太陽電池モジュールの雪止め具、太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造、及び太陽光発電システム
【課題】取付け作業が容易であって、その取付け位置や個数等を現場で容易に調節することが可能な太陽電池モジュールの雪止め具を提供する。
【解決手段】太陽電池モジュール5に設置される雪止め具6であって、太陽電池モジュール5上に立設される雪止め壁部6aと、太陽電池モジュール5の枠8の内側と太陽電池パネル7との隙間SPに入り込む爪部6eと、太陽電池モジュール5の枠8の外側に係合する係合部6gとを備えている。
【解決手段】太陽電池モジュール5に設置される雪止め具6であって、太陽電池モジュール5上に立設される雪止め壁部6aと、太陽電池モジュール5の枠8の内側と太陽電池パネル7との隙間SPに入り込む爪部6eと、太陽電池モジュール5の枠8の外側に係合する係合部6gとを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根等に設けられる太陽電池モジュールの雪止め具、太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造、及び太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
積雪量の多い地域では、屋根上に降り積もった雪の落下による被害が通行人や物等に及ばないようにするため、屋根の軒に雪止め具を設けて、雪の落下を防止又は抑制することがある。また、屋根上に太陽電池モジュールを設置している場合は、太陽電池モジュール上に雪が積もって落下するため、太陽電池モジュールに雪止め具を設けることがある。
【0003】
例えば、特許文献1では、複数の太陽電池モジュールの間にカバーを挿入して取付けており、このカバーとして雪止め部を有するものを適用して、カバーの雪止め部により雪の落下を防止又は抑制している。
【0004】
また、特許文献2では、雪止め部材を太陽電池モジュールのフレームにネジ止めして、雪止め部材により雪の落下を防止又は抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−345668号公報
【特許文献2】特開2006−278671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の雪止め部は、カバーの一部であり、カバーを各太陽電池モジュールの間に挿入して取付けるため、その取付け作業が容易であるとはいえない。また、カバーとして、雪止め部を有するものと有さないものとを選択的に用いることから、カバーの種類が増加する。更に、雨水や土埃が通り抜ける孔や開口箇所を雪止め部に形成しているが、それらの孔や開口箇所の位置や個数等を現場で調節することが困難である。
【0007】
また、特許文献2の雪止め部材は、フレームにネジ止めする必用があるため、多数の雪止め部材を設ける場合は、その取付け作業が煩雑になる。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、取付け作業が容易であって、その取付け位置や個数等を現場で容易に調節することが可能な太陽電池モジュールの雪止め具、太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造、及び太陽光発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、太陽電池モジュールに設置される雪止め具であって、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部とを備えている。
【0010】
このような本発明の雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの上面(受光面)に載せ、爪部を太陽電池モジュールの枠方向に移動させて行くと、爪部が太陽電池モジュールの枠の内側に侵入して、爪部が枠に引っ掛かる。これにより、雪止め具が太陽電池モジュールの枠に係止されて取付けられる。
【0011】
また、本発明は、太陽電池モジュールに設置される雪止め具であって、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部と、前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合する係合部とを備えている。
【0012】
このような本発明の雪止め具についても、その爪部を太陽電池モジュールの上面(受光面)に載せ、爪部を太陽電池モジュールの枠方向に移動させて行くと、爪部が太陽電池モジュールの枠の内側に侵入して、爪部が枠に引っ掛かる。また、同時に係合部が太陽電池モジュールの枠の外側に係合し、係合部と爪部の間に太陽電池モジュールの枠が挟み込まれ、雪止め具が確実に支持される。
【0013】
また、上記各本発明の雪止め具を太陽電池モジュールの枠に取付けた状態で、太陽電池モジュール上に雪が積もると、雪止め壁部によって雪の落下が防止又は抑制される。この際、爪部が枠に引っ掛かっているため、雪の荷重が掛っても雪止め具が外れることはない。
【0014】
更に、係合部と爪部の間に太陽電池モジュールの枠を挟み込む場合は、雪の荷重が掛っても雪止め具が外れないばかりでなく、軒方向からの風荷重が掛っても雪止め具が外れない。
【0015】
また、雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの枠に引っ掛けるため、爪部を引き抜く方向に、雪止め具を移動させることにより、雪止め具を太陽電池モジュールの枠から小さな力で取り外すことができる。あるいは、雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの枠に引っ掛けて、雪止め具の係合部を太陽電池モジュールの枠の外側に係合させるため、係合部を外したのち、爪部を引き抜く方向に、雪止め具を移動させることにより、雪止め具を太陽電池モジュールの枠から小さな力で取り外すことができる。このため、太陽電池モジュールを設置してから、雪止め具を後付けしたり、雪止め具を取り外したり、あるいは雪止め具の位置を変更したりすることができる。また、雪止め具の着脱が容易であって後付けが可能であるため、雪止め具を容易に増減することが可能である。
【0016】
また、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具においては、前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側に形成された凹凸と係合する。
【0017】
この場合は、係合部が太陽電池モジュールの枠外側の凹凸に確実に係合する。
【0018】
例えば、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具においては、前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側下端に係合する。
【0019】
更に、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具においては、前記太陽電池モジュールの枠を上方から押圧する弾性部を備えている。
【0020】
雪止め具が太陽電池モジュールの枠に取付けられた状態では、そのような弾性部が太陽電池モジュールの枠を押圧するので、雪止め具と太陽電池モジュールの枠間のがたつきが無くなる。
【0021】
また、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具においては、1枚の板金を折り返して二重にすることにより前記雪止め壁部を形成している。
【0022】
これにより、雪止め壁部の強度を向上させることができる。
【0023】
次に、本発明は、太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部とを備え、前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛けて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けている。
【0024】
また、本発明は、太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部と、前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合する係合部とを備え、前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛け、前記雪止め具の係合部を前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合させて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けている。
【0025】
また、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造においては、前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側に形成された凹凸と係合している。
【0026】
更に、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造においては、前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側下端に係合している。
【0027】
また、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造においては、前記太陽電池モジュールの枠を上方から押圧する弾性部を備えている。
【0028】
このような本発明の取付け構造においても、上記本発明の太陽電池モジュールの雪止め具と同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
次に、本発明は、太陽電池モジュールを傾斜させて支持した太陽光発電システムであって、前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部とを備え、前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛けて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けている。
【0030】
