多段プッシャ遠心器
【課題】固体顆粒が損傷することのない多段プッシャ遠心器を提供する。
【解決手段】多段プッシャ遠心器1は、回転軸5を中心に回転可能な外部スクリーン・ドラム6および外部スクリーン・ドラム6内に配置されたスクリーン段7と、スクリーン・ドラム6内に配置されていてプッシャ・ベース装置9を有する混合物分配器8とを含み、スクリーン段7またはプッシャ・ベース装置9が回転軸5に沿って前後に移動自在に配置され、固体ケーキ3がプッシャ・ベース装置9によって移動可能になっている。また多段プッシャ遠心器1は、プッシャ・ベース装置9による固体ケーキ3の移動時に発生する空いたスペース11に混合物分配器8を介して混合物2を導入するための送り込み装置10を含む。プッシャ・ベース装置9は、送り込み装置10に向かう方向へほぼ発散状態で延在する前段加速漏斗12を含み、前段加速漏斗12が前段加速スクリーンとして設計される。
【解決手段】多段プッシャ遠心器1は、回転軸5を中心に回転可能な外部スクリーン・ドラム6および外部スクリーン・ドラム6内に配置されたスクリーン段7と、スクリーン・ドラム6内に配置されていてプッシャ・ベース装置9を有する混合物分配器8とを含み、スクリーン段7またはプッシャ・ベース装置9が回転軸5に沿って前後に移動自在に配置され、固体ケーキ3がプッシャ・ベース装置9によって移動可能になっている。また多段プッシャ遠心器1は、プッシャ・ベース装置9による固体ケーキ3の移動時に発生する空いたスペース11に混合物分配器8を介して混合物2を導入するための送り込み装置10を含む。プッシャ・ベース装置9は、送り込み装置10に向かう方向へほぼ発散状態で延在する前段加速漏斗12を含み、前段加速漏斗12が前段加速スクリーンとして設計される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1のプリアンブルによる多段プッシャ遠心器に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心器は一般に普及し、湿った物質または湿った物質の混合物を乾燥するため、多様な実施形態の非常に多様な分野で使用されている。したがって、例えば不連続で動作するスクレーパ遠心器などの遠心器は、例えば高純度の製薬製品の乾燥に使用することが好ましく、ここでは、特に大量の固体/液体混合物を連続的に分離すべき場合、連続的に動作するプッシャ遠心器を使用すると有利である。要件に応じて、1段または多段プッシャ遠心器、さらに2段プッシャ遠心器を使用する。
【0003】
様々なタイプの最後に挙げたクラスのプッシャ遠心器では、固体/液体混合物、例えば懸濁液または湿性塩または塩混合物を、混合物分配器を介して送り込みチューブを通し、高速回転ドラムに供給する。このドラムはフィルタ・スクリーンとして設計され、したがって液相は作用する遠心力のためにフィルタ・スクリーンを通して分離され、固体ケーキは、ドラム壁の内部で分離される。同期した同時回転のほぼ円盤形プッシャ・ベースを、回転ドラム内に配置し、スクリーンの段数に応じて、プッシャ・ベースまたはスクリーン段がドラムの軸方向で特定振幅で振動し、したがって乾燥した固体ケーキの一部がドラムの端部から押し出される。プッシャ・ベースが反対方向に動作すると、プッシャ・ベースに隣接するドラムの領域が解放され、これは次に取り入れチューブを通して混合物分配器を介し新しい混合物を装填することができる。使用するタイプに応じて、現代的な高性能のプッシャ遠心器で、毎時100トンのオーダーのスループット量を達成することができ、ドラム直径は最大1000mm以上が非常に一般的であり、ドラム直径に応じて、毎分2,000回転までおよびそれ以上のドラムの典型的回転周波数を達成することができる。発生する強力な遠心力のため、概してドラム直径が大きいほど、ドラムの最大回転周波数が小さくなる。ドラムの回転周波数、単位時間当たりの混合物供給量、またはドラム直径または使用するプッシャ遠心器のタイプなどの使用パラメータも、乾燥する材料、液体の含有量などに依存するものとなる。
【0004】
先行技術から知られる多段プッシャ遠心器は、概して、連続的に動作するフィルタ遠心器である。多段フィルタ遠心器は、外部スクリーン・ドラムと、外部スクリーン・ドラム内に配置され、同様にスクリーン・ドラムとして設計された少なくとも1つのスクリーン段とで構成される。複数のスクリーン段を、同心円状に次々と配置することができ、したがって全てのスクリーン段を、結合回転軸を中心に同期して非常に高速で駆動する2段、3段および多段プッシャ遠心器を実現することができる。運転状態では、分離すべき固体/液体混合物が、固定した直立取り入れチューブを通して混合物分配器に入る。この分配器は最も内側のスクリーン段に配置され、同様に同期状態で回転し、スクリーンの全周にわたって最も内側のスクリーン段に混合物を均一に分布する。
【0005】
2段プッシャ遠心器では、第1段すなわち最内段が、回転軸を中心とする回転運動に加えて、回転軸の方向での振動運動も実行する。この振動運動は、例えば反転機構を有するプッシャ・ピストンを介して油圧力で発生する。固体ケーキは、これによって第1段から、振動のストローク長に対応するリング区間の第2段へと押され、最終的に排出開口を介してプッシャ遠心器を出る。実際には、固体ケーキは、洗浄液を固体ケーキ上に供給しながら、スクリーン・ドラム内で連続的に洗浄する。
【0006】
前述した原理に従い作業する既知の2段プッシャ遠心器は、例えばドイツ特許第2542916A1号で詳細に説明されている。2段および多段プッシャ遠心器では、第1段、つまり最内スクリーン段が、混合物の事前脱水のために、さらに固体ケーキの形成のために働き、外部スクリーン・ドラムは主に乾燥段として働く。事前脱水は、第1スクリーン段によって可能であるので、多段プッシャ遠心器では遙かに高い液体吸収能力が達成され、したがって取り入れ濃度が比較的低い、つまり液体含有率が比較的高い混合物を処理することができる。
【0007】
特殊な用途分野では、2段および多段プッシャ遠心器の特殊なタイプが知られ、特に石炭や生燐酸塩などの摩耗作用が大きい遠心器商品で知られ、これは耐摩耗性スクリーンなどの特殊な摩耗保護措置が必要である。集中的洗浄プロセスおよびニトロセルロースの逆流洗浄実行のための特殊設計も、先行技術から知られている。気体不透過性タイプの多段プッシャ遠心器は、不活性ガス雰囲気中での運転に使用されている。
【0008】
上記で簡単に概要したような多段プッシャ遠心器は、非常に多様な変形の特殊用途についても長年よく知られてきたが、既知の多段プッシャ遠心器は、それでも様々な重大な欠点を呈する。既知の多段プッシャ遠心器では、通常の1段プッシャ遠心器より、低い取り入れ濃度、つまり液体含有率が高い混合物をよく処理することができても、処理すべき混合物の取り入れ濃度は、所望の低い程度を有するとは限らない。つまり混合物中の液体のシェアが高すぎる、例えば50%または70%または80%または90%以上もの液相がある場合、混合物は、多少複雑なプロセスで事前に濃縮しなければならない。液体含有率が高すぎる場合は、スクリーン・ドラムの周囲で乾燥すべき混合物の均一な分布が、ますます困難になる。その結果、一方では、スクリーン・ドラムにとって極めて有害な振動を生じ、したがって軸受けおよび駆動機構に早すぎる摩耗が生じることがあり、最悪の場合は、運転に安全問題を引き起こすことさえある。他方で、スクリーン・ドラムの周囲にわたって不均一に分布する固体材料ケーキは、洗浄中に問題を引き起こすことがある。したがって、静止濃縮装置、湾曲したスクリーンまたは周知の液体サイクロンを例えば脱水に使用している。このような事前乾燥システムを使用すると、技術的プロセスの観点からも、必要な装置の観点からも非常に複雑になり、したがって費用がかかることになる。
【0009】
送り込み濃度が比較的低い混合物の処理におけるさらなる重大な欠点は、実際的に、混合物と一緒に送り込まれる液体の総量を、これがスクリーン・ドラムのフィルタ・スクリーンを通して分離される前に、最大周速度まで加速しなければならないことである。同じことが、スクリーンを通して固体材料ケーキから同様に分離すべき混合物の最小粒子にも当てはまる。これは、エネルギの観点から極めて望ましくなく、遠心器の動作挙動に明らかにマイナスの影響を及ぼす。
【0010】
固体濃度が非常に高い混合物の処理においてさえ、先行技術で知られている遠心器には大きい欠点を呈するものがある。例えば、取り入れチューブを通して混合物分配器に導入される混合物は、スクリーン・ドラムに衝突すると、非常に短時間でドラムの最高周速度まで加速される。その結果、特に敏感な物質の場合、これが特に顆粒の破損を引き起こすことがある。つまり、例えば遠心器に供給されている懸濁液中に分布している固体顆粒が、突然の加速プロセス中に、制御されない方法で破裂して、より小さい部片になり、これは例えば最終生成物内にある顆粒の粒子サイズが重要な場合、生成された固体材料ケーキの品質にマイナスの影響を及ぼすことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】ドイツ特許第2542916A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、先行技術で知られている欠点をおおむね回避する改良型の多段プッシャ遠心器を提案することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの目的を満足する本発明の主題は、独立請求項1に記載の特徴を有する。
個々の従属請求項は、本発明の特に有利な特殊実施形態に関する。
【0014】
本発明によると、多段プッシャ遠心器は、混合物を固体ケーキと液相に分離するために設ける。多段プッシャ遠心器は、回転軸を中心に回転可能なスクリーン・ドラム、および外部スクリーン・ドラム内に配置された少なくとも1つのスクリーン段、スクリーン・ドラム内に配置されてプッシャ・ベース装置を有する混合物分配器を含み、スクリーン段またはプッシャ・ベースは、プッシャ・ベース装置を使用して固体ケーキを変位できるよう、回転軸に沿って前後に動作可能であるようにされている。多段プッシャ遠心器はさらに送り込み装置を含み、これによって混合物は、混合物分配器を介して、固体ケーキがプッシャ・ベース装置に置換された場合に発生する空のスペースに導入することができ、プッシャ・ベース装置は、送り込み装置に向かう方向にほぼ発散する状態で延在する前段加速漏斗を含み、前段加速漏斗は前段加速スクリーンとして設計される。
【0015】
本発明による多段プッシャ遠心器が、プッシャ・ベース装置に配置された前段加速スクリーンを有するので、供給される混合物に含まれる液相の総量を、スクリーン・ドラムの最高周速度まで加速する必要がない。液相の一部が、前段加速スクリーンを介して既に分離され、スクリーン・ドラムから除去できるからである。したがって、液体含有率が非常に高い混合物を、問題なく処理することもできる。特に、スクリーン・ドラムのスクリーン段の周囲表面上に乾燥すべき混合物を均一に分配することが、高い液体含有率でも常に保証される。
【0016】
さらに、前段加速スクリーンとして設計された前段加速漏斗により、送り込み装置を通して混合物分配器に直接導入される混合物が、重力の影響で、前段加速することなく、スクリーン段の内周表面にそのまま入ることが防止される。入ってくる混合物は、むしろ減速した状態でスクリーン・ドラムの周速度まで加速され、それにより特に顆粒が破損すること、および先行技術で知られる多段プッシャ遠心器で突然の加速中に発生するような他の有害な影響を回避することができる。したがって、混合物に含まれる固体材料顆粒の破裂は、本発明による多段プッシャ遠心器で回避することができる。というのは、加速プロセスが、前段加速漏斗の予め設定可能な前段加速角度を介して制御できるからである。つまり、加速自体を、前段加速漏斗の前段加速角度の適切な選択によって設定することができる。生成される固体ケーキの品質を、特に例えば最終生成物の顆粒の粒子サイズまたは形状が重要である生成物の場合は、大幅に向上させることができる
【0017】
多段遠心器の重要な構成要素および基本的機能は、先行技術から知られ、したがって以下では、本発明の中心となる特徴に主に言及することができる。
【0018】
本発明による多段プッシャ遠心器は、混合物を固体ケーキと液相に分離するよう働き、具体的構成要素として外部スクリーン・ドラムを含み、これはドラム・アクスルを介して回転軸を中心に回転可能であり、ハウジングに収容される。ドラム・アクスルは、積極的にドラム駆動機構と接続され、したがってスクリーン・ドラムは、ドラム駆動機構によって回転軸を中心に急速回転するよう設定することができる。外部スクリーン・ドラムの内側には、少なくとも1つのスクリーン段が配置される。さらに、プッシャ・ベース装置を有する混合物分配器をスクリーン・ドラム内に設け、スクリーン段および/またはプッシャ・ベース装置は、回転軸に沿って前後に動作可能な状態で配置され、したがって固体ケーキはプッシャ・ベース装置によって変位可能である。外部スクリーン・ドラムとスクリーン段との両方がスクリーンの目を有し、これを通して、高速回転時に既知の方法で発生する遠心力により、固体ケーキまたは混合物から液相を外側へと排出することができ、前記混合物は、スクリーン段の内周表面に付着させることができる。特に、実際面で特に重要な例では、スクリーン・ドラムおよび/またはスクリーン段を、本質的に既知の方法で、スケルトン様支持ドラムとして設計することができ、これは、対応するスクリーン区域を形成するため、周囲を特殊フィルタ箔で裏打ちする。つまり、スケルトン様支持ドラムは、液相を分離するために異なるサイズまたは等しいサイズのフィルタ開口を有する1つまたは複数のフィルタ・スクリーンで作成することができる。
【0019】
プッシャ・ベース装置を有する混合物分配器を、スクリーン・ドラムの内側に配置し、これにより送り込み装置を通して連続的に供給される混合物を、固体ケーキの変位時に生ずる空のスペースに導入することにより、スクリーン段の内周表面に分配することができる。プッシャ・ベース装置は、本発明による前段加速スクリーンとして設計された前段加速漏斗を含み、前段加速スクリーンは、送り込み装置に向かう方向にほぼ発散する状態で延在する。前段加速漏斗は、周囲領域にリング領域として設計され、したがってスクリーン段に蓄積した固体ケーキは、プッシャ・ベース装置またはスクリーン段の振動によってリング領域へ変位可能であり、スクリーン・ドラムまたはさらなるスクリーン段に入る。
【0020】
