説明

天然精油を有効成分とする加熱蒸散用液体芳香剤

【課題】長期間の使用に対して、香りの変化がなく、一定の蒸散量を維持し、かつ、有機溶媒や界面活性剤を使用しない、天然精油を有効成分とした加熱蒸散用芳香剤を提供する。
【解決手段】天然精油を有効成分とする加熱蒸散用液体芳香剤であって、強アルカリイオン水を溶媒とした。強アルカリイオン水は、25℃における表面張力が60dyn/cm以下であることが好ましく、加熱蒸散用液体芳香剤は、pHが8以上であることが好ましい。揮散調整剤として、水に可溶で塩基性のα−アミノ酸を配合してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シトロネラ油やユーカリ葉油等の天然精油を有効成分とする加熱蒸散用の液体芳香剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
天然精油は、その香りに害虫忌避作用、抗菌作用、免疫賦活作用等があるとされ、古くから芳香剤として用いられてきた。化学合成香料が開発されると、天然精油の多くは化学合成香料に代替されたが、近年、天然産志向の高まりから、そのやさしく上質な香りと相まって、再び注目を集めている。
【0003】
また、長期にわたり香りを揮散させるものとして、香料を含む溶液形態の芳香剤を吸液芯によって吸い上げ、吸液芯上部を加熱することで蒸散させる方法が一般化している。この方法は、ゲル型タイプ、液状タイプ等の自然揮散タイプと比較して、香りの拡散性、持続性に優れており、天然精油を有効成分とした加熱蒸散用の液体芳香剤も種々提案されている。
【0004】
通常、加熱蒸散用の芳香剤は、香料の濃度を所定の値にするため、また、揮散の速度をコントロールするために、溶媒成分を含んでいる。たとえば、特許文献1には、溶媒にベンジルアルコールを用いた加熱蒸散用液体芳香剤が示されている。また、特許文献2には、芳香剤ではないが、界面活性剤を用いて殺虫成分を溶媒である水に溶かした加熱蒸散用水性殺虫剤が示されている。
【0005】
すなわち、天然精油は水に難溶であり、従来の天然精油を有効成分とした加熱蒸散用液体芳香剤は、有機溶媒を用いるか、または、水を溶媒とした場合は、界面活性剤等を用いたものであった。
【0006】
しかし、天然精油を有効成分とする芳香剤を好む使用者は、有機溶剤や界面活性剤を嫌う傾向にある。このため、天然精油を有効成分とした加熱蒸散用の液体芳香剤において、有機溶媒や界面活性剤を使用しないものが強く望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−143287号公報
【特許文献2】特開平3−7207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
加熱蒸散用液体芳香剤は、長期間の使用に対して、芳香剤の有効成分である香料の香質の変化がなく、しかも一定の蒸散量を維持することができなければならない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、上記の問題を解決し、かつ、
有機溶媒や界面活性剤を使用しない、天然精油を有効成分とした加熱蒸散用芳香剤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明では、天然精油を有効成分とする加熱蒸散用液体芳香剤であって、強アルカリイオン水を溶媒としている。
【0011】
請求項2に係る発明では、請求項1に記載の加熱蒸散用液体芳香剤において、強アルカリイオン水は、25℃における表面張力が60dyn/cm以下である。
【0012】
請求項3に係る発明では、請求項1または2に記載の加熱蒸散用液体芳香剤において、pHが8以上である。
【0013】
請求項4に係る発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の加熱蒸散用液体芳香剤において、揮散調整剤として、さらに、水に可溶で塩基性のα−アミノ酸を少なくとも1種配合している。
