説明

多段階最終濾過方法

本明細書では、濃厚なポリペプチド溶液の最終濾過のための方法が報告され、この方法は、孔径3.0μmおよび0.8μmの第1のフィルターと、孔径0.45μmおよび0.22μmの第2のフィルターとを用いる、2つのすぐに続く濾過段階の組合せを含むものである。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、濃厚なポリペプチド溶液の最終濾過のための方法が報告され、この方法は、孔径3.0μmのフィルターを用いる前濾過と孔径0.8μmのフィルターを用いる主濾過とを含む第1の濾過段階、および孔径0.45μmのフィルターを用いる前濾過と孔径0.22μmのフィルターを用いる主濾過とを含む第2の濾過段階を伴う、2つのすぐに続く濾過段階の組合せを含む。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
100g/lを超える濃度のタンパク質溶液は最終濾過工程で問題を起こす傾向があり、そうした問題は、例えば、単に膜透過流量が少ないことによるか、あるいは製剤処方もしくは濃縮過程で形成された凝集体や粒子によって、または濃厚な溶液の粘度増加をもたらす賦形剤の添加のために、使用フィルターが閉塞することによるものである。
【0003】
高粘度と粒子または凝集体含量の増加とが組み合わさると、多くの場合、使用した0.22μm最終濾過フィルターの細孔の閉塞が起こる。その結果、濾過工程の間に、すなわちバッチが完全に処理される前に、フィルターを交換する必要があるか、または濾過面を増やしたフィルターを使用する必要がある。
【0004】
さらに、孔径0.45μmのフィルターと孔径0.22μmのフィルターとの組合せ、例えばSartobran P 0.45/0.22μmフィルターとして提供されるもの、は何の利点もないことが観察されている。先に記載した問題を回避できそうな、孔径を大きくしたフィルターは、デプスフィルターまたはプレフィルターとして使用されるが、最終フィルターとしては使用されない。
【0005】
DE 4 204 444(特許文献1)には、0.2μm除菌濾過に先立って、ガス流から水滴を除くための1.2μmプレフィルターの組合せが報告されている。異なる孔径の2種類のフィルターを含むフィルターユニットはUS 4,488,961(特許文献2)に報告されており、この場合、小さいほうの孔径のフィルターは柔軟性があり、流れ方向を変えることによってフィルターを曲げて、フィルターユニットの抵抗を減らすことが可能である。US 5,643,566(特許文献3)には、孔径0.45μmのフィルターを用いる前濾過と孔径0.22μmのフィルターを用いる除菌濾過との組合せが報告されている。リッジ付きエキスパンダーチューブを有する硬質スクリーンサポートにより支持された、薄くて柔軟性の多孔質膜で下張りされた滑らかな内面を有するメンブレンを用いて構成された2段階フィルターは、EP 0 204 836(特許文献4)に報告されている。異なる膜材料、および異なるフィルター孔径とフィルター孔形状の少なくとも2つのメンブレンフィルターユニットの組合せはDE 3 818 860(特許文献5)に報告されている。
【0006】
Aldingtonら(J. Chrom. B 848 (2007) 64-78(非特許文献1))は、モノクローナル抗体の精製方法のスケールアップを報告している。CS 247484(特許文献6)には、ヒトリンパ球に対して免疫グロブリンを調製する方法が報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】DE 4 204 444
【特許文献2】US 4,488,961
【特許文献3】US 5,643,566
【特許文献4】EP 0 204 836
【特許文献5】DE 3 818 860
【特許文献6】CS 247484
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Aldington et al., J. Chrom. B 848 (2007) 64-78
【発明の概要】
【0009】
それぞれがプレフィルターとメインフィルターとを含み、かつそれぞれが特別に選定された細孔サイズを有する、2つのフィルターの組合せは、細孔閉塞のリスクがなく、また、濾過工程の間にフィルターを交換する必要がなく、最終パッケージング段階で高濃度の免疫グロブリン溶液を濾過するために使用できることが見いだされた。
【0010】
本明細書で報告する一局面は、以下の工程を含む、免疫グロブリン溶液の調製方法である:
(a) 少なくとも100g/lのタンパク質濃度を有する免疫グロブリン溶液を提供する工程、
