に存在するピグメント、無機ピグメント(例えば、二酸化チタン、タルク、チャイナクレーなど));ならびにそれらの種々の混合物が挙げられる。例えば、アルミ
ニウム粉末またはカーボンブラックのようなピグメントは、明るさおよび他の色特性を制御するために添加され得る。
【0227】
本発明の磁性色変化性フレークは、高彩度および耐久性の着色料が望まれる場合の適
用における使用において特に適している。着色料組成物における磁性色変化性フレークの使用によって、変動性の色効果がヒトの眼に知覚可能である高彩度耐久性の塗料およびインクが、生産され得る。本発明の色変化性フレークは、広範囲の色変化特性を有し、こ
れらの特性としては、彩度(色純度の度合い)における大きな変化およびまた異なる視角での色相(相対的な色)における大きな変化が挙げられる。従って、本発明の色変化性フレークを含む塗料によって染色された物体は、視角の変化または観察する眼に対する物体の角度に依存して、色を変化する。
【0228】
本発明のピグメントフレークは、塗料およびインクにおいて、容易にかつ経済的に使
用され得、これら塗料およびインクは、動力を備える乗り物、通常文書および機密文書、日常器具、建築学的構築物、フローリング、織物、スポーツ用品、電子パッケージング/ハウジング、パッケージング製品などのような種々の物体または紙に塗布され得る。色
変化性フレークはまた、染色されたプラスチック物質、コーティング組成物、押出し成形物、静電的コーティング、ガラス、およびセラミック物質の形成において使用され得る。
【0229】
一般的に、本発明の箔は、非対称的薄膜コーティング構造を有し、この構造は、薄膜
スタックフレークに関する上記の任意の実施形態において、RMFの一面の層構造に対応し得る。この箔は、種々の物体に積層化され得るかまたはキャリア基材上に形成され得る。本発明の箔はまた、ホットスタンプ配置において使用され、ここでこの箔の薄膜スタ
ックは、熱活性化接着層の使用によって基材の遊離層から移動され、反対表面に適用される。この接着層は、基板の反対側の箔の表面上にコーティングされ得るかまたはこの箔が固定される表面にUV活性化接着層の形態で適用され得る。
【0230】
図13は、基板302上に形成される色変化性箔300のコーティング構造を示し、
この基板は、可撓性のPETウェブ、キャリア基板、または他のプラスチック物質のような任意の適切な物質であり得る。基板302の適切な厚さは、例えば、約2〜7ミルである。箔300は、基板302上の磁性層304、磁性層304上の反射層306、反射
層306上の誘電層308、および誘電層308上の吸着層310を含む。この磁性層、反射層、誘電層および吸着層は、同一の物質から構成され得、フレーク20および40における対応する層に関する上記記載と同じ厚さを有し得る。
【0231】
箔300は、ウェブコーティングプロセスによって形成され、上記の種々の層は、従
来のスタック技術によってウェブ上に連続的に堆積され、薄膜箔構造を形成する。箔300は、ウェブの遊離層上に形成され得、その結果この箔は、連続的に移動され得、物体の表面に付着し得る。箔300はまた、キャリア基板上に形成され得、このキャリア基板
は、遊離層を有さないウェブであり得る。
【0232】
図14は、ウェブ322上に堆積される箔320の1つの実施形態を示し、このウェ
ブは、磁性層326に堆積された任意の遊離層324、反射層328、誘電層330、および吸着層332を有する。箔320は、遊離層が使用されない場合、キャリアとしてウェブ322に付着されて使用され得る。あるいは、箔320は、遊離層が使用される場
合、透明接着層または紫外線(UV)硬化可能な接着層のような任意の接着層334によって、透明基材(示さず)に積層化され得る。接着層334は、吸着層332に適用される。
【0233】
図15は,代替的実施形態を示し、ここで箔320と同一の薄膜層を有する箔340
が、ウェブ322上に堆積され、このウェブ322は、任意の遊離層324を有する。この箔340は、吸収層332が、ウェブ322上に堆積されるように形成される。この箔340は、遊離層が使用されない場合、キャリアとしてウェブ322に付着して使用さ
れ得、この箔は、好ましくは、透明である。箔340はまた、遊離層が使用される場合、ホットスタンプ可能な接着層、圧力感受性接着層、永久接着層などのような接着層を介して、反対表面342のような基板に付着され得る。接着層334は、磁性層326および/または反対表面342に適用され得る。
