説明

学習支援装置、および学習支援プログラム

【構成】所定の言語の単語および文の少なくとも一方に関連する、画情報の表示、テキスト情報の表示、および音声情報の出力の少なくともいずれかを行うことによって前記所定の言語の学習をフラッシュカード方式で行うための学習装置のプロセッサに、(a)学習する単語または文を決定するステップ、(b)ステップ(a)で決定した単語または文毎に、複数の発声者の中から選択的に一人の発声者を決定するステップ、(c)発声者のそれぞれによる単語および文の音声情報を記憶した音声情報記憶手段に記憶された、ステップ(b)で決定した発声者による前記ステップ(a)で決定した単語または文の音声情報を特定するステップ、および(d)ステップ(c)で特定した音声情報を出力するステップを実行させる。
【効果】特定の人物の発声の癖の影響を受けず実生活で聞く多様な人物の発声する音声に対応できるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は学習支援装置、および学習支援プログラムに関し、特に、所定の言語の単語および文の少なくとも一方に関連する、画情報の表示、テキスト情報の表示、および音声情報の出力の少なくともいずれかを行うことによって所定の言語の学習をフラッシュカード方式で行うための学習支援装置、および学習支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の学習支援装置の例が特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている学習支援装置は、いわゆるフラッシュカード方式で英単語を学習するための装置であり、英単語の意味を示す意味画像が1秒間だけ表示装置に表示され、続いて英単語の文字を示す文字画像が1秒間だけ表示装置に表示される。そして、意味画像と文字画像とが表示される2秒間の間に、英単語の音声が出力される。
【特許文献1】特開2005−292215号公報[G09B 5/06,G09B 19/06]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1の学習支援装置では、意味画像と文字画像とともに出力される英単語の音声は、一人の人物が発声した音声であると考えられる。そのため、特定の人物による優れた手本を聞いて学習できるというメリットがある反面、この学習支援装置で学習する学習者は、特定の人物が発声する音声のみを聞いて学習するので、特定の人物の発声の癖の影響を受けたり、実生活で聞く多様な人物の発声する音声をうまく聞き取ることができなかったりするという問題がある。
【0004】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な学習支援装置、および学習支援プログラムを提供することである。
【0005】
また、この発明の他の目的は、特定の人物の発声の癖の影響を受けず、実生活で聞く多様な人物の発声する音声にうまく対応できるようになる、学習支援装置、および学習支援プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0007】
第1の発明は、所定の言語の単語および文の少なくとも一方に関連する、画情報の表示、テキスト情報の表示、および音声情報の出力の少なくともいずれかを行うことによって所定の言語の学習をフラッシュカード方式で行うための学習支援装置であって、複数の発声者による単語および文の音声情報を記憶する記憶手段、学習する単語または文を決定する第1決定手段、第1決定手段が決定した単語または文毎に、複数の発声者の中から選択的に一人の発声者を決定する第2決定手段、記憶手段に記憶された音声情報の中から第2決定手段が決定した発声者による第1決定手段が決定した単語または文の音声情報を特定する特定手段、および特定手段が特定した音声情報を出力する出力手段を備える、学習支援装置である。
【0008】
第1の発明では、学習支援装置(10)は、所定の言語の単語および文の少なくとも一方に関連する、画情報の表示、テキスト情報の表示、および音声情報の出力の少なくともいずれかを行うことによって所定の言語の学習をフラッシュカード方式で行うためのものである。この学習支援装置において、記憶手段(103)は複数の発声者による単語および文の音声情報を記憶する。また、第1決定手段(100、S1)は学習する単語または文を決定し、第2決定手段(100、S9)は第1決定手段が決定した単語または文毎に、複数の発声者の中から選択的に一人の発声者を決定し、特定手段(100、S11)は記憶手段に記憶された音声情報の中から第2決定手段が決定した発声者による第1決定手段が決定した単語または文の音声情報を特定する。そして、出力手段(100、105、S13)は特定手段が特定した音声情報を出力する。
【0009】
第1の発明によれば、フラッシュカード方式で語学を学習する際に、選択的に、例えば、ランダムに決定された発声者が発声した単語または文の音声が出力されるので、学習者は特定の人物の発声の癖の影響を受けず、実生活で聞く多様な人物の発声する音声にうまく対応できるようになる。
【0010】
第2の発明は、所定の言語の単語および文の少なくとも一方に関連する、画情報の表示、テキスト情報の表示、および音声情報の出力の少なくともいずれかを行うことによって所定の言語の学習をフラッシュカード方式で行うための学習支援装置のプロセッサに、(a)学習する単語または文を決定するステップ、(b)ステップ(a)で決定した単語または文毎に、複数の発声者の中から選択的に一人の発声者を決定するステップ、(c)発声者のそれぞれによる単語および文の音声情報を記憶した音声情報記憶手段に記憶された、ステップ(b)で決定した発声者によるステップ(a)で決定した単語または文の音声情報を特定するステップ、および(d)ステップ(c)で特定した音声情報を出力するステップを実行させる学習支援プログラムである。
【0011】
