説明

媒体搬送装置、画像形成装置及び媒体搬送方法

【課題】媒体の搬送中のジャム発生時に利用者によるキー操作によりジャム状態を自動復旧させる。
【解決手段】排出動作センサ17によって連続用紙Pの搬送ジャムが検知されたときは、転写ユニット40と定着ユニット14に配置された弛み検出センサ15により連続用紙Pの弛みの状態を検出する。検出結果が弛みありのときは、定着ユニット14を先に駆動してその後に転写ユニット40を駆動し、弛み検出センサ15の検出結果が弛みなしのときは、転写ユニット40を先に駆動してその後に定着ユニット14を駆動するようにした。その結果、弛みの発生の有無の拘らず、人手を介さずにジャム状態から自動復旧することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体等の媒体を搬送する媒体搬送装置、媒体搬送装置を有する画像形成装置及び媒体搬送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カラーページプリンタ等の画像形成装置では、連続用紙等の長尺の媒体において搬送状態の異常を検出したときは、直ちに画像形成動作を停止し、利用者は、装置カバーを開けてジャムになった媒体を取り除く必要がある。
【0003】
下記の特許文献1によれば、長尺の媒体において搬送状態の異常を検出したときは、画像形成動作を停止し、媒体の搬送状態が自動復旧可能な場合には利用者がジャム処理を行わないで、連続用紙の搬送状態を正常な状態に自動復旧させて、画像形成動作を記録動作可能な状態にする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−76846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、搬送路上の媒体が弛んでいたときのみをジャム発生と認識しており、この状態から復旧する方法については記載されているが、媒体が突っ張って媒体を搬送できずにジャムになっているときには、自動でジャム処理を行うことができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の媒体搬送装置は、媒体を第1の位置へ搬送する第1の搬送部と、前記第1の搬送部の下流に位置し、前記第1の搬送部から搬送された前記媒体を第2の位置へ搬送する第2の搬送部と、前記第1の搬送部と前記第2の搬送部との間に配置され、前記媒体の弛みを検出する弛み検出部とを有している。
【0007】
更に、前記媒体の搬送異常を検知する媒体搬送異常検知手段と、前記媒体搬送異常検知手段によって前記媒体の搬送異常が検知された後、利用者からの復旧指示を受け付ける入力手段と、前記入力手段により、前記利用者からの復旧指示を受け付けたときに、前記媒体の搬送を再開する媒体搬送再開手段とを有している。
【0008】
本発明の他の媒体搬送装置は、媒体を第1の位置へ搬送する第1の搬送部と、前記第1の搬送部の下流に位置し、前記第1の搬送部から搬送された前記媒体を第2の位置へ搬送する第2の搬送部と、前記媒体の搬送状態を検知する媒体搬送異常検知手段とを有している。
【0009】
更に、前記第1の搬送部と前記第2の搬送部との間に配置され、前記媒体の弛みを検出する弛み検出部と、前記第1の搬送部、前記第2の搬送部、前記媒体搬送異常検知手段及び前記弛み検出部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記媒体搬送異常検知手段が前記媒体の搬送状態が搬送異常であることを検知すると、前記弛み検出部の検出結果に応じて、前記第1の搬送部若しくは前記第2の搬送部を駆動し、前記媒体を装置本体から排出するように構成されている。
【0010】
本発明の画像形成装置は、前記の媒体搬送装置又は前記の他の媒体搬送装置を備え、前記媒体上に画像を形成するように構成されている。
【0011】
本発明の媒体搬送方法は、媒体を搬送する第1の搬送処理と、前記第1の搬送処理により搬送された前記媒体を搬送する第2の搬送処理と、前記媒体の搬送状態を検知する媒体搬送異常検知処理とを有している。
【0012】
更に、前記媒体搬送異常検知処理により、前記媒体の搬送状態が搬送異常であることが検知されると、前記媒体の弛みを検出する弛み検出処理と、前記弛み検出処理の検出した前記媒体の弛みの状態に応じて、前記第1の搬送処理若しくは、前記第2の搬送処理を実行させ、前記媒体を搬送する媒体搬送排出処理とを有している。
【発明の効果】
【0013】
本発明の媒体搬送装置、他の媒体搬送装置、及び画像形成装置によれば、次の(1)〜(3)のような効果がある。
【0014】
(1) 媒体が装置内で、搬送異常を引き起こした際、媒体の弛みの有無にかかわらず復旧動作が可能であるといった効果が得られる。
【0015】
(2) その結果、利用者にとっては搬送異常が発生しても人手をかけることなく復旧指示を行うことで復旧が可能となる。
【0016】
(3) 搬送異常の復旧処理を利用者の指示を待って行うようにしたので、利用者によって、搬送異常の原因を搬送異常の復旧処理の前に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は本発明の実施例1における画像形成装置の概略を示す構成図である。
