説明

媒体搬送装置、画像形成装置およびプログラム

【課題】継ぎ目を有する帯状の媒体に対して、ユーザに特別な操作を要求することなく媒体上の継ぎ目に対する処理を行う。
【解決手段】搬送方向に予め定められた間隔で複数のマークが並べられて形成される連帳紙を搬送する搬送部と、連帳紙上のマークを検知するマーク検知部51と、マーク検知部51によって連帳紙から検知したマークの間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、間隔が外れたマークにより特定される連帳紙上の箇所に継ぎ目が有ると判定する判定部53とを備える媒体搬送装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、長尺な帯状フィルムあるいはシート材からなるウェブの端縁同士を繋ぎ合わせたウェブをロール状に巻回してなる繋ぎ目を有するロール状原反ウェブであって、繋ぎ合わせた繋ぎ目箇所あるいはその繋ぎ目箇所と隣接して凹凸形状からなる突き出し部を備えた繋ぎ目指標部を形成することが記載されている。ここで、繋ぎ目指標部の突き出し部は、ウェブと一体に設けてなり、繋ぎ目指標部の凹凸形状からなる突き出し部は、ウェブの表裏面から加圧成形し、また繋ぎ目指標部は、ウェブ端縁同士を繋ぎ合わせる工程にて形成して同時に繋ぎ目指標部を簡単に形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−104701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、継ぎ目を有する帯状の媒体に対して、ユーザに特別な操作を要求することなく媒体上の継ぎ目に対する処理を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する搬送部と、前記媒体上の印を検知する検知部と、前記検知部によって前記媒体から検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、間隔が外れた印により特定される当該媒体上の箇所に継ぎ目が有ると判定する判定部と、を備える媒体搬送装置である。
請求項2に記載の発明は、前記媒体の搬送が一旦停止された後に搬送を再開したときからの当該媒体の搬送量に関わる数値を計測する計測部をさらに備え、前記判定部は、前記計測部が計測する前記数値が予め定められた基準値未満であって、前記検知部によって検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、前記継ぎ目が有ると判定することを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置である。
請求項3に記載の発明は、前記判定部は、前記計測部が計測する前記数値が前記基準値以上であって、前記検知部によって検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、搬送異常が発生したと判定することを特徴とする請求項2に記載の媒体搬送装置。
請求項4に記載の発明は、前記判定部は、前記計測部が計測する前記数値が前記基準値に達するまでの間、前記検知部によって検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れなかった場合に、継ぎ目の検出不良であると判定することを特徴とする請求項3に記載の媒体搬送装置である。
請求項5に記載の発明は、前記検知部は、搬送される前記媒体に対して特定の位置に設けられ、当該媒体に並べられて形成される印の間隔及び当該媒体の搬送速度に基づいて設定された時間間隔にて、当該媒体上の印の読み取りを行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の媒体搬送装置である。
請求項6に記載の発明は、前記検知部は、前記判定部によって前記継ぎ目が有ると判定が行われた後に新たに印を検知するまで当該印の読み取りを継続し、新たな印を検知した場合に、前記時間間隔にて印の読み取りを行うことを特徴とする請求項5に記載の媒体搬送装置である。
請求項7に記載の発明は、搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体が継ぎ目によって接続された接続帯状媒体を搬送する搬送部と、前記接続帯状媒体上の印を検知する検知部と、搬送される前記接続帯状媒体に画像を形成する画像形成部と、前記検知部によって前記接続帯状媒体から検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、間隔が外れた印により特定される当該接続帯状媒体上の箇所に対して通常の画像形成とは異なる継ぎ目処理を実行する実行部と、を備える画像形成装置。
請求項8に記載の発明は、前記接続帯状媒体の搬送が一旦停止された後に搬送を再開したときからの当該接続帯状媒体の搬送量に関わる数値を計測する計測部をさらに備え、前記実行部は、前記計測部が計測する前記数値が予め定められた基準値未満であって、前記検知部によって検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、前記継ぎ目処理を実行することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置である。
請求項9に記載の発明は、前記実行部は、前記計測部が計測する前記数値が前記基準値以上であって、前記検知部によって検知した前記印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、前記搬送部の前記接続帯状媒体の搬送を停止させることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置である。
