説明

定着装置および画像形成装置

【課題】外部加熱ロール108に接触する接触部材(第2温度センサ126)にトナーが運ばれるのを抑制するようにした定着装置を提供する。
【解決手段】定着ロール102、外部加熱ロール108およびクリーニングウェブ112が互いに離れる位置にある状態から外部加熱ロール108を定着ロール102に接触する位置に切り換える際、外部加熱ロール108における定着ロール102に接触した部位が外部加熱ロール108とクリーニングウェブ112とが接触する位置に至る前にクリーニングウェブ112を外部加熱ロール108に接触する位置に切り換えるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、図2のように、定着用回転体(14)と外部加熱回転体(13)を備えた定着装置(12)において、定着用回転体(14)および外部加熱回転体(13)の各表面に付着するトナー等の付着物をより効率よくかつ確実に、しかも比較的長期にわたって安定して清掃除去することができるように、定着用回転体(14)と外部加熱回転体(13)の双方の表面に接触して移動するクリーニング部材(21)を備えるクリーニング装置(20)を設けるように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−174889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、加熱部材に接触する接触部材にトナーが運ばれるのを抑制するようにした定着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1の定着装置は、トナーを保持する記録媒体に回転しながら接触し、前記記録媒体に保持されるトナーを定着する定着部材と、熱源を有し、前記定着部材に接触する位置および前記定着部材から離れる位置のいずれかの位置に切り換えられ、前記定着部材に接触する位置に切り換えられているときに回転しながら前記定着部材を加熱する加熱部材と、前記加熱部材に接触する位置および前記加熱部材から離れる位置のいずれかの位置に切り換えられ、回転する前記加熱部材に接触する位置に切り換えられているときに前記加熱部材を清掃する清掃部材と、前記加熱部材の回転方向において前記加熱部材と前記清掃部材とが接触する位置よりも下流側であって前記定着部材と前記加熱部材とが接触する位置よりも上流側において前記加熱部材に接触して設けられる接触部材と、前記定着部材、前記加熱部材および前記清掃部材が互いに離れる位置にある状態から前記加熱部材を前記定着部材に接触する位置に切り換える際、前記加熱部材における定着部材に接触した部位が前記加熱部材と前記清掃部材とが接触する位置に至る前に前記清掃部材を前記加熱部材に接触する位置に切り換える切換手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
本発明の請求項2の定着装置は、請求項1に記載の定着装置において、前記切換手段は、前記清掃部材を前記加熱部材に接触する位置に切り換えてから前記加熱部材を前記定着部材に接触する位置に切り換えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3の画像形成装置は、静電潜像が形成される像保持体と、前記像保持体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像装置と、前記現像装置によって現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着する請求項1または請求項2に記載の定着装置と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の請求項1に記載の定着装置によれば、請求項1に記載の切換手段を有しない場合に比べて、加熱部材に接触する接触部材にトナーが運ばれるのを抑制することができる。
【0009】
本発明の請求項2に記載の画像形成装置によれば、清掃部材を加熱部材に接触する位置に切り換える前に加熱部材を定着部材に接触する位置に切り換える場合に比べて、加熱部材に接触する接触部材にトナーが運ばれるのをより確実に抑制することができる。
【0010】
本発明の請求項3に記載の画像形成装置によれば、請求項1または請求項2に記載の定着装置を有しない場合に比べて、高画質の画像を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る定着装置を含む画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】図1の感光体の周辺の構成を示す図である。
【図3】図1の定着装置の構成を示す図である。
【図4】図3の定着装置におけるリトラクト機構による定着ロール、外部加熱ロールおよびクリーニングウェブの動作態様を示す図であり、定着ロール、外部加熱ロールおよびクリーニングウェブが互いに離れた位置に切り換えられている状態を示す図である。
【図5】図3の定着装置におけるリトラクト機構による定着ロール、外部加熱ロールおよびクリーニングウェブの動作態様を示す図であり、定着ロールと外部加熱ロールとが離れた位置にあり、外部加熱ロールとクリーニングウェブとが接触する位置にある状態を示す図である。
【図6】図3の定着装置におけるリトラクト機構による定着ロール、外部加熱ロールおよびクリーニングウェブの動作態様を示す図であり、定着ロールと外部加熱ロールとが接触する位置、外部加熱ロールとクリーニングウェブとが接触する位置に切り換えられている状態を示す図である。
