説明

安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子、並びにその製造方法及びその組成物

有機パッシベーション層で安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子、その製造方法、及び安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子を用いた組成物が説明される。いくつかの実施形態において、安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子は、高フォトルミネセンス量子効率を有する、フォトルミネセントIV族半導体ナノ粒子である。安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子は、様々な光電子デバイスに有用な組成物において使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、有機パッシベーション層で安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子、その製造方法、及び安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子を用いた組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
IV族半導体ナノ粒子は、光電子デバイスの幅広い品揃えのための様々な応用において有用であることが分かっている。しかしながら、IV族半導体ナノ粒子表面の安定性に関連する問題のために、ルミネセントIV族半導体ナノ粒子について、時間と共にルミネセンスが低下することが認められている。
【0003】
ナノ粒子表面の不安定性から生じる、そのようなIV族半導体ナノ粒子のルミネセンスの低下は、電磁スペクトルの可視領域におけるシリコンナノ粒子のフォトルミネセンスを考えると明らかとなる。粒子サイズが小さいこと及びそれによって生じる反応性のために、シリコンナノ粒子の電磁スペクトルの可視領域においてフォトルミネセンスを安定させることは、ナノ粒子の表面安定性を首尾よく達成すること、したがって、そのような材料の光発生性能を保持することの指標となる。
【0004】
シリコンナノ粒子(すなわち、電磁スペクトルの可視領域において発光する直径約1.0nm〜約4.0nmのナノ粒子)の表面安定性を増大させ、したがってフォトルミネセンスの質を向上させる手法の1つの例は、ナノ粒子の表面をパッシベートすることであった。いくつかの用途に対しては、シリコンナノ粒子表面の熱酸化が、ナノ粒子のパッシベーションに効果的であることが分かっている。しかしながら、多くの光電子的用途に対しては、酸化によるパッシベーションは適切ではない。
【0005】
表面酸化によるパッシベーションの代替手法は、有機パッシベーション層を形成することである。例えば、シリコン及びゲルマニウム表面の平面で多孔性のバルク表面上に有機パッシベーション層を形成することについての広範囲にわたる報告を、J.M. Buriak、Chem. Rev.、第102巻、第1271-1308頁、2002年に見出すことができる。或る時期には、水素終端したIV族半導体表面サイトにおけるアルケン又はアルキンといった不飽和有機種の挿入反応が知られてきた。Buriakの報告に詳述されているように、IV族半導体材料がシリコンである場合、その反応は、ヒドロシリル化と呼ばれる。一般に、この反応は、Si−C結合を形成し、現在の段階では、バルクシリコン半導体材料に、一定の化学物質による化学的腐食に対するある程度の保護を与えることが示されている。
【0006】
より具体的には、IV族半導体ナノ粒子に関して、ヒドロシリル化を用いて多孔性シリコンウェーハから得られたシリコンナノ粒子のコロイド分散をパッシベーションすることが実証された(Lars H Lie他、Journal of Electroanalytical Chemistry、538−539、第183−190頁、2002年)。しかしながら、そのようなIV族ナノ材料の表面は、光電子デバイスの範囲で使用するのに必要な一体性(integrity)を有していない。これは、有機パッシベーション層を有するものとしてこれまで報告されてきたシリコンナノ粒子は、量子効率が劣り(〜10%又はそれ以下)、及び相当の期間にわたる安定性のないフォトルミネセンス強度を有するIV族半導体ナノ粒子を生成するものであったことからも明らかである。
【0007】
上述の報告にも含まれているように、多孔性バルクシリコン表面を電子的にグラフト(electrografting)することによるヒドロシリル化に関連して、ヒドロシリル化反応において使用される溶媒中の酸素が、多孔性シリコン固体に対するアルキンの結合と競合し得ることが示唆されてきた。更に、シリコンナノ粒子のヒドロシリル化において無酸素溶媒を用いるように予め注意を払うようにした手法でさえ、IV族半導体ナノ粒子に関連する表面の安定性の問題を克服することができるとは証明されていない(Swihart他、US2004/0229447、2004年11月8日参照)。
【0008】
従って、安定的な有機パッシベーション層を有するIV族半導体ナノ粒子、及びそのような材料の製造方法についての技術に対する必要性がある。
【発明の開示】
【0009】
本出願は、2005年8月11日に出願された米国仮特許出願第60/707,390号の優先権を主張する。
【0010】
