説明

多方向操作スイッチ装置

【課題】使用者の操作意図と異なる方向判定が成されることを防止可能な多方向操作スイッチ装置を提供すること。
【解決手段】軸Zに直交する2軸平面方向に変位可能に第1基板20に支持された操作ノブ10と、軸Zを囲む複数個所に設置され、操作ノブ10の変位方向に応じてON,OFFが切り換わるよう配置された方向検出スイッチ2a,2b〜と、操作ノブ10を、周方向に隣り合う方向検出スイッチ2a,2b〜の中間方向へ変位させた場合に、隣り合う方向検出スイッチ2a,2b〜が両方共にON,OFFが切り換わるだけ操作ノブ10が変位するとONとなる変位検出スイッチ110と、変位検出スイッチ110がONとなった時点での方向検出スイッチ2a,2b〜のON,OFF状態に基づいて操作ノブ10の操作方向を判定する制御回路100と、を備えた多方向操作スイッチ装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、例えば、カーナビゲーション装置において画面表示内容のスクロール操作などを行うのに用いられ、操作ノブを、軸直交方向に変位可能な多方向操作スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーション装置の画面表示内容のスクロール操作などを行うのに、操作ノブの軸直交方向に配置された4つの方向検出スイッチのON,OFF状態に基づいて操作ノブの操作方向を検出し、この操作方向に応じて画面表示をスクロールさせるようにした多方向操作スイッチ装置が、例えば、特許文献1などにより知られている。
【0003】
この従来の多方向操作スイッチ装置では、軸状の操作ノブの軸直交方向において、周方向に等間隔となる90度ごと(例えば、上下左右)の4箇所に方向検出スイッチが設けられている。
【0004】
そして、方向検出スイッチの投入状態に基づいて、方向検出スイッチが単独でONとなっている場合には、その方向検出スイッチに対応する方向を操作方向と判定し、2つの方向検出スイッチがONとなっている場合には、これら2つの方向検出スイッチの中間位置を操作方向と判定するようにしていた。
【特許文献1】特開2008−041531号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の多方向操作スイッチ装置では、2個の方向検出スイッチの中間位置に向けて操作ノブを傾動させた場合に、以下に述べるような問題が生じていた。
すなわち、方向検出スイッチの設置位置にばらつきがあったり、また、使用者の操作ノブの操作方向が、操作初期から正確に両検出スイッチの中間位置に操作されることが少なかったりする。このため、2個の方向検出スイッチがONとなる場合に、同時にONとなることはまれであり、まず、2個の方向検出スイッチの一方がONとなり、これに遅れてもう一方の方向検出スイッチがONとなる。
【0006】
このような場合、操作方向判定装置は、まず、1個の方向検出スイッチのONが示す方向に操作されたと判定し、その後、2個の方向検出スイッチのONが示す中間位置に操作したと判定する。
したがって、操作方向の判定に基づいてスクロールが実行された場合に、使用者は、操作意図と異なる方向のスクロールが成されたと感じ、使用者に違和感を与えるおそれがあった。
【0007】
本件発明は、上述のような従来の問題に着目してなされたもので、使用者の操作意図と異なる方向判定が成されることを防止可能な多方向操作スイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するため、本発明では、基板に直交する軸に沿って延在され、前記軸に直交する2軸平面方向に変位可能に前記基板に支持された操作ノブと、前記軸を囲む複数個所に設置され、前記操作ノブの変位方向に応じてON,OFFが切り換わるよう配置された方向検出スイッチと、前記操作ノブを、周方向に隣り合う前記方向検出スイッチの中間方向へ変位させた場合に、前記隣り合う方向検出スイッチが両方共にON,OFFが切り換わる変位量以上の設定変位量だけ前記操作ノブが変位したことを検出可能に設けられた変位センサと、この変位センサが前記設定変位量の前記操作ノブの変位を検出した時点での前記方向検出スイッチのON,OFF状態に基づいて前記操作ノブの操作方向を判定する方向判定装置と、を備えた多方向操作スイッチ装置とした。
【0009】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の多方向操作スイッチ装置において、前記変位センサが、前記操作ノブの中立位置で接点が対向状態で離間され、前記操作ノブの前記変位検出状態で、対向した接点が当接し、それ以上の前記操作ノブの変位を規制するスイッチ構造であることを特徴とする多方向操作スイッチ装置とした。
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の多方向操作スイッチ装置において、前記操作ノブには、前記軸を中心として回転可能なダイヤルスイッチが設けられ、前記操作ノブの軸直交平面方向への変位検出時に、前記ダイヤルスイッチからの信号をキャンセルするキャンセル制御装置が設けられていることを特徴とする多方向操作スイッチ装置とした。
