説明

大うつ病を有する患者において減量療法を提供する方法

開示しているのは、特に大うつ病に罹患している患者に、減量療法を提供する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に大うつ病に罹患している患者に、減量療法を提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満は、ボディーマスインデックス(BMI)によって定義されてきた。BMIは、体重(kg)/[身長(m)]2として算出される。米国疾病管理予防センター(CDC)および世界保健機関(WHO)の指針によれば、20歳を超える成人について、BMIは、以下のカテゴリーのうちの1つに分類される:18.5未満は低体重と考えられ、18.5〜24.9は正常と考えられ、25.0〜29.9は過体重と考えられ、30.0以上は肥満と考えられる(World Health Organization、Physical status: The use and interpretation of anthropometry、Geneva、Switzerland: World Health Organization 1995、WHO Technical Report Series)。
【0003】
精神障害の診断は、典型的には、精神障害の診断と統計の手引き、第4版(DSM-IV)(American Psychiatric Association; Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第4版(DSM-IV)、Washington, D.C.、American Psychiatric Press、1994)に示されている判定基準に基づく。DSM-IVに記載されているうつ病の3つの主要なカテゴリーは、大うつ病性障害(すなわち、単極性大うつ病)、気分変調性障害(すなわち、気分変調)および双極性障害(すなわち、躁うつ病)である。うつ病のこれらの主要なカテゴリーの数種類のサブタイプもある。例えば、非定型うつ病は、良い出来事があったときには元気づけられる能力を特徴とする、うつ病の全3つの主要な型のサブタイプである(同書を参照されたい)。
【0004】
DSM-IVによれば、大うつ病性障害の本質的な特徴は、個人が抑うつ気分またはほぼすべての活動における興味もしくは喜びの喪失を経験する少なくとも2週間の期間である(同書を参照されたい)。大うつ病性障害の診断には、食欲または体重における変化;不眠;精神運動性の激越または遅延;エネルギーレベルの低下;無益感または罪悪感;考えること、集中すること、または決断することの難しさ;および死についての反復的な考え、自殺念慮、または自殺を行う試みを含みうる少なくとも4つのさらなる症状も必要とされる(同書を参照されたい)。
【0005】
これに対して、気分変調性障害は、大うつ病性障害のものと同様であるが、それよりも重症ではない、症状を伴うより軽度の型のうつ病である。双極性障害は、躁病とうつ病との間での気分の極度の変動を特徴とし、躁病には、多幸感、誇大的態度、エネルギーの増加、睡眠の必要性の低下、速い会話、およびリスク負担が伴われる(同書を参照されたい)。
【0006】
最近の試験では、大うつ病(すなわち、大うつ病性障害)と過体重または肥満との間の特有のつながりが確認されており、うつ病は、肥満と関連づけられてきている。うつ病は、情動的摂食とも関連づけられてきており、この情動的摂食は高いBMIと関連がある。さらに、うつ病患者は、特定のうつ病療法の副作用として体重増加を示すことが知られている。
【0007】
米国特許第7,375,111号および第7,462,626号には、減量療法のためのナルトレキソンとブプロピオンとの組合せが開示されている。さらに、米国特許第5,817,665号には、ナルトレキソンと抗うつ薬との組合せを使用して、うつ病を、さらに肥満であるかまたは甘いものを渇望する人々において治療する例が開示されている。しかし、大うつ病に罹患している過体重または肥満の患者の集団を治療することが困難な中で、過体重または肥満の治療のための有効な方法が必要とされている。大うつ病と過体重または肥満とを並行して治療するための有効な方法も必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7,375,111号
【特許文献2】米国特許第7,462,626号
【特許文献3】米国特許第5,817,665号
【特許文献4】米国特許公開第2007/0281021号
【特許文献5】米国特許公開第2008-0110792号
【特許文献6】米国特許公開第2008-0113026号
【特許文献7】米国特許公開第2007/0117827号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】World Health Organization、Physical status
【非特許文献2】The use and interpretation of anthropometry、Geneva、Switzerland
【非特許文献3】World Health Organization 1995、WHO Technical Report Series
【非特許文献4】精神疾患の診断・統計マニュアル、第4版(DSM-IV)(American Psychiatric Association; Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders、第4版(DSM-IV)、Washington, D.C.、American Psychiatric Press、1994)
【非特許文献5】Finglら1975、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」中、第1章1頁
【非特許文献6】「Remington's Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、PA、第18版、1990
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本明細書中に開示しているのは、特に大うつ病に罹患している患者に、減量療法を提供する方法である。いくつかの実施形態において、方法は、大うつ病に罹患している過体重または肥満の患者において、大うつ病に罹患していない過体重または肥満の患者におけるのと同量の減量を予想外にも可能にする。いくつかの実施形態において、投与量のナルトレキソンおよびブプロピオンは、過体重または肥満と大うつ病との双方を予想外にも治療する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
いくつかの実施形態において、大うつ病性障害に罹患している患者を特定するステップであって、患者がさらに過体重または肥満であるステップと、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とを患者に投与することによって患者の体重を減少させるステップであって、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩が、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の減量活性を高めるのに有効な量であるステップとを含む、患者に減量療法を提供する方法が提供される。特定の実施形態において、方法は、患者においてうつ病の症状を軽減させることをさらに含む。特定の実施形態において、患者は、Montgomery-Asbergうつ病評価尺度を用いて大うつ病性障害に罹患していると診断されている。特定の実施形態において、患者は、抑うつ症状尺度(Inventory of Depressive Symptomatology)を用いて大うつ病性障害に罹患していると診断されている。特定の実施形態において、患者は、双極性障害に罹患していない。特定の実施形態において、患者は、25kg/m2以上のボディーマスインデックスを有する。特定の実施形態において、患者は、30kg/m2以上のボディーマスインデックスを有する。特定の実施形態において、患者は、過体重である。特定の実施形態において、患者は、肥満である。特定の実施形態において、患者は、女性である。特定の実施形態において、減量を誘導する組合せは、1日あたり少なくとも1回投与される。特定の実施形態において、減量を誘導する組合せは、1日あたり1回よりも多く投与される。特定の実施形態において、減量を誘導する組合せは、少なくとも12週間投与される。特定の実施形態において、減量を誘導する組合せは、少なくとも24週間投与される。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩は、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の前または後に投与される。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とは、単一の経口剤形中にある。特定の実施形態において、単一の経口剤形は、薬学的に許容される添加剤、賦形剤、または担体をさらに含有する。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは
薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約5mgから約50mgである。特定の実施形態において、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約30mgから約500mgである。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約5mgから約50mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約30mgから約500mgである。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約4mgから約50mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約30mgから約500mgである。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約16mgまたは約32mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約360mgである。特定の実施形態において、患者に投与される初期日用量は、約4mgまたは約8mgのナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩と約90mgのブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とであり、患者に維持のために投与される日用量は、約16mgまたは約32mgのナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩と約360mgのブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とである。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の日用量は、1週目4mgから2週目8mg、3週目12mg、4週目およびそれ以降16mgならびに1週目8mgから2週目16mg、3週目24mg、4週目およびそれ以降32mgからなる群から選択される投与スケジュールであって、かつブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の日用量は、1週目90mgから2週目180mg、3週目270mg、4週目およびそれ以降360mgまで漸増される。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約32mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約360mgである。特定の実施形態において、方法は、ナルトレキソンもしくは薬学的に許容されるその塩、ブプロピオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または双方の投与量を、患者の大うつ病性障害を治療するために必要に応じて調整することをさらに含む。特定の実施形態において、方法は、ナルトレキソンもしくは薬学的に許容されるその塩、ブプロピオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または双方の投与量を、患者の過体重または肥満を治療するために必要に応じて調整することをさらに含む。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のうちの少なくとも一方は持続放出製剤である。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のそれぞれは持続放出製剤である。特定の実施形態において、方法は、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とを食品と共に投与することをさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、大うつ病性障害に罹患している患者を特定するステップであって、患者がさらに過体重または肥満であるステップと、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とを患者に投与することによって患者の体重を減少させるステップであって、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量が1日あたり約32mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量が1日あたり約360mgであり、かつナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のそれぞれが持続放出製剤であるステップとを含む、患者に減量療法を提供する方法が提供される。
【0013】
いくつかの実施形態において、患者を評価して患者が減量療法とうつ病療法とを同時に必要としているかどうかを判断するステップと、そうである場合には、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩との、減量を誘導し、かつ抗うつ作用のある有効な組合せを活性成分として患者に提供するステップとを含む、利用可能な減量療法の中から減量療法を選択する方法が提供される。特定の実施形態において、方法は、組合せが減量を促進し、かつうつ病の症状を軽減させることを示している印刷された情報を患者に提供するステップをさらに含む。特定の実施形態において、患者は、Montgomery-Asbergうつ病評価尺度を用いて大うつ病性障害に罹患していると診断されている。特定の実施形態において、患者は、抑うつ症状尺度を用いて大うつ病性障害に罹患していると診断されている。特定の実施形態において、患者は、双極性障害に罹患していない。特定の実施形態において、患者は、25kg/m2以上のボディーマスインデックスを有する。特定の実施形態において、患者は、30kg/m2以上のボディーマスインデックスを有する。特定の実施形態において、患者は、過体重である。特定の実施形態において、患者は、肥満である。特定の実施形態において、患者は、女性である。特定の実施形態において、減量を誘導し、かつ抗うつ作用のある組合せは、1日あたり少なくとも1回投与される。特定の実施形態において、減量を誘導し、かつ抗うつ作用のある組合せは、1日あたり1回よりも多く投与される。特定の実施形態において、減量を誘導し、かつ抗うつ作用のある組合せは、少なくとも12週間投与される。特定の実施形態において、減量を誘導し、かつ抗うつ作用のある組合せは、少なくとも24週間投与される。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩は、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の前または後に投与される。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とは、単一の経口剤形中にある。特定の実施形態において、単一の経口剤形は、薬学的に許容される添加剤、賦形剤、または担体をさらに含有する。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約5mgから約50mgである。特定の実施形態において、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約30mgから約500mgである。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約5mgから約50mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約30mgから約500mgである。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約4mgから約50mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約30mgから約500mgである。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約16mgまたは約32mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約360mgである。特定の実施形態において、患者に投与される初期日用量は、約4mgまたは約8mgのナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩と約90mgのブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とであり、患者に維持のために投与される日用量は、約16mgまたは約32mgのナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩と約360mgのブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とである。