説明

多気筒内燃機関

【課題】複数の気筒が不等間隔点火を行うようにして並列配置され、各気筒に共通なスロットル弁が中間部に介設されて各気筒の燃焼室に接続される吸気通路の少なくともスロットル弁よりも下流側の部分が、各気筒に対応して分岐した複数の分岐吸気通路から成る多気筒内燃機関において、吸気通路長を変化する等で吸気通路形態を大きく変化させることを不要として各気筒の吸入空気量の適正化を図る。
【解決手段】点火間隔が最小となる気筒対のうち吸気行程が先行する第1の気筒C1の吸気行程が終了する前に他の気筒である第2の気筒C2の吸気弁の開弁を開始するとともに第1の気筒C1の吸気弁の開弁時間を第2の気筒C2の吸気弁の開弁時間よりも長くするように吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bのカムプロフィルが設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機関本体が備える複数の気筒が不等間隔点火を行うようにして並列配置され、各気筒に共通なエアクリーナに上流端が接続されるとともに各気筒に共通なスロットル弁が中間部に介設される吸気通路の下流端が、各気筒毎の吸気弁で各気筒の燃焼室への吸気が制御されるようにして各気筒の燃焼室に接続され、前記吸気通路の少なくとも前記スロットル弁よりも下流側の部分が、各気筒に対応して分岐した複数の分岐吸気通路から成る多気筒内燃機関に関する。
【背景技術】
【0002】
不等間隔の点火が行われる2つの気筒が並列配置され、点火間隔が小間隔となる部分で一方の気筒の吸気行程に続いて他方の気筒の吸気行程が始まることによって、一方の気筒の吸入空気量が減少することに起因した出力変動が生じることを抑制するために、各気筒の吸気通路の上流端吸込口をエアクリーナ内で異なる方向に向けるようにして、各気筒の吸入口が指向する空間を異ならせることで吸入量を調整するようにした多気筒内燃機関が、特許文献1で知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−247468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で開示されたものは、各気筒毎に独立した吸気通路が単一のエアクリーナに接続される場合には有効であるが、吸気通路の簡素化を目的として複数の吸気通路の上流部を単一に合流させてエアクリーナに接続する場合もあり、この場合には吸気通路を独立に変更して調整することができない。気筒間の吸気干渉が生じないように吸気通路長を長くすることも考えられるが、特に自動二輪車のような小型車両の場合には並列多気筒内燃機関の吸気通路やエアクリーナの配置レイアウトに制約を受けることから吸気通路長を長くすることは容易ではない。そこで不等間隔点火によって吸気量に差が生じ易い多気筒内燃機関で吸気通路長を大きく異ならせることが難しい場合でも、各気筒の吸入空気量の適正化を図り得るようにした対策が必要となった。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、不等間隔点火を行うようにして並列配置される複数の気筒に共通な単一のエアクリーナに上流端が接続される吸気通路の中間部に各気筒に共通な単一のスロットル弁が介設されるようにした上で、吸気通路長を変化する等で吸気通路形態を大きく変化させることを不要として各気筒の吸入空気量の適正化を図り得るようにした多気筒内燃機関を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、機関本体が備える複数の気筒が不等間隔点火を行うようにして並列配置され、各気筒に共通なエアクリーナに上流端が接続されるとともに各気筒に共通なスロットル弁が中間部に介設される吸気通路の下流端が、各気筒毎の吸気弁で各気筒の燃焼室への吸気が制御されるようにして各気筒の燃焼室に接続され、前記吸気通路の少なくとも前記スロットル弁よりも下流側の部分が、各気筒に対応して分岐した複数の分岐吸気通路から成る多気筒内燃機関において、各気筒の前記吸気弁を開閉作動する動弁機構が、前記吸気弁の開閉作動特性を定める複数の吸気側動弁カムを備え、点火間隔が最小となる気筒対のうち吸気行程が先行する第1の気筒の吸気行程が終了する前に他の気筒である第2の気筒の吸気弁の開弁を開始するとともに第1の気筒の吸気弁の開弁時間を第2の気筒の吸気弁の開弁時間よりも長くするように前記吸気側動弁カムのカムプロフィルが設定されることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記動弁機構が、前記吸気側動弁カムに加えて、各気筒の排気弁の開閉作動特性を定める複数の排気側動弁カムを備え、第2の気筒での吸気弁および排気弁の開弁オーバーラップ状態が第1の気筒に比べて小さくなるように、前記吸気側銅弁カムおよび前記排気側動弁カムのカムプロフィルが設定されることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、複数の前記気筒の前記吸気側動弁カムが、複数の前記気筒に共通な単一のカムシャフトに形成されることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明は、第2または第3の特徴の構成に加えて、複数の気筒の排気弁の開閉作動特性を定める複数の排気側動弁カムが、前記カムシャフトに形成されることを第4の特徴とする。
