説明

学習支援方法、学習支援プログラム、学習支援システムおよび学習支援装置

【課題】一般家庭に普及しているPCを用いて、リアルタイム性に優れた学習支援方法、学習支援プログラム、学習支援システムおよび学習支援装置を提供することを目的とする。
【解決手段】学習支援装置2と、学習者が使用する学習者端末と、講師が使用する講師端末とを有し、学習支援装置2が、少なくとも講師の学習支援システムへのアクセス状態を記憶した講師プレゼンス状態管理テーブル220を保持し、学習者端末から、講師のアクセス状態の確認要求があると、講師プレゼンス状態管理テーブル220を参照して、講師のアクセス状態を学習者端末に表示させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、学習支援方法、学習支援プログラム、学習支援システムおよび学習支援装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットなどのPC(Personal Computer)間のネットワークを利用した学習支援システムが、PCの普及と共に利用が拡大している。
このような学習支援システムの中には、学校での授業を補助するツールとして、講師と、学習者とが同じ場所で同時に利用する授業支援システム(例えば、特許文献1参照)や、TV会議のような双方向通信によって講師と、学習者とがリアルタイムにやりとりできる教育サービスシステム(例えば、特許文献2参照)などが提示されている。
また、電子メール(以下、メールと記載)を用いて、講師および学習者が、都合のよい時間に質問や回答のやりとりができる学習システム(例えば、特許文献3参照)や、受講者が操作しているWebクライアントに、実習のためのアプリケーション・ソフトウェアなどをダウンロードすることによって、遠隔地でも受講者が実習などを受けることができる遠隔教育システム(例えば、特許文献4参照)などが提示されている。
さらに、ユーザ(学習者)から寄せられた質問を各講師に均等化するよう効率的に自動配分することができる質問回答処理装置(例えば、特許文献5参照)なども提示されている。
【特許文献1】特開2002−72850号公報(請求項1)
【特許文献2】特開2003−6348号公報(段落0028〜段落0035)
【特許文献3】特開2001−296788号公報(段落0020〜段落0026)
【特許文献4】特開2001−290411号公報(段落0023〜段落0028)
【特許文献5】特開2003−216014号公報(請求項1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、学習においては、一般的に講師と、学習者とが質問や回答などのやり取りを行えることが望ましいが、前記した特許文献1〜特許文献5に記載の技術のうち、特許文献1に記載の授業支援システムと、特許文献4に記載の遠隔教育システムとは、システムを介することによって、講師および学習者の間で、質問や回答などの、いわば双方向のやりとりを行うことに関して考慮されていない。
特許文献2に記載されているようなTV会議システムを、学習システムに適用した遠隔教育システムでは、リアルタイム性に優れているものの、学習者は、特別な装置を設置する必要がある。
また、特許文献3に記載の学習システムにおいて、学習者は、メールによって自らの疑問を講師に問いかけることができるものの、メールによる質問の回答は、数日後であることが一般的である。質問に対する回答を得られないと、学習を先に進めないような状況にある場合は、不適であることがある。すなわち、特許文献3に記載の学習システムでは、リアルタイム性に関する考慮がなされていない。同様に、特許文献5に記載の質問回答処理装置も、リアルタイム性に関する考慮がなされていない。
【0004】
このような課題に鑑みて、本発明は、学習者が、特別な装置を用いることなく、一般家庭に普及しているPCを用いて、リアルタイム性に優れた学習支援方法、学習支援プログラム、学習支援システムおよび学習支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した課題を解決するため、本発明は、学習支援装置と、学習者が使用する少なくとも1台の学習者端末と、講師が使用する少なくとも1台の講師端末とが相互に接続しており、学習支援装置は、少なくとも講師の学習支援システムへのアクセス状態を記憶した講師プレゼンス状態管理テーブルを保持し、学習者端末から、講師のアクセス状態の確認要求があると、講師プレゼンス状態管理テーブルを参照して、講師のアクセス状態を学習者端末に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
講師プレゼンス状態管理テーブルによって、講師のシステムへのアクセス状態を確認可能とすることができる。これにより、学習者が、特別な装置を用いることなく、一般家庭に普及しているPCを用いて、リアルタイム性に優れた学習支援方法、学習支援プログラム、学習支援システムおよび学習支援装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ、本実施形態の説明を行う。なお、本実施形態において、電子メールを「メール」と記載することとする。
【0008】
図1は、本実施形態に係る学習支援システムの構成例を示す図である。
学習支援システム1は、学習支援サーバ2(学習支援装置)と、複数の学習者端末3と、複数の講師端末4と、ネットワーク5とを有してなる。
学習支援サーバ2は、講師や、学習者の学習支援システム1へのアクセス状態(以下、アクセス状態と記載)などに関する情報である講師プレゼンス情報や、学習者プレゼンス情報などを講師プレゼンス状態管理テーブルや、学習者プレゼンス状態管理テーブルとして保持している。そして、学習支援サーバ2は、学習者端末3から、講師のアクセス状態の確認要求があると、講師プレゼンス状態管理テーブル220を参照して、アクセスしている講師に関する情報を学習者端末3に表示させる機能を有する。また、学習支援サーバ2は、教材情報などを有しており、学習者端末3に教材情報を提供すると同時に、学習者端末3と、講師端末4との間の質問のやりとりなどを仲介する機能などを有する。
【0009】
学習者端末3は、講師のアクセス状態の確認要求を行い、学習支援サーバ2から送られた情報を基に、アクセスしている講師のアクセス状態を表示する機能を有する。また、学習者端末3は、学習支援サーバ2に対して、教材情報の要求を行い、学習支援サーバ2から送信されてきた教材情報を表示する機能や、講師に対する質問を学習支援サーバ2へ送信する機能などを有する。
講師端末4は、学習者のアクセス状態の確認要求を行い、学習支援サーバ2から送られた情報を基に、アクセスしている学習者のアクセス状態を表示する機能を有する。また、講師端末4は、学習者から送信されてきた質問に対する回答を、学習支援サーバへ送信する機能などを有する。
ネットワーク5は、WAN(Wide Area Network)などからなり、学習支援サーバ2と、学習者端末3と、講師端末4とを相互に接続している。
【0010】
次に、図1を参照しつつ、図2に沿って学習支援サーバ2の構成を説明する。
図2は、本実施形態に係る学習支援サーバの構成例を示す機能ブロック図である。
