説明

多目的家具

【課題】家具の機能を変化させることができるようにする。
【解決手段】多目的家具は、それぞれがほぼ平面上に形成されて、それぞれの一つの端縁部が単一の仮想軸心16に平行かつ近接するよう配置される複数の主部材11−14と、上記軸心16に沿った視線で見て、各主部材11−14同士の交角を変更できるようこれら各主部材11−14を互いに連結可能とする連結具17とを備る。交角の変更により、機能が互いに相違する家具4が得られるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外形が変更可能とされ、この外形の変更により、この変更の前後における椅子、テーブルなどの両家具の機能が互いに相違するようにした多目的家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人が居る室内には、通常、椅子やテーブルなど、種々の家具が配置され、上記人により、室内の空間と各家具とが適宜利用される。
【0003】
上記家具には、従来、下記特許文献1に示されるものがある。この公報のものによれば、椅子とテーブルとが設けられており、これらはそれぞれ折り畳み可能とされ、つまり、外形が変更可能とされている。
【0004】
上記家具の不使用時には、上記椅子の背もたれ部の角度や上記テーブルの支持角度などを変更してこれらを折り畳めば、上記家具はコンパクトな外形に変更される。そして、このように不使用時の家具をコンパクトな外形に変更すれば、これら家具によって、室内の空間が無用に狭められる、ということが防止され、上記室内の空間が有効に利用できることとなる。
【特許文献1】特開2003−339475号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記室における人の活動状態は、この室に居る人の数が一時的に増えるなど、変化するものである。また、この室における人のライフスタイルも変化するものである。このような場合、例えば、家具の全体の数を変化させないで、椅子の数をより多くする一方、テーブルの数を少なくさせる、というように家具の機能を変化させたい場合がある。
【0006】
しかし、上記従来の技術では、椅子やテーブルの外形は変更可能ではあるが、これらはそれぞれ本来の機能を有したままである。このため、人の活動状態やライフスタイルに合わせて、上記家具の機能を変化させる、ということはできない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、家具の機能を変化させることができるようにすることである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、上記した家具の機能を変化させることが、簡単な構成で、容易にできるようにすることである。
【0009】
請求項1の発明は、全図に例示するように、それぞれがほぼ平面上に形成されて、それぞれの一つの端縁部11a−14aが単一の仮想軸心16に平行かつ近接するよう配置される複数の主部材11−14と、上記軸心16に沿った視線で見て(図2)、上記各主部材11−14同士の交角θ1−θ4を変更できるようこれら各主部材11−14を互いに連結可能とする連結具17とを備え、上記交角θ1−θ4の変更により、機能が互いに相違する家具4が得られるようにしたことを特徴とする多目的家具である。
【0010】
請求項2の発明は、図1,2に例示するように、上記連結具17が、上記軸心16回りでの上記各主部材11−14の互いの回動Aを可能とさせるよう上記各端縁部11a−14aを枢支する枢支具18と、上記各主部材11−14を互いに連結可能とする可撓性長尺体19とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の多目的家具である。
【0011】
請求項3の発明は、図3,4に例示するように、上記連結具17が、上記各主部材11−14の上記軸心16の軸方向における各側端縁部11b−14bに一体的に嵌脱可能に嵌合し、上記軸心16回りでの上記各主部材11−14の互いの相対移動を阻止する嵌合体36,36´を備えたことを特徴とする請求項1に記載の多目的家具である。
【0012】
