説明

多環式有機化合物、光学異方性膜及びその製造方法



可視スペクトル領域において電磁放射に対して実質的に透過性である多環式有機化合物、少なくとも一つの多環式有機化合物を含む異方性光学膜及びその製造方法が開示されている。多環式有機化合物は一般式(I)を有し、ここで、A及びBは酸性基であり、nは3乃至10の範囲であるフェニル環の数であり、mは0、1、2又は3であり、lは1、2又は3であり、pは1、2、3、4、5又は6であり、CはH、NH、Na、K、Li、Cs、Ca2+、Mg2+、Sr2+、La3+、Zn2+、Zr4+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される対イオンであり、かつkは(−p)と等しい負の電荷を補償するために必要な対イオンの数である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可視スペクトル領域において電磁放射に対してほぼ透過性である多環式有機化合物に関する。そのような化合物に基づく異方性光学膜は、液晶ディスプレイの補償板、より詳細には、位相差板として使用され得る。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ(LCD)技術が、TV、コンピュータ(例えば、ノート型パーソナルコンピュータ、デスクトップ型パーソナルコンピュータ)、時計、携帯電話等のモニタの適用において、陰極線管(CRT)にとって代わりつつある。しかしながら、LCDには解決すべきいくらかの技術的課題が依然として存在しており、例えば、彩色、コントラストの低下及び明度の反転に対する視野角の効果についてなどである。
【0003】
従って、技術的な進歩が所望の制御可能な特性を備えた新規な材料に基づく光学要素を開発する課題を提起している。光学異方性薄膜がその解決手段の一つである。
光学異方性薄膜は従来技術において周知である。ポリビニルアルコール(PVA)膜は一軸延伸及び有機染料又はヨウ素での着色により光学異方性を獲得する。しかしながら、PVAベースの薄膜は熱的安定性が低いといった特徴であり、それにより幾らかの実用的な用途がかなり制限を受けることになる。PVAベースの膜は、例えば、非特許文献1に記載されている。
【0004】
ある種の条件においてはポリマーのみならず個々の化合物も薄膜を形成することが可能である。幾らかの種類の有機染料は、光学異方性薄膜を形成するために使用される。そのような染料に基づく膜は、染料分子により形成された超分子(supramolecules)の液晶(LC)水溶液を基質表面上に適用し、その後水分を蒸発させることによって形成される。適用された膜は、基質表面の予備的な機械的配向によって、あるいは、基質上のLC膜材料に外側から機械的、電磁的、若しくはその他の配向力を与えることによって、異方性となる。
【0005】
液晶相を形成する有機染料の能力、染料溶液から膜を形成する方法及び染料に基づく薄膜の光学的特性は、非特許文献2に記載されている。
有機染料分子に類似した分子構造を備えてはいるが、可視スペクトル領域にて吸収しない有機共役化合物は、液晶ディスプレイの位相差板及び補償板を製造するために使用され得る。
【0006】
置換されたテルフェニル類が従来技術において周知である。非特許文献3に記載されているように、昇温状態においてクロロスルホン酸又は20%発煙硫酸でp−テルフェニルをスルホン化すると4,7−ジスルホ−フェニルジベンゾチオフェンジオキサイドを生成する。しかしながら、異方性光学膜はこのp−テルフェニルの誘導体からは形成できない。
【0007】
位相差板及び補償板は吸収が存在していないスペクトル領域において位相遅延特性を備えた膜である。そのような膜の位相遅延特性、又は補償特性は、複屈折(Δn)として周知であるその二重屈折特性によって決定される:
【0008】
【数1】