【図7】図3の定着装置において定着処理時に定着ロールから外部加熱ロールへと転移されるトナーの態様を示す図である。
【図8】図3の定着装置の比較例としての定着装置において定着処理時に定着ロールから外部加熱ロールへと転移されるトナーの態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る定着装置および画像形成装置の実施形態について、添付の図面を用いて説明する。
【0013】
(画像形成装置)
図1は、本発明に係る定着装置を含む画像形成装置の一例としての画像形成装置10を示している。この画像形成装置10は、上下方向(矢印V方向)の下側から上側へ向けて、記録用紙Pが収容される用紙収容部12と、用紙収容部12の上に設けられ用紙収容部12から供給される記録媒体の一例としての記録用紙Pに画像形成を行う画像形成部14と、画像形成部14の上に設けられ読取原稿Gを読み取る原稿読取部16と、画像形成部14内に設けられ画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、を含んで構成されている。なお、以後の説明では、画像形成装置10の装置本体10Aの上下方向を矢印V方向、水平方向を矢印H方向と記載する。
【0014】
用紙収容部12は、サイズの異なる記録用紙Pが収容される第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26が設けられている。第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26には、収容された記録用紙Pを画像形成装置10内に設けられた搬送路28に送り出す送り出しロール32が設けられており、搬送路28における送り出しロール32よりも下流側には、記録用紙Pを一枚ずつ搬送するそれぞれ一対の搬送ロール34及び搬送ロール36が設けられている。また、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で搬送ロール36よりも下流側には、記録用紙Pを一旦停止させるとともに、決められたタイミングで後述する二次転写位置QB(図2参照)へ送り出す位置合せロール38が設けられている。
【0015】
搬送路28の上流側部分(搬送ロール36が設けられている部位)は、画像形成装置10の正面視において、矢印V方向に向けて用紙収容部12の左側から画像形成部14の左側下部まで直線状に設けられている。また、搬送路28の下流側部分は、画像形成部14の左側下部から画像形成部14の右側面に設けられた排紙部15まで設けられている。さらに、搬送路28には、記録用紙Pの両面に画像形成を行うために記録用紙Pが搬送及び反転される両面搬送路29が接続されている。
【0016】
両面搬送路29は、画像形成装置10の正面視において、搬送路28と両面搬送路29との切り替えを行う第1切替部材31と、画像形成部14の右側下部から用紙収容部12の右側まで矢印V方向(図示の下向きが−V、上向きが+V)に直線状に設けられた反転部33と、反転部33に搬送された記録用紙Pの後端が進入するとともに矢印H方向における図示の左側に搬送される搬送部37と、反転部33と搬送部37との切り替えを行う第2切替部材35と、を有している。そして、反転部33には、一対の搬送ロール42が間隔をあけて複数箇所に設けられており、搬送部37には、一対の搬送ロール44が間隔をあけて複数箇所に設けられている。
【0017】
第1切替部材31は、三角柱状の部材であり、駆動手段(図示省略)によって先端部が搬送路28又は両面搬送路29のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。同様に、第2切替部材35は、正面視で三角柱状の部材であり、図示しない駆動手段によって先端部が反転部33又は搬送部37のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。なお、搬送部37の下流側端部は、搬送路28の上流側部分にある搬送ロール36の手前側に案内部材(図示省略)により接続されている。また、画像形成部14の左側面には折り畳み式の手差給紙部46が設けられており、手差給紙部46から送り込まれる記録用紙Pの搬送経路が、搬送路28における位置合せロール38よりも手前側(上流側)に接続されている。
【0018】
原稿読取部16は、読取原稿Gを1枚ずつ自動で搬送する原稿搬送装置52と、原稿搬送装置52の下側に配置され1枚の読取原稿Gが載せられるプラテンガラス54と、原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置56とが設けられている。
【0019】
原稿搬送装置52は、一対の搬送ロール53が複数配置された自動搬送路55を有しており、自動搬送路55の一部は記録用紙Pがプラテンガラス54上を通るように配置されている。また、原稿読取装置56は、プラテンガラス54の左端部に静止した状態で原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿Gを読み取り、又は矢印H方向に移動しながらプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取るようになっている。
【0020】
一方、画像形成部14は、トナー画像(現像剤像)を形成する画像形成ユニット50を有している。画像形成ユニット50は、感光体62、帯電部材64、露光装置66、現像装置70、及びクリーニング装置73を含んで構成されている。
【0021】
