説明

太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置

【課題】植物を生育させるために必要な光を照明 器具からの光と太陽光とを併用して用いる太陽光併用型植物工場において、太陽光を取り入れる窓について、植物を生育させるために必要な光量子を効率良く取り入れ、他方該植物工場の室内温度の過度な上昇を防止し得る、太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を提供することを目的とする。
【解決手段】照明器具からの人工光線と太陽光線とを併用して植物の光合成により植物を生育させる太陽光併用型植物工場に用いる、太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置において、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートや赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムを利用することにより、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ該植物工場内の室温を過度に上昇させる波長帯の光量子の該植物工場内への進入を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を生育させるために必要な光を人工の照明器具からの光と、太陽からの太陽光とを併用して用いる太陽光併用型植物工場において、太陽光を取り入れるための窓の遮熱・断熱の効果を改善する太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自然の地面ではなく、工場などの施設内で、植物を成育させる植物工場が現れている。この場合に、光合成に必要な光量子を、人工の照明器具から得ている場合が多い。しかし、人工の照明器具を使用すると電気を使用し、限りある電気資源を消耗してしまうことになる。
そこで、植物を成育させる植物工場において自然の太陽光も利用できれば、電気資源を節約できるという観点から有用であると考えられる。人工の照明器具を使用する他に、自然の太陽光を利用できる場合には太陽光も利用するという、所謂ハイブリッド型の太陽光併用型植物工場の開発が考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2007−236235
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような太陽光併用型植物工場においては、通常、太陽光を取り入れるためには太陽光併用型植物工場の壁面に太陽光取り入れ窓を設置して、ガラス等の透明板を通して、太陽光併用型植物工場の中に取り入れ、植物を 成育させるための光合成に必要な光量子を電気資源を必要としない太陽光線から取り入れる。
しかしながら、太陽光は紫外線、可視光線、赤外 線、一部の放射線を含むために、物質の分子を振動させて、輻射熱を発生させ、太陽光を太陽光併用型植物工場の室内に取り入れた場合には、室温の過度な上昇を招き、そのために冷房装置が必要となり、冷房のための電気資源が必要となってしまう。この熱源となる太陽からの放射エネルギーは日射量(W/m)といわれる。
【0005】
図2は該日射量を太陽光の波長ごとに表した分光日射量である。
【0006】
したがって、太陽光を利用する際には、理想としては、光合成に必要な光量子を取り入れつつ、光合成に必要ではない光量子の取り入は最小化して、過度な熱源となる太陽からの放射エネルギーが大きい波長帯の太陽 光の入射を少なくして、太陽光併用型植物工場内の室温が過度に上昇することを防止することが望まれる。
この点については、光合成に必要ではない、緑色領域の波長の光が太陽光併用型植物工場の室内に入射しないようにすることで、室内に入射する日射量を減少させることができる。また、夏季のように外気温が高い場合には、太陽光併用型植物工場の壁面に設置する太陽光取り入れ窓に複層ガラスを利用して、外気温の影響を最小化することが考えられる。
また、該太陽光取り入れ窓を透過した光については、該窓の室 内側に遮熱フィルムを貼ることにより、赤外線領域の光を反射し、室内への日射量の侵入を抑え、室温の過度な上昇を抑えることにより、冷房に必要な電気代を抑える一方で、光合成に必要な可視光領域の光は入射させることにより、植物を生育させるために必要な光量子は室内に取り入れて植物の生育は促進させる必要がある。
【0007】
さらに、光合成に必要な光量子を太陽光から有効に取り入れるという課題に対しては、
人工の照明器具からの光線の場合には、該照明器具と生育させようとする植物との位置関係を調整することによって人工の照明器具からの光線の方向を調節でき、人工の照明器具からの光線を効率的に、植物に与えることができるが、太陽光の場合は人工の照明器具からの光線とは異なり、光線の方向は太陽の高度に依存し、該高度は季節と時間により変化してしまう。
そして、夏季は該高度(この場合の「高度」とは、 地球上の太陽光併用型植物工場が設置されている地点の接線と太陽光線とがなす角度を指す、図1の104に対応する。)が最高70度程度にもなるが、冬季には30度 程度になってしまう。また、この高度は日の出から日の入りまでの時間によっても変化する。太陽光併用型植物工場においては、通常、太陽光を取り入れる窓は、太陽光 併用型植物工場を構成する建物の壁面(一般的に、地面と垂直である)に設けられ、太陽光を透過させ得るガラス等の透明板によってつくられる。
【0008】
しかし、ガラス等の透明板は、入射する光の入射角度によって反射率が変化し、例えば透明板がフロート透明ガラスの場合、入射点の法線115に対して太陽光の入射角度が15度以上となると、太陽光が反射されてしまい、この 入射角度が大きくなればなるほど反射される光が多くなる。フロート透明ガラス(厚み、3mm)の場合、この入射角度が0から40度では、光の透過率は略85%であるが、50度では、略82%、60度で72%、70度では、略63%となってしまう。
太陽の高度は6月半ばには略75度にも達する。その結果、夏季には太陽光の取入れが十分ではなくなる。したがって、 太陽光併用型植物工場を構成する場合において、より有効に太陽光を利用にするためには、この点を考慮する必要がある。そこで太陽光併用型植物工場に太陽光をより有効に入射させるための光入射角度変更用ブラインドと当該ブラインドによる、太陽光併用型植物工場に太陽光をより有効に入射させるための光入射角度変更装置を利用することが考えられる
【0009】
そこで本発明は、植物を生育させるために必要な光を人工の照明器具からの光と、太陽からの太陽光とを併用して用いる太陽光併用型植物工場において、太陽光を取り入れるための窓について、植物を生育させるために必要な光量子を 効率良くとりいれつつ、他方、太陽光併用型植物工場の室内の温度を過度な上昇を防止し得る、太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載された発明は、太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置において,
照明器具からの人工光線と太陽光線とを併用して、植物の光合成により植物を生育させる太陽光併用型植物工場に用いる、太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置であって、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置は前記 太陽光併用型植物工場の地面に垂直な壁面に設置され、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼らことにより、植物を生育させるための寄与率が低い光 量子についてはその取入れを排除し、植物を生育させるために必要な光量子については効率的に取り入れ、また太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムを貼られることにより、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ太陽光併用型植物工場内の室温が過度に上昇させてしまう波長帯の光量子の太陽光併用型植物工場内への進入を防止することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載された発明は、太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置において、
照明器具からの人工光線と太陽光線とを併用して、植物の光合成により、植物を生育させる太陽光併用型植物工場に用いる太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置であって、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置は前記 太陽光併用型植物工場の地面に垂直な壁面に設置され、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置には断熱複層ガラスが設置され、
植物を生育させるために必要な光量子については効率的にとりいれ、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ太陽光併用型植物工場内の室温が過度に上昇してしまう波長帯の光量子の太陽光併用型植物工場内への進入を防止し、前記断熱複層ガラスにより、太陽光併用型植物工場内へ外気温が伝達することを防止することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載された発明は、太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置において、