請求項4の発明は、図5−7に例示するように、上記連結具17が、上記軸心16回りでの上記各主部材11−14の互いの回動Aを可能とさせるよう上記各端縁部11a−14aを枢支すると共に、これら各端縁部11a−14aを互いに締結して上記回動Aを阻止可能とする締結具43を備えたことを特徴とする請求項1に記載の多目的家具である。
【0013】
請求項5の発明は、図5−7に例示するように、上記連結具17が、上記各主部材11−14の上記各端縁部11a−14aにそれぞれ上記軸心16の軸方向で複数形成される突出片44を備え、上記各主部材11−14の各突出片44が上記軸方向で交互に配置され、上記締結具43が上記各突出片44を互いに締結可能としたをことを特徴とする請求項4に記載の多目的家具である。
【0014】
請求項6の発明は、全図に例示するように、上記各主部材11−14をハニカム板により形成したことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1つに記載の多目的家具である。
【0015】
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
【発明の効果】
【0016】
本発明による効果は、次の如くである。
【0017】
請求項1の発明は、それぞれがほぼ平面上に形成されて、それぞれの一つの端縁部が単一の仮想軸心に平行かつ近接するよう配置とされる複数の主部材と、上記軸心に沿った視線で見て、上記各主部材同士の交角を変更できるようこれら各主部材を互いに連結可能とする連結具とを備え、上記交角の変更により、機能が互いに相違する家具が得られるようにしている。
【0018】
このため、上記家具の各主部材の互いの交角が所望値となるよう、上記軸心回りでのこれら各主部材の相対位置を変更し、次に、これら主部材を上記連結具により互いに連結させれば、上記家具の外形を変更させることができ、これにより、変更前の家具とは異なる機能の家具に変化させることができる。
【0019】
請求項2の発明は、上記連結具が、上記軸心回りでの上記各主部材の互いの回動を可能とさせるよう上記各端縁部を枢支する枢支具と、上記各主部材を互いに連結可能とする可撓性長尺体とを備えている。
【0020】
このため、上記連結具は、簡単な構成の枢支具と長尺体とを備えることから、その構成が簡単となる。よって、上記家具の機能の変化は、簡単な構成によって達成される。
【0021】
請求項3の発明は、上記連結具が、上記各主部材の上記軸心の軸方向における各側端縁部に一体的に嵌脱可能に嵌合し、上記軸心回りでの上記各主部材の互いの相対移動を阻止する嵌合体を備えている。
【0022】
このため、家具の外形を変更させようとする場合には、予め準備した種々の所望形状の嵌合体のうちから所望のものを選択して、上記各主部材の各側端縁部に嵌合させ、上記各主部材を互いに連結させればよい。よって、この家具の外形の変更は、容易かつ迅速にでき、つまり、家具の機能を変化させることが容易かつ迅速にできる。
【0023】
請求項4の発明は、上記連結具が、上記軸心回りでの上記各主部材の互いの回動を可能とさせるよう上記各端縁部を枢支すると共に、これら各端縁部を互いに締結して上記回動を阻止可能とする締結具を備えている。
【0024】
このため、上記家具の外形を変更させようとするときには、まず、上記締結具を弛緩操作して、上記各主部材を上記軸心回りに回動させ、これら主部材の互いの交角が所望値となるようにする。次に、上記締結具の捻回操作により、上記各端縁部を締結して主部材を互いに連結させればよい。よって、上記家具の外形の変更は容易かつ迅速にでき、つまり、家具の機能を変化させることが容易かつ迅速にできる。
【0025】
請求項5の発明は、上記連結具が、上記各主部材の上記各端縁部にそれぞれ上記軸心の軸方向で複数形成される突出片を備え、上記各主部材の各突出片が上記軸方向で交互に配置され、上記締結具が上記各突出片を互いに締結可能としている。
【0026】
このため、上記各端縁部を締結したときの締結面が大きくなって、これらの互いの摩擦力が大きくなる。よって、第1に、上記締結具を捻回操作するときの操作力は小さくて足り、その分、上記主部材の互いの連結が容易にできて家具の外形の変更が容易にできる。また、第2に、上記各端縁部同士の締結は強固にできるため、上記家具への外力に対し強固に対抗でき、これは家具の強度上、有益である。