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の日用量は、1週目4mgから2週目8mg、3週目12mg、4週目およびそれ以降16mgならびに1週目8mgから2週目16mg、3週目24mg、4週目およびそれ以降32mgからなる群から選択される投与スケジュールであって、かつブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の日用量は、1週目90mgから2週目180mg、3週目270mg、4週目およびそれ以降360mgまで漸増される。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約32mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約360mgである。特定の実施形態において、方法は、ナルトレキソンもしくは薬学的に許容されるその塩、ブプロピオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または双方の投与量を、患者の大うつ病性障害を治療するために必要に応じて調整することをさらに含む。特定の実施形態において、方法は、ナルトレキソンもしくは薬学的に許容されるその塩、ブプロピオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または双方の投与量を、患者の過体重または肥満を治療するために必要に応じて調整することをさらに含む。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のうちの少なくとも一方は持続放出製剤である。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のそれぞれは持続放出製剤である。特定の実施形態において、方法は、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とを食品と共に投与することをさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩との、減量を誘導する有効な組合せを活性成分として含有する医薬品を患者に提供することと、うつ病患者において、医薬品が結果として減量の促進およびうつ病の症状の軽減につながることを示している印刷された情報を患者に提供することとを含む、患者に減量療法を提供する方法が提供される。特定の実施形態において、患者は、Montgomery-Asbergうつ病評価尺度を用いて大うつ病性障害に罹患していると診断されている。特定の実施形態において、患者は、抑うつ症状尺度を用いて大うつ病性障害に罹患していると診断されている。特定の実施形態において、患者は、双極性障害に罹患していない。特定の実施形態において、患者は、25kg/m2以上のボディーマスインデックスを有する。特定の実施形態において、患者は、30kg/m2以上のボディーマスインデックスを有する。特定の実施形態において、患者は、過体重である。特定の実施形態において、患者は、肥満である。特定の実施形態において、患者は、女性である。特定の実施形態において、医薬品は、1日あたり少なくとも1回投与される。特定の実施形態において、医薬品は、1日あたり1回よりも多く投与される。特定の実施形態において、医薬品は、少なくとも12週間投与される。特定の実施形態において、医薬品は、少なくとも24週間投与される。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩は、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の前または後に投与される。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とは、単一の経口剤形中にある。特定の実施形態において、単一の経口剤形は、薬学的に許容される添加剤、賦形剤、または担体をさらに含有する。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約5mgから約50mgである。特定の実施形態において、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約30mgから約500mgである。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約5mgから約50mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約30mgから約500mgである。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約4mgから約50mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約30mgから約500mgである。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約16mgまたは約32mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約360mgである。特定の実施形態において、患者に投与される初期日用量は、約4mgまたは約8mgのナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩と約90mgのブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とであり、患者に維持のために投与される日用量は、約16mgまたは約32mgのナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩と約360mgのブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とである。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の日用量は、1週目4mgから2週目8mg、3週目12mg、4週目およびそれ以降16mgならびに1週目8mgから2週目16mg、3週目24mg、4週目およびそれ以降32mgからなる群から選択される投与スケジュールであって、かつブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の日用量は、1週目90mgから2週目180mg、3週目270mg、4週目およびそれ以降360mgまで漸増される。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約32mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量は、1日あたり約360mgである。特定の実施形態において、方法は、ナルトレキソンもしくは薬学的に許容されるその塩、ブプロピオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または双方の投与量を、患者の大うつ病性障害を治療するために必要に応じて調整するステップをさらに含む。特定の実施形態において、方法は、ナルトレキソンもしくは薬学的に許容されるその塩、ブプロピオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または双方の投与量を、患者の過体重または肥満を治療するために必要に応じて調整するステップをさらに含む。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のうちの少なくとも一方は持続放出製剤である。特定の実施形態において、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のそれぞれは持続放出製剤である。特定の実施形態において、方法は、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とを食品と共に投与するステップをさらに含む。
【発明を実施するための形態】
【0015】
いくつかの実施形態において、方法は、大うつ病の症状を軽減させるのに有効である。いくつかの実施形態において、大うつ病の症状の軽減は、治療前のベースラインの症状からの百分率変化によって評価される。いくつかの実施形態において、大うつ病の症状の軽減は、Montgomery-Asbergうつ病評価尺度スコアにおける変化によって評価される。いくつかの実施形態において、大うつ病の症状の軽減は、自己記入式-抑うつ症状尺度(Inventory of Depressive Symptomatology-Self Report)(IDS-SR)スコアにおける変化によって評価される。いくつかの実施形態において、大うつ病の症状の軽減は、臨床全般印象-改善度(CGI-I)の尺度によって評価されるような変化によって評価される。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、大うつ病の症状の軽減は、反応性および/または抑うつ症状の寛解率における変化によって評価される。好ましい一実施形態において、大うつ病の症状の軽減は、少なくとも約40%である。いくつかの実施形態において、大うつ病の症状の軽減は、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくは100%であるか、およそこれらの値であるか、少なくともこれらの値であるか、少なくともおよそこれらの値であるか、または先の値のうちのいずれか2つによって定められる範囲である。いくつかの実施形態において、大うつ病の症状の軽減は、約4、8、12、16、20、24、36、48、もしくは52週目、または先の値のうちのいずれか2つによって定められる範囲で認められる。