また、本発明は、太陽電池モジュールを傾斜させて支持した太陽光発電システムであって、前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部と、前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合する係合部とを備え、前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛け、前記雪止め具の係合部を前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合させて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けている。
【0031】
このような本発明の太陽光発電システムにおいても、上記本発明の太陽電池モジュールの雪止め具と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの上面(受光面)に載せ、爪部を太陽電池モジュールの枠方向に移動させて行くと、爪部が太陽電池モジュールの枠の内側に侵入して、爪部が枠に引っ掛かり、雪止め具が太陽電池モジュールの枠に係止されて取付けられる。あるいは、雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの上面(受光面)に載せ、爪部を太陽電池モジュールの枠方向に移動させて行くと、爪部が太陽電池モジュールの枠の内側に侵入して、爪部が枠に引っ掛かり、これと同時に係合部が太陽電池モジュールの枠の外側に係合し、係合部と爪部の間に太陽電池モジュールの枠が挟み込まれ、雪止め具が確実に支持される。
【0033】
このような雪止め具を太陽電池モジュールの枠に取付けた状態で、太陽電池モジュール上に雪が積もると、雪止め壁部によって雪の落下が防止又は抑制される。この際、爪部が枠に引っ掛かっているため、雪の荷重が掛っても雪止め具が外れることはない。
【0034】
また、係合部と爪部の間に太陽電池モジュールの枠を挟み込む場合は、雪の荷重が掛っても雪止め具が外れないばかりでなく、軒方向からの風荷重が掛っても雪止め具が外れない。
【0035】
また、雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの枠に引っ掛けるため、爪部を引き抜く方向に、雪止め具を移動させることにより、雪止め具を太陽電池モジュールの枠から小さな力で取り外すことができる。あるいは、あるいは、雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの枠に引っ掛けて、雪止め具の係合部を太陽電池モジュールの枠の外側に係合させるため、係合部を外したのち、爪部を引き抜く方向に、雪止め具を移動させることにより、雪止め具を太陽電池モジュールの枠から小さな力で取り外すことができる。このため、太陽電池モジュールを設置してから、雪止め具を後付けしたり、雪止め具を取り外したり、あるいは雪止め具の位置を変更したりすることができる。また、雪止め具の着脱が容易であって後付けが可能であるため、雪止め具を容易に増減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の太陽電池モジュールの雪止め具の一実施形態を適用した太陽光発電システムを示す斜視図である。
【図2】図1の太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールを示す斜視図である。
【図3】太陽電池モジュールの枠を拡大して示す断面図である。
【図4】図1の太陽光発電システムにおける横桟に対する太陽電池モジュールの固定構造を拡大し分解して示す斜視図である。
【図5】図4の横桟を示す斜視図である。
【図6】図4の横桟を示す断面図である。
【図7】固定金具及び板ナットを用いて、横桟を挟んで配置された2枚の太陽電池モジュールを該横桟に固定した状態を示す断面図である。
【図8】本発明の太陽電池モジュールの雪止め具の一実施形態を示す斜視図である。
【図9】図8の雪止め具を示す側面図である。
【図10】(a)、(b)は、図8の雪止め具を太陽電池モジュールの枠に取付けるための手順を示す図である。
【図11】2個の雪止め具が取付けられた太陽電池モジュールを例示する斜視図である。
【図12】雪止め具の雪止め壁部の高さh、太陽電池モジュールの光電変換層領域M、冬至における南中時に入射する太陽光SL、及び屋根の傾斜角αとの関係を示す図である。
【図13】雪止め具の第1変形例及び太陽電池モジュールの枠の第1変形例を示す断面図である。
【図14】雪止め具の第2変形例及び太陽電池モジュールの枠の第2変形例を示す断面図である。
【図15】雪止め具の第3変形例及び太陽電池モジュールの枠の第3変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0038】
図1は、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具の一実施形態を適用した太陽光発電システムを示す斜視図である。この太陽光発電システム1は、屋根2上に4本の縦桟3を離間させて相互に平行に固定配置し、各縦桟3上に、3本の横桟4を一定の間隔を開けて相互に平行に固定配置し、この3本の横桟4間に4枚の太陽電池モジュール5を架け渡して固定したものである。
【0039】
各縦桟3の長手方向が屋根2の水流れ方向Aに一致し、各横桟4の長手方向が水流れ方向Aと直交する方向に一致している。水流れ方向Aの下流側から上流側へと1列目、2列目、3列目の横桟4が並び、1列目と2列目の各横桟4間に1列目の2枚の太陽電池モジュール5が架け渡されて固定され、2列目と3列目の各横桟4間に2列目の2枚の太陽電池モジュール5が架け渡されて固定され、また各太陽電池モジュール5が水流れ方向Aに沿って傾斜している。
【0040】
本実施形態の雪止め具6は、1列目の各太陽電池モジュール5の枠の複数箇所に取付けられている。これらの雪止め具6は、太陽電池モジュール5の上面(受光面)に対して垂直上方向に突出する雪止め壁部を有しており、各雪止め具6の雪止め壁部により太陽電池モジュール5上に降り積もった雪の落下を防止又は抑制する。
【0041】
尚、屋根2に対する縦桟3の固定は、周知の如何なる方法もしくは構造によってなされてもよい。例えば、屋根2の瓦を貫通して垂木に接続された金具により縦桟3を固定することができる。また、縦桟3に対する横桟4の固定も、周知の如何なる方法もしくは構造によってなすことができる。例えば、ボルト及びナットにより縦桟3と横桟4を接続固定することができる。更に、横桟4に対する太陽電池モジュール5の固定構造、及び太陽電池モジュール5に対する雪止め具6の固定構造については、後で詳しく述べる。
【0042】
図2は、太陽電池モジュール5を示す斜視図である。図2に示すように太陽電池モジュール5は、太陽光を光電変換する太陽電池パネル7と、この太陽電池パネル7を縁取って保持する枠8とで構成されている。
【0043】
太陽電池パネル7は、例えば2枚のガラス板の間に、透明電極膜、光電変換層(半導体層)、及び裏面電極膜を順次積層してなる太陽電池セルを挟み込んで、各ガラス板の端部を封止したものである。この太陽電池パネル7についてより詳細に説明すれば、透光性基板であるガラス基板に透明電極と、半導体層からなる光電変換層と、裏面電極層とをこの順に積層して、太陽電池セルを形成し、裏面電極層側に保護板である透光性のガラス基板を貼り合わせて、各ガラス基板間を封止した構成である。あるいは、1枚のガラス板と保護層の間に太陽電池セルを挟み込んで封止したものでもよい。
【0044】
図3は、太陽電池モジュール5の枠8を拡大して示す断面図である。この枠8は、アルミ材からなり、図3に示すように壁部11と、壁部11の上端に設けられた上板12と、壁部11の下端から枠8の内側に延在する底板13とを有している。壁部11の内側上部には棚部11aが形成され、棚部11aと上板12の間には枠8の内側に向く挿入溝11bが形成され、この挿入溝11bに太陽電池パネル7の端部が挿入されて支持されている。太陽電池パネル7の端部と挿入溝11b間には端面封止や緩衝用の弾性シート14が介在しており、弾性シート14により、太陽電池パネル7の端部が封止され、また枠8から太陽電池パネル7の端部への衝撃の伝達が緩和される。また、弾性シート14の介在により、太陽電池パネル7の上面(受光面)と枠8の上板12間に隙間SPが形成されている。
【0045】
更に、上板12の下方で壁部11の外側には、平板状のリブ11cが形成され、更にリブ11cの下方には、枠8の外側に向かって突出するL字状突起部11dが形成され、L字状突起部11dの外側端部が上方に向いている。
【0046】
図4は、図1における横桟4に対する太陽電池モジュール5の固定構造を分解して示す斜視図である。図4に示すように板ナット15及びボルト21により、太陽電池モジュール5の枠8を支持するための固定金具16を横桟4に固定している。
【0047】
固定金具16は、底板16aと、底板16aの両側を垂直に折り曲げてなる各側壁16bと、底板16aの一辺を垂直に折り曲げてなる立設板16cとを有している。
【0048】
底板16aには、穿孔16dが形成されている。この底板16aの奥行の長さが横桟4のレール部4bの幅よりも僅かに短くされており、この底板16aが横桟4のレール部4bの内側に配置される。
【0049】
各側壁16bの上端には、外側に折り曲げられた各受け部16eが形成されている。各受け部16eの高さは、固定金具16の底板16aを横桟4のレール部4bに載せたときに横桟4の第1及び第2台座部4e、4gと同一高さもしくは僅かに低くなるように設定されている。
【0050】
立設板16cの上端には、底板16a側に折り曲げられた鈎部16fと、鈎部16fとは反対側に折り曲げられた係合部16gとが形成されている。2つの鈎部16fが立設板16cの上端両側に設けられ、また1つの係合部16gが立設板16cの上端中央に設けられ、2つの鈎部16fと1つの係合部16gが交互に配置されている。また、立設板16cの両側で折り曲げられた各当接板16hが設けられている。
【0051】
図5及び図6は、横桟4を示す斜視図及び断面図である。この横桟4は、1枚の鋼板を切断及び折り曲げ加工して、メッキを施したものであり、図5及び図6に示すようにその中央に鋼板を折り返して二枚重ねにしてなる境界壁4aを有している。この境界壁4aの一方側に、断面形状がコの字型のレール部4bが形成され、レール部4bの底部に長形孔4fが形成されている。レール部4bは、固定金具16の奥行きの長さよりも僅かに広い幅を有し、このレール部4bの内側に固定金具16を配置することができる。このレール部4bの側壁4cは、外側に直角に折り曲げられており、その折り曲げられた部分の上面が太陽電池モジュール5の枠8を載置する第1台座部4eとなっている。
【0052】
また、横桟4の境界壁4aの他方側には、太陽電池モジュール5の枠8が載置される第2台座部4gが形成されている。第2台座部4gは、階段状に形成されたものであり、第1台座部4eと同じ高さに設定されている。境界壁4aは、第1及び第2台座部4e、4gの上面に対して垂直に立っている。
【0053】
