多量の粒子材料を空洞に注入する方法
量(12.1,12.2)の粒子材料を空洞(2,15.1,15.2)に注入するための方法であって、その方法は、開口面が上方向を向いている室(4,10.1,10.2)に、量(12.1,12.2)の粒子材料を注入するステップと、注入された室(4,10.1,10.2)の開口の向かい側に空洞(2,15.1,15.2)の開口を配置するステップと、その後、空洞(2,15.1,15.2)の開口面が上方を向くように空洞が位置付けられ、且つ室(4,10.1,10.2)の開口面が下方を向くように室が位置付けられるように、室(4,10.1,10.2)と空洞(2,15.1,15.2)を回転させるステップと、を有する。これにより、量(12.1,12.2)の粒子材料は、空洞(2,15.1,15.2)に流れ込む。対応する装置は、室(4,10.1,10.2)と、量(12.1,12.2)の粒子材料を室(4,10.1,10.2)に注入するための注入手段(22,23,24)と、室(4,10.1,10.2)の開口の向かい側に空洞(2,15.1,15.2)の開口を配置する稼働手段(29)と、空洞(2,15.1,15.2)の開口面が上方を向くように空洞が位置付けられ、且つ室(4,10.1,10.2)の開口面が下方を向くように室が位置付けられるように、室(4,10.1,10.2)と空洞(2,15.1,15.2)を回転させるコンベヤーベルト(20)と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多量("a quantity of")の粒子材料を空洞("cavity")に注入する方法及び装置に関し、少なくとも部分的に上方を向く開口面を備えた室("chamber")に多量の粒子材料を注入するステップを有する。本発明の方法及び装置は、服用量の粉末の薬剤を入れるパックを満たすことに適しており、その服用量の粉末の薬剤はパックの空洞に収容され、そのパックは吸入装置内で用いられることができる。
【背景技術】
【0002】
今日、薬剤の供給と分配は、多くの異なる方法で成し遂げられている。健康管理において、効果を得て且つ特定の薬剤を分かりやすく管理するために、ますます、吸入装置などの投薬装置を用いて、粉末状の薬剤を使用者の肺に直接投薬する可能性に集中している。大抵の場合、ある形式の投薬工程は、吸入される一回分を準備するのに使用される。通常、服用量の薬剤は、一回分の薬剤を収容する多くの空洞を備えたパックに供給される。一回分で満たされた空洞は、その後、例えばアルミニウムのホイルなどの封止シートにより封止される。これらのパックは、投薬装置に積み込まれ、投薬装置において、空洞上のホイルが貫通されて、一回分の薬剤が使用者による吸入のために放出される。この封止により、薬剤は吸飲前に十分に保護される。1回分の薬剤を収容してホイルにより封止される空洞を備えたパックに、服用量の薬剤を供給するのに適した他の場合もある。服用量の薬剤を含むパックは、粉末の薬剤を収容するためのブリスター("blister")と空洞をそれぞれ備えたブリスターパック("blister packs")又は射出成形ディスクの形式であり、そのパックは種々の形状を持つことができる。空洞は、種々のパターンで配置され得る。空洞を満たす方法は、異なる大きさの正確な服用量の薬剤を含むパックを提供するために、正確且つ可変の投薬を空洞に提供しなければならない。
【0003】
EP1354795A2(特許文献1)は、細かい粉末を容器に従量制で運ぶ方法及び装置を開示している。この装置は、開口を有するホッパー("hopper")を備えている。ホッパーは、細かい粉末を受け取るのに適している。さらに、その装置は、粉末内で振動する振動要素と、その周囲に配置された複数の室を備えた回転部とを有する。室を開口に合わせるように回転部を回転させることにより、粉末がホッパーから室内に運ばれる。回転部は、室が容器と合わさり、容器が粉末で満たされるような投薬位置まで180度回転される。
【0004】
US5187921A(特許文献2)は、ブラインド("blind")の空洞に多量の粉末を注入する方法及び装置を開示している。その方法及び装置は、空洞の開口面が少なくとも部分的に下方に粉末の貯蔵所の方に向くようにして、その開口面が少なくとも部分的に下方を向き続けている間にそこに多量の粉末を有する空洞から離脱し、その後、ふたを利用して粉末を有する空洞を覆うことを含む。
【0005】
WO03/066437A1(特許文献3)は、開口面を有するポケットに粉末を導くための方法及び装置を開示している。その方法及び装置は、ポケットの開口面が少なくとも部分的に上方を向くようにポケットの方向を合わせ、ポケットの容積より大きな容積の粉末をポケットに供給し、粉末の容積を所定の容積密度に圧縮し、所定の容積密度で粉末が満たされているポケットから離れるように余分の粉末を取り除くことを含んでいる。
【0006】
US6035905A(特許文献4)は、複数の服用量の粒子材料を一服分ずつ、容器の各分室に導くための方法を開示している。この方法は、それぞれの突起、好ましくは粒子材料を通して分室に導く導管を、各分室の容積を低減するように各分室に挿入するステップと、分室に挿入されたそれぞれの突起を用いて粒子材料を各分室に注入するステップと、その突起を取り除くステップとを含み、各服用量の材料の容積がそれぞれの分室の容積より小さくなるようにしている。
【特許文献1】欧州特許第1354795号明細書
【特許文献2】米国特許第5187921号明細書
【特許文献3】国際公開第03/066437号パンフレット
【特許文献4】米国特許第6035905号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の解決策には多くの欠点がある。上述した方法及び装置のいくつかは、一服分を収容する空洞の容積より小さな容積の特定の一服分の粉末を分配することができない、又はこれを十分正確に行うことができない。空洞の容積より小さな容積を持つ一服分の粉末を分配するのに適した方法及び装置は、構造が複雑になり、直線状のパターン、又は多くの直線状のパターンからなるパターン、例えば、マトリックスのパターンの空洞を満たすことに利用できるだけであり、空洞の様々な種類のパターン、例えば、任意の非線形のパターンに配置された空洞を満たすことができない。上述した方法又は装置は、ディスク又はパックのすべての空洞又はブリスター("blisters")を同時に満たすことができず、多くの繰り返しの注入動作を必要とする。
【0008】
