大電流発生方法および装置
【課題】エネルギー分配による損失が無く、原理的に出力電流値に上限のない大電流発生装置を提供する。
【解決手段】制御回路7は、並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nをオフした状態で直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nおよび励磁スイッチ3をオンする。次に、励磁電流が予め与えた値Ioになると、励磁スイッチ3をオフすると共に並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nを全てオンする。次に、直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nをオフする。
【効果】エネルギー分配による損失が無くなる。負荷の抵抗値はかなりの自由度をもって選ぶことが出来る。原理的に出力電流値に上限がなくなる。
【解決手段】制御回路7は、並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nをオフした状態で直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nおよび励磁スイッチ3をオンする。次に、励磁電流が予め与えた値Ioになると、励磁スイッチ3をオフすると共に並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nを全てオンする。次に、直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nをオフする。
【効果】エネルギー分配による損失が無くなる。負荷の抵抗値はかなりの自由度をもって選ぶことが出来る。原理的に出力電流値に上限がなくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、大電流発生方法および装置に関し、さらに詳しくは、エネルギー分配による損失が無く、原理的に出力電流値に上限のない大電流発生方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図12に示す如き大電流発生装置500が知られている(例えば非特許文献1、非特許文献2参照)。
この大電流発生装置500において、電流取出しスイッチ54は開いた状態で励磁スイッチ53を閉じると、電源1から励磁電流Ipが供給されて誘導性エネルギー蓄積用コイル2が励磁され誘導性エネルギーが蓄積される。
図13に示すように、誘導性エネルギー蓄積用コイル2に誘導性エネルギーが蓄積された段階で電流取出しスイッチ54を閉じると共に励磁スイッチ53を開くと、誘導性エネルギー蓄積用コイル2に蓄積された誘導性エネルギーが出力トランス55を介して負荷Rに供給される。
【非特許文献1】電気学会・大電流エネルギー応用技術調査専門委員会編「大電流エネルギー工学」、オーム社、pp.107-108.
【非特許文献2】J.Kaugerts, et.al. "Magnet and Superconductor Development for a High Power SMES Based Power ModuIator" Paper presented at the 16th lntern. Conference on Magnet Technology, Sep 26-Oct 2, 1999, USA.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の大電流発生装置500には次のような問題があった。
(1)誘導性エネルギー蓄積用コイル2と出力トランス55の一次側コイルが直列に接続されている。このため、誘導性エネルギー蓄積用コイル2に蓄積した誘導性エネルギーは両コイルに分配され、一部しか負荷Rに取り出せない。すなわち、エネルギー分配による損失がある。
(2)出力トランス55を昇圧トラスとすると、負荷Rに取り出せる電流Isが一次側に流れる電流より小さくなる。
(3)出力トランス55を降圧トランスとすると、負荷Rに取り出せる電流Isを一次側に流れる電流より大きく出来るが、負荷Rの抵抗値が一次側から見ると「一次側巻数p/二次側巻数s」の2乗倍になり、「一次側に流れる電流×負荷Rの抵抗値×(「p/s」の2乗)」という高電圧が一次側に発生することになる。このため、励磁スイッチ53は耐電圧の大きい高性能なものを使わなければならない。あるいは、出力電流値を大きくすればするほど負荷Rの抵抗値をゼロにしていかなければならない。
そこで、この発明の目的は、エネルギー分配による損失が無く、原理的に出力電流値に上限のない大電流発生方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の観点では、この発明は、複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを直列接続してから電源より誘導性エネルギーを前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに蓄積し、前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを並列接続してから前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに蓄積された誘導性エネルギーを負荷へ供給することを特徴とする大電流発生方法を提供する。
上記第1の観点による大電流発生方法では、誘導性エネルギー蓄積用コイルを誘導性エネルギー蓄積用と電流出力用とに兼用しているため、エネルギー分配による損失が無い。また、従来の出力トランスのように一次側・二次側といった区別が無く、負荷の抵抗値が一次側から見ると「一次側巻数/二次側巻数」の2乗倍になるといったことも無いため、負荷の抵抗値はかなりの自由度をもって選ぶことが出来る。さらに、誘導性エネルギー蓄積用コイルの個数をNとすると、誘導性エネルギー蓄積時の励磁電流値IoのN倍の電流を負荷へ供給でき、原理的に出力電流値に上限がなくなる。
