説明

実際の位置特定データを提供するためのシステム

【課題】実際の位置特定データを提供するためのシステムを提供する。
【解決手段】実際の位置特定画像データを少なくとも1つのリクエスタに提供するための装置が、位置特定画像データの多数のプロデューサに結合され、各々のプロデューサは、1つ又は複数の特定の位置の位置特定画像データを提供するように適合され、プロデューサの位置を示す位置表示を少なくとも含むプロデューサ・プロファイルを有する。この装置100は、レシーバ101と、プロセッサ102と、トランスミッタ103とを有する。レシーバ101は、リクエスタから1つ又は複数の特定の位置の位置特定画像データに対する要求を受信するように構成される。トランスミッタ103は、少なくとも1つの適合したプロデューサからの要求された位置特定画像データをリクエスタに送信するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのリクエスタに実際の位置特定画像データを提供するための装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所与の位置の状態に関する位置特定画像データを、正確且つタイムリーにリクエスタに提供する又はリクエスタが取得するのは複雑な作業である。概況を得るため、潜在的な問題を迅速に見つけるため、又は問題の原因を理解するためといった状況認識を向上させるために、画像材料へのアクセスが重要になり得る多くのシナリオが存在する。例えば、交通事故後又は困難な気象状況下後のハイウェイにおける交通状況の理解により、当局が、可能であればカメラを装備したパトロールカー又はヘリコプターを派遣して、現状を撮影し、本部又は他の道路使用者に伝送することが必要とされる。
【0003】
別の例としては、例えば、交通事故又は化学的事故、出火又は環境事故などの緊急事態に効率的に対応することを挙げることができる。緊急サービスは、救助活動を準備し、アクセス箇所を認識し、危険性を評価するのに、領域内の現状に関する早く正確な情報に決定的に左右される。
【0004】
さらに別の例においては、イベントに参加しようとする私人が、無料駐車場の状態及び関心ある領域の混雑について知りたいと思う。
【0005】
位置特定画像データを提供するために、通常、例えば、監視カメラ、ウェブカメラ、パトロールして本部に報告する自動車及びヘリコプター、並びに軍事衛星システムなどの固定位置にカメラを据え付けることが利用される。
【0006】
しかしながら、これらの解決策は一般に時間がかかり、運用に費用がかかり、受信可能範囲の点で柔軟性がない。固定カメラは、潜在的に360度の視野を与えることができるが、取り付けられている非常に限られた領域の監視情報を与えることしかできず、遠隔の領域に適用することはできない。
【0007】
こうした領域をカバーするために、車両を派遣することが可能であり、又は衛星画像を要求する必要がある。これは、画像収集プロセスを時間及び金の点で高価なものにする。
【0008】
その上、従来の解決策はさらに、当局に確保されている。一方、特定の現在の駐車場の状況、又は例えばあるビーチの特定の場所における混雑さに関心がある私人は、こうした情報を得ることができない。
【0009】
位置特定画像データを提供するための別の解決策は、関心ある特定の位置の画像データベースからストックの写真を取り込むことである。そのようなオフラインの解決策は、生のデータ又は実データを提供できないという不利点を有する。さらに、特定の位置の位置特定画像データを撮影するように写真家に委託することも可能である。しかしながら、この解決策もまた、生の実データを提供できないという不利点を有し、さらにこの解決策は非常に費用がかかることがある。
【0010】
さらに、位置特定画像データを取得するために、特定の位置又は関心ある位置の状況に関して報告するように、操縦士又は運転手に口頭で要求することがある。
【0011】
例えば、ユーザが、自分の現在位置に応じて、レストラン、気象条件、旅行案内などの多くの情報を要求する場合、位置ベースのサービスの文脈において、ユーザの位置のプライバシー保護が研究されている。
【0012】
非特許文献1では、報告された位置の精度を制限して、所与の時間間隔の間に同じ領域内に少なくともk−1つの他のユーザが存在するようにする方法を開発するために、k匿名性(k-anonymity)の概念が用いられている。非特許文献1の方法は集約され、真の位置を位置アノニマイザに対して明らかにする。
【0013】
非特許文献2には、実際の位置と共に偽の計測点が報告される難読化(obfuscation)技術が提案されている。これは、得られる位置ベースのサービスの質と保護されるプライバシーとの間のトレードオフに焦点を合わせたものである。
【0014】
非特許文献3においては、関心あるレバレッジ点が、例えば市又は区のような様々な粒度で象徴的な徴的位置によって識別される。非特許文献3の手法は、プライバシー・レベルを所定の粒度の選択に制限し、その結果、厳格な組の厳格なプライバシー・レベルが報告される。
【0015】
非特許文献4及び非特許文献5には、位置ベースのサービスにおける、初めの位置領域に対する3つの摂動演算子による位置の難読化が提案されている。3つの摂動演算子は、半径の拡大、中心の移動、及び半径の縮小を含む。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Gruteser,M.、Grunwald, D著、「Anonymoususage of location-based services through spatial and temporal cloaking」、the 1st International Conference on Mobile Systems, Applications andServices(MobiSys)、The USENIX Association、2003年
【非特許文献2】M.Duckham及びL. Kulik著、「A formalmodel of obfuscation and negotiation for location privacy」、the 3rd International Conference PERVASIVE 2005、ミュンヘン、ドイツ、2005年
【非特許文献3】P.Bellavista, A. Corradi及びC.Giannelli著、「Efficiently managing location information with privacy requirementsin WiFi networks: a middleware approach」、 theInternational Symposium on Wireless Communication Systems (ISWCS'05)、ページ1-8、Siena、イタリア、2005年
【非特許文献4】Ardagna,C.A.、Cremonini, M.、Damiani, E.、di Vimercati, S.D.C.、Samarati, P.著、「Location privacy protection through obfuscation-based techniques」、the 21st Conference on Data and Applications Security、Volume 4602 of Lecture Notes in Computer Science、Springer、47-60、2007年
