多連式電磁弁
【課題】複数の弁機構を合理的に配置することによって一層の小形化を実現すると共に流路形成を容易にした多連式電磁弁を得る。
【解決手段】1つの弁ボディ10の内部に4つ以上の弁孔11が平行に形成され、各弁孔11内に流路切換用のスプール4が収容されている主弁部3と、パイロット流体により前記スプール4を駆動する電磁操作式のパイロット弁6を備えたパイロット操作部5とを有し、前記弁孔11は、前記弁ボディ10の内部に上下2段に配置されていて、上段及び下段にそれぞれ複数の弁孔11が属し、上段の弁孔11aと下段の弁孔11bとが弁ボディ10の幅方向の互いに異なる位置を占めると共に、弁ボディ10の平面視において上段の弁孔11aと下段の弁孔11bとが部分的に重複する位置を占めている。
【解決手段】1つの弁ボディ10の内部に4つ以上の弁孔11が平行に形成され、各弁孔11内に流路切換用のスプール4が収容されている主弁部3と、パイロット流体により前記スプール4を駆動する電磁操作式のパイロット弁6を備えたパイロット操作部5とを有し、前記弁孔11は、前記弁ボディ10の内部に上下2段に配置されていて、上段及び下段にそれぞれ複数の弁孔11が属し、上段の弁孔11aと下段の弁孔11bとが弁ボディ10の幅方向の互いに異なる位置を占めると共に、弁ボディ10の平面視において上段の弁孔11aと下段の弁孔11bとが部分的に重複する位置を占めている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの弁ボディに複数の弁機構を組み込んだ多連式電磁弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1つの弁ボディに複数の弁機構を組み込んだ多連式電磁弁は、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3等に開示されているように従来より公知である。このような多連式電磁弁は、前記弁機構と同数の独立した電磁弁を並べて設置する場合に比べ、全体が小形化されているので、設置スペースも小さくて済むという利点がある。
【0003】
しかし、前記従来の多連式電磁弁は、弁ボディの内部に複数の弁機構を該弁ボディの上下方向又は左右方向に並べて配置したもので、隣接する弁機構間にはまだスペース的な余裕があり、更なる小形化を図る余地を残すものであった。また、複数の弁機構が上下方向又は左右方向に一列に並べて配置されているため、例えば3個以上の弁機構を組み込んだ場合、弁ボディの上下方向の寸法(高さ)又は左右方向の寸法(横幅)がその分大きくなり、取り扱いや設置が困難になることも考えられる。
【0004】
複数の弁機構を上下及び左右にそれぞれ列をなすように配置することも考えられるが、弁機構を上下及び左右に列状に並べて配置すると、各弁機構の弁孔同士が上下方向及び左右方向に完全に重なり合うため、弁孔とポートとを結ぶ流路の形成に支障を来すことになり、隣接する弁孔を迂回させるために流路を大きく折曲した状態に形成しなければならなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61−106672号公報
【特許文献2】特開平8−178105号公報
【特許文献3】特開平9−32941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複数の弁機構を合理的に配置することによって一層の小形化を実現すると共に流路形成を容易にした多連式電磁弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明によれば、1つの弁ボディの内部に4つ以上の弁孔が平行に形成され、各弁孔内に流路切換用のスプールが収容されている主弁部と、パイロット流体により前記スプールを駆動する電磁操作式のパイロット弁を備えたパイロット操作部とを有し、前記弁孔は、前記弁ボディの内部に上下2段に配置されていて、上段及び下段にそれぞれ複数の弁孔が属し、上段の弁孔と下段の弁孔とが弁ボディの幅方向の互いに異なる位置を占めると共に、弁ボディの平面視において上段の弁孔と下段の弁孔とが部分的に重複する位置を占めていることを特徴とする多連式電磁弁が提供される。
【0008】
本発明において好ましくは、前記弁孔が、前記弁ボディを幅方向に2分する仮想平面に対して面対称に配設されているか、又は、前記弁ボディの内部を弁孔の軸線と平行に延びる仮想直線に対して線対称に配設されていることである。
【0009】
あるいは、4つの弁孔が上段と下段とにそれぞれ2つずつ配設されていて、上段の2つの弁孔の中心間距離と下段の2つの弁孔の中心間距離とが互いに相違し、かつ、上段又は下段の弁孔が下段又は上段の弁孔に対して弁ボディの幅方向中央寄りの位置を占めていても、上段の弁孔が下段の弁孔に対して弁ボディの幅方向の一方寄りの位置を占めていても構わない。
【0010】
また、本発明では、前記弁ボディの上面の前記弁孔と平行なポート形成面に、各弁孔に個別に通じる複数の出力ポートが形成され、前記出力ポートは、隣接する弁孔の出力ポート同士が該弁孔の軸線方向の異なる位置を占めると共に、該出力ポートを前記弁ボディの側面方向から見たときにも弁孔の軸線方向から見たときにも隣接する出力ポートが相互に部分的に重複するように配置されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の弁機構における弁孔を弁ボディに合理的な配置で近接させて形成したことにより、前記弁孔を上下又は左右に完全な列状に並べて形成する場合に比べ、該弁ボディの横幅や高さ等を大幅に短縮することが可能になり、電磁弁の一層の小形化を実現することができる。しかも、該弁ボディの横幅が短縮されているにも拘わらず、各弁孔とポートとを結ぶ流路孔を上下の弁孔を避けて弁ボディ内に形成するのも容易で、弁孔を迂回するために該流路孔を大きく曲げて形成する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る多連式電磁弁の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】図1の多連式電磁弁の主弁部を1つの弁孔の位置で切断して示す要部断面図である。
【図5】図4の弁ボディを供給ポートの位置で切断して示す断面図である。
【図6】図4の弁ボディを第1出力ポートの位置で切断して示す断面図である。
【図7】図4の弁ボディを第2排出ポートの位置で切断して示す断面図である。
【図8】パイロット流体でスプールを駆動する駆動系を記号化して示す流路接続図で、多連式電磁弁をダブルソレノイド形電磁弁として使用する場合の図である。
【図9】パイロット流体でスプールを駆動する駆動系を記号化して示す流路接続図で、多連式電磁弁をシングルソレノイド形電磁弁として使用する場合の図である。
【図10】本発明に係る多連式電磁弁の第2実施形態における弁ボディの断面図で、第1出力ポートの位置で切断したものである。
【図11】本発明に係る多連式電磁弁の第3実施形態の平面図である。
【図12】第3実施形態における弁ボディの断面図で、第1出力ポートの位置で切断したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1−図7は本発明に係る多連式電磁弁の第1実施形態を示すもので、この多連式電磁弁1はマニホールドベース2上に搭載されている。
【0014】