【0005】
第2の観点では、この発明は、電源と、複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルと、前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを直列接続するための直列接続用スイッチと、前記直列接続用スイッチにより直列接続した前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに前記電源を接続するための励磁スイッチと、誘導性エネルギー蓄積用コイルを負荷に並列接続するための並列接続用スイッチとを具備したことを特徴とする大電流発生装置を提供する。
上記第2の観点による大電流発生装置では、前記第1の観点による大電流発生方法を好適に実施できる。
【0006】
第3の観点では、この発明は、前記第2の観点による大電流発生装置において、前記並列接続用スイッチをオフした状態で前記直列接続用スイッチおよび前記励磁スイッチをオンし、次に前記励磁スイッチをオフすると共に前記並列接続用スイッチの全部または一部をオンし、次に前記直列接続用スイッチの全部または一部をオフする制御回路を具備したことを特徴とする大電流発生装置を提供する。
上記第3の観点による大電流発生装置では、制御回路のスイッチシーケンスにより前記第1の観点による大電流発生方法を好適に実施できる。また、並列接続用スイッチの一部や直列接続用スイッチの一部だけをオン/オフすることにより、誘導性エネルギーを負荷へ供給する際の並列数を変えることができ、負荷電流を調節できる。
【0007】
第4の観点では、この発明は、前記第3の観点による大電流発生装置において、前記制御回路は、前記電源から前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに供給される励磁電流が予め与えた値になったときに前記励磁スイッチをオフすると共に前記並列接続用スイッチの全部または一部をオンすることを特徴とする大電流発生装置を提供する。
上記第4の観点による大電流発生装置では、最適のタイミングで制御回路のスイッチシーケンスを進めることができ、短時間で励磁し、励磁後短時間で出力でき、抵抗による損失を小さくすることが出来る。
【発明の効果】
【0008】
この発明の大電流発生方法および装置によれば、エネルギー分配による損失が無くなる。また、負荷の抵抗値はかなりの自由度をもって選ぶことが出来る。さらに、原理的に出力電流値に上限がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図に示す実施の形態によりこの発明をさらに詳細に説明する。なお、これによりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
図1は、実施例1にかかる大電流発生装置100を示す回路図である。
この大電流発生装置100は、電源1と、N(>2)個の誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nと、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nを直列接続するための直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nと、直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nにより直列接続した誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nに電源1を接続するための励磁スイッチ3と、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nを負荷Rに並列接続するための並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nと、直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nや励磁スイッチ3や並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nのオン/オフを制御する制御回路7とを具備している。
【0011】
直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nや励磁スイッチ3や並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nは、サイリスタやトライアックやパワートランジスタのような半導体スイッチ、または、電磁リレースイッチである。
【0012】
図1に示すように、制御回路7は、並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nをオフした状態で直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nおよび励磁スイッチ3をオンする。これにより、電源1から励磁電流が供給されて誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nが励磁され、誘導性エネルギー蓄積用コイル2−1,…,2−Nの内部に磁束Φが生じ、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nに誘導性エネルギーが蓄積される。制御回路7は、励磁電流が予め与えた値Ioになるまで図1の状態を継続する。
【0013】
図2に示すように、励磁電流が予め与えた値Ioになると、制御回路7は、励磁スイッチ3をオフすると共に並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nを全てオンする。これにより、各誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nの両端が短絡されて磁束Φが保存され、各誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nに流れている電流Ioはそのまま流れ続ける。
