説明

安全システム、ミューティングセンサ装置およびセーフティセンサ装置

【課題】設置が簡単なミューティングセンサを備える安全システムを提供する。
【解決手段】ミューティングセンサ6は、ワーク5に付設されたRFIDタグ12の情報を、読み取り書き込み装置13で読み取ってワーク5を、セーフティライトカーテン4によって検知される前に検知し、コントローラ8にミューティング用の出力を与え、コントローラ8は、前記ミューティング用の出力に応答して、セーフティライトカーテン4の検知機能を無効化するようにしており、ミューティングセンサ6では、読み取り書き込み装置13を、ワーク5がセーフティライトカーテン4によって検知される前に、検知するように設置するだけでよく、ワークと作業者とを同じ遮蔽物として区別することなく、複数組の光電センサからなるミューティングセンサを設置する従来例に比べて、設計、設置が大幅に簡素化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、危険源が存在する危険領域に侵入する作業者をセーフティセンサで検知して保護する安全システムに関し、更に詳しくは、前記セーフティセンサの検知機能を一時的に無効化(ミューティング)するミューティング機能を有する安全システムおよびそれに好適なミューティングセンサ装置、セーフティセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プレス機や産業用ロボット等の危険源が存在する危険領域を含む製造ラインでは、作業者の安全を守るために、危険領域の周辺に、多光軸光電センサであるセーフティライトカーテンを設置した安全システムが用いられる。このセーフティライトカーテンは、一列に数多くの投光素子を配置した投光器と、投光素子と同じ数の受光素子を一列に配置した受光器とを対向配置して構成され、これら投受光器間で検知領域を形成するものである。
【0003】
この検知領域を物が通過してセーフティライトカーテンが遮光されると、プレス機等の危険源の動作を強制的に停止させるものであり、これによって、作業者が、誤って検知領域を通過して危険領域内へ侵入しようとすると、危険源の動作が強制的に停止されて、作業者が保護される。
【0004】
ところで、プレス機等にあっては、ワークを搬入及び加工後のワークを搬出するために、ワークがセーフティライトカーテンを通過する必要があるが、ワークがセーフティライトカーテンを通過するのを許容するために、セーフティライトカーテンでは、ミューティング機能を備えている。すなわち、ミューティング機能は、ワークがセーフティライトカーテンを通過するときに、セーフティライトカーテンの検知機能を一時的に無効化するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図7は、セーフティライトカーテンを備えたミューティング機能を有する安全システムの概略構成を示す図である。この安全システムは、危険源である産業用ロボット35が存在する危険領域へワーク31を搬入する搬入口に、対向配置された一対の投,受光器33,34からなるセーフティライトカーテン30と、ミューティングセンサとしての二組の第1,第2の回帰反射形光電センサ36,37とを備えている。図7では、回帰反射形光電センサ36,37の投受光器36a,37aのみを図示している。
【0006】
かかる安全システムでは、ミューティングセンサである回帰反射形光電センサ36,37によってセーフティライトカーテン30を通過するワーク31を検出して、ミューティング機能を起動するようになっている。
【0007】
図8は、図7のセーフティライトカーテン30およびミューティングセンサである回帰反射形光電センサ36,37の設置状態を示す平面図である。
【0008】
第1,第2の回帰反射形光電センサ36,37の投受光器36a,37aと、対応する反射板36b,37bとは、対向して設置されるとともに、それら光軸の交点38が、セーフティライトカーテン30を通過した危険領域側に位置するように設置される。
【0009】
図9は、動作説明のためのタイミングチャートであり、同図(a),(b)は第1,第2の回帰反射形光電センサ36,37の出力、同図(c)はミューティング状態、同図(d)はセーフティライトカーテン30の入光/遮光状態、同図(e)は危険源である産業用ロボット35への駆動電源の供給/遮断を制御するための制御出力(安全出力)をそれぞれ示している。
【0010】
ワーク31が、ミューティングセンサとしての第1の回帰反射形光電センサ36によって検知され、更に、第2の回帰反射形光電センサ37によって検知されると、ミューティング状態が有効となり、セーフティライトカーテン30の検知機能が無効化される。なお、Tは、処理の遅れ時間を示している。
【0011】
ミューティング状態が有効になると、ワーク31によってセーフティライトカーテン30が遮光されても制御出力は、ONの状態が維持されて駆動電源の供給が継続され、産業用ロボット35は作業を継続する。
【0012】
ワーク31が、セーフティライトカーテン30を完全に通過し、第1の回帰反射形光電センサ36で検出されなくなると、ミューティング状態が解除される。