【0234】
ホットスタンプ適用が使用される場合、箔の光学的スタックは、必要に応じて、外面
が、遊離層に隣接するように配置される。従って、例えば、図15の箔340が、ウェブ322から遊離される場合、吸着層332は、必要に応じて、外側に存在する。1つの好ましい実施形態において、遊離層324は、吸着層332上に存在する透明ハードコー
ト(hardcoat)であり、ウェブ322から移動した後、下にある層を保護する。
【0235】
ホットスタンプ箔としての光学的スタックの作製および使用のさらなる詳細は、米国
特許第5,648,165号、同第5,002,312号、同第4,930,866号、同第4,838,648号、同第4,779,898号および同第4,705,300号(それらの開示は、本明細書中に参考として援用される)に見出される。
【0236】
ここで図16を参照すると、本発明の別の実施形態が、対をなす光学的構造を有する
光学的物品400の形態で示される。光学的物品400は、上面404および下面406を有する基板402を備える。この基板402は、可撓性または剛性であり得、紙、プラスチック、厚紙、金属などのような任意の適切な材料の形態をとり得、そして不透明か
または透明であり得る。対をなしている第1および第2の非スタックコーティング構造408、410は、表面404上の第1および第2の非スタック領域上に重なるように上面404上に配置される。従って、第1および第2のコーティング構造408、410は、隣接する関係であるにも関わらず、重ね合わせられず、表面404上で互いに物理的に
分離される。例えば、1つの実施形態において、第1のコーティング構造408は、長方形または正方形の形態であり得、第2のコーティング構造410によって形成される凹部412内に配置され、第1のコーティング構造408を取り囲む境界または枠を形成す
る長方形または正方形の形態でもまたあり得る。従って、光学的物品400を上から見た場合、コーティング構造408、410は、同時に見られ得る。
【0237】
第1のコーティング構造408は、色変化磁性フレークのような磁性ピグメントフレ
ークまたは磁性ピグメント粒子で形成される第1のピグメント414を有し、上に記載されるような様式で構築され、磁性を提供する。ピグメント414の磁性は、1つ以上の磁性フレークまたは磁性粒子の中の、非光学的に観察可能な磁性層によって提供される。
第2のコーティング構造410は、色変化非磁性フレークのような非磁性フレークまたは非磁性粒子で形成される第2のピグメント416を有する。あるいは、第2のコーティング構造410は、磁性ピグメントを含むように形成され、そして第1のコーティング構造408は、非磁性ピグメントを含むように形成される。このピグメント414、416
は、従来型の、凝固された液体ピグメントビヒクル418、420中に散在し、その結果、このピグメント414、416は、望ましい光学的特性を生じる。例えば、液体ビヒクルは、従来の適切な型のインクビヒクルまたは染料ビヒクルであり得る。
【0238】
代替的な実施形態において、光学的物品400は、コーティング構造408の代わり
に、上記に開示される色変化磁性箔のような適切な磁性の箔構造を使用することによって、そしてコーティング構造410の代わりに、従来の色変化箔のような非磁性箔を使用することによって、形成され得る。従って、磁性箔構造の磁性は、光学的に観察されない
磁性層によって提供される。対を成す第1および第2の非スタック箔構造(1つの磁性構造および1つの非磁性構造)は、表面404上の第1および第2の非スタック領域上に重なるように基板402の上面404上に配置される。
【0239】
本明細書中に開示されるような対をなす1つの構造において磁性層を含むように改変
され得る、光学的に可変な対を為した構造を有する他の光学的物品は、Phillipsらに対する米国特許第5,766,738号(その開示は、本明細書中に参考として援用される)に教示される。
【0240】
ここで、図17を参照すると、本発明の別の実施形態が、対をなすスタック光学構造
を有する光学的物品450の形態で示される。この光学的物品450は、上面領域454を有する基板452を備える。この基板452は、図16に示される基板402に対して記載されるものと同一の物質から形成され得る。磁性ピグメントコーティング構造45