本発明の目的は、多量の粒子材料を少なくとも1つの空洞に注入する方法及び装置を提供することである。この方法及び装置は、パック又はディスクのどんな種類のパターンでも、例えば、任意の非線形のパターンに配置された空洞又はブリスターを満たすことができ、複雑でなく、低価格で粒子材料を空洞に注入でき、一服分を収容する空洞の容積より小さな容積を持つ正確な一服分の粉末を分配でき、柔軟で、空洞の新しいパターンに適用し易く、ディスク又はパックの全ての空洞又はブリスターを同時に満たすことができ、高生産能力を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的は、注入された室の開口の向かい側に空洞の開口を配置して、その後、空洞の開口面が少なくとも部分的に上方を向くように空洞が位置付けられ、且つ室の開口面が少なくとも部分的に下方を向くように室が位置付けられるように、室を空洞と共に回転させ、多量の粒子材料を空洞の中に流入させる、特別な手段を備えた、請求項1の前置きで定義された種類の方法を提供することにより達成される。また、上述の目的は、室の開口の向かい側に空洞の開口を配置する稼働手段と、空洞の開口面が少なくとも部分的に上方を向くように空洞が位置付けられ、且つ室の開口面が少なくとも部分的に下方を向くように室が位置付けられるように、室を空洞と共に回転させる誘導手段と、を有し、多量の粒子材料を空洞の中に流入させる、請求項8の前置きで定義された種類の装置を提供することにより、達成される。
【0010】
本発明のこの方法及び装置により、パック又はディスクのありとあらゆる種類のパターン、例えば、任意の非線形のパターンに配置された空洞又はブリスターは、満たされうる。空洞は、一服分を収容する空洞の容積よりも小さな容積を持つ正確な一服分の粉末で満たされうる。ディスク又はパックの全ての空洞又はブリスターは、同時に満たされうる。これにより、高生産能力を実現する。過剰な製剤の損失はなく、本発明は高い稼働安全性と、装置の小さな物理サイズを提供する。方法及び装置は、簡単な充填を提供し、低価格で粒子材料を空洞に注入する。室は交換可能であり、空洞に投薬される一服分の大きさに適応するのが好ましい。
【0011】
多量の粒子材料は、重力により空洞に流れ込むが、本発明の方法において、室からの材料の放出は、多量の粒子材料を空洞に注入するときに室をたたく又は振動させることにより、又は、加圧ガス又は振動の形式、例えば超音波による付加的な力を粒子材料に受けさせることにより、促進できる。相応じて、装置は、多量の粒子材料を空洞に流入するときに室を振動させる振動手段、又は、加圧ガス又は振動の形式、例えば超音波により生じる付加的な力を粒子材料に受けさせる他の追加の手段を備えることができる。
【0012】
本発明の方法及び装置は、1mgより多い充填量に適している。注入の正確度は、粒子材料の流動能力と重さに伴って増加する。さらに、方法及び装置は、自由に流動する、又は適度に自由に流動する粒子材料、例えば、担体を基部とする("carrier-based")製剤に適している。注入方法は、卓上("bench-top")設定で試験され、8mgの担体を基部とする製剤は、手動でこすって、100室に注入された。この注入の正確度は、2.4%RSDを確立した。
【0013】
室の開口の大きさと形状は、空洞の開口と等しいのが好ましい。又は、室の開口は空洞の開口よりも小さく、且つ室と空洞の開口が互いに向き合うときに、室の開口が空洞の開口の境界によって囲まれる。
【0014】
本発明の方法の有利な態様によれば、空洞は回転前に室に取り外し可能に固定され、空洞が満たされたときに空洞は室から取り外される。
【0015】
本発明の方法のさらに有利な態様によれば、室は、こすり満たすこと("scrape filling")により満たされ、こすり満たすことは、少なくとも1つの回転スクレイパー("scraper")により達成される。
【0016】
本発明の方法の他の有利な態様によれば、室は、空洞の容積より小さな容積を形成する量の粒子材料で満たされる。その方法は、粉末の薬剤を含む粒子材料のために用いられるのが好ましい。
【0017】
本発明の装置の有利な態様によれば、その装置は、回転前に空洞を取り外し可能に室に固定する固定手段を有し、その装置は、空洞が満たされたときに室から空洞を取り外す分離手段を有するのが好ましい。
【0018】
本発明の装置のさらに有利な態様によれば、注入手段は、室をこすり満たすためのスクレイパー手段を含み、そのスクレイパー手段は、少なくとも1つの回転スクレイパーを含むのが好ましい。
【0019】
本発明の装置の他の有利な態様によれば、室の容積は、空洞の容積より小さい。この態様により、空洞は、正確に且つ簡単に、空洞の容積より小さな容積の量の粒子材料で満たされる。
【0020】
本発明の装置のさらに他の有利な態様によれば、装置は、少なくとも1つの室を備えた少なくとも1つの注入要素を有し、その装置は、ディスクに設けられた少なくとも1つの空洞に適応している。その要素は、他の大きさ及び他のパターンに配置された室を備えた他の要素と交換可能であり、他のサイズの服用量と空洞の他のパターンに適合するのが好ましい。
【0021】
本発明の装置の有利な態様によれば、注入要素は多くの室を有し、室の数("amount")は、空洞の数と同一であり、室の位置はディスクの空洞の位置に対応する。これにより、各室の開口は、注入要素がディスクに固定されたときに空洞の開口と向かい合う。装置は、多くの注入要素を有するのが好ましい。
【0022】
本発明の装置の他の有利な態様によれば、誘導手段は、注入要素が取り付けられたコンベヤーベルト("conveyor belt")を有する。好ましくは、装置は、粉末の薬剤を含む粒子材料に適応している。
【0023】
さらに、本発明は、請求項19の前置きで定義された種類の服用量の薬剤を含むパックを生成する方法を提供する。この方法は、請求項1から請求項7のいずれかに記述された特定の工程を有する。
【0024】
本発明は、請求項20の前置きで定義された種類の服用量の薬剤を含むパックを生成する器具も提供する。この器具において、装置は請求項8から請求項18のいずれかに記述された特定の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、例示的な目的のためにさらに詳細に実施形態と添付の図面を参照することにより、記述される。
【0026】
図1は、粉末の薬剤を収容するための多くの空洞2を備えた円形のドラッグディスク1の上面図を示す。空洞2は、円形のパターンで配置されている。この種類のディスク1は、例えば、吸入装置に装填され得る。
【0027】
図2は、図1のディスクに適合する、本発明の注入要素3の実施形態の上面図を示す。注入要素3は、多くの室("chambers")4を備えている。室4の数("amount")は、ディスクの空洞の数と同じである。室4の位置は、ディスクの空洞の位置に対応している。これにより、各室4の開口は、注入要素3がディスクに固定されたときに空洞の開口と向かい合う。さらに、図2は、室4をこすり満たすためのスクレイパー手段5を示している。スクレイパー手段5は、4つの回転スクレイパー6を含む。投薬装置(図示せず)は、粉末の薬剤を注入要素3の面上に分配するために設けられる。