【発明の効果】
【0010】
本発明の多方向操作スイッチ装置では、操作ノブを操作した場合、操作ノブが設定変位量だけ変位した時点で、変位センサが操作ノブの変位を検出し、方向判定装置において、方向検出スイッチのON,OFF状態に基づく操作方向判定が行われる。
よって、操作ノブの操作方向が、周方向に隣り合う2つの方向検出スイッチの中間位置に操作した場合、2つの方向検出スイッチの両方のON,OFFが確実に切り換わった後に、変位センサによる変位検出が成されて、方向検出スイッチのON,OFF状態に基づく操作方向判定が行われる。
したがって、従来のように、中間位置方向に操作した際に、2つの方向検出スイッチの一方のみがONになることに対応した処理が成されることがなくなり、使用者の操作意図と異なる方向判定が成されることを防止できる。
【0011】
さらに、請求項2に記載の発明では、変位センサによる操作ノブの変位検出状態で、変位センサの対向した接点が当接し、操作ノブのそれ以上の変位が規制される。そして、この変位センサの接点当接タイミングで、方向判定装置の方向判定が実行される。
したがって、方向判定装置が方向判定を実行するタイミングと、操作ノブの変位が規制されて操作節度感を得られるタイミングとが一致し、使用者に操作の違和感を与えることを防止可能となる。
また、請求項3に記載の発明では、以下の作用効果が得られる。
すなわち、操作ノブの軸直交方向への変位操作時に、使用者の意図に反してダイヤルスイッチが回転されるおそれがある。
このようなダイヤルスイッチの回転時に、本発明では、キャンセル制御装置が、ダイヤルスイッチからの信号をキャンセルするため、乗員の意図に反したダイヤルスイッチの信号に基づく制御が実行されることを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態の多方向操作スイッチ装置は、基板(20)に直交する軸(Z)に沿って延在され、前記軸(Z)に直交する2軸平面方向に変位可能に前記基板(20)に支持された操作ノブ(10)と、前記軸(Z)を囲む複数個所に設置され、前記操作ノブ(10)の変位方向に応じてON,OFFが切り換わるよう配置された方向検出スイッチ(2a〜2d)と、前記操作ノブ(10)を、周方向に隣り合う前記方向検出スイッチ(2a〜2d)の中間方向へ変位させた場合に、前記隣り合う方向検出スイッチ(2a〜2d)が両方共にON,OFFが切り換わる変位量以上の設定変位量だけ前記操作ノブ(10)が変位したことを検出可能に設けられた変位センサ(110)と、この変位センサ(110)が前記設定変位量の前記操作ノブ(10)の変位を検出した時点での前記方向検出スイッチ(2a〜2d)のON,OFF状態に基づいて前記操作ノブ(10)の操作方向を判定する方向判定装置(100)と、を備えた多方向操作スイッチ装置である。
【実施例1】
【0013】
以下に、図1〜図9に基づいて、この発明の最良の実施の形態の実施例1の多方向操作スイッチ装置について説明する。
【0014】
図1は、実施例1の多方向操作スイッチ装置Aの外観斜視図であって、この多方向操作スイッチ装置Aは、カーナビゲーション装置の入力操作に用いられる。
この多方向操作スイッチ装置Aは、操作ノブ10を有したスイッチ本体1と、このスイッチ本体1から送られる信号に基づいて、操作ノブ10の操作方向の判定、およびこの判定に応じた処理を行う制御装置(方向判定装置)100と、を備えている。
【0015】
操作ノブ10は、軸Zを中心とする回転操作、軸Z方向への押圧操作、および軸Zに直交する平面(以下、これをXY平面と称する)方向へのスライド操作が可能に構成されている。なお、XY平面方向のスライドは、本実施例1の場合、図4に示すように、上方向a、下方向b、左方向c、右方向d、右上方向e、左上方向f、右下方向g、左下方向hの計8方向にスライド可能となっている。
【0016】
以下に、操作ノブ10をXY平面の8方向に変位可能に支持する構造について詳細に説明する。
図5に示すように、スイッチ本体1は、第1基板20と、機構部30と、操作ノブ10とを備えている。
【0017】
まず、第1基板20について説明する。
第1基板20は、樹脂などにより略8角形の板状に形成されており、その上面に、軸Zを中心として周方向に4つの方向検出スイッチ2a〜2dが設けられている。
これら4つの方向検出スイッチ2a〜2dは、図4に示すように、軸Zを中心に、周方向に90度の等間隔に配置されており、図において、上方向a、下方向b、左方向c、右方向dの4箇所に配置されている。
これら方向検出スイッチ2a〜2dは、図1に示すように、接触子2pが、軸Z方向である内径方向に向けて突出されている。そして、各方向検出スイッチ2a〜2dは、接触子2pが突出した状態ではOFFとなっており、一方、接触子2pが内部に押し込まれると、ONに切り換わる構造となっている。
【0018】
次に、機構部30について説明する。
機構部30は、図5に示すように、ベース31と、スライド部材32と、節度感付与機構330と、パッド35と、ダンパ36と、ベースカバー37と、第2基板38とを備えている。
【0019】
