説明

定尺単板群の堆積方法

【課題】矩形化した端尺単板の複数枚を定尺板状に寄集めて成る定尺単板群を、堆積台の上方へ順次搬送した後に、落下させて堆積するに際し、従来に比べて長期間に亘る良好な堆積山の堆積姿勢の維持を可能にする。
【解決手段】各定尺単板群の全長を、落下させる前に実測し、個々の定尺単板群Aが、所定の定尺寸法Lに対して僅かな誤差±αしか有しない規格化定尺単板群A1〜An+2であるのか、僅かな誤差±αを超える顕著な誤差を有する規格外定尺単板群B、Cであるのかを判別し、大多数の規格化定尺単板群A1〜An+2については、常にその前端を基準位置aに合わせて、堆積台6上へ順次落下させ、少数の規格外定尺単板群B、Cについては、その前端又は後端を、基準位置aとは別異の、堆積山AMの堆積姿勢の安定化に適した特例位置b、cに合わせて、堆積台6上へ落下させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形化した端尺単板の複数枚を定尺板状に寄集めて成る定尺単板群の堆積方法の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ベニヤレースを用いて原木から削成するベニヤ単板の内で、所要の定尺寸法に満たない不定形な乱尺単板や、長尺単板から一枚板状の定尺単板を取得した後に残る小幅単板等については、不用部分を切除して略矩形の端尺単板に成形すると共に、適当な時期に複数枚の端尺単板同士の間隔を近接状(間隔が零である密接状の場合も含む)に詰寄せ、更に複数枚の端尺単板の全長(本願に於ては、端尺単板同士の間隔をも含めた見掛け上の全長と、端尺単板のみの長さを集計した実質的な全長とを区別せずに、いずれも単に全長と称する)が所定の定尺寸法に達する毎に、定尺切断処理を施すことによって、概ね所定の定尺寸法を有する定尺板状の定尺単板群と成し、更に、例えば図1に例示する如く、搬送コンベヤ等の搬送手段1等を介して搬送される定尺単板群Aを、刺着コンベヤ等の適宜の保持搬送手段2を用いて、次々と所望の堆積場所の上方、例えば昇降自在な昇降台6の上方まで搬送した後に、基準位置aの上方に配設した反射型光電管等から成る前端縁検知器3の前端縁検知信号に基づき、保持搬送手段2による定尺単板群Aの搬送を停止し、併せて、流体シリンダー等から成る昇降機構5を介して、打落しバー等から成る保持開放部材4を間歇的に昇降させることにより、保持搬送手段2による定尺単板群Aの保持を開放して、堆積場所(図示例は、昇降台6に載置された敷板7の上)へ順次落下させ、定尺単板群の堆積山AMとして堆積する処理が行われているが、常法通り、常に各定尺単板群Aの前端又は後端のいずれか片端のみ(図示例は、前端)を基準位置aに合わせて、堆積場所へ順次落下させる堆積方法によると、各定尺単板群Aの全長の寸法誤差に起因して、基準側と逆側(反対側)の端部の堆積姿勢が、比較的短期間の堆積処理に伴って、堆積の継続に適さなくなるほど悪化し易い不具合が生じることから、特許文献1には、前記不具合の解消を図らんとする堆積方法が提案されいる。
【0003】
即ち、特許文献1に開示された堆積方法は、定尺単板及び定尺単板群を処理対象とし、堆積場所の上方であって、定尺単板及び定尺単板群の定尺寸法よりも適量広い間隔を隔てた前後二箇所に、定尺単板及び定尺単板群の落下位置を決める前端縁検知器と後端縁検知器を各別に備え、両端縁検知器の検知動作を、定尺単板及び定尺単板群の一枚毎に交互に切換えることによって、定尺単板及び定尺単板群の一枚毎に、前記適量広い間隔に相当する特定距離だけ堆積位置をずらして堆積するものであるが、斯様に、全長の寸法誤差の多寡に拘わりなく、一枚毎に堆積位置をずらす堆積方法によると、前記特定距離の部分は、常に一枚毎に空隙が存在していて、前後に突出した単板端部の自重に起因する下方への垂れ下がりを阻止する直下の単板層がない状態であるから、堆積処理の進行に伴って、各単板層の前後両側に於ける突出した単板端部の垂れ下がりが徐々に増大する傾向があり、特に、全長が顕著に短い定尺単板或は短尺単板群が一枚でも混入すると、その上に堆積される少なくとも数枚分の単板層について、単板端部の垂れ下がりが著しく増大することになる。従って、処理対象が定尺単板のみである場合にはともかく、処理対象が定尺単板群であり、且つ、該定尺単板群の前端側或は後端側に位置する端尺単板が短い場合には、むしろ、定尺単板群の堆積山から、前記短い端尺単板が落下するのを助長することになり、前記不具合の解消には甚だ不向きであった。
