説明

大量変異解析(BulkedMutantAnalysis(BMA))

本発明は、生物において発現され、および前記生物の特定の表現型(特徴の形質)に関与する核酸配列の同定および、場合によっては単離についての新しい戦略に関する。本発明の手法を用いて、従来技術の既知の方法と対照的に、利用できるゲノムに関して情報が無いか限定されている、例えば(作物)植物のような生物における遺伝子の効率的な同定、単離、またはクローニングが可能となった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
変異体表現型からの遺伝子クローニングは、遺伝学およびバイオ技術において長期にわたる挑戦であり続けている。特に、(作物)植物の分野において、前記遺伝子クローニングについて、迅速で安価な方法は、大きな需要がある。実に、現在の探求は、前記遺伝子の単離のスピードを増進し、およびコストを減少させる、方法を発見することであり、特に、遺伝子クローニングが行われうる種の範囲を拡張することである。
【背景技術】
【0002】
前記遺伝子クローニングにおける対象は、表現型からのみ知られており、分子情報または配列情報が入手できない、遺伝子の同定である。前記遺伝学における出発点は、自然に生じる表現型バリアント、または、人工的に誘導された変異体でありうる。
【0003】
基本的に、以下の二つのグループの方法:遺伝子地図作製方法およびタギング方法が、前記遺伝子クローニングについて認識されている。前記は、それぞれ固有の限界を伴い補完的である。
【0004】
遺伝子地図作製方法において、表現型は、マーカー利用減数分裂性組換え遺伝子地図作製により、染色体の最小の断片に特定される。遺伝子地図に基づくクローニング(map based cloning)は、非常に面倒な手順であり、および、特に、小さなグループのモデル種において使用される。
【0005】
理論的には、遺伝子地図に基づくクローニングは、性的サイクルを通じて繁殖する任意の生物について普遍的に適応できる手段である(Peters et. al. (2003) Trends in Plant Science Vol.8 No.10 pp 484-491)。しかし、実際問題として、基本的な生物学的制約が存在する。最も重要なことに、遺伝子地図に基づくクローニングは、関心のある遺伝子の領域における、減数分裂性組換えの良好な頻度に、決定的に依存する。二番目に、遺伝子地図に基づくクローニングは、特徴的に乏しい大きなゲノム、例えば、反復性のDNAがDNAマーカーの明確な地図作製を妨げるレタス、コショウ、オニオン、および多くのその他において、困難が増す。
【0006】
タギング方法において、良好に特徴付けられた生物的突然変異原(トランスポゾンまたはT-DNA挿入)は、効果的な突然変異原、およびタグ化された遺伝子をクローニングするためのツールとして、使用されている。転移性のエレメントの遺伝子への挿入は、遺伝子のコード領域に挿入されるか、もしくは非コード領域に挿入されるかに依存して、機能喪失もしくは機能獲得、発現パターンの変化を導きうり、または、遺伝子の機能に全く影響が無い可能性もある。任意に新しく生じる表現型の原因となる遺伝子は、ゲノムDNAの隣接した部分と共に挿入配列のクローニングによって、回収される。
【0007】
そのような転移性のエレメントの助けを用いるタギング法は、遺伝子をクローニングするのに理論的に好ましいアプローチである、というのは、速く、減数分裂性組換えと独立しており、および、事前のゲノム供給源、例えば、遺伝子地図、または広範囲に及ぶ配列情報を要求しないからである(Maes et al. Trends Plant Sci. 1999 Mar;4(3):90-96を参照)。
【0008】
タギング法のアプローチは、自然の遺伝子タギング(トランスポゾン)システムが既知であり、または、多数の個体をランダムに組み込まれたDNA(T-DNA)で形質転換しうる、一握りのモデル生物では成功し続けている(Settles et. al, BMC Genomics 2007, 8:116、トウモロコシ使用、の例を参照せよ)。前記の小さなグループの種以外では、タギング法は、既知の挿入エレメントが存在しない、または集団サイズのロジステック上の制約、のどちらかのために、使用するのが不可能であるか、困難になる。ロジステッィク的には、タギング法は、ゲノム当りの挿入配列の数が少ない(1〜200)ために、一つまたは少数の特異的な変異体を見つけるために、数千の個体の集団サイズを要求する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Peters et. al. (2003) Trends in Plant Science Vol.8 No.10 pp 484-491
【非特許文献2】Maes et al. Trends Plant Sci. 1999 Mar;4(3):90-96
【非特許文献3】Settles et. al, BMC Genomics 2007, 8:116
