説明

天井クレーンの半自動走行制御方法

【課題】 手動式の天井クレーンでは、搬送作業の能率が悪化すると共に、安全面でも問題が生じる。一方、自動式の天井クレーンでは、高度な自動化技術の採用と、そのための多大な費用が必要になってくる。
【解決手段】 搬送ガーダ32に目標物を検出する探知器40を設け、搬送ガーダ32の移動時には相手先の目標物を検出して搬送ガーダ32を自動停止することにより、搬送ガーダ32の走行を半自動化する。制御回路42からホイスト24に出力する信号を、目標物までの距離に応じて変化させ、目標物に近付くに従って減速する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、荷物を吊下げて走行するホイストがクレーンガーダ間で乗移り可能となった天井クレーンの半自動走行制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年ではRC構造の高層ビルの建設用仮設足場として、全天候型の仮設架構が提案されている。この仮設架構は、構築予定建物の形状に合わせてその周囲に複数本の仮設支柱を立設すると共に、各仮設支柱間の上部に屋根架構を支持して、建物の高さ増加に伴って仮設支柱を上方に継足しつつ屋根架構を持上げることにより、天候に影響されることなく工事を遂行できるようになっている。また、前記屋根架構の下面には天井クレーンを配置して、エレベータ等により揚重された資材をこの天井クレーンを通じて各部に搬送して組立てるようになっている。
【0003】前記天井クレーンは資材を水平方向に搬送するようになっており、図4に示すようにメインガーダとしての搬送ガーダ1がメインレール2を走行可能に取付けられており、かつ、搬送ガーダ1の両側に配置されるサブレール3,3aにサブガーダとしての一対の建込みガーダ4,4aが走行可能に取付けられている。また、前記建込みガーダ4,4aには荷吊り用のホイスト5が移動可能に設けられており、このホイスト5が前記搬送ガーダ1に乗移った状態で、仮設エレベータ6から揚重された資材をこのホイスト5に吊込むようになっている。
【0004】そして、資材を吊込んだ搬送ガーダ1はメインレール2を走行して、建込みガーダ4,4aの一方と一直線状に並んだ状態で、搬送ガーダ1から建込みガーダ4,4aにホイスト5を乗り移し、このホイスト5が乗移った建込みガーダ4,4aがサブレール3,3aを走行すると共に、ホイスト5が建込みガーダ4,4aを移動することにより、目的の部位に資材を搬送するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる従来の天井クレーンにあっては、一般的にはその運転方法として手動式と自動式の2つの方法が知られている。前者の手動式ではオペレータが操作器を操って運転する方法であり、この手動式では搬送作業の能率が悪くなって工期の長期化が余儀なくされると共に、どうしても人手による操作であるため安全面でも問題が生じる。
【0006】一方、後者の自動式では、記憶,比較演算機能を備えた制御装置を備え、目標位置と現在位置信号により、所定の動作の開始から終了までを操作することなく全自動運転する方法である。ところで、この全自動運転する場合には停止時の位置決めの高精度化とか安全監視等が要求されるため、クレーン設備の全体費用に対する制御関連費用の占める比率が著しく高くなり、自動制御関連の費用は手動式の数倍〜十数倍になることもある。また、前記従来の技術に示したように工事用として天井クレーンを設置する場合、その設置場所が仮設構造物であったり、また、動作範囲とか停止位置等の環境条件が刻々と変化する。このような条件の下で全自動運転方式を取入れるためには、高度な自動化技術の採用と、そのための多大な費用が必要になってくるという課題があった。
【0007】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて、天井クレーンの全動作のうち、エレベータで揚重された荷物を受取ってサブガーダまで運ぶメインガーダの制御部分を自動化して、手動式より作業を迅速化しつつ自動式より工費を低減するようにした天井クレーンの半自動走行制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するために本発明は、メインレールを往復移動するメインガーダと、メインレールの側方に配置されるサブレールを往復移動するサブガーダと、メインガーダおよびサブガーダに移動可能に取付けられ、これら両ガーダを一直線状に一致させた状態でそれぞれのガーダ間に乗移り可能な荷吊り用のホイストとを備え、エレベータで揚重された荷物を前記メインガーダに位置させたホイストとの間で受渡しするようにしたホイスト乗移り式の天井クレーンにおいて、前記メインガーダに目標物を検出する手段を設ける一方、メインガーダの移動時には相手先の目標物を検出してこのメインガーダを自動停止させる。
