説明

官能基化ポリ(4−メチル−1−ペンテン)

95%超の鎖末端不飽和を有するオレフィンポリマーであって、前記不飽和の80%超が、1,2−二置換オレフィン不飽和を含んでいるポリマー、特に重合形態において4−メチル−1−ペンテンを含んでいるポリマー、より特別には高度にアイソタクチックなポリマー、製造方法、官能基化方法、およびこれから形成された物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照文献の記載)
この出願は、それぞれ2004年8月9日および2004年12月1日に出願された米国仮出願第60/600,002号および第60/632,099号の利益を主張する。
【0002】
この発明は、高度の末端1,2−二置換オレフィン不飽和を有する4−メチル−1−ペンテン(p−4MP−1)のポリマー、このようなポリマーの製造方法、これらの誘導体、および組成物、およびこれを用いた最終用途に関する。
【背景技術】
【0003】
高度の鎖末端(chain terminating)1,2−二置換オレフィン不飽和を含有する、単一モノマーのホモポリマー、および1またはそれ以上のモノマーから合成されたコポリマーを包含するポリマーは、後重合反応(post-polymerization reaction)にとって有用であることが公知である。より立体的に遮蔽されたビニリデン官能基と比べて、このようなエチレン不飽和のより大きい反応性によって、反応、例えばほかのエチレン性不飽和部分とのグラフト化または挿入(insertion)重合であって、ビニル末端ポリマーが、挿入重合性モノマーと共重合されている反応は、非常に容易にされる。さらには、あるいくつかの仕上げ操作、例えばこのようなポリマーから成形されるか、押出しされるか、あるいはまた形成された物体および物品のペインティング、積層、または接着もまた、有利にされる。1,2−二置換オレフィン不飽和を含有するポリマーは、硬化剤として、またはブレンドの成分としてさらなる重合プロセスに用いられることが多いので、これらはマクロモノマーまたは単にマクロマーと呼ばれることが多い。
【0004】
末端1,2−二置換オレフィン不飽和を含有する多くの有用なポリマーが、当分野において開発されており、物品およびブレンドの形成、さらなる官能基化誘導体(functionalized derivatives)の形成、および分岐ポリマーの製造における工業方法において用いられている。先行技術の立体特異性プロピレンマクロマーの例は、米国特許第6,117,962号およびほかのところに見られる。このようなプロピレンベースのマクロマーの低い結晶融点によって、これらは低い操作温度を有する用途における使用に限定されている。
【0005】
4−メチル−1−ペンテンのホモポリマーおよびコポリマー、特に立体特異性、とりわけこれのアイソタクチックバージョンは、一般にプロピレンの対応ポリマーよりも高い結晶融点を有することが知られている。このようなp−4MP1化合物の例、ならびにこれを組み込んでいるブレンドおよび組成物は、米国特許第4,342,854号、第4,659,792号、第5,025,057号、第5,182,330号、第5,338,792号、第5,689,484号、第5,922,812号、第6,458,890号、およびほかのところに開示されている。これらのポリマーは、公知付加重合触媒、例えばチーグラー・ナッタ、メタロセン、およびクロムベースの有機金属触媒組成物の使用によって調製される。しかしながらこのような触媒、特にメタロセンは、不利なことに、有意量のポリマー製品を得るために、連鎖停止剤(chain termination agent)、例えば水素の使用を必要とする。
【0006】
高い末端オレフィン不飽和を用いて製造することができるポリエチレンとは異なって、同様な末端のp−4MP1組成物、特に高い4−メチル−1−ペンテン含量または高度の立体特異性を有するものは、まれであるか、または存在しない。通常のβ−ヒドリド脱離(elimination)は、エチレンにおいて所望の末端官能基、β−アルキル基脱離を生じるが、高級α−オレフィンのポリマーにおいて同様な官能基を与えるためには、あまり有利でない方法が必要である。さらには、重合プロセスにおける水素または連鎖移動剤の使用は、飽和鎖末端基を生じ、これによって、連鎖移動剤が用いられている場合、末端1,2−二置換オレフィン不飽和の形成を完全に排除する。4−メチル−1−ペンテンは、このような連鎖停止剤の不存在下にメタロセンまたはほかの立体特異性重合触媒によって容易に重合しうることが以前には発見されていなかったので、1,2−二置換オレフィン不飽和を含有するp−4MP1生成物の形成は、以前には達成不可能であった。
【0007】
米国特許第6,713,557号および第6,750,345号において、あるいくつかのピリジルアミンおよび遷移金属、特にハフニウムの置換ピリジルアミン錯体が、オレフィン重合触媒としての使用のために開示されている。適切なオレフィンのうち、4−メチル−1−ペンテンは有用に重合されると言われている(77列、それぞれ16行目および22行目参照)。しかしながらp−4MP1生成物は調製されなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記研究者によってもたらされた当分野における進歩にもかかわらず、改良されたレベルの末端1,2−二置換オレフィン不飽和官能基を有するあるいくつかの4−メチル−1−ペンテンポリマー誘導体の開発、これの官能基化誘導体の開発、ならびにこのようなポリマーおよび官能基化誘導体の形成、および利用方法の開発へのニーズが依然として残っている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの態様において、本発明は、85%超の鎖末端不飽和を有するポリオレフィンであって、前記不飽和の70%超が、1,2−二置換オレフィン官能基を含んでいるポリオレフィンに関する。本発明のもう1つの実施形態において、向上したオレフィン末端基含量を有するポリ(4−メチル−1−ペンテン)を含んでいる組成物が提供される。さらにもう1つの実施形態において、170℃超のTmまたは30℃超のTgを有し、1,2−二置換オレフィン不飽和において終了する前記鎖の50%超(greater than 50 percent of said chains ending in 1,2-disubstituted olefinic unsaturation)を有するポリオレフィンが提供される。追加の実施形態において、本発明の前記実施形態のいずれかの末端オレフィン不飽和の少なくともいくつかと、前記オレフィン不飽和と反応性がある少なくとも1つの追加化合物との反応によって形成された官能基化誘導体が提供される。本発明のさらにもう1つの実施形態において、上に開示された末端基官能基化組成物の調製方法が提供される。本発明の最後の実施形態において、改良されたコーティング、シーリング、積層、接着、ブレンド、またはペインティング特性を、改良された耐熱性と場合により組み合わせて有する製品または物品を形成するための前記組成物の使用方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書における元素周期表へのすべての言及は、CRCプレス社2003年によって出版され、かつ著作権のある元素周期表のことを言うものとする。同様に、1または複数の族へのあらゆる言及は、族の番号付けのためのIUPACシステムを用いてこの元素周期表に反映された1または複数の族のことを言うものとする。米国特許の実施を目的として、本明細書において参照されたあらゆる特許、特許出願、または公報の内容は、特に合成技術、原料、および当分野における一般的知識の開示に関して、参照してその全体が本明細書に組み込まれる(または同等のこれの米国バージョンが、したがって参照して組み込まれる)。反対のことが記載されたり、文脈から暗に意味されるか、または当分野において慣習的でなければ、すべての部およびパーセントは重量を基準にする。
【0011】
「含む(comprising)」という用語およびこれの派生語が本明細書に現われるならば、これが本明細書において開示されていてもいなくても、あらゆる追加成分、工程、または手順の存在を除外することが意図されているわけではない。あらゆる疑問を避けるために、「含む」という用語の使用を通して本発明において特許請求されたすべての組成物は、その反対のことが記載されていないかぎり、あらゆる追加添加剤、アジュバント、または化合物を包含しうる。これとは対照的に、「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」という用語が本明細書に現われるならば、これは、あらゆるそれに続く列挙の範囲から、操作性にとって必須でないもの以外、あらゆるほかの成分、工程、または手順を除外する。「〜からなる(consisting of)」という用語が用いられるならば、これは、具体的に描写されるかまたは列挙されていないあらゆる成分、工程、または手順を除外する。「または(or)」という用語は、ほかの記載がなければ、個別に、ならびにあらゆる組み合わせで列挙されたメンバーのことを言う。
【0012】
本発明は、多様な目的、例えばこのようなポリマーから成形、押出し、あるいはまた形成された物体および物品へのペインティング、積層、またはフィルムの接着を包含するあるいくつかの仕上げ操作のために用いることができる、比較的高度のオレフィン末端不飽和を含む高融点ポリマーの形成工程を包含する。オレフィン末端ポリマーは、さらなる重合プロセスにおいて硬化剤として、またはブレンドの成分として用いられることが多いので、これらはマクロモノマーまたは単にマクロマーと呼ばれることが多い。これに加えて、本発明のポリマー中のオレフィン末端基は、これらのポリマーのその後の化学修飾を可能にするための反応性部位を提供する。その例は、鎖末端アルコール、アミン、またはカルボン酸官能基の導入を包含する。適切な生成物は、低分子量もしくはオリゴマー生成物、ならびに高分子量ポリマーの両方を包含する。用いられる唯一のモノマーが4−メチル−1−ペンテンであるホモポリマー、および1またはそれ以上の付加重合性モノマーが4−メチル−1−ペンテンと共重合されているブロックコポリマーを包含するコポリマーが、包含される。特に好ましいコモノマーは、エチリデンノルボルネンである。本発明のポリマーは好ましくは、高度に立体特異性、主としてアイソタクチックであり、1,2−二置換オレフィン不飽和を含有する高い割合の末端基を有する。「末端不飽和(terminal unsaturation)」という用語によって、このオレフィン基がポリマー鎖の末端から5炭素以内に発生することを意味する。
【0013】
本発明のポリマーは、単独または1またはそれ以上のオレフィンもしくはジオレフィン含有モノマーと組み合わせた、高融点ポリマー形成モノマー、例えば4−メチル−1−ペンテン、ノルボルネン、および環状オレフィンの配位重合の結果生じるポリマーもしくはオリゴマー生成物である。重合反応生成物における鎖の総数に対して高い割合の末端1,2−二置換オレフィン性不飽和鎖が、容易に得られる。より望ましくは、末端オレフィン不飽和のパーセンテージは、これらの鎖末端の90%超、好ましくは95%超である。さらには、前記末端不飽和の75%超、好ましくは80%超は、ビニリデン基というよりむしろ、1,2−二置換オレフィン性不飽和の形態にある。非常に望ましくは、重合形態にある4−メチル−1−ペンテンを含んでいる本発明によるポリマーにおいて、これらの末端基の90%、より好ましくは95%が、1,2−二置換オレフィン性不飽和を含んでいる。したがってこれらのポリマーは、反応性ビニル基が望まれる場合、その後の反応に用いられるとき、非常に効果的である。
【0014】
本発明の生成物における末端不飽和立体特異性ポリマー鎖、特にアイソタクチック鎖のパーセンテージは、75%、90%、または95%の高さでさえあってもよい。本明細書において用いられているような「アイソタクチック」とは、13C−NMR分析によって決定された場合、少なくとも70%のアイソタクチック5価元素(pentads)を有するポリマー反復単位と規定される。「高度にアイソタクチック」とは、少なくとも90%のアイソタクチック5価元素を有するポリマーと規定される。好ましくは本発明のポリマーは、高度にアイソタクチックである。
【0015】
本発明のポリマーの数平均分子量(Mn)は、典型的には2,000ダルトンまたはそれ以上から200,000ダルトンまでの範囲にあり、好ましくは100,000ダルトン未満、より好ましくは80,000ダルトン未満、最も好ましくは50,000ダルトンまたはそれ以下である。好ましくは本発明のポリマーのMnは、5,000ダルトンまたはそれ以上、より好ましくは7,500ダルトンまたはそれ以上、最も好ましくは9,000ダルトンまたはそれ以上である。
【0016】
本発明のオレフィンポリマー、特に本質的に4−メチル−1−ペンテンからなるもの、または4−メチル−1−ペンテンとC3-20オレフィンとのコポリマーは、望ましくは高度にアイソタクチックである。好ましくは本発明によるポリマーは、190℃超、より好ましくは220℃超のTmを有する。これに加えて、このようなポリマーは好ましくは、35℃超、好ましくは40℃超のTgを有する。本発明によるあるいくつかの高融点コポリマーは、150℃超、200℃超のTgさえ有する。
【0017】
本発明のポリマーの調製方法は、単独またはほかの付加重合性モノマーと組み合わせたモノマーと、多価ルイス塩基の遷移金属錯体を含んでいる触媒組成物とを、付加重合条件下に接触させる工程を包含する。好ましい錯体は、第4族錯体、好ましくはジルコニウムまたはハフニウム錯体である。
【0018】
本発明において通常用いられる多価ルイス塩基金属錯体の例は、次の式に対応する化合物を包含する:
【化1】