学習支援サーバ2は、学習者側処理部201、講師側処理部202、アクセス制御部203(通信制御部)、回答DB(Data Base)204、学習履歴管理部205、学習履歴DB206、教材読出制御部207、教材DB208、FAQ作成部209、質問履歴作成部210、質問処理部211、回答処理部212、質問DB213、質問状態管理テーブル214、学習者プレゼンス表示部215、講師プレゼンス表示部216、講師自動選択処理部217、プレゼンス制御部218、学習者プレゼンス状態管理テーブル219、講師プレゼンス状態管理テーブル220、ソフトフォン制御部221、チャット制御部222、メール制御部223およびNW(Network)インタフェース224を有してなる。
【0011】
学習者側処理部201は、学習者端末3へ送信する教材画面などの作成や、送信などの機能を有する。
講師側処理部202は、講師端末4へ送信する講師管理画面などの作成や、送信などの機能を有する。
アクセス制御部203は、学習支援システム1(図1参照)へアクセスしてきた学習者や、講師の認証や、承認や、ログアウトに関する処理などを行う機能を有する。
学習履歴管理部205は、学習者の過去および現在の学習位置(具体的には、教材位置)を記録した学習履歴データが記憶されている学習履歴DB206から、学習履歴データを読み出すなどの機能を有する。教材位置とは、例えば、「第1章2節 P.3」などといったように、教材の位置を決定する情報である。本実施形態では、コースと、教材位置とが組み合わされることによって、教材における学習箇所が特定される
教材読出制御部207は、教材に関するデータである教材データが記憶されている教材DB208から、教材データを読み出すなどの機能を有する。
【0012】
質問DB213には、主にメールによる学習者からの質問のデータである質問データが記憶されている。
質問状態管理テーブル214は、図5を参照して後記する。
FAQ(Frequently Asked Question)作成部は、質問DB213および回答DB204を参照して、FAQに関するデータ(FAQデータ)を作成する機能を有する。
質問履歴作成部210は、質問DB213を参照して、質問履歴データを作成する機能を有する。
質問処理部211は、質問状態管理テーブル214を取得し、質問画面を作成して、学習者端末3へ送るなどの機能を有する。
回答処理部212は、質問DB213から質問に関するデータ(主に、メール質問データ)を取得し、メール回答画面などを作成して、講師端末4へ送るなどの機能を有する。
【0013】
学習者プレゼンス表示部215は、例えば、保守管理などのときに、学習支援サーバ2の図示しない表示部などに学習者プレゼンス状態管理テーブル219の内容を表示させるなどの機能を有する。
同様に、講師プレゼンス表示部216は、例えば、保守管理などのときに、学習支援サーバ2の図示しない表示部などに講師プレゼンス状態管理テーブル220の内容を表示させるなどの機能を有する。
講師自動選択処理部217は、学習者からの要求に伴い、質問の送信先として最適な講師を選択する機能を有する。
プレゼンス制御部218は、講師プレゼンス状態管理テーブル220および学習者プレゼンス状態管理テーブル219を取得したり、学習者端末3や、講師端末4から送信される、学習者や、講師のアクセス情報である学習者プレゼンス情報および講師プレゼンス情報を受信し、これらの情報を基に、講師プレゼンス状態管理テーブル220や、学習者プレゼンス状態管理テーブル219の更新を行ったりするなどの機能を有する。
【0014】
講師プレゼンス状態管理テーブル220および学習者プレゼンス状態管理テーブル219は、それぞれ図3および図4を参照して、後記する。
ソフトフォン制御部221は、学習者端末3と、講師端末4との間を通話可能にし、ソフトフォンによる通話の制御を行う機能を有する。
チャット制御部222は、学習者端末3と、講師端末4との間をチャット可能にし、チャットによる双方向通信の制御を行う機能を有する。
メール制御部223は、メールによる質問や、回答を受信し、質問DB213や、回答DB204へ格納する機能を有する。
NWインタフェース224は、前記した学習支援サーバ2の各部201〜223と、ネットワーク5とを接続し、学習者端末3や、講師端末4と、学習支援サーバ2とを接続する機能を有する。
なお、請求項における処理部は、学習支援サーバ2における各部201,202,205〜212,215〜218,221〜223を指す。
【0015】
学習支援サーバ2の各部201〜203,205,207,209〜212,215〜218,221〜223は、図示しないHD(Hard Disk)や、図示しないROM(Read Only Memory)に記憶された学習支援プログラムが、図示しないRAM(Random Access Memory)などに展開され、図示しないCPU(Central Processing Unit)によって実行されることによって具現化する。
なお、本実施形態では、学習支援サーバ2の各部201〜203,205,207,209〜212,215〜218,221〜223は、同一の学習支援サーバ2内に搭載されているが、これに限らず、例えば、後記する学習者側処理を行う処理部と、講師側処理を行う処理部とを、異なる学習支援サーバ2に搭載させてもよい。
【0016】
また、回答DB204、学習履歴DB206、教材DB208、質問状態管理DB、学習者プレゼンス状態管理テーブル219および講師プレゼンス状態管理テーブル220は、HDなどの記憶装置(記憶部)に記憶されている。また、本実施形態において、回答DB204、学習履歴DB206、教材DB208、質問状態管理DB、学習者プレゼンス状態管理テーブル219および講師プレゼンス状態管理テーブル220を記憶する記憶装置は、学習支援サーバ2と一体であるが、これに限らず、学習支援サーバ2とは別の装置(例えば、データベースなど)としてもよい。
【0017】
図3は、本実施形態に係る講師プレゼンス状態管理テーブルの構成例を示す図である。
講師プレゼンス状態管理テーブル220は、講師ID301、講師名302、担当コースID303、講師プレゼンス情報304、対応中質問数305、メールアドレス306およびソフトフォンナンバ307などを有してなる。
講師ID301は、同一の学習支援システム1(図1)中において、各講師に対しユニークに割り当てられている識別番号である。講師名302は、この講師ID301に対応する講師名302であり、担当コースID303は、この講師の担当コースのコースIDである。コースIDは、教材のコースに対し、ユニークに割り当てられている識別番号である。
【0018】
講師プレゼンス情報304は、講師のアクセスの有無、または質問に対する対応の可否などの情報が記述されている。対応中質問数305は、該当する講師のところに来ている質問の数である。そして、講師のメールアドレス306、ソフトフォンナンバ307が、講師プレゼンス状態管理テーブル220に記述されている。
【0019】
図4は、本実施形態に係る学習者プレゼンス状態管理テーブルの構成例を示す図である。
学習者プレゼンス状態管理テーブル219は、学習者ID401、学習者名402、学習コースID403、学習者プレゼンス情報404、学習位置405、メールアドレス406およびソフトフォンナンバ407などを有してなる。
学習者ID401は、同一の学習支援システム1(図1)中において、各学習者に対しユニークに割り当てられている識別番号である。学習者名402は、この学習者ID401に対応する学習者名402であり、学習コースID403は、この学習者が、現在学習しているコースのコースIDである。
