説明

定着装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】定着に必要なレーザ光照射条件を容易に実現する。
【解決手段】記録材10の移動方向に交差する方向に配列される複数のレーザ光源1aを有し、複数のレーザ光源1aからレーザ光Bmを出射するレーザ光出射手段1と、レーザ光出射手段1又はレーザ光出射手段1と記録材10との間の少なくともいずれかに設けられ、レーザ光出射手段1から出射されたレーザ光Bmを記録材10の移動方向に沿って予め決められた照射幅wの照射領域Rに照射する照射光案内手段2と、照射光案内手段2にて照射されるレーザ光Bmによる記録材10上の照射領域Rに対し記録材10の移動方向に沿う照射幅wを変化させる照射幅可変手段3と、照射幅可変手段3にて照射幅wが変化した記録材10上の照射領域Rに対し、当該照射領域Rでの照射強度Pを予め決められた必要な照射強度に保つように調整する照射強度調整手段4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来における定着装置としては、特許文献1〜4に記載のものが既に知られている。
特許文献1には、無端状ベルトにより搬送された記録紙上の未定着トナー画像をレーザー光の照射によりトナーを溶融して定着を行う定着装置において、記録紙をレーザー光の焦点位置に通過するように搬送し、記録紙の搬送を停止した時、無端状ベルトの表面をレーザー光の焦点位置から遠ざけるように動作する制御手段を備えた技術が開示されている。
特許文献2には、移動する測定対象物体へのコヒーレントな光の照射により観察面に生成されるスペックルパターンの観察面上での移動をスペックルパターン移動検出手段で検出し、検出されたスペックルパターン移動情報に基づいて測定対象物体の移動を検出する移動検出方法であって、測定対象物体の面とスペックルパターン移動検出手段の面をあおり面の結像関係とし、測定対象物体の面外方向の移動を面内方向の移動と同程度の分解能で測定する技術が開示されている。
特許文献3には、搬送中の用紙の表面にレーザー光源からレーザー光を照射する発光部と、レーザー光が照射される一定領域内の用紙表面から反射するレーザー光を受光し、結像される干渉縞パターンを読み取り、電気信号に変換するイメージセンサーを有する受光部とを備え、イメージセンサーにより読み取った複数の干渉縞パターンの共通部分の位置を比較し、用紙の変位置を演算する技術が開示されている。
特許文献4には、複数のレーザ光が、それぞれ相対的に一方向に照射位置が移動するように照射される複数のレーザ光照射部を備え、複数のレーザ光は、それぞれの光出力及び照射領域の一方向における幅が同じとし、トナー像に対して独立に照射されるようにし、トナー像が複数のトナー層を有する場合に、記録媒体の表面との界面部分のトナーの温度が、複数のレーザ光の照射にて最初の照射を除く少なくとも最終の照射ではトナーの定着温度に達するようにした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−160256号公報(発明を実施するための形態,図2)
【特許文献2】特開平7−012829号公報(作用,図6)
【特許文献3】特開2007−278786号公報(発明を実施するための最良の形態,図1)
【特許文献4】特開2011−076051号公報(発明を実施するための形態,図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、定着に必要なレーザ光照射条件を容易に実現することが可能な定着装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、記録材の移動方向に交差する方向に配列される複数のレーザ光源を有し、移動する記録材に形成された加熱定着可能な作像材料による未定着像に対してレーザ光を照射するように、前記複数のレーザ光源からレーザ光を出射するレーザ光出射手段と、このレーザ光出射手段又はレーザ光出射手段と記録材との間の少なくともいずれかに設けられ、前記レーザ光出射手段から出射されたレーザ光を前記記録材の移動方向に沿って予め決められた照射幅の照射領域に照射する照射光案内手段と、この照射光案内手段にて照射されるレーザ光による記録材上の照射領域に対し記録材の移動方向に沿う照射幅を変化させる照射幅可変手段と、この照射幅可変手段にて照射幅が変化した記録材上の照射領域に対し、当該照射領域での照射強度を予め決められた必要な照射強度に保つように調整する照射強度調整手段と、を備えていることを特徴とする定着装置である。
【0006】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る定着装置において、前記照射幅可変手段は、前記レーザ光出射手段のレーザ光出射方向に対する設置位置が変化させられる位置可変機構を有し、この位置可変機構によって前記レーザ光出射手段の設置位置を変化させることで前記照射領域の照射幅を変化させることを特徴とする定着装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る定着装置において、前記照射強度調整手段は、前記レーザ光出射手段の複数のレーザ光源から出射されるレーザ光の出射強度を調整するものであることを特徴とする定着装置である。
請求項4に係る発明は、請求項2又は3に係る定着装置において、前記レーザ光出射手段の設置位置が検出可能な位置検出手段を備えていることを特徴とする定着装置である。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る定着装置において、前記位置検出手段から検出された位置情報に基づいて前記レーザ光出射手段の検出設置位置と予め決められた目標設置位置との差分を算出し、この差分に基づいて前記レーザ光出射手段が目標設置位置に設置されるように、前記レーザ光出射手段の設置位置を変化させる位置制御手段を備えていることを特徴とする定着装置である。
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に係る定着装置において、前記位置検出手段から検出された位置情報に基づいて前記レーザ光出射手段の検出設置位置に依存する前記照射幅可変手段の照射幅と前記照射幅可変手段の予め決められた目標照射幅との差分を算出し、この差分に基づいて前記照射幅可変手段が目標照射幅を得るように、前記照射幅可変手段を制御する照射幅制御手段を備えていることを特徴とする定着装置である。
請求項7に係る発明は、請求項4ないし6いずれかに係る定着装置において、前記位置検出手段は前記レーザ光出射手段の設置位置に対応した位置情報を電気信号に変換して検出するエンコーダであることを特徴とする定着装置である。
請求項8に係る発明は、請求項4ないし6いずれかに係る定着装置において、前記位置検出手段は、前記レーザ光出射手段に設けられ、記録材に対して検出用の光を照射することで当該記録材面にて反射若しくは干渉した光を前記レーザ光出射手段と記録材との間の相対位置情報として検出する光学検出器であることを特徴とする定着装置である。
請求項9に係る発明は、請求項1ないし8いずれかに係る定着装置において、前記レーザ光出射手段は記録材上の複数の照射領域に対応して複数設けられ、夫々のレーザ光出射手段に対して前記照射光案内手段、前記照射幅可変手段及び前記照射強度調整手段を備えていることを特徴とする定着装置である。
【0007】