請求項10に記載の発明は、前記実行部は、前記計測部が計測する前記数値が前記基準値に達するまでの間、前記検知部によって検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れなかった場合に、継ぎ目の検出不良に係わる内容を表示部に表示させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置である。
請求項11に記載の発明は、コンピュータに、搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体が継ぎ目によって接続された接続帯状媒体を搬送させる機能と、前記接続帯状媒体上の印を検知させる機能と、前記検知する機能によって前記接続帯状媒体から検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、間隔が外れた印により特定される当該接続帯状媒体上の箇所に対して通常の処理とは異なる継ぎ目処理を実行させる機能と、を実現させることを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、継ぎ目を有する帯状の媒体に対して、ユーザに特別な操作を要求することなく媒体上の継ぎ目に対する処理を行うことが可能となる。
請求項2の発明によれば、印の間隔のずれが継ぎ目によるものか否かをより的確に判断することができる。
請求項3の発明によれば、印の間隔のずれに基づいて搬送不良を検出することが可能になる。
請求項4の発明によれば、継ぎ目を検出すべき状態において、継ぎ目が検出できなかったことをユーザに通知することが可能となる。
請求項5の発明によれば、媒体上の印を読み取る度に、印の間隔のずれを判断することができる。
請求項6の発明によれば、継ぎ目の箇所の判定の後、印の検知を自動的に再開することができる。
請求項7の発明によれば、継ぎ目を有する帯状の媒体に対して、ユーザに特別な操作を要求することなく媒体上の継ぎ目に対する処理を行うことが可能となる。
請求項8の発明によれば、印の間隔のずれが継ぎ目によるものか否かをより的確に判断することができる。
請求項9の発明によれば、印の間隔のずれに基づいて異常を判断し、装置を停止することが可能になる。
請求項10の発明によれば、継ぎ目を検出すべき状態において、継ぎ目を検出できなかったことをユーザに通知することが可能となる。
請求項11の発明によれば継ぎ目を有する帯状の媒体に対して、ユーザに特別な操作を要求することなく媒体上の継ぎ目に対する処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態の画像形成装置の全体構成を示した図である。
【図2】連帳紙のマークを説明するための図である。
【図3】マークの読み取りに基づいた画像の位置調整を説明するための図である。
【図4】総合制御部にて実行される継ぎ目の判定の機能を実現するための機能ブロック図である。
【図5】通常状態におけるマーク検知を説明するための図である。
【図6】継ぎ目が通過する際のマーク検知を説明するための図である。
【図7】判定部の判定結果に応じた表示装置の表示内容を示す図である。
【図8】マーク検知に応じた画像形成装置の動作フローである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本実施形態について詳細に説明する。
図1は本実施形態の画像形成装置1の全体構成を示した図である。
図1に示した画像形成装置1は、帯状に形成された媒体である連帳紙Pに画像を形成する所謂連帳プリンタである。画像形成装置1は、例えば電子写真方式の画像形成装置であって、連帳紙Pの搬送方向(図中矢印F)上流側から下流側に向かって、連帳紙を供給する連帳紙給紙装置300、連帳紙給紙装置300からの連帳紙Pを搬送駆動する用紙搬送ユニット20、連帳紙Pにトナー像を形成する画像形成部30、連帳紙Pに形成された各色トナー像を定着する定着ユニット40、及び画像形成された連帳紙Pを巻き取る連帳紙巻取装置400を備えている。また、画像形成装置1は、画像表示や指示などの入力を受付ける表示装置Dを備えている。
【0009】
搬送部の一例としての用紙搬送ユニット20は、連帳紙Pの搬送方向上流側から下流側に沿って、バックテンションロール24、アライニングロール22、メインドライブロール21、用紙搬送方向転換ロール25が配設されている。
メインドライブロール21は、連帳紙Pを予め定められた圧力でニップして、用紙搬送ユニット20に配置された不図示のメインモータからの駆動を受けて、予め定められの搬送速度で連帳紙Pを送り出す機能を有する。アライニングロール22は、メインドライブロール21よりも上流側にて、部分円筒状の案内部材23と協働して連帳紙Pの搬送経路を一定に保持する機能を有する。バックテンションロール24は、メインドライブロール21よりも上流側においてメインドライブロール21よりも低速で回転して、連帳紙Pに張力を付与する機能を有する。用紙搬送方向転換ロール25は、連帳紙Pが巻き掛けられて従動する従動ロールであって、メインドライブロール21から送り出された連帳紙Pの搬送方向を、画像形成部30に向かう方向に変換する機能を有する。
【0010】
画像形成部30は、連帳紙Pに黒(K)色のトナー像を形成するK色画像形成ユニット30K、連帳紙Pにシアン(C)色のトナー像を形成するC色画像形成ユニット30C、連帳紙Pにマゼンタ(M)色のトナー像を形成するM色画像形成ユニット30M、連帳紙Pにイエロー(Y)色のトナー像を形成するY色画像形成ユニット30Yを備えている。
K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yは、それぞれ感光体ドラム31、感光体ドラム31表面を予め定められた電位に帯電する帯電コロトロン32、感光体ドラム31表面を画像データに基づいて露光する露光装置33、感光体ドラム31表面に形成された静電潜像を各色トナーにより現像する現像装置34、感光体ドラム31表面に形成されたトナー像を連帳紙Pに転写する転写ロール35、転写ロール35の上流側と下流側とにそれぞれ配置され、連帳紙Pを感光体ドラム31に押圧する1対の転写案内ロール36,37を備えている。