【特許文献1】特開2004−356407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述のような従来例では、光電センサからなるミューティングセンサを複数組、設置しなければならず、かかるミューティングセンサの設置においては、ワークの進入速度、形状(ワークの長さ)、セーフティライトカーテンの性能を考慮してミューティングセンサ間の距離やミューティングセンサとセーフティライトカーテンとの距離を計算し、正確に設計・設置しなければならない。そのため、製造ラインの設計・構築の際には、かなりの時間が必要となるという課題がある。
【0014】
また、それらの設計・設置を誤ると、ミューティング機能が正しく動作せず、製造ラインを停止させてしまって生産性が低下したり、あるいは、作業者がセーフティライトカーテンを通過した際に保護機能が動作しなかったりして安全性の低下を招くことになる。
本発明は、上述のような点に鑑みてなされたものであって、設置が簡単なミューティングセンサを備える安全システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)本発明の安全システムは、危険領域の周辺に形成された検知領域を通過する物を検知するセーフティセンサと、前記検知領域を通過する移動物体を、前記セーフティセンサが検知する前に非接触で検知するミューティングセンサと、前記危険領域内に配置された危険源の動作を、前記両センサの出力に基づいて制御するコントローラとを備える安全システムであって、前記ミューティングセンサは、前記移動物体に付設される被検知部と、該被検知部を、前記移動物体が前記セーフティセンサによって検知される前に検知するように配置されたセンサ部とを備え、該センサ部は、当該センサ部の異常の有無を監視し、異常が無い状態で前記被検知部を検知したときに、ミューティング用の出力を前記コントローラに与え、該コントローラは、前記ミューティング用の出力に基づいて、前記セーフティセンサの検知機能を無効化するものである。
【0016】
危険領域とは、危険源、例えば、工作機械やロボットなどの各種の機械が存在する領域をいう。
【0017】
セーフティセンサの検知領域は、危険領域の周辺のフェンスや柵などの安全ガードが設けられていない領域、例えば、移動物体が危険領域へ出入するための出入口などに形成されるのが好ましい。
【0018】
検知領域を通過する物には、検知領域を通過する作業者、すなわち、人体やその一部、あるいは、検知領域を通過する物体、例えば、ワークなどの移動物体を含む。
【0019】
セーフティセンサは、検知領域を通過する物を検知するものであり、投光器および受光器からなる多光軸光電センサやレーザースキャナなどで構成するのが好ましい。
【0020】
このセーフティセンサは、検知領域を通過する物を検知しているときには、危険源の稼動を禁止する危険側に対応する検知出力、例えば、セーフティセンサが多光軸光電センサであれば、遮光状態に対応するOFFの出力を前記コントローラに与え、検知領域を通過する物を検知していないときには、危険源の稼動を許容する安全側に対応する出力、例えば、セーフティセンサが多光軸光電センサであれば、入光状態に対応するONの出力を前記コントローラに与えるのが好ましい。
【0021】
移動物体は、検知領域を通過して移動する物体であり、この移動物体には、ミューティングセンサの被検知部が付設されるものであって、作業者、すなわち、人体は含まない。移動物体は、移動物体自らが移動するものであってもよいし、搬送コンベアなどの搬送手段によって移動させられるものであってもよい。この移動物体は、危険領域内へ移動して工作機械などの危険源によって作業を施されるワークなどであるのが好ましい。
【0022】
ミューティングセンサは、移動物体に付設された被検知部を、センサ部で非接触で検知することによって、移動物体を検知するものであり、例えば、被検知部を、RFIDタグ、反射板、あるいは、特定のコイルなどで構成し、センサ部を、RFIDタグの読み取り装置、反射板に対して投受光する光電センサの投受光器、あるいは、特定のコイルを検知する近接センサなどで構成するのが好ましい。
【0023】
センサ部の異常の有無とは、例えば、センサ部の内部回路の故障の有無をいう。
【0024】
このミューティングセンサは、異常が無い状態で前記被検知部を検知したときに、ミューティングを許可するミューティング用の出力、例えば、ONの出力を前記コントローラに与え、異常が無い状態で前記被検知部を検知していないとき、あるいは、異常が有るときには、ミューティングを禁止あるいは解除する出力、例えば、OFFの出力をコントローラに与えるのが好ましい。
【0025】
コントローラによる危険源の動作の制御とは、危険源である工作機械やロボットなどの各種の機械の動作の起動・停止の制御などをいい、危険源への駆動電源の供給/遮断を制御するのが好ましい。
【0026】
セーフティセンサの検知機能を無効化するとは、セーフティセンサの出力に基づいて制御を行うコントローラが、検知領域を通過した物を検知したセーフティセンサの検知出力を無視して制御に反映させないことをいう。
【0027】
コントローラは、前記ミューティングセンサからミューティング用の出力が与えられていない場合、すなわち、セーフティセンサの検知機能を無効化していない場合には、セーフティセンサの出力に基づいて、危険源の動作を制御する。具体的には、セーフティセンサから検知領域を通過する物を検知していることを示す検知出力が与えられているときには、危険源の稼動を禁止する危険側に対応する安全出力によって、危険源への駆動電源を遮断するように制御する一方、セーフティセンサから検知領域を通過する物を検知していないことを示す出力が与えられているときには、危険源の稼動を許容する安全側に対応する安全出力によって、危険源へ駆動電源を供給するように制御するのが好ましい。