請求項10に係る発明は、記録材を搬送する搬送装置と、この搬送装置にて搬送される記録材上に加熱定着可能な作像材料による未定着像を作製する作像装置と、この作像装置にて作製された未定着像をレーザ光により加熱定着する請求項1ないし8いずれかに係る定着装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項11に係る発明は、請求項10に係る画像形成装置において、記録材の搬送速度、記録材の種類又は記録材上の未定着像に求められる光沢度を判定する判定手段と、この判定手段にて判定される情報に基づいて前記照射幅可変手段及び前記照射強度調整手段による照射条件を制御する照射条件制御手段と、を備えていることを特徴とする画像形成装置である。
請求項12に係る発明は、請求項10又は11に係る画像形成装置において、前記レーザ光出射手段の設置位置が検出可能な位置検出手段を備え、この位置検出手段は、前記レーザ光出射手段に設けられ、記録材に対して検出用の光を照射することで当該記録材面にて反射若しくは干渉した光を前記レーザ光出射手段と記録材との間の相対位置情報として検出する光学検出器であり、更に、前記光学検出器の検出出力の変化から記録材の有無又は記録材の搬送位置の異常が検出可能な記録材位置検出手段を兼ねることを特徴とする画像形成装置である。
請求項13に係る発明は、請求項10又は11に係る画像形成装置において、前記レーザ光出射手段の設置位置が検出可能な位置検出手段を複数備え、この複数の位置検出手段は、夫々前記レーザ光出射手段に設けられ、記録材に対して検出用の光を照射することで当該記録材面にて反射若しくは干渉した光を前記レーザ光出射手段と記録材との間の相対位置情報として検出する光学検出器であり、更に、前記複数の光学検出器の検出用の光の照射位置を記録材の搬送方向に対して変位して配置し、複数の光学検出器の検出出力差から記録材の搬送速度が検出可能な記録材速度検出手段を兼ねることを特徴とする画像形成装置である。
請求項14に係る発明は、請求項12又は13に係る画像形成装置において、前記記録材位置検出手段又は前記記録材速度検出手段の検出出力に基づいて記録材の搬送異常を判別し、記録材の搬送異常の有無に応じて予め決められた異常処理を実行するか否かを制御する異常処理制御手段を備えていることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、定着に必要なレーザ光照射条件を容易に実現することができる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、記録材上の照射領域の照射幅を容易に変更することができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない態様に比べて、記録材上の照射領域の照射強度を容易に変更することができる。
請求項4に係る発明によれば、レーザ光出射手段の設置位置を容易に把握することができ、レーザ光出射手段の設置位置を容易に変更することができる。
請求項5に係る発明によれば、予め決められた目標設置位置にレーザ光出射手段を容易に設置することができる。
請求項6に係る発明によれば、記録材上の照射領域の設定に当たり予め決められた目標照射幅を容易に得ることができる。
請求項7に係る発明によれば、位置検出手段として既存のエンコーダを有効に利用することができる。
請求項8に係る発明によれば、位置検出手段として既存の光学検出器を有効に利用することができる。
請求項9に係る発明によれば、記録材上に複数の照射領域を確保し、夫々の照射領域に対して定着に必要なレーザ光照射条件を容易に実現することができる。
請求項10に係る発明によれば、定着に必要なレーザ光照射条件を容易に実現することが可能な定着装置を含む画像形成装置を簡単に構築することができる。
請求項11に係る発明によれば、記録材や要求画質に応じて定着に必要なレーザ光照射条件を容易に実現することができる。
請求項12に係る発明によれば、定着装置に付加された位置検出手段を利用して、記録材の有無や記録材の搬送位置の異常を容易に検出することができる。
請求項13に係る発明によれば、定着装置に付加された複数の位置検出手段を利用して、記録材の搬送速度の異常を容易に検出することができる。
請求項14に係る発明によれば、定着装置に付加された位置検出手段を利用して、記録材の搬送異常に応じた異常処理を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】(a)は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図、(b)は(a)の定着装置の概要を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置の詳細を示す説明図である。
【図3】実施の形態1で用いられる制御系を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられる定着装置の詳細を示す説明図である。
【図5】定着装置におけるレーザ光照射条件の一例を示す説明図である。
【図6】実施の形態1で用いられる位置センサの一例を示す説明図である。
【図7】(a)は実施の形態1で用いられる位置センサの他の例を示す説明図、(b)は(a)中の位置センサの構成要素である受光器の構成例を示す説明図である。
【図8】(a)は実施の形態1で用いられる定着装置の照射条件Iにおける状態を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図である。
【図9】(a)は実施の形態1で用いられる定着装置の照射条件IIにおける状態を示す説明図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図である。
【図10】実施の形態2に係る定着装置の要部を示す説明図である。
【図11】実施の形態2に係る定着装置で採用される定着条件制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態2に係る定着装置の変形の形態2−1を示す説明図である。
【図13】実施の形態2に係る定着装置の変形の形態2−2を示す説明図である。
【図14】実施の形態3に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
【図15】実施の形態3で用いられる定着装置の要部を示す説明図である。
【図16】実施の形態3に係る定着装置で採用される記録材異常処理制御の一例を示す説明図である。
【図17】(a)は実施の形態3で用いられる定着装置の変形の形態3−1を示す説明図、(b)は記録材の搬送速度が検出可能な原理を示す説明図である。
【図18】実施の形態4に係る定着装置の要部を示す説明図である。
【図19】(a)は実施の形態4に係る定着装置の制御系を示す説明図、(b)は定着対象となる記録材上の未定着像の一例を示す説明図である。
【図20】実施の形態4に係る定着装置で採用される定着条件制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図21】実施の形態5に係る定着装置の要部を示す説明図である。
【図22】(a)(b)は実施の形態5に係る定着装置の異なるレーザ光照射条件における状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
◎実施の形態の概要
図1(a)は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態の概要を示す。
同図において、画像形成装置は、記録材10を搬送する搬送装置11と、この搬送装置11にて搬送される記録材10上に加熱定着可能な作像材料による未定着像TGを作製する作像装置12と、この作像装置12にて作製された未定着像TGをレーザ光により加熱定着する定着装置13と、を備えている。
