説明

安定化したピコプラチン投与形態

ピコプラチンの水溶液を安定化させるための方法を提供する。このような溶液は、経口投与もしくは静脈内投与のためにピコプラチンの単位投与量を調整するために特に有用である。本発明のある実施形態は、ピコプラチンの投与形態を提供し、ここで上記ピコプラチンは、加水分解性分解に対して安定化されている。種々の実施形態において、薬学的に受容可能な形態における塩化物イオンは、ピコプラチンのpH調節された水溶液中に存在し、上記塩化物イオンは、上記ピコプラチンの加水分解性分解を低下させるに十分な濃度で存在する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
この出願は、2007年6月27日に出願された米国仮出願第60/946,639号、2008年2月8日に出願された同第61/027,388号、および2008年5月21日に出願された同第61/055,071号(これらの全部は、それらの全体が参考として本明細書に援用される)に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
ピコプラチン(picoplatin)は、種々のタイプの悪性疾患(以前の有機白金薬物(例えば、シスプラチンおよびカルボプラチン)に対して耐性を発生させたものを含む)の処置に対する見込みを有する新世代の有機白金薬物である。ピコプラチンは、種々の種の癌もしくは腫瘍(小細胞肺癌、結腸直腸癌、およびホルモン不応性前立腺癌が挙げられる)の処置における見込みが示されてきた。
【0003】
構造的には、ピコプラチンは、以下のとおり:
【0004】
【化1】

であり、cis−アンミンジクロロ(2−メチルピリジン)白金(II)、もしくは代わりに[SP−4−3]−アンミン(ジクロロ)(2−メチルピリジン)白金(II)と称される。上記化合物は、二価白金の四角の平面の錯体であり、この錯体は、四配位であり、3つの異なる配位子タイプを有する。2つの配位子はアニオン性であり、2つは中性である;従って、ピコプラチン中の白金は、+2電荷を有するので、ピコプラチンは、それ自体、中性化合物であり、対イオンは存在する必要がない。名称「ピコプラチン」は、その分子中にα−ピコリン(2−メチルピリジン)の存在に言及し、この物質についての米国採用名(United States Adopted Name)(USAN)、英国採用名(British Approved Name)(BAN)、および国際一般名(INN)である。ピコプラチンはまた、文献中では、NX473ともいわれており、特許文献1、特許文献2、およびPCT/GB01/02060において開示されている。
【0005】
四配位の四角の平面の白金(II)錯体は、八面体Pt(IV)錯体に対する酸化に(例えば、分子性塩素によって)供されることが周知である。また、四角の平面の白金(II)錯体が、種々の求核試薬(例えば、ハライド、アミン、チオ化合物、およびある条件下では、水)によって配位子置換反応において軸方向の攻撃(axial attack)を受けることは周知である。従って、ピコプラチンが純粋形態では、光の非存在下では比較的安定である一方で、特定の条件下(例えば、求核性分子実体の存在下)では、特に、溶液中に存在する場合に分解を受けやすい可能性がある。ピコプラチンは、塩化物イオンが水により置換されることから生じるアコ錯体(aquo complex)の形成を介して分解し得るということは公知である。Advanced Inorganic Chemistry,F.Albert Cotton and Geoffrey Wilkinson,第2改訂版(1966)および後の版、Interscience Publishersを参照のこと。患者に投与される場合、ピコプラチンは、塩化物配位子のいずれかの置換から生じる、2つの別個のアコ形態へと、ある程度の代謝性変換を受けると考えられている。これらカチオン性種(塩化物イオンの、中性水による置換の結果として、カチオン性)は、反応性であり、細胞DNAと相互作用して、架橋をもたらし、最終的には細胞死をもたらす。ピコプラチンはまた、特定の遷移金属酸化物(例えば、二酸化チタンおよび酸化鉄)の存在下で不安定であることが公知である。
【0006】
ピコプラチンが水中で安定性が低いこと、光および特定の金属塩に対して不安定であること、特性および催奇形性は、有効な配位子投与形態の調製にとって困難を呈している。従って、非経口投与および経口投与の両方のためのピコプラチンの有効かつ安定な投与形態が継続して必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,665,771号明細書
【特許文献2】米国特許第6,518,428号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、抗癌剤であるピコプラチンの安定化された液体投与形態、本発明の投与形態の調製のためのプロセス、および本発明の投与形態の使用方法に関する。本発明の投与形態は、非経口投与もしくは経口投与に適合させられ得る。
【0009】
本発明の種々の実施形態は、ピコプラチンの投与形態を提供し、ここで上記ピコプラチンは、加水分解性分解に対して安定化されている。種々の実施形態において、薬学的に受容可能な形態における塩化物イオンは、ピコプラチンのpH調節された水溶液中に存在し、上記塩化物イオンは、上記ピコプラチンの加水分解性分解を低下させるに十分な濃度で存在する。種々の実施形態において、上記塩化物イオンは、少なくとも約9mMの濃度で存在する。種々の実施形態において、上記塩化物イオンは、薬学的に受容可能な塩化物塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、もしくはこれらの組み合わせ)によって提供され得る。あるいは、上記塩化物イオンは、塩酸塩によって提供され得る。上記投与形態のpHは、塩酸および水酸化ナトリウムでの滴定によって調節され得る。
【0010】
本発明の種々の実施形態は、ピコプラチンの安定化された水性の投与形態を調製するための方法を提供する。種々の実施形態において、本発明の方法は、ピコプラチンの水溶液中の適切な塩もしくは酸の形態で含まれるように、塩化物イオンを溶解する工程を包含し、ここで塩化物イオンの量は、水溶液中のピコプラチンを(例えば、加水分解性分解に対して)安定化するに有効である。塩化物イオンの有効濃度は、約9mM以下であり得る。上記塩化物濃度は、少なくとも最大約155mM(等張性)もしくはそれ以上までの範囲に及び得る。有効な塩化物イオン濃度は、少なくとも約0.05重量% 塩化ナトリウム(最大約0.9%(等張性)、もしくはさらに高い範囲に及ぶ)の溶液中の存在を介して達成され得るが、ただし使用される濃度は、非毒性である。種々の実施形態において、2〜5重量% 塩化ナトリウムを含む水溶液が使用され得、そして使用前に希釈され得るか、または直接注入され得る。上記塩化ナトリウムは、塩形態で上記溶液に添加され得るか、または適切な量の塩酸の添加および水酸化ナトリウム溶液での滴定によってインサイチュで調製され得る。他の塩化物イオン源もまた、使用され得る。
【0011】
本発明の種々の実施形態は、本発明の投与形態、もしくは本発明の方法によって調製された投与形態を含む、バイアル、注入バッグ、もしくはシリンジを含むキットを提供する。上記キットは、上記投与形態を投与するために有用な説明資料およびアクセサリをさらに含み得る。
【0012】
本発明の種々の実施形態は、患者における癌の処置の方法を提供し、上記方法は、上記患者に有効量で、本発明のピコプラチンの安定化された投与形態、もしくは本発明の方法によって調製されたピコプラチンの安定化された投与形態の投与を包含する。上記癌に罹患した患者は、化学療法を受けたことがない可能性があるか、または患者の癌を制御するには効果がないと判明した治療(癌治療もしくは照射)を以前に受けたことがある可能性がある。種々の実施形態において、上記投与形態は、非経口的に(例えば、静脈内注入によって)投与され得るか、または経口的に投与され得る。種々の実施形態において、上記癌は、不応性もしくは進行性肺癌(小細胞肺癌(SCLC)もしくは非小細胞肺癌(NSCLC))、乳癌、結腸直腸癌、頭頚部癌、腎細胞癌、胃癌、膀胱癌、肝臓癌、中皮腫、卵巣癌、肉腫(例えば、平滑筋肉腫)、胸腺癌、膵臓癌、腹膜癌、もしくは前立腺癌であり得る。種々の実施形態において、上記安定化されたピコプラチン投与形態は、種々のレジメンにおいて、他の抗癌剤と組み合わせて、上記患者に投与され得る。種々の実施形態において、上記安定化されたピコプラチン投与形態は、副作用としての重篤な神経障害を引き起こさないか、または低レベルの神経障害(すなわち、グレード1もしくはグレード2の神経障害のみまたはまれな神経障害)を引き起こすにすぎない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
種々の実施形態において、上記安定化された投与形態における塩化物イオン(例えば、塩化ナトリウムの形態で提供される)の濃度は、塩化物イオンの喪失およびアコ錯体への変換を介して、ピコプラチンの分解を低下させるために十分な、水溶液中の塩化物イオンの濃度を提供するように、選択される。以下に示されるように、ピコプラチンが、水の存在下で加水分解反応を受け、分解生成物(例えば、以下に示されるように、「アコ1」および「アコ2」と称されるもの)を生じると考えられている。
【0014】
【化2】