【0010】
本発明は、第4の特徴の構成に加えて、前記動弁機構は、一対の吸気側動弁カムおよび一対の排気側動弁カムを複数の気筒毎に備え、各気筒に対応する部分では、両吸気側動弁カムおよび両排気側動弁カムのうち一方の動弁カムが隣接配置され、他方の動弁カムが隣接配置された動弁カムを挟むように配置されることを第5の特徴とする。
【0011】
本発明は、第1〜第5の特徴の構成のいずれかに加えて、前記機関本体の一部を構成するシリンダヘッドに、複数の気筒に共通な単一の吸気ポートが前記吸気通路の一部を構成するようにして設けられ、前記分岐吸気通路が、前記吸気ポートから前記燃焼室に至るまでの間で前記シリンダヘッドに設けられることを第6の特徴とする。
【0012】
本発明は、第6の特徴の構成に加えて、複数の気筒毎に複数の吸気弁が配設され、前記分岐吸気通路が、複数の気筒に個別に対応するとともに前記吸気ポートに共通に連なる気筒対応分岐通路部と、その気筒対応分岐通路部から各吸気弁に個別に対応して分岐する複数の吸気弁対応分岐通路部とから成ることを第7の特徴とする。
【0013】
さらに本発明は、第1〜第7の特徴の構成のいずれかに加えて、前記スロットル弁よりも上流側で前記吸気通路が略L字状に屈曲して形成されることを第8の特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の特徴によれば、吸気側動弁カムのカムプロフィルによって、点火間隔が最小となる気筒対のうち吸気行程が先行する第1の気筒の吸気行程が終了する前に他の気筒である第2の気筒の吸気弁の開弁を開始し、第1の気筒の吸気弁の開弁時間が第2の気筒の吸気弁の開弁時間よりも長くするので、スロットル弁が開弁した状態における所定回転数域で、吸気通路長を変える等によって吸気通路形態を大きく変化させることなく、吸気側動弁カムのカムプロフィルを変えるだけの簡単な手法によって、吸気干渉が生じても各気筒での吸入空気量の適正化を図ることができる。
【0015】
また本発明の第2の特徴によれば、スロットル弁が閉じた状態で吸気通路内が負圧となることに起因して第1の気筒の吸気行程の後に吸気行程となる第2の気筒では排ガスが吸気通路側に逆流し易くなってしまい、これによって、新気を吸入し難くなるのであるが、吸気側および排気側動弁カムのカムプロフィルによって第2の気筒での吸気弁および排気弁の開弁オーバーラップ状態が第1の気筒に比べて小さくなるので、開弁オーバーラップ状態を小さくすることで排ガスの逆流を抑制し、吸入空気量を増加して吸入空気量の適正化を図ることができる。
【0016】
本発明の第3の特徴によれば、複数の気筒の吸気側動弁カムが、複数の気筒に共通な単一のカムシャフトに形成されるので、吸気側動弁カムの種類毎に各気筒で独立、分断したカムシャフトを用いる必要がなく、部品点数を低減することができる。
【0017】
本発明の第4の特徴によれば、複数の気筒の排気側動弁カムが、吸気側動弁カムとともにカムシャフトに形成されるので、部品点数の更なる低減を図ることができる。
【0018】
本発明の第5の特徴によれば、複数の気筒毎に、一対の吸気側動弁カムおよび一対の排気側動弁カムのうち一方の動弁カムが隣接配置され、他方の動弁カムが隣接配置された動弁カムを挟んで配置され、一対の吸気側動弁カムおよび一対の排気側動弁カムのうち一方の動弁カムが同一カムプロフィルを有して集合配置されることになり、吸気側動弁カムおよび排気側動弁カムをカムシャフトの軸線方向に交互に並べて配置する場合に比べて、動弁カムの加工が容易となる。
【0019】
本発明の第6の特徴によれば、スロットル弁よりも下流側で各気筒に対応して分岐される複数の分岐吸気通路が、複数の気筒に共通な吸気ポートから各気筒の燃焼室に至るまでの間でシリンダヘッドに設けられるので、分岐吸気通路をシリンダヘッドだけに形成するようにして吸気通路のコンパクト化を図ることができる。また吸気通路長が短くなると吸気干渉の影響が出やすくなるが、第1の気筒の吸気弁の開弁時間を第2の気筒の吸気弁の開弁時間よりも長くすることで吸入空気量を調整することができる。
【0020】
本発明の第7の特徴によれば、各気筒毎に複数の吸気弁が配設されることで吸気量を増加することが可能であり、そのような内燃機関では吸気干渉の影響が大きくなりやすいが、第1および第2の気筒での吸気行程および吸気弁の開弁時間を上述のように設定することで吸気量の適正化を図ることができる。
【0021】
さらに本発明の第8の特徴によれば、スロットル弁よりも上流側では吸気通路が略L字状に屈曲することで、スロットル弁およびエアクリーナ間の吸気通路長を長くして、その間の貯留空気量を増大し、単一のスロットル弁の下流側で複数気筒に吸気通路を分岐させるようにした内燃機関での吸入空気量不足を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】自動二輪車の側面図である。
【図2】機関本体の下部を図1の2−2線に沿って切断して示す断面図である。
【図3】機関本体の上部を図1の3−3線に沿って示す断面図である。
