説明

太陽電池アレイ

【課題】太陽電池モジュールの搭載容量を大きくできる太陽電池アレイを提供する。
【解決手段】太陽電池アレイは、2つの多角形状第1太陽電池モジュール1及び1つの四角形状第2太陽電池モジュール2を有し、1つの第1太陽電池モジュール1は、1つの第1太陽電池モジュール1の第2辺と第2太陽電池モジュール2の上辺を対向に配置し、第1太陽電池モジュール1は、第1太陽電池モジュール1の第3辺と第2太陽電池モジュール2の第2側辺を対向に配置し、第1太陽電池モジュール1の第4辺の他端部から第4辺の長手方向に延びる仮想線と第1太陽電池モジュール1の第2辺の他端部から第2辺の長手方向延びる仮想線との交点から第2辺の他端部までの最短距離をDとしたとき、第1辺の長さがnD(nは1以上の整数)で、第2辺の長さがmD(mはnより大きい整数)で、上辺及び下辺の長さを2Dとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池アレイに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の太陽電池モジュールを住宅の屋根上に設置した太陽電池アレイの普及が進められている。このような太陽電池モジュールは、一般的に、矩形状である。
【0003】
しかしながら、太陽電池アレイを設置する屋根の形状は種々のものがあり、例えば寄棟屋根がある。寄棟屋根の各面(以下、屋根面とする)の形状は、三角形または台形を成している。そのため、矩形状の太陽電池モジュールを用いた場合、隅棟に沿って太陽電池モジュールを設置しにくい。それゆえ、屋根の隅棟と太陽電池モジュールとの間隔が大きくなり、屋根面における太陽電池モジュール(太陽電池アレイ)の搭載容量が小さくなる。
【0004】
そこで、寄棟屋根の隅棟に沿う斜辺を有する太陽電池モジュールを用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−274660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
寄棟屋根における屋根面の形状は様々である。そのため、隅棟と軒先との成す角度は、建物によって異なってくる。それゆえ、太陽電池モジュールの斜辺の角度は、平均的な隅棟と軒先との成す角度に合わせて決められる。
【0007】
しかしながら、上記角度が平均値から外れている場合、上記太陽電池モジュールが搭載された太陽電池アレイの隅棟に沿った部分の角度と、屋根面の隅棟と軒先との成す角度との差が大きくなる。そのため、太陽電池アレイと屋根面の隅棟との間隔が大きくなりやすくなる。これにより、屋根面における太陽電池アレイの搭載容量が小さくなる場合がある。
【0008】
本発明の1つの目的は、種々の屋根面の形状においても高い搭載容量を有する太陽電池アレイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る太陽電池アレイは、2つの多角形状の第1太陽電池モジュールおよび1つの四角形状の第2太陽電池モジュールを有する。また、本実施形態において、前記第1太陽電池モジュールは、第1辺、該第1辺に平行な第2辺、前記第1辺および前記第2辺に直交するように前記第1辺の一端部および前記第2辺の一端部を接続する第3辺、一端部が前記第1辺の他端部に接続されており、前記第1辺から前記第2辺に向かうにつれて前記第3辺から遠ざかる方向に傾斜する第4辺、ならびに前記第2辺の他端部および前記第4辺の他端部を接続する第5辺を有する。また、本実施形態において、前記第2太陽電池モジュールは、上辺、該上辺に平行な下辺、前記上辺および前記下辺に直交するように前記上辺の一端部および前記下辺の一端部を接続する第1側辺、ならびに前記上辺および前記下辺に直交するように前記上辺の他端部および前記下辺の他端部を接続する第2側辺を有している。また、本実施形態において、1つの前記第1太陽電池モジュー
ルは、該1つの第1太陽電池モジュールの前記第2辺と前記第2太陽電池モジュールの前記上辺とが対向するように配置され、他の前記第1太陽電池モジュールは、該他の第1太陽電池モジュールの前記第3辺と前記第2太陽電池モジュールの前記第2側辺とが対向するように配置されている。そして、本実施形態では、前記第4辺の他端部から該第4辺の長手方向に沿って延びる仮想線と前記第2辺の他端部から該第2辺の長手方向に沿って延びる仮想線との交点から前記第2辺の他端部までの最短距離をDとしたとき、前記第1辺の長さがnD(nは1以上の整数)であり、前記第2辺の長さがmD(mはnよりも大きい整数)であり、前記上辺および前記下辺の長さが2Dである。
【発明の効果】
【0010】
上述の太陽電池アレイによれば、第1太陽電池モジュールの第4辺の他端部から該第4辺の長手方向に沿って延びる仮想線と第1太陽電池モジュールの第2辺の他端部から該第2辺の長手方向に沿って延びる仮想線との交点から第1太陽電池モジュールの第2辺の他端部までの最短距離Dの長さ(ピッチ)分ずつ、第2太陽電池モジュールを屋根の隅棟に近づけることができる。これにより、第2太陽電池モジュールの第2側辺側に位置する第1太陽電池モジュールが隅棟に沿うように配置されやすくなる。その結果、1つの屋根面に対する太陽電池モジュールの搭載容量が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る太陽電池アレイのうち、第1配置で太陽電池アレイを屋根面に設置した様子を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る第1配置の太陽電池アレイを示す図面であり、(a)は図1に示す太陽電池アレイを受光面側から見た様子を示すモデル図であり、(b)は図2(a)に示す太陽電池アレイのハッチング部のみを取り出して示すモデル図であり、(c)は太陽電池アレイの第1太陽電池モジュールを示すモデル図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る太陽電池アレイのうち、第2配置で太陽電池アレイを屋根面に設置した様子を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る第2配置の太陽電池アレイを示す図面であり、(a)は図3に示す太陽電池アレイを受光面側から見た様子を示すモデル図であり、(b)は図4(a)に示す太陽電池アレイのハッチング部を取り出して示すモデル図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る太陽電池アレイのうち、第3配置で太陽電池アレイを屋根面に設置した様子を示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る第3配置の太陽電池アレイを示す図面であり、(a)は図5に示す太陽電池アレイを受光面側から見た様子を示すモデル図であり、(b)は図6(a)に示す太陽電池アレイのハッチング部を取り出して示すモデル図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る太陽電池アレイに配置される太陽電池モジュールの一部である太陽電池パネルの断面を示すモデル図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る太陽電池アレイに用いる第1太陽電池モジュールを示す図であり、(a)は受光面側から見た平面図を示し、(b)は図8(a)の太陽電池モジュールを裏面側から見た平面図を示し、(c)は図8(a)のA−A’線における断面図を示し、(d)は図8(a)のB−B’線における断面図を示す。