塩化物イオンの存在は、例えば、平衡が左に進ませることによって(例えば、質量作用効果によって)、水溶液中でピコプラチンを安定化するように働くと、本明細書では、本発明者らによって考えられている。種々の実施形態において、上記塩化物イオンは、少なくとも9mMの濃度(上記溶液中の約0.05重量%の塩化ナトリウム濃度に対応する)で存在し得る。上記塩化物イオンは、使用される濃度が、上記患者によって非毒性である限りにおいて、最大約155mM(または約0.9重量% NaCl(等張性濃度))までの範囲に及ぶ濃度、または代わりに、約155mMより高い(等張性濃度より高い)濃度までの範囲に及ぶ濃度で存在し得る。例えば、約1〜5重量%(例えば、2.5〜3重量% 塩化ナトリウム)は、いくつかの処方において存在し得る。
【0015】
種々の実施形態において、本発明の安定化されたピコプラチン溶液は、適切な量のピコプラチンを水中に溶解し、有効量の塩化物イオンを提供することによって、調製され得る。種々の実施形態において、上記溶液pHは、例えば、塩酸もしくは水酸化ナトリウムで、例えば、約5.5〜6.0に調節され得る。任意の適切な物理的形態にあるピコプラチンは、水中に溶解され得る。例えば、ピコプラチンは、微粉化粉末の形態で水溶媒へと添加され得る。上記微粉化粉末は、平均直径約10μ未満の(例えば、直径約2〜5μの)無定形ピコプラチン粒子からなり得る。これら微粉化ピコプラチン粒子は、種々の方法(例えば、ジェットミル(jet−mill)、凍結乾燥、もしくは微結晶化)によって調製され得る。約0.5〜1.1mg/mlの水溶性ピコプラチン溶液が生じ得、これは、有効量の塩化物イオン(例えば、塩化ナトリウム、もしくは塩化カリウム、もしくは塩化マグネシウムの形態で)、または塩化物イオンの任意の薬学的に受容可能な形態の添加によって安定化され得る。ここで上記カチオン性対イオンは、ピコプラチンと顕著には反応しない。上記溶液のpHは、例えば、pH約5.5〜6.0へと、例えば、塩酸および水酸化ナトリウム溶液を使用して、調節され得る。
【0016】
ピコプラチンは、上記に示されるような分子式のcis−ジクロロ異性体である。この異性形態は、trans−異性体を本質的に含まない可能性があり、例えば、上記ピコプラチンは、少なくとも99.9%が異性体的に純粋であり得る。cis−異性体を調製するために使用される合成法は、少なくともこの程度の純度であるcis−異性体を得るために選択され得る。米国特許第6,518,428号を参照のこと。あるいは、異性体的に純度が低いピコプラチンは精製して、trans−異性体の任意の実質的な量を除去し得る。
【0017】
ピコプラチンの水溶液中の塩化物イオンの存在(例えば、比較的低濃度の溶解された塩化ナトリウム)は、約0.05重量%以下であり得、上記ピコプラチンを水溶液中のアコ化され、脱塩素化種に変換する量もしくは速度を低下させ得ることは、本明細書において、本発明者らによって予測外にも見いだされた。上記塩化物イオンは、いずれの供給源由来であろうと、約9mM以下の濃度で、上記溶液中に存在し得る。この範囲内の塩化物イオン濃度の存在下で、pH5.8以下のピコプラチン溶液において、ピコプラチンをアコ1形態およびアコ2形態へ変換する量もしくは速度は、塩化物イオンの非存在下での上記ピコプラチンの変換の量もしくは速度に対して低下させられる。例えば、本発明の投与形態において、アコ1は、存在する全体の溶解されたピコプラチンのうちの約2.5重量%以下で存在し得、そしてアコ2は、全体の溶解されたピコプラチンのうちの約2重量%以下で存在し得る。これら値は、ピコプラチンの0.075重量%溶液に対して、それぞれ、約0.002重量%および約0.0015重量%の上記水溶液中のアコ種の濃度に対応する。言い換えると、上記2つの異性一脱塩素化錯体[(アンミン)(クロロ)(アコ)(2−ピコリン)]Pt(II)は、約0.5重量%以下 NaClの存在下で、pH5.8の全体の溶解されたピコプラチンのうちの約4.5重量%以下に対する量とともに、添加される塩化物イオンの非存在下で形成される上記一脱塩素化錯体の量より顕著に低い。
【0018】
本発明者らは、本明細書において、上記溶液のpHが、約6以下で(例えば、5.0〜6.0、もしくはさらに低いpHで)維持され得ることを見いだした。種々の実施形態において、上記ピコプラチン溶液は、有機酸を含まない。例えば、上記溶液は、上記pHを望ましい点へと調節し、そして塩化物イオンを上記溶液中に提供して、安定化効果を達成するために、HClおよびNaOHを含み得る。このpHにおいて、上記溶液の生体活性は悪影響を受けず、そして上記溶液は、貯蔵安定性である。低いpH値が、ピコプラチンの貯蔵のために使用される場合(例えば、pH2〜4)、上記pHは、例えば、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム)での滴定によって、患者に投与する前に生理学的pH近くまで上昇させられ得る。
【0019】
上記投与形態は、容器中に、(a)予め選択された量の溶解されたピコプラチン;(b)水;および(c)上記ピコプラチンを安定化するに有効な量の塩化物イオン(例えば、NaClの存在に由来する)を含む、滅菌水溶液を含み得る。例えば、ピコプラチン適合性の試薬は、上記pHを調節するために使用され得る(例えば、NaOH/HCl)。上記溶液のpHは、HClを薬学的に受容可能な無機塩基(例えば、NaOH)と合わせて溶液を滴定することによって、調節され得る。
【0020】
本発明のピコプラチン投与形態は、癌(例えば、ピコプラチンによって処置可能な固形腫瘍(例えば、不応性もしくは進行性の肺癌(小細胞肺癌(SCLC)もしくは非小細胞肺癌(NSCLC))、乳癌、結腸直腸癌、頭頚部癌、腎細胞癌、胃癌、膀胱癌、肝臓癌、中皮腫、卵巣癌、肉腫(例えば、平滑筋肉腫)、胸腺癌、膵臓癌、腹膜癌、もしくは前立腺癌))を処置するために使用され得る。上記投与形態は、非経口的に投与され得るか、または経口的に投与され得る。上記投与形態は、他の抗癌剤と組み合わせて投与され得る。上記投与形態は、癌の補助的もしくは第1選択肢の処置に使用され得る(すなわち、化学療法を受けたことがない患者に投与され得る)か、または癌の第2選択肢もしくは第3選択肢の処置(すなわち、白金もしくは非白金薬剤での化学療法の最初の過程が、癌の緩解を誘導できなかった場合(例えば、上記癌が最初の雅楽両方に不応性である場合、または上記癌がその後の化学療法の過程の後に進行している場合)。ピコプラチンは、副作用として、重篤な神経障害も、まれな神経障害も引き起こさないか、でなければ、低レベルの神経障害を引き起こすにすぎない;グレード3以上の神経障害は、上記ピコプラチンによって引き起こされない。
【0021】
上記投与形態の実施形態の200mL容器中に保持されるべき静脈内投与に適合された1つのこのような溶液の組成は、以下の表において示される。
【0022】
【表1A】

他の適切な張性調節剤(例えば、MgCl、CaCl、KClなど)または非イオン性張性調節剤(例えば、炭水化物および糖アルコールなど)が、塩化ナトリウムの代わりに、もしくは塩化ナトリウムに加えて使用され得る。上記塩化ナトリウムは、ピコプラチン安定化を提供するために、少なくとも約0.05重量%(9mM 塩化物イオン;0.05重量% NaCl=8.5mM NaCl:計算すると、0.05g/100mL 水−>0.5g/L;MW NaCl=58.5;0.5/58.5=0.0085M=約9ミリモル濃度(mM))で存在するが、張性調節剤は、IV投与に適合した等張性溶液を得るために、塩化物イオンを含む物質もしくは含まない物質を使用して作製され得る。塩化ナトリウムが、唯一の張性調節剤である場合、IV投与に適合した等張性溶液を提供するために、約0.9重量%(すなわち、約154mM)で存在し得る。あるいは、上記塩化ナトリウムは、約0.9%より高い濃度で存在し得る。IV投与については、上記塩化物濃度は低く、上記張性調節は、他の化合物(例えば、非イオン性化合物(例えば、炭水化物もしくは糖アルコール))で行われ得る。例えば、張性は、糖アルコール(例えば、マンニトールもしくはソルビトール)で調節され得る。経口投与に適合された組成物については、張性は調節する必要が無いが、ただし、塩化物イオンは、存在することが必要な成分以外は、少なくとも約9mM(0.05重量% NaCl)の濃度で存在する。
【0023】
本発明はまた、上記ピコプラチン、塩化物イオン供給源および第2の安定化剤(例えば、糖アルコール(例えば、マンニトール、ソルビトールなど))を含む溶液を凍結乾燥することによって調製される固体組成物を提供する。上記組成物は安定であり、IV注入用溶液、もしくは経口投与に適合された溶液を得るために水で再構成され得る。IV注入用である溶液は、等張性であり得る。本発明の投与形態を凍結乾燥巣得るかまたは別の方法で本発明の投与形態から水を除去することは、貯蔵時に非常に安定であるが、水を再度付加することによって所望の濃度に容易に再構成され得る組成物を提供し得る。
【0024】
上記容器および水の両方は、顕著な量のアルミニウムおよび/もしくは遷移金属塩、ならびに錯化および/もしくは別の方法で分解し得るか、または上記ピコプラチンの活性を低下させる他の化合物を含まない可能性がある。
【0025】
本発明の投与形態のための適切な容器としては、ガラス注入バイアル(例えば、公称150〜225mLバイアル(例えば、200mLバイアル))、適合性プラスチック(例えば、エチレン−ビニルアセテートコポリマー)から形成される注入バッグ、もしくは上記投与の静脈内投与に適合したポリプロピレンシリンジが挙げられる。本発明の別の実施形態において、上記容器はさらに、不透明な覆い中に閉じこめられるかもしくはパッケージされる。また、上記容器が形成されるガラスもしくはポリマーは、着色され得、例えば、琥珀色に着色されて、光へのさらなる保護を提供し得る。従って、本発明の種々の実施形態は、本発明の投与形態、もしくは本発明の方法によって調整された投与形態を含む、上記に記載されるようなバイアル、注入バッグ、もしくはシリンジを含むキットを提供する。上記キットは、説明資料をさらに含み得る。
