説明

定着装置および画像形成装置

【課題】定着部材を所定の温度にすばやく到達させることができ、かつ、定着部材を所定の回転軌跡で安定的に回転させることができる定着装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】ガイド手段45は、軸方向一端と他端とにガイド部材451を有している。各ガイド部材451は、定着ベルト42の内周面に接触して、定着ベルト42をガイドするガイド部451aを有している。ガイド部451aの所定の箇所には、磁石46が設けられ、定着ベルト42のガイド部451aと対向する箇所には、常磁性体または強磁性体からなる磁性体部42dが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置および画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、可撓性の無端ベルト部材である定着ベルトを無張架状態で回転させる定着装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の定着装置は、定着ベルトに内包され、定着ベルトを加熱する加熱手段と、回転駆動する加圧部材たる加圧ローラに圧接して定着ニップを形成するニップ形成手段とを備えている。また、この定着装置には、ベルト幅方向に延び定着ベルトの内周面と対向して、定着ベルトが所定の回転軌跡で回転するようガイドするガイド部材を備えている。
【0003】
加圧ローラから回転駆動力を受け所定の回転軌跡で回転している定着ベルトに何らかの力が生じ、波打ちが発生しようとすると、定着ベルトがガイド部材に突き当り、波打ちが規制される。これにより、定着ベルトを所定の回転軌跡で安定的に回転させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ガイド部材は、定着ベルトの内周面とベルト幅方向全域で対向させる構成であり、熱容量が多い。このため、加熱手段の熱がガイド部材に奪われ、定着ベルトの昇温を阻害していた。その結果、定着ベルトが所定の温度に到達するまでの時間がかかり、ファーストプリント開始まで時間がかかるという課題があった。
【0005】
そこで、ガイド部材を定着ベルトの内周面における両端部のみに対向させるように構成し、ガイド部材の熱容量を、定着ベルトの内周面とベルト幅方向全域で対向させる構成のガイド部材よりも少なくすることも考えられる。しかし、このような形状にすると、定着ベルトに波打ちが発生しようとしたとき、ベルト幅方向中央部には、このような波打ちを規制する部材がない。このため、ベルト幅方向中央部に波打ちが生じ、その波打ちの影響がベルト端部まで及んで、結果的に定着ベルト幅方向全体で波打ちが生じ、定着ベルトが、所定の回転軌跡で安定的に回転しなくなるという課題が生じてしまう。
【0006】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、定着部材を所定の温度にすばやく到達させることができ、かつ、定着部材を所定の回転軌跡で安定的に回転させることができる定着装置および画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、可撓性を有する無端状の回転可能な定着部材と、上記定着部材に対向するように設けられ上記定着部材の外周面に対して加圧される回転駆動可能な加圧部材と、上記定着部材を介して上記加圧部材からの加圧を受けることにより、記録媒体が通過する定着ニップ部を形成するニップ形成手段と、上記定着部材の内周面に囲まれた内部空間に設けられ上記定着部材を加熱する加熱手段と、上記定着部材の内周面と対向し、上記定着部材が所定の回転軌跡で回転するようガイドするガイド手段とを備えた定着装置において上記ガイド手段は、上記定着部材の内周面の両端部のみと対向するよう構成されており、上記定着部材の上記ガイド手段との対向部および上記ガイド手段の一方に磁石を設け、他方に上記磁石と引き合う磁性体または磁石を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の定着装置において、上記ガイド手段の上記定着部材の内周面と接触する箇所に上記磁石を設け、上記定着部材の上記ガイド手段との対向部分に常磁性体または強磁性体を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1の定着装置において、上記ガイド手段の上記定着部材の内周面と接触する面の裏面に上記磁石を設け、上記定着部材の上記ガイド手段との対向部分に常磁性体または強磁性体を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の定着装置において、上記ガイド手段の上記定着部材の内周面と対向する箇所に上記磁石を内包し、上記定着部材の上記ガイド手段との対向部分に常磁性体または強磁性体を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの定着装置において、上記磁石を、上記ガイド手段の所定の箇所に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の定着装置において