【図9】本発明の第1実施形態に係る太陽電池アレイに用いる第2太陽電池モジュールを示す図であり、(a)は受光面側から見た平面図を示し、(b)は図9(a)の太陽電池モジュールを裏面側から見た平面図を示し、(c)は図9(a)のC−C’線における断面図を示し、(d)は図9(a)のD−D’線における断面図を示す。
【図10】本発明の第1実施形態に係る太陽電池アレイを示す図面であり、(a)は図1のE−E’線における断面図を示し、(b)は図10(a)のF部を拡大した断面図を示す。
【図11】本発明の第1実施形態に係る太陽電池アレイを示す図面であり、(a)は図10のF部を分解して示す斜視図であり、(b)は図10のF部の組み立て後の様子を示す斜視図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る太陽電池アレイを示すモデル図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る太陽電池アレイを示すものであり、(a)はモデル図であり、(b)は図13(a)に示す太陽電池アレイのうちハッチング部を抜き出して示すモデル図であり、(c)は太陽電池アレイの第1太陽電池モジュールを取り出して示すモデル図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る太陽電池アレイを示すものであり、(a)はモデル図であり、(b)は図14(a)に示す太陽電池アレイのハッチング部を取り出して示すモデル図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る太陽電池アレイを示すものであり、(a)はモデル図であり、(b)は図15(a)に示す太陽電池アレイのハッチング部を取り出して示すモデル図である。
【図16】本発明の第4実施形態に係る太陽電池アレイを示すモデル図である。
【図17】他の実施形態に係る太陽電池アレイを示すものであり、(a)はモデル図であり、(b)は図17(a)に示す太陽電池アレイのうちハッチング部を抜き出して示すモデル図である。
【図18】他の実施形態に係る太陽電池アレイを示すものであり、(a)はモデル図であり、(b)は図18(a)に示す太陽電池アレイのハッチング部を取り出して示すモデル図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態に係る太陽電池アレイについて図面を参照しつつ説明する。
【0013】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る太陽電池アレイ11は、図1乃至図6に示すように、複数の多角形状の第1太陽電池モジュール1と、複数の四角形状の第2太陽電池モジュール2とを有している。さらに、太陽電池アレイ11は、第1太陽電池モジュール1および第2太陽電池モジュール2を屋根面12上に固定するレール部材13を有している。
【0014】
次に、太陽電池アレイ11を構成する部材について説明する。なお、以下の説明において、屋根面12の面方向において、屋根面12の傾斜方向に垂直な方向をx方向、屋根面12の傾斜方向に平行な方向をy方向とする。そして、屋根面12に垂直な方向、すなわち、x方向およびy方向のいずれに対しても垂直な方向をz方向とする。また、図1、図3および図5の説明において、各図中、屋根面12の傾斜の上方向(棟側)を上側、屋根面12の傾斜の下方向(軒側)を下側とする。
【0015】
≪太陽電池モジュールの概略構成≫
第1および第2太陽電池モジュールは、例えば、図7乃至図9に示すように、太陽電池パネル21と、該太陽電池パネル21の外周に配置されたフレーム22とを有している。
【0016】
太陽電池パネル21は、図7に示すように、主として光を受光する受光面21aと該受光面21aの裏面に相当する非受光面21bとを有している。そして、太陽電池パネル21は、受光面21a側から順に、透光性基板23、充填材24、インナーリード25で接続された複数の太陽電池セル26、充填材24、裏面保護部材27および端子ボックス28を有している。そのため、本実施形態において、太陽電池パネル21の受光面21aは、透光性基板23の表面(おもて面)となる。一方で、太陽電池パネル21の非受光面21bは、裏面保護部材27の裏面となる。
【0017】
透光性基板23は、第1および第2太陽電池モジュールの基板として機能する。このような透光性基板23としては、例えば、強化ガラスまたは白板ガラス等が挙げられる。
【0018】
一対の充填材24は、太陽電池セル26を封止する機能を有している。このような充填材24としては、エチレンビニルアセチレートの共重合体などの熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0019】
インナーリード25は、隣り合う太陽電池セル26同士を電気的に接続する機能を有している。このようなインナーリード25としては、例えば、太陽電池セル26と接続させるための半田が被覆された銅箔などが挙げられる。
【0020】
太陽電池セル26は、入射された光を電気に変換する機能を有している。このような太陽電池セル26は、例えば、単結晶シリコンや多結晶シリコン等からなる基板と、該基板の表面(上面)および裏面(下面)に設けられた電極とを有している。単結晶シリコン基板または多結晶シリコン基板を有する太陽電池セル26は、四角形状を成している。このとき、太陽電池セル26の一辺の大きさは、例えば、100〜200mmであればよ
い。このようなシリコン基板を有する太陽電池セル26では、例えば、隣接する太陽電池セル26のうち、一方の太陽電池セル26の表面に位置する電極と、他方の太陽電池セル26の裏面に位置する電極とがインナーリード25で電気的に接続されている。これにより、複数の太陽電池セル26が直列接続されるように配列される。
【0021】
なお、太陽電池セル26の種類は、特に制限されない。例えば、アモルファスシリコン、CIGSまたはCdTeなどの材料より成る薄膜系の太陽電池セルが採用されてもよい。上述した薄膜系の太陽電池セルは、例えば、ガラス基板上に、アモルファスシリコン層、CIGS層またはCdTe層などの光電変換層および透明電極などを適宜積層させたものが利用できる。このような薄膜系の太陽電池セルは、ガラス基板上で光電変換層および透明電極にパターニングを施して集積化することによって得られている。そのため、薄膜系の太陽電池セルでは、インナーリード25を用いない。なお、薄膜系の太陽電池セルは、帯状を成している。また、薄膜系の太陽電池セルの場合、各素子の面積が同じである必要がある。そのため、例えば、五角形状の第1太陽電池モジュール1に、薄膜系の太陽電池セルを用いる場合、電気的に接続される各太陽電池セルの面積が同じになるように、各太陽電池セルの幅を調整して用いればよい。さらに、太陽電池セル26は、単結晶または多結晶シリコン基板上にアモルファスシリコンの薄膜を形成したタイプであってもよい。