ここで、Δnは、異常波(n)と正常波(n)の屈折率の差である。n及びnの値は媒質中の分子の配向及び光の伝播する方向に依存して変更する。例えば、仮に光の伝播方向が光学軸又は結晶軸と一致する場合、通常の偏光が主として観察される。仮に光線が、光学軸と垂直な方向に伝播される、又は光学軸と所定の角度をなして伝播される場合、媒質から出現する光線は異常な成分と正常な成分とに分けられるであろう。
【0009】
特有の光学特性に加えて、有機芳香族化合物に基づく膜は、環境における高い安定性、特に、熱的安定性及び放射線に対する安定性(光安定性)により特徴付けられるといった重要性も有する。
【0010】
一般的に、有機共役化合物は水に難溶性である。しかしながら、分子に幾らかの官能基を導入することによって、水に対する溶解性が改善され、例えば、種々の極性基のようないくらかの酸性基はこの目的のために使用され得る。
【0011】
置換されたオリゴフェニル(ビフェニル及びテルフェニル)鎖を含む化合物は従来技術において周知である。例えば、特許文献1において、液晶相を形成することが可能なパラ位が置換されたビフェニルが記載されており、そのパラ位の置換基は例えば、ニトロ基又は水酸基である。
【0012】
二つの異なるパラ置換基(即ち、アルキル基及びシアノ基)をオリゴフェニル鎖の末端フェニル環に導入すること、及びそのような化合物が液晶相を形成する能力に関しては、例えば特許文献2に記載されている。
【0013】
特許文献3には、フッ素化されたテルフェニル鎖を含む広い温度範囲において液晶相を形成可能な化合物であって、末端フェニル環のパラ置換基がアルキルである、化合物が開示されている。
【0014】
液晶層を形成可能なスルホアルキル置換テルフェニル鎖を備えた化合物及び同化合物のベース上にある自己凝集可能な単一層が特許文献4に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】英国特許第1441571号明細書
【特許文献2】英国特許第1433130号明細書
【特許文献3】英国特許第2227742号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2001/044552号明細書
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】B.Bahadur著、“Liquid Crystals−Applications and Uses”、World Scientific,Singapore−New York(1990),Vol.1,p.101
【非特許文献2】J.Lydon,“Chromonics,in Handbook of Liquid Crystals”,Wiley VCH,Weinheim(1998),Vol.2B,p.981−1007
【非特許文献3】Journal of Organic Chemistry,1956,pp.1152−1155
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そのような光学膜は上述のような多岐にわたる技術的な用途におけるコーティングとしての使用が見出されているので、それらが使用される環境は多くの場合、高い湿度と、その他の侵食を受けやすい条件によって特徴付けられる。従って、可視スペクトル領域において実質的に透過性であり、同時に高湿度状態にて安定である光学薄膜用の新規な材料の必要性が存在する。また、そのような光学膜の簡単かつ再生可能な製造方法を得ることも重要である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の詳細な説明及び特許請求の範囲において使用される種々の用語の定義を以下に列挙する。
本明細書において使用されているように、「多環式有機化合物」なる用語は、以下の式(I)に示されるように結合された少なくとも二つのフェニル環であって、置換された、又は置換されていないフェニル環、の連続体を参照し、同連続体は選択的に、更なる共有結合により二つの隣接するフェニル環が結合している少なくとも一つの二価の基を含み、かつ同連続体は選択的に二つの隣接するフェニル環の間に少なくとも一つの複素環基を含む。
【0019】
「二価の基」なる用語は、二つの独立した共有結合を形成する架橋基、言い換えれば、別の化学フラグメントと結合するために利用可能な二価の原子価を有する任意の官能基である。
【0020】
「複素環基」なる用語は、窒素、硫黄又は酸素から選択される少なくとも一つのヘテロ原子を含む一つ、二つ、又は三つの芳香環のシステムに対して使用され、それらは、特に指摘されていない限り、炭素結合又は窒素結合されている。
【0021】
「酸性基」なる用語は、水−イオン化塩官能基を形成するために、水性アルカリによって中和される官能基である。
「薄膜」なる用語は、約1000ミクロン未満の厚みを有する膜を定義する。
【0022】
第一の態様において、本発明は一般構造式(I)の有機化合物を提供し:
【0023】
【化1】

ここで、nは3乃至10の範囲であるフェニル環の数であり;A及びBは酸性基であり;mは0、1、2又は3であり;lは1、2又は3であり;pは1、2、3、4、5又は6であり;CはH、NH、Na、K、Li、Cs、Ca2+、Mg2+、Sr2+、La3+、Zn2+、Zr4+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される対イオンであり;kは(−p)と等しい負の電荷を補償するために必要な対イオンの数である。同有機化合物は可視スペクトル領域における電磁放射に対して透過性であり、同有機化合物の溶液は、実質的に透明であり、かつ光学的に異方性の固体層を基質上に形成することが可能である。
【0024】
一実施形態において、同有機化合物は更に、更なる共有結合によって二つの隣接するフェニル環を結合する同一の、又は異なる二価の基Xiを含み、ここで、iは、構造式(III)及び(IV)において示されるように1乃至(n−1)の範囲の数である。別の実施形態において、二価の基は、−SO−、−O−及び−NH−基からなる群より選択される。酸性基A及びBは、好ましくは、スルホン基、カルボキシル基及びホスホン酸基からなる群より独立して選択される。
【0025】
本発明の別の実施形態において、有機化合物は構造式(II):
【0026】
【化2】