【0027】
請求項6の発明は、上記各主部材をハニカム板により形成している。
【0028】
ここで、上記ハニカム板は強度と剛性とが大きく、しかも、軽量である。このため、上記のように各主部材をハニカム板で形成すると、これら各主部材の取り扱いが容易にできる。よって、家具の機能の変化はより容易に達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の多目的家具に関し、家具の機能を変化させることができるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
【0030】
即ち、多目的家具は、それぞれがほぼ平面上に形成されて、それぞれの一つの端縁部が単一の仮想軸心に平行かつ近接するよう配置される複数の主部材と、上記軸心に沿った視線で見て、上記各主部材同士の交角を変更できるようこれら各主部材を互いに連結可能とする連結具とを備える。上記交角の変更により、機能が互いに相違する家具が得られるようにする。
【実施例1】
【0031】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1,2に従って説明する。
【0032】
図1,2において、住居1の室2内の床3上には、家具4として椅子5とテーブル6とが設置されている。また、上記室2の壁7には、上記椅子5とテーブル6との収納装置8が設けられている。なお、説明の便宜上、矢印Frを前方として以下説明する。また、下記する左右とは上記前方に向かっての水平方向をいう。
【0033】
上記椅子5は、それぞれがほぼ平面上に形成され、互いに同形同大である複数の第1−第4主部材11−14を備えている。これら各主部材11−14は矩形板形状とされ、ハニカム板により形成されている。左右に延びる単一の仮想軸心16に平行かつ近接するよう、上記各主部材11−14のそれぞれ一つの端縁部11a−14aが配置され、これにより、上記第1−第4主部材11−14は上記軸心16を中心として放射状に配置されている。
【0034】
上記軸心16に沿った視線で見て(図2)、上記各主部材11−14同士の交角θ1−θ4を変更できるよう、これら各主部材11−14を互いに連結させる連結具17が設けられている。この連結具17は、上記軸心16回りでの上記各主部材11−14の互いの回動Aを可能とさせるよう上記各端縁部11a−14aを互いに枢支する枢支具18と、所望の交角θ1−θ4にした上記各主部材11−14を、その交角θ1−θ4に保持するよう互いに連結可能とする可撓性長尺体19とを備えている。
【0035】
上記枢支具18は、上記各主部材11−14の各端縁部11a−14aの端面に取り付けられる取付片22と、上記軸心16と平行に延び、上記軸心16回りで隣り合う両取付片22同士を互いに枢支する枢支軸23とを備えている。上記長尺体19は左右一対のベルトやロープなど長尺体本体と、この長尺体本体の長手方向の所望部位と、上記各主部材11−14とを互いに着脱可能に固着する不図示のクリップなど固着具とを備えている。
【0036】
上記椅子5を構成する上記各主部材11−14のうち、第1主部材11は前上がり状に延びる座部、第2、第3主部材12,13は、上記第1主部材11を床3上に支持する前、後脚、第4主部材14は上記第1主部材11の後端縁部(端縁部11a)から後上方に向かって突出する背もたれ部とされている。
【0037】
上記連結具17による連結を解除し、上記第4主部材14(背もたれ部)を所望位置まで回動Aさせて、再び、上記連結具17により連結すれば、上記第4主部材14(背もたれ部)の傾角を変更できる(図1中、一点鎖線)。また、同様に、上記第2、第3主部材12,13(前、後脚部)の各傾角を変更すれば、上記第1主部材11(座部)の高さを変更できる。これにより、上記椅子5への座り心地を可変にできる。なお、上記連結具17は、図1中、二点鎖線で示すように椅子5の正面視でY字形状にしてもよい。
【0038】
一方、前記テーブル6は、テーブル板26と、このテーブル板26を上記床3上に支持する家具4の部品であるテーブル脚27とを備えている。このテーブル脚27も上記椅子5と同様に第1−第4主部材11−14と連結具17とを備えている。上記テーブル脚27は、上記軸心16に沿った視線で見て、上記各主部材11−14がX字形状となるようこれら主部材11−14が連結具17により互いに連結されている。