【非特許文献5】ClaudioA. Ardagna、Marco Cremonini、SabrinaDe Capitani di Vimercati、Pierangela Samarati著、「An Obfuscation-Based Approach for Protecting Location Privacy」、IEEE Transactions on Dependable and Secure Computing、2009年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
少なくとも1つのリクエスタに実際の位置特定画像データを提供するための装置、システム及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第1の態様の一実施形態によると、少なくとも1つのリクエスタに位置特定画像データを提供するための装置が提案される。この装置は、位置特定画像データの多数のプロデューサに結合され、各々のプロデューサは、1つ又は複数の特定の位置の位置特定画像データを提供するように適合され、かつ、少なくともプロデューサの位置を示す位置表示を含むプロデューサ・プロファイルを有する。本装置は、レシーバ、プロセッサ、及びトランスミッタを有する。レシーバは、リクエスタから特定の位置の位置特定画像データに対する要求を受信するように構成される。プロセッサは、受信された要求、プロデューサ・プロファイル、及び特定の位置の要求された位置特定画像データの所定の現実性(actuality)を示す現実性表示に基づいて、少なくとも1つのプロデューサをリクエスタに適合させるように構成される。トランスミッタは、少なくとも1つの適合したプロデューサからの要求された位置特定画像データをリクエスタに送信するように構成される。
【0019】
現実性表示は、必要な若しくは要求される現実性、又は換言すれば、要求された画像の最新性を示す。現実性は、リクエスタが指定する又は予め定めることができ、例えば、ある期間又はある時点のものとすることができる。一例として、現実性表示は、例えばある年月日の4pmより古くないといった、指定された日時より古いものではないことが可能であると指定することができる。
【0020】
位置特定画像データの必要とされる現実性を指定することにより、本発明の実施形態による装置は、実際の位置特定画像データ、又は換言すれば現在の位置特定画像データ、或いは換言すれば実時間の位置特定画像データをリクエスタに提供することができる。
【0021】
幾つかの実施によると、リクエスタは、実際の位置特定画像データ又は材料をタイムリー且つ費用効率の高い方法で取得することができる。
【0022】
特に、ランダムな関心ある場所、即ち1つ又は複数の特定の位置から、短い時間制限内で画像データをオン・デマンドで作成するためのサービス・モデルを提供することができる。本発明の実施形態は、ますます増加するカメラの遍在、例えばGPSレシーバ、並びに現在及び次世代のハンドヘルド装置の高速接続などの位置認識を踏まえるものである。この関連で、リクエスタ及び各々のプロデューサもまた、こうしたハンドヘルド装置によって具体化することができる。本装置は、位置特定画像データ要求を管理し、関連するプロデューサを見つけて通知し、適合したプロデューサをリクエスタに結び付け、さらに可能な報酬を処理することができるサービス・プロバイダ、サーバ又はブローカによって具体化することができる。
【0023】
幾つかの実施によると、画像収集プロセスは、閉鎖的な集団内の従来の2〜3のプロデューサから切り離し、分散型コミュニティ・ベースの手法を用いる、多数のプロデューサによるものとすることができる。このコミュニティを形成する多数のプロデューサを装置に接続することができ、それらのプロデューサを広い領域にわたって分散させることができるので、位置特定画像データをその広い領域に対して有利に提供することができる。さらに、これらの多数のプロデューサは、位置特定画像データを提供するための高速の解決策を確実なものにすることができる。
【0024】
さらに、上記のコミュニティ・ベースの手法のために、位置特定画像データを収集すること又は提供することで、上述の従来の解決策と比べて運用コストが低くなり得る。一例として、緊急性、排他性、及び要求された位置特定画像データの質に応じて、プロデューサにより、低報酬又は無報酬で画像を提供することさえも可能である。
【0025】
幾つかの実施によると、リクエスタの要求を、関心ある領域内の装置と契約しているプロデューサに送ることができ、これにより、例えば事故が報告されているハイウェイを横切る航空機などの、関連する位置特定画像データを数秒以内に提供することができる。この関心ある領域は、位置特定画像データが要求される特定の位置を含むことができる。
【0026】
一実施形態によると、本装置は、要求中のリクエスタとプロデューサの間にプロトコルを提供して、要求された位置特定画像データを提供することができる。このプロトコルは、位置特定画像データのトランザクションの間、リクエスタ及びプロデューサに対する匿名性を保持することができる。詳細には、リクエスタと各々のプロデューサとの間に装置を用いることにより、全ての通信エンドポイントに対する匿名性を保持することができる。さらに、この装置は、特定の要求に従って、リクエスタの必要性を満たす1又は複数のプロデューサを繰り返し決定するように具体化することができる。
【0027】
以下の例は、一実施形態を示すことができる。この装置と契約した画像プロデューサは、彼らの位置又は場合によっては彼らのぼかした位置を随意的な他の属性と共に装置に報告することができる。リクエスタは、画像内の関心ある特定のプロパティに対する要望と随意的に組み合せてランダムな位置からの位置特定画像データ要求を、装置又はサービス・プロバイダに出すことができる。こうした特定のプロパティは、概観写真、無料駐車場、及び特定のイベントにおける待ち列の状態又はビーチの混雑さを例示的に定めることができる。
【0028】
位置特定画像データ要求を報酬と結びつけて画像プロデューサにインセンティブを与えることができる。
【0029】
装置又はサービス・プロバイダは、プロトコルを開始することができ、リクエスタの要求に最もよく適合する一組のプロデューサを選択することができる。プロデューサは、随意的に参加することを決めることができ、ここでリクエスタは、参加を決めた提案されたプロデューサの中から選択することができる。選択されたプロデューサは、通知を受けることができ、位置特定画像データを生成又は提供することができ、これらの位置特定画像データは、サービス・プロバイダを介してリクエスタに転送することができる。
【0030】
一実施形態において、レシーバは、位置特定画像データの結合されたプロデューサから最新のプロデューサ・プロファイルを受信するように構成され、プロセッサは、受信した要求、受信した最新のプロデューサ・プロファイル及び現実性表示に基づいて、少なくとも1つのプロデューサをリクエスタに適合させるように構成される。
【0031】
プロデューサは、その位置を変えることができる。最新のプロデューサ・プロファイルを用いて、装置は、契約したプロデューサがいる場所をある程度まで知ることができ、従って、実際の位置特定画像データを要求中のリクエスタに提供することができる。
【0032】
さらに別の実施形態において、レシーバは、現実性表示を含む要求を受信するように構成される。これに関連して、プロセッサは,
