説明

姿勢補整衣類

【課題】 着用者の姿勢を良くする姿勢補整衣類を提供する。
【解決手段】 姿勢補整衣類1は、本体部10と緊締部20とを備える。緊締部20は、帯状の第1緊締部22と第2緊締部24とからなる。第1緊締部22は、着用者の腹部中央から左右肋骨の下端部に向かって左右に分かれ、それぞれ左右肋骨の下端部を通り背中で互いに連結されることにより形成されている。第2緊締部24は、腹部中央から左右に分かれ、仙骨部の後を通り仙骨部の下部の後中心で互いに連結されることにより形成されている。第1緊締部22の幅は、第2緊締部24の幅よりも大きく形成されている。姿勢補整衣類1の丈方向において、本体部10の伸長率は、緊締部20の伸長率の1.5〜5倍である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着用者の姿勢を良くする姿勢補整衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、下記の特許文献がある。例えば特許文献1には、人体の筋肉の作用方向と一致して伸縮する伸縮部有する衣類が開示されている。そして、伸縮部が身体の動きに追随して伸縮することで、整体効果が図られている。また、特許文献2には、前身頃及び後身頃の少なくとも一方にX字状に形成された伸縮部を備えたボディスーツが開示されている。この伸縮部の伸縮力によって、腹部及び臀部の贅肉を引き上げ、姿勢の矯正が図られている。
【特許文献1】特開昭61−239002号公報
【特許文献2】特許第2583476号公報
【特許文献3】特開平7−268704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の文献に記載された姿勢補整衣類は、筋肉のサポートや贅肉を引き上げることを目的とするものであり、体幹を支えることができないため、姿勢を整えることが困難であった。
【0004】
本発明は、着用者の姿勢を良くする姿勢補整衣類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る姿勢補整衣類は、伸縮性を有する本体部と、本体部の緊締力よりも強い緊締力を有すると共に帯状に形成された緊締部とを備え、着用者の人体にフィットするようにした姿勢補整衣類であって、緊締部は、着用者の腹部中央から左右肋骨の下端部に向かって左側と右側に分かれ、それぞれ左右肋骨の下端部を通り背中で互いに連結されることにより形成された第1緊締部と、着用者の腹部中央から左側と右側に分かれ、仙骨部の後を通り仙骨部の下部の後中心で互いに連結されることにより形成された第2緊締部と、を有し、第1緊締部の幅は、第2緊締部の幅よりも大きく形成され、姿勢補整衣類の丈方向において、本体部の伸長率は、緊締部の伸長率の1.5〜5倍であることを特徴とする。
【0006】
本発明に係る姿勢補整衣類によれば、着用状態において、第1緊締部と第2緊締部とが有する緊締力により、腹部中央、左右の肋骨下端部を結ぶ背中、仙骨部の下部の後中心を頂点とした張力を有する三角形の領域が形成される。そして、この三角形頂点にそれぞれ対応する腹筋群、脊柱起立筋群及び殿筋群をサポートし、三点で体幹を支える構造となる。すなわち、第1緊締部と第2緊締部とが有する緊締力によって、腹部中央では腹筋群を後側に押し付ける力と、左右の肋骨下端部を結ぶ背中では脊柱を支える脊柱起立筋群を前側に押し付ける力と、仙骨部の下部の後中心では骨盤を支える殿筋群を前側に押し付ける力とがそれぞれ生じる。この3つの力の協働により、お腹を引き締め、骨盤及び脊柱を本来の位置に維持するように体幹を支えることができ、姿勢を整えることができる。
【0007】
加えて、第1緊締部の幅は第2緊締部の幅よりも大きく形成されるので、脊柱起立筋群及び腹筋群を強くサポートすることで、背中が後に倒れこみやすい姿勢を補整することができる。さらに、この衣類の丈方向において、本体部の伸長率は緊締部の伸長率の1.5〜5倍であるため、着用者の姿勢を補整すると共に、着用者の自然の動きに追随して伸長することで、長時間を着用しても着用者に拘束感や窮屈感を与えることなく、自然な着心地が得られる。
【0008】
ここで、伸長率とは、本体部または緊締部を引き伸ばしたときの長さと元の長さとの差の、元の長さに対する百比率であって、JIS L1096:1999 8.14.1A法に準拠して求められる値である。
【0009】