【0039】
上記の場合、椅子5とテーブル6のテーブル脚27とのうち、いずれか一方の家具4の各主部材11−14の各交角θ1−θ4を変更して、これら主部材11−14を連結具17により連結させれば、上記一方の家具4(例えば、椅子5)とは機能が互いに相違する他方の家具4(例えば、テーブル脚27)が得られるようになっている。
【0040】
図1,2中、一点鎖線で示すように、上記各主部材11−14を折り畳むよう各枢支具18を中心として回動Aさせれば、上記各主部材11−14は互いに重ね合わせが可能とされている。これにより、上記各家具4をコンパクトにできる。
【0041】
前記収納装置8は、室2の壁7に取り付けられた収納パネル31を備え、この収納パネル31には複数(2つ)の凹部32が形成されている。これら各凹部32には、上記のように重ね合わされた各主部材11−14が一体的に嵌脱可能に嵌入されて、収納されるようになっている。
【0042】
上記構成によれば、それぞれがほぼ平面上に形成されて、それぞれの一つの端縁部11a−14aが単一の仮想軸心16に平行かつ近接するよう配置される複数の主部材11−14と、上記軸心16に沿った視線で見て(図2)、上記各主部材11−14同士の交角θ1−θ4を変更できるようこれら各主部材11−14を互いに連結可能とする連結具17とを備え、上記交角θ1−θ4の変更により、機能が互いに相違する家具4が得られるようにしている。
【0043】
このため、上記家具4の各主部材11−14の互いの交角θ1−θ4が所望値となるよう、上記軸心16回りでのこれら各主部材11−14の相対位置を変更し、次に、これら主部材11−14を上記連結具17により互いに連結させれば、上記家具4の外形を変更させることができ、これにより、変更前の家具4とは異なる機能の家具4に変化させることができる。
【0044】
また、前記したように、連結具17が、上記軸心16回りでの上記各主部材11−14の互いの回動Aを可能とさせるよう上記各端縁部11a−14aを枢支する枢支具18と、上記各主部材11−14を互いに連結可能とする可撓性長尺体19とを備えている。
【0045】
このため、上記連結具17は、簡単な構成の枢支具18と長尺体19とを備えることから、その構成が簡単となる。よって、上記家具4の機能の変化は、簡単な構成によって達成される。
【0046】
また、前記したように、各主部材11−14をハニカム板により形成している。
【0047】
ここで、上記ハニカム板は強度と剛性とが大きく、しかも、軽量である。このため、上記のように各主部材11−14をハニカム板で形成すると、これら各主部材11−14の取り扱いが容易にできる。よって、家具4の機能の変化はより容易に達成される。
【0048】
なお、以上は図示の例によるが、上記各主部材11−14は完全な板形状でなくてもよく、単に枠組みされたものであってもよい。また、上記各主部材11−14は互いに同形同大でなくてもよく、左右の幅方向、長さ方向、および厚さ方向で寸法が互いに相違していてもよい。また、上記主部材11−14の枚数は、3でも5以上でもよい。また、上記取付片22と枢支軸23とに代え、これら22,23の機能を有する可撓性のケプラー樹脂製の枢支具18を用いてもよい。
【0049】
以下の図3−7は、実施例2,3を示している。これら各実施例は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら各実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
【実施例2】
【0050】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図3,4に従って説明する。
【0051】
図3,4において、上記椅子5の連結具17は、上記各主部材11−14の上記軸心16の軸方向における各側端縁部11b−14bに一体的に嵌脱可能に嵌合し、上記軸心16回りでの上記各主部材11−14の互いの相対移動を阻止する嵌合体36を備えている。この嵌合体36は金属もしくは樹脂製で、上記各主部材11−14の各側端縁部11b−14bを嵌脱可能にがたつきなく嵌入させる嵌入溝37が形成されている。なお、上記各主部材11−14からの上記嵌入溝37の離脱を防止する係止具などを設けてもよい。また、上記椅子5の連結具17は、前記枢支具18を備えていてもよい。