【0028】
図2において、粉末の薬剤は、4箇所の位置7で注入要素3の面上に分配されている。全ての室4をこすり満たすために、全ての室4の総容積の少なくとも2倍に等しい量の粉末が用いられるのが好ましい。注入要素3は、放射状の空にするスリット("a radial emptying slit")8を備えている。室4に注入されなかった余分の粉末は、回転スクレイパー6の回転中にこのスリット8に集められ、室を次に満たすときに、再利用され得る。余分な粉末を処分するための手段は、室の近くのスリット又は開口を介してもいい。円形に配置された室の場合、スリットは、図に示すように放射状であってもよく、もしくは室の内側の同軸又は室の外側の同軸であってもよい。余分な粉末は、吸引、ブラッシング、又は粘着面を用いて処理されうる。
【0029】
図3a〜図3hは、空洞を有するディスクと、そのディスクに適合する注入要素とを示し、本発明の方法の実施形態を図示している。これらの図には、2つの空洞と2つの室のみが示されている。図3aは、注入要素11に設けられた2つの室10.1,10.2を示している。各室10.1,10.2の開口面は、実質的に上方を向いている。この場合、各室の容積は、満たされる空洞の容積の約75〜100%である。注入要素11は、空洞の必要な一服分の大きさに適合するために、異なる容積を持つ室を備えた注入要素に交換可能である。
【0030】
図3bにおいて、各室10.1,10.2の全ての容積が、回転スクレイパー13により、量12.1,12.2の粉末の薬剤で、こすり満たされる。図3cにおいて、全ての室10.1,10.2が量12.1,12.2の粉末の薬剤で満たされ、全ての余分な粉末が取り除かれる。
【0031】
図3dにおいて、注入要素11の室10.1,10.2の数と同じ数で、注入要素11の室10.1,10.2の位置に対応する位置に設けられた多くの空洞15.1,15.2を備えたディスク14は、注入要素11の上面に配置される。その結果、各空洞15.1,15.2の開口は、対応する室10.1,10.2の開口と対向し、且つ近接近する。ディスク14は、注入要素11に取り外し可能に固定される。
【0032】
図3eにおいて、組み合わされた注入要素11とディスク14は、約180度回転される。これにより、各室10.1,10.2は、対応する空洞15.1,15.2と共に回転され、その結果、各空洞15.1,15.2は、その開口面が実質的に上方を向くように位置付けられ、各室10.1,10.2は、その開口面が実質的に下方を向くように位置付けられる。図3fにおいて、量12.1,12.2の粉末の薬剤は、各空洞15.1,15.2に流入される。これにより、各室10.1,10.2から、粉末が除去される。
【0033】
図3gにおいて、注入要素11は、ディスク14から取り外され、各空洞15.1,15.2の容積は、粉末の薬剤により75〜100%まで満たされる。図3hにおいて、量12.1,12.2の粉末の薬剤でそれぞれ満たされた空洞15.1,15.2は、アルミニウムの封止シート16により封止される。
【0034】
図4は、本発明における多量の粉末材料を空洞に注入するための装置の実施形態の概略の側面図を示している。この装置は、多くの注入要素21が取り付けられたコンベヤーベルト20を有する。注入要素21は、図2の注入要素と同じデザインであり、図1のディスクと同じデザインを持つディスクに設けられた空洞を満たすのに適合している。この装置は、投薬装置22と第1のスクレイパー手段23と第2のスクレイパー手段24とを含む注入手段を有する。各スクレイパー手段23,24は、軸27,28の回りを回転する複数のスクレイパー25,26を有する。
【0035】
投薬装置22は、複数の分与の粉末の薬剤を注入要素21の表面に分配するために設けられる。第1のスクレイパー手段23は、各室の開口面が実質的に上方を向くときに、スクレイパー25の回転により、全ての室を第1にこすり満たすために設けられる。第2のスクレイパー手段24は、室を第2にこすり満たし、且つ余分な粉末を注入要素21の空にするスリットへ取り除くために設けられる(図2参照)。空にするスリットは、室に注入している間は閉じられ、余分な粉末が取り除かれるときに第2のスクレイパー手段24の動作中に開放されるだけである。
【0036】
装置は、各空洞の開口が、室の対応する開口と対向し且つ近接近するように、注入要素21の上面にディスク30を配置するための稼働手段29を有する。各注入要素21は、ディスク30を注入要素21に取り外し可能に固定するための固定手段37を備えている。これにより、各室の開口は、空洞の開口と向きあう位置に固定される。各注入要素21が取り付けられたコンベヤーベルト20は、各注入要素21を異なる工程ステップ間でガイドするためと、組み合わされた注入要素21とディスク30を約180度回転させるために設けられる。これにより、満たされた室は、対応する空洞と共に回転される。その結果、空洞は、空洞の開口面が実質的に上方を向くように位置付けられ、室は、室の開口面が実質的に下方を向くように位置付けられる。これにより、粉末の材料は、注入要素21の室からディスク30の対応する空洞に流れ込む。
【0037】
さらに、装置は、各空洞が満たされたときに、ディスクを注入要素21から取り外すための分離手段31を有する。装置は、また、室から粉末の薬剤が取り除かれた後、注入要素21を圧搾空気及び吸引により清掃するために設けられた第1及び第2の清掃部32,33を有する。さらに、装置は、第1及び第2の監視装置34,35を有する。第1の監視装置34は、注入手段22,23,24の後で室を調べるために設けられ、完全な充填を確認する。第2の監視装置35は、第1と第2の清掃部32,33の後で注入要素21を調べるために設けられ、注入要素21の完全な清掃を確認する。装置は、ディスク30の完全な充填を確認するための第3の監視装置36を任意に備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】円形のパターンの空洞を備えた円形のドラッグディスクの概略上面図
【図2】本発明の注入要素の実施形態とスクレイパー手段の実施形態とを示す概略の上面図であって、注入要素は、図1のドラッグディスクに対応する。