る太陽光併用型植物工場に用いる太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置であって、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置は前記 太陽光併用型植物工場の地面に垂直な壁面にされ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置に複層ガラスを使用した断熱複層ガラスを設置し、
太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板に入射する太陽光線の入射角を調整して、前記透明板を透過して太陽光併用型植物工場の中に入射する太陽光線の量を調整するための、光入射角度変更用ブラインドを設置し、
前記ブラインドはブラインドのスラットは平坦な木製であって、
前記ブラインドを地面に対して垂直にたらした場合に、前記ブラインドの各スラットを地面と水平にしたときに、前記地面に平行であって地面と向き合わない側の面に反射フィルムを貼り付け、前記ブラインドの角度を調整することにより、植物を生育させるために必要な光量子については効率的に取り入れ、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ太陽光併用型植物工場内の室温が過度に 上昇してしまう波長帯の光量子の太陽光併用型植物工場内への進入を防止し、前記断熱複層ガラスにより、太陽光併用型植物工場内へ外気温が伝達することを防止することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載された発明は、太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置において、
照明器具からの人工光線と太陽光線とを併用して、植物の光合成により、植物を生育させる太陽光併用型植物工場に用いる太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置であって、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置は前記 太陽光併用型植物工場の地面に垂直な壁面に設置され、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られ、
前記太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置に複層ガラスを使用した断熱複層ガラスを設置し、
前記ブラインドは前記ブラインドのスラットは平坦な木製であって、
前記ブラインドを地面に対して垂直にたらした場合に、前記ブラインドの各スラットを
を水平にしたときに、前記地面に平行であって地面と向き合わない側の面と地面と向き合う側の面の両方の面に反射フィルムを貼り付けることにより、
前記反射フィルムを貼り付けた前記ブラインドの各スラットの角度を調整することにより、前記ブラインドに入射する光線に対して、より多様な入射角の光線に対して対応することを可能とし、前記ブラインドの角度を調整することにより、植物を生育させるために必要な光量子については、効率的にとりいれ、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ、太陽光併用型植物工場内の室温が過度に 上昇してしまう波長帯の光量子の太陽光併用型植物工場内への進入を防止し、前記断熱複層ガラスにより、太陽光併用型植物工場内へ外気温が伝達することを防止することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載された発明は、請求項3または4に記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置に係り、前記光入射角度変更用ブラインドおいては、
前記光入射角度変更用ブラインドへ入射する光線は太陽光であり、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の変化に対応して調整し得ることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載された発明は、請求項3または4に記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置に係り、前記光入射角度変更用ブラインドにおいては、
前記光入射角度変更用ブラインドへ入射する光線は太陽光であり、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とがなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の1/2とすることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載された発明は、請求項3乃至6のいずれかに記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置に係り、前記光入射角度変更用ブラインドは、
前記特定太陽光仰角を測定する、特定太陽光仰角 測定部と、
特定太陽光仰角測定部が測定した特定太陽光仰角を入力データとして、前記ブラインドの各スラットの角度を調整して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の変化に対応して調整するスラット角度調整部とを有して、
前記特定太陽光仰角の変化に対して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、調整し得ることを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載された発明は、請求項3乃至6のいずれかに記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置に係り、前記光入射角度変更用ブラインドは、
前記特定太陽光仰角を測定する、特定太陽光仰角 測定部と、
特定太陽光仰角測定部が測定した特定太陽光仰角を入力データとして、前記ブラインドの各スラットの角度を調整して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の1/2とするスラット角度調整部とを有して、
特定太陽光仰角の変化に対して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での前記特定太陽光仰角の1/2とすることを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載された発明は、請求項3乃至6のいずれかに記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置に係り、前記光入射角度変更用ブラインドは、
前記特定太陽光仰角を測定する、特定太陽光仰角 測定部と、
特定太陽光仰角測定部が測定した特定太陽光仰角を入力データとして、前記ブラインドの各スラットの角度を調整して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の変化に対応して調整するスラット角度調整部と、
前記太陽光併用型植物工場の所定の場所に設置された光量子量センサー部とを有して、
特定太陽光仰角の変化に対して、光量子量が所定の量となるように、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、調整し得ることを特徴とする。
【0019】
請求項10に記載された発明は、太陽光併用型 植物工場用遮熱断熱窓装置において、
照明器具からの人工光線と太陽光線とを併用して、植物の光合成により植物を生育させる太陽光併用型植物工場に用いる太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置であって、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置は前記 太陽光併用型植物工場の地面に垂直な壁面にされ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置に複層ガラスを使用した断熱複層ガラスを設置し、
太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板に入射する太陽光線の入射角を調整して、前記透明板を透過して太陽光併用型植物工場の中に入射する太陽光線の量を調整するための、光入射角度変更用ブラインドを設置し、
前記ブラインドは前記ブラインドの各スラットは表面が平坦で軽量な金属製であって、
前記ブラインドを地面に対して垂直にたらした場合に、前記ブラインドの各スラットを水平にしたときに前記ブラインドの各スラットの角度を調整することにより、植物を生育させるために必要な光量子については効率的に取り入れ、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ太陽光併用型植物工場内の室温が過度に上昇してしまう波長帯の光量子の太陽光併用型植物工場内への進入を防止し、前記断熱複層ガラスにより、太陽光併用型植物工場内へ外気温が伝達することを防止することを特徴とする。
【0020】
請求項11に記載された発明は、太陽光併用型 植物工場用遮熱断熱窓装置において、
