説明

完全性試験可能、加圧滅菌可能な無菌移送バッグ

本発明は、完全な無菌装置を形成するために蒸気または気体によって滅菌され、次に密封されることが可能である移送バッグ1で形成されている。これは、好ましくは、移送ポート上に嵌合するように設計された閉じられたカラー5に取り付けられる。バッグは、2つのセクション、第1の蒸気透過性の有孔セクション8と、第2の孔のないセクション9で形成されている。物品は、バッグ内に開口を通って装填される。バッグは、密封され、蒸気または滅菌する気体環境に曝露される。蒸気または気体が、バッグの第1のセクション8に入り、バッグの内部空間全体にわたって移動してバッグおよびその内容物を滅菌する。滅菌後、バッグは取り外され、内容物が、バッグの第2のセクション9内にすべてくるように移動させられる。次に、バッグおよびその内容物の無菌性を確実にするために、バッグが、第1および第2の部分の間の接合面に隣接して密封される。それと同時に、またはその少し後に、滅菌プロセスが行われたこと、およびバッグおよびその内容物の無菌性が維持されていることの視覚的なインジケータとして働くために、陰圧または陽圧が、バッグの第2の部分に加えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無菌チャンバ移送ポートのための移送バッグに関する。より具体的には、本発明は、加圧滅菌可能であり、完全性試験可能である移送ポートのための移送バッグに関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤および生物薬剤の充填などのための無菌室の使用は、支持を得てきており、支持を得つづけている。
【0003】
これらの部屋は、様々なプラスチック、ガラスおよび金属の隔壁によって外部の大気および環境から隔離されている。これらは、グローブボックスの形態であることがよくある。
【0004】
移送ポートは、隔離室へ物品を出し入れすることを可能にするための手段を提供するために使用される。
【0005】
米国特許第6,030,578号明細書は、マサチューセッツ州ベッドフォードのMillipore CorporationによってSafe Pass(商標)システムとして販売されている、ある好ましい移送ポートを示している。
【0006】
システムは、その対合ポートによって隔離室の開口に装着された可動ドアを備える。隔離室内へ運ばれる物品が入っている移送バッグは、そのカラーによってポートに取り付けられる。内部の物品は、ガンマ放射線などによって事前に滅菌されている。バッグが取り付けられた後、紫外線またはパルス白色光の形態の滅菌光が、そうしなければポートの開放の際にチャンバを汚染することになる潜在する微生物を除去するために、対合されたカラーの露出した表面上に当てられる。
【0007】
滅菌後、ポートが開放され、カラーの滅菌された面を隔離室の内部空間に露出する。
【0008】
隔離室内で使用するための移送バッグ内の物品にアクセスすることを可能にするために、カラーの面が取り外される、または穿孔される。
【0009】
使用後、物品は隔離室内で密封される(たとえば、薬剤が、隔離室内でバイアルまたは注射器内に充填され、それらの無菌性を保持するために密封され、次に開いたポートに取り付けられた移送バッグ内に配置される)。次に、隔離室の無菌性を保持するためにポートのドアが閉鎖され、ベイが分離され、さらなる販売プロセスのために運び去られる。
【0010】
現在の1つの制限は、バッグおよびその内容物が、ガンマ放射線によって滅菌されなければならないことである。
【0011】
現在のシステムの第2の制限は、バッグおよびその内容物が、滅菌後の前のいずれかで、わずかな陰圧または陽圧を受け、次に密封され、維持管理されることである。
【0012】
これは、信頼性が高く簡単な完全性試験を提供する。パッケージがわずかな陰圧または陽圧を維持している限り、使用者は、内部の内容物が無菌であることを知っている。陰圧または圧力が失われた場合、バッグの完全性が危うくされ、見かけ上もそのように示され、その内容物は隔離室内に入ることを許されない。
【0013】
システムが作動している間、バッグおよびその内容物の滅菌のための手段としての放射線の使用をなくすことが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
望まれているのは、バッグの内容物を滅菌するために加圧滅菌を使用することを可能にするシステムである。それを行うことができる一方で、完全性試験のための陰圧または圧力完全性機構を使用することもまだできることが望まれている。
【0015】