、上記定着ニップ部を通過した上記記録媒体の先端を上記定着部材から分離する分離部材を設け、上記磁石を、上記分離部材と上記定着部材を介して対向する位置に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項5または6の定着装置において、上記磁石を定着ニップ部の入口近傍に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項5乃至7いずれかの定着装置において、上記定着部材の温度を検知する温度検知手段を備え、上記磁石を上記温度検知手段が配設された箇所と円周方向同じ位置に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1の定着装置において、上記ガイド手段の上記定着部材の内周面と対向する箇所に常磁性体または強磁性体を設け、上記定着部材の内周面の上記ガイド手段との対向部分に上記磁石を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1の定着装置において、上記ガイド手段の上記定着部材の内周面と対向する箇所に常磁性体または強磁性体を設け、上記定着部材の中間層の上記ガイド手段との対向部分に上記磁石を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1乃至10いずれかの定着装置において、上記磁石の周囲に断熱部材を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、上記画像形成部で形成された上記記録媒体上の画像を定着させる定着装置と、を備えた画像形成装置において、上記定着装置として、請求項1乃至11のいずれかの定着装置を用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、定着部材の両端部を、磁力によりガイド部材に引き付けている。これにより、定着部材幅方向中央部に定着部材の波打ちを規制する部材がなく、定着部材幅方向中央部に波打ちが発生しようとしても、次のような作用により、定着部材の波打ちを抑制することができる。すなわち、定着部材の幅方向中央部に波打ちが発生しようとして、両端部を幅方向中央部側へ引き寄せる力などが生じても、磁力により定着部材の両端部を幅方向所定位置に留めることができ、結果的に定着部材の波打ちを抑制することができるのである。従って、ガイド手段を、定着部材の内周面における両端部にのみ対向させる構成でも、良好に定着部材の波打ちを抑制することができ、定着部材を所定の回転軌跡で安定的に回転させることができる。
また、定着部材を外側に湾曲させるような力が生じたとしても、磁力により定着部材の両端部がガイド部材から離間することがなく、これにより、定着部材が、外側へ大きく振れるのも抑制することができる。
また、ガイド手段を、定着部材の内周面における両端部にのみ対向させる構成としたので、ガイド手段を、定着部材の内周面における幅方向全域にわたって対向させる構成した特許文献1に記載の定着装置に比べて、ガイド手段の熱容量を低減することができる。これにより、定着部材を所定の温度にすばやく到達させることができ、特許文献1の定着装置に比べて、ファーストプリント開始時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図。
【図2】本実施形態に係る定着装置の概略構成図。
【図3】(a)は、ガイド部材の斜視図であり、(b)は、ガイド部材の正面図。
【図4】定着ベルトの断面図。
【図5】ガイド部の対向面の裏面に磁石を設けた構成例を示す図。
【図6】ガイド部に磁石を内包した構成例を示す図。
【図7】ガイド部の分離板との対向位置に磁石を設けた構成例を示す図。
【図8】ガイド部の定着ニップ部入口近傍に磁石を設けた構成例を示す図。
【図9】ガイド部の温度センサと定着ベルトを介して対向する位置に磁石を設けた構成例を示す図。
【図10】定着ベルトの弾性層に磁石を設けた構成の定着ベルトの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照にして本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。図1に示すように、画像形成装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の複数色からなるカラートナー像が形成される像担持体である中間転写体としての中間転写ベルト1と、カラートナー像用の各色トナーを補給するトナーボトル2Y,2C,2M,2Kとを、画像形成装置本体内に収納するように構成されている。中間転写ベルト1は張架ローラ1aや中間転写ベルト駆動ローラ1bなどにより回転可能に張架されており、中間転写ベルト駆動ローラ1bが図中反時計回りに回転することで中間転写ベルト1も図中反時計回りに回転する。
【0011】