【0028】
更に、コントローラは、前記ミューティングセンサからミューティング用の出力が与えられて、セーフティセンサの検知機能を無効化している場合には、危険源の稼動が許容される安全側に対応する安全出力によって、危険源へ駆動電源を供給するように制御するのが好ましい。
【0029】
コントローラは、セーフティセンサあるいはミューティングセンサに内蔵させてもよい。
【0030】
本発明の安全システムによると、移動物体以外の物、例えば、作業者あるいは作業者の手や腕などの一部が、セーフティセンサの検知領域を通過して危険領域内に侵入しようとすると、セーフティセンサによって検知され、このセーフティセンサの検知出力によって、コントローラは、危険領域内の工作機械などの危険源の動作を停止させて作業者を保護することができる。
【0031】
一方、ワークなどの移動物体が危険領域へ侵入するときには、危険領域の周辺のセーフティセンサの検知領域を通過する前に、移動物体に付設された被検知部が、ミューティングセンサのセンサ部で検知されることによって、移動物体が検知され、ミューティング用の出力がコントローラに与えられる結果、コントローラは、セーフティセンサの検知機能を無効化するので、移動物体が検知領域を通過してセーフティセンサから検知出力が与えられても、その検知出力を無視し、工作機械等の危険源の動作を継続し、ワークなどの移動物体に対して作業を行うことが可能となる。
【0032】
このように、ミューティングセンサでは、ワークなどの移動物体を、それ以外の物、例えば、作業者と区別して検知することができるので、ミューティングセンサのセンサ部を、移動物体がセーフティセンサによって検知される前に、該移動物体に付設した被検知部を検知するように設置するだけでよく、ワークと作業者とを同じ遮光物として区別しない従来例のように、ミューティングセンサを構成する投受光器および反射板などからなる光電センサの複数組を、ワークの形状等を考慮して、ミューティングセンサ間の距離等を計算して設計、設置する必要がなく、これによって、製造ラインの設計、構築に要する時間が大幅に短縮される。
【0033】
しかも、センサ部は、内部回路の故障などの異常の有無を監視する自己診断機能を備えているので、当該センサ部の故障に起因する誤出力によってセーフティセンサの検知機能が誤って無効化されることもなく、安全性を確保することができる。
【0034】
(2)本発明の安全システムの一つの実施形態では、前記セーフティセンサが、前記移動物体の移動路を挟んで対向配置された投光器および受光器を備える多光軸光電センサであり、前記コントローラは、前記危険源への駆動電源の供給/遮断を制御するものであって、前記ミューティング用の出力に基づいて前記多光軸光電センサの検知機能を無効化する一方、前記多光軸光電センサの出力に基づいて、前記無効化を解除するものである。
【0035】
この実施形態によると、ワークなどの移動物体は、投光器と受光器との間の検知領域を通過する前に、移動物体に付設された被検知部が、ミューティングセンサのセンサ部で検知されてミューティング用の出力がコントローラに与えられる結果、コントローラは、多光軸光電センサであるセーフティライトカーテンの検知機能を無効化し、移動物体が検知領域を通過して危険領域に侵入しても工作機械などの危険源の動作を継続し、作業を行なうことができる。
【0036】
移動物体が、セーフティライトカーテンの検知領域を完全に通過してしまうと、セーフティライトカーテンの出力は、検知(遮光)状態から非検知(入光)状態に変化し、このセーフティライトカーテンの出力の変化に基づいて、コントローラは、セーフティライトカーテンの検知機能の無効化を解除することができ、これによって、移動物体が、セーフティライトカーテンの検知領域を完全に通過すると、直ちにセーフティライトカーテンの検知機能を有効にして、作業者などの危険領域への侵入を直ちに検知して危険源の動作を停止させることが可能となり、作業者を保護することができる。
【0037】
(3)本発明の安全システムの他の実施形態では、前記移動物体に付設される前記被検知部をRFIDタグとし、前記センサ部が前記RFIDタグの情報を読み取る読み取り装置としてもよい。
【0038】
この実施形態によると、ワークなどの移動物体に付設されたRFIDタグの情報を読み取って移動物体を識別することが可能となり、移動物体を、それ以外の作業者などと明確に区別して検知することができ、高い信頼性で安全を確保できる。
【0039】
(4)本発明の安全システムの更に他の実施形態では、前記コントローラは、前記ミューティング用の出力に基づいてセーフティセンサの検知機能を無効化し、予め設定した時間が経過したときに、前記無効化を解除するものである。
【0040】
予め設定した時間は、移動物体が、ミューティングセンサによって検知された時点からセーフティセンサの検知領域を完全に通過するまでに要する時間以上に設定されるのが好ましい。
【0041】
この実施形態によると、セーフティセンサの検知機能の無効化を、予め設定した時間が経過したときには、確実に解除してセーフティセンサの検知機能を有効にして作業者の安全を確保することができる。
【0042】