【図4】シリンダヘッドの図3の4−4線に沿って示す図である。
【図5】吸気装置を示す縦断面図である。
【図6】2つの気筒の行程を並べて示す図である。
【図7】2つの気筒の吸気弁および排気弁の作動特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態について添付の図1〜図7を参照しながら説明する。なお以下の説明で前後、上下および左右の各方向は自動二輪車に搭乗した乗員から見た方向を言うものとする。
【0024】
先ず図1において、この自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを下端部で軸支するフロントフォーク11ならびに該フロントフォーク11に連なる操向ハンドル12を操向可能に支承するヘッドパイプ13と、該ヘッドパイプ13の下部から緩勾配で後下がりに延びる左右一対のメインフレーム14…と、これらのメインフレーム14…の前端部から急勾配で後下がりに延びる左右一対のダウンフレーム15…と、前記ヘッドパイプ13の上部から後下がりに延びるとともに前記メインフレーム14…への前記ダウンフレーム15…の連設部よりも後方で前記メインフレーム14…に後端が結合される左右一対のステー16…と、前記メインフレーム14…の後端部から下方に延びる左右一対のピボットフレーム17…と、前記メインフレーム14…の後端部から後上がりに延びる左右一対のシートレール18…と、前記ピボットフレーム17…の中間部および前記シートレール18…の中間部間を連結するステー19…とを備える。
【0025】
前記ピボットフレーム17…には、後輪WRを後端部で軸支するスイングアーム20の前端部が支軸21を介して上下揺動可能に支承され、前記スイングアーム20の前側下部および前記ピボットフレーム17…の下部間に設けられるリンク機構22の一部を構成するリンク部材23と、前記車体フレームFの一部を構成して左右のピボットフレーム17…の上部間を連結するクロスメンバ24との間にリヤクッションユニット25が設けられる。
【0026】
前記メインフレーム14…、前記ダウンフレーム15…および前記ピボットフレーム17…で囲まれる領域には多気筒内燃機関Eが配置されており、この多気筒内燃機関Eの機関本体26を支持するハンガ14a,14b,15a,17aが前記メインフレーム14…、前記ダウンフレーム15…および前記ピボットフレーム17…に設けられる。また前記機関本体26の上方で前記メインフレーム14…には収納ボックス27が搭載され、この収納ボックス27の後方で前記シートレール18…上にはタンデム型の乗車用シート28が開閉可能に取付けられ、この乗車用シート28の下方には、前記シートレール18…で支持されるようにして燃料タンク29が配置される。
【0027】
図2を併せて参照して、前記機関本体26は、車幅方向に並ぶ第1の気筒C1および第2の気筒C2を有するものであり、前記車幅方向に延びる軸線を有するクランクシャフト30を回転自在に支承するクランクケース31と、クランクケース31の前部上端に結合されるシリンダブロック32と、該シリンダブロック32の上端に結合されるシリンダヘッド33と、該シリンダヘッド33の上端に結合されるヘッドカバー34と、前記クランクケース31の下部に結合されるオイルパン35とを備える。
【0028】
前記シリンダブロック32は、第1および第2の気筒C1,C2毎のシリンダボア36,36を有するものであり、それらのシリンダボア36…の中心軸線すなわちシリンダ軸線を前上がりに傾斜させた前記シリンダブロック32が前記クランクケース31の前部上端に結合される。前記シリンダボア36…に摺動可能に嵌合されるピストン37,37は、前記クランクシャフト30に位相角を270度ずらせて連接される。
【0029】
前記クランクケース31の左側面には、発電機カバー38が前記クランクケース31との間に発電機室39を形成するようにして結合され、発電機室39内に収容される発電機40のロータ41が、発電機室39内に突入した前記クランクシャフト30の端部に固定され、発電機40のステータ42は、前記ロータ41で囲繞されるようにして発電機カバー38に固定される。
【0030】
またクランクケース31の上部には、図1で示すように、スタータモータ43が固定配置されており、そのスタータモータ43からの動力を伝達する減速ギヤ列44の一部を構成する被動ギヤ45が、一方向クラッチ46を介して前記ロータ41に連結される。
【0031】
前記クランクケース31の右側面には、該クランクケース31との間にクラッチ室49を形成するクラッチカバー50が結合される。而して前記クランクケース31内には、前記クランクシャフト30と平行な軸線を有して該クランクケース31で回転自在に支承される第1および第2メインシャフト51,52と、カウンタシャフト53との間に選択的に確立可能な複数変速段のギヤ列たとえば第1速〜第6速ギヤ列G1〜G6が設けられて成る変速機Mが収容される。
【0032】
