説明

大型壁パネルの設置構造

【課題】大型壁パネルを所定の位置に容易かつ確実に設置することが可能となり、さらに、大型壁パネル同士を容易かつ精度良く連結することができる大型壁パネルの設置構造の提供。
【解決手段】四角形状に形成された板材3と、この板材3の両面の周縁部に取り付けられた枠体4,5とを有する壁パネル2,2aが複数接合されてなる大型壁パネル1を幅方向に隣接させて設置してなり、大型壁パネル1の一端側に位置する一方の縦框材4aは横方向外側に突出し、他端側に位置する他方の縦框材4bは横方向内側に引っ込んでおり、大型壁パネル1の一端側および他端側のいずれか一方の壁パネル2aは幅狭に形成されるとともに、大型壁パネル1の少なくとも一方の側端部に、隣接する大型壁パネル1同士を互いに離間させるようにして、これら大型壁パネル1同士の間隔を調整する間隔調整手段8が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅等の建物の構築に用いられる大型壁パネルの設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅等の建物の構築についてはその工業化が進み、例えば壁や床、屋根といった構成要素を予め工場にてパネル化しておき、施工現場でこれらのパネルを組み立てることにより住宅を構築するパネル工法が一部に採用されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1で用いられる壁パネルは、縦芯材と横芯材とが矩形枠状に組み立てられるとともに、この矩形枠の内部に補強芯材が縦横に組まれて枠体とされ、さらに、この枠体内にグラスウール等の断熱材が充填された状態で枠体の表裏両面に合板等の面材が貼着されたものである。
また、近年、例えば工場にて、このような壁パネルを複数接合して大型壁パネルを製造し、この大型壁パネルを建築現場に運搬して、その建築現場にて大型壁パネル同士を連結しながら立て込むことにより、現場施工をより簡略化した施工方法も採用されるようになってきた。
【特許文献1】特開平11−269982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、複数の壁パネルを互いに接合させて建物を構築していく際に、各壁パネルの寸法公差等によって、例えば壁パネルが設置される基礎の長さよりも、接合された複数の壁パネルの長さの方が長くなってしまったり等、これら複数の壁パネルの取付位置に誤差が生じる場合がある。そして、誤差を修正するための作業を行う際には、例えば所定の位置に設置された壁パネルを一旦取り外したり、作業終了後に設置しなおしたりする場合があった。
特に、複数の壁パネルを接合してなる大型壁パネルの場合は、この大型壁パネル一つでも相当の重量があるため、壁パネルの場合と同じように一旦取り外したり、作業終了後に設置しなおしたり等の作業を行うことは困難であった。
【0004】
さらに、従来、上記特許文献1のような壁パネルを隣接させて連結する際は、壁パネルの側端面同士を互いに突き合わせつつ、これら側端面同士を接着剤によって接着する方法などが採用されている。
しかしながら、従来の壁パネルの側端面は平らに形成されているため、側端面同士を付き合わせると、互いに面方向にずれてしまう場合がある。特に、大型壁パネルは、上述のように重量物であり、連結しなおす作業は困難であるため、大型壁パネル同士を容易かつ精度良く隣接させて連結したいという要望があった。
【0005】
本発明の課題は、大型壁パネルを所定の位置に容易かつ確実に設置することが可能となり、さらに、大型壁パネル同士を容易かつ精度良く連結することができる大型壁パネルの設置構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図4に示すように、四角形状に形成された板材3と、この板材3の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材4a,4b,4c,4d、5a,5b,5c,5dを四角枠状に組み立てた枠体4,5とを有する壁パネル2,2aが複数接合されてなる大型壁パネル1を、幅方向に隣接させて設置してなる大型壁パネル1の設置構造において、
前記大型壁パネル1の一端側に位置する壁パネル2の板材3の一面側に取り付けられた枠体4の一方の縦框材4aは、前記板材3の周縁部よりも横方向外側に突出し、大型壁パネル1の他端側に位置する壁パネル2aの板材3の一面側に取り付けられた枠体4の他方の縦框材4bは、前記板材3の周縁部よりも横方向内側に引っ込んでおり、
前記大型壁パネル1の一端側に位置する壁パネル2および他端側に位置する壁パネル2aのうち、いずれか一方の壁パネル2a(2)は幅狭に形成されるとともに、前記大型壁パネル1の両側端部のうち、少なくとも一方の側端部に、隣接する大型壁パネル1同士を互いに離間させるようにして、これら大型壁パネル1同士の間隔を調整する間隔調整手段8が設けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、前記大型壁パネル1の一端側に位置する壁パネル2および他端側に位置する壁パネル2aのうち、いずれか一方の壁パネル2a(2)は幅狭に形成されているので、複数の大型壁パネル1を幅方向に隣接させて設置した際に、これら大型壁パネルは、いずれか一方の壁パネル2a(2)が幅狭な分だけ詰めて並設されることとなる。そして、前記大型壁パネル1の両側端部のうち、少なくとも一方の側端部に、隣接する大型壁パネル1同士を互いに離間させるようにして、これら大型壁パネル1同士の間隔を調整する間隔調整手段8が設けられているので、この間隔調整手段8によって、前記大型壁パネル1同士を互いに離間させるようにして間隔調整することで、幅狭な分だけ詰めて並設された大型壁パネル1同士を位置調整することができる。これによって、大型壁パネル1同士を幅方向に隣接させて設置する際に、これら大型壁パネル1を所定の位置に容易かつ確実に設置することが可能となる。