照明器具からの人工光線と太陽光線とを併用して、植物の光合成により植物を生育させる太陽光併用型植物工場に用いる太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置であって、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置は前記 太陽光併用型植物工場の地面に垂直な壁面にされ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置に複層ガラスを使用した断熱複層ガラスを設置し、
太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板に入射する太陽光線の入射角を調整して、前記透明板を透過して太陽光併用型植物工場の中に入射する太陽光線の量を調整するための、光入射角度変更用ブラインドを設置し、
前記ブラインドは前記ブラインドの各スラットは表面が平坦で軽量な樹脂製であって、
前記ブラインドを地面に対して垂直にたらした場合に、前記ブラインドの各スラットを水平にしたときに前記ブラインドの各スラットの角度を調整することにより、植物を生育させるために必要な光量子については効率的に取り入れ、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ太陽光併用型植物工場内の室温が過度に上昇してしまう波長帯の光量子の太陽光併用型植物工場内への進入を防止し、前記断熱複層ガラスにより、太陽光併用型植物工場内へ外気温が伝達することを防止することを特徴とする。
【0021】
請求項12に記載された発明は、請求項10または11に記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置に係り、前記光入射角度変更用ブラインドにおいては、
前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とがなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の1/2とすることを特徴とする。
【0022】
請求項13に記載された発明は、請求項10乃至12のいずれかに記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置に係り、前記光入射角度変更用ブラインドは、
前記特定太陽光仰角を測定する、特定太陽光仰角 測定部と、
特定太陽光仰角測定部が測定した特定太陽光仰角を入力データとして、前記ブラインドの各スラットの角度を調整して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の変化に対応して調整するスラット角度調整部とを有して、
特定太陽光仰角の変化に対して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、調整し得ることを特徴とする。
【0023】
請求項14に記載された発明は、請求項10乃至12のいずれかに記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置に係り、前記光入射角度変更用ブラインドは、
前記特定太陽光仰角を測定する、特定太陽光仰角 測定部と、
特定太陽光仰角測定部が測定した特定太陽光仰角を入力データとして、前記ブラインドの各スラットの角度を調整して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の1/2とするスラット角度調整部とを有して、
特定太陽光仰角の変化に対して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での前記特定太陽光仰角の1/2とすることを特徴とする。
【0024】
請求項15に記載された発明は、請求項10乃至12のいずれかに記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置に係り、前記光入射角度変更用ブラインドは、
請求項8または9に記載する光入射角度変更用ブラインドと、
前記特定太陽光仰角を測定する、特定太陽光仰角 測定部と、
特定太陽光仰角測定部が測定した特定太陽光仰角を入力データとして、前記ブラインドの各スラットの角度を調整して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の変化に対応して調整するスラット角度調整部と、
前記太陽光併用型植物工場の所定の場所に設置された光量子量センサー部とを有して、
特定太陽光仰角の変化に対して、光量子量が所定の量となるように、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、調整し得ることを特徴とする。
【0025】
請求項16に記載された発明は、請求項1乃至15のいずれかに記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置に係り、前記透明板はガラス板であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
植物を生育させるために必要な光を人工の照明器具からの光と、太陽からの太陽光とを併用して用いる太陽光併用型植物工場において、太陽光を取り入れるための窓について、植物を生育させるために必要な光量子を効率良くとりいれるとともに、太陽光併用型植物工場の室内の温度を過度な上昇を防止でき、照明器具や、冷房装置に必要な電気資源を節減することにより植物工場の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係る太陽光併用型植物工場に用いる遮熱断熱窓装置の概略を説明するための概略図である。
【図2】太陽光からの放射エネルギー(日射量)を、波長ごとに表したグラフである。
【図3】複層4mmの断熱複層ガラスと赤外線領域遮熱フィルムに加え緑域カットシートを使用した場合の光の波長ごとの透過率を表したグラフである。
【図4】植物工場における植物の配列を、上から見た説明用平面図である。
【図5】赤外線領域遮熱フィルム150によって、透過光が波長ごとにどの程度遮られるのかを表す分光透過率のグラフである。
【図6】複層4mmの断熱複層ガラスと赤外線領域遮熱フィルムを併用した場合に、光が波長ごとにどれだけ透過するかを表す分光透過率のグラフである。
【図7】緑域カットシートが、光を波長ごとにどれだけ透過させるかを表す分光透過率のグラフである。
【図8】厚みが3mmのフロート透明ガラスが、入射角度ごとにどれだけの光線を透過させるかを表す日射透過率のグラフである。
【図9】光入射角変更用ブラインドで反射される太陽光を表している説明用概略図である。
【図10】太陽高度別に赤外線領域遮熱フィルムと緑域カットシートを使用した場合の日射量を波長ごとに表したグラフである。
【図11】植物工場から見た太陽高度の時間変化の概略を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(実施の形態1)
以下、図を参照しつつ、本発明を実施するための形態1について説明する。
【0029】
図1は、本発明に係る太陽光併用型植物工場に用いる遮熱断熱窓装置の概略を説明するための概略図である。図1において、191は太陽光併用型植物工場全体を表し、192は該工場において本発明の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置を設置する壁の壁面を表す。壁面自体は公知の形状、構造のものでよい。この壁面192の右側が太陽光併用型植物工場である。壁面192には、植物の光合成を促す太陽光を取り入れるための窓が設置されている。図1において、101は太陽光であり、102は太陽光線であり、103は太陽光線の方向を示す。106は本発明の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置を構成する透明板である。また、107は入射光における可視光緑領域の波長帯の光が透過することを遮断する緑域カットシートである。緑域カットシート107は透明板106に貼られている。
【0030】
121,122,123,124,125は本発明の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置を構成するブラインド120の各スラットを示す。図1では、スラットの枚数は例示的に5枚としているがこれに限らない。130と140は、それぞれ本発明の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置の複層ガラスを構成する透明板であって、141は130と140から成る複層ガラスである。150は、太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外 線領域遮熱フィルムであって、透明板140に貼られている。図1においては、ブラインド120は緑域カットシート107が貼られている透明板106と、赤外線領域の波長帯の光の透過を 遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られている複層ガラス141の間に設置されている。なお、該ブラインドの設置する位置はこれに限るものではなく、緑域カットシート107が貼られている透明板106の外側であっても良い。ここで、141は透明板130と透明板140から構成される複層ガラス構造としているが、これに限るものではなく、141は一枚の透明板であってもよい。
【0031】
