説明

多重化制御装置

【課題】マルチプレックス(MUX)処理とデマルチプレックス(DEMUX)処理を実行する多重化制御装置の処理性能を向上させること。
【解決手段】多重化制御装置100は、トランスポートストリーム(TS)バッファ222、多重化処理部210、映像バッファ242、音声バッファ252を具備する。映像・音声バッファ242、252から符号化映像データ・音声データが供給され多重化処理部210はMUX処理を実行する一方、多重化処理部210はTSバッファ222に蓄積されたTSデータのDEMUX処理を実行して符号化映像データ・音声データを生成する。多重化処理部210によるMUXまたはDEMUXの処理は、動画圧縮符号化によって処理される複数のフレームを単位として実行される。処理の実行の開始前に実行の準備が満足されているか否かが、装置100の内部でバッファ242、252、222の蓄積状態の確認によって判定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチプレックス処理を実行するマルチプレクサーおよびデマルチプレックス処理を実行するデマルチプレクサーとしての多重化制御装置に関するもので、特に、その処理性能を向上させるのに有益な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、システムLSI(Large Scale Integrated Circuits)の高性能化および低消費電力化やフラッシュメモリを始めとするストレージの大容量化によって、携帯電話や携帯型コンテンツプレイヤや携帯型ゲーム機を始めとするモバイル機器の動画記録および動画視聴が普及している。画像処理技術の向上によって、今まではデジタルビデオカメラや据置型テレビ放送受像機、パーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等で実現されてきた高精細と高画質のデジタルコンテンツの処理も可能となってきた。
【0003】
現在普及している第3世代、および、第3.5世代の携帯電話は、主に通信機能を担当するベースバンド処理部と静止画、動画、音声や音楽の記録、および、再生、ゲームなどで使用されるグラフィックス処理などを担当するマルチメディア処理部から構成される。マルチメディア処理の多様化、高機能化に対応するため、マルチメディア処理専用の中央演算処理ユニット(CPU:Central Processing Unit)を具備したLSI(Large Scale Integrated circuit)や、マルチメディア処理専用のLSIを別途設ける構成などが存在する。
【0004】
しかしながら、携帯電話等の携帯モバイル機器では、デジタルビデオカメラや据置型テレビ放送受像機やパーソナルコンピュータと比較すると、電力消費を抑えて使用時間を延ばすことが考慮されること、また、実装スペースの制約が大きいことなどから、CPUの性能や半導体メモリ(RAM:Random Access Memory)の記憶容量等のハードウェア性能が劣っている。従って携帯モバイル機器でのハードウェアの制約によって、デジタルビデオカメラや据置型テレビ放送受像機、PCと同等の画像処機能を携帯モバイル機器で実現するためにはインプリメンテーションの工夫が必要になる。
【0005】
一方、テレビ視聴やデジタルビデオカメラによる撮影等のために、デマルチプレクサーとマルチプレクサーとが使用される。デマルチプレクサーはデマルチプレックス処理(De-multiplex処理、DEMUX処理)を実行する一方、マルチプレクサーはマルチプレックス処理(Multiplex処理、MUX処理)を実行する。
【0006】
DEMUX処理では、多種のデータが多重化(マルチプレックス)されたトランスポートストリーム(TS:Transport Stream)と呼ばれるデータ形式から、パケット化エレメンタリストリーム(PES:Packetized Elementary Stream)やエレメンタリストリーム(ES:Elementary Stream)と呼ばれるデコーダ(復号器)が読み込み可能な所望のデータに抽出されて変換される。
【0007】
その反対に、MUX処理では、多種のパケット化エレメンタリストリームやエレメンタリストリームがTSパケット(Transport Stream Packet)と呼ばれるトランスポートストリームの構成単位に分割されて多重化(マルチプレックス)されるものである。
【0008】
トランスポートストリームを採用する規格としては、MPEG−2動画像符号化/復号システムやAVCHD(Advanced Video Codec High Definition, エーブイシーエイチディー)等があり、日本を始めとする各国のデジタル放送規格や、ハイビジョンデジタルビデオカメラで使用されている。尚、AVCHDとはハイビジョン映像をビデオカメラで記録するための規格の一つであり、松下電器産業とソニーの商標である。
【0009】
トランスポートストリームを構成するTSパケットは、ヘッダデータ部分(Header Data)とペイロードデータ部分(Payload Data)に分けて構成された188バイトまたは192バイトのデータである。
【0010】
ヘッダ部分には、トランスポートストリームに関する情報が記録される。ペイロード部分には、映像や音声と言った符号化データであれば、エレメンタリストリームを再生時間単位でパケット化したパケット化エレメンタリストリームが記録される。
【0011】
またペイロード部分には、番組特定情報(PSI)や番組配列情報(SI)と呼ばれるパケット化エレメンタリストリームを復号して再生するために必要な制御情報や電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)を始めとする付加情報等であれば、それらの用途に応じたデータが各TSパケットサイズに収容されるように分割されて格納される。
【0012】
ここで、番組特定情報(PSI:Program Specification Information)は、番組を選択するために必要な情報で、プログラムアソシエーションテーブル(PAT)、プログラムマップテーブル(PMT)、ネットワークインフォメーションテーブル(NIT)、コンディショナルアクセステーブル(CAT)などが存在する。また、番組配列情報(SI:Service Information)は、チャンネル名の表示、番組情報の表示等と番組選択の利便性のために規定されたサービス記述テーブル(SDT)、番組情報テーブル(EIT)等のテーブルの総称である。これらデジタル放送の種々の技術用語は、下記非特許文献1に記載されている。
【0013】
トランスポートストリームパケットに含まれる種々のペイロードの区別には、ヘッダ部分に記載されたパケット識別子(PID:Packet Identifier)が使用される。DEMUX処理では、このパケット識別子(PID)を観測して、そのTSパケットのペイロード部分を抽出することで、所望のペイロードの集合を抽出する。MUX処理では、パケット化エレメンタリストリームや番組特定情報(PSI)/番組配列情報(SI)をトランスポートストリームペイロードに分割して、更にTSヘッダを付加してTSパケットを生成して、それらを纏めてトランスポートストリームとする。この時に、エラー耐性を持たせるために、特定のパケット識別子(PID)のパケットが一個所に集中しないように、種々のパケット識別子(PID)のパケットが混合されて離散的に配置される。
【0014】
【非特許文献1】三宅 宏幸 他、 「ディジタル放送受信機における選局技術」、SANYO TECHNICAL REVIEW, VOL.36 NO.1 JUN. 2004, PP.31〜44.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
録画に際しては、デジタルビデオカメラシステムのカメラの撮影ビデオデータとマイクの取得オーディオデータとは、ビデオとオーディオのエンコーダとによってビデオとオーディオのエレメンタリストリームとにそれぞれ符号化される。この時に、符号化は、フレーム(ピクチャー)単位で実行される。このビデオとオーディオのエレメンタリストリームは、ビデオとオーディオのパケット化エレメンタリストリームに、それぞれパケット化される。
【0016】
ビデオとオーディオのパケット化エレメンタリストリームはマルチプレクサーの入力に供給されることによって、マルチプレクサーの出力から多重化されたトランスポートストリームが生成される。すると、マルチプレクサーから最初のMUX処理が完了した旨の通信がビデオとオーディオのエンコーダとに供給されることよって、次のビデオと次のオーディオのエレメンタリストリームの符号化処理、および、パケット化エレメンタリストリーム(PES)のパケット化処理が実行される。
【0017】
このように録画に際しては、上述したMUX処理は複数のフレームに対応する複数個のビデオおよびオーディオの符号化処理、多重化の処理を実行するためには、タスク間通信や割り込み処理の回数が多くなり、それによる処理のオーバーヘッドが結果として動画圧縮符号化や多重化処理を含めたシステム全体の性能劣化を招くと言う問題が本発明者等の検討によって明らかとされた。
【0018】
一方、録画の後の蓄積メディアからの撮影映像の再生に際しても、蓄積メディアからのトランスポートストリームはデマルチプレクサーの入力に供給されることによって、ビデオとオーディオのデータとに分離される。このビデオとオーディオのデータはビデオとオーディオのデコーダの入力に供給されることによって、ビデオとオーディオの再生に用いられる伸張されたデータが出力される。すると、ビデオとオーディオのデコーダからビデオとオーディオの復号処理が完了した旨の通信がデマルチプレクサーに供給されることによって、次のトランスポートストリームのDEMUX処理が開始される。
【0019】
このように再生に際しても、上述したトランスポートストリームのDEMUX処理、エレメンタリストリーム(ES)の復号処理を実行によりタスク間通信や割り込み処理の回数が多くなり、それによる処理のオーバーヘッドが結果として動画伸張復号化や多重化処理を含めたシステム全体の性能劣化を招くと言う問題が本発明者等の検討によって明らかとされた。
【0020】
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等の検討の結果、なされたものである。
【0021】
従って、本発明の目的とするところは、多重化制御装置の処理性能を向上させることにある。
【0022】
また、本発明の他の目的とするところは、MUX処理のタスク間通信および割り込み処理の回数を低減してこれらの処理によるオーバーヘッドを削減して、動画圧縮符号化や多重化処理を含めたシステムの処理性能を向上させることにある。