本実施の形態において、定着装置13は、図1(b)に示すように、記録材10の移動方向に交差する方向に配列される複数のレーザ光源1aを有し、移動する記録材10に形成された加熱定着可能な作像材料による未定着像TGに対してレーザ光を照射するように、前記複数のレーザ光源1aからレーザ光を出射するレーザ光出射手段1と、このレーザ光出射手段1又はレーザ光出射手段1と記録材10との間の少なくともいずれかに設けられ、前記レーザ光出射手段1から出射されたレーザ光Bmを前記記録材10の移動方向に沿って予め決められた照射幅wの照射領域Rに照射する照射光案内手段2と、この照射光案内手段2にて照射されるレーザ光Bmによる記録材10上の照射領域Rに対し記録材10の移動方向に沿う照射幅wを変化させる照射幅可変手段3と、この照射幅可変手段3にて照射幅wが変化した記録材10上の照射領域Rに対し、当該照射領域Rでの照射強度Pを予め決められた必要な照射強度に保つように調整する照射強度調整手段4と、を備えている。
【0011】
このような技術的手段において、レーザ光出射手段1としては複数のレーザ光源1aが配列されたアレイ状の構造体という構成を採用することが多い。また、複数のレーザ光源1aについては記録材10又は作像領域のサイズに応じて点灯領域を可変にしてもよいし、全点灯のままで記録材10又は作像領域のサイズに応じて照射光案内手段2により照射領域長を可変にしてもよい。
更に、照射光案内手段2はレーザ光出射手段1から出射されるレーザ光Bmを、記録材10上の照射領域Rに照射するように案内する光学部品(レンズ、ミラー等)を意味する。この光学部品はレーザ光出射手段1に組み込まれてもよいし、レーザ光出射手段1とは別に設けてもよいし、両方に夫々設けるようにしてもよい。
更にまた、照射幅可変手段3としては、記録材10上の照射領域Rの照射幅wを変化させるものであれば、代表的にはレーザ光出射手段1を移動させる手法が挙げられるが、照射光案内手段2の光学部品の一部を移動させたり、レーザ光出射手段1と共に照射光案内手段2の光学部品の一部を移動させる等適宜選定して差し支えない。
また、照射強度調整手段4としては、記録材10上の照射領域Rでの照射強度Pを調整するものであればよく、レーザ光出射手段1のレーザ光源1aから出射されるレーザ光Bmの出射強度Pそのものを調整してもよいし、レーザ光出射手段1と記録材10との間の距離を調整する等適宜選定して差し支えない。
尚、本願では、「照射領域Rでの照射強度P」は単位面積当たりの強度を意味し、一方、「レーザ光Bmの出射強度P」はレーザ光出射手段1から出射されるレーザ光Bmの総量としての強度を意味する。
【0012】
次に、本実施の形態で用いられる各構成要素の代表的態様又は好ましい態様について説明する。
先ず、照射幅可変手段3の代表的態様としては、レーザ光出射手段1のレーザ光出射方向に対する設置位置が変化させられる位置可変機構5を有し、この位置可変機構5によってレーザ光出射手段1の設置位置を変化させることで照射領域Rの照射幅wを変化させる態様が挙げられる。
また、照射強度調整手段4の代表的態様としては、レーザ光出射手段1の複数のレーザ光源1aから出射されるレーザ光Bmの出射強度Pを調整するものが挙げられる。
更に、この種の定着装置13には、レーザ光出射手段1の設置位置が検出可能な位置検出手段6を備えていることが好ましい。この位置検出手段6は少なくとも一つ設けられていればよいが、検出精度を高めるという観点からは複数設ける態様が好ましい。
更にまた、位置検出手段6の検出出力に基づく制御方式としては、位置検出手段6から検出された位置情報に基づいてレーザ光出射手段1の検出設置位置と予め決められた目標設置位置との差分を算出し、この差分に基づいてレーザ光出射手段1が目標設置位置に設置されるように、レーザ光出射手段1の設置位置を変化させる位置制御手段7を備える態様が好ましい。
また、別の制御方式としては、位置検出手段6から検出された位置情報に基づいてレーザ光出射手段1の検出設置位置に依存する照射幅可変手段3の照射幅wと照射幅可変手段3の予め決められた目標照射幅との差分を算出し、この差分に基づいて照射幅可変手段3が目標照射幅を得るように、照射幅可変手段3を制御する照射幅制御手段8を備える態様が好ましい。
【0013】
また、位置検出手段6の代表的態様としては、レーザ光出射手段1の設置位置に対応した位置情報を電気信号に変換して検出するエンコーダや、レーザ光出射手段1に設けられ、記録材10に対して検出用の光を照射することで当該記録材10面にて反射若しくは干渉した光をレーザ光出射手段1と記録材10との間の相対位置情報として検出する光学検出器が挙げられる。ここで、光学検出器としては、記録材10上の照射領域Rからの反射光成分を直接検出したもの、あるいは、反射光成分のうち干渉により得られるスペックルパターンを検出するものなど適宜選定して差し支えない。
更に、定着装置13を構成する各構成要素は一系統設けられていればよいが、複数系統設けるようにしてもよい。この場合、レーザ光出射手段1は記録材10上の複数の照射領域Rに対応して複数設けられ、夫々のレーザ光出射手段1に対して照射光案内手段2、照射幅可変手段3及び照射強度調整手段4を備えているようにすればよい。
【0014】
また、レーザ光照射条件を制御する代表的態様としては、記録材10の搬送速度、記録材10の種類(厚さ、坪量、光沢、材質など)又は記録材10上の未定着像TGに求められる光沢度を判定する判定手段14と、この判定手段14にて判定される情報に基づいて照射幅可変手段3及び照射強度調整手段4による照射条件を制御する照射条件制御手段15と、を備えている態様が挙げられる。
ここで、レーザ光照射条件を変更する代表的な要因として、記録材10の搬送速度、記録材10の種類、求められる光沢度が挙げられ、判定手段14で判定するのは少なくともいずれか一つあればよく、勿論複数の要因を判定するようにしても差し支えない。
更に、位置検出手段6を有効に利用する態様としては、レーザ光出射手段1の設置位置が検出可能な位置検出手段6を備え、この位置検出手段6は、レーザ光出射手段1に設けられ、記録材10に対して検出用の光を照射することで当該記録材10面にて反射若しくは干渉した光をレーザ光出射手段1と記録材10との間の相対位置情報として検出する光学検出器であり、更に、光学検出器の検出出力の変化から記録材10の有無又は記録材10の搬送位置の異常検出可能な記録材位置検出手段16を兼ねるものが挙げられる。
本態様は、位置検出手段6として光学検出器を利用した態様において、光学検出器の検出出力をモニタすることで記録材10の有無(記録材10のない箇所では反射光路が長い)や、記録材10の搬送位置の異常(記録材10の端部のめくれや垂れ)を検出することが可能である。
【0015】
また、位置検出手段6を有効に利用する別の態様としては、レーザ光出射手段1の設置位置が検出可能な位置検出手段6を複数備え、この複数の位置検出手段6は、夫々レーザ光出射手段1に設けられ、記録材10に対して検出用の光を照射することで当該記録材10面にて反射若しくは干渉した光をレーザ光出射手段1と記録材10との間の相対位置情報として検出する光学検出器であり、更に、複数の光学検出器の検出用の光の照射位置を記録材10の搬送方向に対して変位して配置し、複数の光学検出器の検出出力差から記録材10の搬送速度が検出可能な記録材速度検出手段17を兼ねるものが挙げられる。
本態様は、位置検出手段6として複数の光学検出器を利用した態様において、複数の光学検出器を記録材10の搬送方向に対して並べて配置し、両者の光学検出器の検出出力をモニタすることで、例えば記録材10のエッジ位置の検出時間差から記録材10の搬送速度を検出することが可能である。また、その検出出力の変化から、記録材10の搬送速度のムラを把握することができ、記録材10のしわ寄りなどの異常を検出することが可能である。
