説明

多重ビームシステム

改善された粒子ビーム処置システムは任意で交換可能な粒子ビームノズルを有する。医療用途に用いられるこれらの粒子ビームノズルは、収納場所から粒子ビーム路、又は粒子ビーム路間で自動的に移動して良い。移動はコンベア、台、レールシステム等を用いることによって実現されて良い。その改善された粒子ビーム処置システムはまた任意で、3つ以上の代替粒子ビーム路を有する。これらの粒子ビーム路は、様々な異なる角度から、及び各異なる面内に属するようにして患者へ案内されて良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粒子源の分野に関し、より詳細には医療に応用するように備えられた粒子源の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
高エネルギー粒子は癌の医療処置に有利に用いることができることが示されてきた。これらの高エネルギー粒子は典型的には20MeV(百万電子ボルト)よりも大きなエネルギーを有する。たとえば70MeV〜250MeVのエネルギーを有する陽子は、人体内部の非常に厳密な深さでエネルギーを付与するのに利用できる。
【0003】
高エネルギー陽子は、粒子加速機内で発生し、かつ処置ステーションに供給される。典型的な処置ステーションは、調節可能な移動ベッド(gurney)又は椅子を有する。その調節可能な移動ベッド又は椅子は、一定の陽子ビームに対して患者を位置設定するように備えられている。場合によっては、粒子加速器の出力は、たとえば磁石や電場のような粒子輸送光学系を用いることによって、2本の代替路を介して案内される。たとえば一の例では、第1組の粒子輸送光学系は患者の上から陽子を案内するのに用いられ、かつ第2組の粒子輸送光学系は前記第1組の粒子輸送光学系から90°の角度をなす面からの陽子を前記患者へ案内するのに用いられる。この装置の一の限界は、各独立した経路は、各独立した1組の高価な粒子輸送光学系と各独立した粒子ビームノズルを必要とすることである。
【0004】
処置中、患者内部の3次元体積を処置するため、陽子の侵入深さと陽子ビームの位置を変化させることができる。深さの制御は陽子のエネルギーを変化させることによって実現される。このような変化は、様々な長さのエネルギー吸収材料に陽子を通過させることによって、又は選択可能なエネルギーで粒子を発生させることのできる粒子源を用いることによって実現することができる。陽子ビームは、その陽子ビームを走査又は散乱させることによって、深さ方向に垂直な面積にわたって照射されて良い。陽子ビームの散乱又はエネルギー変化は、2つ以上の段階で任意に実行される。たとえば、陽子が粒子加速器を飛び出す際に第1散乱段階が適用され、かつ陽子が最終ビーム操縦素子を通過した後に第2散乱段階が適用されて良い。最終ビーム操縦素子が所望の最終空間分布又はエネルギー分布を実現できないときに2つの段階が必要となる。
【0005】
粒子が輸送される経路は典型的には陽子ノズルを有する。陽子ノズルは特別な目的のために設計されて良い。特別な目的のために設計された陽子ノズルとはたとえば、二重散乱ノズル、一回散乱ノズル、走査ノズル、及び当技術分野において既知である他の特化したノズルである。医療処置が異なれば用いられる陽子ノズルも異なる。各陽子ノズルは、1000ポンド(約453.59kg)よりも重く、かつ数十万ドルの費用がかかる。ノズルを変えることは時間を要しかつ手間のかかる作業である。そのため、特に連続する患者間での処置の自由度が制限され、かつシステムの不稼働時間が生じることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の様々な理由に加えて他の理由により、改善された高エネルギー粒子源が必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一部の実施例は、3本以上の代替ビーム路と結合する粒子源を有する。これらの代替ビーム路は、陽子又は他の核子を様々な方向から患者へ案内するように備えられている。これらの様々な方向は、90°から相当外れていて良いし、又は様々な面内に位置しても良い。
【0008】
一部の実施例は、粒子ビーム路内で粒子ビームノズルを変える、及び/又は粒子ビーム路間で粒子ビームノズルを変える自動システム並びに方法を有する。たとえば様々な実施例はレールシステムを有する。そのレールシステムは、粒子ビームノズルを、第1粒子ビーム路から第2粒子ビーム路へ、収納庫の位置から粒子ビーム路へ、及び/又は第1処置ステーションから第2処置ステーションへ、移動させるように備えられている。
【0009】
粒子ビームノズルは、1人の患者への独立した粒子照射が2回以上行われる処置期間中に、粒子ビーム路に対する位置へ自動的に移動されて良い。よって患者は、1回の処置期間中に2種類以上のノズルを用いた処置を受けることができる。さらに同一のノズルが、同一の処置期間中に2本以上の粒子ビーム路で用いられても良い。
【0010】
本明細書で論じられた例は陽子ビームに関するものではあるが、例示された実施例は、たとえばヘリウムや炭素ビームといった他の粒子ビームにも適用されて良い。
【0011】
様々な実施例は、患者に粒子ビーム処置を行う処置ステーション、粒子ビームを発生させるように備えられた粒子加速器、及び前記粒子ビームが前記処置ステーションにいる患者へ供給される際に前記粒子ビームが通過する3本以上の粒子ビーム路、を含むシステムを有する。前記3本以上の粒子ビーム路は、互いに90°よりもはるかに離れた少なくとも2本の粒子ビームを有する。
【0012】
様々な実施例は、患者に粒子ビーム処置を行う処置ステーション、粒子ビームを発生させるように備えられた粒子加速器、及び前記粒子ビームが前記処置ステーションにいる患者へ供給される際に前記粒子ビームが通過する3本以上の粒子ビーム路、を含むシステムを有する。前記3本以上の粒子ビーム路は、第1粒子ビーム路が、第2粒子ビーム路と第3粒子ビーム路を含む面の外側に位置するように備えられている。
【0013】
様々な実施例は患者を処置する方法を有する。当該方法は、高エネルギー粒子の粒子ビームを発生させる手順、該高エネルギー粒子の粒子ビームを第1粒子ビーム路に沿って案内する手順、前記第1粒子ビーム路に沿って案内された前記高エネルギー粒子の粒子ビームを用いて前記患者を処置する手順、前記第1粒子ビーム路とは異なる複数の代替粒子ビーム路から第2粒子ビーム路を選択する手順であって、前記複数の代替粒子ビーム路のうちの少なくとも1本が前記患者の真下に一部が位置するか、又は前記第1粒子ビーム路が前記複数の代替粒子ビーム路のうちの2本によって画定される面の外側に位置する、手順、及び、前記第2粒子ビーム路に沿って前記高エネルギー粒子の粒子ビームを案内する手順、を有する。
【0014】
様々な実施例は、患者に粒子ビーム処置を行う第1処置ステーション、粒子ビームを発生させるように備えられた粒子加速器、前記粒子ビームが前記患者へ供給される際に前記粒子ビームが沿って進行する第1粒子ビーム路、前記粒子ビームが前記患者へ供給される際に前記粒子ビームが沿って進行する第2粒子ビーム路、前記粒子ビームを調節するように備えられている粒子ビームノズル、及び、該粒子ビームノズルを前記第1粒子ビーム路から前記第2粒子ビーム路へ自動的に移動させるように備えられている輸送システム、を含むシステムを有する。
【0015】
様々な実施例は、高エネルギー粒子の第1粒子ビームを発生させる手順、該高エネルギー粒子の第1粒子ビームを、第1粒子ビーム輸送光学系を有する第1粒子ビーム路に沿って案内する手順、粒子ビームノズルを用いて前記高エネルギー粒子の第1粒子ビームを調節する手順、前記粒子ビームノズルを用いて調節された前記高エネルギー粒子の第1粒子ビームを用いて前記患者を処置する手順、第2粒子ビーム輸送光学系を有する第2粒子ビーム路を選択する手順、処理ユニットの制御下で前記粒子ビームノズルを前記第1粒子ビーム路から前記第2粒子ビーム路へ移動させる手順、高エネルギー粒子の第2粒子ビームを発生させる手順、前記第2粒子ビーム路に沿って前記高エネルギー粒子の第2粒子ビームを案内する手順、前記粒子ビームノズルを用いて前記高エネルギー粒子の第2粒子ビームを調節する手順、及び、前記粒子ビームノズルを用いて調節した前記前記高エネルギー粒子の第2粒子ビームを用いて前記患者を処置する手順、を有する方法を有する。
【0016】
様々な実施例は、患者に粒子ビーム処置を行う処置ステーション、粒子ビームを発生させるように備えられた粒子加速器、前記粒子ビームが前記患者へ供給される際に前記粒子ビームが通過する第1粒子ビーム路、及び、各異なる複数の粒子ビームノズルのうちの第1粒子ビームノズルを前記第1粒子ビーム路へ自動的に移動させ、かつ前記各異なる複数の粒子ビームノズルのうちの第2粒子ビームノズルを前記第1粒子ビーム路へ独立して移動させるように備えられている輸送システム、を含むシステムを有する。
【0017】
様々な実施例は、高エネルギー粒子の第1粒子ビームを発生させる手順、該高エネルギー粒子の第1粒子ビームを粒子ビーム路に沿って案内する手順、第1粒子ビームノズルを用いて前記高エネルギー粒子の第1粒子ビームを調節する手順、前記第1粒子ビームノズルを用いて調節された前記高エネルギー粒子の第1粒子ビームを用いて第1患者を処置する手順、処理ユニットの制御下で前記第1粒子ビームノズルを第2粒子ビームノズルに交換する手順、高エネルギー粒子の第2粒子ビームを発生させる手順、該高エネルギー粒子の第2粒子ビームを前記粒子ビーム路に沿って案内する手順、前記第2粒子ビームノズルを用いて前記高エネルギー粒子の第2粒子ビームを調節する手順、前記第2粒子ビームノズルを用いて調節された前記高エネルギー粒子の第2粒子ビームを用いて前記第1患者又は第2患者を処置する手順、を有する方法を有する。
【0018】
様々な実施例は、第1種類の処置に用いられるように備えられた第1粒子ビームノズル、第2種類の処置に用いられるように備えられた第2粒子ビームノズル、処理ユニットの制御下で、前記第1粒子ビームノズルと前記第2粒子ビームノズルを、粒子加速器と処置ステーションとの間で交互に位置設定するように備えられている搬送システム、を有するシステムを有する。
【0019】
