説明

学習型欠陥弁別処理システム、方法及びプログラム

【課題】ロール・トゥ・ロールで製造する場合に、欠陥の不良モードの判定を高精度で容易にできる。
【解決手段】弁別条件を保存し、ワークを検査して得た欠陥データと弁別条件とに基づいて欠陥の不良モードを弁別するシステムであって、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データにより、不良削除装置に欠陥を特定させる手段と、
特定された欠陥を作業者に撮像させる手段と、
撮像により得られた画像を表示して、作業者に、画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させる手段と、
特定された欠陥の欠陥データと、入力された不良モードとに基づいて弁別条件を更新する手段とを備えることを特徴とする学習型欠陥弁別処理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習型欠陥弁別処理システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、反射防止フィルムや太陽電池バックシート等のフィルム状の電子デバイス製品を効率良く生産するために、ロール状に巻いた基材を巻き出しながら、塗布、蒸着、張り合わせ(ラミネート)等の各プロセス加工を各プロセス加工装置で施し、再びロール状に巻き取るというように、ロール・トゥ・ロールで製造することが多い。
【0003】
ロール・トゥ・ロールで製造する場合、基材上に白抜けや異物と呼ばれる欠陥が発生することがある。これらの欠陥を有する不良品の流出を防止するために、各プロセス加工装置で各プロセス加工を施した後に、これらの欠陥を自動欠陥検査装置にて検出する。
【0004】
一般的に自動欠陥検査は、搬送ユニット(回転軸による搬送)により基材を搬送し、基材幅方向範囲を全走査可能な数量のモノクロラインCCDセンサと光源(LED、蛍光灯、ハロゲンランプ、キセノンランプ等)とを利用した光学系を構成し、基材表面を撮像、撮像して得られた画像を、画像処理装置にて、画像処理して、予め設定された閾値で2値化し、欠陥部分を検出し、パソコン等のコンピュータにより、欠陥データ(例えば、座標、画素数、輝度値など)をファイル又はデータベースのデータとして保存する機構を持つ装置である(例えば特許文献1参照)。
【0005】
ロール1つ1つは固有のID(以後、ワークIDと呼ぶ)を持ち、欠陥データはこれと組にして保存される。尚、ロール単位で識別される基材のことをワークとも呼び、ワークIDは、このワークを識別するIDでもある。
【0006】
また、自動欠陥検査装置は、上述の欠陥データと、この検査装置に予め設定された条件(以下、弁別条件と呼ぶ)に基づき、欠陥の不良モードを判定する欠陥弁別機能を持っている。
【0007】
弁別条件は、実際の欠陥画像と自動欠陥検査装置のラインCCDセンサ画像とを比較対比して、統計的に設定される。そのため、実際の欠陥画像と自動欠陥検査装置のラインCCDセンサ画像との比較サンプル数が多いほど、より精度の高い弁別条件の設定が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−62119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、液晶カラーフィルタ等の枚葉で製造する場合、自動欠陥検査装置で検出した欠陥を顕微鏡筒を用いて目視で確認し、モード分類(弁別)データと欠陥画像データとを組にして登録することが可能な欠陥レビュー修正機が存在するが、ロール・トゥ・ロールで製造する場合では、一般的に、モード分類が可能な装置が存在しない。
【0010】
そのため、弁別条件の見直しを行うための欠陥画像サンプルを取得するには、スリッタ
等で削除した不良部位を分析室などに設置された顕微鏡で観察して撮像する必要がある。また、自動欠陥検査装置と顕微鏡とがネットワーク上では分断されているため、ラインCCDセンサ画像と組にすることに関しても多大な人手作業が必要となる。よって、サンプル取得数が必然的に少なくなり、弁別条件を見直して精度向上が効果的に実施されなくなる。
【0011】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ロール・トゥ・ロールで製造する場合に、欠陥の不良モードの判定を高精度で容易にできることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明において上記課題を解決するために、まず請求項1の発明では、
弁別条件を保存し、ワークを検査して得た欠陥データと弁別条件とに基づいて欠陥の不良モードを弁別するシステムであって、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データにより、不良削除装置に欠陥を特定させる手段と、
特定された欠陥を作業者に撮像させる手段と、
撮像により得られた欠陥画像を表示して、作業者に、欠陥画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させる手段と、
特定された欠陥の欠陥データと、入力された不良モードとに基づいて弁別条件を更新する手段とを備えることを特徴とする学習型欠陥弁別処理システムとしたものである。
【0013】
また請求項2の発明では、