【0009】従って、本発明の天井クレーンの半自動走行制御方法にあっては、メインガーダが移動しようとする相手先を、エレベータからの荷物受取場所と、ホイストを受渡すサブガーダとを目標物として設定しておくことにより、前記エレベータから荷物を受取る場合に、メインガーダは荷物の受取場所に達することによりこの目標物を検出して自動的に停止する。そして、エレベータからメインガーダに位置しているホイストに荷物を受取った後、メインガーダをメインレールに沿ってサブガーダ方向に走行させる。すると、前記メインガーダはサブガーダの位置に達した時点でこの目標物を検出して自動停止し、メインガーダとサブガーダとが一直線状に配置された状態で、メインガーダからサブガーダにホイストを乗移す。そして、ホイストが乗移ったサブガーダをサブレールに沿って走行させると共に、ホイストをサブガーダに沿って移動させることにより、荷物が目的の場所に搬送されるようになっている。
【0010】従って、前記メインガーダは走行させた後の停止が自動的に行われるため、オペレータが行っていたメインガーダ停止時の微妙な位置合わせが不要となる。このため、メインガーダの停止を迅速に行うことができ、荷物の搬送作業に要する所要時間を大幅に短縮化できると共に、この搬送作業の安全性を確保することができる。
【0011】また、かかる天井クレーンの半自動走行制御方法において、前記メインガーダを目標物に近付くに従って徐々に減速させることにより、目標位置の近傍ではメインガーダの慣性力を小さくすることができるため、このメインガーダを目標位置で正確に停止させることができる。従って、前記メインガーダを走行させる際に、目標物から離れた位置ではメインガーダの速度を増大させることができるため、メインガーダの移動時間を短縮することができる結果、搬送作業をより迅速に行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。図1,図2は本発明にかかる天井クレーンの半自動走行制御方法の一実施形態を示し、図1は本発明の天井クレーンが適用される全天候型仮設屋根を示す正面図、図2は天井クレーンのメインガーダを走行制御する過程を順を追って示す説明図、図3R>3は天井クレーンの半自動走行制御方法の要部を示す回路図である。
【0013】即ち、本実施形態では、本発明の天井クレーンを全天候型仮設屋根に適用した場合を示し、図1,図2に示すようにこの全天候型仮設屋根10を用いて建物12が下層階から上層階へと順次構築されるようになっている。
【0014】前記全天候型仮設屋根10は、建設予定の前記建物12の外側に配置された4本の仮設支柱14,14…と、各仮設支柱14,14…に昇降可能に取付けたクライミング機構16,16…と、各クライミング機構16,16…に四隅を固定し、建物12の上面全体を水平に覆う屋根架構18とを備え、屋根架構18の下面には天井クレーン20が設けられる。
【0015】また、前記建物12の一側面中央には資材揚重用の仮設エレベータ22が配置され、この仮設エレベータ22を通じて揚重されたプレキャスト部材等の資材は、前記天井クレーン20を走行するホイスト24に吊下げられて建物12のフロア各部に供給される。
【0016】前記仮設支柱14,14…はトラス組柱状体の他に円筒形柱状体を選択することができ、建物12の適宜部分に一端が固定された水平控え26に支持されて自立性を保ちつつ、施工階の上昇に応じて前記天井クレーン20によって搬送される仮設支柱14を上方に継ぎ足すことで屋根架構18の高さを順次増すことができる。
【0017】前記クライミング機構16,16…は、仮設支柱14,14…の外周に挿通されたガイドスリーブ16aと、このガイドスリーブ16aの上下に一体化され、仮設支柱14の周囲を包囲した上部フレーム16bおよび中間フレーム16cとを備え、前記ガイドスリーブ16aの上下を二分割して、分割した両者間に前記屋根架構18の隅部を挟み込んで固定している。また、前記中間フレーム16cの下部には同じく仮設支柱14の外周を包囲する下部フレーム16dが配置されており、両フレーム16c,16d間を複数の昇降用油圧ジャッキ16eで連結してある。