【特許文献1】実公昭51−24074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、原点に返って、定尺単板群の堆積山の堆積姿勢を悪化させる主因を究明することから始め、該主因に適合する解決手段を開発することにより、従来に比べて長期間に亘る良好な堆積山の堆積姿勢の維持を実現したものであって、先ず、究明した主因について説明すると、先述の如き形態で成る定尺単板群の全長は、種々の要因によって、所定の定尺寸法に対してプラス或はマイナスの誤差を有するのが当然ではあるが、詳細に分析すると、定尺単板群の大多数を占めるのは、堆積山の堆積姿勢に悪影響を及ぼし難い僅かな誤差しか有しない規格化定尺単板群であり、堆積山の堆積姿勢に悪影響を及ぼし易いのは、少数の顕著な誤差を有する規格外定尺単板群であることが判明した。
【0005】
即ち、定尺単板群の定尺寸法(通常、2m前後)に対する全長の寸法誤差が、例えば単板搬送手段を間歇作動させる際に要した起動時間のバラツキや、或は例えば単板搬送手段の脈動、更には例えば定尺切断装置の機械的な微動差異等に起因する、単なる切断誤差であれば、誤差の絶対量は僅か(多くても、定尺寸法の±1%未満)であって、所定の定尺寸法に対してマイナスの僅かな誤差を含む定尺下限寸法から、所定の定尺寸法に対してプラスの僅かな誤差を含む定尺上限寸法までの範囲内に、全長が切り揃えられた規格化定尺単板群が作成可能であり、実際に堆積処理する定尺単板群の大多数は、斯様な規格化定尺単板群である。
【0006】
而して、前記規格化定尺単板群だけを、先記常法通りの堆積方法によって堆積した場合には、図5に例示する如く、規格化定尺単板群A1、A2、A3……An−2、An−1、Anの基準側の端部(図示例は、前端)のみが、基準位置aの位置に揃い、基準側と逆側の端部は、前後方向へ不揃いに堆積される状態となるものの、この場合の不揃いの程度は、定尺寸法Lに対する僅かな誤差±αと同等であり、いずれの単板層の端部も、単板自体の曲げ応力による自助作用を得て、自重に抗して概ね水平状態に保たれるので、著しく下方に垂れ下がる虞はなく、また直上の単板層の端部の垂れ下がりを阻止する直下の単板層の端部が、前記誤差±αの狭い範囲内に存在するので、徐々に堆積が進行しても、垂れ下がりが増大する虞も少ない。従って、たとえいずれかの規格化定尺単板群の前端側或は後端側に短い端尺単板(通常、端尺単板の最短長さは8〜10cm程度)が実在しても、該短い端尺単板が、定尺単板群の堆積山から落下して堆積姿勢を損なう虞は殆どなく、長期間に亘る良好な堆積山の堆積姿勢の維持が可能である。図中、L1(=L−α)は、定尺下限寸法であり、L2(=L+α)は、定尺上限寸法である。
【0007】
ところが、例えば既に定尺板状に寄集めた定尺単板群を堆積場所の上方へ搬送する過程に於て、或は例えば予め矩形化して定尺切断を施した端尺単板同士の間隔を堆積場所の上方近辺に於て詰寄せる過程に於て、端尺単板同士の相対位置に縮小的なズレが生じると、見掛け上の全長が縮んで、単なる切断誤差を超える顕著なマイナスの誤差が発生することがあり、更には例えば単板群の全長が、所定の定尺寸法に達する直前に、次の端尺単板の補充が途切れ、次の端尺単板の補充を待って、定尺切断を実施すべき際に、次の端尺単板の補充長さが、後工程での使用に適さないほど短くなる際には、意図的に次の端尺単板の補充を省略して、既に寄集め済みの単板群だけを、定尺単板群と看做して堆積する処理形態を採る実例もあり、結果的に、少数ではあるが、全長が所定の定尺下限寸法に満たない短尺単板群が、規格外定尺単板群として混入する。
【0008】
而して、前記短尺単板群に於ける規格化定尺単板群の基準側に準ずる端部を、規格化定尺単板群と同じ基準位置に合わせて堆積すると、図6に例示する如く、顕著なマイナスの誤差−(α+β)を有する短尺単板群Bの基準側と逆側の端部が、規格化定尺単板群A1〜Anの基準側と逆側の端部に比べて、堆積山AMの内側へ著しく没入するので、その上に堆積される少なくとも数枚の規格化定尺単板群An+1、An+2…の基準側と逆側の端部は、下方に垂れ下がった状態となる。従って、該下方に垂れ下がった箇所に、短い端尺単板が実在する場合には、堆積時の堆積山の振動による影響等も加わって、矢印で示す如く、堆積山から落下する虞が生じるのは勿論のこと、仮に短い端尺単板が一枚でも落下してしまうと(或は短尺単板群の数枚上に別の短尺単板群が同様に混載されると)、その後に堆積される規格化定尺単板群の端部の下方への垂れ下が増大するので、下方に垂れ下がった箇所に堆積される短い端尺単板が堆積山から落下する確率も増大し、長期間に亘る良好な堆積山の堆積姿勢の維持が困難となる。図中、L3(=L−α−β)は、短尺単板群の全長である。
【0009】
因に、先記図6の例に於て、規格化定尺単板群の定尺上限寸法L2と、短尺単板群Bの全長L3との間には、著大な差異(2α+β)が生じるので、短尺単板群Bの上に堆積される少なくとも数枚の規格化定尺単板群An+1、An+2…の基準側と逆側の端部が、単板自体の曲げ応力による自助作用によっては、自重に抗しきれずに著しく下方に垂れ下がるのであり、例えばβ=2αと仮定すると、曲げモーメントが作用する支点から先端までの距離が、規格化定尺単板群だけを堆積する場合に比べて2倍となるから、先端の垂れ下がり量は、8倍にもなるのである。
