説明

太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法及び供給装置

【課題】セレン化水素の濃度が安定したセレン化水素混合ガスを連続的に供給することが可能な太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法を提供する。
【解決手段】ベースガス供給流路L1から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路L2から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法であって、ベースガス供給流路L1に設けられたベースガス貯留槽2から所定の重量の不活性ガスを供給するとともに、原料ガス供給流路L2に設けられた原料ガス貯留槽4から所定の重量の100%セレン化水素ガスを供給することにより、所定の濃度のセレン化水素混合ガスを調整することを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法及び供給装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境汚染、地球温暖化、化石燃料の枯渇といった問題から、石油代替エネルギーとして太陽電池が注目されている。太陽電池の現在の主流であるCIGS(Cu(InGa)Se)系薄膜太陽電池としては、例えば、特許文献1の化合物太陽電池が知られている。
【0003】
特許文献1には、銅・インジウム・ガリウム・セレンを含むカルコパイライト型の光吸収層及びその製造方法が開示されている。具体的には、カルコパイライト型の光吸収層薄膜は、基板上に銅(Cu)、インジウム(In)及びガリウム(Ga)をスパッタリング等で付着させた後、セレン化水素(HSe)ガスの雰囲気下でアニールすることにより形成される。
【0004】
ところで、化合物太陽電池の製造装置において、所定の濃度に調整したセレン化水素(HSe)混合ガスを供給する場合、予め規定濃度に調製した混合ガスが用いられてきた。しかしながら、近年の太陽電池に対する需要の高まりを受け、化合物太陽電池の大量生産を実現するには、大量のセレン化水素混合ガスを太陽電池製造装置に供給する必要があった。このため、規定濃度に調整した混合ガスを充填したガスボンベを用いていたのではボンベの交換頻度が多くなってしまい、充分なガス供給量を確保することが出来ないという問題があった。
【0005】
そこで、図2に示すように、セレン化水素混合ガスを連続的に供給することが可能なセレン化水素混合ガスの供給装置101が用いられている。この供給装置101には、図示略のベースガス供給源と接続されたベースガス供給流路L101と、図示略の原料ガス供給源と接続された原料ガス供給流路L102と、が設けられており、それぞれに濃度100%の不活性ガスとセレン化水素ガスとが供給可能とされている。また、ベースガス供給流路L101及び原料ガス供給流路L102には、流量制御が可能なマスフローコントローラ(MFC)105,112がそれぞれ設けられている。そして、ベースガス供給流路L101及び原料ガス供給流路L102の下流側には、所定の濃度に調整されたセレン化水素混合ガスを貯留するバッファータンク102が設けられている。
【0006】
上記供給装置101を用いた従来のセレン化水素混合ガスの供給方法は、先ず、ベースガス供給流路L101及び原料ガス供給流路L102に設けられたそれぞれのマスフローコントローラ105,112の流量を所定の流量比となるように設定する。次に、それぞれ一定流量に設定したマスフローコントローラ105,112の後段において、100%セレン化水素ガスとベースガスとを混合器で混合して所定の濃度に調製し、バッファータンク102に貯留する。そして、このバッファータンク102から太陽電池の製造装置に供給していた。なお、原料ガス供給流路L102に設けられた100%セレン化水素ガスの流量を制御するためのマスフローコントローラ112は、流入ガスによる熱拡散を流量センサで検知して流量調整を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−317885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の供給装置及び供給方法では、原料ガス供給管L102及びマスフローコントローラ112に高濃度のセレン化水素ガスを長時間通気すると、セレン化水素(HSe)が水素(H)とセレン(Se)とに自己分解し、原料ガス供給管L102及び原料ガス用のマスフローコントローラ112の内部の流量センサにセレンの結晶が析出することにより、流量制御が利かなくなるという課題があった。このように、流量制御が利かなくなると、100%セレン化水素ガス用のマスフローコントローラ(MFC)112は実際よりも少ない量のガスが流れていると判断して制御弁を開放するため、設定値よりも多い量のガスが流れることになる。その結果、セレン化水素混合ガスの供給開始から時間の経過とともに、目的とするセレン化水素混合ガスの濃度(設定値)と、実際に調製されたセレン化水素混合ガスの濃度(実測値)との間の誤差が大きくなってしまうという問題があった(これをドリフト現象という(図3を参照))。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、セレン化水素の濃度が安定したセレン化水素混合ガスを連続的に供給することが可能な太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法及び供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる課題を解決するため、