を有する。
【0027】
本発明の別の実施形態において、開示された有機化合物は、二価の基X、X及びXを含む構造式(III)を有し、Xi基のすべて(式IIIにおいては一例として提示されているものは3までに制限される)が、フェニル環の鎖を形成する結合に関して任意の一方の側にある。
【0028】
【化3】

本発明の別の実施形態において、開示された有機化合物は二価のXi基を含む式(III)に類似する構造式を有し、ここで、iは1乃至(n−1)の任意の値であり、Xi基のすべてが、フェニル環の鎖を形成する結合に関して任意の一方の側にある。
【0029】
本発明の別の実施形態において、開示された有機化合物は二価の基X、X及びXを含む構造式(IV)を有し、Xi基(式IVにおいては一例として提示されているものは3までに制限される)が、フェニル環の鎖を形成する結合に関して両方の側に配置されている。本発明の化合物の二価の基の可能な位置の一つが構造式(IV)に示されている。
【0030】
【化4】

本発明の別の実施形態において、開示された有機化合物は二価のXi基を含む式(IV)に類似する構造式を有し、ここで、iは1乃至(n−1)の任意の値であり、Xi基が、フェニル環の鎖を形成する結合に関して両方の側にある。
【0031】
別の実施形態において、式(I)の多環式化合物はオリゴフェニル環の鎖に関して、Xi基の位置の任意の組み合わせを含む。
本発明の一実施形態において、有機化合物は更に二つの隣接するフェニル環の間に配置される少なくとも一つの複素環基を含む。本発明の別の実施形態において、有機化合物は更に、二つの隣接するフェニル環の間に配置される少なくとも二つの同一の、若しくは異なる複素環基を含む。
【0032】
有機化合物の好ましい実施形態において、同複素環基は、ベンゾジオキサゾール、ベンゾジイミダゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン及び1,3,4−オキサジアゾールから選択される。
【0033】
少なくとも一つの複素環基を含み、構造1−6に対応する一般構造式を有する有機化合物の例を表1に示す。
【0034】
【表1】

開示された有機化合物のオリゴフェニル鎖は可視スペクトル範囲において光の吸収がなくても十分な電子共役を提供する一方、同鎖は強固なベースを提供する。末端フェニル環の酸性基は液晶相を形成するのに効果的な分子の配向に対する更なる可能性を提供する。
【0035】
第二の態様において、本発明は、前面及び後面を有する基質上に異方性光学膜を提供し、同膜は基質の前面に適用される少なくとも一つの有機層を含み、同有機層は一般式(I)の少なくとも一つの有機化合物を含み:
【0036】
【化5】

ここで、nは3乃至10の範囲であるフェニル環の数であり;A及びBは酸性基であり;mは0、1、2又は3であり;lは1、2又は3であり;pは1、2、3、4、5又は6であり;CはH、NH、Na、K、Li、Cs、Ca2+、Mg2+、Sr2+、La3+、Zn2+、Zr4+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される対イオンであり;kは(−p)と等しい負の電荷を補償するために必要な対イオンの数である。同有機層は可視スペクトル領域における電磁放射に対して透過性である。
【0037】
開示された異方性光学膜の更に別の実施形態において、同有機化合物は、更なる共有結合によって二つの隣接するフェニル環を結合する同一の、又は異なる二価の基Xiを含み、ここで、iは1乃至(n−1)の範囲の数である。
【0038】
異方性光学膜のまた別の実施形態において、同有機化合物は−SO−、−O−及び−NH−基からなる群より選択される少なくとも一つの二価の基Xiを含む。
異方性光学膜の一実施形態において、酸性基A及びBは、スルホン基、カルボキシル基及びホスホン酸基からなる群より独立して選択される。異方性光学膜の別の実施形態において、有機化合物はすでに記載された構造式(II)を有する。異方性光学膜の更に別の実施形態において、有機化合物は、すでに記載された二価の基X、X及びXを含む構造式(III)を有する。異方性光学膜の別の実施形態において、開示された有機化合物は二価のXi基を含む式(III)に類似する構造式を有し、ここで、iは1乃至(n−1)の任意の値であり、Xi基のすべてが、フェニル環の鎖を形成する結合に関して任意の一方の側にある。
【0039】
異方性光学膜の更に別の実施形態において、有機化合物はすでに記載された二価の基X、X及びXを含む構造式(IV)を有する。異方性光学膜の別の実施形態において、開示された有機化合物は二価のXi基を含む式(IV)に類似する構造式を有し、ここで、iは1乃至(n−1)の任意の値であり、Xi基が、フェニル環の鎖を形成する結合に関して両方の側にある。
【0040】
その他の実施形態において、式(I)の多環式化合物はオリゴフェニル環の鎖に関してXi基の位置の任意の組み合わせを含む。
本発明の一実施形態において、異方性光学膜は式(I)の化合物を含み、同化合物において、少なくとも一つの複素環基が二つの隣接するフェニル環の間に配置されている。異方性光学膜の別の実施形態において、有機化合物は更に、二つの隣接するフェニル環の間に配置される同一の、又は異なる複素環基を少なくとも二つ含む。異方性光学膜の好ましい実施形態において、同複素環基はベンゾジオキサゾール、ベンゾジイミダゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン及び1,3,4−オキサジアゾールから選択される。
【0041】
異方性光学膜の一実施形態において、有機化合物は、構造1−6に対応する一般構造式を有する化合物から選択され、構造1−6を以下の表1に示す。
【0042】
【表2】