【図3a】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3b】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3c】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3d】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3e】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3f】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3g】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3h】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図4】本発明の装置の実施形態の概略の側面図
【技術分野】
【0001】
本発明は、多量("a quantity of")の粒子材料を空洞("cavity")に注入する方法及び装置に関し、少なくとも部分的に上方を向く開口面を備えた室("chamber")に多量の粒子材料を注入するステップを有する。本発明の方法及び装置は、服用量の粉末の薬剤を入れるパックを満たすことに適しており、その服用量の粉末の薬剤はパックの空洞に収容され、そのパックは吸入装置内で用いられることができる。
【背景技術】
【0002】
今日、薬剤の供給と分配は、多くの異なる方法で成し遂げられている。健康管理において、効果を得て且つ特定の薬剤を分かりやすく管理するために、ますます、吸入装置などの投薬装置を用いて、粉末状の薬剤を使用者の肺に直接投薬する可能性に集中している。大抵の場合、ある形式の投薬工程は、吸入される一回分を準備するのに使用される。通常、服用量の薬剤は、一回分の薬剤を収容する多くの空洞を備えたパックに供給される。一回分で満たされた空洞は、その後、例えばアルミニウムのホイルなどの封止シートにより封止される。これらのパックは、投薬装置に積み込まれ、投薬装置において、空洞上のホイルが貫通されて、一回分の薬剤が使用者による吸入のために放出される。この封止により、薬剤は吸飲前に十分に保護される。1回分の薬剤を収容してホイルにより封止される空洞を備えたパックに、服用量の薬剤を供給するのに適した他の場合もある。服用量の薬剤を含むパックは、粉末の薬剤を収容するためのブリスター("blister")と空洞をそれぞれ備えたブリスターパック("blister packs")又は射出成形ディスクの形式であり、そのパックは種々の形状を持つことができる。空洞は、種々のパターンで配置され得る。空洞を満たす方法は、異なる大きさの正確な服用量の薬剤を含むパックを提供するために、正確且つ可変の投薬を空洞に提供しなければならない。
【0003】
EP1354795A2(特許文献1)は、細かい粉末を容器に従量制で運ぶ方法及び装置を開示している。この装置は、開口を有するホッパー("hopper")を備えている。ホッパーは、細かい粉末を受け取るのに適している。さらに、その装置は、粉末内で振動する振動要素と、その周囲に配置された複数の室を備えた回転部とを有する。室を開口に合わせるように回転部を回転させることにより、粉末がホッパーから室内に運ばれる。回転部は、室が容器と合わさり、容器が粉末で満たされるような投薬位置まで180度回転される。
【0004】
US5187921A(特許文献2)は、ブラインド("blind")の空洞に多量の粉末を注入する方法及び装置を開示している。その方法及び装置は、空洞の開口面が少なくとも部分的に下方に粉末の貯蔵所の方に向くようにして、その開口面が少なくとも部分的に下方を向き続けている間にそこに多量の粉末を有する空洞から離脱し、その後、ふたを利用して粉末を有する空洞を覆うことを含む。
【0005】
WO03/066437A1(特許文献3)は、開口面を有するポケットに粉末を導くための方法及び装置を開示している。その方法及び装置は、ポケットの開口面が少なくとも部分的に上方を向くようにポケットの方向を合わせ、ポケットの容積より大きな容積の粉末をポケットに供給し、粉末の容積を所定の容積密度に圧縮し、所定の容積密度で粉末が満たされているポケットから離れるように余分の粉末を取り除くことを含んでいる。
【0006】
US6035905A(特許文献4)は、複数の服用量の粒子材料を一服分ずつ、容器の各分室に導くための方法を開示している。この方法は、それぞれの突起、好ましくは粒子材料を通して分室に導く導管を、各分室の容積を低減するように各分室に挿入するステップと、分室に挿入されたそれぞれの突起を用いて粒子材料を各分室に注入するステップと、その突起を取り除くステップとを含み、各服用量の材料の容積がそれぞれの分室の容積より小さくなるようにしている。
【特許文献1】欧州特許第1354795号明細書
【特許文献2】米国特許第5187921号明細書
【特許文献3】国際公開第03/066437号パンフレット
【特許文献4】米国特許第6035905号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の解決策には多くの欠点がある。上述した方法及び装置のいくつかは、一服分を収容する空洞の容積より小さな容積の特定の一服分の粉末を分配することができない、又はこれを十分正確に行うことができない。空洞の容積より小さな容積を持つ一服分の粉末を分配するのに適した方法及び装置は、構造が複雑になり、直線状のパターン、又は多くの直線状のパターンからなるパターン、例えば、マトリックスのパターンの空洞を満たすことに利用できるだけであり、空洞の様々な種類のパターン、例えば、任意の非線形のパターンに配置された空洞を満たすことができない。上述した方法又は装置は、ディスク又はパックのすべての空洞又はブリスター("blisters")を同時に満たすことができず、多くの繰り返しの注入動作を必要とする。
【0008】
本発明の目的は、多量の粒子材料を少なくとも1つの空洞に注入する方法及び装置を提供することである。この方法及び装置は、パック又はディスクのどんな種類のパターンでも、例えば、任意の非線形のパターンに配置された空洞又はブリスターを満たすことができ、複雑でなく、低価格で粒子材料を空洞に注入でき、一服分を収容する空洞の容積より小さな容積を持つ正確な一服分の粉末を分配でき、柔軟で、空洞の新しいパターンに適用し易く、ディスク又はパックの全ての空洞又はブリスターを同時に満たすことができ、高生産能力を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的は、注入された室の開口の向かい側に空洞の開口を配置して、その後、空洞の開口面が少なくとも部分的に上方を向くように空洞が位置付けられ、且つ室の開口面が少なくとも部分的に下方を向くように室が位置付けられるように、室を空洞と共に回転させ、多量の粒子材料を空洞の中に流入させる、特別な手段を備えた、請求項1の前置きで定義された種類の方法を提供することにより達成される。また、上述の目的は、室の開口の向かい側に空洞の開口を配置する稼働手段と、空洞の開口面が少なくとも部分的に上方を向くように空洞が位置付けられ、且つ室の開口面が少なくとも部分的に下方を向くように室が位置付けられるように、室を空洞と共に回転させる誘導手段と、を有し、多量の粒子材料を空洞の中に流入させる、請求項8の前置きで定義された種類の装置を提供することにより、達成される。