【0026】
本発明の投与形態の溶液は、貯蔵されるかもしくは約0.5〜40℃で維持される場合に安定である。上記溶液は、約20〜25℃(約68〜77°F)で貯蔵され得るが、より低温で(例えば、約4〜8℃の冷蔵温度で)、好ましくは、不活性雰囲気下で貯蔵され得る。同様に、凍結乾燥組成物もしくは別の方法で脱水された組成物は、これらの温度で貯蔵され得、そしてまた、0℃未満の温度で貯蔵されて、時間を経てもさらに高い安定性を提供し得る。
【0027】
上記投与形態は無菌であり得、上記ピコプラチンと反応し得、その生体活性を妨害し得る、保存剤も殺生物剤(例えば、塩素、二酸化塩素、パラベンもしくは四級アンモニウム塩)も含み得ない。
【0028】
本発明の別の実施形態において、本発明の投与形態は、SCLCを処置するための投与形態の投与に関する説明資料(例えば、紙表示、タグ、コンパクトディスク、DVD、カセットテープなど)とともにパッケージング中に封入される。例えば、上記説明資料は、薬物の規制を監督する政府当局によって認可された上記投与形態の使用を記載するかもしくは伝える表示を含み得る。
【0029】
本発明は、パッケージング材料(例えば、衝撃、光、極端な温度などからボトルを保護するように適合されたポリスチレン発泡体パッケージング)に封じ込められた上記のような2つ以上の(例えば、2〜3個の)容器を含む、処置の一過程に適合されたキットをさらに提供する。上記キットは、説明資料、表示資料など、ならびに上記容器内容物の投与に有用なアクセサリ(例えば、IV投与のためのチュービング、バルブ、ニードルなど)をさらに含み得る。本発明は、輸送に適合したパッケージング中にある複数のキット(例えば、3つの容器各々の2つの過程)をさらに提供する。
【0030】
上記キットはまた、第2の白金抗癌剤もしくは非白金抗癌剤および/もしくは補助剤(例えば、増強剤(potentiation agent)(ロイコボリン)、救出剤(rescue agent)(葉酸)、制吐剤(palenosetron)などの溶液の1つ以上の容器を含み得る。上記第1の容器(ピコプラチン)および第2の容器は、流体送達手段とともに提供されて、両方の容器からの容器を眼寒者に同時に投与し得る。
【0031】
種々の実施形態において、上記第2の抗癌剤は、ゲムシタビン、リポソーム性塩酸ドキソルビシン、PEG化リポソーム性ドキソルビシン、ビノレルビン、パクリタキセル、トポテカン、ドセタキセル、ドセタキセル/プレドニゾン、5−フルオロウラシル/ロイコボリン、エトポシド、ベバシズマブ、セツキシマブ、ペメトレキセド、アムルビシン、もしくはこれらの組み合わせであり得る。上記第2の抗癌剤は、上記患者に有益な効果を提供するに有効なピコプラチン用量、投与頻度、および持続時間と組み合わせて、投与用量、投与頻度、および一定持続時間にわたって提供され得る。
【0032】
種々の実施形態において、本発明は、癌を処置するための方法を提供し、上記方法は、癌に罹患した患者に有益な効果を提供するに有効な量、頻度および処置時間にわたって、本発明の投与形態もしくは本発明の方法によって調製された投与形態を、上記癌に罹患した患者に投与する工程を包含する。例えば、上記投与形態は、経口的に投与されてもよいし、上記投与形態は、上記患者に静脈内投与されてもよい。上記患者は、化学療法を受けたことがなくてもよいし、上記患者は、以前に化学療法を受けたことがあってもよい。上記癌は、固形腫瘍、不応性肺癌もしくは進行性肺癌(小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC))、結腸直腸癌、乳癌、頭頚部癌、腎細胞癌、胃癌、膀胱癌、肝臓癌、中皮腫、卵巣癌、肉腫(例えば、平滑筋肉腫)、胸腺癌、膵臓癌、もしくは前立腺癌を含み得る。
【0033】
種々の実施形態において、ピコプラチンの少なくとも1つの液体単位投与形態を非経口的に、注射もしくは注入によって、癌に罹患したヒトに投与して、1回以上の処置サイクルにおいて有効な治療的量のピコプラチンを提供する工程を包含する、癌を処置するための方法が提供される。上記ピコプラチンは、少なくとも1種の白金抗癌剤もしくは非白金抗癌剤(これは、経口もしくは非経口的に投与され得る)と組み合わせて(その前、後もしくは同時)、投与され得る。
【0034】
種々の実施形態において、上記ピコプラチンの安定化された投与形態は、経口投与され得る。上記ピコプラチンは、少なくとも1種の白金抗癌剤もしくは非白金抗癌剤(これは、経口もしくは非経口的に投与され得る)と組み合わせて(その前、後もしくは同時)、癌を処置するために使用され得る。上記ピコプラチンと上記さらなる抗癌剤との間の相加的作用は、各薬剤の治療効果が合計されて、有効性において比例的増加を提供する場合に観察され得る。上記ピコプラチンと上記さらなる抗癌剤との間の相乗的効果は、上記処置の組み合わせの効果が、上記2種の薬剤の合わせた効果より大きい場合に観察され得る。
【0035】
本発明の種々の実施形態において、方法は、癌(例えば、肺癌(小細胞肺癌(SCLC)および非小細胞肺癌(NSCLC)が挙げられる)、腎臓癌、膀胱癌、腎癌、胃癌および他の胃腸(GI)癌、中皮腫、黒色腫、腹腔リンパ上皮腫、子宮内膜癌、神経膠芽細胞腫、膵臓癌、子宮頸癌、精巣癌、卵巣癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮癌、子宮内膜癌、前立腺癌、胸腺癌、乳癌、頭頚部癌、肝臓癌、肉腫(カポージ肉腫が挙げられる)、類癌腫、他の固形腫瘍、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫、NHLを含む)、白血病、骨関連癌、ならびに本明細書中以降で引用される特許および特許出願で開示される他の癌)の処置のために提供される。例えば、本発明の方法は、小細胞肺癌(SCLC)、ホルモン不応性前立腺癌(HRPC)、結腸直腸癌、もしくは卵巣癌を処置するために、第1選択肢の処置として使用され得るか、または代わりに、最初の処置に不応性であるか、もしくは上記最初の処置に応答しているが、上記最初の処置を中止した後に進行するSCLC、ホルモン不応性前立腺癌(HRPC)、結腸直腸癌、もしくは卵巣癌を処置するために使用され得る。種々の実施形態において、上記安定化されたピコプラチン投与形態は、唯一の化学療法用抗癌剤として、約3週間〜6週間の間隔を空けた投与において投与され得る。ここで少なくとも2つの用量が投与される。あるいは、以下で議論されるように、さらなる化学療法剤および/もしくは放射線療法が、上記ピコプラチン投与形態とともに施され得る。
【0036】
例えば、さらなる抗癌剤薬物療法は、タキサン(例えば、パクリタキセルもしくはドセタキセル)、チロシンキナーゼおよび/もしくは増殖因子レセプターインヒビター(例えば、VEGFRインヒビター(例えば、モノクローナル抗体であるベバシズマブ(Avastin(登録商標))、トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))、パニツムマブ(panitumumab)(Vectibix(登録商標))もしくはセツキシマブ(Erbitux(登録商標))のような抗体);セファロタキシンアナログ(イリノテカン)、セジラニブ(cediranib)(AZD2171(Recentin(登録商標))として知られる)、エルロチニブ(Terceva(登録商標))もしくはスニチニブ(Sutent(登録商標))、代謝拮抗剤(ロイコボリンありまたはなしで、カペシタビン、ゲムシタビンもしくは5−FU)、PKインヒビター(例えば、ソラフェニブトシレート、Nexavar(登録商標))、ダサチニブ(Sprycel(登録商標))、ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、イマチニブ(Gleevac(登録商標))、ラパチニブ(lapatinib)(Tykerb(登録商標))、アントラサイクリン(アムルビシン、ドキソルビシンもしくはリポソーム性ドキソルビシン)、ビンカアルカロイド、もしくはアルキル化剤(メルファランおよびシクロホスファミドが挙げられる)を含み得るが、これらに限定されない。あるいは、上記さらなる薬物療法は、非白金含有薬剤であり、上記癌の合併症を処置するために選択され得るか、または被験体の、上記癌の少なくとも1つの症状からの解放を提供するために選択され得る(例えば、シロリムスもしくはラパマイシン(Rapamune(登録商標))、デキサメタゾン(Decadron(登録商標))、パロノセトロンHCl(Aloxi(登録商標))、アプレピタント(Emend(登録商標))、オンダンセトロン(Zofran(登録商標))、グラニセトロン(Kytril(登録商標))もしくは照射)。
【0037】
経口投与され得る抗癌薬物療法は、以下の表1に列挙される。
【0038】
【表1B】

経口的に活性な抗癌剤としては、アルトレタミン(Hexalen(登録商標))、アルキル化剤;カペシタビン(Xeloda(登録商標))、代謝拮抗物質;ダサチニブ(Sprycel(登録商標))、TKインヒビター;エルロチニブ(Tarceva(登録商標))、EGFレセプターアンタゴニスト;ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))、EGFインヒビター;イマチニブ(Gleevec(登録商標))、TKインヒビター;ラパチニブ(Tykerb(登録商標))、EGFRインヒビター;レナリドマイド、(Revlimid(登録商標))、TNFアンタゴニスト;スニチニブ(Sutent(登録商標))、TKインヒビター;S−1(ギメラシル/オテラシル/テガフール)、代謝拮抗物質;ソラフェニブ(Nexavar(登録商標))、脈管形成インヒビター;テガフール/ウラシル(UFT(登録商標))、代謝拮抗物質;テモゾロミド(Temodar(登録商標))、アルキル化剤;サリドマイド(Thalomid(登録商標))、脈管形成インヒビター;トポテカン(注射用Hycamtin(登録商標)もしくは経口用Hycamtin(登録商標))、ビノレルビン(Navelbine(登録商標))、分裂阻害剤(anti−mitotic);セジラニブ(cediranib)(AZD2171、Recentin(登録商標))、VEGFインヒビター;および/もしくはボリノスタット(Zolinza(登録商標))、ヒストンデアセチラーゼインヒビターが挙げられる。
