説明

定着装置および画像形成装置

【課題】定着装置に分離用の送風ファンを備える画像形成装置で、装置内温度が上昇した場合、装置を停止させることなく温度上昇を抑えることを可能にする。
【解決手段】用紙上に画像を形成する画像形成部と、画像が形成された用紙を通紙して用紙上の画像を定着する定着部と、定着部を加熱する定着加熱部と、装置内の環境温度を測定する温度測定部と、定着部を通過する用紙に送風して定着部から用紙を分離する送風部と、画像形成、通紙および送風を制御する制御部を備え、制御部は、温度測定部の測定結果を受け、当該装置内の温度が所定温度以上であると判定する場合、送風部における送風を抑制するとともに、画像形成および前記通紙を継続する制御を行うことで、適正な画像形成条件を維持しつつ、装置のダウンタイムを限りなく少なくして効率の良い画像形成や画像の定着を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通紙される用紙上の画像を加熱して画像を用紙に定着させる定着装置および定着装置を備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンター、ファクシミリ、及びこれらの諸機能を備えた複合機等の電子写真方式の画像形成装置においては、原稿に対応した潜像を感光体に形成し、この潜像にトナーを付与することによって顕像化し、この顕像化されたトナー像を用紙に転写し、この後、用紙のトナー像を定着装置で定着して排紙している。
【0003】
このようにトナー画像を定着する定着装置として、ハロゲンランプ等を内蔵した定着ローラーや定着ベルトなどの定着部材と、定着部材を加圧する加圧ローラーや加圧ベルトなどの加圧部材とによって構成される定着部で、トナー画像が転写された用紙を通紙しながら、加熱・加圧する熱定着方式の定着装置がある。このような定着装置は構成が簡便であるため、広く用いられている。
【0004】
上記のような定着装置では、定着の際に溶融したトナーが用紙を定着部材に接着させる作用を有するため用紙は定着部材に巻き付く傾向があり、これがJAMになるという問題がある。このため用紙の巻き付き防止の技術が開発されている。最も広く用いられている巻き付き防止技術は分離爪を用いたものであり、分離爪の先端を定着部材の表面に接近させて設けるか又は軽く接触させることにより、用紙を定着部材から分離する。
しかし、分離爪を用いた分離では、分離爪の先端が摩耗して分離性能が変化したり、定着部材の表面を傷つけたりするという問題がある。
このため、最近では、定着部材を通過する用紙にエアを吹き付けて用紙を定着部材から剥がす定着装置が提案されている。この定着装置では、定着排紙側に送風用ダクトを設置し、該送風用ダクトを通して送られるエアを定着部材を通った用紙に当てて分離を行っている。
【0005】
ところで、ファンによってエアが加熱されている定着部に吹き付けられると熱風が発生し、この熱風によって装置内温度が上昇する。装置内の温度が上昇するとトナーの状態が変化し画像形成に影響が出るだけでなく、廃トナーボックスへのダクト内部でトナーが固着して機械が破損してしまう場合がある。
このような装置内温度の上昇に対しては、印字停止や印字速度の制御によって冷却動作を行う画像形成装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、特許文献2では、複数の印刷装置がネットワークで接続されている場合、いずれかの印刷装置の装置内温度が上昇したとき、他の印刷装置に変更して印刷待ちジョブを印刷する印刷システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−058061号公報
【特許文献2】特開2000−172476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、従来から、装置内温度が高くなったら当該装置での動作を止めるなりして冷却を実施する方法が一般的である。しかし、この方法では、装置のダウンタイムが大きくなり生産性を落とす結果となる。また、装置内を冷却する冷却ファンを増やすことで温度上昇をある程度抑えることも可能であるが、コスト、騒音、消費電力の観点では問題となる。また、特許文献1の画像形成装置のように、印字速度を制御しても、エア分離ファンによる装置内温度の上昇を解消することはできない。
【0008】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、分離ファンによる送風時に装置内温度が上昇した場合に、装置を停止させることなく装置温度の低下を図ることができる定着装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明の定着装置のうち、第1の本発明は、
画像が形成された用紙を通紙して前記用紙上の画像を定着する定着部と、
前記定着部を加熱する定着加熱部と、
当該装置内の環境温度を測定する温度測定部と、
前記定着部を通過する用紙に送風して前記定着部から用紙を分離する送風部と、
前記通紙および前記送風を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記温度測定部の測定結果を受け、該測定結果に基づいて当該装置内の温度が所定温度以上であると判定する場合、前記送風を抑制するとともに、前記通紙を継続する制御を行うことを特徴とする。
【0010】
上記本発明によれば、定着装置内の温度が所定温度以上になると、用紙分離のための送風が抑制され、定着装置の稼働を停止することなく送風による定着装置内の温度上昇を抑制することができ、好適には定着装置内の温度低下を図ることができる。
【0011】