(b) その免疫グロブリン溶液を第1および第2のフィルターの組合せにより濾過し、ここで、第1のフィルターは孔径3.0μmのプレフィルターと孔径0.8μmのメインフィルターとを含み、第2のフィルターは孔径0.45μmのプレフィルターと孔径0.22μmのメインフィルターとを含むものであり、それによって免疫グロブリン溶液を調製する工程。
【0011】
本明細書で報告する別の局面は、薬学的有効成分の調製に先立って免疫グロブリン溶液を最終濾過するための、第1および第2のフィルターを組み合わせた本明細書で報告する組合せフィルターの使用であり、ここで、第1のフィルターは孔径3.0μmのプレフィルターと孔径0.8μmのメインフィルターとを含み、第2のフィルターは孔径0.45μmのプレフィルターと孔径0.22μmのメインフィルターとを含む。
【0012】
本明細書で報告する別の局面は、以下の工程を含む、免疫グロブリンの生産方法である:
(a) 免疫グロブリンをコードする核酸を含む細胞を提供する工程、
(b) 該細胞を培養する工程、
(c) 該細胞または培地から免疫グロブリンを回収する工程、
(d) 免疫グロブリンを1つまたは複数のクロマトグラフィー工程で精製し、免疫グロブリン溶液を得る工程、および
(e) 工程(d)の免疫グロブリン溶液を第1および第2のフィルターの組合せにより濾過し、ここで、第1のフィルターは孔径3.0μmのプレフィルターと孔径0.8μmのメインフィルターとを含み、第2のフィルターは孔径0.45μmのプレフィルターと孔径0.22μmのメインフィルターとを含むものであり、それによって免疫グロブリンを生産する工程。
【0013】
本明細書で報告するさらなる局面は、孔径3.0μmのプレフィルターと孔径0.8μmのメインフィルターとを含む第1のフィルター、および孔径0.45μmのプレフィルターと孔径0.22μmのメインフィルターとを含む第2のフィルターを含む、キットである。
【0014】
一態様において、第1のフィルターは、第2のフィルターの面積の多くても2倍の面積を有する。別の態様では、第1および第2のフィルターはほぼ同じ総フィルター面積を有する。ある態様において、免疫グロブリン溶液は、糖および/またはアミノ酸および/または界面活性剤および/または塩を含有する。さらなる態様において、免疫グロブリン溶液は100g/l〜300g/lの濃度を有する。さらに別の態様では、免疫グロブリン溶液は3リットル〜100リットルの体積を有する。さらなる態様において、濾過する工程は0.1バール〜4.0バールの圧力を伴う。一態様では、免疫グロブリン溶液が160g/l以上の濃度を有し、濾過工程は1.45バール以上の加圧を用いる。さらなる態様では、1.50バール以上である。別の態様において、免疫グロブリン溶液は、糖および界面活性剤を含有し、かつ125mg/ml以上の濃度を有し、濾過工程は0.75バール以下の加圧を用いる。さらなる態様では、0.7バール以下である。
【0015】
一態様において、免疫グロブリンは抗IL13受容体α抗体または抗HER2抗体である。さらなる態様において、精製する工程は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー工程と、カチオン交換クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、および疎水性相互作用クロマトグラフィーから選択される少なくとも1つの工程とを伴う。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】222mg/mlの抗体濃度を有する抗HER2抗体溶液および2.0バールの加圧を用いて得られた透過流量の経時変化(ひし形=孔径1.2μmのフィルターを含む組合せ;四角=孔径3.0μmのフィルターを含む組合せ)。
【図2】約200mMのトレハロースおよび約0.05%(w/v)のTween 20を添加した、125mg/mlの抗体濃度を有する抗HER2抗体溶液および2.0バールの加圧を用いて得られた透過流量の経時変化(ひし形=孔径1.2μmのフィルターを含む組合せ;四角=孔径3.0μmのフィルターを含む組合せ)。
【図3】162mg/mlの抗体濃度を有する抗HER2抗体溶液および1.8バールの加圧を用いて得られた透過流量の経時変化(ひし形=孔径1.2μmのフィルターを含む組合せ;四角=孔径3.0μmのフィルターを含む組合せ)。
【図4】約200mMのトレハロースおよび約0.2%(w/v)のPoloxamerを添加した、141mg/mlの抗体濃度を有する抗IL13Rα抗体溶液および1.6バールの加圧を用いて得られた透過流量の経時変化(ひし形=孔径1.2μmのフィルターを含む組合せ;四角=孔径3.0μmのフィルターを含む組合せ)。
【図5】162mg/mlの抗体濃度を有する抗HER2抗体溶液および1.1バールの加圧を用いて得られた透過流量の経時変化(ひし形=孔径1.2μmのフィルターを含む組合せ;四角=孔径3.0μmのフィルターを含む組合せ)。
