説明

実装不良解析システム及び工程異常モニタリングシステム

【課題】コストアップを抑え、かつ、実装工程での不良原因の解析が確実に行うことのできる実装不良解析システムを得る。
【解決手段】画像データ管理装置21は、基板の枚葉毎に実装面の各工程作業状態を撮像した基板表面状態画像データ31を記録する。実装不良解析装置22は、外観検査工程14から、任意の基板に対する不良箇所の通知を受けた場合、基板の各工程作業状態の画像データを画像データ管理装置21から取得し、不良箇所の発生した工程の画像を起点としてその工程より前の工程の作業状態の画像から不良原因の解析を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリント基板の実装工程における実装不良を解析する実装不良解析システム、及び、実装工程における異常をモニタリングする工程異常モニタリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、リフローはんだ付けを行う面付け実装工程は、ソルダペースト印刷、ボンド塗布、部品搭載、リフロー加熱、はんだ付け検査といった工程から構成されており、これら工程を行う装置をベルトコンベアで接続しライン化して無人化を図る場合が多い。また、両面に実装を行うのでラインを2回通って完成する。各工程が無人化であるため、実際、製品不適合品が発生してもどのような状態で組立られ、組立工程条件のばらつきが発生していたのか判らないことから、不適合品発生の原因を特定する作業が難航することが多い。
【0003】
そこで、これらの対策として、例えば特許文献1に示すように、紙や樹脂等のラベルにシリアルナンバーのバーコードを印刷して貼り付けることにより、部品ロット番号や実装記録の管理に使用する方法があった。また、特許文献2に示すように、接着剤を基板表面に塗布し、その数と塗布位置でコード化を行い、製造ロット情報や組立情報を表示する方法があった。更に、特許文献3に示すように、面付け実装基板に印刷した文字コードに実装面(表、裏面またはA、B面)を区別できるコードを付加する枚葉認識コードを使用し、枚葉毎に各実装面のプロセス条件、すなわち作業日時、実装設備やライン番号、クリームはんだの印刷状態、部品搭載精度、リフロ温度プロファイル等の製造来歴データを記録する手段と、はんだリフロー後の不良箇所や不良内容の検査データを、枚葉毎、各実装面毎に記録する手段を用いる方法があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−170774号公報
【特許文献2】特開平2−58291号公報
【特許文献3】特開平5−108845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術において、バーコードラベルを用いる場合、温度や湿度の影響、例えばはんだ付けによる高温状態等で変色したり剥がれたりすると読み取りができないといった問題がある。これを補うため耐温湿度に優れたラベルが実用化されているが、この場合はコストがアップするという問題があった。
また、接着剤は枚葉でシリアルナンバー.を塗布する制御が複雑であり、塗布量の多少でコードの読み取りミスが発生することがある。また塗布後に接着剤を紫外線や熱で硬化させる工程を追加する必要があり、この場合もコストアップにつながるという問題点があった。
さらに、実装面(表、裏面またはA、B面)を区別できるコードを付加する枚葉認識コードを使用する場合、格納されているデータを抽出するのに手間がかかり、品質改善には実際的でない。また、枚葉毎の各実装面のプロセス条件だけでは、各工程で実際にどのようなことが発生していて、不適合品を発生させていたのかが分からず、不良発生原因の特定が難しいという問題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、コストアップを抑え、かつ、実装工程での不良原因の解析が確実に行うことのできる実装不良解析システム及び工程異常モニタリングシステムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る実装不良解析システムは、基板の枚葉毎に実装面の各工程作業状態を撮像したデータを記録する画像記録装置と、任意の基板に対する不良箇所の通知を受けた場合、基板の各工程作業状態の画像データを画像記録装置から取得し、不良箇所の発生した工程の画像を起点としてその工程より前の工程の作業状態の画像から不良原因の解析を行う実装不良解析装置を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の実装不良解析システムは、任意の基板に対する不良箇所の通知を受けた場合、不良箇所の発生した工程の画像を起点としてその工程より前の工程の作業状態の画像から不良原因の解析を行うようにしたので、コストアップを抑え、かつ、実装工程での不良原因の解析を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】この発明の実施の形態1による実装不良解析システムを示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1の実装不良解析システムのソルダペースト印刷工程における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示す説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1の実装不良解析システムのボンド塗布工程における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1の実装不良解析システムの部品搭載工程における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1の実装不良解析システムのリフロー加熱工程における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態1の実装不良解析システムの外観検査工程における作業フローに対する不良箇所の撮像データの取得タイミング及び転送先を示す説明図である。
【図7】この発明の実施の形態1の実装不良解析システムのソルダペースト印刷工程〜外観検査工程で送出されたデータ格納形式を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態2による実装不良解析システムを示す構成図である。
【図9】この発明の実施の形態2の実装不良解析システムの部品挿入工程における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示す説明図である。
