説明

太陽光発電量把握システム及びこれを用いた負荷予想装置、負荷調整装置

【課題】各所の太陽光発電設備から得られる太陽光発電量を、配電設備や送電設備とリンクさせることで詳細に把握できる太陽光発電量把握システムを提供する。
【解決手段】給電所端末1にて、太陽光発電設備が設置されているメッシュエリアを単一色に塗布したベース画像を生成し、気象衛星からの画像データに基づき、雲の状態を示す画像を生成し、これらベース画像と雲の状態を示す画像とを重ね合わせて、単一色の透過割合を数値化した透過データを算出し、この透過データに基づき算出された日照量を含む日照データをメッシュエリア毎に生成する。営業所端末2にて、各太陽光発電設備の設備データと日照データとから各太陽光発電設備の発電量を演算し、これを積み重ねて、配電区間毎、配電線毎の発電量を演算する。さらに、制御所端末3において、変圧器毎、系統毎の発電量を演算し、給電所端末1において、基幹系統の発電量を演算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各所に設けられた太陽光発電設備から得られる発電量を精度よく把握することが可能な太陽光発電量把握システムと、これを用いた負荷予想装置および負荷調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電設備が増加してくると、配電線系統の電圧が日照量の変化に応じて乱高下するおそれがある。このため、各所に散在する太陽光発電設備から得られる発電量を正確に把握することは、安定した電圧を得るためにも非常に重要である。
このため、従来においては、下記する特許文献1に示されるように、太陽光発電量を予測し、太陽光発電の発電量の変動が電力系統に影響を与えないようにする装置や、特許文献2に示されるように、太陽光発電システムの最大発電量を推定する方法等が公知となっている。
【0003】
このうち、特許文献1に示される構成は、予め区分された地域の識別情報と、当該地域の太陽光発電の設備に関する設備情報とを対応付けて記憶する発電能力データベースを設け、所定時間毎に、予め区分された地域における日射量データを受信し、気象サーバから送信された気象データを受信し、受信した日射量データと気象データとにより、予め区分けされた地域ごとの太陽光発電の発電量を算定し、この算定した太陽光発電の発電量を、電力系統を監視する監視システムに送信するようにしたものである。
【0004】
また、特許文献2に示される構成は、太陽光発電システムの設備容量を求め、予測対象たる所定期間内において最大となる日射量を算出し、日射量、設備容量、及び所定の係数に基づいて、配電系統の系統電流に上乗せされうる太陽光発電システムの最大発電量を推定するようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−249608号公報
【特許文献2】特開2010−193594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前者の構成にあっては、予め区分けされた地域ごとの太陽光発電の発電量を算定し、その算定した太陽光発電の発電量を電力系統を監視する監視システムに送信するものであるため、区分けされた地域が異なる配電線に跨っている等、配電設備と必ずしもリンクされていないため、太陽光発電の発電量を正確に把握するには限界があった。
【0007】
また、後者の構成にあっては、オンラインデータによって発電量を随時把握するものではなく、定められた季節や時間等による最大発電量の算出を行うものであるため、現在又は近い将来の電圧の乱高下に対応することができないものであった。
【0008】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、各所に設置されている太陽光発電設備から得られる太陽光発電量を精度よく把握することが可能であり、また、配電設備や送電設備とリンクさせることで詳細な太陽光発電量を把握することが可能な太陽光発電量把握システムと、これを用いた負荷予想装置および負荷調整装置を提供することを主たる課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明に係る太陽光発電量把握システムは、予めメッシュ状に区分けされたメッシュエリアに関する情報を格納するメッシュエリア情報データベースと、各太陽光発電設備の所在情報を含む設備データを登録する太陽光発電設備データベースと、配電線情報及びその区間情報を含む配電系統に関する情報を格納する配電線情報データベースと、前記メッシュエリア毎の日照データを生成する第1の端末(給電所端末)と、前記配電線毎の太陽光発電設備による発電量を演算する第2の端末(営業所端末)と、を少なくとも備える構成であって、
前記第1の端末は、前記メッシュエリア情報データベースに格納されたメッシュエリアに関する情報と前記太陽光発電設備データベースに格納された太陽光発電設備の所在情報とを参照して、太陽光発電設備が設置されているメッシュエリアを単一色に塗布したベース画像を生成するベース画像生成手段と、気象衛星からの画像データに基づき、雲の状態を示す画像を生成する雲画像生成手段と、前記ベース画像生成手段で生成されたベース画像と前記雲画像生成手段で生成された雲の状態を示す画像とを重ね合わせて、前記単一色が塗布された前記メッシュエリアの塗布された色の透過割合を数値化した透過データを算出する透過データ算出手段と、前記透過データに基づき算出された日照量、及び、太陽の位置情報を含む日照データを前記メッシュエリア毎に生成する日照データ生成手段とを備え、