(5)本発明のミューティングセンサ装置は、危険領域の周辺に形成された検知領域を通過する物を検知するセーフティセンサの検知機能を無効化するミューティングセンサ装置であって、前記検知領域を通過して移動する移動物体に付設される被検知部と、該被検知部を、前記移動物体が前記セーフティセンサによって検知される前に、非接触で検知するように配置されたミューティングセンサ部と、前記危険領域内に配置された危険源の動作を、前記ミューティングセンサ部の出力および前記セーフティセンサの出力に基づいて制御するコントローラ部とを備え、前記ミューティングセンサ部は、当該ミューティングセンサ部の異常の有無を監視し、異常が無い状態で前記被検知部を検知したときに、ミューティング用の出力を、前記コントローラ部に与え、該コントローラ部は、前記ミューティング用の出力に基づいて、前記セーフティセンサの検知機能を無効化するものである。
【0043】
本発明のミューティングセンサ装置によると、ミューティングセンサ部を、移動物体がセーフティセンサによって検知される前に移動物体に付設した被検知部を検知するように設置するだけでよく、ワークと作業者とを同じ遮光物として区別しない従来例のように、ミューティングセンサを構成する投受光器および反射板などからなる光電センサの複数組を、ワークの形状等を考慮して、ミューティングセンサ間の距離等を計算して設計、設置する必要がなく、これによって、製造ラインの設計、構築に要する時間が大幅に短縮される。しかも、ミューティングセンサ部は、内部回路の故障などの異常の有無を監視する自己診断機能を備えているので、当該ミューティングセンサ部の故障に起因する誤出力によってセーフティセンサの検知機能が誤って無効化されることもなく、安全性を確保することができる。
【0044】
(6)本発明のセーフティセンサ装置は、危険領域の周辺に形成された検知領域を通過する物を検知するセーフティセンサ部と、前記危険領域内に配置された危険源の動作を制御するコントローラ部とを備えるとともに、前記検知領域を通過する移動物体を、前記セーフティセンサ部が検知する前に非接触で検知するミューティングセンサの出力が与えられるセーフティセンサ装置であって、前記コントローラ部は、前記セーフティセンサ部の出力および前記ミューティングセンサの出力に基づいて前記危険源の動作を制御するものであり、前記ミューティングセンサは、前記移動物体に付設される被検知部と、該被検知部を、前記移動物体が前記セーフティセンサ部によって検知される前に検知するように配置されたミューティングセンサ部とを備え、前記ミューティングセンサ部は、該ミューティングセンサ部の異常の有無を監視し、異常が無い状態で前記被検知部を検知したときに、ミューティング用の出力を前記コントローラ部に与えるものであり、前記コントローラ部は、前記ミューティング用の出力に基づいて、前記セーフティセンサ部の検知機能を無効化するものである。
【0045】
本発明のセーフティセンサ装置によると、ミューティングセンサでは、ワークなどの移動物体を、それ以外の物、例えば、作業者と区別して検知することができるので、ミューティングセンサ部を、移動物体が当該セーフティセンサ装置のセーフティセンサ部によって検知される前に移動物体に付設した被検知部を検知するように設置するだけでよく、ワークと作業者とを同じ遮光物として区別しない従来例のように、ミューティングセンサを構成する投受光器および反射板などからなる光電センサの複数組を、ワークの形状等を考慮して、ミューティングセンサ間の距離等を計算して設計、設置する必要がなく、これによって、製造ラインの設計、構築に要する時間が大幅に短縮される。しかも、ミューティングセンサ部は、内部回路の故障などの異常の有無を監視する自己診断機能を備えているので、このミューティングセンサ部の故障に起因する誤出力によって当該セーフティセンサ装置の検知機能が誤って無効化されることもなく、安全性を確保することができる。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、ミューティングセンサでは、ワークなどの移動物体を、それ以外の物、例えば、作業者と区別して検知することができるので、ミューティングセンサのセンサ部を、移動物体がセーフティセンサによって検知される前に、移動物体に付設された被検知部を検知するように設置するだけでよく、ワークと作業者とを同じ遮光物として区別しない従来例のように、ミューティングセンサを構成する投受光器および反射板などからなる光電センサの複数組を、ワークの形状等を考慮して、ミューティングセンサ間の距離等計算して設計、設置する必要がなく、設計、設置が大幅に簡素化される。しかも、センサ部は、内部回路の故障などの異常の有無を監視する自己診断機能を備えているので、当該センサ部の故障に起因する誤出力によってセーフティセンサの検知機能が誤って無効化されることもなく、安全性を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0048】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施形態に係る安全システムを備える製造ラインの概略構成を示す図である。
【0049】
この実施形態の安全システム1は、安全ガード2で囲まれた危険領域3への搬入口に、配置された多光軸光電センサであるセーフティライトカーテン4と、前記危険領域3へ搬送される移動物体としてのワーク5を検知してセーフティライトカーテン4をミューティングするためのミューティングセンサ6と、前記両センサ4,6の出力に基づいて、危険領域3内の産業用ロボット7などの危険源への駆動電源の供給/遮断を行うコンタクタを制御して、産業用ロボット7の動作を制御するコントローラ8とを備えている。産業用ロボット7は、危険領域3内に搬送されて来るワーク5に対して、所定の作業を施すものである。