【0010】
また一方、例えば既に定尺板状に寄集めた定尺単板群を堆積場所の上方へ搬送する過程等に於て、端尺単板同士の相対位置に拡大的なズレが生じると、見掛け上の全長が伸びて、単なる切断誤差を超える顕著なプラスの誤差が発生することがあり、或は例えば先例と同様に、次の端尺単板の補充を待って、定尺切断を実施すべき際に、次に補充する端尺単板を、所定の定尺寸法の位置に於て切断すると、残余の端尺単板の長さが、後工程での使用に適さないほど短くなる場合には、意図的に次の端尺単板の定尺切断を省略して、そのまま既に寄集め済みの単板群に補充し、定尺単板群と看做して堆積する処理形態を採る実例もあり、やはり少数ではあるが、全長が所定の定尺上限寸法を超える長尺単板群が、規格外定尺単板群として混入する。
【0011】
而して、前記長尺単板群に於ける規格化定尺単板群の基準側に準ずる端部を、規格化定尺単板群と同じ基準位置に合わせて堆積すると、図7に例示する如く、顕著なプラスの誤差+(α+γ)を有する長尺単板群Cの基準側と逆側の端部が、規格化定尺単板群A1〜Anの基準側と逆側の端部に比べて、堆積山AMの外側へ著しく突出する状態となるので、該突出する箇所に短い端尺単板が実在する場合には、堆積時の堆積山の振動による影響等も加わって、矢印で示す如く、堆積山から落下する虞が少なからずあり、而も、仮に一枚でも落下してしまうと、堆積山の堆積姿勢が、先記図6の例と同じ状態(短尺単板群が常法通り混載された場合と同じ状態)になるので、それ以降に堆積される規格化定尺単板群の基準側とは逆の端部側にある短い端尺単板が落下する確率が増大し、やはり、長期間に亘る良好な堆積山の堆積姿勢の維持が困難となる。図中、L4(=L+α+γ)は、長尺単板群の全長である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、斯様な例外的な少数の悪因に対処して、先記不具合の解消を図ったものであり、基本的な発明として、各定尺単板群を落下させる前に、適宜の全長計測手段を用いて、各定尺単板群の全長を実測することにより、個々の定尺単板群が、所定の定尺寸法に対してプラス或はマイナスの僅かな誤差しか有しない規格化定尺単板群であるのか、所定の定尺寸法に対してプラス或はマイナスの顕著な誤差を有する規格外定尺単板群であるのかを判別し、少なくとも定尺単板群の大多数を占める規格化定尺単板群については、常法通り、常に各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端のみを基準位置に合わせて、堆積場所へ順次落下させ、また残る少数の規格外定尺単板群の少なくとも一部については、各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端を、基準位置とは別異の、堆積山の堆積姿勢の安定化に適した特例位置に合わせて、堆積場所へ落下させる堆積方法(請求項1)を提案する。
【0013】
また、より具体的な発明として、各定尺単板群を、所定の定尺下限寸法に満たない全長を有する短尺単板群と、所定の定尺下限寸法以上の全長を有する非短尺単板群とに弁別し、非短尺単板群については、常に各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端のみを基準位置に合わせて、堆積場所へ順次落下させ、また短尺単板群については、前記非短尺単板群の基準側と反対の片端を、基準位置から堆積山の内側に適宜距離を隔てて定めた逆基準位置に合わせて、堆積場所へ落下させる請求項1記載の堆積方法(請求項2)と、各定尺単板群を、所定の定尺上限寸法を超える全長を有する長尺単板群と、所定の定尺上限寸法以下の全長を有する非長尺単板群とに弁別し、非長尺単板群については、常に各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端のみを基準位置に合わせて、堆積場所へ順次落下させ、また長尺単板群については、前記非長尺単板群の基準側に準ずる片端を、基準位置から堆積山の外側に適宜寸法を隔てて定めた特定位置に合わせて、堆積場所へ落下させる請求項1記載の堆積方法(請求項3)と、各定尺単板群を、所定の定尺下限寸法に満たない全長を有する短尺単板群と、所定の定尺上限寸法以下で、且つ、所定の定尺下限寸法以上の全長を有する標準単板群と、所定の定尺上限寸法を超える全長を有する長尺単板群とに弁別し、前記標準単板群については、常に各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端のみを基準位置に合わせて、堆積場所へ順次落下させ、また短尺単板群については、前記標準単板群の基準側と反対の片端を、基準位置から堆積山の内側に適宜距離を隔てて定めた逆基準位置に合わせて、堆積場所へ落下させ、更に長尺単板群については、前記標準単板群の基準側に準ずる片端を、基準位置から堆積山の外側に適宜寸法を隔てて定めた特定位置に合わせて、堆積場所へ落下させる請求項1記載の堆積方法(請求項4)と、堆積場所の上方付近に於て、個々の定尺単板群の全長を実測して成る請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の堆積方法(請求項5)と、堆積場所の上方付近に、所要の間隔を隔てて、適数個の単板検知器を備え、各単板検知器の単板検知信号に基づいて、個々の定尺単板群の全長を実測して成る請求項1〜請求項5のいずれか一つの項に記載の堆積方法(請求項6)とを提案する。