画像形成部14における装置本体10Aの中央には、像保持体の一例としての円筒状の感光体62が設けられている。感光体62は、駆動手段(図示省略)によって矢印+Rで示す方向(時計回り方向)に回転すると共に光照射によって形成される静電潜像を保持するようになっている。また、感光体62の上側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、感光体62の表面を帯電するコロトロン方式の帯電部材64が設けられている。
【0022】
感光体62の回転方向における帯電部材64よりも下流側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、露光装置66が設けられている。露光装置66は、図示しない半導体レーザ、f−θレンズ、ポリゴンミラー、結像レンズ、及び複数のミラーを有しており、画像信号に基づき半導体レーザから出射されたレーザ光をポリゴンミラーで偏向走査し、帯電部材64により帯電された感光体62の外周面に照射(露光)して、静電潜像を形成するようになっている。なお、露光装置66は、レーザ光をポリゴンミラーで偏向走査する方式に限らず、LED(Light Emitting Diode)方式であってもよい。
【0023】
感光体62の回転方向で露光装置66の露光光が照射される部位よりも下流側には、感光体62の外周面に形成された静電潜像を決められた色のトナーで現像して可視化させる回転切り替え式の現像装置70が設けられている。
【0024】
図2に示すように、現像装置70は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナー色にそれぞれ対応する現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fが、周方向に(図示の反時計回り方向にこの順番で)並んで配置されており、モータ(図示省略)によって中心角で60°ずつ回転することで、現像処理を行う現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fが切り替えられ、感光体62の外周面と対向するようになっている。なお、第1特別色E及び第2特別色Fは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の特別色(透明を含む)から選択される。これら現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fにはそれぞれ、各トナー色のトナーが、交換可能なトナーカートリッジ78Y、78M、78C、78K、78E、78F(図1参照)から供給される。
【0025】
図2において、現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fは同一構成であるため、ここでは代表として現像器72Yについて説明する。
【0026】
現像器72Yは、本体となるケース部材76を有しており、ケース部材76内には、トナーカートリッジ78Y(図1参照)からトナー供給路(図示省略)を経由して供給されるトナー及びキャリアから成る現像剤(図示省略)が充填されている。また、ケース部材76には、感光体62の外周面と対向して矩形状の開口部76Aが形成されており、開口部76Aには、外周面が感光体62の外周面と対向する現像ロール74が設けられている。さらに、ケース部材76内で開口部76Aに近い部位には、現像剤の層厚を規制するための板状の規制部材79が、開口部76Aの長手方向に沿って設けられている。
【0027】
現像ロール74は、回転可能に設けられた円筒状の現像スリーブ74Aと、現像スリーブ74Aの内側に固定された複数の磁極から成る磁性部材74Bとで構成されており、現像スリーブ74Aが回転することで現像剤(キャリア)の磁気ブラシが形成されると共に、規制部材79で層厚が規制されることで、現像スリーブ74Aの外周面に現像剤層を形成するようになっている。そして、現像スリーブ74Aの外周面の現像剤層は、現像スリーブ74Aの回転により感光体62に対向する位置に搬送され、感光体62の外周面に形成された潜像(静電潜像)に応じたトナーを付着させて現像を行う。
【0028】
また、ケース部材76内には、螺旋状に形成された搬送ロール77が2本回転可能に並列配置されており、この2本の搬送ロール77が回転することで、ケース部材76内に充填された現像剤が、現像ロール74の軸方向(現像器72Yの長手方向)に循環搬送されるようになっている。なお、各現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fに設けられた6本の現像ロール74は、隣の現像ロール74との間隔が中心角60°となるように周方向に配置されており、現像器72の切り替えにより、次の現像ロール74が感光体62の外周面と対向するようになっている。
【0029】
図2に示すように、感光体62の回転方向で現像装置70よりも下流側であり且つ感光体62の下側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像を記録用紙Pに転写する転写装置58が設けられている。転写装置58は、中間転写ベルト68を有している。中間転写ベルト68は、無端状であり、制御部20により回転駆動される駆動ロール61、中間転写ベルト68に張力を付与するための張力付与ロール65、中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する複数の搬送ロール63、及び後述する二次転写位置QBにおいて中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する補助ロール69に巻き掛けられている。そして、中間転写ベルト68は、駆動ロール61が回転することにより、矢印−Rで示す方向(反時計回り方向)に周回移動するようになっている。