本発明に係る姿勢補整衣類において、緊締部は、伸縮性を有する生地と、当該生地の肌側に縫着された当て布とからなり、本体部は、伸縮性を有する生地から形成されていることが好適である。このようにすれば、本体部の緊締力よりも強い緊締力を有する緊締部を容易に形成することができる。
【0010】
本発明に係る姿勢補整衣類において、第1緊締部と第2緊締部とは、着用者の腹部中央に対応する部分で重ね合わされ、重ね合わせ領域を形成し、重ね合わせ領域は、伸縮性を有する生地と、第1緊締部のあて布と、第2緊締部のあて布とからなることが好適である。このように第1緊締部と第2緊締部とが腹部中央で重ね合わされることにより、第1緊締部と第2緊締部とは腹部中央で連結される。従って、着用時に、肩部からの引き上げる力が第1緊締部を上方向に引き上げ、臀部からの引張る力が第2緊締部を下方向に引張ることで、着用者の腹部中央を後側に押し付ける力を高めることができる。その結果、腹筋群を強くサポートし、脊柱を支えるに必要な腹圧を高めることができ、姿勢を補整する効果を向上させることができる。
【0011】
本発明に係る姿勢補整衣類において、股部を更に備えることが好適である。このようにすれば、臀部の安定性を強化することができ、より良い姿勢を補整することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、着用者の姿勢を良くする姿勢補整衣類を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る姿勢補整衣類の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、上下、左右及び前後方向は、着用者から見た方向である。
【0014】
図1〜図3に示すように、姿勢補整衣類1は、タンクトップ型の衣類であって、着用者の人体にフィットするように形成されている。この姿勢補整衣類1は、胴体を覆うように形成された本体部10と、複数の帯状の緊締部20とを備えている。
【0015】
姿勢補整衣類1は、前身頃12と後身頃14とを有し、これらを両脇側の縫合ラインL1(図3参照)に沿って縫合することにより形成されている。前身頃12において、着用者の乳房に対応する位置には、乳房の形状に合わせるように形成されたカップ部16が設けられている。後身頃14は、左後身頃14Lと右後身頃14Rとからなる。そして、左後身頃14Lと右後身頃14Rとは、着用者の脊柱に沿って延在する縫合ラインL2(図2参照)に沿って互いに縫合されている。
【0016】
本体部10は、伸縮性を有する第1生地S1からなる。第1生地S1は、その生地の横方向が姿勢補整衣類1の丈方向と一致するように配置されている。第1生地S1として、パワーネット、サテンネット、トリコネット、ツーウェイトリコット、ツーウェイラッセルが挙げられる。本実施形態において、第1生地S1にはツーウェイラッセルを使用する。
【0017】
一方、緊締部20は、複数の帯状の当て布26を第1生地S1の肌側に縫着することにより形成されている。当て布26は、伸縮性を有する第2生地S2からなる。第2生地S2は、その生地の縦方向が姿勢補整衣類1の丈方向と一致するように配置されている。従って、第1生地S1の横方向と第2生地S2の横方向とは、直交している。
【0018】
このような構成により、緊締部20が本体部10よりも伸びにくくなるので、緊締部20の緊締力は本体部10の緊締力よりも強い。姿勢補整衣類1の着用時に、着用者の自然の動きに追随し自然な着心地を維持するため、姿勢補整衣類1の丈方向において、本体部10の伸長率は、緊締部20の伸長率の1.5〜5倍であることが好適であり、3〜4.5倍であることがより好適である。本体部10の伸長率は緊締部20の伸長率に対して1.5倍未満の場合、姿勢補整衣類1は、着用者の動きを拘束し、着用者に窮屈感を与える。一方、本体部10の伸長率は緊締部20の伸長率に対して5倍を超えた場合、フィット感を維持し難い。
【0019】
当て布26の第2生地S2として、パワーネット、サテンネット、トリコネット、ツーウェイトリコット、ツーウェイラッセル等が挙げられる。本実施形態において、第2生地S2には、サテンネットを使用する。
【0020】
以下、図4及び図5を参照しつつ、緊締部20について説明する。
【0021】