太陽光101は、この窓から太陽光併用型植物工場内191に取り入れられ、この太陽光線の入射角104は、壁面192の法線115に対する角度となる。ここで、図1における壁面192は地面に垂直であると想定しているので、入射角104は太陽の高度と一致する。そして、ブラインド120は、太陽光併用型植物工場の中に入射する太陽光線の角度を調節するための光入射角度変更用ブラインドを意味する。太陽光は、緑域カットシート107を透過した後にこのブラインド120に反射されることによって、当初の入射角104とは異なる角度で本発明に係る窓装置の複層ガラス141を構成する透明板130に入射する。さらに、この複層ガラス141には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の光の透過を遮断する、赤外線領域遮熱フィルム150が貼られている。
【0032】
矢印110は透明板106と緑域カットシート107を透過した光線の方向であり、111はブラインド120で反射され複層ガラス141を構成する透明板130に入射する光線の方向であり、112は赤外線領域遮熱フィルム150が貼られている透明板140から反射する光線の方向であり、113は赤外線領域遮熱フィルム150が貼られている透明板140を透過し室内に入射する光線の方向である。また114は緑域カットシート107が貼られている透明板106で反射される光線の方向である。また142は壁面192に取り付けられる樹脂サッシを示す。
【0033】
本実施の形態では、工場内191で、水栽培により植物を生育させることを想定している。図1では植物生育棚は3段を仮定し、161,162は上段棚160上で生育される植物であり、171は中段棚170上で生育される植物であり、181は下段棚180で生育される植物を示す。この水栽培の植物に対して、太陽光は光入射角度変更用ブラインド120で反射された後に照射されることになる。その際、本実施の形態では、このブラインド120の角度105を、壁面の法線115に対して太陽光の入射角104の半分の角度になるように設定している。このことにより、照射光は壁面の法線115と平行になる。すなわち、照射光は地面と水平になって工場内に入ってくることとなる。
【0034】
人工の照明器具を用いた植物工場には、植物を生育させる際に、気候や地理関係といった外的要因の影響が少ないという利点がある。そのことから、自然の地面で生育させるよりも多様な植物の生育が期待される。例えば、本実施の形態のように工場内で水栽培で植物の栽培を行うことを考えると、工場内で棚上に植物を生育させることで、土地面積の小さい工場でも効率の良い生産ができる。そして、このような人工光を用いた植物工場において、図1のように壁面に窓を設置することにより、植物工場内に太陽光を取り入れることができる。このことにより、植物の光合成に対して人工光だけでなく太陽光を併用することが可能となる。そのため、人工照明器具の使用による電気資源の消耗が抑えられると考えられる。しかし、この太陽光を取り入れることと電気資源を節約することとを両立するのは、必ずしも容易ではない。
【0035】
太陽光には、光合成に寄与しない波長帯の光も含まれており、このような光による輻射熱は、電気資源の消耗につながり得る。輻射熱が工場内の室温を過剰に高めてしまった場合、冷房のための電気資源の消費が必要となるからである。
また、太陽は時間とともに高度を変える。一日の中でも時間ごとに変わり、また季節単位でも変化している。この太陽高度の変化に対応して太陽光を工場内に取り入れることは、植物の光合成に寄与する太陽光の量(光量子量)を効率よく確保することにつながる。
【0036】
従って、太陽光併用型植物工場において、太陽光を取り入れる窓構造には、輻射熱を減少させる構造と光量子量を効率良く取り入れる構造とが必要であると考えられる。そして、本発明に係る遮熱断熱窓装置は、そのような構造を備えている。
【0037】
まず、本実施形態における太陽光の輻射熱を減少させる構造について説明する。
図2は、太陽光からの放射エネルギー(日射量)を、波長ごとに表したものである。横軸が太陽光に含まれる光の波長(nm)であり、縦軸がその波長ごとの日射量(W/m・μm)である。
可視光線の波長はおおよそ400〜800nm(ナノメートル)であるので、図2から、植物の光合成に殆ど寄与しない、緑領域の波長帯の光が太陽光に多く含まれていることが分かる。この可視光領域の中心付近に位置する緑域の光は、光合成に殆ど寄与せず、植物工場内に入射させても余分な輻射熱を発生させるばかりとなってしまう。
【0038】
ここで、その対策として、図1における透明板106のように緑領域波長帯の光が透過するのを遮断する緑域カットシートを設置することが考えられる。図7は、本実施形態における緑域カットシートが、光を波長ごとにどれだけ透過させるかを表している。横軸が透過させる光の波長(nm)、縦軸がその光の透過率(%)である。緑領域の光は波長550nm前後であり、この図7から、緑領域の光が緑域カットシートによって大部分遮断されるということが読み取れる。
【0039】
さらに図2から、太陽光には可視光領域よりも波長の大きい赤外線領域の波長帯の光が多く含まれていることもわかる。この赤外線領域の光は、植物の光合成に寄与せず、輻射熱によって工場内の室温の過剰な上昇を招き得る。このことから、太陽光に含まれる種々の波長帯の光のうち、赤外線領域の光も遮断することで、太陽光による熱の発生を遮熱することができると考えられる。その効果を担うのが、赤外線領域遮熱フィルム150である。本実施形態では、複層ガラスの透明板の室内側に赤外線領域遮熱フィルム150を貼ることを想定している。この赤外線領域遮熱フィルム150によって、透過光が波長ごとにどの程度遮られるのかを表すのが図5である。可視光領域の光に対しては80%以上という高い透過率をもちながら、波長が900nmを超すような赤外線の多くを遮断していることが読み取れる。
【0040】
また、図1において、141に断熱複層ガラスを用いることで、本窓構造の熱特性を高めることができる。このことにより、太陽光の輻射熱だけでなく、外気温に対する耐性も高めることができる。窓構造によって外気温が工場内に伝わることを抑えられるのである。この断熱複層ガラスを用いるかどうかは、植物工場を設置する地域の気候と工場内で生育させる植物の種類とを考え併せ、熱特性を優先するか光合成の促進を優先するかといったことから調整すればよい。
複層4mmの断熱複層ガラスと赤外線領域遮熱フィルムを併用した場合に、光が波長ごとにどれだけ透過するかを表すのが、図6である。可視光領域の光を十分に透過させていることが読み取れる。
そして、本実施形態と同様に複層4mmの断熱複層ガラスと赤外線領域遮熱フィルムに加え緑域カットシートを使用した場合の光の波長ごとの透過率を表したのが、図3である。この図3より、図2においてはおおよそ半分を占めていた900nm以上の赤外線が殆ど遮断されていて、また植物の光合成に殆ど寄与しない可視光緑領域の光(波長550nm前後)も遮断されていることが読み取れる。
【0041】
本実施形態におけるこの組み合わせによって、植物の光合成に必要な太陽光である光量子量は約32%透過し、また太陽からの放射エネルギーを表す日射量は約25%の透過となる。光量子量は晴天時の室外において1平方メートル当たり毎秒1500マイクロモル以上降り注いでいる。よって、本実施形態におけるこの組み合わせでは、植物の生育に寄与できる、1平方メートル当たり毎秒500マイクロモルの光量子量が確保でき、なおかつ熱の透過を4分の1に抑えることが可能であると考えられる。つまり、本実施形態は、植物の生育に十分な太陽光を取り入れながらも透過熱を4分の1に抑え、冷房費用の削減を実現できる形態であると言える。
【0042】
次に、本実施形態において、太陽光の光量子量を植物工場内に効率良く取り入れる構造について説明する。
本実施形態においては、太陽光は緑域カットシート107を透過した後に光入射角度変更用ブラインド120に反射され、複層ガラス141を構成する透明板130に入射する。この構造が、太陽光の光量子量を植物工場内に有効に取り入れる構造にあたる。
人工の照明器具からの人工光と、自然の太陽光とを植物の生育に併用する太陽光併用型植物工場において、人工光の光線は、該照明器具と生育させようとする植物との位置関係を調整することができる。そのため、人工の照明器具からの光線は、効率的に植物に与えられ、光合成への寄与を高めることができる。
しかし、自然の太陽光線の場合は、そのように単純には扱えない。太陽は、人工光の光源である照明器具とは異なり、時間に依存して高度が変化する。そのため、太陽光線の方向は太陽の高度に依存した角度変化を起こす。この変化には、一日単位の変化と季節単位の変化とがあり、幾分複雑なものとなっている。
【0043】
一方、太陽光線を工場内に取り入れるのに用いられる、複層ガラス141のガラス等の透明板は、光線の入射角度によって透過率が大きく変化する。図8は、厚みが3mmのフロート透明ガラスが、入射角度ごとにどれだけの光線を透過させるかを表している。横軸はフロート透明ガラス板の法線115に対する入射光の角度(度)であり、縦軸はその光線の透過率(%)である。図8より、光線の入射角度が0から40度の間では、光の透過率は85%以上確保されているが、50度となると略82%に下がり、60度で略72%、70度では、略63%と減少してしまうことが読み取れる。
このように、太陽光併用型植物工場に用いられる複層ガラスの透明板は、角度に依存して透過率を下げてしまうものであるのに、透明板から取り入れたい太陽光線は、時間に依存して入射角度を変えてしまう。そのため、太陽光を併用して利用することを考える植物工場においては、太陽高度の変化に即して、太陽光併用型植物工場の内部に太陽光を取り入れる効率が悪くなり得るのである。