【0030】
また、中間転写ベルト68を挟んで感光体62の反対側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写させる一次転写ロール67が設けられている。一次転写ロール67は、感光体62と中間転写ベルト68とが接触する位置(これを一次転写位置QAとする)から中間転写ベルト68の移動方向下流側に離れた位置で、中間転写ベルト68の裏面に接触している。そして、一次転写ロール67は、電源(図示省略)から通電されることにより、接地されている感光体62との電位差で感光体62のトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写するようになっている。
【0031】
さらに、中間転写ベルト68を挟んで補助ロール69の反対側には、中間転写ベルト68上に一次転写されたトナー画像を記録用紙Pに二次転写させる二次転写ロール71が設けられており、二次転写ロール71と補助ロール69との間が記録用紙Pへトナー画像を転写する二次転写位置QBとされている。二次転写ロール71は、接地されると共に中間転写ベルト68の表面に接触しており、電源(図示省略)から通電された補助ロール69と二次転写ロール71との電位差で、中間転写ベルト68のトナー画像を記録用紙Pに二次転写するようになっている。なお、二次転写位置QBは、前述の搬送路28(図1参照)の途中に設定されている。
【0032】
また、中間転写ベルト68を挟んで駆動ロール61の反対側には、中間転写ベルト68の二次転写後の残留トナーを回収するクリーニングブレード59が設けられている。クリーニングブレード59は、開口部が形成された筐体(図示省略)に取り付けられており、クリーニングブレード59の先端部で掻き取られたトナーが、筐体内に回収されるようになっている。
【0033】
中間転写ベルト68の周囲で搬送ロール63と対向する位置には、中間転写ベルト68の表面に付されたマーク(図示省略)を検知することで中間転写ベルト68上の予め定めた基準位置を検出し、画像形成処理の開始タイミングの基準となる位置検出信号を出力する位置検出センサ83が設けられている。位置検出センサ83は、中間転写ベルト68に向けて光を照射すると共にマークの表面で反射された光を受光することで、中間転写ベルト68の移動位置を検出するようになっている。
【0034】
一方、感光体62の回転方向で一次転写ロール67よりも下流側には、中間転写ベルト68に一次転写されずに感光体62の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置73が設けられている。クリーニング装置73は、感光体62表面に接触するクリーニングブレード及びブラシロールにより残留トナー等を回収する構成となっている。
【0035】
また、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の上流側(一次転写ロール67よりも下流側)には、感光体62の外周面に一次転写後に残留したトナーの除電を行うコロトロン81が設けられている。さらに、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の下流側(帯電部材64よりも上流側)には、クリーニング後の感光体62の外周面に光を照射して除電を行う除電装置75が設けられている。
【0036】
図1に示すように、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向(矢印Aで図示)で二次転写ロール71よりも下流側には、二次転写ロール71によって記録用紙Pに転写されたトナー画像を永久画像として定着させる定着装置100が設けられている。定着装置100の具体的な構成については後述する。記録用紙Pの搬送方向で定着装置100よりも下流側には、定着装置100によって定着が行われた記録用紙Pの変形(しわや撓みなど)を矯正して平らにするデカーラ39が設けられている。
【0037】
次に、画像形成装置10における画像形成プロセスについて説明する。
【0038】
画像形成装置10が作動すると、画像処理装置(図示省略)又は外部から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各色の画像データが露光装置66に順次出力される。このとき、一例として、現像装置70は、現像器72Y(図2参照)が感光体62の外周面と対向するように回転し保持されている。
【0039】
続いて、露光装置66から画像データに応じて出射された光は、帯電部材64により帯電された感光体62の外周面(表面)を露光し、感光体62の表面にはイエローの画像データに対応した静電潜像が形成される。さらに、感光体62の表面に形成された静電潜像は、現像器72Yによってイエローのトナー画像として現像される。そして、感光体62の表面のイエローのトナー画像は、一次転写ロール67によって中間転写ベルト68に転写される。
【0040】
続いて、現像装置70が矢印+Rで示す方向に60°回転され、現像器72Mが感光体62の表面と対向する。そして、帯電、露光、現像の各工程が行われ、感光体62の表面のマゼンタのトナー画像は、一次転写ロール67によって中間転写ベルト68のイエローのトナー画像上に重なるように転写される。同様にして、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、及び第2特別色(F)のトナー画像が中間転写ベルト68上に順次多重転写される。