【図10】この発明の実施の形態2の実装不良解析システムのポストフラックス塗布工程における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示す説明図である。
【図11】この発明の実施の形態2の実装不良解析システムのフローはんだ付け工程における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示す説明図である。
【図12】この発明の実施の形態2の実装不良解析システムの外観検査工程における作業フローに対する不良箇所の撮像データの取得タイミング及び転送先を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態2の実装不良解析システムの部品挿入工程〜外観検査工程で送出されたデータ格納形式を示す説明図である。
【図14】この発明の実施の形態3による工程異常モニタリングシステムを示す構成図である。
【図15】この発明の実施の形態3の工程異常モニタリングシステムのソルダペースト印刷工程における工程異常判定を示すフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態4による工程異常モニタリングシステムを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による実装不良解析システムを示す構成図である。
図1に示す実装不良解析システムは、表面実装工程に適用した場合を示すものであり、各製造工程は、ソルダペースト印刷工程10、ボンド塗布工程11、部品搭載工程12、リフロー加熱工程13、外観検査工程14からなる。ここで、ソルダペースト印刷工程10は、プリント基板にソルダペースト印刷を行う作業工程であり、ボンド塗布工程11はボンド塗布を行う作業工程である。部品搭載工程12は、小型チップ部品やQFP等のフラットパッケージICを搭載する作業工程である。リフロー加熱工程13は、リフローはんだを行う作業工程である。外観検査工程14は、はんだ付け検査を行う作業工程である。また、これらソルダペースト印刷工程10〜外観検査工程14のそれぞれには、作業状態を撮像するための画像取得手段(図1ではその図示を省略している)が設けられている。
【0011】
このような表面実装工程に適用する実装不良解析システムは、画像データ管理装置21と実装不良解析装置22とからなる。画像データ管理装置21は、パーソナルコンピュータ(PC)からなるもので、ソルダペースト印刷工程10〜リフロー加熱工程13のそれぞれにおける作業状態を撮像した画像を取得し、保存するための画像記録装置である。また、実装不良解析装置22は、外観検査工程14から不良箇所情報を受け取った場合、不良箇所の通知を受けた基板の各工程作業状態の画像データを画像データ管理装置21から取得し、不良箇所の発生した工程の画像を起点としてその工程より前の工程の作業状態の画像から不良原因の解析を行う装置である。
【0012】
図2は、ソルダペースト印刷工程における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示している。作業前の基板表面状態及び作業後の基板表面状態を撮像し、これを基板表面状態画像データ31としてPC(画像データ管理装置21)に転送する。
【0013】
図3は、ボンド塗布工程における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示している。作業前の基板表面状態、作業中の作業部分の基板表面状態及び作業後の基板表面状態を撮像し、基板表面状態画像データ31として画像データ管理装置21へ順次転送する。
【0014】
図4は、部品搭載工程における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示している。作業前の基板表面状態、作業中の作業部分の基板表面状態及び作業後の基板表面状態を撮像し、基板表面状態画像データ31として画像データ管理装置21へ順次転送する。
【0015】
図5は、リフロー加熱工程における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示している。加熱前の基板表裏面状態及び作業後の基板表裏面状態画像を撮像し、基板表面状態画像データ31として画像データ管理装置21へ順次転送する。
【0016】
このように、ソルダペースト印刷工程からリフロー加熱工程までの製造工程において、投入される基板枚葉毎に状態を撮像し、それぞれの基板表面状態画像データ31を画像データ管理装置21へ順次転送する。画像データ管理装置21では、それぞれの基板表面状態画像データ31を、ライン投入順の基板としてデータ格納する。
【0017】
図6は、外観検査工程における作業フローに対する不良箇所の撮像データの取得タイミング及び転送先を示している。どの部分が不良であるかを示す不良箇所情報32と不良箇所の画像を示す不良箇所画像データ33を実装不良解析装置22へ送付する。
図7は、ソルダペースト印刷工程10〜外観検査工程14で送出されたデータ格納形式を示す説明図である。例えば、ソルダペースト印刷では「印刷前」と「印刷後」といったように、図7に示す各工程のデータは、図2〜図6で説明した画像データ管理装置21への転送データや実装不良解析装置22へのデータに対応したものである。
【0018】
実装不良解析装置22は、外観検査結果の不良箇所画像データ33に対して、前工程の工作状態を確認し、不良発生原因を早期に特定する。その解析方法としては、外観検査結果の不良箇所画像データ33を起点として、その基板に対する各工程で撮像した画像データを表示し、製作した製造プロセスの妥当性を確認するものである。
【0019】
このように、本実施の形態の実装不良解析システムでは、製造ライン上での解析システムであるため、特に基板単体へのシリアル番号等、個体認識のための識別コードを必要としない。
【0020】
以上のように、実施の形態1の実装不良解析システムによれば、基板の枚葉毎に表面実装工程における実装面の各工程作業状態を撮像したデータを記録する画像記録装置と、任意の基板に対する不良箇所の通知を受けた場合、基板の各工程作業状態の画像データを画像記録装置から取得し、不良箇所の発生した工程の画像を起点としてその工程より前の工程の作業状態の画像から不良原因の解析を行う実装不良解析装置を備えたので、表面実装の実装面毎に独立して不良内容の分析やその原因を解析することが可能となる。すなわち実装工程の設備診断や異常の発見および枚葉毎の製造プロセス条件の妥当性を製造した後からの検証を含む不良原因の分析が可能となり、不良原因の解析が容易に行え、品質向上に資することができる。
【0021】
実施の形態2.