別の実施形態において、異方性光学膜は水及び/又は水混和性の溶媒中においてほぼ不溶性である。
【0043】
本発明に従う異方性光学膜の更に別の実施形態において、同有機層は、基質表面に対して直交する方向において一つの屈折率(nz)を有し、基質表面の面上にて互いに直交する二つの方向に対応する二つの屈折率(nx及びny)を有する二軸遅延層である。更に別の実施形態において、屈折率nx,ny,nzは以下の条件、即ち:nx<nz<nyに従う。
【0044】
開示された異方性光学膜の更に別の実施形態において、基質は可視スペクトル領域における電磁放射に対して透過性である。更に別の実施形態において、基質はポリマーから形成される。開示された異方性光学膜の更に別の実施形態において、基質はガラスから形成される。
【0045】
開示された発明はまた、異方性光学膜の頂面に配置される更なる接着透過層を更に含む異方性光学膜を提供する。本発明の別の実施形態において、異方性光学膜は更に異方性光学膜の頂面に配置される更なる透過接着層を含む。開示された発明の一実施形態において、異方性光学膜は更に接着透過層上に形成される保護コーティングを含む。
【0046】
開示された発明の更に別の実施形態において、異方性光学膜は二つ以上の有機層を含み、これらの層の各々は、異なる、一般構造式(I)の多環式有機化合物を含み、UVスペクトル領域の少なくとも一つの所定の波長の部分的領域での電磁放射の吸収を確実にする。
【0047】
本発明はまた、湿潤環境における高い安定性によって特徴付けられる膜を提供する。
第三の態様において、本発明は基質に異方性光学膜を形成する方法を提供し、同方法は以下の工程を含む。
【0048】
(1)一般構造式(I)の多環式有機化合物又は当該化合物の組み合わせの溶液を調製する工程:
【0049】
【化6】