【0050】
セーフティライトカーテン4は、危険領域3への搬入口に、ワーク5の搬送路9を挟んで対向配置された投光器10と受光器11とを備え、投光器10には、複数の投光素子が備えられる一方、受光器11には、各投光素子に対応して複数の受光素子が備えられている。投光器10と受光器11との間のライトカーテンによって遮光物を検知するための検知領域が形成される。
【0051】
このセーフティライトカーテン4は、ワーク5などの移動物体、あるいは、人体やその一部などの物が、検知領域を通過すると、それを検知して産業用ロボット7の稼動を禁止する危険側の出力、すなわち、遮光状態に対応するOFFの出力をコントローラ8に与える一方、検知領域を通過する物を検知していないときには、産業用ロボット7の稼動を許容する安全側の出力、すなわち、入光状態に対応するONの出力をコントローラ8に与える。
【0052】
つまり、セーフティライトカーテン4は、作業者等の物が、検知領域を通過して危険領域3に侵入しようとすると、それを検知して危険であるとして、産業用ロボット7の稼動を禁止する危険側の出力を与える一方、検知領域を通過して危険領域3に侵入しようとする物が検知されないときには、安全であるとして、産業用ロボット7の稼動を許容する安全側の出力を与える。
【0053】
この実施形態では、ミューティングセンサの設置を容易にするために、ミューティングセンサ6を、RFID(Radio Frequency Identification)システムで構成しており、危険領域3に搬送される各ワーク5に取付けられた被検知部としてのRFIDタグ12と、このRFIDタグ12の情報を読み取って識別するセンサ部としての読み取り書き込み装置(リーダライタ)13とを備えている。RFIDシステムは、電子マネーや社員証といった非接触ICカードなど特定の物体を識別する手段に広く使われており、この実施形態のようなワークの通過を判別・特定する手段として好適である。
【0054】
ミューティングセンサ6の読み取り書き込み装置13は、RFIDタグ12が付されたワーク5が、セーフティライトカーテン4による検知領域を通過する前に、RFIDタグ12の情報を読み取ってワーク5であることを識別できるように設置されている。すなわち、ワーク5が、セーフティライトカーテン4による検知領域を通過して検知される前に、ワーク5を検知できるように設置されている。
【0055】
図2は、図1の安全システム1のブロック図である。
【0056】
ミューティングセンサ6のRFIDタグ12は、電源を内蔵せず、読み取り書き込み装置13からの送信波により生じた誘導起電力によって動作するタイプのもので、アンテナ14と、送受信部やメモリなどを含むICチップ15とを備えている。
【0057】
センサ部としての読み取り書き込み装置13は、RFIDタグ12に対して電源を供給するとともに情報の送受信を行うアンテナ16および送受信部17と、内部の故障を監視して診断する監視部18と、各部を制御する制御部19と、二重化された出力部20,21とを備えている。
【0058】
制御部19は、該制御部19に記録されている識別用コードと、RFIDタグ12から読み出した識別用コードとを照合し、一致していれば、RFIDタグ12を検知、すなわち、ワーク5を検知したと判定する。
【0059】
監視部18は、送受信部17および制御部19の故障を検出するために定期的に診断を実施する。例えば、送受信部17の送信回路に対しては、コイルへ供給する電圧値の監視を行い、受信回路に対しては、受信信号を増幅する増幅回路の監視やコンパレータの基準電圧値の監視を行う。また、制御部19の故障を検出するため、制御部19と監視部18とで定期的にシリアル通信を行うことで、制御部19のメモリやプログラムフローの監視を行う。更に、出力部20,21の故障を検出するために、出力部20,21の出力を、監視部18および制御部19にフィートバックしている。
【0060】
制御部19および監視部18は、故障の診断結果およびRFIDタグ12の検知結果を共有して、処理の二重化を図っており、各出力部21,20に対して同じ制御出力を与える。
【0061】
このミューティングセンサ6では、ワーク5に付されたRFIDタグ12が読み取り書き込み装置13に接近すると、電磁誘導によってRFIDタグ12のコイルに電流が流れ、RFIDタグ12のICチップ15が起動され、ICチップ15は、読み取り書き込み装置13から送信されるコマンドデータを読み取り、ICチップ15内部に記録された識別用コードを、読み取り書き込み装置13へ返信する。
【0062】
読み取り書き込み装置13の制御部19は、制御部19に記録されている識別用コードとRFIDタグ12から返信された識別用コードとを照合し、一致していれば、RFIDタグ12を検知したと判定する。制御部19および監視部18は、上述のように、各部の故障の診断結果およびRFIDタグ12の検知結果を共有しており、故障がない状態で、RFIDタグ12が検知されたときには、ミューティングを許可するミューティング用の出力であるONの出力を、各出力部20,21を介してコントローラ8に出力する。
【0063】
