説明

女性の性的障害を治療するためのフリバンセリンの使用

本発明は、女性の性的障害の治療用医薬組成物の調製のためのフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、患者の投薬が、ベースライン(フリバンセリンを投与しない)から出発して有意な変化(フリバンセリンの治療的に有効な量を投与する)を達成するように選ばれ、有意な変化が、効力の一次基準の少なくとも一つの範囲内で達成され、所望により、効力の二次基準の少なくとも一つの範囲内で達成されてもよい、前記使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女性の性的障害治療用薬剤を調製するためのフリバンセリンの新規な使用に関する。
【背景技術】
【0002】
女性の性機能不全或いは性的障害(“FSD”と略記する)は、非常に一般的であり、女性の約20〜50%が罹患していると推定される。従って、個別の症例の問題に適合する新規な治療法の開発が求められている。
化合物1-[2-(4-(3-トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン-1-イル)エチル]-2,3-ジヒドロ-1H-ベンズイミダゾール-2-オン(フリバンセリン)は欧州特許出願EP-A-526434に塩酸塩の形で開示されており、以下の化学構造を有する:
【0003】
【化1】

【0004】
フリバンセリンは、5-HT1A及び5-HT2-レセプターに対する結合性を示す。従って、それは、種々の疾患、例えば、うつ病、統合失調症、不安の治療に対して有望な治療剤である。
WO 03/035072 A1によれば、性的欲求障害の治療にフリバンセリンを用いることは既知である; WO 2005/102343 A1には、月経前や他の女性性的障害の治療にフリバンセリンを用いることが記載されている。
しかしながら、既知のフリバンセリンの使用は個別の症例に適合していない欠点があり、治療を最適化する適切な概念が欠けている。更に、既知のフリバンセリンの使用は、鎮静状態のような温和な或いは穏やかな症状がしばしば生じることがある欠点がある。
更にまた、性的障害や性的機能不全の研究が不充分であり、その結果として、この疾患の生理的根拠は、現在完全には理解されていない。現在まで、臨床開発や未認可使用が主にホルモン製品に集中してきたので薬理学的治療が認可されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それ故、本発明の目的は、女性における性的障害又は性的機能不全のそれぞれの個別タイプやいかなる個別タイプに対しても性的障害を治療するためのフリバンセリンの使用を選択し最適化することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くべきことに、異なるタイプの特定の試験基準と関連疾病を巧く治療するために援助する性的障害の治療に適切なフリバンセリンの使用との間に相関を確立することが可能であることがわかった。
それ故、本発明は、女性における性的障害の治療用医薬組成物を調製するためのフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、治療すべき個々の患者の投薬が、ベースライン(フリバンセリンを投与しない)から始めて有意な変化(フリバンセリンの治療的に有効な量を投与する)を達成するように調整されるか又は選択され、有意な変化が、効力の少なくとも一つの一次基準の範囲内で達成され、
効力の一次基準が、基準a)及び/又は基準b)からなる群より選ばれ、
基準a)は性的活動(性的行為やオルガスムの頻度)を満たす数であって、以下のアルゴリズム:
月全体での活動 = 28×(活動の数の合計)/(記入した日数の合計)
によって決定され、
基準b)は一日当たりに得られる性的欲求レベルであって、以下のアルゴリズム:
欲求日数 = 28×(中程度又は強い欲求をもった記入数)/(記入の数)
によって決定され、
フリバンセリンの投与の有無で基準a)のアルゴリズムを比較することによって決定される有意な変化が、月に少なくとも2回の満足な性的活動増加によって表され; 且つ/又は
フリバンセリンの投与の有無で基準b)のアルゴリズムを比較することによって決定される有意な変化が、月に少なくとも四日の欲求日数増加によって表される、
前記使用を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
それ故、本発明者らは、個別の患者のために最適化された治療と、例えば、用量又は投与方法を選ぶことを可能にする、二つ一次基準の概念と所望により多くの二次基準を開発した。結果として、二つの一次基準a)及びb)の少なくとも一つは、最適治療を成功させるために上で定義した下限を満たさなければならない。二つの一次基準は、基準a)及び基準b)として確認されるものであり、それによって、基準a)(“第一共同一次評価項目”とも呼ばれる)は、治療すべき前記一患者の満足な性的活動の頻度のベースラインからの変化を表す。満足な性的活動は、それぞれの患者自身によって記入され、例えば、書物又は小冊子に書き込まれ、例えば、日記帳、特に電子日記帳に入力される。性的活動には、パートナーによる性交、オーラルセックス、マスターベーション又は性器刺激が含まれる。