【0023】
また、本発明の他の目的とするところは、DEMUX処理のタスク間通信および割り込み処理の回数を低減してこれらの処理によるオーバーヘッドを削減し、動画伸張復号化や多重化処理を含めたシステムの処理性能を向上させることにある。
【0024】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本願において開示される発明のうちの代表的なものについて簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0026】
すなわち、本発明の代表的なMUX処理およびDEMUX処理を制御する多重化制御装置(100)は、トランスポートストリーム(TS)バッファ(222)と、多重化処理部(210)と、映像バッファ(242)と、音声バッファ(252)とを具備する。
【0027】
前記映像バッファ(242)と前記音声バッファ(252)から符号化映像データと符号化音声データとが供給され前記多重化処理部(210)はMUX処理を実行する一方、前記多重化処理部(210)は前記TSバッファ(222)に蓄積されたトランスポートストリームデータのDEMUX処理を実行して符号化映像データと符号化音声データを生成可能である(図3参照)。
【0028】
前記多重化処理部(210)による前記MUX処理または前記DEMUX処理は、動画圧縮符号化によって処理される複数のフレームを単位として実行される。
【0029】
前記MUX処理または前記DEMUX処理の実行の開始前に、前記実行の準備が満足されているか否かが、前記多重化制御装置(100)の内部で判定される。
【0030】
前記実行の前記準備が満足されているか否かの判定は、バッファ(242、252、222)の蓄積状態の確認によって実行されることを特徴とする(図5、図4参照)。
【発明の効果】
【0031】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0032】
すなわち、本発明によれば、多重化制御装置の処理性能を向上させることができる。
【0033】
また、本発明によれば、MUX処理時およびDEMUX処理時のタスク間通信および割り込み処理の回数を低減してこれらの処理によるオーバーヘッドを削減して、動画圧縮符号化および動画伸張復号化や多重化処理を含めたシステムの処理性能を向上させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
《代表的な実施の形態》
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0035】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態は、TSバッファ(222)と、多重化処理部(210)と、映像バッファ(242)と、音声バッファ(252)とを具備して、MUX処理を実行する多重化制御装置(100)である。
【0036】
前記映像バッファ(242)には符号化映像データが蓄積可能であり、前記音声バッファ(252)には符号化音声データが蓄積可能である。
【0037】
前記多重化処理部(210)には前記映像バッファ(242)と前記音声バッファ(252)とから前記符号化映像データと前記符号化音声データとがそれぞれ供給されることによって、前記多重化処理部(210)は前記符号化映像データと前記符号化音声データとのMUX処理を実行する。
【0038】
前記多重化処理部(210)による前記MUX処理によって生成され動画圧縮符号化されたトランスポートストリームデータは、前記TSバッファ(222)に蓄積可能である(図3参照)。
【0039】
前記多重化処理部(210)への前記符号化映像データと前記符号化音声データの供給は、前記動画圧縮符号化によって処理される複数フレームを単位として実行される(ステップ410)。
【0040】
前記MUX処理の実行の開始前に、前記MUX処理の実行の準備が満足されているか否かが前記多重化制御装置(100)の内部で判定される(ステップ400〜ステップ408)。
【0041】
前記実行の準備が満足されているか否かの判定は、前記映像バッファ(242)の前記符号化映像データの蓄積状態の確認(ステップ400)と前記音声バッファ(252)の前記符号化音声データの蓄積状態の確認(ステップ403)と前記TSバッファ(222)の前記トランスポートストリームデータの蓄積状態との確認(ステップ408)によって実行されることを特徴とする(図5参照)。
【0042】
前記実施の形態によれば、動画圧縮符号化によって生成される複数のフレームを単位として実行されるMUX処理の実行の開始前に、バッファ(242、252、222)の蓄積状態の確認(ステップ400、403、408)によって実行される。従って、単一のフレーム毎にMUX処理の実行の可否を判断する場合と比較して、MUX処理時のタスク間通信および割り込み処理の回数を低減してこれらの処理によるオーバーヘッドを削減することができる。
【0043】
好適な実施の形態では、前記MUX処理によって処理される前記複数のフレームは、動画符号化方式での画面内予測符号化ピクチャーであるIフレームと順方向予測符号化ピクチャーであるPフレームと双方向予測符号化ピクチャーであるBフレームとを含む。
【0044】
前記複数のフレームは、前記Iフレームから次のIフレームの直前のフレームまでを少なくとも含む符号化映像データであることを特徴とする(図5参照)。
【0045】
他の好適な実施の形態は、前記複数のフレームは1つのグループオブピクチャー(GOP:Group Of Pictures)に略対応していることを特徴とする(図5参照)。
【0046】
より好適な実施の形態は、前記映像バッファ(242)に蓄積可能な前記符号化映像データと前記音声バッファ(252)に蓄積可能な前記符号化音声データとは、デジタルビデオカメラシステムのカメラにより取得される画像データとマイクにより取得される音声データとにそれぞれ基づくことを特徴とする(図2参照)。
【0047】
更に他の好適な実施の形態は、前記カメラにより取得される前記画像データは映像符号・復号部(130)によって前記符号化映像データに変換され、前記マイクにより取得される前記音声データは音声符号・復号部(150)によって前記符号化音声データに変換されることを特徴とする(図2参照)。
【0048】
より好適な実施の形態による多重化制御装置(100)は、放送付随情報としての番組情報(PSI/SI)が格納可能であるデータ記憶部(230)を更に具備する。
【0049】
前記多重化処理部(210)には前記映像バッファ(242)と前記音声バッファ(252)から前記符号化映像データと前記符号化音声データとがそれぞれ供給されると伴に前記データ記憶部(230)から前記番組情報(PSI/SI)が供給されることによって、前記多重化処理部(210)は前記符号化映像データと前記符号化音声データと前記番組情報とのMUX処理を実行することを特徴とする(図2参照)。
【0050】
他の具体的な一つの実施の形態は、前記実行の準備が満足されているか否かの前記判定は、前記多重化制御装置(100)の内部の判定部(200)で判定されることを特徴とする。
【0051】
〔2〕本発明の別の観点の代表的な実施の形態は、TSバッファ(222)と、多重化処理部(210)と、映像バッファ(242)と、音声バッファ(252)とを具備して、DEMUX処理を実行する多重化制御装置(100)である。
【0052】
前記多重化処理部(210)によるDEMUX処理が実行される動画圧縮符号化されたトランスポートストリームデータは、前記TSバッファ(222)に蓄積可能である。
【0053】
前記多重化処理部(210)は前記TSバッファ(222)に蓄積された前記トランスポートストリームデータの前記DEMUX処理を実行することによって、符号化映像データと符号化音声データとを生成可能である。
【0054】
前記映像バッファ(242)には前記多重化処理部(210)により生成される前記符号化映像データが蓄積可能であり、前記音声バッファ(252)には前記多重化処理部(210)により生成される前記復符号化音声データが蓄積可能である(図3参照)。
【0055】
前記多重化処理部(210)による前記DEMUX処理は、前記動画圧縮符号化によって処理された複数のフレームを単位として実行される(ステップ312)。
【0056】
前記DEMUX処理の実行の開始前に、前記DEMUX処理の実行の準備が満足されているか否かが前記多重化処理部(100)内部で判断される(ステップ300〜ステップ308)。
【0057】
前記実行の前記準備が満足されているか否かの判断は、前記TSバッファ(222)の前記トランスポートストリームデータの蓄積状態(ステップ306)との確認と前記映像バッファ(242)の前記復号映像データの蓄積状態の確認(ステップ308)とによって実行されることを特徴とする(図4参照)。
【0058】
前記実施の形態によれば、動画圧縮符号化によって処理される複数のフレームを単位として実行されるDEMUX処理の実行の開始前に、バッファ(242、222)の蓄積状態の確認(ステップ306、308)によって実行される。従って、複数のフレームの各フレームを単位としてDEMUX処理の実行の可否を判断する場合と比較して、DEMUX処理のタスク間の通信回数を低減して動画圧縮符号化の処理のオーバーヘッドを削減することができる。
【0059】
好適な実施の形態では、前記DEMUX処理によって処理される前記複数のフレームは、動画符号化方式での画面内予測符号化ピクチャーであるIフレームと前方向予測符号化ピクチャーであるPフレームと双方向予測符号化ピクチャーであるBフレームとを含む。
【0060】
前記複数のフレームは、前記Iフレームから次のIフレームの直前のフレームまでを少なくとも含む符号化映像データであることを特徴とする(図4参照)。
【0061】
他の好適な実施の形態は、前記複数のフレームは1つのグループオブピクチャー(GOP)に略対応していることを特徴とする(図4参照)。
【0062】
更に他の好適な実施の形態では、前記実行の前記準備が完全には満足されていないと判断された場合でも、前記TSバッファ(222)に蓄積済みの前記トランスポートストリームデータのデータ量が前記1つのグループオブピクチャー(GOP)のデータ量よりも少ないとの確認(ステップ506の“No”)と、前記TSバッファ(222)の実効的な蓄積データ量よりも前記映像バッファ(242)の空き容量が大きいとの確認(ステップ510の“Yes”)とによって、前記TSバッファ(222)に蓄積済みの前記トランスポートストリームデータのみのDEMUX処理の実行が開始されることを特徴とする(図6;ステップ512、図8;ステップ700参照)。