【図2】図2は本発明の実施例1における図1の画像形成装置を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は図2の操作パネルの例を示す構成図である。
【図4】図4は排出動作センサによる連続用紙の搬送状態を検知する動作を示す説明図である。
【図5】図5は図1の定着ユニット付近において連続用紙のジャムが発生したときの状態を示す図である。
【図6】図6は図2の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図7は本発明の実施例2における図1の画像形成装置を示す機能ブロック図である。
【図8】図8は図1の画像形成部の入口付近において連続用紙のジャムが発生したときの状態を示す図である。
【図9】図9は図7の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明を実施するための形態は、以下の好ましい実施例の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、明らかになるであろう。但し、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0019】
(実施例1の画像形成装置の構成)
図1は、本発明の実施例1における画像形成装置の概略を示す構成図である。
【0020】
画像形成装置10は、電子写真方式のカラープリンタであり、これには給紙機構50が接続されている。給紙機構50は、媒体(例えば、連続用紙)Pを収容する連続用紙リール51と、連続用紙Pを画像形成装置10に供給するレジスト媒体供給ローラ52とを有している。
【0021】
画像形成装置10は、連続用紙Pが給紙されているか否かを検知する給紙センサ11と、連続用紙Pを画像形成部20に搬送するレジスト媒体搬送ローラ12と、画像を形成する画像形成部20と、画像形成部20における画像形成のタイミングを検知する書き出しセンサ13とを備えている。
【0022】
画像形成部20は、連続用紙Pの搬送方向に沿って、この連続用紙P上にブラック(k)、イエロー(y)、マゼンタ(m)及びシアン(c)の各色のトナー像Tを形成する複数の画像形成ユニット30(=30k,30y,30m,30c)と、複数の露光部18(=18k,18y,18m,18c)と、連続用紙Pに画像を転写して連続用紙Pを搬送する転写ユニット40とを有している。
【0023】
ここで、画像形成ユニット30、露光部18、及び転写ユニット40の構成について順次説明する。
【0024】
各画像形成ユニット30は、感光体ドラム31(=31k,31y,31m,31c)と、感光体ドラム31を帯電する帯電ローラ32(=32k,32y,32m,32c)と、感光体ドラム31にトナーを供給する現像ローラ33(=33k,33y,33m,33c)と、現像ローラ33にトナーを供給する供給ローラ34(=34k,34y,34m,34c)と、感光体ドラム31上に残留したトナーを除去する感光体クリーニング装置35(=35k,35y,35m,35c)と、廃トナーボックス36(=36k,36y,36m,36c)とから構成されている。
【0025】
複数の露光部18は、各感光体ドラム31に対向して配設されている。各露光部18は、各感光体ドラム31の表面を露光して静電潜像を形成するものであり、発光ダイオードアレイ(LEDアレイ)等により構成されている。
【0026】
転写ユニット40は、連続用紙Pを搬送する転写ベルト41、転写ベルト41を駆動する転写ベルト駆動ローラ43,及び転写ベルト駆動ローラ43に従動して回転する転写ベルトアイドルローラ42から構成される第1の搬送部(例えば、転写ユニット40の駆動系)と、電圧を印加することにより感光体ドラム31上のトナー像Tを連続用紙Pに転写する複数の転写ローラ44(=44k、44y、44m、44c)とを有している。画像形成部20の構成は、以上通りである。
【0027】
更に、画像形成装置10は、上述した画像形成部20の下流である第1の位置において、連続用紙P上に形成された現像剤像(例えば、トナー像)Tを加熱、加圧して連続用紙Pに定着させる定着ユニット14を備えている。定着ユニット14は、加熱ローラ14aと加圧ローラ14bとを有しており、加熱ローラ14aと加圧ローラ14bとにより連続用紙Pを圧接して搬送するように構成されている。加熱ローラ14aと加圧ローラ14bとは、定着ユニット14の駆動系であり第2の搬送部を構成している。
【0028】
画像形成装置10は、レバーと光学センサとを有し、画像形成部20と定着ユニット14との間の連続用紙Pの弛みを検知するための、弛み検出部(例えば、弛みセンサ)15を有している。更に、定着ユニット14の下流である第2の位置において、レバーと光学センサを有し、レバーが傾倒又は直立することで定着ユニット14からの連続用紙Pの有無を検出する排出センサ16と、定着ユニット14から排出される連続用紙Pに接触して回転することで印刷媒体の搬送動作の有無によって連続用紙Pのジャムを検知する媒体搬送異常検知手段(例えば、排出動作センサ)17とを有している。
【0029】
通信ケーブル19は、画像形成装置10と媒体給紙機構50とをつなぐ信号線である。
【0030】