【0018】前記中間フレーム16cと下部フレーム16dには、仮設支柱14に係脱可能に差し込まれる図外のピンがそれぞれ挿入され、このピンによってクライミング機構16を仮設支柱14に支持固定するようになっている。また、クライミング機構16の停止状態では油圧ジャッキ16eは縮小し、前記ピンの所定高さ位置に支持されている。
【0019】そして、前記クライミング機構16を上昇させる際には、中間フレーム16cのピンを抜き、油圧ジャッキ16eを伸長させて中間フレーム16cから上の部分をジャッキストローク分だけ高くする。次に前記中間フレーム16cにピンを挿通して仮設支柱14に固定した後、下部フレーム16dのピンを抜き、油圧ジャッキ16eを短縮させて下部フレーム16dを追従させて持上げた後、この下部フレーム16dを仮設支柱14にピン固定する。このようにして、施工階の上昇に応じて各仮設支柱14,14…にそれぞれ設けた4つのクライミング機構16,16…を同期して上昇させることにより、屋根架構18が水平状態を保持しつつ持上げられる。
【0020】ここで、前記天井クレーン20は図2に示すように、前記仮設エレベータ22に対応して屋根架構18の下面中央部に位置するメインレール28と、このメインレール28の両側に位置してメインレール28と平行配置されるサブレール30,30aとを備え、メインレール28にはメインガーダとしての搬送ガーダ32が移動可能に支持されると共に、サブレール30,30aにはサブガーダとしての建込みガーダ34,34aが移動可能に支持される。
【0021】ところで、資材を吊下げて搬送する前記ホイスト24は、前記搬送ガーダ32および前記建込みガーダ34,34aに移動可能に取付けられ、これら搬送ガーダ32と建込みガーダ34,34aとの間を乗り移ることが可能となっている。つまり、仮設エレベータ22で揚重された資材を搬送ガーダ32に位置する前記ホイスト24で受取った後、この搬送ガーダ32を荷渡ししようとする建込みガーダ34,34aの一方の位置まで走行し、これら搬送ガーダ32と建込みガーダ34,34aとが一直線状に配置された時点で、ホイスト24を搬送ガーダ32から建込みガーダ34,34aに乗移す。そして、ホイスト24が乗移った建込みガーダ34,34aをサブレール30に沿って走行させると共に、このホイスト24を建込みガーダ34,34aに沿って移動させることにより、ホイスト24に吊下げた資材をフロアの目的位置に搬送することができる。
【0022】尚、前記天井クレーン20では無線操縦により搬送ガーダ32および建込みガーダ34,34aの各クレーンガーダの移動位置、そしてホイスト24の移動位置を制御するようになっている。この場合、オペレータは1つのホイスト24に対して1つの操作器を操作するのが一般的である。
【0023】ここで、本実施形態では図3に示すように前記搬送ガーダ32に目標物までの距離を検出する手段としての探知器40を設ける一方、この探知器40によって目標物までの距離を検出しつつ搬送ガーダ32が移動される。前記探知器40で検出された目標物までの距離信号は制御回路42に入力され、この制御回路42は、搬送ガーダ32の駆動モータ(図示しない)に駆動信号を出力して搬送ガーダ32の速度を制御するようになっており、搬送ガーダ32が目標物に到達する直前まで搬送ガーダ32の駆動制御を行なうようになっている。その後は、搬送ガーダ32と目標物との間に設けられた近接スイッチの動作に応じて、搬送ガーダ32を自動停止させるようになっている。
【0024】また、本実施形態では、前記制御回路42から搬送ガーダ32の駆動モータに出力する信号を、目標物までの距離に応じて変化させ、目標物に近付くに従って減速するようになっている。例えば、目標物までの距離が5mまでは高速(40m/min )走行に設定し、5mから0.5mまでは中速(20m/min )走行し、0.5m以内では低速(6m/min )走行し、かつ、±0.05mで停止するように設定してある。