ここに開示された研究は、エネルギー省からの助成金第DE−FG02−03ER86161号の下で一部米国政府の支援で行われた。米国連邦政府は、本発明の一定の権利を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ここでの開示は、安定な有機パッシベーション層を有する安定なIV族半導体ナノ粒子、そのようなIV族半導体ナノ粒子の製造方法の実施形態、並びに安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子を用いた組成物の実施形態を提供する。
【0012】
これらの材料、方法及び組成物は、本発明者らの研究、すなわち、IV族半導体ナノ粒子のいくつかの実施形態を、それらの形成の時点から、その表面上に有機パッシベーション層を形成するまでの期間にわたり、不活性環境に保持すること、そのようにして製造された材料が安定したフォトルミネセンスを有すること、についての発明者らの研究から発展的に得られたものである。以下に詳細に議論されるように、そのようなルミネセンスは、高い量子効率及びIV族半導体ナノ粒子のそのような実施形態から放出されるフォトルミネセンスの強度といった現象として観察される。更に、フーリエ変換赤外(FTIR)分光分析によって、ここに開示される安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態は、先行技術のIV族半導体ナノ粒子と比較して、実質的に無酸素であることが見出される。
【0013】
ここで用いられる用語「IV族半導体ナノ粒子」は一般に、平均直径が約1.0nm〜100.0nmの間であり、いくつかの例においては、球状、六角形、立方体のナノ粒子といった、より普通の形状に加えて、ナノワイヤ又は変則的な形状といった細長い粒子形状を含むことができるIV族半導体ナノ粒子をいう。この点、IV族半導体ナノ粒子は、個々の原子とマクロなバルク固体の中間の大きさである。いくつかの実施形態において、IV族半導体ナノ粒子は、ボーア励起半径(例えば、4.9nm)、又はド・ブロイ波長のオーダーの大きさであり、それにより、個々のIV族半導体ナノ粒子が、個々の、又は飛び飛びの数の粒子内の電荷キャリアである電子若しくは正孔のいずれか、又は励起子をトラップすることを可能とする。IV族半導体ナノ粒子は、量子閉じ込め及び表面エネルギー効果のために、多くの固有の電子的、磁気的、触媒的、物理的、光電子的、及び光学的特性を示すことができる。例えば、IV族半導体ナノ粒子のいくつかの実施形態は、同じ組成を有するマクロな材料のフォトルミネセンス効果よりも著しく大きなフォトルミネセンス効果を示す。これに加えて、これらの量子閉じ込め効果は、ナノ粒子の大きさによって変化する。例えば、IV族半導体ナノ粒子のいくつかの実施形態により放出されるフォトルミネセンスの色は、ナノ粒子の大きさの関数として変化する。
【0014】
ここに開示される組成物の出発原料として、適切な品質のIV族半導体ナノ粒子を使用することが考えられる。後により詳細に議論されるように、粒子の品質は、これに限定されるものではないが、粒子の組織的形態、平均の大きさ、及び大きさの分布を含む。開示される安定的にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態に関して、出発材料として有用な適切なナノ粒子材料は、明確な組織的形態特性を持ち、粒子の凝集(clumping)、集塊化(agglomeration)、又は融解(fusion)の可能性が低いものである。前述のように、及び後により詳細に議論されるように、IV族半導体ナノ粒子に与えられる性質は、粒子の大きさに密接に関連する。この点に関し、多くの用途に対しては、特定の直径における単分散粒子数が又、必要である。
【0015】
粒子の質に関して、図1Aに、ここに開示される安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子材料のいくつかの実施形態のための出発材料として適した質のシリコンナノ粒子の透過電子顕微鏡(TEM)の写真が示されている。粒子は、平均直径が約10.0nmであり、明らかに明確な粒子の組織的形態特性をとっており、相当に単分散であるように見える。これに対して、図1Bには、市販のシリコンナノ粒子の試料のTEMが示されている。粒子間のかなりの融解が明らかであり、そこではアモルファス材料の網がナノ粒子材料を架橋している。注意深く精査すると、非常に小さな粒子が、相当大きな粒子と融解しており、この試料において多分散性が又、明らかであることが又、分かる。
【0016】
IV族半導体ナノ粒子の粒子の大きさ及び固有の性質を考慮すると、その関係の例が、図2に与えられる。図2は、シリコンナノ粒子の大きさの関数としての、ルミネセンス放出及びエネルギーに対する関係を示すグラフである。図2から、約1.0nm〜約4.0nmの間の粒子の大きさは、電磁スペクトルの可視部分における波長にわたってルミネセンスを示す。この点、コロイド状材料として説明されるものの範囲が1.0nm〜1.0ミクロンであるとした場合、電磁スペクトルの可視範囲におけるナノ粒子は、コロイド状と定義されるものの下端である。これに加えて、これらの小さなナノ粒子についての、半径に反比例する表面積対体積の比は、1.0ミクロンのコロイドについてのものよりも数千倍大きな範囲にある。これらの大きな表面積、並びに例えば、湾曲した表面におけるIV族原子の歪みといった他の要因は、これらの小さなIV族半導体ナノ粒子の顕著な反応性のような一般に文献で報告されていなかった我々が観察したことを説明するものと推測される。
【0017】