学習者プレゼンス情報404は、学習者のアクセスの有無、または学習中であるか、席を離れている離席中であるかなどの情報が記述されている。
【0020】
学習位置405は、コースID(図4では、学習コースID403)と組み合わされることによって、学習箇所を指定する情報である。
そして、学習者のメールアドレス406およびソフトフォンナンバ407が、学習者プレゼンス状態管理テーブル219に記述されている。
【0021】
図5は、本実施形態に係る質問状態管理テーブルの構成例を示す図である
質問状態管理テーブル214は、質問ID501、質問日時502、学習者ID503、コースID504、教材位置505、状態506、回答日時507および担当講師ID508を有してなる。
質問ID501は、質問に対してユニークに割り当てられる識別番号である。質問日時502は、例えば、学習支援サーバ2が、該当する質問を受信した日時などである。学習者ID503は、質問を送った学習者のIDである。コースID504は、質問に該当するコースのIDであり、教材位置505は、質問が行われた教材位置505である。状態506は、「回答待ち」や、「回答済み」などの質問に対する回答状態が記述される。そして、回答日時507は、回答が行われた日時であり、担当講師ID508は、回答を行った講師のIDである。
【0022】
次に、図1〜図5を参照しつつ、図6〜図17に沿って、本実施形態に係る学習支援方法の流れを説明する。
図6は、本実施形態に係る学習支援サーバでの学習者側処理の流れを示すフローチャートである。
なお、以降の説明において、学習支援サーバ2と、学習者端末3と、講師端末4との間の通信は、ネットワーク5を介して行うものとする。さらに、ネットワーク5を介して、学習支援サーバ2に送信された学習者端末3や、講師端末4からの情報は、NWインタフェース224を介した後、学習支援サーバ2内の各部201〜203,205,207,209〜212,215〜218,221〜223へ送られる。
まず、アクセス制御部203が、学習支援サーバ2にアクセスしてきた学習者端末3の認証および承認の処理を行う(S101)。学習者端末3の認証および承認処理は、学習者端末3から送信されてきた学習者IDと、パスワードとを基に行う。なお、このとき学習者端末3から送信されてきた情報が、請求項における「講師のアクセス状態の確認要求」である。
次に、プレゼンス制御部218が、学習者端末3から送信されてきた学習者プレゼンス情報を受信する(S102)。学習者プレゼンス情報は、例えば、学習者端末3に表示されている学習者プレゼンス情報入力画面(図示せず)の学習者プレゼンス情報入力プルダウンメニューで選択された学習者プレゼンス情報(アクセス中・学習中など)が、学習支援サーバ2へ送られるなどすることにより、取得される。
【0023】
次に、学習履歴管理部205が、学習履歴DB206から学習履歴データを取得する(S103)。
そして、学習者側処理部201が、取得した学習者IDを、図示しないID−氏名対応テーブルを参照することによって、学習者名を特定する。さらに、プレゼンス制御部218が、学習履歴データからコースIDおよび学習位置を特定した後、学習者ID、学習者名、プレゼンス情報、コースIDおよび学習位置を学習者プレゼンス状態管理テーブル219に書き込むことによって、学習者プレゼンス状態管理テーブル219を更新する(S104)。
【0024】
なお、初めて学習支援システム1を利用する学習者に対しては、学習者側処理部201が、学習者端末3にコース入力画面(図示せず)を表示させてもよい。この場合、学習者が、学習したいコース名を入力することで、学習者端末3が、このコース名を、図示しないコース名−コースID対応テーブルを参照して変換した後、該当するコースIDを学習支援サーバ2に送信する。そして、学習支援サーバ2が、送られてきたコースIDの教材における最初のページを学習位置として、学習履歴データおよび学習者プレゼンス状態管理テーブル219に書き込んでもよい。
そして、2回目以降の利用に関しては、ステップS103およびステップS104のように、学習履歴データを基にコースIDと学習位置とを特定してもよい。
【0025】
次に、教材読出制御部207は、特定したコースIDおよび学習位置を基に、教材DB208から該当する教材データを検索し、この教材データを取得する(S105)。
次に、プレゼンス制御部218が、取得したコースIDをキーとして、講師プレゼンス状態管理テーブル220を取得した(S106)後、取得した講師プレゼンス状態管理テーブル220を基に、ステップS104の前で特定したコースIDに該当する担当講師の講師名と、講師プレゼンス情報とを取得する。
そして、学習者側処理部201は、取得した学習者名、教材データおよび講師プレゼンス情報を基に、教材画面を作成し、作成した教材画面をアクセス元の学習者端末3へ送信する(S107)。
また、ここで、作成した教材画面に学習者プレゼンス情報入力プルダウンメニューを表示させて、学習者が、この学習者プレゼンス情報入力プルダウンメニューで選択した学習者プレゼンス情報を、プレゼンス制御部218が取得した後、ステップS104と同様に学習者プレゼンス状態管理テーブル219の更新を行ってもよい。
【0026】
さらに、質問処理部211が、学習者端末3からの質問データを受信したか否かを判定することによって、学習者からの質問要求があるか否かを判定する(S108)。具体的には、学習者端末3から、後記する図7に示す教材画面601上のメール質問ボタン605、チャット質問ボタン606、またはソフトフォン質問ボタン608のいずれかが押下された旨の情報を、学習支援サーバ2が受信したか否かを、質問処理部211が、判定することによって、学習者からの質問要求があるか否かを判定する。
ステップS108において、学習者からの質問要求があると判定された場合(S108→Yes)、学習支援サーバ2が、学習者質問処理を行った(S109)後、学習支援サーバ2は、ステップS106へ処理を戻す。学習者質問処理の内容は、図8を参照して後記する。
ステップS108において、学習者からの質問要求がないと判定された場合(S108→No)、学習者側処理部201が、回答閲覧を行うか否かを判定する(S110)。回答閲覧を行うか否かは、学習者端末3において、図7を参照して後記する教材画面601の質問回答ボタン607が、マウスなどで押下されると、学習者端末3から、回答閲覧要求が、学習支援サーバ2へ送られる。学習処理部は、この回答閲覧要求を受信した場合、回答閲覧を行うと判定し(S110→Yes)、受信していない場合、回答閲覧を行わないと判定する(S110→No)。
【0027】
ステップS110において、回答閲覧を行う場合(S110→Yes)、学習者側処理部201が、学習者IDをキーとして、回答DB204を検索し、該当する学習者ID宛の回答データを取得する。そして、この回答データを用いて、図示しない回答画面を作成し、アクセス元の学習者端末3へ送信する(S111)。なお、このとき、回答DB204に該当する学習者ID宛の回答がない場合は、「回答なし」のポップアップ画面などを学習者端末3へ送信する。
ステップS110において、回答閲覧を行わない場合(S110→No)、学習者側処理部201は、ステップS112へ処理を移行する。
【0028】