第2の本発明の定着装置は、前記第1の本発明において、前記制御部は、前記送風の抑制として、送風の停止または送風する風量の低下を行うことを特徴とする。
【0012】
上記本発明では、送風の抑制として送風の停止または風量の低下を行うことで、送風による定着装置内の温度上昇が抑制される。
【0013】
第3の本発明の定着装置は、前記第1または第2の本発明において、前記制御部は、前記所定温度よりも高い停止温度が設定されおり、当該装置内の温度が前記停止温度以上になると当該装置を停止する制御を行うことを特徴とする。
【0014】
上記本発明によれば、送風の抑制によっても定着装置内の温度上昇が続き、停止温度にまで達すると、定着装置を停止することで装置の安全を期することができる。
【0015】
第4の本発明の画像形成装置は、
用紙上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像が形成された用紙を通紙して前記用紙上の画像を定着する定着部と、前記定着部を加熱する定着加熱部と、当該装置内の環境温度を測定する温度測定部と、前記定着部を通過する用紙に送風して前記定着部から用紙を分離する送風部と、
前記画像形成、前記通紙および前記送風を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記温度測定部の測定結果を受け、当該装置内の温度が所定温度以上であると判定する場合、前記送風部における前記送風を抑制するとともに、前記画像形成および前記通紙を継続する制御を行うことを特徴とする。
【0016】
上記本発明によれば、画像形成装置内の温度が所定温度以上になると、用紙分離のための送風が抑制され、画像形成装置の稼働を停止することなく送風による画像形成装置内の温度上昇を抑制することができ、好適には画像形成装置内の温度低下を図ることができる。
【0017】
第5の本発明の画像形成装置は、前記第4の本発明において、前記制御部は、前記送風の抑制として、送風の停止または送風する風量の低下を行うことを特徴とする。
【0018】
上記本発明では、送風の抑制として送風の停止または風量の低下を行うことで、送風による画像形成装置内の温度上昇が防止される。
【0019】
第6の本発明の画像形成装置は、前記第4または第5の本発明において、前記制御部は、前記所定温度よりも高い停止温度が設定されおり、当該装置内の温度が前記停止温度以上になると当該装置を停止する制御を行うことを特徴とする。
【0020】
上記本発明によれば、送風の抑制によっても画像形成装置内の温度上昇が続き、停止温度にまで達すると、画像形成装置を停止することで装置の安全を期することができる。
【0021】
第7の本発明の画像形成装置は、前記第4〜第6の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、ジョブのプロセス条件と前記送風の条件とが関連付けられており、前記送風を抑制する制御を行う場合、実行中のジョブのプロセス条件が変更され、変更されたプロセス条件に対応する前記送風の条件によって前記送風の抑制が行われるように、前記プロセス条件を変更することを特徴とする。
【0022】
上記本発明によれば、現状よりも送風が抑制されるプロセス条件に変更することで、画像形成装置を停止することなく、画像形成装置の温度上昇を抑制する。
【0023】
第8の本発明の画像形成装置は、前記第4〜第7の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、ジョブのプロセス条件と前記送風の条件とが関連付けられており、前記送風を抑制する制御を行う場合、前記送風が抑制されるジョブを優先的に実行することを特徴とする。
【0024】
上記本発明によれば、送風の抑制をする際に、送風が抑制されるプロセス条件を有するジョブが優先的に実行されることにより、画像形成装置を停止することなく、また、生産性を低下させることなく画像形成装置内の温度上昇を抑制できる。
なお、上記ジョブを優先的に実行するため、実行中のジョブを中断してジョブを切り換えてもよく、また、実行中のジョブを完了した後、優先する上記ジョブを実行してもよい。
その場合、実行中のジョブを完了するための要時間などを考慮して実行中のジョブを中断するか、継続するかを決定するようにしてもよい。
【0025】
第9の本発明の画像形成装置は、前記第7または第8の本発明において、前記プロセス条件に、通紙速度、用紙の紙種、用紙の斤量が含まれており、これらの一以上と前記送風の条件とが関連付けられていることを特徴とする。
【0026】
上記本発明によれば、通紙速度、用紙の紙種、用紙の斤量が送風の抑制に対応するプロセス条件に変更したり、当該プロセス条件のジョブを優先的に実行したりすることができる。
【0027】
第10の本発明の画像形成装置は、前記第4〜第9の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記送風の抑制を行っている場合、当該装置内の温度が第2の所定温度を下回ると、前記送風を通常に戻す制御を行うことを特徴とする。
【0028】
上記本発明によれば、送風を抑制する制御を行った結果、画像形成装置内が安全な第2の所定温度にまで低下する場合に、通常の送風に戻してエア分離効果を十分に得ることができる。送風を通常に戻す制御では、送風が通常に行われるプロセス条件に変更することを伴うものであってもよい。
【0029】
第11の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第10の本発明のいずれかにおいて、前記制御部で制御され、操作入力を受ける操作部を有し、前記制御部は、前記送風を抑制する制御を行う場合、前記操作部を通して前記送風を抑制するか否かを選択可能にすることを特徴とする。