【0022】
裏面保護部材27は、第1および第2太陽電池モジュールの裏面を保護する機能を有している。このような裏面保護部材27は、太陽電池パネル21の非受光面21b側に位置する充填材24と接着している。
【0023】
端子ボックス28は、太陽電池セル26で得られた出力を外部に取り出すものである。端子ボックス28は、箱体と、該箱体内に配置されるターミナル板と、箱体の外部へ電力を導出する出力ケーブルとを有している。箱体の材料としては、例えば、変性ポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE樹脂)やポリフェニレンオキサイド樹脂(PPO樹脂)が挙げられる。
【0024】
次に、第1太陽電池モジュール1および第2太陽電池モジュール2の構造について図8および図9を用いて、詳細に説明する。
【0025】
<第1太陽電池モジュール>
第1太陽電池モジュール1は、例えば、図8(a)に示すように、紙面上、右側に斜辺(第4辺)を有する五角形状を成している。より具体的には、長方形状の太陽電池モジュールの一角を切り落とした五角形状を成している。なお、第1太陽電池モジュール1としては、例えば、図2に示すように、左側に斜辺を有する態様も含まれる。
【0026】
第1太陽電池モジュール1は、図8(a)などに示すように、上側に位置する第1辺1aおよび第1辺1aに平行な第2辺1bを有する。さらに、第1太陽電池モジュール1は、第1辺1aおよび第2辺1bに直交するように、第1辺1aの一端部および第2辺1bの一端部を接続する第3辺1cを有する。さらに、第1太陽電池モジュール1は、第1辺1aの他端部から延びており、第2辺1bに向かうにつれて第3辺1cから遠ざかる方向に傾斜する斜辺に相当する第4辺1dを有する。さらに、第1太陽電池モジュール1は、第2辺1bと直交し、第2辺1bの他端部と第4辺1dの一端部を接続する第5辺1eを有する。また、以下の説明では、第1辺1aと第4辺1dとの成す角部を第1角部1f、第2辺1bと第5辺1eとの成す角部を第2角部1g、第4辺1dと第5辺1eとの成す角部を第3角部1h、第1辺1aと第3辺1cとの成す角部を第4角部1kとする。第1太陽電池モジュール1では、第1辺乃至第5辺の内側の領域に、複数の太陽電池パネル21が配置されている。
【0027】
第1太陽電池モジュール1のフレーム22は、太陽電池パネル21を保持する機能を有する。すなわち、フレーム22は、図8(a)および図8(b)に示すように、太陽電池パネル21の外周を補強する長尺状の部材である。より具体的に、フレーム22は、図8(c)および図8(d)に示すように、嵌合部22a、フレーム上面22b、フレーム底面22cおよびフレーム側面22dを有している。嵌合部22aは、太陽電池パネル21に嵌合する部分である。フレーム上面22bは、太陽光を受光する側に位置する一主面に相当する部位である。フレーム底面22cは、フレーム上面22bの裏面側に位置する他主面に相当する部位である。フレーム側面22dは、フレーム上面22bおよびフレーム底面22cを接続するとともに、外側に露出している側面である。
【0028】
また、第1太陽電池モジュール1のフレーム22は、第1フレーム22Aおよび第2フレーム22Bの2種類で構成されている。そして、第1太陽電池モジュール1では、少なくとも第1辺1aおよび第2辺1bに第1フレーム22Aが用いられる。第1フレーム22Aは、フレーム側面22dの長手方向に延在するフレーム凹部22eを有する。フレーム凹部22eは、後述するレール部材13と係合する。このようなフレーム22は、例えば、アルミニウムを押し出し成形すること等によって製造することができる。
【0029】
また、単結晶シリコンまたは多結晶シリコン基板を用いた四角形状の太陽電池セル26を含む太陽電池パネル21を用いる場合、図8(a)に示すように、太陽電池セル26の1辺が、第1太陽電池モジュール1の第1辺1aと同じ方向(同図中の左右方向)に沿うように太陽電池セル26が配列されている。このとき、第1太陽電池モジュール1の第1辺1aの長さは、太陽電池セル26の1辺の長さの1倍以上の長さであればよい。これにより、第1辺1aに太陽電池セル26を近接させることができるため、太陽電池モジュール1内の太陽電池セル26の占有率を高めることができる。また、本実施形態では、第1辺1aの長さを太陽電池セル26の1辺の長さの2倍未満とした。これにより、第1辺1aの長さを短くしつつ、第1辺1aに太陽電池セル26を近接させる態様とすることができる。その結果、第1太陽電池モジュール1内の太陽電池セル26の占有率を高めつつ、上辺が短い台形状の屋根に対しても、該上辺に第1太陽電池モジュール1を近接して配置させやすくなる。
【0030】
また、第2辺1bと第4辺1dを連結しy方向に平行な第5辺1eを設けたことで、第1太陽電池モジュール1への太陽電池セル26の充填率を高めて有効受光面積を大きくすることができる。第1太陽電池モジュール1において、第5辺1eの長さは、図8(a)における太陽電池セル26の上下方向における1辺の長さの1倍以上であれば良い。これにより、第5辺1eに近接して太陽電池セル26が配置されやすくなるため、第1太陽電池モジュール1の光電変換に寄与する面積が大きくなりやすい。
【0031】
また、一般的な寄棟屋根の隅棟の角度が約45°である。そのため、第4辺1dを隅棟に意匠性よく近接させる観点から、第2辺1bに平行な線と第4辺1dとの成す角度θは60°以下であれば良い。なお、第1太陽電池モジュール1は、フレーム22を有さない態様であっても良い。
【0032】
<第2太陽電池モジュール>
第2太陽電池モジュール2は、図9(a)および図9(b)に示すように、四角形状を成している。なお、本実施形態において、第2太陽電池モジュール2は、長方形の態様が示されているが、正方形であっても良い。
【0033】
第2太陽電池モジュール2は、図9(a)などに示すように、上側に位置する上辺2aおよび上辺2aに平行な下辺2bを有する。さらに、第2太陽電池モジュール2は、上辺2aおよび下辺2bに直交し、上辺2aの一端部および下辺2bの一端部を接続する第1側辺2cを有する。さらに、第2太陽電池モジュール2は、上辺2aおよび下辺2bに直交し、上辺2aの他端部および下辺2bの他端部を接続する第2側辺2dを有する。
【0034】
第2太陽電池モジュール2のフレーム22は、第3フレーム22Cおよび第1太陽電池モジュール1と同形状の第1フレーム22Aの2種類で構成されている。第2太陽電池モジュール2では、少なくとも上辺2aおよび下辺2bに第1フレーム22Aが用いられる。そして、本実施形態に係る第2太陽電池モジュール2では、第1側辺2cおよび第2側辺2dに第3フレーム22Cが用いられる。なお、第2太陽電池モジュール2は、フレーム22を有さない態様であってもよい。
【0035】
≪太陽電池モジュールの配置パターン≫
次に、太陽電池アレイ11を構成する第1および第2太陽電池モジュールの配置パターンについて説明する。