【0019】
式中、Tbは、水素以外の2またはそれ以上の原子を含有する架橋基である。
bおよびYbは、各々独立して、窒素、硫黄、酸素、およびリンからなる群より選択され;より好ましくはXbおよびYbのどちらも窒素である。
【0020】
bおよびRb'は、各々の発生から独立して(independently each occurrence)、場合により1またはそれ以上のヘテロ原子を含有するC1-50ヒドロカルビル基、または不活性置換されたこれらの誘導体である。適切なRbおよびRb'基の非限定例は、アルキル、アルケニル、アリール、アラルキル、(ポリ)アルキルアリール、およびシクロアルキル基、ならびに窒素、リン、酸素、およびハロゲン置換されたこれらの誘導体を包含する。適切なRbおよびRb'基の具体例は、メチル、エチル、イソプロピル、オクチル、フェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジ(イソプロピル)フェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、およびベンジルを包含する。
【0021】
gは、0または1である。
【0022】
bは、元素周期表の第3〜15族、またはランタニド系列から選択された金属元素である。好ましくはMbは、第3〜13族金属であり、より好ましくはMbは、第4〜8族金属である。
【0023】
bは、水素は数えずに1〜50原子を含有する一価、二価、または三価アニオンリガンドである。適切なLb基の例は、ハライド;ヒドリド;ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ;ジ(ヒドロカルビル)アミド、ヒドロカルビレンアミド、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド;ヒドロカルビルスルフィド;ヒドロカルビルオキシ、トリ(ヒドロカルビルシリル)アルキル;およびカルボキシレートを包含する。より好ましいLb基は、C1-20アルキル、C7-20アラルキル、およびクロライドである。
【0024】
hは、1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3の整数である。
【0025】
bは、Mbへ配位され、かつ水素は数えずに50までの原子を含有する中性リガンド基である。好ましいZb基は、脂肪族および芳香族アミン、ホスフィン、およびエーテル、アルケン、アルカジエン、および不活性置換されたこれらの誘導体を包含する。適切な不活性置換基は、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、ジ(ヒドロカルビル)アミン、トリ(ヒドロカルビル)シリル、およびニトリル基を包含する。好ましいZb基は、トリフェニルホスフィン、テトラヒドロフラン、ピリジン、および1,4−ジフェニルブタジエンを包含する。
【0026】
fは、1〜3の整数である。
【0027】
さらには、Tb、Rb、およびRb' のうちの2または3個は、互いに接合されて、単一または多重環構造を形成することができ、矢印は配位結合を意味する。
【0028】
1つの実施形態において、Rbは、Xbに対して比較的低い立体障害を有することが好ましい。この実施形態において、最も好ましいRb基は、直鎖アルキル基、直鎖アルケニル基、最も近い分岐点が、Xbから除去された少なくとも3原子である分岐鎖アルキル基、およびハロ、ジヒドロカルビルアミノ、アルコキシ、またはトリヒドロカルビルシリル置換されたこれらの誘導体である。この実施形態において非常に好ましいRb基は、C1-8直鎖アルキル基である。
【0029】
同時にこの実施形態において、Rb'は好ましくは、Ybに対して比較的高い立体障害を有する。この実施形態に適切なRb' 基の非限定例は、1またはそれ以上の第二または第三炭素中心(carbon center)を含有するアルキルまたはアルケニル基、シクロアルキル、アリール、アルカリール、脂肪族もしくは芳香族へテロ環状基、有機もしくは無機オリゴマー、ポリマーもしくは環状基、およびハロ、ジヒドロカルビルアミノ、アルコキシ、またはトリヒドロカルビルシリル置換されたこれらの誘導体を包含する。この実施形態において好ましいRb' 基は、水素は数えずに3〜40、より好ましくは3〜30、最も好ましくは4〜20炭素を含有し、分岐または環状である。
【0030】
好ましいTb基の例は、次の式に対応する構造である:
【化2】