しかも、前記大型壁パネル1の一端側に位置する壁パネル2の板材3の一面側に取り付けられた枠体4の一方の縦框材4aは、前記板材3の周縁部よりも横方向外側に突出し、大型壁パネル1の他端側に位置する壁パネル2aの板材3の一面側に取り付けられた枠体4の他方の縦框材4bは、前記板材3の周縁部よりも横方向内側に引っ込んでいるので、前記一方の縦框材4aと他方の縦框材4bとは、凹凸の関係性を有していることとなる。したがって、大型壁パネル1同士を連結する際は、突出している一方の壁パネル2の一方の縦框材4aと、引込んでいる他方の壁パネル2aの他方の縦框材4bとの位置を合わせるようにしながら、隣接する壁パネル2,2aの側端面同士を密接させるだけで、これら大型壁パネル1同士を容易かつ精度良く連結することができる。
【0008】
さらに、前記大型壁パネル1を構成する壁パネル2,2aが、四角形状に形成された板材3と、この板材3の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材4a,4b,4c,4d、5a,5b,5c,5dを四角枠状に組み立てた枠体4,5とを有しているので、前記枠体4,5によって板材3を両面側から挟み込むことができ、地震等による板材3の変形を抑制することができる。すなわち、前記板材3に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材3は様々な方向に向かって変形しようとする。例えば板材3が、側面視くの字に変形しようとすれば、板材3両面の前記一方の縦框材4a,5aおよび他方の縦框材4b,5bによって変形を抑制し、板材3が、平面視くの字に変形しようとすれば、板材3両面の前記一方の横框材4c,5cおよび他方の横框材4d,5dとによって変形を抑制することができる。また、例えば板材3が、捻れるように変形しようとすれば、板材3両面の前記枠体4,5全体で変形を抑制することができる。したがって、前記板材3が、いずれの方向に変形しても前記枠体4,5によって変形を抑制することができるので、前記板材3や、この板材3と両枠体4,5との取付部分に影響が出にくく、壁パネル2,2a自体の強度を向上させることが可能となる。
また、前記板材3の両面に枠体4,5が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材3の量を2枚から1枚に減らすことができ、コストを削減することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1に記載の大型壁パネル1の設置構造において、
前記隣接する大型壁パネル1同士の対向する側端部に位置する縦框材5a,5b同士の表面に、これら縦框材5a,5b同士を接続する接続プレート20が架設固定されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記隣接する大型壁パネル1同士の対向する側端部に位置する縦框材5a,5b同士の表面に、これら縦框材5a,5b同士を接続する接続プレート20が架設固定されていることから、この接続プレート20によって、前記縦框材5a,5b同士を強固に接続することができるので、前記隣接する大型壁パネル1同士を強固に連結することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1または2に記載の大型壁パネル1の設置構造において、
前記複数の壁パネル2,2aの各板材3の一面側の枠体4表面に外装材6が予め取り付けられており、
前記隣接する一方の大型壁パネル1の他端側に位置する壁パネル2aの板材3の他面側に取り付けられた枠体5の他方の縦框材5bから、他方の大型壁パネル1の一端側に位置する壁パネル2の板材3の一面側に取り付けられた枠体4の一方の縦框材4aの前記板材3の周縁部よりも横方向外側に突出する部分に向かって、止着材21がねじ込まれることによって、前記隣接する大型壁パネル1同士が互いに引き寄せられるようにして連結されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、前記隣接する一方の大型壁パネル1の他方の縦框材5bから、他方の大型壁パネル1の一方の縦框材4aの前記板材3の周縁部よりも横方向外側に突出する部分に向かって、止着材21がねじ込まれることによって、前記隣接する大型壁パネル1同士が互いに引き寄せられるようにして連結されているので、前記外装材6が取り付けられる側から止着材21をねじ込んで、大型壁パネル1同士を連結する必要がない。これによって、前記外装材6を、前記大型壁パネル1の表面全面に予め取り付けておくことができるので、施工現場で前記複数の壁パネル2,2aの各板材3の一面側の枠体4表面に外装材6を取り付ける手間を省略することができ、施工性に優れる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、例えば図1〜図3に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の大型壁パネル1の設置構造において、