このような記録材位置検出手段16又は記録材速度検出手段17を採用する態様では、記録材位置検出手段16又は記録材速度検出手段17の検出出力に基づいて記録材10の搬送異常を判別し、記録材10の搬送異常の有無に応じて予め決められた異常処理を実行するか否かを制御する異常処理制御手段18を備えるようにすることが好ましい。
【0016】
◎実施の形態1
−全体構成−
図2は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1の全体構成を示す。
同図において、画像形成装置20は、記録材90を搬送する搬送装置30と、この搬送装置30にて搬送される記録材90にカラー画像又は黒画像からなる未定着像を形成する作像装置21と、この作像装置21にて形成された未定着像を加熱定着する定着装置40とを備えている。
本実施の形態では、記録材90としては、芯材に巻き取られた連続記録紙又は予め定めた大きさに折り畳まれた連続記録紙が用いられている。
【0017】
−搬送装置−
ここで、搬送装置30は、記録材90が装填されて順次供給可能な記録材供給装置31と、この記録材供給装置31とは作像装置21及び定着装置40を挟んで反対側に設けられ且つ画像形成された記録材90が巻き取られる記録材巻取装置32と、記録材供給装置31から供給された記録材90が作像装置21及び定着装置40を経て記録材巻取装置32に至る予め決められた搬送経路に沿って搬送可能になるように、搬送経路中に適宜間隔毎に設けられる適宜数の搬送部材とを備えている。
本例において、搬送部材としては、搬送経路中に適宜数の搬送ロール33〜37が用いられ、記録材巻取装置32の直前の搬送ロール37は、記録材90としての連続記録紙の搬送時の張力が予め定めた強さとなるように図示しない付勢部材によって移動可能に位置調整され、連続記録紙が破れることなく記録材巻取装置32の巻き取り時の位置が調整されるようになっている。
更に、本例では、定着装置40に対向する部位には記録材90を予め決められた直線軌跡に沿って搬送する搬送ベルト38が配設されている。
【0018】
−作像装置−
本実施の形態において、作像装置21は、複数の色成分(本例では、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))のトナー像を作製し、それぞれ記録材90に転写する複数の画像形成部22(具体的には22Y,22M,22C,22K)を有している。尚、本例では、ブラックの画像形成部22Kが最終段に配設されているが、画像形成部22の配列順は図示したものに限られるものではなく、適宜選定して差し支えない。
本例では、各画像形成部22の基本的構成は、いずれも電子写真方式を採用したものであり、例えば表面に感光層が形成され且つ予め決められた方向に回転可能なドラム状の感光体23を有し、この感光体23の周囲には、当該感光体23を予め帯電する例えばコロトロンなどの帯電装置24と、この帯電装置24にて帯電された感光体23上に光で静電潜像を書き込むレーザ走査装置などの潜像書込装置25と、この潜像書込装置25にて書き込まれた静電潜像を各色成分トナーにて現像する現像装置26と、この現像装置26にて現像されたトナー像を記録材90に転写する例えば転写バイアスが印加された転写ロールなどの転写装置27と、感光体23上の残留トナーを清掃する清掃装置28とを順次配設したものである。
このとき、各画像形成部22は記録材90に対し未定着なトナー像(未定着像)を順次形成することになり、これらの未定着像が搬送経路の後段に位置する定着装置40へと移動する。
【0019】
−定着装置−
<レーザアレイ>
本実施の形態では、定着装置40は、例えば図3及び図4に示すように、レーザ光Bmを出射するレーザアレイ41を有している。
ここで、レーザアレイ41は、アレイ筐体41c内に、出射強度Pが変化可能な複数のレーザ光源41aと、このレーザ光源41aからのレーザ光Bmを記録材90に向けて集束させる集光レンズ41bとを備えている。そして、レーザ光源41aは、記録材90の搬送方向Xに交差する幅方向Y(図8(b)参照)に沿って予め決められた間隔p(図8(a)参照)において一列に並べられた複数のレーザ素子からなり、それぞれのレーザ素子に対応して集光レンズ41bが設けられている。
本例では、レーザ光源41aは図示外の駆動回路に流す電流の値に応じた出射強度Pのレーザ光Bmを予め決められた出射幅で発光するものであり、集光レンズ41bは、図4に示すように、記録材90の搬送方向Xに対しては絞り込んだ照射領域Rにトナー像からみたレーザ光源41aの出射強度Pに対応した照射強度Pのレーザ光Bmを集束させるようにしたものである。
尚、本例では、レーザアレイ41に集光レンズ41bが組み込まれているが、これに限られるものではなく、レーザアレイ41とは別に集光レンズその他の光学部品を組み込んだ光学系を付加するようにしてもよい。
【0020】
<位置可変機構>
本実施の形態では、レーザアレイ41は、位置可変機構100を介してレーザ光Bmの照射方向に沿って移動自在に支持されている。この位置可変機構100はそのアレイ筐体41cの一側壁にスライダ101を有しており、レーザ光Bmの照射方向に沿って延びる案内レール102にスライダ101を摺動自在に取付け、スライダ101に沿ってレーザアレイ41を摺動可能になっている。
<位置検出器>
そして、レーザアレイ41のアレイ筐体41cの一部、本例では記録材90に対向する部位に位置検出器110が設けられている。この位置検出器110はレーザアレイ41の設置位置と記録材90との間の距離hを光学的に検出するものである。
ここで、位置検出器110の代表的態様としては、例えば図6,図7に示すものが挙げられる。
・第1の代表的態様(図6)
この位置検出器110は、三角測量を応用した方式で、例えば半導体レーザからなる発光素子111を投光レンズ112を介して記録材90の表面に集光させて照射し、記録材90から拡散反射された反射光の一部を受光レンズ113を通して受光素子114へスポットを結ぶようにしたものである。尚、図中、符号115は発光素子111を駆動させる駆動回路、符号116は受光素子114への出力を増幅して演算のための図示外の信号処理系に送る信号増幅回路である。
本例では、位置検出器110は、当該位置検出器110と測定対象物である記録材90との相対位置関係が変化すると、記録材90からの拡散反射した光の受光素子114への入射位置が変化することを検出するものである。
【0021】
・第2の代表的態様(図7)
この位置検出器110は、図7(a)に示すように、発光素子111としての半導体レーザ121と、この半導体レーザ121の光軸に関して対称に配置された一対の結像レンズ122,123と、これらの結像レンズ122,123の結像面に夫々配置される受光素子124,125と、受光素子124,125面に形成されたスペックルパターンSPを処理する信号処理系129と、を有している。
ここで、受光素子124(125)は、図7(b)に示すように、L字状に配置された3個の受光画素126〜128を備えており、受光画素126,127はy’方向(y”方向)に配列され、受光画素127,128はx’方向(x”方向)に配列されている。
本例では、測定対象物である記録材90が図中z方向に移動すると、受光素子124,125上のスペックルパターンSPは夫々x’方向とx”方向の符号が逆の向きに移動する。また、記録材90がx方向に移動すると、受光素子124,125上のスペックルパターンSPはx’方向とx”方向で符号が同じ向きに移動し、更に、記録材90がy方向に移動すると、受光素子124,125上のスペックルパターンSPはy’方向とy”方向で符号が同じ向きに移動し、これらのスペックルパターンSPの移動量は信号処理系129にて処理される。
【0022】
−制御系−