【0016】
いくつかの実施形態において、方法は、過体重または肥満の個体において減量を促進するかまたは体重増加を緩和するのに有効である。いくつかの実施形態において、個体は、うつ病の結果としてかつ/またはうつ病の治療用の他の医薬品を投与されている結果として体重が増えている。しかし、いくつかの実施形態において、個体の過体重または肥満の原因は未知である。いくつかの実施形態において、減量を促進するかまたは体重増加を緩和し、かつ大うつ病の症状を軽減させる方法が提供される。いくつかの実施形態において、大うつ病の症状を軽減させる方法は、減量または体重増加の緩和とは無関係に提供される。いくつかの実施形態において、減量を促進するかまたは体重増加を緩和する方法は、大うつ病の症状の軽減とは無関係に提供される。
【0017】
いくつかの実施形態において、個体は、少なくとも25kg/m2のボディーマスインデックス(BMI)を有する。いくつかの実施形態において、個体は、少なくとも30kg/m2のBMIを有する。いくつかの実施形態において、個体は、少なくとも40kg/m2のBMIを有する。いくつかの実施形態において、個体は、25kg/m2未満のBMIを有するか、またはナルトレキソンおよびブプロピオンの投与の過程でBMIが25kg/m2未満になる。これらの実施形態において、その後の体重増加を緩和することまたは減量を促進すること、それによってBMIもさらに低下させることは、健康または美容の目的で有益な場合もある。いくつかの実施形態において、個体は、医師によって過体重または肥満であると診断されている。いくつかの実施形態において、個体は、過体重または肥満として、自己識別を含めて、識別される、あるいは過体重または肥満として診断されていると識別される。
【0018】
いくつかの実施形態において、減量の促進は、ベースラインの体重からの百分率変化によって評価される。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、減量の量は、初期体重の0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、15%、もしくはそれ以上であるか、およそこれらの値であるか、少なくともこれらの値であるか、少なくともおよそこれらの値であるか、または先の値のうちのいずれか2つによって定められる範囲である。いくつかの実施形態において、減量の促進は、ナルトレキソンおよびブプロピオンをいずれも投与していないときか、またはそのうちの一方のみを投与したときに経験される体重増加の量に対して相対的な体重増加の減少として評価され、この体重増加の減少の量は、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、105%、110%、115%、120%、もしくはそれ以上であるか、およそこれらの値であるか、少なくともこれらの値であるか、少なくともおよそこれらの値であるか、または先の値のうちのいずれか2つによって定められる範囲である。
【0019】
いくつかの実施形態において、体重増加の緩和は、ベースラインの体重からの百分率変化によって評価される。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、体重増加の量は、初期体重の0%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%もしくはそれ以上であるか、およそこれらの値であるか、これらの値を超えないか、およそのこれらの値を超えないか、または先の値のうちのいずれか2つによって定められる範囲である。
【0020】
いくつかの実施形態において、投与量は、患者が6ヶ月毎にベースラインの体重の約3%の割合で減量するように調整される。しかし、患者に対するこの減量の割合は、その患者の特別な要求に基づいて治療医師によって調整されてもよい。いくつかの実施形態において、投与量は、患者が6ヶ月毎にうつ病の症状において50%の軽減を示すように調整される。しかし、患者に対するこのうつ病の症状における軽減の割合は、その患者の特別な要求に基づいて治療医師によって調整されてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、体重増加の緩和または減量の促進は、個体において満腹感を高めることによって生じる。いくつかの実施形態において、体重増加の緩和または減量の促進は、個体の食欲を抑制することによって生じる。いくつかの実施形態において、個体は、うつ病もしくは減量のカウンセリング、またはその双方を受ける。いくつかの実施形態において、方法は、制限食および/または運動増量の療法を開始することをさらに含む。いくつかの実施形態において、個体は、うつ病の治療用の他の医薬品を共投与される。例えば、いくつかの実施形態において、個体は、ベンラファキシン、デュロキセチン、またはアリピプラゾールを共投与される。
【0022】
いくつかの実施形態において、うつ病の一期間の治療を受けているまたはもうすぐ開始する肥満の人の治療の結果として、体重増加の緩和または減量の促進が、うつ病の治療を受けているまたはもうすぐ開始する過体重または正常体重の人を治療しているときに認められるものよりも大きくなる。いくつかの実施形態において、うつ病の一期間の治療を受けているまたはもうすぐ開始する肥満の人の治療の結果として、体重増加の緩和または減量の促進が、うつ病に罹患していない肥満または過体重の人をブプロピオンおよびナルトレキソンで治療しているときに認められるものよりも大きくなる。いくつかの実施形態において、うつ病の一期間の治療を受けているまたはもうすぐ開始する過体重の人の治療の結果として、体重増加の緩和または減量の促進が、うつ病の治療を受けているまたはもうすぐ開始する肥満または正常体重の人を治療しているときに認められるものよりも大きくなる。いくつかの実施形態において、うつ病の治療を受けているまたはもうすぐ開始する過体重の人の治療の結果として、体重増加の緩和または減量の促進が、うつ病に罹患していない肥満または過体重の人をブプロピオンおよびナルトレキソンで治療しているときに認められるものよりも大きくなる。
【0023】
いくつかの実施形態において、治療は、大うつ病に罹患している肥満または過体重の人における肥満または過体重の治療に、大うつ病に罹患していない肥満、過体重、または正常体重の人に作用するのと同様にまたはそれよりも良好に作用する。例えば、いくつかの実施形態において、治療は、結果として、うつ病に罹患している肥満または過体重の人において、うつ病に罹患していない肥満または過体重の人においてそうなるであろうのと同様の減量につながる。いくつかの実施形態において、治療は、結果として、うつ病に罹患している肥満または過体重の人において、うつ病に罹患していない肥満または過体重の人においてそうなるであろうよりも大きい減量につながる。
【0024】
いくつかの実施形態において、治療は、大うつ病に罹患している肥満または過体重の人におけるうつ病の治療に、大うつ病に罹患している正常体重の人に作用するのと同様にまたはそれよりも良好に作用する。例えば、いくつかの実施形態において、治療は、結果として、肥満または過体重の人について、正常体重の人においてそうなるであろうのと同様の、うつ病の症状の軽減につながる。いくつかの実施形態において、治療は、結果として、うつ病に罹患している肥満または過体重の人において、うつ病に罹患している正常体重の人においてそうなるであろうよりも大きい、うつ病の症状の軽減につながる。
【0025】
いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンはそれぞれ、1日あたり1回投与される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンはそれぞれ、等しい用量に分けて1日あたり1回よりも多く投与される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンはそれぞれ、異なる用量に分けて1日あたり1回よりも多く投与される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンは、異なる数の用量に分けて1日あたり異なる数の回数で投与される。こうした実施形態の1つでは、ナルトレキソンまたはブプロピオンのうちの一方の用量を分けるが、他方の用量は分けない。
【0026】
いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンのうちの一方または双方は、1日あたり1、2、3、4回、またはそれ以上の回数で投与される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンのうちの一方または双方は、放出制御製剤で投与される。一方または双方の化合物は、1日あたり1回よりも少なく、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、もしくは14日毎に1回、または1もしくは2週間毎に、あるいは先の値のうちのいずれか2つによって定められる範囲で、投与することができる。