混合物分配器は、本質的に既知の方法で締め付け手段によりスクリーン・ドラムに結合し、したがって特定の実施形態では、共通の回転軸を中心にスクリーン・ドラムおよびスクリーン段と同期して回転することが好ましい。振動運動は、存在するスクリーン段の数に応じて、スクリーン段自体によって、またはプッシャ・ベース装置によって実行される。したがって、スクリーン段と運転状態の前段加速漏斗を有するプッシャ・ベース装置との間に相対的な振動運動がある。振動運動は、プッシャ・ロッドを介して駆動することが好ましく、振動運動の前半期間では、スクリーン段に蓄積した固体ケーキがリング区間に押し込められ、その幅は、振動運動のストローク長によって、振動運動の前半期間はスクリーン段からスクリーン・ドラムまで、または外部リング領域を有するさらなるスクリーン・ドラムまで決定され、振動運動の後半期間では、スクリーン・ドラムの外縁に付着した固体ケーキのリング区間がスクリーン・ドラムから押し出される。振動運動の後半期間では、スクリーン段の外部リング領域に空のスペースが同時に生じ、したがって新しい混合物を空のスペースに導入することができる。
【0021】
本発明による多段プッシャ遠心器では、液相の一部が前段加速スクリーンで既に混合物から分離することができ、送り込み装置から導入された混合物がスクリーン段の周囲表面に到達する前に、これを予め設定可能な周速度まで加速できるよう、混合物は、前段加速スクリーン内で予め設定可能な回転速度まで前段加速できることが重要である。一方で、液体含有率が非常に高い混合物も問題なく処理できるよう、これによって混合物に含まれる液相の総量を、スクリーン・ドラムの最高周速度まで加速する必要がない。混合物の液相の濃度が非常に高い場合でも、静止濃縮装置、アーク・スクリーンまたは液体サイクロンなどの事前脱水用追加装置は、特に必要ない。
【0022】
他方で、前段加速漏斗は、回転軸に対して90°より小さい開口角度を有するので、混合物が、スクリーン・ドラムの半径方向でも周方向でも、外部リング領域に近づくにつれ、前段加速漏斗の領域内で漸進的に加速できるよう、前段加速漏斗内での混合物の流速を、スクリーン段の周囲表面に向かう方向での自由落下速度と比較して、直接設定することができる。つまり、混合物は、周囲表面に到達する際に、最終的にスクリーン段の最高回転速度に到達するため、前段加速漏斗の領域内で予め設定可能な周速度まで、特に穏やかな方法で漸進的に加速される。
【0023】
以下で機能がさらに詳細に説明される取り入れ漏斗と、前段加速漏斗とは両方とも、ほぼ一定の前段加速角度または一定の前段加速角度でプッシャ・ベース装置に向かう方向、または送り込み装置に向かう方向に円錐状に発散する状態にて、予め設定可能な領域内を延在することが好ましい。
【0024】
しかし特定の用途では、例えば脱水すべき混合物の特性に関係なく、取り入れ漏斗および/または前段加速漏斗が、予め設定可能な領域に湾曲した範囲を有することもでき、取り入れ漏斗の開口角度および/または前段加速漏斗の前段加速角度は、プッシャ・ベース装置に向かう方法で大きくなるか、小さくなる。これは、以下でさらに正確に説明するように、取り入れ漏斗または前段加速漏斗を前置きフィルタ・スクリーンとして、または液相の事前分離用前段加速スクリーンとして形成する場合に、特に有利になり得る。
【0025】
特定の実施形態では、前段加速スクリーンは、粗いフィルタおよび細かいフィルタを有する2段フィルタとして設計される。これにより、混合物は、前段加速スクリーンの領域内にて2段階で濾過することができる。特に、2段フィルタとしての前段加速スクリーンの設計は、細かいフィルタが、入り込んだ混合物に含まれる大きいおよび/または重い粒子による非常に重い機械的負荷を受けないという特定の利点を有し、したがって細かいフィルタは、例えば非常に小さい粒子を濾過するための非常に小さい穴を有することができ、特に機械的抵抗力が小さい材料で製造することもできる。
【0026】
実際的には、スクリーン段の非常に高速で回転する周囲表面に到達する前に、液相の一部をあらかじめ除去することができるよう、液相を排出するため、混合物分配器に収集装置を設けることが特に重要である。つまり、この液相の部分は、もはやスクリーン段の最高周速度まで加速することがなく、その結果、エネルギが大量に節約され、構成要素が、特に多段プッシャ遠心器の回転および/または振動構成要素を省略できる。液体含有率が極めて高い混合物も、これにより問題なく処理することができる。
【0027】
本発明による多段プッシャ遠心器のさらなる実施形態では、前段加速スクリーンは、前段加速スクリーンが、スクリーン・ドラムの回転速度に関係なく、回転駆動機構によって回転軸を中心に予め設定可能な回転速度で回転できるよう設計され、配置される。例えば、多段プッシャ遠心器の適切な運転パラメータに従い、回転駆動機構を制御および/または調整するため、回転駆動機構の回転速度の制御および/または調整をするコンピュータ補助電子システムの形態などで、適切な手段を設けることが好ましい。
【0028】
本発明による多段プッシャ遠心器の別の好ましい実施形態では、入る混合物の前段加速のため、送り込み装置に取り入れ漏斗を追加的に設ける。混合物は、最初に送り込み装置を通って移動して、取り入れ漏斗に入り、これは一つの実施形態では、必ずではないが回転方向に固定して混合物分配器に接続され、したがって取り入れ漏斗は混合物分配器と同期状態で回転する。取り入れ漏斗は、前段加速スクリーンに向かうほぼ軸方向の方向に発散状態で延在し、したがって送り込み装置を通って供給される混合物は、取り入れ漏斗に直接入る。取り入れ漏斗は、混合物が取り入れ漏斗を出たら、前段加速スクリーンに供給できるよう、設計され、配置される。
【0029】
取り入れ漏斗の配置構成および設計のため、混合物は取り入れ漏斗内で既に予め設定可能な回転速度まで前段加速され、したがって混合物は、前段加速スクリーンに入る時、既にスクリーン段の周方向に特定の速度を有し、したがってスクリーン段の周囲表面の最大周速度までさらに全体的にスムースに加速することができる。
【0030】
取り入れ漏斗は、混合物から液相を事前分離するため、前置フィルタ・スクリーンとしても作成できることが好ましい。前置フィルタ・スクリーンによって分離された液相の収集および排出のため、収集手段を設けることが好ましい。
【0031】
取り入れ漏斗の開口角度の値および/または回転軸に対する前段加速漏斗の前段加速角度の値は、例えば0°と45°の間、個々には0°と10°の間または10°と45°の間、特に25°と45°の間、好ましくは15°と35°の間でよい。特定のケースでは、当然、開口角度および/または前段加速角度の値が45°より大きいことも可能である。概して、回転軸に対して鋭角であることがより有利であり、対応する開口角度および/または前段加速角度の最適値は、特に、脱水すべき生成物の静止摩擦角度の値によって決定されると、非常に一般的には言うことができる。
【0032】
特に、取り入れ漏斗を液相の事前分離用前置フィルタ・スクリーンとして作成する場合だけでなく、取り入れ漏斗が湾曲した範囲を有し、取り入れ漏斗の開口角度が、プッシャ・ベース装置に向かう方向で大きくなるか、小さくなると特に有利になり得る。つまり、プッシャ遠心器の動作状態がその他では等しい場合、例えば粒のサイズおよび/または粘度および/または他の特徴またはパラメータ、例えば混合物の温度などに応じて、様々な生成物を異なるレベルで脱水できることが知られている。
【0033】
例えば、任意の動作パラメータにおいて脱水が比較的容易な混合物がある場合、取り入れ漏斗または前置フィルタ・スクリーンは湾曲した形状を有し、前置フィルタ・スクリーンの開口角度がプッシャ・ベース装置の方向に大きくなると有利なことがある。つまり、取り入れ漏斗または前置フィルタ・スクリーンは、プッシャ・ベース装置に向かう方向でトランペットのホーンのように発散する。したがって、混合物を取り入れ漏斗から加速する駆動力は減少し、したがって前置きフィルタ・スクリーン内で既に比較的高度に脱水可能で、したがって前置フィルタ・スクリーン内で低い滑動特性を呈する混合物は、例えば一定の開口角度でほぼ円錐形に発散する前置フィルタ・スクリーンの場合より、迅速に前置フィルタ・スクリーンを出ることができる。
【0034】
これに対して、任意の動作パラメータでは脱水が比較的困難な混合物もある。この場合は、湾曲した形状の取り入れ漏斗または前置フィルタ・スクリーンを使用することが勧められ、ここで前置フィルタ・スクリーンの開口角度は、プッシャ・ベース装置の方向で小さくなる。その結果、混合物を取り入れ漏斗から加速する駆動力は、例えば基本的に一定の開口角度で円錐状に発散する取り入れ漏斗に比べて、プッシャ・ベース装置からの距離が小さくなるにつれ、増加する速度が遅くなる。これにより、前置フィルタ・スクリーンでは特定の停滞効果が発生し、したがって混合物は、より長い時間にわたって前置フィルタ・スクリーンに留まり、したがって既に前置フィルタ・スクリーンでさらに高度に脱水することができる。
【0035】
上記と非常に似た方法で、前段加速漏斗は、当然、湾曲した形状を有することもでき、前段加速漏斗の前段加速角度は、送り込み装置に向かう方向で大きくなるか、小さくなる。
【0036】
湾曲した取り入れ漏斗およびその機能に関して前述した利点は、湾曲した前段加速漏斗にも同様であることは、当業者に自明であり、したがってここでは繰り返す必要がない。
【0037】
さらに、特定の実施形態では、前置フィルタ・スクリーンは当然、粗いスクリーンおよび細かいスクリーンを有する2段スクリーンとしても設計することができる。利点は明白である。第1フィルタ段階は粗いスクリーンによって形成され、これは、混合物に含まれ、粗いスクリーンのフィルタ開口より大きい粒子を引き留める。細かいスクリーンは、相応した比較的細かい粒子を保持し、液相の少なくとも一部、さらに同様に除去すべき非常に小さい粒子を、スクリーン段から直接排出することができる。特に2段スクリーンとしての前置フィルタ・スクリーンの設計は、細かいスクリーンが、入り込んだ混合物に含まれる大きいおよび/または重い粒子による非常に重い機械的負荷を受けないという特定の利点を有し、したがって細かいスクリーンは、例えば非常に小さい粒子を濾過するための非常に小さい穴を有することができ、特に機械的抵抗力が小さい材料で製造することもできる。
【0038】
特に、実際的に特に重要な実施形態では、取り入れ漏斗および/または前段加速漏斗を、前置フィルタ・スクリーンおよび/または前段加速スクリーンを形成するために特殊フィルタ箔を装着することができるスケルトン様支持体として設計することができる。つまり、スケルトン様支持体に、例えば異なる段階で分離するために異なるサイズのフィルタ開口を有することができる1つまたは複数のフィルタ・スクリーンを装備することができる。
【0039】
分離スクリーンまたは例えば薄板スクリーンを、特に通常はフィルタ・スクリーンとして使用することができる。フィルタ・スクリーンは、様々なサイズのフィルタ開口を付け、様々な方法で設けることができるので有利である。特に、前述した薄板スクリーンは、特に打ち抜くか、ドリル穿孔する、レーザ加工する、電子ビームで打ち抜く、またはウォータ・ジェットで切断することができるが、一般に他の技術も可能である。スクリーン自体を様々な材料で、特に耐食性材料、例えばプラスチック、複合材料または1.4462、1.4539または2.4602などの様々な鋼または他の適切な材料で生成することができる。摩耗に対する保護のため、フィルタ・スクリーンには、さらに適切な層を設ける、例えば硬質クロム層、タングステン・カーバイド(WC)、セラミックス、または他の方法で硬化することができる。フィルタ薄板の厚さは、通常、0.2mmから5mmであるが、はるかに異なる薄板厚さも可能である。
【0040】
実際的には、加速プロセス自体または混合物を取り入れ漏斗内で加速することができる回転速度を、直接制御することが非常に重要なことがある。したがって、取り入れ漏斗は、駆動軸線を中心に回転自在に配置し、駆動機構によって駆動軸線を中心に予め設定可能な速度で回転できるようにすることができる。取り入れ漏斗の回転速度を制御および/または調整するため、これは、例えば回転方向に固定した状態で別個のドライブ・アクスルに接続され、スクリーン・ドラムおよび/または前段加速スクリーンとは別個に駆動機構によってドライブ・アクスルを介し、予め設定可能な回転周波数で駆動することができる。前段加速スクリーンの駆動機構に関して既に上述したように、例えば処理すべき混合物、多段プッシャ遠心器の特定の動作パラメータなどに応じて、駆動機構を制御および/または調整するために適切な手段を設けることができる。そのため、本発明による多段プッシャ遠心器は、関連の動作パラメータを測定するために、対応するセンサも含むことができる。
【0041】
例示によって前述した本発明による多段プッシャ遠心器の特に好ましい実施形態の特徴は、要件に応じて任意の所望の方法で有利に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】前段加速スクリーンを有する多段プッシャ遠心器の断面図である。
【図2】2段フィルタを有する図1によるさらなる実施形態である。
【図3】液相を排出するため収集装置を有する図1による別の実施形態である。
【図4】別個に駆動可能な前段加速漏斗を有する多段プッシャ遠心器である。
【図5】取り入れ漏斗を有する多段プッシャ遠心器である。
【図5a】前段加速漏斗の実施形態である。
【図5b】前段加速漏斗のさらなる実施形態である。
【図5c】湾曲した範囲を有する取り入れ漏斗である。
【図5d】図5cによる別の取り入れ漏斗である。
【図6】前置フィルタ・スクリーンを有する図5による実施形態である。
【図6a】回転可能な前段加速スクリーンを有する図6による第2の実施形態である。
【図6b】疑似底部を有する図6aによる第2実施形態である。
【図7】粗いスクリーンおよび細かいスクリーンを有する図6による第2の実施形態である。
【図8】回転駆動機構を有する取り入れ漏斗である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、前段加速スクリーンを有する本発明による多段プッシャ遠心器の第1実施形態の重要な構成要素を略断面図で示す。図面では、明快さを期して、2段プッシャ遠心器のみ例示として概略的に示す。2段プッシャ遠心器の図は例として理解され、説明は当然、3段以上を有するプッシャ遠心器にも当てはまり、それに応じて変形できることが理解される。
【0044】