受信された要求から現実性表示を抽出し、受信された要求、プロデューサ・プロファイル及び抽出された現実性表示に基づいて、少なくとも1つのプロデューサをリクエスタに適合させるように構成することができる。
【0033】
さらに別の実施形態において、本装置は、本装置と契約した各々のリクエスタに関するリクエスタ・プロファイルを格納するためのメモリを含む。それぞれのリクエスタ・プロファイルは、各々のリクエスタが要求する位置特定画像データの所定の現実性を示す現実性表示を少なくとも有することができる。ここで、プロセッサは、受信された要求、プロデューサ・プロファイル及び格納されたリクエスタ・プロファイルに基づいて、少なくとも1つのプロデューサをリクエスタに適合させるように構成することができる。
【0034】
さらに別の実施形態において、本装置は、リクエスタに適合するプロデューサに参加要求を送信するためのセンダ(sender)を有する。ここでレシーバは、送信された参加要求に応答して、適合されたプロデューサからの参加応答を受信するように構成することができる。
【0035】
さらに別の実施形態において、センダは、プロデューサ提案をリクエスタに送信するように構成することができ、ここで、プロセッサは、受信された参加応答に基づいて、プロデューサ提案を生成するように構成される。
【0036】
特に、複数のプロデューサがリクエスタに適合する場合には、装置は、プロデューサ提案を用いて、リクエスタに1つのプロデューサ又は多数のプロデューサを選択する機会を与えることができる。
【0037】
前述のプロデューサ提案は、それぞれのプロデューサ・プロファイルを含めてリクエスタに選択のための適切な基盤を与えることができる。
【0038】
さらに別の実施形態において、レシーバは、送信されたプロデューサ提案に応答して、リクエスタからプロデューサ選択を受信するように構成され、センダは、要求された位置特定画像データの転送をトリガするための画像要求を、受信されたプロデューサ選択によって選択されたプロデューサに送信するように構成される。
【0039】
さらに別の実施形態において、レシーバは、送信された画像要求に応答して、要求された位置特定画像データを含む画像応答を受信するように構成され、センダは、受信された画像応答をリクエスタに送信するように構成される。
【0040】
さらに別の実施形態において、位置特定画像データ要求は、現実性表示、位置特定画像データが要求される特定の位置を示す位置表示、位置特定画像データが要求される特定のオブジェクトを示すオブジェクト表示、位置特定画像データが要求される特定のイベントを示すイベント表示、要求される位置特定画像データの特定のタイプを示すタイプ表示、要求される位置特定画像データをリクエスタ受け取る制限時間を示す緊急性表示、及び/又は要求される位置特定画像データに関する最高報酬を示す報酬表示のうちの少なくとも1つを含む。
【0041】
本装置は、サービス・プロバイダ、サーバ又はブローカによって具体化することができ、又はそれらの一部とすることができる。リクエスタは、例えば、モバイル機器、ハンドヘルド、コンピュータ又は車両のナビゲーション・システムなどの、任意の要求中の手段又は要求中の装置とすることができる。
【0042】
プロデューサは、位置特定画像データを作成するためのカメラを有することができる。プロデューサは、ハンドヘルド、モバイル又はモバイル機器とすることができる。さらに、位置特定画像データをカメラによって作成し、モバイル機器又はパーソナル・コンピュータによってサービス・プロバイダにアップロードすることができる。要求は、任意の通信リンクによって、特に、例えばUMTS、LTE又はGSM、或いは無線LANを用いるなど、任意のモバイル通信リンクによって転送することができる。
【0043】
さらに、前述の位置特定画像データも、そのような通信リンク上で転送することができる。さらに、位置特定画像データは、写真のような静止画、及び/又はビデオのような動画を含むことができる。
【0044】
リクエスタによって位置特定画像データが要求される特定の位置は、リクエスタの実際の位置、又は例えばリクエスタが将来到達し得る位置などリクエスタによって定められた位置とすることができる。
【0045】
レシーバは、任意の受信手段とすることができる。さらに、プロセッサは、任意の処理手段とすることができる。トランスミッタは、任意の伝送手段とすることができる。さらに、センダは、任意の送信手段とすることができる。
【0046】
それぞれの手段、特にレシーバ、プロセッサ、トランスミッタ及びセンダは、ハードウェアで又はソフトウェアで実施することができる。前述の手段がハードウェアで実施される場合、該手段は、例えばコンピュータとして又はプロセッサとしてなど装置として、或いは、例えばコンピュータ・システムなどのシステムの一部分として具体化することができる。前述の手段がソフトウェアで実施される場合、該手段は、コンピュータ・プログラムとして、関数として、ルーチンとして、プログラム・コードとして、又は実行可能オブジェクトとして具体化することができる。
【0047】
第1の態様の任意の実施形態を第1の態様の任意の実施形態と組み合せて、第1の態様の別の実施形態を得ることができる。
【0048】
本発明の第2の態様の実施形態によると、少なくとも1つのリクエスタに位置特定画像データを提供するためのシステムが提案される。本システムは、位置特定画像データの多数のプロデューサと、上述の第1の態様又は上述の第1の態様の一実施形態による装置とを含む。各々のプロデューサを、1つ又は複数の特定の位置の実際の位置特定画像データを提供するように適合させることができる。さらに、各々のプロデューサは、プロデューサの位置を示す位置表示を少なくとも含む特定のプロデューサ・プロファイルを有する。
【0049】
一実施形態において、各々のプロデューサは、位置表示としてぼかした位置を含む最新のプロデューサ・プロファイルを、装置に送信するように構成され、ここで、ぼかした位置とは、プロデューサの行動の正確な位置をぼかすように構成されるものである。
【0050】
さらに別の実施形態において、各々のプロデューサは、プロデューサの位置の定められた変化に基づいて、又は最新のプロデューサ・プロファイルを送信するためのタイマーのタイムアウトに基づいて、最新のプロデューサ・プロファイルを装置に送信するように構成される。
【0051】
さらに別の実施形態において、プロデューサは、プロデューサの実際の正確な位置、距離乱数及び角度乱数に基づいてぼかした位置を計算するように構成される。距離乱数は、範囲[0,R]から、リクエスタにより選択することができる。Rは、例えばリクエスタにより選択されることによる、特定のぼかし半径とすることができる。角度乱数は、[0,360°]から選択することができる。角度乱数についての基準は、予め定めることができる。
【0052】
本発明の第3の態様の実施形態によると、位置特定画像データの多数のプロデューサのなかの少なくとも1つからの位置特定画像データを、少なくとも1つのリクエスタに提供する方法が提案され、各々のプロデューサは、1つ又は複数の特定の位置の位置特定画像データを提供するように適合され、かつ、プロデューサの位置を示す位置表示を少なくとも含むプロデューサ・プロファイルを有する。本方法は、リクエスタから特定の位置の位置特定画像データ要求を受信するステップを有する。さらに本方法は、受信された要求、プロデューサ・プロファイル、及び特定の位置の要求された位置特定画像データの所定の現実性を示す現実性表示に基づいて、少なくとも1つのプロデューサをリクエスタに適合させるステップを有する。さらに本方法は、要求された位置特定画像データを少なくとも1つの適合したプロデューサからリクエスタに送信するステップを有する。