緊締部20は、着用者の胴体を囲むようにそれぞれ形成された帯状の第1緊締部22と第2緊締部24とからなる。第1緊締部22は、着用者胴体の上部に配置され、着用者の体軸(図示せず)に対し左右対称に形成されている。第1緊締部22は、着用者の腹部中央Aから左右肋骨の下端部B1,B2に向かって左側の第1緊締部22Lと右側の第1緊締部22Rに分かれ、それぞれ左右肋骨の下端部B1,B2を通り背中で互いに連結されることにより形成されている。従って、前身頃12において、左側の第1緊締部22Lと右側の第1緊締部22Rとで略V字状をなし、後身頃14において、左側の第1緊締部22Lと右側の第1緊締部22Rとは略直線状に連結されている。
【0022】
第2緊締部24は、着用者の胴体の下部に配置され、着用者の体軸(図示せず)に対し左右対称に形成されている。第2緊締部24は、着用者の腹部中央Aから斜め下方向に向かって左側の第1緊締部24Lと右側の第1緊締部24Rに分かれ、仙骨部の後を通り仙骨部の下部Cの後中心で互いに連結されることにより形成されている。従って、前身頃12において、左側の第1緊締部24Lと右側の第1緊締部24Rとで逆V字状をなしている。後身頃14において、左側の第1緊締部24Lと右側の第1緊締部24Rとは、着用者の臀部の丸みに合わせるように下方に略凸状に湾曲している。この場合には、姿勢補整衣類1が着用者の臀部の丸みに好適にフィットすることができると共に、姿勢補整衣類1のずりあがりを防止することができる。
【0023】
また、第1緊締部22の幅は第2緊締部24の幅よりも大きく形成されている。第1緊締部22の緊締力により着用者胴体の上部に働く力と、第2緊締部24の緊締力により胴体の下部に働く力とのバランスを考慮した場合、第1緊締部22の幅は、第2緊締部24の幅に対して1.5〜4倍であることが好適であり、1.5〜3倍であることがより好適である。すなわち、第1緊締部22の幅が第2緊締部24の幅に対して4倍を超えた場合、第1緊締部22の緊締力による胴体上部への力が強すぎて胴体上部を束縛し、全体のバランスが悪くなる。一方、第1緊締部22の幅が第2緊締部24の幅に対して1.5倍未満の場合、第1緊締部22の緊締力により脊柱起立筋群及び腹筋群をサポートする力が弱く、背中が後に倒れこみやすい姿勢を補整する効果が不十分となる。なお、本実施形態において、第2緊締部24の幅は4〜7.5cmの範囲にあり、第1緊締部22の幅は11.5〜14.5cmの範囲にある。
【0024】
第1緊締部22と第2緊締部24とは、着用者の腹部中央Aに対応する部分で重ね合わされ、重ね合わせ領域28を形成する。図1に示すように、左側の第1緊締部22Lの上縁22aと右側の第1緊締部22Rの上縁22bとの交差点と、左側の第2緊締部24Lの上縁24aと右側の第2緊締部24Rの上縁24bとは略一致している。この重ね合わせ領域28は、第1生地S1と、第1緊締部22の第2生地S2と、第2緊締部24の第2生地S2とからなり、三枚構造となっている。この場合、腹部中央A周辺の腹筋群を強くサポートすることで、脊柱を支えるに必要な腹圧を高めると共に、お腹を引き締める効果を向上させることができる。
【0025】
そして、重ね合わせ領域28の形成により、前身頃12において、第1緊締部22と第2緊締部24とは、略X字状をなしている。すなわち、第1緊締部22の左側の第1緊締部22Lと第2緊締部24の右側の第1緊締部24Rとは略直線状に配置され、第1緊締部22の右側の第1緊締部22Rと第2緊締部24の左側の第1緊締部24Lとは略直線状に配置されている。このようにすれば、第1緊締部22と第2緊締部24とが有する緊締力を直線状にまとめることができ、効率よく体幹を支えることができる。
【0026】
また、図1に示すように、第1緊締部22は着用者の腹部中央Aから下側に延出し、菱形状の領域30を形成している。この場合、腹部下部に逃げがちの肉を引き上げることにより、お腹を引き締めることができる。
【0027】
このように構成された姿勢補整衣類1を着用する時に、第1緊締部22と第2緊締部24が有する緊締力によって、着用者の腹部中央A、左右の肋骨の下端部B1,B2を結ぶ背中、仙骨部の下部Cの後中心を頂点とした張力を有する三角形の領域を形成する。そして、この三角形頂点にそれぞれ対応する腹筋群、脊柱起立筋群及び殿筋群をサポートし、三点で体幹を支える構造となる。すなわち、図5に示すように、腹部中央Aでは腹筋群を後側に押し付ける力F1と、左右肋骨の下端部B1,B2を結ぶ背中では脊柱を支える脊柱起立筋群を前側に押し付ける力F2と、仙骨部の下部Cの後中心では骨盤を支える殿筋群を前側に押し付ける力F3がそれぞれ生じる。この3つの力の協働により、お腹を引き締め、骨盤及び脊柱を本来の位置に維持するように体幹を支えることができ、姿勢を整えることができる。