【0036】
太陽電池アレイ11では、x方向に延在するレール部材13上に、第1太陽電池モジュール1の第1フレーム22Aおよび第2太陽電池モジュール2の第1フレーム22Aが固定されている。具体的には、図10と図11に示すように、第1太陽電池モジュール1のフレーム凹部22eおよび第2太陽電池モジュール2のフレーム凹部22eが、レール部材13上でレール凸部13aと係合することによって、第1太陽電池モジュール1および第2太陽電池モジュール2が屋根面12に固定される。また、レール部材13は、屋根面12上に木ネジ等で締結された固定部材14上に固定される。上述のように、第1フレーム22Aのフレーム凹部22eと、レール部材13のレール部材凸部13aは、x方向へ延在しており、第1太陽電池モジュール1および第2太陽電池モジュール2をx方向の任意の位置で固定可能である。これにより、第1太陽電池モジュール1および第2太陽電池モジュール2をレール部材13を用いることによって、屋根面12に対して種々のパターンで配置できる。
【0037】
次に、太陽電池モジュールの配置パターン、すなわち、太陽電池アレイ11の外観形状が異なるものについて図面を参照しつつ説明する。ここで、図1および図2で示した配置を第1配置11a、図3および図4で示した配置を第2配置11bならびに図5および図6で示した配置を第3配置11cとして説明する。なお、以下の説明では、図2、図4および図6においてハッチングが記された2つの第1太陽電池モジュール1について、ハッチングが記された第2太陽電池モジュール2の上側に配置されている第1太陽電池モジュール1を第1太陽電池モジュール1Aとし、第2太陽電池モジュール2の右側に配置されている第1太陽電池モジュール1を第1太陽電池モジュール1Bとする。また、図2、図4および図6においてy方向に延びる点線で囲まれたx方向における幅を1ピッチとする

【0038】
これにより、図2(c)に示すように、第1太陽電池モジュール1の第1辺1aの長さは1ピッチとなり、第2辺1bの長さは3ピッチとなる。また、第2太陽電池モジュール2の上辺1bの長さは2ピッチとなる。また、図2(c)に示すように、第1太陽電池モジュール1において、第4辺1dの他端部(第3角部1h)から第4辺1dの長手方向に沿って延びる第4仮想線1paと、第2辺1bの他端部(第2角部1g)から第2辺1bの長手方向に沿って延びる第5仮想線1pbとの交点1qから第2辺1bの他端部(第2角部1g)までの最短距離は1ピッチである。この最短距離を距離Dとしたとき、第1太陽電池モジュール1の第1辺1aの長さが1Dであり、第1太陽電池モジュール1の第2辺1bの長さが3Dであり、第2太陽電池モジュール2の上辺2bの長さが2Dとなる。これにより、本実施形態において、第1太陽電池モジュール1および第2太陽電池モジュール2の各辺は、距離Dの整数倍で示される。
【0039】
第1配置11aでは、図2(b)に示すように、第1太陽電池モジュール1Aの第3辺1cの延長線上に、第2太陽電池モジュール2の第1側辺2cが位置している。また、第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dは、第1太陽電池モジュール1Aの第5辺1eの延長線上よりも1ピッチ(1Dの長さ)、太陽電池アレイの内側に位置している。また、第1太陽電池モジュール1Aは、第2辺1bと第2太陽電池モジュール2の上辺2aとが対向するように配置される。一方、第1太陽電池モジュール1Bは、第3辺1cと第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dとが対向するように配置されている。
【0040】
また、第1配置11aでは、図2(a)に示すように、x方向に配列されている、第1太陽電池モジュール1Aを含む太陽電池モジュール列Aの下辺の長さの総和は10ピッチである。さらに、x方向に配列されている、第1太陽電池モジュール1Bを含む太陽電池モジュール列Bの上辺の長さの総和も10ピッチである。それゆえ、第1配置11aを有する太陽電池アレイ11は、太陽電池モジュール列Aにおけるx方向の両端部にある第2角部1gと、太陽電池モジュール列Bにおけるx方向の両端部にある第1角部1fとが、y方向に沿って略同軸上に位置することとなる。
【0041】
ここで、図2(a)に示すように、太陽電池アレイ11において、x方向に配列されている複数の太陽電池モジュールからなる太陽電池モジュール列を+y方向側から太陽電池モジュール列Y1、Y2、Y3とする。なお、上述した太陽電池モジュール列Aは、太陽電池モジュール列Y2に相当し、太陽電池モジュール列Bは、太陽電池モジュール列Y3に相当する。このとき、太陽電池モジュール列Y2の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は4ピッチ(4D)である。また、太陽電池モジュール列Y3の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は8ピッチ(8D)である。このように第1配置11aにおいて、x方向に配列されている各太陽電池モジュール列の第1太陽電池モジュール1の間隔は、太陽電池モジュール列が−y方向に1列下るごとに4ピッチ(4D)ずつ増加することとなる。さらに、図2(b)に示すように、第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dは、第1太陽電池モジュール1Aの第5辺1eの延長線上よりも1ピッチ(1Dの長さ)分、太陽電池アレイの内側に位置している。これにより、x方向に配列されている太陽電池モジュール列の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は、太陽電池モジュール列が−y方向に1列下るごとに、第1太陽電池モジュール1の第2辺1bの長さ3DからDを減じたものの2倍の長さずつ大きくなる。これを式で表すと下式のようになる。
【0042】
第1太陽電池モジュール1の間隔=2・(3D−D)・(Y−1) … 式1
なお、Yは太陽電池モジュール列を+y方向側から数えた番号である。すなわち、図2(a)において、太陽電池モジュール列Y1は、Y=1となる。太陽電池モジュール列Y2
は、Y=2となる。太陽電池モジュール列Y3は、Y=3となる。式1より、各太陽電池モジュール列の第1太陽電池モジュール1の間隔は2Dの整数倍となることから、第1太陽電池モジュール1の間に第2太陽電池モジュール2をほぼ隙間なく配置することができる。
【0043】
本実施形態では、第2辺1bと第4辺1dを接続する第5辺1eを有することから、図2(a)に示すように屋根の隅棟の角度が第3辺1cに対する第4辺1dの角度よりも小さい場合であっても、図2(c)に示す交点1qに相当する部分がないので、太陽電池アレイ11から交点1qに相当する部分が突出しない。これにより、太陽電池アレイを屋根の隅棟に近接して配置して、屋根に対する太陽電池アレイ(太陽電池モジュール)の充填率を高めることができる。
【0044】