その他の“共同一次評価項目”、即ち、基準b)は、毎日の欲求の質問に対して、例えば、日記帳、特に電子日記帳としてのノート又はコンピュータのような小冊子に、好ましくはそれぞれの患者自身によって決定され書き込まれた応答の毎月の合計のベースラインからの変化である。好ましくは、日記帳、即ち、患者が毎日の情報を記録するために用いることができるパソコン又は小さいパーソナル携帯デバイスに設計された日記帳が用いられる。しかし、情報は、マップ等に手書きの形で集められてもよい。
いずれの一次基準のベースラインも、彼女の性生活の治療すべきそれぞれの人又は女性患者の推定又は評価を表す。言い換えれば、フリバンセリンを投与しない状態での性生活の患者自身の評価がベースラインであると決定される。即ち、ベースラインは、効果を表していないことを前提とする(“空白行”)。即ち、患者は、フリバンセリンを含有するいかなる薬剤で治療されていない。例えば、基準a)のベースラインは、上述のアルゴリズムであり、以下にあてはまる:
月全体での活動 = 28×(活動の数の合計)/(記入した日数の合計)
ここで、月全体での活動は、例えば、所定の期間、例えば、患者のここ4週間から数ヶ月にわたって女性患者によって決定される。活動が満足かどうかの判断は、患者自身によってなされる。結果を歪めることができる悪影響は、可能な限り除外されなければならないことはもちろんの事である。
【0008】
続いて、フリバンセリンの治療的量による治療が始められ、治療の間、患者は、更また、彼女の性生活を推定又は評価する。言い換えれば、フリバンセリンを投与した状態での性生活の患者自身の評価が、効力の基準a)及び/又は基準b)の上で示したアルゴリズムに従って決定する。前記患者に行われる少なくとも一つの基準においてフリバンセリンの投与の有無の状態での比較が、定義された効力の基準について上記の要求を満たすように適宜治療を変更するのに役に立つ。前記手順は、更に治療を最適化するために、上記に基づいて数回繰り返されてもよい。
本発明を説明するために、簡単にした例を以下の通りに示す:
ベースライン:
患者はフリバンセリンを投与していない:
活動の数の合計 = 2(患者が示す)
記入した日数の合計 = 28
月全体での活動 = 28×2/28 = 2という結果になる
即ち、月全体での活動のベースラインは、この場合この特定の患者の場合2回を表す。
続いて、フリバンセリン治療が始められ、所定の期間、例えば、1ヶ月後、上で示したアルゴリズムについて同じ患者が更にまた調べられる。例えば
患者はフリバンセリンを投与した:
活動の数の合計 = 4(上と同じ患者が示す)
記入した日数の合計 = 28
月全体での活動 = 28×2/28 = 2
という結果になる。
それ故、フリバンセリンの投与の有無で基準a)のアルゴリズムを比較することによって決定された変化(4 - 2 = 2)は、上記例において前記患者が本発明による有意な変化を示し、ここで、有意な変化は、少なくとも2回の満足な性的な活動増加によって表される。その結果として、効力の基準a)が満たされる。この患者の治療法は、成功である。一次基準に基づいて用量を最適化して、個々の前記患者を巧く治療する。
一次基準a)と同じ所見が、一次基準b)にあてはまる。
【0009】
前記変化があまりに低い場合には、即ち、変化が上記の一定の限度より低い場合には、変化はほとんどなく、治療を変更しなければならなず、例えば、上記の下限が調整されるか又は超えるまで、用量を適宜上げることができる。即ち、患者に投与される薬剤又は用量を、効力の一次基準の少なくとも一つに対応して調整して、可能な最大の治療効果を達成するとともに個別患者に最も効果的な用量を決定する。
好ましくは、基準a)と基準b)が同時に満たされる。即ち、少なくとも上述の下限の双方が同時に達成される。それ故、少なくとも2回の満足な性的活動の増加(基準a))と月に少なくとも4日の欲求日数の増加(基準b))が満たされることが好ましい。
その結果、患者がフリバンセリンで治療される場合に達するレベル又は変化と患者がフリバンセリンで治療されない場合のレベルを比較すると、治療が最適化されて、個別にテイラード治療がもたらされる。
効力の二つ一次基準に加えて、本発明者らは、所望により考慮してもよい効力(“二次評価項目”とも呼ばれる)のためにいくつかの二次基準を開発した。
重要な二次基準(“重要な二次評価項目”)である一つの二次基準は、性的機能不全又は性的障害による個人的苦痛の変化を定量化する女性の性的苦痛段階(FSDS)又は女性の性的苦痛段階-修正(FSDS-R)試験(所望による効力の基準c))である。上で説明したように、ベースライン、即ち、例えば、所定の期間にわたってフリバンセリンの治療のない女性患者の推定(試験において達成されるスコア)とフリバンセリンの治療的に有効な量の治療した所定の期間後達するレベル(試験において達成されるスコア)を比較するものである。FSDS又はFSDS-Rスコアにおけるベースラインからの変化は、それぞれ、治療について更に指標を示すものである。本発明によれば、12-項目の質問表がFSDSであり、追加の質問13(FSDS+質問13、13項目の質問表)がFSDS-R試験を示す。性的苦痛の最大レベルを示すFSDS-Rの最大スコアは、52である。いずれの試験も実験の項に示す。