【0039】
用語「腫瘍」とは、本明細書において、固形組織の悪性新生物をいう。
【0040】
本明細書において使用される場合、「不応性」とは、患者および彼らの腫瘍であって、上記腫瘍が第1選択肢の治療に非応答性であるもの、または患者もしくは彼らの腫瘍であって、上記腫瘍が上記第1選択肢の治療の過程の間に再発もしくは進行するものをいう。
【0041】
治療に最初は応答するが、上記治療を中止した後に進行する癌は、本明細書において、「進行性」といわれる。
【0042】
用語「制御される」とは、完全な応答、部分的応答、もしくは安定な疾患を含む。
【0043】
「患者」とは、本明細書において定義される場合、癌(例えば、固形腫瘍(例えば、SCLC、NSCLC、結腸癌、前立腺癌など)に罹患しているヒトである。
【0044】
用語「第1選択肢の治療」もしくは「補助的治療」とは、任意の非白金ベースのもしくは有機白金ベースの化学療法、または放射線療法であって、使用に適用可能であることが当該分野で公知であるもの(例えば、有機白金化合物(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、サトラプラチン、もしくはオキサリプラチン、または他の有機白金化合物)を使用する化学療法)をいう。第1選択肢の治療はまた、ピコプラチンの投与を含み得る。第1選択肢の治療はまた、非白金抗癌剤(例えば、エトポシド、タキサン(パクリタキセル/ドセタキセル;用語「パクリタキセル/ドセタキセル」とは、パクリタキセルもしくはドセタキセル、またはその両方を意味する)、イリノテカン、トポテカン、ドキソルビシン(例えば、PEG化リポソーム性ドキソルビシン)、ペメトレキセド、ビノレルビン、ゲムシタビン、5−フルオロウラシル(5−FU)、ロイコボリン、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ)、Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)など)の投与を含み得る。
【0045】
用語「第2選択肢の治療」とは、上記癌の処置の過程(これらは、照射および/または非白金薬剤での治療もしくは他の有機白金薬剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチンなど)での治療を含み得る)を既に受けたことがある患者に施された治療をいう。第2選択肢の治療は、上記癌が、第1選択肢の治療の阿智に不応性もしくは進行性である場合に、医学的に示される。
【0046】
種々の実施形態において、処置方法は、本発明のピコプラチンの安定化された投与形態もしくは本発明の方法によって調製されたピコプラチンの安定化された投与形態を使用して、癌の種々の特定のタイプにために提供される。必要に応じて、第2の抗癌剤は、上記安定化されたピコプラチン投与形態とともに投与され得る。例えば、peg化リポソーム性ドキソルビシンは、上記安定化されたピコプラチン投与形態とともに投与され得る。上記安定化されたピコプラチン投与形態は、上記選択肢的な第2の抗癌剤は各々、任意の組み合わせにおいて、非経口的に(例えば、静脈内に)投与され得るか、または経口的に投与され得る。
【0047】
本発明の安定化されたピコプラチン投与形態が投与された患者は、化学療法を受けたことがなくてもよいし(すなわち、第1選択肢の治療を受けている)、または上記患者は、以前に化学療法を受けたことがあってもよい(すなわち、第2選択肢のピコプラチン治療を受けている)。例えば、上記患者の癌は、ピコプラチン以外の有機白金抗癌剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン(satriplatin)など)に対する耐性を既に発生させていてもよい。
【0048】
種々の実施形態において、ピコプラチンは、低用量で投与され得、例えば、上記ピコプラチンは、2週間ごとに40〜60mg/mのピコプラチンの用量で投与され得る。
【0049】
例えば、米国特許出願第11/982,839号(2007年11月5日出願)で開示されるように、ピコプラチンは、小細胞肺癌(SCLC)の処置において使用され得る。本発明は、処置方法および進行性の小細胞肺癌(SCLC)もしくはNSCLCの処置に適した投与形態を提供する。例えば、上記第1選択肢の化学療法レジメンが、シスプラチン、カルボプラチン、サトラプラチン、もしくはオキサリプラチンの投与を含み、かつ上記SCLCがその処置に対して応答性であるが、上記第1選択肢の処置の中止の例えば、180日以内に進行する(すなわち、進行性癌である)場合、このような腫瘍は、本明細書で開示されるように、ピコプラチンで処置され得る。
【0050】
種々の実施形態において、上記癌が小細胞肺癌(SCLC)を含む場合、上記方法は、以下の工程を包含する:
(a)小細胞肺癌に罹患した患者を選択する工程;および
(b)上記患者に、上記ピコプラチンの安定化された投与形態、ならびに必要に応じて、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドキソルビシンおよび/もしくはアムルビシンを投与する工程。
【0051】
種々の実施形態において、上記癌が非小細胞肺癌(NSCLC)を含む場合、上記方法は、以下の工程を包含する:
(a)非小細胞肺癌に罹患している患者を選択する工程;ならびに
(b)上記患者に、ピコプラチン、ならびにビノレルビン、ペメトレキセド、エルロチニブ、ベバシズマブ、ゲムシタビン、およびパクリタキセル/ドセタキセルのうちの1種以上を投与する工程。
【0052】
上記処置を受けている患者はまた、上記進行性SCLCに加えて、癌のいくつかの形態および腫瘍に罹患していてもよい;例えば、上記患者はまた、SCLCと、非小細胞肺癌(NSCLC)を含む混合腫瘍型に罹患している可能性があり、および転移性腫瘍を有する可能性がある。
【0053】
本発明は、本明細書において、進行性SCLCもしくは他の癌を処置するための方法をさらに包含し、ここで有効な制吐量の5−HTレセプターアンタゴニストおよびデキサメタゾンは、抗癌化合物の投与に付随し得る悪心もしくは嘔吐の副作用を低下させるために、ピコプラチンもしくは第2の薬剤の投与前に上記患者に投与される。本発明に従って使用され得る5−HTレセプターアンタゴニストの例は、オンダンセトロンである。
【0054】
種々の実施形態において、上記癌が膵臓癌を含む場合、上記方法は、以下の工程を包含する:
(a)膵臓癌に罹患した患者を選択する工程;ならびに
(b)上記患者に、ピコプラチン、ならびにゲムシタビン、エルロチニブ、ロイコボリン、カペシタビン、ドセタキセルおよび5−FUのうちの1種以上を投与する工程。
【0055】
種々の実施形態において、上記癌が胃腸癌もしくは胃癌を含む場合、上記方法は、以下の工程を包含する:
(a)胃腸癌に罹患した患者を選択する工程;ならびに
(b)上記患者に、ピコプラチン、ならびに5−FU、ロイコボリン、カペシタビン、ベバシズマブ、セツキシマブ、イリノテカン、エピルビシン、イマチニブ、スニチニブおよびパクリタキセル/ドセタキセルのうちの1種以上を投与する工程。
【0056】
本発明の一実施形態は、ホルモン不応性前立腺癌の処置のための方法を提供し、上記方法は、ホルモン不応性前立腺癌(上記癌は、転移性であり、化学療法を受けたことがない)に罹患したヒト患者に、実質的に同時に、本発明のピコプラチンの安定化された投与形態およびドセタキセルと、プレドニゾンを投与する工程を包含し、ここで少なくとも120mg/mの用量のピコプラチンおよび約60〜100mg/mの用量のドセタキセルが、少なくとも1回静脈内に投与される。上記ピコプラチンおよびドセタキセルは、少なくとも2回投与され得るか、または約2〜12回投与され得る。ピコプラチン、プレドニゾン、およびドセタキセルは、約3〜6週間の間隔で投与され得る。
【0057】
本発明の別の実施形態において、ホルモン不応性前立腺癌の処置のための方法が提供され、上記方法は、ホルモン不応性前立腺癌(上記癌は、転移性であり化学療法を受けたことがない)に罹患したヒト患者に、実質的に同時に、ピコプラチンおよびタキサン(例えば、パクリタキセルおよび/もしくはドセタキセル)を投与する工程を包含し、ここで上記ドセタキセルは、約60〜100mg/mの用量で投与され、上記ピコプラチンは、約120〜180mg/mの用量で投与される。
【0058】
本発明の一実施形態は、プレドニゾンのさらなる投与を含み、上記プレドニゾンは、少なくとも1日に1回(例えば、1日に2回)、上記患者に経口的に投与される。本発明の方法の一実施形態において、上記ピコプラチンおよび上記ドセタキセルは、両方とも、約3週間ごとの間隔で、例えば、2〜12回(6〜36週間)、例えば、約10回まで、投与される。本発明の方法は、上記処置を受けていない適合性の患者の生命の期間に対して、上記患者の生命の期間を延ばし得、そして上記処置を受けていない適合性の患者の生命の質に対して、上記患者の生命の質を改善し得、そして上記処置を受けていない適合性の患者が感じる疼痛の程度に対して、上記患者が感じる疼痛の程度を低下させ得る。本発明の方法はまた、上記処置を受けていない適合性の患者の前立腺特異的抗原のレベルに対して、上記患者の前立腺特異的抗原のレベルを低下させ得、よって、上記疾患を安定化させるように作用し得る。