アクセス制御部203が、学習者端末3からの接続が切断されたか否かなどを判定することによって、学習者端末3がログアウトしたか否かを判定する(S112)。具体的には、図7を参照して後記する終了ボタン612が押下されたか否かで、学習者端末3がログアウトしたか否かを判定する。
ステップS112において、ログアウトしていないと判定された場合(S112→No)、学習支援サーバ2は、ステップS105へ処理を戻し、例えば、教材読出制御部207が、次ページの教材データを取得する。
ステップS112において、ログアウトしたと判定された場合(S112→Yes)、プレゼンス制御部218が、学習者プレゼンス状態管理テーブル219の該当する学習者プレゼンス情報404を「不在」に更新した(S113)後、学習者側処理を終了する。
【0029】
図7は、学習者端末における教材画面の画面例を示す図である。
図7の教材画面601は、図6のステップS107で学習支援サーバ2の学習処理部が、作成した後、学習者端末3に送られることによって、学習者端末3に表示される画面である。
教材画面601は、講師プレゼンス情報表示エリア602と、学習者プレゼンス情報入力エリア603と、教材表示エリア604と、メール質問ボタン605と、チャット質問ボタン606と、ソフトフォン質問ボタン608と、質問回答ボタン607、FAQ表示ボタン609と、前ページボタン610と、次ページボタン611と、終了ボタン612とを有してなる。
【0030】
講師プレゼンス情報表示エリア602は、ステップS104の前で特定したコースIDと、ステップS107で取得した講師プレゼンス状態管理テーブル220とを基に、講師プレゼンス情報304が、アクセス中である講師名が一覧で表示される。さらに、講師プレゼンス状態管理テーブル220を基に、該当する担当講師のアクセス状態や、質問に対する対応状態などの講師プレゼンス情報が表示される。
学習者プレゼンス情報入力エリア603には、学習者が、アクセス中であるか否か、あるいは学習中であるか否かなどといった学習者プレゼンス情報が、プルダウンメニューとして選択可能に表示される。学習者が、このプルダウンメニューによって選択した学習者プレゼンス情報が、学習支援サーバ2に送られる(図6のステップS103に相当)。
教材表示エリア604は、図6のステップS105で取得された教材データの内容が表示される。教材表示エリア604の上部には、コース名や、教材位置の情報などが表示される。
【0031】
メール質問ボタン605は、図10を参照して説明するメール質問画面801を起動するボタンである。チャット質問ボタン606は、図11を参照して説明するチャット質問画面901を起動するボタンであり、ソフトフォン質問ボタン608は、図12を参照して説明するソフトフォン質問画面1001を起動するボタンである。メール質問ボタン605、チャット質問ボタン606またはソフトフォン質問ボタン608が、押下されることによって、質問要求および質問形式の情報が、学習支援サーバ2へと送信され、図6のステップS108や、後記する図8のステップS207の判定材料となる。
【0032】
質問回答ボタン607は、例えば、学習者が質問した内容に関する回答が、講師から送られている場合は、点滅などして、学習者に講師からの回答の有無を知らせる。質問回答ボタン607の点滅中に、学習者が、マウスなどによってこの質問回答ボタン607を押下すると、回答閲覧の情報が、学習支援サーバ2へ送られ、学習支援サーバ2で回答画面が作成される(図6のステップS110およびステップS111に相当)。
FAQ表示ボタン609が、マウスなどを用いることで学習者によって押下されると、図8のステップS203の処理が行われ、図示しないFAQ画面が学習者端末3に表示される。
前ページボタン610が、マウスなどを用いることで学習者によって押下されると、教材表示エリア604に表示されている教材が、前のページに移動し、次ページボタン611が、学習者によって押下されると、教材表示エリア604に表示されている教材が、次のページへ移動する。
終了ボタン612が、学習者によって押下されると、教材画面601が閉じる(図6のステップS112)。
【0033】
図8は、本実施形態に係る学習支援サーバでの学習者質問処理の流れを示すフローチャートである。学習者質問処理は、図6のステップS109における処理である。
まず、質問処理部211が、質問状態管理テーブル214を取得する(S201)。
そして、質問履歴作成部210が、学習者IDをキーとして、質問DB213を参照し、質問履歴データを作成した後、質問履歴画面1101(図13参照)を作成し、作成した質問履歴画面1101をアクセス元の学習者端末3へ送信する(S202)。質問履歴画面1101は、図13を参照して後記する。
次に、FAQ作成部209が、質問DB213を参照してFAQデータを作成し、図示しないFAQ一覧画面を作成し、アクセス元の学習者端末3へ送信する(S203)。このとき、作成する画面は、FAQ一覧画面ではなく、一覧形式ではないFAQを表示するFAQ画面でもよい。また、ステップS202およびステップS203の処理は、省略してもよい。
次に、質問処理部211は、学習者端末3から送られてきた講師選択情報を基に、講師の自動選択処理を行うか否かを判定する(S204)。具体的には、例えば、学習者端末3において表示されている教材画面601(図7参照)における講師選択プルダウンメニュー(図示せず)で、「自動」が選択されている場合、学習者端末3は、その旨の講師選択情報を学習支援サーバ2へ送り、質問処理部211は、ステップS204で講師の自動選択を行うと判定する。教材画面601(図7参照)における、図示しない講師選択プルダウンメニューにおいて、特定の講師名が選択されている場合、学習者端末3は、選択された講師名を含む講師選択情報を学習支援サーバ2へ送り、質問処理部211は、講師の自動選択を行わないと判定する。
ステップS204における判定の結果、自動選択を行うと判定された場合(S204→Yes)、質問処理部211は、講師自動選択処理を行った(S205)後、質問処理部211は、ステップS207へ処理を移行する。講師自動選択処理の内容は、図9を参照して後記する。
ステップS204における判定の結果、自動選択を行わないと判定された場合(S204→No)、質問処理部211は、講師選択情報に含まれている講師IDを取得する(S206)。講師IDの取得は、例えば、送信された講師選択情報に含まれる講師名に対し、質問処理部211は、図示しないID−氏名対応テーブルを参照して、講師名を講師IDへ変換するなどの処理を行って取得する。そして、質問処理部は、ステップS205またはステップS206で、選択された講師IDを、図示しないID−氏名対応テーブルを参照することによって、講師名へと変換し、例えば、学習者端末3の図示しない質問先講師名表示画面に表示させたり、図10や図11で後記する質問先講師名表示エリア806に表示させたりしてもよい。
【0034】
次に、質問処理部211は、学習者端末3から送られてきた質問形式情報を基に、質問形式を判定する(S207)。学習者端末3において表示されている教材画面601(図7参照)において、ユーザが、メール質問ボタン605(図7参照)をマウスなどで押下した場合、質問形式情報は、「メール」となる。教材画面601において、ユーザが、チャット質問ボタン606(図7参照)を押下した場合、質問形式情報は、「チャット」となる。そして、教材画面において、ユーザが、ソフトフォン質問ボタン608(図7参照)を押下した場合、質問形式情報は、「ソフトフォン」となる。
