説明

太陽電池モジュールの設置方法およびその設置構造

【課題】太陽電池モジュールを折板屋根上に強固に設置することができると共に、両者の設置位置調整幅の自由度が高く、かつ施工時の作業性にも優れる太陽電池モジュールの屋根上への新規な設置技術を提供する。
【解決手段】折板屋根上に、レールを介して電池モジュールを取付ける際に、上記折板屋根のはぜ継ぎ部に、レール受け金具を取り付け、次いで、そのレール受け金具上に鍔つきC角形断面のレールを載置、固定し、次に、そのレール上には太陽電池モジュールを載置すると共に、該レール内には、略M形断面の下部支持金具と、上部支持金具およびこれらを締付けボルトで連結してなる可動締付け金具の下部支持金具を移動可能に嵌合したものによって、折板屋根上への太陽電池モジュールの配設固定を行った太陽電池モジュールの設置方法およびその構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールの設置方法およびその設置構造に関し、特に太陽電池モジュールを折板屋根上にはぜ継ぎ部を使って設置する方法とそのための設置構造についての提案である。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池モジュールを、屋根とくに折板屋根上に設置(取り付け)する手段としては、屋根上にまずレールを敷設した上で、そのレールを介して太陽電池パネルを装着したフレームを固定することによって設置する方法およびそうした装置(構造)を用いるのが普通である。
【0003】
中でも、折板屋根のはぜ継ぎ部を利用して、前記レールもしくはその類似の金具を使って、太陽電池モジュールを固定し設置するタイプのものが一般的である。例えば、特許文献1に開示の「建築用パネルにおける太陽電池パネルの設置構造」は、折板屋根のはぜ継ぎ部に屋根上取付金具(4)を取付け、その取付金具(4)上に両側縁部に折曲部(3)を有する板状の長尺部材(9)を固定し、その長尺部材(9)に太陽電池モジュールの枠体(12)を直接嵌め入れた設置構造である。
【0004】
また、特許文献2に開示の「屋根上設置物用取り付け金具及び屋根上設置物用取り付け金具の取り付け構造」は、ボルト(3)によって、互いに連結される左右一対のピース(1)、(2)にて、馳部(93)を掴み、このピース金具(1)、(2)上に直接、押さえ金具(8)を介して太陽電池モジュール(7)を固定する方法およびそのための金具を用いた構造を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−303638号公報
【特許文献2】特開2009−185599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に開示されている上記従来技術は、いずれも折板屋根上に、それのはぜ部を利用して太陽電池モジュールを設置する技術であり、共通する特徴は、取付け状態が安定していて堅牢で、作業性に優れる構造にすることが目標となっていることである。しかしながら、この目的は必ずしも十分に達成されている訳ではない。それは、作業性を重視するあまり却って、はぜ継ぎ部からの離脱や弛みを招きやすい構造になるからである。例えば、屋根上の太陽電池モジュールを含む設置装置は、常に苛酷な環境下に置かれており、とくに横風の影響を強く受けるので、はぜ継ぎ部を利用する設置構造には、とりわけ、より強固な設置構造にすることが望まれるのである。
【0007】
また、前記折板屋根自体は、設計上都合のよい寸法、またはきりのよい寸法に加工され、現地にて施工されるが、太陽電池モジュールは最も効率のよいセルサイズからパネル寸法が決定されるので、両者はしばしば、寸法的に整合しないもの同士を組み合わせなければならないことがある。それでもなお、両者(折板屋根−太陽電池モジュール)を結びつける装置(金具)に望まれる特性としては、互いの結合状態がより堅固になるようにすると同時に、左右・上下方向のいずれの方向にも大きく移動調整ができるような機能をもつことが、より重要である。
【0008】
