説明

多層配線構造およびその製造方法

【課題】 すべてのスルーホール内における上層配線のカバレッジを良好にするとともに、スルーホール内にポリマー等が残存するのを防止し、信頼性を向上できる多層配線構造を実現する。
【解決手段】 下地段差の影響により、領域Aと領域Bにおける下層配線15に高低差が生じるため、領域Bのスルーホール19の周囲近傍の層間絶縁膜16に段差をつけて平坦化した表面よりも低くして、領域Aと領域Bの各スルーホール19の周囲近傍の層間絶縁膜16の厚さをほぼ同じにし、領域Aと領域Bのスルーホール19の深さをほぼ同じにすることにより、領域Aと領域Bのスルーホール19のアスペクト比をほぼ同じとし、高アスペクト比のスルーホールが無くなり、領域Aと領域Bのスルーホール19における上層配線20のカバレッジが良好となる。過剰にオーバーエッチされるスルーホールも無くなり、ポリマー等が残存するのを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体集積回路に用いられる多層配線構造およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体素子が微細化されるに従い、半導体集積回路の多層配線において、配線層の下地の段差のため、配線パターンを形成するためのレジスト形成のフォーカスマージンが低下する問題が起こっている。しかしながら平坦性が向上すると、上層配線と下層配線間を接続するスルーホール形成部の層間絶縁膜が厚くなる部分が生じ、その部分のスルーホールが深くなるため、上層配線のカバレッジが不足し、信頼性が低下するという問題が生じる。
【0003】以下、図面を参照しながら、従来の多層配線構造およびその製造方法について説明する。なお、ここでは、1層多結晶シリコン・2層配線を例として、さらにレジストエッチバック法を用いた例について説明する。図14は従来の多層配線構造を示す断面構造図であり、51はシリコン基板、52はフィールド酸化膜、53はゲート電極の多結晶シリコン膜、54はホウ素とリンを含むCVD酸化膜(BPSG膜)、55は下層配線、56は層間絶縁膜、58はスルーホール、59は上層配線である。
【0004】この図14の多層配線構造の製造方法は、まず、図9に示すように、シリコン基板51上に、フィールド酸化膜52およびゲート電極となる多結晶シリコン膜53が下地段差として形成された後、下地段差形状を緩和するためホウ素とリンを含むCVD酸化膜(BPSG膜)54を堆積して、熱処理によりフローさせて、Al合金等からなる下層配線55を形成する。このとき、下層配線55の下部に、領域Aではフィールド酸化膜52および多結晶シリコン膜53が存在するが、領域Bでは存在しないため、領域Aと領域Bの下層配線55に下地段差分の高低差が生じている。その後、下層配線55を覆う層間絶縁膜56を形成する。
【0005】つぎに、図10に示すように、平坦化のために平坦化レジスト57を塗布し、その後、図11に示すように、酸素プラズマによるエッチングにより、平坦化レジスト57を層間絶縁膜56の最も高い部分(領域Aの部分)が露出するまでエッチングする。つぎに、図12に示すように、層間絶縁膜56の平坦化を行う。これは、例えば、CHF3 /CF4 /O2 のガス系により、平坦化レジスト57と層間絶縁膜56を同一のエッチレートでエッチングし、層間絶縁膜56が最も薄くなる部分すなわち領域Aでの層間絶縁膜56が目的の膜厚となるところでエッチングを終了する。このとき、領域Aの層間絶縁膜56に対し、領域Bの層間絶縁膜56が下地段差分だけ厚くなる。
【0006】この後、層間絶縁膜56上にスルーホールパターンのレジストパターン(図示せず)を形成して、ドライエッチングにより、層間絶縁膜56にスルーホール58を開口する(図13参照)。つぎに、スパッタ法によりAl合金等を堆積し、ドライエッチングによりパターン形成して上層配線59とする(図14参照)。このようにして2層配線構造が形成される。
【0007】この多層(2層)配線構造では、図14に示すように、層間絶縁膜56を平坦化して上層配線59を形成しているが、フィールド酸化膜52および多結晶シリコン膜53による下地段差の影響により、領域Aと領域Bにおける下層配線55に高低差が生じており、領域Bの下層配線55上の層間絶縁膜56の膜厚が領域Aの下層配線55上の層間絶縁膜56の膜厚よりも厚いため、領域Bのスルーホール58が領域Aのスルーホール58よりも深く形成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成では、下地段差の影響により、領域Bのスルーホール58が領域Aのスルーホール58よりも深く形成され、アスペクト比が高くなり、領域Bのスルーホール58内における上層配線59のカバレッジが低下し、信頼性が悪化する。また、領域Bのような深いスルーホール58を開口するため、領域Aの浅いスルーホール58に過剰なオーバーエッチがかかり、スルーホール側壁およびレジスト側壁に付着したポリマー等が除去しにくくなって残存し、信頼性が悪化するという問題があった。