なお、本実施例1における媒体搬送装置は、転写ユニット40の駆動系と、弛みセンサ15と、定着ユニット14の駆動系と、排出センサ16と、排出動作センサ17とから構成されている。
【0031】
図2は、本発明の実施例1における図1の画像形成装置を示す機能ブロック図である。
【0032】
画像形成装置10は、制御部(例えば、中央制御部)61を有している。中央制御部61は、マイクロプロセッサ等の中央処理装置(以下「CPU」という。)やランダムアクセスメモリ(以下、「RAM」という。)等を有しており、図示しないリードオンリメモリ(以下「ROM」という。)に格納された各種のプログラムを実行することにより画像形成装置10の全体を制御するように構成されている。
【0033】
即ち、本実施例1における中央制御装置61は、各種機能ブロックを接続しており、機能ブロックである画像処理部62、排出検知部63、弛み検知部64、及び入力手段(例えば、ユーザキー入力部)65からの信号を受けて、後述する駆動系の各機能ブロックへ制御信号を出力して制御する機能を有している。
【0034】
画像処理部62は、上位装置からの印刷データを受信して画像データを生成する機能を有している。排出検知部63は、排出センサ16及び排出動作センサ17からの信号を検知して連続用紙Pの有無、及び搬送異常(例えば、ジャム)の発生を監視する機能を有している。
【0035】
弛み検知部64は、搬送中の連続用紙Pが弛んでいるか突っ張っているかを弛みセンサ15によって検知するように構成されている。ユーザキー入力部65は、操作パネル80を介して、利用者からのメッセージを受け付け、又は、利用者へのメッセージを表示する機能を有している。
【0036】
次に、駆動系の各ブロックについて説明する。
レジスト搬送モータ駆動部66は、図1の連続用紙Pを画像形成部20に搬送するレジスト媒体搬送ローラ12を駆動制御し、レジスト供給モータ駆動部67は、通信ケーブル19を介して図1のレジスト媒体供給ローラ52を駆動制御し、ドラムモータ駆動部68は、図1の感光体ドラム31を駆動制御し、ベルトモータ駆動部69は、図1の転写ベルト駆動ローラ43を駆動制御し、定着モータ駆動部70は、図1の定着ユニット14の駆動系を駆動制御するように構成されている。
【0037】
これらのレジスト搬送モータ駆動部66、レジスト供給モータ駆動部67、ドラムモータ駆動部68、ベルトモータ駆動部69、及び定着モータ駆動部70は、ステッピングモータドライバを内蔵しており、予めプログラムされた加減速テーブルに従って、回転動作を制御する機能を有している。プロセス制御部71は、帯電、露光、現像、転写のパラメータを決定する機能を有している。
【0038】
図3は、図2の操作パネルの例を示す構成図である。
操作パネル80は、中央制御部61等からのメッセージやガイダンスを表示する表示パネル81と、印刷動作が可能であることを示す印刷可ランプ82と、入力操作を行うための複数の入力操作キー83(=83r、83l、83u、83d)と、入力操作キー83を用いて選択した項目を実行する実行キー84と、給紙する用紙の種類を指定する給紙選択キー85と、実行中の印刷ジョブをキャンセルするジョブキャンセルキー86と、オンライン状態又はオフライン状態を表示し、押下するごとにオンライン状態/オフライン状態を切り替えるランプ付きオンラインキー87とを有している。
【0039】
ランプ付きオンラインキー87において、表示機能をいうときは、オンラインランプ87といい、キーとしての機能をいうときは、オンラインキー87ということとする。オンラインランプ87は、画像形成装置10がオンライン状態のときランプが点灯し、オフライン状態のときランプが消灯するように構成されている。入力操作キー83dは、画像形成装置10に対して障害状態からの復旧を要求する復旧キー53dを兼ねている。
【0040】
(実施例1の画像形成装置の印刷動作)
図1を用いて本実施例1における画像形成装置10の印刷動作の概略を説明する。
【0041】
給紙機構50に収容された連続用紙Pは、連続用紙リール51を介してレジスト媒体供給ローラ52により繰り出され、画像形成装置10に供給される。画像形成装置10に供給された連続用紙Pは、レジスト媒体搬送ローラ12によって画像形成部20に搬送される。レジスト媒体搬送ローラ12の上流には、給紙センサ11が配置されており、連続用紙Pの有無を検知している。レジスト媒体搬送ローラ12の下流には、書き出しセンサ13が配置されており、中央制御部61は、この書き出しセンサ13の出力信号により連続用紙Pへの画像形成のタイミングを制御する。
【0042】
一方、帯電ローラ32によって帯電させられた感光体ドラム31の表面は、露光部18によって露光され、静電潜像が形成される。静電潜像は、現像ローラ33によって現像され、感光体ドラム31上にトナー像Tが形成される。
【0043】
続いて、連続用紙Pは搬送ベルト41の走行に伴って、感光体ドラム31と転写ローラ44との間を通過する際に、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色のトナー像Tが順次転写され、カラーのトナー像Tが形成される。転写後の感光体ドラム31上に残留したトナーは、感光体クリーニング装置35によって除去され、廃トナーボックス36に集められる。トナー像Tが転写された連続用紙Pは、その後、定着ユニット14に搬送される。定着ユニット14においてトナー像Tが連続用紙Pに定着させられて、カラー画像が形成される。トナー像Tが定着された連続用紙Pは、図示しないスタッカに排出されてスタックされる。