【0059】
本発明の投与形態はまた、ホルモン不応性前立腺癌の処置のための方法において有用であり、上記方法は、以下の工程を包含する:
(a)転移性ホルモン不応性前立腺癌に罹患した患者を選択する工程;ならびに
(b)上記患者に、ピコプラチンおよびドセタキセル、ならびに必要に応じて、ベバシズマブを投与する工程。
【0060】
上記ピコプラチンおよび上記ドセタキセルは、上記患者に対して相加的治療効果もしくは相乗的治療効果を示し得る。神経毒性はほとんどもしくは全く認められず、そして前立腺特異的抗原(PSA)レベルは、顕著に低下し得る。
【0061】
好ましくは、上記ピコプラチンは、上記タキサンと同時に(concurrently)(同時に(simultaneously)もしくは重複して)投与されるか、または上記タキサンの投与前に投与される。上記タキサンが、上記ピコプラチンより前に投与される場合、上記タキサンは、好ましくは、上記ピコプラチンの約10時間〜5分前(例えば、上記ピコプラチンの約1時間〜15分前)に投与される。
【0062】
本発明は、本明細書において、処置方法および卵巣癌の処置に適した投与形態を提供する。例えば、上記第1選択肢の化学療法レジメンが、シスプラチン、カルボプラチン、サトラプラチンもしくはオキサリプラチンの投与を含み、上記卵巣癌はその処置に応答性であるが、上記第1選択肢の処置の中止後に進行する場合、このような腫瘍は、本明細書に記載されるように、ピコプラチンで処置され得る。
【0063】
本発明の投与形態はまた、卵巣癌の処置の方法において有用であり、上記方法は、以下の工程を包含する:
(a)卵巣癌に罹患した患者を選択する工程;ならびに
(b)上記患者に、ピコプラチン、ならびに必要に応じて、パクリタキセルもしくはドセタキセル、およびpeg化リポソーム性ドキソルビシンのうちの少なくとも1種を投与する工程。
【0064】
本発明の一実施形態は、結腸直腸癌の処置方法を提供し、上記方法は、転移性結腸直腸癌に罹患した患者に、上記ピコプラチンの安定化された投与形態、5−フルオロウラシル(5−FU)、およびロイコボリン(LV)を投与する工程を包含し、ここで5−FUおよびLVは、静脈内に投与され、そして上記ピコプラチンは、上記5−FUおよびLVが投与されるときごとに上記LVおよび5−FUとともに投与される。上記ピコプラチンおよび上記5−FU/LVは、上記患者に対して相加的治療効果もしくは相乗的治療効果を示し得る。一実施形態において、上記薬剤は、例えば、約2〜6週間の間隔で、少なくとも2回投与される。
【0065】
本発明の別の実施形態は、結腸直腸癌の処置方法を提供し、上記方法は、転移性結腸直腸癌に罹患した患者に、有効量の、上記ピコプラチンの安定化された投与形態、5−FUおよびロイコボリンとの組み合わせを投与する工程を包含し、ここで上記ピコプラチン、5−FUおよびロイコボリンは、約2週間の間隔で少なくとも2回静脈内に投与され、ピコプラチンの量は、上記組み合わせで投与された場合に、上記ピコプラチンの最大許容用量より少ない。
【0066】
本発明の別の実施形態は、結腸直腸癌の処置方法を提供し、上記方法は、転移性結腸直腸癌に罹患した患者に、上記ピコプラチンの安定化された投与形態、5−FU、およびロイコボリンを投与する工程を包含し、ここで5−FUおよびロイコボリンは、約2週間の間隔で静脈内に投与され、上記ピコプラチンは、上記フルオロウラシルおよびロイコボリンが投与されるときごとに、上記ロイコボリンおよび5−FUとともに投与され、ここで上記ピコプラチンは、用量を制限する毒性なしで、約45〜180mg/mの用量で投与される。投与量は、投与が2週間ごとである場合に、上限と同程度であると予測される。
【0067】
本発明の方法の一実施形態において、上記患者は、好ましくは、転移性疾患についての全身処置(例えば、化学療法)を以前に受けたことがない。しかし、上記患者は、以前に、最初の腫瘍処置のときに、少なくとも本発明のピコプラチン処置の6ヶ月前に、補助的治療を受けたことがあってもよい。
【0068】
本発明の別の実施形態において、上記ピコプラチンは、上記ロイコボリンと実質的に同時に投与され、そして上記ピコプラチンは、上記5−FUおよび上記ロイコボリンでの上記患者の第2の処置のときに、例えば、4週間ごとに投与される。上記ロイコボリンは、約250〜500mg/m、好ましくは、約400mg/mの投与量で投与される。上記ピコプラチンは、約60〜180mg/mの投与量で投与される。上記5−FUは、約2500〜3000mg/mの合計投与量で投与される。ロイコボリンおよび5−FUの処置サイクルは、2週間ごとであり、そしてピコプラチンは、4週間ごとに、例えば、約120〜180mg/mの高用量で、好ましくは、約120〜150mg/m(例えば、約150mg/m)で投与される。
【0069】
従って、本発明の一実施形態において、上記ロイコボリンは、250〜500mg/mの投与量で、投与される場合、上記ピコプラチンと同時に、約2時間の注入として投与され、ここで上記ピコプラチンの投与量は、120〜180mg/m、例えば、約150mg/mである;上記ロイコボリンおよび上記ピコプラチンの投与に続いて、ボーラスとして約400mg/mの5−FU投与が行われる;上記5−FU投与に続いて、2,400mg/mの投与量の5−FUが、好ましくは、46時間の連続注入として投与され、ここで上記ロイコボリンおよび5−FUは、2週間の間隔で上記患者に提供され、上記ロイコボリン、ピコプラチン、および5−FUは、4週間の交互の間隔で、上記患者に提供される。
【0070】
本発明の別の実施形態において、上記ロイコボリンは、400mg/mの用量で、2時間の注入として投与され;上記ロイコボリンの投与に続いて、400mg/mの投与量の5−FUボーラスが、投与され;上記5−FUボーラス投与に続いて、2,400mg/mの投与量の非経口的5−FUが、好ましくは、46時間連続注入として投与される;上記ロイコボリンおよび上記5−FUの投与は、2週間ごとに行われ;ここで2週間ごとのピコプラチンは、上記ロイコボリンと同時に(concurrently)、好ましくは、同時に(simultaneously)投与される。約45〜180mg/mのピコプラチンの投与は、用量を制限する毒性なしで行われ得る。
【0071】
いくつかの場合において、投与される低用量のピコプラチンと、処置サイクルごとにロイコボリンおよび5−FUとの組み合わせは、応答を生成することにおいて、同じ間隔で与えられる、例えば、MTDと同程度に有効であるか、それより有効であるか、より高用量で有効であることが予想外に見出された。上記2週間および4週間のピコプラチン投与スケジュール(表1を参照のこと)のMTDは、以下で議論される。好ましくは、最初の処置におけるこのような用量は、上記MTDより低いかまたは実質的に低い。このような用量は、以下で議論されるように、ロイコボリンとともに与えられ、続いて、5−FUが与えられ得る2週間ごとの約40〜60mg/mのピコプラチンの範囲に及び得る。
【0072】
本発明の投与形態はまた、結腸直腸癌の処置方法において有用であり、上記方法は、
(a)転移性結腸直腸癌に罹患した患者を選択する工程;および
(b)上記患者にピコプラチン、ならびに5−フルオロウラシルおよびロイコボリンのうちの1種以上、ならびに必要に応じて、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、照射、およびカペシタビンのうちの少なくとも1種を投与する工程。一実施形態において、上記ピコプラチンおよび上記第2の薬剤は、例えば、約2〜6週間の間隔で、少なくとも2回投与される。
【0073】
例えば、上記ロイコボリンは、約400mg/mの用量で、上記ピコプラチンと同時に、各々別個の容器から2時間の注入として投与され、ここで上記ピコプラチンの投与量は、約45〜180mg/mであり;上記ロイコボリンおよび上記ピコプラチンの投与に続いて、約400mg/mの投与量の5−フルオロウラシルボーラスが続く;上記5−フルオロウラシルボーラスに続いて、約2,400mg/mの投与量の5−フルオロウラシルが、46時間の連続注入として投与される;ここで上記ロイコボリン、ピコプラチン、おうよび5−フルオロウラシルは、2週間ごとに、上記患者に提供される。あるいは、上記ピコプラチンは、4週間ごとに、上記他の薬剤とともに投与され得る。
【0074】
ピコプラチンおよび/もしくは上記第2の薬剤は、好ましくは、有効な間隔で(例えば、少なくとも2〜6週間の間隔で)少なくとも2回投与される。ピコプラチンは、上記第2の薬剤と同時に与えられてもよいし、交替されてもよいし、ピコプラチンは、上記処置サイクルのあいだにピコプラチンおよび第2の薬剤と交互にされてもよい。
【0075】
本発明の処置方法の種々の実施形態において、上記患者において神経毒性が存在することはほとんどもしくは全く認められない(すなわち、グレード3以上の神経毒性はない)。
【0076】
白金アナログの有効性は、いくつかの(固有のもしくは後天性の)耐性機構(損なわれた細胞取り込み、チオール(例えば、還元型グルタチオン)による細胞内不活性化、ならびに増強されたDNA修復および/もしくは増大した白金−DNA付加物に対する寛容性を含む)によって制限される。
【0077】
白金耐性の卵巣癌細胞株および小細胞肺癌細胞株における研究によって、ピコプラチンが耐性の3つ全ての機構を克服する能力が示された。シスプラチン耐性肺癌細胞株において、ピコプラチン取り込みが維持された。ピコプラチンは、インビトロで、チオール含有化合物(例えば、チオウレアおよびピリミジン)による不活性化に、シスプラチンよりも顕著に影響を受けにくいことが示された。ピコプラチンは、4つのオキサ値プラチン耐性結腸細胞株および肺細胞株において活性なままであった。従って、ピコプラチンはまた、オキサリプラチン耐性腫瘍に対して具体的な有用性を有し得る。ピコプラチンは、以前の白金治療が失敗した耐性腫瘍の処置において、および以前に白金アナログに曝されたことがない腫瘍の処置において、両方で有効であり得る。