6は、基板452の上面領域454上に重なる。磁性ピグメントコーティング構造456は、以前に記載されるピグメントのような、多数の多層磁性ピグメント458を備え、この磁性ピグメント458は、凝固されたピグメントビヒクル中に散在する。ピグメントコーティング構造456の磁性は、各多層磁性ピグメント458内の非光学的に観察可能
な磁性層によって提供される。非磁性ピグメントコーティング構造460は、磁性ピグメントコーティング構造456の少なくとも一部に重なる。非磁性ピグメントコーティング構造460は、凝固されたピグメントビヒクル中に散在する、多数の非磁性ピグメント
462を備える。
【0241】
光学的物品450の代替的な実施形態において、非磁性ピグメントコーティング構造
は、基板452の上面領域454に重なる磁性ピグメントコーティング構造456の代わ
りに使用され得る。次いで、磁性ピグメントコーティング構造は、非磁性ピグメントコーティング構造460の代わりに使用される。
【0242】
さらに、代替的な実施形態において、光学的物品450は、コーティング構造456
の代わりに、上記に開示される色変化磁性箔のような、適切な磁性箔構造を使用することによって、形成され得る。次いで、従来の色変化箔のような非磁性箔構造は、コーティング構造460の代わりに使用される。あるいは、非磁性箔構造は、コーティング構造4
56の代わりに使用され得、そして磁性箔構造は、コーティング構造460の代わりに使用される。
【0243】
光学的物品400または450におけるそれぞれのピグメントコーティング構造また
は箔構造が、物品400および450に同一の彩色効果または同一の色変化効果を提供するために選択され得るか、あるいは異なる彩色効果または異なる色変化効果を提供するために選択され得る。もちろん、当業者は、光学的特性の種々の組合せが、望ましい光学
的性質を有する適当なコーティングまたは箔を選択することによって使用され、光学的物品400および450に種々の防護特性を追加し得ることを認識している。
【0244】
物品400および450において使用されるピグメントコーティング構造または箔構
造は、実質的に同一の色または色効果(例えば、同じ色変化効果)を有し得るが、物品におけるピグメントコーティング構造または箔構造のただ1つが隠れた磁性を有する。従って、ヒトの眼は、ピグメントコーティング構造または箔構造の磁性を検出し得ないが、
Faraday回転体検出器のような磁性検出系が使用され、ピグメントまたは箔における隠れた磁性およびその中に磁気的にコードされる任意の情報を検出し得る。
【0245】
前記から、磁気的特性、および必要に応じて色変化特性の両方を有する薄膜構造が提供されることが見出され得、この構造は、特にさらなる安全性が望まれる場合、多くの異なる型の適用を有する。
【0246】
例えば、本発明のピグメントを用いて形成される構造またはデバイスは、バーコード
パターン中に置かれ得、このピグメントは、色変化バーコードデバイスを産出し、このデバイスは、ラベル上または物品そのものの上に現れる。そのようなバーコードは、色変化バーコードとして機能し、このバーコードは、光学リーダーおよび磁気リーダーの両方
によって読み取られ得る。そのようなバーコード色変化デバイスは、3つの安全特性(バーコードそのもの、色変化特性、および磁気特性)を提供する。さらに、情報は、本発明のピグメントの磁性層中にコードされ得る。例えば、磁性層は、クレジットカードによって磁気縞中に保持される代表的な情報を記録し得る。さらに、本発明のピグメントは、
伝票の底に数を記入するために使用され得、その結果、伝票に保持される情報が、現在の伝票に使用されるように磁気的に読み込まれ得るのに対して、光学的に可変な特徴もまた提供される。
【0247】
以下の実施例は、本発明を例示するために提供され、本発明の範囲を制限することを意図しない。
【実施例】
【0248】
(実施例1)
3層磁気コーティングサンプルを、1000Åのアルミニウム、1000Åの鉄、お
よび1000Åのアルミニウム(Al/Fe/Al)を使用して調製した。このコーティングサンプルを、ロールコーティング機中で、有機遊離層(アセトンに可溶)でコーティングされた2ミルポリエステルウェブを使用して、調製した。ウェブから3層コーティ
ングをストリップし、ピグメントフレーク粒子を形成した後、この粒子を濾過し、イソプ