【図6】トレハロースおよびPoloxamerを添加した、141mg/mlの抗体濃度を有する抗IL13Rα抗体溶液および0.8バールの加圧を用いて得られた透過流量の経時変化(ひし形=孔径1.2μmのフィルターを含む組合せ;四角=孔径3.0μmのフィルターを含む組合せ)。
【図7】トレハロースおよびTween 20を添加した、125mg/mlの抗体濃度を有する抗HER2抗体溶液および0.8バールの加圧を用いて得られた透過流量の経時変化(ひし形=孔径1.2μmのフィルターを含む組合せ;四角=孔径3.0μmのフィルターを含む組合せ)。
【図8】トレハロースおよびTween 20を添加した、125mg/mlの抗体濃度を有する抗HER2抗体溶液および0.3バールの加圧を用いて得られた透過流量の経時変化(ひし形=孔径1.2μmのフィルターを含む組合せ;四角=孔径3.0μmのフィルターを含む組合せ)。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
それぞれがプレフィルターとメインフィルターとを含み、かつそれぞれが特別に選定された孔径を有する、2つのフィルターまたはフィルターユニットの組合せは、最終パッケージング工程において、高濃度で粘性であるだけでなく、製剤処方された、すなわち糖および界面活性剤を含む、免疫グロブリン溶液を濾過するために使用できることが判明した。特に、それぞれ3.0μmおよび0.8μmの孔径を有する、プレフィルターおよびメインフィルターを含む第1のフィルターと、それぞれ0.45μmおよび0.22μmの孔径を有する、プレフィルターおよびメインフィルターを含む第2のフィルターとの組合せは非常に有利である。この組合せの単一フィルターユニットを用いて、合計で例えば1kgの抗IL-13Rα抗体または6kgの抗HER2抗体を含有する高濃度溶液を濾過して、ごくわずかな物質の損失だけで、この分量をパッケージングすることが可能であった。一態様では、フィルター表面積と溶液体積の比率が決定された。
【0018】
一態様において、免疫グロブリン溶液は免疫グロブリンと添加剤とを含有する。別の態様において、添加剤は以下から選択される1種または複数種の物質を含む:糖類、例えばグルコース、ガラクトース、マルトース、スクロース、トレハロースおよびラフィノース、アミノ酸類、例えばアルギニン、リシン、ヒスチジン、オルニチン、イソロイシン、ロイシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシンおよびメチオニン、塩類、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ならびに界面活性剤、例えばポリソルベートおよびポリ(オキシエチレン-ポリオキシプロピレン)ポリマー。
【0019】
本明細書で報告する濾過工程は、治療用抗体の生産における最終濾過工程として用いられる。これは、必要な添加剤、安定剤および/または酸化防止剤を高濃度の抗体溶液に添加した後で実施することができる。一態様において、フィルターの総面積に対する抗体のkg量の比率は1000g/m2〜10,000g/m2である。別の態様では、その比率は1000g/m2〜6000g/m2である。さらに別の態様では、その比率は4000g/m2〜6000g/m2である。
【0020】
「ポリペプチド」は、自然にまたは合成的に生成されようと、ペプチド結合で連結されたアミノ酸からなるポリマーである。約20個より少ないアミノ酸残基のポリペプチドは「ペプチド」と呼ぶことができるのに対し、2本以上のポリペプチドからなる分子、または100個より多いアミノ酸残基の1本のポリペプチドを含む分子は「タンパク質」と呼ぶことができる。ポリペプチドはまた、糖鎖、金属イオン、またはカルボン酸エステルなどの非アミノ酸成分を含むことがある。非アミノ酸成分は、そのポリペプチドが発現される細胞によって付加され、細胞の種類によって変化しうる。ポリペプチドは、それらのアミノ酸主鎖構造またはそれをコードする核酸によって本明細書中で定義される。糖鎖などの付加は一般的に特定されていないが、それでもなお存在することがある。
【0021】
用語「免疫グロブリン」は、免疫グロブリン遺伝子によって実質的にコードされる1本または複数のポリペプチドからなるタンパク質をさす。認識された免疫グロブリン遺伝子には、異なる定常領域遺伝子ならびに多数の免疫グロブリン可変領域遺伝子が含まれる。免疫グロブリンは、例えばFv、FabおよびF(ab)2、ならびに一本鎖(scFv)またはダイアボディを含めて、さまざまな型で存在することができる。
【0022】