以下では全体を符号1で示す本発明による多段プッシャ遠心器は、混合物2を固体ケーキ3および液相4に分離する働きをし、重要な構成要素として外部スクリーン・ドラム6を含み、これはドラム・アクスル51を介して回転軸5を中心に回転可能であり、ハウジングGに収容される。ドラム・アクスル51は、ドラム駆動機構に能動的に接続され、したがってスクリーン・ドラム6をドラム駆動機構52によって回転軸5の周囲で高速回転させるよう設定することができる。外部スクリーン・ドラム6の内部に、少なくとも1つのスクリーン段7を配置する。さらに、固体ケーキがプッシャ・ベース装置9によって置換することができるよう、スクリーン段7またはプッシャ・ベース装置9を回転軸5に沿って前後に動作可能であるよう構成した状態で、プッシャ・ベース装置9を有する混合物分配器8をスクリーン・ドラム6内に設ける。外部スクリーン・ドラム6とスクリーン段7は両方ともスクリーン開口61、71を有し、これを通して液相4を既知の方法で、固体ケーキ3または混合物2から高速回転時に発生する遠心力によって排出することができ、混合物は、以下でさらに詳細に説明するように、スクリーン段7の内周表面72に適用することができる。
【0045】
プッシャ・ベース装置9を有する混合物分配器8は、スクリーン・ドラム6内に配置され、これによって混合物2を送り込み装置10から連続的に供給し、固体ケーキ3の変位時に生じる空のスペース11に導入することにより、スクリーン段7の内周表面72に分配することができる。プッシャ・ベース装置9は、前段加速スクリーン12が送り込み装置10に向かう方向でほぼ円錐状に発散するように延在する状態で、前段加速スクリーン12として設計される。前段加速漏斗12は、周囲領域にリング区間92として形成され、したがってスクリーン段7内に付着した固体ケーキ3は、以下でさらに説明するプッシャ・ベース装置9および/またはスクリーン段7の揺動によってリング領域92と共に変位することができ、スクリーン・ドラム6または図示されていないさらなるスクリーン段7へと入る。
【0046】
本発明による多段プッシャ遠心器1にとって、液相4の一部が既に前段加速スクリーン12で混合物2から分離でき、混合物2を前段加速スクリーン12で予め設定可能な回転速度まで前段加速できることが重要である。
【0047】
混合物分配器8は、図1に示す実施形態では、締め付け手段91によってスクリーン・ドラム6にしっかり結合され、したがってスクリーン・ドラム6およびスクリーン段7と同期した状態で回転軸5を中心に回転する。しかし、図1の両矢印によって示す振動運動は、ここで示す例では、スクリーン段7によってのみ実行される。運転状態では、揺動するスクリーン段7とプッシャ・ベース装置9との間に相対的な揺動運動があり、前段加速漏斗12は軸方向に動作不可能である。スクリーン段7の揺動運動は、プッシャ・ロッド21を介して実行することが好ましく、スクリーン段7に付着した固体ケーキ3は、揺動運動の前半期間では、スクリーン段7の揺動運動のストローク長によって決定された幅を有するリング区間内で、外部リング領域を有するスクリーン段7からスクリーン・ドラム6へと押され、揺動運動の後半期間では、スクリーン・ドラム6の外縁に付着した固体ケーキ3のリング区間が、スクリーン段7によってスクリーン・ドラム6から押し出される。揺動運動の後半期間では、空のスペース11がスクリーン段7に同時に発生し、したがって新しい混合物を空のスペース11に導入することができる。
【0048】
本発明による多段プッシャ遠心器1では、液相4の一部が既に前段加速漏斗12内で混合物2から分離でき、混合物2は、送り込み装置10から導入した混合物2が、スクリーン段7に到達するまでに予め設定可能な周速度まで加速できるよう、前段加速漏斗12内で予め設定可能な回転速度まで前段加速できることが重要である。一方では、これにより、混合物2に含まれる液相4の総量を、スクリーン・ドラム6の最高周速度まで加速する必要がない。液相4の一部が、既に前段加速スクリーン12によって分離され、スクリーン開口61、71を通してスクリーン・ドラム6から直接分離できるからである。したがって、液相の含有率が非常に高い混合物を問題なく処理することができる。したがって、液相4の含有率が高くても、特に乾燥すべき混合物2をスクリーン段7またはスクリーン・ドラム6の周囲表面72に均一に分配することが確実となる。混合物2の液相4の含有率が非常に高くても、静止濃縮装置、アーク・スクリーンまたは液体サイクロンなどの事前濾過用の追加的装置は、特に必要ではない。混合物2に含まれる最小の粒子も、事前濾過の効果によって固体ケーキ3からより効果的に分離することもできる。
【0049】
さらに、前段加速漏斗12は、90°より小さい前段加速角度βを有するので、前段加速漏斗12内の混合物2の流速を、スクリーン段7の周囲表面に向かう方向での自由落下速度と比較して、直接設定することができ、したがって混合物2は、外部リング領域92にますます近づくにつれ、スクリーン・ドラム6の半径方向および周方向の両方で、前段加速漏斗12の領域において漸進的に加速することができる。つまり、混合物2が周囲表面72に到達した時に最終的にスクリーン段7の最高回転速度に到達するため、前段加速スクリーン12の領域で、予め設定可能な周速度まで特に穏やかな方法で徐々に加速される。
【0050】
前段加速漏斗12の前段加速角度βの値および以下で説明する取り入れ漏斗16の開口角度αの値は、例えば回転軸5に対して0°と45°の間、個々には0°と10°の間または10°と45°の間、特に25°と45°の間、好ましくは15°と35°の間でよい。特定のケースでは、当然、開口角度αおよび/または前段加速角度βの値が45°より大きいことも可能である。概して、回転軸に対して鋭角であることがより有利であり、対応する開口角度αおよび/または前段加速角度βの最適値は、特に、一般的には、脱水すべき混合物2の静止摩擦角度の値によって決定される。
【0051】
混合物2は、先行技術で知られる多段プッシャ遠心器とは異なり、前段加速スクリーンの領域で突然に、つまり非常に短時間でスクリーン段7の最高回転速度まで加速されることがないので、例えば顆粒の破損および混合物2に対する他の有害な影響を回避することができる。したがって、本発明による多段プッシャ遠心器1では、スクリーン・ドラム6の極めて高い回転速度でも、特に機械的に非常に敏感な物質を処理することができる。
【0052】
図1によるさらなる実施形態が図2に図示され、前段加速スクリーン12は、粗いフィルタ121および細かいフィルタ122を有する2段フィルタとして設計される。これにより、混合物2は、前段加速スクリーン12の領域にて2段階で濾過することができる。第1フィルタ段階は粗いフィルタ121によって形成され、これは混合物に含まれ、粗いフィルタ121のフィルタ開口より大きく、したがって空のスペース11に導入できる粒子を引き留める。細かいフィルタ122は、相応してより細かい粒子を引き留め、これは同様に空のスペース11に供給し、したがって固体ケーキ5に供給することができ、その間に液相4の少なくとも一部分、さらに同様に除去すべき非常に小さい粒子も、スクリーンの目61、71を通してスクリーン・ドラム6から排出することができる。2段スクリーンとしての前段加速スクリーン12の設計は、特に、細かいフィルタ122が、流入する混合物2に含まれた大きい粒子および/または重い粒子によって機械的な力を受けないという利点を有し、したがって細かいフィルタ122は、例えば非常に小さい粒子を濾過する非常に小さい穴を有することができ、特に機械的抵抗力が小さい材料から製造することもできる。
【0053】
実際には、図3で概略的に示すように、スクリーン段7の非常に高速で回転する周囲表面72に到達する前に、液相4の一部を既に除去できるよう、液相4を排出するため、混合物分配器8に収集装置13を設けることが重要である。つまり、液相4のこの部分は、スクリーン段7の最高周速度までもはや加速されず、その結果、エネルギが大量に節約され、構成要素が、特に多段プッシャ遠心器1の回転および/または振動構成要素が楽になる。液相4の含有率が極めて高い混合物2も、これにより問題なく処理することができる。図3に示す実施形態では、前段加速スクリーン12を、2段フィルタとして作成することができ、前段加速スクリーン12で分離した液相4は、図面によると右側へスクリーン・ドラム6の開放側を通って排出することができる。例えば収集装置13が外部リング領域上で図面の右側へ延在する場合、スクリーン段7に入って、前段加速スクリーン12で分離され、収集装置13に入った液相を、例えば図3には図示されていない適切な装置によって吸い出すことができる。
【0054】
本発明による多段プッシャ遠心器1の変形が、別個に駆動可能な前段加速スクリーン12とともに図4に図示される。前段加速スクリーン12は、ここでは、前段加速スクリーン12が回転駆動機構14によって回転アクスル15を中心に予め設定可能な回転速度で回転できるよう設計され、配置される。図4で例示によって図示されているような回転アクスル15は、プッシャ・ロッド21内に配置することができ、これとは別個に回転駆動機構14によって駆動することができる。例えば多段プッシャ遠心器1の適切な運転パラメータに従い、または処理すべき混合物または他の要素に従い、回転駆動機構14を制御および/または調整するために、回転駆動機構14の回転速度を制御および/または調整するためのここには図示されていない適切な手段を設けることができる。
【0055】
前段加速スクリーン12である前段加速漏斗12は、例えば揺動運動の一方向では、反対方向の揺動運動とは異なる回転速度で回転できることが好ましいが、そうである必要はない。したがって、回転周波数は、前段加速漏斗12が外部スクリーン・ドラム6と同期回転するよう、例えば固体ケーキ3の変位に基づいて選択することができ、したがってスクリーン段7の周囲表面72に付着した固体ケーキ3と外部リング領域92とが変位すると、回転軸5を中心に回転に対して相対運動がなく、空のスペース11に新しい混合物2が装填される揺動運動の位相である復帰運動時、前段加速漏斗12は、例えば外部スクリーン・ドラム6よりゆっくり、またはスクリーン段7よりゆっくり回転する。
【0056】
本発明による多段プッシャ遠心器1のさらなる実施形態を図5に示す。この実施形態では、混合物2を前段加速するため、送り込み装置10に取り入れ漏斗16を設ける。混合物2は、送り込み装置10を通って、最初に取り入れ漏斗16に入り、これは混合物分配器8に回転方向を固定して接続され、したがって取り入れ漏斗16は混合物分配器8と同期回転する。取り入れ漏斗16は、ほぼ軸方向に、および前段加速スクリーン12に向かって円錐状に発散して延在し、したがって送り込み装置10を通って供給される混合物2は、取り入れ漏斗16に直接入る。取り入れ漏斗16は、混合物2が取り入れ漏斗16を出たら、前段加速スクリーン12に供給できるよう設計され、配置される。
【0057】
取り入れ漏斗16は、前段加速スクリーン12に向かう方向でほぼ円錐状に発散して延在し、取り入れ漏斗16が同期して回転するので、混合物2は取り入れ漏斗16内で予め設定可能な回転速度まで既に前段加速され、したがって混合物2は、前段加速スクリーン12に入った時、既にスクリーン段7の周方向に特定の速度を有し、したがってスクリーン段7の周囲表面72の最高周速度まで全体としてさらに穏やかに加速することができる。
【0058】
前段加速漏斗12それぞれの1つの実施形態が、図5aおよび図5bで例示により概略的に図示される。両方の図で、個々の前段加速漏斗12は、例示のために図示されている。しかし、参照番号12、16および17は、図2bでは図2bに示した例を示す。というのは、漏斗の幾何学的形状は、取り入れ漏斗16と前段加速漏斗12との両方に関係するからである。
【0059】
図5aは、固体ケーキ3を変位するための外部リング領域92を有する前段加速漏斗12を示す。外部リング領域92は、予め設定可能な高さを有し、これは処理すべき混合物2および/または本発明によるプッシャ遠心器1を運転する運転条件に従い、ドラム半径rの約1%から40%、好ましくは約5%から10%、特にドラム半径rの5%から20%になる。
【0060】
図5bで概略的に示すように、漏斗12、16、17は、混合物2を前段加速する漏斗12、16、17が、相互に対して異なる角度φ1、φ2で傾斜できる複数の部分面を有することができ、部分面の相対的サイズおよびその傾斜角度φ1、φ2が、処理すべき混合物2に依存するか、プッシャ遠心器1の動作パラメータに依存することができる状態で、多段漏斗12、16、17として作成することもできる。図5bによる取り入れ漏斗16と前段加速漏斗12とは両方とも、多段漏斗として作成することができる。
【0061】
特に、これには限らないながら、取り入れ漏斗16を液相4の事前分離用前置フィルタ・スクリーン17として設計する場合、取り入れ漏斗16が湾曲した部分を有し、図5cおよび図5dで概略的に示すように、取り入れ漏斗16の開口角度αが、プッシャ・ベース装置9に向かう方向で大きくなるか、小さくなると、特に有利になり得る。つまり、プッシャ遠心器1の動作状態がその他では等しい場合、例えば粒のサイズおよび/または粘度および/または他の特徴またはパラメータ、例えば混合物2の温度などに応じて、様々な混合物2を異なるレベルで脱水できることが知られている。
【0062】
例えば、任意の動作パラメータにおいて脱水が比較的容易な混合物2がある場合、取り入れ漏斗16または前置フィルタ・スクリーン17は湾曲した範囲を有し、前置フィルタ・スクリーン17の開口角度αがプッシャ・ベース装置9の方向に大きくなると有利なことがある。このような取り入れ漏斗16の特定の実施形態を、図5cで概略的に示す。つまり、取り入れ漏斗16または前置フィルタ・スクリーン17は、プッシャ・ベース装置9に向かう方向でトランペットのホーンのように発散する。したがって、混合物を取り入れ漏斗16から加速する出力駆動力は、プッシャ・ベース装置9への間隔が減少するに従い、不均等に大きくなり、したがって前置フィルタ・スクリーン17で既に比較的高度に脱水可能であり、したがって前置フィルタ・スクリーン17内で低い滑動特性を呈する混合物2は、例えば一定の開口角度αでほぼ円錐形に発散する前置フィルタ・スクリーン17の場合より、迅速に前置フィルタ・スクリーン17を出ることができる。
【0063】