そこで、本発明の目的は、太陽電池モジュールを折板屋根上に強固に設置することができると共に、両者の設置位置調整幅の自由度が高く、かつ施工時の作業性にも優れる太陽電池モジュールの屋根上への新規な設置技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決し上掲の目的を達成するために、本発明では、折板屋根上に、レールを介して、縦・横に列設される複数の太陽電池モジュールを設置する方法において、上記折板屋根のはぜ継ぎ部に、レール固定用ボルトを備えたレール受け金具をボルト締めして取り付け、次に、そのレール受け金具上面に、鍔つき溝形鋼材からなるレールを載置して上記レール固定用ボルトに固定し、次に、そのレール上に太陽電池パネルを組み込んだモジュールフレームを載置し、かつ該レール内には、上面に締付けボルト用ねじ孔を有する下部支持金具と、該モジュールフレームを固定するための上部支持金具および上・下支持金具どうしを連結する締付けボルトとからなる可動締付け金具の、その下部支持金具を移動可能に嵌合し、かつ上記上部支持金具と上記下部支持金具との間を締付けボルトにて締結することにより、折板屋根上への太陽電池モジュールの固定配設を行うことを特徴とする太陽電池モジュールの設置方法を提案する。
【0010】
また、本発明は、折板屋根上に、レールを介して、縦・横に列設される複数の太陽電池モジュールを設置してなる構造において、上記折板屋根のはぜ継ぎ部の一側面に押し当ててこれを倒伏変形させる押込みボルトを具えると共に、上面にはレール固定用ボルトを突設してなる溝形断面形状のレール受け金具と;上記レール受け金具上面に突設したレール固定用ボルトを介して載置固定される鍔つき溝形鋼材からなるレールと;上記レール内に嵌合され、前記レールの鍔縁に沿って移動可能で、上面には締付けボルトをねじ嵌めするためのねじ孔を設けてなる下部支持金具、太陽電池パネルを組み込んだモジュールフレームを固定する上部支持金具、及びこれら上・下支持金具どうし連結する締付けボルトとからなる可動締付け金具と;方形の上記モジュールフレーム内に太陽電池パネルを装着してなる太陽電池モジュールと;からなり、上記可動締付け金具の上記締付けボルトの締め付けによって、折板屋根上に該太陽電池モジュールが固定設置されるようにしてなる太陽電池モジュールの設置構造を用いる。
【0011】
なお、本発明においては、
(1)前記レール受け金具は、折板屋根のはぜ継ぎ部を挟む一方の側部内側に、立はぜ上部に接する斜め上向きの係止突起が折曲形成されており、他方の側部には、斜め下方を指向する向きにねじ込める押込みボルトを有し、かつ上面にはレール固定用ボルトを垂直上向きに突設してなる溝形の金具であること、
(2)前記レールは、角状C形断面形状の溝形鋼材からなり、それの内向きに折曲形成された上辺部の遊端部にはそれぞれ、下向きに折曲形成された鍔片が突設された長尺部材であって、このレール上には、当該レール内に移動可能に嵌合されている可動締付け金具を介して、太陽電池モジュールが固定されること、
(3)可動締付け金具の前記下部支持金具は、レールの鍔片に係合する一対の溝を設けてなる略M形断面形状であること、
(4)可動締付け金具の前記上部支持金具は、太陽電池モジュールのパネルを支持するモジュールフレームに取り付けてなるフックの上から掛止するものであること、
(5)前記可動締付け金具は、前記下部支持金具の2つの溝部分がレール鍔片に係合した状態で移動可能に嵌合していること、
(6)前記レールは、レールジョイント金具によって突き合わせて接合されること、
などの構成にすることが、より好ましい解決手段を提供することになる。
【発明の効果】
【0012】
前記のような構成を有する本発明に係る太陽電池モジュールの折板屋根上への設置構造によれば、次のような効果が期待できる。
(1)傾斜(縦)方向を指向している折板屋根のはぜ継ぎ部に、移動可能に取付けられるレール受け金具と、棟(横)方向を指向しているレール内に移動可能に嵌合している可動締付け金具とによって、太陽電池モジュールを設置する方法・装置であるから、折板屋根や該太陽電池モジュールの種類、大きさが違っていても、常に安定した設置、設置強度、施工の容易性(作業性)が確保され、太陽電池モジュールを折板屋根上へ低コストで設置することが可能である。
【0013】
(2)本発明では、前記レール受け金具の採用により、押込みボルトのねじ込みによって、立はぜ継ぎ部を変形して固定する構成になっていることに併せ、可動締付け金具の下部支持金具がレール内に嵌合されていることから、強風による太陽電池モジュールを持ち上げるような大きな回転力を伴う風圧力に対しても各構成金具の連結・固定状態が崩れず、安定しており、一方では、はぜ継ぎ部に沿う傾斜(上下)方向や棟(左右)方向に対して任意の位置に取り付けることができ、施工性や作業性に優れたものが得られる。