【0014】
図3に示すように、次に制御回路7は、直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nをオフする。これにより、各誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-NからIoの電流が負荷Rに流れる。つまり、負荷RにはIo×Nの電流が供給されることになる。
【0015】
−実施結果−
図4に、大電流発生装置100の誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nの数Nを3個にした場合の励磁電流(入力電流)と出力電流の実測値を示す。
電源1は、一定の電流(58.8mA)が流れる定電流電源を用いた。励磁スイッチ3は省略した(常時オンでよいため)。
直列接続用スイッチ4-1,…,4-N、並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nは、機械的な電磁リレースイッチを用いて、トリガによりオン/オフさせた。なお、スイッチが機械的な電磁リレースイッチのため、トリガが入ってからリレーの接点が動き、オンもしくはオフになるまで、若干の時間遅れがある。
図4において、トリガから8.6msまでが誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-3に誘導性エネルギーを蓄積している時間である。この後、並列接続用スイッチ5-1,…,5-4および6-1,…,6-3がオンになる。その4.8ms後に直列接続用スイッチ4-1,…,4-3がオフになり、負荷Rに入力電流の2.98倍の175.0mAの出力電流が流れた。
【0016】
実施例1の大電流発生装置100によれば次の効果が得られる。
(1)誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nを誘導性エネルギー蓄積用と電流出力用とに兼用しているため、エネルギー分配による損失が無い。
(2)従来の出力トランスのように一次側・二次側といった区別が無く、負荷Rの抵抗値が一次側から見ると「一次側巻数/二次側巻数」の2乗倍になるといったことも無いため、負荷Rの抵抗値はかなりの自由度をもって選ぶことが出来る。
(3)誘導性エネルギー蓄積時の励磁電流値IoのN倍の電流を負荷Rへ供給でき、原理的に出力電流値に上限がなくなる。
(4)各誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nに流れる電流は、磁束Φの保存により維持されているため、負荷Rの抵抗値に依存しないで電流値を決められる。
(5)誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nの各部の電位差は非常に小さく、高電圧部が無い。従って、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nを冷却水等の液体の中に漬けて動作させることが可能になり、特に冷却水を液体窒素にすれば誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nを構成している金属材料の導電率を一桁上げることが出来るため、より大きな電流を発生させ得る。
(6)直列接続用スイッチ4-1,4-2,…にサイリスタを使った場合、負荷Rの抵抗が比較的小さいと、サイリスタの電流−電圧特性によりサイリスタにかかっている電圧が落ち、該電圧がサイリスタの最低維持電圧以下になるとサイリスタが自動的にオフ状態になり、同時に負荷電流Io×Nが得られる。負荷Rの抵抗が大きいと、負荷Rにかかる電圧によりサイリスタがオフにならないので、サイリスタの代わりに他の開放型半導体パワーデバイスで強制的にオフにすることも出来る。
(7)直列接続用スイッチ4-1,4-2,…にサイリスタを使った場合、負荷Rに電流を供給したあとで負荷抵抗が大きくなり負荷にかかる電圧が大きくなった場合、サイリスタの電流−電圧特性によりサイリスタが自動的にオン状態になり、電気エネルギーは再びコイル内に閉じ込められるため、負荷Rが開放になっても電気エネルギーを他に散逸するということは無い。
(8)直列接続用スイッチ4-1,4-2,…は負荷Rを接続してからオフにするため、開放スイッチとしての性能は特別なものは必要なく、一般的な半導体スイッチが使える。
【実施例2】
【0017】
図5は、直列接続用スイッチ4-1,4-2,…を機械的接点により構成した例である。
直列接続用スイッチ4-1は、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子8-1と、一端が誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子8-1に対向し他端が誘導性エネルギー蓄積用コイル2-2の端子9-2に固定された導体片11-1と、導体片11-1の一端を誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子8-1に弾性力で押しつけるゴムのような絶縁性付勢部材12-1と、絶縁性付勢部材12-1の弾性力に抗して導体片11-1の一端を誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子8-1から引き離す楔部材13-1とから構成される。
他の直列接続用スイッチ4-2,…も同様の構成である。
楔部材13-1,13-2,…を移動することにより、直列接続用スイッチ4-1,4-2,…をオン/オフできる。
【0018】
実施例2によれば次の効果が得られる。
(9)直列接続用スイッチ4-1,4-2,…を機械的スイッチにした場合、これを冷却水中で動作させると、開放と共に冷却水が接点間に流れ込み、電流の遮断効果が良くなる。
