説明

室内照明装置

【課題】室内の照明による演出効果を高め得る室内照明装置を提供する。
【解決手段】本装置1は、光源(バルブ2)と、光源を囲むカバー8と、カバーの内側に設けられ、光源の光線を側方に向けて反射する反射部(反射部材4)と、カバーの内側に設けられ、光源の光線を遮るシェード5と、を備え、反射部及びシェードは相対移動可能に設けられており、反射部及びシェードを相対移動させることによって、シェードと反射部とが重なる第1照明状態Pと、シェードと反射部とが重ならない第2照明状態Qと、を切り替え可能であり、第1照明状態では、反射部で反射された光源の光線がシェードで遮られると共に、反射部で反射されない光源の光線がカバーを透過し、第2照明状態では、反射部で反射された光源の光線がカバーを透過すると共に、反射部で反射されない光源の光線がシェードで遮られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内照明装置に関し、さらに詳しくは、室内の照明による演出効果を高めることができる室内照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車等においては、夜間の車室内の照明を目的として天井部に室内灯が設置されていることが一般的である。しかし、最近では、単に車室内の照明だけを目的とするのではなく、車室内の雰囲気を向上させる目的も兼ね合わせた室内灯の要望が高まっている。
ここで、従来の室内灯として、多様な照明を行うことができるものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
上記特許文献1には、1つの光源と、この光源の光線を遮蔽する回動シェードと、を備え、回動シェードの回動操作により光源の光線を遮蔽又は非遮蔽することによって、車室内の全体照明(直接照明)とスポット照明(直接照明)とを切り替えることができる室内灯が開示されている。
また、上記特許文献2には、1つの光源と、この光源を覆う回動可能な円盤カバーと、を備え、この円盤カバーには数種類のレンズカット部が設けられており、円盤カバーの回動操作によって、車室内の全体照明(直接照明)とスポット照明(直接照明)とを切り替えることができる室内灯が開示されている。
しかし、上記特許文献1及び2では、直接照明でしか複数の照明パターンを切り替えることができないので、車室内の雰囲気を向上させるための光の演出効果が不足しているという問題点がある。
【0003】
【特許文献1】特開昭52−69137号公報
【特許文献2】特開2002−347513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、室内の照明による演出効果を高めることができる室内照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の通りである。
1.光源と、
前記光源を囲むカバーと、
前記カバーの内側に設けられ、前記光源の光線を側方に向けて反射する反射部と、
前記カバーの内側に設けられ、前記光源の光線を遮るシェードと、を備え、
前記反射部及び前記シェードは相対移動可能に設けられており、
前記反射部及び前記シェードを相対移動させることによって、前記シェードと前記反射部とが重なる第1照明状態と、前記シェードと前記反射部とが重ならない第2照明状態と、を切り替え可能であり、
前記第1照明状態では、前記反射部で反射された前記光源の光線が前記シェードで遮られると共に、前記反射部で反射されない前記光源の光線が前記カバーを透過し、
前記第2照明状態では、前記反射部で反射された前記光源の光線が前記カバーを透過すると共に、前記反射部で反射されない前記光源の光線が前記シェードで遮られることを特徴とする室内照明装置。
2.前記カバーには、前記反射部に対応する箇所にレンズカット部が設けられており、
前記第1照明状態では、前記シェードと前記レンズカット部とが重なり、
前記第2照明状態では、前記シェードと前記レンズカット部とが重ならない上記1.記載の室内照明装置。
3.前記反射部は、複数の反射部側羽根を有し且つ前記カバーに対して固定されており、前記シェードは、複数のシェード側羽根を有し且つ前記カバーに対して回動可能に設けられており、