前記第2の端末は、前記太陽光発電設備データベースに格納された各太陽光発電設備の設備データと前記日照データとを参照して、各太陽光発電設備の発電量を演算する発電設備単位発電量演算手段と、前記配電線情報データベースに格納された前記区間情報を参照して、前記発電設備単位発電量演算手段で演算された各太陽光発電設備の発電量に基づき、配電線の区間ごとの太陽光発電設備による発電量を演算する区間単位発電量演算手段と、前記配電線情報データベースに格納された前記配電線情報を参照して、前記区間単位発電量演算手段で演算された区間毎の発電量に基づき、配電線毎の太陽光発電設備による発電量を演算する配電線単位発電量演算手段とを具備することを特徴としている。
【0010】
したがって、上述の太陽光発電量把握システムによれば、第1の端末は、ベース画像生成手段により、前記メッシュエリア情報データベースに格納されたメッシュエリアに関する情報と前記太陽光発電設備データベースに格納された太陽光発電設備の所在情報とを参照して、太陽光発電設備が設置されているメッシュエリアを単一色に塗布したベース画像を生成し、雲画像生成手段により、気象衛星からの画像データに基づき、雲の状態を示す画像を生成し、透過データ算出手段により、前記ベース画像生成手段で生成されたベース画像と前記雲画像生成手段で生成された雲の状態を示す画像とを重ね合わせて、前記単一色が塗布されたメッシュエリアの塗布された色の透過割合を数値化した透過データを算出し、日照データ生成手段により、前記メッシュエリア毎に、太陽の位置情報と前記透過データに基づき算出された日照量とを含む日照データを生成するので、太陽光発電設備が設置されているメッシュエリア毎に的確な日照データが形成されることになる。
【0011】
そして、第2の端末は、発電設備単位発電量演算手段により、太陽光発電設備データベースに格納された各太陽光発電設備の設備データと上述した日照データとを参照して、各太陽光発電設備の発電量が演算され、区間単位発電量演算手段により、配電線情報データベースに格納された区間情報を参照して、発電設備単位発電量演算手段で演算された各太陽光発電設備の発電量に基づき、配電線の区間ごとの太陽光発電設備による発電量が演算され、配電線単位発電量演算手段により、配電線情報データベースに格納された配電線情報を参照して、区間単位発電量演算手段で演算された区間毎の発電量に基づき、配電線毎の太陽光発電設備による発電量が演算されるので、配電設備に則して各太陽光発電設備の発電量を積算することが可能となる。
【0012】
また、太陽光発電量把握システムは、変圧器情報および送電系統情報が格納された送電系統データベースと、系統の運用を行う第3の端末(制御所端末)とをさらに備え、前記第3の端末は、前記送電系統データベースの変圧器情報を参照して、前記配電線単位発電量演算手段によって演算された配電線毎の発電量に基づき、変圧器毎の太陽光発電設備による発電量を演算する変圧器単位発電量演算手段と、前記送電系統データベースの送電系統情報を参照して、前記変圧器単位発電量演算手段によって演算された変圧器毎の発電量に基づき、系統毎の太陽光発電設備による発電量を演算する系統単位発電量演算手段と、を更に備えるようにしてもよい。
【0013】
このような構成によれば、第3の端末において、変圧器単位発電量演算手段により、送電系統データベースの変圧器情報を参照して、配電線単位発電量演算手段によって演算された配電線毎の発電量に基づき、変圧器毎の太陽光発電設備による発電量が演算され、また、送電線単位発電量演算手段により、送電系統データベースの送電線情報を参照して、変圧器単位発電量演算手段によって演算された変圧器毎の発電量に基づき、送電線毎の太陽光発電設備による発電量が演算されるので、変圧器毎の発電量や送電線毎の発電量を的確に把握することができ、例えば、変圧器の負荷状態(過負荷状態、軽負荷状態)を予想することが可能となる。
【0014】
即ち、変圧器単位発電量演算手段で演算された変圧器毎の発電量に基づき、変圧器の負荷(電圧の変動)を予想する変圧器負荷予想手段を更に具備するようにしてもよい。
【0015】
また、太陽光発電量把握システムは、基幹系統情報が格納された基幹系統データベースをさらに備え、前記第1の端末は、前記基幹系統データベースの基幹系統情報を参照して、前記系統単位発電量演算手段で演算された系統毎の発電量に基づき、基幹系統の太陽光発電設備による発電量を演算する基幹系統発電量演算手段を更に具備するようにしてもよい。
【0016】
このような構成においては、第1の端末は、基幹系統発電量演算手段により、基幹系統データベースの基幹系統情報を参照して、系統単位発電量演算手段で演算された系統毎の発電量に基づき、基幹系統の太陽光発電設備による発電量が演算されるので、例えば、太陽光発電量の瞬間的は変動を吸収するように他の発電所による負荷調整を行うことが可能となる。
即ち、前記基幹系統発電量演算手段で演算された基幹系統の発電量に基づき、他の発電設備による負荷調整を行う負荷調整手段を更に具備するようにしてもよい。
【0017】
以上は、リアルタイムに太陽光発電量を把握する構成であるが、所定時間後の雲の状態を予測して太陽光発電量の所定時間後の予測を行うようにしてもよい。