本発明はこのような装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、気体または蒸気によって滅菌されることができ、さらなる進入または気体または蒸気を除去するように密封され、次に、密封の完全性の視覚的な指標を提供するためのわずかな陰圧または陽圧を受ける移送バッグで形成されている。これは、移送ポート上に嵌合するように設計された閉じられたカラーに取り付けられてもよい。バッグは、2つのゾーン、第1の蒸気透過性の有孔セクションと、第2の孔のない滅菌セクションで形成されている。物品は、バッグ内にその開口を通って装填される。物品は密封され、滅菌する気体または加圧滅菌環境に曝露される。酸化エチレンなどの蒸気または気体が、バッグの第1の部分に入り、バッグの内部空間全体にわたって移動してバッグおよびその内容物を滅菌する。滅菌後、バッグは取り外され、内容物が、バッグの第2の部分内にすべてくるように移動させられる。次に、バッグおよびその内容物の無菌性を確実にするために、バッグが、第1および第2の部分の間の接合面に隣接して密封される。それと同時に、またはその少し後に、滅菌プロセスが行われたことを示すために、およびバッグおよびその内容物の無菌性の視覚的なインジケータとして働くために、陰圧または陽圧が、バッグの第2の部分に加えられる。
【0017】
第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクションを有するバッグからなり、蒸気および滅菌する気体から成る群から選択された手段による滅菌後、内容物が、バッグの第2の孔のないセクションへ移動され、次にバッグが、無菌の密封された領域を形成するために、第1および第2の部分の間の接合面に隣接して密封される、移送バッグを提供することが、本発明の目的である。
【0018】
バッグが、滅菌され、隔離室へ移送される構成要素を含む、第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクション、およびバッグの孔のないセクションに取り付けられた移送ポート上に嵌合されるように設計された閉じたカラーを有するバッグからなる移送バッグを提供することが、本発明の別の目的である。
【0019】
バッグが、バッグ内で蒸気滅菌された無菌の構成要素を含み、バッグが、バッグおよびその内容物の無菌性を確実にするための第1および第2のセクションの間の接合面に隣接する孔のないセクション内のシールを含む、第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクション、およびバッグの孔のないセクションに取り付けられた移送ポート上に嵌合されるように設計された閉じたカラーを有するバッグからなる移送バッグを提供することが、本発明の追加の目的である。
【0020】
バッグが、バッグ内で蒸気滅菌された無菌の構成要素を含み、バッグが、バッグおよびその内容物の無菌性を確実にするための第1および第2のセクションの間の接合面に隣接する孔のないセクション内のシールを含み、バッグおよびシールの完全性の視覚的なインジケータを提供するためにバッグおよびその内容物がわずかな陰圧、または陽圧の下にある、第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクション、およびバッグの孔のないセクションに取り付けられた移送ポート上に嵌合されるように設計された閉じたカラーを有するバッグからなる移送バッグを提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0021】
バッグの第1のセクションが、バッグの第1の表面の一部を形成している、第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクション、およびバッグの孔のないセクションに取り付けられた移送ポート上に嵌合されるように設計された閉じたカラーを有するバッグからなる移送バッグを提供することが、本発明の別の目的である。
【0022】
バッグが2つの表面を有し、バッグの第1のセクションが、バッグの両表面の一部を形成している、第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクション、およびバッグの孔のないセクションに取り付けられた移送ポート上に嵌合されるように設計された閉じたカラーを有するバッグからなる移送バッグを提供することが、本発明の追加の目的である。
【0023】
バッグが2つの表面を有し、バッグの第1のセクションが、バッグの両表面の一部を形成し、各表面の第1のセクションが互いに型合わせされている、第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクション、およびバッグの孔のないセクションに取り付けられた移送ポート上に嵌合されるように設計された閉じたカラーを有するバッグからなる移送バッグを提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0024】