【0041】
一方、用紙収容部12から送り出され、搬送路28を搬送されてきた記録用紙Pは、位置合せロール38により、中間転写ベルト68への各トナー画像の多重転写とタイミングを合わせて二次転写位置QBに搬送される。そして、中間転写ベルト68上に多重転写されたトナー画像は、二次転写位置QBに搬送されてきた記録用紙P上に二次転写ロール71によって二次転写される。
【0042】
続いて、トナー画像が転写された記録用紙Pは、定着装置100に向けて図1中の矢印Aで示す方向に搬送される。そして、定着装置100において、記録用紙P上のトナー画像が永久画像として定着される。定着処理された記録用紙Pは、デカーラ39によって変形(しわや撓みなど)が矯正され、排紙部15に排出される。なお、記録用紙Pの両面に画像を形成する場合には、記録用紙Pは、表面に対して画像形成及び定着が行われた後、反転部33に送り込まれて反転し、二次転写位置QBに再び搬送される。そして、この記録用紙Pの裏面に対して、画像形成及び定着が行われる。
【0043】
(定着装置)
次に、定着装置100の構成について説明する。
【0044】
図3に示すように、定着装置100は、記録用紙Pが進入する開口部106Aと、記録用紙Pが排出される開口部106Bとが形成された筐体106を有している。筐体106内には、主要部として、記録用紙Pに回転しながら接触し記録用紙Pに保持されるトナー画像(現像剤像)を記録用紙Pに定着させる定着部材の一例としての定着ロール102と、定着ロール102とで記録用紙Pを挟んで加圧する加圧ロール104と、熱源を有し定着ロール102に接触し従動回転しながら定着ロール102を加熱する加熱部材の一例としての外部加熱ロール108と、従動回転する外部加熱ロール108に接触し外部加熱ロール108の外周面を清掃する清掃部材の一例としてのクリーニングウェブ112と、が収容されている。
【0045】
定着ロール102は、記録用紙Pの搬送経路上でトナー画像面側(上側)に配置されている。一例として、定着ロール102は、円筒状のアルミニウムからなる芯金102Bの外周にシリコンゴムからなる弾性部材102Aが被覆された構成となっており、弾性部材102Aの外周面には、フッ素系樹脂からなる離型層(図示省略)が形成されている。そして、芯金102Bの内側には、芯金102Bの内周面とは非接触状態で熱源となるハロゲンヒータ114が設けられている。ハロゲンヒータ114は、電源(図示省略)からの通電により発熱し、芯金102Bを加熱することで、定着ロール102全体を加熱するようになっている。
【0046】
定着ロール102の外周面と対向する位置で開口部106Aに近い側には、定着ロール102の温度を検知する第1温度センサ120が設けられている。第1温度センサ120は、非接触式の温度センサであり、定着ロール102からの熱放射を赤外フィルムで受け、このフィルムの温度上昇をサーミスタで検知することによって、定着ロール102の温度を検知するようになっている。
【0047】
定着ロール102の回転方向(矢印−Rで示す方向)で外部加熱ロール108よりも下流側であって第1温度センサ120よりも上流側には、リフレッシュロール132が設けられている。リフレッシュロール132は、一例として、アルミニウム製のロールの表面に予め決められた表面粗さとなるようにコート剤を塗布した構成となっている。また、リフレッシュロール132は、図示しない駆動機構によって定着ロール102の外周面に対して接離可能となっており、未使用時は定着ロール102の外周面から退避され、定着枚数が予め設定された枚数になったときに定着ロール102の外周面に接触して、定着ロール102の外周面を荒す(均す)ようになっている。
【0048】
外部加熱ロール108は、一例として、円筒状のアルミニウムで構成されており、長手方向両端部には円筒状の心金108Aが設けられている。また、外部加熱ロール108の内側には、内周面とは非接触状態で熱源となるハロゲンヒータ118が設けられている。ハロゲンヒータ118は、電源(図示省略)からの通電により発熱し、一例として、外部加熱ロール108が定着ロール102の温度に対して50℃から70℃高い温度となるように加熱を行う。
【0049】
また、外部加熱ロール108は、定着ロール102の回転方向(矢印−Rで示す方向)においてリフレッシュロール132よりも上流側において、定着ロール102の外周面と対向して設けられており、後述する切換手段の一例としてのリトラクト機構140(図4〜図6参照)によって定着ロール102の外周面に対して接離可能とされている。
【0050】
クリーニングウェブ112は、繊維体で構成されており、外部加熱ロール108との接触による摩擦力を低下させるための潤滑剤となる油(以下、「潤滑油」という)が予め含浸されている。また、クリーニングウェブ112は、回転可能な軸部134Aの周囲に予めその大部分が巻き取られており、軸部134Aの下側であって外部加熱ロール108に近接する位置に配置される中間ロール134Bに巻き掛けられ、中間ロール134Bの左側に配置される回転可能な軸部134Cにその先端が固定されている。そして、軸部134Cがモータ(図示省略)で図中の矢印+Rで示す方向に回転駆動されることで、クリーニングウェブ112は図中の矢印Bで示すように中間ロール134Bを経由して軸部134Cに巻き取られるようになっている。
【0051】