請求項1に記載の発明は、ベースガス供給流路から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法であって、
前記ベースガス供給流路に設けられたベースガス貯留槽から所定の重量の不活性ガスを供給するとともに、前記原料ガス供給流路に設けられた原料ガス貯留槽から所定の重量の100%セレン化水素ガスを供給することにより、所定の濃度のセレン化水素混合ガスを調整することを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、所定の濃度に調整された前記セレン化水素混合ガスを、混合ガス貯留槽に供給することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法である。
請求項3に記載の発明は、前記混合ガス貯留槽中の前記セレン化水素混合ガスの充填量が設定した下限値となったときに、前記ベースガス貯留槽から当該混合ガス貯留槽に前記不活性ガスの供給を開始するとともに、前記原料ガス貯留槽から当該混合ガス貯留槽に前記100%セレン化水素ガスの供給を開始する第1ステップと、
前記ベースガス貯留槽から所定の重量分の前記不活性ガスを供給したときに当該不活性ガスの前記混合ガス貯留槽への供給を停止するとともに、前記原料ガス貯留槽から所定の重量分の前記100%セレン化水素ガスを供給したときに当該100%セレン化水素ガスの前記混合ガス貯留槽への供給を停止する第2ステップと、
前記不活性ガス及び前記100%セレン化水素ガスの前記混合ガス貯留槽への供給を停止した後に、前記ベースガス供給流路から前記ベースガス貯留槽に前記不活性ガスを補充するとともに、前記原料ガス供給流路から前記原料ガス貯留槽に前記100%セレン化水素ガスを補充する第3ステップと、を備え、
前記第1ステップから第3ステップを繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法である。
請求項4に記載の発明は、前記第3ステップにおいて、
前記ベースガス供給流路から前記ベースガス貯留槽に前記不活性ガスを補充する際に、当該不活性ガスの流量を制御しながら補充するとともに、
前記原料ガス供給流路から前記原料ガス貯留槽に前記100%セレン化水素ガスを補充する際に、当該100%セレン化水素ガスの流量を制御しながら補充することを特徴とする請求項3に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法である。
【0012】
請求項5に記載の発明は、ベースガス供給流路から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置であって、
前記ベースガス供給流路に設けられたベースガス貯留槽と、前記ベースガス貯留槽の重量を測定する第1の重量計と、前記原料ガス供給流路に設けられた原料ガス貯留槽と、前記原料ガス貯留槽の重量を測定する第2の重量計と、を備えることを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置である。
【0013】
請求項6に記載の発明は、前記ベースガス貯留槽及び前記原料ガス貯留槽の下流側に設けられた混合ガス貯留槽を、さらに備えることを特徴とする請求項5に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置である。
請求項7に記載の発明は、前記ベースガス供給流路において前記ベースガス貯留槽の上流側に設けられた第1の流量制御手段と、前記原料ガス供給流路において前記原料ガス貯留槽の上流側に設けられた第2の流量制御手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法によれば、ベースガス供給流路に設けられたベースガス貯留槽から所定の重量の不活性ガスを供給するとともに、原料ガス供給流路に設けられた原料ガス貯留槽から所定の重量の100%セレン化水素ガスを供給して、所定の濃度のセレン化水素混合ガスを調整する構成となっている。
このように、不活性ガス及び100%セレン化水素ガスをそれぞれ貯留槽に一時的に貯留し、それぞれの供給量を重量で管理することにより、100%セレン化水素ガスの連続的な通気により、原料ガス供給流路にセレン(Se)結晶が析出して、100%セレン化水素ガスの流量が変動した場合であっても、不活性ガスと100%セレン化水素ガスとの混合比を一定に保つことができる。このため、セレン化水素の濃度が安定したセレン化水素混合ガスを太陽電池製造装置に連続的に供給することができる。
したがって、セレン化水素混合ガスの供給開始から長時間経過した場合であっても、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度の設定値と実測値との間の誤差を低減することができる。