ここで、nは3乃至10の範囲であるフェニル環の数であり;A及びBは酸性基であり;mは0、1、2又は3であり;lは1、2又は3であり;pは1、2、3、4、5又は6であり;CはH、NH、Na、K、Li、Cs、Ca2+、Mg2+、Sr2+、La3+、Zn2+、Zr4+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される対イオンであり;kは(−p)と等しい負の電荷を補償するために必要な対イオンの数である。同有機化合物は可視スペクトル領域における電磁放射に対して透過性である。
【0050】
(2)基質上に溶液の液体層を適用する工程;及び
(3)固体層を形成するために乾燥する工程。
開示された発明の一実施形態において、同方法は更に、液体層を適用する工程と同時に、若しくは同適用工程の後であって乾燥工程より前に、外的な整合作用を溶液の液体層に付与する工程を更に含む。外的な整合作用は、溶液を、Mayerロッド(ワイヤで巻回された円筒状のロッド)、スロット−ダイ又は当該技術分野において周知のその他任意の技術からなる群より選択される任意の工具によって表面に薄く塗布される場合に適用される剪断力のような機械的な応力にて生成され得る。機械的な応力の他に、当業者は、必要とされるモードにおいて基質上に膜の配向を可能にする、電気的応力、電子−磁気的応力、重力又は任意のその他の応力の適用を使用できる。
【0051】
一実施形態において、本発明は、位相遅延特性、特に光学的位相差板又は光学的補償板を供えた有機異方性光学膜を製造する比較的簡便かつ安価な方法を提供する。別の実施形態において、本発明は水溶液の印刷を介して基質上に液体層を適用する方法を提供する。本発明の更に別の実施形態において、LLC相形成に使用される低濃度の液晶溶液は薄い光学膜の製造の可能性を提供する。一実施形態において、本発明は水不溶性の光学薄膜を形成する方法を提供する。別の実施形態において、本発明は湿度の変化に対する感受性が低い膜を提供し、得られた膜は環境上において高い安定性を保証する。
【0052】
開示された方法の別の実施形態において、同溶液はまたUVスペクトル領域の少なく一つの所定の波長の部分的領域での電磁放射の最大の吸収を補償する。溶液が電磁放射を吸収するUVスペクトル領域の一部を部分的領域と称する。
【0053】
開示された方法の更に別の実施形態において、有機化合物は、更なる共有結合によって二つの隣接するフェニル環を結合する同一の、又は異なる二価の基Xiを含み、ここで、iは1乃至(n−1)の範囲の数である。
【0054】
開示された方法の一実施形態において、一般構造式(I)の化合物の酸性基A及びBは、スルホン基、カルボキシル基及びホスホン酸基からなる群より独立して選択される。開示された方法の別の実施形態において、有機化合物はすでに記載した構造式(II)を有する。
【0055】
本発明の方法の更に別の実施形態において、有機化合物は、すでに記載された二価の基X、X及びXを含む構造式(III)を有する。本発明の方法の別の実施形態において、開示された有機化合物は二価のXi基を含む式(III)に類似する構造式を有し、ここで、iは1乃至(n−1)の任意の値であり、Xi基のすべてが、フェニル環の鎖を形成する結合に関して任意の一方の側にある。
【0056】
本発明の方法の更に別の実施形態において、有機化合物はすでに記載された二価の基X、X及びXを含む構造式(IV)を有する。本発明の方法の別の実施形態において、開示された有機化合物は二価のXi基を含む式(IV)に類似する構造式を有し、ここで、iは1乃至(n−1)の任意の値であり、Xi基が、フェニル環の鎖を形成する結合に関して両方の側にある。
【0057】
本発明の方法のその他の実施形態において、式(I)の多環式化合物はオリゴフェニル環の鎖に関してXi基の位置の任意の組み合わせを含む。
本発明の一実施形態において、開示された方法は更に、有機化合物の二つの隣接するフェニル環の間に配置される少なくとも一つの複素環基を含む。本発明の方法の別の実施形態において、有機化合物は更に、二つの隣接するフェニル環の間に配置される同一の、又は異なる少なくとも二つの複素環基を含む。好ましい一実施形態において、同複素環基はベンゾジオキサゾール、ベンゾジイミダゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン及び1,3,4−オキサジアゾールから選択される。
【0058】
開示された方法の一実施形態において、有機化合物は、構造1−6に対応する一般構造式を有する化合物から選択され、構造1−6を以下の表1に示す。
【0059】
【表3】

少なくとも一つの酸性基がSOである実施形態において、同方法は好ましくは、Ba(2+)、Pb2+及びSr2+カチオンからなる群より選択されるカチオンを含む金属塩溶液で膜を処理する更なる工程を含む。
【0060】
開示された方法の更に別の実施形態において、溶液は水及び/又は水混和性の溶媒に基づく水溶液である。
本発明の別の実施形態において、基質はその表面を親水性とするために予め処理される。
【0061】
開示された方法の更に別の実施形態において、同水溶液はリオトロピック液晶溶液である。
その他の実施形態において、乾燥工程は昇温下で実施される。好ましい実施形態において、温度はおおよそ20乃至60℃の範囲である。
【0062】
更に別の実施形態において、溶液の液体層の適用、整合工程及び乾燥工程の技術的な連続操作は、2回以上繰り返され、各連続操作にて得られる固体層は、前回のサイクルにて使用されたものと同一のもの、若しくは異なるものである、水溶液を使用して形成される。
【0063】
本発明のその他の目的及び利点は、以下の実施例の詳細な記載、以下に添付された特許請求の範囲及び図面を参照して読み取ることにより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】式(II)の化合物に基づく薄い複屈折板の屈折率の波長依存性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下の実施例は、本発明のある化合物の調製方法及び使用方法の詳細な説明である。実施例は本発明の実施形態を例示するために示されたものであり、本発明の範囲を制限することを意図していない。以下の実施例において、すべての百分率は重量百分率であり、すべての温度は摂氏温度である。
【実施例1】
【0066】
実施例1は、式(II)の多環式有機化合物の調製を記載する。
【0067】
【化7】