(10)直列接続用スイッチ4-1,4-2,…は負荷Rを接続してからオフにするため、開放スイッチとしての性能は特別なものは必要なく、一般的な機械的スイッチが使える。
【実施例3】
【0019】
図6は、並列接続用スイッチ5-1,5-2,…および6-1,6-2,…を機械的接点により構成した例である。
並列接続用スイッチ5-1は、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子9-1と、一端が誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子9-1に対向し他端が誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子9-1の近傍に固定された導体片17-1と、導体片17-1の一端を誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子9-1から弾性力で離す絶縁性付勢部材(図示省略)と、絶縁性付勢部材の弾性力に抗して導体片17-1の一端を誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子9-1に当接させる楔部材14-1とから構成される。
他の並列接続用スイッチ5-2,…および6-1,6-2,…も同様の構成である。
楔部材14-1,14-2,…および19-1,19-2,…を移動することにより、並列接続用スイッチ5-1,5-2,…および6-1,6-2,…をオン/オフできる。
【実施例4】
【0020】
図7に示すように、制御回路7が、励磁スイッチ3をオフすると共に並列接続用スイッチ5-1,5-2,…および6-1,6-2,…の一部だけをオンするようにしてもよい。
この場合、図8に示すように、制御回路7が、直列接続用スイッチ4-1,4-2,…の一部だけをオフする。
これにより、2個の誘導性エネルギー蓄積用コイルの直列回路がN/2個並列に負荷Rに接続されることになる。
【0021】
なお、同様にして、例えばm(>2)個の誘導性エネルギー蓄積用コイルの直列回路がN/m個並列に負荷Rに接続されるようにすることも出来る。
【実施例5】
【0022】
図9に上面図、図10および図11に一部省略縦断面図を示すように、並列接続用スイッチ5-1,5-2,…および6-1,6-2,…を機械的接点により構成してもよい。
この構成では、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nをトロイダル状に配置し、各誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-x,…の端子15-1,16-1,…,15-x,16-x,…を円周状に並べている。
並列接続用スイッチ5-1は、端子15-1と、端子15-1に接触しうる円筒状導体10aからなる。
並列接続用スイッチ6-1は、端子16-1と、端子16-1に接触しうる円筒状導体10bからなる。
円筒状導体10aと円筒状導体10bとは、絶縁性円筒16を挟んで一体化されている。
他の並列接続用スイッチ5-2,6-2,…も同様の構成である。
円筒状導体10aと円筒状導体10bと絶縁性円筒16の一体物を移動することにより、並列接続用スイッチ5-1,5-2,…および6-1,6-2,…をオン/オフできる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
この発明の大電流発生方法および装置は、例えば電磁加速装置や強磁場発生装置の電源として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1にかかる大電流発生装置のエネルギー蓄積状態を示す回路図である。
【図2】実施例1にかかる大電流発生装置のエネルギー保存状態を示す回路図である。
【図3】実施例1にかかる大電流発生装置の出力状態を示す回路図である。
【図4】実施例1にかかる大電流発生装置の実施結果を示す特性図である。
【図5】実施例2にかかる直列接続用スイッチを示す模式図である。
【図6】実施例3にかかる並列接続用スイッチを示す模式図である。
【図7】実施例4にかかる並列接続用スイッチを示す模式図である。
【図8】実施例4にかかる直列接続用スイッチを示す模式図である。
【図9】実施例5にかかる誘導性エネルギー蓄積用コイルの配置を示す上面図である。
【図10】実施例5にかかる並列接続用スイッチのオフ状態を示す模式図である。
【図11】実施例5にかかる並列接続用スイッチのオン状態を示す模式図である。
【図12】従来例にかかる大電流発生装置のエネルギー蓄積状態を示す回路図である。
【図13】従来例にかかる大電流発生装置の出力状態を示す回路図である。
【符号の説明】
【0025】
1 電源
2,2-1,… 誘導性エネルギー蓄積用コイル
3 励磁スイッチ
4,4-1,… 直列接続用スイッチ
5,5-1,… 並列接続用スイッチ
6,6-1,… 並列接続用スイッチ
7 制御回路
100 大電流発生装置
【技術分野】
【0001】
この発明は、大電流発生方法および装置に関し、さらに詳しくは、エネルギー分配による損失が無く、原理的に出力電流値に上限のない大電流発生方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図12に示す如き大電流発生装置500が知られている(例えば非特許文献1、非特許文献2参照)。
この大電流発生装置500において、電流取出しスイッチ54は開いた状態で励磁スイッチ53を閉じると、電源1から励磁電流Ipが供給されて誘導性エネルギー蓄積用コイル2が励磁され誘導性エネルギーが蓄積される。
図13に示すように、誘導性エネルギー蓄積用コイル2に誘導性エネルギーが蓄積された段階で電流取出しスイッチ54を閉じると共に励磁スイッチ53を開くと、誘導性エネルギー蓄積用コイル2に蓄積された誘導性エネルギーが出力トランス55を介して負荷Rに供給される。
【非特許文献1】電気学会・大電流エネルギー応用技術調査専門委員会編「大電流エネルギー工学」、オーム社、pp.107-108.