前記複数の壁パネル2,2aの各板材3の他面側の枠体5表面に、隣接する大型壁パネル1同士の対向する側端部に位置する縦框材5a,5bの周囲を露出させた状態で石膏ボード7が予め取り付けられており、
前記露出する縦框材5a,5b同士の周囲には、この露出する縦框材5a,5b同士の周囲を覆うための補助石膏ボード7aが取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、前記複数の壁パネル2,2aの各板材3の他面側の枠体5表面に、隣接する大型壁パネル1同士の対向する側端部に位置する縦框材5a,5bの周囲を露出させた状態で石膏ボード7が予め取り付けられており、前記露出する縦框材5a,5b同士の周囲には、この露出する縦框材5a,5b同士の周囲を覆うための補助石膏ボード7aが取り付けられているので、前記間隔調整手段8によって前記隣接する大型壁パネル1同士の間隔を調整した後に、この対向する側端部に位置する縦框材5a,5bの周囲を前記補助石膏ボード7aによって覆うことができる。したがって、施工現場で石膏ボード7を取り付ける手間を省略することができるので、より施工性に優れる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、例えば図1および図3に示すように、請求項4に記載の大型壁パネル1の設置構造において、
前記補助石膏ボード7aは、隣接する大型壁パネル1間に架設されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、前記補助石膏ボード7aは、隣接する大型壁パネル1間に架設されていることから、この補助石膏ボード7aによって前記露出する縦框材5a,5b同士の周囲を一遍に覆うことができるので、さらに施工性に優れる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、大型壁パネルの一端側および他端側に位置する壁パネルのうち、いずれか一方は幅狭に形成されているので、複数の大型壁パネルを幅方向に隣接させて設置した際に、これら大型壁パネルは、いずれか一方の壁パネルが幅狭な分だけ詰めて並設されることとなる。そして、大型壁パネルの両側端部のうち、少なくとも一方の側端部に、隣接する大型壁パネル同士を互いに離間させるようにして、これら大型壁パネル同士の間隔を調整する間隔調整手段が設けられているので、この間隔調整手段によって、幅狭な分だけ詰めて並設された大型壁パネル同士を位置調整することができる。これによって、大型壁パネル同士を幅方向に隣接させて設置する際に、これら大型壁パネルを所定の位置に容易かつ確実に設置することが可能となる。
しかも、大型壁パネルの一端側に位置する壁パネルの板材の一面側に取り付けられた枠体の一方の縦框材と、大型壁パネルの他端側に位置する壁パネルの板材の一面側に取り付けられた枠体の他方の縦框材とは、凹凸の関係性を有していることとなる。したがって、突出している一方の縦框材と、引込んでいる他方の縦框材との位置を合わせるようにしながら、隣接する壁パネルの側端面同士を密接させるだけで、大型壁パネル同士を容易かつ精度良く連結することができる。
さらに、大型壁パネルを構成する各壁パネルの板材の両面の周縁部に取り付けられた枠体によって板材を両面側から挟み込むことができ、板材が、いずれの方向に変形しても枠体によって変形を抑制することができるので、板材や、この板材と両枠体との取付部分に影響が出にくく、壁パネル自体の強度を向上させることが可能となる。
また、板材の両面に枠体が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材の量を2枚から1枚に減らすことができ、コストを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
本実施の形態の大型壁パネルの設置構造は、図1に示すように、四角形状に形成された板材3と、この板材3の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材4a,4b,4c,4d、5a,5b,5c,5dを四角枠状に組み立てた枠体4,5とを有する壁パネル2,2aが複数接合されてなる大型壁パネル1を、幅方向に隣接させて設置してなるものであり、前記大型壁パネル1の一端側に位置する壁パネル2の板材3の一面側に取り付けられた枠体4の一方の縦框材4aは、前記板材3の周縁部よりも横方向外側に突出し、大型壁パネル1の他端側に位置する壁パネル2aの板材3の一面側に取り付けられた枠体4の他方の縦框材4bは、前記板材3の周縁部よりも横方向内側に引っ込んでおり、前記大型壁パネル1の一端側に位置する壁パネル2および他端側に位置する壁パネル2aのうち、いずれか一方の壁パネル2a(2)は幅狭に形成されるとともに、前記大型壁パネル1の両側端部のうち、少なくとも一方の側端部に、隣接する大型壁パネル1同士を互いに離間させるようにして、これら大型壁パネル1同士の間隔を調整する間隔調整手段8が設けられている。
【0020】
なお、前記壁パネル2aは、この壁パネル2aを構成する板材3や縦横の框材4a,4b,4c,4d、5a,5b,5c,5dのサイズを調整することによって、上述のように幅狭に形成されている。