次に、本実施の形態で用いられる画像形成装置の制御系について図3及び図4を用いて説明する。
同図において、符号50は作像装置21及び定着装置40を制御する制御装置、符号61は制御装置50に対し作像装置21で作像すべき画像データを入力する画像データ入力装置であり、例えば本実施の形態に係る画像形成装置とネットワーク接続されるクライアントマシンや、各種記録媒体内に記録された画像データを読み込む画像読込装置などが挙げられる。更に、符号62はオペレータが定着条件を選択する定着条件選択スイッチである。
そして、制御装置50は、画像データ入力装置61及び定着条件選択スイッチ62からの入力信号に基づいて、作像制御処理に関する制御プログラム及び定着条件制御プログラムを実行し、作像装置21及び定着装置40に対し所定の制御信号を送出するようになっている。尚、符号TGは記録材90上に形成された未定着像を示す。
【0023】
本実施の形態では、定着条件選択スイッチ62は、低光沢モードに相当するレーザ光Bmに関する照射条件Iと、高光沢モードに相当するレーザ光Bmに関する照射条件IIとのいずれかを選択可能になっている。
−照射時間−照射エネルギの関係−
ここで、レーザ光Bmの照射領域Rでの照射エネルギと照射時間との関係について調べたところ、黒画像の定着、カラー画像の定着、ハイライト画像の定着性並び高グロス(高光沢)に関し、図5に示すような結果が得られた。
同図において、縦軸は各レーザ光源41aから出射されたレーザ光Bmの照射領域Rでの照射強度Pと照射時間との積に基づく照射エネルギを指し、横軸の照射時間は対数スケールにて表記している。
同図によれば、低光沢モードに相当する照射条件Iについては、黒画像を加熱定着する上で必要最小限の照射エネルギはLb、カラー画像を加熱定着する上で必要最小限の照射エネルギはLc(Lc>Lb)であり、更に、照射エネルギと照射時間とについては、照射時間の短い側の領域で曲線状に増加する境界線Uよりも左側の領域にて、ハイライト画像(ここでは、印字率5%の黒文字画像)の定着が可能であることが確認された。つまり、境界線Uよりも左側の領域では、画像種に関係なく定着が可能な定着条件を満たすものと言える。但し、後述する照射条件IIに比べれば光沢は低く、高光沢は期待できない。
これに対し、高光沢モードに相当する照射条件IIについては、照射時間の長い領域にて、同じ照射時間では照射エネルギの増減に伴って高光沢(高グロス)の光沢度が変化することが理解され、照射エネルギが増加するにつれて光沢度がG〜Gへと順に増加することが確認された。
よって、G〜Gのいずれかの条件を照射条件IIとして予め選定しておけば、高光沢モードに相当する定着条件が得られる。
【0024】
−画像形成装置の作動−
<定着条件選択処理>
・照射条件I
今、図3及び図4に示すように、オペレータが定着条件選択スイッチ62を操作し、照射条件Iを選択したと仮定すると、制御装置50は、定着装置40に対して照射条件Iに対応する設定を実施する。
この照射条件Iは、図5に示すように、境界線Uよりも左側の領域で低光沢モードに相当する照射時間及び照射エネルギ(照射強度×照射時間)を設定すればよい。
このとき、照射時間は記録材90上の照射領域Rの照射幅wに相当するものであり、一方、照射エネルギは記録材90上の照射領域Rの照射強度Pと照射時間との積であることから、逆算して必要な照射強度Pを割り出すことは可能であり、この必要な照射強度Pを得る上で必要なレーザ光源41aからのレーザ光Bmの出射強度Pを関連付けることは可能である。
従って、図8に示すように、照射条件Iでは、照射領域Rの照射幅wをwにする必要があるとすれば、レーザアレイ41の設置位置を位置可変機構100を介して移動させ、レーザアレイ41の集光レンズ41bと記録材90との間の距離hに依存して集光レンズ41bの集光度合を変えることにより、照射領域Rの照射幅wを変化させることが可能である。
このため、照射領域Rの照射幅wを得る上で必要なレーザアレイ41の設置位置として、位置検出器110と記録材90との間の距離hがhである位置を予め照射条件Iの照射幅wを得る位置として校正しておき、オペレータがレーザアレイ41の設置位置を手動操作することで距離hに相当する規定位置に移動させればよい。距離hの規定位置にあるか否かは位置検出器110の出力により確認すればよい。
一方、照射条件Iでは、照射領域Rの照射強度PがPB1であることが必要であるとすれば、制御装置50からの制御信号に基づいてレーザ光源41aに流れる電流を調整し、照射領域Rの照射強度PがPB1になるように、レーザ光源41aの出射強度PをPL1に設定するようにすればよい。
【0025】
・照射条件II
また、図3及び図4に示すように、オペレータが定着条件選択スイッチ62を操作し、照射条件IIを選択したと仮定すると、制御装置50は、定着装置40に対して照射条件IIに対応する設定を実施する。
この照射条件IIは、図5に示すように、G〜Gのいずれかの条件を予め選定すればよい。
今、照射条件IIとして、照射領域Rの照射幅wがw(>w)、照射領域Rの照射強度PがPB2(>PB1)であると仮定すると、図9(a)(b)に示すように、照射領域Rの照射幅w(>w)を得るには、照射条件Iの場合よりも、レーザアレイ41の設置位置を記録材90から離して位置検出器110と記録材90との距離hがhである位置を予め照射条件IIの照射幅wを得る位置として校正しておき、オペレータがレーザアレイ41の設置位置を手動操作することで距離hに相当する規定位置に移動させればよい。距離hの規定位置にあるか否かは位置検出器110の出力により確認すればよい。
一方、照射条件IIでは、照射領域Rの照射強度PがPB2であることが必要であるとすれば、制御装置50からの制御信号に基づいてレーザ光源41aに流れる電流を調整し、照射領域Rの照射強度PがPB2になるように、レーザ光源41aの出射強度PをPL2に設定するようにすればよい。
【0026】
<定着装置の組付作業>
画像形成装置20内に定着装置40を組み付けたときに、記録材90に対して定着装置40が初期規定位置に組み付けられたか否かを位置検出器110を用いて確認することが可能である。
画像形成装置20内に定着装置40を組み付ける際に、レーザアレイ41に付加されている位置検出器110を用いて位置検出器110とレーザアレイ41の設置位置との間の距離hを検出し、この検出値と予め定めた初期規定位置とを対比し、両者に差分があれば、その差分に応じてレーザアレイ41の設置位置を修正するようにすればよい。最終的に位置検出器110を用いてレーザアレイ41の初期設置位置が適正であるか否かを確認するようにすればよい。
【0027】
◎実施の形態2
図10は実施の形態2に係る定着装置の要部を示す説明図である。
同図において、定着装置40の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なる位置可変機構100を有し、この位置可変機構100にて、レーザ光Bmの照射方向に沿ってレーザアレイ41を自動的に移動させるものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態において、位置可変機構100は、実施の形態1と同様に、案内レール102に沿ってスライダ101を摺動自在に取付けたものであるが、実施の形態1と異なり、この案内レール102には当該案内レール102の案内方向に沿って延びるボールねじ103を設けると共に、このボールねじ103を駆動モータ104にて回転可能とする一方、スライダ101に連結された連結体105に孔を開設し、この孔の内壁に雌ねじ部を形成すると共にこの雌ねじ部にボールねじ103をねじ込んだものである。
【0028】