図7は、固定金具16を用いて、横桟4を挟んで配置された2枚の太陽電池モジュール5を該横桟4に固定した構造を示す断面図である。
【0054】
図4及び図7に示すように固定金具16は、その底板16aを横桟4のレール部4bの内側底面に載せられ、その立設板16cを横桟4の境界壁4aに接近配置されている。また、板ナット15は、その主板15aを横桟4のレール部4bの外側底面に当接させられ、その各突設片15b、15c間に横桟4のレール部4bの外側を挟み込んでいる。ボルト21は、ワッシャ22、固定金具16の穿孔16d、及び横桟4の長形孔4fを介して板ナット15のネジ孔15dにねじ込んで締め込まれ、これにより固定金具16が横桟4のレール部4bに固定されている。
【0055】
一方の太陽電池モジュール5の枠8は、横桟4の第1台座部4eに載せられて、固定金具16の各当接板16hに当接しており、枠8のL字状突起部11dの外側端部が固定金具16の各鈎部16fの下側に押し込められて、枠8のL字状突起部11dが固定金具16の各鈎部16fに引っ掛かり係止されている。
【0056】
また、他方の太陽電池モジュール5の枠8は、横桟4の第2台座部4gに載せられて、横桟4の境界壁4aに当接しており、枠8のL字状突起部11dの外側端部が固定金具16の係合部16gの下側に押し込められて、枠8のL字状突起部11dが固定金具16の係合部16gに引っ掛かり係止されている。
【0057】
従って、横桟4の第1台座部4eに一方の太陽電池モジュールの枠8が載せられて、一方の太陽電池モジュールの枠8が固定金具16の各鈎部16fに係止され、横桟4の第2台座部4gに他方の太陽電池モジュールの枠8が載せられて、他方の太陽電池モジュールの枠8が固定金具16の係合部16gに係止され、各太陽電池モジュールの枠8が横桟4を挟んで固定されている。
【0058】
図1においては、各横桟4に複数個の固定金具16(図示せず)を配置して固定し、各太陽電池モジュール5別に、太陽電池モジュール5の枠8の上辺と下辺をそれぞれ2個の固定金具16により固定支持している。
【0059】
次に、本実施形態の雪止め具6を詳しく説明する。図8及び図9は、本実施形態の雪止め具6を示す斜視図及び側面図である。
【0060】
この雪止め具6は、1枚の鋼板(板金)を切断及び折り曲げ加工して、メッキを施したものであり、図8及び図9に示すように鋼板を折り返して二重にしてなる雪止め壁部6aと、雪止め壁部6aを形成する二重にされた鋼板の一方の下端6bで直角に折り曲げられた主板部6cと、雪止め壁部6aを形成する二重にされた鋼板の他方の下端6fより突出して、Z字型に折り曲げられた係合部6gと、主板部6cの一辺6dで折り戻されて、主板部6cの下面側に形成された爪部6eと、主板部6cに形成された2本のU字型の切り込み6hの内側部分を下方に折り曲げてなる2個の弾性部6iとを備えている。
【0061】
雪止め壁部6aは、1枚の板金を折り返して二重にしたものであり、その強度の向上が図られている。
【0062】
主板部6cは、その一辺6dの手前で山型に折り曲げられ、更に一辺6dでV字型に折り曲げられており、一辺6dよりも先端側が爪部6eとなり、この爪部6eが主板部6cの下面に対峙し、また爪部6eの内側に三角形状の係合凹所6jが形成されている。
【0063】
係合部6gは、Z字型に折り曲げられて、爪部6eに向くもしくは爪部6eと対向する係合凹所6kと、呼込み部6mとを有している。
【0064】
図10(a)、(b)は、雪止め具6を太陽電池モジュール5の枠8に取付けるための手順を示している。
【0065】
まず、図10(a)に示すように雪止め具6の係合部6gを太陽電池モジュール5の枠8の上板12に載せて、雪止め具6の爪部6eを太陽電池パネル7の上面(受光面)に載せ、雪止め具6を矢印の方向Bに移動させて、雪止め具6の係合部6gを枠8の上板12で滑動させると共に、雪止め具6の爪部6eを太陽電池パネル7の上面で滑動させて行く。
【0066】
この滑動に伴い、雪止め具6の係合部6gが太陽電池モジュール5の枠8の上板12の外側端部に到達したときに、係合部6gが矢印の方向Cに下降されると、係合部6gの呼込み部6mにより枠8の上板12の外側端部が案内されて、係合部6gの係合凹所6kへと上板12の外側端部が滑り込み、図10(b)に示すように係合部6gの係合凹所6kに上板12の外側端部(凸部)が係合する。同時に、図10(b)に示すように雪止め具6の爪部6eが太陽電池パネル7の上面(受光面)と枠8の上板12との隙間SPに侵入して、爪部6eが上板12の内側端部に引っ掛かる。これにより、雪止め具6の爪部6eと係合部6gの間に太陽電池モジュール5の枠8が挟み込まれ、雪止め具6が太陽電池モジュール5の枠8に係止されて取付けられ、雪止め具6の雪止め壁部6aが太陽電池モジュール5の枠8の上に突設される。
【0067】
ここで、図10(b)に示すように雪止め具6が太陽電池モジュール5の枠8に取付けられた状態では、雪止め具6の爪部6eと係合部6gとの間が僅かに広がって、雪止め具6の弾性力により爪部6eと係合部6gとの間に太陽電池モジュール5の枠8が挟み込まれるようにしている。すなわち、太陽電池モジュール5の枠8を挟み込む前の爪部6eと係合部6gとの間の距離を、太陽電池モジュール5の枠8を挟み込んだ後の爪部6eと係合部6gとの間の距離よりも短く設定しておき、雪止め具6の弾性変形により爪部6eと係合部6gとの間が広がって、この間に太陽電池モジュール5の枠8が挟み込まれ、雪止め具6の弾性力により爪部6eと係合部6gとの間に太陽電池モジュール5の枠8が挟み込まれるようにしている。これにより、図10(b)において雪止め具6の屋根の傾斜方向のがたつきが防止される。この状態では、太陽電池モジュール5の上に雪が降り積もると、雪荷重を爪部6eが受け、また軒方向からの風圧による荷重を係合部6gが受けるので、雪止め具6が安定的に支持されて固定される。
【0068】
また、図10(b)においては、雪止め具6の各弾性部6iが太陽電池モジュール5の枠8の上板12に押し付けられて弾性変形しており、この弾性変形した各弾性部6iが太陽電池モジュール5の枠8の上板12を押圧している。これにより、図10(b)において雪止め具6の上下方向のがたつきが防止される。
【0069】
このように雪止め具6の係合部6gを太陽電池モジュール5の枠8の上板12に載せて、雪止め具6の爪部6eを太陽電池パネル7の上面に載せ、雪止め具6を移動させるだけで、雪止め具6を太陽電池モジュール5の枠8に係止させることができ、しかも雪止め具6をがたつき無く太陽電池モジュール5の枠8に取付けることができる。
【0070】
また、雪止め具6の係合部6gを、図10(a)に示す矢印の方向Cとは逆方向に持ち上げてから、雪止め具6を図10(a)に示す矢印の方向Bとは逆方向に移動させれば、雪止め具6を太陽電池モジュール5の枠8から簡単に取り外すことができる。
【0071】
このため、太陽電池モジュール5を設置してから、雪止め具6を後付けしたり、雪止め具6を取り外したり、あるいは雪止め具6の位置を変更したりすることができる。また、雪止め具6の着脱が容易であって後付けが可能であるため、雪止め具6を容易に増減することが可能である。
【0072】
図11は、2個の雪止め具6が取付けられた太陽電池モジュール5を例示する斜視図である。図11においては、太陽電池モジュール5の四辺のうちの傾斜下方(水流れ方向A)にあって傾斜方向と直交する一辺(枠8の一辺)の2箇所に雪止め具6を取付け、各雪止め具6の雪止め壁部6aを太陽電池モジュール5の枠8の上に突設している。
【0073】
図12は、太陽電池モジュール5の光電変換層からの雪止め具6の雪止め壁部6aの高さh、太陽電池モジュール5の光電変換層領域M、冬至における南中時に入射する太陽光SL、及び屋根の傾斜角αとの関係を示す図である。
【0074】
冬至における南中時の太陽の高度は、年間を通じて最も低く、太陽光SLが最も傾斜して水平方向に近づき、雪止め具6の雪止め壁部6aの影の長さが最も長くなる。また、雪止め壁部6aの影の長さは、屋根の傾斜角αが小さくなるほど長くなる。このため、積雪量が多い地域における一般的な家屋の屋根の傾斜角αを一定角度(平均的な傾斜角)と仮定すれば、冬至における南中時の雪止め壁部6aの影から太陽電池モジュール5の光電変換層領域Mが外れるような雪止め壁部6aの高さhを求めることができ、この高さhに雪止め壁部6aの高さを設定することにより、年間を通じて、最も発電効率が高くなる南中時に雪止め壁部6aの影に太陽電池モジュール5の光電変換層領域Mが入らないようにすることができる。
【0075】
図13は、雪止め具の第1変形例及び太陽電池モジュール5の枠の第1変形例を示す断面図である。図13において、第1変形例の雪止め具6Aは、鋼板を折り返して二重にして雪止め壁部6aを形成しているが、二重となる鋼板を離間させて、雪止め壁部6aをより厚くし、雪止め壁部6aの強度向上を図っている。
【0076】
また、第1変形例の枠8Aは、壁部31と、壁部31の上端に設けられた上板32と、壁部31の下端から枠8Aの内側に延在する底板33とを有している。壁部31の内側上部には棚部31aが形成され、棚部31aと上板32の間には枠8Aの内側に向く挿入溝31bが形成され、この挿入溝31bに太陽電池パネル7の端部が挿入されて支持される。太陽電池パネル7の端部と挿入溝31a間には端面封止や緩衝用の弾性シート14が介在し、太陽電池パネル7の上面(受光面)と枠8Aの上板32間に隙間SPが形成されている。
【0077】
更に、上板32の下方で壁部31の外側には、枠8Aの外側に向かって突出するL字状突起部31dが形成され、L字状突起部31dの外側端部が上方に向いている。
【0078】
枠8Aの外側に向くL字状突起部31dは、枠8Aが横桟4の第1台座部4eに載せられたときに固定金具16の各鈎部16fに係止され、また枠8Aが横桟4の第2台座部4gに載せられたときに固定金具16の係合部16gに係止される。
【0079】
このような雪止め具6A及び太陽電池モジュール5の枠8Aについても、雪止め具6Aの係合部6gを太陽電池モジュール5の枠8Aの上板32に載せて、雪止め具6Aの爪部6eを太陽電池パネル7の上面に載せ、雪止め具6Aを移動させ、係合部6gの係合凹所6kに枠8Aの上板32の外側端部(凸部)を係合させ、これと同時に雪止め具6Aの爪部6eを太陽電池パネル7の上面と枠8Aの上板32との隙間SPに侵入させて、爪部6eを枠8Aの上板32の内側端部に引っ掛けることができ、雪止め具6Aを太陽電池モジュール5の枠8Aに係止させて取付けることができ、雪止め具6Aをがたつき無く太陽電池モジュール5の枠8Aに取付けることができる。また、雪止め具6Aを取付けるときの逆の手順により、雪止め具6Aを簡単に取り外すことができる。
【0080】
図14は、雪止め具の第2変形例及び太陽電池モジュール5の枠の第2変形例を示す断面図である。図14において、第2変形例の雪止め具6Bは、図13の雪止め具6Aと同様に、雪止め壁部6aをより厚くするだけではなく、更に主板部6cの各弾性部6iを省略している。