このミューティングセンサ6は、セーフティライトカーテン4による検知領域を通過する前に、RFIDタグ12が付されたワーク5を検知したときには、検知領域を通過して危険領域3に侵入するのは、作業者等ではなく、正規のワーク5であり、安全であるとして、産業用ロボット7の稼動を許容する安全側に対応するミューティング許可のミューティング用の出力(ON)をコントローラ8に出力する一方、RFIDタグ12が付されたワーク5を検知していないときには、ワーク以外の作業者等が検知領域を通過して危険領域3に侵入する虞があり、危険であるとして、産業用ロボット7の稼動を禁止する危険側に対応するミューティング禁止あるいはミューティング解除に対応する出力(OFF)をコントローラ8に出力する。
【0064】
コントローラ8は、セーフティライトカーテン4の受光器11から二重化された出力が与えられる入力部22と、ミューティングセンサ6の読み取り書き込み装置13から二重化された出力が与えられる入力部23と、両入力部22,23に入力に基づいて、出力部24を介して産業用ロボット7への駆動電源の供給/遮断を行うコンタクタ25を制御する制御部26とを備えている。
【0065】
コントローラ8は、ミューティングセンサ6からミューティング用の出力が与えられると、ミューティング状態を有効とし、セーフティライトカーテン4の検知機能を無効化する。この状態では、セーフティライトカーテン4の出力に拘らず、産業用ロボット7の稼動を許容する安全側に対応するONの安全出力をコンタクタ25に与える。これによって、コンタクタ25は、閉の状態を維持して産業用ロボット7への駆動電源の供給が継続され、産業用ロボット7は、動作を継続する。したがって、ミューティングセンサ6によって検知されたワーク5が、セーフティライトカーテン4の検知領域を通過してセーフティライトカーテン4を遮光しても、コントローラ8は、ミューティングセンサ6からのミューティング用の出力によってセーフティライトカーテン4の検知機能を無効化しているので、安全側に対応するONの安全出力をコンタクタ25に与えて、産業用ロボット7への駆動電源の供給を継続し、産業用ロボット7が停止することはなく、作業が継続されることになる。
【0066】
また、コントローラ8は、ワーク5が、セーフティライトカーテン4の検知領域を完全に通過し、セーフティライトカーテン4の出力が、遮光状態に対応するOFFから入光状態に対応するONに変化すると、ミューティング状態を解除し、セーフティライトカーテン4の検知機能を有効にする。
【0067】
このミューティング状態が解除されているときには、コントローラ8は、セーフティライトカーテン4の出力に基づいて、コンタクタ25に対して安全出力を与え、コンタクタ25の接点の開閉を制御して産業用ロボット7の駆動電源の供給/遮断を行う。
【0068】
具体的には、コントローラ8は、ミューティング状態が解除されている場合に、セーフティライトカーテン4によって、検知領域を通過している物が検知されて、遮光状態に対応するOFFの出力が与えられると、ワーク5以外の作業者等が検知領域を通過して危険領域3に侵入しているとして、産業用ロボット7の稼動を禁止する危険側の安全出力であるOFFの出力をコンタクタ25に与え、コンタクタ25の接点を開いて産業用ロボット7への駆動電源を遮断し、産業用ロボット7の動作を停止させる。また、コントローラ8は、ミューティング状態が解除されている場合に、セーフティライトカーテン4によって、検知領域を通過している物が検知されておらず、入光状態に対応するONの出力が与えられているときには、危険領域3に侵入する物はなく、産業用ロボット7の稼動を許容する安全側の安全出力であるONの出力をコンタクタ25に与え、コンタクタ25の接点を閉じて産業用ロボット7への駆動電源を供給し、産業用ロボット7の動作を継続する。
【0069】
図3は、ミューティングセンサ6の読み取り書き込み装置13の動作を説明するためのフローチャートである。
【0070】
先ず、識別情報を読み取り(ステップn100)、ワーク5に付されたRFIDタグ12を検知したか否かを判断し(ステップn101)、RFIDタグ12を検知したときには、センサ部である読み取り書き込み装置13の内部の故障の有無を診断し(ステップn102)、故障が無いと診断されたときには、コントローラ8に対する出力をON、すなわち、セーフティライトカーテン4の出力を無効化するためのミューティング用の出力とする(ステップn103)。
【0071】
ステップn101において、RFIDタグ12を検知していないとき、また、ステップn102において、故障が有ると診断されたときには、コントローラ8に対する出力をOFFとする(ステップn104)。
【0072】
図4は、コントローラ8によるミューティング状態の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【0073】
先ず、ミューティングセンサ6の読み取り書き込み装置13からの入力を取り込み(ステップn200)、ワーク5が接近したか否か、すなわち、ワーク5に取り付けられたRFIDタグ12が検知されたか否かを判断し(ステップn201)、RFIDタグ12が検知されたとき、すなわち、ミューティングセンサ6からのミューティング用の出力が与えられたときには、ミューティング状態を有効(ON)にしてセーフティライトカーテン4の出力を無効化する(ステップn202)。
【0074】
次に、ミューティング状態を有効にした時点から予め設定した時間が経過したか否か判断し(ステップn203)、経過していないときには、ワーク5がセーフティライトカーテン4の検知領域を完全に通過したか否か、すなわち、セーフティライトカーテン4の出力が遮光状態に対応するOFFから入光状態に対応するONに変化したか否かを判断し(ステップn204)、ワーク5が通過していないときには、ステップn203に戻り、ワーク5が通過したときには、ミューティング状態を解除(OFF)してセーフティライトカーテン4の検知機能の無効化を解除する(ステップn205)。