【0021】
ここで、前記大型壁パネル1を構成する各壁パネル2,2aの板材3として、材料に合板が用いられているが、これに限るものではない。すなわち、例えば樹種を変更したり、木片等を合成樹脂で固めたパーティクルボードを使用してもよく、地震等に対する強度を向上させることが可能であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0022】
前記枠体4,5は、図4に示すように、離間して対向配置された縦框材4a,4b、5a,5bの上下端部間に、それぞれ横框材4c,4d、5c,5dが架設されることで、四角枠状に形成されている。
【0023】
そして、前記一方の縦框材4aの突出寸法は、前記他方の縦框材4bの引込み寸法と略等しい寸法となっており、図1に示すように、隣接する大型壁パネル1の対向する壁パネル2,2a同士を隣接させて接合する際に、突出している一方の縦框材4aと、引込んでいる他方の縦框材4bとの位置を正確に合わせることができるようになっている。
つまり、前記一方の縦框材4aが突出する分だけ、他方の縦框材4bが引込んだ形態となっている。
【0024】
一方、前記板材3の他面側に取り付けられた枠体5は、図4に示すように、前記板材3の周縁部に沿って正確に取り付けられており、前記板材3の一面側に取り付けられた枠体4よりも、奥行き寸法が長く形成されている。
【0025】
そして、図1〜図4に示すように、前記複数の壁パネル2,2aの各板材3の両面側に取り付けられた枠体4,5の内部には、一方および他方の縦框材4a,4b、5a,5bと平行する縦棧材9,10が、対向する横框材4c,4d、5c,5d間に配置されている。さらに、前記横框材4c,4d、5c,5dと平行する横棧材9a,10aが、前記縦棧材9,10と直交するようにして、対向する縦框材4a,4b、5a,5b間に配置されている。
これによって、これら縦棧材9,10および横棧材9a,10aによって前記枠体4,5の補強を行うことができ、壁パネル2,2a自体の強度をより向上させることが可能となる。
【0026】
一方、本実施の形態の間隔調整手段8は、図1〜図3に示すように、前記大型壁パネル1の一端側に設けられており、この一端側に位置する壁パネル2の一方の縦框材5aに形成された孔部8aと、この孔部8aに螺合する間隔調整ボルト8bとを備えている。
なお、本実施の形態の間隔調整手段8は、前記大型壁パネル1の一端側に設けられているものとしたが、前記大型壁パネル1の他端側に設けるようにしてもよい。
【0027】
前記孔部8aは、図1に示すように、隣接する大型壁パネル1同士の並設方向に沿って、前記一方の縦框材5aの上端部近傍および下端部近傍を貫通するようにして形成されている。そして、このような孔部8aに前記間隔調整ボルト8bが螺合しており、この間隔調整ボルト8bをねじ込むことによって、この間隔調整ボルト8bの先端部で、対向する他方の縦框材5bを突き放す方向に、隣接する一方の大型壁パネル1に対して、隣接する他方の大型壁パネル1を押すことができるようになっている。
このようにして、隣接する大型壁パネル1同士を互いに離間させるようにして、これら大型壁パネル1同士の間隔を調整することができる。
【0028】
なお、図示はしないが、前記孔部8aは、前記隣接する一方の大型壁パネル1の一端側に位置する縦框材5aに形成され、この孔部8aに前記間隔調整ボルト8が螺合しているとしているが、これに限られるものではない。すなわち、孔部を、前記隣接する大型壁パネル1同士の対向する側端部に位置する縦框材5a,5bの双方に貫通するように形成するとともに、これら対向する縦框材5a,5bの双方に貫通する孔部に、前記対向する縦框材5a,5b間の距離よりも長い寸法を有する間隔調整ボルトを螺合しても良い。これにより、この間隔調整ボルトをねじ込むことによって、前記大型壁パネル1同士の間隔を互いに離間させることができるとともに、間隔調整ボルトのねじ回す方向を逆にすることで、前記大型壁パネル1同士の間隔を互いに接近させることができるので、好ましい。
【0029】
また、前記隣接する大型壁パネル1同士の対向する側端部に位置する縦框材5a,5b同士の表面に、これら縦框材5a,5b同士を接続する接続プレート20が架設固定されている。すなわち、この接続プレート20によって、前記縦框材5a,5b同士を強固に接続することができるので、前記隣接する大型壁パネル1同士を強固に連結することができるようになっている。
【0030】
しかも、前記接続プレート20は、図5に示すように、前記縦框材5a,5bの表面を凹状に切り欠くことによって形成された凹状部20aに嵌め合わせるようにして取り付けられている。この凹状部20aは、前記縦框材5a,5bの上部、中央部、下部にそれぞれ形成されている。
【0031】
なお、この接続プレート20を前記凹状部20aに取り付ける際は、接着剤によって強固に取り付けられるようになっているが、止着材等によって取り付けても良く、適宜変更可能である。また、図5に示すように、この接続プレート20は、建物全体の上下方向に沿って複数取り付けられている。
【0032】
さらに、このように前記隣接する大型壁パネル1同士を強固に連結できるので、壁紙クロス等の内装を施した後に、例えば地震等で隣接する大型壁パネル1間に隙間が生じ、これに応じて壁紙クロスに亀裂が入ってしまうような事態を確実に防ぐことができる。