バッグが2つの表面および第1および第2の端部を有し、バッグの第1のセクションが、バッグの第1の端部でバッグの両方の表面の一部を形成し、各表面の第1のセクションが互いに型合わせされている、第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクション、およびバッグの孔のないセクションに取り付けられた移送ポート上に嵌合されるように設計された閉じたカラーを有するバッグからなる移送バッグを提供することが、本発明の目的である。
【0025】
バッグが2つの表面および第1および第2の端部を有し、バッグの第1のセクションが、バッグの第1の端部でバッグの一方の表面の一部を形成している、第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクション、およびバッグの孔のないセクションに取り付けられた移送ポート上に嵌合されるように設計された閉じたカラーからなるバッグを備える移送バッグを提供することが、本発明の別の目的である。
【0026】
バッグが、バッグ内に蒸気滅菌された無菌構成要素を含み、バッグが、バッグおよびその内容物の無菌性を確実にするための第1および第2のセクションの間の接合面に隣接する孔のないセクション内のシールを含み、バッグが、バッグおよびその内容部がわずかな陰圧下にあるようにその第2のセクションに真空ポートを含む、第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクション、およびバッグの孔のないセクションに取り付けられた、移送ポート上に嵌合されるように設計された閉じたカラーからなるバッグを備える移送バッグを提供することが、本発明の追加の目的である。
【0027】
バッグが、バッグ内に蒸気滅菌された無菌構成要素を含み、バッグが、バッグおよびその内容物の無菌性を確実にするための第1および第2のセクションの間の接合面に隣接する孔のないセクション内のシールを含み、バッグが、バッグおよびその内容部がわずかな陽圧下にあるようにその第2のセクションに圧力ポートを含む、第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクション、およびバッグの孔のないセクションに取り付けられた移送ポート上に嵌合されるように設計された閉じたカラーを有するバッグからなる移送バッグを提供することが、本発明の追加の目的である。
【0028】
2つのセクション、第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクション、開いた端部および閉じた端部を有するバッグを提供するステップと、バッグに選択された構成要素を充填するステップと、開いた端部にバッグ内の第1のシールを形成するステップと、バッグおよびその内容物に、内容物を滅菌するのに十分な時間の間酸化エチレンガスまたは水蒸気などの滅菌する気体または蒸気を受けさせるステップと、内容物をバッグの第2のセクションへ移動させるステップと、内容物と有孔セクションの間の孔のないセクション内に第2のシールを形成するステップとを含む、滅菌し、バッグに対する完全性の視覚的指標を作製するためのプロセスを提供することが、本発明のさらなる目的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1は、本発明の第1の実施形態を示している。バッグ1は、第1の閉じた端部2と、開いた形式で供給され、所望の内容物の挿入後に使用者によって密封される第2の端部3とを有する。図1は、バッグ1の第2の端部3でシール4によって密封された状態にあるバッグを示している。この実施形態のバッグはまた、閉鎖されており、バッグを移送ポートに取り付けるために使用されるカラー5を備える。カラーは、マサチューセッツ州ベッドフォードのMillipore Corporationから市販されているSAFEPASS(商標)システム(米国特許第6,030,578号明細書および米国特許第6,192,948号明細書参照)として知られている滅菌移送ポート上で使用されるようなものであってもよい、または無菌の移送を確実にするためにバッグが入っているカラーまたはフランジの相スワビングに頼る、より伝統的なアルファ/ベータポートのフランジの1つから形成されてもよいが、いくつかのアルファ/ベータポートは、光または乾熱に滅菌能力を受けることができると述べられている。バッグ1は、2つの主表面または側面6、および7を有する。少なくとも1つの表面、この例では表面6は、2つの部分、第1の部分8と第2の部分9で形成されている。
【0030】