【0052】
上記テーブル6のテーブル脚27の嵌合体36´も、上記椅子5の嵌合体36と同構成であるが、上記テーブル6の各主部材11−14がX字形状となるよう、上記テーブル6の嵌合体36´の嵌入溝37もX字形状に形成されている。上記椅子5とテーブル6のテーブル脚27との間で、上記両嵌合体36,36´を互いに逆に用いて、家具4の外形を変更すれば、上記椅子5とテーブル6のテーブル脚27とが入れ替わることとなる。
【0053】
また、上記嵌合体36,36´の他の形状のものを種々準備しておけば、第4主部材14(背もたれ部)の傾角を変更できる(図4中、一点鎖線)。また、上記各主部材11−14のみで、他の構成のテーブルに変更することもできる(図4中、二点鎖線)。
【0054】
上記構成によれば、連結具17が、上記各主部材11−14の上記軸心16の軸方向における各側端縁部11b−14bに一体的に嵌脱可能に嵌合し、上記軸心16回りでの上記各主部材11−14の互いの相対移動を阻止する嵌合体36,36´を備えている。
【0055】
このため、家具4の外形を変更させようとする場合には、予め準備した種々の所望形状の嵌合体36,36´のうちから所望のものを選択して、上記各主部材11−14の各側端縁部11b−14bに単に嵌合させ、上記各主部材11−14を互いに連結させればよい。よって、この家具4の外形の変更は、容易かつ迅速にでき、つまり、家具4の機能を変化させることが容易かつ迅速にできる。
【0056】
また、上記椅子5の連結具17の嵌合体36には手摺39が一体的に形成されているが、この手摺39はなくてもよい。
【0057】
上記収納パネル31には、上記各嵌合体36,36´を嵌脱可能に嵌入させて、収納を可能とする他の凹部40が形成されている。
【実施例3】
【0058】
本発明をより詳細に説明するために、その実施例3を添付の図5−7に従って説明する。
【0059】
図5,6において、上記椅子5の連結具17は、上記軸心16回りでの上記各主部材11−14の互いの回動Aを可能とさせるよう上記各端縁部11a−14aを枢支すると共に、これら各端縁部11a−14aを互いに締結して上記回動Aを阻止可能とする締結具43を備えている。
【0060】
より具体的には、上記連結具17は、上記各主部材11−14の上記各端縁部11a−14aにそれぞれ上記軸心16の軸方向で複数形成される突出片44を備えている。これら各主部材11−14の各突出片44は、上記軸方向で交互に配置されている。
【0061】
上記締結具43は、上記軸心16上で上記各突出片44に形成されるボルト孔45を貫通するボルト46と、このボルト46のねじ部に螺合されるナット47とを備えている。このナット47の捻回により、上記各突出片44が互いに圧接して、上記各端縁部11a−14aが互いに締結される。
【0062】
上記椅子5の外形を変更させようとするときには、まず、上記締結具43を弛緩操作する。そして、上記椅子5が備える各主部材11−14の互いの交角θ1−θ4が所望値となるよう上記軸心16回りでこれら主部材11−14を回動Aさせる。次に、上記締結具43を捻回操作して、上記各端縁部11a−14aを締結し、上記主部材11−14を互いに連結する。すると、例えば、図5中二点鎖線で示す座椅子を得ることができる。また、図5中、一点鎖線で示す他のテーブルを得ることもできる。
【0063】
図7において、上記各主部材11−14の各端縁部11a−14aは、それぞれ屈曲させられている。これにより、上記各主部材11−14の軸心16回りでの回動Aにより、これら主部材11−14は互いに重ね合わせが可能とされている。
【0064】
上記構成によれば、連結具17が、上記軸心16回りでの上記各主部材11−14の互いの回動Aを可能とさせるよう上記各端縁部11a−14aを枢支すると共に、これら各端縁部11a−14aを互いに締結して上記回動Aを阻止可能とする締結具43を備えている。
【0065】