【0030】
上記本発明によれば、制御部によって送風の抑制が必要と判定される場合、操作者によって送風の抑制を行うか否かを優先して決定することができる。
【発明の効果】
【0031】
以上説明したように、本発明によれば、適正な画像形成条件を維持しつつ、装置のダウンタイムを限りなく少なくして効率の良い画像形成や画像の定着を行うことができる。
また、冷却ファン増加によるコストアップ、騒音、消費電力の増加を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態の画像形成装置の機械的構成を示す概略断面図である。
【図2】同じく、画像形成装置の制御ブロックを示す図である。
【図3】同じく、定着装置の詳細を示す図である。
【図4】同じく、定着装置のエア分離による装置内温度の上昇を説明する図である。
【図5】同じく、プロセス条件の変更によって送風を抑制した場合の装置内温度の遷移を示す図である。
【図6】同じく、プロセス条件の変更によって送風を抑制する制御手順を示すフローチャートである。
【図7】同じく、JOBの入れ替えによって送風を抑制した場合の装置内温度の遷移を示す図である。
【図8】同じく、JOBの入れ替えによって送風を抑制する制御手順を示すフローチャートである。
【図9】同じく、送風の抑制の実行有無を操作者によって選択する操作画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示される画像形成装置1は、画像形成部10、定着装置19、スキャナー部130を備えている。
スキャナー部130では、自動原稿搬送装置(図1では省略)で搬送される原稿、またはプラテン31上に配置された原稿の画像を読み取り、一旦、図示しない画像メモリーなどに記録される。
画像形成部10では、各色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなど)用にそれぞれ用意された感光体11C、11M、11Y、11K(以下、総称する場合、感光体11と称する)を有し、各感光体11C、11M、11Y、11Kの周線部に帯電器12C、12M、12Y、12K(以下、総称する場合、帯電器12と称する)、書き込み部13C、13M、13Y、13K(以下、総称する場合、書き込み部13と称する)、現像ユニット14C、14M、14Y、14K(以下、総称する場合、現像ユニット14と称する)が配設されていており、帯電器12によって帯電した感光体11表面は、画像メモリーなどに記録された原稿の画像情報に基づいて書き込み部13により像露光が行われ、感光体11表面には潜像が形成される。該潜像は現像ユニット14によって現像がなされてトナー像となる。トナー像は、中間転写ベルト16に転写され、該中間転写ベルト16から二次転写ローラー18によって搬送路22で搬送される用紙に転写される。転写された用紙は定着装置19によって加熱定着されて排紙部に画像形成出力(プリント)がなされる。搬送路22は、本発明の用紙搬送部の一部を構成している。
搬送路22には、用紙を突き当てて傾きを修正する対のレジストローラー23が配置されている。
【0034】
また、画像形成部10では、各感光体11C、11M、11Y、11Kに対応して、中間転写ベルト16との接触位置よりも回転方向側かつ帯電器12C、12M、12Y、12Kよりも回転方向逆側で、各感光体11C、11M、11Y、11Kに接触して残留トナーを除去するクリーニング部15C、15M、15Y、15K(以下、総称する場合、クリーニング部15と称する)が配置されている。また、中間転写ベルト16の用紙転写位置よりも回転方向側かつ各感光体11C、11M、11Y、11Kとの転写位置よりも回転方向逆側に、該中間転写ベルト16の残留トナーを除去するクリーニング部17が配置されている。
なお、上記した各感光体11は、図示しない駆動モータによって回転駆動され、中間転写ベルト16も同じく図示しない駆動モータによって回転駆動される。
【0035】
また、画像形成装置1には、前記画像形成部10の下方側に、用紙を収納した複数の給紙トレイ21が配置されている。また各給紙トレイ21から画像形成部10に至り、さらに画像形成部10から排紙部に至る搬送路22を有している。
搬送路22では、給紙トレイ21に収容されている用紙が給紙され、レジストローラー23を経て、二次転写ローラー18に搬送される。二次転写ローラー18では、用紙上に中間転写ベルト16上のカラー画像やモノクロ画像が転写される。画像が転写された用紙は、定着装置19にて熱と圧力とを加えることにより用紙上のトナー像が定着される。定着装置19には、定着した用紙の分離を行う送風部193が設置されている。定着後の用紙は、片面モードのフェイスアップでは装置本体外に排出される。
【0036】
また、画像形成装置1は用紙反転搬送路24を備えており、定着がなされた用紙を定着装置19から用紙反転搬送路24に導いて表裏を反転しフェイスダウンで排出、あるいは両面モードにおいて用紙の両面に画像形成を行うことを可能としている。用紙反転搬送路24は、レジストローラー23の上流側で用紙搬送路22に合流しており、用紙を環流させることができる。
また、画像形成装置1の本体上部には操作部140が設置され、各種の設定入力や表示をおこなうことができる。
さらに、画像形成装置1の本体内部には、画像形成装置1内の環境温度を測定する温度測定部40が配置されている。温度測定部40は画像形成装置1の本体内の適宜箇所に設置することができ、また、複数を設置するものであってもよい。
【0037】
次に、図2は、本発明の画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。以下に説明する。