【発明の効果】
【0014】
前記請求項1に係る発明によれば、少なくとも定尺単板群の大多数を占める規格化定尺単板群については、従前と同様に、常に各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端のみを基準位置に合わせて、堆積場所へ順次落下させるものであるから、たとえいずれかの定尺単板群の前端側或は後端側に短い端尺単板が実在しても、該短い端尺単板が、定尺単板群の堆積山から落下して堆積姿勢を損なう虞は殆どなく、更に、残る少数の規格外定尺単板群の少なくとも一部についても、各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端を、基準位置とは別異の、堆積山の堆積姿勢の安定化に適した特例位置に合わせて、堆積場所へ順次落下させるものであるから、仮にその上に堆積される数枚の定尺単板群の前端側或は後端側に短い端尺単板が実在しても、やはり、該短い端尺単板が、定尺単板群の堆積山から落下して堆積姿勢を損なう虞も殆どなく、結果的に、長期間に亘る良好な堆積山の堆積姿勢の維持が可能となる。
【0015】
また、規格化定尺単板群と規格外定尺単板群との弁別形態としては、請求項2に係る発明の如く、所定の定尺下限寸法に満たない全長を有する短尺単板群だけを、規格外定尺単板群として判別し、分別堆積処理する形態と、請求項3に係る発明の如く、所定の定尺上限寸法を超える全長を有する長尺単板群だけを、規格外定尺単板群として判別し、分別堆積処理する形態とのいずれの形態であっても、相応に効果的ではあるが、請求項4に係る発明の如く、前記短尺単板群と長尺単板群との双方を、規格外定尺単板群として判別し、分別堆積処理する形態の方が、一段と効果的であるのは勿論である。尚、各定尺単板群の全長を実測するに際しては、搬送過程等に於て見掛け上の全長が変化する悪影響を可及的に除外することからして、請求項5に係る発明の如く、堆積直前の時期に実施するのが好ましく、具体的には、請求項6に係る発明の如く、堆積場所の上方付近に、所要の間隔を隔てて、適数個の単板検知器を備え、各単板検知器の単板検知信号に基づいて、各定尺単板群の全長を実測する手段が、有効な手段の一つとして挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を図面に例示した実施の一例と共に詳述するが、既に説明した単板類や堆積装置の部材等については、便宜上、同じ符号を付して、重複する詳細な説明を省略する。尚、図示した実施例は、いずれも好ましい態様ではあるが、本発明を実施する態様としては、必ずしも図示した実施例に限定するものではなく、種々の設計変更例が挙げられるので、それらの設計変更例については、適宜別途に言及する。
【実施例】
【0017】
而して、短尺単板群だけを規格外定尺単板群として分別堆積処理するには、例えば図2に例示する如く、堆積場所の上方付近に、定尺下限寸法L1よりも微少距離Δxだけ狭い間隔L5を隔てて、前後一対の単板検知器8、8aを配設すると共に、先記基準位置aから堆積山AMの内側に適宜距離、例えば所定の定尺下限寸法L1と同等の距離を隔てて定めた逆基準位置bの上方に、反射型光電管等から成る後端縁検知器3aを備え、図示しない保持搬送手段を介して、堆積場所の上方に搬送されてくる各定尺単板群Aの長さを、前記単板検知器8、8aによって実測し、仮に、単板検知器8が定尺単板群Aの前端の到来を検知した時点に於て、単板検知器8aが定尺単板群Aの後端の通過を検知していなければ、定尺単板群Aが非短尺単板群であるので、該非短尺単板群A1〜Anの前端が、前端縁検知器3の位置に到来した際に、保持搬送手段による搬送を停止して保持を開放することにより、順次堆積場所へ落下させ、また、単板検知器8が定尺単板群Aの前端の到来を検知した時点に於て、単板検知器8aが定尺単板群Aの後端の通過を既に検知していれば、該定尺単板群が短尺単板群であるので、該短尺単板群Bの後端が、後端縁検知器3aの位置に到来した際に、保持搬送手段による搬送を停止して保持を開放することにより、堆積場所へ落下させれば足りる。
【0018】