FSDS又はFSDS-R試験のためのベースラインは、未治療患者によって示される(スコアは試験において得られる)。フリバンセリンを含有する薬剤で治療される患者において変化が決定される。即ち、未治療と治療した患者のスコアを比較し、改善(フリバンセリンで治療しない状態とフリバンセリンで治療した状態との間で比較したスコアに関する改善)がある場合には、効力のこの基準に治療が最適化されているとみなされる。
【0010】
本発明の他の二次評価項目又は効力の基準は、以下の通りである:
- 女性の性的機能指数(FSFI)(所望による効力の基準d))は“0”から“5”までのスコアが付けられる19の質問をからなるFSDを評価する自己管理質問表である。段階は、六つのドメイン: 欲求、性的興奮、潤滑、オルガスム、満足感、疼痛を含有する。全体のスコアは、六つのドメインの加重平均であり、それぞれが合計の最大“6”点に関与するので、FSFIの最大スコアは、“36”である。質問表は、FSFI全体のスコアと個々のドメインに対してベースラインからの変化を確立することが可能である。試験結果の改善は、治療法がより成功していることを意味する。FSFIを、実際の項において示す。
- 患者の主観的評価(PGI)の改善(所望による効力の基準e))は、彼女の状態の患者の全体の評価を決定するために患者が書き終える簡単な評価である。PGIの改善は、1から7までの順序で評価される。PGI改善に対する平均スコアが用いられてもよい。少なくとも‘1’のPGIの改善、好ましくは少なくとも‘2’は、より最適化された全体の治療を示す。患者の主観的評価(PGI)の改善の質問表は、実際の項において示す。
- 患者の便益評価(所望による効力の基準f))は、彼女が治療から意味のある利点を感じたか否かを患者に尋ねる単一の質問である。質問は、“全体的に、あなたは、薬剤又は治療から意味のある利点を感じたと考えるか?”であってもよい。行われるこの試験の改善によって、なおより最適化された治療がもたらされる。
それ故、本発明は、治療中の効力評価を提供し、これは、性的障害のそれぞれのタイプについて最適服用レベル及び/又は投与方法等を調整するために第一用量と治療中の間に行われる効力評価である。
それ故、使われるフリバンセリン治療の薬剤を、効力の基準a)及び/又はb)従って調整し、更に、所望により、基準c)、d)、e)及び/又はf)に従って調整してもよく、治療すべき個別の女性患者にフリバンセリンの最も効果的な治療と用量を達成する。
本発明において治療すべき疾病又は疾患は、女性の性的障害又は性的機能不全である。本発明の総称“性的障害”又は“性的機能不全”は、最も幅広い意味の範囲内で理解され、既知の全ての種類の性的障害及び性的機能不全を含んでいる。“性的障害”又は“性的機能不全”は、いずれの表現も本発明においてほとんど同義的に用いられ、及び性的欲求の混乱によって、性反応サイクルを特徴づける生理的変化において又は性交に伴う痛みによって確認することができる。性反応サイクルは、欲求、興奮、オルガスム及び消散の段階に分けることができ、性的応答の障害はこれらの段階の一つ以上で生じるものであり、複数の障害又は機能不全が存在してもよい。性的障害は、苦痛や個人的問題を引き起こすことがあり、気分障害又は不安障害のような他の疾患(強迫神経症、広場恐怖症によるパニック障害及び特定恐怖症)を伴うことがある(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, 4th edition, Text Revision. Washington DC, American Psychiatric Association, 2000を参照のこと)。
【0011】
性的障害及び/又は性的機能不全(以後簡単に“性的障害”又は“障害”と呼ぶ)は、いくつかの主なタイプに分類され、更に全てが本明細書に含まれるいくつかのサブタイプに分けることができる。
性的障害の例は、性的欲求障害(即ち、性的欲求低下障害、性的嫌悪障害)、性的興奮障害(即ち、女性の性的興奮障害、男性の勃起障害)、オルガスム障害(即ち、女性のオルガスム障害、男性のオルガスム障害、精液早漏)、性的疼痛障害(性交疼痛症、膣痙、非性器的疼痛障害、一般身体疾患による性的機能不全、物質誘発性性的機能不全、他に分類されない性的機能不全である(精神疾患診断統計マニュアル、同書を参照のこと)。
精神疾患診断統計マニュアル、4th edition, Text Revision, Washington DC, American Psychiatric Association, 2000(これらの開示内容は本願明細書に含まれるものとする)によると、性的欲求低下障害(HSDD)は、苦痛につながる性的欲求の全般的な喪失によって特徴づけられる。HSDDは、性的空想や性的行為の欲求の不足又は欠如であると詳細に定義されてもよいものであり(基準A)、それによって、機能不全は、著しい苦痛又は個人間の問題点を引き起こさなければならず(基準B)、性的障害は、他の障害ではうまく説明されない(基準C)。