第1および第2メインシャフト51,52は同軸に配置されており、クランクケース31の右側壁を回転自在に貫通する第1メインシャフト51の一端部はクランクケース31の左側壁にボールベアリング54を介して回転自在に支承され、この第1メインシャフト51の他端部は前記クラッチカバー50で回転自在に支承される。また第2メインシャフト52は、第1メインシャフト51を同軸に囲繞して前記クランクケース31の右側壁を回転自在に貫通するものであり、クランクケース31の右側壁および第2メインシャフト52間にはボールベアリング55が介装され、第1および第2メインシャフト51,52間には、複数のニードルベアリング56,56…が介装される。
【0033】
前記カウンタシャフト53の一端部は、クランクケース31の左側壁との間にボールベアリング57および環状のシール部材58を介在させてクランクケース31の左側壁後部から突出され、またカウンタシャフト53の他端部はクランクケース31の右側壁にニードルベアリング59を介して回転自在に支承される。
【0034】
而して第1メインシャフト51およびカウンタシャフト53間に、第1速ギヤ列G1、第3ギヤ列G3および第5速ギヤ列G5が設けられ、第2メインシャフト52およびカウンタシャフト53間に、第2速ギヤ列G2、第4速ギヤ列G4および第6速ギヤ列G6が設けられる。
【0035】
前記クランクケース31の左側壁から突出した前記カウンタシャフト53の一端部には駆動スプロケット60が固定されており、前記後輪WRに設けられる被動スプロケット61および前記駆動スプロケット60に無端状のチェーン62(図1参照)が巻き掛けられる。
【0036】
前記クラッチ室49には、前記クランクシャフト30からの動力を伝達する一次減速装置63と、一次減速装置63および前記第1メインシャフト51間に介設される第1の油圧クラッチ64と、一次減速装置63および第2メインシャフト52間に介設される第2の油圧クラッチ65とが収容される。
【0037】
また前記クラッチ室49内で前記クランクシャフト30の端部にはパルサ66が固着されており、このパルサ66の外周に対向するようにして前記クラッチ室49内に配置される回転速センサ67がクラッチカバー50に固定される。
【0038】
第1メインシャフト51の前記クラッチ室49側の中間部には、第2メインシャフト52に軸方向で隣接する伝動筒軸68が軸方向位置を一定として相対回転可能に装着されており、第1の油圧クラッチ64は、伝動筒軸68および第1メインシャフト51間の動力断・接を切換可能として第1メインシャフト51上に設けられ、第2の油圧クラッチ65は、伝動筒軸68および第2シャフト65間の動力断・接を切換可能として伝動筒軸68および第2メインシャフト52上に設けられる。
【0039】
前記伝動筒軸68には、クランクシャフト30からの動力が一次減速装置63およびダンパースプリング69を介して伝達される。而して一次減速装置63は、前記クランクシャフト30とともに回転する一次駆動ギヤ70と、この一次駆動ギヤ70に噛合するようにして第1および第2メインシャフト51,52と同軸に配置される一次被動ギヤ71とから成り、一次被動ギヤ71が前記ダンパースプリング76を介して伝動筒軸68に連結される。
【0040】
図3および図4を併せて参照して、前記シリンダブロック32および前記シリンダヘッド33間には、第1および第2の気筒C1,C2のピストン37…の頂部を臨ませる燃焼室75,75が形成されており、一対の吸気弁76,76および一対の排気弁77,77が、第1および第2の気筒C1,C2毎に前記シリンダヘッド33に開閉作動可能に配設される。
【0041】
図5において、前記シリンダヘッド33の上方には、第1および第2の気筒C1,C2に共通である単一のエアクリーナ78が、前記収納ボックス27で覆われるとともに前記ステー16…で支持されるようにして配置されており、そのエアクリーナ78に上流端が接続されるとともに第1および第2の気筒C1,C2に共通なスロットル弁79が中間部に介設される吸気通路80の下流端が、第1および第2の気筒C1,C2毎の吸気弁76,76…で各気筒C1,C2の燃焼室75…への吸気が制御されるようにして各気筒C1,C2の燃焼室75…に接続される。
【0042】
前記吸気通路80は、前記エアクリーナ78に上流端が突入されるようにして該エアクリーナ78に接続される吸気管81と、該吸気管81の下流端に上流端が接続されるとともに前記スロットル弁79が配設されるスロットルボディ82と、該スロットルボディ82の下流端および前記シリンダヘッド33の上部側壁間に介装される円筒状のインシュレータ83と、前記シリンダヘッド33とで構成される。
【0043】
前記シリンダヘッド33の上部側壁には、第1および第2の気筒C1,C2に共通な単一の吸気ポート84を形成する吸気接続管部85が突設されており、前記吸気通路80の一部を前記吸気ポート84が構成するようにして前記吸気接続管部85に、前記スロットルボディ82の下流端が前記インシュレータ83を介して接続される。
【0044】
ところで前記吸気通路80の少なくとも前記スロットル弁79よりも下流側の部分は、第1および第2の気筒C1,C2に対応して分岐した一対の分岐吸気通路86,86から成るものであり、この実施の形態では、両分岐吸気通路86…はシリンダヘッド33に形成される。
【0045】
而して前記分岐吸気通路86,86は、第1および第2の気筒C1,C2に個別に対応するとともに前記吸気ポート84に共通に連なる気筒対応分岐通路部86a,86aと、それらの気筒対応分岐通路部86a,86から各吸気弁76,76…に個別に対応して分岐する複数の吸気弁対応分岐通路部86b,86c;86b,86cとから成る。