【0028】
加えて、第1緊締部22と第2緊締部24とが、腹部中央Aで重ね合わされ、重ね合わせ領域28を形成することにより、第1緊締部22と第2緊締部24とは腹部中央Aで連結される。このため、左右肋骨の下端部B1,B2を結ぶ背中では、肩部からの引き上げる力F4が第1緊締部22を上方向に引き上げ、仙骨部の下部Cの後中心では、臀部からの引張る力F5が第2緊締部24を下方向に引張ることにより、着用者の腹部中央Aを後側に押し付ける力F1を高めることができる。その結果、腹筋群を強くサポートし、脊柱を支えるに必要な腹圧を高めることができ、姿勢を補整する効果を向上させることができる。
【0029】
また、第1緊締部22の幅は第2緊締部24の幅よりも大きく形成されるため、脊柱起立筋群及び腹筋群を強くサポートすることで、背中が後に倒れこみやすい姿勢を補整することができる。さらに、本体部10の伸長率は、緊締部20の伸長率に対して1.5〜5倍であるため、着用者の姿勢を補整すると共に、着用者の自然の動きに追随して伸長することで、長時間を着用しても着用者に拘束感や窮屈感を与えることなく、自然な着心地が得られる。
【0030】
以下、姿勢補整衣類1をダミー人形5に着用させて腹部中央Aを押し付ける力F1の測定について説明する。
【0031】
測定に用いたダミー人形5は、繊維強化プラスチック(FRP)からなり、膝から頭部までの上半身を有するダミーである。殿溝点の寸法は、床高さが27.3cm、周径84.1cmである。ヒップの寸法は、床高さが35.3cm、周径89.0cmである。腸棘点の寸法は、床高さが41.3cm、周径87.2cmである。ウェストの寸法は、床高さが53.7cm、周径70.5cmである。アンダバストの寸法は、床高さが63.1cm、周径74.8cmである。トップバストの寸法は、床高さが69.3cm、周径87.5cmである。
【0032】
押し付ける力F1を測定する際に用いた測定器は、株式会社エイエムアイ社製の接触圧測定器(エアーパック式)であり、各仕様は、卓上タイプ:AMI3037−20、センサー部:直径20[mm]、最大測定値:約15000[Pa]、ガイドチューブ:1.5[m]である。その測定方法として、姿勢補整衣類1を着用させた状態において、ダミー人形5の腹部中央Aに圧力センサーを取り付けて、姿勢補整衣類1から圧力センサーにかかる圧力を測定する。
【0033】
まず、通常の着用状態での腹部中央Aにおける押し付ける力F1を測定した。図6に示すように姿勢補整衣類1がダミー人形5の臀部に完全にかかるまで姿勢補整衣類1を着用させ、腹部中央Aを押し付ける力F1の測定を行った。その測定結果として、押し付ける力F1は21.4gf/cmであった。
【0034】
次に、図7に示すようにダミー人形5の高さ方向において、姿勢補整衣類1を伸ばさない状態、すなわち姿勢補整衣類1がダミー人形5の臀部に完全にかからない状態での腹部中央Aを押し付ける力F1を測定した。その結果として、押し付ける力F1は20.8gf/cmであって、通常の着用状態での押し付ける力F1より小さい結果であった。
【0035】
以上の結果により、通常の着用状態において、姿勢補整衣類1がダミー人形5の臀部に完全にかかるので、臀部からの引張る力F5が大きくなる。そして、この臀部からの引張る力F5と肩部からの引き上げる力F4との協働で、第1緊締部22と第2緊締部24とをそれぞれ上方向と下方向に引張り、腹部中央Aを押し付ける力F1を高めることができたことが実証された。
【0036】
続いて、姿勢補整衣類1の丈方向における本体部10の伸長率及び緊締部20の伸長率の測定について説明する。
【0037】
図8に示すように、第1生地S1としてツーウェイラッセルと、第2生地S2としてサテンネットとを用い、JIS L1096:1999 8.14.1A法に準拠して本体部10、重ね合わせ領域28、及び重ね合わせ領域28以外の緊締部20の伸長率を測定し、1.5kgf荷重時のそれぞれの伸長率を求めた。なお、測定は、サンプル幅50mm、つかみ間隔200mm、姿勢補整衣類1の丈方向に沿って引張り速度200mm/minの条件で行った。