【0044】
太陽は、一日の中で日の出から南中、日の入りまで、連続的に高度を変える。日の出の時点で高度は、山などの障害物がない場合、0度であり、南中において最も高い高度となり、日の入りで再度0度となり沈んでいく。また、日の出、南中、日の入りというサイクルの中で、高度と共に太陽の方角も変化する。日の出の時点では高度が小さいと共に東の方に位置し、南中で真南となり、日の入りで西へと沈む、という変化である。この太陽の日周運動の変化を示すのが、図11である。ここでは太陽高度の時間変化の概略を示している。
また、太陽高度の変化には、このような一日の中の変化だけでなく、季節ごとの変化もある。太陽の方角に関しては、三月半ばである春分と九月半ばである秋分との時点(図11における802)で、日の出が真東、日の入りが真西となる。そして、これら日の出、日の入りの方角が、冬においては南にずれ、夏においては北にずれていく。これと共に、太陽の高度は、冬においては小さくなり、夏においては大きくなるという変化をする。12月半ばの冬至の時点 (図11における801)にもっとも小さくなり、6月半ばの夏至の時点(図11における803)にもっとも大きくなるということである。
これらの太陽光線の変化に対応して、太陽光併用型植物工場の内部に太陽光を取り入れることが、光合成に必要な光量子量を植物工場内に効率良く取り入れることにつながる。
【0045】
本実施形態においては、太陽の高度の変化に対応した構造を想定している。太陽の高度は、6月半ばには略75度にも達する。そのため、複層ガラスの透明板の日射透過率は、60%を切ることとなる。つまり、太陽光のうち4割以上が太陽光併用型植物工場の内部に取り入れられないのである。
このような非効率に対応して、本実施形態では、太陽光は緑域カットシート107と複層ガラスの透明板との間に光入射角度変更用ブラインド120を設置している。この光入射角度変更用ブラインド120により、太陽光線の複層ガラスの透明板への入射角を改善することができる。
【0046】
ここで、この光入射角度変更用ブラインドは、通常のブラインドとは異なるものである必要がある。光入射角度変更用ブラインドは、通常のブラインドのように光を遮るものではなく、入射してくる光線の角度を変更することを目的とするものである。そのため、通常のブラインドとはその構造も異なる。
【0047】
まず、この光入射角度変更用ブラインドは入射光線を反射させねばならないので、このブラインドを成すスラット部分は完全に平坦であるべきである。通常のブラインドは、スラット部分が丸みを帯びているものや、容易に変形できるものが多いのだが、この光の入射角度を変更する際に用いるブラインドにおいては、そのようなものは適さない。
光入射角度変更用ブラインドは、光の反射を調節するために、完全に平坦であり、なおかつ気候などによって歪むことのない耐性のあるものである必要がある。このことから、光入射角度変更用ブラインドは、使用する地域の気候などの外的要因に合わせて、スラット部分の素材を選べばよいと考えられる。風雨に対する耐性や、外気温、湿度に対する耐性などを考慮すべきである。本実施形態では、木製の平坦なスラットを考えている。
【0048】
そして、スラット部分で光を反射させるので、スラットの表面に反射シートを張り付けるなどの構造が必要となる。太陽光は空から降り注がれるので、水平面に対してスラットの上側の面に反射シートが必要である。この反射シートには、反射率の良いものを選ぶべきである。また、この反射シートに関しても、気候などの外的要因に合わせた素材を選ぶ必要があると考えられる。
【0049】
本実施形態では、このブラインド120の角度を、壁面の法線115に対して太陽光の入射角104の半分の角度になる設定を考えている。このような、角度の調整を実現する方法は、幾つかのものが考えられる。手動による調整でもよいが、本実施形態では機械による自動制御を想定している。
【0050】
このことにより、ブラインドに反射された光線は、複層ガラスの透明板の法線115と平行となって工場内に入射してくることになる。図8より、透明板の日射透過率は入射角が小さいほど良い。このことは、厚み3mmのフロート透明ガラスの場合でも断熱複層ガラスの場合でも同じく言える。本実施形態は、入射角が0度となる設定であるので、複層ガラスの透明板の透過率による太陽光の減少を極力抑えたものであると言える。
【0051】
そして、このように光入射角度変更用ブラインドを用いて透明板に垂直に入射させる設定は、透明板の透過率とはまた異なった非効率も解消させる効果がある。太陽光を植物工場壁面に設置した窓から取り入れることを考えた場合、入射光線がどれだけ該工場の室内奥側に到達するかは、入射角度によって異なる。窓の法線115に対して大きな入射角度をもって光線が入射すれば、室内手前側にしか光は射さないこととなり、小さな入射角度をもって入射光線を取り入れられれば、それだけ室内奥側に光を照射することができるのである。そのため、本設定は、工場内の奥側の植物にも効率よく太陽光を照射させることのできる設定となっている。
【0052】
また、複層ガラスの透明板は、地面と垂直であることを考えているので、植物工場内に入ってくる太陽の照射光は、地面と水平になっている。本実施形態においては、植物工場内に設置される棚上で植物を水栽培させることを想定しているので、このことによってより良い植物の生育が期待される。図1における植物工場の植物のように、本実施形態では、数段ある棚の各段に植物を水栽培することを考えている。そのような棚状に配置された植物に対して、水平に太陽光線が浴びせられる設定となっているので、太陽光が非常に効率よく植物に照射されているのである。このことにより、土地面積の小さい植物工場でも十分に効率の良い生産が期待できる。
【0053】
図10は、太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置を構成する透明板での太陽光からの放射エネルギー(日射量)に関して、太陽高度別に太陽高度70度、50度、30度の各場合について、赤外線領域遮熱フィルムに加え緑域カットシートを使用した場合の日射量と比較して、波長ごとに表したグラフである。横軸が太陽光に含まれる光の波長(nm)であり、縦軸がその波長ごとの日射量(W/m・μm)である。
図10から、いずれの太陽高度の場合にも、可視光線に含まれる植物の光合成に殆ど寄与しない、緑領域の波長帯の光がカットされ日射量はほぼゼロとなっていることが分かる。
【0054】
(実施の形態2)
人工光を用いた植物工場は、植物を生育させる際に、気候や地理関係といった外的要因の影響が少ない。そのことから、自然の地面で生育させるよりも多様な植物の生育が期待される。この植物工場に、本発明に係る遮熱断熱窓装置を用いて太陽光を併用することを考えた場合、気候や地理関係、工場設備のような外的要因と、工場内でどのような植物をどのような方法で生育させるかという内的要因とを考え併せ、それに適した形で遮熱断熱窓装置を用いるべきである。
本発明は、植物の光合成に寄与する太陽光の光量子量を効率よく取り入れる構造を備えている。しかし、植物工場の設置される気候や地理関係、工場内でどのような植物をどのような方法で生育させるかによっては、光量子量を効率よく取り入れる構造を変える必要性も出てくるであろう。
【0055】
太陽は、時間に依存して高度が変化する。一日単位での変化は、日の出から南中、日の入りまでの、連続的な変化である。日の出の時点で高度は、山などの障害物がない場合、0度であり、南中において最も高い高度となり、日の入りで再度0度となり沈んでいく。季節単位での変化は、冬においては高度が小さくなり、夏においては大きくなるというものである。12月半ばの冬至の時点もっとも小さくなり、6月半ばの夏至の時点がもっとも大きくなる。
これら太陽の高度の変化に対応して、光入射角変更用ブラインドを用いることで植物工場内に太陽光を効率よく取り入れることができる。その際、植物工場の立地状況と植物工場内で生育させる植物とによっては、実施の形態1よりもさらに光量子量を必要とする場合が有り得る。そのような場合、光入射角変更用ブラインドの、スラットの表面に反射シートを張り付けるなどの構造を変えることが有効と考えられる。光入射角変更用ブラインドにおける各スラットの、両面に反射シートを取り付けるのである。以下、図を参照しつつ、本発明を実施するための形態2について説明する。
【0056】
図9は、光入射角変更用ブラインドで反射される太陽光を表している。この図では、光入射角変更用ブラインドの角度を、実施の形態1と同様に窓の法線115に対して太陽光の入射角104の半分の角度としている。そのため、反射光は実施の形態1と同様に水平な光線となる。そして、光入射角変更用ブラインドにおける各スラットの、両面に反射シートを取り付けていれば、図9のように二度反射した光線も工場の中に取り入れることができるのである。
【0057】
また、植物工場を設置する気候や地理関係、工場設備や、植物の生育法によっては、光入射角変更用ブラインドの角度は、必ずしも壁面の法線115に対して太陽光の入射角104の半分でなくてもよい。この場合、スラットの両面に反射シートを取り付けていれば、より多様な角度からの入射光線を取り入れられると考えられる。実施の形態1では、植物工場内で棚状に植物を水栽培させることを想定しており、数段ある棚の各段に配置された植物に対して、効果的な太陽光の照射を得るために、光入射角変更用ブラインドの角度を太陽光の入射角104の半分としていた。このような棚状の配置を考えない場合には、光入射角変更用ブラインドの角度を調整して最も良い光線の角度を適宜選べばよい。
【0058】
