説明

安全性評価試験方法、安全性評価試験装置、および熱電対付破壊測定器具

【課題】蓄電デバイスの安全性評価試験を確実に行うことが可能な安全性評価試験方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る安全性評価試験方法は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の内部に温度測定センサーを配置することで、被検物に釘を挿入した際の被検物内部の温度変化測定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電デバイスの安全性評価試験を行う安全性評価試験方法、安全性評価試験装置、および熱電対付破壊測定器具に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池は、他の二次電池に比べて高いエネルギー密度を有し、高い出力も得られることから、電気自動車、ハイブリット自動車、電力貯蔵用の蓄電デバイスとして盛んに開発が進められている。
【0003】
しかし、リチウムイオン電池は内部短絡を起すと、急激な熱発生があり、電池内部の有機電解液が分解、蒸発し、爆発や火炎の吹き出しを起す可能性が高く、安全性の面での課題が残っているのが現状である。さらに、前述のような用途に用いられる場合には、電池が大型化される傾向があり、一般的に電池が大型化されるほど、爆発や火炎の吹き出しの強度も高くなり、危険性が高くなるため、安全面での配慮、対策が不可欠となってきている。
【0004】
この課題を解決するために、電池の安全性を確認する上で安全性評価試験が重視されており、特に内部短絡を引き起こす可能性の高い試験が、好適に用いられる。その代表的なものが、釘刺し試験、圧壊試験、過充電試験で、そのうち、被検物に完成後(封口完了品)に外因的手法で導電性の異物を挿入できる手法として釘刺し試験が特に好適に活用される。
【0005】
あるいは、化学物質が内部に含まれる容器は、容器が破壊された時に化学物質が酸素と反応し高熱と発火の危険性を含んでいる。容器を安全に保障するには容器の破壊強度と高熱が発生するまでの時間と温度を正確に求めることが容器の経済性と安全性を確保するのに求められている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「小形リチウムイオン電池の最新安全性試験技術と安全性試験サイトの構築」(年報 NTTファシリティーズ総研レポート No. 20 2009年6月、著 荒川正泰、市村雅弘)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の電池の釘刺し試験において、被検物である電池に1本の釘を貫通させ、その釘の表面で、釘刺し時に被検物と接触しない位置に温度測定センサーを貼り付け、釘の温度を測るか、被検物の表面に貼り付けた熱電対により温度変化を読み解くのが一般的で、短絡発生の確率が低く、挙動を表面から観察する方法が一般的であり、時には温度変化が観測されないこともあるため、複数の電池で複数回、試験を行い、不具合の生じないことを証明せざるをえず、結果も確率論でしか解析できない状態であった。
【0008】
また、電池が大型化した場合、急激な内部短絡が発生する釘刺し試験において、内部の短絡箇所で発生した熱エネルギーが電池表面へ伝達されるまでにはどうしてもタイムラグが生じ、表面で計測するだけでは正確な内部の温度およびその変化を計測できないため、実際の短絡メカニズムを解析するのが困難であった。
【0009】
また、化学物質が内部に含まれる容器は、容器が破壊された時に化学物質が酸素と反応し高熱と発火の危険性を含んでいる。容器を安全に保障するには容器の破壊強度と高熱が発生するまでの時間と温度を正確に求めることが容器の経済性と安全性を確保するのに求められており測定器具の具備すべき条件として1,2をあげることができる。
1.容器の破壊するための破壊強度以上の強度
2.容器が破壊した時から発熱までの時間と温度測定
1.2.の測定を両方同時に実施するという課題
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、蓄電デバイスの安全性評価試験を確実に行うことが可能な安全性評価試験方法、安全性評価試験装置、および熱電対付破壊測定器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る安全性評価試験方法は、上記の課題を解決するために、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の内部に温度測定センサーを配置することで、被検物に釘を挿入した際の被検物内部の温度変化測定を行うことを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係る安全性評価試験方法は、釘の内部に温度測定センサーを配置する方法が、釘に縦穴を開ける手法を用いる構成であってよい。