述上の如き堆積方法によると、規格外定尺単板群の内の少なくとも短尺単板群に限っては、該短尺単板群Bに於ける非短尺単板群の基準側と逆側の端部(図示例は、後端)を、基準位置aとは別異の、逆基準位置bの位置に合わせて堆積することができ、併せて、短尺単板群Bの基準側と逆側の端部(図示例は、前端)についても、既に堆積されている非短尺単板群A1〜Anの基準側の端部から、著しく堆積山AMの内側に没入することがないので(図示例に於ては、没入寸法が、顕著なマイナスの誤差の一部分であるβだけに留まり、図示は省略したが、例えば基準位置aから所定の定尺寸法Lだけ隔てた位置に逆基準位置bを定めた場合であっても、没入寸法は、顕著なマイナスの誤差と同等α+βに留まるので、いずれにせよ、曲げモーメントが作用する支点から先端までの距離が、先記従来例の2α+βに比べて少なくなる)、その上に堆積される非短尺単板群An+1、An+2…の基準側の端部、及び基準側と逆側の端部が、自重によって著しく垂れ下がる虞はなく、たとえいずれかの非短尺単板群An+1、An+2…の前端側或は後端側に、短い端尺単板が実在していても、該短い端尺単板が堆積山AMから落下する確率が低くなるので、従来に比べて長期間に亘る良好な堆積山の堆積姿勢の維持が可能となる。
【0019】
尚、前記適宜距離、つまり、基準位置から逆基準位置までの距離としては、短尺単板群の上に堆積される非短尺単板群の基準側に存在する端尺単板の堆積姿勢の安定性からすると、所定の定尺寸法と同等以下の距離であるのが好ましく、他方、短尺単板群の上に堆積される非短尺単板群の基準側の逆側に存在する端尺単板の堆積姿勢の安定性からすると、所定の定尺寸法から端尺単板の最短長さの半分弱の長さ(例えば最短長さの45%程度)を差引いた残りの長さ以上の距離であるのが好ましいから、前記両距離の範囲内に定めるのが一応の目安であるが、要は、逆基準位置が、堆積山の堆積姿勢の安定化に適した位置に定まれば足りるから、前記適宜距離を定めるに際しては、非短尺単板群の基準側と逆側の端部の凹凸度合い、つまり、端部の不揃いの程度に関連する、規格化単板群が有する僅かな誤差±αの値や、短尺単板群の基準側と逆側の端部の落下位置に関連する、短尺単板群が有する顕著なマイナスの誤差−(α+β)の値なども勘案し、実際に処理する定尺単板群の現状に適応させて定めるのが好ましい。
【0020】
因に、非短尺単板群の基準側の端部に対する短尺単板群の基準側と逆側の端部の没入寸法が、先記従来例の2α+βと同等、或はそれ以上となることがあっても、先記従来例とは異なって、他の大多数を占める非短尺単板群の基準側の端部が、同一の基準位置に揃えられていて、短尺単板群の上に堆積される非短尺単板群の先端の垂れ下がりが、短尺単板群の直下層の非短尺単板群によって、一定限度(単板一枚分の厚さ)を超えないように規制されるので、仮に短尺単板群の上に堆積される数枚の非短尺単板群の基準側に短い端尺単板が実在していても、該短い端尺単板が堆積山から落下する確率は、先記従来例の場合よりも著しく低く、また更に、大多数を占める非短尺単板群の基準側の端部が、同一の基準位置に揃えられていることにより、単板自体の曲げ応力による自助作用を得て、以降に堆積される定尺単板群の先端の垂れ下がりが、比較的速やかに概ね水平状態に復元され易い傾向があるので、堆積の進行に伴って、非短尺単板群の基準側にある短い端尺単板が堆積山から落下する確率も早期に減少することから、たとえ前記没入寸法が、先記従来例の2α+βと同等、或はそれ以上となることがあっても、格別に著しい障害となる虞は少なく、実用的に差支えないものとして許容される範囲である。
【0021】
次に、長尺単板群だけを規格外定尺単板群として分別堆積処理するには、例えば図3に例示する如く、堆積場所の上方付近に、定尺上限寸法L2よりも微少距離Δxだけ広い間隔L6を隔てて、前後一対の単板検知器8、8bを配設すると共に、先記基準位置aよりも所望寸法λだけ堆積山AMの外側に定めた特定位置cの上方に、反射型光電管等から成る特定検知器3bを備え、保持搬送手段(図示省略)を介して、堆積場所の上方に搬送されてくる各定尺単板群Aの長さを、前記単板検知器8、8bによって実測し、仮に、単板検知器8が定尺単板群Aの前端の到来を検知した時点に於て、単板検知器8が定尺単板群Aの後端の通過を既に検知している場合は、該定尺単板群が非長尺単板群であるので、該非長尺単板群A1〜Anの前端が、前端縁検知器3の位置に到来した際に、保持搬送手段による搬送を停止して保持を開放することにより、順次堆積場所へ落下させ、また、単板検知器8が定尺単板群Aの前端の到来を検知した時点に於て、単板検知器8が定尺単板群Aの後端の通過を未だ検知していない場合は、該定尺単板群が長尺単板群であるので、該長尺単板群Cの前端が、前端縁検知器3の位置に到来しても、保持搬送手段による搬送を停止することなく継続し、長尺単板群Cの前端が、特定検知器3bの位置に到来した際に、保持搬送手段による搬送を停止して保持を開放することにより、堆積場所へ落下させれば足りる。
【0022】
