説明

大型海藻類の生産方法。

【課題】従来の養殖方法は、収穫に至る期間が長い事や、収穫サイズに成長する過程において、成長を促進する為に、間引きをしコンブの育成環境を整えてやる必要があるため、間引きをするタイミングをみきわめなければならないし、多くの時間と人の労力が必要であり、時化等でこの作業が不完全で会った場合には、収穫量の減少と品質の低下を招いていた。また、コンブが成長する養成綱は、海面を水平方向に使用する形態で設置されているため、設置海域当たりの収穫量には、必然的に制限があった。
【解決手段】大型海藻類生産方法は、希望する大型海藻類の胞子を付着させた種糸を養成綱に取り付け育成するのではなく、静穏海域もしくは陸域の育成施設において中間育成し、ある程度成長した幼体を直接、育成施設にとりつける方法である。
また、育成施設を海面に対して垂直に設置する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型海藻類等の生産性を高める方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から実施されているコンブ類の養殖方法には、コンブ類の胞子をつけた種糸を養成綱に取付け、この種糸のから発芽したコンブ類が自然に成長するのを待つ方法がある。この方法では、収穫に至るまでの期間が長い事や、収穫に好ましいサイズまでに成長する過程において、成長を促進する為に、間引きをしコンブ類の育成環境を整えてやる必要がるため、間引きをするタイミングをみきわめなければならないし、多くの時間と人の労力が必要であり、時化等でこの作業が不完全であった場合には、収穫量や品質の低下を招いていた。
【0003】
また、コンブ類が成長する養成綱は、海面を水平方向に使用する形態で設置されているため、設置海域当たりの収穫量には、必然的に制限があった。
【特許文献1】 特開平9−37677号広報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、収穫に至る期間が長い事や、収穫サイズに成長する過程において、成長を促進する為に、間引きをしコンブの育成環境を整えてやる必要があるため、間引きをするタイミングをみきわめなければならないし、多くの時間と人の労力が必要であり、時化等でこの作業が不完全で会った場合には、収穫量の減少と品質の低下を招いていた。
【0005】
また、コンブが成長する養成綱は、海面を水平方向に使用する形態で設置されているため、設置海域当たりの収穫量には、必然的に制限があった。
本発明は、このような従来の方法が有していた問題点を解決しようとするものであり、海藻類の生産量の飛躍的な増加、作業効率の向上、労力の削減を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、大型海藻類生産方法は、希望する大型海藻類の胞子を付着させた種糸を養成綱に取り付け育成するのではなく、静穏海域もしくは陸域の育成施設において中間育成し、ある程度成長した幼体を直接、育成施設にとりつける方法である。
また、育成施設を海面に対して垂直に設置する方法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の大型海藻類生産方法は、幼体を直接、育成施設に取り付けることで、間引きの手間を省くと同時に、収穫量や品質の向上をはかる事ができるし、養成綱を用いず、育成施設を使用し、これを海面に対して垂直に設置するので設置海域当たりの収穫量を飛躍的に増加させる事が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0010】
この大型海藻類の養殖方法は、図1に示す 大型海藻類の幼体1とこれを取り付ける育成施設2、育成施設2をつりさげる吊り下げ索3、育成施設2と吊り下げ索3を結束する結束索4、吊り下げ索3を海中に浮かせる浮体5、吊り下げ索3と浮体5を結束する浮体結束索6、吊り下げ具3を海底に固定する固定具7、吊り下げ索3と固定具7を結束する吊り下げ索結束索8からなる。
【0011】
大型海藻類の幼体1は、予め種糸から中間育成し、育成施設2に取り付けるに最適なサイズに成長させた物を使用するが、潜水士が潜水し採取してきた、自然に自生している大型海藻類の幼体を使用しても良い。
幼体1を育成施設2の全ての面に取付けて育成させるが、設置海域の流速や水深を考慮し、大型海藻類の成長に好適に取り付けることが好ましい。
【0012】
育成施設2のサイズや素材・数は、特に限定されておらず、設置海域の流速や水深・大型海藻類の成長に好適なものとするが、好ましくば、素材は、大型海藻類の成長の妨げにならない素材であることが望ましいし、トラブルによる流失を想定し、流失しても自然界の動植物に影響を及ぼさない生分解性のものを使用する事が望ましい。
【0013】
育成施設2を吊り下げる吊り下げ索3のサイズ・形状・数・素材は、特に限定されておらず、育成施設2を吊り下るに好適なものとするが、好ましくば、素材は、トラブルによる流失を想定し、流失しても自然界の動植物に影響を及ぼさない生分解性のものを使用する事が望ましい。
【0014】
育成施設2と吊り下げ索3を結束する結束索4のサイズ・形状・数・素材は、設置海域の流速や水深・大型海藻類の成長・使用する育成施設2のサイズに好適なものとするが、素材は、好ましくば、トラブルによる流出を想定し、流失しても自然界の動植物に影響を及ぼさない生分解性のものを使用する事が望ましい。
【0015】
吊り下げ索3を海中に浮かせる浮体5のサイズ・形状・数・素材は、設置海域の流速や水深・大型海藻類の成長・使用する育成施設2のサイズに好適なものとするが、素材は、好ましくば、トラブルによる流出を想定し、流失しても自然界の動植物に影響を及ぼさない生分解性のものを使用する事が望ましい。
【0016】
吊り下げ索3と浮体5を結束する浮体結束索6のサイズ・結束方法・形状・数・素材は、設置海域の流速や水深・大型海藻類の成長・使用する育成施設2のサイズに好適なものとするが、素材は、好ましくば、トラブルによる流出を想定し、流失しても自然界の動植物に影響を及ぼさない生分解性のものを使用する事が望ましい。
【0017】
吊り下げ索3を海底に固定する固定具7のサイズ・結束方法・形状・数・素材は、設置海域の流速や水深・大型海藻類の成長・使用する育成施設2のサイズに好適なものとするが、素材は、好ましくば、トラブルによる流出を想定し、流失しても自然界の動植物に影響を及ぼさない生分解性のものを使用する事が望ましい。
【0018】
吊り下げ索3と固定具7を結束する吊り下げ索結束索8のサイズ・結束方法・形状・数・素材は、設置海域の流速や水深・大型海藻類の成長・使用する育成施設2のサイズに好適なものとするが、素材は、好ましくば、トラブルによる流出を想定し、流失しても自然界の動植物に影響を及ぼさない生分解性のものを使用する事が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用した大型海藻類の育成実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 大型海藻類の幼体
2 育成施設
3 吊り下げ索
4 結束索
5 浮体
6 浮体結束索
7 固定具
8 吊り下げ索結束索

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海藻類の幼体等をネット等の育成施設に取付け、この育成施設を海面に対して、垂直になる様に設置し、海藻類を生産する方法。

【図1】
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