ロピルアルコール中のこの粒子を、Branson超音波溶接機を使用して、5分間超音波攪拌に曝すことによって大きさを一定にした。粒子径を、Horiba LA−300粒子サイズ決定器具(レーザー散乱ベースの系)を使用して決定した。平均粒子径を、
平面次元において、ガウス分布で44μm(標準偏差22μm)であると決定した。サイズ決定に続いて、ピグメント粒子を、濾過し、乾燥した。
【0249】
結合剤(Du Pont自動改装塗料ビヒクル)に対して、1:4の比である乾燥重
量の磁性ピグメントを、薄い厚紙(Leneta card)上に展色した。「展色」は、色を評価するための、紙の上に広げた塗料およびインクである。代表的には、展色は、塗料またはインクの薄膜を得るために、塗料またはインクの小さな塊を「展色」するこ
とによってパテナイフまたはスパチュラの縁を用いて形成される。あるいは、展色は、Lenetaカードを横切って、そして塗料の小さな塊を通って引かれるMayer棒を使用して行われる。展色を生じ、塗料のビヒクルが乾燥するまで放置する間、従来の紙磁石を、カードの下に置く。このピグメントサンプル上の磁界の結果は、ピグメント中に平
行の明るい領域および暗い領域を生じた。SF−600 DataColor分光光度計上の超微小ビュアー(USAV、2.3mm)を使用することによって、ピグメントサンプルの明るいアルミニウム領域が、53%の反射輝度(Y)を有するのに対して、暗い
領域は、43%の反射輝度を有する。しかし、アパーチャを暗線および輝線内に合わせるのは困難であり、このことは、明るさにおける違いが、これらの測定値よりも実質的に大きくあり得ることを示唆した。
【0250】
(実施例2)
磁性インクサンプルを、0.5gの実施例1の磁性ピグメントサンプル(Al/Fe
/Al)を3.575gの標準のIntaglioインクビヒクル(高粘度インクビヒクル)および0.175gのインク乾燥剤と混合することによって調製した。インクサンプルを、平坦なパテナイフを使用して紙上に展色した。それから切り出された単語「FL
EX」を有する磁性ストリップを、展色工程の間、紙の下に置いた。乾燥された磁気インクにおける磁性線のパターンは、単語「FLEX」は容易に明らかであった。黒ストリップおよび白ストリップ(銀色)として容易に可視でき、インクサンプル中の単語「FLEX」の光学的イメージは、通常の入射および約45度の視角で可視できた。
【0251】
(実施例3)
磁気インクサンプルを、実施例2でのようにIntaglioインクビヒクルを使用
して調製し、その後ろに置かれた紙磁石を有する紙にコーティングした。この磁石は、様式化された文字「F」の切抜きを有した。磁力線に沿って方向付けられた磁性ピグメント(Al/Fe/Al)に加え、この切抜き「F」は、紙から上に浮き出され、外見は明
るい銀色であった。この「F」は、約6ミクロン周囲の領域から突き出ていた。これは、高度に粘性のIntaglioインクを展色するパテナイフの力によって、磁石の「F」凹部にわずかに押された紙によって引き起こされた。紙が緩和された後、「F」領域は、紙の表面に平行であるが周囲のコーティングより上に配向されたAl/Fe/Alフレ
ークで明るいままであった。
【0252】
(実施例4)
様式化された文字「F」を、替え刃式ナイフを使用して、可撓性紙磁石から切り抜い
た。展色カードを、紙磁石の上に、それと接触させて置いた。本発明に従う磁性色変化ピグメントを、アクリル樹脂ベースのビヒクルと混合し、#22ワイヤー測定棒を有するカードに適用した。得られた展色は、カードの下の紙磁石の様式化された文字「F」の外
側の磁界のパターンを複製する重ねられた黒線を取り去った。展色カードの全面は、色変化効果を示した。様式化された文字「F」のパターンが観察された場合、様式化された文字「F」のみが、色変化効果を有する一方、バックグラウンドは、色変化効果および重ね
られた黒線の両方を有し た。
【0253】
紙磁石からの様式化された文字「F」断片の切り取りを、この実施例において前に記
載された同一の磁性ピグメントおよび磁性ビヒクルを用いた別の展色において使用した。得られた展色は、切り取り様式化文字「F」磁石断片内で、磁界パターンを複製する重ねられた黒線を取り去った。展色の全面は、色変化効果を示した。様式化された文字「F
」のパターンが観察された場合、様式化された文字「F」が、色変化効果および重ねされた黒線の両方を有する一方、バックグラウンドは、色変化効果のみを有した。
【0254】