【0010】
本発明のこの方法及び装置により、パック又はディスクのありとあらゆる種類のパターン、例えば、任意の非線形のパターンに配置された空洞又はブリスターは、満たされうる。空洞は、一服分を収容する空洞の容積よりも小さな容積を持つ正確な一服分の粉末で満たされうる。ディスク又はパックの全ての空洞又はブリスターは、同時に満たされうる。これにより、高生産能力を実現する。過剰な製剤の損失はなく、本発明は高い稼働安全性と、装置の小さな物理サイズを提供する。方法及び装置は、簡単な充填を提供し、低価格で粒子材料を空洞に注入する。室は交換可能であり、空洞に投薬される一服分の大きさに適応するのが好ましい。
【0011】
多量の粒子材料は、重力により空洞に流れ込むが、本発明の方法において、室からの材料の放出は、多量の粒子材料を空洞に注入するときに室をたたく又は振動させることにより、又は、加圧ガス又は振動の形式、例えば超音波による付加的な力を粒子材料に受けさせることにより、促進できる。相応じて、装置は、多量の粒子材料を空洞に流入するときに室を振動させる振動手段、又は、加圧ガス又は振動の形式、例えば超音波により生じる付加的な力を粒子材料に受けさせる他の追加の手段を備えることができる。
【0012】
本発明の方法及び装置は、1mgより多い充填量に適している。注入の正確度は、粒子材料の流動能力と重さに伴って増加する。さらに、方法及び装置は、自由に流動する、又は適度に自由に流動する粒子材料、例えば、担体を基部とする("carrier-based")製剤に適している。注入方法は、卓上("bench-top")設定で試験され、8mgの担体を基部とする製剤は、手動でこすって、100室に注入された。この注入の正確度は、2.4%RSDを確立した。
【0013】
室の開口の大きさと形状は、空洞の開口と等しいのが好ましい。又は、室の開口は空洞の開口よりも小さく、且つ室と空洞の開口が互いに向き合うときに、室の開口が空洞の開口の境界によって囲まれる。
【0014】
本発明の方法の有利な態様によれば、空洞は回転前に室に取り外し可能に固定され、空洞が満たされたときに空洞は室から取り外される。
【0015】
本発明の方法のさらに有利な態様によれば、室は、こすり満たすこと("scrape filling")により満たされ、こすり満たすことは、少なくとも1つの回転スクレイパー("scraper")により達成される。
【0016】
本発明の方法の他の有利な態様によれば、室は、空洞の容積より小さな容積を形成する量の粒子材料で満たされる。その方法は、粉末の薬剤を含む粒子材料のために用いられるのが好ましい。
【0017】
本発明の装置の有利な態様によれば、その装置は、回転前に空洞を取り外し可能に室に固定する固定手段を有し、その装置は、空洞が満たされたときに室から空洞を取り外す分離手段を有するのが好ましい。
【0018】
本発明の装置のさらに有利な態様によれば、注入手段は、室をこすり満たすためのスクレイパー手段を含み、そのスクレイパー手段は、少なくとも1つの回転スクレイパーを含むのが好ましい。
【0019】
本発明の装置の他の有利な態様によれば、室の容積は、空洞の容積より小さい。この態様により、空洞は、正確に且つ簡単に、空洞の容積より小さな容積の量の粒子材料で満たされる。
【0020】
本発明の装置のさらに他の有利な態様によれば、装置は、少なくとも1つの室を備えた少なくとも1つの注入要素を有し、その装置は、ディスクに設けられた少なくとも1つの空洞に適応している。その要素は、他の大きさ及び他のパターンに配置された室を備えた他の要素と交換可能であり、他のサイズの服用量と空洞の他のパターンに適合するのが好ましい。
【0021】
本発明の装置の有利な態様によれば、注入要素は多くの室を有し、室の数("amount")は、空洞の数と同一であり、室の位置はディスクの空洞の位置に対応する。これにより、各室の開口は、注入要素がディスクに固定されたときに空洞の開口と向かい合う。装置は、多くの注入要素を有するのが好ましい。
【0022】
本発明の装置の他の有利な態様によれば、誘導手段は、注入要素が取り付けられたコンベヤーベルト("conveyor belt")を有する。好ましくは、装置は、粉末の薬剤を含む粒子材料に適応している。
【0023】
さらに、本発明は、請求項19の前置きで定義された種類の服用量の薬剤を含むパックを生成する方法を提供する。この方法は、請求項1から請求項7のいずれかに記述された特定の工程を有する。
【0024】
本発明は、請求項20の前置きで定義された種類の服用量の薬剤を含むパックを生成する器具も提供する。この器具において、装置は請求項8から請求項18のいずれかに記述された特定の特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、例示的な目的のためにさらに詳細に実施形態と添付の図面を参照することにより、記述される。
【0026】
図1は、粉末の薬剤を収容するための多くの空洞2を備えた円形のドラッグディスク1の上面図を示す。空洞2は、円形のパターンで配置されている。この種類のディスク1は、例えば、吸入装置に装填され得る。
【0027】
図2は、図1のディスクに適合する、本発明の注入要素3の実施形態の上面図を示す。注入要素3は、多くの室("chambers")4を備えている。室4の数("amount")は、ディスクの空洞の数と同じである。室4の位置は、ディスクの空洞の位置に対応している。これにより、各室4の開口は、注入要素3がディスクに固定されたときに空洞の開口と向かい合う。さらに、図2は、室4をこすり満たすためのスクレイパー手段5を示している。スクレイパー手段5は、4つの回転スクレイパー6を含む。投薬装置(図示せず)は、粉末の薬剤を注入要素3の面上に分配するために設けられる。
【0028】
図2において、粉末の薬剤は、4箇所の位置7で注入要素3の面上に分配されている。全ての室4をこすり満たすために、全ての室4の総容積の少なくとも2倍に等しい量の粉末が用いられるのが好ましい。注入要素3は、放射状の空にするスリット("a radial emptying slit")8を備えている。室4に注入されなかった余分の粉末は、回転スクレイパー6の回転中にこのスリット8に集められ、室を次に満たすときに、再利用され得る。余分な粉末を処分するための手段は、室の近くのスリット又は開口を介してもいい。円形に配置された室の場合、スリットは、図に示すように放射状であってもよく、もしくは室の内側の同軸又は室の外側の同軸であってもよい。余分な粉末は、吸引、ブラッシング、又は粘着面を用いて処理されうる。