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目標の一つは、特定の表現型の発現に関与する、核酸の効率的な同定を可能にする新しい方法、および、それらの使用を提供することである。当該方法は、人工的に交雑されうる、および操作されうる任意の(植物)種で、前記種の広範囲の配列情報を必要とせずに、使用可能であるはずである。他の本発明の目標は、本発明の明細書、実施態様、および請求項より明らかになるであろう。
【0011】
(定義)
以下の明細書および実施例において、いくつかの用語が使用される。明細書および請求項の、明確な、および矛盾のない理解を提供するために、前記用語に供与される範囲を含めて、以下の定義を提供する。他に本願明細書で定義されない限り、全ての技術的および科学的用語は、当業者が通常理解している、同一の意味で使用される。全ての出版物、特許出願、特許および他の参考文献の開示は、参考によって、それら全体で本願明細書に組みこまれる。
【0012】
対立遺伝子(allele):相同染色体の同一の場所にありうり、かつ、別の形質の原因となる、遺伝子の、少なくとも二つの選択的形態のうちのひとつ。非限定的な例は、花植物の花の色の遺伝子である―単一の遺伝子が花弁の色の制御をしうるが、いくつかの異なるバージョン、すなわち、遺伝子の対立遺伝子がありうる。ひとつのバージョンは赤い花弁をもたらしうる一方で、もう一つは白い花弁をもたらしうる。個々の花植物の色の結果は、二つの対立遺伝子のどちらを遺伝子について持っているか、かつ、どのように二つが相互作用しているかによる。
【0013】
特徴(character):生物の表現型の質に関する。特徴を、異なる形質の中でそれ自身、操作しうる。例えば、植物は、特徴として花の色を有し、赤または白の花は形質Aおよび形質Bという特徴である、植物でありうる。本発明で、特徴(または形質(trait))は、第一の形質の特徴を持つ生物の個体が表現型的に、第二の形質の特徴を持つ個体と区別できうる限りは、任意でありうる。特徴は、生物の視診によって直接観察されうる差異だけに限定されないだけでなく、生物のさらなる解析、例えば、ある環境への耐性の解析、または、前記生物中の特定の代謝物の存在の解析で、明らかになる特徴/形質を含む。
【0014】
「遺伝子発現(expression of a gene)」または「発現された核酸(expressed nucleicacid)」:操作可能に、適切な制御領域、特にプロモーターへ連結しているDNA領域が、生物学的に活性である、すなわち、生物学的に活性なタンパク質、または、ペプチドまたは、活性であるそれ自身に翻訳されることが可能な、RNAに転写される、プロセス。
【0015】
遺伝子(Gene):細胞中でRNA分子(例えばmRNA)へ転写され、操作可能に、適切な転写制御領域(例えばプロモーター)と連結する、領域(転写領域)を含むDNA配列。従って遺伝子は、いくつかの制御可能に連結した配列、例えばプロモーター、例えば転写開始に関与する配列を含む(転写されたmRNAの翻訳開始コドンの上流配列に対応する、5’UTRとも称される)5’非翻訳リーダー配列、(タンパク質)コード領域(cDNAまたはゲノムDNA)、および、例えば転写終結部位およびポリアデニル化部位を含む(3’未翻訳領域、または3’UTRとも称される)3’非翻訳配列を含みうる。
【0016】
同質遺伝子的な(isogenic):遺伝的同一の。同質遺伝子的な集団内の個々の細胞は、典型的に、等しい遺伝的体質を持つ、単一の先祖の子孫である。本発明において、「同質遺伝子的な」は、自然なバリエーションの結果、または、本発明の好ましい実施態様における、突然変異誘発からの、任意の点変異を除いて、DNAレベルで個々の個体が100%同一であると解釈することである。
【0017】
突然変異誘発(mutagenesis or mutagenic treatment):本願明細書において、前記用語は、核酸、遺伝子、または、ゲノムに変化の導入を導く処理、例えば、点変異、および/または、10塩基まで連続したヌクレオチドの挿入もしくは失欠を導く処理に関する。
【0018】
核酸(nucleic acid):本発明による核酸は、ピリミジンおよびプリン塩基、好ましくは、シトシン、チミンおよびウラシル、ならびにアデニンおよびグアニンそれぞれの、任意のポリマーまたはオリゴマーを含みうる(Albert L. Lehninger, Principles of Biochemistry, at 793-800 (Worth Pub. 1982)を参照せよ、当該文献は、本願明細書において、全体の目的のために、その全体で参考によって組み込まれる)。核酸は、cDNA、または、RNA、またはそれらの混合物を含むDNAでありえ、および、永遠にまたは過渡的に、ホモデュプレックス、ヘテロデュプレックスおよびハイブリッド状態を含む、単鎖または二重鎖形態で存在しうる。
【0019】
配列決定(sequencing):前記用語は、核酸サンプル、例えばDNAまたはRNAの、ヌクレオチドの順序(塩基配列)の決定に関する。
【0020】