また、画像形成装置は、画像形成装置本体の下部の給紙トレイ8に積載されて収納された記録紙Sを、中間転写ベルト1に対向する二次転写位置に所定のタイミングで搬送し、中間転写ベルト1上のカラートナー像を記録紙Sに転写しさらに記録紙S上のカラートナー像を定着させて、定着後の記録紙Sを上部から排出するように構成されている。すなわち、画像形成装置の下部から上部に掛けて、1枚の記録紙Sをフィードする給紙コロ7と、トナー像転写用の搬送タイミングを確保するレジストローラ対6と、中間転写ベルト1に接するように中間転写ベルト駆動ローラ1bと対向配置され中間転写ベルト1との間に所定圧を確保した二次転写ニップを形成した2次転写ローラ5と、所定に加熱および加圧する定着装置4と、記録紙Sを装置外部に排出する排紙ローラ対3とが配置されており、記録紙Sに対して、これらのコロやローラによって形成した搬送経路を搬送する過程で、順次、二次転写ニップにより中間転写ベルト1からトナー像を転写し、定着装置4により記録紙S上に転写したトナー像を定着している。
【0012】
カラー画像を形成するための各色を担当してその色のトナー像を形成する4つのカラー画像形成部である画像ステーションとしてプロセスカートリッジ101Y,101C,101M,101Kは、図中の斜め左上がりに傾斜して配設された中間転写ベルト1の長手方向に沿って配置されている。これらのプロセスカートリッジ101Y,101C,101M,101Kからなる各画像ステーションには、像担持体として感光体ドラム21Y,21C,21M,21Kをそれぞれ有している。
【0013】
また、各感光体ドラム21Y,21C,21M,21Kは、中間転写ベルト1を介して一次転写ローラ11Y,11C,11M,11Kに所定圧を確保して接している。感光体ドラム21Y,21C,21M,21Kの回りには、それぞれ専用の帯電装置15Y,15C,15M,15Kと、現像手段としての現像装置10Y,10C,10M,10Kと、感光体をクリーニングするクリーニング手段としての感光体クリーニング装置14Y,14C,14M,14Kとを有している。
【0014】
プロセスカートリッジ101Y,101C,101M,101Kの下方には、各感光体ドラム21Y,21C,21M,21Kの表面をレーザー光によって所定に露光させて静電潜像を書き込む書き込みユニット9が配置されている。
【0015】
また、中間転写ベルト1の長手方向の一方の端部側には、中間転写ベルト1上の残留トナーを収集してクリーニングするクリーニング手段であるベルトクリーニング装置12が、中間転写ベルト1を介して張架ローラ1aに対向して設けられている。
【0016】
現像装置10Y,10C,10M,10Kにトナーを供給するトナーボトル2Y,2C,2M,2Kは、装置内の上部で図中の左側から右側に順次、複数個、配置され、画像形成装置本体に着脱して交換可能に設けられている。これら複数のトナーボトル2Y,2C,2M,2Kそれぞれには、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナーが充填されている。各トナーボトル2Y,2C,2M,2Kから図示しない搬送経路を介して、各トナーボトル2Y,2C,2M,2Kに対応した各色の現像装置10Y,10C,10M,10Kにトナー供給可能に接続され、所定の補給量だけ各色のトナーが補給される。
【0017】
このように構成された画像形成装置では、記録紙Sが給紙コロ7でフィードされ、その先端がレジストローラ対6まで到達すると、記録紙Sの先端が図示しないセンサによって検知される。そして、この検出信号に基づき同期のタイミングを取りながら、レジストローラ対6によって記録紙Sを2次転写ローラ5と中間転写ベルト1とにより形成したニップに搬送し、中間転写ベルト1から記録紙Sに中間転写ベルト1上に形成した画像を2次転写する。
【0018】
感光体ドラム21Y,21C,21M,21Kは、あらかじめ帯電装置15Y,15C,15M,15Kによって一様に帯電され、次に書き込みユニット9によって画像データに基づいてレーザー光が露光走査され、感光体ドラム21Y,21C,21M,21K上に静電潜像が作られる。各静電潜像は、それぞれ各色の現像装置10Y,10C,10M,10Kにより現像され、これにより感光体ドラム21Y,21C,21M,21Kの表面にイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナー像が形成される。次に、一次転写ローラ11Y,11C,11M,11Kに電圧が印加され各感光体ドラム21Y,21C,21M,21K上のトナーが、中間転写ベルト1上に順次転写されていく。このとき、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト1の同じ位置に重ねて転写されるように、中間転写ベルト1の送り方向における上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。中間転写ベルト1上に形成されたトナー画像は、2次転写ローラ5が対向する二次転写位置まで搬送され、記録紙Sに2次転写される。各色からなるカラートナー像が転写された記録紙Sは定着装置4に搬送されてそのトナー像が圧力と熱とにより定着され、排紙ローラ対3で排紙される。
【0019】
図2に定着装置4の拡大図を示す。
定着装置4内には、回転駆動する加圧部材である加圧ローラ41や、無端状定着部材である定着ベルト42などが設けられている。また、定着ベルト42内には、加熱手段たる熱源43と、ニップ形成手段44と、定着ベルト42の内周面の両端部のみに対向し、定着ベルト42が所定の回転軌跡で回転するようガイドするガイド手段45を備えている。