前記第1照明状態では、前記反射部側羽根と前記シェード側羽根とが重なり、
前記第2照明状態では、前記反射部側羽根と前記シェード側羽根とが重ならない上記1.又は2.に記載の室内照明装置。
4.前記複数の反射部側羽根は、前記シェードの回転軸線と交差する方向の両側に延びる2枚の羽根であり、前記複数のシェード側羽根は、前記シェードの回転軸線と交差する方向の両側に延びる2枚の羽根である上記3.記載の室内照明装置。
5.前記光源は1つである上記1.乃至4.のいずれか一項に記載の室内照明装置。
6.車両の天井面に取り付けられる上記1.乃至5.のいずれか一項に記載の室内照明装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明の室内照明装置によると、反射部及びシェードを相対移動させることによって、シェードと反射部とが重なる第1照明状態と、シェードと反射部とが重ならない第2照明状態と、が切り替えられる。そして、第1照明状態では、反射部で反射された光源の光線がシェードで遮られてカバーを透過せず室内に部分的な非照明部又は弱照明部が形成されると共に、反射部で反射されない光源の光線がカバーを透過して室内全体の全体照明が行われる。一方、第2照明状態では、反射部で反射された光源の光線がカバーを透過して天井面等で反射されて間接照明が行われると共に、反射部で反射されない光源の光線がシェードで遮られてカバーを透過せずに室内に部分的な非照明部又は弱照明部が形成される。このように、室内全体の全体照明である第1照明状態と天井面等の間接照明である第2照明状態とを切り替えることができるので、室内の照明による演出効果を高めることができる。
また、前記カバーには、前記反射部に対応する箇所にレンズカット部が設けられており、前記第1照明状態では、前記シェードと前記レンズカット部とが重なり、前記第2照明状態では、前記シェードと前記レンズカット部とが重ならない場合は、第1照明状態では、反射部で反射された光源の光線がシェードで遮られてカバーのレンズカット部を透過せず、第2照明状態では、反射部で反射された光源の光線がカバーのレンズカット部を透過する。したがって、レンズカット部に形成された照明パターンを任意に設定することで間接照明の演出効果を更に高めることができる。
また、前記反射部が、複数の反射部側羽根を有し且つ前記カバーに対して固定されており、前記シェードが、複数のシェード側羽根を有し且つ前記カバーに対して回動可能に設けられており、前記第1照明状態では、前記反射部側羽根と前記シェード側羽根とが重なり、前記第2照明状態では、前記反射部側羽根と前記シェード側羽根とが重ならない場合は、室内全体の全体照明である第1照明状態と間接照明である第2照明状態とにおいて、反射部及びシェードにより光源の光線の異なる方向性を演出することができる。また、シェードの回動操作により第1照明状態と第2照明状態とが切り替えられるため、照明装置の小型化を図ることができる。さらに、シェードは、通常有色であるため、カバーを介してシェードの動作状況の確認を容易に行うことができる。
また、前記複数の反射部側羽根が、前記シェードの回転軸線と交差する方向の両側に延びる2枚の羽根であり、前記複数のシェード側羽根が、前記シェードの回転軸線と交差する方向の両側に延びる2枚の羽根である場合は、室内全体の全体照明である第1照明状態では光源の光線を所定方向とし、間接照明である第2照明状態では光源の光線を所定方向と交差する方向とすることができる。
また、前記光源が1つである場合は、照明装置の小型化が可能となる。
さらに、車両の天井面に取り付けられる場合は、車両の車室内を効果的に照明することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
1.室内照明装置
本実施形態1.に係る室内照明装置は、以下に述べる光源、カバー、反射部、及びシェードを備えている。
なお、上記室内照明装置の用途、設置箇所等は特に問わないが、自動車等の車両の天井面に取り付けられることが好ましい。
【0008】