ベース31は、第1基板20の上面に複数のビス22で固定されている。このベース31は、4つの方向検出スイッチ2a〜2dの径方向外周を覆うことが可能な外径のキャップ状に形成されており、円盤状の支持プレート315と、この支持プレート315の外周に設けられた円筒状の円筒フランジ314とを備えている。
【0020】
また、支持プレート315には、その中央部分を貫通して円筒部311が設けられているとともに、同一円周上に周方向に長い4つの長穴312が開口されている。なお、各長穴312は、各方向検出スイッチ2a〜2dと軸Z方向で重なる位置であって、各方向検出スイッチ2a〜2dの接触子2pが、軸Z方向に露出する位置に開口されている(図1参照)。
さらに、支持プレート315の軸Z方向の端面(以下、軸Z方向であって図5の上方を前方と称し、この端面を前面、その逆方向の端面を後面と称する)に、2つのスライド溝313が、軸Zに直交する方向であって、本実施例1では、c,d方向(これをY方向とする)に延在され、かつ、軸Zを中心として対称に配置されている。
【0021】
さらに、円筒フランジ314の内周には、後述する変位検出スイッチ(変位センサ)110を構成する外周接点111が設けられている。
【0022】
次に、スライド部材32について説明する。
スライド部材32は、略十字の薄板状に形成されている。そして、スライド部材32の中央部分に、挿通穴321が設けられ、かつ、スライド部材32の前面には、2つのスライド溝322が形成されている。2つのスライド溝322は凹溝状に形成されており、軸Zを中心として、a,b方向(これをX方向とする)に延在されている。
【0023】
なお、詳細な図示は省略するが、スライド部材32の後面には突起が形成されており、この突起が、ベース31に形成されたスライド溝313にスライド可能に挿入されている。これにより、スライド部材32は、ベース31に対してY方向(a,b方向)にスライド可能に支持されている。
【0024】
次に、パッド35について説明する。
パッド35は、略円板状に形成されている。また、パッド35の中央部分には、ピン受部351が設けられている。このピン受部351は、パッド35の中心を、断面略V字状に前方向に突出させることで、図1および図2に示すように、パッド35の後面にすりばち凹状の凹部351aが形成されている。
【0025】
また、ピン受部351の外周には、嵌合用内筒部352が形成されており、この嵌合用内筒部352が第2基板38の後面に結合されたダンパ36の内周にきつく嵌合されている。これにより、パッド35は、第2基板38と一体的に結合されている。なお、ダンパ36は、操作ノブ10の各操作に伴って第2基板38を介して、パッド35に振動が伝わるのを防止している。
【0026】
さらに、パッド35の下面には、図5に示すスライド部材32のスライド溝322に沿ってY方向にスライド可能な断面凸状のスライドレール(図示省略)が形成されている。これにより、パッド35は、スライド部材32に対してY方向にスライド可能に結合されている。
【0027】
すなわち、パッド35は、スライド部材32に対して、Y方向にスライド可能に支持されているとともに、ベース31に対して、スライド部材32と共にX方向にスライド可能に支持されており、すなわち、第1基板20およびベース31に対して、XY平面上をX,Y方向にスライド可能に支持されている。
【0028】
さらに、パッド35の後面には、図1に示すように、四角あるいは円形の筒状のスイッチ押圧筒354が形成されている。このスイッチ押圧筒354は、各方向検出スイッチ2a〜2dの接触子2pの内径方向に近接して配置されている。
【0029】
さらに、パッド35の外周には、外周フランジ355が、後方へ突出されている。この外周フランジ355は、ベース31の円筒フランジ314の内周に外径方向に隙間を介して対向されており、前述の円筒フランジ314に設けられた外周接点111に対向して内周接点112が設けられている。
【0030】
この内周接点112と外周接点111とは、変位検出スイッチ(変位センサ)110を構成しており、後述する操作ノブ10を、XY平面方向にスライドさせたときに、そのスライド量が設定量を超えると、両周接点111,112が当接して、操作ノブ10が、あらかじめ設定されたスライド量だけ変位したことを検出する。
このあらかじめ設定されたスライド量は、図4のa,b,c,dの各方向にスライドさせたときには、スライド方向に配置された各方向検出スイッチ2a〜2dがOFFからONに切り換わるスライド量であり、かつ、図4のe,f,g,hの各方向にスライドさせたときには、操作ノブ10をスライドさせたときに、各方向検出スイッチ2a〜2dの2つが確実にOFFからONに切り換わるスライド量となるように設定されている。
【0031】
次に、節度感付与機構330について説明する。
この節度感付与機構330は、図1に示すように、スプリング33とセンタピン34とピン受部351とで構成されている。
スプリング33は、軸Z方向に伸縮可能はコイルスプリングである。センタピン34は、図1に示すように、その後端部が、スプリング33の内側に嵌合された状態で、ベース31の円筒部311に対して軸Z方向にスライド可能に支持され、かつ、その前端部が、ピン受部351の凹部351aに圧接されている。