この観察の結果、細心の注意が払われて、IV族半導体ナノ粒子を生成し、安定にパッシベートした。この点、IV族半導体ナノ粒子の実施形態が可視領域においてフォトルミネセンスを有することは、約1.0nm〜約100.0nmの範囲におけるIV族半導体ナノ粒子のパッシベーション及び安定化の成功の指標である。第1に、それらは、安定化に最も大きな課題を示す、最も小さく、且つ最も反応性の大きい粒子である。第2に、それらは、電磁スペクトルの可視領域におけるフォトルミネセンスを有するので、安定で高い量子効率のフォトルミネセンスは、開示される安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態が、従前報告されたパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子が欠く性質を有する指標である。
【0018】
図3において、フロー図が、約1.0nm〜約100.0nmの範囲の安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子を製造するためのステップの概要を示す。
【0019】
開示される安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態を製造するための第1ステップは、不活性環境において高品質のナノ粒子を製造することである。本開示の目的にとって、不活性環境は、ナノ粒子のフォトルミネセンスといった、IV族半導体ナノ粒子のルミネセンスに負の影響を与えるように反応する流体(すなわち、気体、溶媒及び溶液)がない環境である。この点、不活性ガスは、IV族半導体ナノ粒子のフォトルミネセンスといったルミネセンスに負の影響を与えるようにIV族半導体ナノ粒子と反応することがない任意のガスである。同様に、不活性溶媒は、IV族半導体ナノ粒子のフォトルミネセンスといったルミネセンスに負の影響を与えるようにIV族半導体ナノ粒子と反応することがない任意の溶媒である。最後に、不活性溶液は、IV族半導体ナノ粒子のフォトルミネセンスといったルミネセンスに負の影響を与えるようにIV族半導体ナノ粒子と反応することがない2又はそれ以上の物質の混合物である。
【0020】
従って、IV族半導体ナノ粒子は、実質的に不活性の環境において最初に形成されるという条件で、そのうちのいくつかは既知の任意の適切な方法によって製造することができる。不活性環境を提供するために使用することができる不活性ガスの例は、窒素及びアルゴンといった希ガスを含む。酸素以外の他のガスがIV族半導体ナノ粒子のフォトルミネセンスに負の影響を与えるようにIV族半導体ナノ粒子と反応することもあるので、不活性を無酸素のみと定義することに限るものではないが、実質的に無酸素の環境は、適切なIV族半導体ナノ粒子を製造できるものであることが認められた。ここで用いられる用語「実質的に無酸素」は、環境、溶媒又は溶液に関して、これらの環境、溶媒又は溶液との接触におけるIV族半導体ナノ粒子の酸化を除去又は最小化するために酸素の含有量が減少させられた環境、溶媒又は溶液をいう。このように、IV族半導体ナノ粒子出発材料は、安定にパッシベートされるまで、不活性で、実質的に無酸素の条件において処理される。
【0021】
いくつかの例において、実質的に無酸素の条件は、約100ppmより多くの酸素(O2)を含まない。これは、実質的に無酸素の条件が約1ppmより多くの酸素を含まない実施形態、更には実質的に無酸素の条件が約100ppbより多くの酸素を含まない実施形態を含む。例えば、IV族半導体ナノ粒子が溶媒相において製造される場合には、それらは、溶媒から除去され、更に真空又は不活性で、実質的に無酸素の雰囲気下で処理される。別の例において、IV族半導体ナノ粒子が製造される溶媒は、真空又は不活性ガス下に保持された無水で脱酸素の液体とし、その溶液における溶存酸素含有量を最小化することができる。これに代えて、IV族半導体ナノ粒子は、ガス相、又は不活性で、実質的に無酸素の雰囲気におけるプラズマ反応器において製造することができる。
【0022】
IV族半導体ナノ粒子を製造するための方法の例としては、プラズマエーロゾル合成、ガス相レーザ熱分解、大きなIV族半導体ナノ粒子からの化学的又は電気化学的エッチング、反応性スパッタリング、ゾルゲル技術、SiO2インプランテーション(implantation)、自己組織化(self-assembly)、熱気化、逆ミセルからの合成、及び自己組織化単分子層上でのレーザアブレーション/固定化が挙げられる。
【0023】
IV族半導体ナノ粒子が、大きなナノ粒子を所望の大きさにエッチングすることにより製造される場合には、ナノ粒子は、エッチング処理が完了した時点で、「初期形成された(initially formed)」ものと考えられる。エッチングの説明は、Swihart他、US2004/0229447、2004年11月8日、といった参考文献に見出すことができる。エッチングのためのそのような説明の背景として、IV族半導体ナノ粒子材料を、不活性で、実質的に無酸素の環境に維持するための開示はない。開示されるパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態のための出発材料として、エッチングされたIV族半導体ナノ粒子を用意すると、酸化条件下で行われるエッチングステップに引き続いて、実質的に無酸素のフッ化水素酸(HF)水溶液を使用した最終エッチングステップが行われ、更にナノ粒子を実質的に無酸素の条件に維持するための処理が行われる。例えば、そのように形成された水素終端したIV族半導体ナノ粒子は、不活性で、実質的に無酸素の環境に移すことができる。
【0024】
IV族半導体ナノ粒子を製造するためのプラズマ相法は、開示される安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態の製造において使用するために適切な品質のIV族半導体ナノ粒子を製造すると考えられる。不活性で、実質的に無酸素の環境においてその粒子が形成されるそのようなプラズマ相法は、2005年6月17日に出願された米国特許出願第11/155,340号に開示されており、その内容全体を引用によりここに組み入れる。
【0025】