【0014】
(3)本発明では、前記レールの採用により、鍔つき角状C形断面形状の長尺部材、とくに上片部端に下向きの鍔片を設けた構造のものを用いているので、その内側に嵌め入れる可動締め付け金具のスライド移動が円滑、容易になると共に、太陽電池モジュールの安定した保持と固定性能に優れたものになる。
【0015】
(4)本発明では、前記可動締付け金具を採用したことにより、役割の異なる上部支持金具と下部支持金具とにより、レールと太陽電池モジュールとを任意の位置において強固に締付け固定することができるようになる。
【0016】
(5)本発明では、レールどうしの連結を、ジョイント金具を用いて行うので、接合個所を少なくすることができると共に強度の大きいものになる。
【0017】
(6)即ち、本発明によれば、太陽電池モジュールを、折板屋根上に安定した状態で強固に設置することができると共に、設置の作業を簡単に行うことができ、施工性に優れた方法及び構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】折板屋根上に太陽電池モジュールを設置した状態を示す略線図である。
【図2】はぜ継ぎ部にレール受け金具を取り付ける前後の状態を示す正面図である。
【図3】折板屋根上に、レールをレール受け金具を介して固定する模様ならびに可動締付け金具の取り付け状態を説明する斜視図である。
【図4】レールのジョイント部をレール受け金具およびレールジョイント金具を介して接合し、固定した状態を示す斜視図である。
【図5】レールならびにその中に嵌合する可動締付け金具の関係を説明する断面図である。
【図6】レール上に可動締付け金具の上部支持金具を介して太陽電池モジュールの一側面を掛止する模様を示す断面図である。
【図7】太陽電池モジュールの設置を完了させた状態の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、この発明の構成について、実施形態の一例を示す図面の記載に基いて説明する。
図1は、この発明が適用される折板屋根1と、その上の左右方向に敷設されるレール2と、そのレール2を介して、その上に設置される太陽電池モジュール3、および該レール2を上記折板屋根1のはぜ継ぎ部1a、とくに立はぜ継ぎ部を介して固定するためのレール受け金具4の位置関係を示したものである。この図に示すように、本発明は、折板屋根1上に、レール2を介して太陽電池モジュール3を設置する方法およびその方法の実施に用いる設置構造に関するものである。
【0020】
図2は、折板屋根1の縦方向に沿って形成されているはぜ継ぎ部1aに、レール2を固定するために用いられるレール受け金具4を示すものである。以下、はぜ継ぎ部1aが、立はぜ1a’の場合の例について説明する。このレール受け金具4は、図示したとおり、折板屋根のはぜ継ぎ部1aを挟む一方の側部内側に、立はぜ1a’上部に接する上向きの係止突起4aを有し、他方の側部には立はぜの対向する斜め下方を指向する向きに押し込むことのできる押込みボルト4bが取り付けられ、かつ上面にはレール固定用ボルト4cが垂直上向きに突設された溝形の金具である。なお、本発明において、前記はぜ継ぎ部1aについては、立はぜであれば、丸形はぜ、S形はぜ、L形はぜのいずれでも適用が可能である。
【0021】
このレール受け金具4は、折板屋根1の縦方向の任意の位置に、はぜ継ぎ部1aの上から被せるように取り付け、前記係止突起4aの先端部を立はぜ1a’の一側面上部に接触させた状態の下で、他側面側から斜め下向きに取り付けられる前記押込みボルト4bをねじ込んで、立はぜ1a’根元に向けて強く押し込むことにより、図に示すように、該はぜ継ぎ部1a上部を上記押込みボルト側に倒伏変形させることができる。従って、この金具4が、たとえ強風のために回転力を伴う大きな風圧力を受けるようなことがあっても結合状態が緩んだり外れたりすることがなく、強固な固定が果せる。従って、前記レール2をレール固定用ボルト4cを介して、このレール受け金具4上にしっかりと固定することができる。
【0022】
次に、施工順としては、折板屋根1のはぜ継ぎ部1aに取り付けた複数個の前記レール受け金具4を介して、左右方向を指向する向きに複数列のレール2を敷設する。図3は、その敷設の方法を示すものであり、前記はぜ継ぎ部1aに固定されたレール受け金具4上に載置する態様で、レール固定用ボルト4cを介して、レール2をしっかりと固定する。
【0023】