【0014】
なお、本発明における溶媒とは、分散媒を含む概念である。また、強アルカリイオン水とは、自然水を電気分解で処理し、特殊な隔膜装置に通電・加圧させて得られた物理的に電子過剰な水であり、水素イオン濃度がpH10.5以上のものをいう。
【発明の効果】
【0015】
溶媒に求められる役割としては、まず、天然精油を可溶化し、均一な溶液状態にすることがあげられる。溶媒が天然精油を可溶化できない場合は、分離を起こし、吸液芯を詰まらせたり、芳香剤使用中に香りが著しく変化したりする等の問題が生じるからである。
【0016】
この点、請求項1の発明によれば、溶媒が強アルカリイオン水であることにより、芳香剤の製造工程において、天然精油粒子の粒径を容易に小さく(例えば200nm以下に)することができ、また、強アルカリイオン水は、天然精油粒子の分散性が高いので、有機溶媒や界面活性剤を配合しなくても天然精油を可溶化することができる。これにより、一定の蒸散量を長期間安定して維持することができる。また、芳香剤の有効成分である香料の香質に変化を与えることもない。さらに、本発明の加熱蒸散用液体芳香剤は、可溶化後における天然精油粒子の安定性が優れているので、長期間にわたって天然精油粒子が凝集することがなく、長期間にわたって安定に保存することができる。
【0017】
つぎに、溶媒に必要な要素として、香り本来の質を阻害しないことがあげられる。例えば、臭いが強い溶媒を使用した場合、溶媒臭が香料組成物本来の香りを阻害してしまい、芳香剤として最も重要であるよい香りを提供するという目的が達成できなくなってしまう。この点、請求項1の発明によれば、強アルカリイオン水は無臭であるため、天然精油本来の香りを阻害しない。
【0018】
請求項2の発明によれば、溶媒である強アルカリイオン水の表面張力が小さいため、天然精油粒子の可溶化性、可溶化後の安定性、および、天然精油の小粒径化が容易であることにおいて一層優れている。
【0019】
請求項3の発明によれば、加熱蒸散用芳香剤のpHが8以上であることにより、天然精油粒子の可溶化後の安定性において一層優れている。
【0020】
請求項4の発明によれば、天然成分であるα−アミノ酸を揮散調整剤として使用しているために、化学合成化合物を使用しないで、揮散速度を調整することができる。また、水に可溶なα−アミノ酸は、芳香剤の製造工程上、どの時点で配合してもよい。さらに塩基性のα−アミノ酸を配合することで、加熱蒸散用芳香剤のpHを高くし、天然精油粒子の可溶化後の安定性向上にも貢献することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の加熱蒸散用液体芳香剤は、天然精油、強アルカリイオン水、アミノ酸で構成される。
【0022】
まず、本発明に溶媒として使用される強アルカリイオン水について説明する。この強アルカリイオン水は、通常、脱酸素処理を行って純水の溶存酸素を1ppm以下にする脱酸素工程と、この脱酸素工程により脱酸素処理を行った純水を電気分解する電気分解工程と、この電気分解工程により電気分解された水のうち、陰極室側の水を密閉された安定化槽内で4kg/cm2 以上の圧力をかけて安定化させる安定化工程とを経て製造されるものである。
【0023】
強アルカリイオン水としての条件は、pH10.5以上であるが、pH11.5以上が好ましい。また、表面張力は60dyn/cm(25℃)以下が好ましく、57dyn/cm(25℃)以下がより好ましい。また、酸化還元電位(ORP)は0mV以下が好ましく、浸透圧は100(mOsm)以上が好ましい。なお、この範囲に該当する強アルカリイオン水としては、例えば、株式会社エー・アイ・システムプロダクト製のS−100などが挙げられる。
【0024】
水に難溶な天然精油を強アルカリイオン水が可溶化できる詳細な理由は不明であるが、おそらく以下の理由によるものである。強アルカリイオン水は、マイナスイオンを大量に有しているため、天然精油粒子中の正の電荷が粒子表面に引き寄せられ、電気的な力によって粒子表面をマイナスイオンが取り囲む。これにより、微粒化された精油粒子が安定化し、均一に分散し可溶化が成立する。したがって、pHが高いほど可溶化させる力が強い。