即ち、クリーニングウェブ112を中間ロール134Bに巻き掛けて外部加熱ロール108の外周面と対向する位置に導き、外部加熱ロール108の外周面に接触させつつ巻き取ることで、回転する外部加熱ロール108に対してその外周面を清掃する(定着ロール102から外部加熱ロール108へと転移されるトナーを取り除く)ように構成されている。また、クリーニングウェブ112は、後述するようにリトラクト機構140(図4〜図6参照)の動作によって外部加熱ロール108の外周面に対して接離可能とされている。
【0052】
外部加熱ロール108の回転方向(矢印+Rで示す方向)において外部加熱ロール108とクリーニングウェブ112とが接触する位置よりも下流側であって定着ロール102と外部加熱ロール108とが接触する位置よりも上流側には、外部加熱ロール108の外周面に接触して外部加熱ロール108の温度を検知する接触部材の一例としての接触式の第2温度センサ126が設けられている。
【0053】
加圧ロール104は、記録用紙Pの搬送経路上で定着ロール102の下側に配置されている。一例として、加圧ロール104は、円筒状のアルミニウムからなる芯金104Bの外周にシリコンゴムからなる弾性部材104Aが被覆された構成となっており、弾性部材104Aの外周面には、フッ素系樹脂からなる離型層(図示省略)が形成されている。そして、芯金104Bの内側には、芯金104Bの内周面とは非接触状態で熱源となるハロゲンヒータ116が設けられている。ハロゲンヒータ116は、電源(図示省略)からの通電により発熱し、芯金104Bを加熱することで、加圧ロール104全体を加熱するようになっている。
【0054】
また、加圧ロール104の外周面と対向する位置で開口部106Aに近い側には、加圧ロール104の温度を検知する第3温度センサ128が加圧ロール104と非接触状態で設けられている。第3温度センサ128は、第1温度センサ120と同様の構成となっている。ここで、第1温度センサ120、第2温度センサ126、及び第3温度センサ128は、前述の制御部20(図1参照)に接続されており、制御部20では、第1温度センサ120、第2温度センサ126、及び第3温度センサ128からの入力に基づいて、ハロゲンヒータ114、118、116へ出力を行うようになっている。
【0055】
次に、定着装置100におけるリトラクト機構140について説明する。
【0056】
図4〜図6は、このリトラクト機構140による定着ロール102、外部加熱ロール108およびクリーニングウェブ112の動作態様を示している。図4は、定着ロール102、外部加熱ロール108およびクリーニングウェブ112が互いに離れる位置に切り換えられている状態を示している。図5は、切り換え途中の状態を示しており、定着ロール102と外部加熱ロール108とが離れる位置にあり、外部加熱ロール108とクリーニングウェブ112とが接触する位置にある状態を示している。図6は、定着ロール102と外部加熱ロール108とが接触する位置、外部加熱ロール108とクリーニングウェブ112とが接触する位置に切り換えられている状態を示している。
【0057】
図4〜図6に示すように、リトラクト機構140はカム142を備えている。カム142は、外部加熱ロール108の軸方向と同じ軸方向とされた回転軸142Aを有しており、制御部20(図1参照)によって駆動されるモータ(図示省略)により、図中の矢印+Rで示す方向または矢印−Rで示す方向に90度の範囲内で回転駆動される。カム142は、外部加熱ロール108を回転可能に支持するハウジング144の定着ロール102側とは反対側の外壁144Aに接触させられている。カム142が矢印+Rで示す方向または矢印−Rで示す方向に回転駆動されることにより、ハウジング144および外部加熱ロール108は矢印+Xで示す方向または矢印−Xで示す方向に移動される。即ち、カム142の回転動作により、外部加熱ロール108は定着ロール102に接触する位置および定着ロール102から離れる位置のいずれかの位置に切り換えられる。
【0058】
なお、ハウジング144は、ガイド部材(図示省略)によって移動方向が矢印+Xで示す方向および矢印−Xで示す方向のみに規制されていると共に、付勢部材(図示省略)によってカム142に接触するように矢印−Xで示す方向に付勢されている。また、第2温度センサ126はハウジング144に固定されており、ハウジング144および外部加熱ロール108と共に矢印+Xで示す方向または矢印−Xで示す方向に移動する。
【0059】
クリーニングウェブ112は、クリーニングウェブ112を巻き掛ける軸部134A、中間ロール134Bおよび軸部134Cを回転可能に支持するハウジング146にその大部分が収容されており、ハウジング146の開口部146Aから外側の位置において中間ロール134Bに巻き掛けられることで部分的にハウジング146の外部に露出されている。このハウジング146の上方側には揺動軸148が設けられており、ハウジング146、軸部134A、中間ロール134B、軸部134Cおよびクリーニングウェブ112は一体的に矢印+Rで示す方向または矢印−Rで示す方向に揺動可能とされている。従って、中間ロール134Bに巻き掛けられているクリーニングウェブ112が外部加熱ロール108の外周面に対して接離するようになっている。
【0060】
そして、ハウジング146の外部加熱ロール108側とは反対側の側壁146Bと筐体106との間には圧縮コイルバネ150が設けられており、これにより中間ロール134Bに巻き掛けられているクリーニングウェブ112を外部加熱ロール108に向けて付勢するようになっている。
【0061】