【0053】
第4の態様の実施形態によると、本発明は、位置特定画像データを本発明の第1の態様の装置に送信するための機器に関し、この機器は、該機器の位置を示す位置表示を少なくとも含むプロデューサ・プロファイルを装置に送信するように適合され、装置から受信した画像要求に応答して、1つ又は複数の位置の位置特定画像データを装置に送信するように適合される。
【0054】
この機器は、装置のための画像のプロデューサとして機能し、位置表示としてぼかした位置を含む最新のプロデューサ・プロファイルを装置に送信するように構成されることが好ましく、上記のぼかした位置は、機器の実際の正確な位置をぼかすように構成されたものである。
【0055】
以下において、添付の図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態が説明される。特にそれ以外の指定がない限り、図中の類似の又は機能的に類似の要素には、同じ参照符号が割り当てられる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】実際の位置特定画像データをリクエスタに提供するための装置の第1の実施形態の概略的なブロック図を示す。
【図2】実際の位置特定画像データをリクエスタに提供するための装置の第2の実施形態の概略的なブロック図を示す。
【図3】実際の位置特定画像データをリクエスタに提供するためのシステムの第1の実施形態の概略的なブロック図を示す。
【図4】実際の位置特定画像データをリクエスタに提供するためのシステムの第2の実施形態の概略的なブロック図を示す。
【図5】実際の位置特定画像データをリクエスタに提供するための一連の方法ステップの第1の実施形態を示す。
【図6】実際の位置特定画像データをリクエスタに提供するための一連の方法ステップの第2の実施形態を示す。
【図7】複数の可能なプロデューサのうちの適切なプロデューサを選択するための一連の方法ステップの一実施形態を示す
【図8】装置に通知されるプロデューサの真の位置及びぼかした位置領域の一実施形態を示す図である。
【図9】装置に通知されるぼかした位置領域の位置更新の一実施形態を示す図である。
【図10】装置に通知されるぼかした位置領域の連続的な位置更新をもたらす、装置の移動度の一実施形態を示す図である。
【図11】位置に依存するぼかし半径の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1に、実際の位置特定画像データをリクエスタに提供するための装置100の第1の実施形態の概略的なブロック図を示す。
【0058】
装置100は、サーバ又はブローカとすることができる。装置100は、位置特定画像データの多数のプロデューサと結合される(図3及び図4を参照されたい)。各々のプロデューサは、1つ又は複数の特定の位置の実際の位置特定画像データを提供するように適合される。特定の位置は、リクエスタによって定めることができる。各々のプロデューサは、プロデューサの位置を示す位置表示を少なくとも含むプロデューサ・プロファイルを有する。
【0059】
装置100は、レシーバ101、プロセッサ102、及びトランスミッタ103を有する。
【0060】
レシーバ101は、リクエスタからの特定の位置の位置特定画像データ要求を受信するように構成される。プロセッサ102は、受信された要求、プロデューサ・プロファイル及び現実性表示に応じて、少なくとも1つのプロデューサをリクエスタに適合させるように適合される。現実性表示は、要求された特定の位置の位置特定画像データの所定の現実性を示す。
【0061】
トランスミッタ103は、少なくとも1つの適合したプロデューサからの要求された位置特定画像データをリクエスタに伝送するように構成される。位置特定画像データを伝送するために、通信リンク、特にモバイル通信リンクを用いることができる。
【0062】
例えば、レシーバ101は、位置特定画像データの結合されたプロデューサから最新のプロデューサ・プロファイルを受信するように構成することができ、従ってプロセッサ102は、受信された要求、受信された最新のプロデューサ・プロファイル及び現実性表示に基づいて、少なくとも1つのプロデューサをリクエスタに適合させるように構成することができる。
【0063】
別の例によると、レシーバ101は、現実性表示を含む要求を受信するように構成することができ、次に、プロセッサ102は、受信された要求から現実性表示を抽出し、受信された要求、プロデューサ・プロファイル及び抽出された現実性表示に基づいて、少なくとも1つのプロデューサをリクエスタに適合させるように構成することができる。
【0064】
装置100は、実際の位置特定画像データ、又は換言すれば現在の位置特定画像データ、又は換言すれば実時間の位置特定画像データをリクエスタに提供することができる。
【0065】
図2は、実際の位置特定画像データをリクエスタに提供するための装置200の第2の実施形態の概略的なブロック図を示す。
【0066】
装置200は、レシーバ201、プロセッサ202、及びトランスミッタ203を有し、これらは例示的に図1のレシーバ101、プロセッサ102、及びトランスミッタ103として具体化することができる。さらに、装置200はメモリ204を有する。
【0067】
レシーバ201は、センダ206も含むトランスミッタ203の一部とすることができる。
【0068】
メモリ204はプロセッサ202に結合することができ、プロデューサ・プロファイル及び/又はリクエスタ・プロファイルなどのデータを交換するためのトランスミッタ203に結合することができる。
【0069】
特に、図2のメモリ204は、装置200と契約している各々のリクエスタのリクエスタ・プロファイルを格納するように適合される。各々のリクエスタのリクエスタ・プロファイルは、各々のリクエスタによって要求された位置特定画像データの所定の現実性を示す現実性表示を少なくとも含むことができる。所定の現実性は、必要とされる又は所望の画像データの現実性を指定する。
【0070】
そのようなメモリ204を用いる場合には、プロセッサ202は、リクエスタからの受信された要求、格納されたプロデューサ・プロファイル及び格納されたリクエスタ・プロファイルに基づいて、少なくとも1つのプロデューサをリクエスタに適合させるように構成することができる。
【0071】
トランスミッタ202のセンダ206は、リクエスタに適合するプロデューサに参加要求を送信するように構成することができる。送信された参加要求に応答して、レシーバ201は、適合するプロデューサから参加応答を受信することができる。
【0072】
さらに、受信された参加応答に応答して、プロセッサ202は、プロデューサ提案を生成することができる。プロデューサ提案は、リクエスタに適合する多数のプロデューサを示すことができる。生成されたプロデューサ提案は、上記のセンダ206によってリクエスタに送信することができる。
【0073】
送信されたプロデューサ提案に応答して、レシーバ201は、リクエスタからのプロデューサ選択を受信することができる。さらに、センダ206は、要求された位置特定画像データの転送をトリガするための画像要求を、受信されたプロデューサ選択によって選択されたプロデューサに送信することができる。