dは、C1-10ヒドロカルビルであるか、または2つのRd基がともに、ヒドロカルビレン基を形成し、好ましくは各Rdは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、t−ブチル、フェニル、2,6−ジメチルフェニル、ベンジル、またはトリルである。
【0031】
各Reは、C1-10ヒドロカルビルであるか、または2つのRe基がともに、ヒドロカルビレン基を形成する。好ましくは各Reは、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、t−ブチル、フェニル、2,6−ジメチルフェニル、ベンジル、またはトリルであるか、または2つのRe基がともに、1,4−ブチレンまたは1,5−ペンチレンである。
【0032】
好ましい多価ルイス塩基化合物は、ヒドロカルビルアミン置換されたヘテロアリール化合物およびビスフェノールフェノキシエーテル、特に式R1HN−T−R2および(HOR1O)2T(式中、
1は、水素は数えずに1〜30原子を含有するヒドロカルビルもしくは不活性置換されたヒドロカルビル、またはこれの多価誘導体であり;
Tは、水素以外の1〜20原子の二価架橋基であり;かつ
2は、水素は数えずに1〜30原子を含有するヒドロカルビルもしくは不活性置換されたヒドロカルビル基、またはこれの多価誘導体であり、前記R2基は、少なくとも1つのルイス塩基官能基を含む)の化合物を包含する。
【0033】
本発明に用いるのに好ましい多価ルイス塩基の金属錯体は、次の式の対応化合物を包含する:
【化3】

(式中、
1は、水素は数えずに5〜20原子を含有する芳香族もしくは不活性置換された芳香族基、またはこれの多価誘導体であり;
2は、ルイス塩基官能基を含有するC5-20ヘテロアリール基、特にピリジン−2−イル−もしくは置換されたピリジン−2−イル基であり;
Tは、C1-20ヒドロカルビレン、またはシラン基、または不活性置換されたこれの誘導体であり;
Mは、第4族金属、好ましくはハフニウムであり;
Xは、アニオン性、中性、またはジアニオン性リガンド基;好ましくはハライド、水素は数えずに20までの原子を有するヒドロカルビルもしくはジヒドロカルビルアミド基であり;
xは、1〜5の数であり、このようなX基の数を示し;かつ
結合、任意の結合、および電子供与性相互作用は、各々、線、破線、および矢印によって表わされる。)
【0034】
式(I)のより好ましい錯体は、リガンド形成が、アミン基からの水素除去、および場合により1またはそれ以上の追加基、特にR2からの喪失の結果として生じる錯体である。これに加えて、ルイス塩基官能基、好ましくは電子対からの電子供与は、金属中心へ追加の安定性を与える。式(I)の多官能性ルイス塩基化合物の前記金属錯体の好ましい例は、次の式に対応する:
【化4】

(式中、
M、X、およびxは、既に規定されているとおりであり、
1は、メチレン、エチレン、シラン、またはC1-10ヒドロカルビル置換されたこれらの誘導体であり、
3、R4、R5、およびR6は、水素、ハロ、または水素は数えずに20までの原子を有するアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、もしくはシリル基であるか、または隣接するR3、R4、R5、またはR6基は、互いに接合され、これによって縮合環誘導体を形成することができ、
7は、C1-20ヒドロカルビルもしくは不活性置換ヒドロカルビルであり;かつ
結合、任意の結合、および電子対供与性相互作用は、各々、線、破線、および矢印によって表わされる。)
【0035】
式(I)の前記金属錯体のより好ましい例は、次の式に対応する:
【化5】

(式中、
M、X、およびxは、既に規定されているとおりであり、
3、R4、およびR5は、水素、C1-4アルキル、フルオロ、または2またはそれ以上のこのような基はともに、縮合環系を形成し、
6は、C6-20アリールまたはアリーレン、最も好ましくはフェニル、フェニレン、ナフチル、またはナフチレンであり;
aは各々の発生から独立して、C1-4アルキルであり、aは、1〜5であり、最も好ましくは窒素への2オルト位におけるRaは、イソプロピルまたはt−ブチルであり;
8は各々の発生から独立して、水素、ハロゲン、またはC1-20アルキル、またはアリール基であり、最も好ましくは1つのR8が水素であり、他方はC6-20アリール基、特にアルキル置換フェニル基または縮合多環式アリール基、最も好ましくはナフチルまたはアントラセニル基であり、
結合、任意の結合、および電子対供与性相互作用は、各々、線、破線、および矢印によって表わされる。)
【0036】
本発明に用いるのに非常に好ましい式(I)の多官能性ルイス塩基錯体は、次の式に対応する:
【化6】

(式中、
Xは各々の発生毎に、ハライド、N,N−ジメチルアミド、またはC1-4アルキルであり;
fは各々の発生から独立して、水素、ハロゲン、C1-20アルキル、C3-20シクロアルキル、C6-20アリール、C7-20アラルキルであるか、または2つの隣接Rf基が互いに接合され、これによって1つの環を形成し、fは1〜5であり;かつ
cは各々の発生から独立して、水素、ハロゲン、C1-20アルキル、またはC6-20アリールであるか、または2つの隣接Rc基が互いに接合され、これによって1つの環を形成し、cは1〜5である。)
【0037】
式(I)の特に最も好ましい金属錯体は、次の式に対応する:
【化7】

(式中、Xは各々の発生毎に、ハライド、N,N−ジメチルアミド、またはC1-4アルキル、好ましくはメチルである。)
本発明による使用のための式(I)の金属錯体の例は、次のものを包含する:
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロライド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2,4,6−トリメチルフェニル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2,4,6−トリメチルフェニル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2,4,6−トリメチルフェニル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロライド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロライド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−イル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−イル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−イル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロライド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(o−トリル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロライド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2,4,6−トリメチルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2,4,6−トリメチルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2,4,6−トリメチルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロライド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2−イソプロピルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロライド;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−イル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジメチル;
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−イル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジ(N,N−ジメチルアミド);および
[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(フェナントレン−5−イル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)]ハフニウムジクロライド。
【0038】
式(I)の金属錯体を調製するために用いられた反応条件下に、ピリジン−2−イル基の6位で置換されたα−ナフタレンの2位の水素が脱離を受けやすく、これによってもっぱら、金属が、結果として生じるアミド基およびα−ナフタレニル基の2位の両方へ共有結合され、ならびに窒素原子の電子対を通るピリジニル窒素原子への配位によって安定化されている金属錯体が形成されることが発見された。
【0039】
式(II)の金属錯体は特に、式:(HOAr1O)22(式中、
2は、水素は数えずに2〜20原子の二価架橋基であり;かつ
Ar1は、各々の発生から独立して、C6-20アリーレン、または不活性置換されたアリーレン基である)のヒドロキシアリール置換されたビス(アリールオキシ)リガンドの第4族金属錯体を包含する。
【0040】
好ましくは、このような錯体は、次の式に対応する:
【化8】

(式中、
3は、水素は数えずに2〜20原子の二価架橋基であり;好ましくは置換または非置換C3-6アルキレン基であり;かつ
Ar2は、各々の発生から独立して、水素は数えずに6〜20原子のアリーレン、アルキル−またはアリール置換アリーレン基であり;
Mは、第4族金属、好ましくはハフニウムであり;
Xは、各々の発生から独立して、アニオン性、中性、またはジアニオン性リガンド基であり;
xは、1〜5の数であり、このようなX基の数を示し;かつ
結合、任意の結合、および電子供与性相互作用は、各々、線、破線、および矢印によって表わされる。)
【0041】
式(II)の金属錯体の好ましい例は、式:
【化9】

(式中、Ar4は、C6-20アリールまたは不活性置換されたこれの誘導体、特に3,5−ジ(イソプロピル)フェニル、3,5−ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル、またはアントラセン−5−イルであり、かつ
4は、各々の発生から独立して、C3-6アルキレンまたは不活性置換されたこれの誘導体であり;
14は、各々の発生から独立して、水素、ハロ、水素は数えずに50原子までのヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、もしくはトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビルであり;かつ
Xは、各々の発生から独立して、ハロ、または水素は数えずに20原子までのヒドロカルビルもしくはトリヒドロカルビルシリル基であるか、または2X基はともに、前記ヒドロカルビルもしくはトリヒドロカルビルシリル基の二価誘導体である)
に対応する。
【0042】
特に好ましいのは、式:
【化10】