画像形成装置1は、主要な構成として、制御ブロック110とスキャナー部130と操作部140とプリンター部150とを有するコピア本体と、LANを通して端末(PC)2との間で入出力される画像データーを処理する画像処理手段(プリント&スキャナーコントローラー)160とを備えている。
【0038】
制御ブロック110はPCIバス112を有しており、PCIバス112は制御ブロック110内でDRAM制御IC111に接続されている。また、制御ブロック110には、画像制御CPU113を備えており、該画像制御CPU113に前記DRAM制御IC111が接続されている。また、画像制御CPU113には、不揮発メモリー115が接続されている。該不揮発メモリー115には、上記画像制御CPU113を動作させるためのプログラムや画像形成装置1の設定データー、プロセス制御パラメーター等、送風部193の制御データーなどが格納されている。
【0039】
画像制御CPU113は、画像形成装置1の全体を制御し、また画像形成装置全体の状態把握を行うものであり、用紙の通紙制御、画像形成制御、定着制御などを行う。すなわち、画像制御CPU113は、本発明の制御部として機能する。
また、画像制御CPU113には、IO部119が接続されている。IO部119は、画像形成装置1内の各部との間で情報の授受を行うインターフェースとして動作する。例えば、温度測定部40が接続され、温度測定部40による環境温度の測定結果が画像制御CPU1113に送信される。
【0040】
前記スキャナー部130は、光学読み取りを行うCCD131と、スキャナー部130全体の制御を行うスキャナー制御部132とを備えている。スキャナー制御部132は、前記画像制御CPU113とシリアル通信可能に接続されており、画像制御CPU113による制御を受ける。なお、スキャナー制御部132は、CPUやこれを動作させるプログラムなどによって構成することができる。前記CCD131で読み取った画像データーは、読み取り処理部116でデーター処理がなされる。読み取り処理部116には、画像データーを圧縮する圧縮IC118が接続されており、該圧縮IC118は、前記したDRAM制御IC111に接続されている。
【0041】
前記操作部140は、タッチパネル式のLCD141と、操作部制御部142とを備えており、上記LCD141と操作部制御部142とが接続され、該操作部制御部142と前記画像制御CPU113とがシリアル通信可能に接続されている。該構成によって操作部140の制御が画像制御CPU113によって行われる。なお、操作部制御部142は、CPUやこれを動作させるプログラムなどによって構成することができる。操作部140では、画像形成装置における設定や動作指令などの動作制御条件の入力が可能となっており、さらに設定内容、機械状態、情報の表示等が可能になっており、上記画像制御CPU113により制御される。この操作部140によって、所定の操作などを行うことができる。
【0042】
また、DRAM制御IC111は、圧縮メモリー120とページメモリー121とからなる画像メモリーに接続されている。該画像メモリーには、前記スキャナー部130で取得した画像データーやLAN50を通して取得した画像データーが格納される。上記のように画像メモリーは、画像データーの記憶領域であり、印刷するジョブの画像データーを格納する。また、上記DRAM制御IC111によって複数のジョブに関する画像データーを画像メモリーに記憶させることができる。すなわち、画像メモリーには予約されたジョブの画像データーの格納も可能である。
【0043】
さらにDRAM制御IC111には、圧縮された画像データーを伸長する伸長IC125が接続されており、該伸長IC125には書き込み処理部126が接続されている。該書き込み処理部126は、プリンター部150のLD152(図1の書き込み部13が相当する)に接続され、該LD152の動作に用いられるデーターの処理を行う。また、プリンター部150は、プリンター部150の全体を制御するプリンター制御部151を備えており、該プリンター制御部151は、前記した画像制御CPU113に接続されて制御を受ける。すなわち、画像制御IC113から与えられるパラメーターに従い、プリント動作の開始/停止を行う。プリンター部150には、前記した画像形成部10、搬送路22が含まれており、画像制御CPU113によってその動作の制御がなされる。
【0044】
また、プリンター制御部151には、図1では示されていない後処理装置(FNS部)170に備える後処理制御部(FNS制御部)171が接続されている。これにより、後処理装置(FNS部)170の制御を、プリンター制御部151、後処理制御部171を通して画像制御CPU113により行うことができる。なお、プリンター制御部151、後処理制御部171は、CPUやこれを動作させるプログラムなどによって構成することができる。
【0045】
また、前記DRAM制御IC111に接続された前記PCIバス112には、前記した画像処理手段(プリント&スキャナーコントローラー)160のDRAM制御IC161が接続されている。画像処理手段(プリント&スキャナーコントローラー)160では、DRAM制御IC161に画像メモリー162が接続されている。また、画像処理手段(プリント&スキャナーコントローラー)160では、前記DRAM制御IC161にコントローラー制御CPU163が接続されており、DRAM制御IC161にLANインターフェース165が接続されている。LANインターフェース165は、前記LAN50に接続されている。
【0046】
次に、上記画像形成装置1の基本的動作について説明する。
先ず、画像形成装置1において画像データーを蓄積する手順について説明する。