前記多連式電磁弁1は、5ポート電磁弁としての弁構造を持つ同一形態の複数組の弁機構を備えたもので、主流体の流路を切り換えるスプール4を備えた主弁部3と、パイロット流体で前記スプール4を駆動する電磁操作式のパイロット弁6を備えたパイロット操作部5とからなっている。なお、この実施形態において、前記主流体及びパイロット流体は何れも圧縮空気である。
【0015】
前記主弁部3は、図2及び図4から分かるように、矩形のブロック状をした弁ボディ10を有している。この弁ボディ10の内部には、前記弁機構の数に対応する数の弁孔11が平行に形成され、各弁孔11の両端は弁ボディ10の第1端面10aと第2端面10bとに開口し、各弁孔11内に、前記スプール4が該弁孔11の軸線方向に摺動自在に挿入されている。前記各弁孔11は同じ大きさである。
【0016】
図示の例では、4つの弁孔11が上下2段に配置されていて、上段と下段とにそれぞれ2つの弁孔11が属している。なお、以下の説明では、必要に応じ、上段の弁孔11に符号「11a」を付し、下段の弁孔11に符号「11b」を付す場合がある。
【0017】
図5−図7から明らかなように、上段の2つの弁孔11aの中心Oは互いに同じ高さにあり、また、下段の2つの弁孔11bの中心Oも互いに同じ高さにある。しかし、上段の弁孔11aと下段の弁孔11bとは、上下に完全に重なり合う位置にはなく、弁ボディ10の幅方向の互いに異なる位置を占めると同時に、弁ボディ10を上面側から見た平面視において、上下方向(高さ方向)に部分的に重複する位置を占めている。図示した例において、上段にある2つの弁孔11aの中心間距離Xは下段にある2つの弁孔11bの中心間距離Yより短く、かつ、上段の2つの弁孔11aは下段の2つの弁孔11bに対してそれぞれ弁ボディ10の幅方向中央寄りの位置を占めている。
【0018】
前記上段の弁孔11aと下段の弁孔11bとが部分的に重複する寸法は、弁孔11の最大直径の約半分ほどであるが、それより若干大きくても小さくても良い。また、図示の例において、上段の弁孔11aと下段の弁孔11bとが部分的に重複する度合いは、弁ボディ10の幅方向右半部側にある上下2つの弁孔11a,11bと同左半部側にある上下2つの弁孔11a,11bとにおいて互いに同じである。従って、前記4つの弁孔11は、前記弁ボディ10を左右(幅方向)に2分する仮想平面Mに対して面対称に配設されていることになる。しかし、前記重複する度合いを右側と左側とで違えることもでき、この場合には前記仮想平面Mに対して面対称にならない。
【0019】
このような配置で前記4つの弁孔11を弁ボディ10に形成することにより、これらの弁孔11を横に一列に並べて形成する場合に比べ、該弁ボディ10の横幅を大幅に短縮することが可能になる。しかも、弁ボディ10の横幅が短縮されているにも拘わらず、出力通孔14a,14b等の流路孔を上下の弁孔11a,11bを避けて弁ボディ10内に形成するのも容易で、弁孔11を迂回するために該流路孔を大きく曲げて形成する必要がない。
【0020】
また、上段の弁孔11aと下段の弁孔11bとの中心間距離Zは、これら弁孔11a,11bを上下完全に重なり合う位置に並べて配置する場合よりは短く設定することが可能で、図示の例では、弁孔11の最大直径とほぼ等しいか、それより僅かに大きい程度である。従って、上段の弁孔11aの下端と下段の弁孔11bの上端とはほぼ同じ高さか僅かに離れた高さにあるように近接しており、この結果、弁ボディ10の高さ(厚さ)も短縮することができる。
【0021】
なお、図示した場合とは逆に、上段にある2つの弁孔11aの中心間距離Xを下段にある2つの弁孔11bの中心間距離Yより長くすることにより、下段の2つの弁孔11bを上段の2つの弁孔11aに対してそれぞれ弁ボディ10の幅方向中央寄りの位置を占めるように配置することもできる。
【0022】
前記弁ボディ10の下面は、前記マニホールドベース2に取り付けるための取付面10cであり、該取付面10cには、図4及び図5から分かるように各弁孔11に連通する供給ポートPと、図4及び図6から分かるように4つの弁孔11に個別に連通する第1出力ポートA及び第2出力ポートBと、図4及び図7から分かるように4つの弁孔11に共通に連通する第1排出ポートEA及び第2排出ポートEBとが、前記弁孔11の軸線に沿って、中央に前記供給ポートPが位置し、該供給ポートPの両側に前記第1出力ポートA及び第2出力ポートBが位置し、該第1出力ポートA及び第2出力ポートBの両外側に前記第1排出ポートEA及び第2排出ポートEBが位置するように配設されている。
【0023】
前記供給ポートPは、図5に示すように、左右2つに分かれていて、右側の供給ポートPが、弁ボディ10の右半部側に位置する上下2つの弁孔11a,11bに連通し、左側の供給ポートPが、弁ボディ10の左半部側に位置する上下2つの弁孔11a,11bに連通しているが、前記2つの供給ポートPは1つに連なっていても良い。
【0024】
前記第1出力ポートA及び第2出力ポートBは、弁ボディ10の下面の前記取付面10cに設けられているだけでなく、弁ボディ10の上面のポート形成面15aにも設けられている。即ち、前記各弁孔11からは、前記出力通孔14aがほぼ真っ直ぐ下向きに延びて前記取付面10cの第1出力ポートA及び第2出力ポートBに連通しているほか、前記出力通孔14bが弁ボディ10の上面に向けてほぼ真っ直ぐ上向きに延び、前記ポート形成面15aの第1出力ポートA及び第2出力ポートBに連通しており、これにより、弁ボディ10の上面と下面の出力ポートA,Bを選択的に使用できるようになっている。図示した例では、下面の出力ポートA,Bがマニホールドベース2で閉鎖され、上面の出力ポートA,Bが使用されるようになっている。
【0025】
なお、弁ボディ10の下面の出力ポートA,Bを使用する場合には、特に図示されていないが、前記マニホールドベース2の側面又は下面に、該マニホールドベース2の内部の通孔を通じて前記弁ボディ10の下面の出力ポートA,Bに連通する出力ポートが形成され、ここに管継手が取り付けられる。一方、弁ボディ10の上面には、後述するポートブロック15の代わりに封止プレートが取り付けられ、この封止プレートで前記出力通孔14bが閉鎖される。
【0026】
前述したように弁ボディ10の上面に前記出力ポートA,Bを形成するため、該弁ボディ10の上面には前記ポートブロック15が取り付けられ、該ポートブロック15の上面に弁孔11の軸線に平行な前記ポート形成面15aが形成され、該ポート形成面15aに前記第1出力ポートA及び第2出力ポートBが設けられている。これらの出力ポートA,Bは、前記弁ボディ10の出力通孔14bの上端に接続され、各出力ポートA,Bに円筒状の管継手16が取り付けられている。
【0027】
図中17は、前記管継手16を係止させるための左右の係止プレートで、各係止プレート17の左右両側縁に互い違いに形成された凹部17a内に前記管継手16を嵌合させ、前記凹部17aの縁を該管継手16の係止溝16aに嵌合、係止させた状態で前記ポートブロック15上に載置され、2つのプレート固定ねじ18a,18bで該ポートブロック15に固定されている。
【0028】
前記2つのプレート固定ねじ18a,18bのうち、一方のプレート固定ねじ18aは他方のプレート固定ねじ18bより長さが長く、前記ポートブロック15を貫通して前記弁ボディ10の上面のねじ孔18cに螺着できるようになっており、このプレート固定ねじ18aで前記係止プレート17とポートブロック15とが前記弁ボディ10に固定されている。
【0029】
なお、図5−図7においては、切断位置の関係で管継手16の断面形状が円筒状に表されていないが、各管継手16は図4に示すように円筒状である。また、この管継手16は簡略化された形で描かれているが、接続口16b内に配管チューブを差し込むだけで該配管チューブが抜止状態に接続されるように構成された公知の簡易接続式の管継手であることが望ましい。