【0078】
マウス、ラットおよびイヌへのピコプラチンの静脈内(IV)投与後の血漿薬物動態は、迅速な分布に続いて、ゆっくりとした排除(それぞれ、44時間、40時間および60時間のt1/2)を伴って、血漿中で二乗指数関数的(bi−exponential)崩壊を示した。白金は、マウスの組織に迅速かつ広く分布した(脳を除く)。
【0079】
本発明の処置方法は、少なくとも1種のさらなる薬物および/もしくは抗癌治療(放射線療法を含む)を、ピコプラチンを含む単位投与形態もしくは複数の単位投与形態(例えば、本発明の単位投与形態もしくは本発明の方法によって調製された単位投与形態)と、好ましくは、逐次的に(前もしくは後に)または同時に(concurrently)(同時に(simultaneously)もしくは重複を含む)、経口的にもしくは非経口的に投与する工程をさらに包含し得る。上記さらなる薬物は、抗癌薬物、好ましくは、非Pt含有薬物であり得、そして経口的にもしくは静脈内に投与され得る。
【0080】
種々の実施形態において、上記第2の抗癌剤は、ゲムシタビン、PEG化リポソーム性ドキソルビシン、ビノレルビン、パクリタキセル、トポテカン、ドセタキセル、ドセタキセル/プレドニゾン、5−フルオロウラシル/ロイコボリン、カペシタビン、エトポシド、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ペメトレキセド、もしくはこれらの組み合わせであり得る。
【0081】
種々の実施形態において、上記第2の抗癌剤は、カンプトテシン、カペシタビン、イリノテカン、エトポシド、ビンブラスチン、ビンデシン、シクロホスファミド、イホスファミド、もしくはメトトレキサート、もしくはこれらの組み合わせであり得る。
【0082】
種々の実施形態において、上記第2の抗癌剤は、上記患者に有益な効果を提供するに十分なピコプラチン用量、投与頻度および時間と組み合わせた、投与用量、投与頻度、および時間で提供され得る。
【0083】
本発明は、処置過程を提供するために、別個にパッケージされた、本発明の方法に従って調製されたピコプラチンの単位投与形態の十分な数を含むパッケージングを含むキットをさらに提供する。キットは、説明資料(例えば、投与の用量もしくは頻度に関する説明書)をさらに含み得る。例えば、キットは、長期(例えば、1週間もしくは複数週間)にわたって、十分な1日用量を含み得るか、または上記投与がそれほど頻繁には反復されない場合(例えば、1日用量)、1回の投与にわたって複数の単位投与形態を含み得る。上記複数の単位投与形態は、別個であるが、近接して、ブリスターパックのようにパッケージされ得る。上記キットはまた、別個にパッケージされた、上記非白金含有抗癌剤の複数の単位投与形態(好ましくは、経口単位投与形態)を含み得る。
【0084】
上記ピコプラチンは、本発明に従って非経口投与される場合、水溶液中に、好ましくは、滅菌水溶液中に存在する。上記水溶液は、分解に対して安定化されるように、塩化物イオンの供給源(例えば、NaCl)を含み得る。この濃度は、予測外にも、上記で議論されるように、上記溶解されたピコプラチンを安定化することが分かった。上記水溶液は、好ましくは、このような保存剤が上記ピコプラチンと化学的に反応する可能性に起因して、保存剤(例えば、亜塩素酸化合物もしくは四級アンモニウム化合物)を含まない。
【0085】
上記ピコプラチンは、1用量あたり約60mg/mから最大約150mg/mまでの範囲に及ぶ用量で、または1用量あたり150mg/mより高い(例えば、1用量あたり最大約180mg/m)用量で、投与され得る。これら投与単位は、mg/体表面積1平方メートルの単位の量をいう。出発用量は、上記体表面積(BSA)に依存し、上記体表面積は、以下の式に従って、ベースラインにおける被験体の身長および体重から計算され得る:
【0086】
【数1】

その後の処置サイクルは、上記出発用量のために計算された上記BSAを使用し得る。上記被験体の体重が10%より大きく変化する場合、処置する医師は、上記BSAを再計算して、それに応じて、上記用量を調節しなければならない。
【0087】
上記ピコプラチンが、水溶液として、例えば、滅菌等張性水中で0.5mg/mLの濃度で静脈内に投与される場合、上記ピコプラチンは、約1時間もしくは約2時間の期間にわたって与えられ得る。患者に与えられる1用量あたりのピコプラチンの総量は、約200〜約300mgに達し得る。例えば、滅菌等張性水溶液中で約0.5mg/mLの濃度で与えられる場合、上記総用量は、上記溶液の約400〜600mLに達し得、例えば、2〜3回のIV投与形態の含有量が投与される。
【0088】
一定期間にわたって投与され得るピコプラチンの用量の総数は、2〜約14の別個の用量(例えば、約5〜7用量)の範囲中にあり得、そして上記用量は、約3週間の間隔を空けた時点で(最大約6週間の範囲内の間隔を空けて)与えられ得る。しかし、上記用量は、約1年までの期間を超えて継続され得るが、ただし、上記処置に禁忌を示す毒性は現れない。
【0089】
本発明はまた、容器中に、水溶液、塩化物塩、および約0.25〜0.75mg/ml(0.025〜0.075重量%)の水中濃度のピコプラチンを含む、ピコプラチンの投与形態を提供する。この投与形態は、ピコプラチンの有効な投与量の非経口的投与に適しており、各個々の容器は、約100〜125mgのピコプラチンを含み、静脈内投与に、例えば、IVバルブ、チュービング、部品、ラインなどへの無菌的接続、もしくは注入デバイス間の移動に適している。
【0090】
上記投与形態の容器は、硝子製注入バイアル、薬物耐性ポリマーから形成される注入バッグ、もしくは薬物耐性ポリマー(例えば、ハライドも、アミンも、アミドも含まないポリマー)から形成されるシリンジであり得る。ピコプラチンは、感光性でありかつ可視光線に曝されると分解してしまう可能性があるので、上記容器は、入射光線を許容可能なレベルまで低下させるに十分不透明である二次的な覆いの中にさらに含まれ得る。
【0091】
キャップをかぶせられる場合、上記溶液と接触する上記キャップの一部は、酸化還元活性金属(例えば、ピコプラチンと反応し得るもの)を含まない。
【0092】
上記塩化物イオン源は、任意の適切な第I族もしくは第II族金属の塩化物であり得;塩化ナトリウムが使用され得るか、または代わりに塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、もしくは他の生体適合性物質が使用され得る。上記溶液は、ヒトの体液と(例えば、血液、脊髄液、リンパ液などと)等張性であるように、調節され得る。好ましくは、上記ピコプラチン成分と相互作用し得る保存剤は含まれない;塩素、亜塩素酸塩および四級アンモニウム塩(「四級(quat)」)は、一般には回避されるべきである。上記溶液は無菌であるべきであり、当該分野で周知の方法のいずれか(例えば、限外濾過)によって達成され得る。上記容器内の無菌性は、適切な閉じこめ手段(closure)(例えば、ETFEコポリマー被覆塩素化ブチルゴムストッパーおよびフリップオフクリンプシール(flip−off crimp seal)を伴う滅菌容器の使用を介して維持され得る。上記溶液は、必要な場合、脱酸素化され得る。
【0093】
上記投与形態の容器は、閉じこめ手段(例えば、正体、濃度、使用期限日を含み得る、ケア提供者(例えば、医師もしくは看護師)に有用な同定情報)を含み得る。これは、医療過誤を回避するように、ならびに上記ケア提供者および上記患者に、正確な薬物が投与されるというさらなるレベルの確実性を提供するように、作用し得る。上記同定情報は、光が乏しい状態で検出され得る(例えば、ピコプラチンおよびその投与量などを知らせる文字を浮き彫りにした上記キャップの感触的特徴によって)ように、非視覚的形態で存在し得る。あるいは、上記キャップは、投与情報を伝達する様式で、もしくは上記内容物を同定するために、着色され得る。例えば、処置期間に3つの容器を使用する場合、上記容器は符号付け(例えば、異なる色で)されて、処置の順序(第1、第2もしくは第3)において所定の容器の相対的位置を、上記ケア提供者に示し得る。このことは、上記ケア提供者が処置期間中に患者に投与される上記容器の数が分からなった場合に起こり得るような、過剰投与もしくは過少投与のような医療過誤を避けるように働く。
【0094】
感光性化合物として、ピコプラチンおよびその溶液は、例えば、不透明物質中にパッケージングすることによって、光への露出から保護される。従って、本発明の投与形態(例えば、容器(例えば、硝子もしくはポリマー(例えば、エチレン−ビニルアセテートコポリマーもしくはポリプロピレン)から作製された公称200mLバイアル)中に保持される溶液)は、可視光線への露出を最小化する二次的パッケージングによって遮光され得る。好ましくは、上記パッケージは、遮光物質として適切な場所にあるような形状にされ得る一方で、上記溶液は、上記患者に投与される。さらに、上記容器は、遮光物質(例えば、琥珀色の硝子)から形成され得る。
【0095】
上記ピコプラチンの感光性に起因して、上記溶液の調製および上記容器への充填の間に、上記プロセスは、上記ピコプラチンの光分解を回避するために、赤色が通された光(red−filtered light)、例えば、印画紙に危険のない光(photographic safe light)の下で行われ得る。
【0096】