第1の部分8は、不織材料(Dupontから市販されているTyvek(登録商標)有孔シート材料)などの有孔の滅菌格子フィルタ材料、または親水性の微小孔PVDFメンブレン(マサチューセッツ州ベッドフォードのMillipore Corporationから市販されているDurapore(登録商標)メンブレン)などの微小孔フィルタ材料で形成されている。このような材料は、当産業で良く知られており、通常、約0.22ミクロン(最小のバクテリアのサイズ)未満の公称孔を有する。これは、一実施形態では約0.05から約0.22ミクロンの公称孔径であってもよい。約0.1ミクロンから約0.22ミクロンの公称孔径であることもよくある。
【0031】
この有孔材料は酸化エチレンおよび蒸気などを通気することができるとして当産業で受け入れられているが、バクテリア、かび、酵母の容器内への移動に対する滅菌バリアを形成することができる。
【0032】
第1の部分8は、孔のない材料製であるバッグ1の第2の部分9に接合されている。一実施形態では、第2の部分9の孔のない材料はプラスチックである。適切なプラスチックは、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、PET、Mylar(登録商標)フィルムなどのポリエステルフィルム、PVDF、PES、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリールスルフォン、ポリフェニルスルフォン、PVC、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、EVAコポリマー、EVOH、およびこれらの材料の混合物、金属化されたバージョン、上記のいずれかの積層および複合材料を含むがそれに限定されない。
【0033】
第2の部分9は、単一の層であってもよく、または2つ以上の層の積層または同時押出し成形物として形成されてもよい。これらは同一のまたは異なる材料であってもよい。
【0034】
第1の部分8は、バッグの1つの表面6の少なくとも一部から成るべきである。使用される量は、気体または蒸気滅菌サイクルの長さ、気体または蒸気の圧力、第1の部分を通る滅菌気体または蒸気の移動速度、バッグのサイズなどのいくつかのパラメータによって設定される。一般に、これは、気体または蒸気がバッグに入ることを可能にするため、およびバッグの内容物のための通常サイクルのパラメータ内でその内容物のすべてを完全に滅菌するために十分であるべきである。一実施形態では、これは、バッグの1つの表面の約5%から約100%である。別の実施形態では、これは、1つの表面の約10%から約50%である。さらなる実施形態では、これは、バッグの1つの表面の約10%から約25%である。
【0035】
図1に示すように、第2の表面7は、孔のないフィルム、好ましくは第1の側面6の第2の部分9と同じ材料で形成されている。第1および第2の側面6、7は、それらの隣接する縁部に沿って密封されている。
【0036】
図1によるバッグは、密封されない状態の端部3を備えて供給される。使用者は、滅菌される製品10をバッグに装填し、次に熱、超音波溶接などの振動溶接によって、2つの層を端部3で互いに密封させる接着剤または溶媒によって、またはバークランプなどの機械的手段によってシール4を形成する。
【0037】
次に、バッグおよびその内容物が、チャンバ内、好ましくは蒸気の場合加圧滅菌器内に配置され、内容物を滅菌するのに十分な時間の間、好ましくは高い圧力で滅菌気体、蒸気または水蒸気に曝される。バッグは次に、取り外され、内容物が、バッグを傾けることまたは手によってバッグの外側から内容物を物理的に移動させることなどによって、孔のない材料によって形成されたバッグの部分へすべて移動させられる。次に、内容物がここで図2aに示すような孔のないバッグ内に密封されるように、有孔領域に隣接するバッグの孔のないセクション内にシール11が形成される。バッグは、有孔材料を通って、またはそのセクションで空気の量を減少させる孔のないセクションの圧縮によって加えられるシール形成中にわずかな陰圧または陽圧を受ける。別法として、シール中またはシール後のいずれかに密封されたバッグ1内に陰圧/圧力が形成されることを可能にするための陰圧/圧力ポートを提供することができる。
【0038】
図2aは、バッグをわずかに収縮させるためにわずかな陰圧が加えられる実施形態を示している。図2bは、バッグを膨張させるためにわずかな陽圧が使用される同様のバッグを示している。両者は、バッグの完全性の視覚的な指標を与える。陰圧バッグ上でシールが失われた場合、これは、バッグの圧縮されない状態によってはっきりと見ることができる。同様に、陽圧が失われた場合、バッグは空気を抜かれたように見える。両者は、バッグの保管または操作中のバッグの穿孔や、組立て、操作または保管中の有孔の部分と孔のない部分の間のシールの損失などのバッグのeth完全性が危ういことを操作者に示す。