【0027】
本明細書に記載のナルトレキソンとブプロピオンとの組合せについての厳密な製剤、投与の経路、および投与量は、患者の状態を考慮してそれぞれの医師によって選択されうる。(例えば、Finglら1975、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」中、第1章1頁を参照されたい)。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンの日用量は同じであり、いくつかの実施形態において、その日用量は異なる。
【0028】
いくつかの実施形態において、ナルトレキソンの日用量は、約4mgから約50mg、または約4mgから約32mg、または約8mgから約32mg、または約8mgから約16mgまでの範囲に及びうる。いくつかの実施形態において、日用量は、約4mg、約8mg、約12mg、約16mg、約32mg、もしくは約48mgのナルトレキソンであるか、または先の値のうちのいずれか2つによって定められる範囲である。いくつかの実施形態において、日用量は、単一の経口剤形で投与される。個別の投与量の選択は、患者の体重に基づきうる。個別の投与量の選択は、共投与する他の化合物の同一性、投与量、および/または投与スケジュールに基づく場合もある。しかし、いくつかの実施形態において、これらの範囲外の投与量を使用することが必要な場合もある。
【0029】
いくつかの実施形態において、ブプロピオンの日用量は、約30mgから約500mg、または約30mgから約360mg、または約90mgから約360mgまでの範囲に及びうる。いくつかの実施形態において、日用量は、約30mg、約90mg、約180mg、約360mg、もしくは約450mgのブプロピオンであるか、または先の値のうちのいずれか2つによって定められる範囲である。いくつかの実施形態において、日用量は、単一の経口剤形で投与される。個別の投与量の選択は、患者の体重に基づきうる。個別の投与量の選択は、共投与する他の化合物の同一性、投与量および/または投与スケジュールに基づく場合もある。しかし、いくつかの実施形態において、これらの範囲外の投与量を使用することが必要な場合もある。
【0030】
いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンのうちの少なくとも一方は、治療期間中に異なる頻度で投与される。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、この異なる頻度は、経時的に減少される頻度を含む。例えば、ナルトレキソンおよびブプロピオンのうちの一方または双方を、最初は1日あたり1回よりも多く投与し、その後、治療のより後の時点では1日あたり1回のみ投与することもできる。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンのうちの少なくとも一方の日用量は、投与頻度が変更されるのにかかわらず一定である。例えば、いくつかの実施形態において、最初はナルトレキソンおよびブプロピオンのそれぞれの2個の錠剤を1日あたり2回投与し、治療のより後の時点ではナルトレキソンおよびブプロピオンのそれぞれの4個の錠剤を1日あたり1回投与する。代替的に、いくつかの実施形態において、治療のより後の時点でナルトレキソンおよびブプロピオンのそれぞれの1個または2個の錠剤を投与し、ここで、この1個または2個の錠剤は、最初に1日あたり2回投与するナルトレキソンおよびブプロピオンのそれぞれ2個の錠剤と同等の総日用量を有する。
【0031】
ナルトレキソンおよびブプロピオンのうちの一方または双方が放出制御製剤または持続放出(SR)製剤で1日あたり1回よりも少なく投与される場合のいくつかの実施形態において、用量は、患者が本明細書に記載の日用量とほぼ同じ日用量を受けるように選択される。
【0032】
いくつかの実施形態において、ナルトレキソンまたはブプロピオンのうちの少なくとも一方は、治療の期間の全体にわたって一貫した日用量で投与される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンまたはブプロピオンのうちの少なくとも一方は、治療の期間中に異なる日用量で投与される。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、日用量は、経時的に増加する日用量を含む。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、日用量は、経時的に減少する日用量を含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンは、別々に投与される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンは、ナルトレキソンおよびブプロピオンを含有する単一の医薬組成物で投与される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンまたはブプロピオンのうちの少なくとも一方は、持続放出製剤または放出制御製剤である。例えば、ナルトレキソンの持続放出形態は、米国特許公開第2007/0281021号に記載されており、この文献は、参照によりその全体が、かつすべての目的で、本明細書に組み込まれており、こうした目的としては、限定されるものではないが、ナルトレキソンおよびブプロピオンの持続放出形態、これらを好適な剤形に作製および製剤化する方法、ならびにこれらを投与する方法を説明するためなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンまたはブプロピオンのうちの少なくとも一方は、薬学的に許容される担体、賦形剤、もしくは添加剤、またはこれらの組合せと共に投与される。ナルトレキソン/ブプロピオンの組合せ、その製剤、およびこれらを投与する方法の非限定的な例は、米国特許第7,375,111号および第7,462,626号に開示されており、これらの文献はいずれも、参照によりその全体が、かつすべての目的で、本明細書に組み込まれており、こうした目的としては、限定されるものではないが、ナルトレキソンとブプロピオンとの組合せ、これらを好適な剤形に作製および製剤化する方法、ならびにこれらを投与する方法を説明するためなどが挙げられる。ナルトレキソン/ブプロピオンの組合せの使用または投与に対する本明細書中の言及は、別々の投与、単一の剤形での投与、塩、プロドラッグおよび/もしくは代謝産物の形態での投与、ならびに/または持続放出性の形態での投与などが挙げられるがこれらに限定されない、本明細書中に開示または言及しているすべての投与方法を含むことが理解されるであろう。本出願の化合物の製剤化および投与のための技術は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、「Remington's Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、PA、第18版、1990の中に見出すことができる。
【0034】
いくつかの実施形態において、ナルトレキソンは、ブプロピオンの前に投与される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンは、ブプロピオンの後に投与される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンは、共投与される。本明細書中で使用される場合、共投与は、単一の剤形、または同時に、もしくはほぼ同時に、投与される別個の剤形での投与を含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンの投与は、4、12、16、20、24、36、48、もしくは52週間、またはおよそこれらの間、あるいは先の値のうちのいずれか2つによって定められる範囲の間、継続される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンの投与は、うつ病の症状の軽減が、1、2、3、4、5、6週間、もしくはそれ以上の週の間、またはおよそこれらの間、あるいは先の値のうちのいずれか2つによって定められる範囲の間、安定するまで継続される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンの投与は、体重増加の緩和または減量の促進が、1、2、3、4、5、6週間、もしくはそれ以上の週の間、またはおよそこれらの間、あるいは先の値のうちのいずれか2つによって定められる範囲の間、安定するまで継続される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンの投与は、個体が大うつ病性障害の治療をもはや必要としなくなるまで継続される。いくつかの実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンの投与は、個体が肥満または過体重の治療をもはや必要としなくなるまで継続される。
【0036】