実施の形態2は、本発明の実装不良解析システムを挿入実装工程に適用した例を示すものである。
図8は、実施の形態2における実装不良解析システムを示す構成図である。
実施の形態2の実装不良解析システムが適用される製造工程では、部品挿入工程15、ポストフラックス塗布工程16、フローはんだ付け工程17、外観検査工程18からなる。部品挿入工程15は、挿入型電子部品を基板に挿入する工程である。ポストフラックス塗布工程16は、ポストフラックスを実装面に塗布する工程である。フローはんだ付け工程17は、フローはんだ付けを行う工程である。外観検査工程18は、はんだ付けが正常に行われているかといった不良箇所の有無を検査する工程である。また、それぞれの工程には実施の形態1と同様にそれぞれの作業状態を撮像するための画像取得手段(図示省略)が設けられている。
【0022】
このような挿入実装工程に適用する実装不良解析システムは、画像データ管理装置21と実装不良解析装置22とを備えており、これらの基本的な機能は実施の形態1における画像データ管理装置21及び実装不良解析装置22と同様である。
【0023】
各製造工程では、作業状態を撮像した画像を、画像データ管理装置21へ順次転送する。
図9は、部品挿入工程15における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示している。図示のように、作業前の基板表面状態、作業中の作業部分の基板表面状態及び作業後の基板表面状態を撮像し、それぞれを基板表面状態画像データ31として画像データ管理装置21に転送する。
【0024】
図10は、ポストフラックス塗布工程16における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示している。作業前の基板表面状態、作業中の作業部分の基板表面状態及び作業後の基板表面状態を撮像し、基板表面状態画像データ31として画像データ管理装置21へ順次転送する。
【0025】
図11は、フローはんだ付け工程17における作業フローに対する撮像データの取得タイミング及び転送先を示している。作業前の基板表面状態、作業中の作業部分の基板表面状態及び作業後の基板表面状態を撮像し、基板表面状態画像データ31として画像データ管理装置21へ順次転送する。
【0026】
このように、部品挿入工程15からフローはんだ付け工程17までの製造工程において、投入される基板枚葉毎に状態を撮像し、基板表面状態画像データ31を画像データ管理装置21へ順次転送する。
画像データ管理装置21では、各工程での基板表面状態画像データ31をライン投入順の基板としてデータ格納する。
【0027】
図12は、外観検査工程18における作業フローに対する不良箇所の撮像データの取得タイミング及び転送先を示している。外観検査工程18では、実施の形態1の外観検査工程14と同様に、どの部分が不良であるかを示す不良箇所情報32と不良箇所の画像を示す不良箇所画像データ33を実装不良解析装置22へ送付する。
図13は、部品挿入工程15〜外観検査工程18で送出されたデータ格納形式を示す説明図である。各工程のデータは、図9〜図12で説明した画像データ管理装置21への転送データや実装不良解析装置22へのデータに対応したものである。
【0028】
実装不良解析装置22は、外観検査結果の不良箇所画像データ33に対して、前工程の工作状態を確認し、不良発生原因を早期に特定する。その解析方法としては、外観検査結果の不良箇所画像データ33を起点として、その基板に対する各工程で撮像した画像データを表示し、製作した製造プロセスの妥当性を確認するものである。
【0029】
このように、本実施の形態の実装不良解析システムでは、製造ライン上での解析システムであるため、特に基板単体へのシリアル番号等、個体認識のための識別コードを必要としない。
【0030】
以上のように、実施の形態2の実装不良解析システムによれば、基板の枚葉毎に挿入実装工程における実装面の各工程作業状態を撮像したデータを記録する画像記録装置と、任意の基板に対する不良箇所の通知を受けた場合、基板の各工程作業状態の画像データを画像記録装置から取得し、不良箇所の発生した工程の画像を起点としてその工程より前の工程の作業状態の画像から不良原因の解析を行う実装不良解析装置を備えたので、挿入実装の実装面毎に独立して不良内容の分析やその原因を解析することが可能となる。すなわち実装工程の設備診断や異常の発見および枚葉毎の製造プロセス条件の妥当性を製造した後からの検証を含む不良原因の分析が可能となり、不良原因の解析が容易に行え、品質向上に資することができる。
【0031】
実施の形態3.