【0038】
その結果として、本体部10の伸長率は95.9%で、重ね合わせ領域28の伸長率は38.4%で、重ね合わせ領域28以外の緊締部20の伸長率は61.0%であった。従って、姿勢補整衣類1の丈方向において、本体部10の伸長率は、重ね合わせ領域28以外の緊締部20の伸長率に対して1.6倍、重ね合わせ領域28の伸長率に対して2.5倍の結果となった。
【0039】
以下、図9を参照して姿勢補整衣類1の変形例について説明する。
【0040】
図9(a)に示す変形例では、姿勢補整衣類2は、更にショーツのような股部32を備える。このような構成により、姿勢補正衣類2は、姿勢補整衣類1と同様な効果が得られるほか、股部32を備えることにより、着用者の臀部の安定性を強化することができ、より良い姿勢を補整することができる。
【0041】
図9(b)に示す変形例では、姿勢補整衣類3は、更に袖部34を備える。このような構成は、姿勢補整衣類1と同様な効果が得られる。
【0042】
本発明は、上記の実施形態に限定されず、種々の態様が可能である。上記の実施形態では、第1生地S1の横方向は、姿勢補整衣類1の丈方向と一致し、且つ第2生地S2の横方向と直交するが、これに限らず、例えば姿勢補整衣類1の丈方向において、第1生地S1の横方向と第2生地S2の横方向とを一致してもよく、あるいはその他の組み合わせてもよい。また、緊締部は、当て布を本体部の生地の外側に縫着することにより形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施形態に係る姿勢補整衣類を着用した状態を示す正面図である。
【図2】実施形態に係る姿勢補整衣類を着用した状態を示す背面図である。
【図3】実施形態に係る姿勢補整衣類を着用した状態を示す側面図である。
【図4】緊締部と人体の骨格との位置関係を説明する図である。
【図5】緊締部と人体の骨格との位置関係を説明する図である。
【図6】姿勢補整衣類の着用状態を示す図である。
【図7】姿勢補整衣類の着用状態を示す図である。
【図8】測定結果を示す図である。
【図9】姿勢補整衣類の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1,2,3…姿勢補整衣類、10…本体部、20…緊締部、22…第1緊締部、24…第2緊締部、28…重ね合わせ領域、32…股部、A…腹部中央、B1,B2…肋骨の下端部、C…仙骨部の下部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性を有する本体部と、前記本体部の緊締力よりも強い緊締力を有すると共に帯状に形成された緊締部とを備え、着用者の人体にフィットするようにした姿勢補整衣類であって、
前記緊締部は、
着用者の腹部中央から左右肋骨の下端部に向かって左側と右側に分かれ、それぞれ左右肋骨の下端部を通り背中で互いに連結されることにより形成された第1緊締部と、
着用者の腹部中央から左側と右側に分かれ、仙骨部の後を通り仙骨部の下部の後中心で互いに連結されることにより形成された第2緊締部と、を有し、
前記第1緊締部の幅は、前記第2緊締部の幅よりも大きく形成され、
姿勢補整衣類の丈方向において、前記本体部の伸長率は、前記緊締部の伸長率の1.5〜5倍であることを特徴とする姿勢補整衣類。
【請求項2】
前記緊締部は、伸縮性を有する生地と、当該生地の肌側に縫着された当て布とからなり、
前記本体部は、前記伸縮性を有する生地から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の姿勢補整衣類。
【請求項3】
前記第1緊締部と前記第2緊締部とは、着用者の腹部中央に対応する部分で重ね合わされ、重ね合わせ領域を形成し、
前記重ね合わせ領域は、前記伸縮性を有する生地と、前記第1緊締部のあて布と、前記第2緊締部のあて布とからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の姿勢補整衣類。
【請求項4】
股部を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の姿勢補整衣類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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