形質(trait):生物学においては、形質は、同一の生物の(任意の)他の個々の個体と比較した、生物の個々の個体の任意の表現型的に特色のある特徴に関する。本発明の文脈において、形質は遺伝しうる、すなわち、生物の遺伝的情報を用いて生物の次の世代へ伝えられうる。
【0021】
「同一の特徴の形質(trait of the same character)」または「前記特徴の形質(trait of said character):ある特徴について存在する(または明らかになる)、少なくとも二つの形質のグループのうちどれか一つ。例えば、特徴「花の色」の場合、表現型的発現は青、赤、白、などを含みうる。上記の例において、青、赤、および白は全て、同一の特徴の異なる形質である。
【0022】
(本発明の詳細な記載)
上記の目的は驚くべきことに、添付請求項に記載の方法の提供によって解決される。
【0023】
さらに具体的には、以下の工程を含む、生物の特徴に関連する、発現する核酸配列の同定、および、場合によっては単離のための方法が提供される:
a. 前記特徴の形質Aを持つ前記生物の少なくとも二つの個体、および、前記特徴の形質Bを持つ前記生物の少なくとも二つの個体を提供する工程であって、形質AおよびBは異なり、かつ、形質AまたはBを持つ前記個体は両方、前記生物の同質遺伝子的な個体に由来する、工程、
b. 形質Aを持つ工程a)の個体それぞれ、および、形質Bを持つ工程a)の個体それぞれから全cDNAを入手する工程、
c. 形質Aを持つ個体から、および形質Bを持つ個体から得られた個々のcDNAそれぞれの配列を決定する工程、
d. 形質Bを持つ個体の対応するcDNAと比較することによって、形質Aを持つ個体の個々のcDNAそれぞれの一塩基多型頻度を決定する工程、
e. 形質Aを持つ個体のそれぞれのcDNAの一塩基多型頻度を、形質Bを持つ個体それぞれのcDNAと比較することによって、増加した一塩基多型頻度を伴う形質Aを持つ個体からcDNAを同定する工程、ならびに、
f. 工程(e)のcDNAが由来する、発現する核酸配列を同定する工程、および、場合によっては、発現する核酸配列を含む遺伝子をクローニングする工程。
【0024】
本発明は、現在のクローニング方法が有する上記の問題が、生物的な突然変異原を用いたタギングと概念的に類似した方法であるが、任意の生物に適応しうる非生物的突然変異原を用いて、それらの制限を克服する方法によって解決することができるという認識に基づいており、本発明は、望ましい表現型を示す変異プールから得られる全トランスクリプトーム(cDNA)の配列決定と組み合わせて、可能な限りロジスティック的集団の制約を解消するために、ゲノム当り数千の良好に検出可能な変異を作製し、この作製に基づいて、前記変異プールの各個体においてそれぞれ非-中立の一塩基多型遺伝子を持つ、遺伝子を同定する。加えて、変異プールは、天然のバリエーションから得ることができる。
【0025】
挿入突然変異原を用いた遺伝子標識法のように、任意の生物の遺伝子は、点変異のような化学的に誘導された変異でタグ化されうる(および明確な表現型を発現する)と認識されていた。しかし、主な問題は、このような変異がどんな形態の特異的なPCR増幅でも適任でないので、どのように、全ゲノムのこのような小さな、および、ランダムな変異(タグ)を検出するのかということにあり、さらに、化学的に誘導された変異は、高い頻度で、ゲノムにランダムに導入される。従って、多くの遺伝子は、元の種の遺伝子と比較して、同時に変異を含みうり、さらに、観察された表現型の原因である遺伝子の正しい同定を複雑にする。
【0026】
発明者は、クローニングすべき遺伝子座の一連の変異対立遺伝子を作製し、「変異プール」へプールし、その後、このプールから、再度全てのcDNAを複数回配列決定することによって解決できると考えた。変異していない同胞種のプール(「野生型プール」)からの全てのcDNA配列と比較した場合、変異プールに存在するあるcDNAは高く増加した変異頻度を示す。これは、変異表現型に内在する遺伝子である可能性が極めて高い。
【0027】
本発明による方法は、プールが、他の同質遺伝子的な遺伝的背景の、(誘導された)対立遺伝子シリーズから作製される。本発明による方法(大量変異解析(Bulked Mutant Analysis, BMA))は、クローニングすべき遺伝子内に位置する、連鎖したSNPsを検出する。
【0028】
当該方法は、人工的にハイブリダイズされうる、および突然変異誘発されうる、コショウおよびオニオンのような悪名高く厄介な作物を含んだ、全ての種に適応可能であり、遺伝子地図の存在と独立しており、任意のサイズおよび複雑性を有するゲノム中で機能しうる。
【0029】
さらに詳細には、本発明による方法において、特定の表現型を持つ(または特定の形質Aを持つ)生物の少なくとも二つの個々の個体は、前記表現型を持たない前記生物(しかし、同一の特徴に関して形質Bを持つ)の少なくとも二つの個々の個体と比較される。当業者は、本方法は、形質Aを持つ個体および、形質Bを持つ個体の比較のみに限定されずに、また、同一の特徴の形質C、D、E...などを持つ個体も含みうることを理解するだろう。
【0030】