図14は、実施の形態3の工程異常モニタリングシステムを示す構成図である。
実施の形態3の工程異常モニタリングシステムは、各工程において、枚葉毎に直前に生産した基板での作業状態と比較検査する自工程完結型の表面実装工程用工程異常モニタリングシステムである。
図14において、ソルダペースト印刷工程10〜外観検査工程14と画像データ管理装置21の構成は、実施の形態1と同様である。また、工程異常モニタリング装置23は、各工程の画像データと時間的に直近の基板の同じ工程の画像データとの差分に基づいて、各工程が正常であるか異常であるかを示す状態表示を行う装置である。
【0032】
図15は、一例としてソルダペースト印刷工程10における工程異常判定についてフローを示している。
基板が搬入されると、印刷前の基板の印刷表面画像を撮像し(ステップST1)、基板表面状態画像データ31として画像データ管理装置21に転送する(ステップST2)。画像データ管理装置21では、受け取った画像を工程異常モニタリング装置23に作業状態撮像画像データ41(図14参照)として転送する(ステップST3)。これにより、工程異常モニタリング装置23は、画像データ管理装置21に対して、同じ工程で一つ前の基板(ソルダペースト印刷を一つ前に行った基板)における作業前状態の画像を要求する(ステップST4)。図14において、要求データ42がこれを示している。
【0033】
工程異常モニタリング装置23は、画像データ管理装置21より、一つ前の基板の作業前状態画像を応答データ43として入手すると(ステップST5)、これら画像の差分を比較する(ステップST6)。差分比較の結果、予め定められた基準値を超える値であった場合は、工程異常表示を行い(ステップST7)、また、基準値以内であった場合は工程正常表示を行う(ステップST8)。尚、差分の比較は撮像画面内の2値化処理や濃淡処理、および正規化相関法によるパターンサーチを用いる。また、ステップST7における工程異常表示としては、ディスプレイにおけるメッセージ表示やブザー鳴動といった方法、あるいはエラー発呼であってもよい。
【0034】
同様に、基板への印刷が行われると、印刷後の基板の印刷表面画像を撮像し(ステップST9)、基板表面状態画像データ31として画像データ管理装置21に転送される(ステップST11)。以降のステップST12〜ステップST16の処理も上記のステップST4〜ステップST8と同様である。
【0035】
このように、今生産している基板の作業状態の撮像した画像と、先に流れた基板の作業状態の撮像した画像との差分を比較することで工程内異常のモニタリングを行うことができる。
この実施の形態3においても、製造ライン上でのモニタリングシステムであるため、特に基板単体へのシリアル番号等、個体認識のための識別コードを必要としない。
【0036】
以上のように、実施の形態3の工程異常モニタリングシステムによれば、基板の枚葉毎に実装面の各工程作業状態を撮像したデータを記録する画像記録装置と、各工程の画像データと時間的に直近の基板の同じ工程の画像データとの差分に基づいて、各工程が正常であるか異常であるかを示す状態表示を行う工程異常モニタリング装置とを備えたので、実装面毎に独立して不良内容の分析やその原因を解析することが可能となる。すなわち実装工程の設備診断や異常の発見および枚葉毎の製造プロセス条件の妥当性を製造した後からの検証を含む不良原因の分析が可能となり、不良原因の解析が容易に行え、品質向上に資することができる。
【0037】
また、実施の形態3の工程異常モニタリングシステムによれば、各工程は表面実装工程としたので、表面実装の実装面毎に独立して不良内容の分析やその原因を解析することができる。
【0038】
また、実施の形態3の工程異常モニタリングシステムによれば、工程異常モニタリング装置は、何れかの工程が異常であると判定した場合、その工程が異常であることを示す表示を行うようにしたので、容易かつ確実に不良が発生した工程を知ることができる。
【0039】
実施の形態4.