スキャナー部130で原稿の画像を読み取り画像データーを生成する場合、スキャナー部130において原稿からCCD131により原稿の画像を光学的に読み取る。この際には、画像制御CPU113から指令を受けるスキャナー制御部132によってCCD131の動作制御を行う。CCD131で読み取られた画像は、読み取り処理部116でデーター処理がなされ、データー処理された画像データーは、圧縮IC118において所定の方法によって圧縮され、DRAM制御IC111を介して圧縮メモリー120に格納される。圧縮メモリー120に格納された画像データーは、画像制御CPU113によってジョブとして管理することができる。
【0047】
画像データーを外部から取得する場合、例えば、端末(PC)2からLAN50を通して送信される画像データーは、LANインターフェース165を介してDRAM制御IC161により画像メモリー162に格納される。画像メモリー162のデーターは、DRAM制御IC161、PCIバス112、DRAM制御IC111を介してページメモリー121に一旦格納される。ページメモリー121に格納されたデーターは、DRAM制御IC111を介して圧縮IC118に順次送られて圧縮処理され、DRAM制御IC111を介して圧縮メモリー120に格納され、上記と同様に画像制御CPU113による管理がなされる。
画像形成装置1で画像出力を行う場合、すなわち複写機やプリンターとして使用する場合、圧縮メモリー120に格納された画像データーをDRAM制御IC111を介して伸長IC125に送出してデーターを伸長し、伸長したデーターを書き込み処理部126に送出し、LD152において感光体11への書き込みを行う。
【0048】
また、プリンター部150では、画像制御CPU113の指令を受けたプリンター制御部151によって各部の制御が行われる。画像形成部10では感光体11に書き込まれたトナー像が中間転写ベルト16に転写された後、給紙トレイ21によって供給される用紙に転写され、定着装置19で定着がなされる。画像形成がなされた用紙は、定着搬送ローラー25を経て搬送路22によって後処理装置(FNS部)170へと搬送され、後処理の指定がある場合には後処理がなされ、後処理が不要の場合、そのまま排紙トレイに排紙される。複数の予約ジョブがある場合、上記画像出力が設定順番に従って順次行われる。
また、感光体11では、中間転写ベルト16にトナー像が転写された後、クリーニング部15によって残留トナーが除去される。また、中間転写ベルト16においても同様に、用紙にトナー像が転写された後、クリーニング部17によって残留トナーが除去される。
【0049】
次に、上記定着装置19の詳細を図3に基づいて説明する。
定着装置19は、ハロゲンランプを内蔵した定着ローラー191と加圧ローラー192とを有しており、定着ローラー191と加圧ローラー192との間にニップ部Nが形成される。ニップ部Nで用紙P上のトナー像を加熱・加圧して定着する。定着ローラー191と加圧ローラー192は、定着部190を構成する。定着ローラー191は、図示しない駆動装置によって図示時計回りに回転する。
【0050】
定着ローラー191は、中央に内蔵されたハロゲンヒータHを有している。ハロゲンヒータHは、本発明の定着加熱部に相当する。ハロゲンヒータHは、画像制御CPU113に制御可能に接続され、定着ローラー191を所定温度に加熱するように制御される。
加圧ローラー192の表層は、PFAやPTFEから成り、コーティングされたり、チューブで被覆されたりする。そして、加圧ローラー192は不図示の付勢部材によって定着ローラー191側に付勢され、定着ローラー191を下方より押圧している。
【0051】
さらに、ニップ部Nの下流側直後には、送風部193が設置されている。送風部193は、送風ファン193aと、送風ファン193aから送られる風をニップ部Nの下流側直後の搬送路22に吹き付ける送風ダクト193bとを有しており、送風ファン193aは、画像制御CPU113に制御可能に接続され、その動作が画像制御CPU113により制御される。
【0052】
以上の構成により、ハロゲンヒータHによって加熱された定着ローラー191が不図示のモータにより駆動されて図示時計方向に回転すると、加圧ローラー192は図示反時計方向に従動回転する。また、加圧ローラー192は定着ローラー191に圧接しているので、定着ローラー191と加圧ローラー192との間にニップ部Nが形成され、図1の如き画像形成装置1によってトナー像が転写された用紙Pは、搬送路22で通紙されてニップ部Nで挟持・搬送されて加熱・加圧され、トナー像が定着される。また、定着ローラー191に付着する用紙Pの先端部は送風部193による送風により剥離される。
なお、この実施形態では、定着装置が画像形成装置の本体内に設置されているものとして説明しているが、画像形成装置の本体外に定着装置が設置されたものであってもよい。
【0053】
なお、送風部193によって送風を行うと、図4に示すように熱風が定着装置の周りに拡散し、画像形成装置1の本体内の環境温度を上昇させる。環境温度は温度測定部40で測定され、測定結果が画像制御CPU113に送信されている。画像制御CPU113では、第1の所定温度と第2の所定温度とが設定されており、画像制御CPU113は、測定された温度が第1の所定温度以上になると、送風を抑制するものとして送風を停止し、測定された温度が第2の所定温度を下回ると送風を通常にする。また、画像制御CPU113では停止温度が設定されており、画像制御CPU113は、測定された温度が停止温度以上になると機械停止する制御を行う。第1の所定温度は、本発明の所定温度に相当する。