【0030】
前記ポートブロック15は、各図から分かるように、前記弁ボディ10と実質的に同じ平面視形状及び大きさを有するもので、このポートブロック15が弁ボディ10の上面に載置され、ねじ挿通孔19aに挿通した2本の固定ねじ19を前記マニホールドベース2のねじ孔に螺着することにより、前記ポートブロック15と弁ボディ10とが、前記マニホールドベース2に共締めにより固定されている。従って、前記ポートブロック15は実質的に弁ボディ10の一部を形成するものであり、該弁ボディ10の上面に前記ポート形成面15aが形成されているということができる。
前記ねじ挿通孔19aは、前記弁ボディ10の第1端面10a寄りの位置と第2端面10b寄りの位置とにおいて該弁ボディ10の幅方向の中央に形成されている。
【0031】
前記第1出力ポートA及び第2出力ポートBは、弁孔11毎にその軸線に沿って2個ずつ形成されているから、前記ポート形成面15aには、合計で8個の出力ポートA,Bが形成されている。また、前記第1出力ポートA及び第2出力ポートBは、各々が連通する弁孔11の上方の該弁孔11と重なり合う位置に形成されている。
【0032】
図2及び図3から明らかなように、前記出力ポートA,Bは円形の孔からなっていて、隣接する弁孔11の出力ポート同士、即ち第1出力ポートA同士及び第2出力ポートB同士が、前記ポートブロック15の幅方向に完全に一列に配置されることなく、隣接するもの同士が弁孔11の軸線方向の異なる位置を占めると共に、前記弁ボディ10を幅方向(側面側)から見たとき相互に部分的に重複するように配置されている。また、弁ボディ10を第1端面10a側即ち弁孔11の軸線方向から見たときにも、隣接する第1出力ポートA同士及び第2出力ポートB同士が相互に部分的に重複するように配置されている。
【0033】
図示の例では、1つの弁孔11の第1出力ポートAと第2出力ポートBとの中間の位置に、隣接する弁孔11の第1出力ポートA又は第2出力ポートBが位置するように、各出力ポートが配置されている。従って、前記管継手16も前記出力ポートA,Bと同じ配置になる。
【0034】
前記マニホールドベース2は、図1に示すように共通供給流路21と共通排出流路22とを有し、該共通供給流路21から主流体を前記弁ボディ10の供給ポートPに供給し、該弁ボディ10の第1排出ポートEA及び第2排出ポートEBからの排出流体を前記共通排出流路22を通じて排出するものである。
【0035】
また、前記スプール4は、外周に複数のシール部材23を有し、このシール部材23が弁孔11の内周面に接離することで前記ポート間の流路を開閉するものである。
【0036】
前記弁ボディ10の第1端面10a及び第2端面10bには、矩形の第1エンドブロック27及び第2エンドブロック28が取り付けられ、第1エンドブロック27の内端面即ち前記第1端面10a側の面には、前記スプール4の一端の第1受圧面4aが臨む第1パイロット圧力室29が形成され、第2エンドブロック28の内端面即ち前記第2端面10b側の面には、前記スプール4の第2受圧面4bが臨む第2パイロット圧力室30とピストン室31とが形成され、該ピストン室31内に、前記第2受圧面4bより受圧面積の小さいピストン32が前記スプール4に接離自在なるように収容されると共に、該ピストン32の受圧面32a側に第3パイロット圧力室33が形成されている。前記第1受圧面4aと第2受圧面4bの受圧面積は等しい。
【0037】
前記第1エンドブロック27の外端面には、前記パイロット操作部5が取り付けられている。このパイロット操作部5は、図2に示すように、基台部36aと中央台部36bとからなる断面略T字状のパイロット弁ボディ36を有し、前記基台部36aが前記第1エンドブロック27の外端面にねじ38で固定され、前記中央台部36bの上下両面にそれぞれ4個の前記パイロット弁6が取り付けられている。従って、このパイロット操作部5には、全部で4組(8個)のパイロット弁6が設けられている。
前記基台部36aには、箱形をしたカバー37が取り付けられ、このカバー37で前記パイロット弁6全体が覆われている。図中37aは、制御装置からの給電コネクタを接続するための接続口である。
【0038】
そして、上段の1つのパイロット弁6即ち第1パイロット弁6aと、下段の1つのパイロット弁6即ち第2パイロット弁6bとを1組とし、これら1組のパイロット弁6a,6bで1つのスプール4を駆動するように構成されている。また、前記第1パイロット弁6aと第2パイロット弁6bとを交互にオン、オフさせてスプール4を往復駆動するダブルソレノイド形電磁弁としての使い方と、前記第2パイロット弁6bを停止させ、第1パイロット弁6aのみをオン、オフさせてスプール4を往復駆動するシングルソレノイド形電磁弁としての使い方とを、前記第1エンドブロック27に設けられた第1切換装置40と第2エンドブロック28に設けられた第2切換装置41とを切り換えることで、選択的に行うことができるようにも構成されている。
【0039】
前記切換装置40,41は、軸棒状の弁部材を手動で押し下げて復帰ばねで復帰させるように構成され、このうち少なくとも第2切換装置41は、押し下げた状態である操作位置にロックさせることができるようになっている。
【0040】
前記第1パイロット弁6aと第2パイロット弁6bとは、実質的に3ポート電磁弁としての構成を有するもので、互いに同じ構成を有するものであり、図8及び図9に、前記パイロット弁6a,6bで前記スプール4を駆動するためのパイロット流路の接続図が、前記パイロット弁6a,6b及び切換装置40,41を記号化した形で示されている。
【0041】
図4、図8、図9において、前記第1パイロット弁6a及び第2パイロット弁6bのパイロット供給ポートPPは、弁ボディ10と第1エンドブロック27とパイロット弁ボディ36との内部を延びる第1パイロット供給流路45を通じ、前記第1切換装置40を介して前記主弁部3の供給ポートPに共通に連通している。
また、前記第1パイロット弁6aのパイロット出力ポートPAは、第1パイロット出力流路46aにより、前記第1切換装置40を介して前記第1パイロット圧力室29に連通し、前記第2パイロット弁6bのパイロット出力ポートPAは、第2パイロット出力流路46bにより、前記第2パイロット圧力室30に連通している。
更に、前記主弁部3の供給ポートPは、弁ボディ10と第2エンドブロック28との内部を延びる第2パイロット供給流路47を通じ、前記第2切換装置41を介して前記第3パイロット圧力室33に連通している。
【0042】
そして、多連式電磁弁をダブルソレノイド形電磁弁として使用するときは、図8に示すように、前記第1切換装置40及び第2切換装置41を何れも非操作位置に保持させる。これにより、前記第3パイロット圧力室33は、第2切換装置41を介して大気に開放された状態になる。
そこで、この状態で第1パイロット弁6aと第2パイロット弁6bとを交互にオン、オフさせることにより、パイロット流体が第1パイロット圧力室29と第2パイロット圧力室30とに交互に給排されて前記スプール4が往復駆動される。
【0043】
また、多連式電磁弁をシングルソレノイド形電磁弁として使用するときは、図9に示すように、前記第1切換装置40を非操作位置に保持したまま、第2切換装置41を図示の操作位置に押し下げてその位置にロックさせる。これにより、前記第3パイロット圧力室33は、第2パイロット供給流路47を通じて供給ポートPに常時連通することにより、パイロット流体が常時供給された状態になり、ピストン32の受圧面32aにはパイロット流体圧が常時作用している。