(式中、Ar4は、3,5−ジ(イソプロピル)フェニル,3,5−ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル、またはアントラセン−5−イルであり、
14は、水素、ハロ、またはC1-4アルキル、特にメチルであり、
4は、プロパン−1,3−ジイルまたはブタン−1,4−ジイルであり、かつ
Xは、クロロ、メチル、またはベンジルである)
の化合物である。
【0043】
式(II)の特に最も好ましい金属錯体は、式:
【化11】

に対応する。
【0044】
前記多価ルイス塩基錯体は、第4族金属源および中性多官能性リガンド源を包含する標準的金属化およびリガンド交換手順によって調製されるのが都合がいい。これに加えて式(I)の錯体はまた、アミド脱離によって、および対応する第4族金属テトラアミドおよびヒドロカルビル化剤、例えばトリメチルアルミニウムから出発するヒドロカルビル化方法によって調製されてもよい。ほかの技術も同様に用いることができる。これらの錯体は、とりわけ第US−A−6,320,005号、第US−A−6,103,657号、第WO02/38628号、第WO03/40195号、および2003年5月2日に出願された第USSN10/429024号の開示から公知である。
【0045】
これらの金属錯体は、助触媒、好ましくはカチオン形成助触媒、例えば遷移金属オレフィン重合錯体との使用のための当分野において以前に公知のものとの組み合わせによって、触媒的に活性にされる。本発明における使用に適したカチオン形成助触媒は、中性ルイス酸、例えばC1-30ヒドロカルビル置換第13族化合物、特に各ヒドロカルビルまたはハロゲン化ヒドロカルビル基中に1〜10炭素を有する、トリ(ヒドロカルビル)アルミニウム−またはトリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物、およびこれのハロゲン化(ペルハロゲン化を包含する)誘導体、より特別にはペルフッ素化トリ(アリール)ホウ素化合物、最も特別にはトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素;非ポリマー適合性(compatible)非配位性(noncoordinating)イオン形成化合物(酸化条件下のこのような化合物の使用を包含する)、特に適合性非配位性アニオンのアンモニウム−、ホスホニウム−、オキソニウム−、カルボニウム−、シリリウム−、またはスルホニウム−塩、または適合性非配位性アニオンのフェロセニウム−、鉛−、または銀塩の使用;ポリマーもしくはオリゴマー線状または環式オルガノアルミニウムオキシ化合物、特にアルモキサン;および前記の助触媒および技術の組み合わせを包含する。前記活性化助触媒および活性化技術は、次の引例においてオレフィン重合用の異なる金属錯体に関して以前に教示されている:第EP−A−277,003号、第US−A−5,153,157号、第US−A−5,064,802号、第US−A−5,321,106号、第US−A−5,721,185号、第US−A−5,350,723号、第US−A−5,425,872号、第US−A−5,625,087号、第US−A−5,883,204号、第US−A−5,919,983号、第US−A−5,783,512号、第WO99/15534号、および第WO99/42467号。
【0046】
中性ルイス酸の組み合わせ、特に各アルキル基中に1〜4炭素を有するトリアルキルアルミニウム化合物と各ヒドロカルビル基中に1〜20炭素を有するハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素との組み合わせ、このような中性ルイス酸混合物とポリマーもしくはオリゴマーアルモキサンとのさらなる組み合わせ、および単一中性ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素と、ポリマーもしくはオリゴマーアルモキサンとの組み合わせが、活性化助触媒として用いられてもよい。金属錯体:トリス(ペンタフルオロフェニルホウ素:アルモキサンの好ましいモル比は、1:1:1〜1:5:20、より好ましくは1:1:1.5〜1:5:10である。
【0047】
本発明の1つの実施形態において助触媒として有用な適切なカチオン形成化合物は、プロトンを供与しうるブレンステッド酸であるカチオン、および適合性非配位性アニオンA-を含んでいる。本明細書において用いられているように、「非配位性(noncoordinating)」という用語は、先駆物質錯体を含有する遷移金属およびそれから誘導された触媒誘導体へ配位しないか、またはこのような錯体へ弱く配位されるだけであり、これによって中性ルイス塩基によって置換されるのに十分なほど不安定なままに留まるアニオンまたは物質を意味する。非配位性アニオンは具体的には、カチオン金属錯体中の電荷バランスアニオンとして機能するとき、これのアニオン置換基またはこれの断片を前記カチオンへ移動させず、これによって中性錯体を形成するアニオンのことを言う。「適合性アニオン」とは、当初形成された錯体が分解したときに中性へ下げられず、この錯体の所望のその後の重合またはほかの使用を妨げないアニオンである。
【0048】
好ましいアニオンは、電荷を有する(charge-bearing)金属またはメタロイドコアを含んでいる単一配位錯体を含有するアニオンであり、このアニオンは、これら2つの成分が組み合わされたときに形成されうる活性触媒種(金属カチオン)の電荷をバランスさせることができる。同様に、前記アニオンは、オレフィン、ジオレフィン、およびアセチレン性不飽和化合物、またはほかの中性ルイス塩基、例えばエーテルまたはニトリルによって置換されるのに十分なほど不安定であるべきである。適切な金属は、アルミニウム、金、および白金を包含するが、これらに限定されるわけではない。適切なメタロイドは、ホウ素、リン、およびケイ素を包含するが、これらに限定されるわけではない。単一金属またはメタロイド原子を含有する配位錯体を含むアニオンを含有する化合物は、当然ながら周知であり、このアニオン部分に単一ホウ素原子を含有する多くの化合物、特にこのような化合物は、商業的に入手しうる。
【0049】
好ましくはこのような助触媒は、次の一般式によって表わすことができる:
(L*−H)g+(A)g-(式中、
L*は、中性ルイス塩基であり;
(L*−H)+は、L*の共役ブレンステッド酸であり;
g-は、g−の電荷を有する非配位性適合性アニオンであり、かつ
gは、1〜3の整数である。
【0050】
より好ましくは、Ag-は、式:[M’Q4-(式中:
M’は、+3形式(formal)酸化状態にあるホウ素またはアルミニウムであり;かつ
Qは、各々の発生から独立して、ヒドリド、ジアルキルアミド、ハライド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシド、ハロ置換−ヒドロカルビル、ハロ置換−ヒドロカルビルオキシ、およびハロ置換シリルヒドロカルビル基(ペルハロゲン化ヒドロカルビル−ペルハロゲン化ヒドロカルビルオキシ−およびペルハロゲン化シリルヒドロカルビル基を包含する)から選択され、前記Qは、20炭素までを有するが、ただし、1以下の発生においてQハライドであるという条件がある)に対応する。適切なヒドロカルビルオキシドQ基の例は、第US−A−5,296,433号に開示されている。
【0051】
より好ましい実施形態において、dは1である。すなわちこの対イオンは、単一の負電荷を有し、A-である。この発明の触媒の調製において特に有用な、ホウ素を含んでいる活性化助触媒は、次の一般式によって表わすことができる:
(L*−H)+(BQ4-(式中:
L*は、既に規定されているとおりであり;
Bは、3の形式酸化状態にあるホウ素であり;かつ
Qは、20非水素炭素までのヒドロカルビル−、ヒドロカルビルオキシ−、フッ素化ヒドロカルビル−、フッ素化ヒドロカルビルオキシ−、またはフッ素化シリルヒドロカルビル−基であり、ただし、1以下の場合にQヒドロカルビルであるという条件がある)。
【0052】
好ましいルイス塩基塩は、アンモニウム塩、より好ましくは1またはそれ以上のC12-40アルキル基を含有するトリアルキルアンモニウム塩である。最も好ましくは、Qは各々の発生毎に(each occurrence)、フッ素化アリール基、特にペンタフルオロフェニル基である。
【0053】
この発明の改良された触媒の調製において活性化助触媒として用いることができるホウ素化合物の、例証的ではあるが非限定的な例は、次のとおりである:
三置換アンモニウム塩、例えば:
トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(第二ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムn−ブチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムベンジルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(t−ブチルジメチルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(トリイソプロピルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムペンタフルオロフェノキシトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
N,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジメチルオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
ジアルキルアンモニウム塩、例えば:
ジ−(i−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルオクタドデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
三置換ホスホニウム塩、例えば:
トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
メチルジオクタデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびトリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
二置換オキソニウム塩、例えば:
ジフェニルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
ジ(o−トリル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびジ(オクタデシル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;
二置換スルホニウム塩、例えば:
ジ(o−トリル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、およびメチルオクタデシルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
【0054】
好ましい(L*−H)+カチオンは、メチルジオクタデシルアンモニウムカチオン、ジメチルオクタデシルアンモニウムカチオン、および1または2のC14-18アルキル基を含有するトリアルキルアミンの混合物に由来するアンモニウムカチオンである。
【0055】
もう1つの適切なイオン形成活性化助触媒は、カチオン性酸化剤の塩、および式:
(Oxh+g(Ag-h
(式中:
Oxh+は、h+の電荷を有するカチオン性酸化剤であり;
hは、1〜3の整数であり;かつ
g-およびgは、既に規定されているとおりである)
によって表わされる非配位性適合性アニオンを含んでいる。
【0056】
カチオン性酸化剤の例は、フェロセニウム、ヒドロカルビル置換フェロセニウム、Ag+またはPb+2を包含する。好ましい実施形態は、活性化助触媒、特にテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを含有するブレンステッド酸に関して既に定義されているアニオンである。
【0057】
もう1つの適切なイオン形成活性化助触媒は、カルベニウムイオンの塩である化合物、および式:
[C]+-(式中:
[C]+は、C1-20カルベニウムイオンであり;かつ
-は、−1の電荷を有する非配位性適合性アニオンである)
によって表わされる非配位性適合性アニオンを含んでいる。好ましいカルベニウムイオンは、トリチルカチオン、すなわちトリフェニルメチリウムである。
【0058】
さらに1つの適切なイオン形成活性化助触媒は、シリリウムイオンの塩である化合物、および式:
(Q13Si)+-(式中:
1は、C1-10ヒドロカルビルであり、A-は、既に規定されているとおりである)
によって表わされる非配位性適合性アニオンを含んでいる。
【0059】
好ましいシリリウム塩活性化助触媒は、トリメチルシリリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリエチルシリリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、およびこれらのエーテル置換アダクトである。シリリウム塩は、J.Chem Soc.Chem.Comm.,1993,383-384 and Lambert,J.B.et., al. 「Organometallics」,1994,13,2430-2443 に既に一般的に開示されている。付加重合触媒用活性化助触媒としての上記シリリウム塩の使用は、第US−A−5,625,087号に開示されている。
【0060】
アルコール、メルカプタン、シラノール、およびオキシムとトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素とのあるいくつかの錯体もまた、効果的な触媒活性化剤であり、本発明にしたがって用いられてもよい。このような助触媒は、第US−A−5,296,433号に開示されている。
【0061】
本発明において用いるのに適した活性化助触媒はまた、ポリマーもしくはオリゴマーアルモキサン、特にメチルアルモキサン(MAO)、トリイソブチルアルミニウム変性メチルアルモキサン(MMAO)、またはイソブチルアルモキサン;およびルイス酸変性アルモキサン、特に各ヒドロカルビルもしくはハロゲン化ヒドロカルビル基中に1〜10炭素を有するペルハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)アルミニウム−またはペルハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)ホウ素変性アルモキサン、最も特別にはトリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素変性アルモキサンを包含する。このような助触媒は、米国特許第6,214,760号、第6,160,146号、第6,140,521号、および第6,696,379号に既に開示されている。
【0062】
さらに米国特許第6,395,671号に開示されている、膨張(expanded)アニオンと総称的に呼ばれている非配位性アニオンを含んでいる種類の助触媒が、適切には、本発明における使用のための金属錯体を活性化するために用いられてもよい。一般的にこれらの助触媒(イミダゾリド、置換イミダゾリド、イミダゾリニド、置換イミダゾリニド、ベンズイミダゾリド、または置換ベンズイミダゾリドアニオンを有するものによって例証される)は、次のように示されてもよい:
【化12】