【0025】図2(a)〜(d)は搬送ガーダ32の制御を順を追って示し、まず、(a)図では仮設エレベータ22で揚重された資材をホイスト24に吊込むが、この吊込みは無線操作器を用いた手動操作によって行う。そして、この吊込みの後、搬送ガーダ32を図中上方に移動して目標物としての建込みガーダ34,34a(本実施形態では右方の建込みガーダ34a)まで走行させるが、この搬送ガーダ32の走行は自動により行う。
【0026】即ち、前記搬送ガーダ32の自動走行は操作器を操作して行われ、走行停止位置スイッチ,位置合わせガーダスイッチ(ガーダ選択スイッチ),走行方向ジョイスティックスイッチおよび自動走行スイッチをそれぞれONする。つまり、前記各スイッチでは左右いずれかの建込みガーダ34,34aを選択し、かつ、東西南北の走行方向が選択されるようになっている。この状態で搬送ガーダ32は目標物としての建込みガーダ34aまでの距離を検出しつつ、(b)図に示すようにメインレール28に沿って自動走行を開始する。このとき、搬送ガーダ32は走行開始した後、建込みガーダ34aまでの距離が5mになるまで高速走行され、この5mを越えた時点で中速に速度ダウンし、更に、建込みガーダ34aまでの距離が0.5mになると低速走行される。そして、建込みガーダ34aに達した(±0.05m以内)時点で搬送ガーダ32は停止する。
【0027】前記搬送ガーダ32が停止した時点で、この搬送ガーダ32と前記建込みガーダ34aは一直線状に並び、搬送ガーダ32に位置するホイスト24を(c)図に示すように建込みガーダ34aに乗移す。この乗移し作業は操作器を操作してオペレータが手動で行うが、搬送ガーダ32が停止しないうちはホイスト24が建込みガーダ34,34aに乗移る動作が禁止されるようになっている。
【0028】そして、ホイスト24が建込みガーダ34aに乗移った後は、これら建込みガーダ34aおよびホイスト24を別の操作器を操作して駆動し、目的位置に資材を搬送することになる。そして、目的位置に資材を搬送し終えた後、手動操作によって建込みガーダ34aを前記搬送ガーダ32と一直線状に戻し、空になったホイスト24を搬送ガーダ32に乗移す。尚、ホイスト24が搬送ガーダ32と建込みガーダ34,34aとの間で乗移るときの速度、および建込みガーダ34,34aが移動するときの速度は、例えば10m/min 程度の低速で行われるようになっている。
【0029】次に、空のホイスト24が位置した搬送ガーダ32は、再度資材の吊込みのために仮設エレベータ22まで走行して戻ることになるが、この仮設エレベータ22を停止位置(目標物)として搬送ガーダ32は自動走行することになる。即ち、前記搬送ガーダ32を戻す時には、建込みガーダ34aに向かって走行させる時と同様に、操作器の走行停止位置スイッチ,位置合わせガーダスイッチ,走行方向ジョイスティックスイッチおよび自動走行スイッチをそれぞれONすることにより、搬送ガーダ32は仮設エレベータ22に向かって自動走行する。
【0030】このとき、搬送ガーダ32の往路と同様に仮設エレベータ22(停止位置)までの距離が5mを境に高速走行から中速走行に減速し、残り0.5mに達した時点で低速走行に移行し、仮設エレベータ22に達した時点で停止する。
【0031】尚、前記実施形態では、搬送ガーダ32と図中右方の建込みガーダ34aとの間でホイスト24を乗移す場合に例をとって述べたが、これに限ることなく、搬送ガーダ32と図中左方の建込みガーダ34との間でホイスト24を乗移す場合にあっても同様の走行制御が行われるのは勿論である。
【0032】以上説明したように、本実施形態の天井クレーンの半自動走行制御方法にあっては、搬送ガーダ32の走行を半自動制御し、搬送ガーダ32に探知器40を設けて移動先の目標物、即ち、往路にあっては建込みガーダ34または34a、復路にあっては仮設エレベータ22(停止位置)を検出して自動停止するようにしたので、従来、オペレータが行っていた搬送ガーダ32停止時の微妙な位置合わせが不要となる。従って、搬送ガーダ32の停止を迅速かつ正確に行うことができ、延いては、資材の搬送作業に要する所要時間を大幅に短縮化できると共に、この搬送作業の安全性を確保することができる。
【0033】また、本実施形態では、前記搬送ガーダ32を自動停止させる場合に、目標物までの距離が5mまでは高速(40m/min )走行し、5mから0.5mまでは中速走行(20m/min )し、0.5m以内では低速(6m/min )走行し、かつ、±0.05mで近接スイッチの動作により停止するように設定することにより、目標物に近付くに従って減速するようになっている。このため、搬送ガーダ32を目標物で正確に停止させることができると共に、搬送ガーダ32を走行させる際に、目標物から離れた位置では搬送ガーダ32の速度を増大させることができるため、搬送ガーダ32の移動時間を短縮して搬送作業をより迅速に行うことができる。