【0044】
定着ユニット14の上流には、連続用紙Pの弛みを検知するための弛みセンサ15が配置され、定着ユニット14の下流には、連続用紙Pの排出を検知する排出センサ16及び排出動作センサ17が配置されている。
【0045】
次に、転写ユニット40及び定着ユニット14間における媒体の搬送動作について説明する。
【0046】
通常、画像形成装置10は、(転写ベルト搬送速度)>(定着ユニット搬送速度)で制御されている。オフィス環境で頻繁に使用されるA4紙やレター紙程度の長さの媒体の場合、転写ベルト41、及び定着ユニット14間の速度が(転写ベルト搬送速度)>(定着ユニット搬送速度)の関係にあっても、媒体の弛み量が大きくなる前に媒体の後端が転写ユニット40を通過してしまうため、媒体の弛みが大きくなり画像形成装置10に擦れるといった状態は発生しない。
【0047】
しかしながら、本実施例1のように長尺媒体である連続用紙Pの場合には、媒体の弛みが蓄積され、擦れ問題が発生するため、媒体の弛み具合を弛みセンサ15で監視するようにしている。
【0048】
本実施例1では、連続用紙Pの弛みがない状態では、弛みセンサ15のレバーが倒れた状態となり、このときの出力信号をもって媒体弛みなしと判断する。一方で、媒体弛みが発生(本実施例1では上側に弛むことを想定)すると弛みセンサ15のレバーが起き上った状態となり、出力信号が反転する。これらの2値の出力信号を中央制御部61で受けて定着モータ駆動部70の制御を行う。
【0049】
中央制御部61は、連続用紙Pの弛みを検知したときには、弛み検知部64の出力が弛みなしを検知するまで、定着モータ駆動部70を介して定着ユニット14の駆動系を加速する。連続用紙Pの弛みを検知しなくなったときには、弛みを検知するまで、定着モータ駆動部70を介して定着ユニット14の駆動系を減速する。このように、連続用紙Pの弛みあり/弛みなしの検知と定着ユニットの駆動系の加速/減速を繰り返して連続用紙Pの搬送制御を行う。
【0050】
(実施例1における連続用紙の搬送状態の検知動作)
図4(a)、(b)は、排出センサによる連続用紙の搬送状態を検知する動作を示す説明図である。
【0051】
図4(a)において、排出動作センサ17は、回転子17a及びホール素子17bで構成されている。連続用紙Pは、搬送方向Xに向かって搬送され、これに伴って回転子17aが逆時計回りに回転する。ホール素子17bは、ホール効果を利用した磁気センサであって、磁石の発生する磁界や電流の発生する磁界を電気信号に変換する機能を有している。回転子17a及びホール素子17bの構成により排出動作センサ17は、連続用紙Pの移動量及び移動方向を検知できる。
【0052】
図4(b)において、区間K1は、印刷開始前の状態を示し、連続用紙Pが搬送されていないので排出動作センサ17の回転子17aは回転しない。その結果、排出動作センサ17は、オフ状態を出力する。時刻t2において、印刷が開始され、区間K2において、連続用紙Pが搬送されてくると回転子17aは、回転を始め、ホール素子17bにより一定周期(T)でパルスが発生する。
【0053】
印刷動作中に時刻t3においてジャムが発生すると、連続用紙Pの搬送が停止するので区間K3に示すようにパルスが発生しなくなる。一定周期(T)ごとのパルスが発生しないことで、中央制御部61は、ジャムが発生したものと判定する。
【0054】
(実施例1における定着ユニット付近のジャム検知動作)
図5(a)、(b)、(c)は、図1の定着ユニット付近において連続用紙のジャムが発生したときの状態を示す図である。
【0055】
図5(a)は、転写ユニット40と定着ユニット14との間で連続用紙Pが蛇腹になった状態を示している。この状態は、先に定着ユニット14の駆動モータが脱調して停止した場合であって、ジャムを検知するまでの間は、転写ベルト駆動ローラ43は、搬送動作を続けているので上流側から下流側へ連続用紙Pを押し込んでしまい、連続用紙Pにしわが発生して蛇腹状態になる。
【0056】
上述の蛇腹状態が発生すると、弛みセンサ15付近で連続用紙Pは、大きな弧を描いている。この状態では、連続用紙Pは、弛みセンサ15と接触していないため、レバーが倒れない。その結果、弛みセンサ15は、蛇腹状態を示す信号を中央制御部61に出力し、中央制御部61は、弛み状態が発生したと判断する。
【0057】
なお、駆動モータにはステッピングモータが使用されており、過負荷や急激な速度変化の際に、入力パルス信号とモータ回転との同期が失われることがあり、このため、駆動モータに脱調が発生することがある。
【0058】
定着ユニット14のモータが脱調する要因として排出後の連続用紙Pに何らかの強い力が働き急激に引っ張り状態になることや、連続用紙Pが図示しないスタッカに蓄積された結果、飽和状態となり、搬送するのに負荷が大きくなったこと等が挙げられる。
【0059】
図5(b)は、連続用紙Pが突っ張った状態で停止している状態を示している。