即ち、太陽光発電設備の発電量を把握する太陽光発電設備発電量把握システムは、予めメッシュ状に区分けされたメッシュエリアに関する情報を格納するメッシュエリア情報データベースと、各太陽光発電設備の所在情報を含む設備データを登録する太陽光発電設備データベースと、配電線情報及びその区間情報を含む配電系統に関する情報を格納する配電線情報データベースと、前記メッシュエリア毎の日照データを生成する第1の端末(給電所端末)と、前記配電線毎の太陽光発電設備による発電量を演算する第2の端末(営業所端末)と、を少なくとも備え、
前記第1の端末は、前記メッシュエリア情報データベースに格納されたメッシュエリアに関する情報と前記太陽光発電設備データベースに格納された太陽光発電設備の所在情報とを参照して、太陽光発電設備が設置されているメッシュエリアを単一色に塗布したベース画像を生成するベース画像生成手段と、気象衛星からの画像データに少なくとも基づき、所定時間後の雲の状態を示す予測雲画像を生成する予測雲画像生成手段と、前記ベース画像生成手段で生成されたベース画像と前記予測雲画像生成手段で生成された雲の状態を示す画像とを重ね合わせて、前記単一色が塗布された前記メッシュエリアの塗布された色の透過割合を数値化した予測透過データを算出する予測透過データ算出手段と、前記予測透過データに基づき算出された予測日照量、及び、太陽の位置情報を含む予測日照データを前記メッシュエリア毎に生成する予測日照データ生成手段とを備え、
前記第2の端末は、前記太陽光発電設備データベースに登録された各太陽光発電設備の設備データと、前記予測日照データとを参照して、各太陽光発電設備の予測発電量を演算する発電設備単位予測発電量演算手段と、前記配電線情報データベースに格納された前記区間情報を参照して、前記発電設備単位予測発電量演算手段で演算された各太陽光発電設備の予測発電量に基づき、配電線の区間ごとの太陽光発電設備による予測発電量を演算する区間単位予測発電量演算手段と、前記配電線情報データベースに格納された前記配電線情報を参照して、前記区間単位予測発電量演算手段で演算された区間毎の予測発電量に基づき、配電線毎の太陽光発電設備による予測発電量を演算する配電線単位予測発電量演算手段とを具備するようにしてもよい。
【0018】
また、太陽光発電設備発電量把握システムは、変圧器情報および送電系統情報が格納された送電系統データベースと、系統の運用を行う第3の端末(制御所端末)とをさらに備え、前記第3の端末は、前記送電系統データベースの変圧器情報を参照して、前記配電線単位予測発電量演算手段によって演算された配電線毎の予測発電量に基づき、変圧器毎の太陽光発電設備による予測発電量を演算する変圧器単位予測発電量演算手段と、前記送電系統データベースの送電系統情報を参照して、前記変圧器単位予測発電量演算手段によって演算された変圧器毎の予測発電量に基づき、系統毎の太陽光発電設備による予測発電量を演算する系統単位予測発電量演算手段と、を更に具備するようにしてもよい。
【0019】
さらに、太陽光発電設備発電量把握システムは、基幹系統情報が格納された基幹系統データベースをさらに備え、前記第1の端末は、前記送電系統データベースの送電系統情報を参照して、前記系統単位予測発電量演算手段で演算された送電線毎の予測発電量に基づき、基幹系統の予測発電量を演算する基幹系統予測発電量演算手段を含むようにしてもよい。
【0020】
ここで、上述した太陽光発電量把握システムを用いた負荷予想装置を形成するにあたり、前記変圧器単位予測発電量演算手段で演算された変圧器毎の予測発電量に基づき、変圧器の負荷(電圧の変動)を予想する変圧器負荷予想手段を更に具備するようにしてもよい。
【0021】
また、上述した太陽光発電量把握システムを用いた負荷調整装置を形成するにあたり、前記基幹系統予測発電量演算手段で演算された基幹系統の予測発電量に基づき、他の発電設備による負荷調整を行う負荷調整手段を更に具備するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0022】
以上述べたように、本発明に係る太陽光発電量把握システムによれば、第1の端末により、メッシュエリア情報データベースに格納されたメッシュエリアに関する情報と太陽光発電設備データベースに格納された太陽光発電設備の所在情報とを参照して、太陽光発電設備が設置されているメッシュエリアを単一色に塗布したベース画像が生成され、また、気象衛星からの画像データに基づき、雲の状態を示す雲画像が生成され、ベース画像と雲の状態を示す画像とを重ね合わせて、単一色を塗布したメッシュエリアの塗布された色の透過割合を数値化した透過データが算出され、この透過データに基づき算出された日照量と太陽の位置情報とを含む日照データがメッシュエリア毎に生成され、また、第2の端末により、太陽光発電設備データベースに登録された各太陽発電設備の設備データと、日照データとを参照して、各太陽光発電設備の発電量が演算され、また、配電線情報データベースに格納された区間情報を参照して、各太陽光発電設備の発電量に基づき、配電線の区間ごとの発電量が演算され、さらに配電線情報データベースに格納された配電線情報を参照して、区間毎の発電量に基づき、配電線毎の発電量が演算されるので、メッシュエリア毎に細かく形成された日照データを参酌することができ、また、太陽光発電量も、個別の太陽光発電設備の発電量を、配電区間、配電線へと積み重ねていくので、太陽光発電設備による発電量を配電設備と関連付けて把握することができ、配電線毎の電圧の変動を正確に予測することが可能となる。