【0074】
送信された画像要求に応答して、レシーバ201は、選択されたプロデューサからの要求された位置特定画像データを含む画像応答を受信することができる。次に、センダ206は、受信された画像応答をリクエスタに送ることができる。
【0075】
図3において、実際の位置特定画像データをリクエスタ300に提供するためのシステム300の第1の実施形態の概略的なブロック図が示される。システム300は、位置特定画像データの多数のプロデューサ302、303及び304を有する。一般性を失うことなく、図3の実施形態は3つのプロデューサ302、303及び304を示す。各々のプロデューサ302、303及び304は、リクエスタ301が選択することができる1つ又は複数の特定の位置の実際の位置特定画像データを提供するように適合される。さらに、各々のプロデューサは、プロデューサ302、303及び304の位置を示す位置表示を少なくとも含む特定のプロデューサ・プロファイルを有する。プロデューサ302、303及び304は、装置305と契約し、それに結合する。装置305は、リクエスタ301とプロデューサ302、303及び304との間に結合される。この結合は、通信リンクによってもたらすことができる。装置305は、リクエスタからの少なくとも1つの要求によって選択された位置特定画像データの転送を管理するように適合させることができる。
【0076】
図3の装置305は、図1の装置100又は図2の装置200として具体化することができる。
【0077】
さらに、プロデューサ302、303及び304の各々は、位置表示としてぼかした位置を含む最新のプロデューサ・プロファイルを装置305に送信することができる。ぼかした位置は、各々のプロデューサ302、303及び304の正確な又は真の位置をぼかすように構成される。最新のプロデューサ・プロファイルは、プロデューサの位置の定義された変化に応じて、又は代替的に最新のプロデューサ・プロファイルを送信するためのタイマーのタイムアウトに応じて生成することができる。プロデューサの位置の定義された変化は、特にそれぞれのリクエスタによって選択された特定のぼかし半径によって定めることができる。例えば、各々のプロデューサ302、303及び304は、各々のプロデューサ302、303及び304の実際の正確な位置、[0,R]からとられた距離乱数、及び[0,360°]からとられた角度乱数に基づいてぼかした位置を計算することができる。
【0078】
図4は、実際の位置特定画像データをリクエスタ401に提供するためのシステム400の第2の実施形態の概略的なブロック図を示す。図4のシステム400は、位置特定画像データのプロデューサとして航空機402、ラップトップ403、スマートフォン404を有し、プロデューサ402−404をリクエスタ401に結合する装置としてサーバ405を有する。さらに図4の参照符号406は、リクエスタ401によって特定される関心ある位置を示す。
さらに、システム400は、関心ある位置406に近いプロデューサの位置を見つけるためのGPSシステム(図示せず)を有することができる。
【0079】
図4のステップ1−5は、図4の実施形態の機能を示す。
ステップ1において、リクエスタ401は、位置406の画像を必要とすることを認識する。
ステップ2において、リクエスタ401は、例えば画像ブローカなどのサーバ405に要求を送信する。
ステップ3において、サーバ405は、位置406の近くのプロデューサ、ここでは航空機402、ラップトップ403及びスマートフォン404を調べて、写真要求を航空機402、ラップトップ403及びスマートフォン404に送信する。
ステップ4において、受諾側のプロデューサとしての航空機402が画像をサーバ405に送信する。
ステップ5において、サーバ405が画像をリクエスタ401に転送する。
【0080】
図5において、位置特定画像データの多数のプロデューサのうちの少なくとも1つからの実際の位置特定画像データをリクエスタに提供するための一連の方法ステップの第1の実施形態が示される。各々のプロデューサは、1つ又は複数の特定の位置の実際の位置特定画像データを提供するように適合される。さらに各々のプロデューサは、プロデューサの位置を示す位置表示を少なくとも含むプロデューサ・プロファイルを有する。
【0081】
ステップ501において、リクエスタから特定の位置の位置特定画像データに対する要求を受信する。
ステップ502において、受信された要求、プロデューサ・プロファイル及び現実性表示に基づいて、少なくとも1つのプロデューサをリクエスタに適合させる。現実性表示は、要求された特定の位置の位置特定画像データの所定の現実性を示す。所定の現実性は、リクエスタが定めることができる。
ステップ503において、少なくとも1つの適合するプロデューサからの要求された位置特定画像データをリクエスタに伝送する。
ステップ501、502及び503は、少なくとも1つのコンピュータ上で実行されるコンピュータ・プログラムにより具体化することができる。
【0082】
図6は、実際の位置特定画像データをリクエスタ601に提供するための一連の方法ステップの第2の実施形態を示す。
【0083】
リクエスタ601は、ブローカ602に結合される。さらに、位置特定画像データのプロデューサ603−605がブローカ602に登録され、結合される。一般性を失わずに、図6は3つのプロデューサ603−605を示す。
【0084】
図6の実施形態に関して、2段階画像転送プロトコルが示され、そこでは、リクエスタ601を決定ループ内に維持する間、適切なプロデューサ604−605が決定される。
【0085】
図6の本発明の方法は、以下のステップ1−9を有する。プロデューサ603−605の位置をブローカ602に報告した(ステップ1)後、ステップ2−5によって具体化される第1の段階において、ブローカ602が、参加する意思のある候補プロデューサ603−605を識別し、画像リクエスタ601に提案する。ステップ6−9によって具体化される第2の段階において、リクエスタ601は、どの1つ又は複数のプロデューサからの画像データを要求するか、及び随意的にどの条件下の画像データを要求するかを調整する。
【0086】
複数のプロデューサ、ここではプロデューサ603−605がブローカ602と契約していると仮定する。画像プロデューサ603−605の例としては、携帯機器を装備した私人、プロの写真家、ウェブカメラを所有する個人、又は固定設置カメラを管理する当局を挙げることができる。これに関連して、図6は、リクエスタ601の画像要求の処理中に交換されるメッセージを示す。詳細は以下の通りである。
【0087】
ステップ1において、プロデューサ603−605がそれらの実際の又はぼかした幾何学的位置領域をブローカ602に定期的に報告する。さらに、ステップ1において、最新位置と共に、一組のさらに別の情報要素、例えば、それぞれのプロデューサ603−605のそれぞれの能力などをブローカ602に報告することができる。そのようなさらに別の情報要素には、利用可能なカメラ設備について、又は、例えば一定の報酬を伴う要求だけなどの特定の要求の受信への関心についての情報を含ませることができる。ブローカ602は、プロデューサ603−605によって提供される最新情報を、それらの一般的なプロデューサ・プロファイルと共に記録することができる。プロデューサ603−605のプロデューサ・プロファイルには、初期の割当仕事からの、画像品質の評価、適時性、正確さ、熟練度、要求に対応する信頼性などといった統計情報を含ませることができる。