【0081】
また、第2変形例の枠8Bは、図13の枠8Aと略同様の外観形状を有しているが、上板32Bがより厚くされている。
【0082】
このような雪止め具6B及び太陽電池モジュール5の枠8Bについても、雪止め具6Bの係合部6gを太陽電池モジュール5の枠8Bの上板32Bに載せて、雪止め具6Bの爪部6eを太陽電池パネル7の上面に載せ、雪止め具6Bを移動させるだけで、雪止め具6Bを太陽電池モジュール5の枠8Bに係止させて取付けることができる。また、上板32Bが厚いため、雪止め具6Bの主板部6c、爪部6e、及び係合部6gで囲まれる内側スペースに上板32Bが略隙間無く嵌合し、雪止め具6Bをがたつき無く太陽電池モジュール5の枠8Bに取付けることができる。更に、雪止め具6Bを取付けるときの逆の手順により、雪止め具6Bを簡単に取り外すことができる。
【0083】
図15は、雪止め具の第3変形例及び太陽電池モジュール5の第3変形例を示す断面図である。図15において、第3変形例の雪止め具6Cは、図14の雪止め具6Bと同様に、雪止め壁部6aをより厚くして、主板部6cの各弾性部6iを省略するだけではなく、更に鋼板を折り返して二重にしてなる雪止め壁部6aの片方の壁部6pを延長して、壁部6pの下端に係合部6gを設けている。
【0084】
また、第3変形例の枠8Cは、壁部41と、壁部41の上端内側に設けられた上板42と、壁部41の下端から枠8Cの内側に延在する底板43とを有している。壁部41の外壁面は、平坦面でとなっている。また、壁部41の内側上部には棚部41aが形成され、棚部41aと上板42間の挿入溝41bに太陽電池パネル7の端部が挿入されて支持されている。太陽電池パネル7の端部と挿入溝41b間には端面封止や緩衝用の弾性シート14が介在し、太陽電池パネル7の上面と枠8Cの上板42間に隙間SPが形成されている。
【0085】
このような雪止め具6C及び太陽電池モジュール5の枠8Cの場合は、雪止め具6Cの爪部6eを太陽電池パネル7の上面に載せて、雪止め具6Cを移動させると、雪止め具6Cの爪部6eを太陽電池パネル7の上面と枠8Cの上板42との隙間SPに侵入させて、爪部6eを上板42の内側端部に引っ掛けることができ、これと同時に雪止め壁部6aの片方の壁部6pを下方に降ろして、係合部6gの係合凹所6kに枠8Cの外端角部(凸部)8aを係合させることができ、雪止め具6Cをがたつき無く太陽電池モジュール5の枠8Cに取付けることができる。また、雪止め具6Cを取付けるときの逆の手順により、雪止め具6Cを簡単に取り外すことができ
尚、図15に示すように一般的な家屋の屋根の傾斜角αを一定角度(平均的な傾斜角)と仮定して、冬至における南中時の雪止め具6Cの雪止め壁部6aの影から太陽電池モジュール5の光電変換層領域Mが外れるような雪止め壁部6aの高さhを求め、この高さhに雪止め壁部6aの高さを設定すれば、年間を通じて、最も発電効率が高くなる南中時に雪止め壁部6aの影に太陽電池モジュール5の光電変換層領域Mが入らないようにすることができる。勿論、図13及び図14の雪止め具6A、6Bについても、同様の方法で雪止め壁部6aの高さを設定することができる。
【0086】
また、上記実施形態及び各変形例の雪止め具では、係合部6gの係合凹所6kに太陽電池モジュール5の枠8の凸部を係合させているが、係合部6gに係合凸部を形成し、係合部6gの係合凸部を太陽電池モジュール5の枠8の凹所に係合させても構わない。あるいは、係合部6gに係合凹凸部を形成し、係合部6gの係合凹凸部を太陽電池モジュール5の枠8の凸凹部に係合させても構わない。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0088】
1 太陽光発電システム
2 屋根
3 縦桟
4 横桟(桟)
4a 境界壁
4b レール部
4c 側壁
4e 第1台座部
4f 長形孔
4g 第2台座部
5 太陽電池モジュール
6、6A、6B、6C 雪止め具
6a 雪止め壁部
6c 主板部
6e 爪部
6g 係合部
6i 弾性部6i
7 太陽電池パネル
8、8A、8B、8C 枠
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根等に設けられる太陽電池モジュールの雪止め具、太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造、及び太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
積雪量の多い地域では、屋根上に降り積もった雪の落下による被害が通行人や物等に及ばないようにするため、屋根の軒に雪止め具を設けて、雪の落下を防止又は抑制することがある。また、屋根上に太陽電池モジュールを設置している場合は、太陽電池モジュール上に雪が積もって落下するため、太陽電池モジュールに雪止め具を設けることがある。
【0003】
例えば、特許文献1では、複数の太陽電池モジュールの間にカバーを挿入して取付けており、このカバーとして雪止め部を有するものを適用して、カバーの雪止め部により雪の落下を防止又は抑制している。
【0004】
また、特許文献2では、雪止め部材を太陽電池モジュールのフレームにネジ止めして、雪止め部材により雪の落下を防止又は抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−345668号公報
【特許文献2】特開2006−278671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の雪止め部は、カバーの一部であり、カバーを各太陽電池モジュールの間に挿入して取付けるため、その取付け作業が容易であるとはいえない。また、カバーとして、雪止め部を有するものと有さないものとを選択的に用いることから、カバーの種類が増加する。更に、雨水や土埃が通り抜ける孔や開口箇所を雪止め部に形成しているが、それらの孔や開口箇所の位置や個数等を現場で調節することが困難である。
【0007】
また、特許文献2の雪止め部材は、フレームにネジ止めする必用があるため、多数の雪止め部材を設ける場合は、その取付け作業が煩雑になる。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、取付け作業が容易であって、その取付け位置や個数等を現場で容易に調節することが可能な太陽電池モジュールの雪止め具、太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造、及び太陽光発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、太陽電池モジュールに設置される雪止め具であって、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部とを備えている。
【0010】
このような本発明の雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの上面(受光面)に載せ、爪部を太陽電池モジュールの枠方向に移動させて行くと、爪部が太陽電池モジュールの枠の内側に侵入して、爪部が枠に引っ掛かる。これにより、雪止め具が太陽電池モジュールの枠に係止されて取付けられる。
【0011】
また、本発明は、太陽電池モジュールに設置される雪止め具であって、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部と、前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合する係合部とを備えている。
【0012】
このような本発明の雪止め具についても、その爪部を太陽電池モジュールの上面(受光面)に載せ、爪部を太陽電池モジュールの枠方向に移動させて行くと、爪部が太陽電池モジュールの枠の内側に侵入して、爪部が枠に引っ掛かる。また、同時に係合部が太陽電池モジュールの枠の外側に係合し、係合部と爪部の間に太陽電池モジュールの枠が挟み込まれ、雪止め具が確実に支持される。
【0013】
また、上記各本発明の雪止め具を太陽電池モジュールの枠に取付けた状態で、太陽電池モジュール上に雪が積もると、雪止め壁部によって雪の落下が防止又は抑制される。この際、爪部が枠に引っ掛かっているため、雪の荷重が掛っても雪止め具が外れることはない。
【0014】
更に、係合部と爪部の間に太陽電池モジュールの枠を挟み込む場合は、雪の荷重が掛っても雪止め具が外れないばかりでなく、軒方向からの風荷重が掛っても雪止め具が外れない。
【0015】
また、雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの枠に引っ掛けるため、爪部を引き抜く方向に、雪止め具を移動させることにより、雪止め具を太陽電池モジュールの枠から小さな力で取り外すことができる。あるいは、雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの枠に引っ掛けて、雪止め具の係合部を太陽電池モジュールの枠の外側に係合させるため、係合部を外したのち、爪部を引き抜く方向に、雪止め具を移動させることにより、雪止め具を太陽電池モジュールの枠から小さな力で取り外すことができる。このため、太陽電池モジュールを設置してから、雪止め具を後付けしたり、雪止め具を取り外したり、あるいは雪止め具の位置を変更したりすることができる。また、雪止め具の着脱が容易であって後付けが可能であるため、雪止め具を容易に増減することが可能である。
【0016】
また、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具においては、前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側に形成された凹凸と係合する。
【0017】
この場合は、係合部が太陽電池モジュールの枠外側の凹凸に確実に係合する。
【0018】
例えば、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具においては、前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側下端に係合する。
【0019】
更に、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具においては、前記太陽電池モジュールの枠を上方から押圧する弾性部を備えている。
【0020】
雪止め具が太陽電池モジュールの枠に取付けられた状態では、そのような弾性部が太陽電池モジュールの枠を押圧するので、雪止め具と太陽電池モジュールの枠間のがたつきが無くなる。
【0021】
また、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具においては、1枚の板金を折り返して二重にすることにより前記雪止め壁部を形成している。
【0022】