かかるレール2は、角状C形断面形状の溝形鋼材からなり、それの内向きに折曲された上片部の遊端部にはそれぞれ、さらに下向きに折り曲げて形成した鍔片2a、2a’が突設された長尺部材であって、このレール2上には、後述する可動締付け金具5を介して太陽電池モジュール3が設置される。
【0024】
この溝形鋼材からなるレール2内、即ち、レールの内側には、図5に示すように、その長手方向すなわち折板屋根の左右(棟)方向に沿って移動させ得る可動締付け金具5、とくにこの金具の下部支持金具5aの溝g、g’が前記鍔片2a、2a’に係合しているので、強風時に太陽電池モジュールを持ち上げる大きな風圧力が作用しても、従来のものに比べて、下部支持金具5aが抜け出にくく、太陽電池モジュール3の固定の確実性が高くなる。
【0025】
上記可動締付け金具5は、鍔つきレール2内にあって、その形状に対応する形状、即ち、移動用ガイドとなる前記鍔片2a、2a’と係合する一対の溝g、g’を設けてなる略M形断面形状の下部支持金具5aと、太陽電池モジュール3のパネルPを支持するモジュールフレーム6側面に突設してあるフック6aを上から掛止するために用いられる上部支持金具5bと、そして下部支持金具5aと上部支持金具5bとの間を連結する締付けボルト5dとからなるものである。
【0026】
このような構造を有する該可動締付け金具5は、前記締付けボルト5dを上部支持金具5bの方から、該下部支持金具5aの上面にバーリング加工によって形成したねじ孔5eに向けてねじ込むことにより、両者を締め付けて、レール2上に太陽電池モジュール3を固定設置するために用いられる。
【0027】
前記下部支持金具5aは、一枚ものの板材を折り曲げて形成され、折曲げ部の内半径を板厚の1〜2倍としたものであるから、アルミニウム材などに比べて、材料費が安価なメッキ鋼板をプレス加工して製作することができ、しかも、永く風雨に曝されたとしても、錆に対する高い耐食性を有するものになる。
【0028】
なお、かかる下部支持金具5aの両端は脚部となっており、a.締付けボルト螺着面の高さを、レール上面より僅かに低い高さにし、b.レール鍔片2a、2a’下端の高さを、該下部支持金具5aの溝g、g’よりも高く、上面よりも低い高さに調整されるので、締付けボルト螺着面がレール底の付近にある場合に比べて、作業者の指が下部支持金具5aに確実に届き、かつ下部支持金具5aをレール2に沿って移動させたり、適切な位置に固定する作業が容易にできるようになる。
【0029】
また、かかる下部支持金具5aは、長手方向の両端部に先入れした補強片r、r’を一体成形すると、強度がよりいっそう向上する。
【0030】
前記可動締付け金具5を構成している上部支持金具は、基本的には、図5に示すように、隣接する太陽電池モジュール3間にあって、その(モジュールフレーム6)両側に突設したフック6aを同時に掛止する両掛けタイプの上部支持金具5bと、図6に示すように、一個の太陽電池モジュール3(モジュールフレーム6)の片方の側部のみを掛止する片掛けタイプの上部支持金具5cとの2種があり、これらを適宜に使い分けして用いる。なお、片掛けタイプの支持金具5cにおいて、中程を内向き屈曲させているのは、これを締付けボルトの胴部に当接させることにより、ボルト締め付け時の圧縮耐力を高め、掛止状態を安定させるのに効果がある。
【0031】
即ち、太陽電池モジュール3固定用の上部支持金具のうち、片掛けタイプ支持金具5cの断面は、図6に示すように、略大文字Σ形状、即ち、側板のほぼ中間高さに、モジュール側に向う折曲げ部5c’を有し、ボルト締め付け状態において、その折曲げ部5c’は前記締付けボルト5d側面に当接する。そして、この片掛けタイプ支持金具5cの上板および下板にはそれぞれボルト挿通孔が形成してあり、締付けボルト5dがこれらの2つの挿通孔に取り付けられている。また、上板の先端部に折下げ片5c’’が形成されており、この折下げ片5c’’がモジュールフレーム6のフック6aに係合し、一方、下板はモジュール底面に相当な面積で接してレール2上に重畳される。このことによって、締付けボルト5dが多少締め過ぎの状態になったとしても、前記折曲げ部5c’がボルト側面に接しているので座屈することなく、しかも上下2箇所のボルト挿通孔の存在により、ボルトと金具との位置関係にずれが生ずることがない。そして、上板折下げ片5c’’と下板接触面の間で確実に太陽電池モジュール側面を挟圧できるので、該支持金具の回転、変形を危惧して締付けボルトの締結力を調整する必要がなくなり、能率的な設置作業が可能になる。