【0035】
ステップS305において、質問形式情報が、「メール」であった場合(S207→メール)、質問処理部211が、図10を参照して後記するメール質問画面801を作成し、作成したメール質問画面801をアクセス元の学習者端末3へ送信する(S208)。この時、質問処理部211は、質問に対しユニークな識別番号である質問IDを生成し、メール質問画面801と共にアクセス元の学習者端末3へ送信する。
そして、メール制御部223が、送信したメール質問画面801に質問内容が記述されたメール質問データを、質問IDとともに受信すると(S209)、質問処理部211は、このメール質問データを質問DB213に書き込むと同時に、質問状態管理テーブル214へ、この質問IDに該当する質問の情報を書き込み、質問状態管理テーブル214の状態506を「回答待ち」とすることで、質問状態管理テーブル214を更新する(S210)。
【0036】
ステップS305において、質問形式情報が、「チャット」であった場合(S207→チャット)、質問処理部211が、図11を参照して後記するチャット質問画面901を作成し、作成したチャット質問画面901をアクセス元の学習者端末3へ送信する(S211)。そして、チャット制御部222が、該当する学習者端末3と、ステップS205またはステップS206で取得した講師IDに該当する講師が使用している講師端末4との間を通信可能とし、チャット処理を行う(S213)。
【0037】
ステップS207において、質問形式情報が、「ソフトフォン」であった場合(S207→ソフトフォン)、質問処理部211が、図12を参照して後記するソフトフォン質問画面1001を作成し、作成したソフトフォン質問画面1001をアクセス元の学習者端末3へ送信する(S213)。そして、ソフトフォン制御部221が、該当する学習者端末3と、ステップS205またはステップS206で取得した講師IDに該当する講師が使用している講師端末4との間を通信可能とし、ソフトフォン処理を行う(S214)。チャット処理およびソフトフォン処理は、既存の技術であるため、処理の詳細は省略する。
【0038】
図9は、本実施形態に係る学習支援サーバでの講師自動選択処理の流れを示すフローチャートである。講師自動選択処理は、図8のステップS205における処理である。
まず、講師自動選択処理部217は、講師プレゼンス状態管理テーブル220を取得する(S301)。
そして、講師自動選択処理部217は、講師プレゼンス状態管理テーブル220において、図8のステップS204の前で取得したコースIDと一致する担当コースIDを有し、かつアクセス中である講師の講師プレゼンス情報304を検索し、該当する講師ID301を取得することによって、質問に対し最適な講師の講師IDを決定する(S302)。なお、このとき最適な講師が決定できなかったとき(例えば、該当する担当コースIDを有する講師で、アクセス中の講師がいなかった場合など)は、ステップS301へ戻り、担当講師の講師プレゼンス情報304がアクセス中となるまで、ステップS301とステップS302とを繰り返す。
【0039】
図10は、メール質問画面の画面例を示す図である。
図10は、図8のステップS208において作成されるメール質問画面801である。
メール質問画面801は、コース名選択プルダウンメニュー802、学習位置指定エリア803、質問内容入力エリア804、講師選択エリア805、質問先講師名表示エリア806、メール送信ボタン807およびキャンセルボタン808を有してなる。
【0040】
コース名選択プルダウンメニュー802は、コース名を選択するためのプルダウンメニューである。
学習位置指定エリア803は、章選択プルダウンメニュー、節選択プルダウンメニューおよびページ選択プルダウンメニューなどを有してなり、これらのプルダウンメニューによって、質問に対応する教材の章、節およびページなどといった学習位置が指定される。なお、コース名選択プルダウンメニュー802や、学習位置指定エリア803で選択または指定されたコース名や、学習位置情報は、質問に対する教材位置情報として、学習支援サーバ2へ送信され、例えば、質問状態管理テーブル214のコースIDや、教材位置情報となる。
質問内容入力エリア804は、質問内容を入力するエリアである。
【0041】
講師選択エリア805において、学習者は、各講師名に加えて、「自動」を選択できる。学習者が、「自動」を選択すると、講師自動選択の要求が学習支援サーバ2へ送信され、学習支援サーバ2において講師自動選択処理が行われる。講師自動選択の結果、選択された講師IDまたは講師名が、学習者端末3へ送られ、学習者端末3の質問先講師名表示エリア806に選択された講師名が表示される。講師選択エリア805において、講師名が選択された場合は、質問先講師名表示エリア806に、当該選択された講師名が表示される。
なお、本実施形態では、講師選択エリア805を、メール質問画面801に表示したが、前記したように、図7に示す教材画面601に表示させてもよい。
図10に示すように、講師選択エリア805を、メール質問画面801に表示させる場合は、図8のステップS204〜ステップS206は、ステップS208の次に処理されることになる。
【0042】
メール送信ボタン807が、マウスなどを用いることによって押下されると、質問メールが送信される。キャンセルボタン808が押下されると、メール質問画面801が、閉じて、メール質問処理が終了する。
【0043】
図11は、チャット質問画面の画面例を示す図である。
チャット質問画面901は、図10のメール送信ボタン807が、押下されることによって、図8のステップS212のチャット処理が開始されるチャット送信ボタンに置き換わった以外は、図10に示すメール質問画面801と同様であるので、図10と同様の要素については、同一の符号を付し各部の説明を省略する。
また、図11の質問内容入力エリア804は、図10ではメールの内容であったが、図11ではチャットの内容となることは、当然である。また、図11の質問内容入力エリア804には、学習者からの質問だけではなく、講師からの回答も表示される。
【0044】
図12は、ソフトフォン質問画面の画面例を示す図である。
ソフトフォン質問画面1001は、講師選択エリア805、質問先講師名表示エリア806、通話開始ボタン1002およびキャンセルボタン808を有してなる。
講師選択エリア805、質問先講師名表示エリア806およびキャンセルボタン808は、図10に示すメール質問画面801において説明した各部801〜806,808と同様の機能を有するため、同一の符号を付して、説明を省略する。
通話開始ボタン1002が、マウスなどによって押下されると、例えばマイクやヘッドフォンを介しての通話が可能となる。
また、図10の質問先講師名表示エリア806と同様のものをソフトフォン質問画面1001に表示させてもよい。
【0045】
なお、図11および図12においても、講師選択エリア805が、チャット質問画面901またはソフトフォン質問画面1001に表示されているが、この場合も図8のステップS204〜ステップS206は、ステップS211またはステップS213の次に処理されることになる。
【0046】
図13は、本実施形態に係る質問履歴画面の画面例を示す図である。
質問履歴画面1101は、図8のステップS202で作成される画面である。