本明細書に記載の組成物は、必要に応じて、一方または双方の活性成分を含有する1個または複数の単位剤形を含有しうるパックまたはディスペンサー装置の中に存在していてもよい。パックは、例えば、ブリスターパックのように、金属またはプラスチックの薄片を含んでいてもよい。パックまたはディスペンサー装置には、投与のための説明書が添付されていてもよい。パックまたはディスペンサーには、医薬品の製造、使用、または販売を管理している政府機関によって定められた形態の容器に関連した注記も添付されていてもよく、この注記は、ヒトに投与するための薬剤の形態についての機関による承認を反映する。こうした注記は、例えば、処方薬用に米国食品医薬品局によって承認された標識、または承認された製品挿入物であってもよい。適合した薬剤担体中に製剤化された、本発明の化合物を含有する組成物も、調製して、適切な容器に入れ、かつ指示された状態の治療用にラベルをつけることができる。パックおよびディスペンサーならびに経口剤形の非限定的な例は、米国特許公開第2008-0110792号および第2008-0113026号に開示されており、これらはいずれも、参照によりその全体が、かつすべての目的で、本明細書に組み込まれており、こうした目的としては、限定されるものではないが、ナルトレキソンとブプロピオンとの組合せ、これらを好適な剤形に作製および製剤化する方法、これらをパッキングおよび計量分配する方法、ならびにこれらを投与する方法を説明するためなどが挙げられる。
【0037】
いくつかの実施形態において、単一の経口剤形は、複数の層を含む。例えば、いくつかの実施形態において、単一の経口剤形は、in vivoで急速に溶解するように構成されている、第1の薬剤層、第2の薬剤層、および第1の薬剤層と第2の薬剤層との間に配置された中間層を有する三層錠である。多層錠の非限定的な例は、米国特許出願第2008-0110792号および第2008-0113026号に開示されており、これらはいずれも、参照によりその全体が、かつすべての目的で、本明細書に組み込まれている。
【0038】
指示および/または情報は、好適な媒体または基体上に印刷された情報(例えば、情報が印刷された1枚または複数の紙)、コンピュータで読み取り可能な媒体(情報が記録されている、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、CDなど)、またはインターネットを介してアクセスすることができるウェブサイトアドレスを含む、多様な形態で存在しうる。印刷された情報は、例えば、医薬品に結合されるか、医薬品の容器上にあるか、医薬品と共にパックされるか、もしくは医薬品とは別に患者に提供される、ラベル上で提供されるか、または患者が情報を独力で得ることができる様式(例えば、ウェブサイト)で提供される。印刷された情報は、患者の治療に関わる医療介護者にも提供されうる。
【0039】
本開示の全体にわたり、特定の化合物について、例えばブプロピオンまたはナルトレキソンなどの、名前で言及しているときには、本開示の範囲は、名前を挙げている化合物の薬学的に許容される塩、エステル、アミド、代謝産物、またはプロドラッグを包含するものであると理解される。例えば、本明細書中のいずれの実施形態においても、ナルトレキソンの活性代謝産物、例えば6-βナルトレキソールを、ナルトレキソンと組み合わせて、またはナルトレキソンの代わりに、使用することができる。本明細書中のいずれの実施形態においても、S,S-ヒドロキシブプロピオン(すなわち、ラダファキシン)などの、ブプロピオンの活性代謝産物を、ブプロピオンと組み合わせて、またはブプロピオンの代わりに、使用することができる。
【0040】
本明細書中で使用される場合、体重増加を「緩和する」または体重増加の「緩和」とは、うつ病に関連した、またはうつ病のための他の薬剤療法の投与に関連した、体重増加を防止するかまたはその量を減少させることを含む。いくつかの実施形態において、緩和は、ナルトレキソンまたはブプロピオンのうちの一方のみを投与したときか、またはいずれも投与していないときに典型的に経験される体重増加の量に対して相対的に評価される。
【0041】
本明細書中で使用される場合、減量の「促進」は、わずかな一部の治療期間でベースライン体重に対して相対的な減量を生じることを含む。これは、最初はいくらか体重が増えるが、治療の過程の間に、治療を開始する前のベースライン体重に対して相対的に体重が減る個体、ならびに失われた体重の一部またはすべてを治療期間の終了までに回復する個体を含む。好ましい一実施形態において、治療期間の終了時に、個体は、ベースラインに対して相対的に体重が減っている。好ましい一実施形態において、ナルトレキソンおよびブプロピオンを投与した患者における体重増加の緩和または減量の促進は、ナルトレキソンもしくはブプロピオンをいずれも投与していないときか、またはそのうちの一方のみを投与したときよりも大きく、より好ましくは、少なくとも相加的な、または相加的よりも良好な、または相乗的な、2種の化合物を投与することに対する効果が達成される。
【0042】
「薬学的に許容される塩」という用語は、それを投与する生物に対して重大な刺激作用を生じず、かつその化合物の生物活性および特性を抑止しない、化合物の製剤を指す。薬剤用の塩は、日常の実験法によって得ることができる。薬学的に許容される塩の非限定的な例としては、ブプロピオン塩酸塩、ラダファキシン塩酸塩、ナルトレキソン塩酸塩、および6-βナルトレキソール塩酸塩などが挙げられる。
【0043】
「プロドラッグ」とは、in vivoで親薬物に変換される作用剤を指す。プロドラッグは、ある種の状況において、親薬剤よりも投与が容易な場合もあるので、有用であることが多い。これらは、例えば、経口投与によって親よりも大きい程度に生物利用可能でありうる。プロドラッグは、親薬剤を超えて医薬組成物中での溶解性が改良されているか、高められた嗜好性を示すか、または製剤化がより容易であってもよい。好適なプロドラッグの非限定的な例としては、米国特許公開第2007/0117827号に記載されているものなどが挙げられ、この文献は、参照によりその全体が、かつすべての目的で、本明細書に組み込まれており、こうした目的としては、限定されるものではないが、ナルトレキソン代謝産物およびそのプロドラッグ、これらを好適な剤形に作製および製剤化する方法、ならびにこれらを投与する方法を説明するためなどが挙げられる。
【0044】
本発明の趣旨から逸脱することなく多数のかつ多様な改変を行うことができることは、当業者によって理解されるであろう。したがって、本明細書中に開示している本発明の実施形態は、単に例示的なものであって、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことは、明確に理解されるべきである。本明細書中に引用しているいずれの参考文献も、本明細書中で述べている物質についての参照により、かつその全体が、組み込まれている。
【0045】
(実施例)
以下の実施例は、非限定的なものであり、本発明の多様な態様の代表例にすぎない。
【0046】
(実施例1)
ナルトレキソンおよびブプロピオン
BMI≧27kg/m2かつBMI≦43kg/m2の被験者における、うつ病および体重増加の最小化についての、持続放出性ナルトレキソン(ナルトレキソンSR)+持続放出性ブプロピオン(ブプロピオンSR)の24週間のオープンラベル試験を、Table 1(表1)に示す用量漸増スケジュールに従って行った。すべての被験者が、(精神異常の特徴はなく)大うつ病のDSM-IV判定基準を満たしており、かつIDS-SR総スコア≧26を有していた。
【0047】
【表1】

【0048】
この主要アウトカムは、12および24週目における総体重および被験者記入式のうつ病におけるベースラインからの百分率変化および絶対的変化であった。他の有効性尺度は、胴囲における変化、血清レプチン値および血清グレリン値、クレアチニン値、ならびに安全性および忍容性であった。有害事象およびバイタルサイン(例えば、収縮期および拡張期の血圧および脈拍)を用いて、安全性および忍容性を監視した。登録された25名の被験者の、全員が女性であって、23名は白人であり、平均年齢は47歳であった。25名全員の被験者に少なくとも1回のベースライン後評価を行い、被験者のうちの14名および12名がそれぞれ12および24週間の治療を完了した。
【0049】
MADRS総スコアは、23.65から、12および24週目にそれぞれ10.52および8.35まで減少した。IDS-SR総スコアは、43.20から、12および24週目にそれぞれ23および16まで減少した。CGI-I奏効率は、最大の解析対象集団、最終観察の引き延ばし補完法(FAS LOCF)によって評価したように、12および24週目にそれぞれ90.0%および95.0%であった。CGI-I寛解率は、FAS LOCFによって評価したように、12および24週目にそれぞれ55.0%および70.0%であった。総体重は、FAS LOCFによって評価したように、12および24週目でそれぞれ4.42%および5.86%、さらに、観察された症例の(OC)解析によって評価したように、12および24週目でそれぞれ6.75%および9.96%、減少した。最も一般的な有害事象は、悪心、便秘、頭痛、不眠、眩暈、およびホットフラッシュであった。過体重または肥満の被験者において、ナルトレキソン+ブプロピオンは、体重増加を防止すると同時にうつ病の症状を軽減させた。
【0050】
(実施例2)
ナルトレキソンおよびブプロピオン