様々な実施例は粒子ビームノズルを有する。当該粒子ビームノズルは、複数の代替粒子ビーム路の各々に沿って当該粒子ビームノズルを交互に保持するように備えられているマウント、当該粒子ビームノズルを処置ステーション又は前記複数の代替粒子ビーム路のうちの1本に対して自動的に位置設定するように備えられている位置設定装置、及び、前記複数の代替粒子ビーム路の各々の内部で高エネルギー粒子のエネルギーを変化させるように備えられているエネルギー調節装置、を有する。
【0020】
様々な実施例は粒子ビームノズルを有する。当該粒子ビームノズルは、当該粒子ビームノズルを第1粒子ビーム路へ自動的に移動させるように備えられているコンベア、前記第1粒子ビーム路に対して当該粒子ビームノズルを保持するように備えられているマウントカプラ、及び、前記第1粒子ビーム路からの高エネルギー粒子の粒子ビームを走査するように備えられているビームスキャナ、を有する。
【0021】
様々な実施例は、患者に粒子ビーム処置を行う処置ステーション、粒子ビームを発生させるように備えられた粒子加速器、及び前記粒子ビームが前記処置ステーションにいる患者へ供給される際に前記粒子ビームが通過する3本以上の粒子ビーム路、を含むシステムを有する。
【0022】
様々な実施例は、患者に粒子ビーム処置を行う処置ステーション、粒子ビームを発生させるように備えられた粒子加速器、及び前記粒子ビームを前記患者の真下から前記患者へ供給するように備えられている第1粒子ビーム路、を含むシステムを有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の様々な実施例による多重ビーム路処置システムのブロック図である。
【図2】本発明の様々な実施例による図1の処置システムの設計図を表している。
【図3】本発明の様々な実施例による図1の処置システムの別な物理設計を表している。
【図4】本発明の様々な実施例によるレールシステムを含む図1の処置システムの別な物理設計を表している。
【図5】本発明の様々な実施例による複数の処置ステーションを含む図1の処置システムの別な物理設計を表している。
【図6】本発明の様々な実施例による粒子ビームノズルのブロック図である。
【図7】本発明の様々な実施例による複数の別な粒子ビーム路を含む処置システムの動作方法を表している。
【図8】本発明の様々な実施例による別な粒子ビーム路間を移動するように備えられている粒子ビームノズルを含む処置システムの動作方法を表している。
【図9】複数の別な粒子ビームノズルを受け取るように備えられている、粒子ビーム路を含む処置システムの動作方法を表している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
一部の実施例は、粒子ビームが特定の処置ステーションに供給される際に、その粒子ビームが通過する他の粒子ビーム路を3本以上有する。各粒子ビーム路の少なくとも一部は典型的には独立した一組の粒子輸送光学系-たとえば磁石又は電場-を有する。3本以上の粒子ビーム路は、単一面内に存在しても良いし、又は2つ以上の面内に存在しても良い。3本以上の粒子ビーム路はまた、様々な異なる角度で処置ステーションに到達するように備えられていて良い。
【0025】
一部の実施例では、複数の粒子ビーム路を有することの複雑性は、一の粒子ビーム路から他の粒子ビーム路へ自動的に-たとえば処理ユニットの制御下、又は人間の介入なくして動作するように備えられた装置の制御下で-移動可能な粒子ビームノズルを有することによって緩和される。たとえば特定の粒子ビームノズルは、第1粒子ビーム路から第2粒子ビーム路へ移動して良い。これにより、複数の粒子ビーム路を支持する必要な粒子ビームノズルの数を減らすことが可能となり、その結果コストが減少する。
【0026】
可動粒子ビームノズルはまた、特定の粒子ビーム路内で粒子ビームノズルを自動的に交換することも可能にする。たとえば一部の実施例では、一種類の処置にとって好ましい粒子ビームノズルは、他の種類の処置にとって好ましい粒子ビームノズルに交換されて良い。処理ユニット-たとえば処理装置、マイクロプロセッサ、コンピュータ、電子回路、電子制御装置等-の制御下でこのような交換を行うことによって、その交換は、最小の不稼働時間でかつ特定の患者の処置期間中に行うことができる。本明細書でさらに説明するように、粒子ビームノズルの輸送に用いられる典型的な機構は、支持体、結合及び位置設定素子、レールシステム、コンベア、乗せ台、担体、ベルト、荷台等を含んで良い。これらの機構は典型的には自動化されている。たとえばこれらの動作の一部又は全部は人間による介入なしで行われる。通常自動化された機構は処理ユニットの制御下で動作する。処理ユニットは、特定の粒子ビームノズルを選択し、特定の粒子ビーム路を選択し、前記粒子ビームノズルの動きを制御し、前記粒子ビームノズルの位置設定を行い、インターロックに応答し、シャッターを開閉し、散乱防止パラメータに応答し、処置計画からデータを受け取り、患者情報を含むデータベースへアクセスするように備えられた論理回路を有する。様々な実施例では、粒子ビームノズルの輸送に用いられる機構は、粒子ビーム路間での粒子ビームノズルの移動、又は、24時間、12時間、6時間、2時間、1時間、30分、15分、10分、若しくは5分未満での粒子ビーム路の粒子ビームノズルの交換を行うように備えられている。様々な実施例は、1、2、又は3本以上の粒子ビーム路を有する処置ステーションでの可動粒子ビームノズルの使用を含む。粒子ビームノズルを操作する自動化機構は、ノズルの交換に数時間又は数日を要し、その結果長期にわたってシステムがシャットダウンする手動の方法と対照をなすものである。
【0027】
図1は、本発明の様々な実施例による多重ビーム路処置システム100のブロック図である。処置システム100は少なくとも、粒子加速器110、第1ビーム路120A、第1ノズル130A、及び処置ステーション140を有する。様々な実施例では、処置システム100は、さらに他の粒子ビーム路-たとえば第2ビーム路120B及び第3ビーム路120C-並びに/又は追加の粒子ビームノズル-たとえば第2ノズル130B及び第3ノズル130C-を有する。第1ノズル130A、第2ノズル130B、及び第3ノズル130Cは任意で、搬送システム150を用いて可動であり、かつ/又はノズル収納庫160に収納される。
【0028】
粒子加速器110は、たとえば陽子、ヘリウム、炭素、ネオン、アルゴン、及び/又は他の安定若しくは不安定元素の粒子のような高エネルギー粒子源である。たとえば粒子加速器110は、サイクロトロン、シンクロトロン、線形加速器、又は粒子を加速させるように備えられた他の装置を有して良い。様々な実施例では、これらの粒子は、20、50、70、100、250、又は500MeV/u(MeV/核子)よりも大きなエネルギーを有する。たとえば一の実施例では、粒子加速器110は、70〜250MeVのエネルギーを有する陽子を発生させるように備えられている。これらの陽子は、1.0ミリメータ(mm)ほどの小さな断面積、及び平均粒子エネルギーの1%、2%、5%、20%、又は50%という狭い運動エネルギー分布を有する粒子ビーム内で発生する。そのような小さい断面積及び狭い運動エネルギー分布は、その粒子ビームが、旋回又は集束されるときには有用である。たとえば磁石が粒子ビームを旋回するのに用いられる場合、特定の1組の磁石によって、旋回半径は運動エネルギーの関数となり、大きな運動エネルギー分布を有する粒子ビームは、粒子の損失なしで旋回することが困難になる。しかし本明細書でさらに述べるように、医療処置に粒子ビームを用いるときには、より大きな運動エネルギー分布が望ましいと考えられる。従って粒子加速器110は任意で、運動エネルギーを変化させるように備えられているエネルギー拡張装置(たとえばレンジ・シフタ)、及び/又は、粒子ビームの断面積を増大させるように備えられている粒子ビームデフォーカサー(particle beam defocuser)(たとえば散乱装置)を有する。係る粒子ビーム拡張装置及びデフォーカサーは当技術分野において既知である。
【0029】
第1ビーム路120A、第2ビーム路120B、及び第3ビーム路120Cはそれぞれ、粒子加速器110によって生成される粒子ビームが、処置ステーション140の交差領域に到達するように進行する際に、その粒子ビームが通り抜ける粒子ビーム路である。第1ビーム路120A、第2ビーム路120B、及び第3ビーム路120Cはそれぞれ、各独立した粒子ビーム輸送光学系を有して良い。交差領域は、患者を処置するために設けられた領域であって、点でも良いし、面積でも良いし、又は体積であっても良い。本明細書でさらに述べるように、第1ビーム路120A、第2ビーム路120B、及び第3ビーム路120Cは、粒子ビームを、様々な異なる方向から、そして様々な異なる角度から、交差領域へ案内するように備えられていて良い。一部の実施例では、これらの異なる方向及び角度は、処置ステーション140での患者の処置に対して有利となるように自由度を加える。第1ビーム路120A、第2ビーム路120B、及び第3ビーム路120Cの各々は、様々な操縦磁石、コリメータ素子等を有して良い。一部の実施例では、第1ビーム路120A、第2ビーム路120B、及び第3ビーム路120Cの各々は、第1ノズル130A、第2ノズル130B、及び/又は第3ノズル130Cと結合するように備えられたインターフェースを有する。
【0030】
第1ノズル130A、第2ノズル130B、及び第3ノズル130Cは、第1ビーム路120A、第2ビーム路120B、及び/又は第3ビーム路120Cにそって設けられるように備えられている。一部の実施例では、第1ノズル130A、第2ノズル130B、及び/又は第3ノズル130Cはそれぞれ、搬送システム150を用いることによって、一の粒子ビーム路に沿った方向から他の粒子ビーム路に沿った方向へ移動するように備えられている。たとえば第2ノズル130Bは、搬送システム150を用いることによって、第2粒子ビーム路120Bに沿った方向から第3粒子ビーム路120Cに沿った方向へ移動するように備えられている。あるいはその代わりに第2ノズル130Bは、搬送システム150を用いることによって、第1ビーム路120Aに沿った第1ノズル130Aと交換されて良い。粒子ビームノズルは、粒子ビーム路間で移動して良いし、及び/又は単一の粒子ビーム路が様々な粒子ビームノズルを受け取っても良い。