質問履歴画面1101は、質問履歴一覧表示エリア1102、質問内容表示エリア1103、質問ボタン1104およびキャンセルボタン1105を有してなる。
質問履歴一覧表示エリア1102は、ステップS202の前に作成された質問履歴データの質問が「質問内容」、「コース」、「章」、「節」、「P(ページ)」、質問日時、回答者(回答した講師名)および回答日時の順に表示される。
質問履歴一覧表示エリア1102に表示されている質問の1つを、例えば、マウスなどで選択すると、選択された質問の内容が、「質問ID」、「質問(質問内容)」および「回答(回答内容)」の順に表示される。
学習者が、マウスなどで質問ボタン1104を押下すると、この質問内容が記述されたメール質問画面801(図10参照)が、学習支援サーバ2で作成され、アクセス元の学習者端末3へ送られる。
学習者は、表示された質問内容の一部を修正するだけで、質問を作成することができ、手間を軽減することができる。
キャンセルボタン1105は、図10のキャンセルボタン808と同様の機能を有するため、説明を省略する。
【0047】
(講師側処理)
図14は、本実施形態に係る学習支援サーバにおける講師側処理の流れを示すフローチャートである。
まず、アクセス制御部203が、学習支援サーバ2にアクセスしてきた講師端末4の認証および承認処理を行う(S401)。講師端末4の認証および承認処理は、講師端末4から送られてきた講師IDと、パスワードとを基に行う。なお、このとき講師端末4から送信されてきた情報が、請求項における「学習者のアクセス状態の確認要求」である。
次に、プレゼンス制御部218が、講師プレゼンス情報を取得する(S402)。講師プレゼンス情報は、例えば、講師端末4に表示されている講師プレゼンス情報入力画面(図示せず)の講師プレゼンス情報入力プルダウンメニューで選択された講師プレゼンス情報(アクセス中・質問対応中など)が、学習支援サーバ2へ送られるなどすることにより、取得される。
そして、学習履歴管理部205が、該当する講師の担当コースIDをキーとして、学習履歴DB206を参照し、担当コースの学習履歴データを取得する(S403)。担当コースIDは、学習履歴管理部205によって図示しない講師ID−コースID対応テーブルが参照されることによって選択される。
さらに、プレゼンス制御部218が、図示しないID−氏名対応テーブルを参照することによって、講師IDに対応する講師名を取得した後、取得した担当コースIDや、講師IDや、講師名および講師プレゼンス情報を講師プレゼンス状態管理テーブル220に書き込むことによって、講師プレゼンス状態管理テーブル220を更新し(S404)、講師プレゼンス状態管理テーブル220を取得する(S405)。
次に、プレゼンス制御部218が、学習者プレゼンス状態管理テーブル219を取得する(S406)。
さらに、講師側処理部202が、質問状態管理テーブル214を取得する(S407)。
次に、講師側処理部202は、取得した学習者プレゼンス状態管理テーブル219、質問状態管理テーブル214および講師プレゼンス状態管理テーブル220を基に、図15を参照して後記する講師管理画面1201を作成し、作成した講師管理画面1201を該当するアクセス元の講師端末4へ送信する(S408)。
また、ここで、作成した講師管理画面1201に講師プレゼンス情報入力プルダウンメニューを表示させて、講師が、この講師プレゼンス情報入力プルダウンメニューで選択した講師プレゼンス情報を、プレゼンス制御部218が取得した後、ステップS404と同様に講師プレゼンス状態管理テーブル220の更新を行ってもよい。
【0048】
次に、回答処理部212は、該当する講師ID(担当講師ID)をキーとして、質問状態管理テーブル214の状態506が「回答待ち」となっている質問が存在するか否かを判定することによって、学習者からの質問があるか否かを判定する(S409)。
ステップS409において、学習者からの質問があると判定された場合(S409→Yes)、学習支援サーバ2は、講師回答処理を行い(S410)、学習支援サーバ2は、ステップS405へ処理を戻す。講師回答処理は、図16を参照して後記する。
【0049】
ステップS409において、学習者からの質問がないと判定された場合(S409→No)、アクセス制御部203が、講師端末4からの接続が切断されたか否かなどを判定することによって、講師端末4がログアウトしたか否かを判定する(S411)。具体的には、図15を参照して後記するキャンセルボタン1210が押下されたか否かで、講師端末4がログアウトしたか否かを判定する。
ステップS411において、ログアウトしていないと判定された場合(S411→No)、学習支援サーバ2は、ステップS405へ処理を戻す。
ステップS411において、ログアウトしたと判定された場合(S411→Yes)、プレゼンス制御部218が、講師プレゼンス状態管理テーブル220の該当する講師プレゼンス情報304を「不在」に更新した(S412)後、講師側処理を終了する。
【0050】
図15は、講師管理画面の画面例を示す図である。
講師管理画面1201は、学習支援サーバ2の回答処理部212が、作成した後、講師端末4に送られることによって、講師端末4に表示される画面である。
講師管理画面1201は、学習者プレゼンス情報表示エリア1202と、質問有無表示エリア1203と、学習者管理表示エリア1204と、講師プレゼンス情報表示エリア1205と、講師プレゼンス情報入力エリア1206と、メール回答ボタン1207と、チャット回答ボタン1208と、ソフトフォン回答ボタン1209と、キャンセルボタン1210とを有してなる。
【0051】
学習者プレゼンス情報表示エリア1202は、図14のステップS406で取得した学習者プレゼンス状態管理テーブル219を基に、該当する講師が担当するコース(担当コース)を学習している学習者が一覧で表示される。さらに、学習者プレゼンス状態管理テーブル219を基に、該当する学習者のアクセス状態や、学習中であるか、離席中であるかなどの学習者プレゼンス情報が表示される。
質問有無表示エリア1203には、図14のステップS407で取得した質問状態管理テーブル214に記述されている質問の有無に関する情報などが、表示される。質問有無表示エリア1203には、例えば、質問有無ボタンが、学習者に対応した形で表示されている。質問有無ボタンは、対応する学習者からの質問がある場合は、「質問有」と表示され、学習者からの質問がない場合は、「質問無」と表示される。
【0052】
学習者管理表示エリア1204には、学習者プレゼンス情報表示エリア1202に表示されている学習者に関する学習者プレゼンス状態管理テーブル219の情報の一部が表示される。
講師プレゼンス情報表示エリア1205には、図14のステップS405で取得した講師プレゼンス状態管理テーブル220を基に、他の講師のアクセス状況や、質問に対する回答の可否などの講師プレゼンス情報が表示される。
そして、講師プレゼンス情報入力エリア1206には、アクセス情報入力プルダウンメニューや、質問対応可否プルダウンメニューなどが表示されている。講師が、アクセス情報プルダウンメニューや、質問対応可否プルダウンメニューなどから選択した情報は、該当する講師の講師プレゼンス情報として、学習支援サーバ2へ送信される。
【0053】