そして、第1配置における太陽電池アレイ11が設置され得る屋根の隅棟にもっとも近くなる太陽電池アレイ11の外形を象る仮想線(以下、第1仮想線11atとする)は、図2に示すように、第1太陽電池モジュール1Aおよび第1太陽電池モジュール1Bの第3角部1hをそれぞれ通る仮想線で示される。
【0045】
第2配置11bは、図4(b)に示すように、第1太陽電池モジュール1Aの第5辺1eの延長線上に、第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dおよび第1太陽電池モジュール1Bの第3辺1cが位置している点で第1配置11aと相違する。
【0046】
また、第2配置11bでは、図4(a)に示すように、太陽電池モジュール列Y2の下辺の長さの総和は12ピッチである。一方、太陽電池モジュール列Y3の上辺の長さの総和は14ピッチである。そして、第1太陽電池モジュール1Aの第4辺1dの延長線上に、第1太陽電池モジュール1Bの第4辺1dが位置するようになる。このとき、第2太陽電池モジュール1Bの第1角部1fは、図4(b)に示すように、第1太陽電池モジュール1Aの第2辺1bを第4辺1dの傾斜方向に1ピッチ延長した位置Pにある。また、第1太陽電池モジュール1Aの角度θと第1太陽電池モジュール1Bの角度θとが略同一であり、且つ第1太陽電池モジュール1Aの第1辺1aと第1太陽電池モジュール1Bの第1辺1bとが1ピッチの長さである。よって、第1太陽電池モジュール1Aの第4辺1dと第2太陽電池モジュール1Bの第4辺1dとが略同一直線上に位置することとなる。
【0047】
太陽電池モジュール列Y2の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は6ピッチ(6D)である。また、太陽電池モジュール列Y3の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は12ピッチ(12D)である。このように第2配置11bにおいて、x方向に配列されている各太陽電池モジュール列の第1太陽電池モジュール1の間隔は、太陽電池モジュール列が−y方向に1列下るごとに6ピッチ(6D)ずつ増加することとなる。さらに、図4(b)に示すように、第1太陽電池モジュール1Aの第5辺1eの延長線上に、第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dおよび第1太陽電池モジュール1Bの第3辺1cが位置していることから、x方向に配列されている太陽電池モジュール列の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は、太陽電池モジュール列が−y方向に1列下るごとに、第1太陽電池モジュール1の第2辺1bの長さ3Dの2倍の長さずつ大きくなる。これを式で表すと下式のようになる。
【0048】
第1太陽電池モジュール1の間隔=2・3D・(Y−1) … 式2
なお、Yは太陽電池モジュール列を+y方向側から数えた番号である。すなわち、図4(a)において、太陽電池モジュール列Y1は、Y=1となる。太陽電池モジュール列Y2は、Y=2となる。太陽電池モジュール列Y3は、Y=3となる。式2より、第1太陽電池モジュール1の間隔は2Dの整数倍となることから、第1太陽電池モジュール1の間に第2太陽電池モジュール2をほぼ隙間なく配置することができる。
【0049】
これにより、第2配置11bにおける太陽電池アレイ11が設置され得る屋根の隅棟にもっとも近くなる太陽電池アレイ11の外形を象る仮想線(以下、第2仮想線11bt)は、第1太陽電池モジュール1Aの第4辺1dおよび第1太陽電池モジュール1Bの第4辺1dをそれぞれ通る仮想線で示される。
【0050】
第3配置11cは、図6(b)に示すように、第1太陽電池モジュール1Aの第4辺1dの延長線上に、第1太陽電池モジュール1Bの第4角部1kが位置している点で第1配置11aおよび第2配置11bと相違する。換言すれば、第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dは、第1太陽電池モジュール1Aの第5辺1eの延長線上よりも1ピッチ(1Dの長さ)、太陽電池アレイの外方側に位置している。
【0051】
また、第3配置11cでは、図6(a)に示すように、太陽電池モジュール列Y2の下辺の長さの総和は14ピッチである。一方、太陽電池モジュール列Y3の上辺の長さの総和は18ピッチである。
【0052】
そして、第3配置11cにおける太陽電池アレイ11が設置され得る屋根の隅棟にもっとも近くなる太陽電池アレイ11の外形を象る仮想線(以下、第3仮想線11ct)は、第1太陽電池モジュール1Aの第1角部1fおよび第1太陽電池モジュール1Bの第1角部1fをそれぞれ通る仮想線で示される。
【0053】
また、図6(a)に示すように、太陽電池アレイ11は、太陽電池モジュール列Y2の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は、8ピッチ(8D)である。また、両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は8ピッチ(8D)である。また、太陽電池モジュール列Y3の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は16ピッチ(16D)である。このように第3配置11cにおいて、x方向に配列されている第1太陽電池モジュール1の間隔は、太陽電池モジュール列が−y方向に1列下るごとに8ピッチ(8D)ずつ増加することとなる。より詳細に見るとさらに、図6(b)に示すように、第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dは、の位置が、第1太陽電池モジュール1Aの第5辺1eの延長線上よりも1ピッチ(1Dの長さ)太陽電池アレイの外方に位置している。これにより、x方向に配列されている太陽電池モジュール列の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は、太陽電池モジュール列が−y方向に1列下るごとに、第1太陽電池モジュール1の第2辺1bの長さ3DにDを加えたものの2倍の長さづずつ大きくなる。これを式で表すと下式のようになる。
【0054】
第1太陽電池モジュール1の間隔=2・(3D+D)・(Y−1) … 式3
なお、Yは太陽電池モジュール列を+y方向側から数えた番号である。すなわち、図2(a)において、太陽電池モジュール列Y1は、Y=1となる。太陽電池モジュール列Y2は、Y=2となる。太陽電池モジュール列Y3は、Y=3となる。式3より、第1太陽電池モジュール1の間隔は2Dの整数倍となることから、第1太陽電池モジュール1の第3辺1cの間に、第2太陽電池モジュール2をほぼ隙間なく配置することができる。
【0055】
本実施形態では、図2、図4および図6に示すように、第1太陽電池モジュール1Aの第1辺1a、第1太陽電池モジュール1Bの第2辺1bおよび第2太陽電池モジュール2の上辺2aの長さの比が、1D:3D:2D=1:3:2である。
【0056】