なお、本実施の形態の接続プレート20は木製の板材であるが、これに限られるものではなく、例えば金属製のものであってもよく、適宜変更可能である。
【0033】
また、前記各板材3の一面側に取り付けられた枠体4および縦棧材9の表面に、これら枠体4および縦棧材9間に架け渡されるようにして前記外装材6が取り付けられるとともに、前記各板材3の他面側に取り付けられた枠体5および縦棧材10の表面に、これら枠体5および縦棧材10間に架け渡されるようにして前記石膏ボード7が取り付けられている。
【0034】
本実施の形態の外装材6は、図1および図3に示すように、複数用いられており、幅方向一端に下サネ6aを他端に上サネ6bを備えることによって、これら上サネ6bおよび下サネ6aが互いに重なり合うようにして隣接配置されている。なお、これら複数の外装材6のうち、前記大型壁パネル1の一端側に位置する外装材6の幅方向一端には、下サネ6aが設けられておらず、この外装材6の幅方向一端は、隣接する大型壁パネル1との目地に面して平らに形成されている。
また、目地には、この目地に充填される目地材17が設けられており、上述のように前記大型壁パネル1の一端側に位置する外装材6の幅方向一端が平らに形成されていることで、前記目地材17を充填しやすくなっている。
また、各外装材6は、前記各壁パネル2,2aの板材3の一面側の枠体4において、一方の縦框材4aおよび縦棧材9間、前記他方の縦框材4bおよび縦棧材9間に架設可能な幅寸法を有するとともに、前記大型壁パネル1と略同様の高さ寸法となるように形成されている。
【0035】
なお、前記隣接する一方の大型壁パネル1の他端側に位置する壁パネル2aの板材3の他面側に取り付けられた枠体5の他方の縦框材5bから、他方の大型壁パネル1の一端側に位置する壁パネル2の板材3の一面側に取り付けられた枠体4の一方の縦框材4aの前記板材3の周縁部よりも横方向外側に突出する部分に向かって、止着材21がねじ込まれることによって、前記隣接する大型壁パネル1同士が互いに引き寄せられるようにして連結されている。
したがって、前記外装材6が取り付けられる側から止着材21をねじ込んで、大型壁パネル1同士を連結する必要がない。これによって、前記外装材6を、前記大型壁パネル1の表面全面に予め取り付けておくことができるので、施工現場で前記複数の壁パネル2,2aの各板材3の一面側の枠体4表面に外装材6を取り付ける手間を省略することができ、施工性に優れる。
【0036】
また、本実施の形態の止着材21は、図2に示すように、前記接続プレート20の上方または下方に、表面に露出するようにして、ねじ込まれており、後述する補助石膏ボード7aによって遮蔽されることとなる。
【0037】
なお、本実施の形態の外装材6は、図1および図3に示すように、横胴縁11を介して前記板材3の一面側に取り付けられた枠体4および縦棧材9の表面に、これら枠体4および縦棧材9間に架け渡されるようにして取り付けられている。
また、前記横胴縁11の裏面には、図3に示すように、透湿防水シート14が貼り付けられている。そして、前記隣接する一方の大型壁パネル1からはみ出すように延出する透湿防水シート14と、他方の大型壁パネル1からはみ出すように延出する透湿防水シート14とが、隣接する大型壁パネル1間の目地において一緒に丸め込まれ、その上から前記目地材17が充填されるようになっている。
【0038】
また、本実施の形態の石膏ボード7は、図1〜図3に示すように、複数の石膏ボード7からなり、これら複数の石膏ボード7は、前記壁パネル2,2aの板材3の他面側の枠体5において、これら枠体5の内部に配置された縦棧材10間に、前記一方および他方の縦框材5a,5bを跨ぐようにして架設可能な幅寸法を有するとともに、前記大型壁パネル1と略同様の高さ寸法となるように形成されている。
【0039】
また、本実施の形態の石膏ボード7は、上述したように隣接する大型壁パネル1の対向する側端部に位置する縦框材5a,5bの周囲を露出させた状態で取り付けられている。すなわち、図2に示すように、大型壁パネル1の両側端部に位置する双方の縦框材5a,5bと、これら双方の縦框材5a,5bに隣り合う縦棧材10間に、石膏ボード7が取り付けられていない状態となっている。
そして、前記隣接する大型壁パネル1の対向する側端部に位置する縦框材5a,5bのうち、少なくとも一方の側端部に、前記間隔調整手段が設けられている。
【0040】
そして、以上のように前記各板材3の一面側に取り付けられた枠体4および縦棧材9の表面に、これら枠体4および縦棧材9間に架け渡されるようにして前記外装材6が取り付けられているので、この外装材6を前記枠体4および縦棧材9に対して確実に取付固定できる。その上、前記各板材3の表面と外装材6との間に形成される隙間に、例えば断熱材を設けたりすることができるので、利便性が高い。
また、前記各板材3の他面側に取り付けられた枠体5および縦棧材10の表面に、これら枠体5および縦棧材10間に架け渡されるようにして前記石膏ボード7が取り付けられているので、この石膏ボード7を前記枠体5および縦棧材10に対して確実に取付固定できる。その上、前記各板材3の表面と石膏ボード7との間に形成される隙間に、例えば断熱材を設けたりすることができるので、利便性が高い。
【0041】
そして、本実施の形態においては、図1および図3に示すように、前記各板材3の表面と外装材6との間に形成される隙間と、前記各板材3の表面と石膏ボード7との間に形成される隙間、すなわち、前記各板材3の両面側に取り付けられた枠体4,5の内部には、断熱材12,13が設けられている。