【0088】
ステップ2において、リクエスタ601は、特定の位置の位置特定画像データに対する要求をブローカ602に送信する。この要求には、関心ある画像材料の関連キー値、例えば必要とされる又は所望される画像の現実性を示す現実性表示、位置、記録するオブジェクト又はイベント、画像のタイプ、要求の緊急性、及び画像材料の可能な報酬などを含ませることができる。特定の位置は、地理的領域、GPS座標、住所、関心ある地点、又はスポーツイベント、コンサート若しくは実演などのイベントの場所として表すことができる。オブジェクト又はイベントは、ランドマーク、通り、建物又は領域、並びに、例えば列車の入口等の特定のイベントから成ることができる。画像材料は、空中又は通りからの展望の静止写真又はビデオとして撮影することができる。要求によって、例えば、事故又は環境災害についての第1報は、適切な反応又は装備を準備するために、緊急性が重要になり得る。順番待ち、交通又は道路状態などの他の要求に関しては、緊急性は重要でないこともあるが、タイムリーな応答がやはり望ましいことがある。要求の種類に応じて、リクエスタ601は、それぞれのプロデューサ603−605に対して報酬を、例えば、金又はクレジットカード支払いによる報奨金として提供することができる。画像リクエスタ601の例としては、救急サービス、警備機関及び環境局、新会社又は私人を挙げることができる。
【0089】
ステップ3において、ブローカ602は、各々のプロデューサ603−605に参加要求を送信して、関連するプロデューサ603−605に要求を明示し、彼らに全ての必要な詳細を与える。詳しくは、ブローカ602は画像要求を受信し、最も良く適合する1つ又は複数のプロデューサを現在のプロデューサ・プロファイルによって識別する。上記のように、プロデューサ・プロファイルは、プロデューサの地理的位置、要求されたタイプの画像を撮影する能力、及び期待する報酬を含むことができる。ぼかした位置又は地理的位置をブローカ602に報告するための実施形態は、図8乃至図11を参照しながら説明される。
【0090】
さらに図7において、ブローカ602が適切なプロデューサを選択する方法の一実施形態が示される。
ステップ701において、画像要求が受信される。ステップ702において、ブローカ602と契約したプロデューサに関する情報が与えられる。この情報は、位置、装備、利用可能性などを含むことができる。
ステップ703において、適切なプロデューサが、受信された要求に適合される。
ステップ704において、1つ又は複数のプロデューサが見つかったかどうかがチェックされる。
【0091】
ステップ704において、例えば関心ある領域内にプロデューサがいないために基準を満たすプロデューサが見いだされなかった場合、方法はステップ705に進む。ステップ705において、ブローカ602は、例えば、地理的位置の範囲を広げる、期待される品質を下げる、又は期限を適合させるなど、ステップ703を繰り返すために要求の基準又は属性を自動的に弱めることができる。
【0092】
他の場合には、ステップ704でイエスと答えた場合には、方法はステップ706に進む。ステップ706において、複数のプロデューサが見いだされたかどうかチェックされる。基準を満たす多すぎるプロデューサが見いだされた場合、例えば、多数のプロデューサがサッカーの試合に行く場合又は例示的にビーチにいる場合、ブローカ602は、以前の割当仕事からの高いユーザ評価を有するプロデューサを選択することができる。これは、適切なプロデューサを選択するためのステップ707においてチェックされる。こうした付加的なチェックが不要であると考えられる場合、方法は、直接ステップ708に進む。
ステップ708において、参加要求が選択された1つ又は複数のプロデューサに送信される。
【0093】
図6に戻ると、ステップ4において、選択されたプロデューサ603−605は、ステップ3において参加要求を受信した後に参加応答をブローカ602に送信する。この参加応答は、それぞれの仕事を受諾するための情報を含むことができる。受諾と共に、参加応答は、特定の条件、例えば、期待する報酬又は画像材料を作成するのに必要な時間などを含むことができる。要求されたプロデューサ603−605の誰にも参加する意思がないか又は一定の時間枠内に誰も応答しない場合、ブローカ602は、再び要求基準を下げてステップ3を繰り返すことができる。
【0094】
ステップ5において、ブローカ602は、プロデューサ提案をリクエスタ601に送信する。このプロデューサ提案は、参加に関心のあるプロデューサ603−605に関する情報を含むことができる。これは、各々のプロデューサ603−605の個人情報を明らかにせずに匿名方式で行われる。例えば、プロデューサ603−605の現在のぼかした位置を、それぞれの課せられた条件と共にマップ上に示すことができる。リクエスタ601は、プロデューサを取捨選択して彼らのうちの1つ又は複数を決定することができ、又は誰にも決めなくてもよい。さらに、この段階でリクエスタは要求を断念することもでき、及び/又は基準を精緻化し、ステップ2からやり直すことができる。
【0095】
ステップ6において、リクエスタ601は、選択した1つ又は複数のプロデューサを識別するプロデューサ選択をブローカ602に送信する。従って、リクエスタ601は、選択したプロデューサ603−605の条件を承認する。
ステップ7において、ブローカ602は、例えば、選択されたプロデューサ603に画像要求を送信する。
ステップ8において、選択されたプロデューサ603は、画像請求によって指定された指示に従って画像材料を作成する。この画像材料は、ステップ9の画像応答によってブローカ602に送信される。この画像応答は、ブローカ602によってリクエスタ601に転送される。
【0096】
トランザクションの後、ブローカ602は、選択されたプロデューサ603の報酬、及び割当仕事についてのリクエスタ601からの評価を処理することができる。仲介者としてブローカ602を用いるために、本方法は、関与する通信終点の匿名性を維持する。
【0097】
図8において、プロデューサによって提供された、装置に通知された、ぼかした位置領域の位置更新についての実施形態を示す図が示される。
【0098】
参加する意思のある画像プロデューサは、彼の位置の定期的な更新をブローカに送信することができる。プロデューサのプライバシーが懸念事項となり得るので、プロデューサは、自分の正確な位置を明らかにすることを望まない。従って、プロデューサの現在位置についてユーザがカスタマイズできる難読化が提供される。プロデューサは、ブローカに報告する位置の正確さのレベルを選ぶことができる。図8に関して、ぼかし半径Rは、プロデューサの真の位置Pとブローカに報告されるぼかした位置P’との間の最大距離を決める。以下で方法Aとも称される、所与のぼかし半径Rに対して真の位置Pからぼかした位置P’を決める方法は、以下の4つのステップを含む。
第1のステップにおいて、真の位置Pが、例えばGPSによって決定される。
第2のステップにおいて、真の位置Pからぼかし位置P’までの距離を記述する乱数ρが[0,R]から一律に取り出される。
第3のステップにおいて、真の位置Pの周りの角度を記述する乱数ωが[0,360]から一律に取り出される。
第4のステップにおいて、極座標においてPに(ρ,ω)を加えることによりぼかし位置P’が決定される。
【0099】