【0023】
また、第3の端末において、送電系統データベースの変圧器情報を参照して、配電線毎の発電量に基づき変圧器毎の発電量が演算され、さらに、送電系統データベースの送電系統情報を参照して、変圧器毎の発電量に基づき、系統毎の太陽発電設備による発電量が演算されるので、変圧器毎、又は、系統毎に太陽光発電量を精度よく把握することが可能となる。
【0024】
さらに、第1の端末において、基幹系統データベースの基幹系統情報を参照して、送電線毎の発電量に基づき、基幹系統の発電量が演算されるので、基幹系統に影響する太陽光発電量を精度よく把握することが可能となる。
【0025】
尚、算出された変圧器毎の太陽光発電設備による発電量に基づいて変圧器の負荷(電圧の変動)を予想する手段をさらに具備することで、精度の高い負荷予想が可能となり、また、算出された基幹系統の太陽光発電設備による発電量に基づいて他の発電設備による負荷調整を行う負荷調整手段を更に具備することで、太陽光発電量の変動に対して安定した電圧の供給が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、本発明に係る太陽光発電量把握システムの全体構成例を示すブロック図である。
【図2】図2(a)は、予め区分けされたメッシュエリアに、散在する太陽光発電設備を表示させた状態を示す図であり、図2(b)は、太陽光発電設備が存在するメッシュエリアを単一色に塗布して形成されたベース画像(色画像)を示す。
【図3】図3は、予め区分けされたメッシュエリアに、散在する太陽光発電設備と雲の状態の画像を重ね合わせて形成された図である。
【図4】図4は、予め区分けされたメッシュエリア毎に形成された日照データを示す図である。
【図5】図5は、予め区分けされたメッシュエリアに配電線情報及びその区間情報を含む配電系統に関する情報を重ね合わせた状態を示す配電線情報データベースの内容を説明する図である。
【図6】図6は、各所の太陽光発電設備から太陽光発電量を算出する演算処理例を示すフローチャートである。
【図7】図7は、各所の太陽光発電設備から所定時間後の太陽光発電量を予測する演算処理例を示すフローチャートである。
【図8】図8は、現在のメッシュエリア毎の日照データと所定時間経過後(30分経過後)に雲がかかった場合の日照データの変化を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の太陽光発電量把握システムについて、添付図面を参照しながら説明する。
尚、ここで使用する用語とその意味は、以下の通りである。
○日照データ
・日照量(日照%)や太陽高度・南中角度等のデータ
○南中角度
・ここでは太陽がある時刻に,真南に対して位置する角度として扱う。
○日照量
・ここでは日照%と同意語として扱う。
○日照%
・衛星画像による雲の透過量・季節毎のエアマス(空気の厚み)・時間帯ごとのエアマス(空気の厚み)等をまったく太陽光を遮るものが無い場合を100%として太陽光発電に届く太陽光の強さを%化したもの。このデータは給電所のシステム(給電所端末)で作成し各営業所に設置するシステム(営業所端末)に配信する。
○色画像=ベース画像
・気象衛星画像の”雲の画像”のみを重ねて,透過状況を数値化するための単一色の画像,何色でもよい。
○衛星画像
・気象衛星で撮影した雲等の入った画像
○透過データ
・色画像と衛星の雲の画像から太陽光をどれだけ遮るかの割合を出すデータ,日照%の基となるデータ
○発電量 (=太陽光発電量)
・日照データと太陽光発電設備から算出された予想発電量,または各区間、配電線、変圧器、系統、基幹系統毎に積み上げた発電量
・ 区間(配電区間)
・区分開閉器から区分開閉器間を言い,この区間にある太陽光発電設備の発電量の最初の積み上げを行う。
【0028】
図1において、本発明に係る太陽光発電量把握システムは、電力系統の運用に関する指令を行い、予めメッシュ状に区分けされたメッシュエリア毎に日照データを作成すると共に、後述する系統毎の発電量(系統単位発電量)に基づき、基幹系統での太陽光発電設備による発電量を把握してその変動を吸収するように他の発電設備による負荷調整を行う給電所に設置された給電所端末1と、メッシュエリア毎に作成された日照データから各太陽光発電設備の発電量を求めると共に、その各太陽光発電設備の発電量(発電設備単位発電量)を積み重ねて配電区間毎の発電量(区間単位発電量)を算出すると共に配電線毎の発電量(配電線単位発電量)を算出する営業所に設置された営業所端末2と、配電線毎の発電量に基づき変圧器毎の発電量(変圧器単位発電量)を算出すると共にその変圧器毎の発電量を積み重ねて系統毎の発電量(系統単位発電量)を算出する制御所に設置された制御所端末3とをインターネット回線や専用回線を介して互いに接続して構成されている。
【0029】
給電所端末1は、予めメッシュ状に区分けされたメッシュエリアに関する情報が格納されたメッシュエリア情報データベース11と、各太陽光発電設備の所在情報を含む設備データが格納された太陽光発電設備データベース12と、
基幹系統情報が格納された基幹系統データベース17と、太陽光を遮る割り合いを算出するための画像データを処理する画像データ処理部13と、この画像データに基づき、メッシュエリア毎に日照データを作成する日照データ作成部14と、基幹系統(全社)の太陽光発電設備による発電量を演算する基幹系統発電量演算部15と、この基幹系統発電量演算部15により演算された基幹系統発電量に基づき、他の発電所による負荷調整を行う負荷調整部16とを備えている。