本発明に関して、形質Aまたは形質Bを持つ生物の個体が、両方、前記生物の同質遺伝子的な個体から、言い換えれば、同一の遺伝的背景を持つ生物から得られる(例えば同一の同系交配の株から得られる)ことを要求される。形質Aまたは形質Bを持つ個々の個体は同質遺伝的である、すなわち、自然なバリエーションによって、または、本発明の好ましい実施態様においては、突然変異誘発によって、遺伝的材料へ導入された変化を除いて、同一の遺伝的バックグランドを持つ。観察された表現型が含まれるのは、形質Aを持つ個体と形質Bを持つ個体との間の遺伝的材料の差異においてである。形質Aを持つ個体は、形質Bを持つ生物の個体によって発現される核酸と異なる、少なくとも一つの核酸を発現するはずであり、この核酸は、前記生物の特徴と関連しており、形質Aおよび形質Bは表現型的形態である。
【0031】
同様にタグ化された(例えば、点変異によって)核酸を検出するために、本発明の方法では、形質Aを持つ個体の全トランスクリプトームを、形質Bを持つ個体の全クリプトームと比較する、すなわち、選択された組織において全ての発現された遺伝子の完全な配列を比較する。
【0032】
前記に関して、全cDNAは、形質Aを持つ個体、および、形質Bを持つ個体の両方から得られる。形質Aを持つ生物、または形質Bを持つ生物の、個体のプールのそれぞれからの全cDNAの調製は、当業者に既知の、任意の適した方法によって、行いうる。cDNA合成のために多くの市販されたキットを購入可能である、例えば、ABgene、Ambion、Applied Biosystems、BioChain、Bio-Rad、Clontech、GE Healthcare、Invitrogen、Novagen、Qiagen、Roche Applied Science、Storatagene、および、その他同種類のものから購入可能である。同様の方法は、例えば、Sambrookらによって記載されている(Sambrook, J., Fritsch, E. F., and Maniatis, T., in Molecular Cloning: A Laboratory Manual. Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY, Vol. 1, 2, 3 (1989))。
【0033】
本発明に関して、形質Aを持つ少なくとも二つの個体および、形質Bを持つ少なくとも二つの個体の全cDNAを得ることが要求される。さらに好ましくは、前記生物の少なくとも3、4、5、6または7個体、および最初の形質Aを持つそれぞれが、本発明による方法で提供される。
【0034】
上記に説明したように、本発明は、特定の特徴(または形質)に関連する遺伝的差異が、表現型的に異なる形質を持つことによってお互いを区別しうる、生物の全トランスクリプトームの配列の比較によって同定されうるという理解に基づく。しかし、好ましい実施態様において、形質Aを持つ個体は、形質Bを持つ個体の、ランダムな(化学的な)突然変異誘発によって生じるので、同様に処理された生物の遺伝的材料は、多くのおよびランダムな変異を含み、大部分の前記の変異は、観察された形質と関連していないだろう。形質Aを持つある個体の全cDNAと、形質Bを持つある個体の全cDNAの比較は、観察された表現型と関連する核酸の同定を可能とするわけではない。しかし、本発明者によって、それぞれが最初の形質Aを持つ少なくとも二つの個体を、形質Bを持つ少なくとも二つの個体と比較する場合に、特徴(または形質)の原因となる(または関連する)核酸を同定することを可能になることが、認識された。
【0035】
形質Aおよび形質Bを持つ個体は両方同一の同質遺伝的なソースから得られる。同質遺伝的なソースの突然変異誘発の結果として、変化は遺伝的材料にランダムに導入される。第一の個体に誘導された変化は、第二の個体に誘導された変化と異なっている。しかし、前記第一の個体と、前記第二の個体の両方が、突然変異誘発の結果として、ある表現型を発現する、すなわち形質Aを持つ場合に、<<両方の>>個体において同一のcDNAが、形質Bを持つ個体から得られた対応するcDNAと比較して一塩基多型を示す可能性が非常に高い(前記SNPは必ずしも前記cDNA中の同一の位置に、位置していなくともよい)。形質Aを持つ両方の個体において、関連のないcDNAが同様のSNPを示すという変化はゼロに近いので、前記cDNAは、ここに、研究中の生物の特定の形質または特徴と関連する、発現された核酸から得られたcDNAとして同定しうる。
【0036】
言い換えれば、本発明は、「変異プール」からの全てのcDNAの配列において、例えば一つの遺伝子(形質A)中の5つの対立遺伝子の変異の配列において、形質Bを持つ個体のcDNAと比較して配列の変化を一貫して示す唯一ひとつの個々のcDNAが存在するという理解に基づく。
【0037】