【0015】
本発明の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置によれば、ベースガス供給流路に設けられたベースガス貯留槽と、このベースガス貯留槽の重量を測定する第1の重量計と、原料ガス供給流路に設けられた原料ガス貯留槽と、この原料ガス貯留槽の重量を測定する第2の重量計と、を備えた構成となっている。これにより、不活性ガス及び100%セレン化水素ガスを各貯留槽に一時的に貯留し、それぞれの供給量を流量ではなく重量で管理することができる。このため、100%セレン化水素ガスの流量が変動した場合であっても、不活性ガスと100%セレン化水素ガスとの混合比を一定に保つことができる。したがって、セレン化水素の濃度が安定したセレン化水素混合ガスを太陽電池製造装置に連続的に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態である太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置を示す模式図である。
【図2】従来の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置を示す模式図である。
【図3】従来の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法における混合ガス中のセレン化水素ガス濃度の設定値と実測値の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を適用した一実施形態である太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法について、これに用いる太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置とともに、図面を用いて詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
また、本明細書中で用いる単位については、濃度は体積濃度、圧力はゲージ圧力、
流量は体積流量を表している。さらに、本明細書中に示す体積は、基準状態(0℃、1atm(大気圧))での体積である。
【0018】
先ず、本発明を適用した一実施形態である太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置(以下、単に「供給装置」という)の構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態の供給装置1は、太陽電池の製造装置における生産状況に応じて、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する装置である。具体的には、供給装置1は、ベースガスを供給するためのベースガス供給流路L1と、ベースガス供給流路L1に設けられたベースガス用バッファータンク(ベースガス貯留槽)2と、ベースガス用バッファータンク2の重量を測定するための重量計(第1の重量計)3と、原料ガスを供給するための原料ガス供給流路L2と、原料ガス供給流路L2に設けられた原料ガス用バッファータンク(原料ガス貯留槽)4と、原料ガス用バッファータンク4の重量を測定する重量計(第2の重量計)5と、所定の濃度に調整されたセレン化水素混合ガスを貯留するための混合ガス用バッファータンク(混合ガス貯留槽)6と、を備えて概略構成されている。
【0019】
ベースガス供給流路L1は、一端が図示略のベースガス供給源に接続されており、他端がベースガス用バッファータンク2に接続されている。
ベースガスは、希釈用途の不活性ガスであれば特に限定されるものではない。上記ガスとしては、例えば、窒素(N)ガス、アルゴン(Ar)ガス等が挙げられる。
【0020】
ベースガス供給流路L1には、上流側から下流側に向かって、開閉バルブ7、圧力調整器8、マスフローコントローラ(第1の流量制御手段)9、自動弁10、開閉バルブ11が順次設けられている。また、圧力調整器8の上流側及び下流側には、圧力計12,13がそれぞれ設けられており、圧力調整器4の前後の圧力を確認可能とされている。
【0021】
圧力調整器8は、ベースガス供給源から供給されるベースガスの圧力を所望の圧力へと減圧するために設けられている。本実施形態の供給装置1では、ベースガス供給流路L1には圧力調整器8が一つだけ示されているが、これに限定されるものではなく、圧力調整器8が2以上設けられていてもよい。
なお、マスフローコントローラ9の直前の圧力は、太陽電池製造装置への供給圧力に応じて適宜選択することができる。ベースガス供給源の圧力としては、例えば、マスフローコントローラ9の直前の圧力としては、0.6〜0.7MPaの範囲とすることができる。
【0022】
マスフローコントローラ9は、ベースガス供給流路L1において不活性ガスの流量を制御するためにベースガス用バッファータンク2の上流側に設けられている。ここで、マスフローコントローラ(MFC)9は、ベースガスの質量流量を計測して流量制御を行う流量制御機器であり、高精度な流量計測及び制御をすることができる。マスフローコントローラ9に搭載している質量流量センサとしては、特に限定されるものではなく、例えば、熱式質量流量センサや差圧式質量流量センサ等の一般的なものを用いることができる。