【0075】
ステップn203における予め設定した時間は、ワーク5の搬送速度および形状などから、ワーク5が、ミューティングセンサ6で検出されてからセーフティライトカーテン4の検知領域を完全に通過するのに十分な時間に設定される。この設定時間が短いと、ワーク5が検知領域を通過する前に、ミューティング状態が解除されてしまい、セーフティライトカーテン4によってワーク5が検知される結果、安全出力が、産業用ロボット7の稼動を禁止する危険側の出力であるOFFとなり、ワーク5が検知領域を通過しているにも拘らず、産業用ロボット7への駆動電源の供給が遮断されて、産業用ロボット7の動作が停止してしまうことになる。
【0076】
この設定時間を適切に設定することによって、設定時間が経過する前に、セーフティライトカーテン4によって、ワーク5が通過したことが検知されてミューティング状態が解除される。
【0077】
図5は、コントローラ8によるコンタクタ25に対する制御出力である安全出力を説明するためのフローチャートである。
【0078】
先ず、セーフティライトカーテン4からの入力を取り込み(ステップn300)、検知領域を物が通過することによる遮光状態を検知したか否かを判断し(ステップn301)、遮光状態を検知したときには、ミューティング状態が解除(OFF)されているか否かを判断し(ステップn302)、ミューティング状態が解除されているときには、遮光状態は、ワーク5の通過によるものではなく、作業者などによるものであるとして、コンタクタ25に対する制御出力である安全出力を、産業用ロボットの稼動を禁止する危険側の出力であるOFFにし(ステップn303)、これによって、コンタクタ25の接点を開き、産業用ロボット7への駆動電源の供給を遮断して、産業用ロボット7を停止させて作業者を保護する。
【0079】
ステップn302において、ミューティング状態が解除されていない、すなわち、ミューティング状態が有効(ON)であるときには、遮光状態は、ワーク5の通過によるものであるとして、コンタクタ25に対する制御出力である安全出力を、産業用ロボットの稼動を許容する安全側の出力であるONにし(ステップn304)、これによって、コンタクタ25の接点は閉の状態を維持し、ワーク5の通過中は、産業用ロボット7への駆動電源の供給を継続して、作業を行う。
【0080】
また、ステップn301において、遮光状態が検知されなかったときにも、ステップn304に移り、検知領域を通過して危険領域へ侵入する物はなく、安全であるとして、安全出力をONにして産業用ロボット7への駆動電源の供給を継続し、作業を行う。
【0081】
図6は、以上の動作説明に供するタイムチャートであり、同図(a)はミューティングセンサ6の出力を、同図(b)はコントローラ8によるミューティング状態を、同図(c)はセーフティライトカーテン4の入光/遮光の状態を、同図(d)はコントローラ8の制御出力である安全出力をそれぞれ示している。
【0082】
RFIDタグ12が付設されたワーク5が、ミューティングセンサ6の読み取り書き込み装置13によって検知されると、同図(a)に示されるように、ミューティング用の出力であるONの出力が、コントローラ8に与えられる。コントローラ8は、このONの出力に応答して、同図(b)に示すように、セーフティライトカーテン4の検知機能を無効化する、すなわち、ミューティング状態を有効とする。なお、Tはコントローラ8の処理の時間遅れを示している。
【0083】
ワーク5が進行し、時刻t1において、セーフティライトカーテン4の検知領域を通過し始まると、ワーク5によって遮光されるので、同図(c)に示すように、セーフティライトカーテン4の出力は、遮光状態に対応するOFFの検知出力となり、ワーク5が、セーフティライトカーテン4の検知領域を完全に通過するまで継続する。
【0084】
このセーフティライトカーテン4が遮光状態に対応するOFFの検知出力を出力している期間は、同図(b)に示すように、ミューティングが有効である状態が継続しており、したがって、コントローラ8の安全出力は、同図(d)に示すように、安全側に対応するONの状態を継続し、産業用ロボット7に駆動電源が供給されており、作業が継続されている。
【0085】
ワーク5が、時刻t2において、セーフティライトカーテン4の検知領域を完全に通過し、同図(c)に示すように、セーフティライトカーテン4の出力が、入光状態に対応するONに変化すると、同図(b)に示すように、コントローラ8は、セーフティライトカーテン4の検知機能の無効化、すなわち、ミューティング状態を解除する。なお、Tはコントローラ8の処理の時間遅れを示している。
【0086】
本発明の他の実施形態として、コントローラ8をコントローラ部とし、例えば、ミューティングセンサ6のセンサ部と一体化してミューティングセンサ装置としてもよく、あるいは、コントローラ8をコントローラ部とし、例えば、セーフティライトカーテン4の受光器11と一体化してセーフティセンサ装置としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、例えば、工作機械などの危険源が存在する危険領域にワークが搬送されて作業が行われる製造ラインなどにおける安全の確保に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明の実施形態に係る安全システムを備える製造ラインの概略構成図である。