よって、パッド35を、XY平面方向にスライドさせると、センタピン34に対する凹部351aが軸Zの直交方向へ変位し、スプリング33を短縮させながら、センタピン34を後退させる。したがって、パッド35の軸Zの直交方向への変位量が大きくなるほど、センタピン34の凹部351aに対する圧接力が増大し、操作ノブ10の変位に対する節度感が得られる。
【0032】
次に、ベースカバー37について説明する。
ベースカバー37は、図5に示すように、円形のキャップ状に形成され、パッド35の前面を覆ってベース31に結合されている。また、ベースカバー37の中央部分には開口371が設けられており、第2基板38に結合されたダンパ36が挿通されている。
【0033】
次に、第2基板38について説明する。
第2基板38は、図1に示すように、基板本体381と、ダイヤルスイッチ382と、押圧スイッチ383とを備えている。
基板本体381は、前述したようにパッド35に結合されており、第1基板20の回路部分とケーブル384で接続されている。
【0034】
ダイヤルスイッチ382は、円筒状に形成されており、基板本体381にビス380で固定された内筒部382aと、この内筒部382aの外周に軸Zを中心に回動可能に支持されたダイヤルガイド部422とを備えている。
押圧スイッチ383は、ダイヤルスイッチ382の内筒部382aの内部に配置されて基板本体381に支持されている。
【0035】
次に、操作ノブ10について説明する。
操作ノブ10は、図5に示すように、押圧操作部41と、ダイヤル42とを備えている。
押圧操作部41は、押しボタン411と、ボタンガイド部412とを備えている。ボタンガイド部412は、円筒状に形成され、図1に示すように、ダイヤルスイッチ382の内筒部382aの内側に前後方向にスライド可能に支持されている。ボタンガイド部412の内部には、押圧スイッチ383の上面に当接されてこの押圧スイッチ383を軸Z方向に押圧可能な押圧部412aが一体に形成されている。
押しボタン411は、ボタンガイド部412の前面の開口を塞ぐようにしてボタンガイド部412に装着されている。
【0036】
ダイヤル42は、図5に示すように、把持部421とダイヤルガイド部422とを備えている。ダイヤルガイド部422は、円筒状に形成され、図1に示すように、ダイヤルスイッチ382の内筒部382aの外周に、相対回動可能に装着されている。把持部421は、図5に示すように、リング状に形成されており、ダイヤルガイド部422の前端部に結合されている。なお、前述した押圧操作部41は、この把持部421の内周に、軸Z方向に相対移動可能に設けられている。
【0037】
図6に示すように、前述した方向検出スイッチ2a〜2d、ダイヤルスイッチ382、押圧スイッチ383は、第1基板20に設けられた制御回路100に接続されている。そして、制御回路100と図外のカーナビゲーション装置とは、通信手段200を介して接続されている。なお、第1基板20には、操作に応じて音を発するブザー201や、照明用のインジケータ202が設けられている。
【0038】
以上のように構成された多方向操作スイッチ装置Aを、図外のカーナビゲーション装置の入力操作に用いた場合について説明する。
図外のカーナビゲーション装置の操作画面に表示されている複数のメニューにおいて任意のメニューを選択する場合、乗員は、把持部421を、軸Zを中心として、左右のいずれかの方向に回転操作を行う。これにより、ダイヤルスイッチ382が回転されるとともに、ダイヤルスイッチ382から、回転操作量に応じた信号が出力される。制御回路100は、この回転操作量を示す信号をカーナビゲーション装置に出力し、画面上では、この回転操作量に応じてカーソルが移動される。
【0039】
したがって、乗員は、カーソルが、画面上の所望の任意のメニューの位置に来たところで、回転操作を停止させ、カーソルを、画面上の任意のメニューの位置に配置させることができる。
【0040】
次に、乗員は、カーソルが配置されたメニューを選択する場合、押しボタン411を、軸Z方向の後方へ押圧操作する。これにより、ボタンガイド部412が押し込まれ、押圧部412aにより押圧スイッチ383が押されON信号が出力される。したがって、制御回路100からの出力に基づいて、カーナビゲーション装置では、カーソル位置のメニューを確定する処理を実行する。
なお、乗員が、押しボタン411の押圧を解除すると、押しボタン411は元の位置に戻る。
【0041】
次に、乗員は、カーナビゲーション装置の画面上に地図が表示されている場合に、その画面をスクロールするには、操作ノブ10を、図4に示した8方向(矢印a〜矢印h)のいずれかの方向にスライド操作させ、その操作方向にスクロールさせることができる。
【0042】
以下に、操作ノブ10を、各方向へスライド操作する場合の動作について説明する。
まず、操作ノブ10が、図1に示す中立位置に配置されているときには、操作ノブ10およびパッド35は、軸Z上に配置されている。