第1の所定温度、第2の所定温度および停止温度は、機械設定として設定され、不揮発メモリー115に読み出し可能に格納しておくことができる。また、第1の所定温度、第2の所定温度、機械停止温度の一以上を操作者が操作部140を通して設定をしたり、変更したりできるようにしてもよい。
【0054】
また、この形態例では、プロセス条件と送風条件とが関連付けられている。その例を、下記表1に示す。すなわち、プロセス条件として紙種、斤量、通紙速度を有しており、これらプロセス条件に対し、送風条件として風量が関連付けて設定されている。なお、プロセス条件には、さらに他の条件を有している。これは定着装置における用紙の分離性がプロセス条件によって変わってくるためである。特に定着部を通過するときの用紙の通紙速度(プロセス線速)に影響を受ける。通紙速度が早いほど用紙の分離性は悪くなり、通紙速度が遅いほど用紙の分離性は良くなる。
これらの点から表1では、各紙種、各斤量におけるエア分離ファン設定風量が定められている。
【0055】
【表1】

【0056】
通常、高速モードでプリントする場合、紙種、斤量に応じた風量でエアを吹き付けて用紙を分離する必要がある。しかし、通紙速度を中速、低速にダウンさせることで用紙の分離性が良くなるため、分離ファンのエアによる分離が不要となる。したがって、送風を抑制する必要が有る場合は、通紙速度をダウンさせることで対処することができる。
【0057】
図5は、1つのジョブ実行時に通紙速度をダウンしてエア分離を停止させた場合の装置内温度遷移を表したものである。ジョブ開始時は、通常通りエア分離有りの高速モードでプリントを実施する。すると装置内温度が上昇する場合があるので、エア分離停止温度yに到達したら通紙速度を中低速モードに切り替え、エア分離用の送風ファン193aを停止させる。このとき、エア分離停止温度yは、エア分離再起動温度x<エア分離停止温度y<機械停止温度zとなるよう設定することとする。なお、エア分離停止温度yは、本発明の所定温度に相当し、エア分離再起温度xは、本発明の第2の所定温度に相当する。
装置内温度がyに到達し、通紙速度をダウンしてエア分離用の送風ファン193aを停止させることで、装置内の温度が下がり始める。装置内温度がエア分離再起動温度xまで低下したら、通常の高速モードに戻し、エア分離用の送風ファン193aを駆動させる。
【0058】
次に、上記動作における制御手順を図6のフローチャートに基づいて説明する。なお、以下の手順は、画像制御CPU113によって実行される。
ジョブのプリント開始を待機し(ステップs1)、プリントが開始すると(ステップs1、YES)、動作モードを高速にする(ステップs2)。なお、ジョブでは紙種や斤量が予め設定されており、表1に示すデーターに基づいて送風部193における風量が決定され、該風量に基づいて送風部193による送風が行われる。また、装置内の温度は温度測定部40によって測定される。
【0059】
次いで、動作モードが高速であるかを判定し(ステップs3)、動作モードが高速である場合(ステップs3、YES)、装置内温度がエア分離停止温度yを下回っているかを判定する(ステップs4)。装置内温度は、温度測定部40によって測定されている。装置内温度がエア分離停止温度yを下回っていれば(ステップs4、YES)、装置内の温度は規定内であるので、送風の制御は行うことなく、JOBが終了したかを判定し(ステップs5)、JOBが終了していなければ(ステップs5、NO)、ステップs3に戻って処理を継続し、JOBが終了していれば(ステップs5、YES)、処理を終了する。
ステップs4で装置内温度がエア分離停止温度y以上であれば(ステップs4、NO)、分離用の送風ファン193aを停止し(ステップs6)、通紙速度(線速)をダウンする(ステップs7)。動作モードは、中低速に設定され(ステップs8)、JOB終了かの判定(ステップs5)に移行する。
【0060】
また、ステップs3で動作モードが高速でない場合(ステップs3、NO)、装置内温度が機械停止温度zを下回っているかを判定する(ステップs9)。装置内温度が機械停止温度zを下回っていれば(ステップs9、YES)、装置内温度がエア分離再起動温度xを下回っているかを判定する(ステップs10)。装置内温度がエア分離再起動温度x以上であれば(ステップs10、NO)、そのまま、JOB終了かの判定(ステップs5)に移行する。装置内温度がエア分離再起動温度xを下回っていれば(ステップs10、YES)、分離用の送風ファン193aを駆動し(ステップs11)、通紙速度(線速)をアップし(ステップs12)、動作モードを高速に設定する(ステップs13)。その後、JOB終了かの判定(ステップs5)に移行する。
【0061】
また、ステップs9で、装置内温度が機械停止温度z以上である場合(ステップs9、NO)、JOBの中断処理をし(ステップs14)、装置内温度がエア分離再起動温度xを下回るまで待機する(ステップs15)。装置内温度がエア分離再起動温度xを下回ると(ステップs15、YES)、JOBの再開処理をし(ステップs16)、動作モードを高速に設定する(ステップs17)。この際には、送風ファン193aは、高速モードに応じた風量で動作する。その後、JOB終了かの判定(ステップs5)に移行する。
なお、上記の例では、プロセス条件の変更によって送風が停止するものについて説明したが、プロセス条件の変更によって風量ダウンとなるものがある場合、風量ダウンとなるプロセス条件に変更する制御を行うようにしてもよい。
【0062】
上記では、送風の抑制が必要な場合、プロセス条件を変更することによって対応している。本発明では、送風の抑制が必要な場合、ジョブのプロセス条件は変更せず、予約済みのジョブの中で送風が抑制されるジョブを優先して実行することで送風の抑制が行われるようにしてもよい。例えば、現在実行中のジョブを停止し、エア分離不要のジョブを優先的に実施することでエア分離用の送風ファン193aを停止させ、その間に装置内の温度を低下させることができる。