第2の発明では、学習支援プログラム(109)は所定の言語の単語および文の少なくとも一方に関連する、画情報の表示、テキスト情報の表示、および音声情報の出力の少なくともいずれかを行うことによって所定の言語の学習をフラッシュカード方式で行うための学習支援装置のプロセッサに、(a)学習する単語または文を決定するステップ(S1)、(b)ステップ(a)で決定した単語または文毎に、複数の発声者の中から選択的に一人の発声者を決定するステップ(S9)、(c)発声者のそれぞれによる単語および文の音声情報を記憶した音声情報記憶手段に記憶された、ステップ(b)で決定した発声者によるステップ(a)で決定した単語または文の音声情報を特定するステップ(S11)、および(d)ステップ(c)で特定した音声情報を出力するステップ(S13)を実行させる。
【0012】
第2の発明によれば、フラッシュカード方式で語学を学習する際に、選択的に、例えば、ランダムに決定された発声者が発声した単語または文の音声が出力されるので、学習者は特定の人物の発声の癖の影響を受けず、実生活で聞く多様な人物の発声する音声にうまく対応できるようになる。
【0013】
第3の発明は、請求項2に記載の学習支援プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体である。
【0014】
第3の発明では、コンピュータに読み取り可能な記録媒体には、学習支援プログラムが記録されている。
【0015】
第3の発明によれば、コンピュータに学習支援プログラムを読み取らせることができる。
【0016】
第4の発明は、表示手段に表示するカードに対応した音声を音声出力手段から出力し、フラッシュカード方式で所定の言語の学習を行う学習支援装置であって、カード毎に異なる発声者の音声を出力することが可能であることを特徴とする学習支援装置である。
【0017】
第4の発明では、表示手段(106)に表示するカードに対応した音声を音声出力手段(105)から出力し、フラッシュカード方式で所定の言語の学習を行う学習支援装置(10)であって、カード毎に異なる発声者の音声を出力することが可能である
第4の発明によれば、フラッシュカード方式で語学を学習する際に、カード毎に異なる発声者の音声を出力するので、学習者は特定の人物の発声の癖の影響を受けず、実生活で聞く多様な人物の発声する音声にうまく対応できるようになる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、学習者は特定の人物の発声の癖の影響を受けず、また、実生活で聞く多様な人物の発声する音声にうまく対応できるようになる。
【0019】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1を参照して、この実施の形態の学習支援装置10は、学習支援プログラム109(図2参照)がインストールされたパーソナルコンピュータ10(以下、“PC10”と記載する。)によって実現される。なお、学習支援プログラム109を記録した記録媒体としてのCD−ROM1000などをPC10のCD−ROMドライブ(不図示)のトレイに装着するなどして読み取ることによって学習支援プログラム109をPC10にインストールすることができる。ただし、学習支援プログラム109を記録する記録媒体は、CD−ROMに限らず、DVD−ROM、USBメモリなど、学習支援プログラム109を記録してPC10で読み取り可能なものであればどの様なものでもかまわない。
【0021】
図1に示すように、学習支援装置10は、学校や塾などの教室に設置され、クラスなどに所属する生徒の集団による語学の学習を支援するために使用される。なお、学習支援装置10は、一個人の学習を支援するために使用することもできる。
【0022】
この学習支援装置10では、いわゆるフラッシュカード方式により英単語の学習を行うことができる。そして、この学習支援装置10で実施されるフラッシュカード方式では、英単語の読みを音声で出力する際に、英単語毎に、つまりカード毎に、選択的に決定した異なる人物によって発声された音声を出力することができる。なお、すべてのカードの英単語の読みを特定の一人の人物の音声で出力することも選択できる。
【0023】
図1に示すように、学習支援装置10を実現するPC10には、大画面のテレビモニタ11が接続され、また、生徒たちの音声を拾うためのマイク12も接続される。テレビモニタ11には、PC10に付属のモニタ106と同じ内容が表示される。
【0024】
PC10は、一般的なパーソナルコンピュータであり、図2に示すように構成されている。図示するように、PC10は、CPU100、RAM101、ROM102、HDD(Hard Disk Drive)103、ビデオ出力I/F104、オーディオ入出力I/F105、モニタ106、キーボード107、マウス108などから構成される。
【0025】
ビデオ出力I/F104は、モニタ106に表示する映像と同じ映像をテレビモニタ11に出力するためのインターフェースである。また、オーディオ入出力I/F105は、PC10で生成される音声の信号をテレビモニタ11に付属のスピーカ(不図示)に出力したり、マイク12で拾った音声の信号をPC10に入力したりするためのものである。
【0026】
HDD103には、OS(Operating System)の他に、PC10を学習支援装置10として動作させるための学習支援プログラム109が記憶されている。また、HDD103には、複数の英単語のそれぞれの読みについて複数の人物が発声した音声を記録した音声情報を蓄積した音声情報DB(Data Base)110が記憶されている。
【0027】
さらに、HDD103には、フラッシュ表示して英単語を学習するためのカードの情報を蓄積したカード情報DB111が記憶されている。ここで、カードの情報とは、カードについての音声情報DB110に記憶されている音声情報以外の情報であり、カードのカテゴリー情報やカードが登録されているフォルダの情報を始め、英単語が示す物品の画像の情報、英単語のテキストの情報、英単語の日本語訳のテキストの情報などである。なお、英単語のテキストの情報や英単語の日本語訳のテキストの情報は、テキストデータであってもよいし、テキストを示す画像データであってもよい。
【0028】