【図2】図1の安全システムのブロック図である。
【図3】ミューティングセンサの読み取り書き込み装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図4は、コントローラによるミューティング状態の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】コントローラによるコンタクタに対する制御出力を説明するためのフローチャートである。
【図6】動作説明に供するタイムチャートである。
【図7】セーフティライトカーテンを備えた従来例の製造ラインの概略構成図である。
【図8】図7のセーフティライトカーテンおよびミューティングセンサの設置状態を示す平面図である。
【図9】従来例のタイムチャートである。
【符号の説明】
【0089】
1 安全システム
3 危険領域
4 セーフティライトカーテン
5 ワーク(移動物体)
6 ミューティングセンサ
8 コントローラ
12 RFIDタグ
13 読み取り書き込み装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
危険領域の周辺に形成された検知領域を通過する物を検知するセーフティセンサと、前記検知領域を通過する移動物体を、前記セーフティセンサが検知する前に非接触で検知するミューティングセンサと、前記危険領域内に配置された危険源の動作を、前記両センサの出力に基づいて制御するコントローラとを備える安全システムであって、
前記ミューティングセンサは、前記移動物体に付設される被検知部と、該被検知部を、前記移動物体が前記セーフティセンサによって検知される前に検知するように配置されたセンサ部とを備え、該センサ部は、当該センサ部の異常の有無を監視し、異常が無い状態で前記被検知部を検知したときに、ミューティング用の出力を前記コントローラに与え、
該コントローラは、前記ミューティング用の出力に基づいて、前記セーフティセンサの検知機能を無効化することを特徴とする安全システム。
【請求項2】
前記セーフティセンサが、前記移動物体の移動路を挟んで対向配置された投光器および受光器を備える多光軸光電センサであり、
前記コントローラは、前記危険源への駆動電源の供給/遮断を制御するものであって、前記ミューティング用の出力に基づいて前記多光軸光電センサの検知機能を無効化する一方、前記多光軸光電センサの出力に基づいて、前記無効化を解除する請求項1に記載の安全システム。
【請求項3】
前記移動物体に付設される前記被検知部がRFIDタグであり、前記センサ部が前記RFIDタグの情報を読み取る読み取り装置である請求項1または2に記載の安全システム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記ミューティング用の出力に基づいてセーフティセンサの検知機能を無効化し、予め設定した時間が経過したときに、前記無効化を解除する請求項1ないし3のいずれか一項に記載の安全システム。
【請求項5】
危険領域の周辺に形成された検知領域を通過する物を検知するセーフティセンサの検知機能を無効化するミューティングセンサ装置であって、
前記検知領域を通過して移動する移動物体に付設される被検知部と、該被検知部を、前記移動物体が前記セーフティセンサによって検知される前に、非接触で検知するように配置されたミューティングセンサ部と、前記危険領域内に配置された危険源の動作を、前記ミューティングセンサ部の出力および前記セーフティセンサの出力に基づいて制御するコントローラ部とを備え、前記ミューティングセンサ部は、当該ミューティングセンサ部の異常の有無を監視し、異常が無い状態で前記被検知部を検知したときに、ミューティング用の出力を、前記コントローラ部に与え、該コントローラ部は、前記ミューティング用の出力に基づいて、前記セーフティセンサの検知機能を無効化することを特徴とするミューティングセンサ装置。
【請求項6】
危険領域の周辺に形成された検知領域を通過する物を検知するセーフティセンサ部と、前記危険領域内に配置された危険源の動作を制御するコントローラ部とを備えるとともに、前記検知領域を通過する移動物体を、前記セーフティセンサ部が検知する前に非接触で検知するミューティングセンサの出力が与えられるセーフティセンサ装置であって、
前記コントローラ部は、前記セーフティセンサ部の出力および前記ミューティングセンサの出力に基づいて前記危険源の動作を制御するものであり、
前記ミューティングセンサは、前記移動物体に付設される被検知部と、該被検知部を、前記移動物体が前記セーフティセンサ部によって検知される前に検知するように配置されたミューティングセンサ部とを備え、前記ミューティングセンサ部は、該ミューティングセンサ部の異常の有無を監視し、異常が無い状態で前記被検知部を検知したときに、ミューティング用の出力を前記コントローラ部に与えるものであり、
前記コントローラ部は、前記ミューティング用の出力に基づいて、前記セーフティセンサ部の検知機能を無効化することを特徴とするセーフティセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−133503(P2010−133503A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310664(P2008−310664)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】