【0044】
そこで、第2パイロット弁6bを停止させて第2パイロット圧力室30を大気に開放させた状態のまま、第1パイロット弁6aのみをオン、オフさせて第1パイロット圧力室29に対しパイロット流体を給排することにより、スプール4の第1受圧面4aとピストン32の受圧面32aとの受圧面積差によって前記スプール4は往復駆動される。
【0045】
あるいは、前記第1パイロット弁6aを操作することなく、前記第1切換装置40を操作位置に押し下げたり復帰させたりすることによっても、前記スプール4を往復駆動することができる。即ち、前記第1切換装置40を図9の非操作位置から押し下げて操作位置に切り換えると、第1パイロット圧力室29が第1パイロット出力流路46a、第1切換装置40、第1パイロット供給流路45を介して供給ポートPに連通するため、スプール4は図の右方向に移動し、前記第1切換装置40を図9の非操作位置に復帰させると、第1パイロット圧力室29が第1パイロット出力流路46a、第1切換装置40、第1パイロット弁6aを介して大気に開放されるため、スプール4は図の左方向に移動する。
【0046】
図10は本発明の第2実施形態における弁ボディ10の要部の断面を示すもので、この第2実施形態は、弁孔11の配置が前記第1実施形態と相違している。
【0047】
即ち、弁ボディ10の内部に4つの弁孔11が、上段と下段とにそれぞれ2つずつ位置するように配設され、上段の2つの弁孔11aの中心間距離Xと下段の2つの弁孔11bの中心間距離Yとは互いに等しく、かつ、上段の弁孔11aが下段の弁孔11bに対して弁ボディ10の幅方向の一方寄りの位置を占めている。従って、この実施例では、前記4つの弁孔11が、前記弁ボディ10の内部を弁孔11の軸線と平行に延びる仮想直線Lに対して線対称に配設されていることになる。
図示した例では、弁ボディ10の左半部側にある上下2つの弁孔11a,11b同士、及び、弁ボディ10の右半部側にある上下2つの弁孔11a,11b同士が、それぞれ互いに重複していて、左半部側の上段に位置する弁孔11aと右半部側の下段に位置する弁孔11bとは互いに重複していないが、それらが重複していても良い。
【0048】
また、上段の2つの弁孔11aの中心間距離Xと下段の2つの弁孔11bの中心間距離Yとは互いに違っていても良く、この場合、前記4つの弁孔11の配置は前記仮想直線Lに対して線対称にならない。
この第2実施形態における前記以外の構成は実質的に前記第1実施形態と同じである。
【0049】
図11及び図12は本発明の第3実施形態を示すもので、この第3実施形態は、弁孔11及び出力ポートA,Bの数及び配置が前記第1実施形態とも第2実施形態とも相違している。
【0050】
即ち、図12に示すように、弁ボディ10の内部に6つの弁孔11が形成され、これらの弁孔11が、上段に4つの弁孔11aが位置し、下段に2つの弁孔11bが位置するように配設されている。上段の4つの弁孔11aのうち、左半部にある2つの弁孔11aの中心間距離X1と、右半部にある2つの弁孔11aの中心間距離X2とは互いに等しく、下段の2つの弁孔11bは、上段の左半部にある2つの弁孔11aの中間の位置と、右側にある2つの弁孔11aの中間の位置とを占めている。上段の4つの弁孔のうち中間に位置する2つの弁孔11aの中心間距離X3は、前記中心間距離X1,X2と等しくても違っていても良い。
従って、この第3実施形態で前記6つの弁孔11は、弁ボディ10を左右に2分する仮想平面Mに対して面対称に配設されていることになる。
【0051】
また、図11に示すように、出力ポートA,Bは弁ボディ10の上面に全部で12個形成されているが、それらの配置は、第1実施形態のものに、2個の出力ポートA,Bが新たに同じ規則性を持って追加されたものと実質的に同じである。
この第3実施形態における前記以外の構成は実質的に前記第1実施形態と同じであるから、主要な同一構成部分に第1実施形態と同じ符号を付してその説明は省略する。
【0052】
なお、弁ボディ10に6つの弁孔11を設ける場合、前記第3実施形態のような配置にすることなく、図6に示す第1実施形態の4つの弁孔11の右側又は左側の位置に、新たに上下2つの弁孔を、隣接する上下2つの弁孔11a,11bと左右対称の位置関係で追加した配置にすることも、図10に示す第2実施形態の4つの弁孔11の右側又は左側の位置に、新たに上下2つの弁孔を、隣接する上下2つのの弁孔11a,11bと同様の位置関係で追加した配置にすることもできる。これらの場合、上段と下段とにそれぞれ3つの弁孔11a及び11bが属することになる。
【0053】
また、前記弁孔11は、必ずしも偶数個である必要はなく、5個以上の奇数個であっても良く、これらの弁孔が、弁ボディの内部に上下2段に配置されていて、上段の弁孔と下段の弁孔とが弁ボディの幅方向の互いに異なる位置を占めると共に、該弁ボディの平面視において上段の弁孔と下段の弁孔とが部分的に重複する位置を占めるように配置されていれば良い。
【0054】
更に、前記実施形態は5ポート弁として構成されているが、本発明は3ポート弁や4ポート弁にも適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 多連式電磁弁
3 主弁部
4 スプール
5 パイロット操作部
6 パイロット弁
10 弁ボディ
11 弁孔
15a ポート形成面
X,Y 中心間距離
A,B 出力ポート
M 仮想平面
L 仮想直線
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの弁ボディに複数の弁機構を組み込んだ多連式電磁弁に関するものである。
【背景技術】
【0002】
1つの弁ボディに複数の弁機構を組み込んだ多連式電磁弁は、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3等に開示されているように従来より公知である。このような多連式電磁弁は、前記弁機構と同数の独立した電磁弁を並べて設置する場合に比べ、全体が小形化されているので、設置スペースも小さくて済むという利点がある。
【0003】
しかし、前記従来の多連式電磁弁は、弁ボディの内部に複数の弁機構を該弁ボディの上下方向又は左右方向に並べて配置したもので、隣接する弁機構間にはまだスペース的な余裕があり、更なる小形化を図る余地を残すものであった。また、複数の弁機構が上下方向又は左右方向に一列に並べて配置されているため、例えば3個以上の弁機構を組み込んだ場合、弁ボディの上下方向の寸法(高さ)又は左右方向の寸法(横幅)がその分大きくなり、取り扱いや設置が困難になることも考えられる。
【0004】
複数の弁機構を上下及び左右にそれぞれ列をなすように配置することも考えられるが、弁機構を上下及び左右に列状に並べて配置すると、各弁機構の弁孔同士が上下方向及び左右方向に完全に重なり合うため、弁孔とポートとを結ぶ流路の形成に支障を来すことになり、隣接する弁孔を迂回させるために流路を大きく折曲した状態に形成しなければならなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61−106672号公報
【特許文献2】特開平8−178105号公報