(式中、
*+は、カチオン、特にプロトン含有カチオンであり、好ましくは1または2のC10-40アルキル基を含有するトリヒドロカルビルアンモニウムカチオン、特にメチルジ(C14-20アルキル)−アンモニウムカチオンであり、
3は、各々の発生から独立して、水素、またはハロ、水素は数えずに30原子までのヒドロカルビル、ハロカルビル、ハロヒドロカルビル、シリルヒドロカルビル、もしくはシリル(モノ−、ジ−、およびトリ(ヒドロカルビル)シリルを包含する)基、好ましくはC1-20アルキルであり、かつ
2は、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランまたはトリス(ペンタフルオロフェニル)アルマンである)。
【0063】
これらの触媒活性化剤の例は、トリヒドロカルビルアンモニウム塩、特に次のもののメチルジ(C14-20アルキル)アンモニウム塩を包含する:
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ウンデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ヘプタデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ウンデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−2−ヘプタデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−5,6−ジメチルベンズイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)−5,6−ビス(ウンデシル)ベンズイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ウンデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ヘプタデシルイミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ウンデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−2−ヘプタデシルイミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ウンデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−4,5−ビス(ヘプタデシル)イミダゾリニド、
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−5,6−ジメチルベンズイミダゾリド、および
ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)アルマン)−5,6−ビス(ウンデシル)ベンズイミダゾリド。
【0064】
ほかの活性化剤は、PCT公報第WO98/07515号に記載されているものであり、例えばトリス(2,2’,2”−ノナフルオロビフェニル)フルオロアルミネートである。活性化剤の組み合わせもまた、本発明によって考察される。例えば組み合わされたアルモキサンおよびイオン化活性化剤であり、例えば第EP−A−0573120号、PCT公報第WO94/07928号および第WO95/14044号、および米国特許第5,153,157号、および第5,453,410号参照。第WO98/09996号は、その水和物を包含するペルクロレート、ペリオデート、およびイオデートである活性化化合物について記載している。第WO99/18135号は、オルガノボロアルミニウム活性化剤の使用について記載している。第WO03/10171号は、ブレンステッド酸のルイス酸でのアダクトである触媒活性化剤を開示している。触媒化合物を活性化するためのほかの活性化剤または方法は、例えば米国特許第5,849,852号、第5,859,653号、第5,869,723号、第615981号、およびPCT公報第WO98/32775号に記載されている。前記触媒活性化剤のすべて、ならびに遷移金属錯体のためのあらゆるほかの公知活性化剤は、単独で、または本発明にしたがって組み合わせて用いられてもよい。
【0065】
所望であれば、1またはそれ以上のプロセスまたは製品特性を変えるために、重合調節剤(PM)組成物が用いられてもよい。最も一般的な意味で本発明における使用に適したPM組成物は、少なくとも2つの試薬、例えば1またはそれ以上のルイス酸と、1またはそれ以上の有機プロトン化試薬との反応生成物を含む。その結果として生じた生成物が複数の種の混合物を含有しうることは、当業者によって理解されるべきである。これは、様々な種と動的相互転換化合物との間の平衡を包含する。本発明の1つの実施形態において、適切な希釈剤、好ましくは炭化水素、例えばヘキサンまたはヘプタン中で前記試薬を組み合わせたときに形成される反応混合物の方が、精製され、および/または単離された反応生成物それ自体よりもむしろ、使用に好ましい。
【0066】
適切なルイス酸は、式:[M41x'y'z'(式中:
4は、第2〜13族の金属、Ge、Sn、またはBiであり;
1は独立して、アニオン性またはポリアニオン性リガンドであり;
x’は、0超であって、6またはそれ以下の数であり;
Gは、場合によりA1へ結合された中性ルイス塩基であり;
y’は、0〜4の数であり;かつ
z’は、1〜10の数である)の化合物である。
【0067】
好ましくはこれらのルイス酸は、一般式:M41x'y' (式中:
4は、第2〜13族の金属、Ge、Sn、またはBiであり;
1は独立して、アニオン性リガンドであり;
x’は、整数であり、M4の原子価に等しく;
Gは、中性ルイス塩基であり;
y’は、0〜4の数である)の化合物である。
【0068】
より好ましくはM4は、Mg、B、Ga、Al、またはZnであり;A1は、C1-20ヒドロカルビルもしくは不活性置換されたヒドロカルビル、特にC1-12アルキルもしくはアリールである。好ましい不活性置換基は、ハライド、トリメチルシリル、ハロアリール、およびハロアルキルを包含する。
【0069】
重合調節剤を形成するために用いられる有機プロトン化試薬は、式:[(H−J1z"2z"'(式中:
1は、NA3、PA3、S、またはOであり、
z”は、1または2であり、
2は、C1-20ヒドロカルビルもしくは不活性置換ヒドロカルビル、トリ(C1-10ヒドロカルビル)シリル、またはこれの多価誘導体であり、
3は、水素、C1-20ヒドロカルビルもしくは不活性置換ヒドロカルビル、または共有結合(A2が二価リガンド基であり、かつz”が1であるとき)であり;かつ
z”’は、1〜10の数である)の化合物を包含する。
【0070】
好ましい有機プロトン化試薬は、式:(H−J1z"2(式中:J1は、NA3、PA3、S、またはOであり、z”は、1または2であり;かつA2は、C1-20ヒドロカルビルもしくは不活性置換ヒドロカルビル、トリ(C1-4ヒドロカルビル)シリル、またはこれの二価誘導体、特にC1-12アルキル、1,4−ブチレン、トリ(C1-4アルキル)シリル、またはアリールであり、A3は、水素、C1-20ヒドロカルビルもしくは不活性置換ヒドロカルビル、または共有結合である)の化合物を包含する。好ましい不活性置換基は、ハライド、トリメチルシリル、ハロアリール、またはハロアルキルである。
【0071】
重合調節剤を用いることによって、1またはそれ以上のプロセスまたは生成物特性に、有利な影響が与えられる。これらの例は、同等の重合条件において、より高級もしくはより低級コモノマーの組み込みを有するコポリマーを調製する能力、あるいはまた、より高い重合温度、または反応混合物中のより低いコモノマー濃度において、同等のコポリマーを調製することを包含する。重合調節剤の使用の別の有利な特徴は、ホモポリマーおよびコポリマー生成物のより狭いかまたはより幅広い分子量分布(Mw/Mn)、または特定種、例えば差別化された結晶度、溶解度、立体規則性、融点、メルトフローインデックス、またはほかの物理的性質を有するポリマーフラクションの形成の相対的な欠如またはこの形成の減少によって決定されるような、生成物形成におけるより大きい選択率でありうる。PMの使用のさらに望ましい結果は、改良されたプロセス特性、例えば重合混合物中に存在することがある不純物を取り除くことによる、改良されたモノマー転化効率であってもよい。