【非特許文献2】J.Kaugerts, et.al. "Magnet and Superconductor Development for a High Power SMES Based Power ModuIator" Paper presented at the 16th lntern. Conference on Magnet Technology, Sep 26-Oct 2, 1999, USA.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の大電流発生装置500には次のような問題があった。
(1)誘導性エネルギー蓄積用コイル2と出力トランス55の一次側コイルが直列に接続されている。このため、誘導性エネルギー蓄積用コイル2に蓄積した誘導性エネルギーは両コイルに分配され、一部しか負荷Rに取り出せない。すなわち、エネルギー分配による損失がある。
(2)出力トランス55を昇圧トラスとすると、負荷Rに取り出せる電流Isが一次側に流れる電流より小さくなる。
(3)出力トランス55を降圧トランスとすると、負荷Rに取り出せる電流Isを一次側に流れる電流より大きく出来るが、負荷Rの抵抗値が一次側から見ると「一次側巻数p/二次側巻数s」の2乗倍になり、「一次側に流れる電流×負荷Rの抵抗値×(「p/s」の2乗)」という高電圧が一次側に発生することになる。このため、励磁スイッチ53は耐電圧の大きい高性能なものを使わなければならない。あるいは、出力電流値を大きくすればするほど負荷Rの抵抗値をゼロにしていかなければならない。
そこで、この発明の目的は、エネルギー分配による損失が無く、原理的に出力電流値に上限のない大電流発生方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の観点では、この発明は、複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを直列接続してから電源より誘導性エネルギーを前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに蓄積し、前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを並列接続してから前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに蓄積された誘導性エネルギーを負荷へ供給することを特徴とする大電流発生方法を提供する。
上記第1の観点による大電流発生方法では、誘導性エネルギー蓄積用コイルを誘導性エネルギー蓄積用と電流出力用とに兼用しているため、エネルギー分配による損失が無い。また、従来の出力トランスのように一次側・二次側といった区別が無く、負荷の抵抗値が一次側から見ると「一次側巻数/二次側巻数」の2乗倍になるといったことも無いため、負荷の抵抗値はかなりの自由度をもって選ぶことが出来る。さらに、誘導性エネルギー蓄積用コイルの個数をNとすると、誘導性エネルギー蓄積時の励磁電流値IoのN倍の電流を負荷へ供給でき、原理的に出力電流値に上限がなくなる。
【0005】
第2の観点では、この発明は、電源と、複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルと、前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを直列接続するための直列接続用スイッチと、前記直列接続用スイッチにより直列接続した前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに前記電源を接続するための励磁スイッチと、誘導性エネルギー蓄積用コイルを負荷に並列接続するための並列接続用スイッチとを具備したことを特徴とする大電流発生装置を提供する。
上記第2の観点による大電流発生装置では、前記第1の観点による大電流発生方法を好適に実施できる。
【0006】
第3の観点では、この発明は、前記第2の観点による大電流発生装置において、前記並列接続用スイッチをオフした状態で前記直列接続用スイッチおよび前記励磁スイッチをオンし、次に前記励磁スイッチをオフすると共に前記並列接続用スイッチの全部または一部をオンし、次に前記直列接続用スイッチの全部または一部をオフする制御回路を具備したことを特徴とする大電流発生装置を提供する。
上記第3の観点による大電流発生装置では、制御回路のスイッチシーケンスにより前記第1の観点による大電流発生方法を好適に実施できる。また、並列接続用スイッチの一部や直列接続用スイッチの一部だけをオン/オフすることにより、誘導性エネルギーを負荷へ供給する際の並列数を変えることができ、負荷電流を調節できる。
【0007】
第4の観点では、この発明は、前記第3の観点による大電流発生装置において、前記制御回路は、前記電源から前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに供給される励磁電流が予め与えた値になったときに前記励磁スイッチをオフすると共に前記並列接続用スイッチの全部または一部をオンすることを特徴とする大電流発生装置を提供する。
上記第4の観点による大電流発生装置では、最適のタイミングで制御回路のスイッチシーケンスを進めることができ、短時間で励磁し、励磁後短時間で出力でき、抵抗による損失を小さくすることが出来る。
【発明の効果】
【0008】
この発明の大電流発生方法および装置によれば、エネルギー分配による損失が無くなる。また、負荷の抵抗値はかなりの自由度をもって選ぶことが出来る。さらに、原理的に出力電流値に上限がなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図に示す実施の形態によりこの発明をさらに詳細に説明する。なお、これによりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0010】
図1は、実施例1にかかる大電流発生装置100を示す回路図である。