【0039】
わずかな陰圧または陽圧がそれによって加えられるバッグ内の専用ポートの使用もまた、バッグが完全であること、およびシールまたはバッグ自体に漏出が形成されていないことを確実にするために、圧力保持、圧力減少、陰圧保持または陰圧減少検査などバッグへの様々な完全性試験を行うためにポートを使用することができるという点で、使用前の完全性試験で利点を有する。
【0040】
使用前、バッグは、陰圧または圧力がまだ加えられていることを確実にするために視覚的に検査されるか、上記で説明した圧力または陰圧保持試験などの完全性試験で試験されるかのいずれかをされる。完全であることが見出された場合、その内容物がまだ無菌であるとしてバッグを使用することができる。陰圧または圧力が危うい場合、バッグを使用してはならず、内容物を取り出して、新しいバッグ内に配置し、使用する前に内容物を滅菌すべきである。
【0041】
バッグ1は、図3に示すようにカラー5によって移送ポート20に取り付けられる。カラー5の表面は、ドア21が開かれる前に、紫外線またはパルス光などの光、乾熱、蒸気、マイクロ波エネルギー、アルコールの無菌塗布などで滅菌されてもよい。次にカラー面22が、切り開かれるか取り外されるかのいずれかをされ、チャンバ23の内部のものが、バッグ1の無菌の内容物を使用するためにチャンバ23内へ引き込むことを可能にする。
【0042】
図4は、本発明の第2の実施形態を示している。この実施形態では、バッグ32の両方の表面30および31は、有孔セクション33aおよびb、および孔のないセクション34aおよびbを含む。有孔セクション34aおよびbは、有孔セクション33aおよびbがそうであるように、互いを横切って(すなわち互いに型合わせして)配置されている。好ましくは、図示のように、有孔セクション33aおよびbは、バッグ32の一方の端部35に形成される。カラー36が、バッグ32の一方の表面30に装着される。図示のように、カラー36は、バッグ32の他方の端部37の近くに取り付けられる。別法として、カラーは、バッグの孔のないセクションに取り付けられてもよい。セクションのための材料は図1のものと同一である。
【0043】
有孔材料の量は、各表面上で同一であってよく、または異なる量が各側面で使用されてもよい。各側面でおよび全体として使用される量は、滅菌サイクルの長さ、気体または蒸気の圧力、第1の部分を通る気体または蒸気の移動速度、バッグのサイズなどのいくつかのパラメータによって設定される。一般に、これは、気体または蒸気がバッグに入ることを可能にするため、およびバッグの内容物のための通常サイクルの気体または蒸気滅菌内でその内容物のすべてを完全に滅菌するために十分であるべきである。一実施形態では、これは、バッグの表面積の約5%から約70%である。別の実施形態では、これは、バッグの表面積の約5%から約50%である。さらなる実施形態では、これは、バッグの表面積の約10%から約50%である。別の実施形態では、これは、バッグの表面積の約10%から約25%である。
【0044】
顧客に供給されるようなバッグは、内容物がバッグの内部に配置されることができるように開いている1つの端部または側面を有する。開いた部分は次に、上記で説明したように密封され、次にバッグが、有孔セクションを通過する蒸気または気体で滅菌される。滅菌後、バッグの内容物のすべてが、バッグを傾けることまたは手によってバッグの外側から内容物をバッグのそのセクションの中に押し込むことなどによって孔のないセクションへ移動させられ、バッグが、有孔セクションと孔のないセクションの間の位置で、好ましくは、有孔セクションと孔のないセクションの間の接合面に隣接する孔のないセクション内で密封される。
【0045】
図1の実施形態と同様に、シール前に有孔セクションを通って気体を抜くためか、シールが作製される前に孔のない領域内に陽圧を捕捉するためのいずれかで、有孔セクションを通ってまたは別個の真空/圧力ポートを介してまたは孔のないセクションの圧縮によって、シール中に、陰圧または陽圧が加えられる。いつおよびどのようにしてそれが行われるかにかかわらず、これは、バッグの状態の視覚的な完全性チェックを形成する。次に、図3に関連して上記で説明したのと同じ方式で、バッグが装着され、使用される。
【0046】