これに対して、任意の動作パラメータでは脱水が比較的困難な混合物2もある。この場合は、湾曲した範囲を有する取り入れ漏斗16または前置フィルタ・スクリーン17を使用することが勧められ、ここで前置フィルタ・スクリーン17の開口角度αは、プッシャ・ベース装置9に向かう方向で小さくなる。その結果、混合物2を取り入れ漏斗16から加速する出力駆動力は、例えば基本的に一定の開口角度αで円錐状に発散する取り入れ漏斗16より、プッシャ・ベース装置9への距離が小さくなるにつれ、増加する速度が遅くなる。これにより、前置フィルタ・スクリーン17では特定の停滞効果が発生し、したがって混合物2は、より長い時間にわたって前置フィルタ・スクリーン17に留まり、したがって既に前置フィルタ・スクリーン17でさらに高度に脱水される。
【0064】
上記と非常に似た方法で、前段加速漏斗12または前段加速スクリーン12は、当然、湾曲した範囲を有することもでき、前段加速漏斗12の前段加速角度βは、送り込み装置10に向かう方向で大きくなるか、小さくなる。
【0065】
図6で示すように、取り入れ漏斗16は、液相4を混合物2から事前分離するため、前置フィルタ・スクリーン17として作成できることが好ましい。前置フィルタ・スクリーン17から分離した液相4を収集し、排出するため、収集手段18を設けることが好ましい。液相4は、例えばプッシャ・ベース装置9の開口を通って、スクリーン段7の領域へと導き、固体ケーキ3から分離して、次にスクリーンの目61、71を通してスクリーン・ドラム6から排出することができるか、または液相は、図3で示した実施形態と同様に、液相のこの部分がもはやスクリーン段7またはスクリーン・ドラム6の周速度まで加速されないよう、スクリーン・ドラムから直接排出することができる。
【0066】
多段プッシャ遠心器1の図6aに示す実施形態では、取り入れ漏斗16は前置フィルタ・スクリーン17として設計され、1つまたは複数の締め付けボルト22スタブ22によってスクリーン・ドラム6に配置される。締め付けスタブ22は、固体ケーキ3が運転状態で問題なくスクリーン段7から、またはスクリーン・ドラム6から除去できるよう、適切な形状のスポーク22、細い棒22またはチューブ22の形態で作成することが好ましい。締め付けスタブ22の少なくとも1本は、スクリーン・ドラム6の外縁に作成されて、配置され、したがって収集手段18に収集された液相4は、締め付けスタブ22を通してスクリーン・ドラム6のスクリーンの目61に移送し、スクリーンの目61を通してスクリーン・ドラム6から分離することができる。締め付けスタブ22自体の適切な位置で液相4を排出するため、当然、開口を設けることもできる。
【0067】
本発明によるプッシャ遠心器1の実施形態に従い、または要求に従って、前置フィルタ・スクリーン17は、当然、1つまたは複数の締め付けスタブ22によってスクリーン段7に配置するか、複数のスクリーン段7または1つのスクリーン段7およびスクリーン・ドラム6に配置することさえでき、対応するドラムは、相互に対して相対的な振動運動を実行しないことが好ましい。
【0068】
前段加速スクリーン12である前段加速漏斗12は、例えばスクリーン段7の振動運動の一方向で、スクリーン段7の反対の振動運動とは異なる回転速度で回転することが好ましいが、そうである必要はない。したがって、前段加速漏斗12の回転周波数は、前段加速漏斗12がスクリーン段7と同期して回転するよう、例えば固体ケーキ3の変位に基づいて選択することができ、したがってスクリーン段7の周囲表面に付着した固体ケーキ3と外部リング領域92とが変位した時に、回転軸5を中心とした回転に対する相対運動はなく、空のスペース11が新しい混合物2で装填された振動運動の位相である復帰運動時には、前段加速漏斗12が、例えばスクリーン段7などよりゆっくりと回転する。
【0069】
最後に、図6bでは、図6aによる実施形態が、疑似底部911とともに概略的に図示され、明快さを期して、前段加速スクリーン12は2段スクリーンとして図示されていない。前段加速スクリーン12と前置フィルタ・スクリーン17は両方とも、当然、1段、2段または多段スクリーンとして作成することもできる。
【0070】
図6bによる実施形態は疑似底部911として設計された外部リング領域92を有し、これは外部スクリーン・ドラム6と同期して回転するが、回転運動に関して前段加速漏斗12から分離され、したがって前段加速スクリーン12である前段加速漏斗12は、疑似底部911とは異なる回転速度で回転軸5を中心に回転可能である。そのため、図6bで概略的に示すように、疑似底部911は、少なくとも1本の締め付け支柱912を介して外部スクリーン・ドラム6に回転方向に固定した状態で接続され、締め付け支柱912は、スクリーン段7に適切に配置された開口70を通して案内され、したがって締め付け支柱912は、スクリーン段7の揺動運動から分離される。図6bによる実施形態は、当然、2段プッシャ遠心器1より多い段階を有するプッシャ遠心器1にも同様に変更することができる。
【0071】
図6bによる変形の利点は明白である。一方で、前段加速漏斗12は、処理すべき混合物2に適合できる回転周波数で外部スクリーン・ドラム6の回転速度とは完全に独立して駆動することができ、他方では、軸方向で固体ケーキ3を運搬する疑似底部911が、スクリーン・ドラム6またはスクリーン段7と同じ回転速度で回転し、したがって疑似底部911とスクリーン段7との間で回転軸5を中心とした回転に対して相対的な運動がない。当然、回転速度は、このケースでは例えば既に上述したようにプッシャ遠心器1の瞬間的運転状態に従い、変動することもできる。
【0072】
図7で例示により示すように、前置フィルタ・スクリーン17は、当然、粗いスクリーン171および細かいスクリーン172を有する2段スクリーンとして設計することもできる。第1フィルタ段階は粗いスクリーン171によって形成され、これは、混合物2に含まれ、粗いスクリーン171のフィルタ開口より大きい粒子を引き留める。細かいスクリーン172は、相応した比較的細かい粒子を引き留め、液相4の少なくとも一部、さらに同様に除去すべき非常に小さい粒子を、スクリーン段7から直接排出することができる。特に2段スクリーンとしての前置フィルタ・スクリーン17の設計は、細かいスクリーン172が、入り込んだ混合物2に含まれる大きいおよび/または重い粒子による非常に重い機械的負荷を受けないという特定の利点を有し、したがって細かいスクリーン172は、例えば非常に小さい粒子を濾過するための非常に小さい穴を有することができ、特に機械的抵抗力が小さい材料で製造することもできる。
【0073】
実際的には、加速プロセス自体または混合物2を取り入れ漏斗内16で加速することができる回転速度を、直接制御することが非常に重要なことがある。これは、例えば図8に示す本発明によるプッシャ遠心器1のさらなる変形で達成することができる。図8による変形では、取り入れ漏斗16は、混合物分配器8から機械的に分離されている。取り入れ漏斗16の回転速度を制御および/または調整するため、これは、別個のドライブ・アクスル19に接続され、スクリーン・ドラム6とは別個に駆動機構20によってドライブ・アクスル19を介し、予め設定可能な回転周波数で駆動することができる。例えば多段プッシャ遠心器1の適切な動作パラメータに従い、駆動機構20を制御および/または調整するためにここでは図示されていない適切な手段を設けることができる。
【0074】
複数の図で概略的に示し、既に説明した変形は、所望に応じて、実際の特定の要求を満足するためさらなる実施形態を形成するよう、相互に組み合わせることもできる。
【0075】
本発明による多段プッシャ遠心器を使用することにより、プッシャ・ベース装置に配置された前段加速スクリーンを通して導入された混合物は、予め設定可能な周速度まで前段加速することができ、したがって混合物は、スクリーン・ドラムへの衝突時に、ゼロに近い周速度から内部スクリーン段の最高周速度まで非常に短時間で加速されることはない。これにより、特に粒の破損を回避することができ、したがって特に、非常に高い品質要求を守りながら、遠心加速度または半径方向の加速度の急変に特に敏感な物質が処理される。
【0076】
異なる好ましい実施形態では、特に、例えば液相の50%または70%または80%または90%以上にも対応するはるかに低い取り入れ濃度も、さらに処理することができる。というのは、混合物に含まれる液相の有意の部分を、既に前段加速スクリーンで分離できるからである。特に、前置フィルタ・スクリーンを追加的に使用することにより、液体を複雑な方法で事前に濃縮する必要なく、液体含有率がほとんど恣意的に大きい混合物を処理することが可能である。したがって、液体含有率が極めて高くても、内部スクリーン段またはスクリーン・ドラムの内周表面全体に、乾燥すべき混合物が均一に分散されることが、常に保証される。スクリーン・ドラムの非常に有害な振動、したがって軸受けおよび駆動機構の早期の摩耗が防止され、運転時の安全性の問題が効果的に防止される。さらに、スクリーン・ドラムの周囲表面に不規則に分布することによる固体ケーキ洗浄時の問題が、大幅に回避される。技術的プロセスの見地や装置の見地両方から非常に複雑な事前脱水システムの使用も、同様に回避され、その結果、当然、運転費が大幅に節約される。
【0077】
前述したフィルタ・システムを使用する場合、混合物とともに供給される液相の総量も、もはやスクリーン・ドラムの最高周速度まで加速する必要がない。これは、本発明による多段プッシャ遠心器のエネルギ消費の観点からは特に極めて好ましく、さらに全体として遠心器の運転挙動に明らかに良好な影響を及ぼす。
【0078】
様々なフィルタ表面の異なる設計を対応させ、別個の駆動機構を有する前段加速漏斗および/または取り入れ漏斗を使用することにより、非常に高い品質基準を維持しながら、スクリーン・ドラムの高い回転速度でも非常に敏感な混合物を処理することさえ可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項1のプリアンブルによる多段プッシャ遠心器に関する。
【背景技術】
【0002】
遠心器は一般に普及し、湿った物質または湿った物質の混合物を乾燥するため、多様な実施形態の非常に多様な分野で使用されている。したがって、例えば不連続で動作するスクレーパ遠心器などの遠心器は、例えば高純度の製薬製品の乾燥に使用することが好ましく、ここでは、特に大量の固体/液体混合物を連続的に分離すべき場合、連続的に動作するプッシャ遠心器を使用すると有利である。要件に応じて、1段または多段プッシャ遠心器、さらに2段プッシャ遠心器を使用する。
【0003】
様々なタイプの最後に挙げたクラスのプッシャ遠心器では、固体/液体混合物、例えば懸濁液または湿性塩または塩混合物を、混合物分配器を介して送り込みチューブを通し、高速回転ドラムに供給する。このドラムはフィルタ・スクリーンとして設計され、したがって液相は作用する遠心力のためにフィルタ・スクリーンを通して分離され、固体ケーキは、ドラム壁の内部で分離される。同期した同時回転のほぼ円盤形プッシャ・ベースを、回転ドラム内に配置し、スクリーンの段数に応じて、プッシャ・ベースまたはスクリーン段がドラムの軸方向で特定振幅で振動し、したがって乾燥した固体ケーキの一部がドラムの端部から押し出される。プッシャ・ベースが反対方向に動作すると、プッシャ・ベースに隣接するドラムの領域が解放され、これは次に取り入れチューブを通して混合物分配器を介し新しい混合物を装填することができる。使用するタイプに応じて、現代的な高性能のプッシャ遠心器で、毎時100トンのオーダーのスループット量を達成することができ、ドラム直径は最大1000mm以上が非常に一般的であり、ドラム直径に応じて、毎分2,000回転までおよびそれ以上のドラムの典型的回転周波数を達成することができる。発生する強力な遠心力のため、概してドラム直径が大きいほど、ドラムの最大回転周波数が小さくなる。ドラムの回転周波数、単位時間当たりの混合物供給量、またはドラム直径または使用するプッシャ遠心器のタイプなどの使用パラメータも、乾燥する材料、液体の含有量などに依存するものとなる。
【0004】
先行技術から知られる多段プッシャ遠心器は、概して、連続的に動作するフィルタ遠心器である。多段フィルタ遠心器は、外部スクリーン・ドラムと、外部スクリーン・ドラム内に配置され、同様にスクリーン・ドラムとして設計された少なくとも1つのスクリーン段とで構成される。複数のスクリーン段を、同心円状に次々と配置することができ、したがって全てのスクリーン段を、結合回転軸を中心に同期して非常に高速で駆動する2段、3段および多段プッシャ遠心器を実現することができる。運転状態では、分離すべき固体/液体混合物が、固定した直立取り入れチューブを通して混合物分配器に入る。この分配器は最も内側のスクリーン段に配置され、同様に同期状態で回転し、スクリーンの全周にわたって最も内側のスクリーン段に混合物を均一に分布する。
【0005】
2段プッシャ遠心器では、第1段すなわち最内段が、回転軸を中心とする回転運動に加えて、回転軸の方向での振動運動も実行する。この振動運動は、例えば反転機構を有するプッシャ・ピストンを介して油圧力で発生する。固体ケーキは、これによって第1段から、振動のストローク長に対応するリング区間の第2段へと押され、最終的に排出開口を介してプッシャ遠心器を出る。実際には、固体ケーキは、洗浄液を固体ケーキ上に供給しながら、スクリーン・ドラム内で連続的に洗浄する。
【0006】
前述した原理に従い作業する既知の2段プッシャ遠心器は、例えばドイツ特許第2542916A1号で詳細に説明されている。2段および多段プッシャ遠心器では、第1段、つまり最内スクリーン段が、混合物の事前脱水のために、さらに固体ケーキの形成のために働き、外部スクリーン・ドラムは主に乾燥段として働く。事前脱水は、第1スクリーン段によって可能であるので、多段プッシャ遠心器では遙かに高い液体吸収能力が達成され、したがって取り入れ濃度が比較的低い、つまり液体含有率が比較的高い混合物を処理することができる。
【0007】
特殊な用途分野では、2段および多段プッシャ遠心器の特殊なタイプが知られ、特に石炭や生燐酸塩などの摩耗作用が大きい遠心器商品で知られ、これは耐摩耗性スクリーンなどの特殊な摩耗保護措置が必要である。集中的洗浄プロセスおよびニトロセルロースの逆流洗浄実行のための特殊設計も、先行技術から知られている。気体不透過性タイプの多段プッシャ遠心器は、不活性ガス雰囲気中での運転に使用されている。
【0008】