【0025】
また、溶媒である強アルカリイオン水の表面張力が小さいほど、天然精油と強アルカリイオン水との界面張力が小さくなり可溶化に有利であることはよく知られている。
【0026】
強アルカリイオン水の含有割合は、その溶媒としての役割、すなわち天然精油を均一に可溶化させ、天然精油を一定の蒸散量で最後まで揮散させることができればどのような割合でもよいが、通常は、芳香剤の重量を基準に20〜97重量%の範囲であり、好ましくは、30〜80重量%の範囲である。
【0027】
つぎに、本発明に使用される天然精油について説明する。天然精油は特に限定されることはなく、例えば、シトロネラ油(コウスイガヤ)、ペパーミント油(セイヨウハッカ)、シダーウッド油(エンピツビヤクシン)、ユーカリ葉油、スパイクラベンダー油、ティートリー葉油、パチョリ油、ハッカ油、ヒノキ油、ヒバ中性油、ヒバ酸性油、油パイン油、シソ油、イヌハッカ油、ラベンダー油、コリアンダー油、ライム油、レモングラス油、ネロリ油、ヒバ油、タイム油、ヒソップ油、ローズマリー油、ローズ油、イランイラン油、コショウ油、シナモン油、クスノキ油、ローレル油、カミツレ油、ヨモギ油、オリバヌム油、タラゴン油、ベチバー油、クローブ油、ベイ油、ゼラニウム油、セージ油、バジル油、パセリ油、スターアニス油、フェンネル油、マヌカ油、ガルバナム油、グアイアックウッド油、センキュウ油、ディル油、バイオレット油、アンゲリカ油、ターメリック油、ショウガ油、アンブレット油、ウインターグリーン油等を使用することができる。また、これらの天然精油は、単独で用いてもよく、任意の2種または3種以上を用いてもよい。
【0028】
天然精油には、揮発性の高いものから揮発性の低いものまで多種類の有香成分が含まれているが、天然精油は保香剤としての機能を有しているため、揮発性の高い有香成分ほど早期に揮散するというようなことが起こりにくい。この点からも芳香剤の香料として好適である。
【0029】
ほとんどの天然精油は非水溶性であるため、溶媒である強アルカリイオン水に可溶化させるためには、強アルカリイオン水と混合後、撹拌により物理的に微粒子化させる必要がある。撹拌には、撹拌型ホモジナイザ、超音波、メディアミル、ロールミル、高圧ホモジナイザなどの一般的な乳化・分散装置を用いることができる。なお、撹拌の際に香料成分に影響を与えない程度に加熱すると、界面張力が小さくなり可溶化を促進することができる。
【0030】
芳香剤中の天然精油の濃度は、通常0.1〜20重量%の範囲に設定される。0.1重量%未満であると芳香剤としての効力が不足し、一方、20重量%を超えると香料成分の揮発性能を安定化させるのが難しいからである。ただし、実施可能な限り、前記配合割合に制限を受けるものではない。
【0031】
つぎに、本発明に揮散調整剤として使用されるアミノ酸について説明する。本発明では、水溶性で塩基性のα−アミノ酸を使用する。水溶性で塩基性のα−アミノ酸は、アルギニン、ヒスチジン、リシンの3種である。これらのアミノ酸は、単独で用いてもよく、任意の2種以上を用いてもよい。
【0032】
α−アミノ酸の含有割合は、揮散調整剤として役割、すなわち揮散速度を調整し、芳香剤を希望の期間、一定の蒸散量で蒸散させることができればどのような割合でもよいが、通常は、芳香剤の重量を基準に10〜40重量%の範囲が好ましい。
【0033】
さらに、本発明による加熱蒸散用液体芳香剤には、必要に応じて、当該芳香剤の劣化を防ぎ、より安定した保存性を得るため、また、製品としての機能性をより高めるために、酸化防止剤等を添加することができる。
【0034】