形質Aを持つ個体の全cDNAと、形質Bを持つ個体の全cDNAを、比較するために、全cDNAが配列決定されることが必要である。cDNAの配列決定は、当業者に既知の、任意の適した方法によって、されうる。しかし、特にMargulies M.らによって記載された方法(http://www.454.com、 Genome sequencing in microfabricated high-density picolitre reactors. Nature 437: 376-80, 2005)は非常に好ましく、(全cDNAの)全トランスクリプトームの、迅速で効果的な配列決定を可能にする。例えば、および好ましい実施態様において、得られたcDNA断片のヌクレオチド配列は、例えば、WO 03/004690、WO 03/054142、WO 2004/069849、WO 2004/070005、WO 2004/070007、および、WO 2005/003375、Seo et al(2004) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101: 5488-93および、Helicos、Solexa、US Genomicsなどに記載された方法のような、ハイスループットシーケンス法によって、決定される(前記の文献は参照によって本願明細書に組み込まれる)。
【0038】
本発明による方法の次の工程において、cDNA内の一塩基多型頻度を明確にするために、形質Aを持つ個体の全cDNAの得られた配列を、形質Bを持つ個体の全cDNAと比較する。前記決定は、当業者に既知の、任意の適した方法を用いて、および、例えば、添付実施例に提示するように、行なわれうる。
【0039】
一言で言えば、例えば、cDNA断片のヌクレオチド配列の整列は、同一の転写された遺伝子から得られたヌクレオチド配列の収集、前記ヌクレオチド配列の比較に使われうる。ヌクレオチド配列が同一の転写された遺伝子から得られたかどうかは、配列間の相同性に基づいて明らかにされうる。本発明の目的のために、ヌクレオチド配列が、少なくとも30、好ましくは少なくとも50、さらに好ましくは90、最も好ましくは少なくとも100、150、200ヌクレオチドの長さにわたって、少なくとも95、96、97、98、99、100パーセント相同である場合、ヌクレオチド配列が同一の転写された遺伝子から得られた、とみなされる。当該方法は、統計的解釈によって補佐され、統計的に異なる頻度を論証しうる。
【0040】
得られたデータに基づいて、SNP頻度が上昇した、形質Aを持つ個体の全cDNAのcDNAを同定しうる。本発明による方法において、形質Aを持つ個体の配列決定された全cDNAの中で、少なくとも一つの特異的なcDNAが、形質Aを持つ個体のそれぞれにおいて、遺伝的に中立でない一塩基多型(single nucleotide polymorphism)(SNP)を持ちうる。言い換えれば、前記特異的なcDNAは、形質Aを持つ個体のそれぞれにおいて、SNPを含みうる(必ずしも、対応するcDNA中の同一の位置上でなくてよい)。前記cDNAは、当業者に既知の方法を用いて、引き続き、発現された核酸配列の同定および、対応する遺伝子のクローニングに使われうる。
【0041】
好ましい実施態様において、形質Bを持つ前記生物の個体の突然変異誘発によって形質Aを持つ前記生物の個体が得られ、前記形質Bを持つ個体が突然変異誘発前は同質遺伝子的である、本発明によって提供された方法が提供される。
【0042】
本発明による方法の実施態様において、明確な特徴の形質Aを持つ少なくとも二つの個体は、自然なバリエーションの結果でありうる、すなわち、形質Bを以前に発現していた前記生物の核酸における自然な、または自然発生的変化を原因とする、自然なバリエーションの結果でありうる。遺伝的情報の同様の変異は、故意ではないが、前記生物が、観察された表現型における変化(例えば、形質Bから形質A)の原因となる遺伝的情報を持つことを、明らかにする。
【0043】
好ましくは、しかし、本発明による方法は、遺伝的情報の、前記の故意でない、および制御できないバリエーションに依存しないが、代わりに、意図的な突然変異誘発の結果である特定の形質を持つ変異に依存する。当業者は、どのように、例えば、既知の突然変異原の使用によって、任意の生物の遺伝情報を変異しうるかを理解する。前記の突然変異原を用いた結果、変異は、生物の個体のゲノム中に、ランダムに生じうる。言い換えれば、核酸は、(変異していない核酸との比較によって)(化学的、生物的または、照射を用いて)誘導された変異(例えば、点変異、例えば、エチルメタンスルホネートによる)を伴い、遺伝子のように、タグ化されうる。
【0044】
「照射による突然変異誘発(mutagenesis by irradiation)」の例はX線、γ線、UVライト、またはイオン化粒子を含む。「生物的突然変異誘発(biological mutagenesis)」は、例えば、WO 0150847に記載されたような方法、例えば、recAのようなリコンビナーゼの利用を含む。本発明による方法で使われうる「化学的突然変異原(chemical mutagens)」は、特定の化学薬品、例えばエチルメタンスルホネート(EMS)、硫酸ジエチル(DES)、N-ニトロソ-N-エチル尿素(ENU)、ジエポキシブタン、2-アミノプリン、5-ブロモウラシル、エチジウムブロミド、亜硝酸、ニトロソグアニジン、ヒドロキシルアミン、アジ化ナトリウム、またはホルムアルデヒドの適用を含む。