また、HDD103には、学習支援装置10を利用するユーザを管理するための情報やユーザの使用によって生成された情報を蓄積するユーザ情報DB112が記憶されている。なお、ここでのユーザとは、例えば、学校の教師や塾の講師である。そして、ユーザ情報DB112には、教師や講師毎に、教師や講師が担当するクラスに対して使用したフラッシュカードの情報やフラッシュカードを用いて学習した結果の情報を記憶することができる。
【0029】
PC10を学習支援装置10として機能させる学習支援プログラム109(以下、“フラッシュエキスパート”と呼ぶ。)では、ステージ1の学習とステージ2の学習とが用意されている。ステージ1の学習では、あらかじめ用意された出来合いのカードのセット(以下、“ビルトインセット”と呼ぶ。)を用いてフラッシュカード方式の学習を行うことができる。また、ステージ2の学習では、ビルトインセットを組み合わせて作成したオリジナルのカードのセット(以下、“オリジナルセット”と呼ぶ。)を用いてフラッシュカード方式の学習を行ことができる。ステージ2では、ビルトインセットを丸ごといくつか組み合わせて作成したオリジナルセットを使用するが、ビルトインセットから所望のカードのみを抽出してオリジナルセットを作成するようにしてもよい。
【0030】
そして、このフラッシュエキスパートでは、ステージ1の学習とステージ2の学習とにおいて、フラッシュしてビルトインセットまたはオリジナルセットに含まれるカードを表示する際に、カードの表示に伴って英単語の音声を出力する場合には、上述したようにビルトインセットまたはオリジナルセットに含まれるすべてのカードについて同一の人物が発声した音声を出力するか、カード毎に異なる人物が発声した音声をランダムに出力するかのいずれかの発声パターンを選択することができる。
【0031】
フラッシュエキスパートを利用するためには、ユーザ毎に設定したユーザIDとパスワードとを入力してログインを行う。ユーザによって入力されたユーザIDとパスワードとは、ユーザ情報DB112に記憶されているユーザIDとパスワードとによって照合される。教師などは、ログインを行うことによってモニタ106に表示された、クラスの一覧が記載された図示しない画面において、学習を実施するクラスを選択する。
【0032】
クラスを選択すると、PC10のモニタ106には、図3に示すような、設定画面200が表示される。なお、この設定画面200は、生徒たちの目前に配置された大画面のテレビモニタ11にも表示される。以下において、テレビモニタ11には、モニタ106と同じ情報が表示される。ただし、モニタ106に表示されている情報をテレビモニタ11に表示するか否かは教師がPC10を操作して指示できるようになっている。
【0033】
図3に示すように、設定画面200は、中央のメイン表示部201、メイン表示部201の左側に設けられたフォルダ表示部202、およびメイン表示部201の右側に設けられた条件表示部203からなっている。図3に示すように、設定画面200が表示された直後の初期状態では、メイン表示部201には、“カードフォルダからフラッシュするカードのセットを選択してください。”というメッセージのみが表示されている。また、条件表示部203には何も表示されていない。一方、フォルダ表示部202には、フラッシュ表示して学習するためのカードのセットを記憶したフォルダの一覧が表示される。フォルダは、“基本英単語”、“複数形”、および“オリジナル”の3つのカテゴリーに分かれている。
【0034】
“基本英単語”のカテゴリーには、“日常生活”、“食べ物・飲み物”、“学校生活”、“人々”、“自然”、“様態”、“アルファベット”、“数字”、“時暦”、“世界の地名”の上層フォルダが含まれている。そして、各上層フォルダにはいくつかの下層フォルダが含まれる。例えば、“食べ物・飲み物”の上層フォルダには、“果物STEP1”、“果物STEP2”、“野菜STEP1”、および“野菜STEP2”の下層フォルダが含まれている。そして、この下層フォルダにカードのセット(つまり、“ビルトインセット”)が記憶されている。
【0035】
“複数形”のカテゴリーには、“日常生活”、“食べ物・飲み物”、“学校生活”、“人々”、および“自然”の上層フォルダが含まれている。
【0036】
また、“オリジナル”のカテゴリーには、図3の例では、“食べ物”の下層フォルダが含まれている。この“オリジナル”のカテゴリーには、教師などが自由に下層フォルダを作成することができる。つまり、教師などは、“基本英単語”と“複数形”とのカテゴリーに含まれる下層フォルダに記憶されているビルトインセットを組み合わせて自由にカードのセットを作成し、作成したカードのセット(つまり、“オリジナルセット”。)を、“食べ物”などの名前をつけて“オリジナル”のカテゴリーに作成した下層フォルダに記憶させることができる。
【0037】
上述したように、ビルトインセットを用いてはステージ1の学習を行うことができ、オリジナルセットを用いてはステージ2の学習を行うことができる。
【0038】
ステージ1の学習は、図4に示すような手順で行われる。まず、手順1aでは、下層フォルダを選択する。つまり、下層フォルダを選択してフラッシュするカードのセット(ビルトインセット)を指定する。
【0039】
手順1bでは、指定したビルトインセットに含まれるカードの表示方法を選択する。ここで、カードの表示方法の選択とは、カードをフラッシュ表示する際に、カードの裏面を表示するか否か、英単語が示す物品の画像を表示するか否か、英単語のテキストを表示するか否か、英単語の日本語訳のテキストを表示するか否か、および英単語の音声を出力するか否かを選択することである。
【0040】
手順1cでは、発声パターンを選択する。つまり、上述したように、ビルトインセットに含まれるすべてのカードについて同一の人物によって発声された音声を出力するか(固定)、カード毎に異なる人物によって発声された音声をランダムで出力するか(ランダム)を選択する。
【0041】
手順1dでは、フラッシュ方法を選択する。フラッシュ方法の選択では、フラッシュして表示するカードの順番を選択する。具体的には、先頭から順番に表示する、後ろから順番に表示する、ランダムに表示するなどが選択できる。また、フラッシュ方法の選択では、次のカードを表示するトリガーを選択する。つまり、前のカードを表示して所定の時間が経過した場合に次のカード(あるいはカードの裏面)を表示するとか、画面がマウスによってクリックされた場合に次のカード(あるいはカードの裏面)を表示するとかという具合である。