上記「光源」は、光を発する限り、その構成、形状、大きさ、個数、設置形態等は特に問わない。この光源としては、例えば、白熱電球等のバルブ、蛍光灯、発光ダイオード、エレクトロルミネセンスライト等を挙げることができる。この光源は、例えば、1つであることができる。
【0009】
上記「カバー」は、上記光源を囲む限り、その構成、形状、大きさ、個数、設置形態等は特に問わない。このカバーは、通常、無色又は有色透明である。また、カバーは、例えば、円皿状に形成されており、下方に向かう光源の光線が透過する底壁部と、この底壁部の外周側に連なり側方に向かう光源の光線が透過する側壁部と、を有していることができる。
【0010】
上記「反射部」は、上記カバーの内側に設けられ、光源の光線を側方に向けて反射する限り、その構成、形状、大きさ、個数、設置形態、反射形態等は特に問わない。この反射部は、通常、下方に向かう光源の光線を側方に向けて反射し、その反射光線は天井面等に反射して間接照明が行われることとなる。この反射部は、例えば、反射部本体の表面に反射層を設けてなることができる。この反射層は、例えば、メッキ処理により形成されたり、フィルムを貼付により形成されたりできる。
【0011】
上記「シェード」は、上記カバーの内側に設けられ、光源の光線を遮る限り、その構成、形状、大きさ、個数、設置形態、遮蔽形態等は特に問わない。このシェードは、通常、有色であり、下方及び側方に向かう光源の光線を遮蔽する。このシェードの表面には、例えば、光源の光線を反射する反射層が設けられていることができる。これにより、光源の光線をより確実に遮蔽することができる。この反射層は、例えば、メッキ処理により形成されたり、フィルムを貼付により形成されたりできる。
【0012】
上記実施形態1.の室内照明装置では、反射部及びシェードは相対移動可能に設けられており、反射部及びシェードを相対移動させることによって、シェードと反射部とが重なる第1照明状態と、シェードと反射部とが重ならない第2照明状態と、を切り替え可能であり、第1照明状態では、反射部で反射された光源の光線がシェードで遮られると共に、反射部で反射されない光源の光線がカバーを透過し、第2照明状態では、反射部で反射された光源の光線がカバーを透過すると共に、反射部で反射されない光源の光線がシェードで遮られるようになっている。
上記反射部及びシェードの相対移動としては、例えば、回動、揺動、スライド移動等を挙げることができる。
上記反射部及びシェードは、例えば、人手により相対移動されたり、モータ等の駆動源により電動式で相対移動されたりできる。
【0013】
ここで、上記実施形態1.の室内照明装置としては、例えば、前記カバーには、前記反射部に対応する箇所にレンズカット部が設けられており、前記第1照明状態では、前記シェードと前記レンズカット部とが重なり、前記第2照明状態では、前記シェードと前記レンズカット部とが重ならない形態を挙げることができる。
上記レンズカット部の照明パターン、形状、大きさ、個数、設置形態等は特に問わない。また、上記室内照明装置が車両用である場合、例えば、レンズカット部は車両の前後方向の側に配置されていることができる。なお、上記「反射部に対応する箇所」とは、反射部で反射された光源の光線が透過する箇所を意図する。
上述のようにカバーが底壁部及び側壁部を備える場合、上記レンズカット部は、例えば、側壁部の上記反射部に対応する箇所に設けられていることができる。
【0014】
ここで、上記実施形態1.の室内照明装置としては、例えば、前記反射部は、複数の反射部側羽根を有し且つ前記カバーに対して固定されており、前記シェードは、複数のシェード側羽根を有し且つ前記カバーに対して回動可能に設けられており、前記第1照明状態では、前記反射部側羽根と前記シェード側羽根とが重なり、前記第2照明状態では、前記反射部側羽根と前記シェード側羽根とが重ならない形態を挙げることができる。
上記反射部側羽根は、例えば、平面視で扇状に形成されていることができる。
上記シェード側羽根は、例えば、平面視で扇状に形成されており、下方に向かう光源の光線を遮る底壁部と、この底壁部の外周縁に連なり且つ側方に向かう光源の光線を遮る側壁部と、を有していることができる。なお、上記室内照明装置が車両用である場合、例えば、複数の反射部側羽根は車両の前後方向の側に配置されていることができる。
【0015】