なお、本実施形態の供給装置1では、不活性ガスの流量を制御可能なものであれば、特に限定されるものではない。マスフローコントローラ9以外の流量制御手段としては、単純に流量を制限するオリフィスやニードル弁等を例示することができる。
【0023】
ベースガス用バッファータンク2は、ベースガス供給流路L1から供給される不活性ガスを一時的に貯留するための貯留槽である。ベースガス用バッファータンク2の容量は、特に限定されるものではなく、太陽電池製造装置へのセレン化水素混合ガスの供給量に応じて適宜選択することができる。
また、ベースガス用バッファータンク2には、圧力計2aが接続されている。この圧力計2aにより、ベースガス用バッファータンク2に充填された不活性ガスの圧力を確認することができる。
【0024】
重量計(第1の重量計)3は、ベースガス用バッファータンク2の重量を測定するための重量測定手段である。換言すると、ベースガス用バッファータンク2に充填されている不活性ガスの重量変化を測定するための重量計である。重量計3の重量測定方法は、上記目的を達成できるものであれば特に限定されるものではなく、接触式であってもよいし、非接触式であってもよい。
【0025】
原料ガス供給流路L2は、一端が図示略の原料ガス供給源に接続されており、他端が原料ガス用バッファータンク4に接続されている。
原料ガスは、濃度100%のセレン化水素(HSe)ガスである。なお、本明細書中では、単に100%セレン化水素ガスと記載する。
【0026】
原料ガス供給流路L2には、上流側から下流側に向かって、自動弁14、開閉バルブ15、圧力調整器16、マスフローコントローラ(第2の流量制御手段)17、自動弁18、開閉バルブ19が順次設けられている。また、圧力調整器16の上流側及び下流側には、圧力計20,21がそれぞれ設けられており、圧力調整器16の前後の圧力を確認可能とされている。
【0027】
圧力調整器16は、原料ガス供給源から供給される100%セレン化水素ガスの圧力を所望の圧力へと減圧するために設けられている。本実施形態の供給装置1では、原料ガス供給流路L2には圧力調整器16が一つだけ示されているが、これに限定されるものではなく、圧力調整器16が2以上設けられていてもよい。
【0028】
マスフローコントローラ17は、原料ガス供給流路L2において100%セレン化水素ガスの流量を制御するために原料ガス用バッファータンク4の上流側に設けられている。ここで、マスフローコントローラ(MFC)17は、原料ガスの質量流量を計測して流量制御を行う流量制御機器であり、高精度な流量計測及び制御をすることができる。マスフローコントローラ17に搭載している質量流量センサとしては、特に限定されるものではなく、例えば、熱式質量流量センサや差圧式質量流量センサ等の一般的なものを用いることができる。
なお、本実施形態の供給装置1では、100%セレン化水素ガスの流量を制御可能なものであれば、特に限定されるものではない。マスフローコントローラ17以外の流量制御手段としては、単純に流量を制限するオリフィスやニードル弁等を例示することができる。
【0029】
原料ガス用バッファータンク4は、原料ガス供給流路L2から供給される100%セレン化水素ガスを一時的に貯留するための貯留槽である。原料ガス用バッファータンク4の容量は、特に限定されるものではなく、太陽電池製造装置へのセレン化水素混合ガスの供給量に応じて適宜選択することができる。
また、原料ガス用バッファータンク4には、圧力計4aが接続されている。この圧力計4aにより、原料ガス用バッファータンク4に充填された100%セレン化水素ガスの圧力を確認することができる。
【0030】
重量計(第2の重量計)5は、原料ガス用バッファータンク4の重量を測定するための重量測定手段である。換言すると、原料ガス用バッファータンク4に充填されている100%セレン化水素ガスの重量変化を測定するための重量計である。重量計5の重量測定方法は、上記目的を達成できるものであれば特に限定されるものではなく、接触式であってもよいし、非接触式であってもよい。
【0031】
ベースガス用バッファータンク2には、流路L3の一端が接続されており、この流路L3の他端が図示略の混合器に接続されている。また、流路L3には、開閉バルブ22が設けられている。
また、原料ガス用バッファータンク4には、流路L4の一端が接続されており、この流路L4の他端が図示略の混合器に接続されている。また、流路L4には、開閉バルブ23が設けられている。
そして、流路L3及び流路L4が接続された図示略の混合器と混合ガス用バッファータンク6とは、流路L5により接続されている。この流路L5の上流側及び下流側には、開閉バルブ24,25がそれぞれ設けられている。
【0032】
混合ガス用バッファータンク6は、混合器によって所定の濃度に調整されたセレン化水素混合ガスを貯留するための貯留槽である。バッファータンクの容量は、特に限定されるものではなく、太陽電池製造装置へのセレン化水素混合ガスの供給量に応じて適宜選択することができる。
【0033】
混合ガス用バッファータンク6には、流路L6の一端が接続されており、この流路L6の他端が太陽電池製造装置に接続されている。これにより、混合ガス用バッファータンク6から太陽電池製造装置へとセレン化水素混合ガスを供給可能とされている。また、流路L6には、開閉バルブ26が設けられている。