【0072】
重合調節剤に加えて、前記PM組成物について挙げられたものを包含する1またはそれ以上の有利な結果を得るために、従来の添加剤も、この反応混合物中に用いることができる。例えば、反応混合物中に存在する有害な不純物(もしあるとすれば)を除去するために、スカベンジャーが用いられてもよい。適切なスカベンジャーの一例は、金属錯体の活性化または完全活性化を結果として生じるには不十分な量で用いられるアルモキサン化合物を包含する。特に好ましいアルモキサンは、アクゾ・ノーベル社(Akzo Noble Corporation)から、商品名MMAO−IPおよびMMAO−3Aとして商業的に入手しうる、トリイソプロピルアルミニウム変性メチルアルモキサンもしくはトリイソブチルアルミニウム変性メチルアルモキサンを包含する。典型的には、使用されるこのようなスカベンジャーのモル量は、金属錯体1モルあたり、金属(アルミニウム)値を基準にして1〜10モルである。
【0073】
本発明のポリマーの調製方法は、いくつかの要因による。重要な要因は、重合のために用いられる温度である。温度は重要であるが、それは、結果として生じるポリマーの分子量に対して有意な効果を有するからである。一般に、より低い重合温度の使用は、より高い分子量を有するポリマーを結果として生じる。本発明については、70℃〜150℃の範囲の温度が好ましい。より好ましくは、温度は90℃〜135℃の範囲である。
【0074】
この反応の圧力は、選択された方法によるが、一般に大気圧〜10MPa、好ましくは500kPa〜4MPaの様々なものである。用いられるモノマーは、操作温度において大きい分圧を有していなくてもよいが、不活性物質、例えば窒素、アルゴン、ブタン、またはヘキサンが、この反応器の作業圧力を増すために反応器に添加されてもよい。バッチ重合における反応時間、または連続重合における滞留時間は、1分〜10時間、より好ましくは5分〜6時間、最も典型的には15分〜60分の様々なものであってもよい。
【0075】
重合方法
本発明における使用に適した付加重合条件は、溶液、気相、スラリー相、高圧、またはこれらの組み合わせを包含する。特に好ましいのは、場合により2〜20炭素原子の1またはそれ以上のコモノマーと組み合わせた、4−メチル−1−ペンテンの溶液またはスラリー相重合である。適切な共重合性コモノマーは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、スチレン、デセン−1、ノルボルネン、ノルボラジエン、エチリデンノルボルネン、イソプレン、ジシクロペンタジエン、イソブチレン、ビニルベンゾシクロブタン、およびシクロペンテンを包含する。
【0076】
典型的には、ポリマーを生成するためのガス流動床方法において、1またはそれ以上のモノマーを含有する気体ストリームは、触媒の存在下、反応性条件下に流動床を通して連続的に循環される。この気体ストリームは、流動床から抜き出され、冷却され、反応器中に再循環して戻される。同時にポリマー生成物は、反応器から抜き出され、新鮮なモノマーが添加されて、重合されたモノマーと置き換わる。このような方法の例は、米国特許第4,543,399号、第4,588,790号、第5,028,670号、第5,317,036号、第5,352,749号、第5,405,922号、第5,436,304号、第5,453,471号、第5,462,999号、第5,616,661号、および第5,668,228号に開示されている。
【0077】
気相プロセスにおける反応器圧力は、100psig(700kPa)〜500psig(3,500kPa)の様々なものであってもよく、好ましくは200psig(1,400kPa)〜400psig(2,800kPa)、より好ましくは250psig(1,700kPa)〜350psig(2,400kPa)の範囲内にある。気相プロセスにおける反応器温度は、30〜120℃、好ましくは60〜115℃、より好ましくは70〜110℃、最も好ましくは70〜95℃の様々なものであってもよい。
【0078】
スラリー重合方法は一般に、100kPa〜5MPaの範囲の圧力、および0〜120℃の範囲の温度を用いる。スラリー重合において、固体微粒子ポリマーの懸濁液が、液体重合希釈剤中に形成され、これへ、モノマーおよび多くの場合水素が、触媒とともに添加される。この希釈剤は、断続的もしくは連続的に反応器から除去され、ここで揮発性成分がポリマーから分離され、反応器へ再循環される。用いられる液体希釈剤は、重合条件下に液体のままに留まるべきであり、比較的不活性であるべきである。好ましい希釈剤は、脂肪族または脂環式炭化水素であり、好ましくはプロパン、n−ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、またはこれらの混合物が用いられる。本発明への使用に適したスラリー重合方法の例は、米国特許第3,248,179号および第4,613,484号に開示されている。
【0079】
溶液重合は、バッチまたは連続モードで操作することができ、商業的実施には連続モードが好ましい。この方法において、ポリマーは、モノマーおよび場合により溶媒を含んでいる液体反応混合物中に溶解されたままである。追加モノマーが、連続的または半連続的に添加され、生成物が連続的または断続的に除去され、揮発分が除去されて未反応モノマーおよび不活性希釈剤が除去される。本発明の触媒組成物とともに適切に用いられる溶液方法の例は、米国特許第4,271,060号、第5,001,205号、第5,236,998号、および第5,589,555号に記載されている。
【0080】
前記の型の2つの反応器は、多様な特性を有するポリマー生成物またはブレンドを提供するために、直列または平行モードで操作されてもよい。これら2つの反応器は、異なる型のものであってもよく、例えば溶液重合反応器、ついで気相重合であり、ここで、第一反応器からの排出物が、第二反応器中に直接供給される。どちらかの反応器または両方が、単独または1またはそれ以上のコモノマーと組み合わせて、結果として生じるポリマー中に4−メチル−1−ペンテンを組み込むために用いられてもよい。
【0081】
これらのポリマーは典型的には、0.80g/cc〜0.98g/ccの範囲、好ましくは0.81g/cc〜0.90g/ccの範囲内の密度を有する。本発明の方法によって生成されたポリマーは典型的には、分子量分布、すなわち1.5:10、特に2:5の重量平均分子量対数平均分子量(Mw/Mn)を有する。より幅広い分子量分布生成物、特に多モード、特に二モード分子量分布を有するものを生成するために、典型的には多重反応器が用いられる。
【0082】
本発明の方法によって生成されたポリマーは、特に、容易にグラフト化可能であるかまたは官能基化されている高温抵抗性生成物の形成における、非常に多様な生成物および最終用途の使用において用いることができる。本発明のポリマーの官能基化は、公知技術によるエチレン官能基の反応によって達成されてもよい。一例として、貴金属触媒、例えばロジウムジカルボニルアセチルアセトネート錯体を用いたヒドロホルミル化、または一酸化炭素および水素との反応が、アルコールまたはアルデヒド官能基を形成するために用いることができる。さらなる誘導体が、アミノメチル化、アルコキシカルボニル化、またはヒドロキシカルボニル化反応の技術によって調製されうる。ほかの官能基化反応は、エチレン性置換試薬もしくはこれらの先駆物質、例えばマレイン酸、フマル酸、または無水マレイン酸でのグラフト化を包含する。
【0083】