この大電流発生装置100は、電源1と、N(>2)個の誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nと、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nを直列接続するための直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nと、直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nにより直列接続した誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nに電源1を接続するための励磁スイッチ3と、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nを負荷Rに並列接続するための並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nと、直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nや励磁スイッチ3や並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nのオン/オフを制御する制御回路7とを具備している。
【0011】
直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nや励磁スイッチ3や並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nは、サイリスタやトライアックやパワートランジスタのような半導体スイッチ、または、電磁リレースイッチである。
【0012】
図1に示すように、制御回路7は、並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nをオフした状態で直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nおよび励磁スイッチ3をオンする。これにより、電源1から励磁電流が供給されて誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nが励磁され、誘導性エネルギー蓄積用コイル2−1,…,2−Nの内部に磁束Φが生じ、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nに誘導性エネルギーが蓄積される。制御回路7は、励磁電流が予め与えた値Ioになるまで図1の状態を継続する。
【0013】
図2に示すように、励磁電流が予め与えた値Ioになると、制御回路7は、励磁スイッチ3をオフすると共に並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nを全てオンする。これにより、各誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nの両端が短絡されて磁束Φが保存され、各誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nに流れている電流Ioはそのまま流れ続ける。
【0014】
図3に示すように、次に制御回路7は、直列接続用スイッチ4-1,…,4-Nをオフする。これにより、各誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-NからIoの電流が負荷Rに流れる。つまり、負荷RにはIo×Nの電流が供給されることになる。
【0015】
−実施結果−
図4に、大電流発生装置100の誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nの数Nを3個にした場合の励磁電流(入力電流)と出力電流の実測値を示す。
電源1は、一定の電流(58.8mA)が流れる定電流電源を用いた。励磁スイッチ3は省略した(常時オンでよいため)。
直列接続用スイッチ4-1,…,4-N、並列接続用スイッチ5-1,…,5-N+1および6-1,…,6-Nは、機械的な電磁リレースイッチを用いて、トリガによりオン/オフさせた。なお、スイッチが機械的な電磁リレースイッチのため、トリガが入ってからリレーの接点が動き、オンもしくはオフになるまで、若干の時間遅れがある。
図4において、トリガから8.6msまでが誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-3に誘導性エネルギーを蓄積している時間である。この後、並列接続用スイッチ5-1,…,5-4および6-1,…,6-3がオンになる。その4.8ms後に直列接続用スイッチ4-1,…,4-3がオフになり、負荷Rに入力電流の2.98倍の175.0mAの出力電流が流れた。
【0016】
実施例1の大電流発生装置100によれば次の効果が得られる。
(1)誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nを誘導性エネルギー蓄積用と電流出力用とに兼用しているため、エネルギー分配による損失が無い。
(2)従来の出力トランスのように一次側・二次側といった区別が無く、負荷Rの抵抗値が一次側から見ると「一次側巻数/二次側巻数」の2乗倍になるといったことも無いため、負荷Rの抵抗値はかなりの自由度をもって選ぶことが出来る。
(3)誘導性エネルギー蓄積時の励磁電流値IoのN倍の電流を負荷Rへ供給でき、原理的に出力電流値に上限がなくなる。
(4)各誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nに流れる電流は、磁束Φの保存により維持されているため、負荷Rの抵抗値に依存しないで電流値を決められる。
(5)誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nの各部の電位差は非常に小さく、高電圧部が無い。従って、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nを冷却水等の液体の中に漬けて動作させることが可能になり、特に冷却水を液体窒素にすれば誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nを構成している金属材料の導電率を一桁上げることが出来るため、より大きな電流を発生させ得る。