モード分類システムと品質情報収集分析サーバとを備え、
モード分類システムは、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データを品質情報収集分析サーバに要求することにより品質情報収集分析サーバから受け取って、不良削除装置に欠陥を特定させ、特定された欠陥を作業者に撮像させ、撮像により得られた欠陥画像を表示して、作業者に、欠陥画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させ、欠陥データと不良モードとの組を品質情報収集分析サーバに送る手段を有し、
品質情報収集分析サーバは、
欠陥特徴量の値の範囲ごとに欠陥の各不良モードが発生する確率の分布である弁別条件と、欠陥特徴量の値の範囲ごとに作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数の分布である度数分布と、作業者が判定した欠陥の全個数である全欠陥数とを保存する手段と、
自動欠陥検査装置からワークを検査して得た欠陥データを受け取る度に、欠陥データを保存すると同時に、欠陥データに含まれる各欠陥特徴量の値が、弁別条件における欠陥特徴量の値の範囲の何れに含まれるかを確かめ、含まれる範囲に対する各不良モードの確率を不良モードごとに合計して、最も確率の高い不良モードを、欠陥の不良モードとすることを繰り返す手段と、
モード分類システムからの要求に応じて、不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データを検索してモード分類システムに送る手段と、
モード分類システムから、欠陥データと不良モードとの組を受け取る度に、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードの数を集計し、度数分布において、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数に、それぞれ集計して得た数だけ加えることにより、度数分布を更新し、欠陥データと不良モードとの組の数をカウントし、カウントして得た数を、全欠陥数に加えることにより、全欠陥数を更新し、度数分布から、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数を読み出し、読み出した個数の全欠陥数に対する百分率を計算することで、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を求め、弁別条件において、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を、求め
た確率で更新することを繰り返す手段とを有することを特徴とする学習型欠陥弁別処理システムとしたものである。
【0014】
また請求項3の発明では、
弁別条件を保存し、ワークを検査して得た欠陥データと弁別条件とに基づいて欠陥の不良モードを弁別するシステムが実行する方法であって、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データにより、不良削除装置に欠陥を特定させる工程と、
特定された欠陥を作業者に撮像させる工程と、
撮像により得られた欠陥画像を表示して、作業者に、欠陥画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させる工程と、
特定された欠陥の欠陥データと、入力された不良モードとに基づいて弁別条件を更新する工程とを含むことを特徴とする学習型欠陥弁別処理方法としたものである。
【0015】
また請求項4の
モード分類システムと品質情報収集分析サーバとを備えるシステムが実行する方法であって、
モード分類システムは、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データを品質情報収集分析サーバに要求することにより品質情報収集分析サーバから受け取って、不良削除装置に欠陥を特定させ、特定された欠陥を作業者に撮像させ、撮像により得られた欠陥画像を表示して、作業者に、欠陥画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させ、欠陥データと不良モードとの組を品質情報収集分析サーバに送る工程を行い、
品質情報収集分析サーバは、
欠陥特徴量の値の範囲ごとに欠陥の各不良モードが発生する確率の分布である弁別条件と、欠陥特徴量の値の範囲ごとに作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数の分布である度数分布と、作業者が判定した欠陥の全個数である全欠陥数とを保存する工程と、
自動欠陥検査装置からワークを検査して得た欠陥データを受け取る度に、欠陥データを保存すると同時に、欠陥データに含まれる各欠陥特徴量の値が、弁別条件における欠陥特徴量の値の範囲の何れに含まれるかを確かめ、含まれる範囲に対する各不良モードの確率を不良モードごとに合計して、最も確率の高い不良モードを、欠陥の不良モードとすることを繰り返す手段と、
モード分類システムからの要求に応じて、不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データを検索してモード分類システムに送る工程と、