【特許文献3】特開平9−32941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複数の弁機構を合理的に配置することによって一層の小形化を実現すると共に流路形成を容易にした多連式電磁弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明によれば、1つの弁ボディの内部に4つ以上の弁孔が平行に形成され、各弁孔内に流路切換用のスプールが収容されている主弁部と、パイロット流体により前記スプールを駆動する電磁操作式のパイロット弁を備えたパイロット操作部とを有し、前記弁孔は、前記弁ボディの内部に上下2段に配置されていて、上段及び下段にそれぞれ複数の弁孔が属し、上段の弁孔と下段の弁孔とが弁ボディの幅方向の互いに異なる位置を占めると共に、弁ボディの平面視において上段の弁孔と下段の弁孔とが部分的に重複する位置を占めていることを特徴とする多連式電磁弁が提供される。
【0008】
本発明において好ましくは、前記弁孔が、前記弁ボディを幅方向に2分する仮想平面に対して面対称に配設されているか、又は、前記弁ボディの内部を弁孔の軸線と平行に延びる仮想直線に対して線対称に配設されていることである。
【0009】
あるいは、4つの弁孔が上段と下段とにそれぞれ2つずつ配設されていて、上段の2つの弁孔の中心間距離と下段の2つの弁孔の中心間距離とが互いに相違し、かつ、上段又は下段の弁孔が下段又は上段の弁孔に対して弁ボディの幅方向中央寄りの位置を占めていても、上段の弁孔が下段の弁孔に対して弁ボディの幅方向の一方寄りの位置を占めていても構わない。
【0010】
また、本発明では、前記弁ボディの上面の前記弁孔と平行なポート形成面に、各弁孔に個別に通じる複数の出力ポートが形成され、前記出力ポートは、隣接する弁孔の出力ポート同士が該弁孔の軸線方向の異なる位置を占めると共に、該出力ポートを前記弁ボディの側面方向から見たときにも弁孔の軸線方向から見たときにも隣接する出力ポートが相互に部分的に重複するように配置されている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の弁機構における弁孔を弁ボディに合理的な配置で近接させて形成したことにより、前記弁孔を上下又は左右に完全な列状に並べて形成する場合に比べ、該弁ボディの横幅や高さ等を大幅に短縮することが可能になり、電磁弁の一層の小形化を実現することができる。しかも、該弁ボディの横幅が短縮されているにも拘わらず、各弁孔とポートとを結ぶ流路孔を上下の弁孔を避けて弁ボディ内に形成するのも容易で、弁孔を迂回するために該流路孔を大きく曲げて形成する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る多連式電磁弁の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の分解斜視図である。
【図3】図1の平面図である。
【図4】図1の多連式電磁弁の主弁部を1つの弁孔の位置で切断して示す要部断面図である。
【図5】図4の弁ボディを供給ポートの位置で切断して示す断面図である。
【図6】図4の弁ボディを第1出力ポートの位置で切断して示す断面図である。
【図7】図4の弁ボディを第2排出ポートの位置で切断して示す断面図である。
【図8】パイロット流体でスプールを駆動する駆動系を記号化して示す流路接続図で、多連式電磁弁をダブルソレノイド形電磁弁として使用する場合の図である。
【図9】パイロット流体でスプールを駆動する駆動系を記号化して示す流路接続図で、多連式電磁弁をシングルソレノイド形電磁弁として使用する場合の図である。
【図10】本発明に係る多連式電磁弁の第2実施形態における弁ボディの断面図で、第1出力ポートの位置で切断したものである。
【図11】本発明に係る多連式電磁弁の第3実施形態の平面図である。
【図12】第3実施形態における弁ボディの断面図で、第1出力ポートの位置で切断したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1−図7は本発明に係る多連式電磁弁の第1実施形態を示すもので、この多連式電磁弁1はマニホールドベース2上に搭載されている。
【0014】
前記多連式電磁弁1は、5ポート電磁弁としての弁構造を持つ同一形態の複数組の弁機構を備えたもので、主流体の流路を切り換えるスプール4を備えた主弁部3と、パイロット流体で前記スプール4を駆動する電磁操作式のパイロット弁6を備えたパイロット操作部5とからなっている。なお、この実施形態において、前記主流体及びパイロット流体は何れも圧縮空気である。
【0015】
前記主弁部3は、図2及び図4から分かるように、矩形のブロック状をした弁ボディ10を有している。この弁ボディ10の内部には、前記弁機構の数に対応する数の弁孔11が平行に形成され、各弁孔11の両端は弁ボディ10の第1端面10aと第2端面10bとに開口し、各弁孔11内に、前記スプール4が該弁孔11の軸線方向に摺動自在に挿入されている。前記各弁孔11は同じ大きさである。
【0016】
図示の例では、4つの弁孔11が上下2段に配置されていて、上段と下段とにそれぞれ2つの弁孔11が属している。なお、以下の説明では、必要に応じ、上段の弁孔11に符号「11a」を付し、下段の弁孔11に符号「11b」を付す場合がある。
【0017】
図5−図7から明らかなように、上段の2つの弁孔11aの中心Oは互いに同じ高さにあり、また、下段の2つの弁孔11bの中心Oも互いに同じ高さにある。しかし、上段の弁孔11aと下段の弁孔11bとは、上下に完全に重なり合う位置にはなく、弁ボディ10の幅方向の互いに異なる位置を占めると同時に、弁ボディ10を上面側から見た平面視において、上下方向(高さ方向)に部分的に重複する位置を占めている。図示した例において、上段にある2つの弁孔11aの中心間距離Xは下段にある2つの弁孔11bの中心間距離Yより短く、かつ、上段の2つの弁孔11aは下段の2つの弁孔11bに対してそれぞれ弁ボディ10の幅方向中央寄りの位置を占めている。
【0018】
前記上段の弁孔11aと下段の弁孔11bとが部分的に重複する寸法は、弁孔11の最大直径の約半分ほどであるが、それより若干大きくても小さくても良い。また、図示の例において、上段の弁孔11aと下段の弁孔11bとが部分的に重複する度合いは、弁ボディ10の幅方向右半部側にある上下2つの弁孔11a,11bと同左半部側にある上下2つの弁孔11a,11bとにおいて互いに同じである。従って、前記4つの弁孔11は、前記弁ボディ10を左右(幅方向)に2分する仮想平面Mに対して面対称に配設されていることになる。しかし、前記重複する度合いを右側と左側とで違えることもでき、この場合には前記仮想平面Mに対して面対称にならない。
【0019】
このような配置で前記4つの弁孔11を弁ボディ10に形成することにより、これらの弁孔11を横に一列に並べて形成する場合に比べ、該弁ボディ10の横幅を大幅に短縮することが可能になる。しかも、弁ボディ10の横幅が短縮されているにも拘わらず、出力通孔14a,14b等の流路孔を上下の弁孔11a,11bを避けて弁ボディ10内に形成するのも容易で、弁孔11を迂回するために該流路孔を大きく曲げて形成する必要がない。
【0020】
また、上段の弁孔11aと下段の弁孔11bとの中心間距離Zは、これら弁孔11a,11bを上下完全に重なり合う位置に並べて配置する場合よりは短く設定することが可能で、図示の例では、弁孔11の最大直径とほぼ等しいか、それより僅かに大きい程度である。従って、上段の弁孔11aの下端と下段の弁孔11bの上端とはほぼ同じ高さか僅かに離れた高さにあるように近接しており、この結果、弁ボディ10の高さ(厚さ)も短縮することができる。
【0021】