図16は、実施の形態4の工程異常モニタリングシステムを示す構成図である。
実施の形態4の工程異常モニタリングシステムは、挿入実装工程に適用した自工程完結型の挿入実装工程用工程異常モニタリングシステムとして例を示すものである。図中、部品挿入工程15〜外観検査工程18及び画像データ管理装置21の構成は、図8に示した実施の形態2と同様である。また、工程異常モニタリング装置23は、実施の形態3と同様に、各工程の画像データと時間的に直近の基板の同じ工程の画像データとの差分に基づいて、各工程が正常であるか異常であるかを示す状態表示を行う装置である。
【0040】
動作においては、実施の形態3の図15で示したフローと同様に、今生産している基板の作業状態を撮像した画像と、先に流れた基板の同じ工程の作業状態を撮像した画像との差分を比較する。これにより、挿入実装工程に適用した場合でも実施の形態3と同様に工程異常をモニタリングすることができる。
【0041】
以上のように、実施の形態4の工程異常モニタリングシステムによれば、各工程は挿入実装工程としたので、挿入実装の実装面毎に独立して不良内容の分析やその原因を解析することができる。
【0042】
尚、実施の形態3,4では、工程異常モニタリングシステムをプリント基板における作業工程に対して適用した場合を説明したが、製品の作業工程に対して適用してもよい。すなわち、製品毎にその製品を構成する要素の工程作業状態を撮像したデータを記録する画像記録装置と、各工程の画像データと時間的に直近の製品の同じ工程の画像データとの差分に基づいて、各工程が正常であるか異常であるかを示す状態表示を行う工程異常モニタリング装置とを備えた工程異常モニタリングシステムとしてもよい。これにより、作業工程の設備診断や異常の発見および製品毎の製造プロセス条件の妥当性を製造した後からの検証を含む不良原因の分析が可能となり、不良原因の解析が容易に行え、品質向上に資することができる。
【0043】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 ソルダペースト印刷工程、11 ボンド塗布工程、12 部品搭載工程、13 リフロー加熱工程、14,18 外観検査工程、15 部品挿入工程、16 ポストフラックス塗布工程、17 フローはんだ付け工程、21 画像データ管理装置、22 実装不良解析装置、23 工程異常モニタリング装置、31 基板表面状態画像データ、32 不良箇所情報、33 不良箇所画像データ、41 作業状態撮像画像データ、42 要求データ、43 応答データ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の枚葉毎に実装面の各工程作業状態を撮像したデータを記録する画像記録装置と、
任意の基板に対する不良箇所の通知を受けた場合、当該基板の各工程作業状態の画像データを前記画像記録装置から取得し、前記不良箇所の発生した工程の画像を起点として当該工程より前の工程の作業状態の画像から不良原因の解析を行う実装不良解析装置を備えたことを特徴とする実装不良解析システム。
【請求項2】
各工程は表面実装工程であることを特徴とする請求項1記載の実装不良解析システム。
【請求項3】
各工程は挿入実装工程であることを特徴とする請求項1記載の実装不良解析システム。
【請求項4】
基板の枚葉毎に実装面の各工程作業状態を撮像したデータを記録する画像記録装置と、
各工程の画像データと時間的に直近の基板の同じ工程の画像データとの差分に基づいて、各工程が正常であるか異常であるかを示す状態表示を行う工程異常モニタリング装置とを備えたことを特徴とする工程異常モニタリングシステム。
【請求項5】
各工程は表面実装工程であることを特徴とする請求項4記載の工程異常モニタリングシステム。
【請求項6】
各工程は挿入実装工程であることを特徴とする請求項4記載の工程異常モニタリングシステム。
【請求項7】
製品毎に当該製品を構成する要素の工程作業状態を撮像したデータを記録する画像記録装置と、
各工程の画像データと時間的に直近の製品の同じ工程の画像データとの差分に基づいて、各工程が正常であるか異常であるかを示す状態表示を行う工程異常モニタリング装置とを備えたことを特徴とする工程異常モニタリングシステム。
【請求項8】
工程異常モニタリング装置は、何れかの工程が異常であると判定した場合、当該工程が異常であることを示す表示を行うことを特徴とする請求項4から請求項7のうちのいずれか1項記載の工程異常モニタリングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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