図3のステップ2を参照すると、所望の大きさ及び大きさの分布を有するIV族半導体ナノ粒子が、不活性で、実質的に無酸素の環境において形成されると、有機パッシベーション層の合成のための不活性で、無酸素反応溶液に移される。反応溶液は、不活性で、実質的に無酸素の反応溶媒及び有機反応物質からなる。使用のために考えられる不活性反応溶媒の例としては、これに限られるものではないが、メシチレン、キシレン、トルエン、クロロベンゼン、及びヘキサンが挙げられる。この移転は、真空又は不活性で、実質的に無酸素の環境下で行うことができる。不活性で、実質的に無酸素の反応溶液を提供するために、溶液は、無水で脱酸素された有機溶媒及び有機反応物質から構成される。そのように形成された反応溶液は、不活性で、実質的に無酸素の環境下に保持される、例えば、グローブボックスにおいて窒素環境下に保持されることが望ましい。反応溶液において、ナノ粒子は、有機反応物質と反応し、その表面に有機パッシベーション層を設ける。このパッシベーション層は通常は、IV族原子−C結合を介してナノ粒子表面と直接共有結合された、安定で高密度に充填された有機単分子層である。
【0026】
IV族半導体ナノ粒子材料上に有機パッシベーション層を生成するために使用される反応の1つの例は、ナノ粒子表面の水素終端したIV族原子とアルケン又はアルキンとの間の挿入反応である。対象のIV族半導体元素であるシリコン、ゲルマニウム及びスズに対して、その反応はそれぞれ、ヒドロシリル化、ヒドロゲルミル化、ヒドロスタンニル化と呼ばれる。様々な適切なこの種の挿入反応の手順(protocol)が知られている。これらの例としては、遊離基開始剤、熱誘導挿入(thermally induced insertion)、紫外線又は可視光線を用いた光化学挿入、及び金属錯体による挿入が挙げられる。対象の有機種のいくつかの例としては、これに限られるものではないが、オクタデセン、ヘキサデカン、ウンデセン、フェニルアセチレンといった単純アルケンが挙げられる。安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子のいくつかの実施形態について、例えば、ヘテロ原子又はヒドロキシル基のアミン(amine of hydroxyl groups)を含むものといった、より極性をもつ有機部分が必要であると考えられている。熱誘導挿入が用いられる場合には、反応溶液組成物に対して、メシチレン又はクロロベンゼンといった高沸点の挿入反応溶媒が必要である。いくつかの例において、有機反応物質がオクタデセンといった高沸点溶媒である場合には、それは反応溶液として純粋に用いることができる。
【0027】
これに加えて、安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子を生成するための他の反応が知られている。IV族半導体元素−炭素結合を形成するための、上述の挿入反応及び他の公知の反応の手順の記述は、J.M. Buriak、 Chem. Rev.、 第102巻、第1271-1308頁、2002年に見出すことができ、その開示全体を引用によりここに組み入れる。
【0028】
図3のステップ3に関して、不活性で、実質的に無酸素の環境において反応を実行するための施設を考えると、いくつかの手法が可能である。空気に敏感な材料を扱う技術は既知であり、例えば、Duward F. Shriver、M.A. Drezdzon、空気に敏感な組成物の操作(第2版)、Wiley: New York、1986年、に見出すことができる。更に、既知の技術知識を有していても、高反応IV族半導体ナノ粒子は、粒子の準備の間の不活性条件を維持するために、並びに図3のステップ1及びステップ2に示されるように有機パッシベーション層を生成する合成ステップのための不活性条件を提供するために、細心の注意を必要とする。これに加えて、図3のステップ3に示されるように、安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子を生成するための反応の間において、環境を常に浄化することが、不活性環境を維持するために必要であることが認められた。
【0029】
最後に、図3のステップ4において、IV族半導体ナノ粒子が不活性条件下で有機パッシベーション層で安定にパッシベートされると、パッシベートされたIV族半導体ナノ粒子は、空気中で安定であり、不活性条件から取り出すことができる。例えば、可溶性のパッシベートされたナノ粒子は、不活性条件下で安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子を更に扱うための注意を払うことなく、通常の実験室の手順を用いて、濾過及び洗浄を行い、粒子を沈殿させることにより、精製することができる。
【0030】
図4は、開示される安定にパッシベートされたナノ粒子の実施形態の特徴の例を示す。示されているのは、オクタデシルパッシベーション層を有するシリコンナノ粒子の透過電子顕微鏡写真である。粒子の直径は、平均3.36nm、標準偏差0.74nm等であり、これらの安定にパッシベートされたナノ粒子は、可視領域においてフォトルミネセンスを有する。これらの顕微鏡写真から、粒子の大きさを測定できるだけでなく、安定にパッシベートされたナノ粒子が高結晶性を有することが又明らかである。
【0031】