なお、図示した場合とは逆に、上段にある2つの弁孔11aの中心間距離Xを下段にある2つの弁孔11bの中心間距離Yより長くすることにより、下段の2つの弁孔11bを上段の2つの弁孔11aに対してそれぞれ弁ボディ10の幅方向中央寄りの位置を占めるように配置することもできる。
【0022】
前記弁ボディ10の下面は、前記マニホールドベース2に取り付けるための取付面10cであり、該取付面10cには、図4及び図5から分かるように各弁孔11に連通する供給ポートPと、図4及び図6から分かるように4つの弁孔11に個別に連通する第1出力ポートA及び第2出力ポートBと、図4及び図7から分かるように4つの弁孔11に共通に連通する第1排出ポートEA及び第2排出ポートEBとが、前記弁孔11の軸線に沿って、中央に前記供給ポートPが位置し、該供給ポートPの両側に前記第1出力ポートA及び第2出力ポートBが位置し、該第1出力ポートA及び第2出力ポートBの両外側に前記第1排出ポートEA及び第2排出ポートEBが位置するように配設されている。
【0023】
前記供給ポートPは、図5に示すように、左右2つに分かれていて、右側の供給ポートPが、弁ボディ10の右半部側に位置する上下2つの弁孔11a,11bに連通し、左側の供給ポートPが、弁ボディ10の左半部側に位置する上下2つの弁孔11a,11bに連通しているが、前記2つの供給ポートPは1つに連なっていても良い。
【0024】
前記第1出力ポートA及び第2出力ポートBは、弁ボディ10の下面の前記取付面10cに設けられているだけでなく、弁ボディ10の上面のポート形成面15aにも設けられている。即ち、前記各弁孔11からは、前記出力通孔14aがほぼ真っ直ぐ下向きに延びて前記取付面10cの第1出力ポートA及び第2出力ポートBに連通しているほか、前記出力通孔14bが弁ボディ10の上面に向けてほぼ真っ直ぐ上向きに延び、前記ポート形成面15aの第1出力ポートA及び第2出力ポートBに連通しており、これにより、弁ボディ10の上面と下面の出力ポートA,Bを選択的に使用できるようになっている。図示した例では、下面の出力ポートA,Bがマニホールドベース2で閉鎖され、上面の出力ポートA,Bが使用されるようになっている。
【0025】
なお、弁ボディ10の下面の出力ポートA,Bを使用する場合には、特に図示されていないが、前記マニホールドベース2の側面又は下面に、該マニホールドベース2の内部の通孔を通じて前記弁ボディ10の下面の出力ポートA,Bに連通する出力ポートが形成され、ここに管継手が取り付けられる。一方、弁ボディ10の上面には、後述するポートブロック15の代わりに封止プレートが取り付けられ、この封止プレートで前記出力通孔14bが閉鎖される。
【0026】
前述したように弁ボディ10の上面に前記出力ポートA,Bを形成するため、該弁ボディ10の上面には前記ポートブロック15が取り付けられ、該ポートブロック15の上面に弁孔11の軸線に平行な前記ポート形成面15aが形成され、該ポート形成面15aに前記第1出力ポートA及び第2出力ポートBが設けられている。これらの出力ポートA,Bは、前記弁ボディ10の出力通孔14bの上端に接続され、各出力ポートA,Bに円筒状の管継手16が取り付けられている。
【0027】
図中17は、前記管継手16を係止させるための左右の係止プレートで、各係止プレート17の左右両側縁に互い違いに形成された凹部17a内に前記管継手16を嵌合させ、前記凹部17aの縁を該管継手16の係止溝16aに嵌合、係止させた状態で前記ポートブロック15上に載置され、2つのプレート固定ねじ18a,18bで該ポートブロック15に固定されている。
【0028】
前記2つのプレート固定ねじ18a,18bのうち、一方のプレート固定ねじ18aは他方のプレート固定ねじ18bより長さが長く、前記ポートブロック15を貫通して前記弁ボディ10の上面のねじ孔18cに螺着できるようになっており、このプレート固定ねじ18aで前記係止プレート17とポートブロック15とが前記弁ボディ10に固定されている。
【0029】
なお、図5−図7においては、切断位置の関係で管継手16の断面形状が円筒状に表されていないが、各管継手16は図4に示すように円筒状である。また、この管継手16は簡略化された形で描かれているが、接続口16b内に配管チューブを差し込むだけで該配管チューブが抜止状態に接続されるように構成された公知の簡易接続式の管継手であることが望ましい。
【0030】
前記ポートブロック15は、各図から分かるように、前記弁ボディ10と実質的に同じ平面視形状及び大きさを有するもので、このポートブロック15が弁ボディ10の上面に載置され、ねじ挿通孔19aに挿通した2本の固定ねじ19を前記マニホールドベース2のねじ孔に螺着することにより、前記ポートブロック15と弁ボディ10とが、前記マニホールドベース2に共締めにより固定されている。従って、前記ポートブロック15は実質的に弁ボディ10の一部を形成するものであり、該弁ボディ10の上面に前記ポート形成面15aが形成されているということができる。
前記ねじ挿通孔19aは、前記弁ボディ10の第1端面10a寄りの位置と第2端面10b寄りの位置とにおいて該弁ボディ10の幅方向の中央に形成されている。
【0031】
前記第1出力ポートA及び第2出力ポートBは、弁孔11毎にその軸線に沿って2個ずつ形成されているから、前記ポート形成面15aには、合計で8個の出力ポートA,Bが形成されている。また、前記第1出力ポートA及び第2出力ポートBは、各々が連通する弁孔11の上方の該弁孔11と重なり合う位置に形成されている。
【0032】
図2及び図3から明らかなように、前記出力ポートA,Bは円形の孔からなっていて、隣接する弁孔11の出力ポート同士、即ち第1出力ポートA同士及び第2出力ポートB同士が、前記ポートブロック15の幅方向に完全に一列に配置されることなく、隣接するもの同士が弁孔11の軸線方向の異なる位置を占めると共に、前記弁ボディ10を幅方向(側面側)から見たとき相互に部分的に重複するように配置されている。また、弁ボディ10を第1端面10a側即ち弁孔11の軸線方向から見たときにも、隣接する第1出力ポートA同士及び第2出力ポートB同士が相互に部分的に重複するように配置されている。
【0033】
図示の例では、1つの弁孔11の第1出力ポートAと第2出力ポートBとの中間の位置に、隣接する弁孔11の第1出力ポートA又は第2出力ポートBが位置するように、各出力ポートが配置されている。従って、前記管継手16も前記出力ポートA,Bと同じ配置になる。
【0034】
前記マニホールドベース2は、図1に示すように共通供給流路21と共通排出流路22とを有し、該共通供給流路21から主流体を前記弁ボディ10の供給ポートPに供給し、該弁ボディ10の第1排出ポートEA及び第2排出ポートEBからの排出流体を前記共通排出流路22を通じて排出するものである。
【0035】
また、前記スプール4は、外周に複数のシール部材23を有し、このシール部材23が弁孔11の内周面に接離することで前記ポート間の流路を開閉するものである。
【0036】
前記弁ボディ10の第1端面10a及び第2端面10bには、矩形の第1エンドブロック27及び第2エンドブロック28が取り付けられ、第1エンドブロック27の内端面即ち前記第1端面10a側の面には、前記スプール4の一端の第1受圧面4aが臨む第1パイロット圧力室29が形成され、第2エンドブロック28の内端面即ち前記第2端面10b側の面には、前記スプール4の第2受圧面4bが臨む第2パイロット圧力室30とピストン室31とが形成され、該ピストン室31内に、前記第2受圧面4bより受圧面積の小さいピストン32が前記スプール4に接離自在なるように収容されると共に、該ピストン32の受圧面32a側に第3パイロット圧力室33が形成されている。前記第1受圧面4aと第2受圧面4bの受圧面積は等しい。