【0009】この発明の目的は、すべてのスルーホール内における上層配線のカバレッジを良好にするとともに、スルーホール内にポリマー等が残存するのを防止し、信頼性を向上できる多層配線構造およびその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の多層配線構造は、高低差を有する下層配線上に表面を平坦化した層間絶縁膜を形成し、平坦化した層間絶縁膜上に複数のスルーホールを介して下層配線と接続する上層配線を形成した多層配線構造であって、下層配線の低い部分における層間絶縁膜のスルーホールの周辺近傍表面を平坦化した表面よりも低くして、各スルーホールの周辺近傍の層間絶縁膜の厚さが略等しくなるようにしたことを特徴とする。
【0011】この構成によれば、各スルーホールの周辺近傍の層間絶縁膜の厚さが略等しくなるようにしたことにより、各スルーホールの深さが略等しくなり、特に深いスルーホールが存在せず高アスペクト比のスルーホールが無くなり、すべてのスルーホール内における上層配線のカバレッジを良好にすることができ、信頼性を向上することができる。また、特に浅いスルーホールも存在せず、すべてのスルーホールのエッチング量がほぼ同じとなるため、スルーホール形成時に過剰なオーバーエッチがかかるスルーホールが無くなり、スルーホールやその形成用のレジストの側壁に付着するポリマー等が除去しにくくなって残存するのを防止することができ、信頼性を向上することができる。
【0012】請求項2記載の多層配線構造は、請求項1記載の多層配線構造において、複数のスルーホールの周辺近傍の層間絶縁膜の膜厚のばらつきを±20%以下としたことを特徴とする。これにより、より高い効果が得られる。請求項3記載の多層配線構造の製造方法は、高低差を有する下層配線上に表面を平坦化した層間絶縁膜を形成し、平坦化した層間絶縁膜上に複数のスルーホールを介して下層配線と接続する上層配線を形成した多層配線構造の製造方法であって、下層配線上に層間絶縁膜を形成した後、層間絶縁膜のスルーホール形成領域上に開口部を有するレジスト層を形成する工程と、レジスト層の開口部以外で層間絶縁膜の一部が露出するまでレジスト層をエッチングして下層配線の低い部分におけるレジスト層の開口部を拡げる工程と、エッチング後に残存するレジスト層と層間絶縁膜とを同時にエッチングして、層間絶縁膜を平坦化するとともに、下層配線の低い部分における層間絶縁膜のスルーホール形成領域およびその周辺近傍表面を平坦化した表面よりも低くして、各スルーホールの周辺近傍の層間絶縁膜の厚さが略等しくなるようにする工程と、平坦化した層間絶縁膜にスルーホールを形成する工程と、スルーホールおよび層間絶縁膜上に上層配線を形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0013】この製造方法によれば、層間絶縁膜のスルーホール形成領域上に開口部を有するレジスト層を形成し、このレジスト層の開口部以外で層間絶縁膜の一部が露出するまでレジスト層をエッチングして下層配線の低い部分におけるレジスト層の開口部を拡げることにより、すべてのスルーホールにおいて、その形成領域より広い範囲で層間絶縁膜が露出した状態となる。その後、残存するレジスト層と層間絶縁膜とを同時にエッチングして、層間絶縁膜を平坦化するとともに、下層配線の低い部分における層間絶縁膜のスルーホール形成領域およびその周辺近傍表面を平坦化した表面よりも低くして、各スルーホールの周辺近傍の層間絶縁膜の厚さが略等しくなるようにすることにより、形成するすべてのスルーホールの深さをほぼ同じにでき、特に深いスルーホールが存在せず高アスペクト比のスルーホールが無くなり、すべてのスルーホール内における上層配線のカバレッジを良好にすることができ、信頼性を向上することができる。また、特に浅いスルーホールも存在せず、すべてのスルーホールのエッチング量がほぼ同じとなるため、スルーホール形成時に過剰なオーバーエッチがかかるスルーホールが無くなり、スルーホールやその形成用のレジストの側壁に付着するポリマー等が除去しにくくなって残存するのを防止することができ、信頼性を向上することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態における多層配線構造およびその製造方法について説明する。なお、ここでは、1層多結晶シリコン・2層配線を例として説明する。図7はこの発明の実施の形態の多層配線構造を示す断面構造図であり、11はシリコン基板、12はフィールド酸化膜、13はゲート電極の多結晶シリコン膜、14はホウ素とリンを含むCVD酸化膜(BPSG膜)、15は下層配線、16は層間絶縁膜、19はスルーホール、20は上層配線である。