上記で簡単に概要したような多段プッシャ遠心器は、非常に多様な変形の特殊用途についても長年よく知られてきたが、既知の多段プッシャ遠心器は、それでも様々な重大な欠点を呈する。既知の多段プッシャ遠心器では、通常の1段プッシャ遠心器より、低い取り入れ濃度、つまり液体含有率が高い混合物をよく処理することができても、処理すべき混合物の取り入れ濃度は、所望の低い程度を有するとは限らない。つまり混合物中の液体のシェアが高すぎる、例えば50%または70%または80%または90%以上もの液相がある場合、混合物は、多少複雑なプロセスで事前に濃縮しなければならない。液体含有率が高すぎる場合は、スクリーン・ドラムの周囲で乾燥すべき混合物の均一な分布が、ますます困難になる。その結果、一方では、スクリーン・ドラムにとって極めて有害な振動を生じ、したがって軸受けおよび駆動機構に早すぎる摩耗が生じることがあり、最悪の場合は、運転に安全問題を引き起こすことさえある。他方で、スクリーン・ドラムの周囲にわたって不均一に分布する固体材料ケーキは、洗浄中に問題を引き起こすことがある。したがって、静止濃縮装置、湾曲したスクリーンまたは周知の液体サイクロンを例えば脱水に使用している。このような事前乾燥システムを使用すると、技術的プロセスの観点からも、必要な装置の観点からも非常に複雑になり、したがって費用がかかることになる。
【0009】
送り込み濃度が比較的低い混合物の処理におけるさらなる重大な欠点は、実際的に、混合物と一緒に送り込まれる液体の総量を、これがスクリーン・ドラムのフィルタ・スクリーンを通して分離される前に、最大周速度まで加速しなければならないことである。同じことが、スクリーンを通して固体材料ケーキから同様に分離すべき混合物の最小粒子にも当てはまる。これは、エネルギの観点から極めて望ましくなく、遠心器の動作挙動に明らかにマイナスの影響を及ぼす。
【0010】
固体濃度が非常に高い混合物の処理においてさえ、先行技術で知られている遠心器には大きい欠点を呈するものがある。例えば、取り入れチューブを通して混合物分配器に導入される混合物は、スクリーン・ドラムに衝突すると、非常に短時間でドラムの最高周速度まで加速される。その結果、特に敏感な物質の場合、これが特に顆粒の破損を引き起こすことがある。つまり、例えば遠心器に供給されている懸濁液中に分布している固体顆粒が、突然の加速プロセス中に、制御されない方法で破裂して、より小さい部片になり、これは例えば最終生成物内にある顆粒の粒子サイズが重要な場合、生成された固体材料ケーキの品質にマイナスの影響を及ぼすことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】ドイツ特許第2542916A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、先行技術で知られている欠点をおおむね回避する改良型の多段プッシャ遠心器を提案することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
これらの目的を満足する本発明の主題は、独立請求項1に記載の特徴を有する。
個々の従属請求項は、本発明の特に有利な特殊実施形態に関する。
【0014】
本発明によると、多段プッシャ遠心器は、混合物を固体ケーキと液相に分離するために設ける。多段プッシャ遠心器は、回転軸を中心に回転可能なスクリーン・ドラム、および外部スクリーン・ドラム内に配置された少なくとも1つのスクリーン段、スクリーン・ドラム内に配置されてプッシャ・ベース装置を有する混合物分配器を含み、スクリーン段またはプッシャ・ベースは、プッシャ・ベース装置を使用して固体ケーキを変位できるよう、回転軸に沿って前後に動作可能であるようにされている。多段プッシャ遠心器はさらに送り込み装置を含み、これによって混合物は、混合物分配器を介して、固体ケーキがプッシャ・ベース装置に置換された場合に発生する空のスペースに導入することができ、プッシャ・ベース装置は、送り込み装置に向かう方向にほぼ発散する状態で延在する前段加速漏斗を含み、前段加速漏斗は前段加速スクリーンとして設計される。
【0015】
本発明による多段プッシャ遠心器が、プッシャ・ベース装置に配置された前段加速スクリーンを有するので、供給される混合物に含まれる液相の総量を、スクリーン・ドラムの最高周速度まで加速する必要がない。液相の一部が、前段加速スクリーンを介して既に分離され、スクリーン・ドラムから除去できるからである。したがって、液体含有率が非常に高い混合物を、問題なく処理することもできる。特に、スクリーン・ドラムのスクリーン段の周囲表面上に乾燥すべき混合物を均一に分配することが、高い液体含有率でも常に保証される。
【0016】
さらに、前段加速スクリーンとして設計された前段加速漏斗により、送り込み装置を通して混合物分配器に直接導入される混合物が、重力の影響で、前段加速することなく、スクリーン段の内周表面にそのまま入ることが防止される。入ってくる混合物は、むしろ減速した状態でスクリーン・ドラムの周速度まで加速され、それにより特に顆粒が破損すること、および先行技術で知られる多段プッシャ遠心器で突然の加速中に発生するような他の有害な影響を回避することができる。したがって、混合物に含まれる固体材料顆粒の破裂は、本発明による多段プッシャ遠心器で回避することができる。というのは、加速プロセスが、前段加速漏斗の予め設定可能な前段加速角度を介して制御できるからである。つまり、加速自体を、前段加速漏斗の前段加速角度の適切な選択によって設定することができる。生成される固体ケーキの品質を、特に例えば最終生成物の顆粒の粒子サイズまたは形状が重要である生成物の場合は、大幅に向上させることができる
【0017】
多段遠心器の重要な構成要素および基本的機能は、先行技術から知られ、したがって以下では、本発明の中心となる特徴に主に言及することができる。
【0018】
本発明による多段プッシャ遠心器は、混合物を固体ケーキと液相に分離するよう働き、具体的構成要素として外部スクリーン・ドラムを含み、これはドラム・アクスルを介して回転軸を中心に回転可能であり、ハウジングに収容される。ドラム・アクスルは、積極的にドラム駆動機構と接続され、したがってスクリーン・ドラムは、ドラム駆動機構によって回転軸を中心に急速回転するよう設定することができる。外部スクリーン・ドラムの内側には、少なくとも1つのスクリーン段が配置される。さらに、プッシャ・ベース装置を有する混合物分配器をスクリーン・ドラム内に設け、スクリーン段および/またはプッシャ・ベース装置は、回転軸に沿って前後に動作可能な状態で配置され、したがって固体ケーキはプッシャ・ベース装置によって変位可能である。外部スクリーン・ドラムとスクリーン段との両方がスクリーンの目を有し、これを通して、高速回転時に既知の方法で発生する遠心力により、固体ケーキまたは混合物から液相を外側へと排出することができ、前記混合物は、スクリーン段の内周表面に付着させることができる。特に、実際面で特に重要な例では、スクリーン・ドラムおよび/またはスクリーン段を、本質的に既知の方法で、スケルトン様支持ドラムとして設計することができ、これは、対応するスクリーン区域を形成するため、周囲を特殊フィルタ箔で裏打ちする。つまり、スケルトン様支持ドラムは、液相を分離するために異なるサイズまたは等しいサイズのフィルタ開口を有する1つまたは複数のフィルタ・スクリーンで作成することができる。
【0019】
プッシャ・ベース装置を有する混合物分配器を、スクリーン・ドラムの内側に配置し、これにより送り込み装置を通して連続的に供給される混合物を、固体ケーキの変位時に生ずる空のスペースに導入することにより、スクリーン段の内周表面に分配することができる。プッシャ・ベース装置は、本発明による前段加速スクリーンとして設計された前段加速漏斗を含み、前段加速スクリーンは、送り込み装置に向かう方向にほぼ発散する状態で延在する。前段加速漏斗は、周囲領域にリング領域として設計され、したがってスクリーン段に蓄積した固体ケーキは、プッシャ・ベース装置またはスクリーン段の振動によってリング領域へ変位可能であり、スクリーン・ドラムまたはさらなるスクリーン段に入る。
【0020】
混合物分配器は、本質的に既知の方法で締め付け手段によりスクリーン・ドラムに結合し、したがって特定の実施形態では、共通の回転軸を中心にスクリーン・ドラムおよびスクリーン段と同期して回転することが好ましい。振動運動は、存在するスクリーン段の数に応じて、スクリーン段自体によって、またはプッシャ・ベース装置によって実行される。したがって、スクリーン段と運転状態の前段加速漏斗を有するプッシャ・ベース装置との間に相対的な振動運動がある。振動運動は、プッシャ・ロッドを介して駆動することが好ましく、振動運動の前半期間では、スクリーン段に蓄積した固体ケーキがリング区間に押し込められ、その幅は、振動運動のストローク長によって、振動運動の前半期間はスクリーン段からスクリーン・ドラムまで、または外部リング領域を有するさらなるスクリーン・ドラムまで決定され、振動運動の後半期間では、スクリーン・ドラムの外縁に付着した固体ケーキのリング区間がスクリーン・ドラムから押し出される。振動運動の後半期間では、スクリーン段の外部リング領域に空のスペースが同時に生じ、したがって新しい混合物を空のスペースに導入することができる。
【0021】
本発明による多段プッシャ遠心器では、液相の一部が前段加速スクリーンで既に混合物から分離することができ、送り込み装置から導入された混合物がスクリーン段の周囲表面に到達する前に、これを予め設定可能な周速度まで加速できるよう、混合物は、前段加速スクリーン内で予め設定可能な回転速度まで前段加速できることが重要である。一方で、液体含有率が非常に高い混合物も問題なく処理できるよう、これによって混合物に含まれる液相の総量を、スクリーン・ドラムの最高周速度まで加速する必要がない。混合物の液相の濃度が非常に高い場合でも、静止濃縮装置、アーク・スクリーンまたは液体サイクロンなどの事前脱水用追加装置は、特に必要ない。
【0022】
他方で、前段加速漏斗は、回転軸に対して90°より小さい開口角度を有するので、混合物が、スクリーン・ドラムの半径方向でも周方向でも、外部リング領域に近づくにつれ、前段加速漏斗の領域内で漸進的に加速できるよう、前段加速漏斗内での混合物の流速を、スクリーン段の周囲表面に向かう方向での自由落下速度と比較して、直接設定することができる。つまり、混合物は、周囲表面に到達する際に、最終的にスクリーン段の最高回転速度に到達するため、前段加速漏斗の領域内で予め設定可能な周速度まで、特に穏やかな方法で漸進的に加速される。
【0023】
以下で機能がさらに詳細に説明される取り入れ漏斗と、前段加速漏斗とは両方とも、ほぼ一定の前段加速角度または一定の前段加速角度でプッシャ・ベース装置に向かう方向、または送り込み装置に向かう方向に円錐状に発散する状態にて、予め設定可能な領域内を延在することが好ましい。
【0024】
しかし特定の用途では、例えば脱水すべき混合物の特性に関係なく、取り入れ漏斗および/または前段加速漏斗が、予め設定可能な領域に湾曲した範囲を有することもでき、取り入れ漏斗の開口角度および/または前段加速漏斗の前段加速角度は、プッシャ・ベース装置に向かう方法で大きくなるか、小さくなる。これは、以下でさらに正確に説明するように、取り入れ漏斗または前段加速漏斗を前置きフィルタ・スクリーンとして、または液相の事前分離用前段加速スクリーンとして形成する場合に、特に有利になり得る。
【0025】
特定の実施形態では、前段加速スクリーンは、粗いフィルタおよび細かいフィルタを有する2段フィルタとして設計される。これにより、混合物は、前段加速スクリーンの領域内にて2段階で濾過することができる。特に、2段フィルタとしての前段加速スクリーンの設計は、細かいフィルタが、入り込んだ混合物に含まれる大きいおよび/または重い粒子による非常に重い機械的負荷を受けないという特定の利点を有し、したがって細かいフィルタは、例えば非常に小さい粒子を濾過するための非常に小さい穴を有することができ、特に機械的抵抗力が小さい材料で製造することもできる。
【0026】
実際的には、スクリーン段の非常に高速で回転する周囲表面に到達する前に、液相の一部をあらかじめ除去することができるよう、液相を排出するため、混合物分配器に収集装置を設けることが特に重要である。つまり、この液相の部分は、もはやスクリーン段の最高周速度まで加速することがなく、その結果、エネルギが大量に節約され、構成要素が、特に多段プッシャ遠心器の回転および/または振動構成要素を省略できる。液体含有率が極めて高い混合物も、これにより問題なく処理することができる。
【0027】
本発明による多段プッシャ遠心器のさらなる実施形態では、前段加速スクリーンは、前段加速スクリーンが、スクリーン・ドラムの回転速度に関係なく、回転駆動機構によって回転軸を中心に予め設定可能な回転速度で回転できるよう設計され、配置される。例えば、多段プッシャ遠心器の適切な運転パラメータに従い、回転駆動機構を制御および/または調整するため、回転駆動機構の回転速度の制御および/または調整をするコンピュータ補助電子システムの形態などで、適切な手段を設けることが好ましい。
【0028】
本発明による多段プッシャ遠心器の別の好ましい実施形態では、入る混合物の前段加速のため、送り込み装置に取り入れ漏斗を追加的に設ける。混合物は、最初に送り込み装置を通って移動して、取り入れ漏斗に入り、これは一つの実施形態では、必ずではないが回転方向に固定して混合物分配器に接続され、したがって取り入れ漏斗は混合物分配器と同期状態で回転する。取り入れ漏斗は、前段加速スクリーンに向かうほぼ軸方向の方向に発散状態で延在し、したがって送り込み装置を通って供給される混合物は、取り入れ漏斗に直接入る。取り入れ漏斗は、混合物が取り入れ漏斗を出たら、前段加速スクリーンに供給できるよう、設計され、配置される。
【0029】
取り入れ漏斗の配置構成および設計のため、混合物は取り入れ漏斗内で既に予め設定可能な回転速度まで前段加速され、したがって混合物は、前段加速スクリーンに入る時、既にスクリーン段の周方向に特定の速度を有し、したがってスクリーン段の周囲表面の最大周速度までさらに全体的にスムースに加速することができる。
【0030】
取り入れ漏斗は、混合物から液相を事前分離するため、前置フィルタ・スクリーンとしても作成できることが好ましい。前置フィルタ・スクリーンによって分離された液相の収集および排出のため、収集手段を設けることが好ましい。
【0031】
取り入れ漏斗の開口角度の値および/または回転軸に対する前段加速漏斗の前段加速角度の値は、例えば0°と45°の間、個々には0°と10°の間または10°と45°の間、特に25°と45°の間、好ましくは15°と35°の間でよい。特定のケースでは、当然、開口角度および/または前段加速角度の値が45°より大きいことも可能である。概して、回転軸に対して鋭角であることがより有利であり、対応する開口角度および/または前段加速角度の最適値は、特に、脱水すべき生成物の静止摩擦角度の値によって決定されると、非常に一般的には言うことができる。