用語「完全な免疫グロブリン」とは、2本のいわゆる軽い免疫グロブリン鎖ポリペプチド(軽鎖)と2本のいわゆる重い免疫グロブリン鎖ポリペプチド(重鎖)からなる免疫グロブリンを意味する。完全な免疫グロブリンの、重い免疫グロブリン鎖ポリペプチドおよび軽い免疫グロブリン鎖ポリペプチドのそれぞれは、抗原と相互作用することができる結合領域を含む可変ドメイン(可変領域)(一般には、ポリペプチド鎖のアミノ末端部分)を含む。完全な免疫グロブリンの、重い免疫グロブリン鎖ポリペプチドおよび軽い免疫グロブリン鎖ポリペプチドのそれぞれはまた、定常領域(一般には、カルボキシル末端部分)を含む。重鎖の定常領域は、(i)食細胞などの、Fcγ受容体(FcγR)をもつ細胞への、または(ii)Brambell受容体として公知の新生児型Fc受容体(FcRn)をもつ細胞への、抗体の結合を仲介する。それはまた、成分(C1q)のような古典的補体系の因子を含む、いくつかの因子との結合をも仲介する。免疫グロブリンの軽鎖および重鎖の可変ドメインは、異なるセグメント、すなわち4つのフレームワーク領域(FR)および3つの超可変領域(CDR)、を順に含む。
【0023】
用語「免疫グロブリンフラグメント」とは、重鎖の可変ドメイン、重鎖のCH1ドメイン、ヒンジ領域、CH2ドメイン、CH3ドメイン、CH4ドメイン、軽鎖の可変ドメインおよび/または軽鎖のCLドメインのうち少なくとも1つのドメインを含むポリペプチドを意味する。それらの誘導体および変異体も含まれる。例えば、1つまたは複数のアミノ酸またはアミノ酸領域が欠失されている可変ドメインが存在し得る。
【0024】
用語「免疫グロブリンコンジュゲート」とは、他のポリペプチドにペプチド結合を介してコンジュゲート化された、免疫グロブリン重鎖または軽鎖の少なくとも1つのドメインを含む、ポリペプチドを意味する。この、他のポリペプチドは、非免疫グロブリンペプチド、例えばホルモン、または成長受容体、または抗膜融合性ペプチド、または補体因子などである。
【0025】
用語「フィルター」は、ミクロ多孔性またはマクロ多孔性の両フィルターを表す。フィルターは、それ自体がポリマー材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド(ナイロン、例えばZetapore(商標)、N66 Posidyne(商標))、ポリエステル、酢酸セルロース、再生セルロース、セルロース複合材料、ポリスルフォン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルフォン、ポリフェニルスルフォン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、不織布および織布(例えばTyvek(登録商標))、繊維材料で構成されるか、または無機材料、例えばゼオライト、Si02、Al203、Ti02、もしくはヒドロキシアパタイトで構成されるフィルター膜を含む。一態様において、第1および第2のフィルターのフィルター膜は酢酸セルロースで作られている。
【0026】
組換えにより生産された免疫グロブリンの精製のために、多くの場合、異なるカラムクロマトグラフィー工程の組合せが用いられる。一般的には、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーの後に、1回または2回の追加の分離工程が続く。最終精製工程は、凝集した免疫グロブリン、残留HCP(宿主細胞タンパク質)、DNA(宿主細胞核酸)、ウイルス、または内毒素のような微量の不純物と汚染物質を除くための、いわゆる「ポリッシングステップ」である。このポリッシングステップでは、しばしばフロースルー方式でのアニオン交換材料が用いられる。
【0027】
タンパク質の回収および精製のために、例えば以下のような、さまざまな方法が十分に確立されて、広く使用されている:微生物のタンパク質を用いるアフィニティークロマトグラフィー(例えば、プロテインAまたはプロテインGアフィニティークロマトグラフィー)、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、カチオン交換(カルボキシメチル樹脂)、アニオン交換(アミノエチル樹脂)および混合モード交換)、硫黄親和性吸着(例えば、β-メルカプトエタノールおよび他のSHリガンドを使用)、疎水性相互作用または芳香族吸着クロマトグラフィー(例えば、フェニル-セファロース、アザアレーン親和性樹脂、またはm-アミノフェニルボロン酸を使用)、金属キレートアフィニティークロマトグラフィー(例えば、Ni(II)-およびCu(II)-親和性材料を使用)、サイズ排除クロマトグラフィー、および電気泳動法(例えば、ゲル電気泳動、キャピラリー電気泳動) (Vijayalakshmi, M.A., Appl. Biochem. Biotech. 75 (1998) 93-102)。
【0028】
本明細書で報告する第1の局面は、以下の工程を含む免疫グロブリン溶液の調製方法である:
- 少なくとも100g/lのタンパク質濃度を有する免疫グロブリン溶液を提供する工程、
- その免疫グロブリン溶液を、第1および第2のフィルターユニットの組合せにアプライし、圧力を加えることによって、該溶液を該フィルターの組合せにより濾過し、ここで、第1のフィルターユニットは、それぞれ3.0μmおよび0.8μmの孔径を有するプレフィルターとメインフィルターとを含み、第2のフィルターユニットは、それぞれ0.45μmおよび0.22μmの孔径を有するプレフィルターとメインフィルターとを含むものであり、それによって免疫グロブリン溶液を調製する工程。
【0029】
一態様において、タンパク質濃度は100g/l〜300g/lである。別の態様では、タンパク質濃度は100g/l〜200g/lである。さらなる態様では、タンパク質濃度は120g/l〜165g/lである。別の態様では、免疫グロブリン溶液が3リットル〜100リットルの体積を有する。この溶液の体積は、300g〜50,000gの免疫グロブリンの全質量に相当する。一態様では、その体積が3.1リットル〜80リットルである。120g/l〜165g/lのタンパク質濃度で、この溶液の体積は370g〜13,200gの免疫グロブリンの全質量に相当する。一態様において、免疫グロブリンは抗IL13受容体α抗体である。別の態様において、免疫グロブリンは抗HER2抗体である。
【0030】
本明細書で報告する別の局面は、以下の工程を含む免疫グロブリンの生産方法である:
- 免疫グロブリンをコードする核酸を含む細胞を培養する工程、
- 該細胞または培地から免疫グロブリンを回収する工程、
- 免疫グロブリンを1つまたは複数のクロマトグラフィー工程で精製し、精製された免疫グロブリン溶液を得る工程、および
- 精製された免疫グロブリン溶液を、本明細書で報告するフィルターの組合せ、すなわち第1および第2のフィルターユニットの組合せにアプライし、圧力を加えることによって、該溶液を該フィルターの組合せにより濾過する工程、ここで、第1のフィルターユニットは、それぞれ孔径3.0μmのプレフィルターと孔径0.8μmのメインフィルターとを含み、第2のフィルターユニットは、それぞれ孔径0.45μmのプレフィルターと孔径0.22μmのメインフィルターとを含むものである。
【0031】
一態様において、前記細胞は原核細胞または真核細胞である。細胞が原核細胞である一態様において、その細胞は大腸菌(E.coli)細胞またはバシラス(bacillus)細胞から選択される。細胞が真核細胞である一態様において、その細胞は哺乳類細胞から選択され、具体的な態様では、CHO細胞、BHK細胞、HEK細胞、Per.C6(登録商標)細胞およびハイブリドーマ細胞から選択される。一態様において、細胞はCHO-K1およびCHO DG44から選択される哺乳類細胞である。一態様において、培養する工程は20℃〜40℃の温度で4〜28日間である。一態様において、精製する工程は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー工程と、カチオン交換クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、および疎水性相互作用クロマトグラフィーから選択される少なくとも1つの工程とを用いるものである。
【0032】
それぞれ3.0μmおよび0.8μmの孔径を有するプレフィルターとメインフィルターとを含む第1のフィルターユニットと、それぞれ0.45μmおよび0.22μmの孔径を有するプレフィルターとメインフィルターとを含む第2のフィルターユニットとの組合せは、フィルターを交換する必要なく、濃厚な免疫グロブリン溶液の完全なバッチの濾過を可能にすることによって、高濃度の免疫グロブリン溶液を処理する(濾過する)のに有利であることが判明した。
【0033】
さらに、フィルターの組合せにおいて、前記ユニットおよびフィルターの組合せで用いる2つのフィルターのそれぞれは、ほぼ同じフィルター面積を有し、すなわち最小のフィルターの面積の2倍以内である、ことが有利であると判明した。
【0034】
さらに、免疫グロブリン以外の前記溶液の成分に応じて、異なる圧力および濃度範囲を用いることが有利な方法を提供することが判明した。
【0035】
前記溶液が、糖または界面活性剤を加えていない、160g/l以上、すなわち165g/lまたは170g/l、の濃度を有する濃厚な免疫グロブリン溶液である場合、前記方法は、一態様では1.45バール以上の圧力、別の態様では1.5バール以上の圧力、をかけて操作される。前記溶液が、少なくとも糖と界面活性剤を加えてある、125g/l以上、すなわち130g/lまたは135g/l、の濃度を有する濃厚な免疫グロブリン溶液である場合、前記方法は、一態様では0.75バール以下の圧力、別の態様では0.7バール以下の圧力、をかけて操作される。