また、ハウジング146の外部加熱ロール108側の側壁146Cには、外部加熱ロール108側に突出する凸部152が形成されている。凸部152は大略半円形を呈しているが、凸部152の頂部から下方部にかけては凸部152を部分的に欠くような凹部154が形成されている。
【0062】
一方、外部加熱ロール108のハウジング144には、クリーニングウェブ112のハウジング146の凸部152に相対するように半円形の凸部156が形成されている。
【0063】
図4に示すように、外部加熱ロール108が定着ロール102から離れる位置に切り換えられている場合、外部加熱ロール108のハウジング144の凸部156とクリーニングウェブ112のハウジング146の凸部152とが頂部同士で接触する。そのため、ハウジング146、軸部134A、中間ロール134B、軸部134Cおよびクリーニングウェブ112は、圧縮コイルバネ150の付勢力に抗して矢印−Rで示す方向に揺動されている。従って、中間ロール134Bに巻き掛けられているクリーニングウェブ112は、外部加熱ロール108の外周面から離れる位置に切り換えられている。
【0064】
次に、図5に示すように、カム142が図4に示す位置から45度ほど回転され、外部加熱ロール108が定着ロール102に接触する位置へと切り換えられる途中においては、外部加熱ロール108のハウジング144の凸部156はクリーニングウェブ112のハウジング146の凹部154にて接触することとなる。そのため、ハウジング146、軸部134A、中間ロール134B、軸部134Cおよびクリーニングウェブ112は圧縮コイルバネ150の付勢力によって矢印+Rで示す方向に揺動され、中間ロール134Bに巻き掛けられているクリーニングウェブ112は外部加熱ロール108の外周面に接触する位置に切り換えられることとなる。
【0065】
次いで、図6に示すように、カム142が図4に示す位置から90度ほど回転され、外部加熱ロール108が定着ロール102に接触する位置へと切り換えられると、外部加熱ロール108のハウジング144の凸部156とクリーニングウェブ112のハウジング146の凸部152は非接触となり、圧縮コイルバネ150の付勢力により、中間ロール134Bに巻き掛けられているクリーニングウェブ112が外部加熱ロール108の外周面に接触する状態が維持される。
【0066】
このように、定着ロール102、外部加熱ロール108およびクリーニングウェブ112が互いに離れる位置にある状態から外部加熱ロール108を定着ロール102に接触する位置に切り換える際、クリーニングウェブ112を外部加熱ロール108に接触する位置に切り換えてから外部加熱ロール108を定着ロール102に接触する位置に切り換えるように構成している。
【0067】
なお、定着ロール102、外部加熱ロール108およびクリーニングウェブ112を互いに離れる位置としているのは、以下の理由からである。
【0068】
本発明に係る定着装置100にあっては、例えば定着ロール102の外周長よりも長い記録用紙Pに対して定着処理を実行するに際し、定着ロール102の1周目と2周目とで定着ロール102の外周面に温度差が生じるのを抑制するように(定着画像にグロス差が生じるのを抑制するように)、定着処理を開始してから一定時間経過後に外部加熱ロール108を定着ロール102に接触する位置に切り換え、外部加熱ロール108によって定着ロール102の外周面を加熱するように切換制御している。
【0069】
ここで、外部加熱ロール108は定着ロール102に接触する位置に切り換えられることで従動回転することとなる。従って、外部加熱ロール108が定着ロール102に接触する位置に切り換えられる前の従動回転しない状態において、潤滑油が予め含浸されているクリーニングウェブ112を外部加熱ロール108の外周面に接触させる状態とすると、外部加熱ロール108の外周面に潤滑油の溜まりが生じることとなる。
【0070】
この潤滑油の溜まりは、外部加熱ロール108を定着ロール102に接触する位置に切り換えたときに、定着ロール102の外周面に潤滑油ムラを生じさせることとなるため画質劣化の要因となる。このため、外部加熱ロール108を定着ロール102に接触する位置に切り換える前の状態においては、クリーニングウェブ112を外部加熱ロール108に接触させない状態としている。
【0071】
図7は、定着装置100において定着処理時に定着ロール102から外部加熱ロール108へと転移されるトナーの態様を示している。
【0072】
定着装置100では、記録用紙Pに形成されているトナー画像を永久画像として定着させるが、記録用紙Pに定着されなかった一部のトナーは、図示の如く、定着ロール102の外周面に付着する。そして、外部加熱ロール108が定着ロール102に接触する位置に切り換えられている場合には、この一部トナーは外部加熱ロール108の外周面へと転移し付着することとなる。
【0073】
ここで、図7に示すように、外部加熱ロール108の外周面へと転移するトナーが外部加熱ロール108とクリーニングウェブ112とが接触する位置に運ばれる前に、即ち外部加熱ロール108における定着ロール102に最初に接触した部位が外部加熱ロール108の従動回転により外部加熱ロール108とクリーニングウェブ112とが接触する位置に至る前に、クリーニングウェブ112を外部加熱ロール108に接触させる場合には、外部加熱ロール108の外周面に付着しているトナーはクリーニングウェブ112によって除去される。従って、この場合には、外部加熱ロール108の外周面に付着しているトナーが外部加熱ロール108の回転方向において下流側に設けられる接触式の第2温度センサ126にまで運ばれるということが抑制される。