【0011】
また、本実施形態の画像形成装置1は、K色画像形成ユニット30Kにおける連帳紙Pの搬送経路上に、連帳紙P上の印の一例としてのマークM(後述の図2参照)を検知するマーク検知センサSを備えている。本実施形態のマーク検知センサSは、図1に示すように、転写ロール35と感光体ドラム31とによって形成される転写位置よりも連帳紙Pの搬送方向上流側に設けられている。そして、マーク検知センサSは、後述の総合制御部50によって制御されて連帳紙P上のマークMの読み取りを行う。なお、本実施形態のマーク検知センサSには、例えばラインCCDなどの光学センサを用いることができる。
【0012】
定着ユニット40は、連帳紙Pに形成された各色トナー像をフラッシュ定着するフラッシュ定着器41、フラッシュ定着器41の下流側にて連帳紙Pに張力を付与する張力付与ロール部材42、張力付与ロール部材42の下流側にて連帳紙Pの経路を幅方向に補正するアライニング部材43、出口近傍にて連帳紙Pをニップし、連帳紙Pの搬送速度よりも速い周速で回転して連帳紙Pに張力を付与するテンションロール44を備えている。
表示部の一例としての表示装置Dは、画像形成装置1の動作状態や、ユーザに対するメッセージなどを表示する。また、表示装置Dは、ユーザからの画像形成動作に対する指示を受け付ける入力手段としても機能する。なお、表示装置Dには、例えばタッチパネルなどを用いることができる。
【0013】
画像形成装置1は、さらに、画像形成装置1全体の動作を統括的に制御する総合制御部50、用紙搬送ユニット20を制御する搬送制御部60、画像形成部30の動作を制御する画像形成制御部70、定着ユニット40の動作を制御する定着制御部80、及び表示装置Dを制御する表示制御部90を備えている。本実施形態の画像形成装置1において、総合制御部50は、搬送制御部60、画像形成制御部70、定着制御部80、及び表示制御部90を統括して制御する。
なお、各種制御部は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)を備えている。そして、CPUが、ROMに記憶されたプログラムに従い、RAMとの間でデータのやりとりを行いながら処理を実行することで、各機能が実現される。
【0014】
図2は、連帳紙PのマークMを説明するための図である。
図2に示すように、本実施形態の連帳紙Pには、搬送方向Fにおいて予め定められた間隔で複数のマークMが並べて形成されている。マークMは、連帳紙Pに対して画像形成を行う際の位置合わせに用いるものである。本実施形態では、画像形成が行われた連帳紙PをA4サイズに相当する大きさに切断して1枚の用紙としている。そして、図2に示すように、連帳紙PのA4サイズに相当する領域(図の例では1ページに相当する領域)ごとに1個のマークMを形成している。なお、マークMは、1ページに相当する領域に対し、例えば複数個形成されていても構わない。
【0015】
図3は、マークMの読み取りに基づいた画像の位置調整を説明するための図である。なお、図3には、マークMの拡大図と、マークMを読み取った信号の波形とを併せて表示している。
マークMは、図3に示すように、黒色領域MAと白色斜線部MLとによって構成される長方形状のマークである。本実施形態では、マークMの長手方向Eが、連帳紙Pの搬送方向Fに沿うように形成されている。また、白色斜線部MLは、搬送方向に対して傾斜し、かつ黒色領域MAを横断して形成される。
【0016】
そして、本実施形態の画像形成装置1は、マークMの読み取り結果に基づいて、連帳紙Pに形成する画像の主走査方向及び副走査方向の位置を調整する。
実行部の一例としての総合制御部50は、図3に示すように、マーク検知センサSからマークMを読み取った信号の波形を取得する。そして、総合制御部50は、黒色領域MAについてのエッジ情報(波形の両端部の立ち上がり情報および立ち下がり情報)によって、読み取られたマークMの副走査方向における中心位置Xmを算出する。そして、この中心位置Xmと予め定められた基準位置BMとの差δXに基づいて、連帳紙Pに形成する画像の副走査方向の位置を調整する。副走査方向の調整は、感光体ドラム31の露光を開始するタイミングを制御することにより行う。
【0017】
また、総合制御部50は、白色斜線部MLについてのエッジ情報(波形の中央部の凹部分の立ち下がり情報および立ち上がり情報)によって、白色斜線部MLの副走査方向における中心位置Ymを算出する。そして、マークMの副走査方向における中心位置Xmと、白色斜線部MLの副走査方向における中心位置Ymとの差δYを算出する。ここで、白色斜線部MLの傾斜角は予め特定されているので、算出した差δYに基づいて、連帳紙Pに調整する画像の主走査方向の位置を調整する。主走査方向の調整は、感光体ドラム31に対する露光の主走査方向における書き出しを開始する位置を制御することにより行う。
【0018】
なお、本実施形態の画像形成装置1では、マーク検知センサSによるマークMの検知結果に基づいて、連帳紙Pを継ぎ合わせた際に形成される継ぎ目Sp(後述する図6参照)の検出を行う。この継ぎ目Spの検出については、後に詳しく説明する。
【0019】
続いて、画像形成装置1の画像形成動作を説明する。
画像形成装置1が起動されると、例えば通信ネットワークを介して画像形成装置1の総合制御部50に画像データが入力される。総合制御部50は、入力された画像データをK色、C色、M色、Y色それぞれに対応する画像データに分解して、各色の画像データを画像形成制御部70に送信する。
また、総合制御部50に画像データが入力されるのに同期して、総合制御部50は、搬送制御部60を介して用紙搬送ユニット20を制御し、定着制御部80を介して定着ユニット40を制御して、連帳紙Pに予め定められた張力を付与しながら、連帳紙Pを予め定められた搬送速度で搬送する。