【0063】
より好適な実施の形態では、前記TSバッファ(222)に蓄積済みの前記トランスポートストリームデータのみの前記DEMUX処理の前記実行の完了の後、前記1つのGOPの残りのトランスポートストリームデータが前記TSバッファ(222)に蓄積されるのを待ち(ステップ704)、更に前記映像バッファ(242)に必要な空き容量が確保されるのを待って(ステップ706)、前記トランスポートストリームバッファに蓄積された前記残りのトランスポートストリームデータのDEMUX処理の実行(ステップ708)が開始されることを特徴とする(図8参照)。
【0064】
更により好適な実施の形態では、前記実行の前記準備が完全には満足されていないと判断された場合でも、前記TSバッファ(222)に蓄積済みの前記トランスポートストリームデータのデータ量が前記1つのグループオブピクチャー(GOP)のデータ量よりも少ないとの確認(ステップ506の“No”)と、前記TSバッファ(222)の実効的な蓄積データ量よりも前記映像バッファ(242)の空き容量が小さいとの確認(ステップ510の“No”)とによって、前記映像バッファ(242)の前記空き容量に対応する前記TSバッファ(222)に蓄積済みのトランスポートストリームデータのみのDEMUX処理の実行が開始されることを特徴とする(図6;ステップ514、図9;ステップ800参照)。
【0065】
具体的な一つの実施の形態は、前記TSバッファ(222)に蓄積済みの前記映像バッファ(242)の前記空き容量に対応する前記トランスポートストリームデータのみの前記DEMUX処理の前記実行の完了の後に、前記1つのグループオブピクチャー(GOP)の残りのトランスポートストリームデータが前記TSバッファ(222)に蓄積されるのを待ち(ステップ804)、前記映像バッファ(242)に必要な空き容量が確保されるのを待ち(ステップ806)、前記TSバッファ(222)に蓄積された前記残りのトランスポートストリームデータのDEMUX処理の実行(ステップ808)が開始されることを特徴とする(図9参照)。
【0066】
より具体的な一つの実施の形態は、前記多重化処理部(210)によって生成される前記符号化映像データと前記符号化音声データとは映像符号・復号部(130)と音声符号・復号部(150)とによって復号映像データと復号音声データとにそれぞれ変換されることを特徴とする(図2、図3参照)。
【0067】
更により具体的な一つの実施の形態は、前記TSバッファ(222)に蓄積可能な前記トランスポートストリームデータは、携帯システムのストレージ(110)から取得されるデータに基づくことを特徴とする(図2参照)。
【0068】
更に他のより具体的な一つの実施の形態による多重化制御装置(100)は、放送付随情報としての番組情報(PSI/SI)が格納可能であるデータ記憶部(230)を更に具備する。
【0069】
前記多重化処理部(210)は前記TSバッファ(222)に蓄積された前記トランスポートストリームデータの前記DEMUX処理を実行することによって、前記符号化映像データと前記符号化音声データとを生成可能である伴に前記番組情報(PSI/SI)を生成可能である。
【0070】
前記データ記憶部(230)には前記多重化処理部(210)により生成される前記番組情報(PSI/SI)が蓄積可能である(図3参照)。
【0071】
最も具体的な実施の形態は、前記実行の準備が満足されているか否かの前記判定は、前記多重化制御装置(100)の内部の判定部(200)で判定されることを特徴とする。
【0072】
《実施の形態の説明》
次に、実施の形態について更に詳述する。尚、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、前記の図と同一の機能を有する部品には同一の符号を付して、その繰り返しの説明は省略する。
【0073】
《携帯電話の構成》
図1は、本発明の1つの実施の形態による携帯電話のハードウェアの一構成を示す図である。
【0074】
図1の携帯電話は、携帯電話の機能を実現するために、アンテナ4、デュプレクサ5、RFアナログ信号処理集積回路6、RF電力増幅器7、ベースバンドプロセッサ8、アプリケーションプロセッサ3、オーディオ集積回路9、スピーカー10、マイクロフォン11を含んでいる。
【0075】
また、図1の携帯電話は、地上波デジタル放送の視聴および予約による外部不揮発性半導体記憶装置への録画を可能とするために、ロッドアンテナ1、地上波デジタル放送/チューナーモジュール2、アプリケーションプロセッサ3を含んでいる。地上波デジタル放送/チューナーモジュール2は、地上波デジタル放送を受信するチューナーモジュールである。
【0076】
更に、アプリケーションプロセッサ3に接続されたLCD表示装置16とベースバンドプロセッサ8に接続されたオーディオ集積回路9とは、携帯電話の機能と地上波デジタル放送の視聴を可能とするため使用される。また、アプリケーションプロセッサ3に接続されたカメラ17とマイク18と外部記憶装置15とは、デジタルビデオカメラシステムによる動画撮影を可能とするものである。
【0077】
図示されてはいないが、アプリケーションプロセッサ3には操作キーや操作ボタンを有する操作デバイスが接続され、エンドユーザーが操作デバイスを操作することにより携帯電話による通話や地上波デジタル放送の視聴および予約録画またカメラによる動画撮影が可能となる。
【0078】
《携帯電話の機能》
ベースバンドプロセッサ8には携帯電話の動作を制御するCPUコア81が含まれ、ベースバンドプロセッサ8のCPUコア81はアプリケーションプロセッサ3と電気的に接続されている。エンドユーザーが操作デバイスを操作することによって、操作信号がアプリケーションプロセッサ3からベースバンドプロセッサ8のCPUコア81に伝達されるので、携帯電話による通話が開始される。
【0079】
アンテナ4により受信された基地局からのRF受信信号はデュプレクサ5を介して、RFIC6内部の受信信号処理部に供給される。RF受信信号はRFIC6の受信信号処理部でアナログ受信ベースバンド信号にダウンコンバートされ、アナログ受信ベースバンド信号はRFIC6内部のA/D変換器によってデジタル受信ベースバンド信号に変換される。
【0080】
RFIC6のA/D変換器から供給されるデジタル受信ベースバンド信号はベースバンドプロセッサ8で復調信号処理を受け、D/A変換器82によるD/A変換によって受信音声出力信号が生成される。受信音声出力信号は、オーディオIC9で増幅された後、スピーカー10に供給される。
【0081】
マイクロフォン11の送信音声入力信号はオーディオIC9で増幅された後、ベースバンドプロセッサ8のA/D変換器83によるA/D変換によってデジタル信号に変換され更にベースバンドプロセッサ8の変調信号処理を受け、デジタル送信ベースバンド信号に変換される。このデジタル送信ベースバンド信号は、RFIC6のD/A変換器によるD/A変換によってアナログ送信ベースバンド信号に変換され、アナログ送信ベースバンド信号はRFIC6の受信信号処理部でRF送信信号にアップコンバートされる。RF送信信号はRF電力増幅器7で増幅された後、デュプレクサ5とアンテナ4とを介して基地局に送信される。
【0082】
地上波デジタル放送/チューナーモジュール2、ベースバンドプロセッサ8、オーディオIC9には、アプリケーションプロセッサ3が接続されている。
【0083】
《アプリケーションプロセッサの構成》
アプリケーションプロセッサ3は、中央処理ユニット(CPU)31、外部メモリインターフェースユニット32、マルチメディア処理部33、LCDコントローラ34、カメラ信号処理ユニット35、マイク信号処理ユニット36により構成されている。
【0084】
CPU31は、CPUコア311、命令キャッシュメモリ312、データキャッシュメモリ313、内蔵RAM314を含んでいる。
【0085】
外部メモリインターフェースユニット32は、第1外部不揮発性半導体記憶装置12としてのフラッシュメモリに接続される第1外部メモリインターフェース322、第1外部揮発性記憶装置13としての同期型ダイナミックランダムアクセスメモリに接続される第2外部メモリインターフェース323を含んでいる。
【0086】
フラッシュメモリ12にはモバイル端末としての携帯電話の基本的な動作のためのオペレーティングシステム(OS)のソフトウェアが格納可能であり、SDRAM13には携帯電話の動作中および地上波デジタル放送の視聴動作もしくは予約録画を可能とする受信機の種々のデータが格納可能である。
【0087】
外部メモリインターフェースユニット32は、更に第2外部不揮発性半導体記憶装置14としてのフラッシュメモリに接続される第3外部メモリインターフェース324、外部記憶装置15としてのモバイル端末としての携帯電話に挿入接続されるフラッシュメモリカードに接続される拡張外部メモリインターフェース325を含んでいる。
【0088】
フラッシュメモリ14には、フラッシュメモリ12に格納されたOS上に構築可能な携帯電話および地上波デジタル放送受信機の種々のアプリケーションプログラムのソフトウェアが、格納可能である。更に、外部記憶装置15は、フラッシュメモリカードまたはハードディスクドライブ装置(HDD:Hard Disk Drive)等によって構成されることができる。この外部記憶装置15には、携帯電話と地上波デジタル放送受信機とデジタルビデオカメラシステムによる動画撮影とに関連してエンドユーザーが不揮発記憶を指定して不揮発記憶する種々のデータおよびコンテンツが、格納可能である。
【0089】
マルチメディア処理部33は、トランスポートストリーム入力インターフェース331、映像コーデック332、画像処理ユニット333、音声コーデック334、音声処理ユニット335、マルチプレクサー/デマルチプレクサー336により構成されている。また、マルチメディア処理部33は、LCD表示装置16とスピーカー10とによる画像表示と音声出力のためにLCDコントローラ34とオーディオIC9に接続されている。また、マルチメディア処理部33は、デジタルビデオカメラシステムのカメラ17とマイク18とによる動画撮影を可能とするためにカメラ信号処理ユニット35とマイク信号処理ユニット36とに接続されている。
【0090】
地上波デジタル放送/チューナーモジュール2からのトランスポートストリームは、地上波デジタル放送/チューナーモジュール2で受信されたデジタル放送番組の圧縮符号化形式の映像情報、音声情報および付随伝送情報等の固定長パケットを含んでいる。付随情報には、番組特定情報(PSI)、および、番組配列情報(SI)が含まれている。