【0034】
また、混合ガス用バッファータンク6には、流路L7の一端が接続されており、この流路L7の他端が圧力計27に接続されている。この圧力計27により、バッファータンク内の圧力を確認することができる。また、流路L7には、開閉バルブ28が設けられている。
【0035】
さらに、混合ガス用バッファータンク6は、流路L5から分岐された流路L8と連通されている。流路L8は、一端が流路L5に接続されており、他端が図示略の排気ダクトに接続されている。また、流路L8には、ガス濃度分析計29が設けられている。このガス濃度分析計29により、所定の濃度に調整されたセレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度を測定することができる。また、ガス濃度分析計29の上流側及び下流側には、開閉バルブ30,31がそれぞれ設けられている。
【0036】
次に、上記供給装置1を用いた本実施形態の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法(以下、単に「供給方法」という)ついて説明する。
本実施形態の供給方法は、ベースガス供給流路L1から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路L2から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法であり、ベースガス供給流路L1に設けられたベースガス用バッファータンク2から所定の重量の不活性ガスを供給し、原料ガス供給流路L2に設けられた原料ガス用バッファータンク4から所定の重量の100%セレン化水素ガスを供給して、不活性ガスと100%セレン化水素ガスとの供給比を一定に保ちながら所定の濃度のセレン化水素混合ガスを調整することを特徴とするものである。
【0037】
先ず、太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給準備を行なう。具体的には、図1に示す供給装置1において、開閉バルブ7,11,15,19,22,23,24,25,26,28,30,31を開閉操作しながら、流路内のパージを行なう。上記パージを完了した後、全ての開閉バルブを開状態とする。
次に、圧力計2aを確認しながらベースガス用バッファータンク2に不活性ガスを所定の圧力となるまで充填するとともに、圧力計4aを確認しながら原料ガス用バッファータンク4に100%セレン化水素ガスを所定の圧力となるまで充填する。
ここで、本実施形態の供給方法は、混合ガス用バッファータンク6に充填された所定の濃度のセレン化水素混合ガスの充填圧力に上限値及び下限値を設け、混合ガス用バッファータンク6内の圧力が設定した上限値又は下限値になったときに、不活性ガス及び100%セレン化水素ガスの供給を開始又は停止するバッジ方式である。
【0038】
(第1ステップ)
第1ステップでは、混合ガス用バッファータンク6中のセレン化水素混合ガスの充填量が設定した下限値となったときに、ベースガス用バッファータンク2から混合ガス用バッファータンク6に不活性ガスの供給を開始するとともに、原料ガス用バッファータンク4から混合ガス用バッファータンク6に100%セレン化水素ガスの供給を開始する。
【0039】
具体的には、混合ガス用バッファータンク6に設けられた圧力計27の圧力値が設定した下限値を下回ると、流路L3に設けられた開閉バルブ22および流路L4に設けられた開閉バルブ23に供給開始信号が送信されて、これらの開閉バルブ22,23が開状態となる。これらの開閉バルブ22,23が開状態になると、それぞれのバッファータンク2,4から不活性ガス及び100%セレン化水素ガスが図示略の混合器で混合されて所定の濃度のセレン化水素混合ガスとなった後、流路L5を経て混合ガス用バッファータンク6へと供給される。
ここで、セレン化水素混合ガスの濃度は、特に限定されるものではなく、太陽電気製造装置の要求に応じて適宜選択することができる。具体的には、例えば、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素の濃度を、5〜20vol%とすることができる。
なお、混合ガス用バッファータンク6へと供給されるセレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度は、ガス濃度分析計29によって測定することができる。
【0040】
(第2ステップ)
第2ステップでは、ベースガス用バッファータンク2から所定の重量分の不活性ガスを供給したときに混合ガス用バッファータンク6への不活性ガスの供給を停止するとともに、原料ガス用バッファータンク4から所定の重量分の100%セレン化水素ガスを供給したときに混合ガス用バッファータンク6への100%セレン化水素ガスの供給を停止する。
【0041】
具体的には、ベースガス用バッファータンク2の重量を測定する重量計3の値が、所定の重量分減少したときに、開閉バルブ22に供給停止信号が送信される。また、原料ガス用バッファータンク4の重量を測定する重量計5の値が、所定の重量分減少したときに、開閉バルブ23に供給停止信号が送信される。そして、これらの開閉バルブ22,23が閉状態となって供給が停止する。