ここで、太陽光を工場壁面に設置した窓から取り入れることを考えた場合には、入射光線がどれだけ工場の室内奥側に到達するかは、入射角度に依存していた。大きな入射角度であれば、室内手前側にしか光は射さないこととなり、小さな入射角度であれば、それだけ室内奥側に光を照射することができる。このことから、光入射角変更用ブラインドの角度は工場の奥行に応じた調整が必要であると考えられる。
【0059】
そして、この光入射角度変更用ブラインドの角度の制御方法は、場面に合わせて使い分けるべきである。機械による自動制御を用いるにしても、方法は幾らかある。一つには、植物工場内に光量子センサーを設置し、工場内へどれだけ太陽光が到達しているかを感知する方法が考えられる。光量子センサーを、太陽光を取り入れる窓から見て、植物工場の奥方向に向かって幾つか設置することで、植物工場の奥行に応じて太陽光線を照射させるという制御ができる。また、太陽の高度を測定する装置を本窓構造に内蔵させ、その入力データから調整する方法も考えられる。他にも、一日単位、季節単位の太陽の周期運動を書き込んだプログラムを用いて、自動制御させる方法もある。
【0060】
また、光入射角度変更用ブラインドは、通常のブラインドのように光を遮るものではなく、入射してくる光線の角度を変更することを目的とするものである。そのため、この光入射角度変更用ブラインドは入射光線を反射させねばならないので、このブラインドを成すスラット部分は完全に平坦であるべきである。この光の入射角度を変更する際に用いるブラインドは、スラット部分が丸みを帯びてしまったり、容易に変形できてしまうものであってはならない。
【0061】
このことから、光入射角度変更用ブラインドのスラットは、気候や地理関係といった外的要因の影響を考慮して、光の反射を調節するために、気候などによって歪まず完全に平坦であることを保持する耐性のあるものにする必要がある。つまり、光入射角度変更用ブラインドは、使用する地域の気候などの外的要因に合わせて、スラット部分の素材を選ぶべきである。
【0062】
実施の形態1においては、光入射角度変更用ブラインドのスラットは、木製の平坦なスラットを考えている。適度な湿気のあるような地域には、木製のスラットは適していると考えられる。しかし、乾燥の激しい地域では、木製のスラットは反りを起こす可能性がある。そのような場合は、軽量な金属製、の平坦なスラットを用いることが考えられる。また、風雨の激しい地域では、木製のスラットは腐食を起こす可能性がある。軽量な金属製のスラットは、錆びてしまう可能性がある。そのような場合には、樹脂製の平坦なスラットを用いることも考えられる。
【0063】
太陽は、時間に依存して、幾分複雑な周期運動をする。この周期運動には、一日単位の変化と季節単位の変化とがあり、その中で変化するのは高度だけではない。
太陽は、一日の中では、日の出から南中、日の入りまで、連続的に移動する。日の出、南中、日の入りというサイクルの中で、高度と共に太陽の方角も変化する。日の出の時点では高度が小さいと共に東の方に位置し、南中で真南となり、日の入りで西へと沈む、という変化である。
【0064】
また、太陽は、季節単位でも方角の変化をする。太陽の方角は、三月半ばである春分と九月半ばである秋分との時点で、日の出が真東、日の入りが真西となる。そして、これら日の出、日の入りの方角が、冬においては南にずれ、夏においては北にずれていく。これに伴い、太陽の一日単位のサイクルも、冬においてもっとも南にずれ、夏においては北にずれるという変化をする。12月半ばの冬至の時点もっとも南にずれ、6月半ばの夏至の時点がもっとも北にずれるというものである。
【0065】
これらの太陽光線の変化に対応して、太陽光併用型植物工場の内部に太陽光を取り入れることが、植物工場内における植物の光合成に効率良く寄与することにつながる。そして、光入射角度変更用ブラインドには、そのような機能が望まれる。
このような、太陽の方角の変化に光入射角度変更用ブラインドを対応させるには、太陽光を取り入れる窓に対して、光入射角度変更用ブラインドを傾けるということが考えられる。太陽光を取り入れる窓に対して、光入射角度変更用ブラインドを傾けた構造にすることで、この傾斜角度によって太陽の方角の変化に対応することができる。
【0066】
例えば、実施の形態1における高度の場合と同様に、光入射角度変更用ブラインドの傾斜を、太陽光の水平面に関する入射角の半分に設定することで、水平面に関しても光線を窓に対して垂直に入射させることができる。このような構造は、植物工場の西側、東側の窓に対して有効であると考えられる。
【0067】
この、太陽光を取り入れる窓に対して、光入射角度変更用ブラインドを傾けた構造を実現する方法も、幾通りか考えられる。一つには、光入射角度変更用ブラインドを、太陽光を取り入れる窓に対して斜めに取り付けるという設置である。但しこの場合、光入射角度変更用ブラインドは、鉛直方向に垂らされているわけではないので、斜め方向に維持する固定が必要である。
この他にも、光入射角度変更用ブラインドを、太陽光を取り入れる窓に対して斜めに吊るすという設置が考えられる。この場合は、光入射角度変更用ブラインドは鉛直方向に垂らされていることとなる。そして、これらの傾斜角に関しても、手動や機械により自動的に調整を行うことも有効であると考えられる。
【0068】
(実施の形態3)
人工照明器具を用いた植物工場は、植物を生育させる際に外的要因の影響が少ないので、自然の地面で生育させるよりも多様な植物の生育が期待される。この植物工場に本発明に係る遮熱断熱窓装置を用いて太陽光を併用することを考えた場合、気候や地理関係、工場設備のような外的要因と、工場内でどのような植物をどのような方法で生育させるかという内的要因とを考え併せ、それに適した形で遮熱断熱窓装置を用いるべきである。
本発明は、植物工場内の室温を過剰に上昇させるような、太陽光の輻射熱を減少させる構造を備えている。しかし、植物工場の設置される気候や地理関係、工場内で生育させる植物の扱いによっては、太陽光の輻射熱を減少させる構造を変える必要性も出てくるであろう。以下、図を参照しつつ、本発明を実施するための形態3について説明する。
【0069】
実施の形態1では、図1にあるように、緑域カットシートの貼られた透明板106を光入射角度変更用ブラインド120よりも室外側に設置する構造を考えている。緑域カットシートの貼られた透明板は、図7にあるように、波長550nm前後の緑領域の波長帯の光が透過するのを遮断する。この可視光領域の中心付近に位置する緑域の光は、光合成に殆ど寄与せず、植物工場内に入射させても余分な輻射熱を発生させるばかりとなってしまう。そのため、この緑域カットシートの貼られた透明板106の設置により、太陽光による余分な輻射熱を抑えることができることとなっている。
【0070】
ここで、実施の形態1とは異なり、緑域カットシートの貼られた透明板を光入射角度変更用ブラインド120よりも室内側に設置する構造も考えられる。実施の形態1の場合、太陽光は緑域カットシートの貼られた透明板106を透過した後に光入射角度変更用ブラインド120に反射される。そのため、緑域カットシートの貼られた透明板における太陽光の反射は、光入射角度変更用ブラインド120で抑えることができない。
【0071】
しかし、実施の形態1とは異なり、緑域カットシートの貼られた透明板を光入射角度変更用ブラインド120よりも室内側に設置する構造であれば、この緑域カットシートにおける太陽光の反射も光入射角度変更用ブラインドにより抑えることができる。したがって、この形態は、より良く太陽光を植物工場内に取り入れられる形態となっている。一方、実施の形態1は、光入射角度変更腰部ラインドが雨ざらしにならず、風雨に対する耐性を高めた構造であるといえる。
また、太陽光を有効に利用するという観点からは、実施の形態1のように数段ある棚の各段に植物を水栽培することを考えた場合にはこの棚の配置に変更を加えることも有効であると考えられる。
【0072】
図4は、植物工場における植物の配列を上から見た説明用平面図である。紙面左から太陽光を取り入れたとすると、左側の植物の影になることで、太陽光を取り入れるうえでの非効率が生じる。この場合には図4に示されるように、植物を互い違い配置するようにすることで、この非効率を解消することができると考えられる。
【0073】
図4において、401乃至404は光入射角度変更用ブラインドによって方向を調整された太陽光の方向を示す矢印であり、421乃至424は同一の棚に配置された植物である。光入射角度変更用ブラインドによって方向を調整された太陽光401乃至404は、通常平行光線になるので、光入射角度変更用ブラインドに近い植物の後の植物は影に入ってしまうが、このように配置すればより効率的に太陽光を利用できる。
また、図1に示されるブラインドは各スラットが地面と水平な横型のブラインドであるが、各スラットが地面と垂直になる縦型のブラインドを利用することにより、太陽光の光線を図4の矢印431乃至434のように地面に対して水平方向に調整することもできる。
【0074】
なお、図1における複層ガラス141に、断熱複層ガラスを用いるかどうかは、植物工場を設置する地域の気候と工場内で生育させる植物の種類とを考え併せ、熱特性を優先するか光合成の促進を優先するかといったことから調整するべきである。図5と図6とからわかるように、断熱複層ガラスは、光合成に必要な太陽光の透過を幾分妨げてしまう。そのため、このことに注意をする必要が出てくる。そして、植物工場の設置される気候や地理関係、工場内でどのような植物をどのような方法で生育させるかによっては、光入射角度変更用ブラインド120をなくした窓構造であっても、十分に太陽光を取り入れられることも考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