モード分類システムから、欠陥データと不良モードとの組を受け取る度に、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードの数を集計し、度数分布において、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数に、それぞれ集計して得た数だけ加えることにより、度数分布を更新し、欠陥データと不良モードとの組の数をカウントし、カウントして得た数を、全欠陥数に加えることにより、全欠陥数を更新し、度数分布から、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数を読み出し、読み出した個数の全欠陥数に対する百分率を計算することで、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を求め、弁別条件において、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を、求めた確率で更新することを繰り返す工程とを行うことを特徴とする学習型欠陥弁別処理方法。
【0016】
また請求項5の発明では、
弁別条件を保存し、ワークを検査して得た欠陥データと弁別条件とに基づいて欠陥の不良モードを弁別するシステムに、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データにより、不良削除装置に欠陥を特定させる工程と、
特定された欠陥を作業者に撮像させる工程と、
撮像により得られた欠陥画像を表示して、作業者に、欠陥画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させる工程と、
特定された欠陥の欠陥データと、入力された不良モードとに基づいて弁別条件を更新する工程とを実行させることを特徴とする学習型欠陥弁別処理プログラムとしたものである。
【0017】
また請求項の発明では、
モード分類システムに、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データを品質情報収集分析サーバに要求することにより品質情報収集分析サーバから受け取って、不良削除装置に欠陥を特定させ、特定された欠陥を作業者に撮像させ、撮像により得られた欠陥画像を表示して、作業者に、欠陥画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させ、欠陥データと不良モードとの組を品質情報収集分析サーバに送る工程を実行させるモード分類プログラムと、
品質情報収集分析サーバに、
欠陥特徴量の値の範囲ごとに欠陥の各不良モードが発生する確率の分布である弁別条件と、欠陥特徴量の値の範囲ごとに作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数の分布である度数分布と、作業者が判定した欠陥の全個数である全欠陥数とを保存する工程と、
自動欠陥検査装置から欠陥データを受け取る度に、欠陥データを保存すると同時に、欠陥データに含まれる各欠陥特徴量の値が、弁別条件における欠陥特徴量の値の範囲の何れに含まれるかを確かめ、含まれる範囲に対する各不良モードの確率を不良モードごとに合計して、最も確率の高い不良モードを、欠陥の不良モードとすることを繰り返す手段と、
モード分類システムからの要求に応じて、不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データを検索してモード分類システムに送る工程と、
モード分類システムから、欠陥データと不良モードとの組を受け取る度に、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードの数を集計し、度数分布において、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数に、それぞれ集計して得た数だけ加えることにより、度数分布を更新し、欠陥データと不良モードとの組の数をカウントし、カウントして得た数を、全欠陥数に加えることにより、全欠陥数を更新し、度数分布から、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数を読み出し、読み出した個数の全欠陥数に対する百分率を計算することで、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を求め、弁別条件において、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を、求めた確率で更新することを繰り返す工程とを実行させる品質情報収集分析プログラムとを含むことを特徴とする学習型欠陥弁別処理プログラムとしたものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、ロール・トゥ・ロールで製造する場合に、欠陥の不良モードの判定を高精度で容易にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係わるシステムのハードウェア構成例を示す図。
【図2】品質情報収集分析サーバのデータベースに保存されるデータの構成例を示す図。
【図3】欠陥テーブルの例を示す図。
【図4】確率分布テーブルの例を示す図。
【図5】度数分布テーブルの例を示す図。