これにより、雪止め壁部の強度を向上させることができる。
【0023】
次に、本発明は、太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部とを備え、前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛けて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けている。
【0024】
また、本発明は、太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部と、前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合する係合部とを備え、前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛け、前記雪止め具の係合部を前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合させて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けている。
【0025】
また、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造においては、前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側に形成された凹凸と係合している。
【0026】
更に、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造においては、前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側下端に係合している。
【0027】
また、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造においては、前記太陽電池モジュールの枠を上方から押圧する弾性部を備えている。
【0028】
このような本発明の取付け構造においても、上記本発明の太陽電池モジュールの雪止め具と同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
次に、本発明は、太陽電池モジュールを傾斜させて支持した太陽光発電システムであって、前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部とを備え、前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛けて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けている。
【0030】
また、本発明は、太陽電池モジュールを傾斜させて支持した太陽光発電システムであって、前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部と、前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合する係合部とを備え、前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛け、前記雪止め具の係合部を前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合させて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けている。
【0031】
このような本発明の太陽光発電システムにおいても、上記本発明の太陽電池モジュールの雪止め具と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの上面(受光面)に載せ、爪部を太陽電池モジュールの枠方向に移動させて行くと、爪部が太陽電池モジュールの枠の内側に侵入して、爪部が枠に引っ掛かり、雪止め具が太陽電池モジュールの枠に係止されて取付けられる。あるいは、雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの上面(受光面)に載せ、爪部を太陽電池モジュールの枠方向に移動させて行くと、爪部が太陽電池モジュールの枠の内側に侵入して、爪部が枠に引っ掛かり、これと同時に係合部が太陽電池モジュールの枠の外側に係合し、係合部と爪部の間に太陽電池モジュールの枠が挟み込まれ、雪止め具が確実に支持される。
【0033】
このような雪止め具を太陽電池モジュールの枠に取付けた状態で、太陽電池モジュール上に雪が積もると、雪止め壁部によって雪の落下が防止又は抑制される。この際、爪部が枠に引っ掛かっているため、雪の荷重が掛っても雪止め具が外れることはない。
【0034】
また、係合部と爪部の間に太陽電池モジュールの枠を挟み込む場合は、雪の荷重が掛っても雪止め具が外れないばかりでなく、軒方向からの風荷重が掛っても雪止め具が外れない。
【0035】
また、雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの枠に引っ掛けるため、爪部を引き抜く方向に、雪止め具を移動させることにより、雪止め具を太陽電池モジュールの枠から小さな力で取り外すことができる。あるいは、あるいは、雪止め具の爪部を太陽電池モジュールの枠に引っ掛けて、雪止め具の係合部を太陽電池モジュールの枠の外側に係合させるため、係合部を外したのち、爪部を引き抜く方向に、雪止め具を移動させることにより、雪止め具を太陽電池モジュールの枠から小さな力で取り外すことができる。このため、太陽電池モジュールを設置してから、雪止め具を後付けしたり、雪止め具を取り外したり、あるいは雪止め具の位置を変更したりすることができる。また、雪止め具の着脱が容易であって後付けが可能であるため、雪止め具を容易に増減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の太陽電池モジュールの雪止め具の一実施形態を適用した太陽光発電システムを示す斜視図である。
【図2】図1の太陽光発電システムにおける太陽電池モジュールを示す斜視図である。
【図3】太陽電池モジュールの枠を拡大して示す断面図である。
【図4】図1の太陽光発電システムにおける横桟に対する太陽電池モジュールの固定構造を拡大し分解して示す斜視図である。
【図5】図4の横桟を示す斜視図である。
【図6】図4の横桟を示す断面図である。
【図7】固定金具及び板ナットを用いて、横桟を挟んで配置された2枚の太陽電池モジュールを該横桟に固定した状態を示す断面図である。
【図8】本発明の太陽電池モジュールの雪止め具の一実施形態を示す斜視図である。
【図9】図8の雪止め具を示す側面図である。
【図10】(a)、(b)は、図8の雪止め具を太陽電池モジュールの枠に取付けるための手順を示す図である。
【図11】2個の雪止め具が取付けられた太陽電池モジュールを例示する斜視図である。
【図12】雪止め具の雪止め壁部の高さh、太陽電池モジュールの光電変換層領域M、冬至における南中時に入射する太陽光SL、及び屋根の傾斜角αとの関係を示す図である。
【図13】雪止め具の第1変形例及び太陽電池モジュールの枠の第1変形例を示す断面図である。
【図14】雪止め具の第2変形例及び太陽電池モジュールの枠の第2変形例を示す断面図である。
【図15】雪止め具の第3変形例及び太陽電池モジュールの枠の第3変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0038】
図1は、本発明の太陽電池モジュールの雪止め具の一実施形態を適用した太陽光発電システムを示す斜視図である。この太陽光発電システム1は、屋根2上に4本の縦桟3を離間させて相互に平行に固定配置し、各縦桟3上に、3本の横桟4を一定の間隔を開けて相互に平行に固定配置し、この3本の横桟4間に4枚の太陽電池モジュール5を架け渡して固定したものである。
【0039】
各縦桟3の長手方向が屋根2の水流れ方向Aに一致し、各横桟4の長手方向が水流れ方向Aと直交する方向に一致している。水流れ方向Aの下流側から上流側へと1列目、2列目、3列目の横桟4が並び、1列目と2列目の各横桟4間に1列目の2枚の太陽電池モジュール5が架け渡されて固定され、2列目と3列目の各横桟4間に2列目の2枚の太陽電池モジュール5が架け渡されて固定され、また各太陽電池モジュール5が水流れ方向Aに沿って傾斜している。
【0040】
本実施形態の雪止め具6は、1列目の各太陽電池モジュール5の枠の複数箇所に取付けられている。これらの雪止め具6は、太陽電池モジュール5の上面(受光面)に対して垂直上方向に突出する雪止め壁部を有しており、各雪止め具6の雪止め壁部により太陽電池モジュール5上に降り積もった雪の落下を防止又は抑制する。
【0041】
尚、屋根2に対する縦桟3の固定は、周知の如何なる方法もしくは構造によってなされてもよい。例えば、屋根2の瓦を貫通して垂木に接続された金具により縦桟3を固定することができる。また、縦桟3に対する横桟4の固定も、周知の如何なる方法もしくは構造によってなすことができる。例えば、ボルト及びナットにより縦桟3と横桟4を接続固定することができる。更に、横桟4に対する太陽電池モジュール5の固定構造、及び太陽電池モジュール5に対する雪止め具6の固定構造については、後で詳しく述べる。
【0042】
図2は、太陽電池モジュール5を示す斜視図である。図2に示すように太陽電池モジュール5は、太陽光を光電変換する太陽電池パネル7と、この太陽電池パネル7を縁取って保持する枠8とで構成されている。
【0043】
太陽電池パネル7は、例えば2枚のガラス板の間に、透明電極膜、光電変換層(半導体層)、及び裏面電極膜を順次積層してなる太陽電池セルを挟み込んで、各ガラス板の端部を封止したものである。この太陽電池パネル7についてより詳細に説明すれば、透光性基板であるガラス基板に透明電極と、半導体層からなる光電変換層と、裏面電極層とをこの順に積層して、太陽電池セルを形成し、裏面電極層側に保護板である透光性のガラス基板を貼り合わせて、各ガラス基板間を封止した構成である。あるいは、1枚のガラス板と保護層の間に太陽電池セルを挟み込んで封止したものでもよい。
【0044】
図3は、太陽電池モジュール5の枠8を拡大して示す断面図である。この枠8は、アルミ材からなり、図3に示すように壁部11と、壁部11の上端に設けられた上板12と、壁部11の下端から枠8の内側に延在する底板13とを有している。壁部11の内側上部には棚部11aが形成され、棚部11aと上板12の間には枠8の内側に向く挿入溝11bが形成され、この挿入溝11bに太陽電池パネル7の端部が挿入されて支持されている。太陽電池パネル7の端部と挿入溝11b間には端面封止や緩衝用の弾性シート14が介在しており、弾性シート14により、太陽電池パネル7の端部が封止され、また枠8から太陽電池パネル7の端部への衝撃の伝達が緩和される。また、弾性シート14の介在により、太陽電池パネル7の上面(受光面)と枠8の上板12間に隙間SPが形成されている。