本態様では、位置可変機構100は、駆動モータ104を正逆回転させることでボールねじ103を正逆回転させ、連結体105を介してスライダ101を案内レール102に沿って図中上下方向に摺動させるものである。
また、制御装置50には、実施の形態1と同様に、画像データ入力装置61、定着条件選択スイッチ62に加えて、記録材選択スイッチ63が接続されている。本例では、記録材選択スイッチ63は、表面に平滑な塗工層などのコート層を有するコート紙か、あるいは、表面に塗工層などのコート層を有しておらず且つ紙繊維が表面に露呈したままの普通紙かを選択するものである。尚、必要に応じて、複数のコート紙に分けて選択するようにしてもよいし、搬送速度条件を付加した形で記録材90を選択するようにしても差し支えない。
本例では、制御装置50は、図11に示す定着条件制御プログラムを実行することで、定着装置40に対する定着条件(レーザ光照射条件に相当)の制御処理を実施するものである。
【0029】
−定着条件制御処理−
本実施の形態では、制御装置50は、図11に示すように、記録材選択スイッチ63からの入力信号に基づいて記録材90がコート紙であるか否かを判別し、記録材90がコート紙であるときには高光沢モードを選択し、一方、記録材90が普通紙であるときには、画像種(画像の種類)を判別しない条件を予め設定しておけば、低光沢モードを選択する。
ここで、高光沢モードを選択した場合には、制御装置50は、実施の形態1の照射条件IIに相当する高光沢モードになるように定着装置40のレーザ光照射条件(照射幅w,出射強度PL2)の設定を行った後に加熱定着処理を実施し、一方、低光沢モードを選択した場合には、実施の形態1の照射条件Iに相当する低光沢モードになるように定着装置40のレーザ光照射条件(照射幅w,出射強度PL1)の設定を行った後に加熱定着処理を実施する。
更に、本実施の形態では、記録材90が普通紙である場合には画像種を判別せず、記録材90がコート紙である場合には画像種を判別する方式が採用されている。
つまり、制御装置50は、記録材90がコート紙である場合には原則として高光沢モードを選択するが、更に、画像データ入力装置61から入力された画像データに基づいて記録材90上に形成される画像種を判別し、カラー画像領域があるか否かをチェックし、カラー画像領域が存在しない場合には低光沢モードに決定し、更に、カラー画像領域が存在する場合には、高光沢モードに決定する。
【0030】
◎変形の形態2−1
本実施の形態では、以下の変形の形態2−1の図12に示すように、高光沢モードHGが複数レベルに分かれていても差し支えない。
本変形の形態では、制御装置50は、高光沢モードHGが複数のグレード(本例ではG,G,G,G)に分かれており、これらのグレードに基づいて、レーザアレイ41のレーザ光照射条件(照射幅w,出射強度P)を可変設定するようにしたものである。
更に、本変形の形態では、制御装置50は、低光沢モードLGが複数のグレード(本例ではD,D)に分かれており、これらのグレードに基づいて、レーザアレイ41のレーザ光照射条件(照射幅w,出射強度P)を可変設定するようにしたものである。
本変形の形態では、例えば図5に示すような特性に基づいて高光沢モードHGを複数のグレードG〜Gに分け、記録材90の種類や画像種によって、光沢度をより細かく調整することが可能である。
また、本変形の形態では、例えば低光沢モードLGについても、例えば画像種として、黒画像又はカラー画像の間で定着に必要な照射エネルギを代えるグレードD,Dで切り替えるようにすることが可能である。
【0031】
◎変形の形態2−2
本実施の形態では、定着装置40はレーザアレイ41に光学式の位置検出器110を設けているが、これに限られるものではなく、例えば図13に示す変形の形態2−2に示されるような位置検出器140を使用しても差し支えない。
本変形の形態では、位置検出器140は、位置可変機構100の駆動モータ104の回転軸の回転を検出するロータリエンコーダで構成されており、駆動モータ104の回転数を測定することでボールねじ103の回転数に伴うスライダ101の移動量を把握するものである。
従って、本変形の形態であっても、実施の形態1,2と同様に、レーザアレイ41の設置位置を監視することが可能である。
但し、本変形の形態では、レーザアレイ41と記録材90との間の距離hを直接検出する方式ではないので、記録材90面に対するレーザアレイ41の組み付け姿勢をより精度良く組み付けることが好ましい。
【0032】
◎実施の形態3
図14は実施の形態3に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。
同図において、画像形成装置は、実施の形態1,2と異なり、枚葉状の記録材90を対象としたものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
同図において、画像形成装置は、例えば電子写真方式を採用したもので、例えば複数の色成分(本例では、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))トナー像を作製する画像形成部22(22Y,22M,22C,22K)と、これらの各画像形成部22にて形成された各色トナー像を一次的に転写して保持する中間転写体70と、この中間転写体70に一次的に転写された各色成分トナー像を記録材90に一括転写する一括転写装置80と、この一括転写装置80にて記録材90上に転写された未定着像を定着する定着装置40と、を備えている。
本実施の形態において、画像形成部22の構成は実施の形態1と略同様である。
また、中間転写体70は、複数の張架ロール71〜76に掛け渡され、張架ロール71を駆動ロール、張架ロール74を張力付与ロールにすると共に、張架ロール75を一括転写装置80の一要素として兼用し、張架ロール71と中間転写体70を挟んで対向する部位に中間転写体70上の残留トナーを清掃する清掃装置77を付加したものである。
そして、中間転写体70の下方には記録材90が収容される記録材収容部83が設けられ、この記録材収容部83から搬送される記録材90の搬送経路には適宜数の搬送ロール84が設けられると共に、二次転写を終えた記録材90を搬送ベルト85にて定着装置40に導き、排出ロール86を介して記録材90を装置外に排出するようになっている。
また、一括転写装置80は、中間転写体70の張架ロール75を対向ロールとして対向配置される転写ロール81を有し、この転写ロール81と対向ロール75との間に転写電界を作用させることで中間転写体70上の各色成分トナー像を記録材90に転写するものである。
【0033】
本実施の形態において、定着装置40の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、図15に示すように、位置検出器110を用いて、図16に示すような記録材異常処理制御を実施するようになっている。
本実施の形態において、制御装置50は、位置検出器110の出力をモニタし、そのモニタ出力のうち、h’>hの状態が予め決められた時間(所定時間)継続したか否かをチェックする。ここで、hは位置検出器110と記録材90の表面との間の距離、h’は位置検出器110と記録材90の存在しない部位との間の距離である。
この条件を満たし、かつ、プリントジョブが終了していないときに、制御装置50は、記録材90無しを検出し、これに伴って、記録材90のジャム(詰まり)と判別し、画像形成装置(M/C)を直ちに停止する。
一方、h’>hの状態が予め決められた時間(所定時間)継続していない場合には、h”<hの条件をチェックする。ここで、h”は位置検出器110と記録材90の表面との間の距離であるが、記録材90が規定の搬送経路に沿っていない状況を意味する。
この場合には、記録材90の端部が浮き上がるというような記録材90の位置の異常を検出し、例えば記録材90の浮き上がりを矯正するためのカール処理を実施する。