第1太陽電池モジュール1は、第4辺1dの他端部(第3角部1h)から第4辺1dの長手方向に沿って延びる第4仮想線1paと、第2辺1bの他端部(第2角部1g)から第2辺1bの長手方向に沿って延びる第5仮想線1pbとの、交点1qから第2辺1bの他端部(第2角部1g)までの最短距離をDとしたときに、第1太陽電池モジュール1の
第1辺1aの長さがnD(nは1より大きい整数)とし、第1太陽電池モジュール1の第2辺1bの長さがmD(mはnよりも大きい整数)としたとき、n=1、m=3である。また、第2太陽電池モジュール2の上辺2bの長さが2Dとしている。
【0057】
これにより、第1配置11a、第2配置11bおよび第3配置11cの順に、太陽電池モジュール列Aおよび太陽電池モジュール列Aがx方向に1ピッチずつ広がる配置を選択できるようになっている。そのため、各太陽電池アレイ11の外形を象る第1仮想線11at、第2仮想線11btおよび第3仮想線11ctの角度を徐々に変えることができる。それゆえ、例えば、太陽電池アレイ11が設置される寄棟屋根の隅棟の角度と、上述した太陽電池アレイ11の仮想線が略一致するように太陽電池モジュールの配置を設定できる。その結果、1つの屋根面に対する太陽電池モジュールの搭載容量が大きくなる。なお、太陽電池モジュールの搭載容量とは、1つの屋根面の面積に対して、設置される太陽電池モジュールを平面視したときの面積の割合で示される。
【0058】
さらに、太陽電池アレイ11の各太陽電池モジュール列の第1太陽電池モジュール1の間隔は下式であらわすことができる。
【0059】
第1太陽電池モジュール1の間隔=2・(mD±αD)・(Y−1) … 式4
上式でmDは第1太陽電池モジュール1の第2辺1bの長さである。Yは太陽電池モジュール列を+y方向側から数えた番号である。すなわち、図2(a)、図4(a)、図6(a)において、太陽電池モジュール列Y1は、Y=1となる。太陽電池モジュール列Y2は、Y=2となる。太陽電池モジュール列Y3は、Y=3となる。±αDは第1太陽電池モジュール1Aの第5辺1eと第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dの位置関係である。また、αは整数である。例えば、図2(a)に示すように第1配置11aのように第1太陽電池モジュール1Aの第5辺1eの延長線上よりも太陽電池アレイの内側方向に1ピッチ、第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dが位置している場合は、±αD=−Dとなる。一方で第3配置11cのように第1太陽電池モジュールの第5辺1eの延長線上よりも太陽電池アレイの外側方向に1ピッチ、第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dが位置している場合は、±αD=+Dとなる。
【0060】
式4より、第1太陽電池モジュール1の第3辺1cの間隔は2Dの整数倍となることから、第1太陽電池モジュール1の第3辺1cの間に、第2太陽電池モジュール2をほぼ隙間なく配置することができる。
【0061】
また、本実施形態では、上述した辺の長さの比を有する太陽電池モジュールを用いているため、規則的な配置とすることができる。これにより、太陽電池アレイ11の意匠性が向上する。
【0062】
また、上述のように、x方向に並ぶ太陽電池モジュール列の長さは、1ピッチ単位で増減可能である。そのため、太陽電池モジュールと同様に、レール部材13は、第1配置11aと第2配置11bで、共通のものを使用することができ、第1配置11aと第2配置11bのいずれを選択しても同じ種類のレール部材13を用いることができる。レール部材13の長さは、第1辺1aの延在方向の長さのM倍(Mは2以上の整数)とするとよい。このとき、レール部材13の長さは、太陽電池モジュール列のx方向における長さを過度に超えない程度に設定すればよい。これにより、レール部材13の本数を低減できる。また、上述のような10ピッチ、12ピッチまたは14ピッチの長さの辺を支持するレール部材13には、例えば4ピッチと6ピッチの長さの複数のレール部材13を組み合わせて用いてもよい。
【0063】
また、1ピッチの長さは特に限定されるものではないが、例えば、200〜400mm
であれば良い。なお、第1太陽電池モジュール1Aの第1辺1a、第1太陽電池モジュール1Bの第2辺1bおよび第2太陽電池モジュール2の上辺2aの長さの比は、1:3:2であるが、±2%程度の誤差があっても良い。
【0064】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る太陽電池アレイについて、図12を参照しつつ説明する。本実施形態に係る太陽電池アレイ111Aは、太陽電池モジュール列の中に、x方向に第2太陽電池モジュール2のN倍(Nは2以上の整数)の上辺および下辺を有する第3太陽電池モジュール3を用いた点で第1実施形態と相違する。
【0065】
本実施形態に係る太陽電池アレイ111Aでは、上記第1実施形態における第2太陽電池モジュール2よりも大きい第3太陽電池モジュール3を用いているため、比較的大きな屋根に太陽電池アレイ111Aを設置する場合、該太陽電池アレイ111Aに用いられる太陽電池モジュールの枚数を低減することができる。さらに、本実施形態では、太陽電池モジュール間を接続する配線の数が低減されることによって、送電ロスが低減される。これにより、発電した電気の損失を低減できる。また、第2太陽電池モジュール2よりも大きな第3太陽電池モジュール3を用いることで、太陽電池アレイ111Aの面積あたりに使用するフレーム本数を少なくして、製造工数等を低減することができる。
【0066】
なお、上記のNの値は、第3太陽電池モジュール3のx方向の長さが、太陽電池アレイ111Aのx方向の長さを超えない範囲で適宜設定すればよい。
【0067】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る太陽電池アレイについて、図13乃至図15を参照しつつ説明する。本実施形態に係る太陽電池アレイ111Cは、第1太陽電池モジュール1の第1辺1a、第1太陽電池モジュール1の第2辺1bおよび第2太陽電池モジュール2の上辺2aの長さの比が、2D:5D:2D=2:5:2である点で、第1および第2実施形態の太陽電池アレイと相違する。
【0068】
本実施形態における太陽電池アレイ111Cでは、第1太陽電池モジュール1と第2太陽電池モジュール2が下記の構成を有する。図13(c)に示すように、第1太陽電池モジュール1は、第4辺1dの他端部(第3角部1h)から第4辺1dの長手方向に沿って延びる第4仮想線1paと、第2辺1bの他端部(第2角部1g)から第2辺1bの長手方向に沿って延びる第5仮想線1pbの交点1qから第2辺1bの他端部(第2角部1g)までの最短距離をDとしたとき、第1辺1aの長さが2Dであり、第2辺1bの長さが5Dである。また、図13(b)に示すように、第2太陽電池モジュール2の上辺2aの長さは2Dである。これにより、第1太陽電池モジュール1の第1辺1a、第1太陽電池モジュール1Bの第2辺1bおよび第2太陽電池モジュール2の上辺2aの長さの比は、2D:5D:2Dとなる。
【0069】
次に、本実施形態における太陽電池モジュールの配置(第4乃至代第6配置)について図面を参照しつつ説明する。