下記の表2は、画像制御CPU113で管理されているジョブの一覧を示すものである。現在、JOB1が実行され、JOB2〜4が待ちの状態にある。JOB1の実行中に送風の抑制が必要となる場合、JOB1の実行を一時停止し、JOB3を優先的に実行することで、送風が停止される。
【0063】
【表2】

【0064】
図7は、装置内温度がエア分離停止温度yに到達して、ジョブの入れ替えを実施した場合の温度の遷移を示す図である。以下、説明する。
JOB1をエア分離有りの高速モードで実施中に装置内温度が上昇し、エア分離停止温度yに到達したら、現在予約されているJOBの中でエア分離不要のJOBがあるかどうかを確認する。この場合、JOB3の用紙は分離不要である為、JOB1を一時停止させ、JOB3に切り替えて実施する。JOB3実施中はエア分離ファン0%のため、装置内温度が次第に低下する。JOB3が終了したら、一時停止していたJOB1を再開する。
なお、この例ではJOB3完了時に装置内温度が十分下がっている為JOB1を再開しているが、装置内温度が十分に下がっていない場合は、さらに風量0%のJOB4を実施してからJOB1を再開するようにしても良い。
また、この例では、風量0%のジョブに切り替える例で記載したが、機械停止温度までは上がらないような風量の弱いジョブがある場合は、そのジョブに切り替えても良い(例:風量100%ジョブから風量30%ジョブに切り替えるなど)
【0065】
次に、上記動作を得る手順を図8のフローチャートに基づいて説明する。なお、以下の手順は、画像制御CPU113によって実行される。
ジョブのプリント開始を待機し(ステップs20)、プリントが開始すると(ステップs20、YES)、装置内温度がエア分離停止温度yを下回っているかを判定する(ステップs21)。装置内温度は、温度測定部40によって測定されている。装置内温度がエア分離停止温度yを下回っていれば(ステップs21、YES)、装置内の温度は規定内であるので、送風を抑制する制御を行うことなく、JOBが終了したかを判定し(ステップs22)、JOBが終了していなければ(ステップs22、NO)、ステップs21に戻って処理を継続し、JOBが終了していれば(ステップs22、YES)、処理を終了する。
【0066】
ステップs21で装置内温度がエア分離停止温度y以上であれば(ステップs21、NO)、予約ジョブ中に、エア分離不要のJOBか風量ダウンとなるJOBが有るかを判定する(ステップs23)。予約ジョブ中に、エア分離不要のJOBか風量ダウンとなるJOBが有る場合(ステップs23、Yes)、現在のJOBの一時停止処理をし(ステップs24)、エア分離不要のJOBか風量ダウンとなるJOBを開始する(ステップs25)。なお、エア分離不要のJOBと風量ダウンとなるJOBのいずれもがある場合、どちらを優先するかを予め設定しておき、その優先順位にしたがってJOBが選択されるようにすることができる。また、エア分離不要のJOBか風量ダウンとなるJOBが複数存在する場合は、本来のJOBの優先順位に従って実行するようにしてもよい。
【0067】
エア分離不要のJOBか風量ダウンとなるJOBを開始した後、装置内温度が機械停止温度zを下回っているかを判定する(ステップs26)。装置内温度が機械停止温度zを下回っている場合(ステップs26、YES)、JOBが終了したかを判定する(ステップs27)。
一方、装置内温度が機械停止温度z以上の場合(ステップs26、NO)、装置内冷却制御を行い(ステップs28)、JOBが終了したかを判定する(ステップs27)。装置内冷却制御の詳細は後述する。
JOBが終了していない場合(ステップs27、NO)、ステップs26に戻り、JOBの実行を継続する。JOBが終了すると(ステップs27、YES)、一時停止したジョブを再開し(ステップs29)、JOBが終了したかの判定(ステップs22)に移行する。
【0068】
また、ステップs23で、エア分離不要のJOBと風量ダウンとなるJOBのいずれもないと判定される場合(ステップs23、NO)、装置内冷却制御を行い(ステップs30)、その後、JOBが終了したかの判定(ステップs22)に移行する。
【0069】
装置内冷却制御(ステップs28、s30)では、JOBの中断処理を行い(ステップs300)、装置内温度がエア分離再起動温度xを下回るまで待機する(ステップs301)。装置内温度がエア分離再起動温度xを下回ると(ステップs301、YES)、JOBの再開処理をし(ステップs302)、装置内冷却制御を終了する。
【0070】
なお、上記手順では、予約ジョブにエア分離不要ジョブと風量ダウンジョブのいずれもがない場合、装置内冷却の為に装置を一旦停止する例で記載したが、図6のフローチャートで示したように、現在実行中のJOBの通紙速度(線速)を落とすなどするプロセス条件の変更を行ってしてエア分離用の送風ファンの停止や風量をダウンする制御に切り替えても良い。
【0071】
なお、上記各例では、装置内温度がエア分離停止温度y以上である場合、制御部によって自動的に送風を抑制する制御を行うものとして説明したが、その実行有無の決定や送風抑制の内容決定を操作者が行えるようにしてもよい。
【0072】