図5は、視覚的な完全性チェックによって、バッグを滅菌し、形成するための好ましい方法を示している。プロセスは、本発明による第1の有孔セクションと第2の孔のないセクションを有するバッグを取り上げる第1のステップ50と、滅菌される製品で所望のレベルまでバッグを充填するステップ52とから成る。バッグおよびその内容物の気体または蒸気による滅菌が、次のステップ54である。バッグは次に、傾けられ(56)、第1のセクションと第2のセクションの間にシールが形成される(58)。滅菌された、完全インジケータバッグを完成させるために、セクションの間が密封される間またはその後のいずれかで、孔のないセクションに陰圧または陽圧が加えられる(60)。
【0047】
バッグはまた、医療などの他の分野で適用例を有する。このような実施形態では、図6に示すように、前の図面のカラーは通常は必要ない。ここでは、バッグは、カラーがバッグの部品として形成されていないことを除いて図1のバッグと同様である。バッグ101は、第1の閉じた端部102と、開いた形式で提供され、所望の内容物の挿入後、使用者によって密封される第2の端部103とを有する。図6は、バッグ101の第2の端部103にシール104を備える密封された状態のバッグを示している。バッグ101は、2つの主表面または側面106および107を有する。少なくとも1つの表面、この場合表面106が、2つの部分、第1の部分108および第2の部分109で形成されている。図示のように、第1の部分108は、シール104が形成される前に、バッグ101の内容物を滅菌するための蒸気または気体の使用を可能にする微小孔材料で形成される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明によるバッグの第1の実施形態を示す断面図である。
【図2a】滅菌後の図1の実施形態および密封および完全性を示すためのわずかな陰圧の形成を示す図である。
【図2b】滅菌後の図1の実施形態および密封および完全性を示すためのわずかな陽圧の形成を示す図である。
【図3】移送ポート上で使用中の図2aの実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明によるバッグの第2の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明によるバッグを使用する方法を示すブロック線図である。
【図6】本発明によるバッグの第3の実施形態を示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクションを有するバッグからなり、蒸気および滅菌する気体から成る群から選択された手段による滅菌後、内容物が、バッグの第2の孔のないセクションへ移動され、次にバッグが、無菌の密封された領域を形成するために、第1および第2の部分の間の接合面に隣接して密封される、移送バッグ。
【請求項2】
バッグが、移送ポート上に嵌合されるように設計された、バッグの孔のないセクションに取り付けられた閉じたカラーをさらに備える請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項3】
バッグが、滅菌され、隔離室へ移送される構成要素を含む請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項4】
バッグが、バッグ内で蒸気滅菌された無菌の構成要素を含み、バッグが、バッグおよびその内容物の無菌性を確実にするための第1および第2のセクションの間の接合面に隣接する孔のないセクション内のシールを含む請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項5】
バッグが、バッグ内で蒸気滅菌された無菌の構成要素を含み、バッグが、バッグおよびその内容物の無菌性を確実にするための第1および第2のセクションの間の接合面に隣接する孔のないセクション内のシールを含み、バッグおよびその内容物がわずかな陰圧下にある請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項6】
バッグが、バッグ内で蒸気滅菌された無菌の構成要素を含み、バッグが、バッグおよびその内容物の無菌性を確実にするための第1および第2のセクションの間の接合面に隣接する孔のないセクション内のシールを含み、バッグおよびその内容物がわずかな陽圧下にある請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項7】
バッグが、バッグ内で蒸気滅菌された無菌の構成要素を含み、バッグが、バッグおよびその内容物の無菌性を確実にするための第1および第2のセクションの間の接合面に隣接する孔のないセクション内のシールを含み、バッグが、バッグおよびその内容物がわずかな陽圧下にあるように、第2のセクションに圧力ポートを備える請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項8】
バッグの第1のセクションが、バッグの第1の表面の一部を形成している請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項9】