【0034】ところで、前記実施形態では搬送ガーダ32の走行および停止のみを半自動走行制御させる場合を開示したが、建込みクレーン34,34aにおけるホイスト24の位置決めをも自動化させることが望ましい。この場合、ホイスト24から鉛直下向きに床面に向かってレーザ光を照射し、目標位置にはレーザ光を反射する鏡体を設置しておいて、ホイスト24で反射光を受光したときにホイスト24が目標位置に達したことを検知して停止するようにできる。尚、この場合、レーザ光の照射受光を床面目標位置で行い、ホイスト24に反射鏡体を設けても良い。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明の請求項1に示す天井クレーンの半自動走行制御方法にあっては、メインガーダに目標物を検出する手段を設ける一方、メインガーダの移動時には相手先の目標物を検出してこのメインガーダを自動停止させるようにしたので、メインガーダの走行を半自動制御して、このメインガーダを走行させた後の停止を自動的に行わせることができるため、手動によるメインガーダ停止時の微妙な位置合わせを不要とすることができる。従って、メインガーダの停止を迅速に行うことができ、荷物の搬送作業に要する所要時間を大幅に短縮化できると共に、この搬送作業の安全性を確保し、かつ、半自動化により天井クレーンのコストを抑制することができる。
【0036】また、本発明の請求項2にあっては、前記メインガーダを目標物に近付くに従って徐々に減速させるようにしたので、目標位置の近傍ではメインガーダの慣性力を小さくして、このメインガーダを目標位置で正確に停止させることができる。従って、前記メインガーダを走行させる際に、目標物から離れた位置ではメインガーダの速度を増大させることが可能となるため、メインガーダの移動時間を短縮して搬送作業をより迅速に行うことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる半自動走行制御方法を適用した天井クレーンを用いた全天候型仮設屋根を示す正面図である。
【図2】本発明にかかる天井クレーンの半自動走行制御方法の一実施形態を順を追って示す説明図である。
【図3】本発明にかかる天井クレーンの半自動走行制御方法の要部を示す回路図である。
【図4】従来の天井クレーンを示す概略構成図である。
【符号の説明】
20 天井クレーン 22 仮設エレベータ
24 ホイスト 28 メインレール
30,30a サブレール 32 搬送ガーダ(メインガーダ)
34,34a 建込みガーダ(サブガーダ)
40 探知器(目標物検出手段) 42 制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】 メインレールを往復移動するメインガーダと、メインレールの側方に配置されるサブレールを往復移動するサブガーダと、メインガーダおよびサブガーダに移動可能に取付けられ、これら両ガーダを一直線状に一致させた状態でそれぞれのガーダ間に乗移り可能な荷吊り用のホイストとを備え、エレベータで揚重された荷物を前記メインガーダに位置させたホイストとの間で受渡しするようにしたホイスト乗移り式の天井クレーンにおいて、前記メインガーダに目標物を検出する手段を設ける一方、メインガーダの移動時には相手先の目標物を検出してこのメインガーダを自動停止させることを特徴とする天井クレーンの半自動走行制御方法。
【請求項2】 前記メインガーダは目標物に近付くに従って徐々に減速させることを特徴とする請求項1に記載の天井クレーンの半自動走行制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開平9−77469
【公開日】平成9年(1997)3月25日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−232830
【出願日】平成7年(1995)9月11日
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)