このように、本実施の形態では、位置検出器110の検出出力を利用することで、記録材90の搬送位置の異常を検出することが可能である。
【0034】
◎変形の形態3−1
また、本実施の形態では、位置検出器110を複数設けても差し支えないが、例えば図17(a)に示す変形の形態3−1のように、記録材90の搬送方向に対して変位した複数の位置検出器110(110a,110b)を設置するようにすれば、記録材90の搬送速度を検出することも可能である。
これは、例えば図17(b)に示すように、第1の位置検出器110aが記録材90の先端エッジSfを検出し、第2の位置検出器110bが遅れて記録材90の先端エッジSfを検出したとすると、両者間の配置距離及び時間差Δtを把握することで、記録材90の搬送速度vpを検出することが可能である。
尚、位置検出器110として、図7に示すスペックルパターンSPを利用する態様にあっては、記録材90の移動に伴ってスペックルパターンSPが移動することから、スペックルパターンSPそのものを処理することで記録材90に対する移動情報を検出することが可能である。
【0035】
◎実施の形態4
図18は実施の形態4に係る定着装置の要部を示す。
同図において、定着装置40の基本的構成は、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、記録材90の搬送方向に対して複数(本例では2つ)のレーザ光Bmによる照射領域R(RB1,RB2)を設け、夫々の照射領域R(RB1,RB2)に対して第1のレーザ光照射部141、第2のレーザ光照射部142を独立に設けたものである。
ここで、第1、第2のレーザ光照射部141,142はいずれもレーザアレイ41(レーザ光源41a、集光レンズ41b)、位置可変機構100、位置検出器110を夫々有して構成されており、制御装置50は、例えば第1のレーザ光照射部141に対して照射条件Iを設定し、第2のレーザ光照射部142に対して照射条件IIを設定するようにしたものである。
【0036】
次に、本実施の形態に係る定着装置の作動について説明する。
本実施の形態では、制御装置50は、図19(a)に示すように、画像データ入力装置61によって作像装置21で作像すべき画像データを入力し、この画像データに基づいて画像部/非画像部判別処理64を実行する。
この画像部/非画像部判別処理64は、例えば図19(b)に示すように、記録材90上に形成される未定着像TGのうち、トナーによる像が存在する画像部をTG,TGとし、トナーによる像が存在しない非画像部をN〜Nとすれば、図20に示すように、画像データ入力装置61から入力された画像データを読み込み、画像データの有無に応じて画像部TG,TGと非画像部N〜Nとを判別するものである。
そして、制御装置50は、図19(a)及び図20に示すように、画像部について更に光沢度判定処理65を実行し、例えば画像部TGがカラー画像領域であるとすれば高い光沢度を要すると判定し、高光沢モードHGに決定する一方、例えば画像部TGがハイライト画像又は黒画像の領域であるとすれば低い光沢度でよいと判定し、低光沢モードLGに決定する。
一方、制御装置50は、図20に示すように、非画像部N〜Nについては低光沢モードLGに決定する。
【0037】
従って、本実施の形態によれば、記録材90上の未定着像TGのうち画像部TG,TGに対しては、判定された光沢度に応じて高光沢モードHGを選択した場合には、第2のレーザ光照射部142を用いたレーザ光による照射動作(照射条件II)を行い、また、低光沢モードLGを選択した場合には、第1のレーザ光照射部141を用いたレーザ光Bmによる照射動作(照射条件I)を行い、画像部TG,TGを加熱定着する。
一方、記録材90上の未定着像TGのうち非画像部N〜Nに対しては、低光沢モードLGを選択するようにしたので、第1のレーザ光照射部141を用いたレーザ光Bmによる照射動作(照射条件I)を行い、非画像部N〜N上に付着した孤立トナーを加熱定着する。
本例では、画像部TG,TG、非画像部N〜Nに対する低光沢モードLGは、第1のレーザ光照射部141によるレーザ光がいずれに対しても定着可能な照射強度又は照射時間を有するものとして選定されるのであれば、両者ともに同レベルに設定してもよいし、異なるレベルに設定しても差し支えない。
尚、本実施の形態では、実施の形態1に係るレーザ光照射部を複数系統設けた態様であるが、これに限られるものではなく、実施の形態2,3に係るレーザ光照射部を複数系統設けるようにしてもよいことは勿論である。
【0038】
◎実施の形態5
図21は実施の形態5に係る定着装置の要部を示す。
同図において、定着装置40の基本的構成は、実施の形態2と略同様であるが、実施の形態2と異なり、レーザアレイ41と記録材90との間に集光レンズ151が含まれる光学ユニット150を設け、この光学ユニット150も位置可変機構160で設置位置を可変設定するようにしたものである。
ここで、レーザアレイ41は、複数のレーザ光源41aと集光レンズ41bとを有しているが、本例では、レーザアレイ41の集光レンズ41bは主として光学ユニット150に向けてレーザ光源41aから出射されたレーザ光Bmを略平行に案内するものであり、光学ユニット150の集光レンズ151にて記録材90上の照射領域Rにレーザ光Bmを集光させるものである。
本例にあっては、レーザアレイ41と光学ユニット150とが独立して移動可能であるため、レーザ光Bmの照射条件として、照射条件Iを設定する場合には、図22(a)に示すように、レーザアレイ41と記録材90との距離をLとすることで照射領域Rでの照射強度PをPB1とし、光学ユニット150と記録材90との距離を調整することで照射幅wを設定するようにすればよい。
一方、照射条件IIを設定する場合には、図22(b)に示すように、レーザアレイ41と記録材90との距離をL(L=L−d)とすることで照射領域Rでの照射強度PをPB2とし、光学ユニット150と記録材90との距離を調整することで照射幅wを設定するようにすればよい。
このように、本例では、レーザ光源41aからの出射強度Pを一定のレベルPL0にしたまま、照射条件を変更することが可能である。
また、本例において、例えば光学ユニット150のレンズ系の一部を独立して調整するようにすれば、レンズの収差や強度ムラ等の影響を抑えることが可能になる点で好ましい。このような調整機構としては例えばカメラのズームレンズ機構のような構成のものを採用するようにすればよい。
尚、照射条件のうち、レーザ光源41aの出射強度Pをも合わせて調整してもよいことは勿論である。
また、本例では、照射条件を設定するにあたり、レーザアレイ41、光学ユニット150を移動させる方式を採用しているが、これに限られるものではなく、例えば記録材90の搬送位置を移動させるような機構を設け、これによって、記録材90とレーザアレイ41、光学ユニット150との距離を調整するようにしてもよい。勿論、両者をともに移動させるようにして調整することも可能である。
【実施例】
【0039】
◎比較例
今、照射条件A(0.6J/cm,0.5ms)を実現する場合に、記録材搬送速度が1,000mm/sの時では、照射幅(紙送り方向)0.5mmに対して1.2kW/cmの照射強度が必要となる。一方、記録材搬送速度が1,500mm/sの時では、照射幅0.75mmに対して1.2kW/cmの照射強度が必要となる。
このとき、照射幅(紙送り方向)を変えることができない場合、例えば照射幅0.5mmで一定とすると、記録材搬送速度が1,500mm/sの時には照射時間は0.33msとなり、黒文字の定着条件を考慮し、照射条件A(0.6J/cm,0.33ms)を実現するため、レーザの照射強度は1.8kW/cmが必要となり、レーザ光出力が大きく必要となる。画質面では急激な加熱によって生じるボイド(記録材などに含まれる水蒸気が蒸発する際に生じるトナーのはがれ)の発生が増えてしまう。また、レーザ光源の要求照射強度の増加はレーザアレイのコスト面を考慮すると現実的な条件ではない。