【0032】
特に、取り入れ漏斗を液相の事前分離用前置フィルタ・スクリーンとして作成する場合だけでなく、取り入れ漏斗が湾曲した範囲を有し、取り入れ漏斗の開口角度が、プッシャ・ベース装置に向かう方向で大きくなるか、小さくなると特に有利になり得る。つまり、プッシャ遠心器の動作状態がその他では等しい場合、例えば粒のサイズおよび/または粘度および/または他の特徴またはパラメータ、例えば混合物の温度などに応じて、様々な生成物を異なるレベルで脱水できることが知られている。
【0033】
例えば、任意の動作パラメータにおいて脱水が比較的容易な混合物がある場合、取り入れ漏斗または前置フィルタ・スクリーンは湾曲した形状を有し、前置フィルタ・スクリーンの開口角度がプッシャ・ベース装置の方向に大きくなると有利なことがある。つまり、取り入れ漏斗または前置フィルタ・スクリーンは、プッシャ・ベース装置に向かう方向でトランペットのホーンのように発散する。したがって、混合物を取り入れ漏斗から加速する駆動力は減少し、したがって前置きフィルタ・スクリーン内で既に比較的高度に脱水可能で、したがって前置フィルタ・スクリーン内で低い滑動特性を呈する混合物は、例えば一定の開口角度でほぼ円錐形に発散する前置フィルタ・スクリーンの場合より、迅速に前置フィルタ・スクリーンを出ることができる。
【0034】
これに対して、任意の動作パラメータでは脱水が比較的困難な混合物もある。この場合は、湾曲した形状の取り入れ漏斗または前置フィルタ・スクリーンを使用することが勧められ、ここで前置フィルタ・スクリーンの開口角度は、プッシャ・ベース装置の方向で小さくなる。その結果、混合物を取り入れ漏斗から加速する駆動力は、例えば基本的に一定の開口角度で円錐状に発散する取り入れ漏斗に比べて、プッシャ・ベース装置からの距離が小さくなるにつれ、増加する速度が遅くなる。これにより、前置フィルタ・スクリーンでは特定の停滞効果が発生し、したがって混合物は、より長い時間にわたって前置フィルタ・スクリーンに留まり、したがって既に前置フィルタ・スクリーンでさらに高度に脱水することができる。
【0035】
上記と非常に似た方法で、前段加速漏斗は、当然、湾曲した形状を有することもでき、前段加速漏斗の前段加速角度は、送り込み装置に向かう方向で大きくなるか、小さくなる。
【0036】
湾曲した取り入れ漏斗およびその機能に関して前述した利点は、湾曲した前段加速漏斗にも同様であることは、当業者に自明であり、したがってここでは繰り返す必要がない。
【0037】
さらに、特定の実施形態では、前置フィルタ・スクリーンは当然、粗いスクリーンおよび細かいスクリーンを有する2段スクリーンとしても設計することができる。利点は明白である。第1フィルタ段階は粗いスクリーンによって形成され、これは、混合物に含まれ、粗いスクリーンのフィルタ開口より大きい粒子を引き留める。細かいスクリーンは、相応した比較的細かい粒子を保持し、液相の少なくとも一部、さらに同様に除去すべき非常に小さい粒子を、スクリーン段から直接排出することができる。特に2段スクリーンとしての前置フィルタ・スクリーンの設計は、細かいスクリーンが、入り込んだ混合物に含まれる大きいおよび/または重い粒子による非常に重い機械的負荷を受けないという特定の利点を有し、したがって細かいスクリーンは、例えば非常に小さい粒子を濾過するための非常に小さい穴を有することができ、特に機械的抵抗力が小さい材料で製造することもできる。
【0038】
特に、実際的に特に重要な実施形態では、取り入れ漏斗および/または前段加速漏斗を、前置フィルタ・スクリーンおよび/または前段加速スクリーンを形成するために特殊フィルタ箔を装着することができるスケルトン様支持体として設計することができる。つまり、スケルトン様支持体に、例えば異なる段階で分離するために異なるサイズのフィルタ開口を有することができる1つまたは複数のフィルタ・スクリーンを装備することができる。
【0039】
分離スクリーンまたは例えば薄板スクリーンを、特に通常はフィルタ・スクリーンとして使用することができる。フィルタ・スクリーンは、様々なサイズのフィルタ開口を付け、様々な方法で設けることができるので有利である。特に、前述した薄板スクリーンは、特に打ち抜くか、ドリル穿孔する、レーザ加工する、電子ビームで打ち抜く、またはウォータ・ジェットで切断することができるが、一般に他の技術も可能である。スクリーン自体を様々な材料で、特に耐食性材料、例えばプラスチック、複合材料または1.4462、1.4539または2.4602などの様々な鋼または他の適切な材料で生成することができる。摩耗に対する保護のため、フィルタ・スクリーンには、さらに適切な層を設ける、例えば硬質クロム層、タングステン・カーバイド(WC)、セラミックス、または他の方法で硬化することができる。フィルタ薄板の厚さは、通常、0.2mmから5mmであるが、はるかに異なる薄板厚さも可能である。
【0040】
実際的には、加速プロセス自体または混合物を取り入れ漏斗内で加速することができる回転速度を、直接制御することが非常に重要なことがある。したがって、取り入れ漏斗は、駆動軸線を中心に回転自在に配置し、駆動機構によって駆動軸線を中心に予め設定可能な速度で回転できるようにすることができる。取り入れ漏斗の回転速度を制御および/または調整するため、これは、例えば回転方向に固定した状態で別個のドライブ・アクスルに接続され、スクリーン・ドラムおよび/または前段加速スクリーンとは別個に駆動機構によってドライブ・アクスルを介し、予め設定可能な回転周波数で駆動することができる。前段加速スクリーンの駆動機構に関して既に上述したように、例えば処理すべき混合物、多段プッシャ遠心器の特定の動作パラメータなどに応じて、駆動機構を制御および/または調整するために適切な手段を設けることができる。そのため、本発明による多段プッシャ遠心器は、関連の動作パラメータを測定するために、対応するセンサも含むことができる。
【0041】
例示によって前述した本発明による多段プッシャ遠心器の特に好ましい実施形態の特徴は、要件に応じて任意の所望の方法で有利に組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】前段加速スクリーンを有する多段プッシャ遠心器の断面図である。
【図2】2段フィルタを有する図1によるさらなる実施形態である。
【図3】液相を排出するため収集装置を有する図1による別の実施形態である。
【図4】別個に駆動可能な前段加速漏斗を有する多段プッシャ遠心器である。
【図5】取り入れ漏斗を有する多段プッシャ遠心器である。
【図5a】前段加速漏斗の実施形態である。
【図5b】前段加速漏斗のさらなる実施形態である。
【図5c】湾曲した範囲を有する取り入れ漏斗である。
【図5d】図5cによる別の取り入れ漏斗である。
【図6】前置フィルタ・スクリーンを有する図5による実施形態である。
【図6a】回転可能な前段加速スクリーンを有する図6による第2の実施形態である。
【図6b】疑似底部を有する図6aによる第2実施形態である。
【図7】粗いスクリーンおよび細かいスクリーンを有する図6による第2の実施形態である。
【図8】回転駆動機構を有する取り入れ漏斗である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、前段加速スクリーンを有する本発明による多段プッシャ遠心器の第1実施形態の重要な構成要素を略断面図で示す。図面では、明快さを期して、2段プッシャ遠心器のみ例示として概略的に示す。2段プッシャ遠心器の図は例として理解され、説明は当然、3段以上を有するプッシャ遠心器にも当てはまり、それに応じて変形できることが理解される。
【0044】
以下では全体を符号1で示す本発明による多段プッシャ遠心器は、混合物2を固体ケーキ3および液相4に分離する働きをし、重要な構成要素として外部スクリーン・ドラム6を含み、これはドラム・アクスル51を介して回転軸5を中心に回転可能であり、ハウジングGに収容される。ドラム・アクスル51は、ドラム駆動機構に能動的に接続され、したがってスクリーン・ドラム6をドラム駆動機構52によって回転軸5の周囲で高速回転させるよう設定することができる。外部スクリーン・ドラム6の内部に、少なくとも1つのスクリーン段7を配置する。さらに、固体ケーキがプッシャ・ベース装置9によって置換することができるよう、スクリーン段7またはプッシャ・ベース装置9を回転軸5に沿って前後に動作可能であるよう構成した状態で、プッシャ・ベース装置9を有する混合物分配器8をスクリーン・ドラム6内に設ける。外部スクリーン・ドラム6とスクリーン段7は両方ともスクリーン開口61、71を有し、これを通して液相4を既知の方法で、固体ケーキ3または混合物2から高速回転時に発生する遠心力によって排出することができ、混合物は、以下でさらに詳細に説明するように、スクリーン段7の内周表面72に適用することができる。
【0045】
プッシャ・ベース装置9を有する混合物分配器8は、スクリーン・ドラム6内に配置され、これによって混合物2を送り込み装置10から連続的に供給し、固体ケーキ3の変位時に生じる空のスペース11に導入することにより、スクリーン段7の内周表面72に分配することができる。プッシャ・ベース装置9は、前段加速スクリーン12が送り込み装置10に向かう方向でほぼ円錐状に発散するように延在する状態で、前段加速スクリーン12として設計される。前段加速漏斗12は、周囲領域にリング区間92として形成され、したがってスクリーン段7内に付着した固体ケーキ3は、以下でさらに説明するプッシャ・ベース装置9および/またはスクリーン段7の揺動によってリング領域92と共に変位することができ、スクリーン・ドラム6または図示されていないさらなるスクリーン段7へと入る。
【0046】
本発明による多段プッシャ遠心器1にとって、液相4の一部が既に前段加速スクリーン12で混合物2から分離でき、混合物2を前段加速スクリーン12で予め設定可能な回転速度まで前段加速できることが重要である。
【0047】
混合物分配器8は、図1に示す実施形態では、締め付け手段91によってスクリーン・ドラム6にしっかり結合され、したがってスクリーン・ドラム6およびスクリーン段7と同期した状態で回転軸5を中心に回転する。しかし、図1の両矢印によって示す振動運動は、ここで示す例では、スクリーン段7によってのみ実行される。運転状態では、揺動するスクリーン段7とプッシャ・ベース装置9との間に相対的な揺動運動があり、前段加速漏斗12は軸方向に動作不可能である。スクリーン段7の揺動運動は、プッシャ・ロッド21を介して実行することが好ましく、スクリーン段7に付着した固体ケーキ3は、揺動運動の前半期間では、スクリーン段7の揺動運動のストローク長によって決定された幅を有するリング区間内で、外部リング領域を有するスクリーン段7からスクリーン・ドラム6へと押され、揺動運動の後半期間では、スクリーン・ドラム6の外縁に付着した固体ケーキ3のリング区間が、スクリーン段7によってスクリーン・ドラム6から押し出される。揺動運動の後半期間では、空のスペース11がスクリーン段7に同時に発生し、したがって新しい混合物を空のスペース11に導入することができる。
【0048】
本発明による多段プッシャ遠心器1では、液相4の一部が既に前段加速漏斗12内で混合物2から分離でき、混合物2は、送り込み装置10から導入した混合物2が、スクリーン段7に到達するまでに予め設定可能な周速度まで加速できるよう、前段加速漏斗12内で予め設定可能な回転速度まで前段加速できることが重要である。一方では、これにより、混合物2に含まれる液相4の総量を、スクリーン・ドラム6の最高周速度まで加速する必要がない。液相4の一部が、既に前段加速スクリーン12によって分離され、スクリーン開口61、71を通してスクリーン・ドラム6から直接分離できるからである。したがって、液相の含有率が非常に高い混合物を問題なく処理することができる。したがって、液相4の含有率が高くても、特に乾燥すべき混合物2をスクリーン段7またはスクリーン・ドラム6の周囲表面72に均一に分配することが確実となる。混合物2の液相4の含有率が非常に高くても、静止濃縮装置、アーク・スクリーンまたは液体サイクロンなどの事前濾過用の追加的装置は、特に必要ではない。混合物2に含まれる最小の粒子も、事前濾過の効果によって固体ケーキ3からより効果的に分離することもできる。
【0049】
さらに、前段加速漏斗12は、90°より小さい前段加速角度βを有するので、前段加速漏斗12内の混合物2の流速を、スクリーン段7の周囲表面に向かう方向での自由落下速度と比較して、直接設定することができ、したがって混合物2は、外部リング領域92にますます近づくにつれ、スクリーン・ドラム6の半径方向および周方向の両方で、前段加速漏斗12の領域において漸進的に加速することができる。つまり、混合物2が周囲表面72に到達した時に最終的にスクリーン段7の最高回転速度に到達するため、前段加速スクリーン12の領域で、予め設定可能な周速度まで特に穏やかな方法で徐々に加速される。
【0050】
前段加速漏斗12の前段加速角度βの値および以下で説明する取り入れ漏斗16の開口角度αの値は、例えば回転軸5に対して0°と45°の間、個々には0°と10°の間または10°と45°の間、特に25°と45°の間、好ましくは15°と35°の間でよい。特定のケースでは、当然、開口角度αおよび/または前段加速角度βの値が45°より大きいことも可能である。概して、回転軸に対して鋭角であることがより有利であり、対応する開口角度αおよび/または前段加速角度βの最適値は、特に、一般的には、脱水すべき混合物2の静止摩擦角度の値によって決定される。
【0051】
混合物2は、先行技術で知られる多段プッシャ遠心器とは異なり、前段加速スクリーンの領域で突然に、つまり非常に短時間でスクリーン段7の最高回転速度まで加速されることがないので、例えば顆粒の破損および混合物2に対する他の有害な影響を回避することができる。したがって、本発明による多段プッシャ遠心器1では、スクリーン・ドラム6の極めて高い回転速度でも、特に機械的に非常に敏感な物質を処理することができる。
【0052】