本発明の加熱蒸散用液体芳香剤に使用できる加熱蒸散装置は、芳香剤を吸液芯によって吸い上げ、任意の加熱方式(例えば、電気式発熱体により加熱蒸散する事によって、気相中に揮散させる方式)を取るものであれば、その形状、大きさ、材質等特に限定されるものではない。例えば、電気式の加熱方式の場合、本体を直接コンセントに差し込めるもの、本体にコードを持つ置き型タイプのもの等がよく知られている。また、上記装置の発熱体は、特に方式、材質、温度等限定される事はない。発熱体の温度は、例えば、40℃ 〜150℃、好ましくは50℃〜90℃であり、これは、吸液芯表面温度約30℃〜140℃、好ましくは40℃〜80℃に相当する。
【0035】
また、吸液芯も芳香剤を徐々に吸液できるものであれば特に材質、径、長さ、形状等に限定される事はなく、例えば、PET、PP等を原料とした不織布を使用したもの、木綿、パルプ等の繊維質を利用したもの、素焼き等の無機質素材を使用したもの等が使用できる。芳香剤を入れる容器も特に材質、容量、形状等に限定される事はないが、例えば、ガラス、PET等が使用でき、芳香剤の残量が使用者に認識されやすい様に、透明な材質であるほうが望ましい。
【実施例】
【0036】
以下、本発明を実施例および比較例をあげて更に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、もちろんこれだけに限定されるものではない。
【0037】
(実施例1)
次のとおり本実施例1の加熱蒸散用液体芳香剤を製造した。まず、シトロネラ油20gと強アルカリイオン水であるS−100(商品名、株式会社エー・アイ・システムプロダクト製)180gとを加えて全量200gとし、50℃に加熱し、T.K.オートホモミキサのTYPE.M(商品名、特殊機化工業株式会社製)を用いて、回転数;13000rpm、攪拌時間;30分間の条件で一次乳化を行った。
一次乳化終了後、容量が200mlとなるように、強アルカリイオン水(S−100)を所要量加え、更に、高圧ホモジナイザ(GEO Niro Soavi S.p.A
Via M.da Erva Edoari、29A/A−43100 PARMA ITALY TYPE NS1001L2K)を用いて、圧力;1000bar、バス回数;40回の条件で2次乳化を行い、加熱蒸散用液体芳香剤を調整した。シトロネラ油は、強アルカリイオン水に対し完全に可溶化した。このときのpHは、10.5であった。
(実施例2)
ペパーミント油20gと強アルカリイオン水180gとを用い、同様に加熱蒸散用液体芳香剤の調製を行った。ペパーミント油は、強アルカリイオン水に対し完全に可溶化した。このときのpHは、10.5であった。
(実施例3)
シトロネラ油40gと強アルカリイオン水160gとを用い、同様に加熱蒸散用液体芳香剤の調製を行った。シトロネラ油は、強アルカリイオン水に対し完全に可溶化した。このときのpHは、9.0であった。
(実施例4)
ペパーミント油5gと強アルカリイオン水195gとを用い、同様に加熱蒸散用液体芳香剤の調製を行った。ペパーミント油は、強アルカリイオン水に対し完全に可溶化した。このときのpHは、11.5であった。
(実施例5)
シトロネラ油20gと強アルカリイオン水150gとリシン30gとを用い、同様に加熱蒸散用液体芳香剤の調製を行った。シトロネラ油は、強アルカリイオン水に対し完全に可溶化した。このときのpHは、11.5であった。
(実施例6)
シトロネラ油20gと強アルカリイオン水180gとを用い、同様に加熱蒸散用液体芳香剤の調製を行った。シトロネラ油は、強アルカリイオン水に対し完全に可溶化した。この後、1mol/Lの酢酸水溶液を加え、pHを8とした。
(比較例1)
シトロネラ油20gと強アルカリイオン水180gとを用い、同様に加熱蒸散用液体芳香剤の調製を行った。シトロネラ油は、強アルカリイオン水に対し完全に可溶化した。この後、1mol/Lの酢酸水溶液を加え、pHを7とした。
(比較例2)
シトロネラ油20gと強アルカリイオン水180gとを用い、同様に加熱蒸散用液体芳香剤の調製を行った。シトロネラ油は、強アルカリイオン水に対し完全に可溶化した。この後、1mol/Lの酢酸水溶液を加え、pHを6とした。
(比較例3)
シトロネラ油20gと蒸留水180gとを用い、同様に加熱蒸散用液体芳香剤の調製を行った。シトロネラ油は、蒸留水に対し完全に可溶化せず、白濁した。