この状態は、図5(a)とは逆に、先に転写ベルト駆動ローラ43のモータが脱調して停止し、定着ユニット14に対し、連続用紙Pを搬送しきれない程の大きな負荷がかかることにより、定着ユニット14のモータも脱調に至り、転写ベルト駆動ローラ43と定着ユニット14のモータの停止を中央制御部61で検知することによりジャムが発生したと判断される。この場合は、弛みセンサ15は、弛みなしを検知している。転写ベルト駆動ローラ43のモータが脱調する要因として、給紙側(転写ユニット40より上流の部分)において、ベルト搬送に急激な負荷がかかることが想定される。
【0060】
図5(c)は、蛇腹状態が発生しているが、連続用紙Pが弛みセンサ15を押し下げている状態である。
【0061】
発生の条件については図5(a)と同様であるが、連続用紙Pの種類や位置によって(c)のような状態で停止することもある。弛みセンサ15のレバーは倒れているので、中央制御部61では、連続用紙Pには弛みなしと判断されている。
【0062】
(実施例1における画像形成装置の媒体搬送装置の動作)
図6は、図2の画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
【0063】
ここでは、画像形成装置10の動作、特に、画像形成装置10内の媒体搬送装置の動作について説明する。
【0064】
上述したように、本実施例1における媒体搬送装置は、転写ユニット40の駆動系と、弛みセンサ15と、定着ユニット14の駆動系と、排出センサ16と、排出動作センサ17とから構成されている。
【0065】
上位装置からの印刷データの受信により処理が開始される。ステップS1において、印刷動作が開始され、ステップ2において、中央制御部61は、排出動作センサ17の出力信号により排出検知部63を介してジャムの発生を検知する。中央制御部61は、ジャムを検知すると、レジスト搬送モータ駆動部66、レジスト供給モータ駆動部67、ドラム駆動部68、ベルトモータ駆動部69、及び定着モータ駆動部70に対し、全てのモータの停止を指示する。
【0066】
ステップS3において、利用者(ユーザ)からの復旧指示があるか否かが判定される。操作パネル80の復旧キー83dを利用者が押下することによって、復旧指示が行われる。復旧指示がないときは(N)、ステップS3を繰り返し、復旧指示があったときは(Y)、ステップS4へ進む。ここで、利用者により復旧キー83dの押下を行うようにしたのは、画像形成装置10の異常状態を利用者が確認する機会を設け、自動復旧させて問題がないと判断したときに復旧動作を行うためである。
【0067】
ステップS4において、弛み検知部64により弛みセンサ15の出力信号を確認する。弛み検知部64が連続用紙Pの弛みがないことを検知したときは、ステップS5に進む。この場合、ベルトモータ駆動部69が脱調していることが推定される。このときには、中央制御部61は、ベルトモータ駆動部69を先に動作させて、ステップS6に進む。ステップS6において、中央制御部61は、ウェイト時間(T)だけ時間監視を行う。ウェイト時間(T)の経過後、ステップS7へ進み、再び弛み検知部64において連続用紙Pの弛みの有無を確認する。
【0068】
弛みがないままで変化がなければ、図4(b)に示すK3の状態が更に悪化したものと判断し、中央制御部61は、エラーメッセージを、ユーザキー入力部65を介して操作パネル80の表示パネル81に表示して動作を停止する。
【0069】
ステップS7において、弛みが検知されたときは、ステップS8へ進む。中央制御部61は、図4の(b)に示すK1の状態であると判断して定着モータ駆動部70に対して定着ユニット14の駆動系の動作開始を指示し、ステップS9へ進む。
【0070】
ステップS9において、ベルトモータ駆動部69、及び定着モータ駆動部70を介して各駆動系が共に定速に達したかが監視され、定速に達したときはステップS10へ進む。ステップS10,S11において、通常の媒体弛み制御を行う。ここでいう通常の弛み制御とは、通常印刷中において弛みセンサ15が連続用紙Pの弛みがあることを検知すると、定着モータ駆動部70を介して定着ユニット14の駆動系の速度を加速し、逆に弛みがないことを検知すると減速させる処理を繰り返すことをいう。ステップS11において、印刷が終了すると本処理が終了する。
【0071】
前記ステップS4において、弛みセンサ15が連続用紙Pの弛みを検知したときは、定着モータ駆動部70が脱調しているものと推定され、中央制御部61は、図4(b)に示すK1の状態であると判断し、ステップS13へ進む。ステップS13において、定着モータ駆動部70は、定着ユニット14の駆動系の動作を開始させる。ステップS14において、再び弛み検知部64により連続用紙Pの状態を確認し、弛みがないことが検知できたときは、ステップS15へ進み、ベルトモータ駆動部69の動作を開始し、ステップS9へ進む。ステップS9以降の動作は、すでに説明した通りである。
【0072】
なお、ジャム発生時における定着制御は、次のように行われる。
ジャム発生時には未定着トナーが存在しているため一定の定着温度が維持されないと定着オフセットが発生することになる。定着ユニット14が一定温度で維持されているときは、ジャム状態からの復旧が早ければ、通常通り定着制御が行われる。
【0073】