【0031】
第1ノズル130A、第2ノズル130B、及び第3ノズル130Cは、粒子加速器110を用いて生成される粒子ビームを、任意で様々な方法によって調節するように備えられている。これらの調節にはたとえば、粒子ビームの散乱、粒子ビームの運動エネルギーの変化、及び/又は粒子ビームの走査が含まれる。様々な異なる粒子ビームノズルは、運動エネルギー分布を広げるか、さもなければ様々な大きさによって運動エネルギーを変化させ、それによって処置が行われる患者内部の容積を制御するように備えられていて良い。様々な実施例では、第1ノズル130A、第2ノズル130B、及び第3ノズル130Cは、二重散乱ノズル、一回散乱ノズル、走査ノズル等を有する。
【0032】
処置ステーション140は、粒子加速器110によって発生し、かつ任意で第1ノズル130A、第2ノズル130B、及び第3ノズル130Cのうちの1つによって調節される粒子ビームを用いて患者を処置するように備えられている。一部の実施例では、処置ステーション140は、プラットフォーム、ハーネス、椅子、移動ベッドなどの患者を支えるものを有する。このような患者を支えるものは典型的には、患者の位置設定を行うための多数の自由度を有する。このような患者を支えるものはロボットであって良い。一部の実施例では、処置ステーション140は、患者の真下から粒子ビームを通過させるように備えられた1つ以上の開口部(たとえば可動パネル、又は穴を有するパネル)を有する。一部の実施例は2つ以上の処置ステーション140を有する。これらの処置ステーション140は任意で様々な部屋に設けられる。
【0033】
搬送システム150は、典型的には処理ユニットの制御下で、第1ノズル130A、第2ノズル130B、及び/又は第3ノズル130Cを移動させるように備えられている。搬送システム150はたとえば、エンコーダ、機械コンタクト、又は他の位置センサからの情報を受け取るように備えられている処理ユニット、粒子ビームノズルが移動すべき位置に関する命令を受け取るように備えられているデータ入力、及び一の粒子ビーム路から他の粒子ビーム路への粒子ビームノズルの移動を制御するように備えられている論理回路、を有して良い。本明細書でさらに述べるように、様々な粒子ビーム路は、様々な処置ステーションに関連づけられて(たとえばその処置ステーションへ向けられて)良い。よって搬送システム150は任意で、第1ノズル130Aを、第1処置ステーション140に対する位置から第2処置ステーション140に対する位置へ移動させるように備えられている。これらの第1及び第2処置ステーション140は任意で様々な部屋に位置していて良い。
【0034】
搬送システム150は、粒子ビームノズルを移動させる機構をさらに有する。これらの機構はたとえば、台、1つ以上のレールシステム、モーター、ベルト、スクリュードライブ、チェーンドライブ、荷台、油圧動作機械、コンベア等を有して良い。たとえば一部の実施例では、搬送システム150は台を有する。その台は、第1ノズル130A、第2ノズル130B、及び第3ノズル130Cと結合し、かつこれらの粒子ビームノズルを、第1ビーム路120A、第2ビーム路120B、及び/又は第3ビーム路120Cに沿った位置へ移動させるように備えられている。台の運動は任意で円を描くものであって良い。この場合、様々な粒子ビーム路に沿った粒子ビームノズルの位置は、交差領域の周囲で円を描くように分布して良い。一部の実施例では、搬送システム150はさらに、粒子ビームノズルを台に対して出し入れする機構を有する。他の実施例では、搬送システム150は、荷台を支持するように備えられている1本以上のレールを含むレールシステムを有する。荷台は、粒子ビームノズルの位置を決定するように備えられている位置センサ、並びに任意で、粒子ビーム及び/又は処置ステーション140に対する粒子ビームノズルの位置の微調整を行うように備えられた位置設定装置を有する。
【0035】
様々な実施例では、搬送システム150は、粒子ビームノズルを、一の粒子ビーム路に沿った方向から第2粒子ビーム路に沿った方向へ、又は、ノズル収納庫160から粒子ビーム路に沿った方向へ、15、10、5、3若しくは1分、若しくは45秒、30秒、若しくは15秒未満で移動させるように備えられている。たとえば一の具体例では、搬送システム150は、第1ノズル130Aを、第1ビーム路120Aに沿った方向から第2ビーム路120Bに沿った方向へ、又はノズル収納庫160から第3粒子ビーム路120Cに沿った方向へ、15、10、5、3若しくは1分、若しくは45秒、30秒、若しくは15秒未満で移動させるように備えられている。他の粒子ビーム路間での移動、又は他の粒子ビーム路への移動は、同じような時間内に実現可能である。これらの移動時間のうちの一部の実現は、搬送システム150に含まれる処理ユニットによって助けられる。またそのようなものとしてこれらの移動時間のうちの一部は、処理ユニットの制御下での自動運動を介して実現されても良い。これらの運動時間の一部は、大きな不稼働時間を生じさせることなく、1回の処置期間中に、粒子ビームノズルを2本以上の粒子ビーム路へ移動させるのに用いられる。
【0036】
搬送システム150は任意で散乱防止部を有する。たとえば一部の実施例では、搬送システム150はセンサを有する。そのセンサは、粒子ビームノズルと意図しない物体(たとえば患者又は他の粒子ビームノズル)とが接触するときに、粒子ビームノズルの動きを止めるように備えられている。このセンサは静電的、機械的、電磁的、光学的なものであって良い。これらの散乱防止部の一部又は全部は粒子ビームノズル内に含まれて良い。一部の実施例では、これらの散乱防止部は、意図しない接触が起こる前に、粒子ビームノズルの運動を中止するか、さもなければ変化させるように備えられている。
【0037】
一部の実施例では、搬送システム150は、第1ノズル130A、第2ノズル130B、及び/又は第3ノズル130Cを、1本以上の粒子ビーム路に対する具体的位置へ移動させるように備えられているロボットを有する。たとえば搬送システム150は、粒子ビームノズルを、一の位置から他の位置へ移動させるように備えられているロボットマニピュレータアームを有して良い。このロボットマニピュレータアームは任意で可動支持体上に設けられる。
【0038】
任意のノズル収納庫160は、第1ノズル130A、第2ノズル130B、及び/又は第3ノズル130Cが粒子ビーム路に沿って設けられないときに、これらの粒子ビームノズルを収納するように備えられている。一部の実施例では、ノズル収納庫160は、正の圧力環境等を有する制御された環境を有する。ノズル収納庫160は任意で、第1ノズル130A、第2ノズル130B、及び/又は第3ノズル130Cの交換又は保守を行うためのアクセスを有する。ノズル収納庫160は任意で、2つ以上の処置ステーション140で用いられるように備えられた粒子ビームノズルを収納するように備えられている。
【0039】
図1が3本の粒子ビーム路と3つの粒子ビームノズルを表しているとはいえ、他の実施例はそれ以外の本数の粒子ビーム路、及びそれ以外の個数の粒子ビームノズルを有して良い。たとえば1、2本の粒子ビーム路しか有していない実施例もあれば、4本以上の他の粒子ビーム路を有する実施例もある。複数の別な粒子ビームノズルを有するように備えられた1本の粒子ビーム路を有する実施例もあれば、各異なる粒子ビーム路に含まれるように備えられた1つの粒子ビームノズルを有する実施例もある。
【0040】
図2は本発明の様々な実施例による処置システム100の物理的な設計図を表している。この図示された物理的設計図は最大で5本の別な粒子ビーム路を有する。その5本の別な粒子ビーム路とはたとえば、第1ビーム路120A、第2ビーム路120B、第3ビーム路120C、第4ビーム路120D、及び第1ビーム路120Eを有する。これらの粒子ビーム路は任意で、たとえば第1ノズル130A、第2ノズル130B、第3ノズル130C、第4ノズル130D、及び/又は第5ノズル130Eのような粒子ビームノズルを有して良い。第4ビーム路120D及び第5ビーム路120Eは、第1ビーム路120Aと同様の部位及び特徴を有する。同様に第4ノズル130D及び第5ノズル130Eは、第1ノズル120Aと同様の部位及び特徴を有する。代替実施例は6本以上の別な粒子ビーム路を有する。
【0041】
図2に図示された粒子ビーム路は任意でそれぞれ、インターフェース210を用いて粒子ビームノズルと結合するように備えられている。一部の実施例では、インターフェース210は各異なる粒子ビームノズルを取り付けるように備えられている。たとえば一部の実施例では、インターフェース210は、たとえば第1ノズル130Aのような粒子ビームノズルの位置合わせをするように備えられた1つ以上の案内ピンを有する。一部の実施例では、インターフェース210は、たとえば第1ノズル130Aのような粒子ビームノズルの位置を決定するように備えられている、機械、電子若しくは光学センサ、又は他の位置センサを有する。
【0042】
一部の実施例では、インターフェース210は、粒子加速器110に近い粒子ビーム路部分と処置ステーション140に近い粒子ビーム路部分との間の圧力差を維持するように備えられた粒子を透過する真空インターフェースを有する。係る粒子を透過する真空インターフェースは当技術分野において既知である。インターフェース210は任意でシャッターを有する。そのシャッターは、粒子ビームノズルが特定のインターフェース210前方に設けられていないときには粒子を透過する真空インターフェースを保護するように閉じ、かつ特定の粒子ビームノズルがインターフェース210の前方に設けられているときには開くように備えられている。これらの実施例では、粒子を透過する真空インターフェースの各々は典型的には、閉じたシャッター又は粒子ビームノズルによって保護される。そのシャッターは任意で、粒子ビームノズルの移動又は搬送システム150によって自動的に開閉される。
【0043】