【0045】
更に、上板12の下方で壁部11の外側には、平板状のリブ11cが形成され、更にリブ11cの下方には、枠8の外側に向かって突出するL字状突起部11dが形成され、L字状突起部11dの外側端部が上方に向いている。
【0046】
図4は、図1における横桟4に対する太陽電池モジュール5の固定構造を分解して示す斜視図である。図4に示すように板ナット15及びボルト21により、太陽電池モジュール5の枠8を支持するための固定金具16を横桟4に固定している。
【0047】
固定金具16は、底板16aと、底板16aの両側を垂直に折り曲げてなる各側壁16bと、底板16aの一辺を垂直に折り曲げてなる立設板16cとを有している。
【0048】
底板16aには、穿孔16dが形成されている。この底板16aの奥行の長さが横桟4のレール部4bの幅よりも僅かに短くされており、この底板16aが横桟4のレール部4bの内側に配置される。
【0049】
各側壁16bの上端には、外側に折り曲げられた各受け部16eが形成されている。各受け部16eの高さは、固定金具16の底板16aを横桟4のレール部4bに載せたときに横桟4の第1及び第2台座部4e、4gと同一高さもしくは僅かに低くなるように設定されている。
【0050】
立設板16cの上端には、底板16a側に折り曲げられた鈎部16fと、鈎部16fとは反対側に折り曲げられた係合部16gとが形成されている。2つの鈎部16fが立設板16cの上端両側に設けられ、また1つの係合部16gが立設板16cの上端中央に設けられ、2つの鈎部16fと1つの係合部16gが交互に配置されている。また、立設板16cの両側で折り曲げられた各当接板16hが設けられている。
【0051】
図5及び図6は、横桟4を示す斜視図及び断面図である。この横桟4は、1枚の鋼板を切断及び折り曲げ加工して、メッキを施したものであり、図5及び図6に示すようにその中央に鋼板を折り返して二枚重ねにしてなる境界壁4aを有している。この境界壁4aの一方側に、断面形状がコの字型のレール部4bが形成され、レール部4bの底部に長形孔4fが形成されている。レール部4bは、固定金具16の奥行きの長さよりも僅かに広い幅を有し、このレール部4bの内側に固定金具16を配置することができる。このレール部4bの側壁4cは、外側に直角に折り曲げられており、その折り曲げられた部分の上面が太陽電池モジュール5の枠8を載置する第1台座部4eとなっている。
【0052】
また、横桟4の境界壁4aの他方側には、太陽電池モジュール5の枠8が載置される第2台座部4gが形成されている。第2台座部4gは、階段状に形成されたものであり、第1台座部4eと同じ高さに設定されている。境界壁4aは、第1及び第2台座部4e、4gの上面に対して垂直に立っている。
【0053】
図7は、固定金具16を用いて、横桟4を挟んで配置された2枚の太陽電池モジュール5を該横桟4に固定した構造を示す断面図である。
【0054】
図4及び図7に示すように固定金具16は、その底板16aを横桟4のレール部4bの内側底面に載せられ、その立設板16cを横桟4の境界壁4aに接近配置されている。また、板ナット15は、その主板15aを横桟4のレール部4bの外側底面に当接させられ、その各突設片15b、15c間に横桟4のレール部4bの外側を挟み込んでいる。ボルト21は、ワッシャ22、固定金具16の穿孔16d、及び横桟4の長形孔4fを介して板ナット15のネジ孔15dにねじ込んで締め込まれ、これにより固定金具16が横桟4のレール部4bに固定されている。
【0055】
一方の太陽電池モジュール5の枠8は、横桟4の第1台座部4eに載せられて、固定金具16の各当接板16hに当接しており、枠8のL字状突起部11dの外側端部が固定金具16の各鈎部16fの下側に押し込められて、枠8のL字状突起部11dが固定金具16の各鈎部16fに引っ掛かり係止されている。
【0056】
また、他方の太陽電池モジュール5の枠8は、横桟4の第2台座部4gに載せられて、横桟4の境界壁4aに当接しており、枠8のL字状突起部11dの外側端部が固定金具16の係合部16gの下側に押し込められて、枠8のL字状突起部11dが固定金具16の係合部16gに引っ掛かり係止されている。
【0057】
従って、横桟4の第1台座部4eに一方の太陽電池モジュールの枠8が載せられて、一方の太陽電池モジュールの枠8が固定金具16の各鈎部16fに係止され、横桟4の第2台座部4gに他方の太陽電池モジュールの枠8が載せられて、他方の太陽電池モジュールの枠8が固定金具16の係合部16gに係止され、各太陽電池モジュールの枠8が横桟4を挟んで固定されている。
【0058】
図1においては、各横桟4に複数個の固定金具16(図示せず)を配置して固定し、各太陽電池モジュール5別に、太陽電池モジュール5の枠8の上辺と下辺をそれぞれ2個の固定金具16により固定支持している。
【0059】
次に、本実施形態の雪止め具6を詳しく説明する。図8及び図9は、本実施形態の雪止め具6を示す斜視図及び側面図である。
【0060】
この雪止め具6は、1枚の鋼板(板金)を切断及び折り曲げ加工して、メッキを施したものであり、図8及び図9に示すように鋼板を折り返して二重にしてなる雪止め壁部6aと、雪止め壁部6aを形成する二重にされた鋼板の一方の下端6bで直角に折り曲げられた主板部6cと、雪止め壁部6aを形成する二重にされた鋼板の他方の下端6fより突出して、Z字型に折り曲げられた係合部6gと、主板部6cの一辺6dで折り戻されて、主板部6cの下面側に形成された爪部6eと、主板部6cに形成された2本のU字型の切り込み6hの内側部分を下方に折り曲げてなる2個の弾性部6iとを備えている。
【0061】
雪止め壁部6aは、1枚の板金を折り返して二重にしたものであり、その強度の向上が図られている。
【0062】
主板部6cは、その一辺6dの手前で山型に折り曲げられ、更に一辺6dでV字型に折り曲げられており、一辺6dよりも先端側が爪部6eとなり、この爪部6eが主板部6cの下面に対峙し、また爪部6eの内側に三角形状の係合凹所6jが形成されている。
【0063】
係合部6gは、Z字型に折り曲げられて、爪部6eに向くもしくは爪部6eと対向する係合凹所6kと、呼込み部6mとを有している。
【0064】
図10(a)、(b)は、雪止め具6を太陽電池モジュール5の枠8に取付けるための手順を示している。
【0065】
まず、図10(a)に示すように雪止め具6の係合部6gを太陽電池モジュール5の枠8の上板12に載せて、雪止め具6の爪部6eを太陽電池パネル7の上面(受光面)に載せ、雪止め具6を矢印の方向Bに移動させて、雪止め具6の係合部6gを枠8の上板12で滑動させると共に、雪止め具6の爪部6eを太陽電池パネル7の上面で滑動させて行く。
【0066】
この滑動に伴い、雪止め具6の係合部6gが太陽電池モジュール5の枠8の上板12の外側端部に到達したときに、係合部6gが矢印の方向Cに下降されると、係合部6gの呼込み部6mにより枠8の上板12の外側端部が案内されて、係合部6gの係合凹所6kへと上板12の外側端部が滑り込み、図10(b)に示すように係合部6gの係合凹所6kに上板12の外側端部(凸部)が係合する。同時に、図10(b)に示すように雪止め具6の爪部6eが太陽電池パネル7の上面(受光面)と枠8の上板12との隙間SPに侵入して、爪部6eが上板12の内側端部に引っ掛かる。これにより、雪止め具6の爪部6eと係合部6gの間に太陽電池モジュール5の枠8が挟み込まれ、雪止め具6が太陽電池モジュール5の枠8に係止されて取付けられ、雪止め具6の雪止め壁部6aが太陽電池モジュール5の枠8の上に突設される。
【0067】
ここで、図10(b)に示すように雪止め具6が太陽電池モジュール5の枠8に取付けられた状態では、雪止め具6の爪部6eと係合部6gとの間が僅かに広がって、雪止め具6の弾性力により爪部6eと係合部6gとの間に太陽電池モジュール5の枠8が挟み込まれるようにしている。すなわち、太陽電池モジュール5の枠8を挟み込む前の爪部6eと係合部6gとの間の距離を、太陽電池モジュール5の枠8を挟み込んだ後の爪部6eと係合部6gとの間の距離よりも短く設定しておき、雪止め具6の弾性変形により爪部6eと係合部6gとの間が広がって、この間に太陽電池モジュール5の枠8が挟み込まれ、雪止め具6の弾性力により爪部6eと係合部6gとの間に太陽電池モジュール5の枠8が挟み込まれるようにしている。これにより、図10(b)において雪止め具6の屋根の傾斜方向のがたつきが防止される。この状態では、太陽電池モジュール5の上に雪が降り積もると、雪荷重を爪部6eが受け、また軒方向からの風圧による荷重を係合部6gが受けるので、雪止め具6が安定的に支持されて固定される。
【0068】
また、図10(b)においては、雪止め具6の各弾性部6iが太陽電池モジュール5の枠8の上板12に押し付けられて弾性変形しており、この弾性変形した各弾性部6iが太陽電池モジュール5の枠8の上板12を押圧している。これにより、図10(b)において雪止め具6の上下方向のがたつきが防止される。
【0069】
このように雪止め具6の係合部6gを太陽電池モジュール5の枠8の上板12に載せて、雪止め具6の爪部6eを太陽電池パネル7の上面に載せ、雪止め具6を移動させるだけで、雪止め具6を太陽電池モジュール5の枠8に係止させることができ、しかも雪止め具6をがたつき無く太陽電池モジュール5の枠8に取付けることができる。
【0070】
また、雪止め具6の係合部6gを、図10(a)に示す矢印の方向Cとは逆方向に持ち上げてから、雪止め具6を図10(a)に示す矢印の方向Bとは逆方向に移動させれば、雪止め具6を太陽電池モジュール5の枠8から簡単に取り外すことができる。
【0071】
このため、太陽電池モジュール5を設置してから、雪止め具6を後付けしたり、雪止め具6を取り外したり、あるいは雪止め具6の位置を変更したりすることができる。また、雪止め具6の着脱が容易であって後付けが可能であるため、雪止め具6を容易に増減することが可能である。
【0072】
図11は、2個の雪止め具6が取付けられた太陽電池モジュール5を例示する斜視図である。図11においては、太陽電池モジュール5の四辺のうちの傾斜下方(水流れ方向A)にあって傾斜方向と直交する一辺(枠8の一辺)の2箇所に雪止め具6を取付け、各雪止め具6の雪止め壁部6aを太陽電池モジュール5の枠8の上に突設している。
【0073】
図12は、太陽電池モジュール5の光電変換層からの雪止め具6の雪止め壁部6aの高さh、太陽電池モジュール5の光電変換層領域M、冬至における南中時に入射する太陽光SL、及び屋根の傾斜角αとの関係を示す図である。
【0074】