【0029】
図3a〜図3hは、空洞を有するディスクと、そのディスクに適合する注入要素とを示し、本発明の方法の実施形態を図示している。これらの図には、2つの空洞と2つの室のみが示されている。図3aは、注入要素11に設けられた2つの室10.1,10.2を示している。各室10.1,10.2の開口面は、実質的に上方を向いている。この場合、各室の容積は、満たされる空洞の容積の約75〜100%である。注入要素11は、空洞の必要な一服分の大きさに適合するために、異なる容積を持つ室を備えた注入要素に交換可能である。
【0030】
図3bにおいて、各室10.1,10.2の全ての容積が、回転スクレイパー13により、量12.1,12.2の粉末の薬剤で、こすり満たされる。図3cにおいて、全ての室10.1,10.2が量12.1,12.2の粉末の薬剤で満たされ、全ての余分な粉末が取り除かれる。
【0031】
図3dにおいて、注入要素11の室10.1,10.2の数と同じ数で、注入要素11の室10.1,10.2の位置に対応する位置に設けられた多くの空洞15.1,15.2を備えたディスク14は、注入要素11の上面に配置される。その結果、各空洞15.1,15.2の開口は、対応する室10.1,10.2の開口と対向し、且つ近接近する。ディスク14は、注入要素11に取り外し可能に固定される。
【0032】
図3eにおいて、組み合わされた注入要素11とディスク14は、約180度回転される。これにより、各室10.1,10.2は、対応する空洞15.1,15.2と共に回転され、その結果、各空洞15.1,15.2は、その開口面が実質的に上方を向くように位置付けられ、各室10.1,10.2は、その開口面が実質的に下方を向くように位置付けられる。図3fにおいて、量12.1,12.2の粉末の薬剤は、各空洞15.1,15.2に流入される。これにより、各室10.1,10.2から、粉末が除去される。
【0033】
図3gにおいて、注入要素11は、ディスク14から取り外され、各空洞15.1,15.2の容積は、粉末の薬剤により75〜100%まで満たされる。図3hにおいて、量12.1,12.2の粉末の薬剤でそれぞれ満たされた空洞15.1,15.2は、アルミニウムの封止シート16により封止される。
【0034】
図4は、本発明における多量の粉末材料を空洞に注入するための装置の実施形態の概略の側面図を示している。この装置は、多くの注入要素21が取り付けられたコンベヤーベルト20を有する。注入要素21は、図2の注入要素と同じデザインであり、図1のディスクと同じデザインを持つディスクに設けられた空洞を満たすのに適合している。この装置は、投薬装置22と第1のスクレイパー手段23と第2のスクレイパー手段24とを含む注入手段を有する。各スクレイパー手段23,24は、軸27,28の回りを回転する複数のスクレイパー25,26を有する。
【0035】
投薬装置22は、複数の分与の粉末の薬剤を注入要素21の表面に分配するために設けられる。第1のスクレイパー手段23は、各室の開口面が実質的に上方を向くときに、スクレイパー25の回転により、全ての室を第1にこすり満たすために設けられる。第2のスクレイパー手段24は、室を第2にこすり満たし、且つ余分な粉末を注入要素21の空にするスリットへ取り除くために設けられる(図2参照)。空にするスリットは、室に注入している間は閉じられ、余分な粉末が取り除かれるときに第2のスクレイパー手段24の動作中に開放されるだけである。
【0036】
装置は、各空洞の開口が、室の対応する開口と対向し且つ近接近するように、注入要素21の上面にディスク30を配置するための稼働手段29を有する。各注入要素21は、ディスク30を注入要素21に取り外し可能に固定するための固定手段37を備えている。これにより、各室の開口は、空洞の開口と向きあう位置に固定される。各注入要素21が取り付けられたコンベヤーベルト20は、各注入要素21を異なる工程ステップ間でガイドするためと、組み合わされた注入要素21とディスク30を約180度回転させるために設けられる。これにより、満たされた室は、対応する空洞と共に回転される。その結果、空洞は、空洞の開口面が実質的に上方を向くように位置付けられ、室は、室の開口面が実質的に下方を向くように位置付けられる。これにより、粉末の材料は、注入要素21の室からディスク30の対応する空洞に流れ込む。
【0037】
さらに、装置は、各空洞が満たされたときに、ディスクを注入要素21から取り外すための分離手段31を有する。装置は、また、室から粉末の薬剤が取り除かれた後、注入要素21を圧搾空気及び吸引により清掃するために設けられた第1及び第2の清掃部32,33を有する。さらに、装置は、第1及び第2の監視装置34,35を有する。第1の監視装置34は、注入手段22,23,24の後で室を調べるために設けられ、完全な充填を確認する。第2の監視装置35は、第1と第2の清掃部32,33の後で注入要素21を調べるために設けられ、注入要素21の完全な清掃を確認する。装置は、ディスク30の完全な充填を確認するための第3の監視装置36を任意に備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】円形のパターンの空洞を備えた円形のドラッグディスクの概略上面図
【図2】本発明の注入要素の実施形態とスクレイパー手段の実施形態とを示す概略の上面図であって、注入要素は、図1のドラッグディスクに対応する。
【図3a】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3b】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3c】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3d】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3e】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3f】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3g】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図3h】本発明の方法の実施形態を示し、空洞を備えるディスクに適用される、本発明の注入要素の概略の部分的な側面図