上述の形態の場合、例えば、上記複数の反射部側羽根は、シェードの回転軸線と交差する方向の両側に延びる2枚の羽根であり、上記複数のシェード側羽根は、シェードの回転軸線と交差する方向の両側に延びる2枚の羽根であることができる。これら2枚の反射部側羽根又は2枚のシェード側羽根は、例えば、シェードの回動軸線に直交する方向に対して線対称となる位置関係であったり、シェードの回動軸線を中心として点対称となる位置関係であったりすることができる。
【実施例】
【0016】
以下、図面を用いて実施例により本発明を具体的に説明する。
【0017】
(1)室内照明装置の構成
本実施例に係る室内照明装置1は、図8〜10に示すように、車室内の天井面Cの略中央部に取り付けられ、全体として円盤状に形成されている。この室内照明装置1は、図1、図3及び図4に示すように、天井面Cに取り付けられるバルブ2(本発明に係る「光源」として例示する。)と、このバルブ2を囲むハウジング3と、このハウジング3の内側に設けられる反射部材4及びシェード5と、を備えている。
【0018】
上記ハウジング3は、天井面Cに取り付けられる円盤状のベース部材7と、このベース部材7の外周縁側にその上端外周縁側が固定される透明樹脂製で円皿状のカバー8と、を有している。このベース部材7の下面には、バルブ2の光線を反射する反射層7a(例えば、メッキ層)が設けられている。また、カバー8は、下方に向かうバルブ2の光線が透過する底壁部8aと、この底壁部8aの外周側に連なり側方に向かうバルブ2の光線が透過する側壁部8bと、を有している。この底壁部8aの中央部には中心孔9が形成されている。また、側壁部8bの内側には、反射部材4で反射された側方に向かうバルブ2の光線が透過する箇所に対応してレンズカット部10が設けられている。このレンズカット部10は、車両の前後方向Aの側に配置されている。また、このレンズカット部10には、バルブ2からの光線を側方へより遠方に向かわせる照明パターンが形成されている。
【0019】
上記反射部材4は、上記カバー8の中心孔9に挿通される軸部12と、この軸部12の上端側に設けられる2枚の羽根13a,13b(本発明に係る「反射部側羽根」として例示する。)と、この軸部12の下端側に取り付けられる円板状の取付部14と、を有している(図7参照)。これら2枚の羽根13a,13bは、平面視で扇状に形成されており、シェード5の回転軸線に直交する方向(車両の前後方向A)の両側に延びている。また、各羽根13a,13bの上面には、バルブ2の光線を反射する反射層15(例えば、メッキ層)が設けられている。また、上記取付部14の外周側リブ14aは、カバー8の中心孔9の周囲側に固定されている。また、この取付部14には、円弧状スリット16が円周方向に沿って複数(図7中で2つ)形成されている。
【0020】
上記シェード5は、2枚の羽根18a,18b(本発明に係る「シェード側羽根」として例示する。)を有している。これら2枚の羽根18a,18bは、平面視で扇状に形成されており、シェード5の回転軸線に直交する方向の両側に延びている。また、これら2枚の羽根18a,18bは、下方に向かうバルブ2の光線を遮る底壁部19と、この底壁部19の外周縁に連なり且つ側方に向かうバルブ2の光線を遮る側壁部20と、を有している(図7参照)。この底壁部19の下面側に形成された環状リブ19aが上記カバー8の上面側に形成された環状凹部8cに支持されると共に、この側壁部20の上端縁がベース部材7の下面側に形成された環状凹部7bに支持されている。そして、シェード5は、カバー8に対して上下方向の軸線回りに回動可能とされている。また、底壁部19の中心孔19bには、上記反射部材4の軸部12が挿通されている。この底壁部19の中心孔19bの周囲側には、キャップ状のダイヤル22の内側に形成された立上げ片22aの上端側が固定されている。この立上げ片22は、上記円弧状スリット16に挿通されている。そして、立上げ片22が円弧状スリット16の端部に当接することによってシェード5の回動範囲を規制するようになっている。これら円弧状スリット16及び立上げ片22の大きさ等は、シェード5が所定範囲(例えば、90度)で回動されるような値に設定されている。
【0021】