述上の如き堆積方法によると、規格外定尺単板群の内の少なくとも長尺単板群に限っては、長尺単板群Cに於ける非長尺単板群の基準側に準ずる端部(図示例は、前端)を、基準位置aよりも所望寸法λだけ堆積山AMの外側に定めた特定位置cの位置に合わせて堆積することができ、併せて、長尺単板群Cの基準側と逆側の端部(図示例は、後端)についても、既に堆積された非長尺単板群A1〜Anの基準側と逆側の端部に比べて、堆積山AMの外側に著しく突出することがないので(図示例に於ては、多くとも、顕著なプラスの誤差α+γから前記所望寸法λを差し引いた残りの寸法であり、差し引いた残りがマイナスとなる場合は、突出しないことになる)、該長尺単板群Cの基準側の端部、及び基準側と逆側の端部が、自重によって著しく垂れ下がる虞は殆どなく、たとえ長尺単板群Cの前端側或は後端側に、短い端尺単板が実在しても、該短い端尺単板が堆積山AMから落下する確率が低くなるので、やはり、従来に比べて長期間に亘る良好な堆積山の堆積姿勢の維持が可能となる。
【0023】
尚、前記特定位置cを定めるのに用いる所望寸法λとしては、長尺単板群Cの基準側の端部からの、短い端尺単板の落下を確実に抑止することからすると、端尺単板の最短長さの半分弱(例えば最短長さの45%程度)の寸法に留めるのが好ましいこととなるが、必ずしも斯様な寸法に限定するものではなく、たとえ端尺単板の最短長さの半分を超える寸法とした場合でも、長尺単板群Cの基準側に最短長さ乃至は最短長さに近い長さの端尺単板が存在しなければ、落下する虞はなく、また仮に、端尺単板の最短長さの半分を超える寸法の位置に特定位置cを定めたことにより、長尺単板群Cの基準側に偶々実在していた最短長さ乃至は最短長さに近い長さの端尺単板が、半分以上も堆積山AMの外側に突出して、結果的に落下することがあっても、残余の単板群の形態は、あたかも、先記短尺単板群を適切に堆積した形態(図2の形態)に準ずる形態となって、その上に堆積される非長尺単板群の堆積姿勢には殆ど悪影響を及ぼさないので、少なくとも長期間に亘る良好な堆積山の堆積姿勢の維持は可能であり、要は、特定位置が、堆積山の堆積姿勢の安定化に適した位置に定まれば足りるから、前記所望寸法を定めるに際しては、長尺単板群の基準側と逆側の端部の落下位置に関連する、長尺単板群が有する顕著なプラスの誤差α+γの値なども勘案し、実際に処理する定尺単板群の現状に適応させて定めるのが好ましい。もっとも、単板歩留りの低下を避ける為には、いずれかの時点で、落下した端尺単板を回収する必要が生じ、作業が些か煩雑化することから、基準側の端尺単板が落下する確率が低い方が好ましいのは当然である。
【0024】
また更に、例えば図4に例示する如く、図2の例で用いた単板検知器8、8a、及び後端縁検知器3aに加えて、図3の例で用いた単板検知器8b、及び特定検知器3bを重複して配設し、図2及び図3で説明した機能と同様の機能を奏するように構成すれば、請求項4に係る堆積方法、即ち、各定尺単板群Aを、所定の定尺下限寸法L1に満たない全長を有する短尺単板群Bと、所定の定尺上限寸法L2以下で、且つ、所定の定尺下限寸法L1以上の全長を有する標準単板群(規格化単板群)A〜An+2…と、所定の定尺上限寸法を超える全長を有する長尺単板群Cとに弁別し、大多数の標準単板群A〜An+2…については、常に各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端のみを基準位置aに合わせて、堆積場所へ順次落下させ、また少数の短尺単板群Bについては、標準単板群A〜An+2…の基準側と反対の片端を、基準位置aから堆積山AMの内側に適宜距離(例えば所定の定尺下限寸法L1と略同等の距離)を隔てて定めた逆基準位置bに合わせて、堆積場所へ落下させ、更に少数の長尺単板群Cについては、標準単板群A〜An+2…の基準側に準ずる片端を、基準位置aよりも所望寸法λだけ堆積山AMの外側に定めた特定位置cに合わせて、堆積場所へ落下させる処理を行うことができ、従来に比べて一段と長期間に亘る良好な堆積山の堆積姿勢の維持が可能となる。
【0025】
尚、各定尺単板群の全長を実測するに際しては、搬送過程に於て見掛け上の全長が変化する場合の悪影響を可及的に除外することからして、前記各実施例の如く、堆積直前の時期に実施するのが好ましく、また、全長計測手段としては、前記各実施例の如く、堆積場所の上方付近に、所要の間隔を隔てて、適数個の単板検知器を備え、各単板検知器の単板検知信号に基づいて、各定尺単板群の全長を実測する手段が、有効な手段の一つとして挙げられるが、必ずしも限定するものではなく、図示は省略したが、例えば図1に例示した搬送手段の末端部付近に、端尺単板の有無(通過)を検出する単板検出器を、また搬送手段に関連する適宜位置に、搬送手段の回動を検出する回動検出器を夫々備え、前記単板検出器の単板検出信号及び単板間隔信号(単板非検出信号)と、前記回動検出器の回動検出信号とに基づいて、前記単板検出器の位置を通過する各定尺単板群の全長を実測する手段であっても差支えなく、要は各定尺単板群の全長を実測できる手段であれば足りる。換言すると、本発明に用いる全長計測手段としては、先記各実施例の如く、各定尺単板群の全長が一定限度長さ未満であるか否か、或は一定限度長さを超えるか否かを判別するだけで、実際の寸法自体は計測しない方式の全長計測手段と、前記設計変更例の如く、実際の寸法自体を計測する方式の全長計測手段とのいずれであっても差支えないのである。