性的嫌悪障害は、性的パートナーとの全て又はほとんどすべての性器の性的接触に対して持続性又は反復性の極端な嫌悪や回避として定義される。性的興奮障害は、性的行為の完了まで持続性又は再発性の到達不能、又は維持不能であると特徴づけられる。オルガスム障害は、正常な性的興奮段階後のオルガスムの持続性又は再発性の遅延又は不在である。性的疼痛障害は、性交又は膣の外側の3分の1を取り囲んでいる会陰の筋肉の不随意収縮に伴うことがある性器疼痛と関連がある。
一般身体疾患による性的機能不全は、病歴、検査所見又は性的障害が一般身体疾患の直接の生理作用によって充分に説明される理学的検査に基づいて決定することができる。
更に、物質誘発性性的機能不全は、薬物乱用、薬物又は毒物暴露の生理作用によって独占的に引き起こされる障害又は機能不全であり得る。それは、用いられる物質の種類又は量もしくは使用又は暴露期間に左右される。
他に分類されない性的機能不全には、他の個々の性的機能不全の基準を満たさない性的機能不全が含まれる。
【0012】
性的障害の分類に作成された定義が、定められた限度或いは正確な限度をもたず、移行及び/又は重なりが可能であってもよいことに留意すべきである。性的障害の一つのタイプは、また、他の性的障害又は性的機能不全に伴って生じることもある。そのとき、例えば、支配的な性的障害が選ばれ、割り当てられた障害のタイプは他のタイプの障害ではうまく説明されない。
性的障害を更に分類するためにサブタイプ、発症(先天性型及び後天性型)、背景(一般化型及び状況型)及び性的障害に伴う病因的因子(心理項目による及び複合要因による)が必要である。これらのサブタイプは、一般身体疾患又は物質誘発性性的機能不全による性的機能不全の診断にあてはまらない。
“先天性型”は、これは性的働きの開始から存在している本発明のこのような性的障害を意味する。“後天性型”は、正常な性的働きの期間の後にだけ発症した本発明のこのような性的障害にあてはまる。“一般化型”は、障害が刺激、状況又はパートナーのある種のタイプに限られない本発明のこのような性的障害を意味する。“状況型”は、障害が刺激、状況又はパートナーのある種のタイプに限られている本発明のこのような性的障害にあてはまる。“心理項目”によるサブタイプは、心理項目が判断される場合、性的障害の発症、重篤度、再燃又は維持に主要な役割をもつように用い、一般身体疾患や物質は性的障害の病因に役割を果たさない。最後に“複合要因”によるサブタイプは、1)心理項目が性的障害の発症、厳しさ、再燃又は維持に役割を有するために判断され、2)一般身体疾患又は物質使用が寄与するように判断されるが、性的障害を説明するには充分でない場合に用いる(精神疾患診断統計マニュアル、4th edition, Text Revision. Washington DC, American Psychiatric Association, 2000を参照のこと)。
性的障害を罹患している女性患者の研究において、所望により遊離塩基だけでなく薬理的に許容され得る誘導体、例えば、薬理的に許容され得る酸付加塩及び/又は所望によりこれらの水和物及び/又は溶媒和物の形であってもよいフリバンセリンが、性的障害及び/又は性的機能不全に対して正の効果を有し、例えば、性的欲求増強特性を示すことがわかった。
【0013】
更に、性的欲求障害及び/又は性的欲求機能不全は、閉経期前又は閉経期後の状態にある女性患者において治療することができる。言い換えれば、性的欲求障害の上述のタイプは、また、閉経期前又は閉経期後の女性において治療することができる。
また、月経前障害は、性的障害、例えば、月経前失調、月経前症候群、月経前不快気分障害からなる群より選ばれる月経前障害に含まれなければならない。月経前及び他の性的疾患は、WO 2005/102343に記載されており、その全体の開示は本願明細書に含まれるものとする。
従って、本発明は、性的欲求障害(即ち、性的欲求低下障害、性的嫌悪障害)、性的興奮障害(即ち、女性の性的興奮障害、男性の勃起障害)、オルガスム障害(即ち、女性のオルガスム障害、男性のオルガスム障害、精液早漏)、性的疼痛障害(性交疼痛症、膣痙、非性器的疼痛障害)、一般身体疾患による性的機能不全、物質誘発性性的機能不全、他に分類されない性的機能不全からなる群より選ばれる性的障害の治療用薬剤を調製するための、所望により遊離塩基、薬理的に許容され得る酸付加塩及び/又はこれらの水和物及び/又は溶媒和物の形であってもよい、フリバンセリンの使用であって、治療が、効力の一次基準及び二次基準に関して上で定義したように個別患者に適合されている、前記使用に関する。
性的欲求障害は、例えば、WO 03/035072 A1に記載されており、この全体の開示内容は、本願明細書に含まれるものとする。