【0012】
本発明に係る熱電対付破壊測定器具は、上記の課題を解決するために、棒状ロッドと破壊突起部を備え、棒状ロッドの中心には長手方向に円柱状の穴を開け、その穴には熱電対線Aと、熱電対線Bを接続した熱電対接続部を、上記破壊突起部の近傍に設け、その熱電対接続部に近い棒状ロッドに1個あるいは複数個の横穴を設けることで瞬時に温度を測定でき、且つ破壊検査できることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る安全性評価試験方法は、釘の内部に温度測定センサーを配置する方法が、センサーを鋳込んだ金属母材を用いて釘形状に切削加工する構成であってよい。
【0014】
また、本発明に係る安全性評価試験方法は、釘の内部に配した温度測定センサーとして、熱電対、抵抗測温体、サーミスタの内少なくとも1種類を用いる構成であってよい。
【0015】
本発明に係る安全性評価試験装置は、上記の課題を解決するために、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の内部に温度測定センサーを配することで、被検物に釘を挿入した際の被検物内部の温度変化測定を行うことを特徴としている。
【0016】
本発明に係る安全性評価試験方法は、上記の課題を解決するために、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、一つの被検物に対して、複数の釘にて試験を行うことを特徴としている。
【0017】
また、本発明に係る安全性評価試験方法は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の本数を変更できる構成であってよい。
【0018】
また、本発明に係る安全性評価試験方法は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘を被検物の形状及び/又は強度によって交換する構成であってよい。
【0019】
本発明に係る安全性評価試験装置は、上記の課題を解決するために、被検物の蓄電デバイスに対する安全性評価試験装置の一つである、釘刺し試験機において、一つの被検物に対して、複数の釘にて試験を行うことを特徴としている。
【0020】
また、本発明に係る安全性評価試験装置は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の本数を変更できる構成であってよい。
【0021】
また、本発明に係る安全性評価試験方法は、焼入れによって強度を向上させた釘を用いる構成であってよい。
【0022】
焼入れには、高周波焼入れ、冷間焼入れなどが含まれる。
【0023】
また、本発明に係る安全性評価試験装置は、焼入れによって強度を向上させた釘を用いる構成であってよい。
【0024】
焼入れには、高周波焼入れ、冷間焼入れなどが含まれる。
【0025】
本発明に係る安全性評価試験方法は、上記の課題を解決するために、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の打ち込み方向に可動とすることによって、釘の根本部分に圧力センサーを設置し、釘ごとにかかった荷重を測定することを特徴としている。
【0026】
本発明に係る安全性評価試験装置は、上記の課題を解決するために、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の打ち込み方向に可動とすることによって、釘の根本部分に圧力センサーを設置し、釘ごとにかかった荷重を測定することを特徴としている。
【0027】
本発明に係る安全性評価試験方法は、上記の課題を解決するために、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘を被検物にさす前に装置に固定した、釘の直径より大きなガイド穴のある板状の部材を通すことによって、釘を被検物から抜き取ることを特徴としている。
【0028】
本発明に係る安全性評価試験方法は、上記の課題を解決するために、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘に被検物を貫通させず、釘の先端が被検物の内部で止まるよう制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る安全性評価試験方法は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の内部に温度測定センサーを配置することで、被検物に釘を挿入した際の被検物内部の温度変化測定を行う構成である。
【0030】
本発明に係る熱電対付破壊測定器具は、棒状ロッドと破壊突起部を備え、棒状ロッドの中心には長手方向に円柱状の穴を開け、その穴には熱電対線Aと、熱電対線Bを接続した熱電対接続部を、上記破壊突起部の近傍に設け、その熱電対接続部に近い棒状ロッドに1個あるいは複数個の横穴を設けることで瞬時に温度を測定でき、且つ破壊検査できる構成である。