【0091】
≪デジタルビデオカメラシステムによる動画撮影≫
アプリケーションプロセッサ3に接続されたカメラ17とマイク18と外部記憶装置15とは、デジタルビデオカメラシステムによる動画撮影を可能とするものである。すなわち、マルチメディア処理部33は、デジタルビデオカメラシステムのカメラ17とマイク18とによる動画撮影を可能とするためにカメラ信号処理ユニット35とマイク信号処理ユニット36とに接続されている。カメラ17からの映像入力信号はカメラ信号処理ユニット35によって処理された後、画像処理ユニット333に供給され、拡大、または、縮小、画像合成、画質調整等を施されて映像コーデック332に入力される。マイク18からの音声入力信号はマイク信号処理ユニット36によって処理された後、音声処理ユニット335に供給され、音質調整等を施されて音声コーデック334に入力される。また、映像コーデック332および音声コーデック334で生成された映像符号化情報および音声符号化情報は、マルチプレクサー/デマルチプレクサー336により所望のファイル形式に変換された後に、拡張外部メモリインターフェース325を介し外部記憶装置15へ格納される。
【0092】
≪動画符号化方法≫
図10は、MPEGの動画符号化方式における階層構造を説明する図である。図10に示すように、MPEGの動画符号化方式は動画像全体に対応するシーケンス(Sequence)から離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)の処理単位のブロック(Block)までの6階層の構造を有する。すなわち、第1階層はシーケンス(Sequence)、第2階層はグループオブピクチャー(GOP)、第3階層はピクチャー(Picture)、第4階層はスライス(Slice)、第5階層はマクロブロック(Macro-block)、第6階層はブロック(Block)である。この階層構造は動画像構造をベースとしたものであるが、グループオブピクチャー(GOP)に含まれるピクチャー(Picture)の数もしくはスライス(Slice)に含まれるマクロブロック(Macro-block)の数は比較的柔軟となっている。しかしながら、図10からは1つのグループオブピクチャー(GOP)のデータのサイズは、Iフレームから次のIフレームまでの映像データのサイズに略対応することが理解できる。
【0093】
≪マルチプレクサー/デマルチプレクサーの構成≫
図2は、本発明の1つの実施の形態による携帯電話端末に内蔵されたマルチプレクサー/デマルチプレクサーを実現する多重化制御装置の構成を示す図である。
【0094】
図2に示すマルチプレクサー/デマルチプレクサーは、携帯電話端末に搭載されたマルチメディア機能の1つとしてのデジタルビデオカメラシステムを構築している。すなわち、図2の多重化制御装置100は図1のマルチプレクサー/デマルチプレクサー338に対応して、図2のストレージ110とアプリケーションプログラム170とは図1の外部記憶装置15とフラッシュメモリ14に格納されたアプリケーションプログラムのソフトウェアとに対応している。更に、図2のカメラ140とディスプレイ144とマイク160とスピーカー164とは、図1のカメラ17とLCD表示装置16とマイク18とスピーカー10にそれぞれ対応している。また、図2の番組特定情報(PSI)/番組配列情報(SI)制御部180には、図1の地上波デジタル放送/チューナーモジュール2からの付随情報としての番組特定情報(PSI)と番組配列情報(SI)とが格納される。
【0095】
以下に、図2に示すマルチプレクサー/デマルチプレクサーに関して、詳細に説明する。
【0096】
マルチプレクサー/デマルチプレクサーである多重化制御装置100は、再生時のDEMUX処理と記録時のMUX処理を実行するモジュールである。
【0097】
≪再生時のデマルチプレックス処理≫
再生時のDEMUX処理では、多重化制御装置100は、アプリケーションプログラム170により指定されたパケット識別子(PID)に従ってストレージ110から映像データと音声データとを抽出して映像符号・復号部130と音声符号・復号部150とにそれぞれ供給する。
【0098】
≪記録時のマルチプレックス処理≫
記録時のMUX処理では、多重化制御装置100は、映像符号・復号部130と音声符号・復号部150、番組特定情報(PSI)/番組配列情報(SI)制御部180とからの生成データを多重化してストレージ110へ格納する。
【0099】
すなわち、カメラ140によって取得された画像データは、画像処理部142によって拡大・縮小、ブレンド、色変換等の処理が行われた後、映像符号・復号部130に供給されて圧縮され、多重化制御装置100の入力画像データとなる。マイク160によって取得された音声データは、音声処理部162によってアナログ/デジタル変換の処理と高音質化等の処理が行われた後に、音声符号・復号部150に供給されて圧縮され、多重化制御装置100の入力音声データとなる。番組特定情報(PSI)/番組配列情報(SI)制御部180は上述したように、再生に必要な制御情報や付加情報を生成する。従って、入力画像データと入力音声データと制御情報および付加情報は、多重化制御装置100により多重化のためのMUX処理を受けた後にストレージ110へ格納される。
【0100】
尚、映像符号・復号部130は映像信号に関するエンコーダ(Encoder:符号器)とデコーダ(Decoder:復号器)の両方の機能を持つ映像コーデックと呼ばれ、音声符号・復号部150も映像信号に関するエンコーダとデコーダの両方の機能を持つ音声コーデックと呼ばれる。
【0101】
≪ストレージおよびアプリケーションプログラム≫
ストレージ110には、携帯電話端末に内蔵されたフラッシュメモリのような不揮発性メモリやハードディスクドライブ装置(HDD:Hard Disk Drive)等だけではなく、携帯電話端末のスロットに挿入可能な着脱型の不揮発性メモリが使用される。
【0102】
アプリケーションプログラム170は、再生時のパケット識別子(PID)の指定を実行する一方、再生の開始および停止と言ったユーザコマンドの通知も実行する。アプリケーションプログラム170は、更に多重化処理部100、映像符号・復号部130、画像処理部142、音声符号・復号部150、音声処理部162、PSI/SI制御部180の再生、記録に関連するモジュールの機能選択やパラメータ設定等を実行する。
【0103】
≪多重化制御装置の構成≫
図3は、図2に示した本発明の1つの実施の形態による多重化制御装置100の構成を示す図である。
【0104】
図3に示す多重化制御装置100は、多重化処理量決定部200、DEMUX処理位置記憶部202、多重化処理部210、TSバッファ制御部220、TSバッファ222、PSI/SIデータ記憶部230、映像バッファ制御部240、映像バッファ242、映像管理情報記憶部244、音声バッファ制御部250、音声バッファ252、音声管理情報記憶部254、Iフレーム位置検出部260、Iフレーム位置記憶部262を含んでいる。
【0105】
また、図3に示した多重化制御装置100では、記録時でのMUX処理と再生時でのDEMUX処理とに、TSバッファ222、映像バッファ242、音声バッファ252が使用される。TSバッファ222、映像バッファ242、音声バッファ252を構成するためのメモリは、携帯電話に搭載された内蔵RAM、または、携帯電話外部に搭載された同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM:Synchronous Dynamic Random Access Memory)によって構成される。
【0106】
まず、TSバッファ制御部220はTSバッファ222のメモリ制御を行い、DEMUX処理の時にTSバッファ222の空き容量(未使用記憶容量)に応じてストレージ110から必要なトランスポートストリームのデータをTSバッファ222に蓄積する。一方、TSバッファ制御部220は、MUX処理の時には、TSバッファ222に格納された多重化処理部210の出力結果をストレージ110へ転送する。
【0107】
映像バッファ制御部240は映像バッファ242のメモリ制御を行って、DEMUX処理の時に多重化処理部210によって出力された映像データを映像バッファ242に蓄積して映像符号・復号部130へ供給する。一方、映像バッファ制御部240は、MUX処理の時に映像符号・復号部130の出力データを映像バッファ242に蓄積して多重化処理部210へ供給する。
【0108】
映像管理情報記憶部244は、表示タイムスタンプ(PTS:Presentation Time Stamp)や復号タイムスタンプ(DTS:Decoding Time Stamp)、映像バッファ242でのエレメンタリストリームの格納先と格納サイズ等のDEMUX処理の際に映像符号・復号部130が使用する多重化処理部210によって出力された情報を格納するものである。また映像管理情報記憶部244は、MUX処理の際に多重化処理部210が使用する映像符号・復号部130によって出力された情報を格納する。ここで、表示タイムスタンプ(PTS)は、表示時刻を示すタイムスタンプであり、復号タイムスタンプ(DTS)はデコード時刻を示すタイムスタンプである。これは、双方向予測符号化ピクチャー(Bピクチャー、Bフレーム)の導入により、表示時刻とデコード時刻、すなわち、カメラからの画像データの取得時刻と符号化時のエンコード時刻が異なることに対応するためである。
【0109】
音声バッファ制御部250は音声バッファ252のメモリ制御を行って、DEMUX処理の時に多重化処理部210によって出力された音声データを音声バッファ252に蓄積して音声符号・復号部150へ供給する。一方、音声バッファ制御部250は、MUX処理の時に音声符号・復号部150の出力データを音声バッファ252に蓄積して、多重化処理部210へ供給する。
【0110】
音声管理情報記憶部254は、音声の出力時刻を示す表示タイムスタンプ(PTS)、音声バッファ252におけるエレメンタリストリームの格納先と格納サイズ等のDEMUX処理の際に音声符号・復号部150が使用する多重化処理部210によって出力された情報を格納する。また音声管理情報記憶部254は、MUX処理の際に多重化処理部210が使用する音声符号・復号部150によって出力された情報を格納する。
【0111】