【0020】
そして、総合制御部50の制御の下で、画像形成制御部70は、K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yでの各色トナー像の形成を制御する。
K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yでは、感光体ドラム31が回転を開始し、感光体ドラム31表面が帯電コロトロン32によって予め定められた電位(例えば、−500V)に帯電され、露光装置33によって各色画像データに対応した静電潜像が形成される。そして、現像装置34により感光体ドラム31の静電潜像が各色トナーにより現像されて各色トナー像が形成される。感光体ドラム31表面に形成された各色トナー像は、転写ロール35および転写案内ロール36,37によって連帳紙Pに転写される。ここで、連帳紙Pは、K色画像形成ユニット30K、C色画像形成ユニット30C、M色画像形成ユニット30M、Y色画像形成ユニット30Yを順に通過することから、各色トナー像は、K色トナー像、C色トナー像、M色トナー像、Y色トナー像の順に重畳されて、連帳紙P上にフルカラーのトナー像が形成される。
【0021】
その後、フルカラーのトナー像が形成された連帳紙Pは、定着ユニット40に搬入されて、フラッシュ定着器41より連帳紙Pにトナー像が定着される。それにより、連帳紙Pにフルカラー画像が形成される。
【0022】
ところで、画像形成装置1の連帳紙給紙装置300に設置されている連帳紙Pが無くなる際、設置されている連帳紙Pに新たな連帳紙Pを接続して連続使用する。この際に、既に設定されている連帳紙Pと新たな連帳紙Pとを継ぎ合わせる部分には継ぎ目Sp(後述する図6参照)が形成される。複数の連帳紙Pを継ぎ合わせる継ぎ目Spは利用することができないため、通常、継ぎ目Spの部分には画像形成を行わない。
そして、本実施形態の画像形成装置1では、連帳紙Pに形成されたマークMを利用して、連帳紙P(接続帯状媒体)から継ぎ目Spが形成される箇所の検出を行う。そして、画像形成装置1では、継ぎ目Spを検出すると、継ぎ目に対する処理として、連帳紙Pにおける継ぎ目Spの部分に画像を形成しないという処理を実行する。
【0023】
図4は、総合制御部50にて実行される継ぎ目Spの判定の機能を実現するための機能ブロック図である。
図4に示すように、総合制御部50は、マーク検知センサSを制御して連帳紙P上のマークMの検知を行うマーク検知部51と、連帳紙Pの搬送時間を計測するカウンタ部52と、マーク検知部51から取得したマークMの読み取り結果に基づいて継ぎ目Spの有無等を判定する判定部53とを備えている。
【0024】
検知部の一例としてのマーク検知部51は、マーク検知センサSによって、連帳紙P上のマークMの読み取りを行う。マーク検知部51は、マーク検知センサSから読み取り信号を取得する。そして、マーク検知部51は、予め定められたタイミングで生成するイネーブル信号がオンの状態(後述する図5参照)で読み取った信号を、マークMの検知信号として一時的に記憶する。そして、マーク検知部51は、取得したマークMの検知信号を判定部53に送信する。このように、本実施形態では、イネーブル信号に基づいてマークMを検知するので、イネーブル信号の構成条件をマークMの検知条件と呼ぶ。
なお、本実施形態では、マーク検知部51においてイネーブル信号を生成する例を用いて説明しているが、マーク検知部51が外部からイネーブル信号を受け付ける構成としても良い。
【0025】
また、マーク検知部51は、検知信号の波形がマークMのものであるか否かの判断を行う。即ち、マーク検知部51では、例えば汚れなどのマークM以外のものをマークMの検知信号の波形であると判断しないようにしている。例えば、マーク検知部51は、予め記憶している連帳紙Pに形成したマークMのサイズと、読み取り対象の波形のエッジの立ち上がりおよび立ち下がりの時間間隔および連帳紙Pの搬送速度に基づいて算出される読み取り対象のサイズとを比較する。そして、マーク検知部51は、両者の比較結果に応じて、検知信号の波形がマークMのものであるか否かを判断している。
【0026】
続いて、図5及び図6を参照しながら、マーク検知部51によるマークMの検知の機能についてより具体的に説明する。なお、以下の説明において、継ぎ目Spが形成されておらず、連帳紙Pに予め定められた間隔にてマークMが形成されており、その連帳紙Pが予め定められた速度で搬送されている状態を「通常状態」と呼ぶ。
【0027】
図5は、通常状態におけるマーク検知を説明するための図である。図6は、継ぎ目Spが通過する際のマーク検知を説明するための図である。
通常状態においては、予め定められた間隔にて連帳紙Pに形成されたマークMがマーク検知センサSを通過する。そして、図5に示すように、マーク検知部51は、マーク検知センサSから連帳紙P上のマーク検知信号を取得する。
また、図5に示すように、マーク検知部51では、連帳紙P上のマークMに基づいて定めた出力時間及び出力間隔のイネーブル信号を生成している。本実施形態のイネーブル信号の出力時間は、1つのマークM全体にわたった検知信号を取得できる時間に設定している。また、本実施形態のイネーブル信号の出力間隔は、連帳紙Pに形成したマークMの間隔に基づいて設定している。なお、本実施形態では、連帳紙Pに形成する1ページ分に相当する領域ごとに1個のマークMを形成している(図2参照)。従って、本実施形態では、イネーブル信号の出力間隔を連帳紙Pに形成する1ページ分に相当する間隔に基づいて設定している。なお、以下の説明において、通常状態においてマークMを検知するための条件を「通常の検知条件」と呼ぶ。
【0028】
以上のように、マーク検知部51では、連帳紙P上に形成されたマークMがマーク検知センサSを通過するタイミングと、イネーブル信号の出力タイミングとを対応付けている。従って、図5に示すように、通常状態においては、イネーブル信号がオンの状態になる度にマークMが検知される。