なお、混合ガス用バッファータンク6に、不活性ガス及び100%セレン化水素ガスがそれぞれ所定の重量分だけ供給されたときに、混合ガス用バッファータンク6内の圧力が設定した上限値となるように調整する。
【0042】
上記第2ステップが完了した後、混合ガス用バッファータンク6に接続された流路L6から、生産状況に応じてセレン化水素混合ガスを太陽電池製造装置へと供給する。混合ガス用バッファータンク6内の圧力は、圧力計27により計測することができる。
【0043】
(第3ステップ)
第3ステップでは、不活性ガス及び100%セレン化水素ガスの混合ガス用バッファータンク6への供給を停止した後に、ベースガス供給流路L1からベースガス用バッファータンク2に不活性ガスを補充するとともに、原料ガス供給流路L2から原料ガス用バッファータンク4に100%セレン化水素ガスを補充する。
【0044】
具体的には、開閉バルブ22が閉状態となった後、自動弁8に供給開始信号が送信される。そして、自動弁8が開状態となると、不活性ガスが、ベースガス供給源からベースガス供給流路L1を経てベースガス用バッファータンク2に供給される。このベースガス供給流路L1において、不活性ガスは、圧力調整器8により所定の圧力へと減圧された後、マスフローコントローラ9内により所定の流量に制御される。このように、ベースガス用バッファータンク2に不活性ガスの流量を制御しながらゆっくりと供給して急速充填とならないようにすることにより、断熱圧縮によるベースガス用バッファータンク2の温度上昇を抑制することができる。
【0045】
同様に、開閉バルブ23が閉状態となった後、自動弁14,18に供給開始信号が送信される。そして、自動弁14,18が開状態となると、100%セレン化水素ガスが、原料ガス供給源から原料ガス供給流路L2を経て原料ガス用バッファータンク4に供給される。この原料ガス供給流路L2において、100%セレン化水素ガスは、圧力調整器16により所定の圧力へと減圧された後、マスフローコントローラ17内により所定の流量に制御される。このように、原料ガス用バッファータンク4に100%セレン化水素ガスの流量を制御しながらゆっくりと供給して急速充填とならないようにすることにより、断熱圧縮による原料ガス用バッファータンク4の温度上昇を抑制することができる。
【0046】
なお、上記第3ステップは、上記第2ステップが完了した後、セレン化水素混合ガスの混合ガス用バッファータンク6から太陽電池製造装置への供給と同時に行うことができる。
【0047】
本実施形態の供給方法では、第1ステップから第3ステップを繰り返すことを特徴としている。このように第1〜第3ステップを繰り返し行なうことにより、不活性ガスと100%セレン化水素ガスとの混合比を常に一定に保ちながら所定の濃度のセレン化水素混合ガスを調整することができる。これにより、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度の設定値と実測値との誤差をつねに小さく保つことができる。このようにして、セレン化水素の濃度が安定したセレン化水素混合ガスを太陽電池製造装置に連続的に供給する。
なお、本実施形態の供給方法において、上記第1ステップから第3ステップのサイクルを1バッジと称する。
【0048】
以上説明したように、本実施形態の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置1によれば、ベースガス供給流路L1に設けられたベースガス用バッファータンク2と、このベースガス用バッファータンク2の重量を測定する重量計3と、原料ガス供給流路L2に設けられた原料ガス用バッファータンク4と、この原料ガス用バッファータンク4の重量を測定する重量計5と、を備えている。これにより、不活性ガス及び100%セレン化水素ガスを各バッファータンク2,4に一時的に貯留し、それぞれの供給量を流量ではなく重量で管理して供給することができる。このため、原料ガス供給流路L2においてセレンが析出して100%セレン化水素ガスの流量が変動した場合であっても、影響を受けることなく、不活性ガスと100%セレン化水素ガスとの混合比を一定に保つことができる。したがって、セレン化水素の濃度が安定したセレン化水素混合ガスを太陽電池製造装置に連続的に供給することができる。
【0049】
本実施形態の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法によれば、ベースガス供給流路L1に設けられたベースガス用バッファータンク2から所定の重量の不活性ガスを供給するとともに、原料ガス供給流路L2に設けられた原料ガス用バッファータンク4から所定の重量の100%セレン化水素ガスを供給して、所定の濃度のセレン化水素混合ガスを調整する構成となっている。このように、不活性ガス及び100%セレン化水素ガスをそれぞれバッファータンク2,4に一時的に貯留し、それぞれの供給量を重量で管理することにより、100%セレン化水素ガスの連続的な通気により、原料ガス供給流路L2にセレン(Se)結晶が析出して、100%セレン化水素ガスの流量が変動した場合であっても、不活性ガスと100%セレン化水素ガスとの混合比を一定に保つことができる。このため、セレン化水素の濃度が安定したセレン化水素混合ガスを太陽電池製造装置に連続的に供給することができる。