【0015】この実施の形態の多層配線構造は、図7に示すように、層間絶縁膜16を平坦化して上層配線20を形成しているが、フィールド酸化膜12および多結晶シリコン膜13による下地段差の影響により、領域Aと領域Bにおける下層配線15に高低差が生じている。そして、領域Bのスルーホール19の周囲近傍の層間絶縁膜16に段差をつけて平坦化した表面よりも低くして、領域Bのスルーホール19の周囲近傍の層間絶縁膜16の厚さを、領域Aの層間絶縁膜16の厚さとほぼ同じにしている。すなわち、領域Aと領域Bにおけるスルーホール19の深さをほぼ同じにしている。
【0016】この図7の多層配線構造の製造方法は、まず、図1に示すように、シリコン基板11上に、フィールド酸化膜12およびゲート電極となる多結晶シリコン膜13が下地段差として形成された後、下地段差形状を緩和するためホウ素とリンを含むCVD酸化膜(BPSG膜)14を堆積して、熱処理によりフローさせて、Al合金等からなる下層配線15を形成する。このとき、領域Aの下層配線15と領域Bの下層配線15とでは、フィールド酸化膜12および多結晶シリコン膜13による下地段差分の高低差が生じている。その後、プラズマCVD法により下層配線15を覆うようにシリコン酸化膜(p−SiO)を形成して層間絶縁膜16とする。
【0017】つぎに、図2に示すように、平坦化のために平坦化レジスト17として、ポジ型のレジストを塗布し、スルーホール開口部に対応するパターンを形成しておく。すなわち、スルーホール開口予定部上のレジストが除去され、開口された状態になる。つぎに、図3に示すように、酸素プラズマによるエッチングにより、平坦化レジスト17を層間絶縁膜16の最も高い部分(領域Aの部分)が露出するまでエッチバックする。すなわち、平坦化レジスト17の開口部分以外で、初めて層間絶縁膜16が表面に現れる状態までエッチングする。このとき、平坦化レジスト17の開口部分は等方的にエッチングされる。その結果、平坦化レジスト17は、最も高い領域Aの部分が除去され、領域Bにおける開口部分が広がる。
【0018】つぎに、図4に示すように、例えば、CHF3 /CF4 /O2 のガス系により、平坦化レジスト17と層間絶縁膜16を1:1〜1:3のエッチレート比で異方性に同時にエッチバックし、領域Aにおける層間絶縁膜16が目的の膜厚となるところでエッチングを終了する。領域Bでは、このエッチバックの際に従来例と異なり、スルーホール開口予定部にレジストが存在しないため(図3参照)、領域Bの層間絶縁膜16のエッチング量が領域Aの層間絶縁膜16のエッチング量とほぼ同じになり、エッチング後の領域Bのスルーホール開口予定部およびその周辺近傍の層間絶縁膜16の膜厚を、領域Aのスルーホール開口予定部の膜厚とほぼ同じにすることができる。すなわち、領域Aと領域Bの層間絶縁膜16のスルーホール開口予定部の膜厚のばらつきは、層間絶縁膜16堆積時のウェハ面内ばらつきとエッチバックの際のエッチレートのウェハ面内均一性に起因するものだけとなる。
【0019】従来例では、領域Aのスルーホール開口予定部での層間絶縁膜の膜厚(tA )に対し、領域Bのスルーホール開口予定部での層間絶縁膜の膜厚(tB )が下地の段差分程度厚くなり、通常、tB はtA に対しtA の+50%〜+100%厚くなる(すなわち、1.5tA ≦tB ≦2tA となる)。これに対して、この実施の形態では、上記のばらつき要因から、tB をtA に対し−10%〜+30%の差異に抑えることができる(すなわち、0.9tA ≦tB ≦1.3tA となる)。したがって、すべてのスルーホール開口予定部での層間絶縁膜16の膜厚のばらつき、言い換えればスルーホールの深さのばらつきを、±20%以下に抑えることができる。
【0020】つぎに、図5に示すように、層間絶縁膜16上にスルーホール開口予定部に対応したパターンのスルーホール用レジスト18を形成する。つぎに、図6に示すように、スルーホール用レジスト18をマスクとして、ドライエッチングにより、層間絶縁膜16にスルーホール19を開口する。このとき、領域Aと領域Bの層間絶縁膜16のスルーホール開口予定部の膜厚がほぼ同じであるため、スルーホール19を開口するためのエッチング量もほぼ同一となり、従来例のように過剰にオーバーエッチされるスルーホールが無くなり、スルーホール19やスルーホール用レジスト18の側壁に付着したポリマー等が除去しにくくなって残存するのを防止することができる。