(6)直列接続用スイッチ4-1,4-2,…にサイリスタを使った場合、負荷Rの抵抗が比較的小さいと、サイリスタの電流−電圧特性によりサイリスタにかかっている電圧が落ち、該電圧がサイリスタの最低維持電圧以下になるとサイリスタが自動的にオフ状態になり、同時に負荷電流Io×Nが得られる。負荷Rの抵抗が大きいと、負荷Rにかかる電圧によりサイリスタがオフにならないので、サイリスタの代わりに他の開放型半導体パワーデバイスで強制的にオフにすることも出来る。
(7)直列接続用スイッチ4-1,4-2,…にサイリスタを使った場合、負荷Rに電流を供給したあとで負荷抵抗が大きくなり負荷にかかる電圧が大きくなった場合、サイリスタの電流−電圧特性によりサイリスタが自動的にオン状態になり、電気エネルギーは再びコイル内に閉じ込められるため、負荷Rが開放になっても電気エネルギーを他に散逸するということは無い。
(8)直列接続用スイッチ4-1,4-2,…は負荷Rを接続してからオフにするため、開放スイッチとしての性能は特別なものは必要なく、一般的な半導体スイッチが使える。
【実施例2】
【0017】
図5は、直列接続用スイッチ4-1,4-2,…を機械的接点により構成した例である。
直列接続用スイッチ4-1は、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子8-1と、一端が誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子8-1に対向し他端が誘導性エネルギー蓄積用コイル2-2の端子9-2に固定された導体片11-1と、導体片11-1の一端を誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子8-1に弾性力で押しつけるゴムのような絶縁性付勢部材12-1と、絶縁性付勢部材12-1の弾性力に抗して導体片11-1の一端を誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子8-1から引き離す楔部材13-1とから構成される。
他の直列接続用スイッチ4-2,…も同様の構成である。
楔部材13-1,13-2,…を移動することにより、直列接続用スイッチ4-1,4-2,…をオン/オフできる。
【0018】
実施例2によれば次の効果が得られる。
(9)直列接続用スイッチ4-1,4-2,…を機械的スイッチにした場合、これを冷却水中で動作させると、開放と共に冷却水が接点間に流れ込み、電流の遮断効果が良くなる。
(10)直列接続用スイッチ4-1,4-2,…は負荷Rを接続してからオフにするため、開放スイッチとしての性能は特別なものは必要なく、一般的な機械的スイッチが使える。
【実施例3】
【0019】
図6は、並列接続用スイッチ5-1,5-2,…および6-1,6-2,…を機械的接点により構成した例である。
並列接続用スイッチ5-1は、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子9-1と、一端が誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子9-1に対向し他端が誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子9-1の近傍に固定された導体片17-1と、導体片17-1の一端を誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子9-1から弾性力で離す絶縁性付勢部材(図示省略)と、絶縁性付勢部材の弾性力に抗して導体片17-1の一端を誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1の端子9-1に当接させる楔部材14-1とから構成される。
他の並列接続用スイッチ5-2,…および6-1,6-2,…も同様の構成である。
楔部材14-1,14-2,…および19-1,19-2,…を移動することにより、並列接続用スイッチ5-1,5-2,…および6-1,6-2,…をオン/オフできる。
【実施例4】
【0020】
図7に示すように、制御回路7が、励磁スイッチ3をオフすると共に並列接続用スイッチ5-1,5-2,…および6-1,6-2,…の一部だけをオンするようにしてもよい。
この場合、図8に示すように、制御回路7が、直列接続用スイッチ4-1,4-2,…の一部だけをオフする。
これにより、2個の誘導性エネルギー蓄積用コイルの直列回路がN/2個並列に負荷Rに接続されることになる。
【0021】
なお、同様にして、例えばm(>2)個の誘導性エネルギー蓄積用コイルの直列回路がN/m個並列に負荷Rに接続されるようにすることも出来る。
【実施例5】
【0022】
図9に上面図、図10および図11に一部省略縦断面図を示すように、並列接続用スイッチ5-1,5-2,…および6-1,6-2,…を機械的接点により構成してもよい。
この構成では、誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-Nをトロイダル状に配置し、各誘導性エネルギー蓄積用コイル2-1,…,2-x,…の端子15-1,16-1,…,15-x,16-x,…を円周状に並べている。
並列接続用スイッチ5-1は、端子15-1と、端子15-1に接触しうる円筒状導体10aからなる。
並列接続用スイッチ6-1は、端子16-1と、端子16-1に接触しうる円筒状導体10bからなる。
円筒状導体10aと円筒状導体10bとは、絶縁性円筒16を挟んで一体化されている。
他の並列接続用スイッチ5-2,6-2,…も同様の構成である。
円筒状導体10aと円筒状導体10bと絶縁性円筒16の一体物を移動することにより、並列接続用スイッチ5-1,5-2,…および6-1,6-2,…をオン/オフできる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
この発明の大電流発生方法および装置は、例えば電磁加速装置や強磁場発生装置の電源として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1にかかる大電流発生装置のエネルギー蓄積状態を示す回路図である。
【図2】実施例1にかかる大電流発生装置のエネルギー保存状態を示す回路図である。
【図3】実施例1にかかる大電流発生装置の出力状態を示す回路図である。