【0029】
続いて、継ぎ目Spがマーク検知センサSを通過する場合について説明する。
図6に示すように、継ぎ合わせを行った連帳紙Pでは、通常、継ぎ目Spが形成される部分の前後のマークMの間隔が変わってしまう。従って、搬送される連帳紙P上のマークMがマーク検知センサSを通過するタイミングに関して、継ぎ目Spの前後でのマークMの間隔は、本来のマークMの間隔と比較して異なっている。
【0030】
この状態にて、マーク検知部51は、上述した通常の検知条件に基づいたイネーブル信号に基づいてマークMの検知を行う。図6に示すように、連帳紙Pの搬送方向下流側の1番目、2番目のマークMは、イネーブル信号がオンの状態になる度にマーク検知部51によって検知される。しかしながら、イネーブル信号がさらに次のオンの状態になったタイミングでは、継ぎ目Spの形成によってマークMの間隔が本来のマークMの間隔と異なっているため、マーク検知部51においてマークMが検知されない。マーク検知部51は、このようにイネーブル信号がオンの状態でありマークMが検知できなかった場合に、マークMが検知されないというエラー(以下、「マーク検知エラー」と呼ぶ)の情報を判定部53に送信する。
【0031】
さらに、マーク検知部51は、図6に示すように、イネーブル信号がオンの状態でありマークMが検知されなかった場合に、イネーブル信号の出力時間を通常の検知条件から変更する。本実施形態では、マーク検知部51は、マーク検知エラーの発生の後、新たなマークMを検知するまで、イネーブル信号をオンにした状態を継続する。
そして、マーク検知部51は、新たにマークMを検知すると、検知した時点から、イネーブル信号の出力時間及び出力間隔を、マーク検知エラーを検出する前の状態(通常の検知条件)に戻すという設定を行う(以下、「復帰処理」という)。即ち、図6に示すように、マーク検知部51は、イネーブル信号の出力時間を、マークM全体(連帳紙Pの搬送方向の長さ)にわたって検知信号を取得できるように設定し、イネーブル信号の出力間隔を連帳紙Pに形成するマークMの間隔に基づいて設定する。そして、マーク検知部51は、復帰処理を行った後、さらに新たなマークMの検知を行い、そのマークMの検知信号を判定部53へと送る。
【0032】
計測部の一例としてのカウンタ部52は、連帳紙Pの搬送時間を計測する。本実施形態のカウンタ部52は、連帳紙Pを搬送する用紙搬送ユニット20のメインドライブロール21の動作時間に基づいて連帳紙Pの搬送時間を計測する。また、本実施形態のカウンタ部52は、連帳紙Pの搬送が停止した時点を基準とし、その後に搬送が再開されてからの連帳紙Pの搬送時間を計測する。
本実施形態の画像形成装置1では、連帳紙Pの継ぎ合わせを行う際に、連帳紙Pの搬送を一旦停止しなければならない。そこで、本実施形態の画像形成装置1では、連帳紙Pの搬送が停止した場合を継ぎ合わせが行われた場合であるとして扱う。そして、本実施形態では、カウンタ部52によって連帳紙Pの搬送が再開されてからの連帳紙Pの搬送量に係わる数値を計測することにより、画像形成装置1における継ぎ目Spのおおよその位置を把握する。
そして、詳しくは後述するが、本実施形態では、上記のようにして把握された継ぎ目Spの位置を判定部53による継ぎ目Sp検知の判定の際に用いる。
なお、カウンタ部52は、連帳紙Pの搬送量に関わる数値を把握するために、連帳紙Pの搬送に伴って増加する数値を計測できれば良い。例えば、カウンタ部52によって、マークMの検知数の計測することで、連帳紙Pの搬送量に関わる数値を把握しても構わない。
【0033】
また、カウンタ部52は、例えば連帳紙給紙部300において連帳紙Pの継ぎ合わせの作業が行われ、その際に形成された継ぎ目Spがマーク検知センサSを通過するのに十分な搬送時間(以下、「到達予定時間」という)の情報を保持している。到達予定時間(基準値)は、厳密に設定する必要はなく、おおよその目安になる値で良い。具体的に、到達予定時間は、連帳紙Pの継ぎ合わせが行われる箇所からマーク検知センサSまでの距離と連帳紙Pの搬送速度に基づいて概算値として設定される。
なお、本実施形態の画像形成装置1では、マークMの検知間隔に基づいて継ぎ目Spの検出を判定するように構成しており、継ぎ目Spの検出を行う上では必ずしも到達予定時間を設定しなくても良い。ただし、本実施形態では、到達予定時間を有限に設定することによって、後に詳述する(ii)装置故障等の判定、及び(iii)確認メッセージ提示の判定を行うようにしている。
【0034】
カウンタ部52は、例えば継ぎ合わせが完了し、画像形成が再開されると、連帳紙Pの搬送時間の計測を行う。そして、カウンタ部52は、計測する搬送時間が到達予定時間に満たない期間をフラグがオンの状態であるとして、フラグオンの情報を判定部53に送信する。また、カウンタ部52は、計測する搬送時間が到達予定時間を超えている場合には、フラグがオフの状態であるとして、フラグオフの情報を判定部53に送る。
【0035】
判定部53は、マーク検知部51から取得したマークMの読み取り結果に応じて、連帳紙Pにおける継ぎ目Spの有無の判定等を行う。具体的には、本実施形態の判定部53は、マーク検知部51及びカウンタ部52から取得した情報に基づいて、(i)継ぎ目Sp検出の判定、(ii)装置故障等の判定、(iii)確認メッセージ提示の判定、のうちいずれかの判定を行う。そして、これら判定の種類に応じて、判定部53は、搬送制御部60、画像形成制御部70、定着制御部80、及び表示制御部90に動作制御に関する指示を送る。
【0036】
判定部53による、(i)継ぎ目Sp検出の判定について説明する。
判定部53は、マーク検知部51からマーク検知エラーの情報を取得すると、そのマーク検知エラーが継ぎ目Spによるものであるか判定する。