【0042】
手順1eでは、手順1aから手順1dで決定した条件に従って、ビルトインセットに含まれるカードをフラッシュ表示してステージ1の学習を行う。なお、ことのき、教師は、後で復習を行いたいカードについては、そのカードが表示されている間に所定の操作を行うことによって、そのカードを復習リストに登録することができる。
【0043】
手順1fでは、教師が手順1eでのフラッシュ表示によるステージ1の学習の合格判定を行う。
【0044】
そして、手順1gでは、手順1eで復習リストに登録したカードをフラッシュ表示させて復習を行う。この復習においても、復習したいカードを復習リストに登録することができる。なお、復習リストは、復習を開始するたびにリセットされ、復習リストに新たに登録されたカードがない状態になるまで復習を繰り返すことができる。
【0045】
なお、図4の手順は一例であり、例えば、手順1aから手順1dの各選択は、図4の例の順番に限らず任意の順番で行ってもよい。
【0046】
ステージ2の学習は、図5に示すような手順で行われる。つまり、まず、手順2aでは、オリジナルセットの作成、およびオリジナルセットの選択を行う。なお、すでに作成して登録されているオリジナルセットを用いて学習を行う場合には、オリジナルセットの作成を行わず、登録されているオリジナルセットを選択すればよい。
【0047】
手順2bでは、指定したオリジナルセットに含まれるカードの表示方法を選択する。ここでのカードの表示方法の選択とは、上述したように、カードを表示する際に、カードの裏面を表示するか否か、英単語が示す物品の画像を表示するか否か、英単語のテキストを表示するか否か、英単語の日本語訳のテキストを表示するか否か、および英単語の音声を出力するか否かを選択することである。
【0048】
手順2cでは、発声パターンを選択する。つまり、上述したように、ビルトインセットに含まれるすべてのカードについて同一の人物によって発声された音声を出力するか(固定)、カード毎に異なる人物によって発声された音声をランダムで出力するか(ランダム)を選択する。
【0049】
手順2dでは、フラッシュ方法を選択する。フラッシュ方法の選択では、次のカードをフラッシュ表示するトリガーを選択する。つまり、前のカードを表示して所定の時間が経過した場合に次のカード(あるいはカードの裏面)を表示するとか、画面がマウスによってクリックされた場合に次のカード(あるいはカードの裏面)を表示するとかという具合である。
【0050】
手順2eでは、コースを選択する。ここで、コースとは、オリジナルセットに含まれているすべてのカードをどのくらいの時間でクリアすることができるかに挑戦するコース、所定の時間内で何枚のカードをクリアできるかに挑戦するコース、何枚のカードまで連続してクリアできるかに挑戦するコースなどである。
【0051】
手順2fでは、手順2aから手順2eで決定した条件に従って、オリジナルセットに含まれるカードをフラッシュ表示してステージ2の学習を行う。なお、ことのき、教師は、後で復習を行いたいカードについては、そのカードが表示されている間に所定の操作を行うことによって、そのカードを復習リストに登録することができる。
【0052】
手順2gでは、手順2fでのフラッシュ表示によるステージ2の学習の結果を表示する。ここで表示される結果とは、手順2eで選択したコースの成績(記録)である。
【0053】
そして、手順2hでは、手順2fで復習リストに登録したカードをフラッシュ表示させて復習を行う。この復習でもステージ1の学習と同様に、復習リストに新たに登録されたカードがない状態になるまで復習を繰り返すことができる。
【0054】
なお、図5の手順は一例であり、例えば、手順2aから手順2eの各選択は、図5の例の順番に限らず任意の順番で行ってもよい。
【0055】
図3に戻って、フォルダ表示部202においていずれかの下層フォルダを選択すると、図6に示すように、メイン表示部201に、選択された下層フォルダに記憶されているビルトインセットの内容が表示される。図6の例では、“基本英単語”のカテゴリーの“食べ物・飲み物”フォルダの“果物STEP1”が選択されている。
【0056】
図6に示すように、メイン表示部201の中央にはカード一覧表示部201aが設けられており、このカード一覧表示部201aには、選択されたビルトインセットに含まれるカードの一覧がスクロール可能に表示される。このカード一覧表示部201aには、カードを先頭から順番にフラッシュして表示する場合に表示される順に並んでカードが表示される。そして、“カードの順番をかえるボタン201b”を操作すると、図示しないカードの順番を変えるための画面が表示され、この画面で所定の操作をすることによって、カード一覧表示部201aに表示されるカードの順番、つまりカードを順番にフラッシュして表示する場合に表示される順番を変更することができる。
【0057】
また、条件表示部203には、“ステージボタン203a”、“表示方法ボタン203b”、“発声パターンボタン203c”、“順番ボタン203d”、“表面めくり方ボタン203e”、“裏面めくり方ボタン203f”、および“終了ボタン203g”が表示される。そして、各ボタンの右側、あるいは下側には、各ボタンを操作して設定した条件の内容が表示される。
【0058】
“ステージボタン203a”は、ステージ1またはステージ2を選択するためのボタンである。なお、フォルダ表示部202においてビルトインセット(下層フォルダ)を選択した場合には自動的にステージ1が選択され、“ステージボタン203a”の右側にはその旨を示す“1”が表示される。
【0059】
“表示方法ボタン203b”は、図4の手順1bの表示方法の選択を行うためのボタンである。この“表示方法ボタン203b”を操作すると、図示しない画面が表示され、この画面において図7および図8に示す“A”から“O”の表示方法を選択することができる。“A”から“H”の表示方法では、カードの表面のみが表示され、“I”から“O”の表示方法では、カードの表面と裏面とが交互に表示される。