【図4】本発明の装置の実施形態の概略の側面図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に上方を向く開口面を備えた室に多量の粒子材料を注入するステップを有する、多量の粒子材料を空洞に注入する方法であって、
注入された前記室の開口の向かい側に前記空洞の開口を配置するステップと、
その後、前記空洞の開口面が少なくとも部分的に上方を向くように前記空洞が位置付けられ、且つ前記室の開口面が少なくとも部分的に下方を向くように前記室が位置付けられるように、前記室を前記空洞と共に回転させるステップと、
を有し、
多量の粒子材料を前記空洞の中に流入させることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記回転前に、前記空洞を前記室に取り外し可能に固定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空洞が満たされたときに、前記室から前記空洞を取り外すことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記室をこすり満たすことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記こすり満たすことは、少なくとも1つの回転スクレイパーにより成し遂げられることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記空洞の容積より小さな容積を形成する量の粒子材料を前記室に注入することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記粒子材料は、粉末の薬剤を含むことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの室と、
少なくとも部分的に上方を向く開口面を備えた前記室に多量の粒子材料を注入する注入手段と、
を有する、多量の粒子材料を少なくとも1つの空洞に注入する装置であって、
前記室の開口の向かい側に前記空洞の開口を配置する稼働手段と、
前記空洞の開口面が少なくとも部分的に上方を向くように前記空洞が位置付けられ、且つ前記室の開口面が少なくとも部分的に下方を向くように前記室が位置付けられるように、前記室を前記空洞と共に回転させる誘導手段と、
をさらに有し、
多量の粒子材料を前記空洞の中に流入させることを特徴とする装置。
【請求項9】
前記回転前に、前記空洞を前記室に取り外し可能に固定する固定手段を有することを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記空洞が満たされたときに、前記室から前記空洞を取り外す分離手段を有することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記注入手段は、前記室をこすり満たすためのスクレイパー手段を有することを特徴とする、請求項8から請求項10のいずれかの請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記スクレイパー手段は、少なくとも1つの回転スクレイパーを含むことを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記スクレイパー手段は、複数の回転スクレイパーを含むことを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記複数の回転スクレイパーは、互いに異なる形状に設計されていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
各回転スクレイパーは、互いに同一の形状に設計されていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記室の容積は、前記空洞の容積よりも小さいことを特徴とする、請求項8から請求項15のいずれかの請求項に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、前記少なくとも1つの室を備えた少なくとも1つの注入要素を有し、
前記少なくとも1つの空洞は、ディスクに設けられることを特徴とする、請求項8から請求項15のいずれかの請求項に記載の装置。
【請求項18】
前記注入要素は、多くの室を有し、
前記室の数は、前記空洞の数と同一であり、
前記室の位置は、前記ディスクの前記空洞の位置に対応し、
前記注入要素がディスクに固定されるときに、各室の開口が空洞の開口に向かい合うことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記装置は、多くの前記注入要素を有することを特徴とする、請求項17または請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記誘導手段は、前記注入要素が取り付けられたコンベヤーベルトを有することを特徴とする、請求項17から請求項19のいずれかの請求項に記載の装置。
【請求項21】
前記装置は、粉末の薬剤を含む粒子材料に適合していることを特徴とする、請求項8から請求項20のいずれかの請求項に記載の装置。
【請求項22】
前記装置は、非線形の空洞の並べ方で配置された複数の空洞を満たすように設けられていることを特徴とする、請求項8から請求項21のいずれかの請求項に記載の装置。
【請求項23】
服用量の薬剤を含むパックを生成する方法であって、
前記パックは、1回分の薬剤を収容するための少なくとも1つの空洞を有し、
前記方法は、多量の粒子材料を空洞に注入する工程を有し、
前記空洞は、封止シートにより封止され、
前記方法は、請求項1から請求項7のいずれかに記載された特定の工程を有することを特徴とする方法。
【請求項24】
服用量の薬剤を含むパックを生成する器具であって、
前記パックは、1回分の薬剤を収容するための少なくとも1つの空洞を有し、
前記器具は、多量の粒子材料を空洞に注入する少なくとも1つの装置と、封止シートで前記空洞を封止する封止手段とを有し、
前記装置は、請求項8から請求項22のいずれかに記載された特定の特徴を有することを特徴とする器具。
【請求項1】
少なくとも部分的に上方を向く開口面を備えた室に多量の粒子材料を注入するステップを有する、多量の粒子材料を空洞に注入する方法であって、
注入された前記室の開口の向かい側に前記空洞の開口を配置するステップと、
その後、前記空洞の開口面が少なくとも部分的に上方を向くように前記空洞が位置付けられ、且つ前記室の開口面が少なくとも部分的に下方を向くように前記室が位置付けられるように、前記室を前記空洞と共に回転させるステップと、
を有し、