【0020】
熱源43は、ハロゲンヒータやカーボンヒータであって、その両端部が定着装置4の側板に固定されている。そして、装置本体の電源部により出力制御された熱源43の輻射熱によって定着ベルト42がニップ部を除く位置で全体的に加熱されて、加熱された定着ベルト42の表面から記録紙S上のトナー像Tに熱が加えられる。なお、熱源43の出力制御は、定着ベルト42表面に対向するサーミスタ等の温度センサ(図9参照)によるベルト表面温度の検知結果に基づいておこなわれる。また、このような熱源43の出力制御によって、定着ベルト42の温度(定着温度)を所望の温度に設定することができる。
【0021】
本実施の形態における定着装置4は、定着ベルト42の一部のみが局所的に加熱されるのではなく、定着ベルト42が周方向にわたってほぼ全体的に加熱されるため、装置を高速化した場合であっても定着ベルト42を充分に加熱することができ、定着不良の発生を抑止することができる。また、効率よく定着ベルト42を加熱できるために、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短縮化されるとともに、装置の小型化が達成される。
【0022】
定着ベルト42は、ニッケルやステンレス鋼(SUS)などの金属ベルトや、ポリイミドなどの樹脂材料を用いた無端状ベルトもしくはフィルムである。定着ベルト42の表層はPFAまたはPTFE層などの離型層を有し、トナーが付着しないように離型性をもたせている。
【0023】
ニップ形成手段は、定着装置4に支持された支持部材たる支持ステー44bと、定着ベルト42を介して加圧ローラ41と当接する当接部材44aとで構成されている。支持ステー44bは、ニップ部を形成する当接部材44aを補強・支持するためのもので、定着ベルト42の内周面側に固設されている。支持ステー44bは、記録紙S幅方向(以下、主走査方向という)の長さが当接部材44aと同等になるように形成されていて、その主走査方向両端部が定着装置4の側板に固定支持されている。支持ステー44bは、上述した機能を満足するために、ステンレスや鉄等の機械的強度が高い金属材料で形成することが好ましい。また、支持ステー44bにおける、熱源43に対向する面の一部又は全部に、断熱部材を設けたり、BA処理や鏡面研磨処理を施したりすることもできる。これにより、熱源43から支持ステー44bに向かう熱(支持ステー44bを加熱する熱)が定着ベルト42の加熱に用いられることになるために、定着ベルト42の加熱効率をさらに向上することができる。
【0024】
当接部材44aは、フッ素ゴムや耐熱性のある樹脂、例えば液晶ポリマーなどをPTEFシートなどの潤滑シートで巻いて構成されている。当接部材44aの定着ベルト42を介して加圧ローラ41と当接する当接面44cは、加圧ローラ41の曲率にならうように軸方向から見たとき凹状に形成されている。これにより、記録紙Sは加圧ローラ41の曲率にならうように定着ニップから送出されるために、定着工程後の記録紙Sが定着ベルト42に吸着して分離しないような不具合を抑止することができる。また、当接部材44aを軸方向から見たときの形状を平面状にしてもよい。このように構成することで、定着ニップの形状が記録紙Sの画像面に対して略平行になり、定着ベルト42と記録紙Sとの密着性が高まり、定着性が向上する。さらに、定着ニップの出口側における定着ベルト42の曲率が大きくなるために、定着ニップを抜ける記録紙Sを定着ベルト42から容易に分離することができる。また、当接部材44aが、フッ素ゴムなどの弾性部材で構成した場合は、定着ニップに搬送される記録紙Sのトナー画像の微小な凹凸に追従できて、良好な定着画像を得ることができる。また、潤滑シートが巻きつけられているため、当接部材44aと定着ベルト42との摺動抵抗が低減される。
【0025】
加圧ローラ41は、芯金41aである金属ローラの表面にシリコーンゴム層からなる弾性層41bを接着させたものであり、離型性を得るために弾性層41bの外側表面に離型層(PFAまたはPTFE層)が設けてある。
【0026】
また、加圧ローラ41は図示しないスプリングなどにより定着ベルト42側に押し付けられており、加圧ローラ41と定着ベルト42とが圧接して当接部材44aが押しつぶされて変形することにより、定着ニップで所定のニップ幅を得ている。
【0027】
加圧ローラ41は、画像形成装置に設けられた図示しないモータや駆動ローラやギヤなどからなる駆動装置により駆動力が伝達され回転し、画像形成装置本体に設けられたCPUやメモリーなどからなる制御部により駆動装置を制御することによって、所定のタイミングで加圧ローラ41の回転速度であるプロセス線速を自在に変更することができる。
【0028】
定着ベルト42は外部のローラにより連れ回り回転し、本実施形態においては加圧ローラ41が駆動装置により回転し、定着ニップで加圧ローラ41から定着ベルト42に駆動力が伝達されることにより定着ベルト42が回転する。
【0029】