【0045】
好ましくは、突然変異誘発の方法は、ゲノムへの点変異、または、10塩基まで連続したヌクレオチドの挿入、置換、または欠失を誘導する。
【0046】
当業者は、当該実施態様の文脈の中で、前記突然変異誘発によって誘導された変異を除いて、形質Aを持つ個体および、形質Bを持つ個体が同質遺伝子的(前記の個体が両方とも同一の遺伝的背景から得られるので)であることを、理解するであろう。
【0047】
古典的な遺伝子地図作成、および変異の挿入を伴うタギング方法と対照的だが、このような小さくて、かつランダムな変異は、どんな形態の特異的なPCR増幅でも適切でないので、検出することが難しい。しかし、上記戦略を用いるのに、いくつかの良い理由がある:突然変異誘発は、関心のある、基本的に任意の種へ適応されうり、誘導された変異の範囲はタギングアプローチを用いた場合よりも広く、突然変異誘発は通常さらに効率的であり、第二の部位変異を得ることがさらに容易である。
【0048】
突然変異誘発の適切な多種多様な方法が使われうるが、好ましくは、突然変異原は、トランスポゾン挿入、または、T-DNA挿入から成る群から選択される生物的突然変異原でない。好ましくは、使用される突然変異誘発の方法は、遺伝的材料に点変異を誘導する。
【0049】
もう一つの実施態様において、生物が植物であり、好ましくは、トマト、コショウ、ナス、レタス、ニンジン、オニオン、リーキ、チコリー、ラデッシュ、パセリ、ホウレンソウ、メロン、キュウリから成る群から選択される作物植物である、本発明による方法が提供される。
【0050】
本発明に供されうる生物は、バクテリア、原核生物および真核生物を含む任意の生物でありえる。しかし、好ましくは、前記生物は真核生物であり、特に植物、さらに特に作物植物である。好ましくは、前記植物は、トマト、コショウ、ナス、レタス、ニンジンを含む重要な作物植物から成る群に属する植物であるが、当該方法は基本的に全ての他の植物に適応しうる。
【0051】
特に、本発明は、従来技術において利用可能な遺伝子地図作製およびタギング技術が不可能、または、困難である、作物植物からの、遺伝子のような、核酸の同定とクローニングを可能にする。
【0052】
さらなる実施態様において、生物は植物であり、工程a)より前に、形質Aをコードする対立遺伝子および形質Bをコードする第二の対立遺伝子について、へテロ接合性であるF1集団を作製し、前記F1集団が突然変異誘発に供され、かつ、前記F1集団が前記突然変異誘発の後に、形質Aを持つ個体と形質Bを持つ個体に分けられる、本発明による方法が提供される。
【0053】
好ましくは、対立遺伝子のシリーズは、例えば、既知の遺伝子座における新しい対立遺伝子を選択するための標準的な遺伝学的アプローチによって構築されうる。前記アプローチは、(前記遺伝子座の既知の表現型を作製する)一つの変異参照対立遺伝子および一つの野生型対立遺伝子に関して、ヘテロ接合性であるF1集団の作製から成る。F1の突然変異誘発は、野生型対立遺伝子のノックアウトによって変異体の表現型をカバーしないであろう。このような変異F1植物が、ある頻度で、他の野生型F1集団において、現れうる。あるF1集団で、この方法で処理されるべき異なる遺伝子(座)の数は、ある複数のヘテロ接合性遺伝子型における異なる変異遺伝子座を組み合わせることによって、意図的に増加しうる。
【0054】
本発明による方法によって同定されうる核酸は、引き続いて単離、クローニング(遺伝子)、または、宿主細胞への導入、または、例えば植物繁殖計画に使用されうる。
【0055】
要約すると、本発明は、生物中で発現し、かつ、前記生物の特定の表現型(特徴の形質)に関与する、核酸配列の同定および、場合によっては単離のための、新しい戦略に関する。本発明の方法を用いて、従来技術の既知の方法と比較して、効率的な同定、単離、または遺伝子クローニングが、利用できるゲノムに関して情報がないか限定される、例えば(作物)植物のような生物で、可能になる。加えて、突然変異誘発された集団を作製するための、多目的で、広く適応可能な方法として、点変異を誘導する化学薬品を使用することが可能になり、その理由は、例えば、T-DNAまたはトランスポゾンシステムを用いるよりもさらに高い変異頻度を生じるので、それによって当該方法で必要になる生物、例えば植物の量が減るからである。さらに、当該方法は、特に関心のある遺伝子内の変化を直接的に検出するので、ゲノム中のマーカーの使用または存在に頼らない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は本発明による方法の実施態様の図式的概観である。この図において、および、本願明細書に開示された発明に適切に、同質遺伝子的な集団が突然変異原で処理されることが示される。結果として、異なる特徴である二つの形質A(破線の円)およびB(連続的な円)が明確になった。従って、二つの形質AおよびBは、同一の同質遺伝子的な集団から得られ、この実施態様において、突然変異誘発によって誘導された変異に関してのみ異なっている(当業者は、前記処理が、生物の全ての同質遺伝的な個体に、または、好ましくは前記生物の個体のあるフラクションのみに、実施されたかもしれないことを理解するであろう)。