図2に図示された搬送システム150の実施例は、粒子加速器110によって発生する粒子ビームの直径及び/又は運動エネルギーを調節するように備えられている任意のビーム調節装置220をさらに有する。ビーム調節装置220は、粒子ビーム路が分離する前に設けられて良いし、又は粒子ビーム路が分離する後に設けられても良い。たとえばビーム調節装置220は、(図示されているように)全粒子ビーム路に沿って設けられても良い。あるいはビーム調節装置220はたとえば、第1ビーム路120A及び/又は第2ビーム路120Bにのみ沿うように設けられても良い。図2は、粒子ビーム路の1つの三叉路230と2つの二叉路240を有する。代替実施例では、様々なパターンの三叉路230、二叉路240、及び/又はそれよりも多くに分岐した路が、3、4、5、又はそれ以上の各独立した粒子ビーム路を生成するのに用いられる。
【0044】
3本以上の第1ビーム路120A、第2ビーム路120B、第3ビーム路120C、第4ビーム路120D、及び第5ビーム路120Eは任意で共面をなす。たとえば一部の実施例では、これらの粒子ビーム路5本のすべてが同一面内に存在する。代替実施例では、これらの粒子ビーム路のうちの2、3、4本が同一面内に存在する。この議論を行うため、粒子ビーム路が存在する面、粒子ビーム路間の角度、又は粒子ビーム路の配向に係る他の態様は、粒子ビーム路のうちのインターフェース210と処置ステーション140に設けられた交差領域250との間の部分を考慮することによって定義される。
【0045】
一部の実施例では、2本の粒子ビーム路は共線であり、かつ対向する方向から処置ステーション140へ到達するものと近似されて良い。具体的には図2に図示されているように、第1ビーム路120Aと第5ビーム路120Eは共線だが、対向する方向から交差領域250に到達すると近似される。
【0046】
一部の実施例では、粒子ビーム路は、90°から相当に外れた角度をなして交差領域250に到達する。たとえば第4ビーム路120Dと第5ビーム路120Eのいずれも第1ビーム路120Aから90°をはるかに超える角度で交差領域250へ到達する一方で、第1ビーム路120Aと第2ビーム路120Bは90°よりもはるかに小さな角度で交差領域250へ到達する。90°よりもはるかに小さな角度とは、実施例によっては約80°未満の角度を含み、他の実施例では約70°未満の角度を含み、さらに他の実施例では約60°未満の角度を含む。90°をはるかに超える角度とは、実施例によっては100°よりも大きな角度を含み、他の実施例では110°よりも大きな角度を含み、かつさらに他の実施例では120°よりも大きな角度を含む。たとえば本発明の様々な実施例では、これらの粒子ビーム路は、少なくとも100°、110°、120°、又は135°の角度をなして到達する。様々な実施例では、これらの粒子ビーム路は、35°、50°、60°、70°、又は80°未満の角度をなして到達する。
【0047】
一部の実施例では、粒子ビーム路の対は様々な角度をなして交差領域250へ到達する。たとえば第1ビーム路120Aと第3ビーム路120Cは約45°の角度をなして交差領域250へ到達する一方で、第2ビーム路120Bと第5ビーム路120Eは約135°の角度をなして交差領域250へ到達する。
【0048】
一部の実施例では、3本の異なる粒子ビーム路は、互いに約120°の角度をなして交差領域250へ到達する。一部の実施例では、粒子ビーム路は、患者の上及び下から交差領域250へ到達する。たとえば第1ビーム路120Aは上方から交差領域へ到達する一方で、第4ビーム路120Dと第5ビーム路120Eは下方から交差領域へ到達する。よって第5ビーム路120Eの一部は患者の真下に設けられる。一部の実施例では、処置ステーション140は、処置ステーション140の下からの粒子ビームの通り抜けを可能にする開口部を有する。
【0049】
図3は、本発明の様々な実施例による処置システム100の別な物理的設計図の斜視図を表している。これらの実施例では、3本以上の粒子ビーム路が、少なくとも2つの異なる面に沿って交差領域250へ到達する。具体的には第3ビーム路120Cは、第1ビーム路120Aと第2ビーム路120Bによって定義される面内に存在しない。一部の実施例では、第1ビーム路120A、第2ビーム路120B、及び第3ビーム路120Cはそれぞれ、図3に図示されているように、互いに約90°の角度をなして交差領域250へ到達する。
【0050】
図4は、本発明の様々な実施例による処置システム100の別な設計図を表している。これらの実施例はレールシステム410を有する。レールシステム410は、第1ビーム路120A、第2ビーム路120B、第3ビーム路120C、第4ビーム路120D、及び/又は第5ビーム路120Eに対して第1ノズル130A、第2ノズル130B、第3ノズル130C、第4ノズル130D、及び/又は第5ノズル130Eを位置設定するように備えられている。レールシステム410はさらに任意でノズル収納庫160に対して粒子ビームノズルを出し入れするように備えられている。様々な実施例では、レールシステム410は搬送システム150内に含まれている。またレールシステム410は、コンベア、トラック、台、1本以上のレールシステム、モーター、ベルト、スクリュードライブ、チェーンドライブ、荷台、油圧作動機械等を有する。
【0051】
図5は、本発明の様々な実施例による複数の処置ステーション140を含む処置システム100の別な物理設計を表している。これらの実施例では、各異なる粒子ビーム路は任意で各異なる処置ステーションに関連づけられる。たとえば図5に図示されているように、第1ビーム路120Aは第1処置ステーション140Aで患者を処置するように備えられている一方で、第2ビーム路120B及び第3ビーム路120Cは第2処置ステーション140Bで患者を処置するように備えられている。
【0052】
たとえば放射線シールド又は壁のようなバリア520は任意で処置ステーション140Aと処置ステーション140Bとを分離する。よって処置ステーション140Aと処置ステーション140Bとは異なる部屋に存在して良い。レールシステム410は任意で、粒子ビームノズルを、各異なる処置ステーションに係る粒子ビーム路間で、及び/又は各異なる部屋間で、移動させるように備えられている。これらの部屋の各々は、1、2、3、又はそれ以上の粒子ビーム路を有する。レールシステム410は任意で、粒子ビームノズルを搬送システム150の別なビーム路へ移動するように備えられているスイッチ530を有する。
【0053】
図6は本発明の様々な実施例による粒子ビームノズル600のブロック図である。粒子ビームノズル600は、粒子ビームノズルの複数の実施例-たとえば第1ノズル130A、第2ノズル130B、第3ノズル130C、第4ノズル130D、及び/又は第5ノズル130E-に含まれて良い。粒子ビームノズル600は、1つ以上のマウント610、任意のコンベア620、任意の位置設定装置630、及び任意のカプラ640を有する。これらの部品は、粒子ビーム路又は処置ステーション140に対して粒子ビームノズル600を移動させ、支持し、かつ位置設定するのに用いられる。
【0054】
マウント610は、粒子ビームノズル600を処置システム150へ接続する粒子ビームノズル600の支持構造である。たとえばマウント610は、フランジ、ボルト締めハードウエア、案内ピン等を有して良い。マウント610が搬送システム150に直接接続される実施例もあれば、マウント610がコンベア620を介して搬送システム150に接続される実施例もある。
【0055】
コンベア620は、搬送システム150に従って動くように備えられている、運搬具、荷台、カート、トロリー、可動プラットフォーム等であって良い。たとえば一部の実施例では、コンベア620は、搬送システム150の1本以上のレールと結合するように備えられた自己推進レール車である。コンベア620は、搬送システム150に沿って位置を決定するように備えられた位置センサを有して良い。一部の実施例では、コンベア620は粒子ビームノズル600の一部というよりは搬送システム150の一部である。
【0056】
位置設定装置630は、粒子ビーム路又は処置ステーション140に対する粒子ビームノズル600の位置を微調整するように備えられている。様々な実施例では、位置設定装置630は、0.005、0.01、0.1、0.2、0.5、又は1.0mmの精度で粒子ビームノズル600を位置設定するように備えられている。位置設定装置630は、ステッパモーター、油圧作動機械、圧電素子(PZT)等を有して良い。たとえば一部の実施例では、位置設定装置630は、ステッパモーターと油圧作動機械とを併用して粒子ビームノズル600を移動させるように備えられている。一部の実施例では、粒子ビームノズル600は最初にコンベア620を用いることによって粒子ビーム路に沿って移動し、それに続いて位置設定装置630を用いることによってより厳密に位置設定される。
【0057】
カプラ640は、粒子ビームノズル600をインターフェース210に取り付けるように備えられている。たとえばカプラ640は、ロック機構、クランプ、案内ピン、ボルト等を有して良い。一部の実施例では、カプラ640は、粒子ビームノズル640が厳密に位置設定されていることを保証するように備えられている。たとえば粒子ビームノズル600がインターフェース210又は粒子ビーム路の一部と物理的に接触しないような実施例では、カプラ640は任意である。
【0058】
一部の実施例では、カプラ640は、粒子ビームノズル600の他の一部に対して移動するように備えられている。たとえば一の実施例では、カプラ640は、コンベア620に対して移動するように備えられている。そのようなものとしてコンベア620はインターフェース210へ近接するように粒子ビームノズル600を移動させるのに用いられる一方で、コンベア620は固定された位置に保持され、カプラ640はインターフェース210へ取り付けられるように移動して良い。カプラ640をコンベア620から独立させて移動させることによって、カプラ640は、インターフェース210に取り付けられるとき、案内ピン又は他の位置合わせ部品に応答するように移動する自由度を有する。
【0059】
粒子ビームノズル600は任意で、粒子ビームノズル600内部の環境を制御するように備えられている環境制御650を有する。環境制御650は、粒子ビームノズルの減圧環境部分の維持、ヘリウム雰囲気中の粒子ビームノズル部分の維持を行うように備えられて良い。典型的には環境制御650は、粒子ビームノズル600の他の部分と共に粒子ビーム路間を移動する。
【0060】