従って、両方の例において、展色カードの全面は、色変化効果を示す一方、磁石の直接上の領域は、磁界のパターンに起因して、取り去られた黒線にさらに重ねられた。
【0255】
本発明は、その精神または本質的な特徴付けから逸脱することなく他の特定の形態を
具体化し得る。記載された実施形態は、全ての点において、例示としてのみ考慮され、制限的であると考えられるべきではない。従って、本発明の範囲は、前記記載によってよりも添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の等価な手段および範囲内
から生じる全ての変化は、特許請求の範囲の範囲内に包含されるべきである。
【0256】
本発明の上記および他の利点および特性が得られる様式を図示するために、広範に上
記された本発明のより詳細な説明は、添付された図面中で図示されるその特定の実施形態を参照して与えられる。これらの図面は、本発明の代表的な実施形態のみを示し、従ってその範囲を限定することは考慮されず、本発明は、以下の添付された図面の使用により
、さらなる特定および詳細を記載しそして説明することが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0257】
【図1】図1は、本発明の1つの実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図2】図2は、本発明の別の実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図3】図3は、本発明の代替の実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図4】図4は、本発明の別の実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図5】図5は、本発明のさらなる実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図6】図6は、本発明のさらなる実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図7】図7は、本発明の代替の実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図8】図8は、本発明のさらなる実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図9】図9は、本発明のなおさらなる実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図10】図10は、本発明の別の代替の実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図11】図11は、本発明の別の実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図12】図12は、本発明のさらなる実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図13】図13は、本発明の1つの実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図14】図14は、本発明の別の実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図15】図15は、本発明のさらなる実施形態に従う、磁性フレークのコーティング構造の略図である。
【図16】図16は、本発明のさらなる実施形態に従う、光学物品(optical article)のコーティング構造の略図である。
【図17】図17は、本発明のさらなる実施形態に従う、光学物品のコーティング構造の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主要な表面および第2の主要な表面を有する磁性層;および
該磁性層の該第1の主要な表面におおける第1の反射層を備える物品であって、該物品は、吸収層を欠いており、そして
該第1の反射層においてにおいて異なる屈折率を有する2つ以上の誘電層からなる第1の誘電光学スタックを備える、
物品
【請求項2】
請求項1に記載の物品であって、前記第1の誘電光学スタックは、以下:
2つ以上の低い指数を有する材料のサブ層を有する誘電光学スタック;