しかし、定着ユニット14内にジャム媒体が存在していて、搬送停止の状態のときに定着温度制御を実行すると連続用紙Pに定着ニップ部の痕がつく可能性があるため、ジャム発生から一定時間(例えば30秒)経過後に強制的に連続用紙Pの搬送を再開する。或いは、ジャム発生時に直ちに定着制御を停止し、利用者により操作パネル80から復旧操作が行われたならば定着温度制御を再開して一定時間(例えば、30秒)以上加熱しても目標温度に達しないときは、復旧不可能と判断して定着温度制御を停止するように制御される。
【0074】
なお、定着オフセットとは、定着ユニット14が高温時には、多くのトナーが熔けすぎて定着ユニット14のローラ部分に付着し、低温時には、トナーを溶かすに必要な熱容量が不足して定着が十分できないことをいう。
【0075】
(実施例1の効果)
従来は、多くの場合、ジャムが発生すると画像形成装置10は、直ちに停止し、利用者によってジャムになった媒体を取り除く必要があった。この場合、利用者は、装置カバーを開けて、例えば、感光体ドラム31を取り出すことを行っていた。
【0076】
本実施例1の媒体搬送装置及び画像形成装置10によれば、次の(1)〜(3)のような効果がある。
【0077】
(1) 連続用紙Pが装置内で、ジャムを引き起こした際、連続用紙Pの弛みの有無にかかわらず復旧動作が可能であるといった効果が得られる。
【0078】
(2) その結果、利用者にとってはジャムが発生しても装置カバーを開け閉めすることなくキー操作のみで復旧が可能となる。
【0079】
(3) ジャムの復旧処理を利用者のキー操作を待って行うようにしたので、利用者によって、ベルトモータ駆動部69及び定着モータ駆動部70の脱調の原因をジャムの復旧処理の前に除去することができる。
【実施例2】
【0080】
(実施例2の構成)
図7は、本発明の実施例2における図1の画像形成装置を示す機能ブロック図であり、実施例1を示す図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0081】
本実施例2の画像形成装置10Aでは、実施例1の画像形成装置10の構成に弛み検知部64Aを付加した構成になっている。その他の構成は、実施例1と同様である。
【0082】
本実施例2においては、画像形成部20の上流における第1の搬送部(例えば、レジストユニットの駆動系=レジスト媒体搬送ローラ12)と第2の搬送部(例えば、転写ユニット40の駆動系)との間のジャム復旧について説明する。本実施例2では新たに弛みセンサを設置することなく、書き出しセンサ13を弛みセンサとして流用することを特徴としている。弛み検知部64Aは、書き出しセンサ13からの出力信号を入力し、中央制御部61からの指示により書き出しセンサ13を制御する。
【0083】
なお、本実施例2においては、第1の位置は、転写ユニット40が配置されている位置であり、第2の位置は、定着ユニット14が配置されている位置である。
【0084】
(実施例2における連続用紙の搬送状態の検知動作)
図8(a)、(b)、(c)は、図1の画像形成部の入口付近において連続用紙のジャムが発生したときの状態を示す図である。
【0085】
図8(a)は、レジスト媒体搬送ローラ12と転写ユニット40との間で連続用紙Pが蛇腹になった状態を示している。この状態は、何らかの原因で、先にベルトモータ駆動部69が脱調して停止した場合で、ジャムを検知するまでの間は、レジスト搬送モータ駆動部66がまだ搬送し続けているので上流側から下流側へ連続用紙Pを押し込んだ状態である。
【0086】
図8(a)において、連続用紙Pは、書き出しセンサ13付近で、大きな弧を描いており、書き出しセンサ13と接触していないため、中央制御部61は、弛み状態と判断する。ベルトモータが脱調する要因としては実施例1と同様に、排出後の連続用紙Pに何らかの強い力が働き急激に引っ張り状態になることや、連続用紙Pが図示しないスタッカに蓄積された結果、飽和状態となり、搬送するのに負荷が大きくなったこと等が挙げられる。
【0087】
図8(b)は、媒体が完全に突っ張った状態で停止しているところである。
この状態は、図8(a)とは逆の状態で、先にレジスト搬送モータ駆動部66のモータが脱調して停止し、ベルトモータ駆動部69に連続用紙Pを搬送しきれない程の大きな負荷がかかっている状態である。これによりベルトモータ駆動部69のモータも脱調に至りジャムとなる。この状態の場合、書き出しセンサ13は、弛みがないことを検知している。このような事象が起こる要因として給紙側(レジスト媒体搬送ローラ12)に急激な負荷がかかることが想定される。
【0088】
図8(c)の状態は、連続用紙Pは、レジスト媒体搬送ローラ12と転写ユニット40との間で蛇腹になっているが、連続用紙Pが書き出しセンサ13を押し下げている状態である。この状態の発生原因については図8(a)と同様であるが、連続用紙Pの種類や位置によって図8(c)のような状態で停止することもある。書き出しセンサ13のレバーが倒れているので、中央制御部61は、連続用紙Pに弛みがないと判断する。
【0089】
(実施例2における画像形成装置10Aの媒体搬送装置の動作)
図9は、図7の画像形成装置の動作を示すフローチャートであり、実施例1を示す図6中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0090】
本実施例2のフローチャートの動作では、実施例1における図6のステップS1〜S8,S12〜S15に替えて、これとは異なる処理を行うステップS21〜S28,S32〜S35が設けられている。その他のステップS9〜S11は、実施例1と同様である。