ガイド手段45は、軸方向一端と他端とにガイド部材451を有している(図3参照)。各ガイド部材451は、定着ベルト42の内周面に接触して、定着ベルト42をガイドするガイド部451aを有している。軸方向一端部に設けられたガイド部材451のガイド部451aは、定着ベルト42の内周面の一端と対向し、軸方向他端部に設けられたガイド部材451のガイド部451aは、定着ベルト42の内周面の他端と対向している。ガイド部材451は、PPSなどの耐熱性のある材料で形成されており、定着ニップを除く位置で定着ベルト42の内周面の端部に直接的に対向するように形成されている。各ガイド部材451は、定着装置4の側板に固定されている。
【0030】
本実施形態においては、定着ベルト42の内周面と対向して、定着ベルト42が所定の回転軌跡でガイドするガイド部451aが、定着ベルト42の両端にしかない。このため、ガイド部451aを、ベルト幅方向全体にわたり形成した場合に比べて、ガイド部451aの熱容量を少なくすることができる。これにより、熱源43の熱が、ガイド部材451に奪われるのを抑制することができ、定着ベルト42を所定の温度に迅速に加熱することができる。これにより、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短縮化される。
【0031】
しかしながら、ガイド部451aを、定着ベルト42の内周面の両端のみに対向させるようにした場合、ベルト幅方向中央部は、ベルトの波打ちを規制することができない。よって、ベルト幅方向中央部で発生した波打ちが、端部にまで波及して、結果的、定着ベルト42が大きく波打ってしまう。その結果、記録紙Sと定着ベルト42との分離不良や、画像の乱れ、トルクの上昇などを招いてしまう。
【0032】
そこで、本実施形態においては、ガイド部451aと定着ベルト42の内周面のガイド部451aと対向する箇所である両端部のいずれか一方に磁石46を設け、他方に常磁性体、強磁性体を設け、定着ベルト42の両端部を磁力によりガイド部451aに引き付けることで、定着ベルト42の波打ちを抑制する。以下に、具体的に説明する。
【0033】
図3(a)は、ガイド部材451の斜視図であり、(b)は、ガイド部材451の正面図である。
図3に示すように、ガイド部材451は、定着装置4の側板に取り付けられる取り付け部451bと、定着ベルト42の内周面の一端と対向するガイド部451aとを備えている。そして、ガイド部451aの所定の位置には、磁石46が設けられている。磁石46はサマリウム・コバルト系などが適しており、耐熱性が高いグレードを使用することが望ましい。また、断熱部材としてセラミック系の塗料を磁石46に塗布してもよい。このように、断熱を施すことで、磁石46の熱減磁を防止でき、高温下でも磁力の低下を抑えることができる。
【0034】
また、本実施形態では、磁石46は、ガイド部451aのベルト内周面と対向する対向面に設けている。磁石46は、対向面に磁石46の厚み分だけの固定溝を設けそこに接着剤で固定されている。また、磁石46が磨耗した際の交換性を考慮して、耐熱性のある両面テープ(例えばアクリル系など)などで磁石46を固定溝に固定してもよい。また、磁石46の定着ベルト42の内周面と対向する面に、摩擦係数を下げる目的で、フッ素系コーティングを施してもよい。また、この実施形態では、磁石46は、ガイド部451aの所定の箇所にしか設けてないが、ガイド部451aのベルト摺動部全域に磁石46を設置した構成でもよい。
【0035】
図4は、定着ベルト42の断面図である。
図に示すように、定着ベルト42は、ニッケル、SUS、ポリイミドからなる無端状の基材42aの外周面にシリコーンゴムからなる弾性層(中間層)42bが形成され、その弾性層42bの外周面にPFAなどからなる離型層(表面層)42cが形成されている。そして、基材42aの両端には、鉄などの強磁性体や常磁性体からなる磁性体部42dが設けられている。この場合、最下層が基材42aと磁性体部42dとで構成されるため、端部と中央部とで剛性が異ならないよう、磁性体部42dの剛性と基材42aの剛性が近くなるようにするのが望ましい。あるいは、ベルト端部のみではなく、磁性体部42dを長手方向全域に設けてしまってもよい。このように構成することによって、定着ベルト42が片方に寄ってしまっても定着ベルト42を規制する磁力の変化を無くすことができる。さらに、摩擦係数を軽減するため、磁性体部42dのガイド部451aと接触する面にフッ素系のコーティングをしてもよい。また、基材42aが、ニッケルなどの常磁性体または強磁性体の場合は、基材42aをベルト端部まで延設させた構成でもよい。この場合も、定着ベルト42が片方に寄ってしまっても定着ベルト42を規制する磁力の変化を無くすことができる。
【0036】
このように、本実施形態においては、定着ベルト42の両端部に磁性体部42dが設けられていることで、各ガイド部材451のガイド部451aに設けた磁石46に定着ベルト42の両端部が吸着した状態で、定着ベルト42が回転する。定着ベルト42に定着ベルト42を外側に変形させる力が生じた場合、定着ベルト42の両端部は、変形する力に打ち勝って、ガイド部451aに沿って移動する。このように、定着ベルト42両端部が、磁石46に吸着されて移動することで、定着ベルト42を湾曲させる力が生じたとしても、両端部はガイド部451aから離間することなく、ガイド部451aに沿って移動する。これにより、定着ベルト42が外側に湾曲するのが抑制される。また、定着ベルト42に内側に変形させるような力が生じて、定着ベルト42の幅方向中央部が内側へ湾曲しようとしても、両端部は、ベルト幅方向側へ移動することなく、ベルト幅方向所定の位置に留まる。これにより、定着ベルト42が内側へ湾曲するのが抑制される。このように、定着ベルト42が外側へ湾曲したり、内側へ湾曲したりするのを抑制することができるので、定着ベルト42の波打ちや振れを抑制することができ、所定の回転軌跡で、安定的に回転することができる。