【0030】
メッシュエリア情報データベース11に格納されるメッシュエリアに関する情報は、管轄エリアを矩形状のマスに区切った場合の各マスを特定する情報、例えば、各マスに割り当てられた地域識別IDやマスの位置情報(緯度および経度)等である。太陽光発電設備データベース12に格納される各太陽光発電設備の所在情報は、各太陽発電設備の位置情報(経度および緯度)であり、設備データは、この所在情報の他に、設備容量、太陽光パネルの向き・角度・自動追尾の有無、高層ビル等の遮蔽物の有無、発電効率、温度効率、発電開始日等を含む。この設備データは、送電系統、配電系統へ連系を申請する際に付随して申請登録される。
【0031】
画像データ処理部13では、前記メッシュエリア情報データベース11に格納されたメッシュエリアに関する情報と前記太陽光発電設備データベース12に格納された太陽光発電設備の所在情報とを参照して、太陽光発電設備が設置されているメッシュエリアを単一色(例えば、黒色)に塗布したベース画像を生成する処理(ベース画像生成手段)と、気象衛星Aからの画像データに基づき、雲の状態を示す画像を生成する処理(雲画像生成手段)と、ベース画像と雲の状態を示す画像とを重ね合わせて、塗布された単一色の透過割合を数値化した透過データを単一色が塗布されたメッシュエリア毎に算出する処理(透過データ算出手段)を行う。
【0032】
また、日照データ作成部14では、前記透過データに基づき算出された日照量と太陽の位置情報とを含む日照データをメッシュエリア毎に生成する処理(日照データ生成手段)を行う。
【0033】
ここで、日照データは、日照%(日照量)、太陽高度、南中角度を差し、日照%は、透過データに対して、季節毎や時間毎に変化する空気の透過率(季節毎のエアマス(空気の厚み)と時間帯ごとのエアマス(空気の厚み))を考慮して、太陽光の強さを%表示したもので、例えば、
日照%(日照量)
=透過データ(%)×時間毎の空気の透過率×季節毎の空気の透過率
として算出するとよい。
【0034】
以上の処理は、例えば、図2(a)に示されるようなメッシュエリアを想定し、太陽光発電設備が同図に示されるように点在している場合を想定すると、画像データ処理部では、先ず、図2(b)に示されるように、太陽光発電設備があるマスを単一色(例えば、黒)で塗布したベース画像を作成する。ここで、単一色を付さないマスは、計算対象外(太陽光発電設備がないため、計算が不要)のエリアを示す。
【0035】
そして、図2(b)のように生成されたベース画像と図3で示す雲の状態を示す画像とを重ね合わせ、単一色に塗布されたメッシュエリアの色の透過割合(太陽光をどれだけ遮るのかの割合を示すデータ)を数値化した透過データを算出する。
【0036】
そして、日照データ作成部14では、図4に示されるように、この透過データに基づいて日照量を%化した日照%と、太陽の位置情報とに基づいて太陽高度および太陽南中角度を算出し、これらを日照データ(日照%、太陽高度、太陽南中角度)として格納する。
【0037】
営業所端末2は、各太陽光発電設備の所在情報を含む設備データが格納された太陽光発電設備データベース21と、配電線情報及びその区間情報を含む配電系統に関する情報を格納する配電線情報データベース22と、前記給電所から得られるメッシュ毎の日照データと太陽光発電設備データベース21に格納された各太陽光発電設備の設備データとに基づき、太陽光発電設備毎の発電量(光発電設備単位発電量)を演算する発電設備単位発電量演算部23と、この太陽光発電設備毎の発電量と、配電線情報データベース22に格納された配電線の区間情報を参照して、配電線の区分開閉器毎(区間毎)に太陽光発電設備による発電量(区間単位発電量)を演算する区間単位発電量演算部24と、配電線情報データベース22に格納された配電線情報を参照して、配電線毎の発電量(配電線単位発電量)を演算する配電線単位発電量演算部25とを有している。
尚、ここで用いられる太陽光発電設備データベース21は、給電所で用いられる太陽光発電設備データベース12と異なるものであってもよいが、同じものを共用するようにしてもよい。
【0038】
配電線情報データベース22は、例えば、図4に示されるように、開閉器と配電線をマップ化して、配電線と、その配電線の区間を把握する情報が格納されているもので、配電線の区間が特定されると、その区間に連系されている太陽光発電設備を特定できるようになっている。
【0039】
発電設備単位発電量演算部23は、給電所端末1で作成されたメッシュエリア毎の日照データに基づき、太陽光発電設備データベース21に格納されている各太陽光発電設備の設備情報(設備の位置、設備容量、太陽光パネルの向き・角度・自動追尾の有無、高層ビル等の遮蔽物の有無、発電効率、温度効率、発電開始日等)を参照して、各太陽光発電設備の発電量を演算する。
太陽南中角度−設備南中角度=θ1、太陽高度−設備仰角=θ2とすると、単一の発電設備の発電量Ps(kw)を、例えば、
Ps(kw)=設備容量(kw)×Cosθ1×Cosθ2×日照%×発電効率×温度効率
として演算する。
【0040】