多量の粒子材料を前記空洞の中に流入させることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記回転前に、前記空洞を前記室に取り外し可能に固定することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空洞が満たされたときに、前記室から前記空洞を取り外すことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記室をこすり満たすことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記こすり満たすことは、少なくとも1つの回転スクレイパーにより成し遂げられることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記空洞の容積より小さな容積を形成する量の粒子材料を前記室に注入することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記粒子材料は、粉末の薬剤を含むことを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかの請求項に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの室と、
少なくとも部分的に上方を向く開口面を備えた前記室に多量の粒子材料を注入する注入手段と、
を有する、多量の粒子材料を少なくとも1つの空洞に注入する装置であって、
前記室の開口の向かい側に前記空洞の開口を配置する稼働手段と、
前記空洞の開口面が少なくとも部分的に上方を向くように前記空洞が位置付けられ、且つ前記室の開口面が少なくとも部分的に下方を向くように前記室が位置付けられるように、前記室を前記空洞と共に回転させる誘導手段と、
をさらに有し、
多量の粒子材料を前記空洞の中に流入させることを特徴とする装置。
【請求項9】
前記回転前に、前記空洞を前記室に取り外し可能に固定する固定手段を有することを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記空洞が満たされたときに、前記室から前記空洞を取り外す分離手段を有することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記注入手段は、前記室をこすり満たすためのスクレイパー手段を有することを特徴とする、請求項8から請求項10のいずれかの請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記スクレイパー手段は、少なくとも1つの回転スクレイパーを含むことを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記スクレイパー手段は、複数の回転スクレイパーを含むことを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記複数の回転スクレイパーは、互いに異なる形状に設計されていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
各回転スクレイパーは、互いに同一の形状に設計されていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記室の容積は、前記空洞の容積よりも小さいことを特徴とする、請求項8から請求項15のいずれかの請求項に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、前記少なくとも1つの室を備えた少なくとも1つの注入要素を有し、
前記少なくとも1つの空洞は、ディスクに設けられることを特徴とする、請求項8から請求項15のいずれかの請求項に記載の装置。
【請求項18】
前記注入要素は、多くの室を有し、
前記室の数は、前記空洞の数と同一であり、
前記室の位置は、前記ディスクの前記空洞の位置に対応し、
前記注入要素がディスクに固定されるときに、各室の開口が空洞の開口に向かい合うことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記装置は、多くの前記注入要素を有することを特徴とする、請求項17または請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記誘導手段は、前記注入要素が取り付けられたコンベヤーベルトを有することを特徴とする、請求項17から請求項19のいずれかの請求項に記載の装置。
【請求項21】
前記装置は、粉末の薬剤を含む粒子材料に適合していることを特徴とする、請求項8から請求項20のいずれかの請求項に記載の装置。
【請求項22】
前記装置は、非線形の空洞の並べ方で配置された複数の空洞を満たすように設けられていることを特徴とする、請求項8から請求項21のいずれかの請求項に記載の装置。
【請求項23】
服用量の薬剤を含むパックを生成する方法であって、
前記パックは、1回分の薬剤を収容するための少なくとも1つの空洞を有し、
前記方法は、多量の粒子材料を空洞に注入する工程を有し、
前記空洞は、封止シートにより封止され、
前記方法は、請求項1から請求項7のいずれかに記載された特定の工程を有することを特徴とする方法。
【請求項24】
服用量の薬剤を含むパックを生成する器具であって、
前記パックは、1回分の薬剤を収容するための少なくとも1つの空洞を有し、
前記器具は、多量の粒子材料を空洞に注入する少なくとも1つの装置と、封止シートで前記空洞を封止する封止手段とを有し、
前記装置は、請求項8から請求項22のいずれかに記載された特定の特徴を有することを特徴とする器具。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図3h】
【図4】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図3g】
【図3h】
【図4】
【公表番号】特表2008−540263(P2008−540263A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509974(P2008−509974)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000519
【国際公開番号】WO2006/118526
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000519
【国際公開番号】WO2006/118526
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】
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