【0037】
また、上記では、ガイド部451aの定着ベルト42の内周面に対向する対向面に磁石46を設けているが、図5に示すように、対向面の裏面に磁石46を設けてもよい。図3の構成では、磁石46が直接定着ベルト42と接触するため、強い磁力を得ることができるが、定着ベルト42と摺擦するため、磨耗してしまう。一方、図5に示すように構成することで、定着ベルト42と直接接触しないため磁石46が磨耗することはない。また、磁石46の磨耗粉などが、回り込むことで発生するトルク上昇や、磨耗粉そのものが記録紙Sに移ってしまうことも防止できる。また、この構成では、磁石46と定着ベルト42との距離が離れるため、定着ベルト42に作用する磁力が弱まる。このため、対向面に設けた構成に比べて、強い磁力の磁石を用いる。
【0038】
また、図6に示すように、ガイド部451aに磁石46を内包してもよい。このように、ガイド部451aの磁石を内包させることで、ガイド部451aの対向面や裏面に設けた場合に比べて、熱の伝わりを軽減でき、熱減磁を防止する事ができる。具体的な設置方法としては、インサート成型して磁石46をガイド部451aの内部に埋め込んでしまう方法が望ましい。これにより、磁石46の磨耗もなく、かつ定着ベルト42との距離はある程度近く、熱減磁も防止できるため充分な磁力を確保できる。
【0039】
また、磁石46を設ける箇所は、定着ベルト42に振れや波打ちが発生すると、問題が生じる箇所に設ければよい。このように、定着ベルト42に振れや波打ちが発生すると、問題が生じる箇所にのみ磁石46を設けることで、ガイド部451a全周に磁石46を設けた場合に比べてトルクの上昇を抑えることができる。具体的には、図7に示すように、分離部材たる分離板47の当接部47bの近傍に磁石46を設ける。図7に示すように、分離板47の略中央には、定着ベルト42と当接する当接部47bが設けられており、この当接部47bが定着ベルト42に当接することにより、分離板47の先端47aと定着ベルト42とのギャップが所定のギャップとなるようにしていている。この当接部47b近傍で、定着ベルト42が波打ったり振れたりすると、分離板47の先端47aと定着ベルト42とのギャップが変動してしまい、良好な分離性が得られなくなってしまう。このため、この分離板47の当接部47b近傍に磁石46を設けることで、定着ベルト42の当接部近傍が振れたり波打ったりはしなくなり、定着ベルト42は、両端のガイド部451aに沿って移動する。これにより、分離板47の先端47aと定着ベルト42とのギャップを所定のギャップに維持することができ、安定した分離性を確保できる。
【0040】
また、図8に示すように、定着ニップ入口の近傍に磁石46を配置してもよい。定着ニップの近傍で、定着ベルト42に振れや波打ちが発生すると、定着ニップ入口近傍で、定着ベルト42が図示しない加圧ローラ側に膨らんでしまう場合がある。この際、進入してきた記録紙S上の未定着トナー像と定着ベルト42とが接触するなどして、画像不良(トナー散り、ミミズ画像)などが生じてしまう。このため、定着ニップ入口近傍に磁石46を配置して、定着ニップ入口近傍における振れや波打ちを抑制することにより、定着ニップ入口の定着ベルト42がガイド部451aに対して綺麗に摺接しながら移動する。これにより、定着ニップ入口近傍で、定着ベルト42が加圧ローラ側に膨らむことによる画像不良を防止する事ができる。
【0041】
さらに、図9に示すように、定着ベルト42の温度を検出する温度検知手段たる温度センサ49と円周方向同じ位置に磁石46を配置してもよい。定着ベルト42の温度を測定する差温度センサ49として用いられる非接触サーミスタなどは、一般的に定着ベルト42に対して2[mm]弱程度離した位置設けるのが制御的には理想的である。このため、この温度センサ49が設けられた位置で定着ベルト42に波打ちや振れが生じてしまうと、定着ベルト42と温度センサ49とのギャップが変動して、精度の高い温度検出ができない。よって、ガイド部451aの温度センサ49と定着ベルト42を介して対向する箇所に磁石46を設けることで、温度センサ49の測定位置での波打ちや振れが抑制され、定着ベルト42がガイド部451aに沿って移動する。これにより、定着ベルト42と温度センサ49とのギャップを所定のギャップに維持することができ、精度の高い温度検出を行うことができる。
【0042】