【図6】欠陥をマイクロスコープで撮像する様子を示す図。
【図7】各不良モードついて欠陥特徴量ごとの確率を保存するテーブルの例を示す図。
【図8】図7に示すテーブルにおいて、各不良モードついて欠陥特徴量ごとの確率を合計したものも保存するテーブルを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
【0021】
本実施形態では、図1に示すように、ネットワーク1に、品質情報収集分析サーバ2と、モード分類システム10と、不良削除装置(一般的にはスリッタ等)20と、自動欠陥検査装置30、40、50とが接続されている。
【0022】
自動欠陥検査装置30、40、50は、それぞれ、ロール・トゥ・ロール加工装置により工程A〜Cでプロセス加工を施した後に、欠陥を検査するものであり、搬送ユニット(回転軸による搬送)によりワーク31、41、51を搬送し、ワーク31、41、51の表面を、光源33、43、53より照明してモノクロラインCCDセンサ32、42、52で撮影し、撮影して得た画像から、検査装置パソコン34、44、54で、欠陥を検出し、検査装置パソコン34、44、54から、ワーク31、41、51を識別するワークIDと、検出した欠陥データとを、組にして、品質情報収集分析サーバ2に送るものである。
【0023】
モード分類システム10は、タッチパネルモニタ11、パソコン12、マイクロスコープ13を備え、マイクロスコープ13は、ハンディタイプであり、USBコネクタ等でパソコン12に接続されているものである。
【0024】
また、モード分類システム10は、不良削除装置20に取り付けられたワーク21のワークIDを、不良削除装置20の制御シーケンサ24から受け取り、このワークIDと組の欠陥データを、品質情報収集分析サーバ2から送ってもらい、この欠陥データにより不良削除装置20に欠陥22を特定させて、欠陥22を作業者にマイクロスコープ13で撮像させ、タッチパネルモニタ11にて、撮像させて得た欠陥画像を表示し、この欠陥画像を作業者に目視させることにより判定させた欠陥22の不良モードの名称を入力させ、このワークIDと、この欠陥データと、この欠陥データにより特定される欠陥22をマイクロスコープ13で撮像して得た欠陥画像と、この欠陥画像から判定された欠陥22の不良モードの名称とを、組にして、品質情報収集分析サーバ2に送るものである。
【0025】
品質情報収集分析サーバ2は、図2に示すように、データベースを有し、このデータベースには、欠陥テーブル、弁別条件、度数分布テーブル、全欠陥数が格納される。
【0026】
欠陥テーブルは、各項目の値を組にして保存するものであり、図3に示すように、項目として、「ワークID」、「欠陥データ」、「自動弁別結果」、「欠陥画像(マイクロスコープ画像)」、「モード名称」を有する。
【0027】
項目「ワークID」は、ワークを識別するIDである。
【0028】
項目「欠陥データ」は、自動欠陥検査装置30、40、50で検出された欠陥に関するデータであって、「品種」、「欠陥画像(ラインセンサ画像)」、「欠陥特徴量」に分かれる。
【0029】
項目「品種」は、ロール製品の品種である。
【0030】
項目「欠陥画像(ラインセンサ画像)」は、欠陥を検出するために、モノクロラインCCDセンサ32、42、52にて撮影された画像である。
【0031】
項目「欠陥特徴量」は、モノクロラインCCDセンサ32、42、52にて撮影された画像から検出された欠陥を特徴付ける量であって、「X座標(ワーク流れ方向)[mm]」、「Y座標(ワーク幅方向)[mm]」、「濃淡値」、「欠陥サイズX」、「欠陥サイズY」、「欠陥画素数[pix]」などに分れる。
【0032】
項目「X座標(ワーク流れ方向)[mm]」は、ワークの流れ方向をX方向として、欠陥のX方向の位置を表す座標である。
【0033】
項目「Y座標(ワーク幅方向)[mm]」は、ワークの幅方向をY方向として、欠陥のY方向の位置を表す座標である。
【0034】
項目「濃淡値」は、欠陥の濃淡値である。
【0035】
項目「欠陥サイズX」は、ワークの流れ方向をX方向として、欠陥のX方向の大きさである。
【0036】
項目「欠陥サイズY」は、ワークの幅方向をY方向として、欠陥のY方向の大きさである。
【0037】
項目「欠陥画素数[pix]」は、欠陥の面積を表す画素数である。
【0038】
項目「自動欠陥弁別結果」は、弁別条件に基づいて、欠陥データから判定された欠陥の不良モードの名称である。
【0039】
項目「欠陥画像(マイクロスコープ画像)」は、欠陥の不良モードを判定するために、マイクロスコープ13で撮影された画像である。
【0040】
項目「モード名称」は、マイクロスコープ13で撮影された画像から判定された欠陥の不良モードの名称である。
【0041】
弁別条件は、欠陥特徴量ごとに分れた複数の確率分布テーブルからなり、それぞれの確率分布テーブルは、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を保存している。
【0042】
確率分布テーブルの例として、Y座標(ワーク幅方向)[mm]についてのものを、図4に示す。
【0043】
図4の確率分布テーブルでは、Y座標(ワーク幅方向)[mm]の値を、50mmごとの区間に区分し、区間ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を保存する。