【0070】
まず、図13を用いて第3実施形態の太陽電池アレイ111Cの第4配置11dについて説明する。第4配置11dは、第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dの第2側辺2dが、第1太陽電池モジュール1Aの第5辺1eの延長線上よりも2ピッチ(2Dの長さ)分、太陽電池アレイの内側に位置している。そして、第4配置11dにおいて、太陽電池モジュール列Y2の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は6ピッチ(6D)である。また、太陽電池モジュール列Y3の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は12ピッチ(12D)である。このように、第4配置11dにおいて、x方向の
両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は、太陽電池モジュールの列が−y方向に1列下るごとに、第1太陽電池モジュール1の第2辺1bの長さ5Dから2Dを減じたものの2倍の長さずつ大きくなる。これを式で表すと下式のようになる。
【0071】
第1太陽電池モジュール1の間隔=2・(5D−2D)・(Y−1) … 式5
なお、Yは太陽電池モジュール列を+y方向側から数えた番号である。すなわち、図13(a)において、太陽電池モジュール列Y1は、Y=1となる。太陽電池モジュール列Y2は、Y=2となる。太陽電池モジュール列Y3は、Y=3となる。式5より、第1太陽電池モジュール1の間隔は2Dの整数倍となることから、第1太陽電池モジュール1の間に第2太陽電池モジュールをほぼ隙間なく配置することができる。
【0072】
次に、図14を用いて第3実施形態の太陽電池アレイ111Cの第5配置11eについて説明する。第5配置11eは、第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dが、第1太陽電池モジュール1Aの第5辺1eの延長線上よりも1ピッチ(1Dの長さ)分、太陽電池アレイの内側に位置している。そして、第5配置11eにおいて、太陽電池モジュール列Y2の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は8ピッチ(8D)である。また、太陽電池モジュール列Y3の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は16ピッチ(16D)である。このように、第5配置11eにおいて、x方向の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は、太陽電池モジュールの列が−y方向に1列下るごとに、第1太陽電池モジュール1の第2辺1bの長さ5DからDを減じたものの2倍の長さずつ大きくなる。これを式で表すと下式のようになる。
【0073】
第1太陽電池モジュール1の間隔=2・(5D−D)・(Y−1) … 式6
なお、Yは太陽電池モジュール列を+y方向側から数えた番号である。すなわち、図14(a)において、太陽電池モジュール列Y1は、Y=1となる。太陽電池モジュール列Y2は、Y=2となる。太陽電池モジュール列Y3は、Y=3となる。式6より、第1太陽電池モジュール1の間隔は2Dの整数倍となることから、第1太陽電池モジュール1の間に第2太陽電池モジュールをほぼ隙間なく配置することができる。
【0074】
次に、図15を用いて第3実施形態の太陽電池アレイ111Cの第6配置11fについて説明する。第6配置11fは、第2太陽電池モジュール2の第2側辺2dが、第1太陽電池モジュール1Aの第5辺1eの延長線上となるように位置している。太陽電池モジュール列Y2の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は10ピッチ(10D)である。また、太陽電池モジュール列Y3の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は20ピッチ(20D)である。このように、第6配置11fにおいて、x方向の両側に位置する第1太陽電池モジュール1の間隔は、太陽電池モジュールの列がy方向に1列下るごとに、第1太陽電池モジュール1の第2辺1bの長さ5Dの2倍の長さずつ大きくなる。これを式で表すと下式のようになる。
【0075】
第1太陽電池モジュール1の間隔=2・5D・(Y−1) … 式7
なお、Yは太陽電池モジュール列を+y方向側から数えた番号である。すなわち、図15(a)において、太陽電池モジュール列Y1は、Y=1となる。太陽電池モジュール列Y2は、Y=2となる。太陽電池モジュール列Y3は、Y=3となる。式6より、第1太陽電池モジュール1の間隔は2Dの整数倍となることから、第1太陽電池モジュール1の間に第2太陽電池モジュールをほぼ隙間なく配置することができる。
【0076】
第3実施形態は、第1実施形態と同様に第4配置11d、第5配置11e、第6配置11fの順に、太陽電池モジュール列Y2および太陽電池モジュール列Y2がx方向に片側で1ピッチずつ広がる配置を選択できるようになっている。そのため、各太陽電池アレイ111Cの外形を象る第4仮想線11dt、第5仮想線11etおよび第6仮想線11f
tの角度を徐々に変えることができる。それゆえ、例えば、太陽電池アレイ11が設置される寄棟屋根の隅棟の角度と、上述した太陽電池アレイ11の仮想線が略一致するように太陽電池モジュールの配置を設定できる。その結果、1つの屋根面に対する太陽電池モジュールの搭載容量が大きくなる。また、意匠性も向上する。
【0077】
以上のように、本実施形態でも、第1太陽電池モジュール1の第4辺1dの他端部(第3角部1h)から第4辺1dの長手方向に沿って延びる第4仮想線1pa、および第2辺1bの他端部(第2角部1g)から第2辺1bの長手方向に沿って延びる第5仮想線1pbの、交点1qから第2辺1bの他端部(第2角部1g)までの最短距離Dとし、第1太陽電池モジュール1の第1辺1aの長さがnD(nは1以上の整数)、第1太陽電池モジュール1の第2辺1bの長さがmD(mはnよりも大きい整数)、第2太陽電池モジュール2の上辺2bの長さが2Dの関係(以下、太陽電池モジュール辺の大小関係とする)を満たしている。これにより、本実施形態のように、第1太陽電池モジュールの第1辺、第1太陽電池モジュールの第2辺および第2太陽電池モジュールの長さの比が、2D:5D:2Dの場合であっても、同様に本発明の効果を得ることができる。
【0078】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る太陽電池アレイについて、図16を参照しつつ説明する。本実施形態に係る太陽電池アレイ111Dは、第1太陽電池モジュール1の第1辺1a、第1太陽電池モジュール1の第2辺1bおよび第2太陽電池モジュール2の上辺2aの長さの比が、2D:4D:2D=2:4:2である点で、第1から第3実施形態の太陽電池アレイと相違する。
【0079】