粒子ビームノズル600は任意で、インターフェース210内に含まれているシャッターを開閉するようにシャッター制御660を有する。たとえばシャッター制御660は、粒子ビームノズル600が粒子ビーム路に沿って移動するときにはシャッターを開け、かつ粒子ビームノズル600が粒子ビーム路から外れて移動するときにはシャッターを閉じるように備えられて良い。シャッター制御660は、機械機構、電気機構、又は光学機構であって良い。たとえばシャッター制御660は、カプラ640がインターフェース210と接続するときにシャッターを物理的に移動させるように備えられた突起部を有して良い。シャッター制御660は、電気接続、高周波識別(RFID)タグ、又はインターフェース210によって検出可能でかつインターフェース210にシャッターを移動させるように備えられたバーコードを有して良い。シャッター制御660は任意で、後述するインターロックに応答するように備えられている。
【0061】
粒子ビームノズル600は任意でコリメータ670を有する。コリメータ670は、多葉コリメータ、ミクロ多葉コリメータ、固定コリメータ等であって良い。一部の実施例では、搬送システム150は、粒子ビームノズル600の他の部分とは独立にコリメータ670を移動させるように備えられている。よって搬送システム150は任意で、粒子ビームノズル600とは独立して、粒子ビーム路に対してコリメータ670を出し入れするように備えられている。一部の実施例では、ノズル収納庫160は、粒子ビームノズルへコリメータ670を挿入するように備えられている。
【0062】
粒子ビームノズル600は任意で、処置ステーション140に近い領域内で粒子ビームを走査するように備えられたビームスキャナ680を有する。粒子ビームノズル600は任意で、粒子ビームの運動エネルギーを変化させるように備えられたエネルギー調節装置690を有する。エネルギー調節装置690は、空間依存及び/又は時間依存しながら運動エネルギーを変化させるように備えられている。たとえば一部の実施例では、エネルギー調節装置690は、空間的に粒子のエネルギーを制御するように備えられたボーラスを有する。コリメータ670、ビームスキャナ680、及び/又はエネルギー調節装置690は任意で、搬送システム150を用いて粒子ビームノズル600の他の部分を独立して移動することが可能である。そのようなものとしてコリメータ670、ビームスキャナ680、及び/又はエネルギー調節装置690は、粒子ビームノズル600に対して自動的に追加されて良いし、又は自動的に取り外されても良い。一部の実施例では、ノズル収納庫160は、このような自動的な追加又は取り外しを行うように備えられた部品を有する。
【0063】
一部の実施例では、粒子ビームノズル600はインターロック695を有する。そのインターロック695は、適切な粒子ビームノズルが粒子加速器110と交差領域250との間に設けられていることを保証し、かつ/又は粒子ビームノズルが粒子ビーム路に対して適切に位置設定されていることを保証するように備えられている。インターロック695は機械的、電気的、磁気的、光学的等であって良い。一部の実施例では、インターロック695は、粒子ビームノズルを特定するように備えられた特定部品を有する。この特定部品は、バーコード、高周波識別タグ、電子回路、電子特性、磁気特性、光学特性等を有して良い。一部の実施例では、インターロックの全部又は一部は、搬送システム150、インターフェース210、及び/又は搬送システム100の他の部品内に含まれる。一部の実施例では、インターロック695は、正しい部品-たとえばコリメータ670、ビームスキャナ680、及び/又はエネルギー調節装置690-が、特定の患者についての治療計画によって要求されるように粒子ビームノズル内に存在することを保証するように備えられている。インターロック695は任意でこの目的のための患者特定情報を用いる。たとえばインターロック695は、患者が身につけたバーコード若しくは高周波識別タグからデータを受け取り、又は粒子ビームを患者へ照射する前にデータベースからデータを受け取るように備えられて良い。粒子ビームノズル600は任意でインターロック695のような複数のインターロックを有する。たとえば第1インターロック695は、粒子ビームノズルを動かす前にシャッターが閉じられていることを保証するように備えられ、第2インターロック695は、正しい粒子ビームノズルが粒子ビーム路に沿って設けられていることを保証するように備えられ、かつ第3インターロック695は、適切な患者が処置ステーション140に存在していることを保証するように備えられている。
【0064】
粒子ビームノズル600は任意で、後述する散乱防止部を有する。
【実施例1】
【0065】
図7は、本発明の様々な実施例による複数の別な粒子ビーム路を含む処置システムの動作方法を表している。この方法では、1人以上の患者を処置するため、高エネルギー粒子ビームが複数の別な粒子ビーム路を介して案内される。ビーム発生手順710では、粒子ビームは粒子加速器110を用いることによって発生する。この粒子ビームは、たとえば20MeVよりも大きなエネルギーの陽子を有して良い。あるいはその代わりにこの粒子ビームは、ヘリウム、炭素、又は他の種類の核子を有して良い。
【0066】
ビーム案内手順720では、粒子ビーム発生手順710で発生した粒子ビームが、たとえば第1ビーム路120Aのような第1粒子ビーム路に沿って案内される。第1粒子ビーム路は典型的には、処置ステーション140へ向けて粒子ビームを操縦するように備えられている電磁場及び/又は他の粒子輸送光学系を有する。患者処置手順730では、第1粒子ビーム路に沿って案内される粒子ビームが、処置ステーションで患者を処置するのに利用される。
【0067】
第2路選択手順740では、第2粒子ビーム路が、第1粒子ビーム路とは異なる他の複数の粒子ビーム路から選ばれる。他の複数の粒子ビーム路はたとえば、第2粒子ビーム路120B、第3粒子ビーム路120C、及び/又は本明細書で論じた他の粒子ビーム路を有して良い。他の粒子ビーム路のうちの1本は任意で、第1粒子ビーム路と90°よりもはるかに大きな角度をなす。たとえば一の実施例では、他の粒子ビーム路のうちの1本は第1粒子ビーム路と110°以上の角度をなす。他の粒子ビーム路任意で患者の下方から処置ステーションへ到達するように備えられている。
【0068】
ビーム案内手順750では、ビーム発生手順710で発生する粒子ビームは、第2路選択手順740で選ばれた粒子ビーム路を介して案内される。患者処置手順760では、患者は、選ばれた粒子ビーム路を介して案内される粒子ビームを用いて処置される。その患者は任意で、患者処置手順730と患者処置手順760との間で移動する。一部の実施例では、各異なる患者が、患者処置手順730と患者処置手順760において処置される。
【0069】
図8は、本発明の様々な実施例による別な粒子ビーム路間を移動するように備えられている粒子ビームノズルを含む処置システムの動作方法を表している。この方法では、粒子ビームノズルは、患者を処置するため、一の粒子ビーム路から他の粒子ビーム路へ移動する。ビーム発生手順810では、粒子ビームが発生する。ビーム発生手順810はビーム発生手順710の一実施例である。
【0070】
ビーム案内手順820では、ビーム発生手順810で発生した粒子ビームが、たとえば第1ビーム路120Aのような第1粒子ビーム路を介して案内される。ビーム調節手順830では、ビーム案内手順820において第1粒子ビーム路を介して案内される粒子ビームが、たとえば第1ノズル130Aのような粒子ビームノズルを用いて調節される。このような調節は、方向、運動エネルギー、分散、ビームパラメータ等の変化を含んで良い。たとえば一の実施例では、その調節は、処置領域にわたって粒子ビームを走査するため、粒子ビームの方向を変化させる手順を有する。患者処置手順840では、ビーム調節手順830において調節された粒子ビームは、処置ステーションでの患者の処置に用いられる。
【0071】
第2ビーム路選択手順850では、第2粒子ビーム路が選ばれる。この粒子ビーム路は、第1粒子ビーム路と同一の処置ステーションへ暗愛されても良いし、又は異なる処置ステーションへ案内されても良い。第2粒子ビーム路はたとえば、第2ビーム路120B、又は第3ビーム路120C、又は本明細書で論じた他の粒子ビーム路であって良い。
【0072】
ノズル移動手順860では、ビーム調節手順830で粒子ビームを調節するのに用いられた粒子ビームノズルが、搬送システム150を用いて第2粒子ビーム路へ移動する。この移動は任意で処理ユニットを用いて実行される。たとえば処理ユニットは搬送システムを用いた移動の制御に用いられて良い。かつ/あるいは、処理ユニットは第2粒子ビーム路に対して粒子ビームノズルを厳密に位置設定するのに用いられても良い。その粒子ビームノズルは任意で一の部屋から他の部屋へ移動する。粒子ビームノズルは任意で患者の上方から患者の下方へ移動する。
【0073】
繰り返されるビーム発生手順810では、粒子ビームが再度発生する。一部の実施例では、1本の粒子ビームが、図8に例示された手順中連続的に発生する。よってビーム発生手順810を繰り返すことは、第1ビーム発生手順810が連続したものであって良い。他の実施例では、粒子ビームの発生は少なくともノズル移動手順860の間では中止され、かつ粒子ビームはビーム発生手順810を繰り返す際に再び発生する。
【0074】
ビーム案内手順870では、粒子ビームは第2粒子ビーム路を介して案内される。ビーム調節手順880では、第2粒子ビーム路を介して案内される粒子ビームが、粒子ビームノズルを用いて調節される。このような調節は任意でビーム調節手順830と同一であり、かつノズル移動手順860で移動した粒子ビームノズルを用いて実現される。
【0075】
患者処置手順890では、患者は、ビーム調節手順880において調節された粒子ビームを用いて処置される。この患者は、患者処置手順840で処置される患者と同一であって良いし、又は異なっていても良い。同一の患者である場合、その患者は任意で患者処置手順840とジャンじゃ処置手順890との間を移動する。様々な実施例では、患者処置手順840と患者処置手順890とは、互いに15、10、5、又は2分以内で行われる。
【0076】