【0060】
“A”の表示方法では、英単語が示す物品の画像とともに英単語の音声が出力される。“B”の表示方法では、英単語が示す物品の画像が表示される。“C”の表示方法では、英単語が示す物品の画像と英単語の日本語訳のテキストとが表示されるとともに英単語の音声が出力される。“D”の表示方法では、英単語が示す物品の画像と英単語の日本語訳のテキストとが表示される。“E”の表示方法では、英単語の示す物品の画像と英単語のテキストとが表示されるとともに英単語の音声が出力される。“F”の表示方法では、英単語が示す物品の画像と英単語のテキストとが表示される。“G”の表示方法では、英単語のテキストが表示される。“H”の表示方法では、英単語のテキストが表示されるとともに英単語の音声が出力される。
【0061】
また、“I”の表示方法では、表面で英単語が示す物品の画像が表示されるとともに英単語の音声が出力され、裏面で英単語のテキストが表示される。“J”の表示方法では、表面で英単語が示す物品の画像が表示され、裏面で英単語のテキストが表示される。“K”の表示方法では、表面で英単語のテキストが表示され、裏面で英単語が示す物品の画像が表示される。“L”の表示方法では、表面で英単語のテキストが表示されるとともに英単語の音声が出力され、裏面で英単語が示す物品の画像が表示される。“M”の表示方法では、表面で英単語の音声が出力され、裏面で英単語が示す物品の画像が表示される。“N”の表示方法では、表面で英単語の音声が出力され、裏面で英単語のテキストが表示される。そして、“O”の表示方法では、表面で英単語の音声が表示され、裏面で英単語が示す物品の画像と英単語のテキストが表示される。
【0062】
教師は、図7および図8の“A”から“O”の各アルファベットの横に設けられたラジオボタン300のいずれかを選択することによって表示方法を選択することができる。そして、選択された表示方法を示すアルファベットが“表示方法ボタン203b”の右側に表示され、選択された表示方法を示す画像が“表示方法ボタン203b”の下側に表示される。
【0063】
また、図7および図8の表示方法を選択する画面では、チェックボックス301とチェックボックス302とが設けられている。チェックボックス301は、カードをフラッシュ表示する際に懐中電灯モードを指定するためのものである。懐中電灯モードとは、表示方法“A”から“O”の中で、カードの表面に英単語が示す物品の画像が表示される場合に、図9に示すように、英単語が示す物品(図9の例ではりんご)の一部分を暗闇の中で移動する懐中電灯の光のスポットで照らし出し、生徒に英単語が示す物品を推測させるモードである。一方、チェックボックス302は、カードの表面に表示される英単語の日本語訳のテキストが漢字である場合にその漢字の上部などにルビをふって表示することを指定するためのものである。
【0064】
“発声パターンボタン203c”は、図4の手順1cの発声パターンの選択を行うためのボタンである。この“発声パターンボタン203c”を操作すると、図示しない画面が表示され、この画面において所定の操作を行うことによって発声パターンをランダムとするか、固定とするかを選択することができる。
【0065】
なお、ランダムを選択した場合には、カード毎に、子供(男)、子供(女)、少年(男)、少年(女)、青年(男)、青年(女)、中年(男)、中年(女)、老年(男)、および老年(女)からランダムに発声者を選択して音声を出力する。また、固定を選んだ場合には、子供(男)、子供(女)、少年(男)、少年(女)、青年(男)、青年(女)、中年(男)、中年(女)、老年(男)、および老年(女)から一人だけ選択された発声者の音声を出力する。なお、この例では、発声者を年齢によって区別したが、これに代えて、あるいはこれとともに発声者を出身地などによって区別してもよい。
【0066】
“順番ボタン203d”、“表面めくり方ボタン203e”、および“裏面めくり方ボタン203f”は、図4の手順1dのフラッシュ方法の選択を行うためのボタンである。“順番ボタン203d”、“表面めくり方ボタン203e”、および“裏面めくり方ボタン203f”のいずれかのボタンを操作すると、図10に示すような画面が表示され、カードをめくる順番、カードの表面のめくり方、およびカード裏面のめくり方をそれぞれ選択することができる。
【0067】
図10に示すように、カードをめくる順番としては、“先頭から順番に”、“うしろから順番に”、“ランダムに”のいずれかを選択することができる。また、カードの表面のめくり方としては、“クリック”、“自動(ゆっくり)”、“自動(ふつう)”、“自動(はやく)”、“自動(速度指定)”のいずれかを選択することができる。“クリック”を選択した場合には、カードが表示されている画面を例えば教師がクリックすることによってカードの表面をめくることができる。
【0068】
また、“自動”のいずれかを選んだ場合には、カードの表面が表示されてから所定の時間が経過したときにカードの表面をめくることができる。そして、ゆっくり、ふつう、はやくと進むほどカードの表面が表示されてからカードの表面がめくられるまでの時間が短くなる。また、“自動(速度指定)”を選択した場合には、入力欄303に“0.5”秒刻みの数値を入力することによって、カードの表面をめくる速さを指定することができる。なお、カードの表面をめくるとは、カードの裏面が存在する場合にはカードの裏面を表示することであり、カードの裏面が存在しない場合には、次のカードの表面を表示することである。
【0069】
カードの裏面のめくり方の選択肢は、カードの表面のめくり方の選択肢と同じである。したがって、“自動(速度指定)”を選択した場合には、入力欄304に“0.5”秒刻みの数値を入力することによって、カードの裏面をめくる速さを指定することができる。なお、カードの裏面をめくるとは、次のカードの表面を表示することである。
【0070】
そして、図6に戻って、“終了ボタン203g”を操作するとフラッシュエキスパートを終了することができる。
【0071】