【0091】
上位装置からの印刷データの受信により処理が開始される。ステップS21において、連続用紙Pが、レジスト媒体搬送ローラ12によって、画像形成部20へ搬送される。ここで、連続用紙Pの先端がレジスト媒体搬送ローラ12から書き出しセンサ13を通過すると、中央制御部61は、プロセス制御部71へイメージデータ(=画像データ)の書き出し指示を出す。
【0092】
ステップS22において、印刷中にジャムが発生すると、中央制御部61は、全ての駆動系を停止して媒体搬送を止める。実施例1と同様に、ステップS23において、利用者による復旧キー83dの押下を待ち、復旧キー83dが押下されるとステップS24へ進む。
【0093】
ステップS24において、弛み検知部64Aは、書き出しセンサ13の出力信号を検知して連続用紙Pに弛みが発生しているか否かを監視する。通常に印刷動作が行われているときには、書き出しセンサ13は、連続用紙Pを検知しているので、通常印刷中では常に一定の値(弛みなし状態)を示している。
【0094】
しかしながらジャムが発生すると、図8に示すように連続用紙Pの状態により書き出しセンサ13のセンサレバーが起き上がった状態、即ち、図8(a)の様になることがある。この状態は、連続用紙Pに弛みがあると判定され、ステップS33へ進む。ここからの復旧動作は、実施例1と類似の制御方法で、行われる。即ち、ステップS33において、下流側のベルトモータ駆動部69を先に駆動し、ステップS34において、再度、連続用紙Pに弛みが発生しているか否かが判定される。
【0095】
弛み状態ありの場合は、ステップS34を繰り返し、弛みがなくなったときは、ステップS35へ進み、上流側のレジスト搬送モータ駆動部66を駆動してステップS9へ進む。
【0096】
前記ステップS24において、図8(b)や(c)で示すように書き出しセンサ13のセンサレバーが倒れた状態では、ステップS25において、初めにレジスト搬送モータ駆動部66を駆動し、ステップS26において、一定のウェイト時間(T)を時間監視し、ウェイト時間(T)の経過後、ステップS27において、書き出しセンサ13のセンサレバーの状態を再度確認する。
【0097】
ステップS27において、まだ弛みを検知できない場合は、媒体搬送状態が異常であると判断し、ステップS32において、直ちに操作パネル80の表示パネル81にエラーメッセージを表示して処理を終了する。ステップS27において、弛みを検知できた場合は、ステップS28において、ベルトモータ駆動部69を駆動して媒体搬送を再開し、ステップS9に進む。実施例1と同様にステップ9,S10,S11が実行され、本処理が終了する。
【0098】
(実施例2の効果)
本発明の実施例2の媒体搬送装置及び画像形成装置10Aによれば、実施例1の効果に加えて、次のような効果がある。
【0099】
(1) 新たに弛みセンサを設置することなく、既存の書き出しセンサ13を弛みセンサとして流用することによりレジスト媒体搬送ローラ12と転写ユニット40との間のジャムの復旧が容易に行えるという効果が得られる。
【0100】
(2) 実施例1と組み合わせて実施例2を実施することにより、上流側(レジスト媒体搬送ローラ12及び転写ユニット40との間)と、下流側(転写ユニット40及び定着ユニット14の間)とで、媒体ジャム検出、復旧処理を同時に実施することにより、更に安定した連続用紙Pのジャムの復旧が可能となる。
【0101】
(変形例)
本発明は、上記実施例に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
【0102】
(a) 実施例1、2では、画像形成装置10,10Aとしてカラーページプリンタを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ファクシミリ装置、複写機や複合機等にも利用できる。
【0103】
(b) 駆動系は、ステッピングモータに限定されずDCモータを用いてもよい。
【0104】
(c) 実施例1、2では、媒体として連続用紙Pで説明したが、長尺の媒体であればカット紙であってもよい。
【0105】
(d) 実施例1、2では、媒体搬送装置及び媒体搬送方法を画像形成装置10,10Aに適用することで説明したが、長尺の媒体を搬送する装置であれば画像形成装置10,10A以外であっても適用が可能である。例えば、現金自動預け払い機のレシート、ジャーナル印刷機構部や小売店等に設置されるレジスタのレシート印刷機能部等が考えられる。
【符号の説明】
【0106】
10,10A 画像形成装置
12 レジスト媒体搬送ローラ
13 書き出しセンサ
14 定着ユニット
15 弛みセンサ
16 排出センサ
17 排出動作センサ
20 画像形成部
30 画像形成ユニット
40 転写ユニット
41 転写ベルト
43 転写ベルト駆動ローラ
61 中央制御部
63 排出検知部
64,64A 弛み検知部
65 ユーザキー入力部
80 操作パネル
83d 復旧キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を第1の位置へ搬送する第1の搬送部と、