【0046】
前記吸気通路80のうち前記スロットル弁79よりも上流側の部分は、略L字状に屈曲して形成されており、この実施の形態では、吸気管81が略L字状に屈曲して形成される。
【0047】
再び図1において、前記後輪WRの右側には排気マフラー87が配置されており、この排気マフラー87に下流端が接続される排気通路88の上流端が、第1および第2の気筒C1,C2毎の排気弁77,77…によって各気筒C1,C2の燃焼室75…からの排気が制御されるようにして各気筒C1,C2の燃焼室75…に接続される。
【0048】
前記排気通路88の一部は、前記シリンダヘッド33と、そのシリンダヘッド33の下部側壁に接続されて下方に延びる排気管89とで構成されるものであり、前記シリンダヘッド33には、第1および第2の気筒C1,C2の各排気弁77,77…に個別に対応した複数の排気弁対応分岐通路部88a,88b;88a,88bと、各気筒C1,C2毎に排気弁対応分岐通路部88a,88b;88a,88bを合流させる気筒対応分岐通路部88c,88cと、それらの気筒対応分岐通路部88c,88cを共通に合流させて前記シリンダヘッド33の下部側壁に開口する排気ポート90とが設けられ、第1および第2の気筒C1,C2に共通である単一の前記排気ポート90に前記排気管89の上流端が連通される。
【0049】
また前記排気管89内には、前記排気ポート90の直下に配置されるようにして触媒91が収納されており、排気ポート90から排出される排ガスが、その温度が低下しないうちに前記触媒91を流通することにより、内燃機関Eの始動時の前記触媒91の活性化を早めることができる。
【0050】
図3に注目して、第1および第2気筒C1,C2の吸気弁76…および排気弁77…を開閉駆動する動弁機構94は、前記シリンダヘッド33および前記ヘッドカバー34間に形成される動弁室95に収容されるものであり、前記クランクシャフト30と平行な軸線を有して前記シリンダヘッド33に回転自在に支承される単一のカムシャフト96と、第1の気筒C1の吸気弁76,76に個別に対応して前記カムシャフト96に形成される一対の吸気側動弁カム97A,98Aと、第1の気筒C1の排気弁77,77に個別に対応して前記カムシャフト96に形成される一対の排気側動弁カム99A,100Aと、第2の気筒C2の吸気弁76,76に個別に対応して前記カムシャフト96に形成される一対の吸気側動弁カム97B,98Bと、第2の気筒C2の排気弁77,77に個別に対応して前記カムシャフト96に形成される一対の排気側動弁カム99B,100Bと、第1の気筒C1に対応して前記吸気側動弁カム97A,98Aおよび前記吸気弁76,76間に介設される一対の吸気側ロッカアーム101A,102Aと、第1の気筒C1に対応して前記排気側動弁カム97A,98Aおよび前記排気弁77,77間に介設される一対の排気側ロッカアーム103A,104Aと、第2の気筒C2に対応して前記吸気側動弁カム97B,98Bおよび前記吸気弁76,76間に介設される一対の吸気側ロッカアーム101B,102Bと、第2の気筒C2に対応して前記排気側動弁カム97B,98Bおよび前記排気弁77,77間に介設される一対の排気側ロッカアーム103B,104Bとを備え、各ロッカアーム101A〜104A,101B〜104Bは、前記シリンダヘッド33に固定されるロッカシャフト105で揺動可能に支承される。
【0051】
第1の気筒C1の吸気側動弁カム97A,98Aは、第1の気筒C1の吸気弁76…を同一の開閉作動特性で開閉駆動するようにして同一カムプロフィルを有するように形成され、第1の気筒C1の排気側動弁カム99A,100Aは第1の気筒C1の排気弁77…を同一の開閉作動特性で開閉駆動するようにして同一カムプロフィルを有するように形成され、第2の気筒C2の吸気側動弁カム97B,98Bは第2気筒C2の吸気弁76…を同一の開閉作動特性で開閉駆動するようにして同一カムプロフィルを有するように形成され、第2の気筒C2の排気側動弁カム99B,100Bは第2気筒C2の排気弁77…を同一の開閉作動特性で開閉駆動するようにして同一カムプロフィルを有するように形成される。
【0052】
しかも第1および第2の気筒C1,C2に対応する部分では、両吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bおよび両排気側動弁カム99A,100A;99B,100Bのうち一方の動弁カムが隣接配置され、他方の動弁カムが隣接配置された動弁カムを挟むように配置されており、この実施の形態では、一対の吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bが隣接配置され、一対の排気側動弁カム99A,100A;99B,100Bが、隣接配置された吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bを挟むように配置される。
【0053】