図9は、複数の別な粒子ビームノズルを受け取るように備えられている、粒子ビーム路を含む処置システムの動作方法を表している。この方法では、2つの異なる粒子ビームノズルが、1本の粒子ビーム路を通過する粒子ビームを調節するのに用いられる。ビーム発せ手順910では、第1粒子ビームが発生する。ビーム発生手順910はビーム発生手順710の一実施例である。ビーム案内手順920では、ビーム発生手順910で発生した第1粒子ビームが、たとえば第1ビーム路120Aのような粒子ビーム路を介して案内される。
【0077】
ビーム調節手順930では、ビーム案内手順920において粒子ビーム路を介して案内された粒子ビームは、たとえば第1ノズル130Aのような第1粒子ビームノズルを用いて調節される。このような調節は、方向、分散、運動エネルギービーム径等の変化を有して良い。たとえば一の実施例では、その調節は、処置の深さを制御するため、運動エネルギーを変化させる手順を有する。患者処置手順940では、患者はビーム調節手順930において調節された粒子ビームを用いて処置される。
【0078】
ノズル交換手順950では、第1粒子ビームノズルが、搬送システム150を用いて、たとえば第2ノズル130Bのような第2粒子ビームノズルと交換される。一部の実施例では、このような交換が行われる一方で、患者は処置ステーション140にいる。様々な実施例では、このような交換は、15、10、5、又は2分未満で行われる。第2ビーム粒子ノズルは典型的には、第2粒子ビームノズルは典型的には、第1粒子ビームノズルとは異なる方法で、又は第1粒子ビームノズルとは異なる程度の調節を行うように備えられている。ノズル交換手順950は任意で処理ユニットの制御下で実行される。たとえば一部の実施例では、処理ユニットは、粒子ビーム路から第1粒子ビームノズルを取り外すのに用いられる。かつ/あるいは処理ユニットは、第2粒子ビームノズルが粒子ビーム路中で正確に位置設定されることを保証するように備えられている。
【0079】
ビーム発生手順910の繰り返しでは、第2粒子ビームは粒子加速器110を用いて発生する。ビーム発生手順810の繰り返し同様、ビーム発生手順910の繰り返しは、第1ビーム発生手順910の連続性を中断しても良いし、中断しなくても良い。
【0080】
ビーム案内手順960では、第2粒子ビームが粒子ビーム路を介して案内される。ビーム調節手順970では、第2粒子ビームは第2粒子ビームノズルを用いて調節される。このような調節は、方向、分散、運動エネルギー、ビーム径等の変化を含んで良い。
【0081】
患者処置手順980では、ビーム調節手順970において調節された粒子ビームが患者の処置に用いられる。この患者は患者処置手順940で処置された患者と同一であっても良いし、又は異なる患者であっても良い。同一の患者である場合、その患者は任意で患者処置手順940と患者処置手順980との間を移動する。
【0082】
複数の実施例が本明細書において具体的に例示及び/又は記載されている。しかし修正型及び変化型は、上記の教示によって網羅され、かつ本発明の技術的思想及び技術的範囲から逸脱することなく「特許請求の範囲」の請求項の範囲内であることは明らかである。たとえば搬送システム150の処理ユニット制御が本明細書では論じられたが、搬送システムの一部又は全部が手動であっても良い。さらに図中の粒子ビーム路及び粒子ビームノズルのラベルは例示目的でしかない。よって一の粒子ビーム路又は一の粒子ビームノズルに適用される属性は、他の粒子ビーム路又は他の粒子ビームノズルに適用されて良い。たとえば第1ビーム路120Aが上の処置ステーション140上方から由来するように図示され、かつビーム路120Eが処置ステーション140下方から由来するように図示されているが、これらのラベル及び/又は位置は逆にしても良い。
【0083】
本発明の様々な実施例は、全ての可能な組合せとして独立請求項と従属請求項を含んでいる。
【0084】
本明細書で論じられた実施例は本発明を例示するものである。本発明のこれらの実施例が図を参照して記載されているので、本方法の様々な修正型又は適応型及び/又は記載された具体的構造は当業者には明白である。本発明の教示に依拠し、かつこれらの教示によって当技術分野を進歩させる全ての係る修正型、適応型、又は変化型は、本発明の技術的範囲内でかつ技術的思想の範囲内であると介される。従って本発明が例示された実施例のみに限定されると解されてはならないことが明らかであるように、これらの記載及び図面は限定的に介するべきではない。一般的には、一の実施例に関連して述べた特徴部品又は態様はその実施例に限定されず、異なる実施例にも用いられて良い。各実施例は、その実施例に関連して述べた各特徴部品又は態様を含んでいる必要はない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を粒子ビーム処置するための処置ステーション;
粒子ビームを発生させるように備えられた粒子加速器;及び
3本以上の粒子ビーム路;
を有するシステムであって、
前記粒子ビームは前記3本以上の粒子ビーム路を介して、前記処置ステーションに存在する前記患者へ供給され、
前記3本以上の粒子ビーム路は、90°よりもはるかに外れた角度をなす少なくとも2本の粒子ビーム路を有する、
システム。
【請求項2】
前記3本以上の粒子ビーム路は、第1粒子ビーム路が第2粒子ビーム路と第3粒子ビーム路を含む面の外側に位置するように備えられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記3本以上の粒子ビーム路は、
第1角度が前記3本以上の粒子ビーム路の第1対の間に存在し、かつ
第2角度が前記3本以上の粒子ビーム路の第2対の間に存在する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
搬送システムをさらに有するシステムであって、
前記搬送システムは、粒子ビームノズルを、前記3本以上の粒子ビーム路のうちの一の粒子ビーム路から前記3本以上の粒子ビーム路のうちの他の粒子ビーム路へ自動的に移動させるように備えられている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
搬送システムをさらに有するシステムであって、
前記搬送システムは、粒子ビームノズルを、ノズル収納庫から前記3本以上の粒子ビーム路のうちの一の粒子ビーム路へ自動的に移動させるように備えられている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記3本以上の粒子ビーム路のうちの少なくとも一の粒子ビーム路に沿って粒子を透過する真空封止;及び
粒子ビームノズルが前記の3本以上の粒子ビーム路のうちの少なくとも一の粒子ビーム路に存在しないときには前記粒子を透過する真空封止を保護するように設けられているシャッター;
をさらに有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
処理ユニットをさらに有するシステムであって、
前記処理ユニットは、前記の3本以上の粒子ビーム路のうちの一の粒子ビーム路に沿って設けられている第1粒子ビームノズルを第2粒子ビームノズルと交換するように備えられている、
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記3本以上の粒子ビーム路のうちの少なくとも一の粒子ビーム路が、前記患者の真下から前記粒子ビームを前記患者へ供給するように備えられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
患者を粒子ビーム処置するための処置ステーション;
粒子ビームを発生させるように備えられた粒子加速器;及び
3本以上の粒子ビーム路;
を有するシステムであって、
前記粒子ビームは前記3本以上の粒子ビーム路を介して、前記処置ステーションに存在する前記患者へ供給され、
前記3本以上の粒子ビーム路は、第1粒子ビーム路が第2粒子ビーム路と第3粒子ビーム路を含む面の外側に位置するように備えられている、
システム。
【請求項10】
前記3本以上の粒子ビーム路は、90°よりもはるかに大きな角度をなすように配向する2本の粒子ビーム路を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
搬送システムをさらに有するシステムであって、
前記搬送システムは、粒子ビームノズルを、前記3本以上の粒子ビーム路のうちの第1粒子ビーム路から、前記3本以上の粒子ビーム路のうちの第2粒子ビーム路へ自動的に移動させるように備えられている、
請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記3本以上の粒子ビーム路のうちの少なくとも一の粒子ビーム路に沿って粒子を透過する真空封止;及び
粒子ビームノズルが前記の3本以上の粒子ビーム路のうちの少なくとも一の粒子ビーム路に存在しないときには前記粒子を透過する真空封止を保護するように設けられているシャッター;
をさらに有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
処理ユニットをさらに有するシステムであって、
前記処理ユニットは、前記の3本以上の粒子ビーム路のうちの一の粒子ビーム路に沿って設けられている第1粒子ビームノズルを第2粒子ビームノズルと交換するように備えられている、
請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記処置ステーションが、前記患者の真下からの前記粒子ビームを受けるように備えられている、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
高エネルギー粒子の粒子ビームを発生させる手順;
該高エネルギー粒子の粒子ビームを第1粒子ビーム路に沿って案内する手順;
前記粒子ビーム路に沿って案内された前記高エネルギー粒子の粒子ビームを用いて前記患者を処置する手順;
前記第1粒子ビーム路とは異なる複数の代替粒子ビーム路から第2粒子ビーム路を選択する手順であって、前記第1粒子ビーム路が前記複数の代替粒子ビーム路のうちの2本によって画定される面の外側に位置する、手順;及び、
前記第2粒子ビーム路に沿って前記高エネルギー粒子の粒子ビームを案内する手順;
を有する方法。