【0026】
また、堆積場所の上方まで各定尺単板群を搬送する適確性からすると、前記各図示例の如く、規格化単板群の前端を基準側とするのが簡便で実用的であるが、必ずしも限定するものではなく、図示は省略したが、必要に応じては、規格化単板群の後端を基準側としても差支えない。当然ながら、規格化単板群の後端を基準側とした場合には、逆基準位置と特定位置の設定場所も、前記各図示例とは逆の位置になる。
【0027】
また、図2〜図4の例に於ては、規格外単板群の後端或は前端を、逆基準位置或は特定位置に合わせて、保持搬送手段による規格外単板群の保持を開放させる信号を発信する信号源として、逆基準位置の上方に後端縁検知器3aを、特定位置の上方に特定検知器3bを夫々配設したが、該後端縁検知器3a或は特定検知器3bの配設は、必ずしも必須要件ではなく、図示は省略したが、例えば保持搬送手段に関連する適宜位置に、該保持搬送手段の回動を検知する回動検知器を備え、先記全長計測手段による規格外単板群の後端或は前端の通過検知信号と、前記回動検知器による保持搬送手段の回動検知信号とに基づいて、規格外単板群の後端或は前端が、特例位置の上方に移送される時期を算定し、算定した時期に保持搬送手段による規格外単板群の保持を開放させる構成であっても差支えなく、或は例えば先記単板検知器8aによる単板検知信号と、前記回動検知器による保持搬送手段の回動検知信号とに基づいて(必要に応じては、実際の寸法自体を計測する方式の全長計測手段による全長の計測信号も併用して)、規格外単板群の後端或は前端が、特例位置の上方に移送(図示は省略したが、必要に応じて、保持搬送手段の搬送方向を逆転させることにより、一旦過剰に搬送し過ぎた規格外単板群の後端或は前端を、特例位置へ後戻りさせる場合も含む)される時期を算定し、算定した時期に保持搬送手段による規格外単板群の保持を開放する構成であっても差支えなく、要は規格外単板群の基準側の端部を、特例位置に合わせて、保持搬送手段による規格外単板群の保持を開放することができれば足り、信号源について特段の制約はない。
【0028】
また、規格化単板群の基準側の端部を、基準位置に合わせたり、規格外単板群の基準側の端部を、逆基準位置或は特定位置に合わせて落下させる場合に、保持搬送手段による規格化単板群或は規格化単板群の搬送を、都度停止させるようにすれば、位置合わせの精度が向上するので好ましいが、都度停止させる要件は、必ずしも必須ではなく、必要に応じては、搬送を継続しつつ落下させるようにしても差支えなく、この場合には、図1に例示した保持搬送手段等による各定尺単板群の保持を開放するのに用いる信号を、相応に早めに発信する必要がある。
【0029】
而して、保持搬送手段の具体的な形態としては、図1に例示した刺着コンベヤの外に、図示は省略したが、例えば各定尺単板群を上面側から吸着して搬送する吸着コンベヤ、或は例えば定尺単板群の下面側に、搬送方向の左右両側へ開閉可能な支持コンベヤ或は支持杆等の支持部材を、また定尺単板群の上面側に、押えコンベヤ或は押えコロ等の押え部材を夫々具備し、各定尺単板群を上下から挟持して搬送する挟持コンベヤ等々、従来公知の種々の保持搬送手段を用いることが可能であり、前記吸着コンベヤの場合は、都度、吸着を休止することにより、また挟持コンベヤの場合は、都度、支持部材を左右両側へ開くことにより、定尺単板群の保持を開放することができるから、保持開放部材の配設は必ずしも必要ではないが、堆積位置の精度の向上を図るには、図1の例の如く、保持開放部材を配設し、落下させる定尺単板群を、堆積山に密着させるまで拘束する(但し、図1は、落下途上の位置を示す)のが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
以上明らかな如く、本発明に係る堆積方法によれば、従来に比べて長期間に亘る良好な堆積山の堆積姿勢の維持が可能であり、また、堆積山の堆積姿勢の良化は、単に堆積山の運び出し頻度の削減に好都合であるのみならず、後工程に於ける堆積山からの各定尺単板群の取出しに係る作業性にも、波及的に好影響を及ぼすものであるから、合板工場等に於ける本発明の実施効果は甚大である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】定尺単板群を堆積処理する一般的な処理形態の側面説明図である。
【図2】短尺単板群を分別堆積処理する処理形態の側面説明図である。
【図3】長尺単板群を分別堆積処理する処理形態の側面説明図である。