◎実施例1
−記録材特性と要求画質−
記録材の表面状態(凹凸性の大きい用紙の場合とコート紙のように平坦な用紙の場合)によって、定着したトナーの光沢(グロス)は画質要求により異なってくる。例えば、コート紙に光沢のある画像を定着する場合、照射条件B(1.6J/cm,50ms)により光沢のあるカラー画像を定着することが可能である。照射条件Bを実現するためには、例えば、記録材搬送速度が1,000mm/sの時では、照射幅(紙送り方向)50mmに対して、32W/cmの照射強度が必要となる。
このように印刷する記録材の種類(特性)と要求画質に応じて定着条件(レーザ照射条件)を変えることで所望の画質での定着が実現できる。
【符号の説明】
【0040】
1…レーザ光出射手段,1a…レーザ光源,2…照射光案内手段,3…照射幅可変手段,4…照射強度調整手段 ,5…位置可変機構,6…位置検出手段,7…位置制御手段,8…照射幅制御手段,10…記録材,11…搬送装置,12…作像装置,13…定着装置,14…判定手段,15…照射条件制御手段,16…記録材位置検出手段,17…記録材速度検出手段,18…異常処理制御手段,Bm…レーザ光,P…照射強度,P…出射強度,R…照射領域,TG…未定着像,w…照射幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材の移動方向に交差する方向に配列される複数のレーザ光源を有し、移動する記録材に形成された加熱定着可能な作像材料による未定着像に対してレーザ光を照射するように、前記複数のレーザ光源からレーザ光を出射するレーザ光出射手段と、
このレーザ光出射手段又はレーザ光出射手段と記録材との間の少なくともいずれかに設けられ、前記レーザ光出射手段から出射されたレーザ光を前記記録材の移動方向に沿って予め決められた照射幅の照射領域に照射する照射光案内手段と、
この照射光案内手段にて照射されるレーザ光による記録材上の照射領域に対し記録材の移動方向に沿う照射幅を変化させる照射幅可変手段と、
この照射幅可変手段にて照射幅が変化した記録材上の照射領域に対し、当該照射領域での照射強度を予め決められた必要な照射強度に保つように調整する照射強度調整手段と、
を備えていることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
請求項1記載の定着装置において、
前記照射幅可変手段は、前記レーザ光出射手段のレーザ光出射方向に対する設置位置が変化させられる位置可変機構を有し、この位置可変機構によって前記レーザ光出射手段の設置位置を変化させることで前記照射領域の照射幅を変化させることを特徴とする定着装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の定着装置において、
前記照射強度調整手段は、前記レーザ光出射手段の複数のレーザ光源から出射されるレーザ光の出射強度を調整するものであることを特徴とする定着装置。
【請求項4】
請求項2又は3記載の定着装置において、
前記レーザ光出射手段の設置位置が検出可能な位置検出手段を備えていることを特徴とする定着装置。
【請求項5】
請求項4記載の定着装置において、
前記位置検出手段から検出された位置情報に基づいて前記レーザ光出射手段の検出設置位置と予め決められた目標設置位置との差分を算出し、この差分に基づいて前記レーザ光出射手段が目標設置位置に設置されるように、前記レーザ光出射手段の設置位置を変化させる位置制御手段を備えていることを特徴とする定着装置。
【請求項6】
請求項4又は5記載の定着装置において、
前記位置検出手段から検出された位置情報に基づいて前記レーザ光出射手段の検出設置位置に依存する前記照射幅可変手段の照射幅と前記照射幅可変手段の予め決められた目標照射幅との差分を算出し、この差分に基づいて前記照射幅可変手段が目標照射幅を得るように、前記照射幅可変手段を制御する照射幅制御手段を備えていることを特徴とする定着装置。
【請求項7】
請求項4ないし6いずれかに記載の定着装置において、
前記位置検出手段は前記レーザ光出射手段の設置位置に対応した位置情報を電気信号に変換して検出するエンコーダであることを特徴とする定着装置。
【請求項8】
請求項4ないし6いずれかに記載の定着装置において、
前記位置検出手段は、前記レーザ光出射手段に設けられ、記録材に対して検出用の光を照射することで当該記録材面にて反射若しくは干渉した光を前記レーザ光出射手段と記録材との間の相対位置情報として検出する光学検出器であることを特徴とする定着装置。
【請求項9】
請求項1ないし8いずれかに記載の定着装置において、
前記レーザ光出射手段は記録材上の複数の照射領域に対応して複数設けられ、
夫々のレーザ光出射手段に対して前記照射光案内手段、前記照射幅可変手段及び前記照射強度調整手段を備えていることを特徴とする定着装置。
【請求項10】
記録材を搬送する搬送装置と、
この搬送装置にて搬送される記録材上に加熱定着可能な作像材料による未定着像を作製する作像装置と、
この作像装置にて作製された未定着像をレーザ光により加熱定着する請求項1ないし8いずれかに記載の定着装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10記載の画像形成装置において、
記録材の搬送速度、記録材の種類又は記録材上の未定着像に求められる光沢度を判定する判定手段と、
この判定手段にて判定される情報に基づいて前記照射幅可変手段及び前記照射強度調整手段による照射条件を制御する照射条件制御手段と、
を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項10又は11記載の画像形成装置において、
前記レーザ光出射手段の設置位置が検出可能な位置検出手段を備え、
この位置検出手段は、前記レーザ光出射手段に設けられ、記録材に対して検出用の光を照射することで当該記録材面にて反射若しくは干渉した光を前記レーザ光出射手段と記録材との間の相対位置情報として検出する光学検出器であり、
更に、前記光学検出器の検出出力の変化から記録材の有無又は記録材の搬送位置の異常が検出可能な記録材位置検出手段を兼ねることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項10又は11記載の画像形成装置において、
前記レーザ光出射手段の設置位置が検出可能な位置検出手段を複数備え、
この複数の位置検出手段は、夫々前記レーザ光出射手段に設けられ、記録材に対して検出用の光を照射することで当該記録材面にて反射若しくは干渉した光を前記レーザ光出射手段と記録材との間の相対位置情報として検出する光学検出器であり、
更に、前記複数の光学検出器の検出用の光の照射位置を記録材の搬送方向に対して変位して配置し、複数の光学検出器の検出出力差から記録材の搬送速度が検出可能な記録材速度検出手段を兼ねることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項12又は13記載の画像形成装置において、
前記記録材位置検出手段又は前記記録材速度検出手段の検出出力に基づいて記録材の搬送異常を判別し、記録材の搬送異常の有無に応じて予め決められた異常処理を実行するか否かを制御する異常処理制御手段を備えていることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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