特に望ましい官能基化は、アミネーション、特にアンモニアまたはアミン、特に第二アミンと、オレフィン末端ポリマーのヒドロホルミル化の結果生じたホルミル官能基化反応生成物との反応によるアミノメチル化である(例えばロジウム触媒、例えばロジウムジカルボニルアセトニルアセテート(Rh(CO)2(AcAc))、ホスファイトリガンド、例えばトリス(2,4−ジt−ブチルフェイル)ホスファイト、CO/H2混合物、および高圧および高温を用いる)。好ましい実施形態において、オレフィン官能基のアミノメチル化は、オレフィン含有ポリマーと、アミノメチル化剤(アンモニアまたは第一もしくは第二アミン化合物)、ロジウム錯体、ホスフィン、またはホスファイトリガンド、および合成ガスとを、高温および高圧下に接触させることによって、単一工程反応において達成されてもよい。好ましいロジウム錯体は、Rh(CO)2(AcAc)、Rh4(CO)12、Rh2(OC(O)CH34、Rh(C242(AcAc)、Rh(シクロオクタジエン)(AcAc)、Rh(ノルボルネン)2(AcAc)、およびRh(ノルボルナジエン)(AcAc)を包含する。好ましいホスフィンリガンドは、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)−1,1’−ビナフチル、2,2’−ビス[ジ(3,5−トリフルオロメチルフェニル)(ホスフィノメチル)−1,1’−ビナフチル、および9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテンを包含する。好ましいホスファイトリガンドは、2,2’−ビス−[(3,3’,5,5’−テトラ−t−ブチルジフェニル)(2,2’−ジフェニル)ホスファイト],]、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、および第US−A−4,748,261号に開示されているほかのリガンドを包含する。
【0084】
本発明の次の実施形態は、添付クレームの特定の実行可能性として提供される。したがって本発明は、次のものを提供する:
1. 85%超の鎖末端不飽和を有するオレフィンポリマーであって、前記不飽和の70%超が、1,2−二置換オレフィン不飽和を含んでいるオレフィンポリマー。
【0085】
2. 170℃超のTmを有する、実施形態1に記載のオレフィンポリマー。
【0086】
3. 30℃超のTgを有する、実施形態1に記載のオレフィンポリマー。
【0087】
4. 150℃超のTgを有する、実施形態3に記載のオレフィンポリマー。
【0088】
5. 重合形態にある4−メチル−1−ペンテンを含んでいる、実施形態1に記載のオレフィンポリマー。
【0089】
6. 重合形態にある4−メチル−1−ペンテンから本質的になる、実施形態1に記載のオレフィンポリマー。
【0090】
7. 高度にアイソタクチックである、実施形態6に記載のオレフィンポリマー。
【0091】
8. 末端の90%超が1,2−二置換オレフィン不飽和であるポリマー鎖を有する、重合形態にある4−メチル−1−ペンテンを含んでいるオレフィンポリマー(An olefin polymer comprising 4-methyl-1-pentene in polymerized form having greater than 90 percent of the polymer chains ending in 1,2-disubstituted olefinic unsaturation.)。
【0092】
9. 170℃超のTmを有する、実施形態8に記載のオレフィンポリマー。
【0093】
10. 30℃超のTgを有する、実施形態8に記載のオレフィンポリマー。
【0094】
11. 150℃超のTgを有する、実施形態10に記載のオレフィンポリマー。
【0095】
12. 95%超の鎖末端不飽和を有する、実施形態8に記載のオレフィンポリマー。
【0096】
13. 重合形態にある4−メチル−1−ペンテンから本質的になる、実施形態8に記載のオレフィンポリマー。
【0097】
14. 高度にアイソタクチックである、実施形態13に記載のオレフィンポリマー。
【0098】
15. 実施形態1〜14に記載のオレフィンポリマーのいずれかの末端エチレン不飽和の少なくともいくつかと、前記エチレン不飽和と反応性がある少なくとも1つの追加化合物との反応によって形成されたオレフィンポリマーの官能基化誘導体。
【0099】
16. 追加化合物が、不飽和化合物である、実施形態15に記載のオレフィンポリマーの官能基化誘導体。
【0100】
17. ヒドロホルミル化条件下の水素と一酸化炭素との混合物の反応によって、またはヒドロホルミル化およびアミノメチル化反応条件下の水素、一酸化炭素、およびアンモニアもしくはアミンを用いて形成された、実施形態15に記載のオレフィンポリマーの官能基化誘導体。
【0101】
18. 末端ヒドロキシルもしくはアミン官能基を含んでいる、実施形態15に記載の官能基化誘導体。
【0102】
19. 実施形態15に記載のオレフィンポリマーの官能基化誘導体の形成方法であって、実施形態1〜14のいずれか1つに記載のオレフィンポリマーと、1,2−二置換オレフィン不飽和と反応性がある少なくとも1つの追加化合物との、前記不飽和の少なくともいくつかを反応させる条件下における接触工程を含む方法。
【0103】
20. 実施形態1〜18のいずれか1つに記載の、または実施形態19にしたがって調製されたオレフィンポリマーもしくはこれの官能基化誘導体を含んでいる、固体形態における製品または物品。
【実施例】
【0104】
本発明は、具体的に開示されていないあらゆる成分の不存在下に操作可能であることが理解される。次の実施例は、本発明をさらに例証するために提供されており、限定的であるとして考えるべきではない。反対のことが記載されていなければ、すべての部およびパーセンテージは、重量ベースで表示される。「一晩(overnight)」という用語が用いられるならば、これは、約16〜18時間の時間のことを言い、「室温」が用いられるならば、20〜25℃のことを言い、「混合アルカン」とは、水素化プロピレンオリゴマーの混合物、大部分C6−C12イソアルカンのことを言い、これは、エクソン・モービル・ケミカルズ社(Exxon Mobil Chemicals, Inc.)から商標イソパー(Isopar)E(商標)として商業的に入手しうる。
(実施例1〜4)
【0105】
3.8Lのガラスで裏打ちされたオートクレーブが、高温でN2パージ下に状態調節される。混合アルカン(1300g)が添加され、反応器が所望の温度に加熱される。4−メチル−1−ペンテン(580g、6.89モル)が、反応器へバッチ毎に(batchwise)添加され、実験中はそれ以上調節されない。触媒、助触媒、および重合調節剤(PM)のトルエン溶液が混合され、ついで高圧混合アルカンのフラッシュ(flush)を用いて添加される。用いられた触媒は、[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2,4,6−トリメチルフェニル)(フェニレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)ハフニウムジメチル(CAT1)(構造については図5参照)、および[N−(2,6−ジ(1−メチルエチル)フェニル)アミド)(2,4,6−トリメチルフェニル)(α−ナフタレン−2−ジイル)(6−ピリジン−2−ジイル)メタン)ハフニウムジメチル(CAT2)(構造については図6参照)であり、どちらも実質的に、2003年10月30日に公開された2003US0204017号、および2003年5月2日に出願されたUSSN10/429024号の教示にしたがって調製された。使用された触媒の量は6.0μモルである。使用された助触媒は、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、主としてジメチルオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの長鎖アルキルアンモニウム塩の混合物である。使用された助触媒の量は6.6μモルである。用いられた重合調節剤(PM)は、トリアルキルアルミニウム変性メチルアルモキサン、MMAO−12(MMAO)およびPMAO−IP(PMAO)であり、どちらもアクゾ・ノーベル社から入手しうる。15分の反応時間後、反応器内容物は、樹脂ケトル中に放出され、ここでこれらは、酸化防止剤(チバ・ガイギー(Ciba Geigy Corp.)社から入手しうるイルガノックス(Irganox)(商標)1010)と安定剤(チバ・ガイギー社から入手しうるイルガフォス(Irgafos)(商標)168)との1gの50/50混合物と混合される。このポリマーは、溶媒の大部分を周囲条件下に蒸発させ、ついでさらに真空オーブンで一晩90℃で乾燥することによって回収される。重合結果は、表1に要約されている。
【表1】