性的欲求障害、好ましくは性的欲求低下障害、性的嫌悪障害、性的欲求の喪失、性的欲求の欠如、性的欲求の減少、性的関心欠損症、性欲減弱、性欲の混乱及び不感症からなる群より選ばれる性的障害の治療用薬剤を調製するための、所望により遊離塩基、薬理的に許容され得る酸付加塩及び/又はこれらの水和物及び/又は溶媒和物の形であってもよい、フリバンセリンの使用であって、治療が、効力の一次基準及び二次基準に関して上で定義されたように個別患者に適合されている、前記使用が本発明によれば特に好ましい。
特に好ましい実施態様において、本発明は、性的欲求低下障害及び性的欲求の喪失からなる群より選ばれる性的障害の治療用薬剤を調製するための、所望により遊離塩基、薬理的に許容され得る酸付加塩及び/又はこれらの水和物及び/又は溶媒和物の形であってもよい、フリバンセリンの使用であって、治療が、効力の一次基準及び二次基準に関して上で定義したように個別患者に適合されている、前記使用に関する。
【0014】
フリバンセリンの有益な効果は、性的障害に伴う発症、背景及び病因の因子から独立した、主なタイプ又はサブタイプから独立した女性及び男性患者の全ての種類の性的障害において認められ得る。即ち、性的障害が先天性か又は後天性か、もしくは背景や原因の由来から独立しているかにかかわらず、治療が可能である。
好ましい実施態様において、更に、本発明は、後天的性的欲求低下障害、後天的性的嫌悪障害、後天的性的欲求の喪失、後天的性的欲求の欠如、後天的性的欲求の減少、後天的性的関心欠損症、後天的性欲減弱、後天的性欲の混乱及び後天的不感症からなる群より選ばれる性的障害の治療用薬剤を調製するための、所望により遊離塩基、薬理的に許容され得る酸付加塩及び/又はこれらの水和物及び/又は溶媒和物の形であってもよい、フリバンセリンの使用であって、治療が、効力の一次基準及び二次基準に関して上で定義されたように個別患者に適合されている、前記使用に関する。
更に、本発明は、上述の症状のいずれもの一般化サブタイプ又は状況サブタイプに関し且つ/又は心理項目によるか又は複合要因によるものに関する。
それ故、用語“後天的性的欲求低下障害”等は、正常な性的働き期間の後に発症した女性における性的欲求低下障害を意味する。
本発明は、また、女性における性的障害の治療用医薬組成物を調製するためのフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、用量が1日1回又は1日2回、好ましくは1日1回投与されることを特徴とする、前記使用に関する。
好ましくは、用量は、朝と晩に、より好ましくは、朝に1回と晩に1回、最も好ましくは晩にだけ1回一定の期間にわたって連続して患者に投与される。
本発明の好ましい実施態様によれば、開始治療の第一用量は、晩に患者に投与される。結果として、鎮静状態のような副作用は、ほとんど深刻なものではない。
1日に適用できるフリバンセリンの用量範囲は、0.1〜100mgである。しかしながら、性的障害の厳格さのために、低用量範囲、少い方の中間用量範囲、多い方の中間用量範囲及び高用量範囲のフリバンセリンが選ばれ、好ましくは以下の通り定義される:
低用量範囲は、好ましくは10〜40mg、より好ましくは15〜35mg、特に約25mgであり;
少い方の中間用量範囲は、好ましくは41〜60mg、より好ましくは45〜55mg、特に約50mgであり;
多い方の中間用量範囲は、好ましくは61〜90mg、より好ましくは65〜85mg、特に約75mgであり;
高用量範囲は、好ましくは91〜100mg、特に100mgである。
【0015】
本発明によれば、用量は、好ましくは、低用量範囲及び/又は少い方の中間用量範囲及び/又は多い方の中間用量範囲で1日1回又は1日2回、又は高用量範囲で1日1回患者に投与され、より好ましくは、用量は、毎晩1日1回患者に投与される。投薬は、例えば、連続して一定の期間にわたる。
患者に投与される用量の上限に関して、最大量は、好ましくは多くても100mg/日、より好ましくは多くても90mg/日、最も好ましくは80mg/日である。
用量は、好ましくは朝と晩に、より好ましくは朝に1回(25mg又は50mgのフリバンセリン)と晩に1回(25mg又は50mgのフリバンセリン)、最も好ましくは晩にだけ1回(50mg又は100mgのフリバンセリン)連続して一定の期間患者に投与される。
好ましくは、上記所定の用量を、記載された効力の一次基準の少なくとも一つを用いて、更に、所望により二次基準の少なくとも一つを用いてもよく、個別患者に適合されている上で定義された最適化治療の基準として用いることができる。
フリバンセリンは、遊離塩基の形で、又はそのあらゆる既知の薬理的に許容され得る誘導体、例えば、その医薬的に許容され得る酸付加塩の形で用いることができ、且つ/又は所望によりこれらの水和物及び/又は溶媒和物の形で用いてもよい。適切な酸付加塩としては、例えば、コハク酸、臭化水素酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、乳酸、リン酸、塩酸、硫酸、酒石酸及びクエン酸より選ばれた酸の塩が挙げられる。上記の酸付加塩の混合物が用いられてもよい。上述の酸付加塩から、塩酸塩及び臭化水素酸塩、特に塩酸塩が好ましい。