このような第4実施形態であっても、上記した太陽電池モジュール辺の大小関係を満たしている。具体的に、本実施形態では、n=2、m=4である。図16に示すように、第1太陽電池モジュールの第1辺1a、第2辺1bおよび第2太陽電池モジュールの上辺2aの長さの比が、2D:4D:2Dの場合であっても、同様に本発明の効果を得ることが出来る。
【0080】
(他の実施形態)
次に、他の実施形態に係る太陽電池アレイについて、図17と図18を参照しつつ説明する。本実施形態に係る太陽電池アレイ111Bは、第1太陽電池モジュール1が第5辺1eを有さない台形状である点で、第1から第4実施形態で用いられる第1太陽電池モジュール1と相違する。
【0081】
例えば、図17に示される太陽電池アレイ111Baの配置では、第1太陽電池モジュール1の第4辺1dが第1仮想線111Bat上に整列する。また、図18に示される太陽電池アレイ111Bbの配置では、第1太陽電池モジュール1Aの第2角部1gと第1太陽電池モジュール1Bの第4角部1kがy方向における略同軸上に整列する。これにより、本実施形態では、第1実施形態および第2実施形態と同様に、太陽電池モジュールを規則的に意匠性よく配置できるとともに、屋根面12の隅棟の角度に合わせて太陽電池モジュールの搭載容量が高い配置を適宜選択することができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態を例示したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限り任意のものとすることができることはいうまでもない。また、本発明は上述した実施形態の種々の組合せを含むものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0083】
1:第1太陽電池モジュール
1a:第1辺
1b:第2辺
1c:第3辺
1d:第4辺
1e:第5辺
1f:第1角部
1g:第2角部
1h:第3角部
1k:第4角部
1pa:第4仮想線
1pb:第5仮想線
1q:交点
1A:第1太陽電池モジュール(上側)
1B:第1太陽電池モジュール(右側)
2:第2太陽電池モジュール
2a:上辺
2b:下辺
2c:第1側辺
2d:第2側辺
3:第3太陽電池モジュール
11、111A、111B、111Ba、111Bb、111C、111D:太陽電池アレイ
11a:第1配置
11b:第2配置
11c:第3配置
11d:第4配置
11e:第5配置
11f:第6配置
11at:第1仮想線
11bt:第2仮想線
11ct:第3仮想線
11dt:第4仮想線
11et:第5仮想線
11ft:第6仮想線
12:屋根面
13:レール部材
13a:レール凸部
14:固定部材
21:太陽電池パネル
21a:受光面
21b:非受光面
22:フレーム
22A:第1フレーム
22B:第2フレーム
22c:第3フレーム
22a:嵌合部
22b:フレーム上面
22c:フレーム底面
22d:フレーム側面
22e:フレーム凹部
23:透光性基板
24:充填材
25:インナーリード
26:太陽電池セル
27:裏面保護部材
28:端子ボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの多角形状の第1太陽電池モジュールおよび1つの四角形状の第2太陽電池モジュールを有する太陽電池アレイであって、
前記第1太陽電池モジュールは、第1辺、該第1辺に平行な第2辺、前記第1辺および前記第2辺に直交するように前記第1辺の一端部および前記第2辺の一端部を接続する第3辺、一端部が前記第1辺の他端部に接続されており、前記第1辺から前記第2辺に向かうにつれて前記第3辺から遠ざかる方向に傾斜する第4辺、ならびに前記第2辺の他端部および前記第4辺の他端部を接続する第5辺を有し、
前記第2太陽電池モジュールは、上辺、該上辺に平行な下辺、前記上辺および前記下辺に直交するように前記上辺の一端部および前記下辺の一端部を接続する第1側辺、ならびに前記上辺および前記下辺に直交するように前記上辺の他端部および前記下辺の他端部を接続する第2側辺を有しており、
1つの前記第1太陽電池モジュールは、該1つの第1太陽電池モジュールの前記第2辺と前記第2太陽電池モジュールの前記上辺とが対向するように配置され、他の前記第1太陽電池モジュールは、該他の第1太陽電池モジュールの前記第3辺と前記第2太陽電池モジュールの前記第2側辺とが対向するように配置されており、
前記第4辺の他端部から該第4辺の長手方向に沿って延びる仮想線と前記第2辺の他端部から該第2辺の長手方向に沿って延びる仮想線との交点から前記第2辺の他端部までの最短距離をDとしたとき、前記第1辺の長さがnD(nは1以上の整数)であり、前記第2辺の長さがmD(mはnよりも大きい整数)であり、前記上辺および前記下辺の長さが2Dである、太陽電池アレイ。
【請求項2】
前記第1太陽電池モジュールの前記第1辺、前記第1太陽電池モジュールの前記第2辺および前記第2太陽電池モジュールの前記上辺の長さの比が、1:3:2である、請求項1に記載の太陽電池アレイ。
【請求項3】
上辺、該上辺に平行な下辺、前記上辺および前記下辺に直交するように前記上辺の一端部および前記下辺の一端部を接続する第1側辺、ならびに前記上辺および前記下辺に直交するように前記上辺の他端部および前記下辺の他端部を接続する第2側辺を有する四角形状の第3太陽電池モジュールをさらに備え、
該第3太陽電池モジュールは、該第3太陽電池モジュールの前記第2側辺と前記第2太陽電池モジュールの前記第1側辺とが対向するとともに、該第3太陽電池モジュールの前記上辺と前記第2太陽電池モジュールの前記上辺とが一直線に並ぶように配置されており、前記第3太陽電池モジュールの前記上辺の長さは、前記第2太陽電池モジュールの前記上辺の長さのN倍(Nは2以上の整数)である、請求項1または請求項2に記載の太陽電池アレイ。
【請求項4】
前記第1太陽電池モジュールは、前記第1辺乃至前記第4辺の内側の領域に、複数の四角形状の太陽電池セルが配列されてなる太陽電池パネルを有し、
前記太陽電池セルは、該太陽電池セルの1辺が前記第1太陽電池モジュールの前記第1辺と同じ方向に配置されており、
前記第1太陽電池モジュールの前記第1辺の長さは、前記太陽電池セルの前記1辺の長さの1倍以上で2倍未満である、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の太陽電池アレイ。
【請求項5】
前記第1太陽電池モジュールの前記第2辺および前記第2太陽電池モジュールの前記上辺に固定された、前記第1太陽電池モジュールの前記第2辺および前記第2太陽電池モジュールの前記上辺の長手方向に延びるレール部材をさらに備え、
前記長手方向における前記レール部材の長さは、前記第1太陽電池モジュールの前記第1
辺の前記長手方向における長さのM倍(Mは2以上の整数)である、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の太陽電池アレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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