【図4】短尺単板群と長尺単板群を分別堆積処理する処理形態の側面説明図である。
【図5】規格化定尺単板群を堆積処理する処理形態の側面説明図である。
【図6】短尺単板群を常法通り混載処理する処理形態の側面説明図である。
【図7】長尺単板群を常法通り混載処理する処理形態の側面説明図である。
【符号の説明】
【0032】
A :定尺単板群
A1〜An+2 :規格化定尺単板群(標準単板群、非短尺単板群、非長尺単板群)
B :短尺単板群(規格外定尺単板群)
C :長尺単板群(規格外定尺単板群)
1 :搬送手段
2 :保持搬送手段
3 :前端縁検知器
3a :後端縁検知器
3b :特定検知器
4 :保持開放部材
5 :昇降機構
6 :堆積台
7 :敷板
8、8a :単板検知器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形化された端尺単板の複数枚を定尺板状に寄集めて成る定尺単板群を、適宜の保持搬送手段を用いて、次々と所望の堆積場所の上方まで搬送した後に保持を開放することにより、堆積場所へ順次落下させて堆積する定尺単板群の堆積方法であって、各定尺単板群を落下させる前に、適宜の全長計測手段を用いて、各定尺単板群の全長を実測することにより、個々の定尺単板群が、所定の定尺寸法に対してプラス或はマイナスの僅かな誤差しか有しない規格化定尺単板群であるのか、所定の定尺寸法に対してプラス或はマイナスの顕著な誤差を有する規格外定尺単板群であるのかを判別し、少なくとも定尺単板群の大多数を占める規格化定尺単板群については、常法通り、常に各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端のみを基準位置に合わせて、堆積場所へ順次落下させ、また残る少数の規格外定尺単板群の少なくとも一部については、各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端を、基準位置とは別異の、堆積山の堆積姿勢の安定化に適した特例位置に合わせて、堆積場所へ落下させることを特徴とする定尺単板群の堆積方法。
【請求項2】
各定尺単板群を、所定の定尺下限寸法に満たない全長を有する短尺単板群と、所定の定尺下限寸法以上の全長を有する非短尺単板群とに弁別し、非短尺単板群については、常に各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端のみを基準位置に合わせて、堆積場所へ順次落下させ、また短尺単板群については、前記非短尺単板群の基準側と反対の片端を、基準位置から堆積山の内側に適宜距離を隔てて定めた逆基準位置に合わせて、堆積場所へ落下させることを特徴とする請求項1記載の定尺単板群の堆積方法。
【請求項3】
各定尺単板群を、所定の定尺上限寸法を超える全長を有する長尺単板群と、所定の定尺上限寸法以下の全長を有する非長尺単板群とに弁別し、非長尺単板群については、常に各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端のみを基準位置に合わせて、堆積場所へ順次落下させ、また長尺単板群については、前記非長尺単板群の基準側に準ずる片端を、基準位置から堆積山の外側に適宜寸法を隔てて定めた特定位置に合わせて、堆積場所へ落下させることを特徴とする請求項1記載の定尺単板群の堆積方法。
【請求項4】
各定尺単板群を、所定の定尺下限寸法に満たない全長を有する短尺単板群と、所定の定尺上限寸法以下で、且つ、所定の定尺下限寸法以上の全長を有する標準単板群と、所定の定尺上限寸法を超える全長を有する長尺単板群とに弁別し、前記標準単板群については、常に各定尺単板群の前端又は後端のいずれか片端のみを基準位置に合わせて、堆積場所へ順次落下させ、また短尺単板群については、前記標準単板群の基準側と反対の片端を、基準位置から堆積山の内側に適宜距離を隔てて定めた逆基準位置に合わせて、堆積場所へ落下させ、更に長尺単板群については、前記標準単板群の基準側に準ずる片端を、基準位置から堆積山の外側に適宜寸法を隔てて定めた特定位置に合わせて、堆積場所へ落下させることを特徴とする請求項1記載の定尺単板群の堆積方法。
【請求項5】
堆積場所の上方付近に於て、個々の定尺単板群の全長を実測して成る請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の定尺単板群の堆積方法。
【請求項6】
堆積場所の上方付近に、所要の間隔を隔てて、適数個の単板検知器を備え、各単板検知器の単板検知信号に基づいて、個々の定尺単板群の全長を実測して成る請求項1〜請求項5のいずれか一つの項に記載の定尺単板群の堆積方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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