【0021】最後に、図7に示すように、スパッタ法によりAl合金等を堆積し、ドライエッチングによりパターン形成して上層配線20とする。このようにして2層配線構造が形成される。以上のようにこの実施の形態によれば、領域Aと領域Bにおけるスルーホール19の周辺近傍の層間絶縁膜16の膜厚、すなわちスルーホール19の深さをほぼ同じとすることにより、従来例において上層配線のカバレッジが悪化する領域Bにおいても、スルーホール形成時の実質のアスペクト比を領域Aとほぼ同じとすることができ、高アスペクト比のスルーホールが無くなり、領域Aと領域Bにおけるスルーホール19、言い換えればすべてのスルーホール19における上層配線20のカバレッジが良好となり、信頼性を向上することができる。
【0022】また、従来例のように過剰にオーバーエッチされるスルーホールが無くなり、ポリマー等が残存するのを防止することができるのは前述したとおりである。なお、すべてのスルーホール周辺近傍における層間絶縁膜16の膜厚のばらつき、すなわちスルーホール19の深さのばらつきを±20%以下に抑えれば、上記の効果をより十分に得ることができる。
【0023】なお、上記実施の形態では、図4で説明した工程において、平坦化レジスト17と層間絶縁膜16とを同時にエッチバックする際に異方性にエッチバックするとしたが、このとき平坦化レジスト17が等方的にエッチングされるようにすると、領域Bにおける層間絶縁膜16の凹部(図4参照)の側壁がテーパ形状となり、上層配線20のカバレッジをより良好にすることができる。なお、このようにした場合の一例を図8に示す。
【0024】図8に示す2層配線構造は、図2に対応する状態から図3に対応する状態とする工程において、平坦化レジスト17をエッチバックする際の等方性成分を減らし、図3に対応する状態から図4に対応する状態とする工程において、平坦化レジスト17と層間絶縁膜16を同時にエッチバックする際に、平坦化レジスト17が等方的にエッチングされるようにして形成したものであり、領域Bにおけるスルーホール19の周囲近傍の層間絶縁膜16の段差部分が斜面となっている。他の工程は前述の説明と同様である。
【0025】なお、上記実施の形態では、2層配線構造について説明したが、3層以上の配線構造の場合には、上層配線20を形成した後、その上に層間絶縁膜を形成する以降の工程は、前述した層間絶縁膜16を形成する以降の工程と同様の工程を繰り返せばよいことは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】請求項1記載の多層配線構造は、高低差を有する下層配線上に表面を平坦化した層間絶縁膜を形成し、平坦化した層間絶縁膜上に複数のスルーホールを介して下層配線と接続する上層配線を形成した多層配線構造であって、下層配線の低い部分における層間絶縁膜のスルーホールの周辺近傍表面を平坦化した表面よりも低くして、各スルーホールの周辺近傍の層間絶縁膜の厚さが略等しくなるようにしたことにより、各スルーホールの深さが略等しくなり、特に深いスルーホールが存在せず高アスペクト比のスルーホールが無くなり、すべてのスルーホール内における上層配線のカバレッジを良好にすることができ、信頼性を向上することができる。また、特に浅いスルーホールも存在せず、すべてのスルーホールのエッチング量がほぼ同じとなるため、スルーホール形成時に過剰なオーバーエッチがかかるスルーホールが無くなり、スルーホールやその形成用のレジストの側壁に付着するポリマー等が除去しにくくなって残存するのを防止することができ、信頼性を向上することができる。
【0027】請求項2記載の多層配線構造は、請求項1記載の多層配線構造において、複数のスルーホールの周辺近傍の層間絶縁膜の膜厚のばらつきを±20%以下としたことにより、より高い効果を得ることができる。請求項3記載の多層配線構造の製造方法は、高低差を有する下層配線上に表面を平坦化した層間絶縁膜を形成し、平坦化した層間絶縁膜上に複数のスルーホールを介して下層配線と接続する上層配線を形成した多層配線構造の製造方法であって、層間絶縁膜のスルーホール形成領域上に開口部を有するレジスト層を形成し、このレジスト層の開口部以外で層間絶縁膜の一部が露出するまでレジスト層をエッチングして下層配線の低い部分におけるレジスト層の開口部を拡げることにより、すべてのスルーホールにおいて、その形成領域より広い範囲で層間絶縁膜が露出した状態となる。