このとき、パッド35のスイッチ押圧筒354は、各方向検出スイッチ2a〜2dの接触子2pから離れており、各方向検出スイッチ2a〜2dは、OFF状態となっている。
【0043】
次に、操作ノブ10を、中立位置から上方向aへスライド操作した場合について説明する。この場合、操作ノブ10と一体的にスライドするパッド35は、スライド部材32のスライド溝322に沿ってスライドし、第1基板20およびベース31に対して上方向aへスライドする。
これに伴い、パッド35のスイッチ押圧筒354が上方向aに設置された方向検出スイッチ2aの接触子2pを押し込む。
【0044】
したがって、この場合には、4つの方向検出スイッチ2a〜2dの上方向aの方向検出スイッチ2aのみがONとなる。
【0045】
また、操作ノブ10のスライド量が最大ストローク量となると、パッド35の外周フランジ355がベース31の円筒フランジ314に突き当たり、両者355,314の間に設けられた変位検出スイッチ110の外周接点111と内周接点112とが当接してONとなり、この時点で、操作ノブ10のスライドが規制される。
【0046】
なお、操作ノブ10をスライド操作した際には、パッド35のXY平面方向のスライドにより、センタピン34が凹部351aの傾斜面に押され、スプリング33を短縮させながら、後方へ変位する。
【0047】
このスプリング33の短縮に伴って、パッド35に対するセンタピン34の押圧力が増大し、操作ノブ10のスライド量が大きくなるにつれて節度感が大きくなり、最終的に変位検出スイッチ110がONとなった状態で、スライドが規制されて節度感が最大となる。
【0048】
その後、操作ノブ10に対するスライド操作力を取り除くと、スプリング33が復元し、センタピン34がパッド35を軸Z方向に押圧することで、パッド35ならびに操作ノブ10が中立位置に戻される。
また、この中立位置への復元に伴って、変位検出スイッチ110がOFFに戻るとともに、それまでONとなっていた方向検出スイッチ2aもOFFに戻る。
【0049】
一方、操作ノブ10を、4つの方向検出スイッチ2a〜2dのうちの周方向に隣り合うものの中間位置の方向(e,f,g,hの方向)へスライドさせた場合を、右上方向eにスライドさせた場合を例に挙げ説明する。この場合、操作ノブ10と一体的にスライドするパッド35は、スライド部材32のスライド溝322に沿って上方向aにスライドすると同時に、スライド部材32は、ベース31のスライド溝313に沿って、右方向dへスライドする。
【0050】
これに伴い、操作ノブ10およびパッド35が、右上方向eへスライドし、パッド35のスイッチ押圧筒354は、上方向aに設置された方向検出スイッチ2aと右方向dに設置された方向検出スイッチ2dとの接触子2pをそれぞれ押し込んで、両スイッチ2a,2dがONとなる。
【0051】
また、この場合も、操作ノブ10のスライド量が最大ストローク量となると、パッド35の外周フランジ355がベース31の円筒フランジ314に突き当たり、変位検出スイッチ110がONとなるとともに、操作ノブ10のスライドが規制される。
【0052】
上述のように、本実施例1では、操作ノブ10を、a〜hの8方向にスライドさせた場合、そのスライド方向に応じ、方向検出スイッチ2a〜2dが、1個のみ、あるいは2個同時にONとなるもので、このスライド方向と、方向検出スイッチ2a〜2dのON,OFFの関係は、図7の方向特性図に示す関係になる。なお、全ての方向検出スイッチ2a〜2dがOFFの場合は、中立位置であって、「方向なし」となる。
【0053】
そこで、制御回路100では、方向検出スイッチ2a〜2dのON,OFF状態に基づいて、操作ノブ10の操作方向を判定する処理を実行するが、本実施例1では、この処理を、変位検出スイッチ110がONとなった時点で実行する。
【0054】
すなわち、図8のフローチャートは、制御回路100のスライド方向判定処理を示しており、ステップS1では、方向検出スイッチ2a〜2dおよび変位検出スイッチ110のON,OFF状態を読み込む。
次のステップS2では、変位検出スイッチ110がONであるか否か判定する。そして、OFFの場合には、現在の操作方向を「方向なし」すなわち中立と判定する。
【0055】
一方、ステップS2において、ONである場合には、ステップS4に進み、図7の方向特性に基づいて、方向検出スイッチ2a〜2dのON,OFF状態から操作方向を判定する。
なお、図外のカーナビゲーション装置では、制御回路100の方向判定に基づいて、画面上で地図のスクロールが成される。
【0056】
以上説明したように、本実施例1では、操作ノブ10のスライド操作量が設定量(最大ストローク量)となるとONとなる変位検出スイッチ110を設けるとともに、操作ノブ10を最大ストローク量だけ操作したときには、方向検出スイッチ2a〜2dが確実にONとなるように設定し、制御回路100のスライド方向量判定は、変位検出スイッチ110がONとなった時点で実行するようにした。
【0057】
このため、操作ノブ10を、各方向検出スイッチ2a〜2dの設置位置の中間位置方向(e,f,g,h方向)にスライド操作した際に、各方向検出スイッチ2a〜2dの内の2つが確実にONとなった状態で、操作方向判定が実行される。