判定部53は、マーク検知エラーの情報を取得した際に、まず、カウンタ部52から取得するフラグ情報がオンかオフかを確認する。そして、判定部53は、カウンタ部52によるフラグ情報が「オン」である場合、マーク検知エラーが連帳紙Pに形成される継ぎ目Spによるものであると判断する。そして、判定部53は、マーク検知エラーとなった際のマークMによって特定される連帳紙上の箇所に継ぎ目Spが有ると判定する。
本実施形態において、フラグがオンの状態にある期間は、継ぎ目Spがマーク検知センサSを通過する可能性がある期間として想定している。従って、フラグ情報が「オン」である場合にマーク検知エラーが発生した場合には、判定部53は、継ぎ目Spを検出したと判定している。
【0037】
そして、判定部53は、継ぎ目Spを検出した場合に、搬送制御部60、画像形成制御部70、及び定着制御部80に対して、継ぎ目を検出した際に行う継ぎ目処理を実行させる。本実施形態では、継ぎ目処理として、マーク検知エラーとなった際のマークMによって特定される連帳紙Pの継ぎ目Spに画像形成を行わない所謂白紙印刷を実行する指示を送る。また、判定部53は、表示制御部90に対して、継ぎ目Spの検出を通知する。
なお、継ぎ目処理として、例えば連帳紙Pの継ぎ目Spの箇所に対し、継ぎ目Spを明示するような画像を形成しても良い。
【0038】
そして、図6を参照しながら説明したように、マーク検知部51は、マーク検知エラーの発生の後に復帰処理を行う。復帰処理が行われた後に、マーク検知部51から判定部53へとマークMの検知結果が送信されると、判定部53は、通常状態に戻ったか否かを判断する。具体的には、判定部53は、復帰処理が行われて通常の検知状態の戻った段階で、例えば2回連続してマークMが検知された場合に、通常状態に戻ったと判断する。そして、判定部53は、白紙印刷を解除し通常の画像形成を再開するための指示を画像形成制御部70及び定着制御部80に送信する。
【0039】
次に、判定部53による、(ii)装置故障の判定について説明する。
判定部53は、マーク検知エラーの情報を取得した場合、上記の(i)継ぎ目Sp検出の判定と同様に、カウンタ部52から取得するフラグ情報がオンであるかオフであるかを確認する。そして、判定部53は、カウンタ部52のフラグ情報が「オフ」であれば、マーク検知エラーが、例えば用紙搬送ユニット20の不具合に伴う搬送不良などの装置故障に起因するものであると判定する。
本実施形態において、カウンタ部52のフラグ情報がオフである期間は、継ぎ目Spがマーク検知センサSを既に通り過ぎた後の期間であると想定している。従って、本実施形態では、フラグ情報がオフの状態である場合にマーク検知エラーが発生した場合、マーク検知エラーの要因が継ぎ目Spによるものではなく、装置故障に起因するものであると判定している。
そして、判定部53は、装置故障等の判定結果を、表示制御部90に通知する。なお、本実施形態の判定部53は、搬送制御部60、画像形成制御部70及び定着制御部80に対して連帳紙Pの搬送の停止、及び連帳紙Pに対する画像形成の停止を指示する。
【0040】
最後に、判定部53における、(iii)確認メッセージ提示の判定について説明する。
判定部53は、本実施形態では、カウンタ部52から取得するフラグ情報がオンからオフに変わった際に、フラグ情報がオンの状態にあった期間に、マーク検知部51からマーク検知エラーの情報を取得しているか否かを確認する。そして、判定部53は、フラグ情報がオンの状態にあった期間に、マーク検知エラーの情報を取得していないことを確認した場合、ユーザに対して確認メッセージの通知を行う。
【0041】
フラグ情報がオンの状態にあった期間に、マーク検知エラーの情報を取得していないという状態は、次の2つのいずれかの場合が想定される。一つは、連帳紙Pの継ぎ合わせを行ったにも関わらず、例えばマーク検知センサSの不具合などによって、フラグ情報がオンの状態にあった期間にマーク検知エラー(継ぎ目Sp)を見つけられなかった場合)である。もう一つは、連帳紙Pの継ぎ合わせは行われておらず、継ぎ合わせ以外の理由で連帳紙Pの搬送(画像形成動作)を停止した場合である。
【0042】
そこで、本実施形態では、上述のとおり、マーク検知センサSの不具合などによって継ぎ目Spを見逃してしまった可能性があること、あるいは、そもそも連帳紙Pの継ぎ合わせを行っておらず継ぎ目Spが検知されなくても問題ないことをユーザが確認できるように、確認メッセージを提示するという判定結果を出す。そして、判定部53は、確認メッセージ提示の判定結果を、表示制御部90に送信する。なお、通常、マーク検知センサSの不具合の起こる可能性は比較的低いと考えられる。そこで、本実施形態では、確認メッセージ提示を判定した際、画像形成は中断せずに継続して行うようにしている。
【0043】
図7は、判定部53の判定結果に応じた表示装置Dの表示内容を示す図である。
まず、判定部53によって継ぎ目Spの検出の判定が行われた場合を説明する。
表示制御部90は、判定部53から継ぎ目Spが検出された旨を受け取った場合、図7(a)に示すように、表示装置Dに「継ぎ目を検出しました。」というメッセージを表示させる。また、本実施形態のように、継ぎ目Spの検出に伴って白紙印刷を実行する場合には、表示制御部90は、継ぎ目Spの検出に応じた対処動作の内容を併せて表示しても良い。
【0044】
次に、判定部53によって、装置故障等の判定が行われた場合を説明する。
表示制御部90は、判定部53から故障等の判定が行われた旨を受け取った場合、図7(b)に示すように、表示装置Dに「故障箇所を確認してください。」というメッセージを表示させる。この際に、故障箇所や故障原因が特定されていれば、その内容を例えばエラーコードなどによって表示することができる。
【0045】
また、判定部53によって、確認メッセージ提示の判定が行われた場合を説明する。