また、上述では、各ガイド部材451のガイド部451aに磁石46を設け、定着ベルト42の両端部に常磁性体や強磁性体を設けたが、ガイド部材451に常磁性体や強磁性体を設け、定着ベルト42の両端部に磁石46を設けた構成でもよい。この場合、図7〜図9に示す磁石46を設けた位置に、常磁性体や強磁性体を設け、図4に示すように、磁性体部42dを、磁石46に変更する。定着ベルト42の内周面に磁石46を配置することで、ガイド部451aとの距離も近く充分な磁力を得ることができる。この場合、最下層が、基材42aと磁石46になるため、端部のみ剛性が変わってしまう。このため、磁石46の剛性と基材42aの剛性が近くなるようにするのが望ましい。あるいは、ベルト端部のみではなく、磁石46を長手方向全域に設けてしまってもよい。このように構成することによって、定着ベルト42が片方に寄ってしまっても定着ベルト42を規制する磁力の変化を無くすことができる。さらに、摩擦係数を軽減するため、磁石46のガイド部451aと接触する面にフッ素系のコーティングをすることもよい。
【0043】
また、図10に示すように、定着ベルト42の中間層である弾性層42bに磁石46を設けてもよい。これによって磁石46とガイド部451aとが直接接触しなくなり磁石46の磨耗を防止でき、磨耗粉によるトルクの上昇・画像への影響を防止できる。また、磁石46の角が残っていると角部で弾性層42bの応力集中が発生してしまうため、磁石46の角は十分にR形状を付ける事が望ましい。
【0044】
また、上述では、定着ベルト42およびガイド部451aの一方を、強磁性体または常磁性体とし、他方を磁石としているが、両方磁石としてもよい。両方を磁石とすることで、強い磁力で定着ベルト42の両端部をガイド部451aへ引き付けることができる。
【0045】
以上、本実施形態の定着装置によれば、可撓性を有する無端状の回転可能な定着部材たる定着ベルト42と、定着ベルト42に対向するように設けられ定着ベルト42の外周面に対して加圧される回転駆動可能な加圧部材たる加圧ローラ41と、定着ベルト42を介して加圧ローラ41からの加圧を受けることにより、記録媒体たる記録紙Sが通過する定着ニップ部を形成するニップ形成手段44と、定着ベルト42の内周面に囲まれた内部空間に設けられ定着ベルト42を加熱する加熱手段たる熱源43と、定着ベルト42の内周面と対向し、上記定着ベルト42が所定の回転軌跡で回転するようガイドするガイド手段45とを備えている。このガイド手段45は、定着ベルト42の内周面の両端部のみと対向するガイド部451aを備え、定着ベルト42のガイド部451aとの対向部およびガイド部451aの一方に磁石46を設け、他方に磁性体または磁石を設けた。その結果、定着ベルト42の両端部は、磁力によりガイド部451aに当接して回転する。これにより、上述したように、定着ベルト42の波打ちや振れが抑制され、定着ベルト42を所定の回転軌跡で安定的に回転させることができる。
【0046】
また、図3に示すように、ガイド手段45の上記定着ベルト42の内周面と接触する箇所であるガイド部451aの対向面に磁石46を設け、定着ベルト42のガイド部451aと対向する箇所に常磁性体または強磁性体からなる磁性体部42dを設けた。これにより、磁石46を磁性体部42dに直接接触させることができる。よって、強い磁力で定着ベルト42の両端部をガイド部451aへ引き付けることができる。これにより、波打ちや振れの発生を良好に抑制することができ、安定した定着ベルト42の回転が可能となる。
【0047】
また、図5に示すように、磁石46を、ガイド部451aの対向面の裏面に設けてもよい。このように構成することで、磁石46の磨耗を防止することができる。
【0048】
また、図6に示すように、磁石46をガイド部451aに内包してもよい。このように構成することで、磁石46の温度上昇を抑えることができ、熱減磁による磁力の低下を抑えることができる。
【0049】
また、磁石46を、ガイド部451aの所定の箇所に配置することにより、磁石46をガイド部451aの円周方向全域に配置した場合に比べて、トルクのロスを少なくすることができる。
【0050】
また、磁石46は、図7に示すように、分離部材たる分離板47と定着ベルト42を介して対向する位置に配置するのが好ましい。これにより、分離位置で、定着ベルト42が波打ったり、振れたりするのを抑制することができ、定着ベルト42がガイド部451aに沿って移動する。その結果、常に定着ベルト42と分離板47の先端47aとの距離を一定に保つことができ、良好な分離性を確保することができる。
【0051】
また、磁石46を、図8に示すように、定着ニップ部の入口近傍に配置してもよい。これにより、定着ニップ入口近傍で、定着ベルト42が波打ったり、振れたりするのを抑制することができ、定着ベルト42がガイド部451aに沿って移動する。その結果、記録紙上の未定着トナー像に、定着ベルト42が触れて、記録紙上の画像を乱してしまうのを抑制することができる。
【0052】
また、図9に示すように、磁石46を温度検知手段たる温度センサ49が配設された箇所と円周方向同じ位置に配置してもよい。これにより、定着ベルト42の温度センサ49との対向位置で、定着ベルト42が波打ったり、振れたりするのを抑制することができ、定着ベルト42がガイド部451aに沿って移動する。その結果、温度センサ49と定着ベルト42とのギャップを所定の関係に維持することができ、精度の高い温度検知を行うことができる。
【0053】