前記カムシャフト96の一端部には、被動スプロケット106が固定されており、図2で示すように前記クラッチ室49内でクランクシャフト30に設けられる駆動スプロケット107と、前記被動スプロケット106とには無端状のカムチェーン108が巻き掛けられており、前記クラッチ室49および前記動弁室95間を結ぶカムチェーン通路109が、前記カムチェーン108を走行させるようにして前記シリンダブロック32および前記シリンダヘッド33に形成される。
【0054】
また前記カムシャフト96の他端部には、前記シリンダヘッド33に取付けられる冷却水ポンプ110のポンプ軸111が同軸にかつ相対回転不能に連結される。
【0055】
第1および第2の気筒C1,C2では、図6において「膨」、「排」、「吸」、「圧」と表記するように、ピストン37が上死点(TDC)および下死点(BDC)間でシリンダボア36内を摺動することによって、ピストン37が膨張行程、排気行程、吸入行程および圧縮行程を順次繰り返すのであるが、第1の気筒C1のピストン37と、第2の気筒C2のピストン37とが位相角を270度ずらせて前記クランクシャフト30に連接されているので、第2の気筒C2での膨張行程、排気行程、吸入行程および圧縮行程は、第1の気筒C1からクランク角で270度遅れる。
【0056】
第1および第2の気筒C1,C2において、クランク角を720度あけた吸入行程の終期に点火を行うことで、第1および第2の気筒C1,C2全体では不等間隔点火となる。すなわち270度のクランク角および450度のクランク角をあけての点火が交互に繰り返される。
【0057】
本発明に従えば、点火間隔が最小となる部分、すなわち図6においては、クランク角450度〜720度の間の部分、ならびにクランク角1170度〜1440度の間の部分で、吸気行程が先行する第1の気筒C1の吸気行程が終了する前に第2の気筒C2の吸気弁76…の開弁を開始するとともに、第1の気筒C1の吸気弁76…の開弁時間を第2の気筒C2の吸気弁76…の開弁時間よりも長くするように前記吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bのカムプロフィルが設定される。
【0058】
第1の気筒C1での排気弁77…および吸気弁76…は、たとえばクランク角の(−269.5度〜264度)の範囲では排気側動弁カム99A,100Aおよび吸気側動弁カム97A,98Aのカムプロフィルに基づいて図7(a)で示す開閉作動特性で作動するものであり、クランク角264度で第1の気筒C1の吸気行程が終了するのであるが、第2の気筒C2での排気弁77…および吸気弁76…は、たとえばクランク角の(1度〜533.4度)の範囲では、排気側動弁カム99B,100Bおよび吸気側動弁カム97B,98Bのカムプロフィルに基づいて図7(b)で示す開閉作動特性で作動し、第1の気筒C1の吸気行程が終了する前、すなわちクランク角が264度となる前のクランク角259.5度で第2の気筒C2の吸気弁76…が開弁を開始する。また第1の気筒C1の吸気弁76…の開弁時間すなわち開度は、クランク角の(−16度〜264度)の280度であるのに対して、第2の気筒C2の吸気弁76…の開弁時間すなわち開度は、クランク角の(259.5度〜533.4度)の273.9度であり、第1の気筒C1の吸気弁76…の開弁時間は第2の気筒C2の吸気弁76…の開弁時間よりも大きくなる。
【0059】
また第2の気筒C2での吸気弁76…および排気弁77…の開弁オーバーラップ状態が第1の気筒C1に比べて小さくなるように、前記吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bおよび前記排気側動弁カム99A,100A;99B,100Bのカムプロフィルが設定される。
【0060】
次にこの実施の形態の作用について説明すると、第1および第2の気筒C1,C2の吸気弁76…を開閉作動する動弁機構94が、吸気弁76…の開閉作動特性を定める複数の吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bを備え、点火間隔が最小となる部分で吸気行程が先行する第1の気筒C1の吸気行程が終了する前に第2の気筒C2の吸気弁76…の開弁を開始するとともに第1の気筒C1の吸気弁76の開弁時間を第2の気筒C2の吸気弁76の開弁時間よりも長くするように吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bのカムプロフィルが設定されるので、スロットル弁79が開弁した状態における所定回転数域で、吸気通路長を変える等によって吸気通路形態を大きく変化させることなく、吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bのカムプロフィルを変えるだけの簡単な手法によって、吸気干渉が生じても第1および第2の気筒C1,C2での吸入空気量の適正化を図ることができる。
【0061】