表示制御部90は、判定部53から確認メッセージ提示の判定が行われた旨を受け取った場合、図7(c)に示すように、表示装置Dに「継ぎ目が検出されませんでした。」というメッセージを表示させる。この場合に、表示装置Dを介して、ユーザに対して、その後の動作の指示を受け付けるようにしても良い。例えば、継ぎ目Spが検出されるべきであったにも関わらず、実際に継ぎ目Spが検出されなかった場合のために画像形成動作を中断させる指示を受け付ける表示を行っても良い。また、そもそも継ぎ合わせを行っていないため、継ぎ目Spが検出されなくて問題ないという場合に、確認のために、画像形成動作の継続の指示を受け付ける表示を行っても良い。
【0046】
図8は、マーク検知に応じた画像形成装置1の動作フローである。
なお、図8は、連帳紙Pの継ぎ合わせを行って、画像形成(用紙搬送)を再開させた後の動作フローである。
連帳紙Pの継ぎ合わせが完了し、総合制御部50が画像形成の再開の指示を受け付けると、総合制御部50は、搬送制御部60、画像形成制御部70及び定着制御部80に対して画像形成動作の開始を指示する(S101)。この際に、総合制御部50のカウンタ部52ではフラグをオンの状態に設定し(S102)、またカウンタ部52では搬送時間の計測を開始する(S103)。
【0047】
そして、総合制御部50は、連帳紙Pの継ぎ合わせの前に受け付けたジョブが残っているか否かを判断する。ジョブが残っていなければ(S104:N)、総合制御部50は、画像形成制御部70等を停止して画像形成を終了する(S116)。一方、ジョブが残っていれば(S104:Y)、カウンタ部52における搬送時間の確認に進む。そして、カウンタ部52では、計測している連帳紙Pの搬送時間が到達予定時間に達しているか否かを判断し、達していない場合にはマーク検知部51によるマーク検知に進む(S105:N)。一方、カウンタ部52において、計測している連帳紙Pの搬送時間が到達予定時間に達している場合には(S105:Y)、カウンタ部52のフラグをオフの状態に設定し(S106)、マーク検知部51によるマーク検知に進む。
【0048】
そして、図5を参照しながら説明したように、マーク検知部51は、通常の検出条件に基づいて連帳紙P上に形成されるマークMの検出を行う。そして、マーク検知部51においてマークMが検出されている状態であれば(S107:Y)、連帳紙Pに対する画像形成を行う(S108)。その後は、ステップ104に戻り、順次、画像形成を実行する。
一方、図6を参照しながら説明したように、マーク検知部51においてマークMが検出されなかった場合(S107:N)、カウンタ部52のフラグ情報がオンであるかオフであるかを確認する(S109)。
【0049】
そして、ステップ109において、カウンタ部52のフラグがオンの状態である場合には、総合制御部50は、搬送制御部60及び画像形成制御部70に対して白紙印刷を実行させる(S110)。即ち、ステップ107においてマーク検知エラーが確認され、ステップ109においてフラグがオンであることが確認されたため、判定部53は、(i)継ぎ目Sp検出の判定を行い、継ぎ目Spに画像形成を行わないようにしている。さらに、図6を参照しながら説明したように、マーク検知部51では、マーク検知エラーの発生後、マークMを読み取る状態を継続する(S111)。そして、マーク検知部51は、再びマークMの検出を開始する。
【0050】
ここで、マーク検知部51は、まず、マーク検知センサSが読み取った信号の波形が、マークMによるものか否かを判断する(S112)。読み取った信号の波形がマークMのものでないと判断した場合には(S112:N)、マーク検知センサSが新たに読み取った他の信号の波形がマークMのものであるのかの判断を行う。このように、マーク検知部51では、正規のマークMが検出されるまで、読み取った信号の波形の解析を繰り返す。そして、マーク検知センサSによって読み取った信号の波形がマークMであると判断した場合には(S112:Y)、マーク検知部51は、マークMの検出条件を通常の検出条件に戻す復帰処理を行う(S113)。さらに、判断部53は、搬送制御部60及び画像形成制御部70に対して、白紙印刷を解除する指示を送る(S114)。その後は、ステップ104に戻り、残りのジョブがあれば、上述のフローに従って、画像形成動作を継続する。
【0051】
また、ステップ107においてマーク検知エラーとなり、ステップ109においてカウンタ部52のフラグがオフの状態であると確認した場合には、マーク検知エラーは、継ぎ目Spによるものではなく、装置故障等によるものであると判断する。即ち、判断部53によって、(ii)画像形成装置1の故障等の判定がなされた状態である。判定部53は、表示制御部90に対して表示装置Dに故障等の判定結果を通知する。そして、表示装置Dでは、ユーザに対する装置故障の通知を行う(S115)。さらに、判定部53は、画像形成制御部70等に対して画像形成を停止する指示を送る(S116)。
【0052】
以上のように、本実施形態の画像形成装置1では、ユーザに対して継ぎ目Spの検出のための特別な操作を要求することなく、連帳紙Pに形成されるマークMを利用して、連帳紙Pの継ぎ目Spの有無の判定等を行っている。
【0053】
なお、本実施形態では、連帳紙Pに形成される位置合わせのためのマークMに基づいて、継ぎ目Spの有無の判定を行っているが、位置合わせのためのマークMに限定する訳ではない。継ぎ目Spの判定に利用する印(マーク)は、連帳紙Pの長手方向に予め定められた間隔に並べて形成されているものであって、センサなどによる読み取りが可能であれば良い。例えば、連帳紙Pの両端部に用紙の送り孔が形成されている場合であれば、その送り孔をマークとして扱い、送り孔の間隔に基づいて継ぎ目Sp検出の判定等を行っても構わない。
【0054】
また、本実施形態の技術は、帯状の媒体に処理を施すものであって、搬送方向に予め定められた間隔でマーク等の印となるものが形成されていれば、画像形成装置1における連帳紙Pに限らず、他の技術にも適用することができる。例えば、液体や粉体などの被包装物を充填して密封シールするための包装袋が知られている。このような包装袋においても、予め帯状のフィルムが準備されるとともに、フィルム上の位置を特定するための印が予め定められた間隔で設けられている。従って、包装袋を扱う装置においても、帯状のフィルムの継ぎ合わせを行った場合に、マークの間隔に基づいて継ぎ目の有無を判定することができる。そして、継ぎ目の判定結果に応じて、継ぎ目の部分には加工を行わずに継ぎ目の部分を飛ばして処理を行うことができる。