【0036】
本明細書で報告する別の態様は、それぞれ3.0μmおよび0.8μmの孔径を有するプレフィルターとメインフィルターとを含む第1のフィルターユニットと、それぞれ0.45μmおよび0.22μmの孔径を有するプレフィルターとメインフィルターとを含む第2のフィルターユニットを含むキットである。本明細書で報告する別の態様は、少なくとも100g/lのタンパク質濃度を有する濃厚な免疫グロブリン溶液を濾過するための、それぞれ3.0μmおよび0.8μmの孔径を有するプレフィルターとメインフィルターとを含む第1のフィルターユニットと、それぞれ0.45μmおよび0.22μmの孔径を有するプレフィルターとメインフィルターとを含む第2のフィルターユニットを含むフィルターの使用である。
【0037】
以下の実施例および図面は本発明の理解を助けるために提供され、その真の範囲は添付の特許請求の範囲に明記される。理解されるように、本発明の精神から逸脱することなく、記載した手順に変更を加えることが可能である。
【実施例】
【0038】
実施例1
材料および方法
抗体
一例としての抗体は、例えばWO 2006/072564(参照により本明細書に組み入れる)の配列番号01〜12に報告されるような、IL13受容体α1タンパク質に対する免疫グロブリン(抗IL13Rα1抗体)である。
【0039】
別の例としての免疫グロブリンは、WO 92/022653、WO 99/057134、WO 97/04801、US 5,677,171およびUS 5,821,337(参照により本明細書に組み入れる)に報告される抗HER2抗体である。
【0040】
フィルター
本明細書では、とりわけ、Sartobran P 0.45μm+0.2μmフィルターカートリッジおよびSartoclean CA 3.0μm+0.8μmフィルターカートリッジが例示的に用いられた。両フィルターカートリッジともSartorius AG(ドイツ、ゲッティンゲン)から入手可能である。
【0041】
分析方法
サイズ排除クロマトグラフィー:
樹脂: TSK 3000 (Tosohaas)
カラム: 300 x 7.8mm
流量: 0.5ml/分
緩衝液: 250mM塩化カリウムを含む200mMリン酸カリウム
pH7.0に調整
波長: 280nm
【0042】
DNA-thresholdシステム:
例えばMerrick, H., and Hawlitschek, G., Biotech Forum Europe 9 (1992) 398-403を参照のこと。
【0043】
プロテインA ELISA:
マイクロタイタープレートのウェルにニワトリ由来のポリクローナル抗プロテインA-IgGを被覆する。結合後、未反応抗体をサンプル緩衝液で洗って除去する。プロテインAを結合させるため、決められたサンプル量をウェルに添加する。サンプル中に存在するプロテインAはニワトリ抗体によって結合され、プレートのウェルに保持される。インキュベーション後、サンプル溶液を取り出し、ウェルを洗浄する。検出のため、続いてニワトリ由来のポリクローナル抗プロテインA-IgG-ビオチンコンジュゲートおよびストレプトアビジンペルオキシダーゼコンジュゲートを添加する。さらなる洗浄工程の後、着色反応生成物の形成をもたらす基質溶液を添加する。色の強度はサンプルのプロテインA含有量に比例する。一定時間後に反応を停止させ、吸光度を測定する。
【0044】
宿主細胞タンパク質(HCP) ELISA:
マイクロタイタープレートのウェルの壁面に血清アルブミンとストレプトアビジンの混合物を被覆する。HCPに対するヤギ由来ポリクローナル抗体をマイクロタイタープレートのウェルの壁面に結合させる。洗浄工程後、マイクロタイタープレートの異なるウェルを、異なる濃度が連続する校正用HCP、およびサンプル溶液と共にインキュベートする。インキュベーション後、未結合サンプル物質を緩衝液で洗って除去する。検出のため、ウェルを、結合した宿主細胞タンパク質を検出するための抗体ペルオキシダーゼコンジュゲートと共にインキュベートする。固定されたペルオキシダーゼの活性は、ABTSとのインキュベーションおよび405nmでの検出により検出される。
【0045】
実施例2
孔径0.45μmおよび0.22μmの単一フィルターによる抗HER2抗体の濾過
この実施例では、高濃度の免疫グロブリン溶液は、0.45μm(プレフィルター)および0.22μm(メインフィルター)の孔径を有する単一の除菌フィルターを用いると、フィルター面積の平方メートルあたり2,460gを超えるタンパク質の負荷量でフィルターの細孔の閉塞なしには、濾過できないことが示される。
【0046】
この実施例では、0.45μmおよび0.22μmの孔径、ならびに0.2平方メートルの総フィルター面積を有する単一のフィルターが用いられた。
【0047】
(表1)単一フィルター濾過で用いた溶液