【0031】
本発明に係る安全性評価試験装置は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の内部に温度測定センサーを配することで、被検物に釘を挿入した際の被検物内部の温度変化測定を行う構成である。
【0032】
本発明に係る安全性評価試験方法は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、一つの被検物に対して、複数の釘にて試験を行う構成である。
【0033】
本発明に係る安全性評価試験装置は、被検物の蓄電デバイスに対する安全性評価試験装置の一つである、釘刺し試験機において、一つの被検物に対して、複数の釘にて試験を行う構成である。
【0034】
本発明に係る安全性評価試験方法は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の打ち込み方向に可動とすることによって、釘の根本部分に圧力センサーを設置し、釘ごとにかかった荷重を測定する構成である。
【0035】
本発明に係る安全性評価試験装置は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の打ち込み方向に可動とすることによって、釘の根本部分に圧力センサーを設置し、釘ごとにかかった荷重を測定する構成である。
【0036】
本発明に係る安全性評価試験方法は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘に被検物を貫通させず、釘の先端が被検物の内部で止まるよう制御する構成である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】釘刺し装置の一例の概念図(複数釘タイプ)を示す。
【図2】釘部分の配置例の一例を示す図である。
【図3】中空釘に熱電対などを付けた場合の概念図を示す。
【図4】電池の表面と釘の内部温度の変化のグラフを示す。
【図5】本実施の形態に係る熱電対付破壊測定器具の構成を示す図である。
【図6】本実施の形態に係る熱電対付破壊測定器具の熱電対付破壊測定器具の棒状ロッド断面図を示す。
【図7】本実施の形態に係る実施例を示す図である。
【図8】本実施の形態に係る実施例を示す図である。
【図9】抜取り板を付けた本実施の形態に係る装置の概念図を示す。
【図10】圧力検知センサを付けた本実施の形態に係る装置の概念図(釘付け根の透視図)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
<実施例>
リチウムイオン蓄電池を被検物とし、中空の釘で釘先端近くまで熱電対を挿入し、計測した、5本釘タイプでの試験(図4の釘内部1から5)では、温度上昇の面で内部温度をより正確に反映している。
【0039】
5本の内1本だけに熱電対を装着しても、要件(電池内部の温度を測りたいという要求)は満足できる。
【0040】
<比較例>
実施例と同様の被検物の表面温度や熱電対を釘の根元に付けて測定した、5本釘タイプでの試験(図4の釘1から5が熱電対を釘の根本に付けたもので、図4の表面1から5が被検物の表面温度を測定したもの)では、温度の追従性が悪く、低めの値が計測されるため、内部温度を正確には測れない。
(他の実施例)
熱電対付破壊測定器具の棒状ロッド部の外周部から中心に向って破壊突起部近傍の位置
に1個あるいは複数個の横穴を設け且つ破壊突起物を先端に設ける。
【0041】
図7と図8に構成断面図と使用方法を示す。
【0042】
図7において熱電対付破壊測定器具1は棒状ロッド2と破壊突起部3から構成されており熱電対付破壊測定器具1には荷重を加えて容器6の破壊を実施する。
【0043】
棒状ロッド2の中心には長手方向に穴が開いており、その穴には熱電対線A(41)と、熱電対線B(42)が挿入されており、破壊突起部3近傍で接続あるいは溶着されている熱電対接続部(43)がある。熱電対接続部43は熱起電力を発生するので熱電対線A(41)と、熱電対線B(42)接続されている他方を電圧計6へ接続し電圧測定し換算することで温度測定が可能となる。
【0044】
図8において熱電対付破壊測定器具1は棒状ロッド2と破壊突起部3から構成されており熱電対付破壊測定器具1には荷重を加えて容器6の破壊を実施する。棒状ロッド2の中心には長手方向に穴が開いており、その穴には熱電対線A(41)と、熱電対線B(42)が挿入されており、破壊突起部3近傍で接続あるいは溶着されている熱電対接続部(43)がある。熱電対接続部(43)は熱起電力を発生するので熱電対線A(41)と、熱電対線B(42)接続されている他方を電圧計6へ接続し電圧測定し換算することで温度測定が可能となる。熱電対付破壊測定器具1破壊部分の端面は開放されており容器破壊後の化学物質が空気と反応し高熱と発火するまでの試験体5の破壊時間差を生じることなく正確に温度測定することが容易である。