【0044】
度数分布テーブルは、確率分布テーブルと同じ形式のテーブルであって、ただし、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率の代わりに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数を保存するものである。
【0045】
度数分布テーブルの例として、Y座標(ワーク幅方向)[mm]についてのものを、図5に示す。
【0046】
図5の度数分布テーブルでは、Y座標(ワーク幅方向)[mm]の値を、50mmごとの区間に区分し、区間ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数を保存する。
【0047】
全欠陥数は、作業者が判定した欠陥の全個数である。
【0048】
各確率分布テーブルの各確率は、対応する各度数分布テーブルの各個数の全欠陥数に対する百分率で求められる。
【0049】
品質情報収集分析サーバ2は、自動欠陥検査装置30、40、50の検査装置パソコン34、44、54から、それぞれ、検査を行ったワーク31、41、51を識別するワークIDと、そのワークから検出された欠陥データとの組みを受け取り、このワークIDと、この欠陥データとの組みを、欠陥テーブルに保存するとともに、この欠陥データと弁別条件とに基づいて、欠陥の不良モードを判定し、判定結果も、自動欠陥弁別結果として、このワークIDと欠陥データと組にして、欠陥テーブルに保存するものである。
【0050】
また品質情報収集分析サーバ2は、モード分類システム10のパソコン12から、不良削除装置20に取り付けられているワーク21のワークIDを受け取り、このワークIDと組のワーク21の欠陥データを、欠陥テーブルから読み出して、モード分類システム10に送り、モード分類システム10から、このワークIDと、この欠陥データと、この欠陥データにより特定される欠陥22をマイクロスコープ13で撮像して得た欠陥画像と、この欠陥画像から判定された欠陥の不良モードの名称との組を受け取り、このワークID及び欠陥データと組にして、この欠陥画像と、この名称とを、それぞれ、欠陥画像(マイクロスコープ画像)、モード名称として、欠陥テーブルに保存すると同時に、度数分布テーブルと、全欠陥数とを更新することにより、弁別条件を更新するものである。
【0051】
以下のSTEP1〜9に、モード分類処理の流れの例を説明する。
【0052】
STEP1;
モニタ分類システム10のパソコン12は、不良削除装置20の制御シーケンサ24から、不良削除装置20に取り付けられているワーク21のワークIDを受け取り、このワーク21のワークIDを品質情報収集分析サーバ2に送り、品質情報収集分析サーバ2に、このワーク21のワークIDと組の欠陥データを欠陥テーブルから検索させて、品質情報収集分析サーバ2から、この欠陥データを受け取る。
【0053】
STEP2;
モニタ分類システム10のパソコン12は、この欠陥データに含まれるX座標(ワーク流れ方向)[mm]及びY座標(ワーク幅方向)[mm]を、不良削除装置20の制御シーケンサ24に通知する。
【0054】
STEP3;
不良削除装置20の制御シーケンサ24は、モニタ分類システム10から通知されたX
座標(ワーク流れ方向)[mm]及びY座標(ワーク幅方向)[mm]に基づいて、巻き出し部からワーク21を搬送し、これらXY座標で示される欠陥22の位置が、不良削除装置20内の不良削除ポジション位置に来た時点で、この搬送を停止する。
【0055】
STEP4;
図4に示すように、作業者は、不良削除ポジション位置に停止した欠陥22を、マイクロスコープ13で撮像する。
【0056】
STEP5;
モニタ分類システム10のパソコン12は、マイクロスコープ13で撮像されて得られた欠陥画像を、タッチパネルモニタ11に表示する。
【0057】
STEP6;
作業者は、タッチパネルモニタ11に表示された欠陥画像を目視で確認し、欠陥の不良モードを判定する。
【0058】
STEP7;
作業者は、判定した不良モードの名称を、タッチパネルモニタ11に入力する。
【0059】
STEP8;
モニタ分類システム10のパソコン12は、品質情報収集分析サーバ2に、不良削除装置20に取り付けられたワーク21のワークIDと、このワークIDと組の欠陥データと、マイクロスコープ13で撮像されて得られた欠陥画像と、入力された不良モードの名称との組を、品質情報収集分析サーバ2に送る。
【0060】
STEP9;
作業者は、必要に応じてカッターナイフ等を用いて欠陥の削除(ワーク21の削除、連結作業)を行う。
【0061】
以下のSTEP1〜4に、弁別条件更新処理の流れの例を説明する。
【0062】
STEP1;
品質情報収集分析サーバ2は、モード分類システム20のパソコン12から、不良削除装置20に取り付けられたワーク21のワークIDと、このワーク21のワークIDと組の欠陥データと、この欠陥データにより特定される欠陥22をマイクロスコープ13で撮像して得た欠陥画像と、この欠陥画像から判定された欠陥の不良モードの名称との組を受け取り、このワークID及び欠陥データと組にして、この欠陥画像と、この名称とを、それぞれ、欠陥画像(マイクロスコープ画像)、モード名称として、欠陥テーブルに保存する。
【0063】
STEP2;