ここで、本実施例に係る室内照明装置1では、シェード5の回動操作により、反射部材4の羽根13a,13bとシェード5の羽根18a,18bの底壁部19とが平面視で重なる第1照明状態P(図1参照)と、反射部材4の羽根13a,13bとシェード5の羽根18a,18bの底壁部19とが平面視で重ならない第2照明状態Q(図2参照)とを切り替えることができるようになっている。この第1照明状態Pでは、シェード5の羽根18a,18bの側壁部20とカバー8のレンズカット部10とが側面視で重なっている(図1及び図4参照)。また、第2照明状態Qでは、シェード5の羽根18a,18bの側壁部20とカバー8のレンズカット部10とが側面視で重なっていない(図2及び図5参照)。
【0022】
(2)室内照明装置の作用
次に、上記構成の室内照明装置1の作用について説明する。
ダイヤル22と共にシェード5を回動操作して第1照明状態Pとすると、図1、図3及び図4に示すように、シェード5の羽根18a,18bの底壁部19と反射部材4の羽根13a,13bとが平面視で重なると共に、シェード5の羽根18a,18bの側壁部20とレンズカット部20とが側面視で重なる。すると、反射部材4で側方に向けて反射されたバルブ2の光線がシェード5で遮られて室内に部分的な非照明部又は弱照明部が形成されると共に、反射部材4で反射されないバルブ2の光線がカバー8を透過して下方及び側方(車両の幅方向B)に向かって室内全体の全体照明が行われる(図9参照)。
【0023】
一方、ダイヤル22と共にシェード5を回動操作して第2照明状態Qとすると、図2、図5及び図6に示すように、シェード5の羽根18a,18bの底壁部19と反射部材4の羽根13a,13bとが平面視で重ならないと共に、シェード5の羽根18a,18bの側壁部19とレンズカット部10とが側面視で重ならない。すると、反射部材4で反射されたバルブ2の光線がカバー8のレンズカット部10を透過して側方(車両の前後方向A)に向かい天井面C等で反射されて間接照明が行われると共に、反射部材4で反射されないバルブ2の光線がシェード5で遮られてカバー8を透過せずに室内に部分的な非照明部又は弱照明部が形成される(図10参照)。
【0024】
(3)実施例の効果
以上より、本実施例の室内照明装置1によると、反射部材4及びシェード5を相対移動させることによって、シェード5と反射部材4とが重なる第1照明状態Pと、シェード5と反射部材4とが重ならない第2照明状態Qとが切り替えられる。そして、第1照明状態Pでは、反射部材4で反射されたバルブ2の光線がシェード5で遮られてカバー8を透過せず室内に部分的な非照明部又は弱照明部が形成されると共に、反射部材4で反射されないバルブ2の光線がカバー8を透過して室内全体の全体照明が行われる。一方、第2照明状態Qでは、反射部材4で反射されたバルブ2の光線がカバー8を透過して天井面C等で反射されて間接照明が行われると共に、反射部材4で反射されないバルブ2の光線がシェード5で遮られてカバー8を透過せずに室内に部分的な非照明部又は弱照明部が形成される。このように、室内全体の全体照明である第1照明状態Pと天井面C等の間接照明である第2照明状態Qとを切り替えることができるので、室内の照明による演出効果を高めることができる。
【0025】
また、本実施例では、カバー8には、反射部材4に対応する箇所にレンズカット部10を設け、第1照明状態Pでは、シェード5とレンズカット部10とが重なり、第2照明状態Qでは、シェード5とレンズカット部10とが重ならないようにしたので、第1照明状態Pでは、反射部材4で反射されたバルブ2の光線がシェード5で遮られてカバー8のレンズカット部10を透過せず、第2照明状態Qでは、反射部材4で反射されたバルブ2の光線がカバー8のレンズカット部10を透過する。したがって、レンズカット部10に形成された照明パターンを任意に設定することで間接照明の演出効果を更に高めることができる。
【0026】