Iフレーム位置記憶部262の記憶内容は、Iフレーム位置検出部260によって記録時に生成されて、ストレージ110にも格納されている。上述したように、MPEG−2、MPEG−4等の動画符号化方式では、画面内予測符号化ピクチャー(Iピクチャー)と順方向予測符号化ピクチャー(Pピクチャー)と双方向予測符号化ピクチャー(Bピクチャー)とが使用され、画面内予測符号化ピクチャー(Iピクチャー)はフレーム/フィールド内符号化画像である。従って、Iフレームは、他のフレームを参照すること無しにそれ自体で復号可能なフレームである。Iフレームは、早送り、早戻し、スキップ、タイムサーチ、チャプタースキップ等のトリックプレイと呼ばれる特殊操作時の先頭フレームとして使用される。トランスポートストリーム内のIフレームの検出を単純化してトリックプレイを容易に実現することを目的として、記録時には予め、表示タイムスタンプ(PTS)、復号タイムスタンプ(DTS)、Iフレーム先頭データを含むTSパケットのコンテンツの先頭からのパケット数やアドレス、Iフレームデータのサイズが、Iフレーム位置記憶部262に格納される。
【0112】
再生時には、Iフレーム位置記憶部262に格納された記憶内容を使用して、Iフレームの検出を行う。すなわち、Iフレーム位置検出部260はDEMUX処理の際にストレージ110からIフレームに関する情報をIフレーム位置記憶部262に読み出して、DEMUX処理を行う先頭TSパケットを決定する。
【0113】
グループオブピクチャー(GOP:Group of Picture)のデータのサイズは、Iフレームから次のIフレームまでの映像データのサイズに略対応している。従って、Iフレーム位置記憶部262に記録された1つのIフレームの先頭のアドレスと次のIフレーム先頭のアドレスとの差分のサイズに、1つのGOPのトランスポートストリームのデータが略含まれることになる。
【0114】
従って、多重化処理量決定部200は、TSバッファ制御部220と映像バッファ制御部240と音声バッファ制御部250とIフレーム位置検出部260等と連携して、多重化の処理を実行するデータ量を決定することによって多重化処理部210を制御する。また、更に多重化処理量決定部200は、アプリケーションプログラム170から供給される再生開始、停止、一時停止等のユーザ操作も受け付ける。
【0115】
また、DEMUX処理位置記憶部202にはDEMUX処理の結果に応じて、次にDEMUX処理を行う映像データのタイムスタンプを記憶する(図4のステップ324)。アプリケーションプログラム170からトリックプレイの指示を受信している場合、DEMUX処理位置記憶部202には、トリックプレイの指示と同時に指定される時刻が格納される。
【0116】
≪デマルチプレックス処理の制御フロー≫
図4は、図3に示した本発明の1つの実施の形態による多重化制御装置100によるDEMUX処理の制御フローを説明する図である。
【0117】
図3に示した多重化制御装置100を使用するストレージ110に格納されたトランスポートストリームのDEMUX処理は、下記のような特徴を有している。
【0118】
すなわち、図4のDEMUX処理の処理(ステップ312)では、多重化制御装置100は1つのGOPに含まれる複数のフレーム(ピクチャー)を単位とした処理を実行する。この処理によって、トランスポートストリームから複数のビデオフレームおよびオーディオデータが生成され、映像符号・復号部130のビデオデコーダと音声符号・復号部150のオーディオデコーダに供給される。
【0119】
しかし、このDEMUX処理の処理(ステップ312)の開始前に、多重化処理量決定部200により、DEMUX処理を実行する準備が満足されているかを事前に判断する。DEMUX処理実行の準備が満足されているかの事前判断は、TSバッファ222の蓄積状態と映像バッファ242の蓄積状態を検証するものである(ステップ300〜ステップ308)。
【0120】
以下に、図4に記載したDEMUX処理時の制御フローの詳細な説明を行う。
【0121】
多重化制御装置100のIフレーム位置検出部260はDEMUX処理位置記憶部202によって示されるタイムスタンプの直前のIフレーム位置を検出して、更に次のIフレーム位置のアドレスとの差分を算出する。このアドレス差分値に対応するトランスポートストリームが、TSバッファ222に蓄積されなければならないデータ量(すなわち、1つのGOPのデータ量)となる。また、映像バッファ242に必要なバッファ記憶容量BMCは、TSパケットからTSヘッダを除去した集合であるため、下記(1式)で目安となる値が算出可能である。
【0122】
BMC=Diff_Add_Iframe×(Size_TS_Payload/Size_TS_Packet)…(式1)
ここで、Diff_Add_IframeはIフレーム間のアドレス差分値を示し、Size_TS_Payloadはトランスポートストリームのペイロードサイズを示し、Size_TS_Packetはトランスポートストリームのパケットサイズを示している。
【0123】
Iフレーム間のアドレスオフセット差分値Diff_Add_Iframeには音声データと番組特定情報(PSI)/番組配列情報(SI)が含まれているため、差分値Diff_Add_Iframeは実際に出力されるサイズよりも大きな値になる。しかし、記録時の映像データ、音声データ、番組特定情報(PSI)/番組配列情報(SI)のMUX処理の方法には厳格な規定があるわけではないので、他の機器で記録されたコンテンツについては、アルゴリズムが不明なため厳密な計算が不可能となる。従って、図4のステップ300では、(式1)に従って1つのGOPのDEMUX処理の後の映像データ量を推定する。
【0124】
図4の次のステップ302では、TSバッファ制御部220によってTSバッファ222に蓄積済のトランスポートストリームのデータ量を取得する。
【0125】
さらに、図4の次のステップ304では、映像バッファ制御部240によって映像バッファ242の空き容量(未使用記憶容量)を取得する。
【0126】
そして、ステップ300で取得した1つのGOPの映像データ量とステップ302で取得したTSバッファ222に蓄積済のTSデータ量とを比較して、蓄積済のTSデータ量が1つのGOPのデータ量以上になるまで図4のステップ306にて待つものである。
【0127】
次に、ステップ300で推定した1つのGOPの映像データ量とステップ304で取得した映像バッファ242の空き容量(未使用記憶容量)を比較して、映像バッファ242の空き容量(未使用記憶容量)が推定した1つのGOPの映像データ量以上になるまで図4のステップ308にて待つ。
【0128】
ステップ308が完了すると、TSバッファ222に1つのGOPの映像データの準備が完了して、映像バッファ242には1つのGOPの映像データの出力に充分なバッファの空き領域が確保できたことになる。音声データに関しては、固定のビットレート(各フレームのエレメンタリストリームのサイズが一定)であれば、音声バッファ252に確保すべきバッファのサイズを特定することが可能である。しかし、音声データが可変のビットレート(各フレームのエレメンタリストリームのサイズが可変)の場合には、Iフレーム位置記憶部262に対応する記憶部が音声のDEMUX処理のために存在していないため音声バッファのサイズを推定することが不可能である。しかしながら、想定される範囲で極力大きなサイズを確保することにする。その理由は、音声データのビットレートが映像データのビットレートの1/10程度かそれより小さいために、映像データと比較すれば音声データによるシステム全体へのメモリ使用量のインパクトは軽微のためである。
【0129】
続いて、図4のステップ312で、多重化処理部210に1つのGOPのデータ量のDEMUX処理を指示する。この時に、入力データが格納されたTSバッファ222の格納先アドレスとサイズ、出力データの格納先となる映像バッファ242の格納先アドレスと音声バッファ252の格納先アドレス、PSI/SIデータ記憶部230と映像管理情報記憶部244と音声管理情報記憶部254の格納先アドレスを指定する。
【0130】
図4のステップ314では多重化処理部210でのDEMUX処理が完了したか否かが判定される。完了した判定されると、図4のステップ316でTSバッファ制御部220にDEMUX処理が完了したトランスポートストリームのデータの開放を指示する。その後、ファイル終端に到達した場合(ステップ318)、または、アプリケーションプログラム170より停止コマンドまたは一時停止コマンドを受信している場合(ステップ320)、DEMUX処理を終了する。また、アプリケーションプログラム170から早送り、早戻し、スキップ、タイムサーチ、チャプタースキップ等のトリックプレイコマンドを受信している場合は、ステップ322とステップ326とでDEMUX処理位置記憶部202を指定時刻に変更する。しかし、アプリケーションプログラム170からトリックプレイコマンドを受信していない場合は、ステップ322とステップ324とでDEMUX処理位置記憶部202を次のGOPの先頭タイムスタンプ(次のIフレームのPTS)に変更する。
【0131】
すなわち、図4のステップ318でのファイル終端に到達したか否かの判断と、ステップ320でのアプリケーションプログラム170から停止コマンドまたは一時停止コマンドの受信の有無の判断と、ステップ322でのトリックプレイコマンドの受信の有無の判断とが実行される。
【0132】
≪マルチプレックス処理の制御フロー≫
図5は、図3に示した本発明の1つの実施の形態による多重化制御装置100によるMUX処理の制御フローを説明する図である。
【0133】
図5に示したトランスポートストリームを生成してストレージ110に格納するMUX処理は、下記のような特徴を有している。
【0134】
すなわち、図5のMUX処理の処理(ステップ410)では、多重化制御装置100は1つのGOPに含まれる複数のフレームを単位とした処理を実行する。映像符号・復号部130のビデオエンコーダと音声符号・復号部150のオーディオエンコーダからの符号化データ、および、PSI/SI制御部180が生成したPSI/SIデータが多重化処理部210に入力され、MUX処理によりトランスポートストリームが生成されてストレージ110に格納される。
【0135】
このMUX処理の処理(ステップ410)の開始前に、多重化制処理量決定部200により、MUX処理を実行する準備が満足されているかを事前に判断する。MUX処理実行の準備が満足されているかの事前判断は、映像バッファ242の蓄積状態と音声バッファ252の蓄積状態とTSバッファ222の蓄積状態を検証するものである(ステップ400〜ステップ408)。
【0136】
以下、図5に示す再生時のMUX処理の内容を詳細に説明する。
【0137】
図5のステップ400にて、映像バッファ制御部240からの1つのGOPの映像データの映像バッファ242への蓄積完了通知を受信することによって、MUX処理が開始される。