【0045】
図7、図8では、熱電対付破壊測定器具1の先端部(容器5側)に近い位置に熱電対接続部(43)が配置されている。これにより、測定温度を優れた応答性でユーザに提供することができる。
【0046】
また、図7、図8を比較して、図7に記載する熱電対付破壊測定器具1の方が、図8に記載する熱電対付破壊測定器具1よりも、先端部(容器5側)が鋭くとがっている分だけ、容器5に刺さりやすくなるという効果を実現することができる。
(さらに他の実施例)
図5と図6で本考案の熱電対付破壊測定器具の構成を示す。
【0047】
図5は、本考案の熱電対付破壊測定器具の構成である。熱電対付破壊測定器具1は棒状ロッド2と破壊突起部3から構成されており、棒状ロッド2の中心には長手方向に穴が開いている(中空に形成されている)。その穴には熱電対線A(41)と、熱電対線B(42)が通してあり、破壊突起部3近傍で接続あるいは溶着されている熱電対接続部(43)がある。熱電対線A(41)熱電対線B(42)の接続あるいは溶着されている部分熱対接続部(43)は熱起電力を発生し接続されている電圧計6で測定することにより温度測定が可能となる。
【0048】
なお、棒状ロッド2は長手方向に中空に形成され、その内部に熱電対線A(41)と、熱電対線B(42)が通してあるが、中空に形成されることなく、内部に熱電対線A(41)、熱電対線B(42)、及び熱電対接続部(43)が棒状ロッド2に埋め込まれている構成で実現されていてもよい。
【0049】
図6は、本考案の熱電対付破壊測定器具の棒状ロッド断面図である。図6に示すように、試験体5の破壊から容器内の化学物質が空気と反応し高熱を生じ発火するまでの時間差なく正確に温度上昇を測定するため、熱対接続部(43)近傍に棒状ロッド2の外周部から中心へ向って放射上に1個ないしは複数個の横穴7を設ける。これにより化学物質が熱対接続部43へ入り瞬時に反応し温度と破壊強度が可能となる。
(本発明の効果)
複数釘では内部短絡の発生確率が高く、大きな短絡電流が流れやすくなるため、電池の端子間電圧の低下は早くなる。また、短絡電流が大きいということから、単位時間当たりの発熱量も多くなり、放熱以上に発熱し、急激にセル温度が上昇するとともに、高分子材料で出来たセパレータの溶融や、いわゆるシャットダウンの発生が促進され、試験を確実に行うことが可能となる。
【0050】
さらに、釘を刺した部分の温度を、釘の内部に配置した測温体によって計測することで、電池内部での熱的な挙動を観測できる。
【0051】
また、本発明に係る熱電対付破壊測定器具を使用することで、容器が破壊され容器内の化学物質が酸素と反応し高熱を発するまでの時間、温度と容器強度の関係が同時に測定可能となるという利点がある。
(その他の構成)
なお、本実施形態に係る発明は、以下の構成であってよい。
【0052】
本実施形態に係る安全性評価試験方法は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、一つの被検物に対して、複数の釘にて試験を行う構成であってよい。
【0053】
本実施形態に係る安全性評価試験装置は、被検物の蓄電デバイスに対する安全性評価試験装置の一つである、釘刺し試験機において、一つの被検物に対して、複数の釘にて試験を行う構成であってよい。
【0054】
本実施形態に係る安全性評価試験方法は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の内部に温度測定センサーを有することで、被検物に釘を挿入した際の被検物内部の温度変化測定を行う構成であってよい。
【0055】
本実施形態に係る安全性評価試験装置は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の内部に温度測定センサーを配することで、被検物に釘を挿入した際の被検物内部の温度変化測定を行う構成であってよい。
【0056】
本実施形態に係る釘刺し試験装置は、釘の内部に配した温度測定センサーとして、熱電対、抵抗測温体、サーミスタの内少なくとも1種類を用いる構成であってよい。
【0057】
本実施形態に係る安全性評価試験方法は、蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘に被検物を貫通させず、釘の先端が被検物のおおむね中央の位置で止まるよう制御する構成であってよい。
【0058】
なお、複数の釘のうち、少なくとも1本が温度を測定できるようになっておれば、電池内部の温度を測る意図は達成可能であることは言うまでもない。また、釘の配置に付いては、この例示した例に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、蓄電デバイスの安全性評価試験を行う安全性評価試験方法、安全性評価試験装置、および熱電対付破壊測定器具に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 熱電対付破壊測定器具