区間単位発電量演算部24は、配電線情報データベース22に格納された区間情報を参照して、前記発電設備単位発電量演算部23で演算された太陽光発電設備毎の発電量から、区間に連系されている太陽光発電設備の発電量を積算することで、区間毎の太陽光発電設備による発電量を演算する。すなわち、1区間の発電量Pkを、Pk=Σ(区間内の発電設備Ps)として求める。
【0041】
配電線単位発電量演算部25は、配電線情報データベース22に格納された配電線情報を参照して、前記区間単位発電量演算部24で演算された区間毎の発電量に基づき、対象とする配電線の区間の発電量を積算して配電線毎の太陽光発電設備による発電量を演算する。
【0042】
制御所端末3は、変圧器情報および送電線情報が格納された送電系統データベース31と、変圧器毎に太陽光発電設備による発電量を演算する変圧器単位発電量演算部32と、系統毎に太陽光発電設備による発電量を演算する系統単位発電量演算部33と、変圧器の負荷状態(過負荷状態、軽負荷状態)を予想する負荷予想部34とを備えている。
【0043】
変圧器単位発電量演算部32は、送電系統データベース31に格納された変圧器情報を参照して、営業所端末2の配電線単位発電量演算部25で演算された配電線毎の発電量に基づき、対象とする変圧器に接続されている配電線の発電量を積算して変圧器毎の太陽光発電設備による発電量(変圧器単位発電量)を演算する。
【0044】
系統単位発電量演算部33は、送電系統データベース31に格納された送電線情報を参照して、前記変圧器単位発電量演算部32で演算された変圧器毎の発電量に基づき、対象とする送電系統(二次系統)に接続されている変圧器の発電量を積算して系統毎の太陽光発電設備による発電量(系統単位発電量)を演算する。
【0045】
負荷予想部34は、変圧器単位発電量演算部32で演算された変圧器毎の発電量に基づき、日照量の増減や配電線事故による各変圧器の過負荷(電圧低下)または軽負荷(電圧上昇)を予想する。
【0046】
そして、前記給電所の給電所端末1の基幹系統発電量演算部15は、基幹系統データベース17に格納された基幹系統情報を参照して、制御所端末3の系統単位発電量演算部33で作成された系統毎の発電量に基づき、基幹系統内の送電系統(二次系統)毎の発電量を積算して、基幹系統の太陽光発電設備による発電量(基幹系統発電量)を演算する。また、負荷調整部16は、基幹系統発電量演算部15で演算された基幹系統の発電量に基づき、この基幹系統の発電量の変動を吸収するように他の発電設備による負荷調整を行う。
例えば、他の発電設備の発電出力を基幹系統発電量が多くなった場合に低下させ、また、基幹系統発電量が少なくなった場合に増加させるように、太陽光発電量の瞬間的な変動を吸収するよう他の発電設備の発電出力を連動させる。
【0047】
以上の構成において、太陽光発電設備による発電量を把握し、負荷変動を予想すると共に負荷調整を行う動作処理例をまとめると、図6のフローチャートに示されるような一連の処理がなされる。
先ず、給電所端末1において、メッシュエリア情報データベース11のメッシュエリア情報と太陽光発電設備データベース12の太陽光発電設備の所在情報とを参照して、予め区分けされたメッシュエリアのうち、太陽光発電設備が設置されているメッシュエリアを単一色に塗布したベース画像(色画像)を生成し(ステップS1)、また、気象サーバから得られた衛星画像に基づき、雲の状態の画像を作成する(ステップS2)。そして、このベース画像と雲の状態の画像とを重ね合わせて、ベース画像の透過状態を示す透過データをメッシュエリア毎に作成し(ステップS3)、この透過データに基づき、太陽光を遮る割合を示す日照%を演算し、これと太陽高度、南中角度を加えた日照データをメッシュエリア毎に作成する(ステップS4)。
【0048】
このようにして作成された日照データは、営業所に送信され、営業所では、このメッシュエリア毎の日照データに基づき、太陽光発電設備データベースの設備情報を参照して、太陽光発電設備毎の発電量を予測演算する(ステップ5)。そして、この太陽光発電設備毎の発電量に基づき、配電線情報データベースに格納されている区間情報を参照して、その区間に存在する太陽光発電設備の発電量を積算して、区間毎の太陽光発電設備による発電量を演算し(ステップ6)、さらに、配電線情報データベースに格納されている配電線情報を参照して、区間毎の太陽光発電設備による発電量を積算して配電線毎の太陽光発電設備による発電量を演算する(ステップS7)。
【0049】
このように、個々の太陽光発電設備の発電量を積み上げて配電線毎の発電量が算出されると、制御所において、送電系統データベースの変圧器情報を参照して、配電線毎の発電量に基づき、変圧器毎の太陽光発電設備による発電量を算出し(ステップS8)、さらに、送電系統データベースの配電線情報を参照して、系統毎の太陽光発電設備による発電量を演算する(ステップS9)。
【0050】
制御所端末3は、変圧器ごとの発電量を算出することで、日照量の減少や配電線事故による変圧器の過負荷予想や電圧低下予想を行う(ステップS10)。
例えば、現在の変圧器毎の発電量と雲の移動によるある時間後の発電量と変圧器の容量負荷曲線から過負荷(電圧低下)または軽負荷(電圧上昇)を予想することが可能となる。また、配電線電流と算出した変圧器毎の太陽光発電量から負荷を想定してもよい。
【0051】
そして、給電所の給電所端末1が、制御所端末3から系統毎の太陽光発電設備による発電量の演算結果を受けると、その系統毎の発電量を集計して、基幹系統(全社)の発電量を算出する(ステップS11).