【0032】
図7は、太陽電池モジュール3を設置した状態の最終形態を示す断面図であり、折板屋根1上に、レール受け金具4とレール2、および可動締付け金具5を介して固定設置されている。
【0033】
なお、図4は、レール2端部どうしを突き合わせ接合するとき、その接合部分の該レール2内に、溝形鋼材レールの底面に接し、側面に近接する平板、皿形または箱形のレールジョイント金具7を嵌め入れて、前記レール受け金具4のレール固定用ボルト4cを使って締め付けることにより、該レール受け金具4上にて接合した例を示す。このようなレール接合形式だと、接合ポイントを減らすことができると共に、2枚重ね状態になるので、接合部分の強度が増す効果がある。レールジョイント金具が、箱型であれば、さらに強度が増す。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の上述した太陽電池モジュールの設置方法およびその構造は、他の改良された同種の機能をもつレール受け金具を使用する場合や、改良された同種の機能をもつ可動締付け金具を使用する場合においても適用することができ、また、太陽電池パネルの形状は変わってもモジュールフレームにフックを具えるものであれば適用が可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 折板屋根
1a 折板屋根のはぜ継ぎ部
1a’ 立はぜ
2 レール
2a、2a’ 鍔片
3 太陽電池モジュール
4 レール受け金具
4a 係止突起
4b 押込みボルト
4c レール固定用ボルト
5 可動締付け金具
5a 下部支持金具
5b、5c 上部支持金具
5c’ 折曲げ部
5c’’ 折下げ片
5d 締付けボルト
5e ねじ孔
6 モジュールフレーム
6a フック
7 レールジョイント金具
P 太陽電池パネル
g、g’ 下部支持金具の溝
r、r’ 下部支持金具の補強片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折板屋根上に、レールを介して、縦・横に列設される複数の太陽電池モジュールを設置する方法において、
上記折板屋根のはぜ継ぎ部に、レール固定用ボルトを備えたレール受け金具をボルト締めして取り付け、
次に、そのレール受け金具上面に、鍔つき溝形鋼材からなるレールを載置して上記レール固定用ボルトに固定し、
次に、そのレール上に太陽電池パネルを組み込んだモジュールフレームを載置し、かつ該レール内には、上面に締付けボルト用ねじ孔を有する下部支持金具と、該モジュールフレームを固定するための上部支持金具および上・下支持金具どうしを連結する締付けボルトとからなる可動締付け金具の、その下部支持金具を移動可能に嵌合し、かつ上記上部支持金具と上記下部支持金具との間を締付けボルトにて締結する、
ことにより、折板屋根上への太陽電池モジュールの固定配設を行うことを特徴とする太陽電池モジュールの設置方法を提案する。
【請求項2】
前記レール受け金具は、折板屋根のはぜ継ぎ部を挟む一方の側部内側に、立はぜ上部に接する斜め上向きの係止突起が折曲形成されており、他方の側部には、斜め下方を指向する向きにねじ込める押込みボルトを有し、かつ上面にはレール固定用ボルトを垂直上向きに突設してなる溝形の金具であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの設置方法。
【請求項3】
前記レールは、角状C形断面形状の溝形鋼材からなり、それの内向きに折曲形成された上辺部の遊端部にはそれぞれ、下向きに折曲形成された鍔片が突設された長尺部材であって、このレール上には、当該レール内に移動可能に嵌合されている可動締付け金具を介して、太陽電池モジュールが固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池モジュールの設置方法。
【請求項4】
可動締付け金具の前記下部支持金具は、レールの鍔片に係合する一対の溝を設けてなる略M形断面形状であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の太陽電池モジュールの設置方法。
【請求項5】
可動締付け金具の前記上部支持金具は、太陽電池モジュールのパネルを支持するモジュールフレームに取り付けてなるフックの上から掛止するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の太陽電池モジュールの設置方法。