このように前記各板材3の両面側に取り付けられた枠体4,5の内部の双方に断熱材12,13を設置することによって、例えば断熱材を柱や枠材の内部に埋設する充填断熱方法や、柱や枠材の外部に断熱材を貼り付ける外張り断熱方法に比して、同性能の断熱材を用いた場合は、その断熱性を格段に向上させることができる。
【0042】
なお、前記各板材3の両面側に取り付けられた枠体4,5の内部に、前記断熱材12,13を設けるだけでなく、図示はしないが、パイプスペースとして使用したり、また、棚を複数取り付けて収納スペースとすることも可能となっている。
【0043】
一方、前記補助石膏ボード7aは、上述したように、前記露出する縦框材5a,5b同士の周囲に取り付けられるものであり、隣接する大型壁パネル1間に架設されている。
すなわち、上述したように隣接する大型壁パネル1の対向する側端部に位置する縦框材5a,5bの周囲が露出した状態となっているので、図1に示すように、この露出した部分に嵌め込まれるようにして取り付けられている。
そして、このように補助石膏ボード7aは、隣接する大型壁パネル1間に架設されていることから、この補助石膏ボード7aによって前記露出する縦框材5a,5b同士の周囲を一遍に覆うことができるので、隣接する大型壁パネル1同士を連結する際の作業性を向上させることができる。
【0044】
なお、本実施の形態の石膏ボード7および補助石膏ボード7aは、図3に示すように、防湿シート15を介して取り付けられている。
【0045】
また、前記各壁パネル2,2aの板材3の一面側に取り付けられた枠体4の内部は、図3に示すように、通気層16として使用することができ、この通気層16は、前記外装材6の裏面と断熱材12の表面との間において、前記板材3の上下方向に沿って延在している。つまり、図5に示すように、建物全体の上下方向に沿って、通気層16を形成できるようになっている。
なお、上述したように前記板材3の一面側の枠体4の内部には、前記横棧材9が配置されている。ここで、図示はしないが、通気層16の良好な通気状態を維持するために、この横棧材9を、前記板材3の一面側の枠体4よりも薄厚に形成したり、この横棧材9に、上下に連通する通気孔を設けるようにしてもよい。
【0046】
このように通気層16を形成することによって、この通気層16内を常に空気が通過することになるので、例えば隣接する外装材6の側端部間から雨水が浸入したとしても、通気層16内を通過する空気によって雨水に濡れた部分を確実に乾燥させることができる。
【0047】
また、本実施の形態の大型壁パネル1は、図示しない基礎から突出するアンカーボルトを挿通させるための孔を有するアンカーボルト挿通部18を複数備えている。
【0048】
なお、本実施の形態においては、大型壁パネル1を幅方向に隣接させて設置するとしているが、例えば構築される建物において必要な壁一面の幅寸法が、複数の大型壁パネル1を隣接させる必要のない長さ寸法であった場合は、大型壁パネル1および壁パネル2同士や、壁パネル2および壁パネル2a同士を幅方向に隣接させて設置するようにしてもよいものとする。
【0049】
次に、本実施の形態の大型壁パネル1を、幅方向に隣接させて設置する方法について説明する。
すなわち、まず、幅狭に形成された壁パネル2aが、前記大型壁パネル1の一端側および他端側のいずれか一方に位置するようにして複数の壁パネル2,2aを接合して、大型壁パネル1を形成する。なお、本実施の形態において、壁パネル2aは、大型壁パネル1の他端側に位置しているものとする。
【0050】
なお、この作業と前後して、前記各壁パネル2,2aの板材3の一面側に外装材6を取り付ける作業を行うものとする。また、外装材6を取り付ける前段階で、図3に示すように、各枠体4の内部に、通気層16を形成しながら断熱材12を設置するとともに、外装材6の裏面側に前記横胴縁11および透湿防水シート14を設けておく。
さらに、複数の壁パネル2,2aの各板材3の一面側の枠体4の表面に外装材6が取り付けられた状態の大型壁パネル1に対して、図2に示すように、前記各壁パネル2,2aの各板材3の他面側の枠体5の表面に石膏ボード7を取り付ける。
この時、隣接する大型壁パネル1の対向する側端部に位置する縦框材5a,5bの周囲を露出させた状態にしておく。また、石膏ボード7を取り付ける前段階で、各枠体5の内部に断熱材13を設置するとともに、前記防湿シート15を貼り付けておく。
【0051】
続いて、このように形成された大型壁パネル1を、図1〜図3に示すように、幅方向に複数隣接させる。この時、前記大型壁パネル1において突出している一方の壁パネル2の一方の縦框材4aと、引込んでいる他方の壁パネル2aの他方の縦框材4bとの位置を合わせるようにしながら、隣接する壁パネル2,2aの側端面同士を密接させる。
【0052】
また、複数の大型壁パネル1を幅方向に隣接させることによって、これら大型壁パネルは前記壁パネル2aが幅狭な分だけ詰めて並設することができる。ここで、前記間隔調整ボルト8bをねじ込んで、隣接する大型壁パネル1同士を互いに離間させて、これら大型壁パネル1同士の間隔を調整し、これら大型壁パネル1を所定の位置に設置する。
【0053】