得られた約1.0nm〜約4.0nmの範囲の大きさの安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態は、長期間にわたり安定な、高フォトルミネセンス量子効率及び高フォトルミネセンス強度により特徴付けられる。この方法は、フォトルミネセンスの色が可視スペクトルにわたるIV族半導体ナノ粒子を製造するために用いることができる。例えば、安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態の大きさ及び大きさの分布に依存して、それらは、赤、橙、緑、黄、若しくは青のフォトルミネセンス、又はこれらの色の混合を生成することができる。他の現在利用可能な方法は、長期間にわたり安定なフォトルミネセンスを示すIV族半導体ナノ粒子の実施形態を提供することができないので、高量子効率のフォトルミネセンスを生成する安定なIV族半導体ナノ粒子の合成は、特に注目に値する。前述のように、約1.0nm〜約4.0nmの範囲の大きさのIV族半導体ナノ粒子のいくつかの実施形態について、フォトルミネセンスは観察可能であるが、ここでの開示は、電磁スペクトルの可視範囲においてフォトルミネセンスを示さない、約4.0nmを超えるナノ粒子を含む大きさの範囲にわたる安定なIV族半導体ナノ粒子の製造に適用可能である。
【0032】
約1.0nm〜約4.0nmの範囲の大きさのIV族半導体ナノ粒子のフォトルミネセンス安定性により観測された、開示されるIV族半導体ナノ粒子の実施形態の安定性の1つの例が、365nmの紫外線励起の下で取られた、直径約2.0nmのシリコンナノ粒子のフォトルミネセンススペクトルである図5A及び5Bに示される。この粒子は、レーザ熱分解法及びそれに続く前述のエッチング処理を用いて用意された。図5Aにおいて、大気条件におけるシリコンナノ粒子の不安定性が明確に示される。t0において、フォトルミネセンス強度(PLI)は最大である。3分、7分、17分、及び46分をそれぞれ表す時間t1〜t4において、PLIは急激に下がり、46分以内に元の強度のわずか約25%となっている。最後に、3時間及び6時間を表すt5及びt6について、PLIは下がり続け、6時間の大気条件暴露の間に、シリコンナノ粒子は、元の強度のわずか12%となる。
【0033】
図5Aにおいて使用されるナノ粒子として形成され、次いでヒドロシリル化を用いて不活性で、実質的に無酸素の条件においてパッシベートされ、安定なオクタデシル有機パッシベーション層が生成された2.0nmのナノ粒子を用いた、開示される安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態のPLI反応が、図5Bに示される。ここで、最初のPLI反応が実線のフォトルミネセンススペクトルで示され、これに対して約4日後に取られた同じ材料の反応が破線で示される。分析技術に内在するばらつきを考えると、この2つの反応に実質的な差異はない。いくつかの例示的な実施形態において、はっきりと分かる低下の兆候なく2年間安定であった高フォトルミネセンス強度のフォトルミネセンスが観測されたIV族半導体ナノ粒子を、本方法は提供した。本開示にとって、フォトルミネセンス強度は、もし変化したとしても指定された期間にわたり約10%より大きくは変化せず、安定である。
【0034】
いくつかの例示的な実施形態において、本方法は、少なくとも10%のフォトルミネセンス量子効率のフォトルミネセンスを有するIV族半導体ナノ粒子を提供する。これは、量子効率が少なくとも40%を示した実施形態、並びに量子効率が少なくとも50%を示した実施形態、更には量子効率が少なくとも60%を示した実施形態を含む。
【0035】
これに加えて、開示されるIV族半導体ナノ粒子は又、不活性で、実質的に無酸素の条件を用いて製造された材料は、その表面に、酸化シリコンが検知できないか、又は微量の酸化シリコンを有することがFTIRによって示される点でも異なることに注意すべきである。
【0036】
図6にFTIRデータが、ここに開示されたように用意されたエッチングされた粒子のスペクトル(実線)対従前に議論されたSwihart他の論文で説明された標準のエッチング条件で示される。2100cm-1の強いピークは、Si−Hストレッチングモード(stretching mode)によるものであり、500〜910cm-1の範囲のピークは、Si−Hワギングモード(wagging mode)及びSi−Siストレッチングモードによるものである。Si−Oストレッチングモードによる1070〜1100cm-1の範囲のピークが特に注意を引く。図6から明らかなように、ここに開示されたように用意されたIV族半導体ナノ粒子は、完全ではないとしても実質的に無酸素である。
【0037】
安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態の分散は、インキを製造するための組成物に使用することができる。例えば、安定な有機パッシベーション層が疎水性である場合には、安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の分散は、これに限られるものではないが、低分子量炭化水素溶媒といった疎水性溶媒に溶かされたナノ粒子から製造することができる。これに代えて、有機パッシベーション層がヘテロ原子又はヒドロキシル基のアミンを含むといった、より親水性の性質を有する場合には、安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の分散は、これに限られるものではないが、アルコールといった親水性溶媒に溶かされたナノ粒子から製造することができる。これらの例は、開示される安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態から形成することができるインキを調合するために使用することができる化学反応の範囲を例示するものである。当業者が分かるように、インキ分散は、安定剤、溶液粘性調整剤及び消泡剤といった多くの添加剤を含むことができる。このように、インキ組成物は、特定の用途に最適化されるであろう。開示される安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態から形成されるインキ組成物の使用例としては、これに限られるものではないが、偽造防止及び真贋鑑定、標識付け、並びにLED、フォトダイオード、光起電性デバイス及びセンサデバイスといった印刷された光電子デバイスにおける使用が挙げられる。