【請求項6】
前記可動締付け金具は、前記下部支持金具の2つの溝部分がレール鍔片に係合した状態で移動可能に嵌合していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1に記載の太陽電池モジュールの設置方法。
【請求項7】
前記レールは、レールジョイント金具によって突き合わせて接合されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1に記載の太陽電池モジュールの設置方法。
【請求項8】
折板屋根上に、レールを介して、縦・横に列設される複数の太陽電池モジュールを設置してなる構造において、
上記折板屋根のはぜ継ぎ部の一側面に押し当ててこれを倒伏変形させる押込みボルトを具えると共に、上面にはレール固定用ボルトを突設してなる溝形断面形状のレール受け金具と;
上記レール受け金具上面に突設したレール固定用ボルトを介して載置固定される鍔つき溝形鋼材からなるレールと;
上記レール内に嵌合され、前記レールの鍔縁に沿って移動可能で、上面には締付けボルトをねじ嵌めするためのねじ孔を設けてなる下部支持金具、太陽電池パネルを組み込んだモジュールフレームを固定する上部支持金具、及びこれら上・下支持金具どうし連結する締付けボルトとからなる可動締付け金具と;
方形の上記モジュールフレーム内に太陽電池パネルを装着してなる太陽電池モジュールと;
からなり、上記可動締付け金具の上記締付けボルトの締め付けによって、折板屋根上に該太陽電池モジュールが固定設置されるようにしてなる太陽電池モジュールの設置構造を用いる。
【請求項9】
前記レール受け金具は、折板屋根のはぜ継ぎ部を挟む一方の側部内側に、立はぜ上部に接する斜め上向きの係止突起が折曲形成されており、他方の側部には、斜め下方を指向する向きにねじ込める押込みボルトを有し、かつ上面にはレール固定用ボルトを垂直上向きに突設してなる溝形の金具であることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項10】
前記レールは、角状C形断面形状の溝形鋼材からなり、それの内向きに折曲形成された上辺部の遊端部にはそれぞれ、下向きに折曲形成された鍔片が突設された長尺部材であって、このレール上には、当該レール内に移動可能に嵌合されている可動締付け金具を介して、太陽電池モジュールが固定されることを特徴とする請求項8または9に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項11】
可動締付け金具の前記下部支持金具は、レールの鍔片に係合する一対の溝を設けてなる略M形断面形状であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか1に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項12】
可動締付け金具の前記上部支持金具は、太陽電池モジュールのパネルを支持するモジュールフレームに取り付けてなるフックの上から掛止するものであることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項13】
前記可動締付け金具は、前記下部支持金具の2つの溝部分がレール鍔片に係合した状態で移動可能に嵌合していることを特徴とする請求項8〜12のいずれか1に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
【請求項14】
前記レールは、レールジョイント金具によって突き合わせて接合されることを特徴とする請求項8〜13のいずれか1に記載の太陽電池モジュールの設置構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−236611(P2011−236611A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108052(P2010−108052)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(000200323)JFE鋼板株式会社 (77)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【出願人】(598024813)JFE日建板株式会社 (2)
【Fターム(参考)】