メール回答ボタン1207が、マウスなどで押下されると、図17を参照して後記するメール回答画面1301が作成される。同様に、チャット回答ボタン1208が、マウスなどで押下されると、図示しないチャット回答画面が作成され、ソフトフォン回答ボタン1209が、マウスなどで押下されると、図示しないソフトフォン回答画面が作成される。なお、メール回答ボタン1207、チャット回答ボタン1208およびソフトフォン回答ボタン1209を押下することによって、講師端末4から学習支援サーバ2へ送信される情報は、質問形式情報として後記する図16のステップS501で用いられる。
キャンセルボタン1210が、マウスなどで押下されると、講師回答画面が終了し、講師端末4がログアウトすると同時に、学習支援サーバ2における講師側処理も終了する(図14のステップS411)。
【0054】
図16は、本実施形態に係る学習支援サーバにおける講師回答処理の流れを示すフローチャートである。図16は、図14におけるステップS410の処理である。
まず、回答処理部212は、質問が、メールであるか、チャットであるか、ソフトフォンであるかなどの質問形式情報を基に、質問形式を判定する(S501)。質問形式の判定は、図15のメール回答ボタン1207、チャット回答ボタン1208およびソフトフォン回答ボタン1209が押下されることによって送信されてくる質問形式情報を基に、回答処理部212によって判定される。
ステップS501において、質問形式が、メール(メール質問)であると判定された場合、まず、質問履歴作成部210が、質問DB213に保持されている質問データから質問履歴データを作成し、作成した質問履歴データを表示する質問履歴画面を作成し、作成した質問履歴画面を該当する講師端末4へ送信する(S502)。質問履歴画面は、図13を参照して説明した画面と、ほぼ同様のため、説明を省略する
次に、FAQ作成部209が、質問DB213に保持されている質問データから、FAQデータを生成し、FAQ一覧画面を作成する(S503)。
次に、回答処理部212が、質問DB213から該当するメール質問データを1つ取得する(S504)。このときに取得するメール質問データの選択方法は、回答処理部212が、該当する講師宛の質問メールのうち、例えば未回答のメールで、日時が最も古いものを選ぶなどが考えられる。
【0055】
次に、回答処理部212が、取得したメール質問データと、作成したFAQ一覧画面を含んだメール回答画面1301(図17を参照して後記)を作成し、作成したメール回答画面1301をアクセス元の講師端末4へ送信する(S505)。このとき、該当する質問に対応する質問IDを、回答処理部212が生成し、メール回答画面1301とともに、アクセス元の講師端末4へ送信する。
次に、メール制御部223が、講師が講師回答画面の回答ボタンをマウスなどで押下することによって、送信されるメール回答データを、質問IDとともに受信する(S506)と、回答処理部212は、このメール回答データを、回答DB204へ保存する。
そして、回答処理部212は、質問状態管理テーブル214の該当する質問IDにおける状態を「回答済み」とすることで、質問状態管理テーブル214を更新する(S507)。
【0056】
ステップS501において、質問形式が、チャット(チャット質問)であると判定された場合(S501→チャット)、回答処理部212は、図示しないチャット回答画面を作成し、該当する講師端末4へ送信し(S508)、チャット制御部222が、チャット処理を行う(S509)。
また、ステップS501において、質問形式が、ソフトフォン(ソフトフォン質問)であると判定された場合(S501→ソフトフォン)、回答処理部212は、図示しないソフトフォン回答画面を作成し、該当する講師端末4へ送信し(S510)、ソフトフォン制御部221が、ソフトフォン処理を行う(S511)。チャット処理およびソフトフォン処理は、既存の技術であるため詳細な説明は省略する。
【0057】
図17は、メール回答画面の画面例を示す図である。
メール回答画面1301は、図16のステップS505で作成され、送信される画面である。
メール回答画面1301は、回答入力エリア1302、FAQ一覧表示エリア1303、FAQ内容表示エリア1304、回答送信ボタン1305およびキャンセルボタン1306を有してなる。
回答入力エリア1302には、図16のステップS504で取得したメール質問データの質問IDと、質問内容と、この質問に対して入力された回答とが表示される。
FAQ一覧表示エリア1303には、図16のステップS503で作成されたFAQ一覧画面が、質問IDおよび質問内容のさわりとして表示される。
そして、FAQ内容表示エリア1304には、例えば、FAQ一覧表示エリア1303において、マウスなどで、選択された質問の質問IDが、回答処理部212によって読み込まれ、回答処理部212は、この質問IDをキーとして、質問DB213から質問データを読み込み、回答DB204から回答データを読み込む。そして、回答処理部212は、読み込んだ質問データおよび回答データを質問内容および回答内容として、FAQ内容表示エリア1304に表示する。
【0058】
過去によくある質問が、学習者から送られた場合、講師は、似た質問に対する回答を、FAQ内容表示エリア1304から、回答入力エリア1302へコピーするなどすることにより、講師の負担を軽減することができる。
【0059】
そして、マウスなどを用いて学習者が回答送信ボタン1305を押下すると、回答入力エリア1302に入力されている回答が、講師端末4からメールによって学習支援サーバ2へ送信される。
マウスなどを用いて学習者がキャンセルボタン1306を押下すると、メール回答画面1301が閉じて、講師回答処理も終了する。
【0060】
(効果)
本実施形態によれば、学習支援サーバ2が、講師の学習支援システムへのアクセス状態を記憶した講師プレゼンス状態管理テーブル220を保持することで、学習者が、講師のアクセス状態の確認要求を受信すると、学習支援サーバ2は、講師プレゼンス状態管理テーブル220を参照して、講師の学習管理システム1へのアクセス状態を学習端末3へ表示させる。
これにより、例えば、電子メールなどを用いて、講師と質疑応答を行いたいような場合でも、学習支援システム1にアクセスしている講師を選択することが可能となるため、講師から即時に回答を得ることができる。
すなわち、本実施形態によれば、一般家庭に普及している電子メール機能などを用いて、リアルタイム性に優れた学習支援システム1を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施形態に係る学習支援システムの構成例を示す図である。
【図2】本実施形態に係る学習支援サーバの構成例を示す機能ブロック図である。
【図3】本実施形態に係る講師プレゼンス状態管理テーブルの構成例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る学習者プレゼンス状態管理テーブルの構成例を示す図である。
【図5】本実施形態に係る質問状態管理テーブルの構成例を示す図である
【図6】本実施形態に係る学習支援サーバでの学習者側処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】学習者端末における教材画面の画面例を示す図である。
【図8】本実施形態に係る学習支援サーバでの学習者質問処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係る学習支援サーバでの講師自動選択処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】メール質問画面の画面例を示す図である。