以上の結果、図8は、上記の方法Aを適用した後の、Pに基づいて報告されるぼかした位置P’の一例を示す。図8のグレーの影付き円盤801は、タプルP’及びRに基づいてブローカが認識する、半径r(r=R)のぼかし位置領域を示す。
【0100】
ぼかし半径は、プロデューサが任意に選ぶことができる。例えば、プロデューサはR=1kmを選ぶことができる。位置をブローカに提供する前に、装置は、上記の方法Aを適用してぼかし位置領域の中心P’を決定する。P’の計算が実行されると、真の位置Pに関する情報は、ブローカには漏れない。
【0101】
報告された位置指標(P’,R)から、ブローカは多くの特性を導くことができる。P’及びRを知ることにより、ブローカは、プロデューサの真の位置PとP’の間の距離が最大でRであることを知る。さらに、真の位置Pと、P’及びRで定められる円盤801内の任意の位置との差は最大で2Rとなる。結局、真の位置Pと任意の位置との間の平均距離は2R/3であると決定できる。
【0102】
上記の特性は、ブローカが画像要求に応答するときに特に有用となることがあり、所与の関心ある位置Qに対して、Q∈(P’,R)、即ちQが彼らのぼかした位置領域内にあり、QとPの最大距離が2Rであり、平均距離が2R/3である、全てのプロデューサが提案される。全てのプロデューサが任意の値Rを選ぶことができることに留意されたい。
【0103】
さらに、プロデューサは、自分の位置を時間と共に変えて、現在位置の更新を送信することができる。2つの連続するぼかした位置P’を有すると、ブローカは、プロデューサの現在の真の位置Pを想定することができる。これに関連して、ユーザ定義の更新条件が満たされたときにブローカに位置の更新を報告する方法Bが提案される。方法Bにおいて、所与のぼかし半径Rに関するぼかし位置が一定時間間隔で報告される。方法Bは、以下の4つのステップを有する。
第1のステップにおいて、真の位置Piが、例えばGPSによって決められる。
第2のステップにおいて、所定の位置更新条件が満たされない場合に、方法Bは中止される。他の場合には、所定の位置更新条件が満たされる場合には、方法Bは第3のステップに進む。
【0104】
以下で、位置更新条件に関する2つの独立した実施形態を説明するが、これらの2つの実施形態を組み合せることにより、第3の条件を構成することができる。
【0105】
第1の実施形態は、位置ベースの更新である。この条件は以前に報告した位置P’i−1
及びぼかし半径Ri−1を用いる。報告する境界半径Bは間隔[ρi−1,2Ri−1]から一律にランダムに選ばれる(図9を参照されたい)。真の位置Piが(P’i−1,B)で決められる円盤の端にある場合、即ちプロデューサが円盤をまさに離れようとする場合、新しい位置更新が開始される。この実施形態において,更新時にP’i−1及びRi−1がP’及びRと共に与えられて、ブローカはプロデューサの真の位置Piに対して不十分な想定、即ち(P’i−1,2Ri−1)及び(P’,R)の共通部分を想定することができるだけである。実際、P’が(P’i−1,2Ri−1)によって決められる円盤の境界上に選ばれた最悪の場合には、ブローカは、報告された領域の最大55.3%を除外することができる。これは、共通部分が円盤(P’,R)より小さいことの結果である。プロデューサがP’を厳密に領域(P’i−1,Ri−1)内に選ぶ場合には、ブローカは何らかの想定を行うことができない、即ち、新しい領域が円盤(P’i−1,2Ri−1)内にあるので0%の領域を除外できるだけである。P’が(P’i−1,Ri−1)の境界上にある場合を図9に示す。
【0106】
第2の実施形態は、時間ベースの更新である。この第2の実施形態において、プロデューサ側で維持されるタイムアウトが、更新の条件として用いられる。
【0107】
第3のステップにおいて、ぼかした位置P’が、入力パラメータP及びRを用いる方法Aの結果として決定される。
第4のステップにおいて、ぼかした位置P’及びぼかし半径Rがブローカに通知される。
【0108】
方法Aによって生成された9つの位置更新を伴うぼかした軌跡1001の一例が、図10に示される。ぼかした軌跡1001(破線)は、真の軌跡(実線)の近似である。真の位置Pがぼかした位置領域内にある限り、新しい位置はブローカに報告されない。プロデューサによって選ばれたぼかし半径Rに応じて、真の位置に対するより多くの情報がブローカによって推測される可能性がある。一定のスピードにおいて、ブローカへの情報更新の速度は、ぼかし半径の下降値、ブローカに報告される領域の減少及び/又は平均報告頻度の増加に従って変化し得るので、ブローカにおける正確さも変化し得る。大きなぼかし半径は、プロデューサが報告されたぼかし位置領域から離れる頻度を減らす、即ち、新しい位置更新がより低速で生成され、更新はより低い精度を含む。R≒0の極端な場合には、方法Bが適用されるときはいつも新しい位置がブローカに報告され、PはPi−1とは異なる。
【0109】
さらに、ユーザは、それらの真の位置から報告される正確さのレベルの変動を適用することに関心をもつ可能性がある。従って、自動化ルールに基づくぼかし半径の切替えが提案される。ユーザは、特定の所定の条件に合うとき、例えば、仕事時間中、又は特定の環境条件においては、いつも彼の真の位置を明らかにすることを望まない可能性がある。一日のうちの特定の時間又は特定の地理的位置のような特定の条件に適合するとき、ユーザが所定のぼかし半径を設定できるようにすることが提案される。
【0110】
例えば、図11において,デフォルトのぼかし半径がR=2であり、基本単位が、例えばkmとすることができると仮定する。ユーザがR=1の第1の所定の領域1101に入るときはいつも、装置はぼかし半径を自動的に変更し、より正確な位置情報をブローカに報告する。ユーザがR=5の第2の所定の領域1102に入るときは、装置は正確さが低い位置情報を提供する。領域1101及び1102の外側では、デフォルトぼかし半径R=2を用いる。
【0111】
本発明の装置の上記の実施形態の全ては、本発明の方法のそれぞれの実施形態であるそれぞれのステップによって具体化することができる。ここで説明したのは、本発明の原理の適用の単なる例証にすぎない。本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者により、他の構成及びシステムを実施することができる。
【符号の説明】
【0112】
100、200、305:装置
101、201:レシーバ
102、202:プロセッサ
103、203:トランスミッタ
204:メモリ
206:センダ
300、400:システム
301、401、601:リクエスタ
302、303、304、603、604、605:プロデューサ
402:航空機/プロデューサ
403:ラップトップ/プロデューサ
404:スマートフォン/プロデューサ
405:サーバ
406:関心ある位置
602:ブローカ
801:円盤
1001:ぼかした軌跡
1002:真の軌跡
1101、1102:所定の領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのリクエスタに位置特定画像データを提供するための装置であって、多数の位置特定画像データプロデューサに結合され、各々のプロデューサは、1つ又は複数の特定の位置の位置特定画像データを提供するように適合され、かつ、前記プロデューサの位置を示す位置表示を少なくとも含むプロデューサ・プロファイルを有する、前記装置が、
前記リクエスタから特定の位置の位置特定画像データ要求を受信するためのレシーバと、