25よりも高いBMIを有する患者を特定する。各患者は、ブプロピオン(SR)の90mgの錠剤2個を1日2回に加えて、ナルトレキソン(SR)の8mgの錠剤2個を1日2回服用するように指示される。
【0051】
これらの患者を数ヶ月間監視する。各患者が6ヶ月毎に、初期体重の少なくとも約3%の割合で減量し、かつうつ病の症状における50%の軽減を示すように、投与量を調整することが推奨される。しかし、各患者についてのこの減量およびうつ病の症状における軽減の割合は、その患者の特別な要求に基づいて治療医師によって調整されてもよい。
【0052】
この初期投与量が有効でない場合には、ナルトレキソンおよびブプロピオンの一方または双方の投与量を増やすことができる。あるいは、この初期投与量の結果として、減量またはうつ病の症状における軽減が上記の割合よりも急激になる場合には、ナルトレキソンおよびブプロピオンの一方または双方の投与量を減らすこともできる。
【0053】
(実施例3)
ナルトレキソンおよびブプロピオン
多施設無作為盲検化プラセボ対照臨床試験において、以下の薬剤の組合せを試験する:
【0054】
群1-ナルトレキソン(SR) 16mg 経口 1日2回+ブプロピオン(SR) 180mg 経口 1日2回
【0055】
群2-N-プラセボ 経口 1日2回+ブプロピオン(SR)180mg 経口 1日2回
【0056】
群3-P-プラセボ 経口 1日2回+ナルトレキソン(SR)16mg 経口 1日2回
【0057】
群4-N-プラセボ 経口 1日2回+P-プラセボ 経口 1日2回。
【0058】
上記の群のいずれにおいても、ナルトレキソンの投与量は、5mgと50mgとの間の範囲内、例えば、5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、および50mgの用量で投与することができる。上記の群のいずれにおいても、ブプロピオンの投与量は、30mgと500mgとの間の範囲内、例えば、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mg、300mg、310mg、320mg、330mg、340mg、350mg、360mg、370mg、380mg、390mg、400mg、410mg、420mg、430mg、440mg、450mg、460mg、470mg、480mg、490mg、および500mgの用量で投与することができる。
【0059】
主要エンドポイントは、12および24週目における総体重および被験者記入式のうつ病におけるベースラインからの百分率変化および絶対的変化である。副次的エンドポイントとしては、36および48週における総体重におけるベースラインからの百分率変化および絶対的変化、胴囲における変化、血清レプチン値および血清グレリン値、クレアチニン値、ならびに安全性および忍容性などが挙げられる。安全性および忍容性を監視するために、有害事象、臨床検査値、およびバイタルサインを用いる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に減量療法を提供する方法であって、
大うつ病性障害に罹患している患者を特定するステップであって、患者がさらに過体重または肥満であるステップと、
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩およびブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩を患者に投与することによって患者の体重を減少させるステップであって、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩がブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の減量活性を高めるのに有効な量であるステップと
を含む方法。
【請求項2】
患者においてうつ病の症状を軽減させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
患者が、Montgomery-Asbergうつ病評価尺度を用いて大うつ病性障害に罹患していると診断されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
患者が、抑うつ症状尺度を用いて大うつ病性障害に罹患していると診断されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
患者が双極性障害に罹患していない、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
患者が過体重である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
患者が肥満である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
患者が女性である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
減量を誘導する組合せが、1日あたり少なくとも1回投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
減量を誘導する組合せが、1日あたり1回よりも多く投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
減量を誘導する組合せが、少なくとも12週間投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
減量を誘導する組合せが、少なくとも24週間投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩が、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の前または後に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とが、単一の経口剤形中にある、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
単一の経口剤形が、薬学的に許容される添加剤、賦形剤、または担体をさらに含有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量が、1日あたり約4mgから約50mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量が、1日あたり約30mgから約500mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量が、1日あたり約4mgから約50mgであり、かつブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量が、1日あたり約30mgから約500mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量が、1日あたり約16mgまたは約32mgであり、かつブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量が、1日あたり約360mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
患者に投与される初期日用量が、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩約4mgまたは約8mgとブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩約90mgとであり、患者に維持のために投与される日用量が、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩約16mgまたは約32mgとブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩約360mgとである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の日用量が、1週目4mgから2週目8mg、3週目12mg、4週目およびそれ以降16mgならびに1週目8mgから2週目16mg、3週目24mg、4週目およびそれ以降32mgからなる群から選択される投与スケジュールであって、かつブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の日用量が、1週目90mgから2週目180mg、3週目270mg、4週目およびそれ以降360mgまで漸増される、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のうちの少なくとも一方が持続放出製剤である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のそれぞれが持続放出製剤である、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
ナルトレキソンもしくは薬学的に許容されるその塩、ブプロピオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または双方の投与量を、患者の大うつ病性障害を治療するために必要に応じて調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