観察された形質Aの原因となる、または関連した発現核酸を同定するために、形質Aを持つ、少なくとも二つの個体をプールし、全cDNAを得て、配列決定し、形質Bを持つ、少なくとも二つの個体の全cDNAと比較する(または、形質Bを持つ個体から以前に得られた、例えば、突然変異誘発の前の同質遺伝子的な個体から得られた、全cDNAと比較する)。形質Aを持つ、少なくとも二つの個体のプールの結果、ランダムな変異が、変異体プールの全ての個体の同じcDNAに導入され、かつ、このようなcDNAが観察された表現型に関与しない可能性は、実質的にゼロである。次の段階で、形質Aを持つ個体の全cDNAと形質Bを持つ個体の全cDNAとを比較した場合、形質Aを持つ変異体プールの全ての個体で変異を持つcDNAは、観察された表現型/形質Aに関与する核酸として、同定されうる。この図において、二つの個々のcDNA(cDNA1およびcDNA2)について、形質Aの全cDNAと形質Bの全cDNAの比較を示している。証明されうる限り、形質Aおよび形質BからのcDNA1は、形質Aのひとつの個体を除いて同一である。対照的に、形質Aの全てのcDNA2は形質BのcDNA2と比較して、(星で示された)変異を持つ。その結果として、cDNA2を、形質Aの出現に関連する核酸として同定し、遺伝子をクローニングしうる。
【実施例】
【0057】
(単一の花の色の遺伝子における変異の産生)
以下の実施例で、BMA手法を実証しうる。前記手法を、ペチュニア ハイブリダ(Petunia hybrida)の、既知の花の色の遺伝子(RT)の新たな同定によって、実証しうる。マゼンダ色の花を持つF1交配種ペチュニアを近交系W5(rt:::dTph3; Stuurman and Kuhlemeier. 2005)および、M1 (RT, Snowden KC and Napoli CA (1998) Psl: a novel Spm-like transposable element from Petunia hybrida. Plant J. 14:43-54)間の交雑によって作製しうり、UDPラムノース(アントシアニン-3-グルコシド ラムノシル トランスフェラーゼ(anthocyanin-3-glucoside rhamnosyl transferase))をコードする、遺伝子RTに劣性の対立遺伝子を持つ、マゼンダ色の花のヘテロ接合体遺伝子型をもたらす。使用した遺伝的背景において、RTの機能喪失性突然変異は、シアニジン-3-グルコシドの蓄積の結果として、赤い花を作る(Kroon et al. 1994、 Brugliera et al. 1994)。エチルメタンスルホネート(EMS)でのF1交配種の種の突然変異誘発で、得られた植物のいくつかは、RTの野生型対立遺伝子に、ヘテロ接合性の消失および、赤の花冠色の発現をもたらす、新しい変異を持つであろう。
【0058】
約3600のF1植物の集団が、EMS処理された種から成長しうり、花の色を、全ての個々の植物について視覚的に記録しうる。成長した植物から、5つの赤い花を持つ変異体を選択しうる。赤色は劣性のため、最初に突然変異誘発された集団中の前記色の発現は、赤い花を持つ変異体が、RT遺伝子の野生型コピー中に、EMSが誘導した点変異を持つことを示す。
【0059】
(ハイスループットトランスクリプトームシークエンシングは正確にRT遺伝子を同定する)
5つの新しく同定された変異体対立遺伝子の赤色を司る遺伝子を新たに同定するために、アントシアニン色素形成が可視的になる成長時点である、ステージ2の花冠裂片の全トランスクリプトームを配列決定しうる。同時に、EMS非処理の種からの(従って野生型としてみなされる)、少なくとも二つの植物の全トランスクリプトームを比較のために配列決定しうる。5つの変異体および野生型のそれぞれの全RNAを二重鎖cDNAに変換しうり、それぞれ個々の変異体植物からのcDNAを、GS-FLC Titanium sequencer(454 Life Sciences)における配列決定について、分離的に処理する。処理は、異なるバーコードを持つ5つの変異体および野生型のそれぞれと、バーコード化された454-シークエンシングアダプターを含みうる(WO2007073165、WO2007037678またはWO2007073165の例を参照せよ、異なるバーコードはタグもしくは識別子のように記載される)。前記バーコードは、5 bp配列でありえ、454-アダプターの3’末端に付加されうり、cDNAと共に読まれる。前記は読まれた配列それぞれの始めに、ユニークなタグを生じうり、タグの的確な5 bpは、5つの変異体または野生型のどちらからcDNAが得られたかを示す。全てのサンプルは引き続きプールされうり、GS-FLX Titanium sequencingの3回のランで配列決定される。平均400 bpの長さの、合計300万の読み込みが得られうる。
【0060】