このため、上記家具4の外形を変更させようとするときには、まず、上記締結具43を弛緩操作して、上記各主部材11−14を上記軸心16回りに回動Aさせ、これら主部材11−14の互いの交角θ1−θ4が所望値となるようにする。次に、上記締結具43の捻回操作により、上記各端縁部11a−14aを締結して主部材11−14を互いに連結させればよい。よって、上記家具4の外形の変更は容易かつ迅速にでき、つまり、家具4の機能を変化させることが容易かつ迅速にできる。
【0066】
また、前記したように、連結具17が、上記各主部材11−14の上記各端縁部11a−14aにそれぞれ上記軸心16の軸方向で複数形成される突出片44を備え、上記各主部材11−14の各突出片44が上記軸方向で交互に配置され、上記締結具43が上記各突出片44を貫通してこれら突出片44を互いに締結可能としている。
【0067】
このため、上記各端縁部11a−14aを締結したときの締結面が大きくなって、これらの互いの摩擦力が大きくなる。よって、第1に、上記締結具43を捻回操作するときの操作力は小さくて足り、その分、上記主部材11−14の互いの連結が容易にできて家具4の外形の変更が容易にできる。また、第2に、上記各端縁部11a−14a同士の締結は強固にできるため、上記家具4への外力に対し強固に対抗でき、これは家具4の強度上、有益である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施例1を示し、全体斜視図である。
【図2】実施例1を示し、椅子の部分側面図である。
【図3】実施例2を示し、図1に相当する図である。
【図4】実施例2を示し、図2に相当する図である。
【図5】実施例3を示し、図2に相当する図である。
【図6】実施例3を示し、図5で示したものの背面図である。
【図7】実施例3を示し、図5に相当する図で作用説明図である。
【符号の説明】
【0069】
1 住居
2 室
3 床
4 家具
5 椅子
6 テーブル
7 壁
8 収納装置
11 主部材
11a 端縁部
11b 側端縁部
12 主部材
12a 端縁部
12b 側端縁部
13 主部材
13a 端縁部
13b 側端縁部
14 主部材
14a 端縁部
14b 側端縁部
16 軸心
17 連結具
18 枢支具
19 長尺体
36 嵌合体
43 締結具
44 突出片
45 ボルト孔
46 ボルト
47 ナット
A 回動
θ1 交角
θ2 交角
θ3 交角
θ4 交角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがほぼ平面上に形成されて、それぞれの一つの端縁部が単一の仮想軸心に平行かつ近接するよう配置される複数の主部材と、上記軸心に沿った視線で見て、上記各主部材同士の交角を変更できるようこれら各主部材を互いに連結可能とする連結具とを備え、上記交角の変更により、機能が互いに相違する家具が得られるようにしたことを特徴とする多目的家具。
【請求項2】
上記連結具が、上記軸心回りでの上記各主部材の互いの回動を可能とさせるよう上記各端縁部を枢支する枢支具と、上記各主部材を互いに連結可能とする可撓性長尺体とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の多目的家具。
【請求項3】
上記連結具が、上記各主部材の上記軸心の軸方向における各側端縁部に一体的に嵌脱可能に嵌合し、上記軸心回りでの上記各主部材の互いの相対移動を阻止する嵌合体を備えたことを特徴とする請求項1に記載の多目的家具。
【請求項4】
上記連結具が、上記軸心回りでの上記各主部材の互いの回動を可能とさせるよう上記各端縁部を枢支すると共に、これら各端縁部を互いに締結して上記回動を阻止可能とする締結具を備えたことを特徴とする請求項1に記載の多目的家具。
【請求項5】
上記連結具が、上記各主部材の上記各端縁部にそれぞれ上記軸心の軸方向で複数形成される突出片を備え、上記各主部材の各突出片が上記軸方向で交互に配置され、上記締結具が上記各突出片を互いに締結可能としたをことを特徴とする請求項4に記載の多目的家具。
【請求項6】
上記各主部材をハニカム板により形成したことを特徴とする請求項1から5のうちいずれか1つに記載の多目的家具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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