【0038】
図7A及び7Bは、安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子で調合されたインキの実施形態を使用して印刷を行う可能性を例示するものである。図7A及び7Bの両画像は、シリコンナノ結晶を含むインキ調合物を紙基体に印刷した後撮られた。位置合せマークの役割を果たす直線が通常のボールペンで紙基体上に引かれた。両写真は、両方の画像の間でカメラを動かすことなく撮られ、合成図形を生成するために紫外線ランプ(365nm)及び室内灯のみが操作された。薄膜を印刷するために、安定にパッシベートされたシリコンナノ粒子がトルエンに分散させられた。クロロホルム/トルエン溶媒混合物に含まれる少量のPVB(ポリ(ビニルブチラール)-co-(ビニルアルコール)-co-(ビニルアセテート))を添加して、インキ組成物の粘性を調整した。図7Aにおいて明らかに分かるように、印刷された安定的にパッシベートされたシリコンナノ結晶は、通常の条件下では紙上に見ることができないのに対して、図7Bにおいては、紫外光が、印刷された安定的にパッシベートされたナノ結晶のルミネセンスを生成するので、単語「authentic」を見ることができる。
【0039】
図7A及び7Bの例のために紙が基体として使用されたが、幅広く様々な基体を使用することが可能である。例えば、セラミック、ガラス、金属、セルロースベースの材料(例えば、木、紙、及びボール紙)といった天然高分子、又は綿、並びにポリエチレンテレフタレート(PETs)、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、及びポリプロピレンといった合成高分子が、使用のため、並びに複合物及びその組成物として考えられる。当業者に理解されるであろうように、インキ組成物は、任意の基体表面への印刷に対して最適化することができる。
【0040】
本方法は、以下の非限定的な実施例によって、更に例示される。
【実施例1】
【0041】
フォトルミネセントIV族半導体ナノ結晶の製造
以下に与えられる実施例は、安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子を製造するために使用することができる方法の非限定的な実施例である。本実施例において、IV族半導体ナノ粒子は直径約2.0nmのシリコンナノ粒子であった。そのように製造された安定にパッシベートされたシリコンナノ粒子は、高フォトルミネセンス強度及び高フォトルミネセンス量子効率を有する。
【0042】
直径約2.0nmのシリコンナノ結晶は、米国特許出願第11/155,340号に記載されたRFプラズマ方法及び装置を実質的に使用して製造された。この方法において、シリコンナノ結晶は、プラズマ環境において製造され、メッシュスクリーン上で収集され、実質的に無酸素の気体雰囲気下に保持された。シリコンナノ結晶を空気に曝すことなく、スクリーン及びナノ粒子は、2つのボール弁の間で容器に隔離され、実質的に無酸素の雰囲気下で窒素グローブボックスに移された。グローブボックスにおいて、スクリーンは容器から取り出され、シリコンナノ結晶は、脱ガスされたメシチレン溶媒を使用してスクリーンから洗い落とされた。得られたナノ粒子のスラリーは、まだグローブボックスにおいて、ガラスのフラスコに移され、約2ミリリットル(mL)の無水オクタデセンがフラスコに加えられた。スラリーは、混合物が透明になるまで(約1時間)メシチレンの沸点まで加熱された。この時点で、シリコンナノ結晶は、ヒドロシリル化され、それにより安定にパッシベートされたシリコンナノ結晶を形成した。図3のステップ4を参照すると、安定にパッシベートされたシリコンナノ粒子は、不活性条件から取り出され、通常の実験室の手順を用いて精製することができた。
【0043】
上記の手順は、直径約1.0nm〜約100.0nmの安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子を製造するのに有用である。
【0044】
本開示にとって、及び他に特に示さない限り、「a」又は「an」は、「一又はそれ以上」を意味する。ここに引用したすべての特許、出願、参考文献及び刊行物は、それらが個々に引用により組み入れたと同様の程度に、引用によりその内容全体を組み入れる。
【0045】
本発明の原理が、特定の実施形態に関して説明されてきたが、これらの説明は例示の目的のみであり、本発明の範囲を限定することを意図したものでないことは明らかに理解されるべきである。ここでの開示は、例示及び説明の目的で提供されたものである。網羅的であること、又は開示されるものを説明されたまさにその形態に限定することを意図するものではない。多くの修正及び変形が当業者に明らかであろう。開示されたものは、説明された技術の開示された実施形態の原理及び実際の適用を最良に説明し、それによって他の当業者が、考えられる特定の用途に適合する様々な実施形態及び様々な修正を理解することを可能とするために、選択され、説明された。開示されたものの範囲は、以下の特許請求の範囲及びその均等物により定義されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1A】図1A及び1Bは、様々な質のIV族半導体の例を示す。図1Aは、開示される安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態の出発材料として用いられる分散したシリコンナノ粒子の実施形態である。
【図1B】図1A及び1Bは、様々な質のIV族半導体の例を示す。図1Bは、市販のシリコンナノ粒子の例である。