【請求項16】
第3粒子ビーム路を選択する手順;
前記第3粒子ビーム路に沿って前記高エネルギー粒子の粒子ビームを案内する手順;及び
前記第3粒子ビーム路に沿って案内された前記高エネルギー粒子の粒子ビームを用いて前記患者を処置する手順;
を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の代替粒子ビーム路のうちの少なくとも一の粒子ビーム路が前記患者の真下に設けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
処理ユニットの制御下で粒子ビームノズルを前記第1粒子ビーム路から前記第2粒子ビーム路へ移動させる手順をさらに有する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第1粒子ビーム路に沿って前記高エネルギー粒子の粒子ビームを案内する手順と、前記第2粒子ビーム路に沿って前記高エネルギー粒子の粒子ビームを案内する手順との間で前記患者を移動させる手順をさらに有する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第2粒子ビーム路が、処置ステーションにおいて前記第2粒子ビーム路と共線をなすと近似され、かつ
前記第2粒子ビーム路が、前記第1粒子ビーム路とは異なる方向に前記高エネルギー粒子の粒子ビームを案内するように備えられている、
請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記第1粒子ビーム路と前記第2粒子ビーム路がほぼ同一のビーム路長を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記高エネルギー粒子の粒子ビームが陽子を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記第1粒子ビーム路と、前記複数の代替粒子ビーム路のうちの少なくとも2つがそれぞれ互いにほぼ90°の角度をなす、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
患者を粒子ビーム処置するための処置ステーション;
粒子ビームを発生させるように備えられた粒子加速器;及び
3本以上の粒子ビーム路;
を有するシステムであって、
前記粒子ビームは前記3本以上の粒子ビーム路を介して、前記処置ステーションに存在する前記患者へ供給される、
システム。
【請求項25】
前記3本以上の粒子ビーム路に沿った三叉路をさらに有する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記3本以上の粒子ビーム路に沿った複数の二叉路をさらに有する、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
搬送システムをさらに有するシステムであって、
前記搬送システムは、粒子ビームノズルを、前記3本以上の粒子ビーム路のうちの一の粒子ビーム路から前記3本以上の粒子ビーム路のうちの他の粒子ビーム路へ移動させるように備えられている、
請求項24に記載のシステム。
【請求項28】
患者を粒子ビーム処置するための処置ステーション;
粒子ビームを発生させるように備えられた粒子加速器;及び
前記粒子ビームを前記患者の真下から前記患者へ供給するように備えられている第1粒子ビーム路;
を有するシステム。
【請求項29】
前記処置ステーションが前記粒子ビームを通過させるために備えられた開口部を有する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1粒子ビーム路が固定された位置に設けられている、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
第2粒子ビーム路と第3粒子ビーム路をさらに有するシステムであって、
前記第1粒子ビーム路、前記第2粒子ビーム路、及び前記第3粒子ビーム路はそれぞれ各独立した一組の粒子輸送光学系を有する、
請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
患者を粒子ビーム処置するための処置ステーション;
粒子ビームを発生させるように備えられた粒子加速器;
前記粒子ビームが前記患者へ供給される際に前記粒子ビームが通過するように備えられている第1粒子ビーム路;及び
複数の異なる粒子ビームノズルのうち第1を前記第1粒子ビームノズルへ移動的に移動させ、かつ別に前記複数の異なる粒子ビームノズルのうちの少なくとも第2を前記第1粒子ビーム路へ移動するように備えられた搬送システム;
を有するシステム。
【請求項33】
前記搬送システムがさらに、前記の複数の異なる粒子ビームノズルのうち第1を、前記粒子ビームが前記患者へ供給される際に前記粒子ビームが通過する第2粒子ビーム路へ自動的に移動させるように備えられている、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記搬送システムが、前記の複数の異なる粒子ビームノズルのうち第1を、ノズル収納庫から前記第1粒子ビーム路へ自動的に移動させるように備えられている、請求項32に記載のシステム。
【請求項35】
前記第1粒子ビーム路がシャッターを有し、
該シャッターは、前記複数の異なる粒子ビームノズルのいずれも前記第1粒子ビーム路に存在しないときには、粒子を透過する真空インターフェースを保護するように備えられている、
請求項32に記載のシステム。
【請求項36】
前記複数の異なる粒子ビームノズルが、二重散乱粒子ビームノズル、一回散乱粒子ビームノズル、又は走査粒子ビームノズルを有する、請求項32に記載のシステム。
【請求項37】
前記搬送システムが、前記患者が前記処置ステーションにいる間に、前記の複数の異なる粒子ビームノズルのうち第1を移動させるように備えられている、請求項32に記載のシステム。
【請求項38】
前記搬送システムが、前記の複数の異なる粒子ビームノズルのうち第1を前記の複数の異なる粒子ビームノズルのうち第2と15分未満で交換するように備えられている、請求項32に記載のシステム。
【請求項39】
前記粒子ビームが陽子を含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項40】
前記搬送システム又は前記複数の異なる粒子ビームノズルがコンベアを有する、請求項32に記載のシステム。
【請求項41】
前記第1粒子ビーム路が前記患者の真下から前記粒子ビームを供給するように備えられている、請求項32に記載のシステム。
【請求項42】
前記搬送システムが、処理ユニットの制御下で、前記複数の異なる粒子ビームノズルのうちの第1を前記第1粒子ビームユニットへ自動的に移動させるように備えられている、請求項32に記載のシステム。
【請求項43】
高エネルギー粒子の第1粒子ビームを発生させる手順;
該高エネルギー粒子の第1粒子ビームを粒子ビーム路に沿って案内する手順;
第1粒子ビームノズルを用いて前記高エネルギー粒子の第1粒子ビームを調節する手順;
前記粒子ビームノズルを用いて調節された前記高エネルギー粒子の第1粒子ビームを用いて第1患者を処置する手順;
処理ユニットの制御下で、前記第1粒子ビームノズルを第2粒子ビームノズルと交換する手順;
高エネルギー粒子の第2粒子ビームを発生させる手順;
前記第2粒子ビーム路に沿って前記高エネルギー粒子の第2粒子ビームを案内する手順;
前記粒子ビームノズルを用いて前記高エネルギー粒子の第2粒子ビームを調節する手順;及び、
前記粒子ビームノズルを用いて調節した前記前記高エネルギー粒子の第2粒子ビームを用いて前記患者を処置する手順;
を有する方法。
【請求項44】
前記の第1粒子ビームノズルを第2粒子ビームノズルと交換する手順が、前記第1患者が処置ステーションにいるときに実行される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記の第1粒子ビームノズルを第2粒子ビームノズルと交換する手順が15分未満で行われる、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記の第1粒子ビームノズルを第2粒子ビームノズルと交換する手順が搬送システムを用いて行われる、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記の第1粒子ビームノズルを第2粒子ビームノズルと交換する手順がシャッターを開閉する手順を有する、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記第1粒子ビームノズルが、二重散乱ノズル、一回散乱ノズル、又は走査ノズルである、請求項43に記載の方法。
【請求項49】
前記高エネルギー粒子の第1粒子ビームが陽子を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項50】
案内ピンを用いて前記粒子ビーム路に対して前記第2粒子ビームノズルを位置設定する手順をさらに有する、請求項43に記載の方法。
【請求項51】
位置センサを用いて前記粒子ビーム路に対して前記第2粒子ビームノズルを位置設定する手順をさらに有する、請求項43に記載の方法。
【請求項52】
処理ユニットの制御下で、ノズル収納庫から前記第2粒子ビームノズルを取得する手順をさらに有する、請求項43に記載の方法。
【請求項53】
第1種類の処置に用いられるように備えられた第1粒子ビームノズル;
第2種類の処置に用いられるように備えられた第2粒子ビームノズル;及び
処理ユニットの制御下で、前記第1粒子ビームノズルと前記第2粒子ビームノズルを、粒子加速器と処置ステーションとの間で交互に位置設定するように備えられている搬送システム;
を有するシステム。
【請求項54】
患者を粒子ビーム処置するための第1処置ステーション;
粒子ビームを発生させるように備えられた粒子加速器;
前記粒子ビームが前記患者へ供給される際に前記粒子ビームが通過する第1粒子ビーム路;
前記粒子ビームが前記患者へ供給される際に前記粒子ビームが通過する第2粒子ビーム路;
前記粒子ビームを調節するように備えられている粒子ビームノズル;
前記粒子ビームノズルを前記第1粒子ビーム路から前記第2粒子ビーム路へ自動的に移動させるように備えられている搬送システム;