また、本実施例では、反射部材4を、複数の羽根13a,13bを有し且つカバー8に対して固定して設けると共に、シェード5を、複数の羽根18a,18bを有し且つカバー8に対して回動可能に設け、第1照明状態Pでは、反射部材4の羽根13a,13bとシェード5の羽根18a,18bとが重なり、第2照明状態Qでは、反射部材4の羽根13a,13bとシェード5の羽根18a,18bとが重ならないようにしたので、室内全体の全体照明である第1照明状態Pと間接照明である第2照明状態Qとにおいて、反射部材4及びシェード5によりバルブ2の光線の異なる方向性を演出することができる。また、シェード5の回動操作により第1照明状態Pと第2照明状態Qとを切り替えることができ、照明装置1の小型化を図ることができる。さらに、シェード5が有色であるため、カバー8を介してシェード5の動作状況の確認を容易に行うことができる。
【0027】
また、本実施例では、反射部材4の複数の羽根13a,13bを、シェード5の回転軸線と直交する方向(車両の前後方向A)の両側に延びる2枚の羽根とすると共に、シェード5の複数の羽根18a,18bを、シェード5の回転軸線と直交する方向の両側に延びる2枚の羽根としたので、室内全体の全体照明である第1照明状態Pではバルブ2の光線を所定方向(車両の幅方向B)とし、間接照明である第2照明状態Qではバルブ2の光線を所定方向と交差する方向(車両の前後方向A)とすることができる。
【0028】
また、本実施例では、バルブ2を1つとしたので、照明装置1の小型化が可能となる。
【0029】
さらに、本実施例では、車両の天井面Cに取り付けられる室内照明装置1としたので、車両の車室内を効果的に照明することができる。
【0030】
尚、本発明においては、上記実施例に限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記実施例では、反射部材4及びシェード5のうちのシェード5を回動操作して照明状態P,Qを切り替える形態を例示したが、これに限定されず、例えば、反射部材4を移動操作して照明状態P,Qを切り替えたり、反射部材4及びシェード5の両方を移動操作して照明状態P,Qを切り替えたりしてもよい。
【0031】
上記実施例では、第1照明状態Pにおいて、反射部材4の羽根13a,13bとシェード5の羽根18a,18bとが完全に重なる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、反射部材4の羽根13a,13bとシェード5の羽根18a,18bとが部分的に重なるようにしてもよい。
【0032】
また、上記実施例では、第1及び第2照明状態P,Qの異なる2種類の照明状態を切り替えるようにしたが、これに限定されず、例えば、異なる3種類以上の照明状態を切り替えるようにしてもよい。例えば、上記実施例において、第1及び第2照明状態P,Qに加えて、反射部材4の羽根13a,13bとシェード5の羽根18a,18bとが部分的に重なる状態を第3照明状態として設定してもよい。
【0033】
また、上記実施例では、レンズカット部10として、バルブ2からの光線をより遠方の側方に向かわせる形態を例示したが、これに限定されず、例えば、バルブ2からの光線を拡散させつつ側方に向かわせるレンズカット部としてもよい。
【0034】
また、上記実施例では、反射部材4として2枚の羽根13a,13bを有する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、1枚又は3枚以上の羽根を有するものとしてもよい。また、シェード5として2枚の羽根18a,18bを有する形態を例示したが、これに限定されず、例えば、1枚又は3枚以上の羽根を有するものとしてもよい。
【0035】
また、上記実施例では、反射部材4として複数の羽根13a,13bの間に空間が形成された形態を例示したが、これに限定されず、例えば、複数の羽根13a,13bの間に透光部材を取り付けるようにしてもよい。また、上記実施例では、シェード5として複数の羽根18a,18bの間に空間が形成された形態を例示したが、これに限定されず、例えば、複数の羽根18a,18bの間に透光部材を取り付けるようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施例では、反射部としてカバー8とは別物である反射部材4を例示したが、これに限定されず、例えば、カバー8に一体形成される反射部としてもよい。
【0037】