続いて、図1および図3に示すように、前記隣接する一方の大型壁パネル1の他端側に位置する壁パネル2aの板材3の他面側に取り付けられた枠体5の他方の縦框材5bから、他方の大型壁パネル1の一端側に位置する壁パネル2の板材3の一面側に取り付けられた枠体4の一方の縦框材4aの前記板材3の周縁部よりも横方向外側に突出する部分に向かって、止着材21をねじ込んで、前記隣接する大型壁パネル1同士を互いに引き寄せるようにして連結する。
【0054】
そして、図1〜図3に示すように、前記隣接する大型壁パネル1同士の対向する側端部に位置する縦框材5a,5b同士の表面に、前記凹状部20aに嵌め合わせるようにして、前記接続プレート20を架設固定して前記縦框材5a,5b同士を接続する。
【0055】
その後、図1に示すように、前記露出する縦框材5a,5b同士の周囲に、この露出する縦框材5a,5b同士の周囲を覆うための補助石膏ボード7aを取り付けて、隣接する大型壁パネル1の対向する側端部に位置する縦框材5a,5bの周囲を前記補助石膏ボード7aによって覆うようにする。以上のようにして、大型壁パネル1を、幅方向に隣接させて設置できるようになっている。
【0056】
次に、本実施の形態における大型壁パネル1を構成する壁パネル2,2aによる地震等の変形力に対する作用について詳細に説明する。本実施の形態においては、前記大型壁パネル1の一端側に位置する壁パネル2を図示して説明する。
【0057】
ここで、本実施の形態の壁パネル2(2a)は、図4に示すように、四角形状に形成された板材3両面の少なくとも周縁部に、縦横の框材4a,4b,4c,4d、5a,5b,5c,5dを四角枠状に組み立てた枠体4,5が取り付けられるとともに、これら枠体4,5の内部に、一方および他方の縦框材4a,4b、5a,5bと平行する縦棧材9,10が、対向する横框材4c,4d、5c,5d間に配置されて構成されている。これに加えて、前記横框材4c,4d、5c,5dと平行する横棧材9a,10aが、前記縦棧材9,10と直交するようにして、対向する縦框材4a,4b、5a,5b間に配置されている。
【0058】
そして、前記板材3に対して、剪断方向や捻れ方向などに大きな変形力が加わった場合、この板材3は様々な方向に向かって変形しようとする。
【0059】
例えば板材3が、側面視くの字に変形しようとすれば、板材3の両面の前記一方の縦框材4a,5aおよび他方の縦框材4b,5bによって変形を抑制する。
すなわち、例えば前記板材3の一面側が外側に向くように位置し、他面側が内側に向くように位置するようにして、前記板材3が側面視くの字に変形する場合、前記板材3の一面側に取り付けられた一方の縦框材4aおよび他方の縦框材4bも、前記板材3の一面側と同様の方向に変形しようとし、前記板材3の他面側に取り付けられた一方の縦框材5aおよび他方の縦框材5bも、前記板材3の他面側と同様の方向に変形しようとする力が働く。
【0060】
これに対して、前記板材3の一面側に取り付けられた一方の縦框材4aおよび他方の縦框材4bには、変形に対する復帰力が生じて元の状態に戻ろうとし、前記板材3の他面側に取り付けられた一方の縦框材5aおよび他方の縦框材5bにも、変形に対する復帰力が生じて元の状態に戻ろうとする。
【0061】
このため、前記板材3は、この板材3両面に取り付けられた一方の縦框材4a,5aおよび他方の縦框材4b,5bの、変形しようとする力と、変形に対する復帰力とによって挟み込まれることとなる。
【0062】
つまり、前記板材3が、側面視くの字に変形しようとしても、前記板材3の両面に取り付けられた一方の縦框材4a,5aおよび他方の縦框材4b,5bによって変形を抑制され、また前記板材3が、側面視逆くの字に変形しようとしても、前記板材3の両面に取り付けられた一方の縦框材4a,5aおよび他方の縦框材4b,5bによって変形を抑制されることとなる。
【0063】
一方、例えば、前記板材3が、平面視くの字に変形しようとしても、上述のごとく、前記板材3両面の前記一方の横框材4c,5cおよび他方の横框材4d,5dとによって、その変形が抑制されることとなる。
【0064】
また、例えば板材3が、捻れるように変形しようとしても、前記板材3両面の縦横の框材4a,4b,4c,4d、5a,5b,5c,5dからなる枠体4,5全体で変形を抑制することができるようになっている。
【0065】
しかも、前記板材3の両面側の枠体4,5の内部には、前記縦横の棧材9,9a、10,10aが設けられているので、これら縦横の棧材9,9a、10,10aによって前記枠体4,5の補強を行うことができ、この補強された枠体4,5によって板材3の変形を抑制する力が強化されることとなる。
【0066】
したがって、前記板材3が、いずれの方向に変形しても前記枠体4,5および縦横の棧材9,9a、10,10aによって変形を抑制することができるので、前記板材3や、この板材3と両枠体4,5との取付部分に影響が出にくく、地震等に対する強度を向上させることが可能となる。
【0067】
本実施の形態によれば、前記大型壁パネル1の一端側および他端側に位置する壁パネル2,2aのうち、いずれか一方は幅狭に形成されているので、複数の大型壁パネル1を幅方向に隣接させて設置した際に、これら大型壁パネル1は、いずれか一方の壁パネル2a(2)が幅狭な分だけ詰めて並設されることとなる。そして、大型壁パネル1の両側端部のうち、少なくとも一方の側端部に、隣接する大型壁パネル1同士を互いに離間させるようにして、これら大型壁パネル1同士の間隔を調整する間隔調整手段8が設けられているので、この間隔調整手段8によって、幅狭な分だけ詰めて並設された大型壁パネル1同士を位置調整することができる。これによって、大型壁パネル1同士を幅方向に隣接させて設置する際に、これら大型壁パネル1を所定の位置に容易かつ確実に設置することが可能となる。