バッグが2つの表面を有し、バッグの第1のセクションが、バッグの両表面の一部を形成している請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項10】
バッグが2つの表面を有し、バッグの第1のセクションが、バッグの両表面の一部を形成し、各表面の第1のセクションが互いに型合わせされている請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項11】
バッグが2つの表面および第1および第2の端部を有し、バッグの第1のセクションが、バッグの第1の端部でバッグの両方の表面の一部を形成し、各表面の第1のセクションが互いに型合わせされている請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項12】
バッグが2つの表面および第1および第2の端部を有し、バッグの第1のセクションが、バッグの第1の端部でバッグの一方の表面の一部を形成している請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項13】
バッグが、バッグ内に蒸気滅菌された無菌構成要素を含み、バッグが、バッグおよびその内容物の無菌性を確実にするための第1および第2のセクションの間の接合面に隣接する孔のないセクション内のシールを含み、バッグが、バッグおよびその内容部がわずかな陰圧下にあるようにその第2のセクションに真空ポートを含む請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項14】
バッグの第1のセクションが、不織材料および微小孔材料から成る群から選択された材料で形成されている請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項15】
バッグの第2のセクションが、ポリオレフィン、PET、ポリエステル、PVDF、PES、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリアリールスルフォン、ポリフェニルスルフォン、PVC、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、EVAコポリマー、EVOH、およびこれらの材料の混合物、金属化バージョン、上記のいずれかの積層および複合材料から成る群から選択されたプラスチックで形成される請求項1に記載の移送バッグ。
【請求項16】
2つのセクション、第1の有孔セクションおよび第2の孔のないセクション、開いた端部および閉じた端部を有するバッグを提供するステップと、バッグに選択された構成要素を充填するステップと、開いた端部にバッグ内の第1のシールを形成するステップと、バッグおよびその内容物に、内容物を滅菌するのに十分な時間の間蒸気を受けさせるステップと、内容物をバッグの第2のセクションへ移動させるステップと、内容物と有孔セクションの間の孔のないセクション内に第2のシールを形成するステップとを含む、滅菌し、完全性の指標を作製するためのプロセス。
【請求項17】
第2のシールの形成中または形成後、第2のセクションに陰圧を加えるステップをさらに含む請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
第2のシールの形成中または形成後、第2のセクションに陽圧を加えるステップをさらに含む請求項16に記載のプロセス。
【請求項19】
第2のシールの形成後、バッグに完全性試験を加えるステップをさらに含む請求項16に記載のプロセス。
【請求項20】
第2のシールの形成後、バッグに完全性試験を加えるステップをさらに含み、試験が、圧力保持、圧力減少、陰圧保持および陰圧減少試験から成る群から選択される請求項16に記載のプロセス。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−503666(P2006−503666A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548313(P2004−548313)
【出願日】平成15年9月9日(2003.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2003/028277
【国際公開番号】WO2004/039419
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(390019585)ミリポア・コーポレイション (212)
【氏名又は名称原語表記】MILLIPORE CORPORATION
【Fターム(参考)】