したがって、セレン化水素混合ガスの供給開始から長時間経過した場合であっても、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度の設定値と実測値との間の誤差を低減することができる。
【0050】
また、本実施形態の供給方法によれば、ベースガス用バッファータンク2及び原料ガス用バッファータンク4の下流側に、混合ガス用バッファータンク6を設けて所定の濃度に調整されたセレン化水素混合ガスを貯留するとともに、これらのバッファータンク2,4,6を用いてバッチ方式によってセレン化水素混合ガスを連続供給可能としている。このように、不活性ガスと100%セレン化水素ガスとの混合比を一回ずつ重量で管理することにより、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度を一定に保つことができる。これにより、セレン化水素混合ガス中のセレン化水素濃度の設定値と実測値との誤差をつねに小さく保ちながら、セレン化水素混合ガスを太陽電池製造装置に連続的に供給することができる。
【0051】
さらに、本実施形態の供給方法によれば、ベースガス供給流路L1にマスフローコントローラ9を設けて流量を制御しながら不活性ガスをベースガス用バッファータンク2に補充するとともに、原料ガス供給流路L2にマスフローコントローラ17を設けて流量を制御しながら100%セレン化水素ガスを原料ガス用バッファータンク4に補充する。このように、各バッファータンク2,4にそれぞれ不活性ガスあるいは100%セレン化水素ガスの流量を制御しながらゆっくりと供給して急速充填としないようにすることにより、断熱圧縮による各バッファータンク2,4の急激な温度上昇を抑制することができる。
【0052】
以下、具体例を示す。
(例1)
図1に示す供給装置1を用いてセレン化水素混合ガスを調整した。
ベースガスには100%アルゴン(Ar)ガスを用い、原料ガスには100セレン化水素ガスを用いて、セレン化水素濃度が10(vol%)のセレン化水素混合ガスを調整した。
【0053】
混合ガス用バッファータンクの容積は1539(L)であり、圧力の上限値は0.4(MPaG)とし、下限値は0.3(MPaG)とした。混合ガス用バッファータンクの圧力が下限値となったとき、混合ガス用バッファータンクの重量は8.167(kg)であった。
【0054】
ベースガス用バッファータンクの容積は2000(L)であり、このベースガス用バッファータンクから混合ガス用バッファータンクへのアルゴンガスの供給開始時の圧力は0.489(MPaG)であり、重量は15.698(kg)であった。
一方、原料ガス用バッファータンクの容積は223(L)であり、この原料ガス用バッファータンクから混合ガス用バッファータンクへの100%セレン化水素ガスの供給開始時の圧力は、0.489(MPaG)であり、重量は3.545(kg)であった。
【0055】
次に、アルゴンガスの供給停止時の圧力は0.420(MPaG)であり、重量は13.478(kg)であった。
また、100%セレン化水素ガスの供給停止時の圧力は0.420(MPaG)であり、重量は3.044(kg)であった。
一方、混合ガス用バッファータンクの圧力が上限値となり、重量は10.89(kg)であった。
結果を表1に示す。
【0056】
【表1】

【0057】
表1に示すように、ベースガスである100%アルゴンガス2.221(kg)と、原料ガスである100%セレン化水素ガス0.501(kg)と、が供給されて、10(vol%)のセレン化水素混合ガス2.722(kg)が調整されたことを確認した。
【0058】
(例2)
図1に示す供給装置1を用いて、太陽電池製造装置にセレン化水素混合ガスを連続して供給した。
また、セレン化水素混合ガスの調整時の、供給装置1の条件としては、表2の条件を用いた。
表2の条件にて50回のバッチ処理を行った後、混合ガス用バッファータンク6に接続されたガス濃度分析計29を用いて混合ガスの濃度変化を記録した。結果を表3に示す。
【0059】
(例3)
図2に示す供給装置101を用いて、太陽電池製造装置にセレン化水素混合ガスを連続して供給した。太陽電池製造装置へのセレン化水素混合ガスの連続供給には、バッファータンク102を用いたバッチ方式を用い、供給装置101のセレン化水素混合ガスの供給条件としては、表2の条件を用いた。
表2の条件にて50回のバッチ処理を行った後、バッファータンク102に接続されたガス濃度分析計122を用いて混合ガスの濃度変化を記録した。結果を表3に示す。
【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

【0062】
表3に示すように、従来技術である例3におけるバッファータンクの50回のバッチ処理を行った後の、セレン化水素混合ガスの設定濃度と実測濃度との誤差は、+1.31%であった。これに対して、本発明を適用した例2における設定濃度と実測濃度との誤差は、+0.10%であった。
以上より、セレン化水素混合ガスを連続供給した場合に、本発明を適用した例2は、従来技術である例3と比較して、連続供給前後のセレン化水素混合ガスの濃度変化を約1/13程度に抑えることができることを確認した。
【符号の説明】
【0063】