品質情報収集分析サーバ2は、モード分類システム20のパソコン12から受け取った欠陥データ及び不良モードの名称の組から、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードの数を集計し、各度数分布テーブルにおいて、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数に、それぞれ集計して得た数だけ加えることにより、各度数分布テーブルを更新する。
【0064】
STEP3;
品質情報収集分析サーバ2は、モード分類システム20のパソコン12から受け取った欠陥データ及び不良モードの名称の組の数をカウントし、カウントして得た数を、全欠陥
数に加えることにより、全欠陥数を更新する。
【0065】
STEP4;
品質情報収集分析サーバ2は、各度数分布テーブルから、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数を読み出し、読み出した個数の全欠陥数に対する百分率を計算することで、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を求め、各確率分布テーブルにおいて、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を、求めた確率で更新することで各確率分布テーブルを更新することにより、弁別条件を更新する。
【0066】
全欠陥数が50のとき、図5に示す度数分布テーブルに基づいて確率分布テーブルを更新すると、図4に示すものになる。
【0067】
尚、上記弁別条件更新処理は、品質情報収集分析サーバ2が、モード分類システム20のパソコン12から、不良削除装置20に取り付けられたワーク21のワークIDと、このワーク21のワークIDと組の欠陥データと、この欠陥データにより特定される欠陥22をマイクロスコープ13で撮像して得た欠陥画像と、この欠陥画像から判定された欠陥の不良モードの名称との組を受け取る度に、繰り返し行われる。
【0068】
以下のSTEP1〜4に、自動欠陥弁別処理の流れの例を説明する。
【0069】
STEP1;
品質情報収集分析サーバ2は、自動欠陥検査装置30、40、50の検査装置パソコン34、44、54から、それぞれ、検査を行ったワーク31、41、51を識別するワークIDと、そのワークから検出された欠陥データとの組みを受け取り、このワークIDと、この欠陥データとの組みを、欠陥テーブルに保存する。
【0070】
STEP2;
品質情報収集分析サーバ2は、受け取った欠陥データに含まれる各欠陥特徴量の値が、弁別条件の各確率分布テーブルにおける欠陥特徴量の値の範囲の何れに含まれるかを確かめ、含まれる範囲に対する各不良モードの確率を弁別条件の各確率分布テーブルから読み出し、読み出した各確率を、各不良モードについて、受け取った欠陥データに含まれる欠陥特徴量ごとの確率とすることにより、図7に示すような、各不良モードについて、受け取った欠陥データに含まれる欠陥特徴量ごとの確率を求める。
【0071】
図7に示すテーブルでは、各不良モードについて、Y座標(ワーク幅方向)[mm]の確率は、図5に示す確率分布テーブルにおける区間1500−1550のものである。
【0072】
STEP3;
品質情報収集分析サーバ2は、図8に示すように、各不良モードについて、受け取った欠陥データに含まれる各欠陥特徴量ごとの確率を合計して、不良モードごとの確率を求め、最も確率の高い不良モードを、受け取った欠陥データから弁別条件により判定した欠陥の不良モードとする。
【0073】
図8に示すテーブルは、図7に示すテーブルにおいて、各不良モードついて欠陥特徴量ごとの確率を合計したものも保存したものである。
【0074】
STEP4;
品質情報収集分析サーバ2は、受け取った欠陥データから弁別条件により判定した欠陥の不良モードの名称を、受け取ったワークID及び欠陥データと組にして、自動欠陥弁別
結果として、欠陥テーブルに保存する。
【0075】
尚、上記自動欠陥弁別処理は、品質情報収集分析サーバ2が、自動欠陥検査装置30、40、50の検査装置パソコン34、44、54から、それぞれ、検査を行ったワーク31、41、51を識別するワークIDと、そのワークから検出された欠陥データとの組みを受け取る度に繰り返される。
【符号の説明】
【0076】
1…ネットワーク
2…品質情報収集分析サーバ
3…データベース
10…モード分類システム
11…タッチパネルモニタ
12…パソコン
13…マイクロスコープ
20…不良削除装置(不良削除ポジション部分)
21…ワーク
22…欠陥
23…不良削除用ワーク固定治具
24…制御シーケンサ
30…自動欠陥検査装置
31…ワーク
32…モノクロラインCCDセンサ
33…光源
34…検査装置パソコン
40…自動欠陥検査装置
41…ワーク
42…モノクロラインCCDセンサ
43…光源
44…検査装置パソコン
50…自動欠陥検査装置
51…ワーク
52…モノクロラインCCDセンサ
53…光源
54…検査装置パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁別条件を保存し、ワークを検査して得た欠陥データと弁別条件とに基づいて欠陥の不良モードを弁別するシステムであって、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データにより、不良削除装置に欠陥を特定させる手段と、