フリバンセリンが遊離塩基の形で用いられる場合には、好ましくは、フリバンセリンの遊離塩基を特定の多形体で示すフリバンセリン多形体Aの形で用いられる。多形体A及び調製のためのプロセスは、WO 03/014079 A1において開示されており、この全体の開示内容は本願明細書に含まれるものとする。
フリバンセリン、所望により遊離塩基、薬理的に許容され得る酸付加塩及び/又はこれらの水和物及び/又は溶媒和物の形で用いられてもよく、固体、液体又は噴霧形態で従来の医薬製剤に配合されてもよい。組成物は、例えば、経口、直腸、非経口投与に又は経鼻吸入に適した形で存在してもよく: 好ましい剤形としては、例えば、カプセル剤、錠剤、コーティング錠、アンプル剤、坐薬及びスプレー式点鼻薬が挙げられる。
【0016】
有効成分は、医薬組成物に慣用的に用いられる、一つ以上の賦形剤、一つ以上の担体、一つ以上の希釈剤、一つ以上の賦形剤、例えば、水性又は非水性、及び/又は一つ以上の添加剤、例えば、タルク、アラビアゴム、ラクトース、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウム、コーンスターチ、ポリビニルピロリドン、脂肪酸の半合成グリセリド、塩化ベンザルコニウム、リン酸ナトリウム、EDTA、及びポリソルベート80に配合されてもよい。組成物は、用量単位で有利に配合され、各用量単位は、有効成分の単回投与量を供給するように適合されている。投与の形態によっては、それに応じて成分が選ばれる。
適切な錠剤は、例えば、一つ又は複数の活性物質を既知の賦形剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトースのような不活性希釈剤、コーンスターチ又はアルギン酸のような崩壊剤、デンプン又はゼラチンのような結合剤、ステアリン酸マグネシウム又はタルクのような滑沢剤及び/又はカルボキシメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース又はポリ酢酸ビニルのような遅延放出剤と混合することによって得ることができる。錠剤は、数層を含んでもよい。
コーティング錠は、錠剤と同様にして製造されたコアを錠剤コーティングに通常用いられる物質、例えば、コリドン又はシェラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は砂糖で被覆することによって適宜調製することができる。遅延放出を達成するか又は配合禁忌を防止するために、コアが多くの層からなってもよい。同様に、錠剤コーティングは、遅延放出を達成するために多くの層からなってもよく、場合によっては前述の錠剤用賦形剤を用いてもよい。
本発明の活性物質又はその組み合わせを含有するシロップ剤又はエリキシル剤は、更に、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は砂糖のような甘味剤及び化学調味料、例えば、バニリン又はオレンジエキスのような香味剤を含有することができる。これらは、また、懸濁補助剤又はカルボキシルメチルセルロースナトリウムのような増粘剤、湿潤剤、例えば、脂肪アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物、又はp-ヒドロキシベンゾエートのような防腐剤を含有することができる。
注射用溶液は、通常の方法で、例えば、p-ヒドロキシベンゾエートのような防腐剤、又はエチレンジアミン四酢酸アルカリ金属塩のような安定剤を添加して調製され、注射バイアル又はアンプルに移される。
【0017】
一つ以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含有するカプセル剤は、例えば、活性物質とラクトース又はソルビトールのような不活性担体とを混合し、それらをゼラチンカプセルに装填することによって調製することができる。
適切な坐薬は、例えば、中性脂肪又はポリエチレングリコール又はその誘導体のようなこのために供給される担体と混合することによって製造することができる。
本発明の利点は、多種多様である:
本発明のフリバンセリンの使用は、FSDを罹患している個別患者に治療法を合わせるという意味で最適化される。
発明概念は、治療の明白な指示、例えば、投与方法を示すものであり、治療されている患者に対して著しい利点を達成する。本発明のテイラード治療は、意味のある治療応答という意味において最良の治療的に確実な効果を得るのに必要な最少用量まで用量を減少させるのを援助することができる。
治療は、最適化された投薬のために副作用が減少する。本発明の使用は、最良の個別治療計画を与えることによって最大の可能な治療効果を達成し、患者の個々の要求に適合する。
開発された一次基準及び二次基準並びに示された下限は、最少の用量-最大の効果の相関の使用によってFSD、特にHSDDに最適化された治療の明白な証拠を提供する。
【0018】
【表1】

【0019】
【表2】

【0020】
【表3】

【0021】
【表4】

【0022】
【表5】

【0023】
【表6】

【0024】
【表7】

【0025】
PGIの改善
l. あなたの状態はどうですか−性的欲求の低下とそれに悩んでいると感じることを意味する−あなたが投薬を始めたときと今日を比較する