また、上記実施例では、ハウジング3において、天井側から反射部材4、シェード5、カバー8の順に配置した形態を例示したが、その順序はこれに限定されない。
【0038】
また、上記実施例では、室内照明装置1として平面視で円形状の形態を例示したが、これに限定されず、例えば、平面視で楕円、多角形、異形等の室内照明装置としてもよい。
【0039】
さらに、上記実施例では、車両の天井面Cの略中央部に配置される室内照明装置1を例示したが、これに限定されず、例えば、車両の天井面Cのフロントガラス寄り側に配置される室内照明装置としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
演出効果を高めて室内を照明する技術として広く利用される。特に、車両の車室内を照明する技術として好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】実施例に係る室内照明装置の第1照明状態を示す平面図である。
【図2】上記室内照明装置の第2照明状態を示す平面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】図2のVI−VI線断面図である。
【図7】実施例に係る反射部材及びシェードの分解斜視図である。
【図8】上記室内照明装置のカバーを透視した状態での第2照明状態を示す斜視図である。
【図9】車室内に組み付けられた上記室内照明装置の第1照明状態を示す斜視図である。
【図10】車室内に組み付けられた上記室内照明装置の第2照明状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1;室内照明装置、2;バルブ、4;反射部材、5;シェード、8;カバー、10;レンズカット部、13a,13b;反射部材の羽根、18a,18b;シェードの羽根、C;天井面、P;第1照明状態、Q;第2照明状態。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源を囲むカバーと、
前記カバーの内側に設けられ、前記光源の光線を側方に向けて反射する反射部と、
前記カバーの内側に設けられ、前記光源の光線を遮るシェードと、を備え、
前記反射部及び前記シェードは相対移動可能に設けられており、
前記反射部及び前記シェードを相対移動させることによって、前記シェードと前記反射部とが重なる第1照明状態と、前記シェードと前記反射部とが重ならない第2照明状態と、を切り替え可能であり、
前記第1照明状態では、前記反射部で反射された前記光源の光線が前記シェードで遮られると共に、前記反射部で反射されない前記光源の光線が前記カバーを透過し、
前記第2照明状態では、前記反射部で反射された前記光源の光線が前記カバーを透過すると共に、前記反射部で反射されない前記光源の光線が前記シェードで遮られることを特徴とする室内照明装置。
【請求項2】
前記カバーには、前記反射部に対応する箇所にレンズカット部が設けられており、
前記第1照明状態では、前記シェードと前記レンズカット部とが重なり、
前記第2照明状態では、前記シェードと前記レンズカット部とが重ならない請求項1記載の室内照明装置。
【請求項3】
前記反射部は、複数の反射部側羽根を有し且つ前記カバーに対して固定されており、前記シェードは、複数のシェード側羽根を有し且つ前記カバーに対して回動可能に設けられており、
前記第1照明状態では、前記反射部側羽根と前記シェード側羽根とが重なり、
前記第2照明状態では、前記反射部側羽根と前記シェード側羽根とが重ならない請求項1又は2に記載の室内照明装置。
【請求項4】
前記複数の反射部側羽根は、前記シェードの回転軸線と交差する方向の両側に延びる2枚の羽根であり、前記複数のシェード側羽根は、前記シェードの回転軸線と交差する方向の両側に延びる2枚の羽根である請求項3記載の室内照明装置。
【請求項5】
前記光源は1つである請求項1乃至4のいずれか一項に記載の室内照明装置。
【請求項6】
車両の天井面に取り付けられる請求項1乃至5のいずれか一項に記載の室内照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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