を有するシステム。
【請求項55】
前記搬送システムがさらに、処理ユニットの制御下で、前記粒子ビームノズルをノズル収納庫から前記第1粒子ビーム路へ自動的に移動させるように備えられている、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記搬送システムがさらに、前記粒子ビームノズルを、第2処置ステーションに関連する第3粒子ビーム路へ自動的に移動させるように備えられている、請求項54に記載のシステム。
【請求項57】
前記搬送システム又は前記粒子ビームノズルがさらに、前記第1粒子ビーム路内の粒子を透過する真空封止を保護するように設けられているシャッターを閉じるように備えられている、請求項54に記載のシステム。
【請求項58】
前記搬送システムが、前記第1粒子ビーム路と前記第2粒子ビーム路との間で第1粒子ビームノズルを移動させ、かつ前記第1粒子ビーム路と前記第2粒子ビーム路との間で第2の異なる粒子ビームノズルを別個に移動させるように備えられている、請求項54に記載のシステム。
【請求項59】
第3粒子ビーム路をさらに有するシステムであって、
前記粒子ビームは前記第3粒子ビーム路を介して前記患者へ供給され、
前記第3粒子ビーム路は前記第1粒子ビーム路と少なくとも100°の角度をなすように配向する、
請求項54に記載のシステム。
【請求項60】
第3粒子ビーム路をさらに有するシステムであって、
前記粒子ビームは前記第3粒子ビーム路を介して前記患者へ供給され、
前記第3粒子ビーム路は、前記第1粒子ビーム路と前記第2粒子ビーム路によって定義される面とは異なる面に存在する、
請求項54に記載のシステム。
【請求項61】
前記搬送システムが、第1粒子ビームノズルを前記第1粒子ビーム路へ移動させ、かつ第2粒子ビームノズルを前記第1粒子ビーム路へ別個に移動させるように備えられている、請求項54に記載のシステム。
【請求項62】
前記搬送システムが、第1粒子ビームノズルを前記第1粒子ビーム路へ移動させ、第2粒子ビームノズルを前記第1粒子ビーム路へ別個に移動させるように備えられ、かつ
前記第1粒子ビームノズルと前記第2粒子ビームノズルとは異なる種類の処置を行うように備えられている、
請求項54に記載のシステム。
【請求項63】
前記搬送システムがさらに、前記第1粒子ビーム路と前記第2粒子ビーム路との間でコリメータを移動させるように備えられている、請求項54に記載のシステム。
【請求項64】
前記第2粒子ビーム路が、前記粒子ビームを前記患者の真下から前記患者へ供給するように備えられている、請求項54に記載のシステム。
【請求項65】
高エネルギー粒子の第1粒子ビームを発生させる手順;
該高エネルギー粒子の第1粒子ビームを、第1粒子ビーム輸送光学系を有する第1粒子ビーム路に沿って案内する手順;
粒子ビームノズルを用いて前記高エネルギー粒子の第1粒子ビームを調節する手順;
前記粒子ビームノズルを用いて調節された前記高エネルギー粒子の第1粒子ビームを用いて前記患者を処置する手順;
第2粒子ビーム輸送光学系を有する第2粒子ビーム路を選択する手順;
処理ユニットの制御下で前記粒子ビームノズルを前記第1粒子ビーム路から前記第2粒子ビーム路へ移動させる手順;
高エネルギー粒子の第2粒子ビームを発生させる手順;
前記第2粒子ビーム路に沿って前記高エネルギー粒子の第2粒子ビームを案内する手順;
前記粒子ビームノズルを用いて前記高エネルギー粒子の第2粒子ビームを調節する手順;及び、
前記粒子ビームノズルを用いて調節した前記前記高エネルギー粒子の第2粒子ビームを用いて前記患者を処置する手順;
を有する方法。
【請求項66】
前記高エネルギー粒子が陽子を含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記第1粒子ビーム路と前記第2粒子ビーム路が90°よりもはるかに大きな角度をなすように配向している、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記第1粒子ビーム路が前記第1患者の上方から前記第1粒子ビームを供給するように備えられ、かつ
前記第2粒子ビーム路が前記第1患者の下方から前記第2粒子ビームを供給するように備えられている、
請求項65に記載の方法。
【請求項69】
前記の粒子ビームノズルを移動させる手順が台を移動させる手順を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項70】
前記の粒子ビームノズルを移動させる手順が搬送システムを用いる手順を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項71】
前記の粒子ビームノズルを移動させる手順がエンコーダを用いて前記粒子ビームノズルを位置設定する手順を有する、請求項65に記載の方法。
【請求項72】
前記の粒子ビームノズルを移動させる手順が、前記第1患者が処置ステーションにいる間に行われる、請求項65に記載の方法。
【請求項73】
前記第2粒子ビーム路内でシャッターを開く手順をさらに有する、請求項65に記載の方法。
【請求項74】
前記処理ユニットが、前記粒子ビームノズルを、前記第1粒子ビーム路から前記第2粒子ビーム路へ移動させるように備えられている、請求項65に記載の方法。
【請求項75】
粒子ビームノズルであって:
複数の代替粒子ビーム路の各々に沿って当該粒子ビームノズルを交互に保持するように備えられているマウント;及び
当該粒子ビームノズルを処置ステーション又は前記複数の代替粒子ビーム路のうちの1本に対して自動的に位置設定するように備えられている位置設定装置;
を有する、粒子ビームノズル。
【請求項76】
前記複数の代替粒子ビーム路の各々の内部で高エネルギー粒子のエネルギーを変化させるように備えられたエネルギー調節装置をさらに有する、請求項75に記載の粒子ビームノズル。
【請求項77】
前記エネルギー調節装置が、自動搬送システムを用いることによって、当該粒子ビームノズルの取り付け又は取り外しを行うように備えられている、請求項76に記載の粒子ビームノズル。
【請求項78】
前記高エネルギー粒子をコリメートするように備えられているコリメータをさらに有する、請求項75に記載の粒子ビームノズル。
【請求項79】
前記複数の代替粒子ビーム路間で当該粒子ビームノズルを移動させるように備えられているコンベアをさらに有する、請求項75に記載の粒子ビームノズル。
【請求項80】
当該粒子ビームノズルを前記複数の代替粒子ビーム路のうちの1つの一部へ接続するように備えられているカプラをさらに有する、請求項75に記載の粒子ビームノズル。
【請求項81】
前記複数の代替粒子ビーム路間で当該粒子ビームノズルと共に移動するように備えられている環境制御をさらに有する、請求項75に記載の粒子ビームノズル。
【請求項82】
二重散乱ノズルである、請求項75に記載の粒子ビームノズル。
【請求項83】
走査ノズルである、請求項75に記載の粒子ビームノズル。
【請求項84】
当該粒子ビームノズルを前記複数の代替粒子ビーム路のうちの1つに沿ってシャッターを開閉するように備えられているシャッター制御をさらに有する、請求項75に記載の粒子ビームノズル。
【請求項85】
インターロックに応答するシャッター制御をさらに有する、請求項75に記載の粒子ビームノズル。
【請求項86】
粒子ビームノズルであって:
当該粒子ビームノズルを第1粒子ビーム路へ自動的に移動させるように備えられているコンベア;
前記第1粒子ビーム路に対して当該粒子ビームノズルを保持するように備えられているマウントカプラ;及び
前記第1粒子ビーム路からの高エネルギー粒子の粒子ビームを走査するように備えられているビームスキャナ;
を有する、粒子ビームノズル。
【請求項87】
前記コンベアがさらに、当該粒子ビームノズルを代替粒子ビーム路間で移動させるように備えられている、請求項86に記載の粒子ビームノズル。
【請求項88】
前記コンベアがさらに、当該粒子ビームノズルを第2粒子ビーム路へ移動させるように備えられている、請求項86に記載の粒子ビームノズル。
【請求項89】
前記コンベアがさらに、当該粒子ビームノズルをノズル収納庫から前記第1粒子ビーム路へ移動させるように備えられている、請求項86に記載の粒子ビームノズル。
【請求項90】
処置ステーション又は前記第1粒子ビーム路に対して当該粒子ビームノズルを自動的に位置設定するように備えられている位置設定装置をさらに有する、請求項86に記載の粒子ビームノズル。
【請求項91】
前記高エネルギー粒子をコリメートするように備えられているコリメータをさらに有する、請求項86に記載の粒子ビームノズル。
【請求項92】
一回散乱ノズルである、請求項86に記載の粒子ビームノズル。
【請求項93】
前記高エネルギー粒子をコリメートするように備えられているコリメータをさらに有する粒子ビームノズルであって、
前記コリメータは、搬送システムを用いることによって、当該粒子ビームノズルから分離されるように備えられている、
請求項86に記載の粒子ビームノズル。
【請求項94】
当該粒子ビームノズルの運動を変化させるように備えられた散乱防止部をさらに有する、請求項86に記載の粒子ビームノズル。
【請求項95】
前記ビームスキャナが、自動搬送システムを用いることによって、当該粒子ビームノズルの取り付け又は取り外しを行うように備えられている、請求項86に記載の粒子ビームノズル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2009−539474(P2009−539474A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514329(P2009−514329)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/013175
【国際公開番号】WO2007/145906
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(500414202)ヴァリアン メディカル システムズ インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】