【0048】
濃厚な免疫グロブリン溶液は、表2に示したパラメーターを用いて単一のフィルターを通して濾過した。
【0049】
(表2)プロセスパラメーター

【0050】
溶液No.3〜5については、単一フィルターの細孔がバッチ体積の完全な濾過に先立って閉塞された。濾過を完了させるために、閉塞したフィルターを交換しなければならず、結果的にさらなる時間が必要となり、また、生成物の損失が生じた。
【0051】
(表3)濾過の結果

【0052】
実施例3
3.0μmおよび0.8μmの孔径を有する第1フィルターと0.45μmおよび0.22μmの孔径を有する第2フィルターとの組合せによる抗HER2抗体の濾過
この実施例では、高濃度の免疫グロブリン溶液は、3.0μm(プレフィルター)および0.8μm(メインフィルター)の孔径と、0.45μm(プレフィルター)および0.22μm(メインフィルター)の孔径とを有する2つのフィルターの組合せを用いて、総フィルター面積の平方メートルあたりのタンパク質の負荷量とは無関係に、フィルターの細孔の閉塞なしに、濾過し得ることが示される。
【0053】
この実施例では、それぞれ3.0μmおよび0.8μmの孔径を有する第1フィルターユニットと、それぞれ0.45μmおよび0.22μmの孔径を有する第2フィルターユニットとを備えた、それぞれ0.6平方メートルのフィルター面積を有する、組合せフィルターが用いられた。
【0054】
(表4)組合せフィルター濾過で用いた溶液

【0055】
濃厚な免疫グロブリン溶液は、表5に示したパラメーターを用いて2つのフィルターの組合せを通して濾過した。
【0056】
(表5)プロセスパラメーター

【0057】
溶液No.6〜10のどの溶液についても、組合せフィルターの細孔がバッチ体積の完全な濾過に先立って閉塞されることはなかった。
【0058】
(表6)濾過の結果

【0059】
実施例4
3.0μmおよび0.8μmの孔径を有するフィルターと0.45μmおよび0.22μmの孔径を有するフィルターとを備え、両フィルターが異なるフィルター面積を有する、組合せフィルターによる抗IL13Rα抗体の濾過
この実施例では、調整したプロテインA溶出液は2つのフィルターの組合せを用いて濾過し得るが、フィルター面積が2つのフィルター間で一致しない場合は、流量を減らす必要があることが示される。
【0060】
この実施例では、3.0μm(プレフィルター)および0.8μm(メインフィルター)の孔径を有し、かつ1.8平方メートルのフィルター面積を有するフィルターユニットと、0.45μm(プレフィルター)および0.22μm(メインフィルター)の孔径を有し、かつ0.6平方メートルのフィルター面積を有するフィルターユニットとが用いられた。
【0061】
(表7)組合せフィルター濾過で用いた溶液

【0062】
濃厚な免疫グロブリン溶液は、表8に示したパラメーターで組合せフィルターを通して濾過した。
【0063】
(表8)プロセスパラメーター

【0064】
溶液No.11については、組合せフィルターの細孔がバッチ体積の完全な濾過に先立って閉塞された。濾過を完了させるために、閉塞したフィルターを交換しなければならず、結果的にさらなる時間が必要となり、また、生成物の損失が生じた。
【0065】
(表9)濾過の結果

【0066】
溶液No.11の実験で見られたようなフィルターの閉塞を防ぐために、溶液No.12〜14の実験では、膜を通過する流量を減らす必要があった。溶液No.15の実験では、プロテインA溶出液がデカントされ、結果的にタンパク質の損失が生じた。
【0067】
実施例5
3.0μmおよび0.8μmの孔径を有するフィルターと0.45μmおよび0.22μmの孔径を有するフィルターとを備え、両フィルターが同じフィルター面積を有する、組合せフィルターによる抗IL13Rα抗体の濾過
この実施例では、調整したプロテインA溶出液は、フィルター面積が2つのフィルター間で一致する場合には流量の減少なしに、2つのフィルターの組合せを用いて濾過し得ることが示される。
【0068】
この実施例では、3.0μmおよび0.8μmの孔径を有するフィルターユニットが0.2平方メートルのフィルター面積を有し、0.45μmおよび0.22μmの孔径を有するフィルターユニットが0.2平方メートルのフィルター面積を有する。
【0069】
(表10)組合せフィルター濾過で用いた溶液

【0070】
溶液No.16〜20のどの溶液についても、組合せフィルターの細孔がバッチ体積の完全な濾過に先立って閉塞されることはなかった。
【0071】
(表11)濾過の結果

【0072】
実施例6
異なるタンパク質濃度、溶液中の異なる化合物および異なる加圧を用いた、異なるフィルター組合せによる異なる抗体溶液の濾過
抗IL13Rα抗体または抗HER2抗体のいずれかを含む溶液が、異なるフィルター面積とフィルター孔径とを用いるフィルターの組合せ、ならびに異なる添加剤および加圧を用いて、濾過された。
【0073】
用いたフィルターの組合せを表12に示す。したがって以下では、記号「A1」、「A2」、「B1」および「B2」を用いることにする。
【0074】
(表12)フィルターの組合せ