また、“フラッシュスタートボタン201c”を操作すると、ボタン203aから203fを操作して設定した条件でビルトインセットに含まれるカードをフラッシュ表示させることができる。このカードのフラッシュ表示では、例えば、表示方法として“A”が選択されていると、図11に示すように、フォルダ表示部202において選択されたビルトインセットに含まれるカードの英単語が示す物品の画像である“りんご”の画像がモニタ106およびテレビモニタ11に表示され、英単語“APPLE”の音声がテレビモニタ11に付属のスピーカーから出力される。
【0072】
この英単語の音声の出力などの処理は、PC10(学習支援装置10)のCPU100がフラッシュエキスパートのプログラムに応じて図12に示す手順で実行する。
【0073】
まず、PC10のCPU100は、ステップS1において、処理の対象とする英単語を特定する。つまり、フラッシュ表示するカードを特定する。この英単語(カード)の特定は、カード情報DB111に記憶されている、設定画面200のフォルダ表示部202で選択されたビルトインセット(に含まれるカード)の情報、メイン表示部201のカード一覧表示部201aに表示されているカードの表示順序、および条件表示部203の“順番ボタン203d”を操作して選択したカードの表示順序(図10参照。)に基づいて決定される。
【0074】
次に、ステップS3で、音声出力の処理であるか否かを判断する。音声出力の処理でないと判断すると(ステップS3:NO)、ステップS5で、画像の表示、テキストの表示などのその他の処理を行う。
【0075】
一方、音声出力の処理であると判断すると(ステップS3:YES)、ステップS7で、発声パターンの設定がランダムであるか否かを判断する。つまり、図6の“発声パターンボタン203c”を操作して選択された発声パターンが“ランダム”であるか否かを判断する。
【0076】
発声パターンの設定がランダムであると判断すると(ステップS7:YES)、ステップS9において、音声情報DB110に記憶されている音声情報の発声者の中から一人の発声者をランダムに決定し、ステップS11において、ステップS1で特定した英単語のステップS9で決定した発声者による音声情報を、音声情報DB110に記憶されている音声情報の中から特定する。
【0077】
そして、ステップS13では、ステップS11で特定された音声情報に基づく音声をオーディオ入出力I/F105を介してテレビモニタ11の付属のスピーカーに出力する。
【0078】
ステップS7に戻って、発声パターンの設定がランダムでないと判断すると(ステップS7:NO)、ステップS15において、ステップS1で特定した英単語の、図6の“発声パターンボタン203c”を操作して選択した固定の発声者による音声情報を、音声情報DB110に記憶されている音声情報の中から特定する。
【0079】
そして、ステップS13で、ステップS15で特定された音声情報に基づく音声をオーディオ入出力I/F105を介してテレビモニタ11の付属のスピーカーに出力する。
【0080】
ステップS17では、英単語が最後の英単語であるか、つまり、フラッシュ表示するカードが最後のカードであるか否かを判断し、最後のカードでないと判断すると(ステップS17:NO)ステップS1に戻る。一方、最後のカードであると判断すると(ステップS17:YES)処理を終了する。
【0081】
このようにして、カードをフラッシュ表示する際の音声の出力などの処理が実行されるが、カードをフラッシュ表示する際に、フラッシュエキスパートのプログラムはこの他にもいくつかの処理を行う。
【0082】
例えば、図11に示したようなカードを表示している際に、教師がPC10のキーボード107の所定のキーを操作すると、図11の表示画面に設けられた復習チェックボックス305にチェックをつけることができる。チェックがつけられたカードの情報は、復習リストに加えられRAM101に記憶される。
【0083】
また、生徒たちが、図11に示したようなカードを見て、“APPLE”と発声すると、その音声が生徒たちの前に設置されたマイク12によって拾われ、音声信号がオーディオ入出力I/F105を介してCPU100に与えられる。CPU100は、与えられた音声信号に基づいて生徒たちの発声した声の大きさが所定の閾値に到達したか否かを判断する。そして、例えば、閾値を超えた回数が所定の回数以上であれば、すべてのカードのフラッシュ表示を終了した際に、“大きな声で言えました”などというテキストをモニタ106やテレビモニタ11に表示したり、音声をテレビモニタ11の付属のスピーカーから出力したりする。
【0084】
さらに、カードをフラッシュ表示している際などに、教師がPC10のキーボード107から“U”(Up)のキーを入力すると、オーディオ入出力I/F105から出力する英単語の音声のレベルを高くすることができ、逆に“D”(Down)のキーを入力すると音声のレベルを低くすることができる。
【0085】
また、英単語の音声の出力を伴うカードを表示させている際には、教師によってPC10のキーボード107の所定のキーが操作されると、そのキー操作のタイミングに応じた任意のタイミングで再びそのカードの英単語の音声を出力することができる。
【0086】
このようにして、ビルトインセットを利用してカードのフラッシュ表示による学習をした後は、教師が合格か不合格かを判断し、そのどちらかをフラッシュエキスパートに入力する。こうして入力された合格か不合格かの情報は、ユーザ情報DB112に、教師のユーザID、クラスのID、ビルトインセットのID、表示方法(“A”から“O”(図7、図8参照)のいずれか)とともに記録される。
【0087】
そして、図6に示したように、再び、このビルトインセットが選択された場合には、設定画面200のメイン表示部201において、ユーザ情報DB112に記憶された合格か不合格かの情報が反映される。つまり、“A”から“O”のいずれかの表示方法でカードをフラッシュ表示した学習で合格をしていれば、メイン表示部201の上部の合否表示部201dの左部分に星印が表示される。また、合否表示部201dの右部分には、表示方法を示す“A”から“O”のアルファベットが表示され、合格した表示方法のアルファベットについては、例えば、下線が施されて表示される。図6の例では、表示方法“A”と“C”とで合格している。