人工の照明器具を利用して、光合成により植物を生育させる植物工場において、自然のめぐみである太陽光を効率的に活用することが可能となり、農業産業に利用できる。
【符号の説明】
【0076】
101 太陽光
102 太陽光線
103 太陽光併用型植物工場の壁面に設置された太陽光取り入れ窓に入射する太陽光線の方向
104 入射角
105 ブラインド120の角度
106 透明板
107 可視光線緑領域遮熱フィルム
110 透明板106と緑域カットシート107を透過した光線の方向
111 透明板130に入射する光線の方向
112 透明板140から反射する光線の方向
113 透明板140を透過し室内に入射する光線の方向
114 透明板106で反射される光線の方向
115 本発明の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置の設置される壁面の法線
120 ブラインド
121 スラット
122 スラット
123 スラット
124 スラット
125 スラット
130 透明板
140 透明板
141 複層ガラス
142 樹脂サッシ
150 赤外線領域遮熱フィルム
160 上段棚
161 植物
162 植物
170 中段棚
171 植物
180 下段棚
181 植物
191 植物工場内
192 本発明の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置の設置される壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具からの人工光線と太陽光線とを併用して、植物の光合成により植物を生育させる太陽光併用型植物工場に用いる、太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置であって、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置は前記 太陽光併用型植物工場の地面に垂直な壁面に設置され、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼らことにより、植物を生育させるための寄与率が低い光 量子についてはその取入れを排除し、植物を生育させるために必要な光量子については効率的にとりいれ、また太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムを貼られることにより、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ太陽光併用型植物工場内の室温が過度に上昇させてしまう波長帯の光量子の太陽光併用型植物工場内への進入を防止することを特徴とする太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置。
【請求項2】
照明器具からの人工光線と太陽光線とを併用して、植物の光合成により、植物を生育させる太陽光併用型植物工場に用いる太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置であって、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置は前記 太陽光併用型植物工場の地面に垂直な壁面に設置され、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置には断熱複層ガラスが設置され、
植物を生育させるために必要な光量子については効率的にとりいれ、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ太陽光併用型植物工場内の室温が過度に上昇してしまう波長帯の光量子の太陽光併用型植物工場内への進入を防止し、前記断熱複層ガラスにより、太陽光併用型植物工場内へ外気温が伝達することを防止することを特徴とする太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置。
【請求項3】
照明器具からの人工光線と太陽光線とを併用して、植物の光合成により植物を生育させる太陽光併用型植物工場に用いる太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置であって、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置は前記 太陽光併用型植物工場の地面に垂直な壁面にされ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置に複層ガラスを使用した断熱複層ガラスを設置し、
太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板に入射する太陽光線の入射角を調整して、前記透明板を透過して太陽光併用型植物工場の中に入射する太陽光線の量を調整するための、光入射角度変更用ブラインドを設置し、
前記ブラインドはブラインドのスラットは平坦な木製であって、
前記ブラインドを地面に対して垂直にたらした場合に、前記ブラインドの各スラットを地面と水平にしたときに、前記地面に平行であって地面と向き合わない側の面に反射フィルムを貼り付け、前記ブラインドの角度を調整することにより、植物を生育させるために必要な光量子については効率的に取り入れ、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ太陽光併用型植物工場内の室温が過度に 上昇してしまう波長帯の光量子の太陽光併用型植物工場内への進入を防止し、前記断熱複層ガラスにより、太陽光併用型植物工場内へ外気温が伝達することを防止することを特徴とする太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置。
【請求項4】
照明器具からの人工光線と太陽光線とを併用して、植物の光合成により、植物を生育させる太陽光併用型植物工場に用いる太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置であって、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置は前記 太陽光併用型植物工場の地面に垂直な壁面に設置され、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られ、
前記太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置に複層ガラスを使用した断熱複層ガラスを設置し、
前記ブラインドは前記ブラインドのスラットは平坦な木製であって、
前記ブラインドを地面に対して垂直にたらした場合に、前記ブラインドの各スラットを
を水平にしたときに、前記地面に平行であって地面と向き合わない側の面と地面と向き合う側の面の両方の面に反射フィルムを貼り付けることにより、
前記反射フィルムを貼り付けた前記ブラインドの各スラットの角度を調整することにより、前記ブラインドに入射する光線に対して、より多様な入射角の光線に対して対応することを可能とし、前記ブラインドの角度を調整することにより、植物を生育させるために必要な光量子については、効率的にとりいれ、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ、太陽光併用型植物工場内の室温が過度に 上昇してしまう波長帯の光量子の太陽光併用型植物工場内への進入を防止し、前記断熱複層ガラスにより、太陽光併用型植物工場内へ外気温が伝達することを防止することを特徴とする太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置において、
前記光入射角度変更用ブラインドおいては、
前記光入射角度変更用ブラインドへ入射する光線は太陽光であり、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の変化に対応して調整し得ることを 特徴とする太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置。
【請求項6】
請求項3または4に記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置において、
前記光入射角度変更用ブラインドにおいては、
前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とがなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の1/2とすることを特徴とする太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれかに記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置において、
前記光入射角度変更用ブラインドは、
前記特定太陽光仰角を測定する、特定太陽光仰角 測定部と、
特定太陽光仰角測定部が測定した特定太陽光仰角を入力データとして、前記ブラインドの各スラットの角度を調整して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の変化に対応して調整するスラット角度調整部とを有して、
前記特定太陽光仰角の変化に対して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、調整し得ることを特徴とする太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置。