【0138】
図5のステップ402では音声バッファ制御部250から音声バッフ記憶部252に蓄積済みの音声データ量とフレーム数とを取得し、ステップ403においてMUX処理で必要とする音声フレーム数に到達するのを待つものである。
【0139】
図5のステップ404では、MUX処理の後のトランスポートストリームのデータ量を算出する。DEMUX処理の場合と異なり、図3に示す多重化処理部210自らがMUX処理を行うため、正確なデータ量の算出が可能である。すなわち、多重化制御装置100は、トランスポートストリームのデータ量を、映像データ、音声データ、PSI/SIデータのマルチプレックスアルゴリズムに従って算出する。
【0140】
図5のステップ406ではTSバッファ制御部220からTSバッファ222の空き容量(未使用記憶容量)を取得して、ステップ408ではTSバッファ222の空き容量がステップ404で算出したMUX処理の後のトランスポートストリームデータ量以上になるまで待つものである。
【0141】
トランスポートストリームデータ量よりもTSバッファの空き容量が大きくなると、ステップ410にて多重化処理部210に対してMUX処理の後のトランスポートストリームデータ量分のMUX処理を指示する。この時に、入力データが格納された映像データの映像バッファ242の格納先アドレスとサイズ、音声データの音声バッファ252の格納先アドレスとサイズ、出力データの格納先となるTSバッファ222の格納先アドレス、PSI/SIデータ記憶部230と映像管理情報記憶部244と音声管理情報記憶部254の格納先アドレスを設定する。
【0142】
図5のステップ412では、多重化処理部210によるMUX処理の完了を待つものである。処理が完了すると、ステップ414とステップ416とで映像バッファ制御部240と音声バッファ制御部250とに映像バッファ242と音声バッファ252のMUX処理済みのデータの開放を指示する。ステップ418にて、ストレージ110の記憶容量の不足となるか、規格や仕様で規定された最大記録サイズに到達すると、処理は終了する。ステップ420にてアプリケーションプログラム170よって停止コマンドか一時停止コマンドを受信すると、処理は終了する。
【0143】
≪その他のデマルチプレックス処理の制御フロー≫
図6は、図3に示した本発明の1つの実施の形態による多重化制御装置100によるその他のDEMUX処理の制御フローを説明する図である。
【0144】
すなわち、図6に示す制御フローは、図4に示した制御フローのステップ306からステップ314までの処理を図6のステップ506からステップ514までの処理によって置換したものである。
【0145】
また、図7は、図6に示す制御フローのステップ508のDEMUX処理1の内容を説明する図である。
【0146】
図3に示した多重化制御装置100を使用するストレージ110に格納されたトランスポートストリームの図7に示す再生時のDEMUX処理は、上述の図4と同様に下記のような特徴を有している。
【0147】
すなわち、図7のDEMUX処理の処理(ステップ600)では、多重化制御装置100は1つのGOPに含まれる複数のフレーム(ピクチャー)を単位とした処理を実行する。この処理によって、トランスポートストリームから1つのGOP分のビデオフレーム、および、複数のオーディオデータが生成され、映像符号・復号部130のビデオデコーダと音声符号・復号部150のオーディオデコーダに供給される。
【0148】
このDEMUX処理の処理(ステップ600)の開始前に、多重化処理量決定部200がDEMUX処理を実行する準備が満足されているかを事前に判断する。DEMUX処理実行の準備が満足されているかの事前判断は、TSバッファ222の蓄積状態と映像バッファ242の蓄積状態を検証するものである(図6のステップ506)。
【0149】
更に、図8は、図6に示す制御フローのステップ512のDEMUX処理2の内容を説明する図である。
【0150】
図3に示した多重化制御装置100を使用するストレージ110に格納されたトランスポートストリームの図8に示す再生時のDEMUX処理は、下記のような特徴を有している。
【0151】
すなわち、図8のDEMUX処理の処理(ステップ700)では、多重化制御装置100はTSバッファ222に格納済みのトランスポートストリームのみの処理を実行する。この処理によって、トランスポートストリームから蓄積済みのトランスポートストリーム内に含まれるビデオデータ、および、オーディオデータが生成され、映像符号・復号部130のビデオデコーダと音声符号・復号部150のオーディオデコーダに供給される。
【0152】
このDEMUX処理の処理(ステップ700)の開始前に、多重化処理量決定部200がDEMUX処理を実行する準備が満足されているかを事前に判断する。1つのGOPより少ないデータ量でのDEMUX処理実行の準備が満足されているかの事前判断は、TSバッファ222に蓄積済みのデータ量が1つのGOPのデータ量よりも小さいと言う検証結果(図6のステップ506の“No”の結果)と、TSバッファ222の実効蓄積データ量よりも映像バッファ242の空き容量が大きいと言う検証結果(図6のステップ510の“Yes”の結果)とを利用するものである。ステップ702にてステップ700のDEMUX処理の実行の完了が確認されると、同一の1つのGOPのDEMUX処理を行わなかった残りのトランスポートストリームデータがTSバッファ222に蓄積されるのを待ち(図8のステップ704)、更に、同一の1つのGOPのDEMUX処理を行わなかった残りのトランスポートストリームデータ内に含まれる推定映像データ量以上に映像バッファ242に空き領域が確保されるのを待ち(図8のステップ706)、同一の1つのGOPでDEMUX処理を行っていない残りのトランスポートストリームデータのDEMUX処理を開始する(図8のステップ708)。
【0153】
また、図9は、図6に示す制御フローのステップ514のDEMUX処理3の内容を説明する図である。
【0154】
図3に示した多重化制御装置100を使用するストレージ110に格納されたトランスポートストリームの図9に示す再生時のDEMUX処理は、下記のような特徴を有している。
【0155】
すなわち、図9のDEMUX処理の処理(ステップ800)では、多重化制御装置100は1つのGOPに含まれて映像バッファ242の空き容量に対応するデータ量のみの処理を実行する。この処理によって、トランスポートストリームから映像バッファ242の空き容量に対応するビデオデータおよびそのトランスポートストリーム内に含まれるオーディオデータが生成され、映像符号・復号部130のビデオデコーダと音声符号・復号部150のオーディオデコーダに供給される。
【0156】
映像バッファ242の空き容量に対応するトランスポートストリームデータのDEMUX処理の処理(ステップ800)の開始前に、多重化処理量決定部200がDEMUX処理を実行する準備が満足されているかを事前に判断する。このDEMUX処理実行の準備が満足されているかの事前判断は、TSバッファ222に蓄積済みのデータ量が1つのGOPのデータ量よりも小さいと言う検証結果(図6のステップ506の“No”の結果)と、TSバッファ222の実効蓄積データ量よりも映像バッファ242の空き容量が小さいと言う検証結果(図6のステップ510の“No”の結果)とを利用するものである。ステップ802にてステップ800のDEMUX処理の実行の完了が確認されると、同一の1つのGOPでDEMUX処理を行っていない残りのトランスポートストリームデータがTSバッファ222に蓄積されるのを待ち(図9のステップ804)、更に、同一の1つのGOPでDEMUX処理を行っていない残りのトランスポートストリーム内に含まれる推定映像データのデータ量以上に映像バッファ242に空き領域が確保されるのを待ち(図9のステップ806)、同一の1つのGOPでDEMUX処理を行っていない残りのトランスポートストリームデータのDEMUX処理を開始する(図9のステップ808)。
【0157】
以下に、図6から図9までに示すDEMUX処理の内容を、詳細に説明する。
【0158】
図6のステップ506では、ステップ302にて取得したTSバッファ222に蓄積済みのTSデータ量とステップ300にて取得した1つのGOPのデータ量とが比較される。また、ステップ304で取得した映像バッファの空き容量(未使用記憶容量)とステップ300で取得した1つのGOPの映像データ量とが比較される。ステップ302にて取得したTSバッファ222に蓄積済みのTSデータ量がステップ300にて取得した1つのGOPのデータ量以上となること、更にステップ304で取得した映像バッファの空き容量(未使用記憶容量)がステップ300で取得した1つのGOPの映像データ量以上となることの2つの条件が成立する場合に、ステップ508のDEMUX処理1が実行される。
【0159】
図6の制御フローのステップ508のDEMUX処理1に対応する図7に示す処理のステップ600では、図4のステップ312と同様に、多重化処理部210に1つのGOPのデータ量のDEMUX処理を指示する。この時に、入力データが格納されたTSバッファ222の格納先アドレスとサイズ、出力データの格納先となる映像バッファ242の格納先アドレスと音声バッファ252の格納先アドレス、PSI/SIデータ記憶部230と映像管理情報記憶部244と音声管理情報記憶部254の格納先アドレスを指定する。
【0160】
図7に示す処理のステップ602では、図4のステップ314と同様に、多重化処理部210でのDEMUX処理が完了したか否かが判定される。完了した判定されると、図4のステップ316と全く同様に図6のステップ316でTSバッファ制御部220にDEMUX処理が完了したトランスポートストリームデータの開放を指示する。図6のステップ318、ステップ320、ステップ322、ステップ324、ステップ326のそれぞれの処理は、図4と全く同一であるので、説明を省略する。
【0161】
図6のステップ506で、上述した2つの条件が成立しない場合に、図6のステップ510の処理が実行される。すなわち、図6のステップ510の処理では、最初に、ステップ302にて取得したTSバッファ222に蓄積済みのTSデータ量STSDからTSヘッダを除去した実効蓄積データ量ESDが下記(式2)によって計算される。
【0162】
ESD=STSD×(Size_TS_Payload/Size_TS_Packet)…(式2)
ここで、ESDは実効蓄積データ量を示し、STSDはTSバッファ222に蓄積済みのTSデータ量を示し、Size_TS_Payloadはトランスポートストリームのペイロードサイズを示し、Size_TS_Packetはトランスポートストリームのパケットサイズを示している。