【符号の説明】
【0055】
1…画像形成装置、20…用紙搬送ユニット、30…画像形成部、50…総合制御部、51…マーク検知部、52…カウンタ部、53…判定部、M…マーク、S…マーク検知センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体を搬送する搬送部と、
前記媒体上の印を検知する検知部と、
前記検知部によって前記媒体から検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、間隔が外れた印により特定される当該媒体上の箇所に継ぎ目が有ると判定する判定部と、
を備える媒体搬送装置。
【請求項2】
前記媒体の搬送が一旦停止された後に搬送を再開したときからの当該媒体の搬送量に関わる数値を計測する計測部をさらに備え、
前記判定部は、前記計測部が計測する前記数値が予め定められた基準値未満であって、前記検知部によって検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、前記継ぎ目が有ると判定することを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記計測部が計測する前記数値が前記基準値以上であって、前記検知部によって検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、搬送異常が発生したと判定することを特徴とする請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記計測部が計測する前記数値が前記基準値に達するまでの間、前記検知部によって検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れなかった場合に、継ぎ目の検出不良であると判定することを特徴とする請求項3に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記検知部は、搬送される前記媒体に対して特定の位置に設けられ、当該媒体に並べられて形成される印の間隔及び当該媒体の搬送速度に基づいて設定された時間間隔にて、当該媒体上の印の読み取りを行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記検知部は、前記判定部によって前記継ぎ目が有ると判定が行われた後に新たに印を検知するまで当該印の読み取りを継続し、新たな印を検知した場合に、前記時間間隔にて印の読み取りを行うことを特徴とする請求項5に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体が継ぎ目によって接続された接続帯状媒体を搬送する搬送部と、
前記接続帯状媒体上の印を検知する検知部と、
搬送される前記接続帯状媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記検知部によって前記接続帯状媒体から検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、間隔が外れた印により特定される当該接続帯状媒体上の箇所に対して通常の画像形成とは異なる継ぎ目処理を実行する実行部と、
を備える画像形成装置。
【請求項8】
前記接続帯状媒体の搬送が一旦停止された後に搬送を再開したときからの当該接続帯状媒体の搬送量に関わる数値を計測する計測部をさらに備え、
前記実行部は、前記計測部が計測する前記数値が予め定められた基準値未満であって、前記検知部によって検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、前記継ぎ目処理を実行することを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記実行部は、前記計測部が計測する前記数値が前記基準値以上であって、前記検知部によって検知した前記印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、前記搬送部の前記接続帯状媒体の搬送を停止させることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記実行部は、前記計測部が計測する前記数値が前記基準値に達するまでの間、前記検知部によって検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れなかった場合に、継ぎ目の検出不良に係わる内容を表示部に表示させることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
コンピュータに、
搬送方向に予め定められた間隔で複数の印が並べられて形成される帯状の媒体が継ぎ目によって接続された接続帯状媒体を搬送する機能と、
前記接続帯状媒体上の印を検知する機能と、
前記検知する機能によって前記接続帯状媒体から検知した印の間隔が予め定められた間隔から外れた場合に、間隔が外れた印により特定される当該接続帯状媒体上の箇所に対して通常の処理とは異なる継ぎ目処理を実行する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−66895(P2012−66895A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211571(P2010−211571)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】