【0037】
前記第1エンドブロック27の外端面には、前記パイロット操作部5が取り付けられている。このパイロット操作部5は、図2に示すように、基台部36aと中央台部36bとからなる断面略T字状のパイロット弁ボディ36を有し、前記基台部36aが前記第1エンドブロック27の外端面にねじ38で固定され、前記中央台部36bの上下両面にそれぞれ4個の前記パイロット弁6が取り付けられている。従って、このパイロット操作部5には、全部で4組(8個)のパイロット弁6が設けられている。
前記基台部36aには、箱形をしたカバー37が取り付けられ、このカバー37で前記パイロット弁6全体が覆われている。図中37aは、制御装置からの給電コネクタを接続するための接続口である。
【0038】
そして、上段の1つのパイロット弁6即ち第1パイロット弁6aと、下段の1つのパイロット弁6即ち第2パイロット弁6bとを1組とし、これら1組のパイロット弁6a,6bで1つのスプール4を駆動するように構成されている。また、前記第1パイロット弁6aと第2パイロット弁6bとを交互にオン、オフさせてスプール4を往復駆動するダブルソレノイド形電磁弁としての使い方と、前記第2パイロット弁6bを停止させ、第1パイロット弁6aのみをオン、オフさせてスプール4を往復駆動するシングルソレノイド形電磁弁としての使い方とを、前記第1エンドブロック27に設けられた第1切換装置40と第2エンドブロック28に設けられた第2切換装置41とを切り換えることで、選択的に行うことができるようにも構成されている。
【0039】
前記切換装置40,41は、軸棒状の弁部材を手動で押し下げて復帰ばねで復帰させるように構成され、このうち少なくとも第2切換装置41は、押し下げた状態である操作位置にロックさせることができるようになっている。
【0040】
前記第1パイロット弁6aと第2パイロット弁6bとは、実質的に3ポート電磁弁としての構成を有するもので、互いに同じ構成を有するものであり、図8及び図9に、前記パイロット弁6a,6bで前記スプール4を駆動するためのパイロット流路の接続図が、前記パイロット弁6a,6b及び切換装置40,41を記号化した形で示されている。
【0041】
図4、図8、図9において、前記第1パイロット弁6a及び第2パイロット弁6bのパイロット供給ポートPPは、弁ボディ10と第1エンドブロック27とパイロット弁ボディ36との内部を延びる第1パイロット供給流路45を通じ、前記第1切換装置40を介して前記主弁部3の供給ポートPに共通に連通している。
また、前記第1パイロット弁6aのパイロット出力ポートPAは、第1パイロット出力流路46aにより、前記第1切換装置40を介して前記第1パイロット圧力室29に連通し、前記第2パイロット弁6bのパイロット出力ポートPAは、第2パイロット出力流路46bにより、前記第2パイロット圧力室30に連通している。
更に、前記主弁部3の供給ポートPは、弁ボディ10と第2エンドブロック28との内部を延びる第2パイロット供給流路47を通じ、前記第2切換装置41を介して前記第3パイロット圧力室33に連通している。
【0042】
そして、多連式電磁弁をダブルソレノイド形電磁弁として使用するときは、図8に示すように、前記第1切換装置40及び第2切換装置41を何れも非操作位置に保持させる。これにより、前記第3パイロット圧力室33は、第2切換装置41を介して大気に開放された状態になる。
そこで、この状態で第1パイロット弁6aと第2パイロット弁6bとを交互にオン、オフさせることにより、パイロット流体が第1パイロット圧力室29と第2パイロット圧力室30とに交互に給排されて前記スプール4が往復駆動される。
【0043】
また、多連式電磁弁をシングルソレノイド形電磁弁として使用するときは、図9に示すように、前記第1切換装置40を非操作位置に保持したまま、第2切換装置41を図示の操作位置に押し下げてその位置にロックさせる。これにより、前記第3パイロット圧力室33は、第2パイロット供給流路47を通じて供給ポートPに常時連通することにより、パイロット流体が常時供給された状態になり、ピストン32の受圧面32aにはパイロット流体圧が常時作用している。
【0044】
そこで、第2パイロット弁6bを停止させて第2パイロット圧力室30を大気に開放させた状態のまま、第1パイロット弁6aのみをオン、オフさせて第1パイロット圧力室29に対しパイロット流体を給排することにより、スプール4の第1受圧面4aとピストン32の受圧面32aとの受圧面積差によって前記スプール4は往復駆動される。
【0045】
あるいは、前記第1パイロット弁6aを操作することなく、前記第1切換装置40を操作位置に押し下げたり復帰させたりすることによっても、前記スプール4を往復駆動することができる。即ち、前記第1切換装置40を図9の非操作位置から押し下げて操作位置に切り換えると、第1パイロット圧力室29が第1パイロット出力流路46a、第1切換装置40、第1パイロット供給流路45を介して供給ポートPに連通するため、スプール4は図の右方向に移動し、前記第1切換装置40を図9の非操作位置に復帰させると、第1パイロット圧力室29が第1パイロット出力流路46a、第1切換装置40、第1パイロット弁6aを介して大気に開放されるため、スプール4は図の左方向に移動する。
【0046】
図10は本発明の第2実施形態における弁ボディ10の要部の断面を示すもので、この第2実施形態は、弁孔11の配置が前記第1実施形態と相違している。
【0047】
即ち、弁ボディ10の内部に4つの弁孔11が、上段と下段とにそれぞれ2つずつ位置するように配設され、上段の2つの弁孔11aの中心間距離Xと下段の2つの弁孔11bの中心間距離Yとは互いに等しく、かつ、上段の弁孔11aが下段の弁孔11bに対して弁ボディ10の幅方向の一方寄りの位置を占めている。従って、この実施例では、前記4つの弁孔11が、前記弁ボディ10の内部を弁孔11の軸線と平行に延びる仮想直線Lに対して線対称に配設されていることになる。
図示した例では、弁ボディ10の左半部側にある上下2つの弁孔11a,11b同士、及び、弁ボディ10の右半部側にある上下2つの弁孔11a,11b同士が、それぞれ互いに重複していて、左半部側の上段に位置する弁孔11aと右半部側の下段に位置する弁孔11bとは互いに重複していないが、それらが重複していても良い。
【0048】
また、上段の2つの弁孔11aの中心間距離Xと下段の2つの弁孔11bの中心間距離Yとは互いに違っていても良く、この場合、前記4つの弁孔11の配置は前記仮想直線Lに対して線対称にならない。
この第2実施形態における前記以外の構成は実質的に前記第1実施形態と同じである。
【0049】
図11及び図12は本発明の第3実施形態を示すもので、この第3実施形態は、弁孔11及び出力ポートA,Bの数及び配置が前記第1実施形態とも第2実施形態とも相違している。
【0050】
即ち、図12に示すように、弁ボディ10の内部に6つの弁孔11が形成され、これらの弁孔11が、上段に4つの弁孔11aが位置し、下段に2つの弁孔11bが位置するように配設されている。上段の4つの弁孔11aのうち、左半部にある2つの弁孔11aの中心間距離X1と、右半部にある2つの弁孔11aの中心間距離X2とは互いに等しく、下段の2つの弁孔11bは、上段の左半部にある2つの弁孔11aの中間の位置と、右側にある2つの弁孔11aの中間の位置とを占めている。上段の4つの弁孔のうち中間に位置する2つの弁孔11aの中心間距離X3は、前記中心間距離X1,X2と等しくても違っていても良い。