【0074】
図8は、定着装置100の比較例としての定着装置200において定着処理時に定着ロール102から外部加熱ロール108へと転移されるトナーの態様を示している。
【0075】
図8に示すように、外部加熱ロール108の外周面へと転移し付着するトナーが外部加熱ロール108とクリーニングウェブ112とが接触する位置に運ばれるにも関わらず、クリーニングウェブ112が外部加熱ロール108に接触させられない場合には、外部加熱ロール108の外周面に付着しているトナーはクリーニングウェブ112によって除去されず、接触式の第2温度センサ126にまで運ばれてしまう。このため、外部加熱ロール108の外周面に傷が付き、外部加熱ロール108による定着ロール102の加熱性能が低下する。その結果、定着装置200の定着性能が低下することとなる。
【0076】
本発明に係る定着装置100にあっては、定着ロール102、外部加熱ロール108およびクリーニングウェブ112が互いに離れる位置にある状態から外部加熱ロール108を定着ロール102に接触する位置に切り換える際、外部加熱ロール108における定着ロール102に最初に接触した部位が外部加熱ロール108の従動回転により外部加熱ロール108とクリーニングウェブ112とが接触する位置に至る前に、クリーニングウェブ112を外部加熱ロール108に接触する位置に切り換えるように構成、具体的には、クリーニングウェブ112を外部加熱ロール108に接触する位置に切り換えてから外部加熱ロール108を定着ロール102に接触する位置に切り換えるように構成している。
【0077】
このため、定着ロール102から外部加熱ロール108へと転移されるトナーが接触式の第2温度センサ126まで運ばれるということが抑制される。従って、外部加熱ロール108の外周面に傷が付くのが抑制される。それにより、外部加熱ロール108による定着ロール102の加熱性能が維持され、定着装置100の定着性能も維持される。その結果、この定着装置100を備える画像形成装置10では、高画質な画像を形成することが可能となる。
【0078】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0079】
即ち、清掃部材としてクリーニングウェブ112を採用したが、ブラシロールやクリーニングブレードを採用してもよい。また、定着ロール102、外部加熱ロール108および加圧ロール104を加熱する熱源として内部にハロゲンヒータ114、118、116を設けたが、電磁誘導方式により加熱してもよい。
【符号の説明】
【0080】
10 画像形成装置
58 転写装置
62 感光体(像保持体の一例)
70 現像装置
100 定着装置
102 定着ロール(定着部材の一例)
104 加圧ロール
108 外部加熱ロール(加熱部材の一例)
112 クリーニングウェブ(清掃部材の一例)
114 ハロゲンヒータ
116 ハロゲンヒータ
118 ハロゲンヒータ(熱源の一例)
120 第1温度センサ
126 第2温度センサ(接触部材の一例)
128 第3温度センサ
140 リトラクト機構(切換手段の一例)
142 カム
148 揺動軸
150 圧縮コイルバネ
152 凸部
154 凹部
156 凸部
P 記録用紙(記録媒体の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを保持する記録媒体に回転しながら接触し、前記記録媒体に保持されるトナーを定着する定着部材と、
熱源を有し、前記定着部材に接触する位置および前記定着部材から離れる位置のいずれかの位置に切り換えられ、前記定着部材に接触する位置に切り換えられているときに回転しながら前記定着部材を加熱する加熱部材と、
前記加熱部材に接触する位置および前記加熱部材から離れる位置のいずれかの位置に切り換えられ、回転する前記加熱部材に接触する位置に切り換えられているときに前記加熱部材を清掃する清掃部材と、
前記加熱部材の回転方向において前記加熱部材と前記清掃部材とが接触する位置よりも下流側であって前記定着部材と前記加熱部材とが接触する位置よりも上流側において前記加熱部材に接触して設けられる接触部材と、
前記定着部材、前記加熱部材および前記清掃部材が互いに離れる位置にある状態から前記加熱部材を前記定着部材に接触する位置に切り換える際、前記加熱部材における定着部材に接触した部位が前記加熱部材と前記清掃部材とが接触する位置に至る前に前記清掃部材を前記加熱部材に接触する位置に切り換える切換手段と、
を有する定着装置。
【請求項2】
前記切換手段は、前記清掃部材を前記加熱部材に接触する位置に切り換えてから前記加熱部材を前記定着部材に接触する位置に切り換える請求項1に記載の定着装置。
【請求項3】
静電潜像が形成される像保持体と、
前記像保持体に形成された静電潜像をトナーで現像する現像装置と、
前記現像装置によって現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、
前記記録媒体に転写されたトナー像を定着する請求項1または請求項2に記載の定着装置と、
を有する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−41032(P2013−41032A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176928(P2011−176928)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】