その後、残存するレジスト層と層間絶縁膜とを同時にエッチングして、層間絶縁膜を平坦化するとともに、下層配線の低い部分における層間絶縁膜のスルーホール形成領域およびその周辺近傍表面を平坦化した表面よりも低くして、各スルーホールの周辺近傍の層間絶縁膜の厚さが略等しくなるようにすることにより、形成するすべてのスルーホールの深さをほぼ同じにでき、特に深いスルーホールが存在せず高アスペクト比のスルーホールが無くなり、すべてのスルーホール内における上層配線のカバレッジを良好にすることができ、信頼性を向上することができる。また、特に浅いスルーホールも存在せず、すべてのスルーホールのエッチング量がほぼ同じとなるため、スルーホール形成時に過剰なオーバーエッチがかかるスルーホールが無くなり、スルーホールやその形成用のレジストの側壁に付着するポリマー等が除去しにくくなって残存するのを防止することができ、信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態における多層配線構造の製造過程を示す断面構造図。
【図2】この発明の実施の形態における多層配線構造の製造過程を示す断面構造図。
【図3】この発明の実施の形態における多層配線構造の製造過程を示す断面構造図。
【図4】この発明の実施の形態における多層配線構造の製造過程を示す断面構造図。
【図5】この発明の実施の形態における多層配線構造の製造過程を示す断面構造図。
【図6】この発明の実施の形態における多層配線構造の製造過程を示す断面構造図。
【図7】この発明の実施の形態における多層配線構造を示す断面構造図。
【図8】この発明の実施の形態における多層配線構造を示す断面構造図。
【図9】従来の多層配線構造の製造過程を示す断面構造図。
【図10】従来の多層配線構造の製造過程を示す断面構造図。
【図11】従来の多層配線構造の製造過程を示す断面構造図。
【図12】従来の多層配線構造の製造過程を示す断面構造図。
【図13】従来の多層配線構造の製造過程を示す断面構造図。
【図14】従来の多層配線構造を示す断面構造図。
【符号の説明】
11 シリコン基板
12 フィールド酸化膜
13 多結晶シリコン膜
14 ホウ素とリンを含むCVD酸化膜(BPSG膜)
15 下層配線
16 層間絶縁膜
17 平坦化レジスト
18 スルーホール用レジスト
19 スルーホール
20 上層配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】 高低差を有する下層配線上に表面を平坦化した層間絶縁膜を形成し、前記平坦化した層間絶縁膜上に複数のスルーホールを介して前記下層配線と接続する上層配線を形成した多層配線構造であって、前記下層配線の低い部分における前記層間絶縁膜の前記スルーホールの周辺近傍表面を平坦化した表面よりも低くして、各スルーホールの周辺近傍の前記層間絶縁膜の厚さが略等しくなるようにしたことを特徴とする多層配線構造。
【請求項2】 複数のスルーホールの周辺近傍の層間絶縁膜の膜厚のばらつきを±20%以下としたことを特徴とする請求項1記載の多層配線構造。
【請求項3】 高低差を有する下層配線上に表面を平坦化した層間絶縁膜を形成し、前記平坦化した層間絶縁膜上に複数のスルーホールを介して前記下層配線と接続する上層配線を形成した多層配線構造の製造方法であって、前記下層配線上に前記層間絶縁膜を形成した後、前記層間絶縁膜のスルーホール形成領域上に開口部を有するレジスト層を形成する工程と、前記レジスト層の開口部以外で前記層間絶縁膜の一部が露出するまで前記レジスト層をエッチングして前記下層配線の低い部分における前記レジスト層の開口部を拡げる工程と、前記エッチング後に残存する前記レジスト層と前記層間絶縁膜とを同時にエッチングして、前記層間絶縁膜を平坦化するとともに、前記下層配線の低い部分における前記層間絶縁膜の前記スルーホール形成領域およびその周辺近傍表面を平坦化した表面よりも低くして、各スルーホールの周辺近傍の前記層間絶縁膜の厚さが略等しくなるようにする工程と、前記平坦化した前記層間絶縁膜に前記スルーホールを形成する工程と、前記スルーホールおよび前記層間絶縁膜上に前記上層配線を形成する工程とを含むことを特徴とする多層配線構造の製造方法。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図9】
image rotate


【図10】
image rotate


【図11】
image rotate


【図12】
image rotate


【図13】
image rotate


【図14】
image rotate