2つ以上の高い指数を有する材料のサブ層を有する誘電光学スタック;
低い指数の材料のサブ層と高い指数の材料のサブ層との混合物を有する誘電光学スタック;
低い指数(L)および高い指数(H)の材料が交互になった層を有する高/低誘電光学スタック;
LH誘電光学スタック;
HL誘電光学スタック;
HLHL誘電光学スタック;
LHLH誘電光学スタック;
(LHL)誘電光学スタック;
(HLH)誘電光学スタック;
からなる群より選択される1つであり、ここで、nは、1に等しいか、1より大きく、ならびにその複数および組み合わせである、
物品。
【請求項3】
前記第1の誘電光学スタックが、以下:
勾配の屈折率で形成される誘電光学スタック;
低から高へ勾配のある指数を有する層で形成される誘電光学スタック;
高から低へ勾配のある指数を有する層で形成される誘電光学スタック;
[低から高から低]へ勾配のある指数を有する層で形成される誘電光学スタック;および
[高から低から高]へ勾配のある指数を有する層で形成される誘電光学スタック;
からなる群より選択される1つであり、ここで、nは、1に等しいか、1より大きく、ならびにその複数および組み合わせである、請求項1に記載の物品。
【請求項4】
前記磁性層の前記第2の主要な層において第2の反射層、および該第2の反射層において異なる屈折率を有する2つ以上の誘電層からなる第2の誘電光学スタックをさらに備える、請求項1に記載の物品。
【請求項5】
請求項4に記載の物品であって、前記第2の誘電光学スタックは、以下:
2つ以上の低い指数を有する材料のサブ層を有する誘電光学スタック;
2つ以上の高い指数を有する材料のサブ層を有する誘電光学スタック;
低い指数の材料のサブ層と高い指数の材料のサブ層との混合物を有する誘電光学スタック;
低い指数(L)および高い指数(H)の材料が交互になった層を有する高/低誘電光学スタック;
LH誘電光学スタック;
HL誘電光学スタック;
HLHL誘電光学スタック;
LHLH誘電光学スタック;
(LHL)誘電光学スタック;
(HLH)誘電光学スタック;
からなる群より選択される1つであり、ここで、nは、1に等しいか、1より大きく、ならびにその複数および組み合わせである、
物品。
【請求項6】
前記第2の誘電光学スタックが、以下:
勾配の屈折率で形成される誘電光学スタック;
低から高へ勾配のある指数を有する層で形成される誘電光学スタック;
高から低へ勾配のある指数を有する層で形成される誘電光学スタック;
[低から高から低]へ勾配のある指数を有する層で形成される誘電光学スタック;および
[高から低から高]へ勾配のある指数を有する層で形成される誘電光学スタック;
からなる群より選択される1つであり、ここで、nは、1に等しいか、1より大きく、ならびにその複数および組み合わせである、請求項4に記載の物品。
【請求項7】
前記第1の反射層および前記第2の反射層は、連続反射層を形成する、請求項4に記載の物品。
【請求項8】
前記第1の反射層および前記第2の反射層は、連続誘電光学スタックを形成する、請求項4に記載の物品。
【請求項9】
前記第1の誘電光学スタックは、誘電層の一部であり、ここで、該誘電層の残りの部分は、単一の材料で形成される、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
ピグメント媒体;および
該ピグメント媒体中に分散された複数のピグメントフレークであって、該ピグメントフレークは、請求項1に記載の物品と実質的に同じ多層構造を有する、ピグメントフレーク、
を含む、ピグメント組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−119875(P2009−119875A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331550(P2008−331550)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【分割の表示】特願2003−507196(P2003−507196)の分割
【原出願日】平成14年1月16日(2002.1.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(500015858)フレックス プロダクツ インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】