例えば、装置内温度が所定温度以上となった場合、図9に示すように、操作部140上の操作画面1400に定着エア分離ファンを停止する旨の内容1401を表示し、定着巻きつきJAMの可能性があるが現在のジョブを継続するかどうかをユーザーに選択させるようにしても良い。操作画面1400には、「はい」釦1402と「いいえ」釦1403とを押釦可能に表示し、「はい」釦1402が押釦されると、制御部では、送風を抑制する制御を行いつつ、JOBの実行を継続する。JOBの実行には、プロセス条件の変更やJOBの入れ替えが含まれる。「いいえ」釦1403が押釦されると、送風を抑制することなく現在のJOBの実行を継続する。元々。定着エア分離用の送風ファンは、巻きつく可能性がある用紙をより巻きつかないようにするためのもので、定着エア分離ファンを停止させたからといって、必ず巻きつきJAMが発生するものではない。したがって、操作者の判断によって送風の抑制を行うかどうかを決定できようにすることで、例えば生産効率を優先した処理を行うことが可能になる。
また、上記では、送風を停止するか否かを選択するものとしたが、風量ダウンを行うか否かを選択可能にしてもよい。さらには、送風の停止や風量ダウン、送風を抑制しないなどを択一的に選択できるようにしてもよく、また、風量ダウン量を操作者が決定できるようにしてもよい。
【0073】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の説明内容に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1 画像形成装置
10 画像形成部
19 定着装置
22 搬送路
40 温度測定部
113 画像制御CPU
114 不揮発メモリー
140 操作部
190 定着部
191 定着ローラー
192 加圧ローラー
193 送風部
193a送風ファン
1400 設定画面
H ハロゲンランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が形成された用紙を通紙して前記用紙上の画像を定着する定着部と、
前記定着部を加熱する定着加熱部と、
当該装置内の環境温度を測定する温度測定部と、
前記定着部を通過する用紙に送風して前記定着部から用紙を分離する送風部と、
前記通紙および前記送風を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記温度測定部の測定結果を受け、該測定結果に基づいて当該装置内の温度が所定温度以上であると判定する場合、前記送風を抑制するとともに、前記通紙を継続する制御を行うことを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記送風の抑制として、送風の停止または送風する風量の低下を行うことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記所定温度よりも高い停止温度が設定されおり、当該装置内の温度が前記停止温度以上になると当該装置を停止する制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
【請求項4】
用紙上に画像を形成する画像形成部と、
前記画像が形成された用紙を通紙して前記用紙上の画像を定着する定着部と、前記定着部を加熱する定着加熱部と、当該装置内の環境温度を測定する温度測定部と、前記定着部を通過する用紙に送風して前記定着部から用紙を分離する送風部と、
前記画像形成、前記通紙および前記送風を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記温度測定部の測定結果を受け、当該装置内の温度が所定温度以上であると判定する場合、前記送風部における前記送風を抑制するとともに、前記画像形成および前記通紙を継続する制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記送風の抑制として、送風の停止または送風する風量の低下を行うことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記所定温度よりも高い停止温度が設定されおり、当該装置内の温度が前記停止温度以上になると当該装置を停止する制御を行うことを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、ジョブのプロセス条件と前記送風の条件とが関連付けられており、前記送風を抑制する制御を行う場合、実行中のジョブのプロセス条件が変更され、変更されたプロセス条件に対応する前記送風の条件によって前記送風の抑制が行われるように、前記プロセス条件を変更することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、ジョブのプロセス条件と前記送風の条件とが関連付けられており、前記送風を抑制する制御を行う場合、前記送風が抑制されるジョブを優先的に実行することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記プロセス条件に、通紙速度、用紙の紙種、用紙の斤量が含まれており、これらの一以上と前記送風の条件とが関連付けられていることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記送風の抑制を行っている場合、当該装置内の温度が第2の所定温度を下回ると、前記送風を通常に戻す制御を行うことを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部で制御され、操作入力を受ける操作部を有し、前記制御部は、前記送風を抑制する制御を行う場合、前記操作部を通して操作者によって前記送風を抑制するか否かを選択可能にすることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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