【図4】実施例1にかかる大電流発生装置の実施結果を示す特性図である。
【図5】実施例2にかかる直列接続用スイッチを示す模式図である。
【図6】実施例3にかかる並列接続用スイッチを示す模式図である。
【図7】実施例4にかかる並列接続用スイッチを示す模式図である。
【図8】実施例4にかかる直列接続用スイッチを示す模式図である。
【図9】実施例5にかかる誘導性エネルギー蓄積用コイルの配置を示す上面図である。
【図10】実施例5にかかる並列接続用スイッチのオフ状態を示す模式図である。
【図11】実施例5にかかる並列接続用スイッチのオン状態を示す模式図である。
【図12】従来例にかかる大電流発生装置のエネルギー蓄積状態を示す回路図である。
【図13】従来例にかかる大電流発生装置の出力状態を示す回路図である。
【符号の説明】
【0025】
1 電源
2,2-1,… 誘導性エネルギー蓄積用コイル
3 励磁スイッチ
4,4-1,… 直列接続用スイッチ
5,5-1,… 並列接続用スイッチ
6,6-1,… 並列接続用スイッチ
7 制御回路
100 大電流発生装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを直列接続してから電源より誘導性エネルギーを前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに蓄積し、前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを並列接続してから前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに蓄積された誘導性エネルギーを負荷へ供給することを特徴とする大電流発生方法。
【請求項2】
電源と、複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルと、前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを直列接続するための直列接続用スイッチと、前記直列接続用スイッチにより直列接続した前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに前記電源を接続するための励磁スイッチと、前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを負荷に並列接続するための並列接続用スイッチとを具備したことを特徴とする大電流発生装置。
【請求項3】
請求項2に記載の大電流発生装置において、前記並列接続用スイッチをオフした状態で前記直列接続用スイッチおよび前記励磁スイッチをオンし、次に前記励磁スイッチをオフすると共に前記並列接続用スイッチの全部または一部をオンし、次に前記直列接続用スイッチの全部または一部をオフする制御回路を具備したことを特徴とする大電流発生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の大電流発生装置において、前記制御回路は、前記電源から前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに供給される励磁電流が予め与えた値になったときに前記励磁スイッチをオフすると共に前記並列接続用スイッチの全部または一部をオンすることを特徴とする大電流発生装置。
【請求項1】
複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを直列接続してから電源より誘導性エネルギーを前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに蓄積し、前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを並列接続してから前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに蓄積された誘導性エネルギーを負荷へ供給することを特徴とする大電流発生方法。
【請求項2】
電源と、複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルと、前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを直列接続するための直列接続用スイッチと、前記直列接続用スイッチにより直列接続した前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに前記電源を接続するための励磁スイッチと、前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルを負荷に並列接続するための並列接続用スイッチとを具備したことを特徴とする大電流発生装置。
【請求項3】
請求項2に記載の大電流発生装置において、前記並列接続用スイッチをオフした状態で前記直列接続用スイッチおよび前記励磁スイッチをオンし、次に前記励磁スイッチをオフすると共に前記並列接続用スイッチの全部または一部をオンし、次に前記直列接続用スイッチの全部または一部をオフする制御回路を具備したことを特徴とする大電流発生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の大電流発生装置において、前記制御回路は、前記電源から前記複数個の誘導性エネルギー蓄積用コイルに供給される励磁電流が予め与えた値になったときに前記励磁スイッチをオフすると共に前記並列接続用スイッチの全部または一部をオンすることを特徴とする大電流発生装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−189846(P2007−189846A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6843(P2006−6843)
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月16日(2006.1.16)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】
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