4,4’−(5,5−ジオキシドジベンゾ[b,d]チエン−3,7−ジイル)ジベンゼンスルホン酸(II)は、1,1’:4’,1’’:4’’,1’’’−クォーターフェニル(quaterphenyl)のスルホン化によって調製した。1,1’:4’,1’’:4’’,1’’’−クォーターフェニル(10g)を0%−20%発煙硫酸(100ml)に装填した。反応物を加熱条件、若しくは室温条件にて、5時間撹拌した。その後、反応混合物を水(170ml)で希釈した。最終的な硫酸濃度は約55%となった。沈殿物をろ過し、氷酢酸(〜200ml)で洗浄した。ろ過ケーキを約110℃のオーブン中にて乾燥した。処理により、8gの4,4’−(5,5−ジオキシドジベンゾ[b,d]チエン−3,7−ジイル)ジベンゼンスルホン酸を得た。
【0068】
生成物を、H NMR(Brucker Avance−600,DMSO−d,δ,ppm)を用いて分析し、以下の結果を得た:7.735(d,4H,4CHAr(3,3’,5,5’));7.845(d,4H,4CHAr(2,2’,6,6’));8.165(dd,2H,2CHAr(2,8));8.34(m,4H,4CHAr(1,9,4,6))。水溶液中で、UV/VIS Varian Cary 500 Scan分光計を用いて測定された生成物の電子吸収スペクトルは、λmax1=218nm(ε=3.4210)、λmax2=259nm(ε=3.8910)及びλmax3=314nm(ε=4.2010)にて吸収最大を示した。Brucker Daltonics Ultraflex TOF/TOFを使用して記録した生成物のマススペクトルは以下のとおりであった:分子イオン(M=529)、FW=528.57。
【実施例2】
【0069】
実施例2はリオトロピック液晶溶液から形成される異方性光学膜の調製を記載する。
4,4’−(5,5−ジオキシドジベンゾ[b,d]チエン−3,7−ジイル)ジベンゼンスルホン酸(1g)を実施例1に記載した方法にて取得し、3.8mlの蒸留水及び1.1mlの10%含水ナトリウム溶液と混合し、リオトロピック液晶溶液が形成されるまで(約1時間)、室温(23℃)にて撹拌した。
【0070】
LCD−グレードのソーダ石灰ガラス基質をコーティング用に調製した。基質を、NaOH(w/w10%)及びKMnO(w/w0.1%)の水溶液とともに超音波浴に30分間置いた後に、脱イオン水にて洗浄し、圧縮空気流を用いて乾燥した。リオトロピック液晶溶液は、200mm/sの線速度(湿度=30%,温度=23℃)にて移動するMayerロッド(#1.5)を用いて、予め処理されたガラス基質上に適用した。コーティングされた溶液は更に、異方性光学膜が形成されるまで、圧縮空気流を用いて乾燥した。
【0071】
生成した異方性光学膜の厚みは、420乃至450μmの範囲であった。同厚みは水溶液中の有機化合物の濃度を変更することにより調製され得る。形成された異方性光学膜は透明(無色)であり、光学スペクトル領域にて透過性である。図1は本発明にしたがって形成された異方性光学膜に対する屈折率の波長依存性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般構造式(I)の多環式有機化合物であって:
【化1】

ここで、nは3乃至10の範囲であるフェニル環の数であり;
A及びBは酸性基であり;
mは0、1、2又は3であり;
lは1、2又は3であり;
pは1、2、3、4、5又は6であり;
CはH、NH、Na、K、Li、Cs、Ca2+、Mg2+、Sr2+、La3+、Zn2+、Zr4+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される対イオンであり;
kは(−p)と等しい負の電荷を補償するために必要な対イオンの数である、有機化合物において、
前記有機化合物は可視スペクトル領域における電磁放射に対して透過性であり、かつ同有機化合物の溶液は基質上に、実質的に透明であるとともに光学的に異方性の固体層を形成することができる、有機化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の有機化合物は、更なる共有結合によって二つの隣接するフェニル環を結合する同一の、又は異なる二価の基Xiを更に含み、ここで、iは、1乃至(n−1)の範囲の数である、有機化合物。
【請求項3】
前記二価の基Xiは、−SO−、−O−及び−NH−基からなる群より選択される、請求項2に記載の有機化合物。
【請求項4】
前記酸性基A及びBは、スルホン基、カルボキシル基及びホスホン酸基からなる群より個々に選択される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機化合物。
【請求項5】
構造式(II):
【化2】