ところでスロットル弁79が閉じた状態で吸気通路80内が負圧となることに起因して第1の気筒C1の吸気行程の後に吸気行程となる第2の気筒C2では排ガスが吸気通路80側に逆流し易くなってしまい、これによって、新気を吸入し難くなるのであるが、動弁機構94が、吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bに加えて、第1および第2の気筒C1,C2の排気弁77…の開閉作動特性を定める複数の排気側動弁カム99A,100A;99B,100Bを備え、第2の気筒C2での吸気弁76…および排気弁77…の開弁オーバーラップ状態が第1の気筒C1に比べて小さくなるように、前記吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bおよび前記排気側動弁カム99A,100A;99B,100Bのカムプロフィルが設定されるので、開弁オーバーラップ状態を小さくすることで排ガスの逆流を抑制し、吸入空気量を増加して吸入空気量の適正化を図ることができる。
【0062】
また第1および第2の気筒C1,C2の前記吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bが、第1および第2の気筒C1,C2に共通な単一のカムシャフト96に形成されるので、吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bの種類毎に各気筒で独立、分断したカムシャフトを用いる必要がなく、部品点数を低減することができる。しかも前記カムシャフト96には、第1および第2の気筒C1,C2の排気弁77…の開閉作動特性を定める複数の排気側動弁カム99A,100A;99B,100Bが形成されるので、部品点数をより一層低減することができる。
【0063】
また動弁機構94は、一対の吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bおよび一対の排気側動弁カム99A,100A;99B,100Bを第1および第2の気筒C1,C2毎に備え、各気筒C1,C2に対応する部分では、両吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bが隣接配置され、両排気側動弁カム99A,100A;99B,100Bが隣接配置された吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bを挟むように配置されるので、第1の気筒C1での吸気側動弁カム97A,98Aならびに第2の気筒C2での吸気側動弁カム97B,98Bが同一カムプロフィルを有して集合配置されることになり、吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bおよび排気側動弁カム99A,100A;99B,100Bをカムシャフト96の軸線方向に交互に並べて配置する場合に比べて、吸気側動弁カム97A,98A;97B,98Bの加工が容易となる。
【0064】
またシリンダヘッド33に、第1および第2の気筒C1,C2に共通な単一の吸気ポート84が吸気通路80の一部を構成するようにして設けられ、分岐吸気通路86…が、前記吸気ポート84から燃焼室75…に至るまでの間でシリンダヘッド33に設けられるので、分岐吸気通路86…をシリンダヘッド33だけに形成するようにして吸気通路80のコンパクト化を図ることができる。また吸気通路長が短くなると吸気干渉の影響が出やすくなるが、第1の気筒C1の吸気弁76…の開弁時間を第2の気筒C2の吸気弁76…の開弁時間よりも長くすることで吸入空気量を調整することができる。
【0065】
また第1および第2の気筒C1,C2毎に一対の吸気弁76,76…が配設され、分岐吸気通路86…が、第1および第2の気筒C1,C2に個別に対応するとともに前記吸気ポート84に共通に連なる気筒対応分岐通路部86a…と、その気筒対応分岐通路部86a…から各吸気弁76…に個別に対応して分岐する複数の吸気弁対応分岐通路部86b…,86c…とから成るので、各気筒C1,C2毎に一対の吸気弁76…が配設されることで吸気量を増加することが可能であり、そのような内燃機関Eでは吸気干渉の影響が大きくなりやすいが、上述のように第1の気筒C1の吸気行程が終了する前に第2の気筒C2の吸気弁76…の開弁を開始するとともに第1の気筒C1の吸気弁76の開弁時間を第2の気筒C2の吸気弁76の開弁時間よりも長くするように設定することで吸気量の適正化を図ることができる。
【0066】
さらにスロットル弁79よりも上流側で前記吸気通路80が略L字状に屈曲して形成されるので、スロットル弁79およびエアクリーナ78間の吸気通路長を長くして、その間の貯留空気量を増大し、単一のスロットル弁79の下流側で第1および第2の気筒C1,C2に吸気通路80を分岐させるようにした内燃機関Eでの吸入空気量不足を解消することができる。
【0067】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0068】
たとえば上記実施の形態では、第1および第2の気筒C1,C2が並列配置された多気筒内燃機関Eについて説明したが、3気筒以上の気筒が並列配置されて不等間隔点火が実行される多気筒内燃機関にも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
26・・・機関本体
33・・・シリンダヘッド
75・・・燃焼室
76・・・吸気弁
77・・・排気弁
78・・・エアクリーナ
79・・・スロットル弁
80・・・吸気通路
84・・・吸気ポート
86・・・分岐吸気通路
86a・・・気筒対応分岐通路部
86b,86c・・・吸気弁対応分岐通路部