しかも、大型壁パネル1の一端側に位置する壁パネル2の板材3の一面側に取り付けられた枠体4の一方の縦框材4aと、大型壁パネル1の他端側に位置する壁パネル2aの板材3の一面側に取り付けられた枠体4の他方の縦框材4bとは、凹凸の関係性を有していることとなる。したがって、突出している一方の縦框材4aと、引込んでいる他方の縦框材4bとの位置を合わせるようにしながら、隣接する壁パネル2,2aの側端面同士を密接させるだけで、大型壁パネル1同士を容易かつ精度良く連結することができる。
さらに、大型壁パネル1を構成する各壁パネル2,2aの板材3の両面の周縁部に取り付けられた枠体4,5によって板材3を両面側から挟み込むことができ、板材3が、いずれの方向に変形しても枠体4,5によって変形を抑制することができるので、板材3や、この板材3と両枠体4,5との取付部分に影響が出にくく、壁パネル2,2a自体の強度を向上させることが可能となる。
また、板材3の両面に枠体4,5が取り付けられてなるので、従来に比して、使用する板材3の量を2枚から1枚に減らすことができ、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態に係る大型壁パネルの設置構造を示す平断面図である。
【図2】図1の大型壁パネルの設置構造を示す背面図である。
【図3】図1の大型壁パネルの設置構造の一部を示す拡大平断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における大型壁パネルを構成する壁パネルを示す正面図、側断面図および底断面図である。
【図5】壁パネルによって構成される建物における接続プレートの取付位置を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0069】
1 大型壁パネル
2 壁パネル
2a 壁パネル
3 板材
4 枠体
5 枠体
8 間隔調整手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形状に形成された板材と、この板材の両面の少なくとも周縁部に取り付けられ、縦横の框材を四角枠状に組み立てた枠体とを有する壁パネルが複数接合されてなる大型壁パネルを、幅方向に隣接させて設置してなる大型壁パネルの設置構造において、
前記大型壁パネルの一端側に位置する壁パネルの板材の一面側に取り付けられた枠体の一方の縦框材は、前記板材の周縁部よりも横方向外側に突出し、大型壁パネルの他端側に位置する壁パネルの板材の一面側に取り付けられた枠体の他方の縦框材は、前記板材の周縁部よりも横方向内側に引っ込んでおり、
前記大型壁パネルの一端側に位置する壁パネルおよび他端側に位置する壁パネルのうち、いずれか一方の壁パネルは幅狭に形成されるとともに、前記大型壁パネルの両側端部のうち、少なくとも一方の側端部に、隣接する大型壁パネル同士を互いに離間させるようにして、これら大型壁パネル同士の間隔を調整する間隔調整手段が設けられていることを特徴とする大型壁パネルの設置構造。
【請求項2】
請求項1に記載の大型壁パネルの設置構造において、
前記隣接する大型壁パネル同士の対向する側端部に位置する縦框材同士の表面に、これら縦框材同士を接続する接続プレートが架設固定されていることを特徴とする大型壁パネルの設置構造。
【請求項3】
請求項1または2に記載の大型壁パネルの設置構造において、
前記複数の壁パネルの各板材の一面側の枠体表面に外装材が予め取り付けられており、
前記隣接する一方の大型壁パネルの他端側に位置する壁パネルの板材の他面側に取り付けられた枠体の他方の縦框材から、他方の大型壁パネルの一端側に位置する壁パネルの板材の一面側に取り付けられた枠体の一方の縦框材の前記板材の周縁部よりも横方向外側に突出する部分に向かって、止着材がねじ込まれることによって、前記隣接する大型壁パネル同士が互いに引き寄せられるようにして連結されていることを特徴とする大型壁パネルの設置構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の大型壁パネルの設置構造において、
前記複数の壁パネルの各板材の他面側の枠体表面に、隣接する大型壁パネル同士の対向する側端部に位置する縦框材の周囲を露出させた状態で石膏ボードが予め取り付けられており、
前記露出する縦框材同士の周囲には、この露出する縦框材同士の周囲を覆うための補助石膏ボードが取り付けられていることを特徴とする大型壁パネルの設置構造。
【請求項5】
請求項4に記載の大型壁パネルの設置構造において、
前記補助石膏ボードは、隣接する大型壁パネル間に架設されていることを特徴とする大型壁パネルの設置構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−2008(P2009−2008A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162563(P2007−162563)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(307042385)ミサワホーム株式会社 (569)
【Fターム(参考)】