2 棒状ロッド
3 破壊突起部
41 熱電対線A
42 熱電対線B
43 熱電対接続部
5 試験体
6 電圧計
7 横穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の内部に温度測定センサーを配置することで、被検物に釘を挿入した際の被検物内部の温度変化測定を行うことを特徴とする安全性評価試験方法。
【請求項2】
釘の内部に温度測定センサーを配置する方法が、釘に縦穴を開ける手法を用いることを特徴とする請求項1に記載の安全性評価試験方法。
【請求項3】
棒状ロッドと破壊突起部を備え、棒状ロッドの中心には長手方向に円柱状の穴を開け、その穴には熱電対線Aと、熱電対線Bを接続した熱電対接続部を、上記破壊突起部の近傍に設け、その熱電対接続部に近い棒状ロッドに1個あるいは複数個の横穴を設けることで瞬時に温度を測定でき、且つ破壊検査できることを特徴とする熱電対付破壊測定器具。
【請求項4】
釘の内部に温度測定センサーを配置する方法が、センサーを鋳込んだ金属母材を用いて釘形状に切削加工することを特徴とする請求項1に記載の安全性評価試験方法。
【請求項5】
釘の内部に配した温度測定センサーとして、熱電対、抵抗測温体、サーミスタの内少なくとも1種類を用いることを特徴とする請求項1、2、4の何れか1項に記載の安全性評価試験方法。
【請求項6】
蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の内部に温度測定センサーを配することで、被検物に釘を挿入した際の被検物内部の温度変化測定を行うことを特徴とする安全性評価試験装置。
【請求項7】
蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、一つの被検物に対して、複数の釘にて試験を行うことを特徴とする安全性評価試験方法。
【請求項8】
蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の本数を変更できることを特徴とする請求項7に記載の安全性評価試験方法。
【請求項9】
蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘を被検物の形状及び/又は強度によって交換することを特徴とする請求項7または8に記載の安全性評価試験方法。
【請求項10】
被検物の蓄電デバイスに対する安全性評価試験装置の一つである、釘刺し試験機において、一つの被検物に対して、複数の釘にて試験を行うことを特徴とする安全性評価試験装置。
【請求項11】
蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の本数を変更できることを特徴とする請求項10に記載の安全性評価試験装置。
【請求項12】
焼入れによって強度を向上させた釘を用いることを特徴とする請求項7から9の何れか1項に記載の安全性評価試験方法。
【請求項13】
焼入れによって強度を向上させた釘を用いることを特徴とする請求項10または11に記載の安全性評価試験装置。
【請求項14】
蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の打ち込み方向に可動とすることによって、釘の根本部分に圧力センサーを設置し、釘ごとにかかった荷重を測定することを特徴とする安全性評価試験方法。
【請求項15】
蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘の打ち込み方向に可動とすることによって、釘の根本部分に圧力センサーを設置し、釘ごとにかかった荷重を測定することを特徴とする安全性評価試験装置。
【請求項16】
蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘を被検物にさす前に装置に固定した、釘の直径より大きなガイド穴のある板状の部材を通すことによって、釘を被検物から抜き取ることを特徴とする安全性評価試験方法。
【請求項17】
蓄電デバイスを被検物とする安全性評価試験の、釘刺し試験において、釘に被検物を貫通させず、釘の先端が被検物の内部で止まるよう制御することを特徴とする安全性評価試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−215537(P2012−215537A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139956(P2011−139956)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(511092734)株式会社山本金属製作所 (1)
【Fターム(参考)】