【図11】チャット質問画面の画面例を示す図である。
【図12】ソフトフォン質問画面の画面例を示す図である。
【図13】本実施形態に係る質問履歴画面の画面例を示す図である。
【図14】本実施形態に係る学習支援サーバにおける講師側処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】講師管理画面の画面例を示す図である。
【図16】本実施形態に係る学習支援サーバにおける講師回答処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】メール回答画面の画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
1 学習支援システム
2 学習支援サーバ
3 学習者端末
4 講師端末
5 ネットワーク
201 学習者側処理部
202 講師側処理部
203 アクセス制御部
204 回答DB
205 学習履歴管理部
206 学習履歴DB
207 教材読出制御部
208 教材DB
209 FAQ作成部
210 質問履歴作成部
211 質問処理部
212 回答処理部
213 質問DB
214 質問状態管理テーブル
217 講師自動選択処理部
218 プレゼンス制御部
219 学習者プレゼンス状態管理テーブル
220 講師プレゼンス状態管理テーブル
221 ソフトフォン制御部
222 チャット制御部
223 メール制御部
304 講師プレゼンス情報
404 学習者プレゼンス情報
601 教材画面
602 講師プレゼンス情報表示エリア
603 学習者プレゼンス情報入力エリア
1201 講師管理画面
1202 学習者プレゼンス情報表示エリア
1205 講師プレゼンス情報表示エリア
1206 講師プレゼンス情報入力エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
学習支援装置と、学習者が使用する少なくとも1台の学習者端末と、講師が使用する少なくとも1台の講師端末とが相互に接続している学習支援システムにおける学習支援方法であって、
前記学習支援装置は、
少なくとも前記講師の前記学習支援システムへのアクセス状態を記憶した講師プレゼンス状態管理テーブルを保持し、
前記学習者端末から、前記講師のアクセス状態の確認要求があると、
前記講師プレゼンス状態管理テーブルを参照して、前記講師のアクセス状態を前記学習者端末に表示させることを特徴とする学習支援方法。
【請求項2】
前記学習支援装置は、
少なくとも前記学習者の前記学習支援システムへのアクセス状態を記憶した学習者プレゼンス状態管理テーブルを保持し、
前記講師端末から、前記学習者のアクセス状態の確認要求があると、
前記学習者プレゼンス状態管理テーブルを参照して、前記学習者のアクセス状態を前記講師端末に表示させることを特徴とする請求項1に記載の学習支援方法。
【請求項3】
前記学習者端末に表示されている講師が使用している前記講師端末と、前記学習者端末との間の、質問および回答は、電子メールを用いて行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の学習支援方法。
【請求項4】
前記学習者端末に表示されている講師が使用している前記講師端末と、前記学習者端末との間の、質問および回答は、チャットまたはソフトフォンを用いて行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の学習支援方法。
【請求項5】
前記学習支援装置は、
前記講師プレゼンス状態管理テーブルに記憶されている講師のアクセス状態を基に、学習者からの質問に最適な講師を、自動的に選択することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の学習支援方法。
【請求項6】
学習者が使用する少なくとも1台の学習者端末と、講師が使用する少なくとも1台の講師端末とに接続している学習支援装置における学習支援方法であって、
少なくとも前記講師のアクセス状態を記憶した講師プレゼンス状態管理テーブルを保持し、
前記学習者端末から、前記講師のアクセス状態の確認要求があると、
前記講師プレゼンス状態管理テーブルを参照して、前記講師のアクセス状態を前記学習者端末に表示させることを特徴とする学習支援方法。
【請求項7】
前記学習支援装置は、
少なくとも前記学習者のアクセス状態を記憶した学習者プレゼンス状態管理テーブルを保持し、
前記講師端末から、前記学習者のアクセス状態の確認要求があると、
前記学習者プレゼンス状態管理テーブルを参照して、前記学習者のアクセス状態を前記講師端末に表示させることを特徴とする請求項6に記載の学習支援方法。
【請求項8】
請求項1から請求項7に記載の学習支援方法を、コンピュータに実行させることを特徴とする学習支援プログラム。
【請求項9】
学習支援装置と、学習者が使用する少なくとも1台の学習者端末と、講師が使用する少なくとも1台の講師端末とが、相互に接続している学習支援システムであって、
前記学習支援装置は、
少なくとも前記講師の前記学習支援システムへのアクセス状態を記憶した講師プレゼンス状態管理テーブルを保持し、
前記学習者端末から、前記講師のアクセス状態の確認要求があると、
前記講師プレゼンス状態管理テーブルを参照して、前記講師のアクセス状態を前記学習者端末に表示させる機能を有することを特徴とする学習支援システム。
【請求項10】
前記学習支援装置は、
少なくとも前記学習者の前記学習支援システムへのアクセス状態を記憶した学習者プレゼンス状態管理テーブルを、さらに保持し、
前記講師端末から、前記学習者のアクセス状態の確認要求があると、
前記学習者プレゼンス状態管理テーブルを参照して、前記学習者のアクセス状態を前記講師端末に表示させる機能を、さらに有することを特徴とする請求項9に記載の学習支援システム。
【請求項11】
学習者が使用する少なくとも1台の学習者端末と、講師が使用する少なくとも1台の講師端末とに接続している学習支援装置であって、
少なくとも前記講師のアクセス状態を記憶した講師プレゼンス状態管理テーブルを保持する記憶部と、
前記学習者端末から、前記講師のアクセス状態の確認要求を受信する通信制御部と、
前記講師プレゼンス状態管理テーブルを参照して、前記講師のアクセス状態を前記学習者端末に表示させる処理部とを有することを特徴とする学習支援装置。
【請求項12】
前記学習支援装置は、
前記記憶部は、少なくとも前記学習者のアクセス状態を記憶した学習者プレゼンス状態管理テーブルを、さらに保持し、
前記通信制御部は、前記講師端末から、前記学習者のアクセス状態の確認要求を受信する機能をさらに有し、
前記処理部は、前記学習者プレゼンス状態管理テーブルを参照して、前記学習者のアクセス状態を前記講師端末に表示させる機能をさらに有することを特徴とする請求項11に記載の学習支援装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2008−216458(P2008−216458A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51501(P2007−51501)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】