1…供給装置(太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置)
2…ベースガス用バッファータンク(ベースガス貯留槽)
2a…圧力計
3…重量計(第1の重量計)
4…原料ガス用バッファータンク(原料ガス貯留槽)
4a…圧力計
5…重量計(第2の重量計)
6…混合ガス用バッファータンク(混合ガス貯留槽)
7,11,15,19,22,23,24,25,26,28,30,31…開閉バルブ
8,16…圧力調整器
9…マスフローコントローラ(第1の流量制御手段)
10,14,18…自動弁
12,13,20,21,27…圧力計
17…マスフローコントローラ(第2の流量制御手段)
29…ガス濃度分析計
L1…ベースガス供給流路
L2…原料ガス供給流路
L3〜L8…流路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースガス供給流路から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法であって、
前記ベースガス供給流路に設けられたベースガス貯留槽から所定の重量の不活性ガスを供給するとともに、前記原料ガス供給流路に設けられた原料ガス貯留槽から所定の重量の100%セレン化水素ガスを供給することにより、所定の濃度のセレン化水素混合ガスを調整することを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。
【請求項2】
所定の濃度に調整された前記セレン化水素混合ガスを、混合ガス貯留槽に供給することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。
【請求項3】
前記混合ガス貯留槽中の前記セレン化水素混合ガスの充填量が設定した下限値となったときに、前記ベースガス貯留槽から当該混合ガス貯留槽に前記不活性ガスの供給を開始するとともに、前記原料ガス貯留槽から当該混合ガス貯留槽に前記100%セレン化水素ガスの供給を開始する第1ステップと、
前記ベースガス貯留槽から所定の重量分の前記不活性ガスを供給したときに当該不活性ガスの前記混合ガス貯留槽への供給を停止するとともに、前記原料ガス貯留槽から所定の重量分の前記100%セレン化水素ガスを供給したときに当該100%セレン化水素ガスの前記混合ガス貯留槽への供給を停止する第2ステップと、
前記不活性ガス及び前記100%セレン化水素ガスの前記混合ガス貯留槽への供給を停止した後に、前記ベースガス供給流路から前記ベースガス貯留槽に前記不活性ガスを補充するとともに、前記原料ガス供給流路から前記原料ガス貯留槽に前記100%セレン化水素ガスを補充する第3ステップと、を備え、
前記第1ステップから第3ステップを繰り返すことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。
【請求項4】
前記第3ステップにおいて、
前記ベースガス供給流路から前記ベースガス貯留槽に前記不活性ガスを補充する際に、当該不活性ガスの流量を制御しながら補充するとともに、
前記原料ガス供給流路から前記原料ガス貯留槽に前記100%セレン化水素ガスを補充する際に、当該100%セレン化水素ガスの流量を制御しながら補充することを特徴とする請求項3に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給方法。
【請求項5】
ベースガス供給流路から供給される不活性ガスと、原料ガス供給流路から供給される100%セレン化水素ガスと、を混合して、所定の濃度に調製したセレン化水素混合ガスを供給する太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置であって、
前記ベースガス供給流路に設けられたベースガス貯留槽と、前記ベースガス貯留槽の重量を測定する第1の重量計と、前記原料ガス供給流路に設けられた原料ガス貯留槽と、前記原料ガス貯留槽の重量を測定する第2の重量計と、を備えることを特徴とする太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置。
【請求項6】
前記ベースガス貯留槽及び前記原料ガス貯留槽の下流側に設けられた混合ガス貯留槽を、さらに備えることを特徴とする請求項5に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置。
【請求項7】
前記ベースガス供給流路において前記ベースガス貯留槽の上流側に設けられた第1の流量制御手段と、前記原料ガス供給流路において前記原料ガス貯留槽の上流側に設けられた第2の流量制御手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の太陽電池用セレン化水素混合ガスの供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−60789(P2011−60789A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205232(P2009−205232)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000231235)大陽日酸株式会社 (642)
【Fターム(参考)】