したがって、従来のように、中間位置方向に操作した際にONとなるべき各方向検出スイッチ2a〜2dの2つのうちの1つのみがONになることに対応した処理が成されることがなくなり、使用者の操作意図と異なる方向判定が成されることを防止できる。
【0058】
図9は、上述のように操作ノブ10を右上方向eにスライド操作した場合の一例を示すタイムチャートである。
この例では、まず、t1のタイミングで、上方向aの方向検出スイッチ2aがONに切り換わり、その後、t2のタイミングで右方向dの方向検出スイッチ2dがONに切り換わっている。そして、操作ノブ10が最大にストロークされた時点t3において、変位検出スイッチ110がONに切り換わっている。
【0059】
このような、各スイッチ2a,2b,110の切り換わりが実行された場合、制御回路100では、t3の時点までは、ステップS1→S2→S3の流れに基づいて、「方向なし」と判定される。そして、変位検出スイッチ110がONとなるt3の時点で、ステップS1→S2→S4の処理が成され、「右上」と判定される。
【0060】
また、操作ノブ10を戻して、変位検出スイッチ110がOFFに切り換わる時点t4において、ステップS1→S2→S3の処理に基づいて、「方向なし」と判定される。
【0061】
これに対し、従来では、t1の時点で、「上」と判定され、その後、t2の時点で、「右上」と判定されていた。また、この「右上」の判定は、方向検出スイッチ2bがOFFとなるt5の時点で、「上」の判定に切り換わり、その後、方向検出スイッチ2aがOFFとなる時点で「方向なし」と判定されていた。
【0062】
このように、本実施例1では、使用者が、操作ノブ10に対する操作力を取り除いて、操作ノブ10が中立位置に復帰を開始した時点t4で、「方向なし」と判定されるため、従来のように、t5〜t6の間で、使用者の意図と異なる判定が成されるものと比較して、いっそう、使用者の意図に応じた方向判定が可能となる。
【0063】
さらに、変位検出スイッチ110は、操作ノブ10のスライド変位量が最大スライド量となると内周接点112と外周接点111とが当接し、それ以上のスライドを規制する。したがって、制御回路100が方向判定を実行し、それに応じたスクロールなどの処理が実行されるタイミングと、操作ノブ10のスライドが規制されるタイミングとを一致させることができる。よって、使用者に操作の違和感を与えることを防止可能となる。
【0064】
加えて、実施例1では、変位検出スイッチ110がONに切り換わった時点で、各方向検出スイッチ2a〜2dのON,OFF状態に基づいてスライド操作方向の判定を行うため、従来と比較すると、方向検出スイッチ2a〜2dの軸Zに対する径方向の位置精度を低くすることが可能となる。
よって、組付誤差の許容量が大きくなることから組付性が向上し、かつ、方向検出スイッチ2a〜2dの位置を軸Zに近付けるとともに、フルストローク量を小さくして、作動応答性を高めることも可能となる。
【0065】
また、操作ノブ10のフルストローク位置は、変位検出スイッチ110により決定されるため、節度感付与機構330の反力でフルストローク量を決定することが不要となり、節度感付与機構330のスプリング33による節度感の設定自由度が高くなる。
【0066】
(他の実施例)
以下に、他の実施例について説明する。
なお、これら他の実施例を説明するのにあたり、実施例1と共通する構成には同じ符号を付けて説明を省略する。また、作用効果についても、実施例1と同様のものは、説明を省略する。
【実施例2】
【0067】
次に、実施例2の多方向操作スイッチ装置について、図10および図11に基づいて説明する。
この実施例2の多方向操作スイッチ装置は、変位検出スイッチ(変位センサ)210の設置位置が実施例1のものとは異なる。
【0068】
すなわち、変位検出スイッチ210が、センタピン34と第1基板20との間に設置されている。この変位検出スイッチ210は、センタピン34の下端部に設けられたピン側接点211と、第1基板20において、このセンタピン34の下端に対向する位置に設けられた基板側接点212とを備えている。そして、両接点211,212は、図10に示す操作ノブ10の中立位置では、両接点211,212は、軸Z方向に離間している。
【0069】
一方、図11に示すように、操作ノブ10をXY平面方向にスライドさせるのに伴って、センタピン34が後方にスライドすると、両接点211,212が接触して、変位検出スイッチ210がONに切り換わるとともに、センタピン34の後方スライドが規制されるのに伴い、操作ノブ10のスライドも規制される。
【0070】
この実施例2にあっても、実施例1と同様に、操作ノブ10をスライドさせた場合に、確実に方向検出スイッチ2a〜2dがONとなるだけスライドしてから、変位検出スイッチ210がONとなって操作方向の判断が実行される。
【0071】
したがって、実施例2にあっても、実施例1と同様に、操作ノブ10の操作時ならびに操作終了時において、使用者の操作意図と異なる方向判定が成されることを防止可能であるとともに、使用者に操作タイミングの違和感を与えることを防止可能である。
【実施例3】
【0072】