これにより、給電所は、基幹系統の太陽光発電設備による発電量を把握できると共に、この発電量の変動量を吸収するように、他の発電設備による電気の需要予測を行い、AFC運転をする等して他の発電設備による負荷制御を実施する(S12)。
【0052】
したがって、以上の構成によれば、送電系統または配電系統への連系を申請する際に申請された太陽光発電設備の仔細な設備データに基づき、また、予め区分けされたメッシュエリアの日照データに基づき、個々の太陽光発電設備の発電量が演算され、その個々の太陽光発電設備の発電量を積み重ねて、配電線の区間毎、配電線毎、変圧器毎、系統毎、基幹系統毎に順次積算してそれぞれの単位で太陽光発電設備による発電量が算出されるので、太陽光発電量の詳細な予測がつき、また、給電調整の精度を高めることが可能となる。
【0053】
また、変圧器毎の太陽光発電状況を把握できるので、配電系統の構成を変更するなど、設備的な対策も立てやすくなる。さらに、配電線事故時の電源脱落量も把握でき、変圧器過負荷運転の目安にすることも可能となる。
【0054】
以上の構成は、リアルタイムで太陽光発電設備の発電量を把握し、それに応じて過負荷予想や他の発電設備による負荷調整を行うようにしたものであるが、所定時間経過後(例えば、30分後)の太陽光発電設備による発電量を予測するために用いるようにしてもよい。
【0055】
このような構成においては、図7に示されるように、ステップS2の処理において、所定時間経過後の雲の状態を示す画像を作成し、この雲の状態を示す画像から上述と同様の処理を行い、所定時間経過後の各種データ(所定時間経過後の日照データ:S4)や発電量(所定時間経過後の太陽光発電設備毎の発電量:S5、所定時間経過後の区間毎の発電量:S6、所定時間経過後の配電線毎の発電量:S7、所定時間経過後の変圧器毎の発電量:S8、所定時間経過後の系統毎の発電量:S9、所定時間経過後の基幹系統の発電量:S11)を算出する。
【0056】
尚、所定時間経過後の雲の状態を示す画像は、衛星画像による現在の雲の状態を示す画像に気象データ(風力、風向き等)などを考慮して作成してもよく、
ベース画像とこの所定時間後の雲の状態を示す画像を重ね合わせて透過データを作成し、この透過データと太陽位置情報から所定時間経過後の日照データが太陽光発電設備があるメッシュエリアに対して作成される。例えば、図2(a)で示す例において、現時点で雲がなく、太陽光発電設備があるメッシュエリアで日照%が100%である場合に、30分後に図3で示すような雲があり、この雲により日照量が80%に低下し、また、太陽が南へ10度移動する場合を想定すると、図8(b)に示されるように、日照データが形成される。
【0057】
したがって、ステップS5以降の処理では、図8(b)で示される日照データに基づいてそれぞれの発電量が算出されることり、30分後の太陽発電設備による発電量を把握できると共に、ステップS10において、30分後の負荷変動予測が可能となり、また、ステップS12において、30分後の需要予測が可能となり、他の発電設備による負荷調整を的確に行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0058】
1 発電所端末
2 営業所端末
3 制御所端末
10 メッシュエリア情報データベース
11 太陽光発電設備データベース
12 画像データ処理部
13 日照データ作成部
14 基幹系統発電量演算部
15 負荷調整部
17 基幹系統データベース
21 太陽光発電設備データベース
22 配電線情報データベース
23 発電設備単位発電量演算部
24 区間単位発電量演算部
25 配電線単位発電量演算部
31 送電系統データベース
32 変圧器単位発電量演算部
33 系統単位発電量演算部
34 負荷予想部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電設備の発電量を把握する太陽光発電設備発電量把握システムであって、
予めメッシュ状に区分けされたメッシュエリアに関する情報を格納するメッシュエリア情報データベースと、
各太陽光発電設備の所在情報を含む設備データを登録する太陽光発電設備データベースと、
配電線情報及びその区間情報を含む配電系統に関する情報を格納する配電線情報データベースと、
前記メッシュエリア毎の日照データを生成する第1の端末と、
前記配電線毎の太陽光発電設備による発電量を演算する第2の端末と、
を少なくとも備え、
前記第1の端末は、
前記メッシュエリア情報データベースに格納されたメッシュエリアに関する情報と前記太陽光発電設備データベースに格納された太陽光発電設備の所在情報とを参照して、太陽光発電設備が設置されているメッシュエリアを単一色に塗布したベース画像を生成するベース画像生成手段と、
気象衛星からの画像データに基づき、雲の状態を示す画像を生成する雲画像生成手段と、
前記ベース画像生成手段で生成されたベース画像と前記雲画像生成手段で生成された雲の状態を示す画像とを重ね合わせて、前記単一色が塗布された前記メッシュエリアの塗布された色の透過割合を数値化した透過データを算出する透過データ算出手段と、
前記透過データに基づき算出された日照量、及び、太陽の位置情報を含む日照データを前記メッシュエリア毎に生成する日照データ生成手段とを備え、
前記第2の端末は、
前記太陽光発電設備データベースに格納された各太陽光発電設備の設備データと前記日照データとを参照して、各太陽光発電設備の発電量を演算する発電設備単位発電量演算手段と、
前記配電線情報データベースに格納された前記区間情報を参照して、前記発電設備単位発電量演算手段で演算された各太陽光発電設備の発電量に基づき、配電線の区間ごとの太陽光発電設備による発電量を演算する区間単位発電量演算手段と、
前記配電線情報データベースに格納された前記配電線情報を参照して、前記区間単位発電量演算手段で演算された区間毎の発電量に基づき、配電線毎の太陽光発電設備による発電量を演算する配電線単位発電量演算手段と
を具備することを特徴とする太陽光発電量把握システム。
【請求項2】
変圧器情報および送電系統情報が格納された送電系統データベースと、系統の運用を行う第3の端末とをさらに備え、
前記第3の端末は、