【0163】
また、図6のステップ510の処理では、次に、上記(式2)によって計算されたTSバッファ222の実効蓄積データ量ESDよりも図4のステップ304で取得した映像バッファ242の空き容量(未使用記憶容量)VCVBMが大きいか否かが判定される。
【0164】
図6のステップ510の処理によって、上記(式2)のTSバッファ222の実効蓄積データ量ESDよりも図4のステップ304で取得した映像バッファ242の空き容量VCVBMの方が大きいと判定されると、ステップ512のDEMUX処理2が実行される。
【0165】
図6の制御フローのステップ512のDEMUX処理2に対応する図8に示す処理では、ステップ700で多重化処理部210にTSバッファ222に蓄積済みのトランスポートストリームのデータに関するDEMUX処理を指示する。
【0166】
図8のステップ702では、多重化処理部210でのDEMUX処理が完了したか否かが判定される。
【0167】
図8のステップ702で処理が完了した判定されると、図8のステップ704において、同一の1つのGOPでDEMUX処理を行っていない残りのトランスポートストリームデータがTSバッファ222に蓄積されるまで待つものである。尚、同一の1つのGOPでDEMUX処理を行っていない残りのトランスポートストリームデータ量は、同一の1つのGOPのトランスポートストリームデータ量からTSバッファ222に蓄積済みのトランスポートストリームデータを差し引いたものとなる。
【0168】
その後、図8のステップ706では、映像バッファ242に同一の1つのGOPでDEMUX処理を行っていないトランスポートストリーム内に含まれる推定映像データ量分の空き容量(未使用記憶容量)が確保されるのを待つものである。すなわち、図8のステップ706では、ステップ300で推定した1つのGOPの映像データ量から上記(式2)によって計算されるステップ302でTSバッファ222に蓄積済みのTSデータの実効蓄積データ量ESDを差し引いた残りの推定映像データ量以上に、映像バッファ242に空き容量(未使用記憶容量)が確保されるまで待つものである。
【0169】
図8のステップ706で映像バッファ242に必要な空き容量が確保されると、図8のステップ708において、多重化処理部210に残りのトランスポートストリームのDEMUX処理を指示する。残りのトランスポートストリームデータ量は、上述したように、ステップ300で取得した1つのGOPが含まれるトランスポートストリームデータ量からステップ302で取得されるTSバッファ222に蓄積済みのトランスポートストリームデータ量を差し引いたものである。この時に、入力データが格納されたTSバッファ222の格納先アドレスとサイズ、出力データの格納先となる映像バッファ242の格納先アドレスと音声バッファ252の格納先アドレス、PSI/SIデータ記憶部230と映像管理情報記憶部244と音声管理情報記憶部254の格納先アドレスを指定する。
【0170】
図8のステップ710では多重化処理部210でのDEMUX処理が完了したか否かが判定される。完了した判定されると、図6のステップ316に処理が移行して、TSバッファ制御部220にDEMUX処理が完了したトランスポートストリームのデータの開放を指示する。
【0171】
図6のステップ510の処理によって、上記(式2)のTSバッファ222の実効蓄積データ量ESDよりも図4のステップ304で取得した映像バッファ242の空き容量VCVBMの方が小さいと判定されると、ステップ514のDEMUX処理3が実行される。
【0172】
図6の制御フローのステップ514のDEMUX処理3に対応する図9に示す処理では、TSバッファ222に蓄積済みのTSデータのうち下記(式3)により計算されるデータ量V_demuxのみのDEMUX処理をステップ800で多重化処理部210に指示する。
【0173】
V_demux=Round(VCVBM/Size_TS_Payload)×(Size_TS_Packet)…(式3)
ここで、V_demuxは多重化処理部210に指示されるDEMUX処理データ量を示し、Roundは小数点第一位以下を切り捨てる演算を示し、VCVBMは映像バッファ242の空き容量を示し、Size_TS_Payloadはトランスポートストリームのペイロードサイズを示し、Size_TS_Packetはトランスポートストリームのパケットサイズを示している。
【0174】
図9のステップ802では多重化処理部210でのDEMUX処理が完了したか否かが判定される。
【0175】
図9のステップ802で処理が完了した判定されると、図9のステップ804において、同一の1つのGOPでDEMUX処理を行っていない残りの映像データがTSバッファ222に蓄積されるまで待つものである。尚、同一の1つのGOPでDEMUX処理を行っていない残りのトランスポートストリームデータ量は、同一の1つのGOPのトランスポートストリームデータ量から上記(式3)により計算されるDEMUX処理が完了したトランスポートストリームデータ量を差し引いたものとなる。
【0176】
その後、図9のステップ806では、映像バッファ242に同一の1つのGOPでDEMUX処理を行っていないトランスポートストリーム内に含まれる推定映像データ量分の空き容量(未使用記憶容量)が確保されるのを待つものである。すなわち、図9のステップ806では、ステップ300で推定した1つのGOPの映像データ量から上記(式3)によって計算されるDEMUX処理が完了したデータを差し引いた残りのトランスポートストリームデータ量以上に、映像バッファ242に空き容量(未使用記憶容量)が確保されるまで待つものである。
【0177】
図9のステップ806で映像バッファ242に必要な空き容量が確保されると、図8のステップ708において、多重化処理部210に残りの映像データのDEMUX処理を指示する。残りの映像データは、上述したように、ステップ300で推定した1つのGOPの映像データ量から次式(式4)によって計算される。
【0178】
LTSD=(Diff_Add_Iframe―V_demux)×(Size_TS_Payload
/Size_TS_Packet)…(式4)
第1項の(Diff_Add_I_frame―V_demux)が同一の1つのGOPでDEMUX処理を行っていないトランスポートストリームデータ量であり、ステップ804で蓄積するデータ量と等価である。これに(Size_TS_Payload/Size_TS_Packet)を掛けることで、映像データが格納されているペイロードのデータ分に変換する。
【0179】
また、多重化処理部210にDEMUX処理を指示する際、入力データが格納されたTSバッファ222の格納先アドレスとサイズ、出力データの格納先となる映像バッファ242の格納先アドレスと音声バッファ252の格納先アドレス、PSI/SIデータ記憶部230と映像管理情報記憶部244と音声管理情報記憶部254の格納先アドレスを指定する。
【0180】
図9のステップ810では多重化処理部210でのDEMUX処理が完了したか否かが判定される。完了した判定されると、図6のステップ316に処理が移行して、TSバッファ制御部220にDEMUX処理が完了したトランスポートストリームのデータの開放を指示する。
【0181】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0182】
すなわち、上述した本発明の種々の実施の形態では、デジタルビデオカメラシステムによる動画撮影を説明したが、それ以外の処理にも本発明を適用することが可能である。
【0183】
図11は、図2のシステムにテレビ受信用のチューナー900を接続した構成を示す図である。
【0184】
図2から図9の実施の形態においては、デジタルビデオカメラのシステムを例にして、説明した。しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、図11に示すように、チューナー900で受信したTSを多重化制御装置100に入力して、直接ストレージ110に記録することが可能であり、また映像コーデック130および音声コーデック150でトランスコードした後にストレージ110に記録することも可能である。
【0185】
図12は、図11のシステムが独立したコプロセッサシステム1000であることを想定して、このコプロセッサシステム1000がホストシステム2000のホストプロセッサ900と接続された構成を示す図である。
【0186】
図12の構成においてもホストプロセッサ2000側に接続されたストレージ910内のコンテンツをコプロセッサシステム1000の多重化制御装置100に読み込んでDEMUX処理、再生処理およびホストプロセッサ2000側に接続されたカメラ940とマイク960の取得データを画像処理部142および音声処理部162に入力して、多重化制御装置100を使用したMUX処理、記録処理を実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】図1は、本発明の1つの実施の形態による携帯電話のハードウェア構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の1つの実施の形態による携帯電話端末に内蔵されたマルチプレクサー/デマルチプレクサーを実現する多重化制御装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、図2に示した本発明の1つの実施の形態による多重化制御装置の内部構成を示す図である。
【図4】図4は、図3に示した本発明の1つの実施の形態による多重化制御装置によるデマルチプレックス処理の制御フローを説明する図である。
【図5】図5は、図3に示した本発明の1つの実施の形態による多重化制御装置によるマルチプレックス処理の制御フローを説明する図である。
【図6】図6は、図3に示した本発明の1つの実施の形態による多重化制御装置によるその他のデマルチプレックス処理の制御フローを説明する図である。
【図7】図7は、図6に示す制御フローのステップ508のデマルチプレックス処理(DEMUX処理1)の内容を説明する図である。
【図8】図8は、図6に示す制御フローのステップ512のデマルチプレックス処理(DEMUX処理2)の内容を説明する図である。
【図9】図9は、図6に示す制御フローのステップ514のデマルチプレックス処理(DEMUX処理3)の内容を説明する図である。
【図10】図10は、動画符号化方式における階層構造を説明する図である。
【図11】図11は、図2のシステムにテレビ受信用のチューナーを接続した構成を示す図である