図1によるさらなる実施形態が図2に図示され、前段加速スクリーン12は、粗いフィルタ121および細かいフィルタ122を有する2段フィルタとして設計される。これにより、混合物2は、前段加速スクリーン12の領域にて2段階で濾過することができる。第1フィルタ段階は粗いフィルタ121によって形成され、これは混合物に含まれ、粗いフィルタ121のフィルタ開口より大きく、したがって空のスペース11に導入できる粒子を引き留める。細かいフィルタ122は、相応してより細かい粒子を引き留め、これは同様に空のスペース11に供給し、したがって固体ケーキ5に供給することができ、その間に液相4の少なくとも一部分、さらに同様に除去すべき非常に小さい粒子も、スクリーンの目61、71を通してスクリーン・ドラム6から排出することができる。2段スクリーンとしての前段加速スクリーン12の設計は、特に、細かいフィルタ122が、流入する混合物2に含まれた大きい粒子および/または重い粒子によって機械的な力を受けないという利点を有し、したがって細かいフィルタ122は、例えば非常に小さい粒子を濾過する非常に小さい穴を有することができ、特に機械的抵抗力が小さい材料から製造することもできる。
【0053】
実際には、図3で概略的に示すように、スクリーン段7の非常に高速で回転する周囲表面72に到達する前に、液相4の一部を既に除去できるよう、液相4を排出するため、混合物分配器8に収集装置13を設けることが重要である。つまり、液相4のこの部分は、スクリーン段7の最高周速度までもはや加速されず、その結果、エネルギが大量に節約され、構成要素が、特に多段プッシャ遠心器1の回転および/または振動構成要素が楽になる。液相4の含有率が極めて高い混合物2も、これにより問題なく処理することができる。図3に示す実施形態では、前段加速スクリーン12を、2段フィルタとして作成することができ、前段加速スクリーン12で分離した液相4は、図面によると右側へスクリーン・ドラム6の開放側を通って排出することができる。例えば収集装置13が外部リング領域上で図面の右側へ延在する場合、スクリーン段7に入って、前段加速スクリーン12で分離され、収集装置13に入った液相を、例えば図3には図示されていない適切な装置によって吸い出すことができる。
【0054】
本発明による多段プッシャ遠心器1の変形が、別個に駆動可能な前段加速スクリーン12とともに図4に図示される。前段加速スクリーン12は、ここでは、前段加速スクリーン12が回転駆動機構14によって回転アクスル15を中心に予め設定可能な回転速度で回転できるよう設計され、配置される。図4で例示によって図示されているような回転アクスル15は、プッシャ・ロッド21内に配置することができ、これとは別個に回転駆動機構14によって駆動することができる。例えば多段プッシャ遠心器1の適切な運転パラメータに従い、または処理すべき混合物または他の要素に従い、回転駆動機構14を制御および/または調整するために、回転駆動機構14の回転速度を制御および/または調整するためのここには図示されていない適切な手段を設けることができる。
【0055】
前段加速スクリーン12である前段加速漏斗12は、例えば揺動運動の一方向では、反対方向の揺動運動とは異なる回転速度で回転できることが好ましいが、そうである必要はない。したがって、回転周波数は、前段加速漏斗12が外部スクリーン・ドラム6と同期回転するよう、例えば固体ケーキ3の変位に基づいて選択することができ、したがってスクリーン段7の周囲表面72に付着した固体ケーキ3と外部リング領域92とが変位すると、回転軸5を中心に回転に対して相対運動がなく、空のスペース11に新しい混合物2が装填される揺動運動の位相である復帰運動時、前段加速漏斗12は、例えば外部スクリーン・ドラム6よりゆっくり、またはスクリーン段7よりゆっくり回転する。
【0056】
本発明による多段プッシャ遠心器1のさらなる実施形態を図5に示す。この実施形態では、混合物2を前段加速するため、送り込み装置10に取り入れ漏斗16を設ける。混合物2は、送り込み装置10を通って、最初に取り入れ漏斗16に入り、これは混合物分配器8に回転方向を固定して接続され、したがって取り入れ漏斗16は混合物分配器8と同期回転する。取り入れ漏斗16は、ほぼ軸方向に、および前段加速スクリーン12に向かって円錐状に発散して延在し、したがって送り込み装置10を通って供給される混合物2は、取り入れ漏斗16に直接入る。取り入れ漏斗16は、混合物2が取り入れ漏斗16を出たら、前段加速スクリーン12に供給できるよう設計され、配置される。
【0057】
取り入れ漏斗16は、前段加速スクリーン12に向かう方向でほぼ円錐状に発散して延在し、取り入れ漏斗16が同期して回転するので、混合物2は取り入れ漏斗16内で予め設定可能な回転速度まで既に前段加速され、したがって混合物2は、前段加速スクリーン12に入った時、既にスクリーン段7の周方向に特定の速度を有し、したがってスクリーン段7の周囲表面72の最高周速度まで全体としてさらに穏やかに加速することができる。
【0058】
前段加速漏斗12それぞれの1つの実施形態が、図5aおよび図5bで例示により概略的に図示される。両方の図で、個々の前段加速漏斗12は、例示のために図示されている。しかし、参照番号12、16および17は、図2bでは図2bに示した例を示す。というのは、漏斗の幾何学的形状は、取り入れ漏斗16と前段加速漏斗12との両方に関係するからである。
【0059】
図5aは、固体ケーキ3を変位するための外部リング領域92を有する前段加速漏斗12を示す。外部リング領域92は、予め設定可能な高さを有し、これは処理すべき混合物2および/または本発明によるプッシャ遠心器1を運転する運転条件に従い、ドラム半径rの約1%から40%、好ましくは約5%から10%、特にドラム半径rの5%から20%になる。
【0060】
図5bで概略的に示すように、漏斗12、16、17は、混合物2を前段加速する漏斗12、16、17が、相互に対して異なる角度φ1、φ2で傾斜できる複数の部分面を有することができ、部分面の相対的サイズおよびその傾斜角度φ1、φ2が、処理すべき混合物2に依存するか、プッシャ遠心器1の動作パラメータに依存することができる状態で、多段漏斗12、16、17として作成することもできる。図5bによる取り入れ漏斗16と前段加速漏斗12とは両方とも、多段漏斗として作成することができる。
【0061】
特に、これには限らないながら、取り入れ漏斗16を液相4の事前分離用前置フィルタ・スクリーン17として設計する場合、取り入れ漏斗16が湾曲した部分を有し、図5cおよび図5dで概略的に示すように、取り入れ漏斗16の開口角度αが、プッシャ・ベース装置9に向かう方向で大きくなるか、小さくなると、特に有利になり得る。つまり、プッシャ遠心器1の動作状態がその他では等しい場合、例えば粒のサイズおよび/または粘度および/または他の特徴またはパラメータ、例えば混合物2の温度などに応じて、様々な混合物2を異なるレベルで脱水できることが知られている。
【0062】
例えば、任意の動作パラメータにおいて脱水が比較的容易な混合物2がある場合、取り入れ漏斗16または前置フィルタ・スクリーン17は湾曲した範囲を有し、前置フィルタ・スクリーン17の開口角度αがプッシャ・ベース装置9の方向に大きくなると有利なことがある。このような取り入れ漏斗16の特定の実施形態を、図5cで概略的に示す。つまり、取り入れ漏斗16または前置フィルタ・スクリーン17は、プッシャ・ベース装置9に向かう方向でトランペットのホーンのように発散する。したがって、混合物を取り入れ漏斗16から加速する出力駆動力は、プッシャ・ベース装置9への間隔が減少するに従い、不均等に大きくなり、したがって前置フィルタ・スクリーン17で既に比較的高度に脱水可能であり、したがって前置フィルタ・スクリーン17内で低い滑動特性を呈する混合物2は、例えば一定の開口角度αでほぼ円錐形に発散する前置フィルタ・スクリーン17の場合より、迅速に前置フィルタ・スクリーン17を出ることができる。
【0063】
これに対して、任意の動作パラメータでは脱水が比較的困難な混合物2もある。この場合は、湾曲した範囲を有する取り入れ漏斗16または前置フィルタ・スクリーン17を使用することが勧められ、ここで前置フィルタ・スクリーン17の開口角度αは、プッシャ・ベース装置9に向かう方向で小さくなる。その結果、混合物2を取り入れ漏斗16から加速する出力駆動力は、例えば基本的に一定の開口角度αで円錐状に発散する取り入れ漏斗16より、プッシャ・ベース装置9への距離が小さくなるにつれ、増加する速度が遅くなる。これにより、前置フィルタ・スクリーン17では特定の停滞効果が発生し、したがって混合物2は、より長い時間にわたって前置フィルタ・スクリーン17に留まり、したがって既に前置フィルタ・スクリーン17でさらに高度に脱水される。
【0064】
上記と非常に似た方法で、前段加速漏斗12または前段加速スクリーン12は、当然、湾曲した範囲を有することもでき、前段加速漏斗12の前段加速角度βは、送り込み装置10に向かう方向で大きくなるか、小さくなる。
【0065】
図6で示すように、取り入れ漏斗16は、液相4を混合物2から事前分離するため、前置フィルタ・スクリーン17として作成できることが好ましい。前置フィルタ・スクリーン17から分離した液相4を収集し、排出するため、収集手段18を設けることが好ましい。液相4は、例えばプッシャ・ベース装置9の開口を通って、スクリーン段7の領域へと導き、固体ケーキ3から分離して、次にスクリーンの目61、71を通してスクリーン・ドラム6から排出することができるか、または液相は、図3で示した実施形態と同様に、液相のこの部分がもはやスクリーン段7またはスクリーン・ドラム6の周速度まで加速されないよう、スクリーン・ドラムから直接排出することができる。
【0066】
多段プッシャ遠心器1の図6aに示す実施形態では、取り入れ漏斗16は前置フィルタ・スクリーン17として設計され、1つまたは複数の締め付けボルト22スタブ22によってスクリーン・ドラム6に配置される。締め付けスタブ22は、固体ケーキ3が運転状態で問題なくスクリーン段7から、またはスクリーン・ドラム6から除去できるよう、適切な形状のスポーク22、細い棒22またはチューブ22の形態で作成することが好ましい。締め付けスタブ22の少なくとも1本は、スクリーン・ドラム6の外縁に作成されて、配置され、したがって収集手段18に収集された液相4は、締め付けスタブ22を通してスクリーン・ドラム6のスクリーンの目61に移送し、スクリーンの目61を通してスクリーン・ドラム6から分離することができる。締め付けスタブ22自体の適切な位置で液相4を排出するため、当然、開口を設けることもできる。
【0067】
本発明によるプッシャ遠心器1の実施形態に従い、または要求に従って、前置フィルタ・スクリーン17は、当然、1つまたは複数の締め付けスタブ22によってスクリーン段7に配置するか、複数のスクリーン段7または1つのスクリーン段7およびスクリーン・ドラム6に配置することさえでき、対応するドラムは、相互に対して相対的な振動運動を実行しないことが好ましい。
【0068】
前段加速スクリーン12である前段加速漏斗12は、例えばスクリーン段7の振動運動の一方向で、スクリーン段7の反対の振動運動とは異なる回転速度で回転することが好ましいが、そうである必要はない。したがって、前段加速漏斗12の回転周波数は、前段加速漏斗12がスクリーン段7と同期して回転するよう、例えば固体ケーキ3の変位に基づいて選択することができ、したがってスクリーン段7の周囲表面に付着した固体ケーキ3と外部リング領域92とが変位した時に、回転軸5を中心とした回転に対する相対運動はなく、空のスペース11が新しい混合物2で装填された振動運動の位相である復帰運動時には、前段加速漏斗12が、例えばスクリーン段7などよりゆっくりと回転する。
【0069】
最後に、図6bでは、図6aによる実施形態が、疑似底部911とともに概略的に図示され、明快さを期して、前段加速スクリーン12は2段スクリーンとして図示されていない。前段加速スクリーン12と前置フィルタ・スクリーン17は両方とも、当然、1段、2段または多段スクリーンとして作成することもできる。
【0070】
図6bによる実施形態は疑似底部911として設計された外部リング領域92を有し、これは外部スクリーン・ドラム6と同期して回転するが、回転運動に関して前段加速漏斗12から分離され、したがって前段加速スクリーン12である前段加速漏斗12は、疑似底部911とは異なる回転速度で回転軸5を中心に回転可能である。そのため、図6bで概略的に示すように、疑似底部911は、少なくとも1本の締め付け支柱912を介して外部スクリーン・ドラム6に回転方向に固定した状態で接続され、締め付け支柱912は、スクリーン段7に適切に配置された開口70を通して案内され、したがって締め付け支柱912は、スクリーン段7の揺動運動から分離される。図6bによる実施形態は、当然、2段プッシャ遠心器1より多い段階を有するプッシャ遠心器1にも同様に変更することができる。
【0071】
図6bによる変形の利点は明白である。一方で、前段加速漏斗12は、処理すべき混合物2に適合できる回転周波数で外部スクリーン・ドラム6の回転速度とは完全に独立して駆動することができ、他方では、軸方向で固体ケーキ3を運搬する疑似底部911が、スクリーン・ドラム6またはスクリーン段7と同じ回転速度で回転し、したがって疑似底部911とスクリーン段7との間で回転軸5を中心とした回転に対して相対的な運動がない。当然、回転速度は、このケースでは例えば既に上述したようにプッシャ遠心器1の瞬間的運転状態に従い、変動することもできる。
【0072】
図7で例示により示すように、前置フィルタ・スクリーン17は、当然、粗いスクリーン171および細かいスクリーン172を有する2段スクリーンとして設計することもできる。第1フィルタ段階は粗いスクリーン171によって形成され、これは、混合物2に含まれ、粗いスクリーン171のフィルタ開口より大きい粒子を引き留める。細かいスクリーン172は、相応した比較的細かい粒子を引き留め、液相4の少なくとも一部、さらに同様に除去すべき非常に小さい粒子を、スクリーン段7から直接排出することができる。特に2段スクリーンとしての前置フィルタ・スクリーン17の設計は、細かいスクリーン172が、入り込んだ混合物2に含まれる大きいおよび/または重い粒子による非常に重い機械的負荷を受けないという特定の利点を有し、したがって細かいスクリーン172は、例えば非常に小さい粒子を濾過するための非常に小さい穴を有することができ、特に機械的抵抗力が小さい材料で製造することもできる。
【0073】
実際的には、加速プロセス自体または混合物2を取り入れ漏斗内16で加速することができる回転速度を、直接制御することが非常に重要なことがある。これは、例えば図8に示す本発明によるプッシャ遠心器1のさらなる変形で達成することができる。図8による変形では、取り入れ漏斗16は、混合物分配器8から機械的に分離されている。取り入れ漏斗16の回転速度を制御および/または調整するため、これは、別個のドライブ・アクスル19に接続され、スクリーン・ドラム6とは別個に駆動機構20によってドライブ・アクスル19を介し、予め設定可能な回転周波数で駆動することができる。例えば多段プッシャ遠心器1の適切な動作パラメータに従い、駆動機構20を制御および/または調整するためにここでは図示されていない適切な手段を設けることができる。