前記第1の搬送部の下流に位置し、前記第1の搬送部から搬送された前記媒体を第2の位置へ搬送する第2の搬送部と、
前記第1の搬送部と前記第2の搬送部との間に配置され、前記媒体の弛みを検出する弛み検出部と、
前記媒体の搬送異常を検知する媒体搬送異常検知手段と、
前記媒体搬送異常検知手段によって前記媒体の搬送異常が検知された後、利用者からの復旧指示を受け付ける入力手段と、
前記入力手段により、前記利用者からの復旧指示を受け付けたときに、前記媒体の搬送を再開する媒体搬送再開手段と、
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記媒体搬送再開手段は、
前記弛み検出部が前記媒体の弛みありを検出した場合は、前記第2の搬送部を先に駆動し、その後に前記第1の搬送部を駆動することを特徴とする請求項1記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記媒体搬送再開手段は、
前記弛み検出部が前記媒体の弛みなしを検出した場合は、前記第1の搬送部を先に駆動し、その後に前記第2の搬送部を駆動することを特徴とする請求項1記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
媒体を第1の位置へ搬送する第1の搬送部と、
前記第1の搬送部の下流に位置し、前記第1の搬送部から搬送された前記媒体を第2の位置へ搬送する第2の搬送部と、
前記媒体の搬送状態を検知する媒体搬送異常検知手段と
前記第1の搬送部と前記第2の搬送部との間に配置され、前記媒体の弛みを検出する弛み検出部と、
前記第1の搬送部、前記第2の搬送部、前記媒体搬送異常検知手段及び前記弛み検出部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記媒体搬送異常検知手段が前記媒体の搬送状態が搬送異常であることを検知すると、前記弛み検出部の検出結果に応じて、前記第1の搬送部若しくは前記第2の搬送部を駆動し、前記媒体を装置本体から排出することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記媒体搬送異常検知手段が前記媒体の搬送状態が搬送異常であることを検知した場合であって、前記弛み検出部の検出結果が弛みありのときは、
前記第2の搬送部を先に駆動してその後に前記第1の搬送部を駆動し、
前記弛み検出部の検出結果が弛みなしのときは、前記第1の搬送部を先に駆動してその後に前記第2の搬送部を駆動することを特徴とする請求項4記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
前記第1の搬送部は、
前記媒体に画像を転写する転写ユニットの駆動系であり、
前記第2の搬送部は、前記媒体に転写された前記画像を定着する定着ユニットの駆動系であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記第1の搬送部は、
前記媒体を前記転写ユニットに搬送するレジストユニットの駆動系であり、
前記第2の搬送部は、前記媒体に画像を転写する転写ユニットの駆動系であり、
前記弛み検出部は、書き出し検知センサであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
前記媒体搬送異常検知手段は、
前記媒体の搬送に伴って回転動作する回転子と、前記回転子の回転により発生する磁界を電気信号に変換するホール素子とを有し、前記媒体が搬送されているか否かを検出する排出動作センサであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の媒体搬送装置。
【請求項9】
前記転写ユニットの駆動系は、
前記媒体を搬送する転写ベルトと、
前記転写ベルトを駆動する転写ベルト駆動ローラと、
前記転写ベルト駆動ローラに従動して回転する転写ベルトアイドルローラと、
を有することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の媒体搬送装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の媒体搬送装置を備え、前記媒体上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
媒体を搬送する第1の搬送処理と、
前記第1の搬送処理により搬送された前記媒体を搬送する第2の搬送処理と、
前記媒体の搬送状態を検知する媒体搬送異常検知処理と、
前記媒体搬送異常検知処理により、前記媒体の搬送状態が搬送異常であることが検知されると、前記媒体の弛みを検出する弛み検出処理と、
前記弛み検出処理の検出した前記媒体の弛みの状態に応じて、前記第1の搬送処理若しくは、前記第2の搬送処理を実行させ、前記媒体を搬送する媒体搬送排出処理と、
を有することを特徴とする媒体搬送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−164396(P2011−164396A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27727(P2010−27727)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】