前記送電系統データベースの変圧器情報を参照して、前記配電線単位発電量演算手段によって演算された配電線毎の発電量に基づき、変圧器毎の太陽光発電設備による発電量を演算する変圧器単位発電量演算手段と、
前記送電系統データベースの送電系統情報を参照して、前記変圧器単位発電量演算手段によって演算された変圧器毎の発電量に基づき、系統毎の太陽光発電設備による発電量を演算する系統単位発電量演算手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1記載の太陽光発電量把握システム。
【請求項3】
基幹系統情報が格納された基幹系統データベースをさらに備え、
前記第1の端末は、
前記基幹系統データベースの基幹系統情報を参照して、前記系統単位発電量演算手段で演算された系統毎の発電量に基づき、基幹系統の太陽光発電設備による発電量を演算する基幹系統発電量演算手段を更に具備することを特徴とする請求項2記載の太陽光発電量把握システム。
【請求項4】
請求項2記載の太陽光発電量把握システムを用いた負荷予想装置であって、
前記変圧器単位発電量演算手段で演算された変圧器毎の発電量に基づき、変圧器の負荷を予想する変圧器負荷予想手段を更に具備することを特徴とする太陽光発電量把握システムを用いた負荷予想装置。
【請求項5】
請求項3記載の太陽光発電量把握システムを用いた負荷調整装置であって、
前記基幹系統発電量演算手段で演算された基幹系統の発電量に基づき、他の発電設備による負荷調整を行う負荷調整手段を更に具備することを特徴とする太陽光発電量把握システムを用いた負荷調整装置。
【請求項6】
太陽光発電設備の発電量を把握する太陽光発電設備発電量把握システムであって、
予めメッシュ状に区分けされたメッシュエリアに関する情報を格納するメッシュエリア情報データベースと、
各太陽光発電設備の所在情報を含む設備データを登録する太陽光発電設備データベースと、
配電線情報及びその区間情報を含む配電系統に関する情報を格納する配電線情報データベースと、
前記メッシュエリア毎の日照データを生成する第1の端末と、
前記配電線毎の太陽光発電設備による発電量を演算する第2の端末と、
を少なくとも備え、
前記第1の端末は、
前記メッシュエリア情報データベースに格納されたメッシュエリアに関する情報と前記太陽光発電設備データベースに格納された太陽光発電設備の所在情報とを参照して、太陽光発電設備が設置されているメッシュエリアを単一色に塗布したベース画像を生成するベース画像生成手段と、
気象衛星からの画像データに少なくとも基づき、所定時間後の雲の状態を示す予測雲画像を生成する予測雲画像生成手段と、
前記ベース画像生成手段で生成されたベース画像と前記予測雲画像生成手段で生成された雲の状態を示す画像とを重ね合わせて、前記単一色が塗布された前記メッシュエリアの塗布された色の透過割合を数値化した予測透過データを算出する予測透過データ算出手段と、
前記予測透過データに基づき算出された予測日照量、及び、太陽の位置情報を含む予測日照データを前記メッシュエリア毎に生成する予測日照データ生成手段とを備え、
前記第2の端末は、
前記太陽光発電設備データベースに登録された各太陽光発電設備の設備データと、前記予測日照データとを参照して、各太陽光発電設備の予測発電量を演算する発電設備単位予測発電量演算手段と、
前記配電線情報データベースに格納された前記区間情報を参照して、前記発電設備単位予測発電量演算手段で演算された各太陽光発電設備の予測発電量に基づき、配電線の区間ごとの太陽光発電設備による予測発電量を演算する区間単位予測発電量演算手段と、
前記配電線情報データベースに格納された前記配電線情報を参照して、前記区間単位予測発電量演算手段で演算された区間毎の予測発電量に基づき、配電線毎の太陽光発電設備による予測発電量を演算する配電線単位予測発電量演算手段と
を具備することを特徴とする太陽光発電量把握システム。
【請求項7】
変圧器情報および送電系統情報が格納された送電系統データベースと、系統の運用を行う第3の端末とをさらに備え、
前記第3の端末は、
前記送電系統データベースの変圧器情報を参照して、前記配電線単位予測発電量演算手段によって演算された配電線毎の予測発電量に基づき、変圧器毎の太陽光発電設備による予測発電量を演算する変圧器単位予測発電量演算手段と、
前記送電系統データベースの送電系統情報を参照して、前記変圧器単位予測発電量演算手段によって演算された変圧器毎の予測発電量に基づき、系統毎の太陽光発電設備による予測発電量を演算する系統単位予測発電量演算手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項6記載の太陽光発電量把握システム。
【請求項8】
基幹系統情報が格納された基幹系統データベースをさらに備え、
前記第1の端末は、
前記送電系統データベースの送電系統情報を参照して、前記系統単位予測発電量演算手段で演算された送電線毎の予測発電量に基づき、基幹系統の予測発電量を演算する基幹系統予測発電量演算手段を含むことを特徴とする請求項7記載の太陽光発電量把握システム。
【請求項9】
請求項7記載の太陽光発電量把握システムを用いた負荷予想装置であって、
前記変圧器単位予測発電量演算手段で演算された変圧器毎の予測発電量に基づき、変圧器の負荷を予想する変圧器負荷予想手段を更に具備することを特徴とする太陽光発電量把握システムを用いた負荷予想装置。
【請求項10】
請求項8記載の太陽光発電量把握システムを用いた負荷調整装置であって、
前記基幹系統予測発電量演算手段で演算された基幹系統の予測発電量に基づき、他の発電設備による負荷調整を行う負荷調整手段を更に具備することを特徴とする太陽光発電量把握システムを用いた負荷調整装置。



【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【図3】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−29923(P2013−29923A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164259(P2011−164259)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】