特定された欠陥を作業者に撮像させる手段と、
撮像により得られた欠陥画像を表示して、作業者に、欠陥画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させる手段と、
特定された欠陥の欠陥データと、入力された不良モードとに基づいて弁別条件を更新する手段とを備えることを特徴とする学習型欠陥弁別処理システム。
【請求項2】
モード分類システムと品質情報収集分析サーバとを備え、
モード分類システムは、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データを品質情報収集分析サーバに要求することにより品質情報収集分析サーバから受け取って、不良削除装置に欠陥を特定させ、特定された欠陥を作業者に撮像させ、撮像により得られた欠陥画像を表示して、作業者に、欠陥画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させ、欠陥データと不良モードとの組を品質情報収集分析サーバに送る手段を有し、
品質情報収集分析サーバは、
欠陥特徴量の値の範囲ごとに欠陥の各不良モードが発生する確率の分布である弁別条件と、欠陥特徴量の値の範囲ごとに作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数の分布である度数分布と、作業者が判定した欠陥の全個数である全欠陥数とを保存する手段と、
自動欠陥検査装置からワークを検査して得た欠陥データを受け取る度に、欠陥データを保存すると同時に、欠陥データに含まれる各欠陥特徴量の値が、弁別条件における欠陥特徴量の値の範囲の何れに含まれるかを確かめ、含まれる範囲に対する各不良モードの確率を不良モードごとに合計して、最も確率の高い不良モードを、欠陥の不良モードとすることを繰り返す手段と、
モード分類システムからの要求に応じて、不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データを検索してモード分類システムに送る手段と、
モード分類システムから、欠陥データと不良モードとの組を受け取る度に、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードの数を集計し、度数分布において、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数に、それぞれ集計して得た数だけ加えることにより、度数分布を更新し、欠陥データと不良モードとの組の数をカウントし、カウントして得た数を、全欠陥数に加えることにより、全欠陥数を更新し、度数分布から、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数を読み出し、読み出した個数の全欠陥数に対する百分率を計算することで、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を求め、弁別条件において、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を、求めた確率で更新することを繰り返す手段とを有することを特徴とする学習型欠陥弁別処理システム。
【請求項3】
弁別条件を保存し、ワークを検査して得た欠陥データと弁別条件とに基づいて欠陥の不良モードを弁別するシステムが実行する方法であって、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データにより、不良削除装置に欠陥を特定させる工程と、
特定された欠陥を作業者に撮像させる工程と、
撮像により得られた欠陥画像を表示して、作業者に、欠陥画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させる工程と、
特定された欠陥の欠陥データと、入力された不良モードとに基づいて弁別条件を更新する工程とを含むことを特徴とする学習型欠陥弁別処理方法。
【請求項4】
モード分類システムと品質情報収集分析サーバとを備えるシステムが実行する方法であって、
モード分類システムは、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データを品質情報収集分析サーバに要求することにより品質情報収集分析サーバから受け取って、不良削除装置に欠陥を特定させ、特定された欠陥を作業者に撮像させ、撮像により得られた欠陥画像を表示して、作業者に、欠陥画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させ、欠陥データと不良モードとの組を品質情報収集分析サーバに送る工程を行い、
品質情報収集分析サーバは、
欠陥特徴量の値の範囲ごとに欠陥の各不良モードが発生する確率の分布である弁別条件と、欠陥特徴量の値の範囲ごとに作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数の分布である度数分布と、作業者が判定した欠陥の全個数である全欠陥数とを保存する工程と、
自動欠陥検査装置からワークを検査して得た欠陥データを受け取る度に、欠陥データを保存すると同時に、欠陥データに含まれる各欠陥特徴量の値が、弁別条件における欠陥特徴量の値の範囲の何れに含まれるかを確かめ、含まれる範囲に対する各不良モードの確率を不良モードごとに合計して、最も確率の高い不良モードを、欠陥の不良モードとすることを繰り返す手段と、