従って、この第3実施形態で前記6つの弁孔11は、弁ボディ10を左右に2分する仮想平面Mに対して面対称に配設されていることになる。
【0051】
また、図11に示すように、出力ポートA,Bは弁ボディ10の上面に全部で12個形成されているが、それらの配置は、第1実施形態のものに、2個の出力ポートA,Bが新たに同じ規則性を持って追加されたものと実質的に同じである。
この第3実施形態における前記以外の構成は実質的に前記第1実施形態と同じであるから、主要な同一構成部分に第1実施形態と同じ符号を付してその説明は省略する。
【0052】
なお、弁ボディ10に6つの弁孔11を設ける場合、前記第3実施形態のような配置にすることなく、図6に示す第1実施形態の4つの弁孔11の右側又は左側の位置に、新たに上下2つの弁孔を、隣接する上下2つの弁孔11a,11bと左右対称の位置関係で追加した配置にすることも、図10に示す第2実施形態の4つの弁孔11の右側又は左側の位置に、新たに上下2つの弁孔を、隣接する上下2つのの弁孔11a,11bと同様の位置関係で追加した配置にすることもできる。これらの場合、上段と下段とにそれぞれ3つの弁孔11a及び11bが属することになる。
【0053】
また、前記弁孔11は、必ずしも偶数個である必要はなく、5個以上の奇数個であっても良く、これらの弁孔が、弁ボディの内部に上下2段に配置されていて、上段の弁孔と下段の弁孔とが弁ボディの幅方向の互いに異なる位置を占めると共に、該弁ボディの平面視において上段の弁孔と下段の弁孔とが部分的に重複する位置を占めるように配置されていれば良い。
【0054】
更に、前記実施形態は5ポート弁として構成されているが、本発明は3ポート弁や4ポート弁にも適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 多連式電磁弁
3 主弁部
4 スプール
5 パイロット操作部
6 パイロット弁
10 弁ボディ
11 弁孔
15a ポート形成面
X,Y 中心間距離
A,B 出力ポート
M 仮想平面
L 仮想直線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの弁ボディの内部に4つ以上の弁孔が平行に形成され、各弁孔内に流路切換用のスプールが収容されている主弁部と、パイロット流体により前記スプールを駆動する電磁操作式のパイロット弁を備えたパイロット操作部とを有し、
前記弁孔は、前記弁ボディの内部に上下2段に配置されていて、上段及び下段にそれぞれ複数の弁孔が属し、上段の弁孔と下段の弁孔とが弁ボディの幅方向の互いに異なる位置を占めると共に、弁ボディの平面視において上段の弁孔と下段の弁孔とが部分的に重複する位置を占めている、
ことを特徴とする多連式電磁弁。
【請求項2】
前記弁孔が、弁ボディを幅方向に2分する仮想平面に対して面対称に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の多連式電磁弁。
【請求項3】
前記弁孔が、弁ボディの内部を弁孔の軸線と平行に延びる仮想直線に対して線対称に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の多連式電磁弁。
【請求項4】
4つの弁孔が上段と下段とにそれぞれ2つずつ配設され、上段の2つの弁孔の中心間距離と下段の2つの弁孔の中心間距離とが互いに相違し、かつ、上段又は下段の弁孔が下段又は上段の弁孔に対して弁ボディの幅方向中央寄りの位置を占めていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多連式電磁弁。
【請求項5】
4つの弁孔が上段と下段とにそれぞれ2つずつ配設され、上段の弁孔は下段の弁孔に対して弁ボディの幅方向の一方寄りの位置を占めていることを特徴とする請求項1又は3に記載の多連式電磁弁。
【請求項6】
前記弁ボディの上面の前記弁孔と平行なポート形成面に、各弁孔に個別に通じる複数の出力ポートが形成され、前記出力ポートは、隣接する弁孔の出力ポート同士が該弁孔の軸線方向の異なる位置を占めると共に、該出力ポートを前記弁ボディの側面方向から見たときにも弁孔の軸線方向から見たときにも隣接する出力ポートが相互に部分的に重複するように配置されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の多連式電磁弁。
【請求項1】
1つの弁ボディの内部に4つ以上の弁孔が平行に形成され、各弁孔内に流路切換用のスプールが収容されている主弁部と、パイロット流体により前記スプールを駆動する電磁操作式のパイロット弁を備えたパイロット操作部とを有し、
前記弁孔は、前記弁ボディの内部に上下2段に配置されていて、上段及び下段にそれぞれ複数の弁孔が属し、上段の弁孔と下段の弁孔とが弁ボディの幅方向の互いに異なる位置を占めると共に、弁ボディの平面視において上段の弁孔と下段の弁孔とが部分的に重複する位置を占めている、
ことを特徴とする多連式電磁弁。
【請求項2】
前記弁孔が、弁ボディを幅方向に2分する仮想平面に対して面対称に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の多連式電磁弁。
【請求項3】
前記弁孔が、弁ボディの内部を弁孔の軸線と平行に延びる仮想直線に対して線対称に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の多連式電磁弁。
【請求項4】
4つの弁孔が上段と下段とにそれぞれ2つずつ配設され、上段の2つの弁孔の中心間距離と下段の2つの弁孔の中心間距離とが互いに相違し、かつ、上段又は下段の弁孔が下段又は上段の弁孔に対して弁ボディの幅方向中央寄りの位置を占めていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多連式電磁弁。
【請求項5】
4つの弁孔が上段と下段とにそれぞれ2つずつ配設され、上段の弁孔は下段の弁孔に対して弁ボディの幅方向の一方寄りの位置を占めていることを特徴とする請求項1又は3に記載の多連式電磁弁。
【請求項6】
前記弁ボディの上面の前記弁孔と平行なポート形成面に、各弁孔に個別に通じる複数の出力ポートが形成され、前記出力ポートは、隣接する弁孔の出力ポート同士が該弁孔の軸線方向の異なる位置を占めると共に、該出力ポートを前記弁ボディの側面方向から見たときにも弁孔の軸線方向から見たときにも隣接する出力ポートが相互に部分的に重複するように配置されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の多連式電磁弁。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−82867(P2012−82867A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227802(P2010−227802)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000102511)SMC株式会社 (344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000102511)SMC株式会社 (344)
【Fターム(参考)】
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