本発明は、上記投与形態の投与に関する説明資料、もしくは政府規制当局によって承認された上記投与形態の使用を記載する表示手段(例えば、ラベル、タグ、CD、DVD、カセットテープなど)を含む説明資料とともにパッケージされた投与形態の1つ以上を提供する。
【0097】
従って、本発明の投与形態は、無菌性を維持しかつ劣化から上記活性成分を保護するようにパッケージされた生体適合性キャリア中の適した濃度で、上記ピコプラチンを組み込んでいる、本発明の方法を実施するために適合された1つ以上の単位投与形態を提供する。
【0098】
本発明は、パッケージング物質中にさらに含まれた上記投与形態のうちの2つ以上を含む処置の単一の過程に適合されたキットをさらに提供する。例えば、上記キットは、3つの投与形態単位を含み得、各投与形態単位は、1キットにつき合計300mgのピコプラチンで、100mgのピコプラチンを含む200mlの溶液を提供する。これは、300mgまでのピコプラチンの用量の少なくとも1回の投与に十分である。上記キットのパッケージング物質は、上記ピコプラチンの光分解を回避するために遮光性であり得る。上記キットは、パッケージング物質(例えば、損傷、光、および極端な熱から上記容器を保護するように働く成形ポリスチレン発泡体)を含み得る。上記キットは、説明手段および表示手段、ならびに上記容器内容物の投与のためのアクセサリ(例えば、チュービング、バルブもしくはIV投与用のニードル)をさらに含み得る。
【0099】
本発明の投与形態は、本発明の方法を実施するために適合された複数の投与形態でさらにパッケージされ得る。例えば、2つもしくは3つの単一の単位投与形態は、例えば、供給業者から患者に処置を提供する医療施設への輸送のために、1つの容器中に「6パック」として一緒にパッケージされ得る。
【0100】
上記キットは、別個にパッケージされ、上記ピコプラチンの前に、同時にもしくは後に非経口的に投与されることが意図された非白金抗癌剤および/もしくは補助剤(強化剤、救出剤もしくは制吐剤を含む)の表示された複数回使用もしくは単数回使用の容器を含み得る。
【0101】
ピコプラチンとの投与、処置方法、投与レジメン、および組成物に有用な薬剤はまた、以下で開示されている:米国特許出願第10/276,503号(2003年9月4日出願);同第11/982,841号(2007年11月5日出願);同第11/935,979号(2007年11月6日出願);同第11/982,839号(2007年11月5日出願);米国特許第7,060,808号および同第4,673,668号;PCT WO/98/45331およびWO/96/40210、ならびに米国仮特許出願第60/889,171号(2007年2月9日出願)、PCT特許出願番号PCT/US2008/001746(2008年2月8日出願、発明の名称「Encapsulated picoplatin」、米国仮特許出願第60/950,033号(2007年7月16日出願)および米国仮特許出願第61/043,962号(2008年4月10日出願)(ともに、発明の名称「Oral Formulations for Picoplatin」;ならびにMartellら,米国仮特許出願第61/027,387号(2008年2月8日出願、発明の名称「Use of Picoplatin and Bevacizumab to Treat Colorectal Cancer」(代理人整理番号295.114PRV));Martellら,米国仮特許出願第61/027,382号(filed February 8, 2008年2月8日出願、発明の名称「Use of Picoplatin and Cetuximab to Treat Colorectal Cancer」(代理人整理番号295.115PRV));Karlinら,米国仮特許出願第61/027,360号(2008年2月8日出願、発明の名称「Picoplatin and Amrubicin to Treat Lung Cancer」(代理人整理番号295.116PRV));米国仮特許出願第61/034,410号(2008年3月6日出願、発明の名称「Use of Picoplatin and Liposomal Doxorubicin Hydrochloride to Treat Ovarian Cancer」(代理人整理番号295.117PRV));Martellら,米国仮特許出願第61/027,388号(2008年2月8日出願、発明の名称「Combination Chemotherapy Comprising Stabilized Intravenous Picoplatin」(代理人整理番号295.120PRV))。
【0102】
本明細書中上記で引用される全ての文献、特許および特許出願は、完全に記載されていないとしても、本明細書に参考として援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピコプラチンおよび塩化物イオンの水溶液を含む、安定化されたピコプラチン投与形態であって、ここで該塩化物イオンは、加水分解性分解に対して該ピコプラチンを安定化するに有効な濃度で存在する、安定化されたピコプラチン投与形態。
【請求項2】
前記溶液のpHは、約6.0未満である、請求項1に記載の投与形態。
【請求項3】
前記ピコプラチンの濃度は、約0.5〜約1.1重量%である、請求項1または2に記載の投与形態。
【請求項4】
前記塩化物イオンは、無機塩化物塩、もしくは塩酸、またはこれらの組み合わせによって含まれる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の投与形態。
【請求項5】
前記無機塩化物塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、もしくは塩化カルシウム、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項4に記載の投与形態。
【請求項6】
前記塩化物イオンは、少なくとも約9mMの濃度で存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の投与形態。
【請求項7】
前記塩化物イオン濃度は、約155mMである、請求項6に記載の投与形態。
【請求項8】
前記無機塩化物塩は、塩化ナトリウムであり、該塩化ナトリウムは、少なくとも約0.05重量%の濃度で存在する、請求項5に記載の投与形態。
【請求項9】
前記ピコプラチンは、5重量%以下の脱塩素化ピコプラチンもしくは白金(II)のアコ錯体を含むピコプラチンを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の投与形態。
【請求項10】
前記ピコプラチンは、ジェットミル化ピコプラチン、凍結乾燥ピコプラチン、もしくは微結晶性ピコプラチンを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の投与形態。
【請求項11】
炭水化物もしくは糖アルコールを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の投与形態。
【請求項12】
前記糖アルコールは、マンニトール、ソルビトール、もしくはその組み合わせを含む、請求項11に記載の投与形態。
【請求項13】
前記溶液は等張性である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の投与形態。
【請求項14】
前記ピコプラチンのtrans異性体を実質的に含まない、請求項1〜13のいずれか1項に記載の投与形態。
【請求項15】
ピコプラチンの安定化された投与形態を調製するための方法であって、該方法は、塩化物イオンが、ピコプラチンの脱塩素化錯体にピコプラチンを変換する量もしくは速度を、該塩化物イオンを含む水溶性物質が、溶液にない場合の変換の量もしくは速度と比較して低下させるに有効な量で、該溶液中に存在するように、ピコプラチンおよび該塩化物イオンを含む水溶性物質を水中に溶解することによって、溶液を調製する工程を包含する、方法。
【請求項16】
前記投与形態は、有効量のピコプラチンを、癌に罹患している患者に提供する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記溶液のpHは、約6以下である、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記溶液は無菌状態である、請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記溶液は、保存剤を含まない、請求項15〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記脱塩素化錯体は、(アンミン)(クロロ)(アコ)(2−ピコリン)Pt(II)異性体を含む、請求項15〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記ピコプラチンの塩素化錯体は、上記全体の溶解されたピコプラチンのうちの約4.5%以下である、請求項15〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記全体の溶解されたピコプラチンは、前記溶液のうちの約0.025〜0.075重量%である、請求項15〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記塩化物イオンは、少なくとも約9mMの濃度で前記溶液中に存在する、請求項15〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記塩化物イオンは、少なくとも約0.05重量% NaClによって提供される、請求項15〜23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記溶液は、凍結乾燥ピコプラチン、ジェットミル化ピコプラチン、もしくは微粉化ピコプラチンを、水中に溶解することによって調製される、請求項15〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記溶液は、約2〜5μ平均粒子直径のピコプラチンを、水中に溶解することによって調製される、請求項15〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記溶液は、ピコプラチンのtrans異性体を実質的に含まない、請求項15〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記溶液は、アルミニウムを含まない、請求項15〜27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記溶液は、実質的に等張性である、請求項15〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