1□極めて改善された
2□非常に改善された
3□最小限改善された
4□変化せず
5□さほど悪くない
6□非常に悪い
7□極めて悪い

【特許請求の範囲】
【請求項1】
女性における性的障害の治療用医薬組成物を調製するためのフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、患者の投薬が、ベースライン(フリバンセリンを投与しない)から始めて有意な変化(フリバンセリンの治療的に有効な量を投与する)を達成するように選択され、有意な変化が、効力の一次基準の少なくとも一つの範囲内で達成され、
効力の一次基準が、基準a)及び/又は基準b)からなる群より選ばれ、
基準a)は性的活動を満たす数であって、以下のアルゴリズムによって決定され:
月全体での活動 = 28×(活動の数の合計)/(記入した日数の合計)
基準b)は一日当たりに得られる性的欲求レベルであって、以下のアルゴリズムによって決定され:
欲求日数 = 28×(中程度又は強い欲求をもった記入数)/(記入数)
フリバンセリンの投与の有無で基準a)のアルゴリズムを比較することによって決定される有意な変化が、月に少なくとも2回の満足な性的活動増加によって表され; 且つ/又は
フリバンセリンの投与の有無で基準b)のアルゴリズムを比較することによって決定される有意な変化が、月に少なくとも四日の欲求日数増加によって表される、
前記使用。
【請求項2】
請求項1に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、患者の投薬が、ベースライン(フリバンセリンを投与しない)から始めて著しい変化(フリバンセリンの治療的に有効な量を投与する)を達成するように選択され、有意な変化が、効力の二次基準の少なくとも一つの範囲内で達成され、
効力の二次基準が基準c)、基準d)、基準e)、及び/又は基準f)からなる群より選ばれ、
基準c)は女性の性的苦痛段階(FSDS)又は女性の性的苦痛段階-修正(FSDS-R)試験であり、
基準d)は女性の性的機能指数(FSFI)であり、
基準e)は患者の主観的評価(PGI)の改善であり、
基準f) はが患者の便益評価であり、
フリバンセリンの投与の有無でそれぞれ基準c)〜f)の少なくとも一つを比較することによって決定される有意な変化が、
基準c)において少なくとも‘1’、好ましくは少なくとも‘2’のPGIの改善; 及び/又は
基準d)において行われた試験の一つ又は複数の結果の改善; 及び/又は
基準e)において行われた試験の一つ又は複数の結果の改善; 及び/又は
基準f)において行われた試験の一つ又は複数の結果の改善
によって表される、前記使用。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、効力の一次基準の少なくとも一つ及び所望により効力の二次基準の少なくとも一つの有意な変化が一定の期間、好ましくは少なくとも一週間、より好ましくは少なくとも一ヶ月にわたって決定されることを特徴とする、前記使用。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、使うべき患者の投薬を基準a)又はb)の少なくとも一つ、及び任意により基準c)、d)、e)又はf)の少なくとも一つの有意な変化をもつように調整して、治療すべき個別の女性患者に対してフリバンセリンの治療的に最も効果的な用量及び/又は最も効果的な投与方法を達成することを特徴とする、前記使用。
【請求項5】
女性における性的障害の治療用医薬組成物を調製するためのフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、用量が1日1回一定期間連続して投与されることを特徴とする、前記使用。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、用量が朝と晩に、好ましくは朝に1回と晩に1回、より好ましくは晩に1回患者に投与されることを特徴とする、前記使用。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、開始治療の第一用量が、晩に患者に投与されることを特徴とする、前記使用。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、用量が1〜100mgの量で、
低用量範囲では、好ましくは10〜40mg、より好ましくは15〜35mg、特に約25mg; 及び/又は
少い方の中間用量範囲では、好ましくは41〜60mg、より好ましくは45〜55mg、特に約50mg; 及び/又は
多い方の中間用量範囲では、好ましくは61〜90mg、より好ましくは65〜85mg、特に約75mg; 及び/又は
高用量範囲では、好ましくは91〜100mg、特に100mg
患者に投与されることを特徴とする、前記使用。
【請求項9】