【0074】
複数の図で概略的に示し、既に説明した変形は、所望に応じて、実際の特定の要求を満足するためさらなる実施形態を形成するよう、相互に組み合わせることもできる。
【0075】
本発明による多段プッシャ遠心器を使用することにより、プッシャ・ベース装置に配置された前段加速スクリーンを通して導入された混合物は、予め設定可能な周速度まで前段加速することができ、したがって混合物は、スクリーン・ドラムへの衝突時に、ゼロに近い周速度から内部スクリーン段の最高周速度まで非常に短時間で加速されることはない。これにより、特に粒の破損を回避することができ、したがって特に、非常に高い品質要求を守りながら、遠心加速度または半径方向の加速度の急変に特に敏感な物質が処理される。
【0076】
異なる好ましい実施形態では、特に、例えば液相の50%または70%または80%または90%以上にも対応するはるかに低い取り入れ濃度も、さらに処理することができる。というのは、混合物に含まれる液相の有意の部分を、既に前段加速スクリーンで分離できるからである。特に、前置フィルタ・スクリーンを追加的に使用することにより、液体を複雑な方法で事前に濃縮する必要なく、液体含有率がほとんど恣意的に大きい混合物を処理することが可能である。したがって、液体含有率が極めて高くても、内部スクリーン段またはスクリーン・ドラムの内周表面全体に、乾燥すべき混合物が均一に分散されることが、常に保証される。スクリーン・ドラムの非常に有害な振動、したがって軸受けおよび駆動機構の早期の摩耗が防止され、運転時の安全性の問題が効果的に防止される。さらに、スクリーン・ドラムの周囲表面に不規則に分布することによる固体ケーキ洗浄時の問題が、大幅に回避される。技術的プロセスの見地や装置の見地両方から非常に複雑な事前脱水システムの使用も、同様に回避され、その結果、当然、運転費が大幅に節約される。
【0077】
前述したフィルタ・システムを使用する場合、混合物とともに供給される液相の総量も、もはやスクリーン・ドラムの最高周速度まで加速する必要がない。これは、本発明による多段プッシャ遠心器のエネルギ消費の観点からは特に極めて好ましく、さらに全体として遠心器の運転挙動に明らかに良好な影響を及ぼす。
【0078】
様々なフィルタ表面の異なる設計を対応させ、別個の駆動機構を有する前段加速漏斗および/または取り入れ漏斗を使用することにより、非常に高い品質基準を維持しながら、スクリーン・ドラムの高い回転速度でも非常に敏感な混合物を処理することさえ可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合物(2)を固体ケーキ(3)と液相(4)に分離するため、回転軸(5)を中心に回転可能なスクリーン・ドラム(6)およびスクリーン・ドラム(6)内に配置された少なくとも1つのスクリーン段(7)、スクリーン・ドラム(6)内に配置され、プッシャ・ベース装置(9)を有する混合物分配器(8)とを含み、スクリーン段(7)またはプッシャ・ベース装置(9)が回転軸(5)に沿って前後に移動自在に配置され、したがって固体ケーキ(3)が、プッシャ・ベース装置(9)によって移動可能であり、プッシャ・ベース装置(9)による固体ケーキ(3)の移動時に発生する空のスペース(11)に混合物分配器(8)を介して混合物(2)を導入することができる送り込み装置(10)を含み、プッシャ・ベース装置(9)が、送り込み装置(10)に向かう方向でほぼ発散状態で延在する前段加速漏斗(12)を含む多段プッシャ遠心器であって、前段加速漏斗(12)が前段加速スクリーン(12)として設計されることを特徴とする多段プッシャ遠心器。
【請求項2】
前段加速漏斗(12)が、送り込み装置(10)に向かう方向で円錐状に発散する状態でほぼ一定の前段加速角度(β)にて延在する、請求項1に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項3】
前段加速漏斗(12)が湾曲した範囲を有し、前段加速漏斗(12)の前段加速角度(β)が、送り込み装置(10)に向かう方向で大きくなる、請求項1に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項4】
前段加速漏斗(12)が湾曲した範囲を有し、前段加速漏斗(12)の前段加速角度(β)が、送り込み装置(10)に向かう方向で小さくなる、請求項1から3いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項5】
前段加速スクリーン(12)が、粗いフィルタ(121)および細かいフィルタ(122)を有する2段フィルタとして設計される、請求項1から4いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項6】
液相(4)を排出するため、混合物分配器(8)に収集装置(13)を設ける、請求項1から5いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項7】
回転軸(5)に対する前段加速スクリーン(12)の前段加速角度(β)の値が、0°と45°の間、特に0°と10°の間または10°と45°の間、特に25°と45°の間、好ましくは15°と35°の間である、請求項1から6いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項8】
前段加速スクリーン(12)が回転駆動機構(14)によって回転軸(5)を中心に予め設定可能な回転速度で回転可能であるよう、前段加速漏斗(12)を設計し、配置する、請求項1から7いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項9】
送り込み装置(10)に、プッシャ・ベース装置(9)に向かう方向で円錐状に発散し、ほぼ一定の開口角度(α)で延在する取り入れ漏斗(16)を配置する、請求項1から8いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項10】
取り入れ漏斗(16)が湾曲した範囲を有し、取り入れ漏斗(16)の開口角度(α)が、プッシャ・ベース装置(9)に向かう方向で大きくなる、請求項1から9いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項11】
取り入れ漏斗(16)が湾曲した範囲を有し、取り入れ漏斗(16)の開口角度(α)が、プッシャ・ベース装置(9)に向かう方向で小さくなる、請求項1から10いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項12】
取り入れ漏斗(16)が、混合物(2)から液相(4)を事前分離する前置フィルタ・スクリーン(17)として設計される、請求項1から11いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項13】
前置フィルタ・スクリーン(17)が、粗いスクリーン(171)および細かいスクリーン(172)を有する2段スクリーンとして設計される、請求項1から12いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項14】
前置フィルタ・スクリーン(17)から液相(4)を収集し、排出するため、収集手段(18)を設ける、請求項1から13いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項15】
取り入れ漏斗(1)が、駆動軸(19)を中心に回転自在に配置され、駆動機構(20)によって駆動軸(19)を中心に予め設定可能な回転速度にて回転することができる、請求項1から14いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項1】
混合物(2)を固体ケーキ(3)と液相(4)に分離するため、回転軸(5)を中心に回転可能なスクリーン・ドラム(6)およびスクリーン・ドラム(6)内に配置された少なくとも1つのスクリーン段(7)、スクリーン・ドラム(6)内に配置され、プッシャ・ベース装置(9)を有する混合物分配器(8)とを含み、スクリーン段(7)またはプッシャ・ベース装置(9)が回転軸(5)に沿って前後に移動自在に配置され、したがって固体ケーキ(3)が、プッシャ・ベース装置(9)によって移動可能であり、プッシャ・ベース装置(9)による固体ケーキ(3)の移動時に発生する空のスペース(11)に混合物分配器(8)を介して混合物(2)を導入することができる送り込み装置(10)を含み、プッシャ・ベース装置(9)が、送り込み装置(10)に向かう方向でほぼ発散状態で延在する前段加速漏斗(12)を含む多段プッシャ遠心器であって、前段加速漏斗(12)が前段加速スクリーン(12)として設計されることを特徴とする多段プッシャ遠心器。
【請求項2】
前段加速漏斗(12)が、送り込み装置(10)に向かう方向で円錐状に発散する状態でほぼ一定の前段加速角度(β)にて延在する、請求項1に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項3】
前段加速漏斗(12)が湾曲した範囲を有し、前段加速漏斗(12)の前段加速角度(β)が、送り込み装置(10)に向かう方向で大きくなる、請求項1に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項4】
前段加速漏斗(12)が湾曲した範囲を有し、前段加速漏斗(12)の前段加速角度(β)が、送り込み装置(10)に向かう方向で小さくなる、請求項1から3いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項5】
前段加速スクリーン(12)が、粗いフィルタ(121)および細かいフィルタ(122)を有する2段フィルタとして設計される、請求項1から4いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項6】
液相(4)を排出するため、混合物分配器(8)に収集装置(13)を設ける、請求項1から5いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項7】
回転軸(5)に対する前段加速スクリーン(12)の前段加速角度(β)の値が、0°と45°の間、特に0°と10°の間または10°と45°の間、特に25°と45°の間、好ましくは15°と35°の間である、請求項1から6いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項8】
前段加速スクリーン(12)が回転駆動機構(14)によって回転軸(5)を中心に予め設定可能な回転速度で回転可能であるよう、前段加速漏斗(12)を設計し、配置する、請求項1から7いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項9】
送り込み装置(10)に、プッシャ・ベース装置(9)に向かう方向で円錐状に発散し、ほぼ一定の開口角度(α)で延在する取り入れ漏斗(16)を配置する、請求項1から8いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項10】
取り入れ漏斗(16)が湾曲した範囲を有し、取り入れ漏斗(16)の開口角度(α)が、プッシャ・ベース装置(9)に向かう方向で大きくなる、請求項1から9いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項11】
取り入れ漏斗(16)が湾曲した範囲を有し、取り入れ漏斗(16)の開口角度(α)が、プッシャ・ベース装置(9)に向かう方向で小さくなる、請求項1から10いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項12】
取り入れ漏斗(16)が、混合物(2)から液相(4)を事前分離する前置フィルタ・スクリーン(17)として設計される、請求項1から11いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項13】
前置フィルタ・スクリーン(17)が、粗いスクリーン(171)および細かいスクリーン(172)を有する2段スクリーンとして設計される、請求項1から12いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項14】
前置フィルタ・スクリーン(17)から液相(4)を収集し、排出するため、収集手段(18)を設ける、請求項1から13いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【請求項15】
取り入れ漏斗(1)が、駆動軸(19)を中心に回転自在に配置され、駆動機構(20)によって駆動軸(19)を中心に予め設定可能な回転速度にて回転することができる、請求項1から14いずれか1項に記載の多段プッシャ遠心器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図6】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2011−136339(P2011−136339A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45109(P2011−45109)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【分割の表示】特願2004−115323(P2004−115323)の分割
【原出願日】平成16年4月9日(2004.4.9)
【出願人】(504142086)フェルルム アクチェンゲゼルシャフト (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【分割の表示】特願2004−115323(P2004−115323)の分割
【原出願日】平成16年4月9日(2004.4.9)
【出願人】(504142086)フェルルム アクチェンゲゼルシャフト (5)
【Fターム(参考)】
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