糖もしくは糖アルコール、またはその両方の添加をさらに包含する、請求項15〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記糖アルコールは、マンニトール、ソルビトール、もしくはその両方を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
請求項15〜31のいずれか1項に記載の方法によって提供される、組成物。
【請求項33】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の投与形態を凍結乾燥すること、または請求項15〜31のいずれか1項に記載の方法によって調製される投与形態を凍結乾燥することによって提供される、組成物。
【請求項34】
前記組成物は、請求項1〜14のいずれか1項に記載の投与形態または請求項15〜31のいずれか1項に記載の方法によって調製される投与形態に対して、貯蔵した際により高い安定性を示す、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
i.v.バッグに移すように適合された公称200mLバイアル、エチレン−ビニルアセテートコポリマーのような適合性プラスチックから形成される注入バッグ、もしくは静脈内投与に適合されたポリプロピレンシリンジを含むキットであって、該バイアル、バッグもしくはシリンジは、請求項1〜14のいずれか1項に記載の投与形態、もしくは請求項15〜31のいずれか1項に記載の方法によって調製された投与形態、もしくは請求項32〜34のいずれか1項に記載の組成物を含む、キット。
【請求項36】
前記バイアル、バッグもしくはシリンジは、遮光性である、請求項35に記載のキット。
【請求項37】
説明資料を含む、請求項35または36に記載のキットであって、ここで該説明資料は、SCLCを処置するための前記投与形態の投与に関して、紙表示、タグ、コンパクトディスク、DVD、もしくはカセットテープを含む、キット。
【請求項38】
前記説明資料は、薬物の規制を監督する政府当局によって認可された前記投与形態の使用を記載するかもしくは伝える表示を含む、請求項37に記載のキット。
【請求項39】
前記投与形態のIV投与に適合されたチュービング、バルブ、もしくはニードルをさらに含む、請求項35〜38のいずれか1項に記載のキット。
【請求項40】
第2の白金抗癌剤もしくは非白金抗癌剤、または補助剤、またはその両方の溶液の1つ以上の容器を含む、請求項35〜39のいずれか1項に記載のキット。
【請求項41】
輸送に適合されたパッケージ中にある、請求項35〜40のいずれか1項に記載の複数のキット。
【請求項42】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の投与形態、または請求項15〜31のいずれか1項に記載の方法によって調製された投与形態、および必要に応じて、第2の抗癌剤を、癌に罹患した患者に有益な効果を提供するに有効な、量、頻度および処置期間で、該患者に投与する工程を包含する、癌を処置するための方法。
【請求項43】
前記投与形態は、経口投与に適合されている、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記投与形態は、静脈内に投与される、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記患者は、化学療法を受けたことがない、請求項42〜44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記患者は、以前に化学療法を受けたことがあるか、またはピコプラチン以外の有機白金抗癌剤に対して耐性を発生させたことがあるか、またはその両方である、請求項42〜44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記ピコプラチンおよび前記第2の抗癌剤の治療効果は、相加的であるかまたは相乗的である、請求項42〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記癌は、固形腫瘍、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、腎臓癌、膀胱癌、腎癌、胃癌および他の胃腸(GI)癌、中皮腫、神経膠芽細胞腫、膵臓癌、子宮頸癌、精巣癌、卵巣癌、結腸直腸癌、前立腺癌、胸腺癌、乳癌、頭頚部癌、食道癌、子宮癌、子宮内膜癌、肝臓癌、肉腫、カポージ肉腫、類癌腫、黒色腫、腹膜癌、リンパ上皮腫、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、白血病、もしくは骨関連癌を含む、請求項42〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記第2の抗癌剤は、ゲムシタビン、リポソーム性塩酸ドキソルビシン、PEG化リポソーム性ドキソルビシン、ビノレルビン、パクリタキセル、トポテカン、ドセタキセル、ドセタキセル/プレドニゾン、5−フルオロウラシル/ロイコボリン、エトポシド、ベバシズマブ、セツキシマブ、ペメトレキセド、アムルビシン、もしくはこれらの組み合わせを含む、請求項42〜48のいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
第2の抗癌剤の有効量の使用と必要に応じて組み合わせた、癌に罹患した患者における癌の処置のための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の投与形態の有効量、もしくは請求項15〜31のいずれか1項に記載の方法によって調製された投与形態の有効量の使用。
【請求項51】
前記投与形態は、経口投与に適合されている、請求項50に記載の使用。
【請求項52】
前記投与形態は、静脈内に投与される、請求項50に記載の使用。
【請求項53】
前記患者は、化学療法を受けたことがない、請求項50に記載の使用。
【請求項54】
前記患者は、以前に化学療法を受けたことがあるか、またはピコプラチン以外の有機白金抗癌剤に対して耐性を発生させたことがあるか、またはその両方である、請求項50に記載の使用。
【請求項55】
前記ピコプラチンおよび前記第2の抗癌剤の治療効果は、相加的であるかまたは相乗的である、請求項50に記載の使用。
【請求項56】
前記癌は、固形腫瘍、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、腎臓癌、膀胱癌、腎癌、胃癌および他の胃腸(GI)癌、中皮腫、神経膠芽細胞腫、膵臓癌、子宮頸癌、精巣癌、卵巣癌、結腸直腸癌、膀胱癌、前立腺癌、胸腺癌、乳癌、頭頚部癌、食道癌、子宮癌、子宮内膜癌、肝臓癌、肉腫、カポージ肉腫、類癌腫、黒色腫、腹膜癌、リンパ上皮腫、リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、白血病、もしくは骨関連癌を含む、請求項50に記載の使用。
【請求項57】
前記第2の抗癌剤は、ゲムシタビン、リポソーム性塩酸ドキソルビシン、PEG化リポソーム性ドキソルビシン、ビノレルビン、パクリタキセル、トポテカン、ドセタキセル、ドセタキセル/プレドニゾン、5−フルオロウラシル/ロイコボリン、エトポシド、ベバシズマブ、セツキシマブ、ペメトレキセド、アムルビシン、もしくはこれらの組み合わせを含む、請求項50に記載の使用。
【請求項58】
前記患者に対して放射線療法を施す工程をさらに包含する、請求項50に記載の使用。
【請求項59】
前記放射線療法は、X線、ガンマ線照射、近接照射療法、エネルギー粒子照射(energetic particle irradiation)、もしくは1種以上の放射性同位体物質の投与、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項58に記載の使用。

【公表番号】特表2010−531877(P2010−531877A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−514837(P2010−514837)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/008076
【国際公開番号】WO2009/032034
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(398003681)ポニアード ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】