請求項8に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、用量が、低用量範囲及び/又は少ない方の中間用量範囲及び/又は多い方の中間用量範囲で1日1回又は1日2回、又は高用量範囲で1日1回患者に投与されることを特徴とする、前記使用。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、用量が毎晩1回患者に投与されることを特徴とする、前記使用。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、多くても100mg/日、好ましくは多くても90mg/日、より好ましくは80mg/日の最大量が患者に投与されることを特徴とする、前記使用。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、性的障害が、性的欲求障害(例えば、性的欲求低下障害、性的嫌悪障害、性的興奮障害)、オルガスム障害、性的疼痛障害、一般身体疾患による性的機能不全、物質誘発性性的機能不全、及び他に分類されない性的機能不全からなる群より選ばれることを特徴とする、前記使用。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、性的障害が、性交疼痛症、膣痙、非性器的疼痛障害からなる群より選ばれる性的疼痛障害、一般身体疾患による性的機能不全及び物質誘発性性的機能不全からなる群より選ばれることを特徴とする、前記使用。
【請求項14】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、性的障害が、性的欲求障害、性的欲求低下障害(HSDD)、性的嫌悪障害、性的欲求の喪失、性的欲求の欠如、性的欲求の減少、性的関心欠損症、性欲減弱、性欲の混乱、及び不感症からなる群より選ばれることを特徴とする、前記使用。
【請求項15】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、性的障害が、性的欲求低下障害及び性的欲求の喪失からなる群より選ばれることを特徴とする、前記使用。
【請求項16】
請求項1〜11のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、性的障害が、後天的性的欲求低下障害、後天的性的嫌悪障害、後天的性的欲求の喪失、後天的性的欲求の欠如、後天的性的欲求の減少、後天的性的関心欠損症、後天的性欲減弱、後天的性欲の混乱、及び後天的不感症からなる群より選ばれることを特徴とする、前記使用。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、性的障害が、閉経期前又は閉経期後の性的欲求障害であることを特徴とする、前記使用。
【請求項18】
請求項1〜16のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、性的障害が、月経前失調、月経前症候群及び月経前不快気分障害からなる群より選ばれる月経前障害であることを特徴とする、前記使用。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、医薬組成物が、経口、直腸、非経口投与又は経鼻吸入を意図していることを特徴とする、前記使用。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、フリバンセリン誘導体が、遊離塩基、薬理的に許容され得る酸付加塩及び/又はこれらの水和物及び/又は溶媒和物より選ばれることを特徴とする、前記使用。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の使用であって、フリバンセリンが、遊離塩基の形で適用されることを特徴とする、前記使用。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか1項に記載の使用であって、フリバンセリンが、DSCを用いて測定した場合に融点が約161℃である、遊離塩基の多形体Aの形で適用されることを特徴とする、前記使用。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか1項に記載のフリバンセリン又はその薬理的に許容され得る誘導体の使用であって、薬学的に許容され得る酸付加塩が、コハク酸、臭化水素酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、乳酸、リン酸、塩酸、硫酸、酒石酸、クエン酸、及びこれらの混合物より選ばれる酸によって形成される塩より選ばれることを特徴とする、前記使用。

【公表番号】特表2009−543839(P2009−543839A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519932(P2009−519932)
【出願日】平成19年7月11日(2007.7.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057064
【国際公開番号】WO2008/006838
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】