<評価例1>
実施例1〜6および比較例1〜3によって得られた芳香剤を電気式加熱蒸型芳香器により下記の条件にて揮散実験を行い、芳香剤の外観観察を行った。また、実施例1〜5においては、重量減少の測定も行った。
【0038】
揮散条件:組成物量:25g、芯:PET製(直径7mm、長さ7cm)、ヒーター温度:70℃、外観の観察結果を表1に示す。また、重量減少測定の結果を表1に示す。
【0039】
【表1】

【0040】
<評価例2>
実施例1〜4によって得られた芳香剤を電気式加熱蒸型芳香器により揮散実験を行い、香りの評価を行った。香りの評価は1.1×1.6×2.1mのブース内にて評価例1と同条件の電気式加熱蒸散型芳香器によって15分間揮散させた後、8人のパネラーに、香りの嗜好性、強度、について下記の5段階評価項目についての評価を依頼し、パネラーの評価値の平均値を結果とした。また、香りの総合評価についても質問し結果をまとめた。
【0041】
嗜好性:5...とても好き、4...好き、3...どちらでもない、2...嫌い、1...とても嫌い
強度 :5...とても強い、4...強い、3...普通、2...弱い、1...とても弱い
香りの評価の結果を表2に示す。
【0042】
【表2】

【0043】
<評価例3>
実施例1、6および比較例1〜2によって得られた芳香剤を密封して30℃の室内に保管し、芳香剤の外観観察を行った。外観の観察結果を表3に示す。
【0044】
【表3】

【0045】
<評価結果>
表1に示すように、本発明による加熱蒸散用液体芳香剤(実施例1〜5)は、揮散初期から終期まで安定した揮散速度であった。また、天然精油に対する可溶化性も十分な為、揮散初期から終期まで透明で均一な溶液を保った。実施例5では、揮散初期から終期まで特に安定した揮散速度であり、揮散期間も延びた。一方、比較例3では、シトロネラ油を完全に可溶化することができなかった。
【0046】
また、表2に示すように、香りの評価において、本発明による加熱蒸散用液体芳香剤(実施例1〜4)は、溶媒自体が香料本来の香りを阻害しないために、良好な香りと十分な強度であった。
【0047】
さらに、表3に示すように、本発明による加熱蒸散用液体芳香剤(実施例1、6)は、長期にわたって保管しても沈殿、分離などの問題が生じなかった。一方、比較例2では、長期に保管した場合、白濁分離するという問題が生じた。
【0048】
このように、本発明による加熱蒸散用液体芳香剤は、揮散初期から終期まで沈殿、分離などの問題がなく、安定した重量減少を示し、また、その香りにおいて、香料本来の良好な香りを提供する事を可能としたものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然精油を有効成分とする加熱蒸散用液体芳香剤であって、強アルカリイオン水を溶媒としたことを特徴とする加熱蒸散用液体芳香剤。
【請求項2】
請求項1に記載の加熱蒸散用液体芳香剤において、
前記強アルカリイオン水は、25℃における表面張力が60dyn/cm以下であることを特徴とする加熱蒸散用液体芳香剤。
【請求項3】
請求項1または2に記載の加熱蒸散用液体芳香剤おいて、
pHが8以上であることを特徴とする加熱蒸散用液体芳香剤。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の加熱蒸散用液体芳香剤において、
揮散調整剤として、さらに、水に可溶で塩基性のα−アミノ酸を少なくとも1種配合したことを特徴とする加熱蒸散用液体芳香剤。


【公開番号】特開2013−418(P2013−418A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135762(P2011−135762)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(504115057)株式会社インターリンクス (3)
【Fターム(参考)】