冬至における南中時の太陽の高度は、年間を通じて最も低く、太陽光SLが最も傾斜して水平方向に近づき、雪止め具6の雪止め壁部6aの影の長さが最も長くなる。また、雪止め壁部6aの影の長さは、屋根の傾斜角αが小さくなるほど長くなる。このため、積雪量が多い地域における一般的な家屋の屋根の傾斜角αを一定角度(平均的な傾斜角)と仮定すれば、冬至における南中時の雪止め壁部6aの影から太陽電池モジュール5の光電変換層領域Mが外れるような雪止め壁部6aの高さhを求めることができ、この高さhに雪止め壁部6aの高さを設定することにより、年間を通じて、最も発電効率が高くなる南中時に雪止め壁部6aの影に太陽電池モジュール5の光電変換層領域Mが入らないようにすることができる。
【0075】
図13は、雪止め具の第1変形例及び太陽電池モジュール5の枠の第1変形例を示す断面図である。図13において、第1変形例の雪止め具6Aは、鋼板を折り返して二重にして雪止め壁部6aを形成しているが、二重となる鋼板を離間させて、雪止め壁部6aをより厚くし、雪止め壁部6aの強度向上を図っている。
【0076】
また、第1変形例の枠8Aは、壁部31と、壁部31の上端に設けられた上板32と、壁部31の下端から枠8Aの内側に延在する底板33とを有している。壁部31の内側上部には棚部31aが形成され、棚部31aと上板32の間には枠8Aの内側に向く挿入溝31bが形成され、この挿入溝31bに太陽電池パネル7の端部が挿入されて支持される。太陽電池パネル7の端部と挿入溝31a間には端面封止や緩衝用の弾性シート14が介在し、太陽電池パネル7の上面(受光面)と枠8Aの上板32間に隙間SPが形成されている。
【0077】
更に、上板32の下方で壁部31の外側には、枠8Aの外側に向かって突出するL字状突起部31dが形成され、L字状突起部31dの外側端部が上方に向いている。
【0078】
枠8Aの外側に向くL字状突起部31dは、枠8Aが横桟4の第1台座部4eに載せられたときに固定金具16の各鈎部16fに係止され、また枠8Aが横桟4の第2台座部4gに載せられたときに固定金具16の係合部16gに係止される。
【0079】
このような雪止め具6A及び太陽電池モジュール5の枠8Aについても、雪止め具6Aの係合部6gを太陽電池モジュール5の枠8Aの上板32に載せて、雪止め具6Aの爪部6eを太陽電池パネル7の上面に載せ、雪止め具6Aを移動させ、係合部6gの係合凹所6kに枠8Aの上板32の外側端部(凸部)を係合させ、これと同時に雪止め具6Aの爪部6eを太陽電池パネル7の上面と枠8Aの上板32との隙間SPに侵入させて、爪部6eを枠8Aの上板32の内側端部に引っ掛けることができ、雪止め具6Aを太陽電池モジュール5の枠8Aに係止させて取付けることができ、雪止め具6Aをがたつき無く太陽電池モジュール5の枠8Aに取付けることができる。また、雪止め具6Aを取付けるときの逆の手順により、雪止め具6Aを簡単に取り外すことができる。
【0080】
図14は、雪止め具の第2変形例及び太陽電池モジュール5の枠の第2変形例を示す断面図である。図14において、第2変形例の雪止め具6Bは、図13の雪止め具6Aと同様に、雪止め壁部6aをより厚くするだけではなく、更に主板部6cの各弾性部6iを省略している。
【0081】
また、第2変形例の枠8Bは、図13の枠8Aと略同様の外観形状を有しているが、上板32Bがより厚くされている。
【0082】
このような雪止め具6B及び太陽電池モジュール5の枠8Bについても、雪止め具6Bの係合部6gを太陽電池モジュール5の枠8Bの上板32Bに載せて、雪止め具6Bの爪部6eを太陽電池パネル7の上面に載せ、雪止め具6Bを移動させるだけで、雪止め具6Bを太陽電池モジュール5の枠8Bに係止させて取付けることができる。また、上板32Bが厚いため、雪止め具6Bの主板部6c、爪部6e、及び係合部6gで囲まれる内側スペースに上板32Bが略隙間無く嵌合し、雪止め具6Bをがたつき無く太陽電池モジュール5の枠8Bに取付けることができる。更に、雪止め具6Bを取付けるときの逆の手順により、雪止め具6Bを簡単に取り外すことができる。
【0083】
図15は、雪止め具の第3変形例及び太陽電池モジュール5の第3変形例を示す断面図である。図15において、第3変形例の雪止め具6Cは、図14の雪止め具6Bと同様に、雪止め壁部6aをより厚くして、主板部6cの各弾性部6iを省略するだけではなく、更に鋼板を折り返して二重にしてなる雪止め壁部6aの片方の壁部6pを延長して、壁部6pの下端に係合部6gを設けている。
【0084】
また、第3変形例の枠8Cは、壁部41と、壁部41の上端内側に設けられた上板42と、壁部41の下端から枠8Cの内側に延在する底板43とを有している。壁部41の外壁面は、平坦面でとなっている。また、壁部41の内側上部には棚部41aが形成され、棚部41aと上板42間の挿入溝41bに太陽電池パネル7の端部が挿入されて支持されている。太陽電池パネル7の端部と挿入溝41b間には端面封止や緩衝用の弾性シート14が介在し、太陽電池パネル7の上面と枠8Cの上板42間に隙間SPが形成されている。
【0085】
このような雪止め具6C及び太陽電池モジュール5の枠8Cの場合は、雪止め具6Cの爪部6eを太陽電池パネル7の上面に載せて、雪止め具6Cを移動させると、雪止め具6Cの爪部6eを太陽電池パネル7の上面と枠8Cの上板42との隙間SPに侵入させて、爪部6eを上板42の内側端部に引っ掛けることができ、これと同時に雪止め壁部6aの片方の壁部6pを下方に降ろして、係合部6gの係合凹所6kに枠8Cの外端角部(凸部)8aを係合させることができ、雪止め具6Cをがたつき無く太陽電池モジュール5の枠8Cに取付けることができる。また、雪止め具6Cを取付けるときの逆の手順により、雪止め具6Cを簡単に取り外すことができ
尚、図15に示すように一般的な家屋の屋根の傾斜角αを一定角度(平均的な傾斜角)と仮定して、冬至における南中時の雪止め具6Cの雪止め壁部6aの影から太陽電池モジュール5の光電変換層領域Mが外れるような雪止め壁部6aの高さhを求め、この高さhに雪止め壁部6aの高さを設定すれば、年間を通じて、最も発電効率が高くなる南中時に雪止め壁部6aの影に太陽電池モジュール5の光電変換層領域Mが入らないようにすることができる。勿論、図13及び図14の雪止め具6A、6Bについても、同様の方法で雪止め壁部6aの高さを設定することができる。
【0086】
また、上記実施形態及び各変形例の雪止め具では、係合部6gの係合凹所6kに太陽電池モジュール5の枠8の凸部を係合させているが、係合部6gに係合凸部を形成し、係合部6gの係合凸部を太陽電池モジュール5の枠8の凹所に係合させても構わない。あるいは、係合部6gに係合凹凸部を形成し、係合部6gの係合凹凸部を太陽電池モジュール5の枠8の凸凹部に係合させても構わない。
【0087】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと解される。
【符号の説明】
【0088】
1 太陽光発電システム
2 屋根
3 縦桟
4 横桟(桟)
4a 境界壁
4b レール部
4c 側壁
4e 第1台座部
4f 長形孔
4g 第2台座部
5 太陽電池モジュール
6、6A、6B、6C 雪止め具
6a 雪止め壁部
6c 主板部
6e 爪部
6g 係合部
6i 弾性部6i
7 太陽電池パネル
8、8A、8B、8C 枠
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池モジュールに設置される雪止め具であって、
前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、
前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部とを備えることを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具。
【請求項2】
太陽電池モジュールに設置される雪止め具であって、
前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、
前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部と、
前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合する係合部とを備えることを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具。
【請求項3】
請求項2に記載の太陽電池モジュールの雪止め具であって、
前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側に形成された凹凸と係合することを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具。
【請求項4】
請求項2に記載の太陽電池モジュールの雪止め具であって、
前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側下端に係合することを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの雪止め具であって、
前記太陽電池モジュールの枠を上方から押圧する弾性部を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの雪止め具であって、
1枚の板金を折り返して二枚重ねとすることにより前記雪止め壁部を形成したことを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具。
【請求項7】
太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、
前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、
前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部とを備え、
前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛けて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けたことを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造。
【請求項8】
太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、
前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、
前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部と、前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合する係合部とを備え、