次に、実施例3の多方向操作スイッチ装置について、図12および図13に基づいて説明する。
この実施例3の多方向操作スイッチ装置は、制御回路100がダイヤルキャンセル処理を実行するようにした例である。すなわち、操作ノブ10を、XY平面方向へスライドさせた際に、そのスライド方向に押す力で、使用者の意図に反して、把持部421が回転する場合がある。このダイヤルキャンセル処理は、このような使用者の意図に反した把持部421の回転が生じてダイヤルスイッチ382から信号が出力されても、その信号に応じた処理が成されないようにこれをキャンセルする処理である。
【0073】
本実施例3では、このダイヤルキャンセルを、操作ノブ10がフルストロークスライドした時と、フルストロークスライド状態から中立位置へ戻った後に設定時間が経過するまでの間と、に行う。
【0074】
このようなキャンセル処理を実行するのにあたり、本実施例3では、スライド方向判定処理のフローが一部異なっており、まず、図12のフローチャートに示すスライド方向判定処理を説明する。
【0075】
まず、ステップS31では、最新の方向判定結果である「現在方向」を、1回前の判定結果である「前回方向」に書き換える。
なお、このステップS31に続く、ステップS1〜S4は、実施例1の同ステップと同じ処理であるので、実施例1と同じステップ符号を付けて説明を省略する。
【0076】
ステップS3,S4に続くステップS32〜S35では、方向判定処理結果に基づいて、タイマのスタートと停止の処理を行っている。
すなわち、ステップS32では、「現在方向」が「方向なし」であるか否かを判定し、「方向なし」の場合は、ステップS34に進み、「方向なし」でない場合には、ステップS33に進む。このステップS33では、タイマを停止するとともに、タイマのカウントをクリアする。
【0077】
一方、ステップS34では、「前回方向」が「方向なし」であるか否か判定し、「方向なし」でない場合には、ステップS35に進んで、タイマをセットするとともに、タイマをスタートさせる、なお、このタイマがカウントする時間Tは、地図をスクロール操作する際に、通常想定される、スクロール操作の合間に取られ得る時間に設定されており、例えば、0.5〜数秒に設定されている。
ステップS32→S34→S35の処理基づき、操作ノブ10がフルストロークスライド操作されている状態から、中立方向へ復帰された時点で、タイマがスタートされ、再び、フルストローク状態となると、タイマが停止される。
【0078】
次に、図13のダイヤルキャンセル判定処理について説明する。
ステップS41では、変位検出スイッチ110のON,OFF状態を参照する。
次のステップS42では、変位検出スイッチ110が、ONであるか否か判定し、ONの場合にはステップS43に進んで、ダイヤルスイッチ382の信号をキャンセルする。一方、ステップS42において、変位検出スイッチ110がOFFの場合には、ステップS44に進んで、タイマがカウント中であるか否か判定し、カウント中である場合には、ステップS43に進んで、ダイヤルスイッチ382の信号をキャンセルし、カウント中でなければ、ステップS45に進んで、ダイヤルスイッチ382の信号に対する応答を許可する。
【0079】
したがって、実施例3では、操作ノブ10をスライド操作して、操作ノブ10がフルストローク状態である場合、ならびにフルストローク状態から、「方向なし」と判定されて、タイマのカウント時間である設定時間Tが経過するまでの間は、ダイヤルスイッチ382の出力がキャンセルされる。
よって、操作ノブ10をスライドさせて、地図のスクロールを行っている際に、使用者の意図に反してダイヤル42が回転されても、ダイヤルスイッチ382の出力に対する応答がキャンセルされ、乗員に違和感を与えることを防止できる。
【0080】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態および実施例1〜3を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態および実施例1〜3に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0081】
例えば、実施例1〜3では、多方向操作スイッチとして、方向検出スイッチ2a〜2dの他に、ダイヤルスイッチ382と押圧スイッチ383とを備えたものを示したが、これに限定されるものではなく、少なくとも複数の方向検出スイッチを備えていればよい。
【0082】
また、実施例1〜3では、軸Zの直交方向へ変位可能な操作ノブとして、第1基板20に対してXY平面方向にスライド可能に支持された操作ノブ10を示したが、この軸Zに直交方向への変位は、XY平面方向へスライドするものに限らず、第1基板20上の支持点を中心に、傾動可能に支持されたものを用いてもよい。
【0083】
また、実施例1〜3では、方向検出スイッチとして、軸Zの周囲の4箇所に設置したものを示したが、これに限定されず、軸Zの周囲に3以上の複数個が周方向に等間隔に設置されていればよい。例えば、3個設置の場合には、6方向を判定可能であり、5個設置の場合には、10方向判定可能である。
【0084】