94・・・動弁機構
96・・・カムシャフト
97A,98A;97B,98B・・・吸気側動弁カム
99A,100A;99B,100B・・・排気側動弁カム
C1・・・第1の気筒
C2・・・第2の気筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機関本体(26)が備える複数の気筒(C1,C2)が不等間隔点火を行うようにして並列配置され、各気筒(C1,C2)に共通なエアクリーナ(78)に上流端が接続されるとともに各気筒(C1,C2)に共通なスロットル弁(79)が中間部に介設される吸気通路(80)の下流端が、各気筒(C1,C2)毎の吸気弁(76)で各気筒(C1,C2)の燃焼室(75)への吸気が制御されるようにして各気筒の燃焼室(75)に接続され、前記吸気通路(80)の少なくとも前記スロットル弁(79)よりも下流側の部分が、各気筒(C1,C2)に対応して分岐した複数の分岐吸気通路(86)から成る多気筒内燃機関において、各気筒(C1,C2)の前記吸気弁(76)を開閉作動する動弁機構(94)が、前記吸気弁(76)の開閉作動特性を定める複数の吸気側動弁カム(97A,98A;97B,98B)を備え、点火間隔が最小となる気筒対のうち吸気行程が先行する第1の気筒(C1)の吸気行程が終了する前に他の気筒である第2の気筒(C2)の吸気弁(76)の開弁を開始するとともに第1の気筒(C1)の吸気弁(76)の開弁時間を第2の気筒(C2)の吸気弁(76)の開弁時間よりも長くするように前記吸気側動弁カム(97A,98A;97B,98B)のカムプロフィルが設定されることを特徴とする多気筒内燃機関。
【請求項2】
前記動弁機構(94)が、前記吸気側動弁カム(97A,98A;97B,98B)に加えて、各気筒(C1,C2)の排気弁(77)の開閉作動特性を定める複数の排気側動弁カム(99A,100A;99B,100B)を備え、第2の気筒(C2)での吸気弁(76)および排気弁(77)の開弁オーバーラップ状態が第1の気筒(C1)に比べて小さくなるように、前記吸気側動弁カム(97A,98A;97B,98B)および前記排気側動弁カム(99A,100A;99B,100B)のカムプロフィルが設定されることを特徴とする請求項1記載の多気筒内燃機関。
【請求項3】
複数の前記気筒(C1,C2)の前記吸気側動弁カム(97A,98A;97B,98B)が、複数の前記気筒(C1,C2)に共通な単一のカムシャフト(96)に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の多気筒内燃機関。
【請求項4】
複数の気筒(C1,C2)の排気弁(77)の開閉作動特性を定める複数の排気側動弁カム(99A,100A;99B,100B)が、前記カムシャフト(96)に形成されることを特徴とする請求項2または3記載の多気筒内燃機関。
【請求項5】
前記動弁機構(94)は、一対の吸気側動弁カム(97A,98A;97B,98B)および一対の排気側動弁カム(99A,100A;99B,100B)を複数の気筒(C1,C2)毎に備え、各気筒(C1,C2)に対応する部分では、両吸気側動弁カム(97A,98A;97B,98B)および両排気側動弁カム(99A,100A;99B,100B)のうち一方の動弁カム(97A,98A;97B,98B)が隣接配置され、他方の動弁カム(99A,100A;99B,100B)が隣接配置された動弁カム(97A,98A;97B,98B)を挟むように配置されることを特徴とする請求項4記載の多気筒内燃機関。
【請求項6】
前記機関本体(26)の一部を構成するシリンダヘッド(33)に、複数の気筒(C1,C2)に共通な単一の吸気ポート(84)が前記吸気通路(80)の一部を構成するようにして設けられ、前記分岐吸気通路(86)が、前記吸気ポート(84)から前記燃焼室(75)に至るまでの間で前記シリンダヘッド(33)に設けられることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多気筒内燃機関。
【請求項7】
複数の気筒(C1,C2)毎に複数の吸気弁(76)が配設され、前記分岐吸気通路(86)が、複数の気筒(C1,C2)に個別に対応するとともに前記吸気ポート(84)に共通に連なる気筒対応分岐通路部(86a)と、その気筒対応分岐通路部(86a)から各吸気弁(76)に個別に対応して分岐する複数の吸気弁対応分岐通路部(86b,86c)とから成ることを特徴とする請求項6記載の多気筒内燃機関。
【請求項8】
前記スロットル弁(79)よりも上流側で前記吸気通路(80)が略L字状に屈曲して形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の多気筒内燃機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−68180(P2013−68180A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208318(P2011−208318)
【出願日】平成23年9月25日(2011.9.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】