モード分類システムからの要求に応じて、不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データを検索してモード分類システムに送る工程と、
モード分類システムから、欠陥データと不良モードとの組を受け取る度に、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードの数を集計し、度数分布において、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数に、それぞれ集計して得た数だけ加えることにより、度数分布を更新し、欠陥データと不良モードとの組の数をカウントし、カウントして得た数を、全欠陥数に加えることにより、全欠陥数を更新し、度数分布から、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数を読み出し、読み出した個数の全欠陥数に対する百分率を計算することで、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を求め、弁別条件において、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を、求めた確率で更新することを繰り返す工程とを行うことを特徴とする学習型欠陥弁別処理方法。
【請求項5】
弁別条件を保存し、ワークを検査して得た欠陥データと弁別条件とに基づいて欠陥の不良モードを弁別するシステムに、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データにより、不良削除装置に欠陥を特定させる工程と、
特定された欠陥を作業者に撮像させる工程と、
撮像により得られた欠陥画像を表示して、作業者に、欠陥画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させる工程と、
特定された欠陥の欠陥データと、入力された不良モードとに基づいて弁別条件を更新する工程とを実行させることを特徴とする学習型欠陥弁別処理プログラム。
【請求項6】
モード分類システムに、
不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データを品質情報収集分析サーバに要求することにより品質情報収集分析サーバから受け取って、不良削除装置に欠陥を特定させ、特定された欠陥を作業者に撮像させ、撮像により得られた欠陥画像を表示して、作業者に、欠陥画像を目視させることにより、特定された欠陥の不良モードを判定させて入力させ
、欠陥データと不良モードとの組を品質情報収集分析サーバに送る工程を実行させるモード分類プログラムと、
品質情報収集分析サーバに、
欠陥特徴量の値の範囲ごとに欠陥の各不良モードが発生する確率の分布である弁別条件と、欠陥特徴量の値の範囲ごとに作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数の分布である度数分布と、作業者が判定した欠陥の全個数である全欠陥数とを保存する工程と、
自動欠陥検査装置から欠陥データを受け取る度に、欠陥データを保存すると同時に、欠陥データに含まれる各欠陥特徴量の値が、弁別条件における欠陥特徴量の値の範囲の何れに含まれるかを確かめ、含まれる範囲に対する各不良モードの確率を不良モードごとに合計して、最も確率の高い不良モードを、欠陥の不良モードとすることを繰り返す手段と、
モード分類システムからの要求に応じて、不良削除装置に取り付けられたワークの欠陥データを検索してモード分類システムに送る工程と、
モード分類システムから、欠陥データと不良モードとの組を受け取る度に、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードの数を集計し、度数分布において、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数に、それぞれ集計して得た数だけ加えることにより、度数分布を更新し、欠陥データと不良モードとの組の数をカウントし、カウントして得た数を、全欠陥数に加えることにより、全欠陥数を更新し、度数分布から、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、作業者が欠陥の各不良モードが発生したと判定した個数を読み出し、読み出した個数の全欠陥数に対する百分率を計算することで、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を求め、弁別条件において、欠陥特徴量の値の範囲ごとに、欠陥の各不良モードが発生する確率を、求めた確率で更新することを繰り返す工程とを実行させる品質情報収集分析プログラムとを含むことを特徴とする学習型欠陥弁別処理プログラム。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−83128(P2012−83128A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227354(P2010−227354)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】