【請求項8】
請求項3乃至6のいずれかに記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置において、
前記光入射角度変更用ブラインドは、
前記特定太陽光仰角を測定する、特定太陽光仰角 測定部と、
特定太陽光仰角測定部が測定した特定太陽光仰角を入力データとして、前記ブラインドの各スラットの角度を調整して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の1/2とするスラット角度調整部とを有して、
特定太陽光仰角の変化に対して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での前記特定太陽光仰角の1/2とすることを特徴とする太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置。
【請求項9】
請求項3乃至6のいずれかに記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置において、
前記光入射角度変更用ブラインドは、
前記特定太陽光仰角を測定する、特定太陽光仰角 測定部と、
特定太陽光仰角測定部が測定した特定太陽光仰角を入力データとして、前記ブラインドの各スラットの角度を調整して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の変化に対応して調整するスラット角度調整部と、
前記太陽光併用型植物工場の所定の場所に設置された光量子量センサー部とを有して、
特定太陽光仰角の変化に対して、光量子量が所定の量となるように、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、調整し得ることを特徴とする太陽光併用型植物遮熱 断熱窓装置。
【請求項10】
照明器具からの人工光線と太陽光線とを併用して、植物の光合成により植物を生育させる太陽光併用型植物工場に用いる太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置であって、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置は前記 太陽光併用型植物工場の地面に垂直な壁面にされ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置に複層ガラスを使用した断熱複層ガラスを設置し、
太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板に入射する太陽光線の入射角を調整して、前記透明板を透過して太陽光併用型植物工場の中に入射する太陽光線の量を調整するための、光入射角度変更用ブラインドを設置し、
前記ブラインドは前記ブラインドの各スラットは表面が平坦で軽量な金属製であって、
前記ブラインドを地面に対して垂直にたらした場合に、前記ブラインドの各スラットを水平にしたときに前記ブラインドの各スラットの角度を調整することにより、植物を生育させるために必要な光量子については効率的に取り入れ、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ太陽光併用型植物工場内の室温が過度に上昇してしまう波長帯の光量子の太陽光併用型植物工場内への進入を防止し、前記断熱複層ガラスにより、太陽光併用型植物工場内へ外気温が伝達することを防止することを特徴とする太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置。
【請求項11】
照明器具からの人工光線と太陽光線とを併用して、植物の光合成により植物を生育させる太陽光併用型植物工場に用いる太陽光を取り入れるための太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置であって、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置は前記 太陽光併用型植物工場の地面に垂直な壁面にされ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち緑領域の波長帯の光の透過を遮断する緑域カットシートが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板には、種々の波長帯の光を含む太陽光のうち赤外線領域の波長帯の光の透過を遮断する赤外線領域遮熱フィルムが貼られ、
前記太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置に複層ガラスを使用した断熱複層ガラスを設置し、
太陽光併用型植物工場用遮熱断熱窓装置を構成する透明板に入射する太陽光線の入射角を調整して、前記透明板を透過して太陽光併用型植物工場の中に入射する太陽光線の量を調整するための、光入射角度変更用ブラインドを設置し、
前記ブラインドは前記ブラインドの各スラットは表面が平坦で軽量な樹脂製であって、
前記ブラインドを地面に対して垂直にたらした場合に、前記ブラインドの各スラットを水平にしたときに前記ブラインドの各スラットの角度を調整することにより、植物を生育させるために必要な光量子については効率的に取り入れ、植物を生育させるための寄与率が低く、むしろ太陽光併用型植物工場内の室温が過度に上昇してしまう波長帯の光量子の太陽光併用型植物工場内への進入を防止し、前記断熱複層ガラスにより、太陽光併用型植物工場内へ外気温が伝達することを防止することを特徴とする太陽光併用型植物遮熱断熱装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置において、
前記光入射角度変更用ブラインドにおいては、
前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とがなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の1/2とすることを特徴とする太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置。
【請求項13】
請求項10または11に記載する太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置において、
前記光入射角度変更用ブラインドは、
前記特定太陽光仰角を測定する、特定太陽光仰角 測定部と、
特定太陽光仰角測定部が測定した特定太陽光仰角を入力データとして、前記ブラインドの各スラットの角度を調整して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の変化に対応して調整するスラット角度調整部とを有して、
特定太陽光仰角の変化に対して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、調整し得ることを特徴とする太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置。
【請求項14】
請求項10または11に記載する太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置において、
前記光入射角度変更用ブラインドは、
前記特定太陽光仰角を測定する、特定太陽光仰角 測定部と、
特定太陽光仰角測定部が測定した特定太陽光仰角を入力データとして、前記ブラインドの各スラットの角度を調整して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の1/2とするスラット角度調整部とを有して、
特定太陽光仰角の変化に対して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での前記特定太陽光仰角の1/2とすることを特徴とする太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置。
【請求項15】
請求項10または11に記載する太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置において、
前記光入射角度変更用ブラインドは、
請求項8または9に記載する光入射角度変更用ブラインドと、
前記特定太陽光仰角を測定する、特定太陽光仰角 測定部と、
特定太陽光仰角測定部が測定した特定太陽光仰角を入力データとして、前記ブラインドの各スラットの角度を調整して、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度は、前記太陽光と太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線とのなす角度(以下「特定太陽光仰角」ともいう)の変化に対応して調整するスラット角度調整部と、
前記太陽光併用型植物工場の所定の場所に設置された光量子量センサー部とを有して、
特定太陽光仰角の変化に対して、光量子量が所定の量となるように、前記ブラインドの各スラットと太陽光併用型植物工場が設置されている地点での水平線がなす角度を、調整し得ることを特徴とする太陽光併用型植物遮熱 断熱窓装置。
【請求項16】
請求項1乃至15のいずれかに記載の太陽光併用型植物遮熱断熱窓装置において、
前記透明板はガラス板であることを特徴とする太陽光併用型植物遮熱 断熱窓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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