【0106】
ポリマー特性決定データ
結果として生じるホモポリマーのGPCおよびDSC特性決定データが、表2に要約されている。高い結晶融点は、このポリマーが非常に結晶質で立体規則性の、高度にアイソタクチックなp−4MP1であることを確認する。
【表2】

【0107】
1H NMRによるポリマー末端基分析
窒素下の不活性雰囲気グローブボックスにおいて、0.10gのポリマーが、テトラクロロエチレンとd2−1,2−テトラクロロエタンとの2.5mLの50:50(重量)混合物と混合される。サンプルが110℃で交互に加熱され、均質溶液が得られるまで(10分の混合時間)攪拌される。1H NMRスペクトルが、110℃で加熱された10mmプローブを有するブルカー(Bruker)AV400(商標)分光計で記録される。200〜400走査が、5秒緩和遅延(relaxation delay)で収集される。ピークは、d2−1,2−テトラクロロエタン溶媒についての残留プロトン信号を参照する。比較p−4MP1ホモポリマーは、実質的に実施例1〜4の重合条件にしたがうが、水素連鎖移動剤の存在下にメタロセン触媒(ジメチルシランビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウム(II)1,4−ジフェニルブタジエン)(実質的に米国特許第5,616,664号の教示にしたがって調製された)の使用によって調製される。(水素の使用をともなわなければ重合は発生しない)。
【0108】
比較ポリマー分析の結果が、図1に含まれている。実施例2のポリマーの分析の結果が、図2に含まれている。図2のスペクトルの4.5〜6.0ppmの領域は、図3において拡大され、末端基の帰属は、Resconiら、J.Am.Chem.Soc,(1998)、120、2315にしたがってなされる。
【0109】
ポリマー官能基化および末端基分析
実施例2のポリマーのサンプルが、次の条件下、合成ガス(一酸化炭素と水素との混合物)との反応によってヒドロホルミル化される。脱水および酸素除去されたトルエン(25mL)中のロジウムジカルボニルアセチルアセトネート(10.2mg)およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(48.2mg)の溶液が、不活性雰囲気下に調製される。ポリマーのサンプル(1.02g)および5mLの溶液が、ガラス反応器へ装入される。これらの反応器内容物は、窒素でパージされ、1:1モルH2/CO混合物で85psig(690kPa)へ加圧され、100℃で加熱され、H2/CO混合物でさらに300psig(2.2MPa)へ加圧され、その温度および圧力に4時間維持される。このとき、反応器が冷却され、分解され、ライナーが除去されると、わずかに黄色のスラリーを生じる。さらにポリマーを沈殿させるために、無水メタノール(5mL)が装入される。この沈殿物が濾過され、あらゆる残留触媒を除去するためにアセトンで洗浄され、真空オーブンにおいて80℃で一晩乾燥されると、0.87gの白色ポリマーを生じる。
【0110】
110℃で50:50テトラクロロエチレンおよびメチレンクロライド−d2中で測定された、このポリマーの1H NMRスペクトルは、エチレン不飽和の代わりにカルボニル官能基の存在を示し、これによって、ポリマー中のエチレン末端基の少なくともいくつかの転化を証明している。結果が図4に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】図1は、末端1,2−二置換オレフィン不飽和を実質的に欠く、比較p−4MP1組成物の1H NMRスペクトルである。
【図2】図2は、本発明によるp−4MP1組成物の1H NMRスペクトルである。
【図3】図3は、図2の1H NMRスペクトルの拡大末端基領域である。
【図4】図4は、本発明による官能基化p−4MP1組成物の1H NMRスペクトルである。
【図5】図5は、実施例において用いられたCAT1の構造である。
【図6】図6は、実施例において用いられたCAT2の構造である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
85%超の鎖末端不飽和を有するオレフィンポリマーであって、前記不飽和の70%超が、1,2−二置換オレフィン不飽和を含んでいるオレフィンポリマー。
【請求項2】
170℃超のTmを有する、請求項1に記載のオレフィンポリマー。
【請求項3】
30℃超のTgを有する、請求項1に記載のオレフィンポリマー。
【請求項4】
150℃超のTgを有する、請求項3に記載のオレフィンポリマー。
【請求項5】
重合形態にある4−メチル−1−ペンテンを含んでいる、請求項1に記載のオレフィンポリマー。
【請求項6】
重合形態にある4−メチル−1−ペンテンから本質的になる、請求項1に記載のオレフィンポリマー。
【請求項7】
高度にアイソタクチックである、請求項6に記載のオレフィンポリマー。
【請求項8】
末端の90%超が1,2−二置換オレフィン不飽和であるポリマー鎖を有する、重合形態にある4−メチル−1−ペンテンを含んでいるオレフィンポリマー。
【請求項9】
170℃超のTmを有する、請求項8に記載のオレフィンポリマー。
【請求項10】
30℃超のTgを有する、請求項8に記載のオレフィンポリマー。
【請求項11】
150℃超のTgを有する、請求項10に記載のオレフィンポリマー。
【請求項12】
95%超の鎖末端不飽和を有する、請求項8に記載のオレフィンポリマー。
【請求項13】
重合形態にある4−メチル−1−ペンテンから本質的になる、請求項8に記載のオレフィンポリマー。
【請求項14】
高度にアイソタクチックである、請求項13に記載のオレフィンポリマー。
【請求項15】
請求項1〜14に記載のオレフィンポリマーのいずれかの末端エチレン不飽和の少なくともいくつかと、前記エチレン不飽和と反応性がある少なくとも1つの追加化合物との反応によって形成されたオレフィンポリマーの官能基化誘導体。
【請求項16】
追加化合物が、不飽和化合物である、請求項15に記載のオレフィンポリマーの官能基化誘導体。
【請求項17】
ヒドロホルミル化条件下の水素と一酸化炭素との混合物の反応によって、またはヒドロホルミル化およびアミノメチル化反応条件下の水素、一酸化炭素、およびアンモニアもしくはアミンを用いて形成された、請求項15に記載のオレフィンポリマーの官能基化誘導体。
【請求項18】
末端ヒドロキシルもしくはアミン官能基を含んでいる、請求項15に記載の官能基化誘導体。
【請求項19】
請求項15に記載のオレフィンポリマーの官能基化誘導体の形成方法であって、請求項1〜14のいずれか1項に記載のオレフィンポリマーと、1,2−二置換オレフィン不飽和と反応性がある少なくとも1つの追加化合物との、前記不飽和の少なくともいくつかを反応させる条件下における接触工程を含む方法。
【請求項20】
請求項1〜18のいずれか1項に記載の、または請求項19にしたがって調製されたオレフィンポリマーもしくはこれの官能基化誘導体を含んでいる、固体形態における製品または物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−509273(P2008−509273A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525593(P2007−525593)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/001625
【国際公開番号】WO2006/022806
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】