【図2】シリコンナノ粒子の、粒子の大きさとフォトルミネセンス波長及びエネルギーの関係を示す。
【図3】安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の製造のためのフロー図を示す。
【図4】開示されるIV族半導体ナノ粒子材料のシリコンナノ粒子の実施形態の透過電子顕微鏡写真(TEM)の画像を示す。
【図5A】図5A及び図5Bは、未処理のナノ粒子のフォトルミネセンススペクトル(図5A)対IV族半導体ナノ粒子材料をパッシベートする開示される方法を用いて製造されたシリコンナノ結晶の実施形態の分散のフォトルミネセンススペクトル(図5B)の比較である。
【図5B】図5A及び図5Bは、未処理のナノ粒子のフォトルミネセンススペクトル(図5A)対IV族半導体ナノ粒子材料をパッシベートする開示される方法を用いて製造されたシリコンナノ結晶の実施形態の分散のフォトルミネセンススペクトル(図5B)の比較である。
【図6】高量子効率を有する、不活性条件において処理された開示される安定化された材料の実施形態対従前に報告された方法を用いて製造された材料のFTIRスペクトルを示す。
【図7A】開示される安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態を用いて用意されたインキ組成物を使用した印刷例を示す。
【図7B】開示される安定にパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子の実施形態を用いて用意されたインキ組成物を使用した印刷例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IV族半導体ナノ粒子の製造方法であって、
(a)少なくとも1つのIV族半導体元素から形成される半導体ナノ粒子を不活性環境において製造するステップと、
(b)不活性環境において、前記半導体ナノ粒子を不活性反応溶液に移すステップと、
(c)前記半導体ナノ粒子の表面を前記不活性反応溶液内において反応させ、前記半導体ナノ粒子と共有結合された有機パッシベーション層を形成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記不活性環境は、実質的に無酸素であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記不活性で、実質的に無酸素の環境は、酸素が約100ppbまでであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記不活性で、実質的に無酸素の環境は、酸素が約100ppmまでであることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記不活性反応溶液は、実質的に無酸素であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記不活性で、実質的に無酸素の溶液は、酸素が約100ppbまでであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記不活性で、実質的に無酸素の環境は、酸素が約100ppmまでであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記半導体ナノ粒子を実質的に不活性な環境において製造するステップは、
前記ナノ粒子をエッチングして所望の大きさのナノ粒子を形成し、更に不活性雰囲気下で前記ナノ粒子を処理するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記半導体ナノ粒子を実質的に不活性な環境において製造するステップは、
前記ナノ粒子をエッチングして所望の大きさのナノ粒子を形成し、前記ナノ粒子を不活性溶液に移すステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記半導体ナノ粒子を不活性環境において製造するステップは、
不活性ガス雰囲気において、気体相又はプラズマ相において前記ナノ粒子を形成するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記不活性環境において、半導体ナノ粒子を不活性反応溶液に移すステップは、
真空又は不活性ガス雰囲気下で、前記ナノ粒子を移すステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記半導体ナノ粒子の表面を前記不活性反応溶液内において反応させるステップは、不活性ガス雰囲気下で、前記半導体ナノ粒子と無水の反応溶液を反応させるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記半導体ナノ粒子の表面を前記不活性反応溶液内において反応させるステップは、挿入反応を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記挿入は、IV族半導体ナノ粒子の表面の水素結合部分と不飽和炭素部分の間の反応を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記IV族半導体ナノ粒子は、ルミネセンスを生じることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法によって製造されるIV族半導体ナノ粒子。
【請求項17】
実質的に無酸素であり、有機パッシベーション層を有するIV族半導体ナノ粒子を含むことを特徴とする半導体ナノ粒子。
【請求項18】
前記半導体ナノ粒子は、コロイド状のナノ粒子であることを特徴とする請求項17に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項19】