ナルトレキソンもしくは薬学的に許容されるその塩、ブプロピオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または双方の投与量を、患者の過体重または肥満を治療するために必要に応じて調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とのうちの少なくとも一方が持続放出製剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のそれぞれが持続放出製剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
患者に減量療法を提供する方法であって、
大うつ病性障害に罹患している患者を、患者がさらに過体重または肥満である場合に、特定するステップと、
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量が1日あたり約32mgであり、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量が1日あたり約360mgであり、かつナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のそれぞれが持続放出製剤である、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とを患者に投与することによって患者の体重を減少させるステップと
を含む方法。
【請求項29】
患者に減量療法を提供する方法であって、
ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩との、減量を誘導する有効な組合せを活性成分として含有する医薬品を患者に提供するステップと、
うつ病患者において、医薬品が結果として減量の促進およびうつ病の症状の軽減につながることを示している印刷された情報を患者または介護者に提供するステップと
を含む方法。
【請求項30】
患者が、Montgomery-Asbergうつ病評価尺度を用いて大うつ病性障害に罹患していると診断されている、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
患者が、抑うつ症状尺度を用いて大うつ病性障害に罹患していると診断されている、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
患者が双極性障害に罹患していない、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
患者が過体重である、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
患者が肥満である、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
患者が女性である、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
医薬品が、1日あたり少なくとも1回投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
医薬品が、1日あたり1回よりも多く投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項38】
医薬品が、少なくとも12週間投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項39】
医薬品が、少なくとも24週間投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項40】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩が、ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の前または後に投与される、請求項29に記載の方法。
【請求項41】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩とが、単一の経口剤形中にある、請求項29に記載の方法。
【請求項42】
単一の経口剤形が、薬学的に許容される添加剤、賦形剤、または担体をさらに含有する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量が、1日あたり約4mgから約50mgである、請求項29に記載の方法。
【請求項44】
ブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量が、1日あたり約30mgから約500mgである、請求項29に記載の方法。
【請求項45】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量が、1日あたり約4mgから約50mgであり、かつブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量が、1日あたり約30mgから約500mgである、請求項29に記載の方法。
【請求項46】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の量が、1日あたり約16mgまたは約32mgであり、かつブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の量が、1日あたり約360mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項47】
患者に投与される初期日用量が、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩約4mgまたは約8mgとブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩約90mgとであり、患者に維持のために投与される日用量が、ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩約16mgまたは約32mgとブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩約360mgとである、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩の日用量が、1週目4mgから2週目8mg、3週目12mg、4週目およびそれ以降16mgならびに1週目8mgから2週目16mg、3週目24mg、4週目およびそれ以降32mgからなる群から選択される投与スケジュールであって、かつブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩の日用量が、1週目90mgから2週目180mg、3週目270mg、4週目およびそれ以降360mgまで漸増される、請求項1に記載の方法。
【請求項49】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のうちの少なくとも一方が持続放出製剤である、請求項21に記載の方法。
【請求項50】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のそれぞれが持続放出製剤である、請求項21に記載の方法。
【請求項51】
ナルトレキソンもしくは薬学的に許容されるその塩、ブプロピオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または双方の投与量を、患者の大うつ病性障害を治療するために必要に応じて調整するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項52】
ナルトレキソンもしくは薬学的に許容されるその塩、ブプロピオンもしくは薬学的に許容されるその塩、または双方の投与量を、患者の過体重または肥満を治療するために必要に応じて調整するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項53】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のうちの少なくとも一方が持続放出製剤である、請求項29に記載の方法。
【請求項54】
ナルトレキソンまたは薬学的に許容されるその塩とブプロピオンまたは薬学的に許容されるその塩のそれぞれが持続放出製剤である、請求項29に記載の方法。

【公表番号】特表2013−516493(P2013−516493A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548217(P2012−548217)
【出願日】平成23年1月10日(2011.1.10)
【国際出願番号】PCT/US2011/020712
【国際公開番号】WO2011/085331
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(505401698)オレキシジェン・セラピューティクス・インコーポレーテッド (13)
【Fターム(参考)】