【0088】
なお、教師による合否の判定をフラッシュエキスパートに入力した後は、RAM101に記憶されている復習リストに基づいて、復習チェックが付けられたカードのみをフラッシュ表示して復習を行うことができる。
【0089】
図3に戻って、フォルダ表示部202において、“オリジナル作成ボタン202a”を操作すると、オリジナルセットを作成することができる。この“オリジナル作成ボタン202a”を操作すると、設定画面200のメイン表示部201と条件表示部203において、図13に示すような表示が行われる。ただし、“オリジナル作成ボタン202a”を操作した直後の状態では、名称入力欄201eには何も入力されていない。また、登録セット表示欄201fにもカード一覧表示部201gにも何も表示されていない。
【0090】
フォルダ表示部202において、下層フォルダ(ビルトインセット)を選択して、右矢印形状の“追加ボタン201h”を操作すると、選択した下層フォルダのビルトインセットをオリジナルセットに追加することができる。オリジナルセットに追加されたビルトインセットは、その名称が登録セット表示欄201fに表示される。図13の例では、フォルダ表示部202においてビルトインセット“果物STEP2”が選択されており、ビルトインセット“果物STEP1”がオリジナルセットにすでに追加されている。
【0091】
なお、登録セット表示欄201fに表示されているビルトインセットの名称を選択して、左矢印形状の“返却ボタン201i”を操作すると、オリジナルセットに追加されているビルトインセットをフォルダ表示部202に表示されている上層フォルダの下に戻すことができる。
【0092】
カード一覧表示部201gには、登録セット表示欄201fに表示されているビルトインセットに含まれるカードの一覧がスクロール可能に表示される。そして、“カードの順番をかえるボタン201j”を操作すると、カード一覧表示部201gに表示されるカードの順番、つまりカードを順番にフラッシュして表示する場合に表示される順番を変更することができる。
【0093】
また、“セットを保存するボタン201k”を操作すると、作成したオリジナルセットの内容を教師のユーザIDやクラスのIDと対応つけてユーザ情報DB112に記憶することがきる。つまり、名称入力欄201eに入力された名称で、登録セット表示欄201fに表示されたビルトインセットを含むオリジナルセットの情報がユーザ情報DB112に記憶される。
【0094】
このようにして、作成したオリジナルセットがユーザ情報DB112に記憶されると、図3、図6、図13に示したように、フォルダ表示部202の“オリジナル”のカテゴリーに作成したオリジナルセットの下層フォルダ(図3、図6、図13の例では、“食べ物”)が表示される。なお、フォルダ表示部202の“オリジナル”のカテゴリーに表示された下層フォルダ(オリジナルセット)を選択すると、図13に示したような情報が設定画面200に表示され、オリジナルセットの編集などを行うことができる。
【0095】
図13に示すように、条件表示部203には、図6のステージ1の学習の場合と同様に、“ステージボタン203a”、“表示方法ボタン203b”、“発声パターンボタン203c”、“順番ボタン203d”、“表面めくり方ボタン203e”、“裏面めくり方ボタン203f”、および“終了ボタン203g”が表示される。 フォルダ表示部202において“オリジナル作成ボタン202a”が操作された場合や“オリジナル”のカテゴリーに表示された下層フォルダ(オリジナルセット)が選択された場合は、自動的にステージ2が選択され、図13に示すように、“ステージボタン203a”の右側にはその旨を示す“2”が表示される。
【0096】
また、ステージ2の場合には、条件表示部203の下部に“コースボタン203h”が表示される。この“コースボタン203h”を操作すると、図14に示すような画面がモニタ106およびテレビモニタ11に表示され、ステージ2で挑戦するコースを選択することができる。
【0097】
選択できるコースとしては、図14に示すように、例えば、“タイムトライアル”、“30秒間レース”、“1分間レース”、“2分間レース”、“持久戦”などがある。“タイムトライアル”のコースは、オリジナルセットに含まれているすべてのカードをどのくらいの時間で処理(クリア)することができるかに挑戦するコースである。また、“30秒間レース”は30秒間で何枚のカードを処理(クリア)することができるかに挑戦するコースであり、“1分間レース”は1分間で何枚のカードを処理(クリア)することができるかに挑戦するコースであり、“2分間レース”は2分間で何枚のカードを処理(クリア)することができるかに挑戦するコースである。そして、“持久戦”のコースは何枚のカードを連続して処理することができるかに挑戦するコースである。
【0098】
このようにして、カードをフラッシュ表示する際の条件を設定して、“フラッシュスタートボタン201l”を操作すると、オリジナルセットに含まれるカードをフラッシュ表示させて英単語の学習を行うことができる。
【0099】
なお、このカードのフラッシュ表示においては、ステージ1で説明したのと同様に、PC10のCPU100は、図12のフロー図に示した処理を実行する。つまり、“発声パターンボタン203c”を操作して、発声のパターンをランダムに設定していれば、オリジナルセットに登録されているカード毎に、つまり英単語毎に、異なる発声者が発声した英単語の音声を出力することができる。また、発声のパターンを固定に設定していれば、オリジナルセットに登録されているカードのすべて、つまり英単語のすべてを設定された一人の発声者が発声した音声で出力することができる。
【0100】
また、ステージ2でのフラッシュ表示による学習においても、教師は、復習することが必要なカードについては、復習チェックボックス305にチェックを付けることができる。その他のマイク12を用いた生徒たちの発声する音声についての処理などもステージ1と同じである。
【0101】
そして、オリジナルセットに含まれるカードをフラッシュ表示する学習が終了すると、モニタ106およびテレビモニタ11には、ステージ2で選択したコース(“コースボタン203h”を操作して設定したコース)に挑戦した結果である成績(記録)が表示される。