前記コロイド状の半導体ナノ粒子は、シリコンのナノ結晶であることを特徴とする請求項18に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項20】
前記コロイド状の半導体ナノ粒子は、ゲルマニウムのナノ結晶であることを特徴とする請求項18に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項21】
前記コロイド状の半導体ナノ粒子は、少なくとも2つのIV族半導体元素の合金であることを特徴とする請求項18に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項22】
前記コロイド状の半導体ナノ粒子は、IV族半導体元素のコアシェルナノ結晶であることを特徴とする請求項18に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項23】
前記半導体ナノ粒子は、直径約1.0nm〜100.0nmであることを特徴とする請求項17に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項24】
前記半導体ナノ粒子は、近赤外のルミネセンスを生じることを特徴とする請求項17に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項25】
前記半導体ナノ粒子は、赤色のルミネセンスを生じることを特徴とする請求項17に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項26】
前記半導体ナノ粒子は、橙色のルミネセンスを生じることを特徴とする請求項17に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項27】
前記半導体ナノ粒子は、黄色のルミネセンスを生じることを特徴とする請求項17に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項28】
前記半導体ナノ粒子は、緑色のルミネセンスを生じることを特徴とする請求項17に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項29】
前記半導体ナノ粒子は、青色のルミネセンスを生じることを特徴とする請求項17に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項30】
前記半導体ナノ粒子は、フォトルミネセントであることを特徴とする請求項17に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項31】
前記フォトルミネセント半導体ナノ粒子は、少なくとも約10%の量子効率を有することを特徴とする請求項30に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項32】
前記半導体ナノ粒子は、近赤外のルミネセンスを生じることを特徴とする請求項30に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項33】
前記半導体ナノ粒子は、赤色のルミネセンスを生じることを特徴とする請求項30に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項34】
前記半導体ナノ粒子は、橙色のルミネセンスを生じることを特徴とする請求項30に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項35】
前記半導体ナノ粒子は、黄色のルミネセンスを生じることを特徴とする請求項30に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項36】
前記半導体ナノ粒子は、緑色のルミネセンスを生じることを特徴とする請求項30に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項37】
前記半導体ナノ粒子は、青色のルミネセンスを生じることを特徴とする請求項30に記載のIV族半導体ナノ粒子。
【請求項38】
パッシベートされたIV族ナノ粒子を含み、該ナノ粒子は、実質的に無酸素であり、溶液に分散されていることを特徴とするIV族半導体ナノ粒子の組成物。
【請求項39】
前記ナノ粒子の溶液は、基体上の印刷に使用されることを特徴とする請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
請求項1に記載の方法によって製造されるパッシベートされたIV族半導体ナノ粒子を含み、該ナノ粒子が溶液内に分散されていることを特徴とするIV族半導体ナノ粒子の組成物。
【請求項41】
前記ナノ粒子の溶液は、基体上の印刷に使用されることを特徴とする請求項40に記載の組成物。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2009−504423(P2009−504423A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526261(P2008−526261)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/031511
【国際公開番号】WO2007/117265
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(506418921)イノヴァライト インコーポレイテッド (11)
【出願人】(308039506)
【出願人】(308039492)
【Fターム(参考)】