全ての配列データは、CAP3 assembly software(Huang, X. and Madan, A. (1999) CAP3: A DNA Sequence Assembly Program. Genome Research, 9: 868-877)を使用し、オーバーラップマッチングについて98%同一性セッテイングを用い、重複しないセットのコンティグにアセンブリングしうる。前記配列決定深度での花冠トランスクリプトームについて、最小の数のユニジーン(unigene)を示す、平均1.5 kbサイズの約20 000コンティグを得うる。
【0061】
前記データセットは、変異体中のSNPの出現率について、および、野生型との比較において、当業者に既知の技術を用いて解析される(Savage et al. 2005. SNPserver, al real timeSNP discovery tool Nucl. Acids Res (33) W493-W495)。BLAST解析を用いた場合、前記ユニジーンはUDPラムノース(ペチュニア ハイブリダからのアントシアニン-3-グルコシド ラムノシル トランスフェラーゼ)と同一であることを示すだろう。前記はRT遺伝子において同一である。
【0062】
BMA手法は、実験的状況が対立遺伝子のシリーズ(本発明者のケースでは同一の遺伝子で5つの明確な変異体)の産生、および全組織のcDNAのプール中のSNPを検出するのに十分な配列決定を可能にすることを条件として、少なくとも21000個の他の遺伝子の中から、変異体表現型の原因となる単一の遺伝子の同定を可能にする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、生物の特徴に関連する、発現する核酸配列の同定、および、場合によっては単離のための方法:
a. 前記特徴の形質Aを持つ前記生物の少なくとも二つの個体、および、前記特徴の形質Bを持つ前記生物の少なくとも二つの個体を提供する工程であって、形質AおよびBは異なり、かつ、形質AまたはBを持つ前記個体は両方、前記生物の同質遺伝子的な個体に由来する、工程、
b. 形質Aを持つ工程a)の個体それぞれ、および、形質Bを持つ工程a)の個体それぞれから全cDNAを入手する工程、
c. 形質Aを持つ個体から、および形質Bを持つ個体から得られた個々のcDNAそれぞれの配列を決定する工程、
d. 形質Bを持つ個体の対応するcDNAと比較することによって、形質Aを持つ個体の個々のcDNAそれぞれの一塩基多型頻度を決定する工程、
e. 形質Aを持つ個体のそれぞれのcDNAの一塩基多型頻度を、形質Bを持つ個体それぞれのcDNAと比較することによって、増加した一塩基多型頻度を伴う形質Aを持つ個体からcDNAを同定する工程、ならびに、
f. 工程(e)のcDNAが由来する、発現する核酸配列を同定する工程、および、場合によっては、発現する核酸配列を含む遺伝子をクローニングする工程。
【請求項2】
形質Aを持つ前記生物の個体が、前記形質Bを持つ前記生物の個体の突然変異誘発によって得られる方法であって、形質Bを持つ前記個体が、前記突然変異誘発処理の前は同質遺伝子的であった、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
突然変異誘発の方法が点変異を誘導する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
突然変異誘発が非生物的突然変異原の使用によって行われる、請求項2または3に記載の方法。
生物が植物、好ましくは、トマト、コショウ、ナス、レタス、ニンジン、オニオン、リーキ、チコリー、ラデッシュ、パセリ、ホウレンソウ、メロン、キュウリから成る群から選択される作物植物である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
生物が植物であり、工程(a)の前に、形質Aをコードする対立遺伝子および形質Bをコードする第二の対立遺伝子について、へテロ接合性であるF1集団を作製し、前記F1集団が突然変異誘発に供され、かつ、前記F1集団が前記突然変異誘発の後に、形質Aを持つ個体と形質Bを持つ個体に分けられる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
工程(f)の遺伝子を生物に導入する、および/またはトランスジェニック生物を作製するのに使用する、および/または変異させる、および/または植物育種に使用する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2012−508573(P2012−508573A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536270(P2011−536270)
【出願日】平成21年11月17日(2009.11.17)
【国際出願番号】PCT/NL2009/000222
【国際公開番号】WO2010/056115
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(509351340)
【Fターム(参考)】