【0075】
以下の表13〜20および対応する図1〜8には、異なるフィルターの組合せ、異なる抗体溶液および異なる濾過条件を用いて得られた結果が示される。
【0076】
(表13)222mg/mlの抗体濃度を有する抗HER2抗体溶液および2.0バールの加圧を用いて得られた結果

【0077】
(表14)約200mMトレハロースおよび約0.05%(w/v) Tween 20を添加した、125mg/mlの抗体濃度を有する抗HER2抗体溶液および2.0バールの加圧を用いて得られた結果

【0078】
(表15)162mg/mlの抗体濃度を有する抗HER2抗体溶液および1.8バールの加圧を用いて得られた結果

【0079】
(表16)約200mMトレハロースおよび約0.2%(w/v) Poloxamerを添加した、141mg/mlの抗体濃度を有する抗IL13Rα抗体溶液および1.6バールの加圧を用いて得られた結果

【0080】
(表17)162mg/mlの抗体濃度を有する抗HER2抗体溶液および1.1バールの加圧を用いて得られた結果

【0081】
(表18)トレハロースおよびPoloxamerを添加した、141mg/mlの抗体濃度を有する抗IL13Rα抗体溶液および0.8バールの加圧を用いて得られた結果

【0082】
(表19)トレハロースおよびTween 20を添加した、125mg/mlの抗体濃度を有する抗HER2抗体溶液および0.8バールの加圧を用いて得られた結果

【0083】
(表20)トレハロースおよびTween 20を添加した、125mg/mlの抗体濃度を有する抗HER2抗体溶液および0.3バールの加圧を用いて得られた結果


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、免疫グロブリン溶液の生産方法:
(a) 少なくとも100g/lの濃度を有する免疫グロブリン溶液を提供する工程、
(b) 該免疫グロブリン溶液を、第1および第2のフィルターユニットの組合せに、0.1〜4.0バールの圧力をかけてアプライし、それによって免疫グロブリン溶液を生産する工程であって、該第1のフィルターユニットが孔径3.0μmのプレフィルターと孔径0.8μmのメインフィルターとを含み、該第2のフィルターユニットが孔径0.45μmのプレフィルターと孔径0.22μmのメインフィルターとを含む、工程。
【請求項2】
以下の工程を含む、免疫グロブリンの生産方法:
(a) 免疫グロブリンをコードする核酸を含む細胞を培養する工程、
(b) 該細胞または培養培地から免疫グロブリンを回収する工程、
(c) 該免疫グロブリンを1つまたは複数のクロマトグラフィー工程で精製し、免疫グロブリン溶液を得る工程、
(d) 任意で、該溶液に糖、アミノ酸および/または界面活性剤を添加する工程、
(e) 任意で、該免疫グロブリン溶液を、ダイアフィルトレーションまたはタンジェンシャルフロー・フィルトレーションから選択される方法で100g/l以上の濃度に濃縮する工程、および
(f) 前工程の免疫グロブリン溶液を第1および第2のフィルターユニットの組合せに0.1〜4.0バールの圧力をかけてアプライし、それによって免疫グロブリンを生産する工程であって、該第1のフィルターユニットが孔径3.0μmのプレフィルターと孔径0.8μmのメインフィルターとを含み、該第2のフィルターユニットが孔径0.45μmのプレフィルターと孔径0.22μmのメインフィルターとを含む、工程。
【請求項3】
第1および第2のフィルターユニットのフィルターが、ほぼ同じフィルター面積を有することを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項4】
免疫グロブリン溶液が、100g/l〜300g/lの濃度を有することを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
免疫グロブリン溶液が、3リットル〜100リットルの体積を有することを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
免疫グロブリンが、抗IL13受容体α抗体または抗HER2抗体であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
精製する工程が、
プロテインAアフィニティークロマトグラフィー工程と、
カチオン交換クロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、および疎水性相互作用クロマトグラフィーから選択される少なくとも1つの工程と
を用いることを特徴とする、請求項2〜6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
免疫グロブリン溶液が、160g/l以上の濃度を有し、および
フィルターの組合せにアプライする工程が、1.45バール以上の圧力を加えることによる
ことを特徴とする、前記請求項のいずれか一項記載の方法。
【請求項9】
免疫グロブリン溶液が、糖と界面活性剤とを含み、かつ125mg/ml以上の濃度を有し、および
フィルターの組合せにアプライする工程が、0.75バール以下の圧力を加えることによる
ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
3.0μm〜0.8μmの孔径を有する第1のフィルターと、0.45μm〜0.22μmの孔径を有する第2のフィルターとを含む、キット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−505733(P2013−505733A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531416(P2012−531416)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064487
【国際公開番号】WO2011/039274
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】