【図12】図12は、図11のシステムが独立したコプロセッサシステムであることを想定して、このコプロセッサシステムがホストシステムのホストプロセッサと接続された構成を示す図である。
【符号の説明】
【0188】
100 多重化制御装置
110 ストレージ
130 映像符号・復号部
140 カメラ
142 画像処理部
144 ディスプレイ
150 音声符号・復号部
160 マイク
162 音声処理部
164 スピーカー
180 PSI/SI制御部
200 多重化処理量決定部
202 DEMUX処理位置記憶部
210 多重化処理部
220 TSバッファ制御部
222 TSバッファ
230 PSI/SI制御部
240 映像バッファ制御部
242 映像バッファ
250 音声バッファ制御部
252 音声バッファ
260 Iフレーム位置検出部
262 Iフレーム位置記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスポートストリームバッファと、多重化処理部と、映像バッファと、音声バッファとを具備して、マルチプレックス処理を実行する多重化制御装置であって、
前記映像バッファには符号化映像データが蓄積可能であり、前記音声バッファには符号化音声データが蓄積可能であり、
前記多重化処理部には前記映像バッファと前記音声バッファとから前記符号化映像データと前記符号化音声データとがそれぞれ供給されることによって、前記多重化処理部は前記符号化映像データと前記符号化音声データとのマルチプレックス処理を実行して、
前記多重化処理部による前記マルチプレックス処理によって生成され動画圧縮符号化されたトランスポートストリームデータは、前記トランスポートストリームバッファに蓄積可能であり、
前記多重化処理部への前記符号化映像データと前記符号化音声データの供給は、前記動画圧縮符号化によって処理される複数フレームを単位として実行され、
前記マルチプレックス処理の実行の開始前に、前記マルチプレックス処理の実行の準備が満足されているか否かが前記多重化制御装置の内部で判定され、
前記実行の準備が満足されているか否かの判定は、前記映像バッファの前記符号化映像データの蓄積状態の確認と前記音声バッファの前記符号化音声データの蓄積状態の確認と前記トランスポートストリームバッファの前記トランスポートストリームデータの蓄積状態との確認によって実行されることを特徴とする多重化制御装置。
【請求項2】
前記マルチプレックス処理によって処理される前記複数のフレームは、動画符号化方式での画面内予測符号化ピクチャーであるIフレームと順方向予測符号化ピクチャーであるPフレームと双方向予測符号化ピクチャーであるBフレームとを含み、
前記複数のフレームは、前記Iフレームから次のIフレームの直前のフレームまでを少なくとも含む符号化映像データであることを特徴とする請求項1に記載の多重化制御装置。
【請求項3】
前記複数のフレームは1つのグループオブピクチャーに略対応していることを特徴とする請求項2に記載の多重化制御装置。
【請求項4】
前記映像バッファに蓄積可能な前記符号化映像データと前記音声バッファに蓄積可能な前記符号化音声データとは、デジタルビデオカメラシステムのカメラにより取得される画像データとマイクにより取得される音声データとにそれぞれ基づくことを特徴とする請求項3に記載の多重化制御装置。
【請求項5】
前記カメラにより取得される前記画像データは映像符号・復号部によって前記符号化映像データに変換され、前記マイクにより取得される前記音声データは音声符号・復号部によって前記符号化音声データに変換されることを特徴とする請求項4に記載の多重化制御装置。
【請求項6】
放送付随情報としての番組情報が格納可能であるデータ記憶部を更に具備して、
前記多重化処理部には前記映像バッファと前記音声バッファから前記符号化映像データと前記符号化音声データとがそれぞれ供給されると伴に前記データ記憶部から前記番組情報が供給されることによって、前記多重化処理部は前記符号化映像データと前記符号化音声データと前記番組情報とのマルチプレックス処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の多重化制御装置。
【請求項7】
前記実行の準備が満足されているか否かの前記判定は、前記多重化制御装置の内部の判定部で判定されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の多重化制御装置。
【請求項8】
トランスポートストリームバッファと、多重化処理部と、映像バッファと、音声バッファとを具備して、デマルチプレックス処理を実行する多重化制御装置であって、
前記多重化処理部によるデマルチプレックス処理が実行される動画圧縮符号化されたトランスポートストリームデータは、前記トランスポートストリームバッファに蓄積可能であり、
前記多重化処理部は前記トランスポートストリームバッファに蓄積された前記トランスポートストリームデータの前記デマルチプレックス処理を実行することによって、符号化映像データと符号化音声データとを生成可能であり、
前記映像バッファには前記多重化処理部により生成される前記符号化映像データが蓄積可能であり、前記音声バッファには前記多重化処理部により生成される前記復符号化音声データが蓄積可能であり、
前記多重化処理部による前記デマルチプレックス処理は、前記動画圧縮符号化によって処理された複数のフレームを単位として実行され、
前記デマルチプレックス処理の実行の開始前に、前記デマルチプレックス処理の実行の準備が満足されているか否かが前記多重化処理部内部で判断され、
前記実行の前記準備が満足されているか否かの判断は、前記トランスポートストリームバッファの前記トランスポートストリームデータの蓄積状態との確認と前記映像バッファの前記復号映像データの蓄積状態の確認とによって実行されることを特徴とする多重化制御装置。
【請求項9】
前記デマルチプレックス処理によって処理される前記複数のフレームは、動画符号化方式での画面内予測符号化ピクチャーであるIフレームと前方向予測符号化ピクチャーであるPフレームと双方向予測符号化ピクチャーであるBフレームとを含み、
前記複数のフレームは、前記Iフレームから次のIフレームの直前のフレームまでを少なくとも含む符号化映像データであることを特徴とする請求項8に記載の多重化制御装置。
【請求項10】
前記複数のフレームは1つのグループオブピクチャーに略対応していることを特徴とする請求項9に記載の多重化制御装置。
【請求項11】
前記実行の前記準備が完全には満足されていないと判断された場合でも、前記トランスポートストリームバッファに蓄積済みの前記トランスポートストリームデータのデータ量が前記1つのグループオブピクチャーのデータ量よりも少ないとの確認と、前記トランスポートストリームバッファの実効的な蓄積データ量よりも前記映像バッファの空き容量が大きいとの確認とによって、前記トランスポートストリームバッファに蓄積済みの前記トランスポートストリームデータのみのデマルチプレックス処理の実行が開始されることを特徴とする請求項10に記載の多重化制御装置。
【請求項12】
前記トランスポートストリームバッファに蓄積済みの前記トランスポートストリームデータのみの前記デマルチプレックス処理の前記実行の完了の後、前記1つのグループオブピクチャーの残りのトランスポートストリームデータが前記トランスポートストリームバッファに蓄積されるのを待ち、更に前記映像バッファに必要な空き容量が確保されるのを待って、前記トランスポートストリームバッファに蓄積された前記残りのトランスポートストリームデータのデマルチプレックス処理の実行が開始されることを特徴とする請求項11に記載の多重化制御装置。
【請求項13】
前記実行の前記準備が完全には満足されていないと判断された場合でも、前記トランスポートストリームバッファに蓄積済みの前記トランスポートストリームデータのデータ量が前記1つのグループオブピクチャーのデータ量よりも少ないとの確認と、前記トランスポートストリームバッファの実効的な蓄積データ量よりも前記映像バッファの空き容量が小さいとの確認とによって、前記映像バッファの前記空き容量に対応する前記トランスポートストリームバッファに蓄積済みのトランスポートストリームデータのみのデマルチプレックス処理の実行が開始されることを特徴とする請求項12に記載の多重化制御装置。
【請求項14】
前記トランスポートストリームバッファに蓄積済みの前記映像バッファの前記空き容量に対応する前記トランスポートストリームデータのみの前記デマルチプレックス処理の前記実行の完了の後に、前記1つのグループオブピクチャーの残りのトランスポートストリームデータが前記トランスポートストリームバッファに蓄積されるのを待ち、前記映像バッファに必要な空き容量が確保されるのを待ち、前記トランスポートストリームバッファに蓄積された前記残りのトランスポートストリームデータのデマルチプレックス処理の実行が開始されることを特徴とする請求項13に記載の多重化制御装置。
【請求項15】
前記多重化処理部によって生成される前記符号化映像データと前記符号化音声データとは映像符号・復号部と音声符号・復号部とによって復号映像データと復号音声データとにそれぞれ変換されることを特徴とする請求項14に記載の多重化制御装置。
【請求項16】
前記トランスポートストリームバッファに蓄積可能な前記トランスポートストリームデータは、携帯システムのストレージから取得されるデータに基づくことを特徴とする請求項15に記載の多重化制御装置。
【請求項17】
放送付随情報としての番組情報が格納可能であるデータ記憶部を更に具備して、
前記多重化処理部は前記トランスポートストリームバッファに蓄積された前記トランスポートストリームデータの前記デマルチプレックス処理を実行することによって、前記符号化映像データと前記符号化音声データとを生成可能である伴に前記番組情報を生成可能であり、
前記データ記憶部には前記多重化処理部により生成される前記番組情報が蓄積可能である請求項15に記載の多重化制御装置。
【請求項18】
前記実行の準備が満足されているか否かの前記判定は、前記多重化制御装置の内部の判定部で判定されることを特徴とする請求項8乃至請求項15のいずれかに記載の多重化制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−109529(P2010−109529A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277834(P2008−277834)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】