を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機化合物。
【請求項6】
二価の基X、X及びXを含み、構造式(III)
【化3】

を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機化合物。
【請求項7】
二価の基X、X及びXを含み、構造式(IV)
【化4】

を有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機化合物。
【請求項8】
二つの隣接するフェニル環の間に配置される少なくとも一つの複素環基を更に含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機化合物。
【請求項9】
二つの隣接するフェニル環の間に配置される少なくとも二つの、同一の、若しくは異なる複素環基を更に含む、請求項8に記載の有機化合物。
【請求項10】
前記複素環基は、ベンゾジオキサゾール、ベンゾジイミダゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、1,3,4−オキサジアゾール及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項8又は9のいずれかに記載の有機化合物。
【請求項11】
構造1乃至6:
【化5】

を含む群から選択される構造式を有する、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の有機化合物。
【請求項12】
前面及び後面を有する基質上の異方性光学膜であって、前記基質の前面に適用される少なくとも一つの有機層を含み、かつ、一般構造式(I)を有する少なくとも一つの多環式有機化合物を含む:
【化6】

ここで、nは3乃至10の範囲であるフェニル環の数であり;
A及びBは酸性基であり;
mは0、1、2又は3であり;
lは1、2又は3であり;
pは1、2、3、4、5又は6であり;
CはH、NH、Na、K、Li、Cs、Ca2+、Mg2+、Sr2+、La3+、Zn2+、Zr4+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される対イオンであり;
kは(−p)と等しい負の電荷を補償するために必要な対イオンの数である、異方性光学膜において、
前記有機層は可視スペクトル領域における電磁放射に対して透過性である、異方性光学膜。
【請求項13】
前記有機化合物は、更なる共有結合によって二つの隣接するフェニル環を結合する同一の、又は異なる二価の基Xiを更に含み、ここで、iは1乃至(n−1)の範囲の数である、請求項12に記載の異方性光学膜。
【請求項14】
前記二価の基Xiの少なくとも一つは、−SO−、−O−及び−NH−基からなる群より選択される、請求項13に記載の異方性光学膜。
【請求項15】
前記酸性基A及びBは、スルホン基、カルボキシル基及びホスホン酸基からなる群より個々に選択される、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の異方性光学膜。
【請求項16】
前記有機化合物が構造式(II):
【化7】

を有する、請求項12乃至15のいずれか一項に記載の異方性光学膜。
【請求項17】
前記有機化合物は二価の基X、X及びXを含み、構造式(III)
【化8】

を有する、請求項12乃至15のいずれか一項に記載の異方性光学膜。
【請求項18】
前記有機化合物は二価の基X、X及びXを含み、構造式(IV)
【化9】

を有する、請求項12乃至15のいずれか一項に記載の異方性光学膜。
【請求項19】
前記有機化合物は二つの隣接するフェニル環の間に配置される少なくとも一つの複素環基を含む、請求項12乃至15のいずれか一項に記載の異方性光学膜。
【請求項20】
前記有機化合物は二つの隣接するフェニル環の間に配置される少なくとも二つの、同一の、若しくは異なる複素環基を更に含む、請求項19に記載の異方性光学膜。
【請求項21】
前記有機化合物中の複素環基は、ベンゾジオキサゾール、ベンゾジイミダゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、1,3,4−オキサジアゾール及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項19又は20のいずれかに記載の異方性光学膜。
【請求項22】
構造1乃至6:
【化10】

を含む群から選択される構造式を有する、請求項19又は21のいずれか一項に記載の異方性光学膜。
【請求項23】
前記異方性光学膜は水及び水混和性の溶媒の少なくとも一方において実質的に溶けない、請求項12乃至22のいずれか一項に記載の異方性光学膜。
【請求項24】
前記有機層は、基質表面に対して直交する方向において一つの屈折率(nz)を有し、基質表面の面上にて互いに直交する二つの方向に対応する二つの屈折率(nx及びny)を有する二軸遅延層である、請求項12乃至23のいずれか一項に記載の異方性光学膜。
【請求項25】
前記屈折率nx,ny及びnzは以下の条件、即ち:ny>nz>nxに従う、請求項24に記載の異方性光学膜。
【請求項26】
前記基質は可視スペクトル領域における電磁放射に対して透過性である、請求項12乃至25のいずれか一項に記載の異方性光学膜。
【請求項27】
前記基質はポリマーから形成される、請求項12乃至26のいずれか一項に記載の異方性光学膜。
【請求項28】
前記基質はガラスから形成される、請求項12乃至26のいずれか一項に記載の異方性光学膜。
【請求項29】
前記有機層の頂面に配置される更なる透過接着層を更に含む、請求項12乃至28のいずれか一項に記載の異方性光学膜。
【請求項30】
接着透過層上に形成される保護コーティングを更に含む、請求項29に記載の異方性光学膜。
【請求項31】
二つ以上の前記有機層を含む、請求項12乃至30のいずれか一項に記載の異方性光学膜であって、前記層は請求項1乃至11のいずれか一項により定義される異なる多環式化合物を含む、異方性光学膜。
【請求項32】
基質上に異方性光学膜を形成する方法において、前記方法は、
a)一般構造式(I)の多環式有機化合物又は一般構造式(I)の多環式有機化合物の任意の組み合わせの溶液を調製する工程であって:
【化11】