【0102】
そして、その後、RAM101に復習リストが記憶されていれば、その復習リストに基づいて、復習を行うことができる。
【0103】
ステージ1の学習とステージ2の学習の実施の方法としては、例えば、次のような実施方法がある。つまり、まずステージ1で、表示方法“A”(図7参照)を選択して学習を行う(ステップA)。このとき、生徒たちは、テレビモニタ11に表示される英単語が示す物品の画像を見つつ、出力される英単語の音声をまねして英単語を発声する。
【0104】
次に、再びステージ1で、表示方法“B”を選択して学習を行う(ステップB)。このとき、生徒たちは、テレビモニタ11に表示される英単語が示す物品の画像を見て、その画像の物品の英単語を発声する。
【0105】
このようにしていくつかのビルトインセットについてステップAとステップBとを繰り返して、合格となったビルトインセットが複数となったら、今度は、合格となったビルトインセットをまとめてオリジナルセットを作成し、作成したオリジナルセットでステージ2の学習を行う(ステップC)。このとき、例えば、表示方法は“B”として、コースを“タイムトライアル”などとすることができる。
【0106】
なお、本発明の実施の形態は上述するものに限らず、本発明の技術的思想の範囲内で種々に変更してかまわない。例えば、上述の実施の形態では、学習するのは英単語としたが、学習するのは英語に限らず他の言語でもよいし、また、学習するのは単語に限らず文やイディオムなどであってもかまわない。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図1はこの発明の一実施例である学習支援装置の使用例を示す図解図である。
【図2】図2は図1の学習支援装置を構成するパーソナルコンピュータの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図3は図1の学習支援装置のモニタおよびテレビモニタにおける表示画面の一例を示す図解図である。
【図4】図4は図1の学習支援装置で行われるステージ1の学習の手順を示すフロー図である。
【図5】図5は図1の学習支援装置で行われるステージ2の学習の手順を示すフロー図である。
【図6】図6は図1の学習支援装置のモニタおよびテレビモニタにおける表示画面の一例を示す図解図である。
【図7】図7は図1の学習支援装置のモニタおよびテレビモニタにおける表示画面の一例を示す図解図である。
【図8】図8は図1の学習支援装置のモニタおよびテレビモニタにおける表示画面の一例を示す図解図である。
【図9】図9は図1の学習支援装置のモニタおよびテレビモニタにおける表示画面の一例を示す図解図である。
【図10】図10は図1の学習支援装置のモニタおよびテレビモニタにおける表示画面の一例を示す図解図である。
【図11】図11は図1の学習支援装置のモニタおよびテレビモニタにおける表示画面の一例を示す図解図である。
【図12】図12は図1の学習支援装置のCPUが実行する処理の手順を示すフロー図である。
【図13】図13は図1の学習支援装置のモニタおよびテレビモニタにおける表示画面の一例を示す図解図である。
【図14】図14は図1の学習支援装置のモニタおよびテレビモニタにおける表示画面の一例を示す図解図である。
【符号の説明】
【0108】
10 …学習支援装置(パーソナルコンピュータ)
100 …CPU
103 …HDD
105 …オーディオ入出力I/F
110 …音声情報DB
109 …学習支援プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の言語の単語および文の少なくとも一方に関連する、画情報の表示、テキスト情報の表示、および音声情報の出力の少なくともいずれかを行うことによって前記所定の言語の学習をフラッシュカード方式で行うための学習支援装置であって、
複数の発声者による単語および文の音声情報を記憶する記憶手段、
学習する単語または文を決定する第1決定手段、
前記第1決定手段が決定した単語または文毎に、前記複数の発声者の中から選択的に一人の発声者を決定する第2決定手段、
前記記憶手段に記憶された音声情報の中から第2決定手段が決定した前記発声者による前記第1決定手段が決定した単語または文の音声情報を特定する特定手段、および
前記特定手段が特定した音声情報を出力する出力手段を備える、学習支援装置。
【請求項2】
所定の言語の単語および文の少なくとも一方に関連する、画情報の表示、テキスト情報の表示、および音声情報の出力の少なくともいずれかを行うことによって前記所定の言語の学習をフラッシュカード方式で行うための学習支援装置のプロセッサに、
(a)学習する単語または文を決定するステップ、
(b)前記ステップ(a)で決定した単語または文毎に、複数の発声者の中から選択的に一人の発声者を決定するステップ、
(c)前記発声者のそれぞれによる単語および文の音声情報を記憶した音声情報記憶手段に記憶された、前記ステップ(b)で決定した前記発声者による前記ステップ(a)で決定した単語または文の音声情報を特定するステップ、および
(d)前記ステップ(c)で特定した音声情報を出力するステップを実行させる学習支援プログラム。
【請求項3】
請求項2に記載の学習支援プログラムを記録したコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
【請求項4】
表示手段に表示するカードに対応した音声を音声出力手段から出力し、フラッシュカード方式で所定の言語の学習を行う学習支援装置であって、
前記カード毎に異なる発声者の音声を出力することが可能であることを特徴とする学習支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−102075(P2010−102075A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272872(P2008−272872)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】