前記受信された要求、前記プロデューサプロフィル、及び前記特定の場所の前記要求された位置特定画像データの所定の現実性を示す現実性表示に応じて、少なくとも1つのプロデューサを前記リクエスタに適合させるためのプロセッサと、
前記少なくとも1つの適合したプロデューサから前記リクエスタに前記要求された位置特定画像データを伝送するためのトランスミッタと、
を含む装置。
【請求項2】
前記レシーバは、位置特定画像データの前記結合されたプロデューサから最新のプロデューサ・プロファイルを受信するように構成され、
前記プロセッサは、前記受信された要求、前記受信された最新のプロデューサ・プロファイル、及び前記現実性表示に応じて、少なくとも1つのプロデューサを前記リクエスタに適合させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記レシーバは、前記現実性表示を含む前記要求を受信するように構成され、前記プロセッサは、前記受信された要求から前記現実性表示を抽出し、前記受信された要求、前記プロデューサ・プロファイル、及び前記抽出された現実性表示に応じて、少なくとも1つのプロデューサを前記リクエスタに適合させるように構成される、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置と契約した各々のリクエスタについてのリクエスタプロフィルを格納するためのメモリを含み、前記それぞれのリクエスタ・プロファイルは、前記各々のリクエスタが要求した位置特定画像データの所定の現実性を示す少なくとも1つの現実性表示を含み、
前記プロセッサは、前記受信された要求、前記プロデューサ・プロファイル、及び前記格納されたリクエスタ・プロファイルに基づいて、少なくとも1つのプロデューサを前記リクエスタに適合させるように構成される、
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記リクエスタに適合する前記プロデューサに参加要求を送信するためのセンダを含み、
前記レシーバは、前記送信された参加要求に応答して、前記適合したプロデューサからの参加応答を受信するように構成される、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記センダは、前記リクエスタにプロデューサ提案を送信するように構成され、前記プロセッサは、前記受信された参加応答に応じて、前記プロデューサ提案を生成するように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記レシーバは、前記送信されたプロデューサ提案に応答して、前記リクエスタからプロデューサ選択を受信するように構成され、
前記センダは、前記要求された位置特定画像データの伝送をトリガする画像要求を、前記受信されたプロデューサ選択によって選択された前記プロデューサに送信するように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記レシーバは、前記送信された画像要求に応答して、前記要求された位置特定画像データを含む画像応答を受信するように構成され、
前記センダは、前記受信された画像応答を前記リクエスタに送信するように構成される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記位置特定画像データ要求は、
前記現実性表示と、
前記位置画像データが要求される前記特定の位置を示す位置表示と、
前記位置画像データが要求される特定のオブジェクトを示すオブジェクト表示と、
前記位置画像データが要求された特定のイベントを示すイベント表示と、
前記要求された位置特定画像データに関する特定のタイプを示すタイプ表示と、
前記要求された位置特定画像データを受信するためのタイムリミットを示す緊急性表示と、
前記要求された位置特定画像データに関する最大報酬を示す報酬表示と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つのリクエスタに位置特定画像データを提供するためのシステムであって、
各々が1つ又は複数の特定の位置の位置特定画像データを提供するように適合され、かつ、前記プロデューサの位置を示す位置表示を少なくとも含む特定のプロデューサ・プロファイルを有する、位置特定画像データの多数のプロデューサと、
前記要求された位置特定画像データを少なくとも1つのプロデューサから前記リクエスタに伝送するための、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の装置と、
を含むシステム。
【請求項11】
前記各々のプロデューサは、前記位置表示のようなぼかした位置を含む最新のプロデューサ・プロファイルを前記装置に送信するように構成され、前記ぼかした位置は、前記プロデューサの実際の正確な位置をぼかすように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記各々のプロデューサは、前記プロデューサの位置の定められた変化に基づいて,又は最新のプロデューサ・プロファイルを送信するためのタイマーのタイムアウトに基づいて、前記最新のプロデューサ・プロファイルを前記装置に送信するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記プロデューサは、前記プロデューサの前記実際の正確な位置、Rを特定のぼかし半径とする、[0,R]から取られた距離乱数、及び[0,360°]から取られた角度乱数に応じて、ぼかした位置を計算するように構成される、請求項11又は請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
位置特定画像データの多数のプロデューサのうちの少なくとも1つからの位置特定画像データを少なくとも1つのリクエスタに提供する方法であって、各々のプロデューサは、1つ又は複数の特定の位置の位置特定画像データを提供するように適合され、かつ、前記プロデューサの位置を示す位置表示を少なくとも含むプロデューサ・プロファイルを有する、前記方法が、
前記リクエスタから特定の位置の位置特定画像データ要求を受信することと、
前記受信された要求、前記プロデューサ・プロファイル、及び前記特定の位置の前記要求された位置特定画像データの所定の現実性を示す現実性表示に応じて、少なくとも1つのプロデューサを前記リクエスタに適合させることと、
前記少なくとも1つの適合したプロデューサからの前記要求された位置特定画像データを前記リクエスタに伝送することと、
を含む方法。
【請求項15】
位置特定画像データを請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の装置に送信するための機器であって、前記機器は、前記装置の位置を示す位置表示を少なくとも含むプロデューサ・プロファイルを前記装置に伝送するように適合され、かつ、前記装置から受信した画像要求に応答して、1つ又は複数の特定の位置の位置特定画像データを前記装置に伝送するように適合される機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−128859(P2012−128859A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−271589(P2011−271589)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】