ここで、nは3乃至10の範囲であるフェニル環の数であり;
A及びBは酸性基であり;
mは0、1、2又は3であり;
lは1、2又は3であり;
pは1、2、3、4、5又は6であり;
CはH、NH、Na、K、Li、Cs、Ca2+、Mg2+、Sr2+、La3+、Zn2+、Zr4+、Ce3+、Y3+、Yb3+、Gd3+及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される対イオンであり;
kは(−p)と等しい負の電荷を補償するために必要な対イオンの数であり、同有機化合物は可視スペクトル領域における電磁放射に対して透過性である、工程と、
b)前記基質上に溶液の液体層を適用する工程と:
c)固体層を形成するために乾燥する工程と、からなる、方法。
【請求項33】
前記乾燥工程の前に水溶液に外的な整合作用を適用する工程を更に含み、前記整合工程は溶液を適用する工程と同時に、若しくは溶液を適用する工程の後である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記有機化合物は更なる共有結合によって二つの隣接するフェニル環を結合する同一の、又は異なる二価の基Xiを更に含み、ここで、iは1乃至(n−1)の範囲の数である、請求項32又は33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記二価の基Xiは、−(SO)−、−O−及び−N(H)−基からなる群より選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記酸性基A及びBは、スルホン基、カルボキシル基及びホスホン酸基からなる群より個々に選択される、請求項32乃至35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記有機化合物が構造式(II):
【化12】

を有する、請求項32乃至36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記有機化合物は二価の基X、X及びXを含み、構造式(III)
【化13】

を有する、請求項32乃至36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記有機化合物は二価の基X、X及びXを含み、構造式(IV)
【化14】

を有する、請求項32乃至36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記有機化合物は二つの隣接するフェニル環の間に配置される少なくとも一つの複素環基を更に含む、請求項32乃至36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記有機化合物は二つの隣接するフェニル環の間に配置される少なくとも二つの、同一の、若しくは異なる複素環基を更に含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記有機化合物中の複素環基は、ベンゾジオキサゾール、ベンゾジイミダゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、1,3,4−オキサジアゾール及びそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項40又は41のいずれかに記載の方法。
【請求項43】
構造1乃至6:
【化15】

を含む群から選択される構造式を有する、請求項40又は42に記載の方法。
【請求項44】
前記溶液は水及び水混和性の溶媒のいずれか一方に基づく水溶液である、請求項32乃至43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記乾燥工程は、昇温時において気流中にて実施される、請求項32乃至44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記昇温時は約20乃至60℃の範囲にある、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記溶液を適用する工程の前に、前記基質はその表面を親水性とするために予め処理される、請求項32乃至46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記形成された固体層はスルホン基を有し、かつ金属塩溶液にて処理される、請求項32乃至47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記金属塩は、Ba2+、Pb2+及びSr2+カチオンからなる群より選択されるカチオンを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記溶液はリオトロピック液晶溶液である、請求項32乃至49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
請求項32乃至50のいずれか一項に記載の方法において、前記水溶液の適用工程、整合工程及び乾燥工程の技術的な連続操作は2回以上繰り返され、各連続操作にて得られる固体層は水溶液を使用して形成され、前記水溶液は前回のサイクルにて使用されたものと同一のもの、若しくは異なるものである、方法。
【請求項52】
以上に実質的に記載されている、多環式有機化合物。
【請求項53】
以上に実質的に記載されている、異方性光学膜。
【請求項54】
以上に実質的に記載されている、基質上に異方性光学膜を形成する方法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−515710(P2010−515710A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545194(P2009−545194)
【出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【国際出願番号】PCT/EP2008/050309
【国際公開番号】WO2008/084109
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(508189717)クリスオプティクス株式会社 (14)
【Fターム(参考)】