また、実施例1〜3では、変位センサとして、操作ノブ10のスライド量があらかじめ設定されたフルストローク量となると、OFFからONに切り換わる変位検出スイッチ110を示したが、これに限定されず、フルストローク量となると、実施例1〜3とは逆に、ONからOFFに切り換わるスイッチ構造のものを用いてもよい。また、変位センサとして、このようなON,OFFの切り換わりが、フルストロークよりも手前で成されるスイッチ構造のものを用いてもよい。
さらに、変位センサとしては、操作ノブ10のスライド量が設定量になると、ON,OFFが切り換わるものスイッチ構造のものに限らず、操作ノブ10の変位量に応じて、信号が変化するもの、例えば、変位量に応じて抵抗値が変化し、電流値あるいは電圧値が変化するものを用いてもよい。
【0085】
また、実施例3では、操作ノブ10のスライド時に、ダイヤルキャンセルを行うのにあたり、変位検出スイッチ110がONとなったときに、キャンセルするようにしたものを示したが、これに限定されず、方向検出スイッチ2a〜2dのいずれか1つがONとなった場合に、操作ノブの操作時と判定してダイヤルキャンセルを行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明最良の実施の形態の実施例1の多方向操作スイッチ装置Aを示す断面図である。
【図2】実施例1の多方向操作スイッチ装置Aの操作ノブ10を軸Zの直交方向へスライドさせた状態を示す断面図である。
【図3】実施例1の多方向操作スイッチ装置Aを示す斜視図である。
【図4】実施例1の多方向操作スイッチ装置Aの方向検出スイッチ2a〜2dの配置を示す説明図である。
【図5】実施例1の多方向操作スイッチ装置Aを示す分解斜視図である。
【図6】実施例1の多方向操作スイッチ装置Aの制御回路100を示す回路説明図である。
【図7】実施例1の多方向操作スイッチ装置Aの方向判定特性図である。
【図8】実施例1の多方向操作スイッチ装置Aのスライド方向判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施例1の多方向操作スイッチ装置Aにおける操作ノブ10のスライド時の作動例を示すタイムチャートである。
【図10】本発明実施例2の多方向操作スイッチ装置を示す断面図である。
【図11】実施例2の多方向操作スイッチ装置の操作ノブ10を軸Zの直交方向へスライドさせた状態を示す断面図である。
【図12】実施例3の多方向操作スイッチ装置のスライド方向判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施例3の多方向操作スイッチ装置のダイヤルキャンセル判定処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
2a〜2d 方向検出スイッチ
10 操作ノブ
20 第1基板
42 ダイヤル
100 制御回路(方向判定装置)
110 変位検出スイッチ(変位センサ)
111 外周接点
112 内周接点
210 変位検出スイッチ
211 ピン側接点
212 基板側接点
330 節度感付与機構
382 ダイヤルスイッチ
383 押圧スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に直交する軸に沿って延在され、前記軸に直交する2軸平面方向に変位可能に前記基板に支持された操作ノブと、
前記軸を囲む複数個所に設置され、前記操作ノブの変位方向に応じてON,OFFが切り換わるよう配置された方向検出スイッチと、
前記操作ノブを、周方向に隣り合う前記方向検出スイッチの中間方向へ変位させた場合に、前記隣り合う方向検出スイッチが両方共にON,OFFが切り換わる変位量以上の設定変位量だけ前記操作ノブが変位したことを検出可能に設けられた変位センサと、
この変位センサが前記設定変位量の前記操作ノブの変位を検出した時点での前記方向検出スイッチのON,OFF状態に基づいて前記操作ノブの操作方向を判定する方向判定装置と、
を備えた多方向操作スイッチ装置。
【請求項2】
前記変位センサが、前記操作ノブの中立位置で接点が対向状態で離間され、前記操作ノブの前記変位検出状態で、対向した接点が当接し、それ以上の前記操作ノブの変位を規制するスイッチ構造であることを特徴とする請求項1に記載の多方向操作スイッチ装置。
【請求項3】
前記操作ノブには、前記軸を中心として回転可能なダイヤルスイッチが設けられ、
前記操作ノブの軸直交平面方向への変位検出時に、前記ダイヤルスイッチからの信号をキャンセルするキャンセル制御装置が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の多方向操作スイッチ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2009−295494(P2009−295494A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−149477(P2008−149477)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】