前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛け、前記雪止め具の係合部を前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合させて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けたことを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造。
【請求項9】
請求項8に記載の太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、
前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側に形成された凹凸と係合することを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造。
【請求項10】
請求項8に記載の太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、
前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側下端に係合することを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、
前記太陽電池モジュールの枠を上方から押圧する弾性部を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造。
【請求項12】
太陽電池モジュールを傾斜させて支持した太陽光発電システムであって、
前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、
前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部とを備え、
前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛けて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けたことを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項13】
太陽電池モジュールを傾斜させて支持した太陽光発電システムであって、
前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、
前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部と、前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合する係合部とを備え、
前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛け、前記雪止め具の係合部を前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合させて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けたことを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項1】
太陽電池モジュールに設置される雪止め具であって、
前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、
前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部とを備えることを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具。
【請求項2】
太陽電池モジュールに設置される雪止め具であって、
前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、
前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部と、
前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合する係合部とを備えることを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具。
【請求項3】
請求項2に記載の太陽電池モジュールの雪止め具であって、
前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側に形成された凹凸と係合することを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具。
【請求項4】
請求項2に記載の太陽電池モジュールの雪止め具であって、
前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側下端に係合することを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの雪止め具であって、
前記太陽電池モジュールの枠を上方から押圧する弾性部を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの雪止め具であって、
1枚の板金を折り返して二枚重ねとすることにより前記雪止め壁部を形成したことを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具。
【請求項7】
太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、
前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、
前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部とを備え、
前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛けて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けたことを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造。
【請求項8】
太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、
前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、
前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部と、前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合する係合部とを備え、
前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛け、前記雪止め具の係合部を前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合させて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けたことを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造。
【請求項9】
請求項8に記載の太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、
前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側に形成された凹凸と係合することを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造。
【請求項10】
請求項8に記載の太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、
前記係合部は、太陽電池モジュールの枠の外側下端に係合することを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか1つに記載の太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造であって、
前記太陽電池モジュールの枠を上方から押圧する弾性部を備えることを特徴とする太陽電池モジュールの雪止め具の取付け構造。
【請求項12】
太陽電池モジュールを傾斜させて支持した太陽光発電システムであって、
前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、
前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部とを備え、
前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛けて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けたことを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項13】
太陽電池モジュールを傾斜させて支持した太陽光発電システムであって、
前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、前記太陽電池パネルの周縁に設けられた枠とを備え、
前記雪止め具は、前記太陽電池モジュール上に立設される雪止め壁部と、前記太陽電池モジュールの枠の内側と太陽電池パネルとの隙間に入り込む爪部と、前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合する係合部とを備え、
前記雪止め具の爪部を前記太陽電池モジュールの枠と太陽電池パネル間に挿入して引っ掛け、前記雪止め具の係合部を前記太陽電池モジュールの枠の外側に係合させて、前記雪止め具を前記太陽電池モジュールの枠に取付けたことを特徴とする太陽光発電システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−255254(P2012−255254A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127490(P2011−127490)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【特許番号】特許第5052685号(P5052685)
【特許公報発行日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【特許番号】特許第5052685号(P5052685)
【特許公報発行日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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