また、ガイド部451aに常磁性体または強磁性体を設け、定着ベルト42の内周面のガイド部451aとの対向部分に磁石46を設けた構成でもよい。この場合も、定着ベルト42の磁石46とガイド部451aの磁性体とを直接接触させることができる。よって、強い磁力で定着ベルト42の両端部をガイド部451aへ引き付けることができる。これにより、波打ちや振れの発生を良好に抑制することができ、安定した定着ベルト42の回転が可能となる。
【0054】
また、図10に示すように、定着ベルト42の中間層である弾性層42bに磁石46を設けた構成でもよい。このように構成することで、磁石46が、ガイド部451aと摺動することがないので、磁石46の磨耗を防止することができる。
【0055】
また、磁石46の周囲に断熱部材を設けることで、磁石46の熱減磁を抑制することができる。
【符号の説明】
【0056】
4:定着装置
41:加圧ローラ
42:定着ベルト
42a:基材
42b:弾性層
42c:離型層
42d:磁性体部
43:熱源
44:ニップ形成手段
44a:当接部材
44b:支持ステー
45:ガイド手段
46:磁石
47:分離板
47b:当接部
49:温度センサ
451:ガイド部材
451a ガイド部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】特開2006−153948号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する無端状の回転可能な定着部材と、
上記定着部材に対向するように設けられ上記定着部材の外周面に対して加圧される回転駆動可能な加圧部材と、
上記定着部材を介して上記加圧部材からの加圧を受けることにより、記録媒体が通過する定着ニップ部を形成するニップ形成手段と、
上記定着部材の内周面に囲まれた内部空間に設けられ上記定着部材を加熱する加熱手段と、
上記定着部材の内周面と対向し、上記定着部材が所定の回転軌跡で回転するようガイドするガイド手段とを備えた定着装置において
上記ガイド手段は、上記定着部材の内周面の両端部のみと対向するよう構成されており、
上記定着部材の上記ガイド手段との対向部および上記ガイド手段の一方に磁石を設け、他方に上記磁石と引き合う磁性体または磁石を設けたことを特徴とする定着装置。
【請求項2】
請求項1の定着装置において、
上記ガイド手段の上記定着部材の内周面と接触する箇所に上記磁石を設け、
上記定着部材の上記ガイド手段との対向部分に常磁性体または強磁性体を設けたことを特徴とする定着装置。
【請求項3】
請求項1の定着装置において、
上記ガイド手段の上記定着部材の内周面と接触する面の裏面に上記磁石を設け、
上記定着部材の上記ガイド手段との対向部分に常磁性体または強磁性体を設けたことを特徴とする定着装置。
【請求項4】
請求項1の定着装置において、
上記ガイド手段の上記定着部材の内周面と対向する箇所に上記磁石を内包し、
上記定着部材の上記ガイド手段との対向部分に常磁性体または強磁性体を設けたことを特徴とする定着装置。
【請求項5】
請求項1乃至4いずれかの定着装置において、
上記磁石を、上記ガイド手段の所定の箇所に配置したことを特徴とする定着装置。
【請求項6】
請求項5の定着装置において、
上記定着ニップ部を通過した上記記録媒体の先端を上記定着部材から分離する分離部材を設け、
上記磁石を、上記分離部材と上記定着部材を介して対向する位置に配置したことを特徴とする定着装置。
【請求項7】
請求項5または6の定着装置において、
上記磁石を定着ニップ部の入口近傍に配置したことを特徴とする定着装置。
【請求項8】
請求項5乃至7いずれかの定着装置において、
上記定着部材の温度を検知する温度検知手段を備え、
上記磁石を上記温度検知手段が配設された箇所と円周方向同じ位置に配置したことを特徴とする定着装置。
【請求項9】
請求項1の定着装置において、
上記ガイド手段の上記定着部材の内周面と対向する箇所に常磁性体または強磁性体を設け、
上記定着部材の内周面の上記ガイド手段との対向部分に上記磁石を設けたことを特徴とする定着装置。
【請求項10】
請求項1の定着装置において、
上記ガイド手段の上記定着部材の内周面と対向する箇所に常磁性体または強磁性体を設け、上記定着部材の中間層の上記ガイド手段との対向部分に上記磁石を設けたことを特徴とする定着装置。
【請求項11】
請求項1乃至10いずれかの定着装置において、
上記磁石の周囲に断熱部材を設けたことを特徴とする定着装置。
【請求項12】
記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、
上記画像形成部で形成された上記記録媒体上の画像を定着させる定着装置と、を備えた画像形成装置において、
上記定着装置として、請求項1乃至11のいずれかの定着装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−145714(P2012−145714A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−3393(P2011−3393)
【出願日】平成23年1月11日(2011.1.11)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】